JP2021115861A - フィルムロール - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明では、積層フィルムがフィルムロールとして保管される場合でも、巻き戻し時にカールの発生がない、あるいはカールがあっても非常に少なくする方法を提供する。【解決手段】本発明は、ポリイミド系樹脂及び/又はポリアミド系樹脂を含む光学フィルムと、該光学フィルムに積層された硬化樹脂層とを含む積層フィルムが巻回されてなるフィルムロールであって、該フィルムロールは、ロールの芯側から、該積層フィルムの硬化樹脂層、光学フィルムの順に巻回されている、フィルムロールを提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、積層フィルムが巻回されてなるフィルムロール、特に積層フィルムを巻き出した時にカールが生じにくいフィルムロールに関する。
ポリイミド系樹脂及び/又はポリアミド系樹脂を含む光学フィルムと硬化樹脂層とが積層された積層フィルムが種々の分野に使用されている。例えば、ポリイミド系樹脂及び/又はポリアミド系樹脂を含む光学樹脂フィルム層とハードコート層とが積層された積層フィルムが、各種画像表示装置のディスプレイの薄型化、軽量化及びフレキシブル化等に伴い、従来用いられていたガラスに代わる材料として使用されている。
通常、これらの積層フィルムは、積層フィルム製造後、ロール芯に巻回してフィルムロールの形で保管されている。当然、積層フィルムを使用時には、フィルムロールから巻き戻して、平坦な積層フィルムとして使用する。
しかし、フィルムロールを巻き戻して使用する時に、巻癖によって巻回方向と同方向のカールが生じることがある。カールとは、積層フィルムのいずれか一方の表面を平面上に置いた時に、積層フィルムの端部が平面から離れた状態になることを言う。積層フィルムにカールが生じると、そのままでは使用し難いので、カールのない状態に戻す作業が必要となり、作業上のロスとなり、作業効率が悪くなる。また、カールが生じるということは、フィルムを平面状態で使用する場合に、平面から離れる力が働き、積層フィルムを使用した製品への悪影響も考えられる。具体的には他の部材と貼合する際に、カールした部分がうまく貼り合せられずに気泡を噛み込んだり、フィルムを吸引しながら貼り合せる際に、カールが強いと吸引できなくなって吸引部から剥がれ、エラーが発生して装置が停止したりする問題があった。積層フィルムは製造時にはフィルムロール化し、保管されるが、巻き戻して積層フィルムを使用する時には、カールが生じない状態であることが好ましい。
特許文献1には、支持体上に親水性層を有する印刷版材料であって、支持体がプラスチックフィルムからなり、かつ立ち上がりカールが0mm以上60mm以下であるものが開示されている。特許文献1でも、カールを小さくすることが提案されているが、その方法はキャスティング後に縦方向に延伸した後、横方向に更に延伸する逐次二軸延伸を行うもので、製造時に延伸作業が必要であり、製造コストの増大につながる。
特開2004−74502号公報
本発明では、積層フィルムがフィルムロールとして保管される場合でも、巻き戻し時にカールの発生がない、あるいはカールがあっても非常に少なくする方法であって、簡単な方法を提供することを目的とする。
即ち、本発明は、ポリイミド系樹脂及び/又はポリアミド系樹脂を含む光学フィルムと、
該光学フィルムに積層された硬化樹脂層とを
含む積層フィルムが巻回されてなるフィルムロールであって、
該フィルムロールは、ロールの芯側から、該積層フィルムの硬化樹脂層、光学フィルムの順に巻回されている、フィルムロールを提供する。
また、本発明は、以下の態様を有する:
積層フィルムは、硬化樹脂層側よりも光学フィルム側の吸水率が高いフィルムである;
積層フィルムの光学フィルム側を水蒸気に5分間曝露したときに、該積層フィルムの吸水率が1.1%以上である;
硬化樹脂層は、ハードコート機能、帯電防止機能、防眩機能、低反射機能、反射防止機能及び防汚機能からなる群から選択される1以上の機能を有する;
硬化樹脂層は、UV硬化樹脂層である。
本発明では、積層フィルムをロール芯に巻き付けるときの順序を規制するだけで、カールが予防できるのであり、特に製造方法などへの影響などもなく、簡単にカールが予防できるので、非常に優れた方法と言える。特に、通常温度環境下、通常湿度環境下に保存した時のカールを抑制することができる。
本発明でのカールは、フィルムロールを通常温度環境下、通常湿度環境下での保管時に生じるものである。本明細書においては、通常温度環境とは20〜35℃程度の温度環境を意味し、通常湿度環境とは相対湿度で30〜70%の環境のことを意味する。
本発明では、ポリイミド系樹脂及び/又はポリアミド系樹脂を含む光学フィルムと前記光学フィルムに積層された硬化樹脂層とを含む積層フィルムが、ロール芯に巻回されたフィルムロールにおいて、積層フィルムをロール芯に巻回する時の積層順を、ロールのコア側から、硬化樹脂層、光学フィルムの順にすることを特徴とする。以下、それぞれの構成を説明する。
<光学フィルム>
本発明の積層フィルムを構成する光学フィルムは、ポリイミド系樹脂及び/又はポリアミド系樹脂を含む。
本明細書において、ポリイミド系樹脂とは、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド前駆体樹脂、及び、ポリアミドイミド前駆体樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂を表す。ポリイミド樹脂は、イミド基を含む繰返し構成単位を含有する樹脂であり、ポリアミドイミド樹脂は、イミド基及びアミド基の両方を含む繰返し構成単位を含有する樹脂である。ポリイミド前駆体樹脂及びポリアミドイミド前駆体樹脂は、それぞれ、イミド化によりポリイミド樹脂及びポリアミドイミド樹脂を与える、イミド化前の前駆体であり、ポリアミック酸とも称される樹脂である。また、本明細書において、ポリアミド系樹脂は、アミド基を含む繰返し構成単位を含有する樹脂である。本発明の光学フィルムは、1種類のポリイミド系樹脂又はポリアミド系樹脂を含んでいてもよいし、2種以上のポリイミド系樹脂及び/又はポリアミド系樹脂を組合せて含んでいてもよい。本発明の光学フィルムは、光学フィルムの化学的安定性と耐カール性を両立しやすい観点から、ポリイミド系樹脂を含むことが好ましく、該ポリイミド系樹脂は、好ましくはポリイミド樹脂又はポリアミドイミド樹脂であり、より好ましくはポリアミドイミド樹脂である。
本発明の好ましい一実施形態において、光学フィルムの弾性率と耐カール性をより高めやすい観点から、ポリイミド系樹脂及びポリアミド系樹脂は芳香族系の樹脂であることが好ましい。本明細書において、芳香族系の樹脂とは、ポリイミド系樹脂及びポリアミド系樹脂に含まれる構成単位が主に芳香族系の構成単位である樹脂を表す。
上記の好ましい一実施形態において、光学フィルムの弾性率と耐カール性をより高めやすい観点から、ポリイミド系樹脂及びポリアミド系樹脂に含まれる全構成単位に対する芳香族系モノマーに由来する構成単位の割合は、好ましくは60モル%以上、より好ましくは70モル%以上、さらに好ましくは80モル%以上、とりわけ好ましくは85モル%以上である。ここで、芳香族系モノマーに由来する構成単位とは、芳香族系の構造、例えば芳香環を少なくとも一部に含むモノマーに由来し、芳香族系の構造、例えば芳香環を少なくとも一部に含む構成単位である。芳香族系モノマーとしては、例えば芳香族テトラカルボン酸化合物、芳香族ジアミン、芳香族ジカルボン酸等が挙げられる。
本発明の好ましい一実施形態において、ポリイミド系樹脂は、式(1):
Figure 2021115861
[式(1)中、Yは4価の有機基を表し、Xは2価の有機基を表し、*は結合手を表す]
で表される構成単位を有するポリイミド樹脂であるか、又は、式(1)で表される構成単位及び式(2):
Figure 2021115861
[式(2)中、Z及びXは、互いに独立に、2価の有機基を表し、*は結合手を表す]
で表される構成単位を有するポリアミドイミド樹脂であることが好ましい。また、ポリアミド系樹脂は、式(2)で表される構成単位を有するポリアミド樹脂であることが好ましい。以下において式(1)及び式(2)について説明するが、式(1)についての説明は、ポリイミド樹脂及びポリアミドイミド樹脂の両方に関し、式(2)についての説明は、ポリアミド樹脂及びポリアミドイミド樹脂の両方に関する。
式(1)で表される構成単位は、テトラカルボン酸化合物とジアミン化合物とが反応して形成される構成単位であり、式(2)で表される構成単位は、ジカルボン酸化合物とジアミン化合物とが反応して形成される構成単位である。
式(2)において、Zは、2価の有機基であり、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、又は炭素数6〜12のアリール基(これらの基における水素原子はハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)で置換されていてもよい)で置換されていてもよい、炭素数4〜40の2価の有機基であり、より好ましくは炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、又は炭素数6〜12のアリール基(これらの基における水素原子はハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)で置換されていてもよい)で置換されていてもよい、環状構造を有する炭素数4〜40の2価の有機基である。なお、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、又は炭素数6〜12のアリール基の例としては、後述する式(3)中のR3a及びR3bに関する例示が同様にあてはまる。環状構造としては、脂環、芳香環、ヘテロ環構造が挙げられる。Zの有機基として、式(20)、式(21)、式(22)、式(23)、式(24)、式(25)、式(26)、式(27)、式(28)及び式(29):
Figure 2021115861
[式(20)〜式(29)中、Wは、単結合、−O−、−CH−、−CH−CH−、−CH(CH)−、−C(CH−、−C(CF−、−Ar−、−SO−、−CO−、−O−Ar−O−、−Ar−O−Ar−、−Ar−CH−Ar−、−Ar−C(CH−Ar−又は−Ar−SO−Ar−を表し、ここで、Arは、互いに独立に、水素原子がフッ素原子で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリーレン基(例えばフェニレン基)を表し、*は結合手を表す]
で表される基の結合手のうち、隣接しない2つが水素原子に置き換わった基及び炭素数6以下の2価の鎖式炭化水素基が例示され、Zのヘテロ環構造としてはチオフェン環骨格を有する基が例示される。光学フィルムの黄色度の指標であるYI値を低減しやすい観点から、式(20)〜式(29)で表される基、及び、チオフェン環骨格を有する基が好ましく、式(26)、式(28)及び式(29)で表される基がより好ましい。
Zの有機基としては、式(20’)、式(21’)、式(22’)、式(23’)、式(24’)、式(25’)、式(26’)、式(27’)、式(28’)及び式(29’):
Figure 2021115861
[式(20’)〜式(29’)中、W及び*は、式(20)〜式(29)において定義した通りである]
で表される2価の有機基がより好ましい。なお、式(20)〜式(29)及び式(20’)〜式(29’)における環上の水素原子は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、又は炭素数6〜12のアリール基(これらの基における水素原子はハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)で置換されていてもよい)で置換されていてもよい。
ポリアミド系樹脂又はポリアミドイミド樹脂が、式(2)中のZが上記の式(20’)〜式(29’)のいずれかで表される構成単位を有する場合、特に式(2)中のZが後述する式(3’)で表される構成単位を有する場合、ポリアミド系樹脂又はポリアミドイミド樹脂は、該構成単位に加えて、次の式(d1):
Figure 2021115861
[式(d1)中、R24は後述する式(3)中のR3aについて定義する基又は水素原子であり、R25は、R24又は−C(=O)−*を表し、*は結合手を表す]
で表されるカルボン酸由来の構成単位をさらに有することが、ワニスの成膜性を高めやすく、光学フィルムの均一性を高めやすい観点から好ましい。構成単位(d1)としては、具体的には、R24及びR25がいずれも水素原子である構成単位(ジカルボン酸化合物に由来する構成単位)、R24がいずれも水素原子であり、R25が−C(=O)−*を表す構成単位(トリカルボン酸化合物に由来する構成単位)等が挙げられる。
ポリアミド系樹脂又はポリアミドイミド樹脂は、式(2)中のZとして複数種のZを含んでよく、複数種のZは、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。特に、本発明の光学フィルムの弾性率、耐カール性を高めやすく、かつ、光学特性を高めやすい観点から、式(2)中のZが好ましくは式(3):
Figure 2021115861
[式(3)中、R3a及びR3bは、互いに独立に、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、又は炭素数6〜12のアリール基を表し、R3a及びR3bに含まれる水素原子は、互いに独立に、ハロゲン原子で置換されていてもよく、
Wは、互いに独立に、単結合、−O−、−CH−、−CH−CH−、−CH(CH)−、−C(CH−、−C(CF−、−SO−、−S−、−CO−又は−N(R)−を表し、Rは水素原子、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜12の1価の炭化水素基を表し、
sは0〜4の整数であり、tは0〜4の整数であり、uは0〜4の整数であり、*は結合手を表す]
、より好ましくは式(3’):
Figure 2021115861
[式(3’)中、R3a、R3b、s、t、u、W及び*は、式(3)において定義した通りである]
で表される構成単位を少なくとも有することが好ましい。なお、本明細書において、ポリアミド系樹脂又はポリアミドイミド樹脂が式(2)中のZが式(3)で表される構成単位を有することと、ポリアミド系樹脂又はポリアミドイミド系樹脂が式(2)中のZとして式(3)で表される構造を有することとは、同様の意味を有し、ポリアミド系樹脂又はポリアミドイミド樹脂に含まれる複数の式(2)で表される構成単位のうち、少なくとも一部の構成単位におけるZが式(3)で表されることを意味する。当該記載は、他の同様の記載にもあてはまる。
式(3)及び式(3’)において、Wは、互いに独立に、単結合、−O−、−CH−、−CH−CH−、−CH(CH)−、−C(CH−、−C(CF−、−SO−、−S−、−CO−又は−N(R)−を表し、光学フィルムの耐屈曲性の観点から、好ましくは−O−又は−S−、より好ましくは−O−を表す。
3a及びR3bは、互いに独立に、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、又は炭素数6〜12のアリール基を表す。炭素数1〜6のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、2−メチル−ブチル基、3−メチルブチル基、2−エチル−プロピル基、n−ヘキシル基等が挙げられる。炭素数1〜6のアルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等が挙げられる。炭素数6〜12のアリール基としては、例えばフェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ビフェニル基等が挙げられる。光学フィルムの表面硬度及び柔軟性の観点から、R3a及びR3bは、互いに独立に、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基、より好ましくは炭素数1〜3のアルキル基を表す。ここで、R3a及びR3bに含まれる水素原子は、互いに独立に、ハロゲン原子で置換されていてもよい。
は水素原子、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜12の1価の炭化水素基を表す。炭素数1〜12の1価の炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、2−メチル−ブチル基、3−メチルブチル基、2−エチル−プロピル基、n−ヘキシル、n−ヘプチル基、n−オクチル基、tert−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等が挙げられ、これらはハロゲン原子で置換されていてもよい。前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。
式(3)及び式(3’)中のt及びuは、互いに独立に、0〜4の整数であり、好ましくは0〜2の整数、より好ましくは0又は1、さらに好ましくは0である。
式(3)中及び式(3’)中のsは0〜4の範囲の整数であり、sがこの範囲内であると、光学フィルムの耐カール性、弾性率及び耐屈曲性を向上しやすい。式(3)及び式(3’)中のsは、光学フィルムの耐カール性、弾性率及び耐屈曲性をより向上しやすい観点から、好ましくは0〜3の範囲の整数、より好ましくは0〜2の範囲の整数、さらに好ましくは0又は1、とりわけ好ましくは0である。sが0である式(3)又は式(3’)で表される構成単位は、例えばテレフタル酸又はイソフタル酸に由来する構成単位であり、該構成単位は、特に式(3)又は式(3’)中のsが0及びuが0である構成単位であることが好ましい。光学フィルムの耐カール性、弾性率及び耐屈曲性を向上しやすい観点から、ポリアミドイミド樹脂又はポリアミド系樹脂はテレフタル酸に由来する構成単位を含むことが好ましい。ポリアミドイミド樹脂又はポリアミド系樹脂はZにおいて、式(3)又は式(3’)で表される構成単位を1種又は2種類以上含んでいてもよい。光学フィルムの耐カール性、弾性率及び耐屈曲性の向上、YI値低減の観点からは、ポリアミドイミド樹脂又はポリアミド系樹脂はZにおいて、式(3)中又は式(3’)中のsの値が異なる2種類以上の構成単位を含むことが好ましく、式(3)又は式(3’)中のsの値が異なる2種類又は3種類の構成単位を含むことがより好ましい。この場合、光学フィルムの耐カール性、弾性率及び耐屈曲性を高めやすい観点、並びに、光学フィルムのYI値を低減しやすい観点から、ポリアミドイミド樹脂又はポリアミド系樹脂が式(2)で表される構成単位におけるZとして、sが0である式(3)で表される構造を含有し、該構造を含む構成単位に加えてsが1である式(3)で表される構造を含む構成単位をさらに含有することがさらに好ましい。また、sが0である式(3)で表されるZを有する式(2)で表される構成単位に加えて、上記の式(d1)で表される構成単位をさらに有することも好ましい。
本発明の好ましい一実施形態において、ポリアミドイミド樹脂又はポリアミド系樹脂は、式(3)又は式(3’)で表される構成単位として、s=0であり、かつu=0である構成単位を有する。本発明のより好ましい一実施形態において、ポリアミドイミド樹脂又はポリアミド系樹脂は、式(3)又は式(3’)で表される構成単位として、s=0であり、かつu=0である構成単位と、式(3”):
Figure 2021115861
で表される構成単位を有する。この場合、光学フィルムの耐カール性、弾性率及び耐屈曲性を向上させやすいと共に、YI値を低減しやすい。
ポリアミドイミド樹脂又はポリアミド系樹脂が、式(3)又は式(3’)で表される構成単位を有する場合、その割合は、ポリアミドイミド樹脂又はポリアミド系樹脂の式(1)で表される構成単位及び式(2)で表される構成単位の合計を100モル%としたときに、好ましくは20モル%以上、より好ましくは30モル%以上、さらに好ましくは40モル%以上、さらにより好ましくは50モル%以上、とりわけ好ましくは60モル%以上であり、好ましくは90モル%以下、より好ましくは85モル%以下、さらに好ましくは80モル%以下である。式(3)又は式(3’)で表される構成単位の割合が上記の下限以上であると、光学フィルムの耐カール性、弾性率及び耐屈曲性を高めやすい。式(3)又は式(3’)で表される構成単位の割合が上記の上限以下であると、式(3)由来のアミド結合間水素結合による樹脂含有ワニスの粘度上昇を抑制し、フィルムの加工性を向上しやすい。
また、ポリアミドイミド樹脂又はポリアミド系樹脂がs=1〜4である式(3)又は式(3’)で表される構成単位を有する場合、sが1〜4である式(3)又は式(3’)で表される構成単位の割合は、ポリアミドイミド樹脂又はポリアミド系樹脂の式(1)で表される構成単位及び式(2)で表される構成単位の合計を100モル%としたときに、好ましくは3モル%以上、より好ましくは5モル%以上、さらに好ましくは7モル%以上、とりわけ好ましくは9モル%以上であり、好ましくは90モル%以下、より好ましくは70モル%以下、さらに好ましくは50モル%以下、とりわけ好ましくは30モル%以下である。sが1〜4である式(3)又は式(3’)で表される構成単位の割合が上記の下限以上であると、光学フィルムの耐カール性、弾性率及び耐屈曲性を高めやすい。sが1〜4である式(3)で表される構成単位の割合が上記の上限以下であると、式(3)又は式(3’)で表される構成単位由来のアミド結合間水素結合による樹脂含有ワニスの粘度上昇を抑制し、フィルムの加工性を向上しやすい。なお、式(1)、式(2)、式(3)又は式(3’)で表される構成単位の割合は、例えばH−NMRを用いて測定することができ、又は原料の仕込み比から算出することもできる。
本発明の好ましい一実施形態において、ポリアミドイミド樹脂又はポリアミド系樹脂中のZの、好ましくは30モル%以上、より好ましくは40モル%以上、さらに好ましくは45モル%以上、さらにより好ましくは50モル%以上が、sが0〜4である式(3)又は式(3’)で表される構成単位である。Zの上記の下限以上が、sが0〜4である式(3)又は式(3’)で表される構成単位であると、光学フィルムの耐カール性、弾性率及び耐屈曲性を高めやすい。また、ポリアミドイミド樹脂又はポリアミド系樹脂中のZの100モル%以下が、sが0〜4である式(3)又は式(3’)で表される構成単位であればよい。なお、樹脂中の、sが0〜4である式(3)又は式(3’)で表される構成単位の割合は、例えばH−NMRを用いて測定することができ、又は原料の仕込み比から算出することもできる。
本発明の好ましい一実施形態において、ポリアミドイミド樹脂又はポリアミド系樹脂中のZの、好ましくは5モル%以上、より好ましくは8モル%以上、さらに好ましくは10モル%以上、とりわけ好ましくは12モル%以上が、sが1〜4である式(3)又は式(3’)で表される。ポリアミドイミド樹脂又はポリアミド系樹脂のZの上記の下限以上が、sが1〜4である式(3)又は式(3’)で表される場合、光学フィルムの耐カール性、弾性率及び耐屈曲性を高めやすい。また、Zの、好ましくは90モル%以下、より好ましくは70モル%以下、さらに好ましくは50モル%以下、とりわけ好ましくは30モル%以下が、sが1〜4である式(3)又は式(3’)で表される。Zの上記の上限以下が、sが1〜4である式(3)で表される場合、sが1〜4である式(3)又は式(3’)で表される構成単位由来のアミド結合間水素結合による樹脂含有ワニスの粘度上昇を抑制し、フィルムの加工性を向上しやすい。なお樹脂中のsが1〜4である式(3)又は式(3’)で表される構成単位の割合は、例えばH−NMRを用いて測定することができ、又は原料の仕込み比から算出することもできる。
式(1)及び式(2)において、Xは、互いに独立に、2価の有機基、好ましくは炭素数4〜40の2価の有機基、より好ましくは環状構造を有する炭素数4〜40の2価の有機基を表す。環状構造としては、脂環、芳香環、ヘテロ環構造が挙げられる。前記有機基は、有機基中の水素原子が炭化水素基又はフッ素置換された炭化水素基で置換されていてもよく、その場合、炭化水素基及びフッ素置換された炭化水素基の炭素数は好ましくは1〜8である。本発明の一実施形態において、本発明のポリアミドイミド樹脂は、複数種のXを含み得、複数種のXは、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。Xとしては、式(10)、式(11)、式(12)、式(13)、式(14)、式(15)、式(16)、式(17)及び式(18)で表される基;該式(10)〜式(18)で表される基中の水素原子がメチル基、フルオロ基、クロロ基又はトリフルオロメチル基で置換された基;並びに炭素数6以下の鎖式炭化水素基が例示される。
Figure 2021115861
式(10)〜式(18)中、*は結合手を表し、
、V及びVは、互いに独立に、単結合、−O−、−S−、−CH−、−CH−CH−、−CH(CH)−、−C(CH−、−C(CF−、−SO−、−CO−又は−N(Q)−を表す。ここで、Qはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜12の1価の炭化水素基を表す。炭素数1〜12の1価の炭化水素基としては、Rについて上記に述べた基が挙げられる。
1つの例は、V及びVが単結合、−O−又は−S−であり、かつ、Vが−CH−、−C(CH−、−C(CF−又は−SO−である。VとVとの各環に対する結合位置、及び、VとVとの各環に対する結合位置は、互いに独立に、各環に対して好ましくはメタ位又はパラ位、より好ましくはパラ位である。
式(10)〜式(18)で表される基の中でも、光学フィルムの耐カール性、弾性率及び耐屈曲性を高めやすい観点から、式(13)、式(14)、式(15)、式(16)及び式(17)で表される基が好ましく、式(14)、式(15)及び式(16)で表される基がより好ましい。また、V、V及びVは、光学フィルムの耐カール性、弾性率及び柔軟性を高めやすい観点から、互いに独立に、好ましくは単結合、−O−又は−S−、より好ましくは単結合又は−O−である。
本発明の好ましい一実施形態において、ポリアミド系樹脂及びポリイミド系樹脂は、式(1)中のX又は式(2)中のXとして、式(4):
Figure 2021115861
[式(4)中、R10〜R17は、互いに独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数6〜12のアリール基を表し、R10〜R17に含まれる水素原子は、互いに独立に、ハロゲン原子で置換されていてもよく、*は結合手を表す]
で表される構造を含む。式(1)及び式(2)で表される複数の構成単位中のXの少なくとも一部が式(4)で表される構造であると、光学フィルムの耐カール性、弾性率及び透明性を高めやすい。
式(4)において、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16及びR17は、互いに独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、又は炭素数6〜12のアリール基を表す。炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数6〜12のアリール基としては、式(3)における炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数6〜12のアリール基として例示した基が挙げられる。R10〜R17は、互いに独立に、好ましくは水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基、より好ましくは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、ここで、R10〜R17に含まれる水素原子は、互いに独立に、ハロゲン原子で置換されていてもよい。ハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。R10〜R17は、互いに独立に、光学フィルムの耐カール性、弾性率、透明性及び耐屈曲性の観点から、さらに好ましくは水素原子、メチル基、フルオロ基、クロロ基又はトリフルオロメチル基であり、さらにより好ましくはR10、R12、R13、R14、R15及びR16が水素原子、R11及びR17が水素原子、メチル基、フルオロ基、クロロ基又はトリフルオロメチル基であり、とりわけ好ましくはR11及びR17がメチル基又はトリフルオロメチル基である。
本発明の好ましい一実施形態において、式(4)で表される構成単位は式(4’):
Figure 2021115861
で表される構成単位であり、すなわち、式(1)及び式(2)で表される複数の構成単位中のXの少なくとも一部は、式(4’)で表される構成単位である。この場合、フッ素元素を含有する骨格によりポリイミド系樹脂又はポリアミド系樹脂の溶媒への溶解性を高め、該樹脂を含有するワニスの保管安定性を向上しやすいと共に、該ワニスの粘度を低減しやすく、光学フィルムの加工性を向上しやすい。また、フッ素元素を含有する骨格により、光学フィルムの光学特性を向上しやすい。
本発明の好ましい一実施形態において、上記ポリイミド系樹脂又はポリアミド系樹脂中のXの、好ましくは30モル%以上、より好ましくは50モル%以上、さらに好ましくは70モル%以上が式(4)、特に式(4’)で表される。ポリイミド系樹脂又はポリアミド系樹脂における上記範囲内のXが式(4)、特に式(4’)で表される場合、得られる光学フィルムは、フッ素元素を含有する骨格により樹脂の溶媒への溶解性を高め、該樹脂を含有するワニスの保管安定性を向上しやすいと共に、該ワニスの粘度を低減しやすく、光学フィルムの加工性を向上しやすい。また、フッ素元素を含有する骨格により、光学フィルムの光学特性も向上しやすい。なお、好ましくは、上記ポリイミド系樹脂又はポリアミド系樹脂中のXの100モル%以下が式(4)、特に式(4’)で表される。上記樹脂中のXは式(4)、特に式(4’)であってもよい。上記樹脂中のXの式(4)で表される構成単位の割合は、例えばH−NMRを用いて測定することができ、又は原料の仕込み比から算出することもできる。
式(1)において、Yは、4価の有機基、好ましくは炭素数4〜40の4価の有機基を表し、より好ましくは環状構造を有する炭素数4〜40の4価の有機基を表す。環状構造としては、脂環、芳香環、ヘテロ環構造が挙げられ、耐カール性及び弾性率を高めやすい観点からは、好ましくは芳香環が挙げられる。前記有機基は、有機基中の水素原子が炭化水素基又はフッ素置換された炭化水素基で置換されていてもよい有機基であり、その場合、炭化水素基及びフッ素置換された炭化水素基の炭素数は好ましくは1〜8である。本発明の一実施形態において、ポリイミド系樹脂は、複数種のYを含み得、複数種のYは、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。Yとしては、以下の式(20)、式(21)、式(22)、式(23)、式(24)、式(25)、式(26)、式(27)、式(28)及び式(29)で表される基;該式(20)〜式(29)で表される基中の水素原子がメチル基、フルオロ基、クロロ基又はトリフルオロメチル基で置換された基;並びに4価の炭素数6以下の鎖式炭化水素基が例示される。
Figure 2021115861
式(20)〜式(29)中、*は結合手を表し、Wは、単結合、−O−、−CH−、−CH−CH−、−CH(CH)−、−C(CH−、−C(CF−、−Ar−、−SO−、−CO−、−O−Ar−O−、−Ar−O−Ar−、−Ar−CH−Ar−、−Ar−C(CH−Ar−又は−Ar−SO−Ar−を表す。Arは、水素原子がフッ素原子で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリーレン基を表し、具体例としてはフェニレン基が挙げられる。
式(20)〜式(29)で表される基の中でも、光学フィルムの耐カール性、弾性率及び耐屈曲性を高めやすい観点から、式(26)、式(28)又は式(29)で表される基が好ましく、式(26)で表される基がより好ましい。また、Wは、光学フィルムの耐カール性、弾性率及び耐屈曲性を高めやすいと共に、光学フィルムのYI値を低減しやすい観点から、互いに独立に、好ましくは単結合、−O−、−CH−、−CH−CH−、−CH(CH)−、−C(CH−又は−C(CF−、より好ましくは単結合、−O−、−CH−、−CH(CH)−、−C(CH−又は−C(CF−、さらに好ましくは単結合、−C(CH−又は−C(CF−、最も好ましくは単結合又は−C(CF−である。
本発明の好ましい一実施形態において、ポリイミド系樹脂中のYの、好ましくは50モル%以上、より好ましくは60モル%以上、さらに好ましくは70モル%以上が、式(26)で表される。ポリイミド系樹脂における上記範囲内のYが式(26)、好ましくはWが単結合、−C(CH−又は−C(CF−である式(26)、より好ましくはWが単結合又は−C(CF−である式(26)で表されると、光学フィルムの耐カール性、弾性率及び耐屈曲性を高めやすいと共に、光学フィルムのYI値を低減しやすい。ポリイミド系樹脂中のYが式(26)で表される構成単位の割合は、例えばH−NMRを用いて測定することができ、又は原料の仕込み比から算出することもできる。
本発明の好ましい一実施形態において、複数の式(1)中のYの少なくとも一部は、式(5):
Figure 2021115861
[式(5)中、R18〜R25は、互いに独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数6〜12のアリール基を表し、R18〜R25に含まれる水素原子は、互いに独立に、ハロゲン原子で置換されていてもよく、*は結合手を表す]
及び/又は式(9)
Figure 2021115861
[式(9)中、R35〜R40は、互いに独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基を表し、R35〜R40に含まれる水素原子は、互いに独立に、ハロゲン原子で置換されていてもよく、*は結合手を表す]
で表される。複数の式(1)中のYの少なくとも一部が式(5)で表される、及び/又は、式(9)で表されると、光学フィルムの耐カール性、弾性率及び光学特性を向上させやすい。
式(5)において、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24及びR25は、互いに独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数6〜12のアリール基を表す。炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数6〜12のアリール基としては、式(3)における炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数6〜12のアリール基として上記に例示のものが挙げられる。R18〜R25は、互いに独立に、好ましくは水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基、より好ましくは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、ここで、R18〜R25に含まれる水素原子は、互いに独立に、ハロゲン原子で置換されていてもよい。該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。R18〜R25は、互いに独立に、光学フィルムの耐カール性、弾性率及び耐屈曲性を高めやすい観点、並びに、透明性を高めやすいと共に、該透明性を維持しやすい観点から、さらに好ましくは水素原子、メチル基、フルオロ基、クロロ基又はトリフルオロメチル基であり、さらにより好ましくはR18、R19、R20、R23、R24及びR25が水素原子、R21及びR22が水素原子、メチル基、フルオロ基、クロロ基又はトリフルオロメチル基であり、とりわけ好ましくはR21及びR22がメチル基又はトリフルオロメチル基である。
式(9)において、光学フィルムの化学的安定性、耐カール性、弾性率及び耐屈曲性を高めやすい観点、並びに、透明性を高めやすいと共に、該透明性を維持しやすい観点から、R35〜R40は、好ましくは水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基であり、より好ましくは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基であり、さらに好ましくは水素原子である。ここで、R35〜R40に含まれる水素原子は、互いに独立に、ハロゲン原子で置換されていてもよく、該ハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。R35〜R40における炭素数1〜6のアルキル基及び炭素数6〜12のアリール基としては、それぞれ上記に例示のものが挙げられる。
本発明の好ましい一実施形態においては、式(5)は式(5’)で表され、式(9)は式(9’):
Figure 2021115861
で表される。すなわち、複数のYの少なくとも一部は、式(5’)及び/又は式(9’)で表される。この場合、光学フィルムの耐カール性、弾性率及び耐屈曲性を高めやすい。さらに、式(5)が式(5’)で表される場合、フッ素元素を含有する骨格によりポリイミド系樹脂の溶媒への溶解性を高め、該樹脂を含有するワニスの保管安定性を向上しやすいと共に、該ワニスの粘度を低減しやすく、光学フィルムの加工性を向上しやすい。また、フッ素元素を含有する骨格により、光学フィルムの光学特性を向上しやすい。
本発明の好ましい一実施形態において、ポリイミド系樹脂中のYの、好ましくは50モル%以上、より好ましくは60モル%以上、さらに好ましくは70モル%以上が、式(5)、特に式(5’)で表される。ポリイミド系樹脂における上記範囲内のYが式(5)、特に式(5’)で表されると、フッ素元素を含有する骨格によりポリイミド系樹脂の溶媒への溶解性を高め、該樹脂を含有するワニスの粘度を低減しやすく、光学フィルムの加工性を向上しやすい。また、フッ素元素を含有する骨格により、光学フィルムの光学特性を向上しやすい。なお、好ましくは、上記ポリイミド系樹脂中のYの100モル%以下が式(5)、特に式(5’)で表される。ポリイミド系樹脂中のYは式(5)、特に式(5’)であってもよい。ポリイミド系樹脂中のYの式(5)で表される構成単位の割合は、例えばH−NMRを用いて測定することができ、又は原料の仕込み比から算出することもできる。
本発明の好ましい一実施形態において、式(1)で表される複数の構成単位は、Yが式(5)で表される構成単位に加えて、Yが式(9)で表される構成単位をさらに含むことが好ましい。Yが式(9)で表される構成単位をさらに含む場合、光学フィルムの耐カール性及び弾性率をさらに向上させやすい。
ポリイミド系樹脂は、式(30)で表される構成単位及び/又は式(31)で表される構成単位を含むものであってもよく、また式(1)及び場合により式(2)で表される構成単位の他に、式(30)で表される構成単位及び/又は式(31)で表される構成単位を含むものであってもよい。
Figure 2021115861
式(30)において、Yは4価の有機基であり、好ましくは有機基中の水素原子が炭化水素基又はフッ素置換された炭化水素基で置換されていてもよい有機基である。Yとしては、式(20)、式(21)、式(22)、式(23)、式(24)、式(25)、式(26)、式(27)、式(28)及び式(29)で表される基、該式(20)〜式(29)で表される基中の水素原子がメチル基、フルオロ基、クロロ基又はトリフルオロメチル基で置換された基、並びに4価の炭素数6以下の鎖式炭化水素基が例示される。本発明の一実施形態において、ポリイミド系樹脂は、複数種のYを含み得、複数種のYは、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
式(31)において、Yは3価の有機基であり、好ましくは有機基中の水素原子が炭化水素基又はフッ素置換された炭化水素基で置換されていてもよい有機基である。Yとしては、上記の式(20)、式(21)、式(22)、式(23)、式(24)、式(25)、式(26)、式(27)、式(28)及び式(29)で表される基の結合手のいずれか1つが水素原子に置き換わった基、及び3価の炭素数6以下の鎖式炭化水素基が例示される。本発明の一実施形態において、ポリイミド系樹脂は、複数種のYを含み得、複数種のYは、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
式(30)及び式(31)において、X及びXは、互いに独立に、2価の有機基であり、好ましくは有機基中の水素原子が炭化水素基又はフッ素置換された炭化水素基で置換されていてもよい有機基である。X及びXとしては、上記の式(10)、式(11)、式(12)、式(13)、式(14)、式(15)、式(16)、式(17)及び式(18)で表される基;該式(10)〜式(18)で表される基中の水素原子がメチル基、フルオロ基、クロロ基又はトリフルオロメチル基で置換された基;並びに炭素数6以下の鎖式炭化水素基が例示される。
本発明の一実施形態において、ポリイミド系樹脂は、式(1)及び/又は式(2)で表される構成単位、並びに場合により式(30)及び/又は式(31)で表される構成単位からなる。また、光学フィルムの光学特性、耐カール性、弾性率及び耐屈曲性を高めやすい観点から、上記ポリイミド系樹脂において、式(1)及び式(2)で表される構成単位の割合は、式(1)及び式(2)、並びに場合により式(30)及び式(31)で表される全構成単位に基づいて、好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは95モル%以上である。なお、ポリイミド系樹脂において、式(1)及び式(2)で表される構成単位の割合は、式(1)及び式(2)、並びに場合により式(30)及び/又は式(31)で表される全構成単位に基づいて、通常100%以下である。なお、上記割合は、例えば、H−NMRを用いて測定することができ、又は原料の仕込み比から算出することもできる。
本発明の一実施形態において、光学フィルム中におけるポリイミド系樹脂及び/又はポリアミド系樹脂の含有量は、光学フィルム100質量部に対して、好ましくは10質量部以上、より好ましくは30質量部以上、さらに好ましくは50質量部以上であり、好ましくは99.5質量部以下、より好ましくは95質量部以下である。ポリイミド系樹脂及び/又はポリアミド系樹脂の含有量が上記範囲内であると、光学フィルムの光学特性、耐カール性及び弾性率を向上させやすい。
ポリイミド系樹脂及びポリアミド系樹脂の重量平均分子量は、光学フィルムの耐カール性、弾性率及び耐屈曲性を高めやすい観点から、標準ポリスチレン換算で、好ましくは200,000以上、より好ましくは230,000以上、さらに好ましくは250,000以上、さらにより好ましくは270,000以上、とりわけ好ましくは280,000以上である。また、ポリイミド系樹脂及びポリアミド系樹脂の重量平均分子量は、該樹脂の溶媒に対する溶解性を向上しやすいと共に、光学フィルムの延伸性及び加工性を向上しやすい観点から、好ましくは1,000,000以下、より好ましくは800,000以下、さらに好ましくは700,000以下、とりわけ好ましくは500,000以下である。重量平均分子量は、例えばゲル浸透クロマトグラフィー(以下、GPCと記載することがある)による測定を行い、標準ポリスチレン換算によって求めることができ、例えば実施例に記載の方法により算出してよい。
ポリアミドイミド樹脂において、式(2)で表される構成単位の含有量は、式(1)で表される構成単位1モルに対して、好ましくは0.1モル以上、より好ましくは0.5モル以上、さらに好ましくは1.0モル以上、好ましくは1.5モル以上であり、好ましくは6.0モル以下、より好ましくは5.0モル以下、さらに好ましくは4.5モル以下である。式(2)で表される構成単位の含有量が上記の下限以上であると、光学フィルムの耐カール性及び弾性率を高めやすい。また、式(2)で表される構成単位の含有量が上記の上限以下であると、式(2)中のアミド結合間の水素結合による増粘を抑制し、光学フィルムの加工性を向上させやすい。
本発明の好ましい一実施形態において、光学フィルムに含まれるポリイミド系樹脂及び/又はポリアミド系樹脂は、例えば上記の含フッ素置換基等によって導入することができる、フッ素原子等のハロゲン原子を含んでよい。ポリイミド系樹脂及び/又はポリアミド系樹脂がハロゲン原子を含む場合、光学フィルムの弾性率を向上させ、かつYI値を低減させやすい。光学フィルムの弾性率が高いと、傷及びシワ等の発生を抑制しやすい。また、光学フィルムのYI値が低いと、該フィルムの透明性及び視認性を向上させやすくなる。ハロゲン原子は、好ましくはフッ素原子である。ポリイミド系樹脂にフッ素原子を含有させるために好ましい含フッ素置換基としては、例えばフルオロ基及びトリフルオロメチル基が挙げられる。
ポリイミド系樹脂及びポリアミド系樹脂におけるハロゲン原子の含有量は、それぞれ、ポリイミド系樹脂及びポリアミド系樹脂の質量を基準として、好ましくは1〜40質量%、より好ましくは5〜40質量%、さらに好ましくは5〜30質量%である。ハロゲン原子の含有量が上記の下限以上であると、光学フィルムの弾性率をより向上させ、吸水率を下げ、YI値をより低減し、透明性及び視認性をより向上させやすい。ハロゲン原子の含有量が上記の上限以下であると、合成がしやすくなる。
ポリイミド系樹脂及びポリアミドイミド樹脂のイミド化率は、好ましくは90%以上、より好ましくは93%以上、さらに好ましくは96%以上である。光学フィルムの光学特性を高めやすい観点から、イミド化率が上記の下限以上であることが好ましい。また、イミド化率の上限は100%以下である。イミド化率は、ポリイミド系樹脂中のテトラカルボン酸化合物に由来する構成単位のモル量の2倍の値に対する、ポリイミド系樹脂中のイミド結合のモル量の割合を示す。なお、ポリイミド系樹脂がトリカルボン酸化合物を含む場合には、ポリイミド系樹脂中のテトラカルボン酸化合物に由来する構成単位のモル量の2倍の値と、トリカルボン酸化合物に由来する構成単位のモル量との合計に対する、ポリイミド系樹脂中のイミド結合のモル量の割合を示す。また、イミド化率は、IR法、NMR法などにより求めることができる。
ポリイミド系樹脂及びポリアミド系樹脂として、市販品を使用してもよい。ポリイミド樹脂の市販品としては、例えば三菱瓦斯化学(株)製ネオプリム(登録商標)、河村産業(株)製KPI−MX300F等が挙げられる。
本発明において、光学フィルムは、ポリアミド系樹脂を含んでいてもよい。本実施形態に係るポリアミド系樹脂は、式(2)で表される繰り返し構成単位を主とする重合体である。ポリアミド系樹脂における式(2)中のZの好ましい例及び具体例は、ポリイミド系樹脂におけるZの好ましい例及び具体例と同じである。前記ポリアミド系樹脂は、Zが異なる2種類以上の式(2)で表される繰り返し構成単位を含んでいてもよい。
(樹脂の製造方法)
ポリイミド樹脂及びポリイミド前駆体樹脂は、例えば、テトラカルボン酸化合物及びジアミン化合物を主な原料として製造でき、ポリアミドイミド樹脂及びポリアミドイミド前駆体樹脂は、例えば、テトラカルボン酸化合物、ジカルボン酸化合物及びジアミン化合物を主な原料として製造でき、ポリアミド樹脂は、例えば、ジアミン化合物及びジカルボン酸化合物を主な原料として製造できる。ここで、ジカルボン酸化合物は少なくとも式(3”)で表される化合物を含むことが好ましい。
Figure 2021115861
[式(3”)中、R〜Rは、互いに独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、又は炭素数6〜12のアリール基を表し、R〜Rに含まれる水素原子は、互いに独立に、ハロゲン原子で置換されていてもよく、
Aは、単結合、−O−、−CH−、−CH−CH−、−CH(CH)−、−C(CH−、−C(CF−、−SO−、−S−、−CO−又は−N(R)−を表し、
は水素原子、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜12の1価の炭化水素基を表し、
mは0〜4の整数であり、
31及びR32は、互いに独立に、ヒドロキシル基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基又は塩素原子を表す。]
本発明の好ましい一実施形態において、ジカルボン酸化合物は、mが0である、式(3”)で表される化合物である。ジカルボン酸化合物として、mが0である式(3”)で表される化合物に加えて、Aが酸素原子である式(3”)で表される化合物を使用することがより好ましい。また、別の好ましい一実施形態においては、ジカルボン酸化合物は、R31及びR32が塩素原子である、式(3”)で表される化合物である。また、ジアミン化合物に代えて、ジイソシアネート化合物を用いてもよい。
樹脂の製造に使用されるジアミン化合物としては、例えば、脂肪族ジアミン、芳香族ジアミン及びこれらの混合物が挙げられる。なお、本実施形態において「芳香族ジアミン」とは、アミノ基が芳香環に直接結合しているジアミンを表し、その構造の一部に脂肪族基又はその他の置換基を含んでいてもよい。この芳香環は単環でも縮合環でもよく、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環及びフルオレン環等が例示されるが、これらに限定されるわけではない。これらの中でも、好ましくはベンゼン環が例示される。また「脂肪族ジアミン」とは、アミノ基が脂肪族基に直接結合しているジアミンを表し、その構造の一部に芳香環やその他の置換基を含んでいてもよい。
脂肪族ジアミンとしては、例えば、ヘキサメチレンジアミン等の非環式脂肪族ジアミン、並びに1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ノルボルナンジアミン及び4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン等の環式脂肪族ジアミン等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組合せて用いることができる。
芳香族ジアミンとしては、例えばp−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、2,4−トルエンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、1,5−ジアミノナフタレン、2,6−ジアミノナフタレン等の、芳香環を1つ有する芳香族ジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2’−ジメチルベンジジン、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノジフェニル(TFMBと記載することがある)、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−アミノ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−アミノ−3−クロロフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−アミノ−3−フルオロフェニル)フルオレン等の、芳香環を2つ以上有する芳香族ジアミンが挙げられる。これらは単独又は2種以上を組合せて使用できる。
芳香族ジアミンは、好ましくは4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2’−ジメチルベンジジン、TFMB、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニルであり、より好ましくは4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2’−ジメチルベンジジン、TFMB、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニルである。これらは単独又は2種以上を組合せて使用できる。
上記ジアミン化合物の中でも、光学フィルムの高弾性率、高透明性、高柔軟性、高屈曲耐性及び低着色性の観点からは、ビフェニル構造を有する芳香族ジアミンからなる群から選ばれる1種以上を用いることが好ましい。2,2’−ジメチルベンジジン、TFMB、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル及び4,4’−ジアミノジフェニルエーテルからなる群から選ばれる1種以上を用いることがより好ましく、TFMBを用いることがさらに好ましい。
樹脂の製造に用いられるテトラカルボン酸化合物としては、芳香族テトラカルボン酸二無水物等の芳香族テトラカルボン酸化合物;及び脂肪族テトラカルボン酸二無水物等の脂肪族テトラカルボン酸化合物等が挙げられる。テトラカルボン酸化合物は、単独で用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。テトラカルボン酸化合物は、二無水物の他、酸クロリド化合物等のテトラカルボン酸化合物類縁体であってもよい。
芳香族テトラカルボン酸二無水物の具体例としては、非縮合多環式の芳香族テトラカルボン酸二無水物、単環式の芳香族テトラカルボン酸二無水物及び縮合多環式の芳香族テトラカルボン酸二無水物が挙げられる。非縮合多環式の芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、例えば4,4’−オキシジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDAと記載することがある)、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシフェニル)プロパン二無水物、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物(6FDAと記載することがある)、1,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、4,4’−(p−フェニレンジオキシ)ジフタル酸二無水物、4,4’−(m−フェニレンジオキシ)ジフタル酸二無水物が挙げられる。また、単環式の芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、例えば1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物が挙げられ、縮合多環式の芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、例えば2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物が挙げられる。
これらの中でも、好ましくは4,4’−オキシジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、BPDA、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシフェニル)プロパン二無水物、6FDA、1,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、4,4’−(p−フェニレンジオキシ)ジフタル酸二無水物及び4,4’−(m−フェニレンジオキシ)ジフタル酸二無水物が挙げられ、より好ましくは4,4’−オキシジフタル酸二無水物、BPDA、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、6FDA、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物及び4,4’−(p−フェニレンジオキシ)ジフタル酸二無水物が挙げられる。これらは単独又は2種以上を組合せて使用できる。
脂肪族テトラカルボン酸二無水物としては、環式又は非環式の脂肪族テトラカルボン酸二無水物が挙げられる。環式脂肪族テトラカルボン酸二無水物とは、脂環式炭化水素構造を有するテトラカルボン酸二無水物であり、その具体例としては、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物等のシクロアルカンテトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ジシクロヘキシル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物及びこれらの位置異性体が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組合せて用いることができる。非環式脂肪族テトラカルボン酸二無水物の具体例としては、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、及び1,2,3,4−ペンタンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を組合せて用いることができる。また、環式脂肪族テトラカルボン酸二無水物及び非環式脂肪族テトラカルボン酸二無水物を組合せて用いてもよい。
上記テトラカルボン酸二無水物の中でも、光学フィルムの高耐カール性、高弾性率、高表面硬度、高透明性、高柔軟性、高屈曲耐性、及び低着色性の観点から、4,4’−オキシジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、BPDA、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、6FDA、並びにこれらの混合物が好ましく、BPDA及び6FDA、並びにこれらの混合物がより好ましく、6FDA及びBPDAがさらに好ましい。
樹脂の製造に用いられるジカルボン酸化合物としては、好ましくはテレフタル酸、イソフタル酸、4,4’−オキシビス安息香酸又はそれらの酸クロリド化合物が用いられる。テレフタル酸、イソフタル酸、4,4’−オキシビス安息香酸又はそれらの酸クロリド化合物に加えて、他のジカルボン酸化合物が用いられてもよい。他のジカルボン酸化合物としては、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸及びそれらの類縁の酸クロリド化合物、酸無水物等が挙げられ、2種以上を組合せて用いてもよい。具体例としては、イソフタル酸;ナフタレンジカルボン酸;4,4’−ビフェニルジカルボン酸;3,3’−ビフェニルジカルボン酸;炭素数8以下である鎖式炭化水素、のジカルボン酸化合物及び2つの安息香酸が単結合、−CH−、−C(CH−、−C(CF−、−SO−又はフェニレン基で連結された化合物並びに、それらの酸クロリド化合物が挙げられる。具体例としては、4,4’−オキシビス(ベンゾイルクロリド)、テレフタロイルクロリド又はイソフタロイルクロリドが好ましく、4,4’−オキシビス(ベンゾイルクロリド)とテレフタロイルクロリドとを組合せて用いることがさらに好ましい。
なお、上記ポリイミド系樹脂は、光学フィルムの各種物性を損なわない範囲で、上記テトラカルボン酸化合物に加えて、テトラカルボン酸及びトリカルボン酸並びにそれらの無水物及び誘導体をさらに反応させたものであってもよい。
テトラカルボン酸としては、上記テトラカルボン酸化合物の無水物の水付加体が挙げられる。
トリカルボン酸化合物としては、芳香族トリカルボン酸、脂肪族トリカルボン酸及びそれらの類縁の酸クロリド化合物、酸無水物等が挙げられ、2種以上を組合せて用いてもよい。具体例としては、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸の無水物;1,3,5−ベンゼントリカルボン酸の無水物;2,3,6−ナフタレントリカルボン酸−2,3−無水物;フタル酸無水物と安息香酸とが単結合、−O−、−CH−、−C(CH−、−C(CF−、−SO−又はフェニレン基で連結された化合物が挙げられる。
樹脂の製造において、ジアミン化合物、テトラカルボン酸化合物及び/又はジカルボン酸化合物の使用量は、所望とするポリイミド系樹脂の各構成単位の比率に応じて適宜選択できる。
樹脂の製造において、ジアミン化合物、テトラカルボン酸化合物及びジカルボン酸化合物の反応温度は、特に限定されないが、例えば5〜350℃、好ましくは20〜200℃、より好ましくは25〜100℃である。反応時間も特に限定されないが、例えば30分〜10時間程度である。必要に応じて、不活性雰囲気又は減圧の条件下において反応を行ってよい。好ましい態様では、反応は、常圧及び/又は不活性ガス雰囲気下、撹拌しながら行う。また、反応は、反応に不活性な溶媒中で行うことが好ましい。溶媒としては、反応に影響を与えない限り特に限定されないが、例えば、水、メタノール、エタノール、エチレングリコール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールブチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、2−ブトキシエタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン(以下、GBLと記載することがある)、γ−バレロラクトン、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、乳酸エチル等のエステル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素溶媒;エチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素溶媒;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒;アセトニトリル等のニトリル系溶媒;テトラヒドロフラン及びジメトキシエタン等のエーテル系溶媒;クロロホルム及びクロロベンゼン等の塩素含有溶媒;N,N−ジメチルアセトアミド(以下、DMAcと記載することがある)、N,N−ジメチルホルムアミド(以下、DMFと記載することがある)等のアミド系溶媒;ジメチルスルホン、ジメチルスルホキシド、スルホラン等の含硫黄系溶媒;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート系溶媒;及びそれらの組合せ(混合溶媒)などが挙げられる。これらの中でも、溶解性の観点から、アミド系溶媒を好適に使用できる。
ポリイミド系樹脂の製造におけるイミド化工程では、イミド化触媒の存在下で、イミド化することができる。イミド化触媒としては、例えばトリプロピルアミン、ジブチルプロピルアミン、エチルジブチルアミン等の脂肪族アミン;N−エチルピペリジン、N−プロピルピペリジン、N−ブチルピロリジン、N−ブチルピペリジン、及びN−プロピルヘキサヒドロアゼピン等の脂環式アミン(単環式);アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、アザビシクロ[3.2.1]オクタン、アザビシクロ[2.2.2]オクタン、及びアザビシクロ[3.2.2]ノナン等の脂環式アミン(多環式);並びにピリジン、2−メチルピリジン(2−ピコリン)、3−メチルピリジン(3−ピコリン)、4−メチルピリジン(4−ピコリン)、2−エチルピリジン、3−エチルピリジン、4−エチルピリジン、2,4−ジメチルピリジン、2,4,6−トリメチルピリジン、3,4−シクロペンテノピリジン、5,6,7,8−テトラヒドロイソキノリン、及びイソキノリン等の芳香族アミンが挙げられる。また、イミド化反応を促進しやすい観点から、イミド化触媒とともに、酸無水物を用いることが好ましい。酸無水物は、イミド化反応に用いられる慣用の酸無水物等が挙げられ、その具体例としては、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸等の脂肪族酸無水物、フタル酸等の芳香族酸無水物などが挙げられる。
ポリイミド系樹脂及びポリアミド系樹脂は、慣用の方法、例えば、濾過、濃縮、抽出、晶析、再結晶、カラムクロマトグラフィーなどの分離手段や、これらを組合せた分離手段により分離精製して単離してもよく、好ましい態様では、透明ポリアミドイミド樹脂を含む反応液に、多量のメタノール等のアルコールを加え、樹脂を析出させ、濃縮、濾過、乾燥等を行うことにより単離することができる。
(光学フィルム)
本発明において、光学フィルムを構成する樹脂組成物におけるポリイミド系樹脂及び/又はポリアミド系樹脂の含有量は、樹脂組成物の固形分に対して、好ましくは40質量%以上、より好ましくは50質量%以上、さらに好ましくは60質量%以上、とりわけ好ましくは70質量%以上であり、100質量%であってもよい。ポリイミド系樹脂及び/又はポリアミド系樹脂の含有量が上記下限値以上であると、光学フィルムの屈曲性が良好である。なお、固形分とは、樹脂組成物から溶媒を除いた成分の合計量のことをいう。
本発明において、光学フィルムを形成する樹脂組成物は、上記ポリイミド系樹脂及び/又はポリアミド系樹脂に加えて、無機粒子等の無機材料をさらに含有していてもよい。無機材料として、シリカ粒子、チタン粒子、水酸化アルミニウム、ジルコニア粒子、チタン酸バリウム粒子などの無機粒子、また、オルトケイ酸テトラエチル等の4級アルコキシシラン等のケイ素化合物が挙げられる。ワニスの安定性、無機材料の分散性の観点から、好ましくは、シリカ粒子、水酸化アルミニウム、ジルコニア粒子が挙げられ、さらに好ましくはシリカ粒子である。
無機材料粒子の平均一次粒子径は、好ましくは1〜100nm、より好ましくは5〜70nm、さらに好ましくは10〜50nm、とりわけ好ましくは10〜30nmである。シリカ粒子の平均一次粒子径が前記の範囲にあると、透明性が向上する傾向があり、また、シリカ粒子の凝集力が弱まるために取り扱いやすくなる傾向がある。
本発明においてシリカ粒子は、有機溶媒等にシリカ粒子を分散させたシリカゾルであっても、気相法で製造したシリカ微粒子粉末を用いてもよいが、ハンドリングが容易であることから、好ましくは液相法で製造したシリカゾルである。
光学フィルム中のシリカ粒子の平均一次粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)による観察で求めることができる。光学フィルムを形成する前のシリカ粒子の平均一次粒子径はBET法で、粒度分布は市販のレーザー回折式粒度分布計により求めることができる。
本発明において、樹脂組成物中の無機材料の含有量は、樹脂組成物の固形分に対して、好ましくは0質量%以上90質量%以下、より好ましくは10質量%以上60質量%以下、さらに好ましくは20質量%以上50質量%以下である。樹脂組成物における無機材料の含有量が上記の範囲内であると、光学フィルムの透明性及び機械的強度を両立させやすい傾向がある。なお、固形分とは、樹脂組成物から溶剤を除いた成分の合計量のことをいう。
光学フィルムを構成する樹脂組成物は、以上説明した成分に加えて、他の成分をさらに含有していてもよい。他の成分としては、例えば、紫外線吸収剤、酸化防止剤、離型剤、光安定剤、ブルーイング剤、難燃剤、滑剤及びレベリング剤が挙げられる。
紫外線吸収剤は、樹脂材料の分野で紫外線吸収剤として通常用いられているものから、適宜選択することができる。紫外線吸収剤は、400nm以下の波長の光を吸収する化合物を含んでいてもよい。紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系化合物、サリシレート系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、及びトリアジン系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物が挙げられる。紫外線吸収剤は単独又は二種以上を組合せて使用できる。光学フィルムが紫外線吸収剤を含有することにより、樹脂の劣化が抑制されるため、得られる光学フィルムを画像表示装置等に適用した場合に視認性を高めることができる。本明細書において、「系化合物」とは、当該「系化合物」が付される化合物の誘導体を指す。例えば、「ベンゾフェノン系化合物」とは、母体骨格としてのベンゾフェノンと、ベンゾフェノンに結合している置換基とを有する化合物を指す。
光学フィルムが紫外線吸収剤を含有する場合、紫外線吸収剤の含有量は、光学フィルム100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上、さらに好ましくは3質量部以上であり、好ましくは10質量部以下、より好ましくは8質量部以下、さらに好ましくは6質量部以下である。好適な含有量は用いる紫外線吸収剤により異なるが、400nmの光線透過率が20〜60%程度になるように紫外線吸収剤の含有量を調節すると、光学フィルムの耐光性が高められるとともに、透明性を高めやすい。
本発明において樹脂組成物がポリイミド系樹脂等の樹脂成分及び無機材料、紫外線吸収剤以外の他の成分を含む場合、その他の成分の含有量は、光学フィルムの総質量に対して好ましくは0%以上20質量%以下、より好ましくは0.01%以上10質量%以下である。
本発明において光学フィルムは、例えば、前記テトラカルボン酸化合物、前記ジアミン及び前記のその他の原料から選択して反応させて得られる、ポリイミド系樹脂及び/又はポリアミド系樹脂の反応液、必要に応じて無機材料及びその他の成分を含む樹脂組成物に、溶媒を加えて混合及び撹拌することにより調製される樹脂ワニスから製造することができる。前記樹脂組成物において、ポリイミド系樹脂等の反応液に変えて、購入したポリイミド系樹脂等の溶液や、購入した固体のポリイミド系樹脂等の溶液を用いてもよい。
樹脂ワニスを調製するために用いる溶媒としては、ポリイミド系樹脂等の樹脂成分を溶解又は分散させ得るものを適宜選択することができる。樹脂成分の溶解性、塗布性及び乾燥性等の観点から、前記有機溶媒の沸点は、好ましくは120〜300℃、より好ましくは120〜270℃、さらに好ましくは120〜250℃、とりわけ好ましくは120〜230℃である。そのような有機溶媒としては、具体的に例えば、DMF、DMAc、N−メチルピロリドンなどのアミド系溶媒;GBL、γ−バレロラクトン等のラクトン系溶媒;シクロヘキサノン、シクロペンタノン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒;酢酸ブチル、酢酸アミル等の酢酸エステル系溶媒;ジメチルスルホン、ジメチルスルホキシド、スルホラン等の含硫黄系溶媒、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート系溶媒などが挙げられる。中でも、ポリイミド系樹脂及びポリアミド系樹脂に対する溶解性に優れることから、DMAc(沸点:165℃)、GBL(沸点:204℃)、N−メチルピロリドン(沸点:202℃)、酢酸ブチル(沸点:126℃)、シクロペンタノン(沸点:131℃)及び酢酸アミル(沸点:149℃)からなる群から選択される溶媒が好ましい。溶媒として、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組合せて用いてもよい。なお、2種以上の溶媒を用いる場合には、用いる溶媒の中で最も沸点の高い溶媒の沸点が上記範囲に入るよう溶媒の種類を選択することが好ましい。
溶媒の量は、樹脂ワニスの取り扱いが可能な粘度になるように選択すればよく、特に制限はないが、例えば樹脂組成物の固形分100質量部に対して、好ましくは50〜95質量部、より好ましくは70〜95質量部、さらに好ましくは80〜95質量部である。
光学フィルムの厚さは、光学フィルムの用途等に応じて適宜決定すればよいが、通常、10〜500μm、好ましくは15〜200μm、より好ましくは20〜130μmである。光学フィルムの厚さが上記範囲内にあると、光学フィルムの屈曲性が良好となる傾向がある。
<硬化樹脂層>
本発明の積層フィルムは、光学フィルムと該光学フィルムの片面に積層された硬化樹脂層とを有する。硬化樹脂層は、例えば光学フィルム上に塗布した硬化樹脂組成物に活性エネルギー線を照射することにより、樹脂を重合や架橋、その他硬化反応により硬化させることで、光学フィルム上に設けることができる。また、本発明において、硬化樹脂層は、機能を有する層であることが好ましく、本明細書中で「機能」とは、光学フィルムに対して付与する機能を意味し、より具体的にはハードコート機能、帯電防止機能、防眩機能、低反射機能、反射防止機能、防汚機能、ガスバリア機能、プライマー機能、電磁波遮蔽機能、下塗り機能、紫外線吸収機能、粘着機能、色相調整機能等が挙げられるが、これらに限定されない。また、本明細書中で「硬化」とは、重合や架橋、その他の硬化反応のみならず、光学フィルムに付与する機能が保持されるように光学フィルムから樹脂層が簡単に剥がれ落ちないことを意味する。機能を有する硬化樹脂層(機能層とも言う)は1種類の機能を有する層であってもよいし、2種以上の機能を兼ね備えた層であってもよい。フレキシブル表示装置の前面板として使用しやすい観点から、該機能層の少なくとも1つは、ハードコート機能、帯電防止機能、防眩機能、低反射機能、反射防止機能及び防汚機能からなる群から選択される少なくとも1つの機能を有する層であることが好ましい。機能層は、1層で複数の機能を有していてもよいし、各機能を有する層を2層以上積層してもよい。2層以上積層する場合、積層する順番はその機能に応じて適宜設定される。これらの層は、光学フィルムの片面又は両面に積層される。両面に積層される場合、それぞれ面に積層される層の厚さ、機能、積層の順番は同一であってもよく、異なっていてもよい。機能層は、積層フィルムのカールを予防しやすい観点から、好ましくは5層以下、より好ましくは3層以下、さらに好ましくは2層以下、とりわけ好ましくは1層である。
機能層の厚さは、目的とする機能に応じて適宜設定してよいが、積層フィルムのカールを予防しやすく、また軽量化及び光学的均質性を高めやすい観点からは、好ましくは30μm以下、より好ましくは20μm以下、さらに好ましくは1μm以上10μm以下、さらにより好ましくは1μm以上8μm以下、とりわけ好ましくは2μm以上7μm以下である。ここで言う厚さとは、機能層を2層以上積層されている場合は、すべての層の厚さを意味する。なお、本発明において、機能層の厚さは例えば接触式のデジマチックインジケーターを用いて、光学フィルムの厚さとの差から算出することができる。
光学フィルムの厚さをT1、機能層の厚さをT2としたとき、T1/T2は、好ましくは1以上40以下、より好ましくは1.5以上30以下、さらに好ましくは2以上20以下、とりわけ好ましくは3以上10以下である。T1/T2が上記範囲にあると、光学フィルムと機能層のバランスが取れ、カールが発生しにくくなる。
光学フィルムと機能層は、十分に密着していることが好ましい。密着性は、例えばJIS K 5600−5−6に準拠したクロスハッチ試験によって評価でき、具体的には2mm間隔で10×10の基盤目状に傷を入れ、セロテープ(登録商標、ニチバン(株)製)を貼り付け、面に対して60°の方向にセロテープを引き剥がした後に残っている基盤目の数をカウントする。このとき、残っている碁盤目の数が多いほど密着性が高いといえ、その数は100であることが好ましい。
(ハードコート機能)
ハードコート機能は、光学フィルムの表面に耐傷性、耐薬品性などを付与して光学フィルムを保護する機能である。本発明の積層フィルムにおいて、機能層はハードコート機能を有する層、すなわちハードコート層であってよい。ハードコート層としては、公知のものを適宜採用してよく、例えばアクリル系、エポキシ系、ウレタン系、ベンジルクロライド系、ビニル系等の公知のハードコート層が挙げられる。これらの中でも積層フィルムの広角方向の視認性の低下を抑制し、かつ耐屈曲性を向上させる観点から、アクリル系、ウレタン系、及びそれらの組合せのハードコート層が好ましい。例えば、ハードコート層は、活性エネルギー線硬化性化合物を含有する組成物の硬化物であってよい。活性エネルギー線硬化性化合物は、電子線、紫外線などの活性エネルギー線を照射することにより硬化する性質を有する化合物である。このような活性エネルギー線硬化性化合物としては、例えば、電子線を照射することにより硬化する電子線硬化性化合物や、紫外線を照射することにより硬化する紫外線硬化性化合物などが挙げられる。これらの化合物は、通常のハードコート層の形成に用いられるハードコート剤の主成分と同様の化合物であり、例えば(メタ)アクリル系樹脂が挙げられる。(メタ)アクリル系樹脂のうち、多官能(メタ)アクリレート系化合物を主成分とするものが好ましい。なお、本明細書において、(メタ)アクリルとは、アクリル及び/又はメタクリルを意味し、(メタ)アクリレートとは、アクリレート及び/又はメタクリレートを意味する。
多官能(メタ)アクリレート系化合物とは、分子中に少なくとも2個のアクリロイルオキシ基及び/又はメタクリロイルオキシ基を有する化合物であり、具体的には、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタグリセロールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリス((メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ホスファゼン化合物のホスファゼン環に(メタ)アクリロイルオキシ基が導入されたホスファゼン系アクリレート化合物又はホスファゼン系メタクリレート化合物、分子中に少なくとも2個のイソシアネート基を有するポリイソシアネートと少なくとも1個の(メタ)アクリロイルオキシ基及び水酸基を有するポリオール化合物との反応により得られるウレタン(メタ)アクリレート化合物、分子中に少なくとも2個のカルボン酸ハロゲン化物と少なくとも1個の(メタ)アクリロイルオキシ基及び水酸基を有するポリオール化合物との反応により得られるポリエステル(メタ)アクリレート化合物、並びに上記各化合物の2量体、3量体などのようなオリゴマーなどが挙げられる。
これらの化合物は、それぞれ単独又は2種以上を混合して用いてよい。なお、上記の多官能(メタ)アクリレート系化合物の他に、少なくとも1種の単官能(メタ)アクリレートを使用してもよい。単官能(メタ)アクリレートとしては、例えばヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの化合物は単独又は2種類以上を混合して用いられる。単官能(メタ)アクリレート系化合物の含有量は、機能層形成用組成物(ハードコート層用塗料ともいう)に含まれる化合物の固形分に対して、好ましくは10質量%以下の量である。なお、本明細書において、固形分とは、硬化性組成物に含まれる溶媒を除く、全ての成分を意味する。
機能層には、例えば硬度を調整する目的で、重合性オリゴマーを添加してもよい。このようなオリゴマーとしては、末端(メタ)アクリレートポリメチルメタクリレート、末端スチリルポリ(メタ)アクリレート、末端(メタ)アクリレートポリスチレン、末端(メタ)アクリレートポリエチレングリコール、末端(メタ)アクリレートアクリロニトリル−スチレン共重合体、末端(メタ)アクリレートスチレン−メチル(メタ)アクリレート共重合体などのマクロモノマーが挙げられる。重合性オリゴマーを添加する場合、その含有量は、機能層形成用組成物の固形分に対して、好ましくは5〜50質量%である。
活性エネルギー線硬化性化合物は、溶剤と混合された溶液の状態で用いてもよい。活性エネルギー線硬化性化合物やその溶液は、ハードコート剤として市販されているものであってもよい。市販のハードコート剤としては、具体的には、「NKハードM101」(新中村化学(株)製、ウレタンアクリレート化合物)、「NKエステルA−TMM−3L」(新中村化学(株)製、テトラメチロールメタントリアクリレート)、「NKエステルA−9530」(新中村化学(株)製、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)、「KAYARAD(登録商標) DPCAシリーズ」(日本化薬(株)製、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート化合物の誘導体)、「アロニックス(登録商標) M−8560」(東亜合成(株)製、ポリエステルアクリレート化合物)、「ニューフロンティア(登録商標) TEICA」(第一工業製薬(株)製、トリス(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート)、「PPZ」(共栄社化学(株)製、ホスファゼン系メタクリレート化合物)などが例示される。
ハードコート層を光学フィルムに積層させる方法としては、例えば活性エネルギー線硬化性化合物(活性エネルギー線硬化性樹脂ともいう)を含有するハードコート層形成用組成物を光学フィルムの表面に塗布し、活性エネルギー線を照射すればよい。このような組成物は、活性エネルギー線硬化性化合物を必要に応じて添加剤等と混合することにより得ることができる。該ハードコート層形成用組成物の硬化物がハードコート層を構成する。
ハードコート層形成用組成物は、溶剤を含むことが好ましく、該ハードコート層形成用組成物において、活性エネルギー線硬化性化合物が溶剤で希釈されていることが好ましい。この場合、該組成物は、活性エネルギー線硬化性化合物と表面平滑性等を付与するための各種添加剤、例えばシリコーンオイル等とを混合後に、得られた混合物を溶剤で希釈して製造してもよいし、活性エネルギー線硬化性化合物を溶剤で希釈後、添加剤を混合して製造してもよいし、活性エネルギー線硬化性化合物と予め溶剤で希釈された添加剤とを混合して製造してもよいし、予め溶剤で希釈された活性エネルギー線硬化性化合物と予め溶剤で希釈された添加剤とを混合して製造してもよい。混合後の組成物は更に攪拌されてもよい。
塗布を容易にする観点からも、ハードコート層形成用組成物が、適当な溶剤を含有することが好ましい。溶剤としては、ヘキサン、オクタンなどの脂肪族炭化水素、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノールなどのアルコール類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、セロソルブ類などから適宜選択して用いることができる。これらの有機溶剤は、必要に応じて数種類を混合して用いてもよい。ハードコート層形成用組成物を塗工後に加熱して、有機溶剤を蒸発させやすい観点から、溶剤の沸点は好ましくは70〜200℃の範囲である。溶剤の種類や使用量は、用いる活性エネルギー線硬化性化合物の種類や量、基材である光学フィルムの材質、形状、塗布方法、目的とするハードコート層の厚さみなどに応じて適宜選択される。
塗工後のハードコート層形成用組成物を乾燥する加熱温度は、該組成物に含まれる溶剤の沸点に対して、好ましくは±30℃、より好ましくは±20℃である。ハードコート層形成用組成物の乾燥温度が前記の範囲にあると、溶剤が得られるハードコート層に残りにくく、また、密着性が低下しにくい傾向がある。
ハードコート層形成用組成物の固形分は、好ましくは5〜60質量%、より好ましくは10〜55質量%、さらに好ましくは20〜50質量%、とりわけ好ましくは25〜50質量%である。該固形分が前記の範囲にあると、塗工する厚さが厚すぎずカールの防止効果が良好になり、また得られるハードコート層の表面の平滑性が良好となる傾向がある。
ハードコート層形成用組成物は重合開始剤を含有していてもよい。活性エネルギー線として紫外線や可視光線を用いる場合には、通常、重合開始剤として光重合開始剤が用いられる。
光重合開始剤としては、例えばアセトフェノン、アセトフエノンベンジルケタール、アントラキノン、1−(4−イソプロピルフェニル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、カルバゾール、キサントン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、1,1−ジメトキシデオキシベンゾイン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、チオキサントン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフオリノプロパン−1−オン、トリフェニルアミン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、フルオレノン、フルオレン、ベンズアルデヒド、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾイソプロピルエーテル、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、3−メチルアセトフェノン、3,3’,4,4’−テトラ−tert−ブチルパーオキシカルボニルベンゾフエノン(BTTBと記載することがある)、2−(ジメチルアミノ)−1−〔4−(モルフォリニル)フェニル〕−2−フェニルメチル)−1−ブタノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、ベンジルなどが挙げられる。また、光重合開始剤は色素増感剤と組合せて用いられてもよい。該色素増感剤としては、例えばキサンテン、チオキサンテン、クマリン、ケトクマリンなどが挙げられる。光重合開始剤と色素増感剤との組合せとしては、例えばBTTBとキサンテンとの組合せ、BTTBとチオキサンテンとの組合せ、BTTBとクマリンとの組合せ、BTTBとケトクマリンとの組合せなどが挙げられる。
光重合開始剤を用いる場合、その使用量は、活性エネルギー線硬化性化合物100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上である。該使用量が前記の範囲にあると十分な硬化速度を得やすい傾向にある。なお、光重合開始剤の使用量は、活性エネルギー線硬化性化合物100質量部あたり、好ましくは10質量部以下である。
ハードコート層形成用組成物は、活性エネルギー線硬化性化合物の他に、帯電防止剤を含有していてもよい。該組成物が帯電防止剤を含有することにより、ハードコート層に帯電防止機能を付与することができる。帯電防止剤としては、例えば界面活性剤、導電性高分子、導電性粒子、アルカリ金属塩及び/又は有機カチオン−アニオン塩などが挙げられる。これらの帯電防止剤は、それぞれ1種又は2種以上を混合して使用される。
界面活性剤としては、炭化水素系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤などが挙げられる。
導電性高分子としては、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチレン、ポリチオフェンなどが挙げられる。
導電性粒子としては、例えばインジウム−スズ−複合酸化物(ITO)、アンチモンがドープされた酸化スズなどの粒子が挙げられる。
アルカリ金属塩としては、アルカリ金属の有機塩及び無機塩が挙げられる。アルカリ金属塩のカチオン部を構成するアルカリ金属イオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウムの各イオンが挙げられる。これらアルカリ金属イオンの中でもリチウムイオンが好ましい。
アルカリ金属塩のアニオン部は有機物で構成されていてもよく、無機物で構成されていてもよい。有機塩を構成するアニオン部としては、例えば、CHCOO、CFCOO、CHSO 、CFSO 、(CFSO、CSO 、CCOO、(CFSO)(CFCO)N、(FSOS(CFSO 、CO 2−、式(A1)〜式(A4)、(A1):(C2n+1SO (nは1〜10の整数を表す)、(A2):CF(C2mSO (mは1〜10の整数を表す)、(A3):S(CFSO (lは1〜10の整数を表す)、(A4):(C2p+1SO)N(C2q+1SO)、(但し、p及びqは、互いに独立に、1〜10の整数を表す)、で表されるアニオン部等が用いられる。中でも、フッ素原子を含むアニオン部は、イオン解離性の良いイオン化合物が得られることから好ましく用いられる。無機塩を構成するアニオン部としては、Cl、Br、I、AlCl 、AlCl 、BF 、PF 、ClO 、NO 、AsF 、SbF 、NbF 、TaF 、(CN)などが用いられる。アニオン部としては、(FSO、(CF、(CSOが好ましく、(FSO、(CFSOがより好ましい。
有機カチオン−アニオン塩は、カチオン部とアニオン部とから構成されており、前記カチオン部が有機物である、有機塩である。アニオン部は有機物であってもよいし、無機物であってもよい。「有機カチオン−アニオン塩」は、イオン性液体、イオン性固体と称される物質であってもよい。
カチオン成分として、具体的には、ピリジニウムカチオン、ピペリジニウムカチオン、ピロリジニウムカチオン、ピロリン骨格を有するカチオン、ピロール骨格を有するカチオン、イミダゾリウムカチオン、テトラヒドロピリミジニウムカチオン、ジヒドロピリミジニウムカチオン、ピラゾリウムカチオン、ピラゾリニウムカチオン、テトラアルキルアンモニウムカチオン、トリアルキルスルホニウムカチオン、テトラアルキルホスホニウムカチオンなどが挙げられる。アニオン成分としては、前記アルカリ金属塩のアニオン部と同じものが挙げられる。中でも、フッ素原子を含むアニオン成分は、イオン解離性のよいイオン化合物が得られることから好ましく用いられる。
ハードコート層形成用組成物は、例えば臭素原子、フッ素原子、硫黄原子、ベンゼン環などを含む有機化合物、例えば酸化錫、酸化アンチモン、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化ケイ素などの無機酸化物微粒子などを含有してもよい。この場合、得られるハードコート層の屈折率を調整することができ、ハードコート層に低反射機能、反射防止機能等の光学的機能を付与することができる。
活性エネルギー線硬化性化合物を含有するハードコート層形成用組成物を光学フィルムの上に塗布したのち、乾燥することにより、活性エネルギー線硬化性化合物を含有する層を形成することができる。塗布は、例えばマイクログラビアコート法、ロールコート法、ディッピングコート法、スピンコート法、ダイコート法、キャスト転写法、フローコート法、スプレーコート法といった通常の方法により行うことができる。積層フィルムの光学的均質性を高めやすい観点からは、マイクログラビアコート法又はダイコート法によりハードコート層形成用組成物を積層させることが好ましい。
その後、活性エネルギー線を照射することにより、光学フィルムの表面に塗工された活性エネルギー線硬化性化合物が硬化して、目的とするハードコート層が得られる。活性エネルギー線としては、例えば電子線、紫外線、可視光線などが挙げられ、使用する活性エネルギー線硬化性化合物の種類に応じて適宜選択される。活性エネルギー線は、通常のハードコート層の形成におけると同様に照射すればよい。照射する活性エネルギー線の強度、照射時間などは、用いる硬化性化合物の種類、硬化性化合物を含有する層の厚さみなどに応じて適宜選択される。活性エネルギー線は、不活性ガス雰囲気中で照射してもよい。窒素雰囲気中で活性エネルギー線を照射するには、例えば不活性ガスでシールした容器の中で活性エネルギー線照射を行えばよく、不活性ガスとしては、窒素ガス、アルゴンガスなどが使用できる。
ハードコート層の表面に、後述する反射防止層や低反射層をさらに積層させることもできる。この場合の反射防止層や低反射層は、ハードコート層の表面に単層で、又は、複層で、積層させることができる。
(帯電防止機能)
帯電防止機能は、光学フィルムの表面の帯電を防止する機能である。本発明の積層フィルムにおいて、機能層は帯電防止機能を有する層である帯電防止層であってよい。帯電防止層を形成する方法としては、上記ハードコート層形成用組成物に帯電防止剤を添加してハードコート層に帯電防止機能を付与する方法以外に、帯電防止剤を溶剤等で希釈して得た帯電防止層形成用組成物を、光学フィルム又は光学フィルム上に積層された機能層上に塗工し、必要に応じて乾燥して、単独の膜として形成させる方法が挙げられる。帯電防止剤は、機能層を構成する樹脂、例えば前述した活性エネルギー線硬化性化合物の硬化物の一部に、帯電防止機能を有する構成単位として含まれていてもよいし、機能層を形成する樹脂中に、添加剤として添加されていてもよい。帯電防止剤を添加剤として添加する場合には、その添加量は、機能層形成用組成物の固形分に対して、好ましくは0.01〜20質量%、より好ましくは0.05〜10質量%、さらに好ましくは0.1〜10質量%である。
(防眩機能)
防眩機能は、光を散乱して反射させることで、外光の映り込みを防止する機能である。本発明の積層フィルムにおいて、機能層は防眩機能を有する層である防眩層であってよい。防眩層としては、公知の物を適宜採用することができる。例えば、透光性樹脂中に1種類以上の透光性微粒子を含む樹脂組成物を用いて、表面に微細な凹凸形状を有する層を形成させることにより、防眩機能を付与してよい。より具体的には、このような防眩層は、例えば、フィラーとしての透光性微粒子を分散させた透光性樹脂溶液を光学フィルムの上に塗布し、透光性微粒子が防眩層の表面における凸形状部分となるように塗布の厚さを調整することで形成できる。なお、本明細書において、「透光性」とは、物質内部での散乱の有無を問わず、光がほぼ透過できることを意味する。
(透光性微粒子)
透光性微粒子としては、たとえば、(メタ)アクリル系樹脂、メラミン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂、有機シリコーン樹脂、アクリル−スチレン共重合体等の有機微粒子、及び、炭酸カルシウム、シリカ、酸化アルミニウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、酸化チタン、ガラス等の無機微粒子が挙げられる。透光性微粒子として1種又は2種以上の微粒子を使用することができる。所望の防眩性を得るために、透光性微粒子の種類、粒子径、屈折率、含有量などが適宜調整される。
透光性微粒子の粒径は、好ましくは0.5〜5μm、より好ましくは1〜4μmである。透光性微粒子の粒径が上記の範囲内であると、必要な光拡散効果を得やすく、また、防眩層の表面に凹凸が形成されやすいため、十分な防眩効果を得やすい。さらに、防眩層の表面形状が粗くなく、ヘーズ値が大幅に上昇しない傾向にある。
透光性微粒子と透光性樹脂との屈折率の差は、好ましくは0.02〜0.2、より好ましくは0.04〜0.1である。屈折率差が上記の範囲内であると、十分な光拡散効果を得やすく、また、積層フィルム全体が白化しにくい。
透光性微粒子の添加量は、透光性樹脂100質量部に対して、好ましくは3〜30質量部、より好ましくは5〜20質量部である。添加量が上記の範囲内であると、十分な光拡散効果を得やすく、また、積層フィルム全体が白化しにくい。
透光性微粒子の粒径、添加量、及び/又は、透光性微粒子と透光性樹脂との屈折率差を上記のような範囲に調整する場合、防眩層のヘーズが高い領域でも、透過鮮明度を低下させることなく、表面のギラツキを防止しやすく、さらにはヘーズが低い領域でも、高透過鮮明度を維持した状態でギラツキを防止しやすい。
(透光性樹脂)
防眩層を構成する透光性樹脂としては、透光性を有するものであれば特に制限はなく、たとえば、上述のような活性エネルギー線硬化性化合物の硬化物のほか、熱硬化性樹脂の硬化物、熱可塑性樹脂、金属アルコキシド系ポリマー等が挙げられる。中でも、活性エネルギー線硬化性化合物の硬化物が好適である。活性エネルギー線硬化性化合物として紫外線硬化性樹脂などを用いる場合には、上記と同様、塗工液には光重合開始剤、例えばラジカル重合開始剤を含有させてよく、活性エネルギー線を照射することにより塗工層を硬化させる。
熱硬化性樹脂としては、アクリルポリオールとイソシアネートプレポリマーとからなる熱硬化性ウレタン樹脂、フェノール樹脂、尿素メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、アセチルセルロース、ニトロセルロース、アセチルブチルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース等のセルロース誘導体;酢酸ビニル及びその共重合体、塩化ビニル及びその共重合体、塩化ビニリデン及びその共重合体等のビニル系樹脂;ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール等のアセタール系樹脂;アクリル樹脂及びその共重合体、メタクリル樹脂及びその共重合体等の(メタ)アクリル系樹脂;ポリスチレン系樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリエステル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂などが挙げられる。
金属アルコキシド系ポリマーとしては、珪素アルコキシド系の材料を原料とする酸化珪素系マトリックス等を使用することができる。具体的には、金属アルコキシド系ポリマーは、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等のアルコキシシランの加水分解物を脱水縮合して得られる無機系又は有機無機複合系マトリックスであることができる。
透光性樹脂として熱硬化性樹脂の硬化物、金属アルコキシド系ポリマーを用いる場合には、塗工液を塗工した後、加熱を要することがある。
また、一般に紫外線硬化性樹脂の屈折率は約1.5で、ガラスと同程度であるが、上記透光性微粒子の屈折率との比較において、用いる紫外線硬化性樹脂の屈折率が低い場合がある。この場合、透光性樹脂に、屈折率の高い微粒子であるTiO(屈折率;2.3〜2.7)、Y(屈折率;1.87)、La(屈折率;1.95)、ZrO(屈折率;2.05)、Al(屈折率;1.63)等を、防眩層における光の拡散性を保持できる程度に加えて、透過性樹脂の屈折率を高め、好ましい範囲に調整することができる。
防眩層形成用組成物は、透光性樹脂と溶媒とを含有する組成物、例えば上記のハードコート層形成用組成物に、透光性微粒子を分散させて製造することができる。透光性微粒子を分散させるタイミングや分散方法は特に限定されない。
この防眩層形成用組成物を、光学フィルムの表面又は光学フィルムに積層された機能層の表面に塗布し、乾燥することにより、防眩層を形成することができる。塗布は通常の方法、例えば、マイクログラビアコート法、ロールコート法、ディッピングコート法、スピンコート法、ダイコート法、キャスト転写法、フローコート法、スプレーコート法などの方法により行うことができる。その後、紫外線を照射することにより紫外線硬化性樹脂を硬化させることが好ましい。照射する紫外線の強度、照射時間などは、用いる硬化性化合物の種類、硬化性化合物を含有する層の厚さなどに応じて適宜選択される。紫外線は、不活性ガス雰囲気中で照射してもよい。不活性ガス雰囲気中で紫外線を照射するには、例えば不活性ガスでシールした容器の中で活性エネルギー線照射を行えばよく、不活性ガスとしては、窒素ガス、アルゴンガスなどが使用できる。
防眩層を形成する別の方法として、エンボス処理を用いることができる。この方法では、光学フィルム又は光学フィルムに積層された機能層上に、防眩層形成用組成物を塗工した後、塗工層に所定の表面凹凸形状を有するエンボスロールと称される金型を押し当てながら塗工層を必要に応じて硬化させて、塗工層の表面に凹凸を付与することができる。エンボスロールから防眩層を剥離した後、その防眩層の硬化反応をさらに促進させることを目的として、防眩層側からもう一度紫外線を照射する第二硬化工程を施すことも有効である。
防眩層のヘーズは、好ましくは0.1〜50%である。防眩層のヘーズは、JIS K 7361に準じた方法により測定される。防眩層の厚さは、例えば防眩層のヘーズが上記の範囲内となるように適宜調整してよいが、好ましくは2〜20μmである。防眩層の厚さが上記の範囲内であると、十分な防眩効果が得やすく、防眩層の割れを防止しやすく、また、防眩層の硬化収縮により防眩層がカールすることによる生産性の低下を防止しやすい。また、防眩層の厚さは、一般的には、分散させる透光性微粒子の重量平均粒子径に対して、好ましくは85%以上、より好ましくは100%以上である。防眩層の厚さが上記の範囲内であると、ヘーズが大きくなりすぎず視認性が低下しにくい傾向がある。
防眩層は、帯電防止剤を含有していてもよい。帯電防止剤を含有することにより、帯電防止機能を有する防眩層を得ることができる。帯電防止剤としては、上述のハードコート層に添加する帯電防止剤と同様のものが挙げられる。
防眩層は、その最表面、すなわち凹凸面側に低反射層を有していてもよい。低反射層がない状態でも、十分な防眩機能を発揮するが、最表面に低反射層を設けることにより、防眩性をさらに向上させることができる。低反射層としては、後述したものを適用することができる。
(反射防止機能及び低反射機能)
反射防止機能及び低反射機能は、外光の反射を防止又は低減する機能である。本発明の積層フィルムにおいて、機能層は外光の反射を防止する機能を有する層である反射防止層であってよいし、外光の反射を低減する機能を有する層である低反射層であってもよい。反射防止層及び低反射層は、単層であっても多層であってもよい。
(反射防止層)
反射防止層は、低屈折率層を備えていてよい。また、反射防止層は、低屈折率層と、該低屈折率層と光学フィルムとの間に積層された高屈折率層及び/又は中屈折率層をさらに備える多層構造を有する層であってもよい。反射防止層と光学フィルムとの間に、上述のハードコート層を設けてもよい。
反射防止層の厚さは、好ましくは0.01〜1μm、より好ましくは0.02〜0.5μmである。反射防止層としては、当該反射防止層を積層させる光学フィルム又は機能層の屈折率よりも小さい屈折率、例えば1.3〜1.45の屈折率を有する低屈折率層;無機化合物からなる薄膜の低屈折率層と無機化合物からなる薄膜の高屈折率層とを交互に複数積層した層などが挙げられる。ここで、高屈折率層の屈折率は、低屈折率層の屈折率よりも大きければよいが、1.60以上であることが好ましい。
上記の低屈折率層を形成する材料は、屈折率の低い材料であれば特に制限されない。例えば、活性エネルギー線硬化性樹脂、例えば紫外線硬化型アクリル樹脂等の樹脂材料、樹脂中にコロイダルシリカ等の無機微粒子を分散させたハイブリッド材料、テトラエトキシシラン等の金属アルコキシドを用いたゾル−ゲル材料等が挙げられる。これらの低屈折率層を形成する材料は、重合済みのポリマーであってもよいし、前駆体となるモノマーやオリゴマーであってもよい。また、反射防止層を構成する材料は、反射防止層に防汚機能を付与することができるため、フッ素を含有する化合物を含むことが好ましい。
高屈折率層は、上述の活性エネルギー線硬化性樹脂の硬化物や金属アルコキシド系ポリマー等の透光性樹脂と無機微粒子及び/又は有機微粒子とを含有する塗工液を塗工した後、塗工層を必要に応じて硬化させる方法によって形成することができる。無機微粒子としては、たとえば、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化シラン、酸化タンタル、酸化イットリウム、酸化イッテルビウム、酸化ジルコニウム、酸化アンチモン、酸化インジウム錫(ITO)などが挙げられる。これらの無機微粒子を含む高屈折率層は、帯電防止機能も兼ね備え得る。
屈折率の異なる無機化合物、例えば金属酸化物等の透明薄膜を積層させた多層膜を製造する方法として、化学蒸着(CVD)法、物理蒸着(PVD)法、金属アルコキシド等の金属化合物のゾル/ゲル方法でコロイド状金属酸化物粒子皮膜を形成後に後処理(例えば、紫外線照射処理:特開平9−157855号公報、プラズマ処理:特開2002−327310号公報)して薄膜を形成する方法などが挙げられる。
一方、生産性を向上しやすい観点から、無機粒子をマトリックス中に分散させた薄膜を積層塗設して反射防止層を積層させることも好ましい。さらに、無機粒子をマトリックス中に分散させた反射防止層形成用組成物を塗工することにより、反射防止層を積層させる際に、塗工表面に微細な凹凸形状を形成することにより、反射防止層に防眩機能をさらに付与することも可能である。
(低反射層)
低反射層は、基材となる光学フィルムよりも屈折率の低い低屈折率材料で形成された層である。低屈折率層は、上述の活性エネルギー線硬化性樹脂の硬化物や金属アルコキシド系ポリマー等の透光性樹脂及び無機微粒子を含有する塗工液を塗工した後、塗工層を必要に応じて硬化させる方法によって形成することができる。そのような低屈折率材料として、具体的には、フッ化リチウム(LiF)、フッ化マグネシウム(MgF)、フッ化アルミニウム(AlF)、氷晶石(3NaF・AlF又はNaAlF)等の無機材料微粒子を、アクリル系樹脂やエポキシ系樹脂等に含有させた無機系低反射材料;フッ素系又はシリコーン系の有機化合物、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂等の有機系低反射材料が挙げられる。
(防汚機能)
防汚機能は、汚れを防止する機能であり、層に撥水性、撥油性、耐汗性、防汚性、耐指紋性などを付与することにより得られる機能である。本発明の積層フィルムにおいて、機能層は防汚機能を有する層である防汚層であってよい。防汚層を形成するための材料は、有機化合物であってもよいし、無機化合物であってもよい。高い撥水性と発油性をもたらす材料として、フッ素含有有機化合物、有機ケイ素化合物等が挙げられる。フッ素含有有機化合物としては、フルオロカーボン、パーフルオロシラン、これらの高分子化合物などが挙げられる。汚れ付着の防止効果を高めやすい観点からは、防汚層表面の純水に対する接触角度が90°以上、さらには100°以上となるような材料が好ましい。防汚層の形成方法は、形成する材料に応じて、蒸着やスパッタリングを代表例とする物理的気相成長法、化学的気相成長法、湿式コーティング法などを用いることができる。防汚層の平均厚さは、通常1〜50nm程度、好ましくは3〜35nmである。
(紫外線吸収機能)
本発明の積層フィルムにおいて、機能層は、紫外線吸収の機能を有する紫外線吸収層であってよい。紫外線吸収層は、例えば、紫外線硬化型の透光性樹脂、電子線硬化型の透光性樹脂、及び熱硬化型の透光性樹脂から選ばれる主材と、この主材に分散した紫外線吸収剤とから構成される。
(粘着機能)
本発明の積層フィルムにおいて、機能層は、光学フィルムを他の部材に接着させる粘着性の機能を有する粘着層であってよい。粘着層の形成材料としては、通常知られたものを用いることができる。例えば、熱硬化性樹脂組成物又は光硬化性樹脂組成物を用いることができる。この場合、事後的にエネルギーを供給することで熱硬化性樹脂組成物又は光硬化性樹脂組成物を高分子化し硬化させることができる。
粘着層は、感圧型接着剤(Pressure Sensitive Adhesive、PSA)と呼ばれる、押圧により対象物に貼着される層であってもよい。感圧型接着剤は、「常温で粘着性を有し、軽い圧力で被着材に接着する物質」(JIS K 6800)である粘着剤であってもよく、「特定成分を保護被膜(マイクロカプセルともいう)に内容し、適当な手段(圧力、熱等)によって被膜を破壊するまでは安定性を保持できる接着剤」(JIS K 6800)であるカプセル型接着剤であってもよい。
(色相調整機能)
本発明の積層フィルムにおいて、機能層は積層フィルムを目的の色相に調整することができる機能を有する色相調整層であってよい。色相調整層は、例えば、樹脂及び着色剤を含有する層である。着色剤としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、弁柄、チタニウムオキサイド系焼成顔料、群青、アルミン酸コバルト、及びカーボンブラック等の無機顔料;アゾ系化合物、キナクリドン系化合物、アンスラキノン系化合物、ペリレン系化合物、イソインドリノン系化合物、フタロシアニン系化合物、キノフタロン系化合物、スレン系化合物、及びジケトピロロピロール系化合物等の有機顔料;硫酸バリウム、及び炭酸カルシウム等の体質顔料;並びに塩基性染料、酸性染料、及び媒染染料等の染料が挙げられる。
<保護フィルム>
本発明において、「保護フィルム」は積層フィルムを一時的に外部から損傷又は変形を受けないように保護するために積層されるフィルムであって、積層フィルムが実際に使用用途に使用される時には存在しないフィルムである。本発明の積層フィルムは、上記光学フィルムに貼合された保護フィルムを含んでもよい。保護フィルムは、通常硬化樹脂層上で光学フィルムのない面に貼合される。積層フィルムのロール状に巻き取る際に、ブロッキング等の巻き取り性に問題がある場合は、上記に追加して、光学フィルムの硬化樹脂層のない面に保護フィルムを貼合してもよい。保護フィルムは、光学フィルムの表面を一時的に保護するためのフィルムであり、光学フィルム又は機能層の表面を保護できる剥離可能なフィルムである限り特に限定されない。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂フィルム;ポリエチレン、ポリプロピレンフィルムなどのポリオレフィン系樹脂フィルム、アクリル系樹脂フィルム等が挙げられ、ポリオレフィン系樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレート系樹脂フィルム及びアクリル系樹脂フィルムからなる群から選択されることが好ましい。積層フィルムの両面に保護フィルムが貼合されている場合、各面の保護フィルムは互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
保護フィルムの厚さは、特に限定されるものではないが、通常、10〜100μm、好ましくは10〜80μm、より好ましくは10〜50μmである。積層フィルムの両面に保護フィルムが貼合されている場合、各面の保護フィルムの厚さは同一であってもよく、異なっていてもよい。
<フィルムロール>
本発明では、上記積層フィルム、例えば、光学フィルム、硬化樹脂層及び必要に応じて保護フィルムを積層したものが巻芯にロール状に巻回されたものをフィルムロールとよぶ。フィルムロールは、連続的な製造工程において、スペースその他の制約から一旦ロールの形で保管することが多く、フィルムロールもその一つである。本発明では、フィルムロールの巻回の仕方が、ロールの芯側から、積層フィルムの硬化樹脂層、光学フィルムの順になっていることが必要である。この順にフィルムロールを形成すると、巻き戻して使用する時にカールがなくなるか、軽減される。本明細書において「カール」とは、既に述べたように、積層フィルムのいずれか一方の表面を平面上に置いた時に、積層フィルムの端部が平面から離れた状態になることを言う。カールの測定は、実施例に記載しているカール量の測定方法で測定して、カール量を規定する。カール量は、積層フィルムを平面に置いた時に、平面から離れる端部の距離が大きい時に、よりカールが大きいとしている。カール量は、巻き出したフィルムの取り扱いのしやすさの観点から、好ましくは10mm以下、より好ましくは7mm以下、さらに好ましくは5mm以下である。
本発明では、巻癖によって生じる積層フィルムのカールを小さくする観点から、積層フィルムの層のうち、吸水率が高い方を外側、即ち、ロール芯から離れている層に配置する。従って、積層フィルムを巻回する時にロール芯側に硬化樹脂層を置き、外側に光学フィルムを置くと、フィルムロールにした場合に、巻き出した積層フィルムのカール、特に最外層に位置していた積層フィルムのカールが少なくなる。
積層フィルムの吸水率は、カール同様、実施例に記載した方法で測定される。測定方法を簡単に説明すると、ロール状に巻き取った積層フィルムから特定の大きさ、例えば、100mm×100mmの大きさのフィルムを切り出し、それを一旦十分に乾燥して吸水していない状態で質量を測定し、これを水蒸気暴露前の積層フィルムの質量(W0)とする。次に、沸騰して蒸気が出ているビーカーの開口部を切り出した積層フィルムで蓋をして、5分経過後の吸水した状態の質量を測定し、測定結果を水蒸気暴露後の積層フィルムの質量(W1)とする。吸水率は、(W1−W0)/W0×100(%)で表す。この測定から明らかなように、上記式で表される吸水率は、積層フィルムの各層の吸水率ではなく、積層フィルム全体の質量から算出される吸水率であり、積層フィルムの測定時に蒸気に接する面の水蒸気の吸収のしやすさにより積層フィルムの吸水率が変化する。
一般的には、吸水率が高いフィルムの方が、水分を取り込みやすく、逆に水分が抜けやすい。通常、フィルム中の水分が抜けるとフィルムが縮むが、フィルム表裏で水分の抜け方が偏った場合には、水分が抜けた量が多い側へ縮み、縮む側を内側にカールすることになる。本発明のフィルムロールでは、硬化樹脂層側を内側、すなわちロール芯側にして巻回しており、硬化樹脂層側が内側にして卷回している。外側に位置している光学フィルム側が硬化樹脂層側に比べて吸水率が高いので、例えば、長期保管により、光学フィルム側から水分が抜けると、フィルムロールの巻き方向とは逆側、即ち、光学フィルム側にカールが生じるように力が働き、カールが生じる方向が逆であるので、積層フィルムの変形に関わる力が釣り合うようになり、カールがなくなるか、小さくなる。
光学フィルム側を水蒸気に曝露した時の積層フィルムの吸水率は、前記の基準で、好ましくは0.75%より大きく、より好ましくは1.00%以上3.00%以下、さらに好ましくは1.05%以上2.00%以下、さらにより好ましくは1.10%以上1.80%以下、とりわけ好ましくは1.20%以上1.70%以下である。積層フィルムの光学フィルム側の吸水率が上記範囲内であると、フィルムから水分が抜けた際に、光学フィルムが適度な反りを発現しやすく、結果、フィルムロールから巻き出した時の積層フィルムのカールが小さくなりやすい。硬化樹脂層側を水蒸気に曝露した時の積層フィルムの吸水率は、好ましくは1.30%以下、より好ましくは0.10%以上1.20%以下、さらに好ましくは0.50%以上1.10%以下、とりわけ好ましくは0.75%以上1.05%以下である。積層フィルムの硬化樹脂層側の吸水率が上記範囲内であると、硬化樹脂層側からの水分の抜けが発生しにくく、硬化樹脂層側への反りが大きくなることを防ぐことができるため、フィルムロールから巻き出した時の積層フィルムのカールが小さくなりやすい。本発明では、積層フィルムの硬化樹脂層よりも光学フィルムの吸水率が高いことが好ましく、積層フィルムの光学フィルム側を水蒸気に曝露した時の吸水率と、硬化樹脂層側を水蒸気に曝露した時の吸水率との比、すなわち、(光学フィルム側を水蒸気に曝露した時の吸水率)/(硬化樹脂層側を水蒸気に曝露した時の吸水率)が、好ましくは1.05以上4以下、より好ましくは1.10以上3以下、さらに好ましくは1.15以上2以下、とりわけ好ましくは1.2以上1.5以下である。積層フィルム両面の吸水率の比が上記範囲内であると、積層フィルムの硬化樹脂側にかかる応力と光学フィルム側にかかる応力とが相殺しやすくなり、フィルムロールから巻き出し時の積層フィルムのカールが小さくなりやすい。
本発明では、積層フィルムを構成する光学フィルムは、光学フィルムの質量に対して、好ましくは0.02%以上1.5%以下、より好ましくは0.1%以上1.2%以下、さらに好ましくは0.3%以上1.1%以下、とりわけ好ましくは0.5%以上1.0%以下の溶媒を含むとよい。溶媒の含有量が上記の範囲内であると、吸水率が高く、つまりは水分を放出しやすくなり、フィルムロールから巻き出し時の積層フィルムのカールが小さくなりやすい。
光学フィルム中の溶媒量は、光学フィルム製造時の乾燥条件やアニール条件、例えば、温度や時間により調整できる。アニール処理の温度は、好ましくは120〜350℃、より好ましくは150〜300℃、さらに好ましくは170〜250℃である。アニール処理の時間は、アニール温度に応じて適宜設定でき、例えば、アニール温度が200℃のとき、アニール処理の時間は、好ましくは20分を超え350分以下、より好ましくは21分以上200分以下、さらに好ましくは22分以上150分以下、さらにより好ましくは23分以上120分以下、とりわけ好ましくは25分以上60分以下である。また、アニール処理は、大気中、不活性雰囲気又は減圧の条件下で行われてもよいが、通常大気中で行われる。
本発明の積層フィルムは、硬化樹脂層側が2B以上の表面硬度を有し、該表面硬度は例えば、鉛筆硬度で表される。積層フィルムの鉛筆硬度は、好ましくはB以上7H以下、より好ましくはHB以上6H以下、さらに好ましくはH以上5H以下である。なお、鉛筆硬度は、JIS K 5600−5−4:1999に準拠して測定でき、例えば実施例に記載の方法により測定できる。積層フィルムの鉛筆硬度が上記範囲内であると、フィルムロールの巻癖とは逆方向の反りの力が働いた時に、カール量が低減しやすい。
フィルムロールの巻芯を構成する材料としては、例えばポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂等の合成樹脂;アルミニウム等の金属;繊維強化プラスチック(FRP:ガラス繊維等の繊維をプラスチックに含有させて強度を向上させた複合材料)等が挙げられる。巻芯は円筒状又は円柱状等の形状をなし、その直径は、例えば80〜170mmである。また、フィルムを巻き取った後のフィルムロールの直径は、特に限定されるものではないが、通常200〜800mmである。
フィルムロールの幅は特に限定されないが、光学フィルムの幅をL1、硬化樹脂層の幅をL2としたとき、積層フィルムのカールを改善させやすい観点から、L1>L2であることが好ましく、L2/L1は、好ましくは0.80以上0.98以下、より好ましくは0.85以上0.97以下、さらに好ましくは0.90以上0.96以下である。またL1が500mm以上のとき、L1−L2は、好ましくは20mm以上90mm以下、より好ましくは25mm以上80mm以下、さらに好ましくは30mm以上70mm以下である。ここで、最外層の光学フィルムから水分が放出されると、光学フィルムが収縮することにより、フィルムロールの巻癖とは逆方向のカールが発生する。硬化樹脂層よりも光学フィルムの幅が20mm以上長いと、光学フィルムの収縮によるカールが生じやすくなり、フィルムロールの巻癖と相殺することで巻き出したフィルム、特に最外層部分のフィルムのカールが改善する。一方で、幅の差が90mm以上になると、光学フィルムのカール量が大きくなりすぎ、フィルムロールの巻癖とは逆方向のカールが強くなり、特にフィルムロールの最外層部分のフィルムにカールが残存してしまう。
また、積層フィルムのカールを改善させやすい観点から、硬化樹脂層は光学フィルムの略中央、好ましくは中央に設けられる、つまり、光学フィルムの両端の硬化樹脂層が設けられていない部分の長さがほぼ同一であることが好ましい。
<フィルムロールの製造方法>
上記特徴を有する本発明のフィルムロールの製造方法は特に限定されないが、例えば、次の工程:
(a)ポリイミド系樹脂及び/又はポリアミド系樹脂、ならびに溶媒を少なくとも含有する樹脂ワニスを支持体上に塗布し、乾燥させ、塗膜を形成させる工程、
(b)支持体から塗膜を剥離する工程、
(c)剥離した塗膜を加熱し、光学フィルムを得る工程、及び
(d)フィルムに硬化樹脂層を積層し、積層フィルムを得る工程
(e)得られた積層フィルムを巻芯に卷回する工程
を少なくとも含む製造方法により製造することができる。
上記の工程(a)で使用する樹脂ワニスは、ポリイミド系樹脂及び/又はポリアミド系樹脂及び溶媒を少なくとも含有する。樹脂ワニスに含有される樹脂及び溶媒としては、光学フィルムに含まれる樹脂として上記に記載した樹脂が挙げられる。また、樹脂ワニスには、上記に述べた無機材料等の添加剤が含有されていてもよい。樹脂ワニスの固形分濃度は、好ましくは1〜25質量%、より好ましくは5〜20質量%である。
樹脂ワニスは、上記ポリイミド系樹脂及び/又はポリアミド系樹脂、溶媒及び必要に応じて用いられる添加剤を混合し、撹拌することにより調製することができる。
樹脂ワニスの粘度は、好ましくは5,000〜60,000cps、より好ましくは10,000〜50,000cps、さらに好ましくは15,000〜45,000cpsである。樹脂ワニスの粘度が上記の下限以上であると、本発明の効果を得やすく、上記の上限以下であると、樹脂ワニスのハンドリングを向上させやすい。
樹脂ワニスの固形分濃度は、好ましくは5〜25質量%、より好ましくは10〜23質量%、さらに好ましくは14〜20質量%である。樹脂ワニスの固形分濃度が上記の下限以上であることが、厚い膜を得る観点から好ましく、上記の上限以下であることが、樹脂ワニスのハンドリングしやすさの観点から好ましい。
支持体としては、例えば、樹脂基材、ステンテレス鋼ベルト、ガラス基材等が挙げられ、好ましくは樹脂フィルム基材が挙げられる。樹脂フィルム基材としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム、シクロオレフィン系(COP)フィルム、アクリル系フィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム等が挙げられ、平滑性、耐熱性に優れる観点から、好ましくはPETフィルム、COPフィルム等が挙げられ、光学フィルムとの密着性及びコストの観点から、より好ましくはPETフィルムが挙げられる。
支持体の厚さは、特に制限されないが、好ましくは50〜250μm、より好ましくは100〜200μm、さらに好ましくは125〜200μmである。支持体の厚さが上記の上限以下である場合、光学フィルムの製造コストを抑えやすいため好ましい。また、支持体の厚さが上記の下限以上であることが、溶媒の少なくとも一部を除去する工程で生じ得るフィルムのカールを抑制しやすいため好ましい。ここで、支持体の厚さは、接触式の膜厚計などにより測定される。
樹脂ワニスを支持体上に塗布する際、公知の塗布方法により支持体への塗布を行ってよい。公知の塗布方法としては、例えばワイヤーバーコーティング法、リバースコーティング、グラビアコーティング等のロールコーティング法、ダイコート法、カンマコート法、リップコート法、スピンコーティング法、スクリーンコーティング法、ファウンテンコーティング法、ディッピング法、スプレー法、流涎成形法等が挙げられる。
次に、支持体上に塗布した樹脂ワニスの塗膜を乾燥させることにより、塗膜を形成させることができる。乾燥は、樹脂ワニスの塗膜から少なくとも一部の溶媒を除去することにより行われ、乾燥方法は特に限定されない。例えば支持体上に塗布した樹脂ワニスの塗膜を加熱することにより乾燥を行ってよい。
次に、工程(b)において、支持体から乾燥させた塗膜を剥離する。剥離方法は特に限定されず、支持体を固定させた状態で塗膜を移動させて剥離を行ってもよいし、塗膜を固定させた状態で支持体を移動させて剥離を行ってもよいし、塗膜及び支持体の両方を移動させることにより剥離を行ってもよい。
次に、工程(c)において、工程(b)で剥離した塗膜を加熱することにより、光学フィルムを得ることができる。工程(c)において、剥離塗膜を面内方向に伸張させた状態で、乾燥を実施することが好ましい。乾燥時の加熱温度は、好ましくは150〜300℃、より好ましくは180〜250℃、さらに好ましくは180〜230℃である。乾燥時の加熱時間は、好ましくは10〜60分、より好ましくは30〜50分である。
熱処理後のフィルム中の溶媒量は、フィルムの質量を基準として、好ましくは0.001〜3質量%、より好ましくは0.001〜2質量%、さらに好ましくは0.001〜1.5質量%、とりわけ好ましくは0.001〜1.3質量%である。熱処理後のフィルム中の溶媒量が前記の範囲にあると、光学フィルムの外観が良好となる傾向がある。
次に、工程(d)において、光学フィルムの片面に硬化樹脂層を積層し、積層フィルムを得る。フィルムの片面に硬化樹脂層を積層させる方法としては、フィルムの片面に、硬化樹脂層形成用組成物を塗工し、必要に応じて乾燥及び/又は硬化等させて積層させる方法、光学フィルムの片面にフィルム状の硬化樹脂層を貼り合せて積層させる方法が挙げられる。積層フィルムの光学的均質性を高めやすい観点からは、硬化樹脂層形成用組成物を塗工して形成することが好ましい。
本発明の積層フィルムは、工程(e)において巻芯に巻き取られて、フィルムロールの形態をとる。積層フィルムの製造工程において、光学フィルム及び硬化樹脂層、ならびに任意に保護フィルムを有する積層フィルムが、巻芯にロール状に巻回されたフィルムロールの形態を有している。
本発明では、フィルムロールはその巻回の順序が制御されている。即ち、本発明のフィルムロールはロールの芯側から硬化樹脂層、光学フィルムの順に卷回するだけで、巻き出し時の積層フィルムのカール、特にフィルムロールの最外層部分の積層フィルムのカールがなくなるか、小さくなるので、非常に簡単にフィルムロールから巻き出した積層フィルムのカールが防止できるので、その技術的な有用性は非常に高い。通常、最外層の積層フィルムはカールが大きいので使用に適さないので廃棄していたが、本発明のフィルムロールを用いると廃棄する部分がなくなるか、少なくなるので非常に経済的であると同時に無駄がなくなり有効性が高い。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。実施例中の「%」及び「部」は、特記ない限り、質量%及び質量部を意味する。
まず、測定方法をまとめて記載する。
<重量平均分子量>
GPC測定
(1)前処理方法
試料をGBLに溶解させて20質量%溶液とした後、DMF溶離液にて100倍に希釈し、0.45μmメンブレンフィルターろ過したものを測定溶液とした。
(2)測定条件
カラム:TSKgel SuperAWM−H×2+SuperAW2500×1(内径6.0mm、長さ150mm、3本連結)
溶離液:DMF(10mmol/Lの臭化リチウム添加)
流量:0.6mL/分
検出器:RI検出器
カラム温度:40℃
注入量:20μL
分子量標準:標準ポリスチレン
<イミド化率>
イミド化率は、H−NMR測定により以下のようにして求めた。
(1)前処理方法
試料を重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO−d)に溶解させて2質量%溶液としたものを測定溶液とした。
(2)測定条件
測定装置:JEOL製 400MHz NMR装置 JNM−ECZ400S/L1
標準物質:DMSO−d(2.5ppm)
試料温度:室温
積算回数:256回
緩和時間:5秒
(3)イミド化率解析方法
得られたH−NMRスペクトルにおいて、ベンゼンプロトンが7.0〜9.0ppmに観測され、このうちイミド化前後で変化しない構造に由来するベンゼンプロトンAの積分比をIntとした。また、ポリイミド中に残存するアミック酸構造のアミドプロトンが10.5〜11.5ppmに観測され、この積分比をIntとした。これらの積分比から以下の式によりイミド化率を求めた。
Figure 2021115861
上記式において、αはポリアミック酸(イミド化率0%)の場合におけるアミドプロトン1個に対するベンゼンプロトンAの個数割合である。
<ワニスの粘度>
JIS K 8803:2011に準拠して、ブルックフィールド社製E型粘度計DV−II+Proを用いて測定した。測定温度は25℃とした。
<フィルムの厚さ>
(株)ミツトヨ製ID−C112XBSを用いて、10点以上のフィルムの厚さを測定し、その平均値を算出した。
<鉛筆硬度の測定>
JIS K 5600−5−4:1999に準拠して、積層フィルムの硬化樹脂層表面の鉛筆硬度を測定した。測定時の荷重は750gf、測定速度は4.5mm/秒とした。
<残存溶媒の測定方法>
TG−DTA(SII(株)製 EXSTAR6000 TG/DTA6300)を用いて、実施例1で得られた積層フィルムの光学フィルム部を30℃から120℃まで昇温し、120℃で5分間保持し、その後5℃/分の昇温速度で400℃まで昇温した。120℃における光学フィルムの質量に対する120℃から250℃での光学フィルムの質量減少の比を、光学フィルムに含まれる溶媒の含有量(残存溶媒量と称する)として算出した。光学フィルム中の残存溶媒量は、光学フィルムに含まれる溶媒の、光学フィルムの質量に対する割合を示す。
以下の製造例及び実施例において使用する略称は、次のとおりである。
TFMB:2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノジフェニル
6FDA:4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物
TPC:テレフタロイルクロリド
OBBC:4,4’−オキシビス(ベンゾイルクロリド)
DMAc:N,N−ジメチルアセトアミド
GBL:γ−ブチロラクトン
PET:ポリエチレンテレフタレート
<製造例>
製造例1:ポリアミドイミド樹脂1の製造
窒素ガス雰囲気下、セパラブルフラスコに撹拌翼を備えた反応容器と、オイルバスとを準備した。オイルバスに設置した反応容器に、TFMB 45部と、DMAc 768.55部とを投入した。反応容器内の内容物を室温で撹拌しながらTFMBをDMAcに溶解させた。次に、反応容器内に6FDA 19.01部を更に投入し、反応容器内の内容物を室温で3時間撹拌した。その後、OBBC 4.21部、次いでTPC 17.30部を反応容器に投入し、反応容器内の内容物を室温で1時間撹拌した。次いで、反応容器内に4−メチルピリジン 4.63部と無水酢酸 13.04部とを更に投入し、反応容器内の内容物を室温で30分間撹拌した。撹拌した後、オイルバスを用いて容器内温度を70℃に昇温し、70℃に維持してさらに3時間撹拌し、反応液を得た。
得られた反応液を室温まで冷却し、大量のメタノール中に糸状に投入し、沈殿物を析出させた。得られた沈殿物を取り出し、大量のメタノールに6時間浸漬後、メタノールで洗浄した。次に、100℃にて沈殿物の減圧乾燥を行い、ポリアミドイミド樹脂1を得た。得られたポリアミドイミド樹脂1の重量平均分子量は400,000であり、イミド化率は99.0%であった。
製造例2:シリカゾル1の調製
ゾル−ゲル法により作製された平均一次粒子径(BET法で測定された平均一次粒子径)27nmのアモルファスシリカゾルを原料とし、溶媒置換により、GBL置換シリカゾルを調製した。得られたゾルを目開き10μmのメンブレンフィルターでろ過し、GBL置換シリカゾル1を得た。得られたGBL置換シリカゾル中、シリカ粒子の含有量は30質量%であった。
製造例3:光学フィルム用の樹脂ワニス1の調製
製造例1で得られたポリアミドイミド樹脂1、及び、製造例2で得られたシリカゾル1を、GBL中でのポリアミドイミド樹脂:シリカ粒子の組成比が60:40になるように混合した。得られた混合液に、ポリアミドイミド樹脂とシリカ粒子の合計質量に対して2.0phrの紫外線吸収剤「Sumisorb(登録商標) 250」(分子量389、住化ケムテックス(株)製)及びポリアミドイミド樹脂とシリカ粒子との合計質量に対して35ppmのブルーイング剤「Sumiplast(登録商標) Violet B」(住化ケムテックス(株)製)を添加し、均一になるまで撹拌し、樹脂ワニス1を得た。樹脂ワニス1の固形分は9.7質量%であり、25℃における粘度は39,600cpsであった。
製造例4:光硬化性樹脂組成物1の調製
トリメチロールプロパントリアクリレート(新中村化学(株)製、A−TMPT) 28.4質量部、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(新中村化学(株)製、A−TMMT) 28.4質量部、光重合開始剤として、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASF(株)製、Irgacure(登録商標) 184) 1.8質量部、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(東京化成工業(株)製、LiFSI) 2.4質量部、レベリング剤(ビックケミージャパン(株)製、BYK−307) 0.1質量部、並びにプロピレングリコール−1−モノメチルエーテル(東京化成工業(株)製) 39質量部を攪拌混合し、光硬化性樹脂組成物1を得た。
製造例5:フィルムロール1の製造
製造例3で得られた樹脂ワニス1を、幅900mmの長尺状のPETフィルム基材(東洋紡(株)「コスモシャイン(登録商標) A4100」、厚さ188μm、厚さ分布±2μm)上に流涎成形し、樹脂ワニスの塗膜を成形した。この時、線速は0.8m/分であった。樹脂ワニスの塗膜を、80℃で10分加熱した後、100℃で10分加熱し、次いで90℃で10分加熱し、最後に80℃で10分加熱するという乾燥条件で乾燥させ、乾燥塗膜を形成させた。その後、PETフィルムから塗膜を剥離し、厚さ48μm、幅700mm、長さ500mのフィルムロールの形態として原料光学フィルム1を得た。次いで、原料光学フィルム1をテンターと称されるフィルム横延伸装置にて200℃で25分、延伸倍率0.98倍の条件で加熱して、厚さ40μmのポリアミドイミドフィルムからなるフィルムロール1を得た。
実施例1
得られたフィルムロール1の片面の中央部に、ロール・ツー・ロール方式で、光硬化性樹脂組成物1を乾燥後の厚さが10μm、幅が650mmとなるようにバーコーターで塗工した。その後、80℃のオーブンで3分間乾燥を行い、高圧水銀灯500mJ/cmのエネルギーで紫外線を照射して硬化させることでハードコート機能を有する硬化樹脂層を形成し、長さ400mの積層フィルム1をフィルムロールの形態で得た。この時、ロール芯側が硬化樹脂層となるように巻き取った。巻き取ったフィルムロールから一部を切り出し、硬化樹脂層の鉛筆硬度を測定したところ、2Hであった。また、硬化樹脂層が形成されていない光学フィルム部の残存溶媒量を測定したところ、0.75%であった。
実施例2
得られたフィルムロール1の片面の中央部から、幅方向150mm、巻出し方向200mmのフィルムを切り出した。幅方向両端において、端部から5mmをカプトンテープでマスキングし、硬化性樹脂組成物1を乾燥後の厚さが10μm、幅が140mmとなるようにバーコーターで塗工した。すなわち、幅方向両端部からそれぞれ5mmは、硬化樹脂層が塗工されていない状態である。その後、80℃のオーブンで3分間乾燥を行い、高圧水銀灯500mJ/cmのエネルギーで紫外線を照射して硬化させることでハードコート機能を有する硬化樹脂層を形成し、積層フィルム2を得た。硬化樹脂層の鉛筆硬度を測定したところ、2Hであった。また、硬化樹脂層が形成されていない光学フィルム部の残存溶媒量を測定したところ、0.75%であった。
<カール量測定1>
実施例1にて作製したフィルムロールから、幅方向150mm、巻き出し方向200mmの積層フィルム1を切り出し、直径3インチのポリ塩化ビニル製コアに前記フィルムロールと巻き付け方向が同方向となるように巻き付け、25℃50%RH環境下に24時間放置した。コアへの巻き付け順については、以下実験1、2に記載の通りである。その後、コアから剥がして、水平な台の上に置いて4隅のカールの量を測定した。硬化樹脂層を下にした時のカール量をマイナスとし、光学フィルムを下にした時のカール量をプラスとして、4隅のカールを求めて、その平均値をカール量とした。なお、測定には、JIS 1級金尺を用いた。
実験1
ポリ塩化ビニルコアに巻き付ける際に、切り出した積層フィルム1の硬化樹脂層側がロール芯側となるように巻き付け、その後はカール量測定の手順に従ってカール量を測定した。
実験2
ポリ塩化ビニルコアに巻き付ける際に、切り出した積層フィルム1の光学フィルム側がロール芯側となるように巻き付け、その後はカール量測定の手順に従ってカール量を測定した。
Figure 2021115861
<カール量測定2>
実施例1で作製した積層フィルム1から切り出した幅方向150mm、巻き出し方向200mmの積層フィルム1、実施例2で作製した積層フィルム2を、それぞれ直径1インチのポリ塩化ビニル製コアに前記フィルムロールと巻き付け方向が同方向となるように巻き付け、25℃50%RH環境下に24時間放置した。このとき、ロール芯側が硬化樹脂層となるようにポリ塩化ビニルコアに巻き付けた。その後、コアから剥がして、水平な台の上に置いて4隅のカールの量を測定した。硬化樹脂層を下にした時のカール量をマイナスとし、光学フィルムを下にした時のカール量をプラスとして、4隅のカールを求めて、その平均値をカール量とした。なお、測定には、JIS 1級金尺を用いた。
Figure 2021115861
<吸水率測定>
フィルムロールの最外層部分から幅方向100mm、巻き出し方向100mmの積層フィルムを切り出した。80℃で3時間乾燥させたのち、積層フィルムの質量を測定し、水蒸気暴露前の質量W0とした。
直径75mmの円筒形のビーカーを準備し、その中に150gの水を入れて、120℃に設定したホットプレート上に置き、水を沸騰させた。沸騰させている間、蒸気が逃げないように金属板で蓋をした。十分に沸騰した後、金属板の蓋を外してあらかじめ切り出しておいた積層フィルムで蓋をし、さらにその上を金属板で蓋をして、水蒸気に暴露させた。5分経過後、積層フィルムを取り出して質量を測定し、水蒸気暴露後の質量W1とし、以下の式より吸水率を計算した。その結果を表2に示す。
Figure 2021115861
実験3
蒸気と接する面が、光学フィルムとなるように蓋をし、吸水率を測定した。
実験4
蒸気と接する面が、ハードコート機能を有する硬化樹脂層となるように蓋をし、吸水率を測定した。
Figure 2021115861
表3より、蒸気と接する面を光学フィルムとした方が、吸水率が高いことがわかる。このことから、光学フィルムの方が、硬化樹脂層よりも水分を吸収しやすく、また放出しやすいと言える。ロール状に巻かれた状態の積層フィルムは、例えばその製造時に水分を吸収するが、特にその最表面から水分を放出しやすい。水分を放出しやすい光学フィルムが最表面にある、すなわち実施例1の構成とすると、ロール状に巻いた長尺フィルムは、その巻癖によりカールが発生するが、光学フィルム中の水分により光学フィルムが収縮して巻癖と反対側に反る力が発生し、カールが良好になったと考えられる。このことは、ロールの巻癖を模擬的に検証したカール量測定において、実験1の方が実験2よりも良好であったことからも言える。

Claims (5)

  1. ポリイミド系樹脂及び/又はポリアミド系樹脂を含む光学フィルムと、
    該光学フィルムに積層された硬化樹脂層とを
    含む積層フィルムが巻回されてなるフィルムロールであって、
    該フィルムロールは、ロールの芯側から、該積層フィルムの硬化樹脂層、光学フィルムの順に巻回されている、フィルムロール。
  2. 積層フィルムは、硬化樹脂層側よりも光学フィルム側の吸水率が高いフィルムである、請求項1に記載のフィルムロール。
  3. 積層フィルムの光学フィルム側を水蒸気に5分間曝露したときに、該積層フィルムの吸水率が1.1%以上である、請求項1又は2に記載のフィルムロール。
  4. 硬化樹脂層は、ハードコート機能、帯電防止機能、防眩機能、低反射機能、反射防止機能及び防汚機能からなる群から選択される1以上の機能を有する、請求項1〜3いずれかに記載のフィルムロール。
  5. 硬化樹脂層は、UV硬化樹脂層である、請求項1〜4いずれかに記載のフィルムロール。
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