JP2020125380A - 樹脂組成物、硬化物、及び、ビルドアップフィルム - Google Patents

樹脂組成物、硬化物、及び、ビルドアップフィルム Download PDF

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Abstract

【課題】硬化後の耐熱性及び誘電特性に優れる樹脂組成物を提供する。また、該樹脂組成物の硬化物、及び、該樹脂組成物を用いてなるビルドアップフィルムを提供する。【解決手段】硬化性樹脂と硬化剤と無機充填剤とを含有する樹脂組成物であって、前記硬化性樹脂は、数平均分子量が500以上である重合性化合物を含み、前記硬化剤は、下式(1)で表されるエステル化合物を含み、前記無機充填剤は、平均粒子径が50nm以上5μm以下である樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、硬化後の耐熱性及び誘電特性に優れる樹脂組成物に関する。また、本発明は、該樹脂組成物の硬化物、及び、該樹脂組成物を用いてなるビルドアップフィルムに関する。
低収縮であり、接着性、絶縁性、及び、耐薬品性に優れるエポキシ樹脂等の硬化性樹脂は、多くの工業製品に使用されている。特に、プリント配線板の層間絶縁材料等に用いられる樹脂組成物には、低誘電率、低誘電正接といった誘電特性が必要となる。このような誘電特性に優れる樹脂組成物として、例えば、特許文献1、2には、硬化性樹脂と、硬化剤として特定の構造を有する化合物とを含有する樹脂組成物が開示されている。しかしながら、このような樹脂組成物は、硬化後の耐熱性と誘電特性とを両立することが困難であるという問題があった。
特開2017−186551号公報 国際公開第2016/114286号
本発明は、硬化後の耐熱性及び誘電特性に優れる樹脂組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、該樹脂組成物の硬化物、及び、該樹脂組成物を用いてなるビルドアップフィルムを提供することを目的とする。
本発明は、硬化性樹脂と硬化剤と無機充填剤とを含有する樹脂組成物であって、上記硬化性樹脂は、数平均分子量が500以上である重合性化合物を含み、上記硬化剤は、下記式(1)で表されるエステル化合物を含み、上記無機充填剤は、平均粒子径が50nm以上5μm以下である樹脂組成物である。
Figure 2020125380
式(1)中、R及びRは、それぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよく、置換されていてもよい多環式アリール基であり、Xは、それぞれ独立して、酸素原子、スルホニル基、カルボニル基、又は、下記式(2)で表される基であり、Yは、置換されていてもよいアリーレン基を有する2価の有機基であり、Arは、置換されていてもよいアリーレン基であり、nは、繰り返し数である。
Figure 2020125380
式(2)中、R及びRは、それぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよく、酸素原子、スルホニル基、又は、カルボニル基であり、Rは、2価の有機基であり、*は、結合位置である。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、樹脂組成物に硬化性樹脂として数平均分子量が特定値以上である重合性化合物、及び、無機充填剤として平均粒子径が特定の範囲の粒子を配合することにより、得られる硬化物の線膨張率を低くして耐熱性を向上させることを検討した。しかしながら、得られた樹脂組成物は、硬化物を低誘電正接等の誘電特性に優れるものとすることが困難であった。そこで本発明者らは鋭意検討した結果、更に、特定の構造を有するエステル化合物を硬化剤として用いることにより、硬化後の耐熱性及び誘電特性に優れる樹脂組成物を得ることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の樹脂組成物は、硬化性樹脂を含有する。
上記硬化性樹脂は、数平均分子量が500以上である重合性化合物を含む。上記数平均分子量が500以上である重合性化合物を含有することにより、本発明の樹脂組成物は、硬化物が耐熱性に優れるものとなる。上記数平均分子量が500以上である重合性化合物の数平均分子量の好ましい下限は550であり、より好ましい下限は600である。
また、塗布性等の観点から、上記数平均分子量が500以上である重合性化合物の数平均分子量の好ましい上限は5000、より好ましい上限は3000である。
なお、本明細書において上記「数平均分子量」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で溶媒としてテトラヒドロフランを用いて測定を行い、ポリスチレン換算により求められる値である。GPCによってポリスチレン換算による数平均分子量を測定する際に用いるカラムとしては、例えば、JAIGEL−2H−A(日本分析工業社製)等が挙げられる。
上記数平均分子量が500以上である重合性化合物の有する重合性基としては、例えば、エポキシ基、(メタ)アクリロイル基、水酸基、マレイミド基、シアネート基等が挙げられる。なかでも、上記数平均分子量が500以上である重合性化合物は、エポキシ基を有することが好ましい。
なお、本明細書において上記「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイル又はメタクリロイルを意味する。
上記数平均分子量が500以上である重合性化合物のうち、エポキシ基を有するものとしては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、2,2’−ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノール型エポキシ樹脂、プロピレンオキシド付加ビスフェノールA型エポキシ樹脂、レゾルシノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、スルフィド型エポキシ樹脂、ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレンフェノールノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、アルキルポリオール型エポキシ樹脂、ゴム変性型エポキシ樹脂、グリシジルエステル化合物、アントラセン型エポキシ樹脂、アダマンタン骨格を有するエポキシ樹脂、トリシクロデカン骨格を有するエポキシ樹脂等であって数平均分子量が500以上であるものが挙げられる。
上記硬化性樹脂は、上記数平均分子量が500以上である重合性化合物に加えて、数平均分子量が500未満である重合性化合物(以下、「その他の硬化性樹脂」ともいう)を含んでいてもよい。
上記硬化性樹脂が上記その他の硬化性樹脂を含む場合、上記硬化性樹脂100重量部中における上記数平均分子量が500以上である重合性化合物の含有量の好ましい下限は25重量部である。上記数平均分子量が500以上である重合性化合物の含有量が25重量部以上であることにより、本発明の樹脂組成物は、硬化物が耐熱性により優れるものとなる。上記数平均分子量が500以上である重合性化合物の含有量のより好ましい下限は30重量部である。
上記その他の硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、シアネート樹脂、フェノール樹脂、イミド樹脂、マレイミド樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂等であって数平均分子量が500未満であるものが挙げられる。なかでも、上記その他の硬化性樹脂は、エポキシ樹脂、シアネート樹脂、フェノール樹脂、イミド樹脂、マレイミド樹脂、及び、ベンゾオキサジン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、エポキシ樹脂を含むことがより好ましい。上記その他の硬化性樹脂は、単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わせて用いられてもよい。
上記その他の硬化性樹脂のうち、エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールEジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールEジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールSジグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ビフェニル−4,4’−ジイルビス(グリシジルエーテル)、1,6−ナフタレンジイルビス(グリシジルエーテル)、エチレングリコールジグリシジルエーテル、1,3−プロパンジオールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物は、硬化剤を含有する。
上記硬化剤は、上記式(1)で表されるエステル化合物を含む。上記式(1)で表されるエステル化合物を含有することにより、本発明の樹脂組成物は、硬化物が耐熱性及び誘電特性に優れるものとなる。
上記式(1)中、R及びRは、それぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよく、置換されていてもよい多環式アリール基である。上記R及び上記Rとして置換されていてもよい多環式アリール基を有することにより、得られる樹脂組成物の硬化物が低誘電正接等の誘電特性に優れるものとなる。
上記多環式アリール基としては、例えば、ナフチル基、アントリル基等が挙げられる。
上記多環式アリール基が置換されている場合の置換基としては、例えば、脂肪族基等が挙げられる。
なかでも、上記式(1)中のR及びRは、下記式(3)で表される基であることが好ましい。上記R及び上記Rが下記式(3)で表される基であることにより、得られる樹脂組成物の硬化物が低誘電正接等の誘電特性により優れるものとなる。
Figure 2020125380
式(3)中、Rは、それぞれ独立して、水素原子又は脂肪族基であり、*は、結合位置である。
上記式(1)中、Xは、それぞれ独立して、酸素原子、スルホニル基、カルボニル基、又は、上記式(2)で表される基である。なかでも、上記Xは、酸素原子、又は、上記式(2)で表される基であることが好ましい。
上記式(2)中、R及びRは、酸素原子であることが好ましい。また、上記式(2)中、Rは、置換されていてもよいアリーレン基を有する2価の有機基であることが好ましく、下記式(4)で表される基であることがより好ましい。
Figure 2020125380
式(4)中、*は、結合位置である。
上記式(1)中、Yは、置換されていてもよいアリーレン基を有する2価の有機基である。上記Yが置換されていてもよいアリーレン基を有する2価の有機基であることにより、得られる樹脂組成物の硬化物が耐熱性に優れるものとなる。
上記式(1)中のYに含まれるアリーレン基としては、例えば、フェニレン基、ナフチレン基、アントリレン基等が挙げられる。
上記Yは、上記アリーレン基を1つのみ有するものであってもよいし、2以上有するものであってもよい。
上記アリーレン基が置換されている場合の置換基としては、例えば、脂肪族基等が挙げられる。
なかでも、上記式(1)中のYは、下記式(5−1)、(5−2)、(5−3)、又は、(5−4)で表される基であることが好ましく、下記式(5−1)又は(5−2)で表される基であることがより好ましい。上記Yが下記式(5−1)、(5−2)、(5−3)、又は、(5−4)で表される基であることにより、上記式(1)で表されるエステル化合物が樹脂成分との相溶性により優れるものとなり、かつ、得られる樹脂組成物の硬化物が耐熱性により優れるものとなる。
Figure 2020125380
式(5−1)中、Rは、それぞれ独立して、水素原子又は脂肪族基であり、式(5−2)中、Rは、それぞれ独立して、水素原子又は脂肪族基であり、式(5−3)中、Rは、それぞれ独立して、水素原子又は脂肪族基であり、R10は、それぞれ独立して、水素原子又は脂肪族基であり、式(5−4)中、R11は、それぞれ独立して、水素原子又は脂肪族基であり、式(5−1)、(5−2)、(5−3)、及び、(5−4)中、*は、結合位置である。
上記式(1)中の上記Yが下記式(5−1)で表される基である場合、該式(5−1)で表される基としては、下記式(6−1)又は(6−2)で表される基が好ましい。
また、本発明の樹脂組成物は、上記式(1)で表されるエステル化合物として、上記Yが下記式(6−1)で表される基である化合物と、下記式(6−2)で表される基である化合物との混合物を用いてもよい。
Figure 2020125380
式(6−1)及び(6−2)中、*は、結合位置である。
上記式(1)中、Arは、置換されていてもよいアリーレン基である。
上記Arとしては、例えば、フェニレン基、ナフチレン基、アントリレン基等が挙げられる。なかでも、フェニレン基が好ましく、1,4−フェニレン基がより好ましい。
上記式(1)中、nは、繰り返し数である。上記nは、上記式(1)で表されるエステル化合物の分子量が後述する範囲となる値となることが好ましい。
上記式(1)で表されるエステル化合物の分子量の好ましい下限は300、好ましい上限は1万である。上記分子量がこの範囲であることにより、上記式(1)で表されるエステル化合物は、樹脂成分との相溶性により優れるものとなり、かつ、得られる樹脂組成物の硬化物が低誘電正接等の誘電特性により優れるものとなる。上記式(1)で表されるエステル化合物の分子量のより好ましい下限は500、より好ましい上限は5000である。
なお、本明細書において上記「分子量」は、分子構造が特定される化合物については、構造式から求められる分子量であるが、重合度の分布が広い化合物及び変性部位が不特定な化合物については、数平均分子量を用いて表す場合がある。
上記式(1)で表されるエステル化合物を製造する方法としては、例えば、下記式(7)で表される酸二無水物と、下記式(8)で表されるジアミンとを反応させ、得られた反応物に下記式(9)で表される水酸基含有芳香族モノアミンを反応させ、その後、多環式アリール基を有するモノカルボン酸又はそのハロゲン化物を反応させる方法等が挙げられる。
Figure 2020125380
式(7)中、Xは、上記式(1)中のXと同じ基である。
Figure 2020125380
式(8)中、R12〜R15は、それぞれ独立に、水素原子であり、Yは、上記式(1)中のYと同じ基である。
Figure 2020125380
式(9)中、R16及びR17は、それぞれ独立に、水素原子であり、Arは、上記式(1)中のArと同じ基である。
上記式(7)で表される酸二無水物としては、例えば、3,3'−オキシジフタル酸二無水物、3,4'−オキシジフタル酸二無水物、4,4'−オキシジフタル酸二無水物、4,4'−(4,4'−イソプロピリデンジフェノキシ)ジフタル酸無水物、4,4'−ビス(3,4−ジカルボキシルフェノキシ)ジフェニルエーテルの酸無水物、p−フェニレンビス(トリメリテート無水物)、4,4'−カルボニルジフタル酸二無水物等が挙げられる。なかでも、溶解性、耐熱性、及び、入手性に優れることから、4,4'−(4,4'−イソプロピリデンジフェノキシ)ジフタル酸無水物、4,4'−オキシジフタル酸二無水物が好ましい。
上記式(8)で表されるジアミンとしては、例えば、2−メチル−4,6−ジエチル−1,3−フェニレンジアミン、2,4−ジエチル−6−メチル−1,3−フェニレンジアミン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,2−フェニレンジアミン、1,3−フェニレンジアミン、1,4−フェニレンジアミン、3,3’−ジアミノジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)スルフォン、ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)スルフォン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)メタン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、1,3−ビス(2−(4−アミノフェニル)−2−プロピル)ベンゼン、1,4−ビス(2−(4−アミノフェニル)−2−プロピル)ベンゼン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシジフェニルメタン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノフェニル)プロパン、ビスアミノフェニルフルオレン、ビストルイジンフルオレン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノベンザミド)−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノベンザミド)−3,3’−ジヒドロキシビフェニル等が挙げられる。なかでも、溶解性、耐熱性、及び、入手性の観点から、2−メチル−4,6−ジエチル−1,3−フェニレンジアミン、2,4−ジエチル−6−メチル−1,3−フェニレンジアミン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼンが好ましく、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンがより好ましい。
上記式(9)で表される水酸基含有芳香族モノアミンとしては、例えば、3−アミノフェノール、4−アミノフェノール、4−アミノ−o−クレゾール、5−アミノ−o−クレゾール、4−アミノ−2,3−キシレノール、4−アミノ−2,5−キシレノール、4−アミノ−2,6−キシレノール、4−アミノ−1−ナフトール、5−アミノ−2−ナフトール、6−アミノ−1−ナフトール、4−アミノ−2,6−ジフェニルフェノール等が挙げられる。なかでも、入手性及び保存安定性に優れ、高いガラス転移温度を有する硬化物が得られることから、4−アミノフェノールが好ましい。
上記多環式アリール基を有するモノカルボン酸としては、例えば、1−ナフタレンカルボン酸、2−ナフタレンカルボン酸、1−アントラセンカルボン酸、2−アントラセンカルボン酸、9−アントラセンカルボン酸、フェナントレンカルボン酸、ピレンカルボン酸等が挙げられる。なかでも、2−ナフタレンカルボン酸が好ましい。
本発明の樹脂組成物は、未硬化状態での加工性を向上させる等のために、本発明の目的を阻害しない範囲において、上記式(1)で表されるエステル化合物に加えて他の硬化剤を含有してもよい。
上記他の硬化剤としては、例えば、フェノール系硬化剤、チオール系硬化剤、アミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、シアネート系硬化剤、上記式(1)で表されるエステル化合物以外の他の活性エステル系硬化剤等が挙げられる。なかでも、上記式(1)で表されるエステル化合物以外の他の活性エステル系硬化剤、シアネート系硬化剤が好ましい。
上記硬化剤として、上記式(1)で表されるエステル化合物のみを用いる場合の上記式(1)で表されるエステル化合物の含有量は、硬化性樹脂100重量部に対して、好ましい下限が30重量部、好ましい上限が300重量部である。上記硬化剤として上記式(1)で表されるエステル化合物のみを用いる場合、上記式(1)で表されるエステル化合物の含有量がこの範囲であることにより、得られる樹脂組成物の硬化物が、耐熱性及び誘電特性により優れるものとなる。上記硬化剤として上記式(1)で表されるエステル化合物のみを用いる場合の上記式(1)で表されるエステル化合物の含有量のより好ましい下限は50重量部、より好ましい上限は200重量部である。
また、上記硬化剤として、上記式(1)で表されるエステル化合物とその他の硬化剤を併用する場合の上記式(1)で表されるエステル化合物の含有量は、硬化性樹脂100重量部に対して、好ましい下限が10重量部、好ましい上限が250重量部である。上記硬化剤として上記式(1)で表されるエステル化合物とその他の硬化剤を併用する場合、上記式(1)で表されるエステル化合物の含有量がこの範囲であることにより、得られる樹脂組成物の硬化物が、耐熱性及び誘電特性により優れるものとなる。上記硬化剤として上記式(1)で表されるエステル化合物とその他の硬化剤を併用する場合の上記式(1)で表されるエステル化合物の含有量のより好ましい下限は15重量部、より好ましい上限は150重量部である。上記硬化剤として上記式(1)で表されるエステル化合物とその他の硬化剤を併用する場合の上記式(1)で表されるエステル化合物とその他の硬化剤との合計の含有量は、硬化性樹脂100重量部に対して、好ましい下限が30重量部、好ましい上限が300重量部である。
本発明の樹脂組成物は、硬化促進剤を含有することが好ましい。上記硬化促進剤を含有することにより、硬化時間を短縮させて生産性を向上させることができる。
上記硬化促進剤としては、例えば、イミダゾール系硬化促進剤、3級アミン系硬化促進剤、ホスフィン系硬化促進剤、光塩基発生剤、スルホニウム塩系硬化促進剤等が挙げられる。なかでも、貯蔵安定性及び硬化性の観点から、イミダゾール系硬化促進剤、ホスフィン系硬化促進剤が好ましい。
上記硬化促進剤は、単独で用いられてもよいし、2種類以上が組み合わせて用いられてもよい。
上記硬化促進剤の含有量は、上記硬化性樹脂100重量部に対して、好ましい下限が0.01重量部、好ましい上限が10重量部である。上記硬化促進剤の含有量がこの範囲であることにより、得られる樹脂組成物の接着性を悪化させることなく硬化時間を短縮させる効果により優れるものとなる。上記硬化促進剤の含有量のより好ましい下限は0.03重量部、より好ましい上限は4重量部、更に好ましい下限は0.05重量部、更に好ましい上限は3重量部である。
本発明の樹脂組成物は、無機充填剤を含有する。
上記無機充填剤を含有することにより、本発明の樹脂組成物は、接着性、加工性、電気特性、及び、硬化物の耐熱性に優れるものとなる。
上記無機充填剤は、シリカ及びアルミナの少なくともいずれかであることが好ましい。上記無機充填剤としてシリカ及びアルミナの少なくともいずれかを含有することにより、本発明の樹脂組成物は、接着性、加工性、電気特性、及び、硬化物の耐熱性により優れるものとなる。
上記無機充填剤としては、シリカであることが好ましく、溶融シリカであることがさらに好ましい。
上記シリカ及び上記アルミナ以外のその他の無機充填剤としては、例えば、硫酸バリウム、タルク、クレイ、マイカ、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、ガラスパウダー、ガラスフリット、ガラス繊維、カーボンファイバー、無機イオン交換体等が挙げられる。
上記無機充填剤は、単独で用いられてもよいし、2種類以上が組み合わせて用いられてもよい。
上記無機充填剤の平均粒子径の下限は50nm、上限は5μmである。上記無機充填剤の平均粒子径がこの範囲であることにより、得られる樹脂組成物が塗布性や加工性により優れるものとなる。上記無機充填剤の平均粒子径の好ましい下限は75nm、好ましい上限は3μm、より好ましい下限は100nm、より好ましい上限は2μmである。
なお、上記無機充填剤や後述する流動調整剤の平均粒子径は、例えば、粒度分布測定装置を用いて、上記無機充填剤や流動調整剤を溶媒(水、有機溶媒等)に分散させて測定することができる。上記粒度分布測定装置としては、例えば、NICOMP 380ZLS(PARTICLE SIZING SYSTEMS社製)等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物の固形分100重量部中における上記無機充填剤の含有量の好ましい下限は50重量部、好ましい上限は85重量部である。上記無機充填剤の含有量がこの範囲であることにより、得られる樹脂組成物が接着性、加工性、電気特性、及び、硬化物の耐熱性により優れるものとなる。上記無機充填剤の含有量のより好ましい下限は55重量部、より好ましい上限は80重量部である。
なお、上記「固形分」は、後述する溶媒を用いる場合は該溶媒を除く樹脂組成物成分の合計を意味する。
本発明の樹脂組成物は、被着体への短時間での塗れ性と形状保持性とを向上させる等の目的で流動調整剤を含有してもよい。
上記流動調整剤としては、例えば、アエロジル等のヒュームドシリカや層状ケイ酸塩等が挙げられる。
上記流動調整剤は、単独で用いられてもよいし、2種類以上が組み合わせて用いられてもよい。
また、上記流動調整剤としては、平均粒子径が50nm未満のものが好適に用いられる。
上記流動調整剤の含有量は、上記硬化性樹脂100重量部に対して、好ましい下限が0.1重量部、好ましい上限が100重量部である。上記流動調整剤の含有量がこの範囲であることにより、被着体への短時間での塗れ性と形状保持性とを向上させる等の効果により優れるものとなる。上記流動調整剤の含有量のより好ましい下限は0.5重量部、より好ましい上限は50重量部である。
本発明の樹脂組成物は、応力緩和、靭性付与等を目的として有機充填剤を含有してもよい。
上記有機充填剤としては、例えば、シリコーンゴム粒子、アクリルゴム粒子、ウレタンゴム粒子、ポリアミド粒子、ポリアミドイミド粒子、ポリイミド粒子、ベンゾグアナミン粒子、及び、これらのコアシェル粒子等が挙げられる。なかでも、ポリアミド粒子、ポリアミドイミド粒子、ポリイミド粒子が好ましい。
上記有機充填剤は、単独で用いられてもよいし、2種類以上が組み合わせて用いられてもよい。
本発明の樹脂組成物の固形分100重量部中における上記有機充填剤の含有量の好ましい上限は300重量部である。上記有機充填剤の含有量がこの範囲であることにより、優れた接着性等を維持したまま、得られる樹脂組成物の硬化物が靭性等により優れるものとなる。上記有機充填剤の含有量のより好ましい上限は200重量部である。
本発明の樹脂組成物は、難燃剤を含有してもよい。
上記難燃剤としては、例えば、ベーマイト型水酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ハロゲン系化合物、りん系化合物、窒素化合物等が挙げられる。なかでも、ベーマイト型水酸化アルミニウムが好ましい。
上記難燃剤は、単独で用いられてもよいし、2種類以上が組み合わせて用いられてもよい。
上記難燃剤の含有量は、上記硬化性樹脂100重量部に対して、好ましい下限が2重量部、好ましい上限が300重量部である。上記難燃剤の含有量がこの範囲であることにより、得られる樹脂組成物が優れた接着性等を維持したまま、難燃性に優れるものとなる。上記難燃剤の含有量のより好ましい下限は5重量部、より好ましい上限は250重量部である。
本発明の樹脂組成物は、熱可塑性樹脂を含むことが好ましい。上記熱可塑性樹脂を用いることにより、本発明の樹脂組成物は、流動特性、電気特性、及び、硬化後の耐屈曲性に優れるものとなる。
上記熱可塑性樹脂としては、ポリイミド樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂等が挙げられる。なかでも、硬化環境によらず、誘電正接を効果的に低くし、かつ、溶融粘度を調整可能である点から、ポリイミド樹脂、フェノキシ樹脂が好ましい。
上記熱可塑性樹脂は、単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わせて用いられてもよい。
上記熱可塑性樹脂の数平均分子量の好ましい下限は2000、好ましい上限は10万である。上記熱可塑性樹脂の上記数平均分子量がこの範囲であることにより、得られる樹脂組成物が流動特性や電気特性、硬化後の耐屈曲性により優れるものとなる。上記熱可塑性樹脂の数平均分子量のより好ましい下限は5000、より好ましい上限は5万である。
上記熱可塑性樹脂の含有量は、上記硬化性樹脂100重量部に対して、好ましい下限は0.5重量部、好ましい上限は50重量部である。上記熱可塑性樹脂の含有量が0.5重量部以上であることにより、得られる樹脂組成物が流動特性や硬化後の耐屈曲性により優れるものとなる。上記熱可塑性樹脂の含有量が50重量部以下であることにより、得られる硬化物が耐熱性により優れるものとなる。上記熱可塑性樹脂の含有量のより好ましい下限は1重量部、より好ましい上限は30重量部である。
本発明の樹脂組成物は、溶媒を含有してもよい。上記溶媒の使用により、樹脂材料の粘度を好適な範囲に制御でき、樹脂材料の塗工性を高めることができる。また、上記溶媒は、上記無機充填剤を含むスラリーを得るために用いられてもよい。上記溶媒は、単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わせて用いられてもよい。
上記溶媒としては、例えば、アセトン、メタノール、エタノール、ブタノール、2−プロパノール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、2−アセトキシ−1−メトキシプロパン、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミド、メチルイソブチルケトン、N−メチル−ピロリドン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、及び、混合物であるナフサ等が挙げられる。
なかでも、塗工性や貯蔵安定性の観点から、上記溶媒の沸点は、200℃以下であることが好ましく、180℃以下であることがより好ましい。
なお、上記「沸点」は、101kPaの条件で測定される値、又は、沸点換算図表等で101kPaに換算された値を意味する。
本発明の樹脂組成物100重量部中における上記溶媒の含有量の好ましい下限は10重量部、好ましい上限は60重量部である。上記溶媒の含有量がこの範囲であることにより、本発明の樹脂組成物は、塗工性等により優れるものとなる。上記溶媒の含有量のより好ましい下限は20重量部、より好ましい上限は40重量部である。
本発明の樹脂組成物は、本発明の目的を阻害しない範囲で反応性希釈剤を含有してもよい。
上記反応性希釈剤としては、接着信頼性の観点から、1分子中に2つ以上の反応性官能基を有する反応性希釈剤が好ましい。
本発明の樹脂組成物は、更に、カップリング剤、分散剤、貯蔵安定化剤、ブリード防止剤、フラックス剤、レベリング剤等の添加剤を含有してもよい。
本発明の樹脂組成物を製造する方法としては、例えば、混合機を用いて、硬化性樹脂と、硬化剤と、無機充填剤と、必要に応じて添加する溶媒等とを混合する方法等が挙げられる。
上記混合機としては、例えば、ホモディスパー、万能ミキサー、バンバリーミキサー、ニーダー等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物を基材フィルム上に塗工し、乾燥させることにより、本発明の樹脂組成物からなる樹脂組成物フィルムを得ることができ、該樹脂組成物フィルムを硬化させて硬化物を得ることができる。本発明の樹脂組成物の硬化物もまた、本発明の1つである。
上記硬化性樹脂としてビフェニル型エポキシ樹脂を含有する場合、本発明の樹脂組成物は、硬化物の25℃から150℃までの温度範囲における線膨張率の好ましい下限が3ppm/℃、好ましい上限が60ppm/℃である。本発明の樹脂組成物は、硬化物が耐熱性により優れるものとなる。上記線膨張率のより好ましい下限は5ppm/℃、より好ましい上限は40ppm/℃、更に好ましい上限は25ppm/℃である。
なお、本明細書において上記「線膨張率」は、熱機械分析(TMA)法により昇温速度5℃/分、力33Nの条件で測定される値を示す。また、上記線膨張率の測定に用いる硬化物は、例えば、厚さを約40μmとした上記樹脂組成物フィルムを190℃で90分加熱することにより得ることができる。
上記硬化性樹脂としてビフェニル型エポキシ樹脂を含有する場合、本発明の樹脂組成物は、硬化物の23℃における誘電正接の好ましい上限が0.015である。上記硬化物の23℃における誘電正接が0.015以下であることにより、本発明の樹脂組成物は、多層プリント配線板等の層間絶縁材料に好適に用いることができる。上記硬化物の23℃における誘電正接のより好ましい上限は0.01である。
なお、上記「誘電正接」は、誘電率測定装置及びネットワークアナライザーを用いて5GHzの条件で測定される値である。なお、上記「誘電正接」を測定する硬化物は、厚さを約40μmから約200μmとした上記樹脂組成物フィルムを190℃で90分間加熱することにより得ることができる。
本発明の樹脂組成物は、広い用途に用いることができるが、特に高い耐熱性が求められている電子材料用途に好適に用いることができる。例えば、航空、車載用電気制御ユニット(ECU)用途や、SiC、GaNを用いたパワーデバイス用途におけるダイアタッチ剤等に用いることができる。また、例えば、パワーオーバーレイパッケージ用接着剤、プリント配線基板用接着剤、フレキシブルプリント回路基板のカバーレイ用接着剤、銅張積層板、半導体接合用接着剤、層間絶縁材料、プリプレグ、LED用封止剤、構造材料用接着剤等にも用いることができる。
なかでも、本発明の樹脂組成物は、硬化物が低誘電率、低誘電正接であり、誘電特性に優れるため、ビルドアップフィルムに好適に用いることができる。本発明の樹脂組成物を用いてなるビルドアップフィルムもまた、本発明の1つである。
本発明によれば、硬化後の耐熱性及び誘電特性に優れる樹脂組成物を提供することができる。また、本発明によれば、該樹脂組成物の硬化物、及び、該樹脂組成物を用いてなるビルドアップフィルムを提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(合成例1(エステル化合物Aの作製))
1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン40重量部をN−メチルピロリドン200重量部に溶解させた。1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンとしては、APB−N(三井化学ファイン社製)を用い、N−メチルピロリドンとしては、富士フイルム和光純薬社製の試薬を用いた。得られた溶液に4,4’−(4,4’−イソプロピリデンジフェノキシ)ジフタル酸無水物10重量部を添加し、25℃で2時間撹拌して反応させてアミック酸オリゴマー(A1)の溶液を得た。4,4’−(4,4’−イソプロピリデンジフェノキシ)ジフタル酸無水物としては、東京化成工業社製の試薬を用いた。得られたアミック酸オリゴマー(A1)の溶液からN−メチルピロリドンを減圧除去した後、300℃で2時間加熱することにより、末端に酸無水基を有するイミドオリゴマー(A1)を得た。
得られたイミドオリゴマー(A1)45重量部をN−メチルピロリドン200重量部に溶解させた後、4−アミノフェノール10重量部を添加し、25℃で2時間撹拌して反応させてアミック酸オリゴマー(A2)の溶液を得た。4−アミノフェノールとしては、東京化成工業社製の試薬を用いた。得られたアミック酸オリゴマー(A2)の溶液からN−メチルピロリドンを減圧除去した後、300℃で2時間加熱することにより、末端に水酸基を有するイミドオリゴマー(A2)を得た。
得られたイミドオリゴマー(A2)40重量部とトリエチルアミン14重量部とをテトラヒドロフラン400重量部に溶解させた。得られた溶液に2−ナフタレンカルボニルクロリド15重量部を添加し、25℃で4時間撹拌してエステル化反応を進行させた。2−ナフタレンカルボニルクロリドとしては、東京化成工業社製の試薬を用いた。その後、テトラヒドロフランを減圧除去し、エステル化合物Aを得た。
なお、H−NMR、GPC、及び、FT−IR分析により、エステル化合物Aは、上記式(1)で表されることを確認した(R、Rは上記式(3)で表される基(Rは全て水素原子)、Xは上記式(4)で表される基、Yは上記式(5−2)で表される基(Rは全て水素原子)、Arは1,4−フェニレン基)。
(合成例2(エステル化合物Bの作製))
4,4’−(4,4’−イソプロピリデンジフェノキシ)ジフタル酸無水物40重量部を4,4'−オキシジフタル酸二無水物25重量部に変更したこと以外は合成例1と同様にして、エステル化合物Bを得た。
なお、H−NMR、GPC、及び、FT−IR分析により、エステル化合物Bは、上記式(1)で表されることを確認した(R、Rは上記式(3)で表される基(Rは全て水素原子)、Xは酸素原子、Yは上記式(5−2)で表される基(Rは全て水素原子)、Arは1,4−フェニレン基)。
(合成例3(エステル化合物Cの作製))
撹拌機、還流冷却器、ディーンスタークの水分離器を備えた容器を用いて、3−アミノフェノール21.8重量部をN−メチル−2−ピロリドン100重量部に溶解させた。得られた溶液に4,4’−(4,4’−イソプロピリデンジフェノキシ)ジフタル酸無水物52.0重量部を添加し、25℃で4時間撹拌して反応させた。得られた溶液に、トルエン100重量部を添加した後、150℃で水が発生しなくなるまで、4時間還流を行った。反応終了後、得られた溶液から、エバポレーターを用いてトルエンを除去した溶液を純水800重量部に適下し、析出物を濾別した。
更に得られた析出物70.3重量部とトリエチルアミン20.2重量部をN−メチル−2−ピロリドン200重量部に溶解させた。得られた溶液に塩化ベンゾイル28.1重量部を添加し、25℃で4時間撹拌して反応させた。反応終了後、得られた溶液を純水800重量部に適下し、析出物を濾別した後、真空乾燥を行いエステル化合物Cを得た。
なお、H−NMR、GPC、及び、FT−IR分析により、エステル化合物Cは、上記式(1)で表されないことを確認した。
(実施例1〜4、比較例1〜4)
表1に記載された配合比の各材料に溶媒としてシクロヘキサノンを加え、撹拌機を用いて1200rpmで4時間撹拌し、樹脂組成物を得た。なお、表1の組成には、溶媒を除く固形分について記載した。
アプリケーターを用いて、得られた樹脂組成物を厚み25μmのPETフィルムの離型処理面上に塗工した。PETフィルムとしては、XG284(東レ社製)を用いた。その後、100℃のギアオーブン内で2.5分間乾燥し、溶媒を揮発させた。このようにして、PETフィルムと、該PETフィルム上に厚さが40μmであり、溶媒の残量が1.0重量%以上、7.0重量%以下である樹脂組成物層とを有する未硬化積層フィルムを得た。
<評価>
実施例及び比較例で得られた各未硬化積層フィルムについて以下の評価を行った。結果を表1に示した。
(耐熱性)
実施例及び比較例で得られた各未硬化積層フィルムを190℃で90分間加熱した後、基材PETフィルムを剥離し、硬化物を得た。得られた硬化物について、熱機械分析装置を用い、昇温速度5℃/分、力33Nの条件で25℃から150℃までの温度範囲における線膨張率を測定した。熱機械分析装置としては、TMA7100(日立ハイテクサイエンス社製)を用いた。
線膨張率が25ppm/℃以下であった場合を「○」、25ppm/℃を超え28/℃以下であった場合を「△」、28ppm/℃を超えた場合を「×」として耐熱性を評価した。
(誘電特性)
実施例及び比較例で得られた各未硬化積層フィルムを190℃で90分間加熱した後、基材PETフィルムを剥離し、硬化物を得た。得られた硬化物を幅2mm、長さ100mmの大きさに裁断した。裁断された硬化物について、空洞共振摂動法誘電率測定装置及びネットワークアナライザーを用いて、空洞共振法で23℃、周波数5GHzの条件にて誘電正接を測定した。空洞共振摂動法誘電率測定装置としては、CP521(関東電子応用開発社製)を用い、ネットワークアナライザーとしては、N5224A PNA(キーサイトテクノロジー社製)を用いた。
誘電正接が0.003以下であった場合を「○」、0.003を超え0.0035以下であった場合を「△」、0.0035を超えた場合を「×」として誘電特性を評価した。
(DSC発熱量)
実施例及び比較例で得られた各未硬化積層フィルムについて、JIS K 7122:2012に基づき、示差走査熱量計を用いて、昇温速度10℃/分、測定温度−30℃〜250℃の条件で示差走査熱量測定(DSC)を行った。示差走査熱量計としては、DSC7020(日立ハイテク社製)を用いた。得られたDSC曲線における積分値を発熱量として導出した。
Figure 2020125380
本発明によれば、硬化後の耐熱性及び誘電特性に優れる樹脂組成物を提供することができる。また、本発明によれば、該樹脂組成物の硬化物、及び、該樹脂組成物を用いてなるビルドアップフィルムを提供することができる。

Claims (8)

  1. 硬化性樹脂と硬化剤と無機充填剤とを含有する樹脂組成物であって、
    前記硬化性樹脂は、数平均分子量が500以上である重合性化合物を含み、
    前記硬化剤は、下記式(1)で表されるエステル化合物を含み、
    前記無機充填剤は、平均粒子径が50nm以上5μm以下である
    ことを特徴とする樹脂組成物。
    Figure 2020125380
    式(1)中、式(1)中、R及びRは、それぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよく、置換されていてもよい多環式アリール基であり、Xは、それぞれ独立して、酸素原子、スルホニル基、カルボニル基、又は、下記式(2)で表される基であり、Yは、置換されていてもよいアリーレン基を有する2価の有機基であり、Arは、置換されていてもよいアリーレン基であり、nは、繰り返し数である。
    Figure 2020125380
    式(2)中、R及びRは、それぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよく、酸素原子、スルホニル基、又は、カルボニル基であり、Rは、2価の有機基であり、*は、結合位置である。
  2. 前記数平均分子量が500以上である重合性化合物は、エポキシ基を有する請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 前記硬化性樹脂100重量部中における前記数平均分子量が500以上である重合性化合物の含有量が25重量部以上である請求項1又は2記載の樹脂組成物。
  4. 前記式(1)中のR及びRは、下記式(3)で表される基である請求項1、2又は3記載の樹脂組成物。
    Figure 2020125380
    式(3)中、Rは、それぞれ独立して、水素原子又は脂肪族基であり、*は、結合位置である。
  5. 前記式(1)中のYは、下記式(5−1)、(5−2)、(5−3)、又は、(5−4)のいずれかで表される基である請求項1、2、3又は4記載の樹脂組成物。
    Figure 2020125380
    式(5−1)中、Rは、それぞれ独立して、水素原子又は脂肪族基であり、式(5−2)中、Rは、それぞれ独立して、水素原子又は脂肪族基であり、式(5−3)中、Rは、それぞれ独立して、水素原子又は脂肪族基であり、R10は、それぞれ独立して、水素原子又は脂肪族基であり、式(5−4)中、R11は、それぞれ独立して、水素原子又は脂肪族基であり、式(5−1)、(5−2)、(5−3)、及び、(5−4)中、*は、結合位置である。
  6. 前記樹脂組成物の固形分100重量部中における前記無機充填剤の含有量が50重量部以上85重量部以下である請求項1、2、3、4又は5記載の樹脂組成物。
  7. 請求項1、2、3、4、5又は6記載の樹脂組成物の硬化物。
  8. 請求項1、2、3、4、5又は6記載の樹脂組成物を用いてなるビルドアップフィルム。
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