JP2021111765A - 半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】温度変化があっても不具合を生じることのない半導体装置を提供する。【解決手段】樹脂封止体(9)の内部に、半導体素子(1a、1b)を搭載したヒートスプレッダー(3)と、ヒートスプレッダー(3)に樹脂絶縁層(6)を介して固定された銅板(7)の一部分と、ヒートスプレッダー(3)に接合材(5b)により接合された第1のリードフレーム(4a)の一部分と、半導体素子(1a、1b)に接合材(5a1、5a2)により接合された第2のリードフレーム(4b)の一部分とを埋設し、銅板(7)の樹脂封止体(9)から露出した部分と冷却器(11)とをハンダ接合部(10)により接合するように構成し、銅板(7)の厚さ寸法を、0.3[mm]以上で、かつ前記ヒートスプレッダー(3)の厚さ寸法を超えない値に設定した。【選択図】図1

Description

本願は、半導体装置に関するものである。
電力用半導体素子を実装した半導体装置では、近年、大容量化が進んでいる。電力用半導体素子に大電流を流すためには、半導体素子に発生する熱を効率よく放散させる必要があり、そのため、半導体素子とヒートシンクなどの冷却器との間に存在する絶縁部材および接合部材の低熱抵抗化が図られている。
たとえば、特許文献1に開示された従来の半導体装置は、リードフレームの上に形成した半導体素子を含む回路部と熱放散のための冷却器とを熱拡散板を含む特定構造で電気的に絶縁し、樹脂系モールドで一体的に構成して補強するようにしている。このように構成された半導体装置は、高信頼性を確保し、かつ装置の熱抵抗を低減することができ、小型かつ高信頼性のパワー半導体装置を低価格で提供することができるとされる。
特開平10−93015号公報
特許文献1には、冷却器にパワー半導体素子を固定する旨の記載はあるが、その固定方法については触れられていない。一般に、冷却器にパワー半導体素子を接続する場合、シリコン放熱グリスが用いられている。実用的なシリコン放熱グリスは、熱伝導率が高いものでも3[W/mK]レベルであり、冷却器を含めた半導体装置の熱抵抗の上昇の要因となっている。また、シリコン放熱グリスは、冷却器に半導体素子を固定する機能を備えていないことから、別途、ねじなどの固定部材が必要となる。
そこで、半導体素子と冷却器との間の熱抵抗の低減と、半導体素子と冷却器との固定と、を満足させる接合の方法として、ハンダ接合材による接合する方法がある。しかしながら、この場合、ハンダ接合する際のリフロー工程において、半導体装置全体が高温にさらされることから、半導体装置に内蔵される樹脂絶縁層が高温により剥離もしくは接合材に悪影響を与えるなどの不具合が生じる可能性がある。
本願は、上記のような課題を解決するための技術を開示するものであり、高温にさらされても不具合を生じることのない半導体装置を提供することを目的としている。
本願に開示される半導体装置は、
パワーモジュールと、前記パワーモジュールにハンダ接合材からなるハンダ接合部により接合された冷却器と、を備えた半導体装置であって、
前記パワーモジュールは、
半導体素子と、
前記半導体素子を接合材を介して一方の面部に搭載したヒートスプレッダーと、
前記ヒートスプレッダーに接合材を介して接合された主端子となる第1のリードフレームと、
前記半導体素子に接合材を介して接合された主端子となる第2のリードフレームと、
前記ヒートスプレッダーの前記一方の面部に対向する他方の面部に、樹脂絶縁層を介して一方の面部が接合された銅板と、
前記半導体素子と、前記ヒートスプレッダーと、前記第1のリードフレームの一部分と、前記第2のリードフレームの一部分と、前記樹脂絶縁層と、前記銅板の前記一方の面部に対向する他方の面部以外の部分と、を封止する樹脂封止体と、
を備え、
前記パワーモジュールは、前記樹脂封止体から露出した前記銅板の前記他方の面部が前記ハンダ接合部に当接して前記冷却器に接合され、
前記銅板の厚さ寸法は、0.3[mm]以上で、かつ前記ヒートスプレッダーの厚さ寸法を超えない値に設定されている、
ことを特徴とする。
また、本願に開示される半導体装置は、
パワーモジュールと、前記パワーモジュールにハンダ接合材からなるハンダ接合部により接合された冷却器と、を備えた半導体装置であって、
前記パワーモジュールは、
半導体素子と、
前記半導体素子を接合材を介して一方の面部に搭載した部位と、前記部位の厚さ寸法に対して異なる厚さ寸法の部位と、を備えた主端子となる第1のリードフレームと、
前記半導体素子に接合材を介して接合された主端子となる第2のリードフレームと、
前記第1のリードフレームの前記半導体素子を搭載した前記部位における、前記一方の面部に対向する他方の面部に、樹脂絶縁層を介して一方の面部が接合された銅板と、
前記半導体素子と、前記第1のリードフレームの前記半導体素子を搭載した前記部位と、前記第2のリードフレームの一部分と、前記樹脂絶縁層と、前記銅板の前記一方の面部に対向する他方の面部以外の部分と、を封止する樹脂封止体と、
を備え、
前記パワーモジュールは、前記樹脂封止体から露出した前記銅板の前記他方の面部が前記ハンダ接合部に当接して前記冷却器に接合され、
前記銅板の厚さ寸法は、0.3[mm]以上で、かつ前記第1のリードフレームの前記半導体素子を搭載した前記部位の厚さ寸法を超えない値に設定されている、
ことを特徴とする。
本に開示される半導体装置によれば、高温にさらされても不具合を生じることのない半導体装置を得ることができる。
実施の形態1による半導体装置の断面図である。 実施の形態1による半導体装置の製造過程を説明するための、製造途中の工程により形成された中間構成体を示す断面図である。 図2に示す中間構成体が後の工程を経て形成された中間構成体を示す断面図である。 図3に示す中間構成体が後の工程を経て形成された中間構成体を示す断面図である。 図4に示す中間構成体が後の工程を経て、最終的に製造された半導体装置を示す断面図である。 実施の形態2による半導体装置の断面図である。 実施の形態3による半導体装置の断面図である。 実施の形態4による半導体装置の断面図である。 実施の形態1から4による半導体装置の実施例のデータと、比較例のデータと、を示す説明図である。 図9に示す実施例と比較例の評価結果を示す説明図である。
本願のそれぞれの実施の形態による半導体装置について、図を参照しながら以下に説明する。
実施の形態1.
まず、実施の形態1による電力用の半導体装置の構成について説明する。図1は、実施の形態1による半導体装置の断面図である。図1において、半導体装置100は、パワーモジュール101と、冷却器11を備えている。冷却器11の一方の面部11aには、パワーモジュール101がハンダ接合部10により接合されている。冷却器11の反パワーモジュール側の面部である他方の面部11bには、複数の放熱フィン11cが設けられている。なお、冷却器11は、実施の形態1では金属製の平板状のヒートシンクにより構成されているが、たとえば内部に冷却液を通流させる流路を備えた液冷式の冷却器であってもよい。
パワーモジュール101は、スイッチング素子としての半導体素子1aと、整流素子としての半導体素子1bと、ヒートスプレッダー(Heat Spreader)3と、第1のリードフレーム4aと、第2のリードフレーム4bと、樹脂に無機充填材を含有した樹脂絶縁層6と、銅板7と、ボンディングワイヤ8と、樹脂封止体9と、を備えている。スイッチング素子としての半導体素子1aは、チップ下接合材2aによりヒートスプレッダー3の一方の面部に接合されている。整流素子としての半導体素子1bは、チップ下接合材2bによりヒートスプレッダー3の一方の面部に接合されている。ヒートスプレッダー3の一方の面部に対向する他方の面部は、樹脂絶縁層6を介して銅板7の一方の面部に固定されている。
銅板7の一方の面部に対向する他方の面部は、パワーモジュール101の樹脂封止体9の上面部93に対向する下面部94から露出しており、ハンダ接合部10により冷却器11の一方の面部11aに接合されている。これにより、パワーモジュール101と冷却器11とが一体に接合され、半導体装置100が構成されている。
第1のリードフレーム4aは、リード接合材5bによりヒートスプレッダー3の一方の面部に接合されている。リード接合材5bは、ヒートスプレッダー3と第1のリードフレーム4aとの間の電気的導通を確保するために、ハンダ接合材による接合もしくは超音波による金属接合などにより形成され、ヒートスプレッダー3と第1のリードフレーム4aとを一体に接合している。第2のリードフレーム4bは、チップ上接合材5a1により半導体素子1aに接合されるとともに、チップ上接合材5a2により半導体素子1bに接合されている。ボンディングワイヤ8は、スイッチング素子としての半導体素子1aと複数の第3のリードフレーム4c(図1では、第1のリードフレーム4aと重なっているため、図示されていない)とを電気的に接続している。第3のリードフレーム4cは、一部分が後述の樹脂封止体9に埋設されて固定されており、第1のリードフレーム4aとは分離されている。
樹脂封止体9は、前述の半導体素子1a、1bと、ヒートスプレッダー3と、第1のリードフレーム4aの一部と、第2のリードフレーム4bの一部と、第3のリードフレーム4cの一部と、樹脂絶縁層6と、銅板7の一部分と、ボンディングワイヤ8と、チップ下接合材2a、2bと、チップ上接合材5a1、5a2と、リード接合材5bと、を内包してこれらを外部から封止するように構成されている。
第1のリードフレーム4aは、樹脂封止体9の一方の側面部91から垂直に樹脂封止体9の外部へ導出された第1の部位4a1と、この第1の部位4a1のあらかじめ定められた位置で冷却器11から離れる方向に直角に屈曲し、冷却器11から離れる方向に延びる第2の部位4a2とを備えている。第3のリードフレーム4cも第1のリードフレーム4aと同様に、第1の部位4c1(図示せず)と第2の部位4c2(図示せず)を備える。第2のリードフレーム4bは、樹脂封止体9の一方の側面部91に対向する他方の側面部92から垂直に樹脂封止体9の外部へ導出された第1の部位4b1と、この第1の部位4b1のあらかじめ定められた位置で冷却器11から離れる方向に直角に屈曲し、冷却器11から離れる方向に延びる第2の部位4b2とを備えている。第1のリードフレーム4aの第2の部位4a2と、第2のリードフレーム4bの第2の部位4b2は、外部の電気回路に接続される。第3のリードフレーム4cの第2の部位(図示せず)は、後述の信号配線、および制御配線に接続される。
以上のように構成された実施の形態1による半導体装置100において、半導体素子1a、1bが動作した際に発生する熱は、チップ下接合材2a、2b、ヒートスプレッダー3、樹脂絶縁層6、銅板7、ハンダ接合部10を介して、冷却器11に放熱される。
次に、パワーモジュール101と外部との電気的な接続に関して更に詳しく説明する。半導体素子1a、1bは、表面部に相当する能動面部と、この能動面部に対して反対側の面部である裏面部と、を備えている。半導体素子1a、1bの裏面部は、ハンダ接合材などからなるチップ下接合材2a、2bにより、ヒートスプレッダー3の一方の面部に接合されている。第1のリードフレーム4aの前述の第2の部位4a2は、第1のリードフレーム4aの外部端子となる。
半導体素子1a、1bの能動面部には、前述のようにハンダ接合材などからなるチップ上接合材5a1、5a2を介して、主端子となる第2のリードフレーム4bが接合されている。第2のリードフレーム4bの前述の第2の部位4b2は、第2のリードフレーム4bの外部端子となる。
スイッチング素子としての半導体素子1aは、スイッチングするための信号にかかわる配線である信号配線、および、温度もしくは電流をモニタするなどの制御にかかわる配線である制御配線に電気的に接続される必要がある。信号配線と制御配線に流れる電流量は大きくないことから、スイッチング素子としての半導体素子1aは、ボンディングワイヤ8を用いて信号端子となる複数の第3のリードフレーム4cと接続される。ボンディングワイヤ8の材質としては、たとえば、アルミニウム、銅、金などがあげられるが、その中でも、接合信頼性の高いアルミニウムがよい。
パワーモジュール101は、スイッチング素子としての半導体素子1aと、整流素子としての半導体素子1bとが搭載された半導体チップである。半導体素子1aは、たとえば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、あるいは、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)のような半導体スイッチング素子により構成されている。パワーモジュール101は、前述のようにダイオードなどからなる整流素子としての半導体素子1bを含むものである。
半導体素子1aを構成するIGBTは、負荷に大電流を流して駆動させる素子である。IGBTにより構成された半導体素子1aを搭載したパワーモジュール101は、電力用パワーモジュールとして動作する。半導体素子1a、1bは、たとえば、シリコン(Si)により形成されていることが好ましいが、シリコンに限定されるものではない。たとえば、半導体素子1a、1bを構成する半導体チップが、炭化珪素(SiC)、窒化ガリウム系材料[たとえば窒化ガリウム(GaN)]、ダイヤモンドからなる群から選択されるいずれかの材料により形成されていれば、より好ましい。半導体素子1a、1bは、シリコンに比べてバンドギャップの広い、いわゆるワイドバンドギャップ半導体材料である。このようなワイドバンドギャップ半導体材料を用いて形成された半導体素子1a、1bは、MOSFETなどのシリコン半導体材料を用いた半導体素子に比べて、高温での動作に適用することができる。すなわち、ワイドバンドギャップ半導体材料は、大電流を流すことに適している半導体材料である。
半導体素子1a、1bの表面部としての能動面部には、前述のように主端子となる第2のリードフレーム4bが、ハンダ接合材などからなるチップ上接合材5a1、5a2を介して接合されている。なお、図1において、スイッチング素子としての半導体素子1aと、整流素子としての半導体素子1bは、互いに間隔をあけてひとつずつ配置されているが、この配置に限定されるものではない。1つのパワーモジュール101に配置される半導体素子1a、1bの数は、任意である。すなわち、半導体素子1aと半導体素子1bのうちの何れか1つのみ、又は、半導体素子1aを3つ以上、或いは半導体素子1bを3つ以上、或いは半導体素子1aと半導体素子1bを混在させて3つ以上、を配置するようにしてもよい。
また、スイッチング素子としての半導体素子1aは、RC−IGBT(Reverse Conducting IGBT)を用いてもよい。RC−IGBTは、IGBTとダイオードが1つの半導体チップに収納されたものである。半導体素子1a、1bのヒートスプレッダー3と接合される裏面部に対して反対側の能動面部には、部分的にニッケル―金メッキが施されている。
ヒートスプレッダー3、第1のリードフレーム4a、および第2のリードフレーム4bには、導電性のよい金属が用いられる。導電性の良い金属の中でも、銅材が、電気抵抗、加工性、コストなどの点から、最適である。ここで、銅材とは、純銅もしくは銅を主成分とする銅合金を指している。パワーモジュール101の全体は、樹脂封止体9により封止されている。樹脂封止体9としては、硬化後に発生する応力が大きくならないように、ヒートスプレッダー3、第1のリードフレーム4a、および第2のリードフレーム4bの線膨張係数に近い線膨張係数を備えた樹脂を用いるのがよい。
純銅の線膨張係数が16[ppm/K]から17[ppm/K]であることから、樹脂封止体9の線膨張係数も15[ppm/K]から19[ppm/K]であるのがよい。樹脂封止体9の線膨張係数は、ガラス転移温度Tg以下の温度域での線膨張係数の値である。樹脂封止体9のガラス転移温度Tgは、半導体素子1a、1bが動作した際に到達する温度以上であることがよい。もし、ガラス転移温度Tgが低い場合、半導体素子1a、1bが動作中に樹脂封止体9の物性が大きく変わる。このことは、樹脂封止体9の電気的絶縁性、および機械的強度の低下を引き起こすことがある。好ましくは、半導体素子1a、1bがシリコンにより形成されている場合、最高175[℃]で動作するため、樹脂封止体9は、175[℃]以上のガラス転移温度Tgを有するのが望ましい。
樹脂絶縁層6は、電気的絶縁性を確保しつつ、半導体素子1a、1bが動作した際に発生する熱を冷却器11に伝達して放散させることが求められる。樹脂絶縁層6は、熱硬化性樹脂に、高熱伝導性の絶縁性の無機充填材としての無機フィラーを充填したものであり、樹脂の熱硬化反応によりヒートスプレッダー3と銅板7とを接着する。
パワーモジュール101は、半導体素子1a、1bの動作時に発生する熱を散逸させるために、放熱フィン11cを備えた冷却器11にハンダ接合部10により接合されている。高い冷却性能が求められる冷却器11としては、水冷式、空冷式、のいづれであってもよい。冷却器11は、銅、アルミニウム、銅またはアルミニウムの合金からなる群から選択される、いずれかにより形成されていることが好ましい。なかでも、冷却器11の材質としては、軽量でかつ加工性に優れたアルミニウム又はその合金が好適である。
パワーモジュール101と接合される冷却器11は、半導体装置100の冷却性能を向上させるために、複数の放熱フィン11cを設けている。冷却器11は、複雑な形状となることから、ダイカスト成形、あるいは押し出し成形により製造される。ダイカスト成形、あるいは押し出し成形などに適したアルミニウム合金としては、Al-Si-Cu系のADC10、ADC12、Al-Mg-Si系のA6061、もしくはA6063などが好適である。
次に、実施の形態1による半導体装置100の製造方法について説明図する。まず、実施の形態1による半導体装置100の製造方法における、ダイボンディングの工程について説明する。図2は、実施の形態1による半導体装置の製造方法を説明するための、製造途中の工程により形成された中間構成体を示す断面図であって、ダイボンディングの工程を経て形成された中間構成体を示している。ダイボンディングの工程においては、図2に示すように、スイッチング素子としての半導体素子1aと、整流素子としての半導体素子1bとを、ヒートスプレッダー3の一方の面部31の上に、チップ下接合材2a、2bを介してそれぞれ互いに間隔をあけて接合する。図2に示すこの工程は、ダイボンディングの工程と称される。スイッチング素子としての半導体素子1aは、たとえば、シリコンにより形成されており、IGBTが搭載された半導体チップが用いられる。整流素子としての半導体素子1bは、たとえば、シリコンにより形成され、ダイオードが搭載された半導体チップが用いられる。
図2には、これらの2つの半導体素子1a、1bが、互いに間隔をあけて、ヒートスプレッダー3に接合された状態が示されている。ヒートスプレッダー3の厚さ寸法としては、1.0[mm]から3.0[mm]である。ヒートスプレッダー3の厚さ寸法が1.0[mm]未満の場合、半導体素子1a、1bが発生する熱を、ヒートスプレッダー3の横方向、つまりヒートスプレッダー3の面の広がる方向、に広げる効果が不十分となり、パワーモジュール101としての熱抵抗の低減を図ることが不十分となる。一方、ヒートスプレッダー3の厚さ寸法が3.0[mm]より大きくなると、熱の広がりの効果が飽和してしまい、また厚さ寸法が大きくことでパワーモジュール101の重量増加などの課題が発生する。このことから、ヒートスプレッダー3の厚さ寸法としては、1.0[mm]から3.0[mm]が最適である。
ここで、たとえば、IGBT(定格1200[V]、300[A])が搭載されたスイッチング素子としての半導体素子1aは、その平面視におけるサイズが、13[mm]×13[mm]×0.12[mm]である。たとえば、ダイオード(定格1200[V]、300[A])が搭載された整流素子としての半導体素子1bは、その平面視におけるサイズが、13[mm]×10[mm]×0.12[mm]である。
サイズが35[mm]×20[mm]×2.5[mm]のヒートスプレッダー3は、無酸素銅からなる。図2に示すように、ヒートスプレッダー3の所望の位置に、スイッチング素子としての半導体素子1aと、整流素子としての半導体素子1bが、チップ下接合材2aと、チップ下接合材2bとによりそれぞれ固定される。
チップ下接合材2a、2bは、ハンダ接合材、銀を主成分とする焼結性フィラー、銀を主成分とするろう材、スズ中に銅を分散した材料、金を主成分とする金スズ、金ゲルマニウム等の金系合金からなる群から選択された、いずれかの接合材であることが好ましい。これらの接合材は、熱伝導性と導電性が高い接合材料である。チップ下接合材2a、2bとして、たとえば、焼結銀を用いるのが良い。焼結銀は、接合後に再溶融せず、接合層内にボイドの発生が少ないために局所的にチップが熱くなるホットスポットが発生しないので、チップ下接合材2a、2bとして好適な材料である。チップ下接合材2a、2bの厚さ寸法は、0.05[mm]とする。
図3は、図2に示す中間構成体が後の工程を経て形成された中間構成体を示す断面図であって、第1のリードフレーム4a、と第2のリードフレーム4bを、半導体素子1a、1bとヒートスプレッダー3に接合する工程を経て形成された中間構成体を示す。図3に示すように、この中間構成体においては、主端子となる第1のリードフレーム4a、主端子となる第2のリードフレーム4b、および信号端子となる第3のリードフレーム4cが、半導体素子1a、1bと、ヒートスプレッダー3に接合されている。
即ち、主端子となる第1のリードフレーム4aを、リード接合材5bを用いてヒートスプレッダー3の一方の面部31に接合する。また、主端子となる第2のリードフレーム4bを、チップ上接合材5a1を用いてスイッチング素子としての半導体素子1aの能動面に接合し、かつ、チップ上接合材5a2を用いて整流素子としての半導体素子1bの能動面に接合する。さらに、信号端子としての第3のリードフレーム4cを、ボンディングワイヤ8を用いてスイッチング素子としての半導体素子1aに接続する。前述の第1のリードフレーム4aと、第2のリードフレーム4bを、半導体素子1a、1bとヒートスプレッダー3に接合する工程において、各リードフレームの接続作業の順序は問わない。
ヒートスプレッダー3と第1のリードフレーム4aとの接続には、ハンダ接合材からなるリード接合材5bを用いているが、それ以外の超音波接合、溶接などの接合方法を用いてもよい。半導体素子1a、1bと第2のリードフレーム4bとの接合には、ハンダ接合材からなるチップ上接合材5a1、5a2を用いる。なお、チップ上接合材5a1、5a2は、ハンダ接合材である必要はなく、焼結銀であってもよい。チップ上接合材5a1、5a2、およびリード接合材5bに、ハンダ接合材を用いる場合は、後述するように冷却器11とパワーモジュール101とをハンダ接合部10により接合する工程における、ハンダリフロー工程時に、再溶融しないように注意する必要がある。
前述のように、スイッチング素子としての半導体素子1aと信号端子となる第3のリードフレーム4cとの間は、ボンディングワイヤ8を用いて電気的に接続される。ここで用いられているアルミニウム製のボンディングワイヤ8は、その延在する方向に対して直交する方向の断面が、たとえば、直径0.20[mm]のほぼ円形である。
図4は、図3に示す中間構成体が後の工程を経て形成された中間構成体を示す断面図であって、パワーモジュール101を完成させる工程を示している。すなわち、前述の図3に示した工程の後、図4に示す工程では、まず、トランスファー成型(Transfer Molding)用の金型内に、一体となった銅板7と樹脂絶縁層6とを設置する。このとき、銅板7は樹脂絶縁層6の下部に配置される。つぎに、ヒートスプレッダー3に搭載された半導体素子1a、1bに、第1のリードフレーム4a、第2のリードフレーム4b、第3のリードフレーム4cを接合した図3の工程による中間構成体を、前述の金型に設置する。このとき、ヒートスプレッダー3の一方の面部31に対向する他方の面部32(図2、図3参照)を、樹脂絶縁層6の上面部に当接させる。
つぎに、熱硬化性樹脂を金型に注入し、半導体素子1a、1bと、ヒートスプレッダー3と、第1のリードフレーム4a、第2のリードフレーム4b、第3のリードフレーム4cの一部と、樹脂絶縁層6と、銅板7に一部分と、の周囲を熱硬化性樹脂からなる樹脂封止体9により封止する。このとき、銅板7は、樹脂絶縁層6と反対側の面部71は、樹脂封止体9から露出するように成型する。
ここで、樹脂絶縁層6は放熱性、絶縁性と接着性を兼ね備えた材料により構成されており、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂の中に熱伝導性の高いセラミック粒子などの無機粉末充填材が含有された構成を有している。高熱伝導性の無機充填材としては、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、酸化アルミニウム( アルミナ) 、酸化ケイ素(シリカ) 、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタンなどのセラミック粒子が適している。なお、これら無機充填材の何れかを単独で用いなくても、複数種を混合して用いてもよい。樹脂絶縁層6の厚さ寸法は、50[μm]以上で500[μm]以下であることが好ましい。
樹脂絶縁層6に使用される無機充填材は、その最大粒径が50[μm]以上で150[μm]以下のものが好適である。ここで、無機充填材の最大粒径とは、無機充填材の内部に引いた直線の寸法(無機充填材の射影におけるその内部の直線状の寸法)の最大値を意味する。このため樹脂絶縁層6が50[μm]よりも薄ければ、そこに含まれる無機粉末充填材の最大粒径よりも薄くなることから、樹脂絶縁層6の絶縁性が著しく低下してしまう場合がある。一方、樹脂絶縁層6が500[μm]よりも大きな厚さ寸法を有する場合は、絶縁性はよいが熱抵抗が大きくなり、放熱性能が低下してしまう場合がある。これらの観点から、樹脂絶縁層6の厚さ寸法は50[μm]以上で500「μm」以下であることが好ましい。なお,樹脂絶縁層6は、単一の層からなるものである必要はなく、たとえば熱伝導率が互いに異なる複数の層が積層された構成であってもよい。
さらに、樹脂材料をベースとする樹脂絶縁層6は、接着材としての機能も有している。このため、後述するパワーモジュール101の封止工程において行われる樹脂封止体9の熱硬化時に、樹脂絶縁層6は、ヒートスプレッダー3と銅板7とが、互いに密着するようにこれらを接着される。このため樹脂絶縁層6は、その一方の面部および他方の面部に、接着材を塗布する必要がない。接着材は熱抵抗上昇の原因となるため、この接着材を樹脂絶縁層6の一方の面部と他方の面部に塗布しないことにより、樹脂絶縁層6とヒートスプレッダー3、ひいては第1のリードフレーム4a、第2のリードフレーム4b、第3のリードフレーム4c、銅板7、および樹脂封止体9との間の熱抵抗の増加を抑制することができ、放熱性能の高いパワーモジュール101を得ることができる。
銅板7は、ヒートスプレッダー3および第1のリードフレーム4a、第2のリードフレーム4b、第3のリードフレーム4cと同じく、純銅もしくは銅が主成分である銅合金により構成されている。銅板7の厚さ寸法としては、0.3[mm]以上で樹脂絶縁層6を挟んで対向するヒートスプレッダー3の厚さ寸法以下である。銅板7の厚さ寸法が0.3[mm]より薄くなると、銅板7を構成する銅材の剛性が弱いため、後の工程であるハンダ付け工程における熱履歴により、樹脂絶縁層6がダメージを受けて剥離する可能性がある。一方、銅板7の厚さ寸法がヒートスプレッダー3の厚さ寸法を超えると、パワーモジュール101の重量増、銅板7と樹脂絶縁層6が一体となった部材の加工性が悪くなり、ハンダ接合部10のリフロー工程において、銅板7の熱容量が大きくなり熱が逃げやすくなることから、ハンダ接合部10の接合不良が発生しやすくなる。ヒートスプレッダー3の最適厚さ寸法は、1.0[mm]から3.0[mm]であることから、銅板7の厚さ寸法としては、0.3[mm]から1.0[mm]の範囲にあるのが特に好ましい。
樹脂封止体9は、樹脂絶縁層6と同様にエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂の中に無機充填材が含有された構成を有している。なお、トランスファー成型の工程においては、樹脂封止体9および樹脂絶縁層6を硬化させるため、たとえば、金型の温度は180[℃]、金型の内部圧力は10[MPa]、加熱時間は3[分]とされる。ただし、トランスファー成型の工程における加熱時間は、樹脂封止体9および樹脂絶縁層6の反応度により適宜任意の時間を設定することができる。また、樹脂絶縁層6は、加温されることにより溶融し、さらにこのトランスファー成型の工程での更なる加温により熱硬化する。
樹脂封止体9には高熱伝導性であることが不要なため、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂の中に含有される無機充填材は、熱硬化性樹脂に含有させた際に流動性がよく、線膨張係数の調整が容易である酸化ケイ素(シリカ)のうち、溶融シリカが最適である。パワーモジュール101は、銅材を多く使用していることから、銅の線膨張係数に樹脂封止体9の線膨張係数を合わせる、つまり樹脂封止体9の線膨張係数を銅の線膨張係数と同一もしくは近似させることで、パワーモジュール101の内部の応力低減を図ることができることから、樹脂封止体9の線膨張係数を15[ppm/K]から19[ppm/K]とるように、無機充填材の量を調整する。このことにより、温度サイクルに対する信頼性が向上する効果がある。
図5は、図4に示す中間構成体が後の工程を経て、最終的に製造された半導体装置を示す断面図である。トランスファー成型後の図4に示すパワーモジュール101は、その後の工程にて、第1のリードフレーム4a、第2のリードフレーム4b、第3のリードフレーム4cのカットと曲げ加工を実施して、主端子となる第1のリードフレーム4aと、第2のリードフレーム4bと、信号端子となる第3のリードフレーム4cを成形する。すなわち、図4に示すように樹脂封止体9の相対抗する側面部から垂直に延出された第1のリードフレーム4a、第2のリードフレーム4b、第3のリードフレーム4cを、それぞれあらかじめ定められた長さ寸法にカットする。そして、前述のように、それぞれの第1のリードフレーム4a、第2のリードフレーム4b、第3のリードフレーム4cを屈曲させて、第1の部位4a1、4b1、4c1と、第2の部位4a2、4b2、4c2を形成する。
その後、パワーモジュール101と冷却器11との間を、ハンダ接合部10を用いて接合する。冷却器11の材質は、アルミニウム合金、たとえば、Al―Mg−Si系のA6063とする。ハンダ接合部10には、たとえば、鉛を含まないハンダ接合材(スズ95.5[重量%]、銀2[重量%]、銅0.5[重量%]、ビスマス2[重量%]、液相線221[℃])を用いている。冷却器11は、押し出し成形にて作製されている。
ハンダ付け工程において、ハンダ接合部10を溶融させる温度域までパワーモジュール101および冷却器11を加熱する必要がある。この際、パワーモジュール101の中で使用しているハンダ接合材も溶融する可能性があり、仮に、そのハンダ接合材が溶融した際は、固体から液体に変化する体積膨張の影響で樹脂封止体9にクラックが発生する可能性がある。このため、パワーモジュール101の内部で使用するハンダ接合材と、冷却器11とパワーモジュール101とを接合するために使用するハンダ接合部10には融点差を設ける必要がある。
たとえば、パワーモジュール101の内部で使用するチップ上接合材5a1、5a2、およびリード接合材5bとして、スズ95[重量%]、アンチモン5[重量%]の液相線243[℃]のハンダ接合材、ハンダ接合部10として、スズ95.5[重量%]、銀2[重量%]、銅0.5[重量%]、ビスマス2[重量%])の液相線221[℃]のハンダ接合材を用いた場合、ハンダ接合材の融点差は22[℃]となる。また、チップ上接合材5a1、5a2、およびリード接合材5bとして、スズ90[重量%]、アンチモン10[重量%]の液相線266[℃]のハンダ接合材を用い、ハンダ接合部10として、スズ95.5[重量%]、銀2[重量%]、銅0.5[重量%]、ビスマス2[重量%])の液相線221[℃]のハンダ接合材を用いた場合、ハンダ接合材の融点差は45[℃]となる。したがって、チップ上接合材5a1、5a2、およびリード接合材5bと、ハンダ接合部10と、の間に融点差を設けることができる。
この融点差を利用して、ハンダ接合部10の接合工程であるハンダリフロー時の温度設定を行うことで、パワーモジュール101の内部にあるハンダ接合材の再溶融を防止することができる。パワーモジュール101の内部のハンダ接合材と、冷却器11とパワーモジュール101とを接合するために使用するハンダ接合部10と、の間の融点差としては、20[℃]以上であることが必要である。なお、実施の形態1では、チップ下接合材2a、2bは、ハンダリフロー工程で再溶融しないハンダ以外の材料、中でも銀を主成分とする焼結性フィラーを用いることが必要となる。
以上述べた実施の形態1による半導体装置は、銅板7の厚さ寸法を、0.3[mm]以上で、かつ銅製の第1のリードフレーム4a、第2のリードフレーム4b、第3のリードフレーム4cと接合した銅製のヒートスプレッダー3における少なくとも半導体素子1a、1bが搭載される部位の厚さ寸法を超えない厚さ寸法としたことを特徴とするものである。この構成により、パワーモジュール101と冷却器11をハンダ接合部10を用いて接合することができ、低熱抵抗で放熱性の優れた温度サイクルに対する信頼性の高い半導体装置を提供することができる。
実施の形態2.
図6は、実施の形態2による半導体装置の断面図である。図6において、実施の形態2による半導体装置100は、実施の形態1と同様にパワーモジュール101と、冷却器11を備えている。冷却器11は、パワーモジュール101に、ハンダ接合部10により接合されている。実施の形態2による半導体装置100は、実施の形態1による半導体装置100で用いているヒートスプレッダー3を使用せず、一部分の厚さ寸法が大きくなった異厚リードフレームとしての第1のリードフレーム41を用いている点で実施の形態1の半導体装置とは異なる。
すなわち、異厚リードフレームとしての第1のリードフレーム41は、スイッチング素子としての半導体素子1aと整流素子としての半導体素子1bとを搭載する第1の部位41aと、第1の部位41aから図の斜め上方に延びる第2の部位41bと、第2の部位41bから図の水平方向に屈曲して延びる第3の部位41cと、第3の部位41cから冷却器11から離れる方向に直角に屈曲して延びる第4の部位41dとを備え、これらの各部位は同一材料により一体に形成されている。ボンディングワイヤ8は、スイッチング素子としての半導体素子1aと複数の第3のリードフレーム4c(図6では、第1のリードフレーム41と重なっているため、図示されていない)とを電気的に接続している。第3のリードフレーム4cは、一部分が樹脂封止体9に埋設されて固定されており、第1のリードフレーム41とは分離されている。第1のリードフレーム41と第2のリードフレーム4bは主端子となり、第3のリードフレーム4cは信号端子となる。
樹脂封止体9に埋設された第4のリードフレーム4dは、チップ上接合材5a1により半導体素子1aの能動面に接合されるとともに、チップ上接合材5a2により半導体素子1bの能動面に接合されている。第2のリードフレーム4bは、一部分が樹脂封止体9に埋設されて樹脂封止体9に固定されており、ハンダ接合材からなるリード接合材40により第4のリードフレーム4dに接合されている。なお、第2のリードフレーム4bと第4のリードフレーム4dの接合は、ハンダ接合材からなるリード接合材40に代えて、超音波接合もしくは溶接などによる接合としてもよい。
異厚リードフレームとしての第1のリードフレーム41における、半導体素子1a、1bが搭載される部位としての第1の部位41aの厚さ寸法は、1.0[mm]から2.0[mm]である。第1のリードフレーム41は、第2のリードフレーム4b、第4のリードフレーム4d、第3のリードフレーム4cと同じく純銅もしくは銅を主成分とする銅合金により構成されている。実施の形態2による半導体装置100は、銅板7の厚さ寸法が0.3[mm]以上であり、かつ銅製の異厚リードフレームとしての第1のリードフレーム41における半導体素子1a、1bが搭載される第1の部位41aの厚さ寸法である1.0[mm]から2.0[mm]を超えない大きさで構成されていることを特徴とするものである。なお、その他の構成は、実施の形態1による半導体装置と同様である。
銅板7の厚さ寸法としては、0.3[mm]以上で、かつ樹脂絶縁層6を挟んで対向する第1のリードフレーム41における半導体素子1a、1bが搭載される第1の部位41aの厚さ寸法以下である。銅板7の厚さ寸法が0.3[mm]より薄くなると、銅板7を構成する銅材の剛性が弱いため、後の工程であるハンダ付け工程における熱履歴により、樹脂絶縁層6がダメージを受けて剥離する可能性がある。一方、銅板7の厚さ寸法が第1のリードフレーム41における半導体素子1a、1bが搭載される第1の部位41aの厚さ寸法を超えると、パワーモジュール101の重量増、銅板7と樹脂絶縁層6が一体となった部材の加工性が悪くなり、ハンダ接合部10のリフロー工程において、銅板7の熱容量が大きくなり熱が逃げやすくなることから、ハンダ接合部10の接合不良が発生しやすくなる。銅製の異厚リードフレームとしての第1のリードフレーム41における半導体素子1a、1bが搭載される第1の部位41aの厚さ寸法が1.0[mm]から2.0[mm]であることから、銅板7の厚さ寸法としては、0.3[mm]から1.0[mm]の範囲にあるのが特に好ましい。
ハンダ付け工程において、ハンダ接合部10を溶融させる温度域までパワーモジュール101および冷却器11を加熱する必要がある。この際、パワーモジュール101の中で使用しているハンダ接合材も溶融する可能性があり、仮に、そのハンダ接合材が溶融した際は、固体から液体に変化する体積膨張の影響で樹脂封止体9にクラックが発生する可能性がある。このため、パワーモジュール101の内部で使用するハンダ接合材と、冷却器11とパワーモジュール101とを接合するために使用するハンダ接合部10には融点差を設ける必要がある。
たとえば、パワーモジュール101の内部で使用するチップ上接合材5a1、5a2として、スズ95[重量%]、アンチモン5[重量%]の液相線243[℃]のハンダ接合材、ハンダ接合部10として、スズ95.5[重量%]、銀2[重量%]、銅0.5[重量%]、ビスマス2[重量%])の液相線221[℃]のハンダ接合材を用いた場合、ハンダ接合材の融点差は22[℃]となる。また、チップ上接合材5a1、5a2として、スズ90[重量%]、アンチモン10[重量%]の液相線266[℃]のハンダ接合材を用い、ハンダ接合部10として、スズ95.5[重量%]、銀2[重量%]、銅0.5[重量%]、ビスマス2[重量%])の液相線221[℃]のハンダ接合材を用いた場合、ハンダ接合材の融点差は45[℃]となる。したがって、チップ上接合材5a1、5a2と、ハンダ接合部10と、の間に融点差を設けることができる。
この融点差を利用して、ハンダ接合部10の接合工程であるハンダリフロー時の温度設定を行うことで、パワーモジュール101の内部にあるハンダ接合材の再溶融を防止することができる。パワーモジュール101の内部のハンダ接合材と、冷却器11とパワーモジュール101とを接合するために使用するハンダ接合部10と、の間の融点差としては、20[℃]以上であることが必要である。なお、実施の形態2では、チップ下接合材2a、2bは、ハンダリフロー工程で再溶融しないハンダ以外の材料、中でも銀を主成分とする焼結性フィラーを用いることが必要となる。
実施の形態2による半導体装置は、前述の構成により、パワーモジュール101と冷却器11をハンダ接合部10を用いて接合することができ、低熱抵抗で温度サイクルに対する信頼性の高い半導体装置を提供することができる。
実施の形態2による半導体装置の製造方法では、前述の実施の形態1におけるヒートスプレッダー3に代えて異厚リードフレームとしての第1のリードフレーム41の第1の部位41aが用いられ、また、実施の形態1では、半導体素子1a、1bが第2のリードフレーム4bに接合されるのに対して、実施の形態2では、第4のリードフレーム4dが半導体素子1a、1bに接合され、この第4のリードフレーム4dがリード接合材40により第2のリードフレーム4bに接合される。その他の工程は、前述の実施の形態1による半導体装置の製造方法における対応する工程と実質的に同一である。
実施の形態3.
図7は、実施の形態3による半導体装置の断面図である。実施の形態3による半導体装置100は、パワーモジュール101と、冷却器11を備えている。冷却器11は、パワーモジュール101に、ハンダ接合部10により接合されている。実施の形態3による半導体装置100は、パワーモジュール101の樹脂封止体9に孔部12a1、12a2,12bを備えている点で、実施の形態1の半導体装置と異なる。
孔部12a1は、樹脂封止体9の上面部93で開口し、樹脂封止体9の内部に存在するチップ上接合材5a1の表面部に至っている。孔部12a2は、樹脂封止体9の上面部93で開口し、樹脂封止体9の内部に存在するチップ上接合材5a2の表面部に至っている。孔部12bは、樹脂封止体9の上面部93で開口し、樹脂封止体9の内部に存在するリード接合材5bの表面部に至っている。ハンダ接合部10の接合工程であるハンダリフロー時に、樹脂封止体9の内部に存在するハンダ接合材からなるチップ上接合材5a1が再溶融した場合、チップ上接合材5a1は固体から液体への相変化により体積が膨張するが、その体積膨張は孔部12a1により吸収されるので、封止樹脂体9に対して応力が発生しないため、樹脂封止体9が破損することはない。
また、ハンダ接合部10の接合工程であるハンダリフロー時に、樹脂封止体9の内部に存在するハンダ接合材からなるチップ上接合材5a2が再溶融した場合、チップ上接合材5a2は固体から液体への相変化により体積が膨張するが、その体積膨張は孔部12a2により吸収されるので、封止樹脂体9に対して応力が発生しないため、樹脂封止体9が破損することはない。また同様に、ハンダ接合部10の接合工程であるハンダリフロー時に、樹脂封止体9の内部に存在するハンダ接合材からなるリード接合材5bが再溶融した場合、リード接合材5bは固体から液体への相変化により体積が膨張するが、その体積膨張は孔部12bにより吸収されるので、封止樹脂体9に対して応力が発生しないため、樹脂封止体9が破損することはない。
前述の実施の形態1では、チップ上接合材5a1、5a2、およびリード接合材5bと、ハンダ接合部10と、の間に融点差を設け、この融点差を利用して、ハンダ接合部10の接合工程であるハンダリフロー時の温度設定を行うことで、パワーモジュール101の樹脂封止体9の内部に存在するハンダ接合材の再溶融を防止するようにしているが、実施の形態3による半導体装置は、前述のように孔部12a1、12a2、12bを設けることで、パワーモジュール101の樹脂封止体9の内部に埋設されるチップ上接合材5a1、5a2、およびリード接合材5bと、ハンダ接合部10とを構成するハンダ接合材の選定において、融点の制約事項がなくなり、それぞれのハンダ接合材の選択の幅が広がるとともに、ハンダリフロー工程のプロセスマージンも広がるメリットがある。
孔部12a1、12a2、12bのサイズとしては、ハンダ接合材の体積膨張量を考慮すれば、直径1[mm]から3[mm]の範囲が望ましい。孔部12a1、12a2、12bの直径を3[mm]より大きくすると、樹脂封止体9による半導体素子1a、1bへの封止効果が損なわれる可能性があるので好ましくない。
孔部12a1、12a2、12bの作製方法に特に制約はないが、たとえば次のような方法があげられる。トランスファー成型を行い、樹脂封止体9により覆われたパワーモジュール101を作製した後、パワーモジュール101の樹脂封止体9の内部に埋設されたハンダ接合材からなるチップ上接合材5a1、5a2およびリード接合材5bに対応する位置で、樹脂封止体9の外部からドリルもしくはレーザなどを用いて孔部12a1、12a2、12bを設ける加工を実施する。
また別の方法として、トランスファー成型時の金型内に孔部12a1、12a2、12bに対応する位置にピンをそれぞれ配置することで、成型後の樹脂封止体9に孔部12a1、12a2、12bが形成されるようにする方法がある。さらに別の方法として、トランスファー成型時の金型内に孔部12a1、12a2、12bに対応する位置にピンを配置することで成型後の樹脂封止体9に形成された孔部12a1、12a2、12bに対して、ドリルもしくはレーザで仕上げ加工を行うようにしてもよい。あるいは、トランスファー成型時の金型内に孔部12a1、12a2、12bに対応する位置に対応したピンを配置する場合、ヒートスプレッダー3を樹脂絶縁層6の密着性を確保するために加圧するためのピンと共用するようにしてもよい。
実施の形態3による半導体装置によれば、パワーモジュール101の内部、即ち樹脂封止体9の内部に埋設されたハンダ接合材からなるチップ上接合材5a1、5a2、およびリード接合材5bが存在する位置に対応して、樹脂封止体9に孔部12a1、12a2、12bを設けることで、冷却器11にハンダ接合部10を用いてパワーモジュール101を接合するハンダリフロー工程において、チップ上接合材5a1、5a2、およびリード接合材5bが溶融して体積膨張した場合でも、樹脂封止体9を破損させることはない。
そのため、パワーモジュール101の内部で使用するハンダ接合材からなるチップ上接合材5a1、5a2、およびリード接合材5bと、ハンダ接合部10に融点差を設ける必要がなくなるため、ハンダ接合材の選択肢が広がり、ハンダリフロー工程のプロセスマージンも広がる。そして、ハンダ接合材の選択肢が広がることで、耐温度サイクル性に優れたハンダ接合材を選択することも可能となり、温度サイクルに対する信頼性の高い半導体装置を提供することができる。
実施の形態4.
図8は、実施の形態4による半導体装置の断面図である。実施の形態4による半導体装置100は、パワーモジュール101と、冷却器11を備えている。冷却器11は、パワーモジュール101に、ハンダ接合部10により接合されている。実施の形態4による半導体装置100は、パワーモジュール101の樹脂封止体9に孔部12a1、12a2を備えている点、および図6に示す実施の形態2における第4のリードフレーム4dを一体化した第2のリードフレーム4bを用いている点で、実施の形態2の半導体装置と異なる。
孔部12a1は、樹脂封止体9の上面部93で開口し、樹脂封止体9の内部に存在するチップ上接合材5a1の表面部に至っている。孔部12a2は、樹脂封止体9の上面部93で開口し、樹脂封止体9の内部に存在するチップ上接合材5a2の表面部に至っている。ハンダ接合部10の接合工程であるハンダリフロー時に、樹脂封止体9の内部に存在するハンダ接合材からなるチップ上接合材5a1が再溶融した場合、チップ上接合材5a1は固体から液体への相変化により体積が膨張するが、その体積膨張は孔部12a1により吸収されるので、封止樹脂体9に対して応力が発生しないため、樹脂封止体9が破損することはない。
また、ハンダ接合部10の接合工程であるハンダリフロー時に、樹脂封止体9の内部に存在するハンダ接合材からなるチップ上接合材5a2が再溶融した場合、チップ上接合材5a2は固体から液体への相変化により体積が膨張するが、その体積膨張は孔部12a2により吸収されるので、封止樹脂体9に対して応力が発生しないため、樹脂封止体9が破損することはない。
実施の形態4による半導体装置は、前述のように孔部12a1、12a2を設けることで、パワーモジュール101の樹脂封止体9の内部に埋設されるチップ上接合材5a1、5a2と、ハンダ接合部10と、を構成するハンダ接合材の選定において、融点の制約事項がなくなり、それぞれのハンダ接合材の選択の幅が広がるとともに、ハンダリフロー工程のプロセスマージンも広がるメリットがある。
孔部12a1、12a2のサイズとしては、ハンダ接合材の体積膨張量を考慮すれば、直径1[mm]から3[mm]の範囲が望ましい。孔部12a1、12a2の直径を3[mm]より大きくすると、樹脂封止体9による半導体素子1a、1bへの封止効果が損なわれる可能性があるので好ましくない。孔部12a1、12a2の作製方法については、前述の実施の形態3の場合と同様である。
実施の形態4による半導体装置によれば、パワーモジュール101の内部、即ち樹脂封止体9の内部に埋設されたハンダ接合材からなるチップ上接合材5a1、5a2が存在する位置に対応して、樹脂封止体9に孔部12a1、12a2を設けることで、冷却器11にハンダ接合部10を用いて接合するハンダリフロー工程において、チップ上接合材5a1、5a2が溶融して体積膨張した場合でも、樹脂封止体9を破損させることはない。
そのため、パワーモジュール101の内部で使用するハンダ接合材からなるチップ上接合材5a1、5a2と、ハンダ接合部10に融点差を設ける必要がなくなるため、ハンダ接合材の選択肢が広がり、ハンダリフロー工程のプロセスマージンも広がる。そして、ハンダ接合材の選択肢が広がることで、耐温度サイクル性に優れたハンダ接合材を選択することも可能となり、温度サイクルに対する信頼性の高い半導体装置を提供することができる。
図9は、実施の形態1から実施の形態4による半導体装置の実施例の具体的データと、比較例の具体的データと、を示す説明図である。図9において、「ヒートスプレッダー」は、前述の実施の形態1と実施の形態3に対応するものである。銅製のヒートスプレッダー3と、銅板7と、の厚さ寸法を、実施例1から実施例5と、比較例1から比較例4ごとに示した値にてパワーモジュール101を製作し、その後、それらのパワーモジュール101と冷却器11とを、ハンダリフロー工程を経てハンダ接合部10により接合した。このようにして実施例1から実施例5と、比較例1から比較例4の半導体素子を製造し、それぞれの半導体素子における樹脂絶縁層6とハンダ接合部10の状態を、超音波探傷装置を用いて確認した。また、半導体素子1a、1bに電流を流し、その際の電力量と半導体素子1a、1bと冷却器11との温度差から、それぞれの実施例の半導体装置の熱抵抗を求めた。
また、図9において、「異厚リードフレーム」は、前述の実施の形態2と実施の形態4に対応するものである。銅製の異厚リードフレームとしての第1のリードフレーム41における第1の部位41aと、銅板7と、の厚さ寸法を、実施例6、7ごとに示した値としてパワーモジュール101を制作し、その後、それらのパワーモジュール101と冷却器11とを、ハンダリフロー工程を経てハンダ接合部10により接合した。このようにして実施例6、実施例7の半導体素子を製造し、それぞれの半導体素子における樹脂絶縁層6とハンダ接合部10の状態を、超音波探傷装置を用いて確認した。また、半導体素子1a、1bに電流を流し、その際の電力量と半導体素子1a、1bと冷却器11との温度差から、それぞれの実施例の半導体装置の熱抵抗を求めた。
図10は、図9に示す実施例と比較例の評価結果を示す説明図である。図10において、樹脂絶縁層6の状態については、剥離が発生していない場合を「丸印」、剥離が発生している場合を「バツ印」で示している。また、ハンダ接合部10の状態については、接合不良が観察されない場合を「丸印」、接合不良が観察された場合を「バツ印」で示している。パワーモジュール101の熱抵抗は、熱抵抗が設計値の10[%]以内に収まっている場合は「丸印」、熱抵抗が設計値の10[%]から外れている場合を「バツ印」で示している。
図10から明らかなように、比較例1から比較例4では、樹脂絶縁層6の剥離またはハンダ接合部10の接合不良が観察され、その結果、熱抵抗の上昇となっていることが分かる。一方、実施例1から実施例7では、樹脂絶縁層6の剥離は確認されず、またハンダ接合部10の接合不良が観察されず良好な接合状態であることが確認され、熱抵抗も設計値の10[%]以内に収まっている結果となっていることが分かる。
なお、各実施の形態を組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略したりことが可能である。
1a、1b 半導体素子、2a、2b チップ下接合材、3 ヒートスプレッダー、4a、41 第1のリードフレーム、4b 第2のリードフレーム、4c 第3のリードフレーム、4d 第4のリードフレーム、5a1、5a2 チップ上接合材、5b リード接合材、6 樹脂絶縁層、7 銅板、8 ボンディングワイヤ、9 樹脂封止体、10 ハンダ接合部、11 冷却器、12a1、12a2、12b 孔部、100 半導体装置、101 パワーモジュール

Claims (7)

  1. パワーモジュールと、前記パワーモジュールにハンダ接合材からなるハンダ接合部により接合された冷却器と、を備えた半導体装置であって、
    前記パワーモジュールは、
    半導体素子と、
    前記半導体素子を接合材を介して一方の面部に搭載したヒートスプレッダーと、
    前記ヒートスプレッダーに接合材を介して接合された主端子となる第1のリードフレームと、
    前記半導体素子に接合材を介して接合された主端子となる第2のリードフレームと、
    前記ヒートスプレッダーの前記一方の面部に対向する他方の面部に、樹脂絶縁層を介して一方の面部が接合された銅板と、
    前記半導体素子と、前記ヒートスプレッダーと、前記第1のリードフレームの一部分と、前記第2のリードフレームの一部分と、前記樹脂絶縁層と、前記銅板の前記一方の面部に対向する他方の面部以外の部分と、を封止する樹脂封止体と、
    を備え、
    前記パワーモジュールは、前記樹脂封止体から露出した前記銅板の前記他方の面部が前記ハンダ接合部に当接して前記冷却器に接合され、
    前記銅板の厚さ寸法は、0.3[mm]以上で、かつ前記ヒートスプレッダーの厚さ寸法を超えない値に設定されている、
    ことを特徴とする半導体装置。
  2. 前記ヒートスプレッダーの厚さ寸法は、1.0[mm]以上で、かつ3.0[mm]以下の値に設定されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記樹脂封止体は、前記第1のリードフレームと前記半導体素子とを接合する前記接合材と、前記第2のリードフレームと前記ヒートスプレッダーとを接合する前記接合材と、に対応して設けられた孔部を備えている、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置。
  4. パワーモジュールと、前記パワーモジュールにハンダ接合材からなるハンダ接合部により接合された冷却器と、を備えた半導体装置であって、
    前記パワーモジュールは、
    半導体素子と、
    前記半導体素子を接合材を介して一方の面部に搭載した部位と、前記部位の厚さ寸法に対して異なる厚さ寸法の部位と、を備えた主端子となる第1のリードフレームと、
    前記半導体素子に接合材を介して接合された主端子となる第2のリードフレームと、
    前記第1のリードフレームの前記半導体素子を搭載した前記部位における、前記一方の面部に対向する他方の面部に、樹脂絶縁層を介して一方の面部が接合された銅板と、
    前記半導体素子と、前記第1のリードフレームの前記半導体素子を搭載した前記部位と、前記第2のリードフレームの一部分と、前記樹脂絶縁層と、前記銅板の前記一方の面部に対向する他方の面部以外の部分と、を封止する樹脂封止体と、
    を備え、
    前記パワーモジュールは、前記樹脂封止体から露出した前記銅板の前記他方の面部が前記ハンダ接合部に当接して前記冷却器に接合され、
    前記銅板の厚さ寸法は、0.3[mm]以上で、かつ前記第1のリードフレームの前記半導体素子を搭載した前記部位の厚さ寸法を超えない値に設定されている、
    ことを特徴とする半導体装置。
  5. 前記第1のリードフレームの前記半導体素子を搭載した前記部位の厚さ寸法は、1.0[mm]以上で、かつ2.0[mm]以下に設定されている、
    ことを特徴とする請求項4に記載の半導体装置。
  6. 前記樹脂封止体は、前記第2のリードフレームと前記半導体素子とを接合する前記接合材に対応して設けられた孔部を備えている、
    ことを特徴とする請求項4又は5に記載の半導体装置。
  7. 前記孔部の直径の寸法は、1[mm]から3[mm]に設定されている、
    ことを特徴とする請求項3又は6に記載の半導体装置。
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