JP2019081892A - 硬化性樹脂組成物、硬化物、接着剤、及び、接着フィルム - Google Patents
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Description
以下に本発明を詳述する。
上記硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂が好適に用いられる。上記エポキシ樹脂は、環境負荷等の観点から、原料にハロゲン化合物を用いずに製造された非ハロゲン系のエポキシ樹脂であることが好ましい。
上記イミドオリゴマーは、上記硬化性樹脂と反応し得る反応性官能基を有することが好ましい。
上記反応性官能基は、用いる硬化性樹脂の種類にもよるが、硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を用いる場合、酸無水物基及び/又はフェノール性水酸基であることが好ましい。
上記イミドオリゴマーは、上記反応性官能基を主鎖の末端に有することが好ましく、主鎖の両末端に有することがより好ましい。
まず、予め上記式(2)で表されるジアミンを、反応により得られるアミック酸オリゴマーが可溶な溶媒(例えば、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)に溶解させ、得られた溶液に上記式(1)で表される酸二無水物を添加して反応させてアミック酸オリゴマー溶液を得る。次いで、得られたアミック酸オリゴマー溶液から加熱や減圧等により溶媒を除去、又は、水、メタノール、ヘキサン等の貧溶媒中に投入して再沈殿させることによりアミック酸オリゴマーを回収し、更に、約200℃以上で1時間以上加熱してイミド化反応を進行させる。上記式(1)で表される酸二無水物と上記式(2)で表されるジアミンとのモル比、及び、イミド化条件を調整することにより、所望の数平均分子量を有し、両末端に反応性官能基として酸無水物基を有するイミドオリゴマーを得ることができる。
即ち、上記式(1)で表される酸二無水物と上記式(5)で表されるフェノール性水酸基含有モノアミンとを反応させる方法や、上記式(1)で表される酸二無水物と上記式(2)で表されるジアミンとを反応させた後、更に上記式(5)で表されるフェノール性水酸基含有モノアミンを反応させる方法等が挙げられる。
まず、予め上記式(5)で表されるフェノール性水酸基含有モノアミンを、反応により得られるアミック酸オリゴマーが可溶な溶媒(例えば、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)に溶解させ、得られた溶液に上記式(1)で表される酸二無水物を添加して反応させてアミック酸オリゴマー溶液を得る。次いで、得られたアミック酸オリゴマー溶液から加熱や減圧等により溶媒を除去、又は、水、メタノール、ヘキサン等の貧溶媒中に投入して再沈殿させることによりアミック酸オリゴマーを回収し、更に、約200℃以上で1時間以上加熱してイミド化反応を進行させる。上記式(1)で表される酸二無水物と上記式(5)で表されるフェノール性水酸基含有モノアミンとのモル比、及び、イミド化条件を調整することにより、所望の数平均分子量を有し、両末端に反応性官能基としてフェノール性水酸基を有するイミドオリゴマーを得ることができる。
まず、予め上記式(2)で表されるジアミンを、反応により得られるアミック酸オリゴマーが可溶な溶媒(例えば、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)に溶解させ、得られた溶液に上記式(1)で表される酸二無水物を添加して反応させて、両末端に酸無水物基を有するアミック酸オリゴマー(A)の溶液を得る。次いで、得られたアミック酸オリゴマー(A)の溶液から加熱や減圧等により溶媒を除去、又は、水、メタノール、ヘキサン等の貧溶媒中に投入して再沈殿させることによりアミック酸オリゴマー(A)を回収し、更に、約200℃以上で1時間以上加熱してイミド化反応を進行させる。
このようにして得られた、両末端に反応性官能基として酸無水物基を有するイミドオリゴマーを、再度溶媒(例えば、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)に溶解させ、上記式(5)で表されるフェノール性水酸基含有モノアミンを添加して反応させてアミック酸オリゴマー(B)の溶液を得る。得られたアミック酸オリゴマー(B)の溶液から加熱や減圧等により溶媒を除去、又は、水、メタノール、ヘキサン等の貧溶媒中に投入して再沈殿させることによりアミック酸オリゴマー(B)を回収し、更に、約200℃以上で1時間以上加熱してイミド化反応を進行させる。上記式(1)で表される酸二無水物と上記式(2)で表されるジアミンと上記式(5)で表されるフェノール性水酸基含有モノアミンとのモル比、及び、イミド化条件を調整することにより、所望の数平均分子量を有し、両末端に反応性官能基としてフェノール性水酸基を有するイミドオリゴマーを得ることができる。
なお、上記「イミド化率」は、フーリエ変換赤外分光法(FT−IR)により求めることができる。具体的には、フーリエ変換赤外分光光度計を用いて全反射測定法(ATR法)にて測定を行い、アミック酸のカルボニル基に由来する1660cm−1付近のピーク吸光度面積から下記式にて導出できる。上記フーリエ変換赤外分光光度計としては、例えば、UMA600(Agilent Technologies社製)等が挙げられる。また、下記式中における「アミック酸オリゴマーのピーク吸光度面積」は、上述したイミドオリゴマーを製造する各方法において、イミド化工程を行わずに溶媒を除去することで得られるアミック酸オリゴマーの吸光度面積である。上記溶媒は、エバポレーションにより除去することができる。
イミド化率(%)=100×(1−(イミド化後のピーク吸光度面積)/(アミック酸オリゴマーのピーク吸光度面積))
なお、本明細書において上記「数平均分子量」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定を行い、ポリスチレン換算により求められる値である。GPCによってポリスチレン換算による数平均分子量を測定する際に用いるカラムとしては、例えば、JAIGEL−2H−A(日本分析工業社製)等が挙げられる。
上記イミドオリゴマーの軟化点の好ましい下限は特にないが、実質的な下限は60℃である。
なお、上記イミドオリゴマーの軟化点は、JIS K 2207に従い、環球法により求めることができる。
なお、上記イミドオリゴマーの融点は、示差走査熱量測定又は市販の融点測定器により求めることができる。
上記他の硬化剤としては、例えば、フェノール系硬化剤、チオール系硬化剤、アミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、シアネート系硬化剤、活性エステル系硬化剤等が挙げられる。なかでも、フェノール系硬化剤、酸無水物系硬化剤、シアネート系硬化剤、活性エステル系硬化剤が好ましい。
上記ベーマイト型水酸化アルミニウムを含有することにより、本発明の硬化性樹脂組成物は、優れた接着性及び高温長期耐熱性を維持したまま、ハロゲン化合物等を使用することなく優れた難燃性及び吸湿リフロー耐性を有するものとなる。
なお、上記ベーマイト型水酸化アルミニウムの平均粒子径は、粒度分布測定装置を用いて、上記ベーマイト型水酸化アルミニウムを溶媒(水、有機溶媒等)に分散させて測定することができる。上記粒度分布測定装置としては、例えば、NICOMP 380ZLS(PARTICLE SIZING SYSTEMS社製)等が挙げられる。
上記有機充填剤としては、例えば、シリコーンゴム粒子、アクリルゴム粒子、ウレタンゴム粒子、ポリアミド粒子、ポリアミドイミド粒子、ポリイミド粒子、ベンゾグアナミン粒子、及び、これらのコアシェル粒子等が挙げられる。なかでも、ポリアミド粒子、ポリアミドイミド粒子、ポリイミド粒子が好ましい。
上記高分子化合物が反応性官能基を有する場合、該高分子化合物が有する反応性官能基としては、例えば、アミノ基、ウレタン基、イミド基、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基等が挙げられる。
上記反応性希釈剤としては、接着信頼性の観点から、1分子中に2つ以上の反応性官能基を有する反応性希釈剤が好ましい。
上記反応性希釈剤の有する反応性官能基としては、上述した高分子化合物が有する反応性官能基と同様のものが挙げられる。
上記溶剤としては、メチルエチルケトンが好適に用いられる。
本発明の硬化性樹脂組成物を用いてなる接着剤もまた、本発明の1つである。本発明の接着剤をフィルム上に塗工した後、乾燥させる等の方法により、接着フィルムを得ることができる。本発明の接着剤を用いてなる接着フィルムもまた、本発明の1つである。
1,4−ビス(2−(4−アミノフェニル)−2−プロピル)ベンゼン17.2重量部をN−メチルピロリドン200重量部に溶解させた。1,4−ビス(2−(4−アミノフェニル)−2−プロピル)ベンゼンとしては、ビスアニリンP(三井化学ファイン社製)を用い、N−メチルピロリドンとしては、富士フイルム和光純薬社製の試薬を用いた。得られた溶液に4,4’−(4,4’−イソプロピリデンジフェノキシ)ジフタル酸無水物52.0重量部を添加し、25℃で2時間撹拌して反応させてアミック酸オリゴマー溶液を得た。4,4’−(4,4’−イソプロピリデンジフェノキシ)ジフタル酸無水物としては、東京化成工業社製の試薬を用いた。得られたアミック酸オリゴマー溶液からN−メチルピロリドンを減圧除去した後、300℃で2時間加熱することにより、イミドオリゴマーA(イミド化率97%)を得た。
なお、1H−NMR、GPC、及び、FT−IR分析により、イミドオリゴマーAは、下記式(6)で表されるイミドオリゴマーを主成分とすることを確認した。また、イミドオリゴマーAの軟化点は155℃、融点は170℃であった。
3−アミノフェノール21.8重量部をN−メチルピロリドン200重量部に溶解させた。得られた溶液に4,4’−(4,4’−イソプロピリデンジフェノキシ)ジフタル酸無水物17.2重量部を添加し、25℃で2時間撹拌して反応させてアミック酸オリゴマー溶液を得た。得られたアミック酸オリゴマー溶液からN−メチルピロリドンを減圧除去した後、300℃で2時間加熱することにより、イミドオリゴマーB(イミド化率96%)を得た。
なお、1H−NMR、GPC、及び、FT−IR分析により、イミドオリゴマーBは、下記式(7)で表されるイミドオリゴマーを主成分とすることを確認した。また、イミドオリゴマーBの軟化点は134℃、融点は154℃であった。
表1、2に記載された配合比に従い、各材料を撹拌混合し、実施例1〜13、比較例1〜4の各硬化性樹脂組成物を作製した。
実施例及び比較例で得られた各硬化性樹脂組成物について以下の評価を行った。結果を表1、2に示した。
実施例及び比較例で得られた各硬化性樹脂組成物を、厚みが約20μmとなるように、ポリイミド基材(厚さ25μm)上に塗工し、乾燥させることにより、接着フィルムを得た。ポリイミド基材としては、カプトン100H(東レ・デュポン社製)を用いた。得られた接着フィルムを190℃1時間加熱し、ポリイミド基材の片面に硬化物が形成された硬化フィルムを得た。
得られた硬化フィルムを長さ5インチ×幅1/2インチの大きさにカットし、試験片を作製した。
得られた試験片について、米国UL規格のUL−94に規定されている垂直燃焼試験に従って難燃性を評価した。
実施例及び比較例で得られた各硬化性樹脂組成物を離型PETフィルム上に塗工し、乾燥させることにより、20μm厚の接着フィルムを得た。
得られた接着フィルムを190℃で1時間加熱することにより硬化させた硬化物について、熱重量測定装置を用いて、40℃〜450℃の温度範囲、10℃/minの昇温条件で5%重量減少温度を測定した。熱重量測定装置としては、EXTEAR TG/DTA6200(エスアイアイ・ナノテクノロジー社製)を用いた。
実施例及び比較例で得られた各硬化性樹脂組成物を厚みが約20μmとなるように離型PETフィルム上に塗工し、乾燥させることにより、接着フィルムを得た。得られた接着フィルムからPETフィルムを剥離し、ラミネーターを用いて、80℃に加熱しながら接着剤層の両面にポリイミド基材(厚さ50μm)を貼り合わせた。ポリイミド基材としては、カプトン200H(東レ・デュポン社製)を用いた。190℃、3MPa、1時間の条件で熱プレスを行い、接着層を硬化させた後、1cm幅に切り出して試験片を得た。
得られた試験片について、引張試験機により、剥離速度20mm/minでT字剥離を行い、接着力を測定した。引張試験機としては、UCT−500(ORIENTEC社製)を用いた。
接着力が3.4N/cm以上であった場合を「○」、2.0N/cm以上3.4N/cm未満であった場合を「△」、2.0N/cm未満であった場合を「×」として接着性を評価した。
上記「(接着性)」の評価と同様にして得られた試験片について、175℃で1000時間熱処理を行った。熱処理後の試験片について、引張試験機を用いて、剥離速度20mm/minでT字剥離を行い、接着力を測定した。引張試験機としては、UCT−500(ORIENTEC社製)を用いた。
接着力が3.4N/cm以上であった場合を「○」、2.0N/cm以上3.4N/cm未満であった場合を「△」、2.0N/cm未満であった場合を「×」として高温長期耐熱性を評価した。
上記「(接着性)」の評価と同様にして得られた試験片について、40℃、90%RHの環境下に3日間放置した後、260℃で20秒間加熱する吸湿リフロー試験を行った。吸湿リフロー試験後の試験片について、目視にて気泡の有無を確認した。
気泡が確認されなかった場合を「○」、気泡が確認された場合を「×」として吸湿リフロー耐性を評価した。
実施例及び比較例で得られた各硬化性樹脂組成物を、厚みが約20μmとなるようにポリイミド基材(厚さ25μm)上に塗工し、乾燥させることにより、接着フィルムを得た。ポリイミド基材としては、カプトン100H(東レ・デュポン社製)を用いた。得られた接着フィルムに10mm×10mmの開口部を設け、L/S=100μm/100μm、厚み18μmの銅配線パターンと、厚み50μmのポリイミドフィルムからなる銅張積層版に貼り合わせてFPC評価用サンプルを作製した。なお、貼り合わせは190℃、3MPa、1時間の条件で熱プレスにより行った。
得られたFPC評価用サンプルについて、市販品の無電解ニッケルめっき浴および無電解金めっき浴を用いて、80℃〜90℃で、ニッケル5μm、金0.05μmの条件でめっきを行った。開口部の接着フィルム端部を光学顕微鏡にて観察し、めっき液の浸出が確認されなかった場合を「○」、端部にめっき液の浸出が確認された場合を「×」としてめっき耐性を評価した。
Claims (11)
- 硬化性樹脂と、イミドオリゴマーと、ベーマイト型水酸化アルミニウムとを含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物。
- 前記硬化性樹脂は、エポキシ樹脂を含有する請求項1記載の硬化性樹脂組成物。
- 前記イミドオリゴマーは、前記硬化性樹脂と反応し得る反応性官能基を有する請求項1又は2記載の硬化性樹脂組成物。
- 前記反応性官能基は、酸無水物基及び/又はフェノール性水酸基である請求項3記載の硬化性樹脂組成物。
- 前記イミドオリゴマーのイミド化率が70%以上である請求項1、2、3又は4記載の硬化性樹脂組成物。
- 前記ベーマイト型水酸化アルミニウムは、平均粒子径が0.1μm以上10μm以下の粒子である請求項1、2、3、4又は5記載の硬化性樹脂組成物。
- 前記硬化性樹脂と前記イミドオリゴマーとの合計100重量部に対する前記ベーマイト型水酸化アルミニウムの含有量が10重量部以上150重量部以下である請求項1、2、3、4、5又は6記載の硬化性樹脂組成物。
- フレキシブルプリント基板又はカバーレイフィルムの接着に用いられる請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の硬化性樹脂組成物。
- 請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の硬化性樹脂組成物の硬化物。
- 請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の硬化性樹脂組成物を用いてなる接着剤。
- 請求項10記載の接着剤を用いてなる接着フィルム。
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