JP7132084B2 - 硬化性樹脂組成物、硬化物、接着剤、及び、接着フィルム - Google Patents

硬化性樹脂組成物、硬化物、接着剤、及び、接着フィルム Download PDF

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本発明は、難燃性、接着性、高温長期耐熱性、及び、吸湿リフロー耐性に優れ、かつ、環境負荷が低い硬化性樹脂組成物に関する。また、本発明は、該硬化性樹脂組成物の硬化物、並びに、該硬化性樹脂組成物を用いてなる接着剤及び接着フィルムに関する。
近年、フレキシブルプリント配線板(FPC)は、用途が車載用途にまで拡大しており、FPCやFPCを保護するカバーレイフィルムに用いられる接着剤には、高温長期耐熱性が求められている。このような接着剤には、低収縮であり、接着性、絶縁性、及び、耐薬品性に優れるエポキシ樹脂等の硬化性樹脂を用いた硬化性樹脂組成物が使用されており、特に、短時間の耐熱性に関するはんだリフロー試験や繰り返しの耐熱性に関する冷熱サイクル試験において良好な結果が得られる硬化性樹脂組成物が多く用いられている。
耐熱性に優れる硬化性樹脂組成物として、例えば、特許文献1、2には、エポキシ樹脂と、硬化剤としてイミドオリゴマーとを含有する硬化性樹脂組成物が開示されている。しかしながら、車載用途等に必要となる難燃性をこれらの硬化性樹脂組成物に付与するために難燃剤を大量に配合した場合、接着性や高温長期耐熱性が低下するという問題があった。また、難燃剤を大量に配合したこれらの硬化性樹脂組成物は、吸湿リフロー耐性に劣るという問題があった。
特許文献3には、変性ポリアミドエポキシ樹脂と、マレイミドオリゴマーと、難燃剤とを含有する硬化性樹脂組成物が開示されている。特許文献3に開示されている硬化性樹脂組成物は、難燃性を発揮しつつ、接着性や高温長期耐熱性に優れるものとされている。しかしながら、難燃剤としてハロゲン化合物を用いているため、環境負荷等の観点で問題があり、ハロゲン化合物以外の難燃剤を用いた場合、接着性や高温長期耐熱性が充分に得られないことがあるという問題があった。
特開2007-91799号公報 特開昭61-270852号公報 特開平10-130400号公報
本発明は、難燃性、接着性、高温長期耐熱性、及び、吸湿リフロー耐性に優れ、かつ、環境負荷が低い硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、該硬化性樹脂組成物の硬化物、並びに、該硬化性樹脂組成物を用いてなる接着剤及び接着フィルムを提供することを目的とする。
本発明は、硬化性樹脂と、イミドオリゴマーと、ベーマイト型水酸化アルミニウムとを含有し、上記硬化性樹脂は、エポキシ樹脂を含有し、上記イミドオリゴマーは、酸無水物基を有する硬化性樹脂組成物である。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、硬化性樹脂とイミドオリゴマーとを含有する硬化性樹脂組成物に、更に難燃剤としてベーマイト型水酸化アルミニウムを配合することを検討した。その結果、難燃性、接着性、高温長期耐熱性、及び、吸湿リフロー耐性に優れ、かつ、環境負荷が低い硬化性樹脂組成物を得ることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の硬化性樹脂組成物は、硬化性樹脂を含有する。
上記硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂が好適に用いられる。上記エポキシ樹脂は、環境負荷等の観点から、原料にハロゲン化合物を用いずに製造された非ハロゲン系のエポキシ樹脂であることが好ましい。
上記エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、2,2’-ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノール型エポキシ樹脂、プロピレンオキシド付加ビスフェノールA型エポキシ樹脂、レゾルシノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、スルフィド型エポキシ樹脂、ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレンフェノールノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、アルキルポリオール型エポキシ樹脂、ゴム変性型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル化合物等が挙げられる。なかでも、粘度が低く、得られる硬化性樹脂組成物の室温における加工性を調整しやすいことから、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、レゾルシノール型エポキシ樹脂等、常温で液状のエポキシ樹脂が好ましい。上記エポキシ樹脂は、単独で用いられてもよいし、2種類以上が併用されてもよい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、イミドオリゴマーを含有する。
上記イミドオリゴマーは、上記硬化性樹脂と反応し得る反応性官能基を有することが好ましい。
上記反応性官能基は、用いる硬化性樹脂の種類にもよるが、硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を用いる場合、酸無水物基及び/又はフェノール性水酸基であることが好ましい。
上記イミドオリゴマーは、上記反応性官能基を主鎖の末端に有することが好ましく、主鎖の両末端に有することがより好ましい。
上記反応性官能基として酸無水物基を有するイミドオリゴマーとしては、例えば、下記式(1)で表される酸二無水物に由来するセグメントと下記式(2)で表されるジアミンに由来するセグメントとを有するイミドオリゴマー等が挙げられる。この場合、下記式(1)で表される酸二無水物に由来するセグメントを主鎖の末端に有することが好ましく、主鎖の両末端に有することがより好ましい。
Figure 0007132084000001
式(1)中、Aは、下記式(3-1)又は下記式(3-2)で表される4価の基である。
Figure 0007132084000002
式(2)中、Bは、下記式(4-1)又は下記式(4-2)で表される2価の基であり、R~Rは、それぞれ独立に、水素原子又は1価の炭化水素基である。
Figure 0007132084000003
式(3-1)及び式(3-2)中、*は、結合位置であり、式(3-1)中、Zは、結合手、酸素原子、カルボニル基、硫黄原子、スルホニル基、結合位置に酸素原子を有していてもよい直鎖状若しくは分岐鎖状の2価の炭化水素基、又は、結合位置に酸素原子を有していてもよい芳香環を有する2価の基である。式(3-1)及び式(3-2)中における芳香環の水素原子は置換されていてもよい。
Figure 0007132084000004
式(4-1)及び式(4-2)中、*は、結合位置であり、式(4-1)中、Yは、結合手、酸素原子、カルボニル基、硫黄原子、スルホニル基、結合位置に酸素原子を有していてもよい直鎖状若しくは分岐鎖状の2価の炭化水素基、又は、結合位置に酸素原子を有していてもよい芳香環を有する2価の基である。式(4-1)及び式(4-2)中のフェニレン基は、一部又は全部の水素原子が水酸基又は1価の炭化水素基で置換されていてもよい。
上記反応性官能基として酸無水物基を有するイミドオリゴマーを製造する方法としては、例えば、上記式(1)で表される酸二無水物と上記式(2)で表されるジアミンとを反応させる方法等が挙げられる。
上記式(1)で表される酸二無水物と上記式(2)で表されるジアミンとを反応させる方法の具体例を以下に示す。
まず、予め上記式(2)で表されるジアミンを、反応により得られるアミック酸オリゴマーが可溶な溶媒(例えば、N-メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)に溶解させ、得られた溶液に上記式(1)で表される酸二無水物を添加して反応させてアミック酸オリゴマー溶液を得る。次いで、得られたアミック酸オリゴマー溶液から加熱や減圧等により溶媒を除去、又は、水、メタノール、ヘキサン等の貧溶媒中に投入して再沈殿させることによりアミック酸オリゴマーを回収し、更に、約200℃以上で1時間以上加熱してイミド化反応を進行させる。上記式(1)で表される酸二無水物と上記式(2)で表されるジアミンとのモル比、及び、イミド化条件を調整することにより、所望の数平均分子量を有し、両末端に反応性官能基として酸無水物基を有するイミドオリゴマーを得ることができる。
また、上記反応性官能基としてフェノール性水酸基を有するイミドオリゴマーとしては、例えば、上記式(1)で表される酸二無水物に由来するセグメントと下記式(5)で表されるフェノール性水酸基含有モノアミンに由来するセグメントとを有するイミドオリゴマー等が挙げられる。この場合、下記式(5)で表されるフェノール性水酸基含有モノアミンに由来するセグメントを主鎖の末端に有することが好ましく、主鎖の両末端に有することがより好ましい。
Figure 0007132084000005
式(5)中、Arは、置換されていてもよい2価の芳香族基であり、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は1価の炭化水素基である。
上記反応性官能基としてフェノール性水酸基を有するイミドオリゴマーを製造する方法としては、例えば、以下の方法等が挙げられる。
即ち、上記式(1)で表される酸二無水物と上記式(5)で表されるフェノール性水酸基含有モノアミンとを反応させる方法や、上記式(1)で表される酸二無水物と上記式(2)で表されるジアミンとを反応させた後、更に上記式(5)で表されるフェノール性水酸基含有モノアミンを反応させる方法等が挙げられる。
上記式(1)で表される酸二無水物と上記式(5)で表されるフェノール性水酸基含有モノアミンとを反応させる方法の具体例を以下に示す。
まず、予め上記式(5)で表されるフェノール性水酸基含有モノアミンを、反応により得られるアミック酸オリゴマーが可溶な溶媒(例えば、N-メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)に溶解させ、得られた溶液に上記式(1)で表される酸二無水物を添加して反応させてアミック酸オリゴマー溶液を得る。次いで、得られたアミック酸オリゴマー溶液から加熱や減圧等により溶媒を除去、又は、水、メタノール、ヘキサン等の貧溶媒中に投入して再沈殿させることによりアミック酸オリゴマーを回収し、更に、約200℃以上で1時間以上加熱してイミド化反応を進行させる。上記式(1)で表される酸二無水物と上記式(5)で表されるフェノール性水酸基含有モノアミンとのモル比、及び、イミド化条件を調整することにより、所望の数平均分子量を有し、両末端に反応性官能基としてフェノール性水酸基を有するイミドオリゴマーを得ることができる。
上記式(1)で表される酸二無水物と上記式(2)で表されるジアミンとを反応させた後、更に上記式(5)で表されるフェノール性水酸基含有モノアミンを反応させる方法の具体例を以下に示す。
まず、予め上記式(2)で表されるジアミンを、反応により得られるアミック酸オリゴマーが可溶な溶媒(例えば、N-メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)に溶解させ、得られた溶液に上記式(1)で表される酸二無水物を添加して反応させて、両末端に酸無水物基を有するアミック酸オリゴマー(A)の溶液を得る。次いで、得られたアミック酸オリゴマー(A)の溶液から加熱や減圧等により溶媒を除去、又は、水、メタノール、ヘキサン等の貧溶媒中に投入して再沈殿させることによりアミック酸オリゴマー(A)を回収し、更に、約200℃以上で1時間以上加熱してイミド化反応を進行させる。
このようにして得られた、両末端に反応性官能基として酸無水物基を有するイミドオリゴマーを、再度溶媒(例えば、N-メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)に溶解させ、上記式(5)で表されるフェノール性水酸基含有モノアミンを添加して反応させてアミック酸オリゴマー(B)の溶液を得る。得られたアミック酸オリゴマー(B)の溶液から加熱や減圧等により溶媒を除去、又は、水、メタノール、ヘキサン等の貧溶媒中に投入して再沈殿させることによりアミック酸オリゴマー(B)を回収し、更に、約200℃以上で1時間以上加熱してイミド化反応を進行させる。上記式(1)で表される酸二無水物と上記式(2)で表されるジアミンと上記式(5)で表されるフェノール性水酸基含有モノアミンとのモル比、及び、イミド化条件を調整することにより、所望の数平均分子量を有し、両末端に反応性官能基としてフェノール性水酸基を有するイミドオリゴマーを得ることができる。
上記式(1)で表される酸二無水物としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3’-オキシジフタル酸二無水物、3,4’-オキシジフタル酸二無水物、4,4’-オキシジフタル酸二無水物、4,4’-(4,4’-イソプロピリデンジフェノキシ)ジフタル酸無水物、4,4’-ビス(3,4-ジカルボキシルフェノキシ)ジフェニルエーテル、p-フェニレンビス(トリメリテート無水物)、2,3,3’,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、4,4’-カルボニルジフタル酸二無水物等が挙げられる。なかでも、イミドオリゴマーの軟化点や溶解性の制御、耐熱性、及び、入手性に優れることから、4,4’-(4,4’-イソプロピリデンジフェノキシ)ジフタル酸無水物、3,4’-オキシジフタル酸二無水物、4,4’-オキシジフタル酸二無水物、4,4’-カルボニルジフタル酸二無水物が好ましい。
上記式(2)で表されるジアミンとしては、例えば、3,3’-ジアミノジフェニルメタン、3,4’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,3’-ジアミノジフェニルエーテル、3,4’-ジアミノジフェニルエーテル、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、1,2-フェニレンジアミン、1,3-フェニレンジアミン、1,4-フェニレンジアミン、3,3’-ジアミノジフェニルスルフォン、4,4’-ジアミノジフェニルスルフォン、ビス(4-(3-アミノフェノキシ)フェニル)スルフォン、ビス(4-(4-アミノフェノキシ)フェニル)スルフォン、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス(4-(4-アミノフェノキシ)フェニル)メタン、2,2-ビス(4-(4-アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、1,3-ビス(2-(4-アミノフェニル)-2-プロピル)ベンゼン、1,4-ビス(2-(4-アミノフェニル)-2-プロピル)ベンゼン、3,3’-ジアミノ-4,4’-ジヒドロキシフェニルメタン、4,4’-ジアミノ-3,3’-ジヒドロキシフェニルメタン、3,3’-ジアミノ-4,4’-ジヒドロキシフェニルエーテル、ビスアミノフェニルフルオレン、ビストルイジンフルオレン、4,4’-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’-ジアミノ-3,3’-ジヒドロキシフェニルエーテル、3,3’-ジアミノ-4,4’-ジヒドロキシビフェニル、4,4’-ジアミノ-2,2’-ジヒドロキシビフェニル、3,3’-ジヒドロキシベンジジン等が挙げられる。なかでも、イミドオリゴマーの軟化点や溶解性の制御、耐熱性、及び、入手性に優れることから、3,4’-ジアミノジフェニルエーテル、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、1,2-フェニレンジアミン、1,3-フェニレンジアミン、1,4-フェニレンジアミン、ビス(4-(3-アミノフェノキシ)フェニル)スルフォン、ビス(4-(4-アミノフェノキシ)フェニル)スルフォン、1,3-ビス(2-(4-アミノフェニル)-2-プロピル)ベンゼン、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(2-(4-アミノフェニル)-2-プロピル)ベンゼン、3,3’-ジヒドロキシベンジジンが好ましい。
上記式(5)で表されるフェノール性水酸基含有モノアミンとしては、例えば、3-アミノフェノール、4-アミノフェノール、4-アミノ-o-クレゾール、5-アミノ-o-クレゾール、4-アミノ-2,3-キシレノール、4-アミノ-2,5-キシレノール、4-アミノ-2,6-キシレノール、4-アミノ-1-ナフトール、5-アミノ-2-ナフトール、6-アミノ-1-ナフトール、4-アミノ-2,6-ジフェニルフェノール等が挙げられる。なかでも、入手性及び保存安定性に優れ、高いガラス転移温度を有する硬化物が得られることから、3-アミノフェノール、4-アミノフェノール、4-アミノ-o-クレゾール、5-アミノ-o-クレゾールが好ましい。
上記イミドオリゴマーのイミド化率の好ましい下限は70%である。上記イミド化率が70%以上であることにより、高温での機械的強度及び高温長期耐熱性により優れる硬化物を得ることができる。上記イミド化率のより好ましい下限は75%、更に好ましい下限は80%である。また、上記イミドオリゴマーのイミド化率の好ましい上限は特にないが、実質的な上限は98%である。
なお、上記「イミド化率」は、フーリエ変換赤外分光法(FT-IR)により求めることができる。具体的には、フーリエ変換赤外分光光度計を用いて全反射測定法(ATR法)にて測定を行い、アミック酸のカルボニル基に由来する1660cm-1付近のピーク吸光度面積から下記式にて導出できる。上記フーリエ変換赤外分光光度計としては、例えば、UMA600(Agilent Technologies社製)等が挙げられる。また、下記式中における「アミック酸オリゴマーのピーク吸光度面積」は、上述したイミドオリゴマーを製造する各方法において、イミド化工程を行わずに溶媒を除去することで得られるアミック酸オリゴマーの吸光度面積である。上記溶媒は、エバポレーションにより除去することができる。
イミド化率(%)=100×(1-(イミド化後のピーク吸光度面積)/(アミック酸オリゴマーのピーク吸光度面積))
上記イミドオリゴマーは、単独で用いられてもよいし、2種類以上が組み合わせて用いられてもよい。
上記イミドオリゴマーの数平均分子量の好ましい下限は400、好ましい上限は5000である。上記数平均分子量がこの範囲であることにより、得られる硬化物が接着性や高温長期耐熱性により優れるものとなる。上記イミドオリゴマーの数平均分子量のより好ましい下限は500、より好ましい上限は4000である。
なお、本明細書において上記「数平均分子量」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定を行い、ポリスチレン換算により求められる値である。GPCによってポリスチレン換算による数平均分子量を測定する際に用いるカラムとしては、例えば、JAIGEL-2H-A(日本分析工業社製)等が挙げられる。
上記イミドオリゴマーの軟化点の好ましい上限は250℃である。上記イミドオリゴマーの軟化点が250℃以下であることにより、得られる硬化物が、接着性や高温長期耐熱性により優れるものとなる。上記イミドオリゴマーの軟化点のより好ましい上限は200℃である。
上記イミドオリゴマーの軟化点の好ましい下限は特にないが、実質的な下限は60℃である。
なお、上記イミドオリゴマーの軟化点は、JIS K 2207に従い、環球法により求めることができる。
上記イミドオリゴマーの融点の好ましい上限は300℃である。上記イミドオリゴマーの融点が300℃以下であることにより、得られる硬化性樹脂組成物が、接着性や高温長期耐熱性により優れるものとなる。上記イミドオリゴマーの融点のより好ましい上限は250℃である。
なお、上記イミドオリゴマーの融点は、示差走査熱量測定又は市販の融点測定器により求めることができる。
上記硬化性樹脂と上記イミドオリゴマーとの合計100重量部中における上記イミドオリゴマーの含有量の好ましい下限は10重量部、好ましい上限は90重量部である。上記イミドオリゴマーの含有量がこの範囲であることにより、得られる硬化性樹脂組成物の硬化物が高温での機械的強度、接着性、及び、高温長期耐熱性により優れるものとなる。上記イミドオリゴマーの含有量のより好ましい下限は20重量部、より好ましい上限は80重量部である。
本発明の硬化性樹脂組成物は、本発明の目的を阻害しない範囲において、上記イミドオリゴマーに加えて他の硬化剤を含有してもよい。
上記他の硬化剤としては、例えば、フェノール系硬化剤、チオール系硬化剤、アミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、シアネート系硬化剤、活性エステル系硬化剤等が挙げられる。なかでも、フェノール系硬化剤、酸無水物系硬化剤、シアネート系硬化剤、活性エステル系硬化剤が好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物が上記他の硬化剤を含有する場合、上記イミドオリゴマーと上記他の硬化剤との合計100重量部中における上記他の硬化剤の含有割合の好ましい上限は70重量部、より好ましい上限は50重量部、更に好ましい上限は30重量部である。
本発明の硬化性樹脂組成物は、ベーマイト型水酸化アルミニウムを含有する。
上記ベーマイト型水酸化アルミニウムを含有することにより、本発明の硬化性樹脂組成物は、優れた接着性及び高温長期耐熱性を維持したまま、ハロゲン化合物等を使用することなく優れた難燃性及び吸湿リフロー耐性を有するものとなる。
上記ベーマイト型水酸化アルミニウムの平均粒子径の好ましい下限は0.1μm、好ましい上限は10μmである。上記ベーマイト型水酸化アルミニウムの平均粒子径がこの範囲であることにより、塗布性等を悪化させることなく、硬化性樹脂組成物中における分散性により優れるものとなり、難燃性を向上させる効果により優れるものとなる。上記ベーマイト型水酸化アルミニウムの平均粒子径のより好ましい下限は0.5μm、より好ましい上限は8μmである。
なお、上記ベーマイト型水酸化アルミニウムの平均粒子径は、粒度分布測定装置を用いて、上記ベーマイト型水酸化アルミニウムを溶媒(水、有機溶媒等)に分散させて測定することができる。上記粒度分布測定装置としては、例えば、NICOMP 380ZLS(PARTICLE SIZING SYSTEMS社製)等が挙げられる。
上記ベーマイト型水酸化アルミニウムの含有量は、上記硬化性樹脂と上記イミドオリゴマーとの合計100重量部に対して、好ましい下限が10重量部、好ましい上限が150重量部である。上記ベーマイト型水酸化アルミニウムの含有量が10重量部以上であることにより、得られる硬化性樹脂組成物が難燃性により優れるものとなる。上記ベーマイト型水酸化アルミニウムの含有量が150重量部以下であることにより、得られる硬化性樹脂組成物が接着性により優れるものとなる。上記ベーマイト型水酸化アルミニウムの含有量のより好ましい下限は20重量部、より好ましい上限は100重量部である。
本発明の硬化性樹脂組成物は、硬化促進剤を含有することが好ましい。上記硬化促進剤を含有することにより、硬化時間を短縮させて生産性を向上させることができる。
上記硬化促進剤としては、例えば、イミダゾール系硬化促進剤、3級アミン系硬化促進剤、ホスフィン系硬化促進剤、リン系硬化促進剤、光塩基発生剤、スルホニウム塩系硬化促進剤等が挙げられる。なかでも、保存安定性に優れることから、イミダゾール系硬化促進剤が好ましい。
上記硬化促進剤の含有量は、上記硬化性樹脂と上記イミドオリゴマーとの合計100重量部に対して、好ましい下限が0.01重量部、好ましい上限が10重量部である。上記硬化促進剤の含有量がこの範囲であることにより、優れた接着性等を維持したまま、硬化時間を短縮させる効果により優れるものとなる。上記硬化促進剤の含有量のより好ましい下限は0.05重量部、より好ましい上限は5重量部である。
本発明の硬化性樹脂組成物は、硬化後の線膨張率を低下させてそりを低減させたり、接着信頼性をより向上させたりすること等を目的として無機充填剤を含有してもよい。
上記無機充填剤としては、例えば、シリカ、硫酸バリウム、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ガラスパウダー、ガラスフリット、ガラス繊維、カーボンファイバー、無機イオン交換体等が挙げられる。
上記無機充填剤の含有量は、上記硬化性樹脂と上記イミドオリゴマーとの合計100重量部に対して、好ましい下限が10重量部、好ましい上限が300重量部である。上記無機充填剤の含有量がこの範囲であることにより、優れた加工性等を維持したまま、接着信頼性を向上させる等の効果により優れるものとなる。上記無機充填剤の含有量のより好ましい下限は20重量部、より好ましい上限は200重量部である。
また、無機充填剤は、被着体への短時間での塗れ性と形状保持性とを向上させる等の目的で流動調整剤として用いることもできる。
流動調整剤として用いられる無機充填剤は、例えば、アエロジル等のヒュームドシリカや層状ケイ酸塩等が挙げられる。
上記流動調整剤として用いる無機充填剤の含有量は、上記硬化性樹脂と上記イミドオリゴマーとの合計100重量部に対して、好ましい下限が0.1重量部、好ましい上限が50重量部である。上記流動調整剤として用いる無機充填剤の含有量がこの範囲であることにより、被着体への短時間での塗れ性と形状保持性とを向上させる等の効果により優れるものとなる。上記流動調整剤として用いる無機充填剤の含有量のより好ましい下限は0.5重量部、より好ましい上限は30重量部である。
本発明の硬化性樹脂組成物は、応力緩和、靭性付与等を目的として有機充填剤を含有してもよい。
上記有機充填剤としては、例えば、シリコーンゴム粒子、アクリルゴム粒子、ウレタンゴム粒子、ポリアミド粒子、ポリアミドイミド粒子、ポリイミド粒子、ベンゾグアナミン粒子、及び、これらのコアシェル粒子等が挙げられる。なかでも、ポリアミド粒子、ポリアミドイミド粒子、ポリイミド粒子が好ましい。
上記有機充填剤の含有量は、上記硬化性樹脂と上記イミドオリゴマーとの合計100重量部に対して、好ましい上限が300重量部である。上記有機充填剤の含有量がこの範囲であることにより、優れた接着性等を維持したまま、得られる硬化物が靭性等により優れるものとなる。上記有機充填剤の含有量のより好ましい上限は200重量部である。
本発明の硬化性樹脂組成物は、本発明の目的を阻害しない範囲で高分子化合物を含有してもよい。上記高分子化合物は、造膜成分としての役割を果たす。
上記高分子化合物は、反応性官能基を有していてもよい。
上記高分子化合物が反応性官能基を有する場合、該高分子化合物が有する反応性官能基としては、例えば、アミノ基、ウレタン基、イミド基、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基等が挙げられる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、本発明の目的を阻害しない範囲で反応性希釈剤を含有してもよい。
上記反応性希釈剤としては、接着信頼性の観点から、1分子中に2つ以上の反応性官能基を有する反応性希釈剤が好ましい。
上記反応性希釈剤の有する反応性官能基としては、上述した高分子化合物が有する反応性官能基と同様のものが挙げられる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、更に、溶剤、カップリング剤、分散剤、貯蔵安定化剤、ブリード防止剤、フラックス剤、レベリング剤等の添加剤を含有してもよい。
上記溶剤としては、メチルエチルケトンが好適に用いられる。
本発明の硬化性樹脂組成物を製造する方法としては、例えば、ホモディスパー、万能ミキサー、バンバリーミキサー、ニーダー等の混合機を用いて、硬化性樹脂と、イミドオリゴマーと、ベーマイト型水酸化アルミニウムと、必要に応じて添加する硬化促進剤や無機充填剤等とを混合する方法等が挙げられる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、広い用途に用いることができるが、特に高い耐熱性が求められている電子材料用途に好適に用いることができる。例えば、航空、車載用電気制御ユニット(ECU)用途や、SiC、GaNを用いたパワーデバイス用途におけるダイアタッチ剤等に用いることができる。また、例えば、パワーオーバーレイパッケージ用接着剤、封止剤、フレキシブルプリント基板又はカバーレイフィルム用接着剤、銅張積層板、半導体接合用接着剤、層間絶縁膜、プリプレグ、LED用封止剤、構造材料用接着剤等にも用いることができる。なかでも、フレキシブルプリント基板又はカバーレイフィルムの接着に好適に用いられる。
本発明の硬化性樹脂組成物の硬化物もまた、本発明の1つである。
本発明の硬化性樹脂組成物を用いてなる接着剤もまた、本発明の1つである。本発明の接着剤をフィルム上に塗工した後、乾燥させる等の方法により、接着フィルムを得ることができる。本発明の接着剤を用いてなる接着フィルムもまた、本発明の1つである。
本発明によれば、難燃性、接着性、高温長期耐熱性、及び、吸湿リフロー耐性に優れ、かつ、環境負荷が低い硬化性樹脂組成物を提供することができる。また、本発明によれば、該硬化性樹脂組成物の硬化物、並びに、該硬化性樹脂組成物を用いてなる接着剤及び接着フィルムを提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(合成例1(イミドオリゴマーAの作製))
1,4-ビス(2-(4-アミノフェニル)-2-プロピル)ベンゼン17.2重量部をN-メチルピロリドン200重量部に溶解させた。1,4-ビス(2-(4-アミノフェニル)-2-プロピル)ベンゼンとしては、ビスアニリンP(三井化学ファイン社製)を用い、N-メチルピロリドンとしては、富士フイルム和光純薬社製の試薬を用いた。得られた溶液に4,4’-(4,4’-イソプロピリデンジフェノキシ)ジフタル酸無水物52.0重量部を添加し、25℃で2時間撹拌して反応させてアミック酸オリゴマー溶液を得た。4,4’-(4,4’-イソプロピリデンジフェノキシ)ジフタル酸無水物としては、東京化成工業社製の試薬を用いた。得られたアミック酸オリゴマー溶液からN-メチルピロリドンを減圧除去した後、300℃で2時間加熱することにより、イミドオリゴマーA(イミド化率97%)を得た。
なお、H-NMR、GPC、及び、FT-IR分析により、イミドオリゴマーAは、下記式(6)で表されるイミドオリゴマーを主成分とすることを確認した。また、イミドオリゴマーAの軟化点は155℃、融点は170℃であった。
Figure 0007132084000006
(合成例2(イミドオリゴマーBの作製))
3-アミノフェノール21.8重量部をN-メチルピロリドン200重量部に溶解させた。得られた溶液に4,4’-(4,4’-イソプロピリデンジフェノキシ)ジフタル酸無水物17.2重量部を添加し、25℃で2時間撹拌して反応させてアミック酸オリゴマー溶液を得た。得られたアミック酸オリゴマー溶液からN-メチルピロリドンを減圧除去した後、300℃で2時間加熱することにより、イミドオリゴマーB(イミド化率96%)を得た。
なお、H-NMR、GPC、及び、FT-IR分析により、イミドオリゴマーBは、下記式(7)で表されるイミドオリゴマーを主成分とすることを確認した。また、イミドオリゴマーBの軟化点は134℃、融点は154℃であった。
Figure 0007132084000007
(実施例1~4、6~13、参考例5、比較例1~4)
表1、2に記載された配合比に従い、各材料を撹拌混合し、実施例1~4、6~13、参考例5、比較例1~4の各硬化性樹脂組成物を作製した。
<評価>
実施例、参考例、及び比較例で得られた各硬化性樹脂組成物について以下の評価を行った。結果を表1、2に示した。
(難燃性)
実施例、参考例、及び比較例で得られた各硬化性樹脂組成物を、厚みが約20μmとなるように、ポリイミド基材(厚さ25μm)上に塗工し、乾燥させることにより、接着フィルムを得た。ポリイミド基材としては、カプトン100H(東レ・デュポン社製)を用いた。得られた接着フィルムを190℃1時間加熱し、ポリイミド基材の片面に硬化物が形成された硬化フィルムを得た。
得られた硬化フィルムを長さ5インチ×幅1/2インチの大きさにカットし、試験片を作製した。
得られた試験片について、米国UL規格のUL-94に規定されている垂直燃焼試験に従って難燃性を評価した。
(5%重量減少温度)
実施例、参考例、及び比較例で得られた各硬化性樹脂組成物を離型PETフィルム上に塗工し、乾燥させることにより、20μm厚の接着フィルムを得た。
得られた接着フィルムを190℃で1時間加熱することにより硬化させた硬化物について、熱重量測定装置を用いて、40℃~450℃の温度範囲、10℃/minの昇温条件で5%重量減少温度を測定した。熱重量測定装置としては、EXTEAR TG/DTA6200(エスアイアイ・ナノテクノロジー社製)を用いた。
(接着性)
実施例、参考例、及び比較例で得られた各硬化性樹脂組成物を厚みが約20μmとなるように離型PETフィルム上に塗工し、乾燥させることにより、接着フィルムを得た。得られた接着フィルムからPETフィルムを剥離し、ラミネーターを用いて、80℃に加熱しながら接着剤層の両面にポリイミド基材(厚さ50μm)を貼り合わせた。ポリイミド基材としては、カプトン200H(東レ・デュポン社製)を用いた。190℃、3MPa、1時間の条件で熱プレスを行い、接着層を硬化させた後、1cm幅に切り出して試験片を得た。
得られた試験片について、引張試験機により、剥離速度20mm/minでT字剥離を行い、接着力を測定した。引張試験機としては、UCT-500(ORIENTEC社製)を用いた。
接着力が3.4N/cm以上であった場合を「○」、2.0N/cm以上3.4N/cm未満であった場合を「△」、2.0N/cm未満であった場合を「×」として接着性を評価した。
(高温長期耐熱性)
上記「(接着性)」の評価と同様にして得られた試験片について、175℃で1000時間熱処理を行った。熱処理後の試験片について、引張試験機を用いて、剥離速度20mm/minでT字剥離を行い、接着力を測定した。引張試験機としては、UCT-500(ORIENTEC社製)を用いた。
接着力が3.4N/cm以上であった場合を「○」、2.0N/cm以上3.4N/cm未満であった場合を「△」、2.0N/cm未満であった場合を「×」として高温長期耐熱性を評価した。
(吸湿リフロー耐性)
上記「(接着性)」の評価と同様にして得られた試験片について、40℃、90%RHの環境下に3日間放置した後、260℃で20秒間加熱する吸湿リフロー試験を行った。吸湿リフロー試験後の試験片について、目視にて気泡の有無を確認した。
気泡が確認されなかった場合を「○」、気泡が確認された場合を「×」として吸湿リフロー耐性を評価した。
(めっき耐性)
実施例、参考例、及び比較例で得られた各硬化性樹脂組成物を、厚みが約20μmとなるようにポリイミド基材(厚さ25μm)上に塗工し、乾燥させることにより、接着フィルムを得た。ポリイミド基材としては、カプトン100H(東レ・デュポン社製)を用いた。得られた接着フィルムに10mm×10mmの開口部を設け、L/S=100μm/100μm、厚み18μmの銅配線パターンと、厚み50μmのポリイミドフィルムからなる銅張積層版に貼り合わせてFPC評価用サンプルを作製した。なお、貼り合わせは190℃、3MPa、1時間の条件で熱プレスにより行った。
得られたFPC評価用サンプルについて、市販品の無電解ニッケルめっき浴および無電解金めっき浴を用いて、80℃~90℃で、ニッケル5μm、金0.05μmの条件でめっきを行った。開口部の接着フィルム端部を光学顕微鏡にて観察し、めっき液の浸出が確認されなかった場合を「○」、端部にめっき液の浸出が確認された場合を「×」としてめっき耐性を評価した。
Figure 0007132084000008
Figure 0007132084000009
本発明によれば、難燃性、接着性、高温長期耐熱性、及び、吸湿リフロー耐性に優れ、かつ、環境負荷が低い硬化性樹脂組成物を提供することができる。また、本発明によれば、該硬化性樹脂組成物の硬化物、並びに、該硬化性樹脂組成物を用いてなる接着剤及び接着フィルムを提供することができる。

Claims (8)

  1. 硬化性樹脂と、イミドオリゴマーと、ベーマイト型水酸化アルミニウムとを含有し、
    前記硬化性樹脂は、エポキシ樹脂を含有し、
    前記イミドオリゴマーは、酸無水物基を有する
    ことを特徴とする硬化性樹脂組成物。
  2. 前記イミドオリゴマーのイミド化率が70%以上である請求項記載の硬化性樹脂組成物。
  3. 前記ベーマイト型水酸化アルミニウムは、平均粒子径が0.1μm以上10μm以下の粒子である請求項1又は2記載の硬化性樹脂組成物。
  4. 前記硬化性樹脂と前記イミドオリゴマーとの合計100重量部に対する前記ベーマイト型水酸化アルミニウムの含有量が10重量部以上150重量部以下である請求項1、2又は3記載の硬化性樹脂組成物。
  5. フレキシブルプリント基板又はカバーレイフィルムの接着に用いられる請求項1、2、3又は4記載の硬化性樹脂組成物。
  6. 請求項1、2、3、4又は5記載の硬化性樹脂組成物の硬化物。
  7. 請求項1、2、3、4又は5記載の硬化性樹脂組成物を用いてなる接着剤。
  8. 請求項記載の接着剤を用いてなる接着フィルム。
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