JP2021109441A - ポリエステルフィルム - Google Patents

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敏弘 千代
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Takuji Higashioji
卓司 東大路
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【課題】搬送性と巻取り性に優れた表面をフィルム両側に有すると共に、良好な光学特性を有するポリエステルフィルムを提供する。【解決手段】次の(1)〜(2)の要件を満たすポリエステル樹脂を主成分とするポリエステルフィルム。(1)ポリエステルフィルムの両面の二乗平均平方根粗さSq(nm)を測定した際、Sqの値が高い面をA面とし、当該A面の二乗平均平方根粗さをSqA(nm)とし、前記A面とは反対側表面をB面とし、B面の二乗平均平方根粗さをSqB(nm)した場合において、SqAが3.0以上4.8以下であること。(2)前記A面と前記B面との静摩擦係数が1.0以下であること。【選択図】なし

Description

搬送性と巻取り性に優れた表面をフィルム両側に有し、良好な光学特性を有するポリエステルフィルムに関する。
熱可塑性樹脂はその加工性の良さから、様々な工業分野に利用されている。また、これら熱可塑性樹脂をフィルム状に加工した製品は工業用途、光学製品用途、包装用途、磁気記録テープ用途など今日の生活において重要な役割を果たしている。近年、電子情報機器において、小型化、高集積化が進み、それに伴って、電子情報機器の配線作製に用いられるフィルムには加工性の向上が求められている。特に、電子情報機器の配線作製には、フィルム表面に他の素材を積層させ、フィルムごとフォトレジストなどの光学的な加工を施す手法が多く採られており、次世代製品では配線幅が2〜5μmと非常に精細な加工を行うこと必要となってくる。このため、次世代製品の配線作製に用いられるフィルムには透明性を保持しレジスト用レーザー光がフィルム内部で光散乱することを低減することで配線描写の欠陥を防ぐことが必要となってくる。
一般に、ポリエステルフィルムは、製膜した後、ロール状に巻き取られる。この時、フィルム表面が平滑すぎるとフィルム同士が密着するため、フィルムの巻取り性や搬送性が悪化する。そのため、フィルムの巻取り性や搬送性を担保するためにフィルムに粒子を添加・含有させることで、フィルム表面を一定程度荒らす(フィルム表面に突起を形成させる)方法が知られている。添加する粒子の量を低減させたり、添加粒子の粒径を小径化したりすることでフィルムの光学特性を高めることができる。しかし、その一方でフィルム製造・加工を行う際の搬送・巻取り工程にて突起高さの高い突起部が存在しないとフィルムが密着し、シワや擦り傷が生じることで品位が低下することがある。
かかる課題に対して、例えば特許文献1では、特定の粒子径を有する粒子を表層に添加・含有させることで表層の平面性を制御する技術が公開されている。
特開2005―59285号公報
しかしながら、特許文献1に記載されているようなサイズの粒子をフィルムに添加・含有させる場合、一定程度の光学特性の向上が得られるが、依然としてフィルム中に含有する粒子に起因する光の散乱などが発生するため、次世代電子情報機器に向けた配線描写(描写性、配線欠陥抑制)には光学特性が不十分であり、粒子添加のみでは巻取り性と光学特性の両立は困難である。
本発明者らが鋭意検討したところ、上記の課題を解決するためには、片側表面の表面粗さを特定範囲内に納めると共に、反対側のフィルム表面の表面粗さを特定の範囲とすることで、平滑性と光学特性、巻取り性を両立できることが判った。本発明は上記事情に鑑み、光学特性、搬送性巻取り性を有するポリエステルフィルムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成を有する。すなわち、
[I]次の(1)〜(2)の要件を満たすポリエステル樹脂を主成分とするポリエステルフィルム。
(1)ポリエステルフィルムの両面の二乗平均平方根粗さSq(nm)を測定した際、Sqの値が高い面をA面とし、当該A面の二乗平均平方根粗さをSqA(nm)とし、前記A面とは反対側表面をB面とし、B面の二乗平均平方根粗さをSqB(nm)した場合において、SqAが3.0以上4.8以下であること。(2)前記A面と前記B面との静摩擦係数が1.0以下であること。
[II]前記B面の二乗平均平方根粗さSqBが2.0以上4.5未満である[I]に記載のポリエステルフィルム。
[III]前記A面を有する層(P1層)に粒子が含まれており、当該粒子の体積基準粒度分布測定を行い、横軸に粒子径、縦軸に粒子の存在比率をプロットしたとき、粒子径が10nm以上100nm未満の領域と、粒子径が100nm以上300nm以下の領域にそれぞれ1つ以上のピークを有し、粒子径が300nmを超える領域にはピークを有さない[I]または[II]に記載のポリエステルフィルム。
[IV]前記B面を有する層(P2層)に粒子が含まれており、当該粒子の体積基準粒度分布測定を行い、横軸に粒子径、縦軸に粒子の存在比率をプロットしたとき、粒子径が10nm以上100nm未満の領域に1つ以上のピークを有する[I]〜[III]のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
[V]前記P2層に含有される粒子の体積基準粒度分布測定において、横軸に粒子径、縦軸に粒子の存在比率をプロットしたとき、粒子径が10nm以上100nm未満の領域に2つ以上のピークを有するか、粒子径が10nm以上100nm未満の領域と粒子径が100nm以上300nm以下の領域にそれぞれ1つ以上のピークを有する[IV]に記載のポリエステルフィルム。
[VI]前記A面を有する層(P1層)、前記B面を有する層(P2層)の層厚みがどちらも2.0μm以下である[I]〜[V]のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
[VII]波長365nmの光に対する光線透過率が80%以上である[I]〜[VI]のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
[VIII]ヘイズが0.7%以下である[I]〜[VII]のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
[VIII]前記A面、前記B面の少なくともいずれかの表面が、AFM(Atomic Force Microscope)で測定される突起高さが1nm以上10nm以下の突起個数(M10)が3.0〜40.0個/μm以下である[I]〜[VIII]のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
[X]ドライフィルムレジスト支持体用途に用いられる[I]〜[IX]のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
[XI]ドライフィルムレジスト支持体用途に用いられる際、前記A面側から露光を行うように用いられる[X]に記載のポリエステルフィルム。
[XII]前記露光が平行露光方式で行われる[XI]に記載のポリエステルフィルム。
[XIII]前記平行露光方式がプロキシミティ露光方式、コンタクト露光方式のいずれかである[XII]に記載のポリエステルフィルム。
[XIV]前記露光が投影露光方式で行われる[XI]に記載のポリエステルフィルム。
本発明のポリエステルフィルムは、良好な光学特性と搬送性・巻取り性を有する。
本発明のポリエステルフィルムのA面の一態様をあらわす概念図である。 本発明のポリエステルフィルムのB面の一態様をあらわす概念図である。 本発明のポリエステルフィルムの2層構成をあらわす概念図である。 本発明のポリエステルフィルムの異種3層構成をあらわす概念図である。 本発明のポリエステルフィルムをドライフィルムレジスト支持体として用いる際に平行露光方式で露光を行う一態様をあらわす概念図である。 本発明のポリエステルフィルムをドライフィルムレジスト支持体として用いる際に投影露光方式で露光を行う一態様をあらわす概念図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明はポリエステルフィルムに関する。
(ポリエステル)
本発明で言うポリエステルフィルムとは、ポリエステル樹脂を主成分とするフィルムを示す。ここでいう主成分とはフィルムの全成分100質量%において、50質量%を超えて含有している成分を示す。
また、本発明で言うポリエステル樹脂はジカルボン酸構成成分とジオール構成成分を重縮合してなるものである。なお、本明細書内において、構成成分とはポリエステルを加水分解することで得ることが可能な最小単位のことを示す。
かかるポリエステルを構成するジカルボン酸構成成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、もしくはそのエステル誘導体が挙げられる。
また、かかるポリエステルを構成するジオール構成成分としては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール等の脂肪族ジオール類、シクロヘキサンジメタノール、スピログリコールなどの脂環式ジオール類、上述のジオールが複数個連なったものなどが挙げられる。
本発明において用いられるポリエステル樹脂としては、機械特性、透明性の観点から、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(PEN)、およびPETのジカルボン酸成分の一部にイソフタル酸やナフタレンジカルボン酸を共重合したもの、PETのジオール成分の一部にシクロヘキサンジメタノール、スピログリコール、ジエチレングリコールを共重合したポリエステルが好適に用いられ、その中でも特にポリエチレンテレフタレートが好ましい。
本発明のポリエステルフィルムは二軸配向していることが好ましい。二軸配向していることにより、フィルムの機械強度が向上することでシワが入りにくくなり、巻取り性が向上させることができ、また延伸工程において均一な延伸応力をかけることで表面の平滑性をフィルム全域において均一にすることができる。ここでいう二軸配向とは、広角X線回折で二軸配向のパターンを示すものをいう。ポリエステルフィルムは、一般に未延伸状態の熱可塑性樹脂シートをシート長手方向および幅方向に延伸し、その後熱処理を施し結晶配向を完了させることにより、得ることができる。詳しくは後述する。
本発明の一態様として、ポリエステルフィルムの両面の二乗平均平方根粗さSq(nm)を測定した際、Sqの値が高い面をA面とし、当該A面の二乗平均平方根粗さをSqA(nm)とし、前記A面とは反対側表面をB面とし、B面の二乗平均平方根粗さをSqB(nm)した場合において、SqAが3.0以上4.8以下であるポリエステルフィルムが挙げられる。二乗平均平方根粗さ(Sq)は、表面粗さとして一般に用いられる算術平均粗さ(Sa)と比べて、高さの高い突起および、深い谷部分の影響を多く見積もった平均粗さの値である。A面、およびB面の二乗平均平方根粗さは、後述の方法に従って走査型白色干渉顕微鏡(VertScan)測定を行い、走査型白色干渉顕微鏡付属のソフトウェアにより求まるISO 25178に基づき、後述する測定方法により測定される値である。
(A面を有する層:P1層)
本発明におけるA面の二乗平均平方根粗さをSqA(nm)が3.0以上4.8以下であることは、A面に極微細な表面凹凸と、一定程度の大きさを有する表面凹凸を兼ね備えて有していることを表す。SqA(nm)をかかる範囲とすることで、本発明のポリエステルフィルムを巻き取る際に、A面と反対面(B面)が接触する面積(以下、接触面積と称することがある)が低下するため、フィルムの巻取り性が向上するとともに搬送による傷つきが防止できる。二乗平均平方根粗さSqA(nm)が4.8より大きい場合、フィルムの搬送性・巻取り性が向上する一方で、SqA(nm)を4.8より大きくするためには粗大な粒子を添加・含有させたり、エンボスなどで表面を荒らしたりする必要があり、フィルム透明性が下がることで、次世代に向けた微細配線形成のレジスト工程にて欠陥が生じる場合がある。二乗平均平方根粗さSqA(nm)が3.0より小さい場合、一定程度の大きさを有する表面凹凸が少ないか、極微細な表面凹凸が有していないことを表しており、フィルムが平坦になることで他の面との接触面積が増加し摩擦が増加し巻取り性が悪化し、また、シワやキズが入ることで品位が低下する。二乗平均平方根粗さSqA(nm)の好ましい範囲としては、3.6以上4.8以下、更に好ましくは3.6以上4.0以下であり、更に好ましくは3.6以上3.7以下である。
本発明のポリエステルフィルムのA面において、二乗平均平方根粗さSqA(nm)を上記の範囲とするための方法は特に限定されないが、例えば、ナノインプリントのようにモールドを用いて表面に形状を転写させる方法、未延伸シートに大気圧グロー放電によるプラズマ表面処理をした後、二軸延伸を行うことで地肌部を細かく荒らす方法、粒子を少量添加する方法などが挙げられる。インラインでの製膜適応性の観点からは、特定の粒径を有する粒子を特定量添加・含有させることにより一定程度の大きさを有する表面凹凸を形成させる方法と、大気圧グロー放電によるプラズマ処理を行い二軸延伸することによって極微細な表面凹凸を形成させる方法とを組み合わせることがより好ましい。ここでいう大気圧とは700Torr〜780Torrの範囲である。大気圧グロー放電処理は、相対する電極とアースロール間に処理対象のフィルムを導き、装置中にプラズマ励起性気体を導入し、電極間に高周波電圧を印加することにより、該気体をプラズマ励起させ電極間においてグロー放電を行うものである。これによりフィルム表面が微細に分解・除去され、地肌部を細かく荒らすことができると共に、粒子含有により形成する一定程度の大きさを有する凹凸形状を顕在化することで、極微細な表面凹凸形状と一定程度の大きさを有する表面凹凸形状の異なる形状・大きさを有する表面凹凸形状を形成させることができる。このため、後述する粒子を含有する表面においてプラズマ処理を施さない場合、二乗平均平方根高さが同様であってもプラズマにより形成する凹凸の違いにより突起高さのバリエーションが減ることで巻取り性が低下する場合がある。
プラズマ励起性気体とは前記のような条件においてプラズマ励起されうる気体をいう。プラズマ励起性気体としては、例えば、アルゴン、ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノン等の希ガス、窒素、二酸化炭素、酸素、またはテトラフルオロメタンのようなフロン類およびそれらの混合物などが挙げられる。また、プラズマ励起性気体は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の混合比で組み合わせてもよい。
プラズマ処理における高周波電圧の周波数は1kHz〜100kHzの範囲が好ましい。また、以下方法で求められる放電処理強度(E値)は、10〜2000W・min/mの範囲で処理することが突起形成の観点から好ましく、より好ましくは100〜1000W・min/mである。放電処理強度(E値)が低すぎると、突起が十分に形成されない場合があり、放電処理強度(E値)が高すぎると、ポリエステルフィルムにダメージを与えて異物が形成し粒子数Bが増大する場合がある。
<放電処理強度(E値)の求め方>
E=Vp×Ip/(S×Wt)
E:E値(W・min/m
Vp:印加電圧(V)
Ip:印加電流(A)
S:処理速度(m/min)
Wt:処理幅(m)
一般的に、大気圧グロー放電処理によってポリエステルフィルム、とくにPETやPENのように非晶部と結晶部を持つフィルムの表面を分解・除去する場合、柔らかい非晶部から分解・除去されていく。結晶部と非晶部を細分化させることで、大気圧グロー放電処理することでより微細な凹凸を形成することができ、また、結晶部を増やしておくことで柔らかい非晶部が深く削れることで表面粗さをより高くすることが可能となる。
本発明のポリエステルフィルムのP1層は、本発明の効果が損なわれない範囲で、粒子および、耐熱安定剤、耐酸化安定剤、帯電防止剤、有機系/無機系の易滑剤、核剤、染料、分散剤、カップリング剤、波長変換材料等の添加剤が配合されていてもよい。
本発明のポリエステルフィルムのP1層には、上述のSqA(nm)を制御する目的から粒子を含有してもよい。添加する粒子種に関しては特に限定されず、無機粒子、有機粒子どちらを用いても良く、2種類以上の粒子を併用してもよい。無機粒子としては例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫化亜鉛、リン酸カルシウム、アルミナ(αアルミナ、βアルミナ、γアルミナ、δアルミナ)、マイカ、雲母、雲母チタン、ゼオライト、タルク、クレー、カオリン、フッ化リチウム、フッ化カルシウム、モンモリロナイト、ジルコニア、湿式シリカ、乾式シリカ、コロイダルシリカなどが挙げられる。アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂などを構成成分とする有機粒子、コアシェル型有機粒子などが例示できる。
前記粒子の平均粒子径は、フォトレジスト工程における露光阻害を起こさないことが重要である。ドライフィルムレジストを用いた代表的な配線の作成手法としては、投影露光方式、平行露光方式(等倍投影露光方式)などが挙げられ、投影露光方式としては等倍投影露光方式、縮小投影露光方式が挙げられ、また平行露光方式としては、プロキシミティ露光方式、コンタクト露光方式が挙げられる。平行露光方式である、プロキシミティ露光方式、コンタクト露光方式は、i線(波長:365nm)レーザー光を光源とし、配線マスクパターンに平行光を当てることで大面積を短時間で配線パターン描写を行うことができる。平行露光方式で露光を行う場合、図5に記載されているとおり、配線パターンを通過したフォトレジスト照射光がポリエステルフィルムを通過してレジスト部材に照射される。このとき、露光をされる側が前述のA面となるように(レジスト部材と密着させる側を前述のB面となるように)用いると、本発明のポリエステルフィルムとレジスト部材との間の密着性を良好とすることができ、気泡やシワなどによる露光阻害を抑制することができるため好ましい。
一方、投影露光方式(等倍投影露光方式、縮小投影露光方式)で露光を行う場合、図6に記載されているとおり、i線(波長:365nm)を光源とした光が、配線パターンを有するレクチルを通したのち投影レンズによりレジスト部材に焦点を合わせ、配線パターン描写を数回に分けて行われる。縮小投影露光法においては、光の焦点をレジスト部材に合わせることから、ドライフィルムレジストの支持体として用いるポリエステルフィルムにおいて、レジスト部材に近い表層に含有する粒子による光の散乱の影響を受けやすい(一方、平行露光方式では、レジスト部材に近い位置に粒子を有していても、レジスト部材に遠い位置(露光される側の表層)に粒子を有していても、影響は大きく変わらない)。したがって、本発明のポリエステルフィルムをドライフィルムレジスト支持体として用いる場合において、縮小投影露光法で露光を行う場合においては、前記A面側から露光を行うと、露光を行う側の反対側の表層(P2層)の粒子含有量を少なくできることから、粒子による露光阻害の影響を少なくできるため好ましい。
P1層に含有する粒子は、平均粒子径がi線波長である365nmよりも小さいと、平行露光方式ある、プロキシミティ露光方式、コンタクト露光方式において、露光阻害をさらに抑制することができるため好ましい。平均粒子径は10nm以上300nm以下であることがより好ましく、50nm以上220nm未満であることがさらに好ましい。
また、P1層に含有する粒子は、当該粒子の体積基準粒度分布測定を行い、横軸に粒子径、縦軸に粒子の存在比率をプロットしたとき、粒子径が10nm以上100nm未満の領域と、粒子径が100nm以上300nm以下の領域にそれぞれ1つ以上のピークを有することが好ましい。粒子径の異なる少なくとも2つ以上のピークを有する粒子を用いることで、A面の表面に高さの異なる一定程度の大きさを有する凹凸を作り出すことができ、フィルムのロール巻取り時にフィルム間の隙間が形成しやすくシワの発生を低減することができる。
粒子径に対する存在比率のピークが300nmより大きい領域に存在する場合、レジスト工程での欠陥が多くなる場合が有るため、300nmより大きい領域にはピークが存在しないことが好ましい。10nm以上100nm未満の領域、あるいは、粒子径が100nm以上300nm以下の領域のいずれか一方にのみしかピークを有していない場合や、ピークが10nm未満の領域にのみ存在する場合は、搬送性や巻取り性が大幅に低下する場合がある。粒子径が50nm以上100nm未満の領域と、粒子径が100nm以上220nm以下の領域にそれぞれ1つ以上のピークを有することがより好ましい。
本発明のポリエステルフィルムのP1層に含有する粒子量は特に限定されないが、透明性を損なわないためにはP1層の重量全体に対して2.0質量%以下とすることが好ましい。2.0質量%を超えると平均粒子径が好ましい範囲にある粒子を用いてもフィルムが部分的に白濁し、後述する光学特性が低下し、配線欠陥が増大する場合がある。より好ましくは1.0質量%以下、更に好ましくは0.8質量%以下である。
(A面との反対面であるB面を有する層:P2層)
本発明のポリエステルフィルムは、ポリエステルフィルムの両面の二乗平均平方根粗さSq(nm)を測定した際、Sqの値が高い面をA面とし、当該A面の二乗平均平方根粗さをSqA(nm)とし、前記A面とは反対側表面をB面とし、B面の二乗平均平方根粗さをSqB(nm)した場合において、SqA−SqBが0.1nm以上であることが好ましい。これは、片側の表面(A面)を極微細な凹凸と一定程度の大きさを有する凹凸を設けた表面とすることで、搬送性や巻取り性を確保しつつ、反対側の表面(B面)の凹凸を少なくすることで他素材(例えば、レジスト部材)との密着性を向上させることができるためである。また、A面の二乗平均平方根粗さSqAを前述の範囲とすることで、B面を有する層(P2層)に含有させる粒子量を可能な限り低減させることができるため、透明性を向上させることができ、ドライフィルムレジスト支持体用途に用いる場合、露光阻害を抑制することができる。
すなわち、フィルム両面の二乗平均平方根粗さに差を設けることで、P1層表面(A面)を搬送性・巻取り性を付与する層、P2層表面(B面)をレジスト部材との密着性に優れた平滑性を付与する層とした機能分離をさせることが可能となる。
本発明のポリエステルフィルムにおいて、SqAとSqBの差(SqA−SqB)は、0.1以上2.0nm以下であることが好ましく、0.2以上1.3nm以下であることがさらに好ましい。かかる範囲とすることで、ポリエステルフィルムの搬送性や巻取り性を良好にしつつ、レジスト部材との密着性を良好にすることができる。
本発明のポリエステルフィルムB面の二乗平均平方根粗さであるSqB(nm)は2.0以上4.5未満であることが好ましい。本発明のポリエステルフィルムをドライフィルムレジスト支持体用として用いる際に露光をされる側を前述のA面として用いる場合、図5に示すように、B面はレジスト部材と貼り合わされることになるが、SqB(nm)が4.5以上の場合、レジスト部材と貼り合わせる工程において密着不良を起こし気泡が入ることで歩留まりが悪くなったり、気泡によってレジスト精度が低下したりする場合がある。密着性を向上させたい場合はSqB(nm)を3.0未満とすることが好ましいが、SqB(nm)が低下するほどフィルムの滑り性は低下し、2.0nm未満の場合、SqA(nm)が好ましい範囲に合っても、フィルムの滑り性が著しく悪化する場合がある。SqBのより好ましく範囲としては2.5nm以上3.6nm以下である。
本発明のポリエステルフィルムのB面において、二乗平均平方根粗さSqB(nm)を前記範囲とする手法は特に限られるものでは無く、例えば、A面表面に凹凸を形成させる方法が挙げられる。例えば、粒子を含有させる方法では、前記P1層に含有させる粒子と同種の粒子、あるいは前記P1層に含有させる粒子よりも平均粒子径の小さい粒子を、B面を有するP2層に含有させる方法を挙げることができる。P2層に含有させる粒子の平均粒子径としては前述の通りi線波長である365nmよりも小さいことが好ましく、300nm以下であることがより好ましく、220nm以下であることがさらに好ましく、20nm以上100nm未満の粒子であることが本発明のポリエステルフィルムの透明性を高める観点からは特に好ましい。また粒子径の異なる粒子を2種類以上用いることで、フィルムの巻取り性が向上する場合がある。
このため、P2層に含有する粒子としては、前述の通りi線波長である365nm超える粒子径を有することで露光方式によらず、レジストレーザー光の光散乱を誘発するため、当該粒子の体積基準粒度分布測定を行い、横軸に粒子径、縦軸に粒子の存在比率をプロットしたとき、400nmを超える領域にピークを有さないことが好ましい。より好ましくは、365nmを超える領域にピークを有さないことが好ましい。
また、P2層に含有する粒子は、当該粒子の体積基準粒度分布測定を行い、横軸に粒子径、縦軸に粒子の存在比率をプロットしたとき、粒子径が10nm以上100nm未満の領域に1つ以上のピークを有することが好ましく、粒子径が10nm以上100nm未満の領域に2つ以上のピークを有することがより好ましい。かかるピークを有する粒子を用いることで、巻取性を維持しつつ、光学特性の低下を抑制することができる。P2層に含有する粒子の含有量は特に限定されないが透明性を損なわないためには、P2層全体に対して2.0質量%以下とすることが好ましい。2.0質量%を超えると平均粒子径が好ましい範囲にある粒子を用いてもフィルムが部分的に白濁し、後述する光線透過率とヘイズが好ましい範囲から外れる場合がある。より好ましくは1.0質量%以下、更に好ましくは0.8質量%以下であり、更に好ましくは0.2質量%以下である。
また、巻取性と光学特性、特に投影露光方式を用いた際の微細配線レジスト性を更に向上させる観点からは、P2層に含有する粒子は、当該粒子の体積基準粒度分布測定を行い、横軸に粒子径、縦軸に粒子の存在比率をプロットしたとき、粒子径が10nm以上100nm未満の領域に1つ以上のピークを有し、かつ粒子径が100nm以上300nm以下の領域に1つ以上のピークを有することで突起高さのバリエーションを増加させ、フィルムロール巻取時にフィルム間に噛み込まれた空気が抜けやすく巻姿が良好になるため好ましい。
上記の通り粒子径領域の異なる2種類の粒子を用いる構成とする場合、P2層に含有される粒子は粒子径100nm以上300nm以下の領域にピークを有する粒子の含有濃度を0.001質量%以上0.01質量%以下とすることが好ましい。これは、粒子径100nm以上300nm以下の領域の粒子が存在することで巻取性を向上させつつ、また粒子含有濃度を上記範囲とすることで、レジスト層と接する層が含有する粒子が微細配線レジスト性の低下に寄与する平行露光方式、投影露光方式いずれともにおける微細配線レジスト性の低下を最小限に抑制できる。さらに粒子径10nm以上100nm未満の領域にピークを有する粒子の含有濃度を0.1質量%以下とすることで、投影露光方式を用いた際の微細配線レジスト性を更に向上させることができるため好ましい。
(中間層:P3層)
本発明のポリエステルフィルムは、単層のポリエステルフィルムであっても良く、P1層・P2層を有する2層以上の積層ポリエステルフィルムであってもよい。P1層、P2層に含有する粒子・添加剤による光学特性への影響を最小限に留めることを目的として、P1層とP2層の間に、実質的に粒子を含まないP3層を設けた3層以上の積層ポリエステルフィルムであることが好ましい。粒子を実質的に含有しないとは、ポリエステル樹脂に対する粒子の含有量が500ppm以下であることをあらわす。より好ましくは50ppm以下、最も好ましくは10ppm以下である。また、かかるP3層には、添加剤も実質的に含まないことが好ましい。
(ポリエステルフィルム)
本発明のポリエステルフィルムにおいて、フィルム固有粘度(IV)は、0.50dl/g以上であることが好ましく、より好ましくは0.60dl/g以上である。IVは、分子鎖の長さを反映した数字であり、分子鎖が長い方が、同一分子鎖の中で結晶部と非晶部を明確に形成しやすいため、大気圧グロー放電処理することでより微細な突起を形成することが容易となるため好ましい。また、IVが0.50dl/g未満の場合、分子鎖が短いことで結晶化が進行しやすくなるため、延伸工程で破断が頻発し製膜が困難になる場合がある。
本発明のポリエステルフィルムは、上述のP1層、P2層からなり、前記表面とその反対面が最表面に配される2層以上の構成(P1層/P2層、およびP1層/P3層/P2層)であることが好ましい。特にP1層に粒子・添加剤を添加する場合は光学特性の観点から3層構成とすることが好ましい。
P1層とP2層、P3層等の他の樹脂層を積層する方法としては特に制限されないが、後述する共押出法や、製膜途中のフィルムに他の樹脂層原料を押出機に投入して溶融押出して口金から押出しながらラミネートする方法(溶融ラミネート法)、製膜後のフィルム同士を接着剤層とを介して積層する方法などを用いることができ、中でも前述処理による突起形成と積層を同時に行える共押出法が好ましく用いられる。
本発明のポリエステルフィルムは、波長365nmの光に対する光線透過率が80%以上であることが好ましい。平行露光方式である、プロキシミティ露光方式、コンタクト露光方式は、i線(波長:365nm)レーザー光を光源として露光を行うところ、波長365nmの光に対する光線透過率が80%以上とすることで、レジスト部材に届く光量が下がることなくフォトレジスト加工の効率を向上させることができる。より好ましくは85%以上であり、さらに好ましくは90%以上である。
また、本発明のポリエステルフィルムは、ヘイズが0.7%以下であることが好ましい。ヘイズが0.7%を超える場合、透過光が散乱されてしまい配線に欠陥が発生する場合がある。より好ましくは、ヘイズは0.6%以下であり、更に好ましくは、ヘイズは0.5%以下である。波長365nmの光に対する光線透過率とヘイズは、その両方を前述の好ましい範囲を同時に満たすと、フォトレジスト加工の効率が良好であり、かつ、配線精度を高めることができるため、更に好ましい。
本発明の一態様として、搬送性および巻取り性の観点から、A面、B面間の静摩擦係数(μs)が1.0以下であるポリエステルフィルムが挙げられる。静摩擦係数を1.0以下とすることで、フィルム同士の密着によるロール巻取り時にシワが入るのを抑制し、巻取り性を向上させることができる。より好ましい範囲としては0.95以下であり、更に好ましい範囲としては、0.90以下である。静摩擦係数を上記の範囲とする方法は特に限られるものでは無いが、例えば、前記A面のSqA(nm)を前述の範囲にした上で、前記A面、前記B面の少なくともいずれかの表面が、AFM(Atomic Force Microscope)で測定される突起高さが1nm以上10nm以下という極微細な突起の個数(M10)が3.0個/μm以上40.0個/μm以下とすることが挙げられる。また、かかる突起はフィルム表面に前述の大気圧グロー放電によるプラズマ処理を行うことなどにより形成することができる。極微細な突起の個数(M10)のさらに好ましい範囲としては3.0個/μm以上20.0個/μm以下である。
次に、本発明のポリエステルフィルムの製造方法について、二軸配向ポリエステルフィルムを例に挙げて説明するが、本発明は、かかる例によって得られる物のみに限定して解釈されるものではない。
本発明に用いられるポリエステルを得る方法としては、常法による重合方法が採用できる。例えば、テレフタル酸等のジカルボン酸成分またはそのエステル形成性誘導体と、エチレングリコール等のジオール成分またはそのエステル形成性誘導体とを公知の方法でエステル交換反応あるいはエステル化反応させた後、溶融重合反応を行うことによって得ることができる。また、必要に応じ、溶融重合反応で得られたポリエステルを、ポリエステルの融点温度以下にて、固相重合反応を行っても良い。
本発明のポリエステルフィルムは、従来公知の製造方法で得ることが出来る。具体的には本発明のポリエステルフィルムは、必要に応じて乾燥した原料を押出機内で加熱溶融し、口金から冷却したキャストドラム上に押し出してシート状に加工する方法(溶融キャスト法)を使用することができる。その他の方法として、原料を溶媒に溶解させ、その溶液を口金からキャストドラム、エンドレスベルト等の支持体上に押し出して膜状とし、次いでかかる膜層から溶媒を乾燥除去させてシート状に加工する方法(溶液キャスト法)等も使用することができる。
2層以上の積層ポリエステルフィルムを溶融キャスト法により製造する場合、積層ポリエステルフィルムを構成する層毎に押出機を用い、各層の原料を溶融せしめ、これらを押出装置と口金の間に設けられた合流装置にて溶融状態で積層したのち口金に導き、口金からキャストドラム上に押し出してシート状に加工する方法(共押出法)が好適に用いられる。該積層シートは、表面温度20℃以上60℃以下に冷却されたドラム上で静電気により密着冷却固化し、未延伸シートを作製する。キャストドラムの温度は、より好ましくは25℃以上60℃以下、さらに好ましくは30℃以上55℃以下である。20℃以下ではプラズマを照射し、二軸延伸した後のフィルム表面の突起形成が十分でない場合がある。60℃を超えると、キャストドラムにフィルムが貼り付き、未延伸シートを得ることが困難になる場合がある。
次いで、ここで得られた未延伸フィルムに大気圧グロー放電によるプラズマ処理などの表面処理を施す。これらの表面処理は未延伸フィルムを得た直後でも、微延伸を施した後でも、縦および/又は横方向に延伸した後でも良いが、本発明では未延伸フィルムに表面処理することが好ましい。また、表面処理を施す面はキャストドラムに接していた面(ドラム面)でもキャストドラムに接していない面(非ドラム面)のいずれでも良い。
その後、未延伸フィルムを二軸延伸し、二軸配向せしめる。延伸方法としては、逐次二軸延伸法又は同時二軸延伸法を用いることができる。最初に長手方向、次に幅方向の延伸を行う逐次二軸延伸法が、延伸破れなく本発明のポリエステルフィルムを得るのに有効である。
(二軸延伸)
未延伸フィルムを二軸延伸する場合の延伸条件に関しては特に制限されるものでは無いが、本発明のポリエステルフィルムがポリエステルを主成分とする場合、長手方向の延伸としては、未延伸シートを70℃以上に加熱されたロール群に導き、長手方向(縦方向、すなわちシートの進行方向)に延伸し、20〜50℃の温度のロール群で冷却することが好ましい。長手方向の延伸における加熱ロール温度の下限についてはシートの延伸性を損なわない限り特に制限はないが、使用するポリエステル樹脂のガラス転移温度を超えることが好ましい。また、長手方向の延伸倍率の好ましい範囲は3倍〜5倍である。より好ましい範囲としては3倍〜4.5倍である。長手方向の延伸倍率が3倍未満であると、配向結晶化が進行せずフィルム強度が著しく低下する。一方で、延伸倍率が5倍を超える場合、延伸に伴うポリエステル樹脂の配向結晶化が進行することで脆くなると共に製膜時の破れが発生する場合がある。
本発明のポリエステルフィルムではP1層へのプラズマ処理を施した後に縦延伸を行うため、プラズマ処理によるフィルム帯電に伴うロール粘着破れを防ぐ目的に、ロール温度を40℃に設定した除電ロールをP1層側が接するように通した後に上述の延伸操作を行った。
続いて、長手方向に直角な方向(幅方向)の延伸に関しては、フィルムの両端をクリップで把持しながらテンターに導き、70〜160℃の温度に加熱された雰囲気中にて、長手方向に直角な方向(幅方向)への3倍〜5倍の延伸、およびその後、延伸されたフィルムを熱処理し内部の配向構造の安定化を行うことが好ましい。熱処理時にフィルムの受けた熱履歴温度に関しては、後述する示差走査熱量計(DSC)にて測定される融点温度の直下に現れる微小吸熱ピーク(Tmetaと称することがある。)温度にて確認することができるが、テンター装置設定温度としてはポリエステル(融点255℃)が主成分である場合には、テンター内の最高温度が200℃以上250℃以下であるように設定することが好ましく、他の熱可塑性樹脂を主成分とする際は、樹脂融点−55℃以下樹脂融点−5℃以下に設定することが好ましい。熱処理温度が200℃を下回る場合、前記、大気圧グロー放電処理により形成された突起が十分に成長できず結果として前述の好ましい範囲の突起を形成することが困難になる。一方250℃を超えて熱処理を施す場合、フィルムが融解し破れが多発、生産性が低下する場合がある。より好ましい範囲としては220℃以上245℃以下である。
熱処理時にフィルムの受けた熱履歴温度を表すTmetaの範囲としては、ポリエステル樹脂を主成分とする場合、前述の理由から190℃以上245℃以下であることが好ましい。より好ましい範囲としては210℃以上240℃以下である。
更に熱処理した後に寸法安定性を付与することを目的として、0%以上6%以下の範囲でリラックス処理を行ってもよい。
延伸倍率は、長手方向と幅方向それぞれ3〜5倍とするが、その面積倍率(縦延伸倍率×横延伸倍率)は9〜22倍であることが好ましく、9〜20倍であることがより好ましい。面積倍率が9倍未満であると、得られる二軸延伸シートの耐久性が不十分となり、面積倍率が22倍を超えると延伸時に破れを生じ易くなる傾向がある。
[特性の評価方法]
A.走査型白色干渉顕微鏡(VertScan)による二乗平均平方根粗さSqA(nm)、SqB(nm)
本発明のポリエステルフィルムより6cm×6cmのサンプリングを行い、それぞれのサンプルについて、走査型白色干渉顕微鏡(装置:日立ハイテクサイエンス社製 “VertScan”(登録商標) VS1540)を用い、本発明のポリエステルフィルムの両面それぞれを、50倍対物レンズを使用して測定面積113μm×113μmで30視野測定を行う。サンプルセットは、測定Y軸がサンプルフィルムの長手方向(長手方向とは、フィルムの製造工程においてフィルムが走行する方向)となるようにサンプルをステージにセットして測定する。
得られた顕微鏡像について、該顕微鏡に内蔵された表面解析ソフトウェアVS−Viewer Version 10.0.3.0にて、下記条件にて画像処理を行った。
(画像処理条件)
下記の順にて画像処理を行う
・補間処理 :完全補間
・フィルタ処理:メジアン(3×3ピクセル)
・面補正 :4次
ポリエステルフィルムの片側表面に関して30視野の走査型白色干渉顕微鏡測定を行い前述の画像処理を行った後、各像に関して、表面解析ソフトウェア内の「ISOパラメータ」解析において以下の解析条件と共に「Height Parameters」を選択し得られた数値群をパラメータシート欄に出力することで得られる二乗平均平方根粗さSq(nm)を求め、30視野の平均値を測定面の二乗平均平方根粗とする。同様にして前記測定面の反対表面に関して30視野測定の平均値から二乗平均平方根粗さSq(nm)を求める。両数値を比較し、数値の大きい方の表面をA面とし、その二乗平均平方根粗さをSqA(nm)、数値の小さな方の表面をB面とし、その二乗平均平方根粗さをSqB(nm)とする。この際、A面を含む層をP1層、B面を含む層をP2層とする。
(ISOパラメータ解析条件)
下記の条件にてISOパラメータ解析処理を行う。
・S−Filter:自動
・正規確率紙
分割数 :300
計算範囲の上限 :3.000
計算範囲の下限 :−3.000
・パラメータ :「Height Parameters」のみを選択
・出力 :「パラメータリスト」を選択
(パラメータシート出力)
上記ISOパラメータ解析によって表示される「ISOパラメータ」ウインドウ中の「Height Parameters」を選択し「パラメータシートに追加」を行うことで「パラメータシート」ウインドウの「ISOパラメータ」タブで表示される「Sq[nm]」を用いる。
B.AFM(Atomic Force Microscope)による高さ1nm以上10nm未満の突起の個数M10(個/μm
以下の測定方法によって得られるフィルム表面の画像を、付属の解析ソフト(NanoScope Analysis Version 1.40)を用い解析する。得られるフィルム表面のHeight Sensor画像を下記するFlatten処理のみを施した後、Particle Analysis解析モードを下記の通り設定することで、フィルム表面の基準面が自動的に決定される。該基準面から、突起高さの閾値(Threshold Height)を1nm、10nmと定め、各閾値で得られる突起個数をカウントする。突起高さの閾値(Threshold Height)が1nm(R1nm)での1μm当たりの突起密度の平均値(Density行、Mean列の値)をN1nm(個/μm)、10nm(R10nm)での1μm当たりの突起密度の平均値(Density行、Mean列の値)をN10nm(個/μm)とした時、次の式で求められる値をその測定画像の高さ1nm以上10nm未満の突起の個数M10(個/μm)とする。
M10(個/μm)=N1nm(個/μm)−N10nm(個/μm
前記解析を各サンプルにおける20か所の測定画像全てにおいて行い、その平均値をサンプルの高さ1nm以上10nm未満の突起の個数M10(個/μm)とする。
[AFM測定方法]
・装置:Bruker社製 原子間力顕微鏡(AFM)
Dimention Icon with ScanAsyst
・カンチレバー:窒化ケイ素製プローブ ScanAsyst Air
・走査モード:ScanAsyst
・走査速度:0.977Hz
・走査方向:後述する方法にて作製した測定サンプルの幅方向に走査を行う
・測定視野:5μm四方
・サンプルライン:512
・Peak Force SetPoint:0.0195V〜0.0205V
・Feedback Gain:10〜20
・LP Deflection BW:40 kHz
・ScanAsyst Noise Threshold: 0.5nm
・サンプル調整:23℃、65%RH、24時間静置
・AFM測定環境:23℃、65%RH
・測定サンプル作成方法:AFM試料ディスク(直径15mm)の片面に両面テープを貼りつけ、AFM試料ディスクと、約15mm×13mm(長手方向×幅方向)に切り出した本発明のポリエステルフィルムの前記表面(測定面)とは逆側の面とを張り合わせ、測定サンプルとした。
・サンプル測定回数:各サンプル同士が少なくとも5μm以上離れるように場所を変え、20回測定を行う。
・測定値:測定した20か所の画像に関して前述の解析を行い、各数値を測定しその平均値をサンプルの持つ各数値として扱う。
[Flatten処理]
・Flatten Order:3rd
・Flatten Z Threshholding Direction:No theresholding
・Find Threshold for:the whole image
・Flatten Z Threshold %:0.00 %
・Mark Excluded Data:Yes
[Particle Analysisモード設定]
(Detectタブ)
・Threshold Height:各値に応じて入力
・Feature Direction:Above
・X Axis:Absolute
・Number Histogram Bins:512
・Histogram Filter Cutoff:0.00 nm
・Min Peak to Peak:1.00 nm
・Left Peak Cutoff:0.00000%
・Right Peak Cutoff:0.00000%
(Modifyタブ)
・Beughbirhood Size:3
・Number Pixels Off:1
・一切のDilate/Erode操作を行わない。
(Selectタブ)
・Image Cursor Mode:Particle Select
・Bound Particles:Yes
・Non−Representative Particles:No
・Height Reference:Relative To Max Peak
・Number Histogram Bins:50
・前記数値を求めるに際し、解析画像中の特定のピーク、エリアを選択しない。
・Diameter、Height、Area全てのヒストグラムで特定の場所を選択しない。
C.ヘイズ
本発明のポリエステルフィルムから一辺が5cmの正方形状のフィルムサンプルを3点(3個)準備する。次にサンプルを23℃、60%RHにおいて、40時間放置する。それぞれのサンプルを日本電色工業(株)製濁度計「NDH5000」を用いて、JIS「透明材料のヘイズの求め方」(K7136 2000年版)に準ずる方式で実施した。それぞれの3点(3個)のヘイズの値を平均して、ポリエステルフィルムのヘイズH(%)の値とした。
D.光線透過率
5cm×5cmで切り出した本発明のポリエステルフィルムを分光光度計(U−4100 Spectrophotometer、(株)日立ハイテクノロジーズ 製)に付属の積分球を用いた構成で光線透過率測定を行った。本測定では、装置付属の酸化アルミニウムの副白板を基準として測定した。透過率測定では、前記表面とは反対面側を光源側とし、積分球の前に設置した。測定条件として、スリットは2nm、ゲインは2と設定し、走査速度を600nm/分で波長280nm以上400nm以下の範囲を測定した。得られたスペクトルデータより波長365nmにおける光線透過率を読み取る。それぞれのフィルムに関して異なる3点の波長365nmにおける光線透過率を同様に求め、それらの平均値をポリエステルフィルム光線透過率T(%)とした。
E.静摩擦係数(μs)
本発明のポリエステルフィルムを23℃65%RHにて調湿した後、製膜ライン方向が長手となるように、幅75mm、長さ100mmの短冊状に2枚切り出してサンプルとし、スベリ係数測定装置(型式ST−200、(株)テクノニーズ製)を使用し、23℃65%RH雰囲気下にて測定する。該装置の測定資料台上に短冊状サンプルを該装置引っ張り方向が短冊サンプルの長手方向となり、また前記表面側が上になるようにセットし固定する。その上にもう1枚の短冊状サンプルを前記表面が上側、引っ張り方向が長手方向になるように置き、前記表面とその反対面とを接触させるとともに、サンプル端部を該装置の加重検出用Uゲージに固定する。その後フィルムを静置し、その上に、サンプル接触面が6.5cm×6.5cmのテフロンシートであり荷重が200gの錘を置きサンプル同士を密着させた後、上側のフィルムを以下の条件で引っ張った際の静摩擦係数を測定する。5回の測定の平均値をもって静摩擦係数(μs)とする。
測定距離:12mm
測定速度:210mm/min
F.空気抜け時間
デジベック平滑度試験機((株)東洋精機製作所製)を用いて、25℃、65%RHにて測定する。ポリエステルフィルムを5cm角サイズに2枚切り出し、その一方の中央部に1cm角の穴を空け、それぞれを以下の通りにセットし測定を行う。まず1cm角の穴を空けたサンプルのB面を持つ面が試料台と接するようにセットし、試料台に空いた穴が、サンプル中央部に空けた穴以外では、完全に覆われるようにセットする。続いてその上に穴の空いていないサンプルのB面が、穴の空いたサンプルのB面とは反対面(A面)と接し、かつ中央部に空いたサンプルの穴を完全に塞ぐように覆い被せてセットする。2枚のサンプルフィルムがセットされた状態で1kg/cmの荷重を加えて、初期減圧度を385mmHgに設定する。常圧より385mmHg減圧した後、常圧に戻ろうとするため、2枚のサンプルフィルム間から空気が流れ込んでいく。この時、減圧度が382mmHgから381mmHg になる時間(空気抜け時間)を測定する。
20サンプルに関して前述の空気抜け時間を測定し、数値の大きい方および小さい方からの3点ずつを除した残り14サンプルの平均値をポリエステルフィルムの有する空気抜け時間とする。空気抜け時間が小さいほど、サンプル間に存在する空気が抜けやすいことを表しており、フィルムをロールに巻き取る際に噛み込んだ空気を原因として発生する巻取りロールにおけるシワを抑制できる。
G.ポリマー特性
(i)固有粘度(IV)
オルトクロロフェノール100mlに、ポリエステルフィルムを溶解させ(溶液濃度C(測定試料質量/溶液体積)=1.2g/100ml)、その溶液の25℃での粘度を、オストワルド粘度計を用いて測定した。また、同様に溶媒の粘度を測定した。得られた溶液粘度、溶媒粘度を用いて、下記式(2)により、[η]を算出し、得られた値をもって固有粘度(IV)とした。
ηsp/C=[η]+K[η]・C ・・・(2)
(ここで、ηsp=(溶液粘度/溶媒粘度)―1、Kはハギンス定数(0.343とする)である。)
なお、測定試料を溶解させた溶液に無機粒子などの不溶物がある場合は、以下の方法を用いて測定を行った。
(1−1)オルトクロロフェノール100mLに測定試料を溶解させ、溶液濃度が1.2g/100mLよりも濃い溶液を作成する。ここで、オルトクロロフェノールに供した測定試料の質量を測定試料質量とする。
(1−2)次に、不溶物を含む溶液を濾過し、不溶物の質量測定と、濾過後の濾液の体積測定を行う。
(1−3)濾過後の濾液にオルトクロロフェノールを追加して、(測定試料質量(g)−不溶物の質量(g))/(濾過後の濾液の体積(mL)+追加したオルトクロロフェノールの体積(mL))が、1.2g/100mLとなるように調整する。
(例えば、測定試料質量2.0g/溶液体積100mLの濃厚溶液を作成したときに、該溶液を濾過したときの不溶物の質量が0.2g、濾過後の濾液の体積が99mLであった場合は、オルトクロロフェノールを51mL追加する調整を実施する。((2.0g−0.2g)/(99mL+51mL)=1.2g/100mL))
(1−4)(1−3)で得られた溶液を用いて、25℃での粘度をオストワルド粘度計を用いて測定し、得られた溶液粘度、溶媒粘度を用いて、上記式(3)により、[η]を算出し、得られた値をもって固有粘度(IV)とする。
(ii)末端カルボキシル基量(表中ではCOOH量と記載する。)
末端カルボキシル基量については、Mauliceの方法に準じて、以下の方法にて測定した。(文献M.J. Maulice, F. Huizinga, Anal.Chim.Acta,22 363(1960))
ポリエステルフィルム2gをo−クレゾール/クロロホルム(質量比7/3)50mLに温度80℃にて溶解し、0.05NのKOH/メタノール溶液によって滴定し、末端カルボキシル基濃度を測定し、当量/ポリエステル1tの値で示した。なお、滴定時の指示薬はフェノールレッドを用いて、黄緑色から淡紅色に変化したところを滴定の終点とした。なお、測定試料を溶解させた溶液に無機粒子などの不溶物がある場合は、溶液を濾過して不溶物の質量測定を行い、不溶物の質量を測定試料質量から差し引いた値を測定試料質量とする補正を実施した。
H.含有粒子評価
(i)平均粒子径
本発明のポリエステルフィルムに関して、ミクロトームを用いて表面に対して垂直方向に切削した小片を作成し、その断面を電界放射走査型電子顕微鏡JSM−6700F(日本電子(株)製)を用いてP1層またはP2層を10000倍に拡大観察して撮影した。その断面写真よりP1層またはP2層中に存在する粒子の粒度分布を画像解析ソフトImage−Pro Plus(日本ローパー(株))を用いて求めた。断面写真は異なる任意の測定視野から選び出し、断面写真中から任意に選び出した400個以上の粒子の円相当径を測定し体積基準平均粒子径を得た。下記粒子の構成元素分析により2種類以上の粒子が含有される場合には、各粒子に関して200個以上の粒子の円相当径を測定し体積基準円相当径の平均値より平均粒子径を求めた。
(ii)粒度分布解析
前記(i)にて記載の方法にて得られた粒子径に関して体積基準粒度分布解析を行った。ここで、体積基準粒度分布において横軸を担う粒子径は、0nmを初点とした10nm間隔毎の階級にて表す(前記(i)にて記載の方法で0nmを超えて10nm以下の粒子径を有する粒子は10nmの階級に含め、前記(i)にて記載の方法10nmを超えて20nm以下の粒子径を有する粒子は20nmの階級に含めて存在比率をプロットする)。得られた粒子の粒度分布チャートから、極大を示すピークトップの粒子径を読みとった。
(iii)粒子含有量
本発明のポリエステルフィルムのP1層またはP2層部分を1N−KOHメタノール溶液200mlに投入して加熱還流し、ポリマーを溶解した。溶解が終了した該溶液に200mlの水を加え、ついで該液体を遠心分離器にかけて粒子を沈降させ、上澄み液を取り除いた。粒子にはさらに水を加えて洗浄、遠心分離を2回繰り返した。このようにして得られた粒子を乾燥させ、その質量を量ることで各層に含有される粒子の含有量(質量%)を算出した。添加粒子に有機粒子が含まれる場合、ポリマーは溶解するが有機粒子は溶解させない溶媒を選択し、過熱還流すること無くポリマーを溶解し、粒子を遠心分離して粒子の含有量(質量%)を算出した。
[用途特性の評価方法]
I.フォトレジスト評価
(i)レジスト配線パターン作成
本発明のポリエステルフィルムを用いて、以下a.からc.の方法によりプロキシミティ露光法を用いたフォトレジスト評価を行った。
a.片面鏡面研磨した6インチSiウエハー上に、東京応化(株)製のネガレジスト“PMERN−HC600”を塗布し、大型スピナーで回転させることによって厚み7μmのレジスト層を作製する。次いで、窒素循環の通風オーブンを用いて70℃の温度条件で約20分間の前熱処理を行う。
b.本発明のポリエステルフィルムのB面をレジスト部材と接触するように重ね、ゴム製のローラーを用いて、レジスト層上にポリエステルフィルムをラミネートした。ラミネート状態を後述の(ii)に記載の通り確認し、気泡や汚れの生じていないラミネートサンプルに関してその上に、クロム金属でパターニングされた配線パターンを配置し、そのパターン上から投影レンズを具備したi線(波長365nmにピークをもつ紫外線)レーザー光を平行光として用いたプロキシミティ露光を行う。
c.レジスト層からポリエステルフィルムを剥離した後、現像液N−A5が入った容器にレジスト層を入れ約1分間の現像を行う。その後、現像液から取り出し、水で約1分間の洗浄を行う。現像後に作成されたレジスト配線パターンのL/S(μm)(Line and Space)=5/5μmの30本の状態を、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて約800〜3000倍率で観察する。
(ii)レジスト部材密着性評価
前記(i)に記載の方法にて作成したラミネートサンプル30枚用意し、各サンプルの5ヶ所を光学顕微鏡にて50倍観察を行い、貼り合わせ時に生じる気泡数をカウントし、レジスト部材との密着性を以下の通り評価した。
A:気泡の確認できるサンプルが2枚以下
B:気泡の確認できるサンプルが3枚以上6枚未満
C:気泡の確認できるサンプルが6枚以下10枚未満
D:気泡の確認できるサンプルが10枚以上。
レジスト部材密着性としてはA〜Cが良好であり、その中で最もAが優れている。
(iii)微細配線レジスト性
前項(i)にて観察した30本のレジストパターンに関して、配線が1.5μm以上のサイズで失われた(配線欠点)本数を確認し、フィルムのレジスト欠点抑制を下記の通り評価した。
A:欠けのある本数が5本以下。
B:欠けのある本数が6本以上10本以下。
C:欠けのある本数が11本以上15本以下。
D:欠けのある本数が16本以上。
微細配線レジスト性としてはA〜Cが良好であり、その中で最もAが優れている。
J.搬送性
本発明のポリエステルフィルムを、製膜速度が100m/分以上の条件にて製膜を行い、連続した5000mのロール巻取りを行う。その際、ロール表面を、欠点検出器を用いて発生するキズに由来する欠点数をカウントしフィルム搬送性を下記の通り評価した。
A:ロールの内、キズ由来の欠点数が3以下。
B:ロールの内、キズ由来の欠点数が4以上7以下。
C:ロールの内、キズ由来の欠点数が8以上10以下。
D:ロールの内、キズ由来の欠点数が11以上。
巻取り性としてはA〜Cが良好であり、その中で最もAが優れている。
K.巻取り性
前記J項と同様にして本発明のポリエステルフィルムを、製膜速度が100m/分以上の条件にて製膜を行い、連続した5000mのロール巻取りを10回採取する。得られた10本のロールの巻き姿からフィルム巻取り性を下記の通り評価した。
A:10本のロールの内、シワの発生したロールが2本以下。
B:10本のロールの内、シワの発生したロールが3本以上4本以下。
C:10本のロールの内、シワの発生したロールが5本以上6本以下。
D:10本のロールの内、シワの発生したロールが7本以上。
巻取り性としてはA〜Cが良好であり、その中で最もAが優れている。
以下、本発明について実施例を挙げて説明するが、本発明は必ずしもこれらに限定されるものではない。
[PET−1の製造]テレフタル酸およびエチレングリコールから、三酸化アンチモンを触媒として、常法により重合を行い、実質的に粒子を含有しない溶融重合PETを得た。得られた溶融重合PETのガラス転移温度は81℃、融点は255℃、固有粘度は0.55であった。その後、常法により固相重合を行い、固相重合PETを得た。得られた固相重合PETのガラス転移温度は81℃、融点は255℃、固有粘度は0.65であった。
[MB−Aの製造]前項PET−1の重合に際し、PETに対する含有量が2.0質量%となるように、エチレングリコールに分散させた平均1次粒子径が85nmのδアルミナ粒子(アルミナ−1)を添加し、PETベースマスタ―ペレットMB−Aを得た。得られた溶融重合MB−Aのガラス転移温度は81℃、融点は255℃、固有粘度は0.63であった。
[MB−Bの製造]前項PET−1の重合に際し、PETに対する含有量が2.0質量%となるように、エチレングリコールに分散させた平均1次粒子径が45nmのδアルミナ粒子(アルミナ−2)を添加し、PETベースマスタ―ペレットMB−Bを得た。得られた溶融重合MB−Bのガラス転移温度は81℃、融点は255℃、固有粘度は0.63であった。
[MB−Cの製造]前項PET−1の重合に際し、PETに対する含有量が2.0質量%となるように、エチレングリコールに分散させた平均1次粒子径が65nmのδアルミナ粒子(アルミナ−3)を添加し、PETベースマスタ―ペレットMB−Cを得た。得られた溶融重合MB−Cのガラス転移温度は81℃、融点は255℃、固有粘度は0.63であった。
[MB−Dの製造]前項PET−1の重合に際し、PETに対する含有量が2.0質量%となるように、エチレングリコールに分散させた平均1次粒子径が160nmのδアルミナ粒子(アルミナ−3)を添加し、PETベースマスタ―ペレットMB−Dを得た。得られた溶融重合MB−Dのガラス転移温度は81℃、融点は255℃、固有粘度は0.63であった。
[MB−Eの製造]前項PET−1の重合に際し、PETに対する含有量が2.0質量%となるように、エチレングリコールに分散させた平均1次粒子径が210nmのシリカ粒子(シリカ−1)を添加し、PETベースマスタ―ペレットMB−Eを得た。得られた溶融重合MB−Eのガラス転移温度は81℃、融点は255℃、固有粘度は0.62であった。
[MB−Fの製造]前項PET−1の重合に際し、PETに対する含有量が2.0質量%となるように、エチレングリコールに分散させた平均1次粒子径が315nmのシリカ(シリカ−2)を添加し、PETベースマスタ―ペレットMB−Fを得た。得られた溶融重合MB−Fのガラス転移温度は81℃、融点は255℃、固有粘度は0.62であった。
[MB−Gの製造]前項PET−1の重合に際し、PETに対する含有量が2.0質量%となるように、エチレングリコールに分散させた平均1次粒子径が110nmのシリカ(シリカ−3)を添加し、PETベースマスタ―ペレットMB−Gを得た。得られた溶融重合MB−Gのガラス転移温度は81℃、融点は255℃、固有粘度は0.62であった。
[MB−Hの製造]前項PET−1の重合に際し、PETに対する含有量が2.0質量%となるように、エチレングリコールに分散させた平均1次粒子径が330nmのシリカ粒子(シリカ−4)を添加し、PETベースマスタ―ペレットMB−Hを得た。得られた溶融重合MB−Hのガラス転移温度は81℃、融点は255℃、固有粘度は0.63であった。
[MB−Iの製造]前項PET−1の重合に際し、PETに対する含有量が2.0質量%となるように、エチレングリコールに分散させた平均1次粒子径が65nmのシリカ(シリカ−5)を添加し、PETベースマスタ―ペレットMB−Iを得た。得られた溶融重合MB−Iのガラス転移温度は81℃、融点は255℃、固有粘度は0.63であった。
[MB−Jの製造]前項PET−1の重合に際し、PETに対する含有量が2.0質量%となるように、エチレングリコールに分散させた平均1次粒子径が370nmのシリカ粒子(シリカ−6)を添加し、PETベースマスタ―ペレットMB−Jを得た。得られた溶融重合MB−Jのガラス転移温度は81℃、融点は255℃、固有粘度は0.63であった。
(実施例1)
PET−1、マスターペレットMB−A(アルミナ−1含有)、マスタ―ペレットMB−E(シリカ−1含有)、マスタ―ペレットMB−I(シリカ−5含有)を180℃で2時間半減圧乾燥した後、粒子濃度が表1に記載のP1層からP3層の量になるように配合し、3台それぞれの押出機に供給し、溶融押出してフィルタで濾過した後、フィードブロックにてP1層/P3層/P2層と積層するように合流させた後、Tダイを介し35℃に保った冷却ロール上に静電印可キャスト法を用いて巻き付け冷却固化して未延伸フィルムを得た。この未延伸フィルムを相対する電極とアースロール間に導き、装置中に窒素ガスを導入し、処理強度(E値)が200W・min/mとなる条件で大気圧グロー放電処理を行った。
処理後の未延伸フィルムをロール温度が30℃に設定された除電ロールを通した後、逐次二軸延伸機により表2に記載の条件にて、長手方向に4.0倍、および幅方向にそれぞれ4.5倍、トータルで18倍延伸しその後、定長下238℃で熱処理した。その後、幅方向に弛緩処理を施し、厚み16μmの二軸配向フィルムを得た。得られた二軸配向ポリエステルフィルムの構成、含有粒子解析、表面特性、フィルム特性は表3、4に示す通りであった。用途適性評価を表5に示す通り、レジスト部材密着性は僅かに劣るものの実用の範囲内で有り、搬送性、巻取り性、平行露光法(プロキシミティ露光法)および縮小投影露光法における微細配線レジスト性が良好なフィルムであった。
(実施例2〜4)
実施例2〜4では、P1層およびP2層に添加する粒子を表1に記載の通り変更した以外は、実施例1と同様にして厚み16μmの二軸配向フィルムを得た。得られた二軸配向ポリエステルフィルムの構成、含有粒子解析、表面特性、フィルム特性は表3、4に示す通りであった。
実施例2では実施例1より平均粒子径の大きな粒子をP1層に添加することにより走査型白色干渉顕微鏡にて測定されるP1層表面の二乗平均平方根高さSqA(nm)が増加し静摩擦係数が低下したが滑り性評価としては実施例1と同等であった。一方、粗大な粒子が添加されることにより微細配線レジスト性は実施例1より悪化したが実用の範囲内であり、その他特性である巻取り性、レジスト部材密着性は良好なフィルムであった。
実施例3、4では実施例1より平均粒子径の小さな粒子をP1層およびP2層添加することにより走査型白色干渉顕微鏡にて測定されるP1層表面の二乗平均平方根高さSqA(nm)、およびP2層表面の二乗平均平方根高さSqB(nm)が低下した。粒子小径化によってヘイズが低下する一方で静摩擦係数は上昇し、搬送性が実施例1に比べて低下するも実用の範囲内であり、またA面に含有される粒子の平均粒子径が小さくなることで巻取り性も低下したが実用の範囲内であり、その他の特性に優れるフィルムであった。実施例3と実施例4では平均粒子径のより大きな粒子をP1層に添加している実施例4の方が搬送性と巻取り性は優れるフィルムであった。
実施例5では実施例1より平均粒子径の小さな粒子をP2層添加することにより、走査型白色干渉顕微鏡にて測定されるP2層表面の二乗平均平方根高さSqB(nm)が低下することで、レジスト部材密着性が実施例1よりも良化する一方で、実施例1より搬送性が悪化するものの実用の範囲内であり、その他の特性に優れるフィルムであった。
(実施例6、7)
実施例6では、大気圧グロー放電処理の処理強度を表2に記載の通りに変更した以外は実施例1と同様にして厚み16mの二軸配向フィルムを得た。得られた二軸配向ポリエステルフィルムの構成、含有粒子解析、表面特性、フィルム特性は表3、4に示す通りであった。大気圧グロー放電処理の処理強度を増加させたことにより走査型白色干渉顕微鏡にて測定されるP1層表面の二乗平均平方根高さSqA(nm)が増大することで静摩擦係数が低下することで、実施例1と同様に特性に優れたフィルムであった。
実施例7では、大気圧グロー放電処理の処理強度を表2に記載の通りに変更し、P2層に添加する粒子を表1の通りに変更した以外は実施例1と同様にして厚み16mの二軸配向フィルムを得た。得られた二軸配向ポリエステルフィルムの構成、含有粒子解析、表面特性、フィルム特性は表3、4に示す通りであった。大気圧グロー放電処理の処理強度を低下させたことにより走査型白色干渉顕微鏡にて測定されるP1層表面の二乗平均平方根高さSqA(nm)が減少することで静摩擦係数が増加し、搬送性が実施例1より低下するものの実用の範囲内で有り、その他の特性は実施例1と同様に特性に優れたフィルムであった。
(実施例8)
実施例8では、P1層に添加する粒子をアルミナ粒子(アルミナ−4)のみとし、表1に記載の量とすることで、走査型白色干渉顕微鏡にて測定されるP1層表面の二乗平均平方根高さSqA(nm)を実施例1と合わせた以外は、実施例1と同様にして厚み16μmの二軸配向フィルムを得た。得られた二軸配向ポリエステルフィルムの構成、含有粒子解析、表面特性、フィルム特性は表3、4に示す通りであった。
実施例1同様の表面粗さを有するものの、P1層に添加される粒子が1種類となることでP1層表面の突起高さバリエーションが減少し巻取り時にフィルム間の空気が抜けにくくなることで巻取り性が低下するものの実用の範囲内であった。その他物性は実施例1と同様に特性に優れたフィルムであった。
(実施例9)
実施例9では、フィルム構成を2層構成(P1層/P2層)に変更し、P2層に添加する粒子をシリカ粒子(シリカ−5)のみとし表1に記載の量を添加することで走査型白色干渉顕微鏡にて測定されるP2層表面の二乗平均平方根高さSqB(nm)を実施例1と合わせた以外は、実施例1と同様にして厚み16μmの二軸配向フィルムを得た。得られた二軸配向ポリエステルフィルムの構成、含有粒子解析、表面特性、フィルム特性は表3、4に示す通りであった。
B面は実施例1同様の表面粗さを有するものの、フィルム構成が2層構成となりP2層厚みが厚くなることでフィルムヘイズが増加し、微細配線レジスト性は低下するものの実用の範囲内であり、その他物性は実施例1と同様に特性に優れたフィルムであった。
(実施例10)
実施例10では、実施例1にて得たフィルムをレジスト評価においてP1層をレジスト部材と貼り合わせフォトレジスト評価を行った。レジスト部材と密着する面の表面粗さが増加することによりレジスト部材密着性が低下するも実用の範囲内であった。
フォトレジスト評価を行うに際し、平行露光法のレジスト方式を採用した場合は、レジスト部材側にP1層が配されフィルム内に添加された粒子とレジスト層の距離は変わっても微細配線レジスト性は実施例1と同等であった。一方で縮小投影露光法のレジスト方式を採用した場合は、レジスト層近くにP2層に含有される平均粒子径の大きな粒子が存在するため、微細配線レジスト性は実施例1よりも低下したが実用の範囲内であり、その他物性は実施例1と同様に優れるフィルムであった。
(実施例11〜12)
実施例11および12では、P1層およびP2層に添加する粒子を表1に記載の通り変更した以外は、実施例1と同様にして厚み16μmの二軸配向フィルムを得た。得られた二軸配向ポリエステルフィルムの構成、含有粒子解析、表面特性、フィルム特性は表3、4に示す通りであった。
実施例11では、P2層に含有させる粒子処方において体積基準粒度分布測定において100nm以上300nm以下領域にピークを有する粒子を微少量含有させる代わりに、10nm以上100nm未満領域にピークを有する粒子の含有量を減らしているものの、B面の二乗平均平方根高さSqB(nm)は実施例1と近しく、微細配線レジスト性は実施例1と同等に優れるフィルムであった。また、100nm以上300nm以下領域にピークを有する粒子を含有することで搬送性や巻取り性に寄与する静摩擦係数および空気抜け時間は実施例1よりも優れていた。
実施例12では、実施例11よりP1層に含有させる粒子の濃度を低下させることで、配線レジスト性は実施例1よりも優れるフィルムとなった。その一方で、100nm以上300nm以下領域にピークを有する粒子を含有することによって、搬送性や巻取り性は実施例1と同等に優れるフィルムであった。
(実施例13)
実施例13では、P1層およびP2層に添加する粒子を表1に記載の通り変更した以外は、実施例1と同様にして厚み16μmの二軸配向フィルムを得た。得られた二軸配向ポリエステルフィルムの構成、含有粒子解析、表面特性、フィルム特性は表3、4に示す通りであった。
実施例13では、P2層に含有させる粒子処方において体積基準粒度分布測定において100nm以上300nm以下領域にピークを有する粒子を微少量含有させる代わりに、400nm(365nm)を超える領域にピークを有する粒子を含有させることで、B面の二乗平均平方根高さSqB(nm)は実施例1よりも大きくなることで、レジスト部材密着性および微細配線レジスト性は実施例1より低下するものの実用の範囲内であった。一方で、400nm(365nm)を超える領域にピークを有する粒子が存在することで搬送性や巻取り性に寄与する静摩擦係数および空気抜け時間は優れていた。
(比較例1)
実施例1と同様の方法で未延伸フィルムを得た後、大気圧グロー放電処理を行わずに、実施例1での除電ロールおよび逐次二軸延伸機へと導入したこと以外は実施例1と同様の方法で二軸配向フィルムを得た。得られた二軸配向ポリエステルフィルムの構成、含有粒子解析、表面特性、フィルム特性は表3、4に示す通りであった。
大気圧グロー放電処理を実施していないため、走査型白色干渉顕微鏡にて測定されP1層表面の二乗平均平方根高さより平均粒子径の小さい粒子を含有するP2層よりも大幅に低下した。実施例1に比べSqA(nm)、SqB(nm)が大幅に低下することで静摩擦係数が増大することで、搬送性が大幅低下するとともに、大気圧グロー放電処理を施さないためP1層表面の突起高さが大幅に減少しまた突起高さのバリエーションも少なくなることで巻取り時にフィルム間の空気が抜けにくくなり巻取り性が大幅に劣るフィルムとなった。
(比較例2)
P1層に実施例1より平均粒子径の大きなシリカ粒子(シリカ−4)を添加した以外は、実施例1と同様の方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。得られた二軸配向ポリエステルフィルムの構成、含有粒子解析、表面特性、フィルム特性は表3、4に示す通りであった。P1層に粗大なシリカ粒子が添加されたことでP1層表面の二乗平均平方根高さが増大する一方でヘイズが増加し、微細配線レジスト性が大幅に劣るフィルムとなった。
(比較例3、4)
比較例3、4では、P1層に添加する粒子を表1に記載の通り変更し、P2層に粒子を添加せずフィルム構成を2層構成とした以外は実施例1と同様にして厚み16μmの二軸配向フィルムを得た。得られた二軸配向ポリエステルフィルムの構成、含有粒子解析、表面特性、フィルム特性は表3、4に示す通りであった。
比較例3では、平均粒子径を小さな粒子を少量添加したのみのため、SqA(nm)およびSqB(nm)が大幅に低下し、搬送性と巻取り性に大幅に劣るフィルムであった。
比較例4では、P1層の二乗平均平方根高さは実施例1と同様であるものの、粒子を添加しないP2層の二乗平均平方根高さが大幅に低下するため、比較例5に比べ巻取り性は改善する一方で搬送性が大幅に劣るフィルムであった。
Figure 2021109441
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本発明のポリエステルフィルムは良好な光学特性と搬送性・巻取り性を有するため、片面に感光樹脂組成物を体積して使用することで、次世代向けた微細配線を加工する工程にて好適に用いることができる。
1.SqAの表面を有する層(P1層)
2.SqAを有する表面(A面)
3.走査型白色干渉顕微鏡測定におけるA面側の基準面(高さ0nm)
4.A面に存在する突起
5.P1層と反対側の表層(P2層)
6.P1層と反対側の表面(B面)
7.走査型白色干渉顕微鏡測定におけるB面側の基準面(高さ0nm)
8.B面に存在する突起
9.P3層
10.フォトレジスト照射光(平行光線)
11.配線パターンを有するフォトマスク
12.レジスト部材
13.フォトマスクを通過して平行にレジスト部材に照射されるフォトレジスト照射光
14.投影レンズ
15.フォトマスクを通過後、投影レンズにより縮小されながらレジスト部材に照射されるフォトレジスト照射光

Claims (14)

  1. 次の(1)〜(2)の要件を満たすポリエステル樹脂を主成分とするポリエステルフィルム。
    (1)ポリエステルフィルムの両面の二乗平均平方根粗さSq(nm)を測定した際、Sqの値が高い面をA面とし、当該A面の二乗平均平方根粗さをSqA(nm)とし、前記A面とは反対側表面をB面とし、B面の二乗平均平方根粗さをSqB(nm)した場合において、SqAが3.0以上4.8以下であること。
    (2)前記A面と前記B面との静摩擦係数が1.0以下であること。
  2. 前記B面の二乗平均平方根粗さSqBが2.0以上4.5未満である請求項1に記載のポリエステルフィルム。
  3. 前記A面を有する層(P1層)に粒子が含まれており、当該粒子の体積基準粒度分布測定を行い、横軸に粒子径、縦軸に粒子の存在比率をプロットしたとき、粒子径が10nm以上100nm未満の領域と、粒子径が100nm以上300nm以下の領域にそれぞれ1つ以上のピークを有し、粒子径が300nmを超える領域にはピークを有さない請求項1または2に記載のポリエステルフィルム。
  4. 前記B面を有する層(P2層)に粒子が含まれており、当該粒子の体積基準粒度分布測定を行い、横軸に粒子径、縦軸に粒子の存在比率をプロットしたとき、粒子径が10nm以上100nm未満の領域に1つ以上のピークを有する請求項1〜3のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
  5. 前記P2層に含有される粒子の体積基準粒度分布測定において、横軸に粒子径、縦軸に粒子の存在比率をプロットしたとき、粒子径が10nm以上100nm未満の領域に2つ以上のピークを有するか、粒子径が10nm以上100nm未満の領域と粒子径が100nm以上300nm以下の領域にそれぞれ1つ以上のピークを有する請求項4に記載のポリエステルフィルム。
  6. 前記A面を有する層(P1層)、前記B面を有する層(P2層)の層厚みがどちらも2.0μm以下である請求項1〜5のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
  7. 波長365nmの光に対する光線透過率が80%以上である請求項1〜6のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
  8. ヘイズが0.7%以下である請求項1〜7のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
  9. 前記A面、前記B面の少なくともいずれかの表面が、AFM(Atomic Force Microscope)で測定される突起高さが1nm以上10nm以下の突起個数(M10)が3.0〜40.0個/μm以下である請求項1〜8のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
  10. ドライフィルムレジスト支持体用途に用いられる請求項1〜9のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
  11. ドライフィルムレジスト支持体用途に用いられる際、前記A面側から露光を行うように用いられる請求項10に記載のポリエステルフィルム。
  12. 前記露光が平行露光方式で行われる請求項11に記載のポリエステルフィルム。
  13. 前記平行露光方式がプロキシミティ露光方式、コンタクト露光方式のいずれかである請求項12に記載のポリエステルフィルム。
  14. 前記露光が投影露光方式で行われる請求項11に記載のポリエステルフィルム。
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