JP2021107616A - アスファルトプラント及びアスファルト混合物の製造方法 - Google Patents

アスファルトプラント及びアスファルト混合物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】脱臭装置を新たに設置せずに新骨材用乾燥炉で発生した排ガスを脱臭することができるアスファルトプラント及びアスファルト混合物の製造方法を提供する。【解決手段】アスファルトプラント1は、新骨材2を乾燥する新骨材用乾燥炉32と、再生骨材4を乾燥する再生骨材用乾燥炉52と、新骨材用乾燥炉32で乾燥させた新骨材2と、再生骨材用乾燥炉52で乾燥させた再生骨材4と、アスファルトとを混合するミキサと、を備えており、新骨材用乾燥炉32で発生した排ガスと、再生骨材用乾燥炉52で発生した排ガスと、を加熱して臭気成分を酸化分解する蓄熱燃焼式脱臭装置8を備えている。【選択図】 図1

Description

本発明は、アスファルト混合物を製造するアスファルトプラントと、アスファルト混合物の製造方法と、に関するものである。
道路の舗装材として知られるアスファルト混合物を製造するアスファルトプラントは、新骨材を加熱して乾燥するための新骨材用乾燥炉と、再生骨材を加熱して乾燥するための再生骨材用乾燥炉と、加熱された新骨材と再生骨材とアスファルトとを混合してアスファルト混合物を製造するミキサと、を備えている。
新骨材は、砕石、砂等の未使用骨材である。これに対し、再生骨材は、道路工事等によって掘り起こされたアスファルト廃材を破砕したものである。そのため、再生骨材を乾燥するために加熱すると、再生骨材に含まれるアスファルトから炭化水素系の臭気成分が発生する。従来のアスファルトプラントでは、再生骨材を加熱する際に発生した排ガスを脱臭するために、再生骨材用乾燥炉に燃焼式の脱臭装置を接続し、再生骨材用乾燥炉で発生した排ガスを加熱して臭気成分を酸化分解している(例えば、特許文献1参照)。
特開2009−001996号公報
新骨材用乾燥炉で発生する排ガスは、再生骨材用乾燥炉で発生する排ガスよりも少ないものの臭気成分を含んでいる。そのため、アスファルトプラントの周辺地域に対する臭気の影響を考慮すると、新骨材用乾燥炉で発生する排ガスも脱臭することが望ましい。しかしながら、新骨材用乾燥炉の排ガスを脱臭するために新たに脱臭装置を追加するには、その設置スペースが必要となる。また、燃焼式の脱臭装置は、重油等を燃料とするバーナによって排ガスを加熱するため、燃料費等のコストが増加し、アスファルトプラントから発生するCO等の温室効果ガスの排出量も増加してしまう。
本発明が解決しようとする課題は、脱臭装置を新たに設置せずに新骨材用乾燥炉で発生した排ガスを脱臭することができるアスファルトプラント及びアスファルト混合物の製造方法を提供することである。
[1]本発明に係るアスファルトプラントは、新骨材を乾燥する新骨材用乾燥炉と、再生骨材を乾燥する再生骨材用乾燥炉と、前記新骨材用乾燥炉で乾燥させた新骨材と、前記再生骨材用乾燥炉で乾燥させた再生骨材と、アスファルトとを混合するミキサと、を備えたアスファルトプラントであって、前記新骨材用乾燥炉で発生した排ガスと、前記再生骨材用乾燥炉で発生した排ガスと、を加熱して臭気成分を酸化分解する脱臭装置を備えている。
[2]上記発明において、前記脱臭装置は、第1のバーナを有する燃焼室と、前記燃焼室にそれぞれ連通する2つ以上の蓄熱室と、を備え、前記新骨材用乾燥炉及び前記再生骨材用乾燥炉の排ガスを一の前記蓄熱室に供給して予熱し、予熱された排ガスを前記燃焼室で前記第1のバーナにより加熱して臭気成分を酸化分解し、臭気成分が酸化分解された排ガスを他の前記蓄熱室で熱回収してから排出する蓄熱燃焼式脱臭装置であってもよい。
[3]上記発明において、前記新骨材用乾燥炉で発生した排ガスを前記脱臭装置に送り出す第1の排風機と、前記再生骨材用乾燥炉で発生した排ガスを前記脱臭装置に送り出す第2の排風機と、前記脱臭装置で脱臭した排ガスを排気口に送り出す第3の排風機と、を備えてもよい。
[4]上記発明において、前記新骨材用乾燥炉で発生した排ガスと、前記再生骨材用乾燥炉で発生した排ガスと、を集合させて前記脱臭装置に供給する煙道を備えてもよい。
[5]上記発明において、前記煙道は、前記新骨材用乾燥炉に接続している第1の煙道と、前記再生骨材用乾燥炉に接続している第2の煙道と、前記第1の煙道と前記第2の煙道とを集合させた第3の煙道と、を備えており、前記第1の排風機は、前記第1の煙道に設置され、前記第2の排風機は前記第2の煙道に設置され、前記第3の排風機は前記第3の煙道に設置されていてもよい。
[6]上記発明において、前記新骨材用乾燥炉の内圧を測定する第1の内圧測定手段と、前記再生骨材用乾燥炉の内圧を測定する第2の内圧測定手段と、前記脱臭装置の内圧を測定する第3の内圧測定手段と、前記第1の排風機と、前記第2の排風機と、前記第3の排風機と、を制御する制御手段と、を備えており、前記制御手段は、前記第1の内圧測定手段の測定結果に基づいて、前記第1の排風機の排風量を制御し、前記第2の内圧測定手段の測定結果に基づいて、前記第2の排風機の排風量を制御し、前記第3の内圧測定手段の測定結果に基づいて、前記第3の排風機の排風量を制御してもよい。
[7]上記発明において、前記新骨材用乾燥炉の内圧を測定する第1の内圧測定手段と、前記再生骨材用乾燥炉の内圧を測定する第2の内圧測定手段と、前記第1の排風機と、前記第2の排風機と、前記第3の排風機と、を制御する制御手段と、を備えており、前記制御手段は、前記第1の内圧測定手段の測定結果に基づいて、前記第1の排風機の排風量を制御し、前記第2の内圧測定手段の測定結果に基づいて、前記第2の排風機の排風量を制御し、前記第1の排風機の排風量と、前記第2の排風機の排風量とに基づいて、前記第3の排風機の排風量を制御してもよい。
[8]上記発明において、前記再生骨材用乾燥炉は、傾斜された軸心の周りで回転自在となるように支持され、収容した再生骨材を攪拌しながら傾斜に沿って流動させる円筒形状の回転ドラムと、前記回転ドラムの両端部のうち、高い位置にある一端側から前記回転ドラム内に再生骨材を供給する骨材供給手段と、前記回転ドラムの他端側から前記回転ドラム内に火炎を放射し、再生骨材を加熱する第2のバーナと、を備えていてもよい。
[9]上記発明において、前記再生骨材用乾燥炉は、前記回転ドラム内で前記第2のバーナの火炎の周囲を覆う筒部材を備えていてもよい。
[10]本発明に係るアスファルト混合物の製造方法は、新骨材を新骨材用乾燥炉により乾燥する第1の工程と、再生骨材を再生骨材用乾燥炉により乾燥する第2の工程と、前記第1の工程で乾燥させた新骨材と、前記第2の工程で乾燥させた再生骨材と、アスファルトとをミキサにより混合する第3の工程と、を備えたアスファルト混合物の製造方法であって、前記第1の工程で発生した排ガスと、前記第2の工程で発生した排ガスと、を脱臭装置により加熱して臭気成分を酸化分解する第4の工程を備えている。
[11]上記発明において、前記第4の工程は、前記脱臭装置として、第1のバーナを有する燃焼室と、前記燃焼室にそれぞれ連通する2つ以上の蓄熱室と、を備え、前記新骨材用乾燥炉及び前記再生骨材用乾燥炉の排ガスを一の前記蓄熱室に供給して予熱し、予熱された排ガスを前記燃焼室で前記第1のバーナにより加熱して臭気成分を酸化分解し、臭気成分が酸化分解された排ガスを他の前記蓄熱室で熱回収してから排出する蓄熱燃焼式脱臭装置を用いることを含んでいてもよい。
[12]上記発明において、前記新骨材用乾燥炉の内圧を測定する第5の工程と、前記再生骨材用乾燥炉の内圧を測定する第6の工程と、前記脱臭装置の内圧を測定する第7の工程と、前記第5の工程の測定結果に基づいて、前記第1の工程で発生した排ガスを前記脱臭装置に送り出す第1の排風機の排風量を制御する第8の工程と、前記第6の工程の測定結果に基づいて、前記第2の工程で発生した排ガスを前記脱臭装置に送り出す第2の排風機の排風量を制御する第9の工程と、前記第7の工程の測定結果に基づいて、前記第4の工程で脱臭した排ガスを排気口に送り出す第3の排風機の排風量を制御する第10の工程と、を備えていてもよい。
[13]上記発明において、前記新骨材用乾燥炉の内圧を測定する第11の工程と、
前記再生骨材用乾燥炉の内圧を測定する第12の工程と、前記第11の工程の測定結果に基づいて、前記第1の工程で発生した排ガスを前記脱臭装置に送り出す第1の排風機の排風量を制御する第13の工程と、前記第12の工程の測定結果に基づいて、前記第2の工程で発生した排ガスを前記脱臭装置に送り出す第2の排風機の排風量を制御する第14の工程と、前記第1の排風機の排風量と、前記第2の排風機の排風量とに基づいて、前記第4の工程で脱臭した排ガスを排気口に送り出す第3の排風機の排風量を制御する第15の工程と、を備えてもよい。
[14]上記発明において、前記再生骨材用乾燥炉は、傾斜された軸心の周りで回転自在となるように支持され、収容した再生骨材を攪拌しながら傾斜に沿って流動させる円筒形状の回転ドラムを備えており、前記第2の工程は、前記回転ドラムの両端部のうち、高い位置にある一端側から前記回転ドラム内に再生骨材を供給し、前記回転ドラムの他端側から前記回転ドラム内に第2のバーナで火炎を放射して再生骨材を加熱することを含んでいてもよい。
本発明によれば、1台の脱臭装置に新骨材用乾燥炉で発生した排ガスと、再生骨材用乾燥炉で発生した排ガスとを供給して脱臭するので、脱臭装置を新たに設置せずに新骨材用乾燥炉で発生した排ガスを脱臭することができる。
図1は、本発明の第1実施形態に係るアスファルトプラントの構成を示す概略図である。 図2は、図1に係るアスファルトプラントの混合ラインの構成を示す概略図である。 図3は、図1に示す第1排風機、第2排風機及び第3排風機の排風量を制御する制御装置を示すブロック図である。 図4は、図3に示す制御装置により制御される排風量と、内圧との関係の一例を示すグラフである。 図5は、図1に示す再生骨材用乾燥炉の回転ドラム内に生じる各種ゾーンを示す断面図である。 図6は、図5に示す再生骨材用乾燥炉の別の例を示す断面図である。 図7は、図1に示す蓄熱燃焼式脱臭装置の構成を示す概略図である。 図8(A)〜図8(C)は、図7に示す蓄熱燃焼式脱臭装置の運転サイクルを示す説明図である。 図9は、図1及び図2に示すアスファルトプラントにおいて、アスファルト混合物を製造する手順を示すフローチャートである。 図10は、本発明の第2実施形態の制御装置を示すブロック図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
《第1実施形態》
図1及び図2は、本発明に係るアスファルトプラント及びアスファルト混合物の製造方法を実施した、アスファルトプラント1の構成を示す概略図である。本実施形態のアスファルトプラント1は、新骨材2を加熱・乾燥する新骨材乾燥ライン3と、再生骨材4を加熱・乾燥する再生骨材乾燥ライン5と、骨材とアスファルト等を混合する混合ライン6と、を備える。
新骨材2は、岩石等を破砕機によって破砕して分級した砕石、砂等である。再生骨材4は、道路工事等により掘り起こされたアスファルト廃材を破砕したものである。アスファルトプラント1は、新骨材2のみを用いたアスファルト混合物と、再生骨材4のみを用いたアスファルト混合物と、新骨材2と再生骨材4とを用いたアスファルト混合物の3種類を製造することができる。また、アスファルトプラント1は、新骨材2と再生骨材4とを用いたアスファルト混合物を製造する場合には、新骨材2と再生骨材4とを任意の割合で混合することができる。
新骨材乾燥ライン3は、ホッパ31と、新骨材用乾燥炉32と、第1の煙道33と、一次集塵機34と、二次集塵機35と、第1の排風機36と、を備えている。ホッパ31は、下部がすぼめられた四角錐形状の箱であり、重機によって上部から供給された新骨材2を一時的に貯留し、貯留した新骨材2を下部に設けられた供給口からベルトコンベア311に供給する。ベルトコンベア311は、新骨材2を新骨材用乾燥炉32に供給する。
新骨材用乾燥炉32は、新骨材2を攪拌しながら流動させ、その間に新骨材2を加熱して乾燥する乾燥炉である。より詳しくは、新骨材用乾燥炉32は、新骨材2の流動方向に対して対向する方向(反対側の方向)からバーナの火炎を放射して加熱を行う直火向流式の乾燥炉である。新骨材用乾燥炉32は、回転ドラム321と、コールドホッパ322と、ホットホッパ323と、乾燥用バーナ324と、を備えている。
回転ドラム321は、新骨材2が収容可能なように円筒形状をしており、その内面には多数の掻上げ羽根(図示せず)が設けられている。回転ドラム321は、軸心が水平に対して僅かに傾斜するように配置されている。図1に示す例では、回転ドラム321は、右側の端部の位置が左側の端部よりも高くなるように傾斜されている。回転ドラム321の両端のうち、高い位置にある一端側には、コールドホッパ322が設置されており、低い位置にある他端側にはホットホッパ323が配置されている。
コールドホッパ322は、ベルトコンベア311により供給された新骨材2を投入口(図示せず)から受け入れて回転ドラム321に供給する。回転ドラム321は、傾斜された軸心周りに回転することにより、新骨材2を掻き上げ羽根で攪拌し、傾斜に沿ってホットホッパ323側へ流動させる。ホットホッパ323には、乾燥用バーナ324が設置されている。乾燥用バーナ324は、新骨材2の流動方向に対向する方向から回転ドラム321内に火炎を放射して新骨材2を加熱・乾燥する。ホットホッパ323は、排出口(図示せず)から乾燥された新骨材2を排出する。排出された新骨材2は、詳しくは図示しないが、トロリー装置又はホットエレベータ等によって搬送され、保温機能を備えたホットビンに貯蔵される。
コールドホッパ322には、新骨材2を加熱することによって発生した排ガスを新骨材用乾燥炉32から排気する第1の煙道33が接続されている。新骨材2は、再生骨材4のように廃アスファルトを含まない。そのため、新骨材2を加熱して発生した排ガスは、可燃性の油分をほとんど含まないが、多量の粉塵を含んでいる。
第1の煙道33には、上記の一次集塵機34、二次集塵機35及び第1の排風機36が順に接続されている。一次集塵機34は、排ガスから比較的大きな粉塵を除去する集塵機である。この一次集塵機34には、例えば、装置内で排ガスの方向を転換させて、慣性力により排ガスから粉塵を分離する慣性集塵機が用いられている。二次集塵機35は、一次集塵機34で除去しきれなかった比較的細かな粉塵を排ガスから除去する集塵機である。二次集塵機35には、例えば、布または不織布製の袋状のフィルタを多数設置し、このフィルタに粉塵を含む排ガスを通して濾過するバグフィルタ集塵機が用いられている。第1の排風機36は、一次集塵機34及び二次集塵機35を通して新骨材用乾燥炉32内の排ガスを吸引する。第1の排風機36には、駆動モータをインバータ制御することにより排風量を調節可能にした排風機が用いられている。
再生骨材乾燥ライン5は、ホッパ51と、再生骨材用乾燥炉52と、第2の煙道53と、一次集塵機54と、第2の排風機55と、を備えている。ホッパ51は、新骨材乾燥ライン3のホッパ31と略同様のものであり、重機によって上部から供給された再生骨材4を一時的に貯留し、貯留した再生骨材4を下部に設けられた供給口からベルトコンベア511に供給する。ベルトコンベア511は、再生骨材4を再生骨材用乾燥炉52に供給する。
再生骨材用乾燥炉52は、再生骨材4を攪拌しながら流動させ、その間に再生骨材4を加熱して乾燥する乾燥炉である。より詳しくは、再生骨材用乾燥炉52は、再生骨材4の流動方向に対して対向する方向(反対側の方向)からバーナの火炎を放射して加熱を行う直火向流式の乾燥炉である。再生骨材用乾燥炉52は、回転ドラム521と、コールドホッパ522と、ホットホッパ523と、乾燥用バーナ524と、バケット525と、を備えている。
回転ドラム521は、再生骨材4が収容可能なように円筒形状をしており、その内面には多数の掻上げ羽根521a(図5参照)が設けられている。回転ドラム521は、軸心が水平軸に対して僅かに傾斜するように配置されている。図1に示す例では、回転ドラム521は、左側の端部の位置が右側の端部よりも高くなるように傾斜されている。回転ドラム521の両端のうち、高い位置にある一端側には、コールドホッパ522が設置されており、低い位置にある他端側にはホットホッパ523が配置されている。
コールドホッパ522は、本発明の骨材供給手段の一例に相当し、ベルトコンベア511により供給された再生骨材4を投入口522a(図5参照)から受け入れて回転ドラム521に供給する。回転ドラム521は、傾斜された軸心周りに回転することにより、再生骨材4を掻き上げ羽根521aで攪拌し、傾斜に沿ってホットホッパ523側へ流動させる。ホットホッパ523には、本発明の第2のバーナの一例に相当する乾燥用バーナ524が設置されている。乾燥用バーナ524は、再生骨材4の流動方向に対向する方向から回転ドラム521内に火炎を放射して再生骨材4を加熱・乾燥する。
ホットホッパ523の下方には、ホットホッパ523の下部に設けられた排出口523a(図5参照)から排出された再生骨材4を受け入れるバケット525が配置されている。バケット525は、所定量の再生骨材4を貯留し、下部に設けられたゲートを開いて排出する。バケット525から排出された再生骨材4は、詳しくは図示しないが、トロリー装置又はベルトコンベア等により搬送され、保温機能を備えたサージビンに貯蔵される。
コールドホッパ522には、回転ドラム521内で再生骨材4を加熱することにより発生した排ガスを再生骨材用乾燥炉52から排気する第2の煙道53が接続されている。再生骨材4は廃アスファルトを含む。そのため、再生骨材4を加熱することにより発生する排ガスは、油分を70%程度含む可燃性ガスとなり、炭化水素系の臭気成分も多く含むものとなる。なお、再生骨材4に含まれる粒度の低い砕石等は、廃アスファルトに付着しているため、再生骨材4の排ガスは、新骨材2の排ガスに比べて細かな粉塵は含まない。
第2の煙道53には、上記の一次集塵機54及び第2の排風機55が順に接続されている。一次集塵機54には、上記の新骨材乾燥ライン3と同様に慣性集塵機が用いられている。第2の排風機55は、一次集塵機54を通して再生骨材用乾燥炉52内の排ガスを吸引する。第2の排風機55には、駆動モータをインバータ制御することにより排風量を調節可能にした排風機が用いられている。
第1の煙道33と第2の煙道53は、集合されて第3の煙道7に接続されている。第3の煙道7には、蓄熱燃焼式脱臭装置8と、第3の排風機9と、煙突10とが順に接続されている。すなわち、第3の煙道7は、新骨材用乾燥炉32で発生した排ガスと、再生骨材用乾燥炉52で発生した排ガスとを混合して蓄熱燃焼式脱臭装置8に供給する。蓄熱燃焼式脱臭装置8は、脱臭用バーナ82を有する燃焼室810(図7参照)と、燃焼室810にそれぞれ連通する2つ以上の蓄熱室811、812、813(図7参照)と、を備えている。脱臭用バーナ82は、本発明の第1のバーナの一例に相当する。蓄熱燃焼式脱臭装置8は、第3の煙道7により混合された排ガスを一の蓄熱室に供給して予熱し、予熱された排ガスの臭気成分を燃焼室810で脱臭用バーナ82により加熱して酸化分解する。また、蓄熱燃焼式脱臭装置8は、臭気成分が酸化分解された排ガスを他の蓄熱室で熱回収してから第3の煙道7に排出する。
第3の排風機9は、蓄熱燃焼式脱臭装置8で脱臭された排ガスを吸引する。第3の排風機9には、駆動モータをインバータ制御することにより排風量を調節可能にした排風機が用いられている。煙突10は、本発明の排気口の一例に相当し、第3の排風機9により吸引された脱臭済みの排ガスを大気中に排出する。
本実施形態のアスファルトプラント1によれば、1台の蓄熱燃焼式脱臭装置8によって、新骨材用乾燥炉32の排ガスと、再生骨材用乾燥炉52の排ガスを脱臭することができる。また、蓄熱燃焼式脱臭装置8に対し、新骨材用乾燥炉32の排ガスと、再生骨材用乾燥炉52の排ガスを別々に供給すると、蓄熱燃焼式脱臭装置8内の排ガスに油分、臭気成分等について濃度ムラが発生し、排ガスの脱臭が適切に行われなくなる可能性がある。しかしながら、本実施形態のアスファルトプラント1では、新骨材用乾燥炉32で発生した排ガスと、再生骨材用乾燥炉52で発生した排ガスとを第3の煙道7によって集合して混合するので、濃度ムラのない排ガスを蓄熱燃焼式脱臭装置8に供給することができる。
図2に示す混合ライン6は、新骨材乾燥ライン3で加熱・乾燥された新骨材2と、再生骨材乾燥ライン5で加熱・乾燥された再生骨材4と、外部から供給されたアスファルト11と、石粉12等を計量してミキサ13に投入する。石粉12は、新骨材2や再生骨材4よりも粒度が低い骨材であり、新骨材2と再生骨材4との間に充填されるフィラーである。ミキサ13は、新骨材2、再生骨材4、アスファルト11及び石粉12等を混合してアスファルト混合物14を製造する。ミキサ13から排出されたアスファルト混合物14は、詳しくは図示しないが、トロリー装置又はホットエレベータ等により搬送され、保温機能を備えた合材ストレージビンに貯蔵される。
上記の新骨材用乾燥炉32は、本発明の第1の内圧測定手段の一例に相当する第1の圧力センサ325を備えている。第1の圧力センサ325は、新骨材用乾燥炉32の内圧を測定する。新骨材用乾燥炉32の内圧は、乾燥用バーナ324の燃焼量に応じて変化し、乾燥用バーナ324の燃焼量が大きくなるほど高くなる。また、乾燥用バーナ324の燃焼量は、回転ドラム321に供給される新骨材2の量に応じて調節され、新骨材2の量が多くなるほど燃焼量が大きくなるように調節される。すなわち、新骨材用乾燥炉32の内圧は、回転ドラム321に供給される新骨材2の量が多くなるほど高くなる。第1の圧力センサ325は、図3に示すように、測定した新骨材用乾燥炉32の内圧を、測定信号として制御装置15に送信する。
制御装置15は、本発明の制御手段の一例に相当し、上記の第1の排風機36、第2の排風機55及び第3の排風機9を統括的に制御する。制御装置15は、例えば、一又は複数のコンピュータと、当該コンピュータにインストールされた制御ソフトウェアにより構成されている。制御装置15を構成するコンピュータは、詳しくは図示しないが、制御ソフトウェア及びこれに関連する各種設定データ等を格納するストレージと、ストレージから読み出した制御ソフトウェア及び設定データ等を一時的に記憶するRAMと、RAMに読み出した制御ソフトウェアを実行するCPUと、を備えている。また、コンピュータは、第1の圧力センサ325等から送信された測定信号を受信し、第1の排風機36、第2の排風機55及び第3の排風機9に制御信号を送信するために、これらと通信可能に接続するI/Oインターフェースを備えている。
制御装置15は、図3に示すように、第1の圧力センサ325により測定された新骨材用乾燥炉32の内圧に基づいて、第1の排風機36の排風量を演算する。具体的には、制御装置15は、図4のグラフに示すように、新骨材用乾燥炉32の内圧が高くなるほど第1の排風機36の排風量が大きくなるように第1の排風機36の排風量を演算する。なお、演算される第1の排風機36の排風量は、新骨材用乾燥炉32から排ガス及び粉塵が吹き出さない最小の排風量であることが好ましい。制御装置15は、演算した排風量に基づいて第1の排風機36を駆動する。
また、再生骨材用乾燥炉52は、本発明の第2の内圧測定手段の一例に相当する第2の圧力センサ526を備えている。第2の圧力センサ526は、再生骨材用乾燥炉52の内圧を測定する。再生骨材用乾燥炉52の内圧は、新骨材用乾燥炉32と同様に、回転ドラム521に供給される再生骨材4の量が多くなるほど高くなる。第2の圧力センサ526は、図3に示すように、測定した再生骨材用乾燥炉52の内圧を、測定信号として制御装置15に送信する。
制御装置15は、図3に示すように、第2の圧力センサ526により測定された再生骨材用乾燥炉52の内圧に基づいて、第2の排風機55の排風量を演算する。具体的には、制御装置15は、第1の排風機36と同様に、再生骨材用乾燥炉52の内圧が高くなるほど第2の排風機55の排風量が大きくなるように第2の排風機55の排風量を演算する。なお、演算される第2の排風機55の排風量は、再生骨材用乾燥炉52から排ガス及び粉塵が吹き出さない最小の排風量であることが好ましい。制御装置15は、演算した排風量に基づいて第2の排風機55を駆動する。
蓄熱燃焼式脱臭装置8は、本発明の第3の内圧測定手段の一例に相当する第3の圧力センサ83を備えている。第3の圧力センサ83は、蓄熱燃焼式脱臭装置8の内圧を測定する。蓄熱燃焼式脱臭装置8の内圧は、新骨材用乾燥炉32と、再生骨材用乾燥炉52とから排出される排ガス量に応じて変化し、排出される排ガス量が多くなるほど高くなる。なお、新骨材用乾燥炉32から排出される排ガス量は、新骨材用乾燥炉32に対する新骨材2の供給量に応じて変化し、新骨材2の供給量が多くなるほど増加する。同様に、再生骨材用乾燥炉52から排出される排ガス量は、再生骨材用乾燥炉52に対する再生骨材4の供給量に応じて変化し、再生骨材4の供給量が多くなるほど増加する。第3の圧力センサ83は、図3に示すように、測定した蓄熱燃焼式脱臭装置8の内圧を、測定信号として制御装置15に送信する。
制御装置15は、図3に示すように、第3の圧力センサ83により測定された蓄熱燃焼式脱臭装置8の内圧に基づいて、第3の排風機9の排風量を演算する。具体的には、制御装置15は、第1の排風機36及び第2の排風機55と同様に、蓄熱燃焼式脱臭装置8の内圧が高くなるほど第3の排風機9の排風量が大きくなるように第3の排風機9の排風量を演算する。なお、演算される第3の排風機9の排風量は、蓄熱燃焼式脱臭装置8から排ガス及び粉塵が吹き出さない最小の排風量であることが好ましい。制御装置15は、演算した排風量に基づいて第3の排風機9を駆動する。
上述したように、本実施形態のアスファルトプラント1は、新骨材2のみを用いたアスファルト混合物と、再生骨材4のみを用いたアスファルト混合物と、新骨材2と再生骨材4とを用いたアスファルト混合物の3種類を製造することができる。また、新骨材2と再生骨材4とを用いたアスファルト混合物を製造する場合には、新骨材2と再生骨材4とを任意の割合で混合することができる。すなわち、新骨材用乾燥炉32と、再生骨材用乾燥炉52とで発生する排ガス量と、蓄熱燃焼式脱臭装置8で脱臭される排ガス量は、製造するアスファルト混合物の種類に応じて変動する。この排ガス量の変動に対応するために、本実施形態のアスファルトプラント1では、新骨材用乾燥炉32、再生骨材用乾燥炉52及び蓄熱燃焼式脱臭装置8のそれぞれに独立して、第1の排風機36、第2の排風機55及び第3の排風機9を設置している。したがって、第1の排風機36、第2の排風機55及び第3の排風機9をそれぞれ独立して制御して、新骨材用乾燥炉32、再生骨材用乾燥炉52及び蓄熱燃焼式脱臭装置8の排ガスをそれぞれ最適な排風量で排出することができる。
また、本実施形態のアスファルトプラント1によれば、第1の排風機36、第2の排風機55及び第3の排風機9は、それぞれ異なる第1の煙道33、第2の煙道53及び第3の煙道7に設置しているので、各排風機の排風量を演算して制御する際に、他の排風機が設置されている煙道の影響を考慮する必要がない。そのため、排風量の演算及び制御が容易になり、第1の排風機36、第2の排風機55及び第3の排風機9の制御に必要な処理負荷を低減することができる。さらに、第1の圧力センサ325、第2の圧力センサ526及び第3の圧力センサ83の測定結果に基づいて、内圧が高くなるほど排風量が大きくなるように第1の排風機36、第2の排風機55及び第3の排風機9の排風量を演算している。したがって、新骨材用乾燥炉32等の内圧に応じた最適な排風量で第1の排風機36、第2の排風機55及び第3の排風機9を駆動することができる。また、第1の排風機36、第2の排風機55及び第3の排風機9の排風量は、好ましくは、新骨材用乾燥炉32、再生骨材用乾燥炉52及び蓄熱燃焼式脱臭装置8から排ガス及び粉塵が吹き出さない最小の排風量となるように演算している。したがって、新骨材用乾燥炉32、再生骨材用乾燥炉52及び蓄熱燃焼式脱臭装置8から排ガス及び粉塵が吹き出すのを防ぎつつ、第1の排風機36、第2の排風機55及び第3の排風機9の消費電力を抑えることができる。
次に、本実施形態の再生骨材用乾燥炉52について説明する。図5は、再生骨材用乾燥炉52の回転ドラム521内に生じる各種ゾーンを示している。各ゾーンについて、コールドホッパ522側から順に説明する。なお、図5では、再生骨材用乾燥炉52を傾斜していない状態で描いている。逆流防止ゾーンは、回転ドラム521の内面に設けられた逆流防止羽根521bにより、回転ドラム521に供給した再生骨材4がコールドホッパ522側に逆流するのを防止する。攪拌余熱ゾーンは、再生骨材4を掻き上げ羽根521aにより攪拌し、乾燥用バーナ524の火炎により生じた熱風を吹き付けて乾燥する。これにより、再生骨材4は、主に逆流防止ゾーンと、攪拌余熱ゾーンとで乾燥される。
攪拌加熱ゾーンは、再生骨材4を掻き上げ羽根521aにより攪拌し、乾燥用バーナ524の火炎によって直接加熱するゾーンである。同様に、加熱ゾーンは、乾燥用バーナ524の火炎によって再生骨材4を加熱するゾーンである。再生骨材4は、主に攪拌加熱ゾーンと、加熱ゾーンによって、アスファルトと混合する際に必要な温度まで昇温される。最後の排出ゾーンは、回転ドラム521の端部に設けた格子部521cによって再生骨材4をふるい分け、ふるい分けた再生骨材4を排出口523aから排出するためのゾーンである。
従来のアスファルトプラントでは、熱風と再生骨材4との温度差を小さくして再生骨材4に含まれるアスファルトの劣化を小さくするために、再生骨材4の流動方向と、乾燥用バーナによる火炎の放射方向とを同じ向きにした直火並流式の乾燥炉が一般的に用いられている。しかしながら、本出願の発明者による調査の結果、再生骨材4を直火で加熱しても、熱風によって加熱した場合と比べて劣化の差が見受けられないことが確認された。また、直火向流式では、熱風によって再生骨材4を乾燥し、直火で加熱してから排出するので、排出時の再生骨材4の温度低下が少なく、直火並流式に比べて高い熱効率が得られることが分かった。さらに、下記の表1に示すように、直火向流式は、直火並流式に比べて排ガス温度、臭気指数及び臭気濃度を大幅に低下させることができ、環境負荷が小さいことが確認されている。そのため、直火向流式の乾燥炉には、直火直流式よりも処理能力が低い脱臭装置を用いることが可能となるので、コストダウンを図ることができる。本実施形態では、これらの理由により、直火並流式よりも熱効率が高く、環境負荷の小さい直火向流式の再生骨材用乾燥炉52を用いている。
Figure 2021107616
なお、直火向流式の再生骨材用乾燥炉としては、図6に示すように、乾燥用バーナ524から放射される火炎の外周を金属製の筒部材527で覆った再生骨材用乾燥炉52Aを用いてもよい。この再生骨材用乾燥炉52Aによれば、乾燥用バーナ524の火炎が再生骨材4に直接触れないので、再生骨材4の温度が上がりすぎて再生骨材4に含まれるアスファルトが劣化するのを防ぐことができる。
次に、本実施形態の蓄熱燃焼式脱臭装置8について説明する。図7に示すように、蓄熱燃焼式脱臭装置8は、いわゆる3塔式の蓄熱式燃焼脱臭装置であり、装置本体81と、脱臭用バーナ82と、排ガス供給ダクト84と、排気ダクト85と、パージエア供給ダクト86と、を備えている。装置本体81は、脱臭用バーナ82を備える燃焼室810と、燃焼室810の下部に配置され、それぞれ燃焼室810に連通した3つの蓄熱室811、812及び813と、を備えている。燃焼室810には、上記の第3の圧力センサ83が取り付けられている。3つの蓄熱室811、812及び813には、それぞれ蓄熱体811a、812a及び813aが組み込まれている。蓄熱体811a、812a及び813aは、例えば、複数のガス流路を区画形成して排ガスとの伝熱効率を向上すべく、ハニカム状に形成されたセラミック製あるいは金属製のものを使用することができる。
排ガス供給ダクト84は、一端が蓄熱燃焼式脱臭装置8の上流側の第3の煙道7に接続され、他端が分岐されて各蓄熱室811〜813にそれぞれ接続されている。排ガス供給ダクト84は、いずれの蓄熱室811〜813に接続するかを選択に切り替える3つの開閉弁841、842及び843を備えている。排気ダクト85は、一端が蓄熱燃焼式脱臭装置8の下流側の第3の煙道7に接続され、他端が分岐されて各蓄熱室811〜813にそれぞれ接続されている。排気ダクト85は、いずれの蓄熱室811〜813に接続するかを選択に切り替える3つの開閉弁851、852及び853を備えている。パージエア供給ダクト86の一端は、詳しくは図示していないが、排気ダクト85に接続され、他端が分岐されて各蓄熱室811〜813にそれぞれ接続されている。パージエア供給ダクト86は、いずれの蓄熱室811〜813に接続するかを選択に切り替える3つの開閉弁861、862及び863を備えている。これにより、パージエアとして、脱臭済みのクリーンエアが供給される。なお、開閉弁841〜843、851〜853及び861〜863として、ダンパを用いてもよい。
図8は、3塔式の蓄熱燃焼式脱臭装置8により排ガスを脱臭する3つの運転サイクル(A)〜(C)を示している。蓄熱燃焼式脱臭装置8は、運転開始とともに脱臭用バーナ82を点火し、図示しない温度センサの測定結果に基づいて脱臭用バーナ82の温度を調節し、燃焼室810内の温度を、排ガスの臭気成分が酸化分解可能な設定温度T1(例えば750〜850°C、本実施形態では、例えば800±20°C)まで昇温する。
運転サイクル(A)では、排ガス供給ダクト84の開閉弁841と、排気ダクト85の開閉弁852と、パージエア供給ダクト86の開閉弁863とが開放され、その他の開閉弁は閉じられている。これにより、排ガスは、蓄熱室811と、燃焼室810と、蓄熱室812とを通って第3の煙道7に排出される。また、パージエアは、蓄熱室813と、燃焼室810と、蓄熱室812とを通って第3の煙道7に排出される。すなわち、この運転サイクル(A)では、排ガスは直前のサイクルで昇温されている蓄熱体811aを通過することにより予熱され、蓄熱体811aは降温する。予熱された排ガスは、高温雰囲気下の燃焼室810で臭気成分が酸化分解されてクリーンガスとなり、蓄熱体812aを予熱しながら降温して(熱回収されて)排気される。その間、前サイクルで蓄熱体813a内に残留した排ガスは、パージエア(クリーンガス)によりパージされ、燃焼室810で酸化分解された後、蓄熱体812aを介して排気される。
運転サイクル(A)で一定時間を経過した後、運転サイクル(B)に移行する。運転サイクル(B)では、排ガス供給ダクト84の開閉弁842と、排気ダクト85の開閉弁853と、パージエア供給ダクト86の開閉弁861とが開放され、その他の開閉弁は閉じられている。これにより、排ガスは、蓄熱室812と、燃焼室810と、蓄熱室813とを通って第3の煙道7に排出される。また、パージエアは、蓄熱室811と、燃焼室810と、蓄熱室813とを通って第3の煙道7に排出される。すなわち、この運転サイクル(B)では、排ガスは運転サイクル(A)で昇温されている蓄熱体812aを通過することにより予熱され、蓄熱体812aは降温する。予熱された排ガスは、燃焼室810で臭気成分が酸化分解されてクリーンガスとなり、蓄熱体813aを予熱しながら降温して排気される。その間、運転サイクル(A)で蓄熱体811a内に残留した排ガスは、パージエアによりパージされ、燃焼室810で酸化分解された後、蓄熱体813aを介して排気される。
運転サイクル(B)で一定時間を経過した後、運転サイクル(C)に移行する。運転サイクル(C)では、排ガス供給ダクト84の開閉弁843と、排気ダクト85の開閉弁851と、パージエア供給ダクト86の開閉弁862とが開放されている。これにより、排ガスは、蓄熱室813と、燃焼室810と、蓄熱室811とを通って第3の煙道7に排出される。また、パージエアは、蓄熱室812と、燃焼室810と、蓄熱室811とを通って第3の煙道7に排出される。すなわち、この運転サイクル(C)では、排ガスは運転サイクル(B)で昇温されている蓄熱体813aを通過することにより予熱され、蓄熱体813aは降温する。予熱された排ガスは、燃焼室810で臭気成分が酸化分解されてクリーンガスとなり、蓄熱体811aを予熱しながら降温して排気される。その間、運転サイクル(B)で蓄熱体812a内に残留した排ガスは、パージエアによりパージされ、燃焼室810で酸化分解された後、蓄熱体811aを介して排気される。運転サイクル(C)で一定時間を経過した後、運転サイクル(A)に移行する。
蓄熱燃焼式脱臭装置8は、上述した3つの運転サイクル(A)〜(C)を順次繰り返して行うことにより、新骨材用乾燥炉32及び再生骨材用乾燥炉52の排ガスの臭気成分を酸化分解して脱臭する。蓄熱燃焼式脱臭装置8は、蓄熱体811a〜813aを用いて排ガスを予熱及び熱回収するので、アスファルトプラント1の熱効率を高め、排ガスの脱臭に必要な燃料消費量を抑えることができる。また、蓄熱燃焼式脱臭装置8は、予熱及び熱回収に用いられていない蓄熱体811a〜813aの残留ガスをパージするので、蓄熱体811a〜813aの詰まりを抑制し、メンテナンスの頻度を低減することができる。
このように、アスファルトプラント1に蓄熱燃焼式脱臭装置8を採用することにより、アスファルトプラント1の熱効率を高め、排ガスの脱臭に必要な燃料消費量を抑えることができる。しかしながら、従来のアスファルトプラントでは、一般的に直接燃焼式脱臭装置が採用されており、蓄熱燃焼式脱臭装置の採用例は少ない。再生骨材のリサイクルプラントで蓄熱燃焼式脱臭装置を利用した事例は知られているが、この事例では、燃焼室内で可燃性ガスである再生骨材の排ガスが燃焼し、燃焼室内の温度が臭気成分の酸化分解に必要な温度よりも高くなり、燃焼室を保護するために蓄熱燃焼式脱臭装置が強制的に停止されることがあった。例えば、アスファルトプラントに蓄熱燃焼式脱臭装置を採用し、この蓄熱燃焼式脱臭装置が強制的に停止された場合、アスファルト混合物の製造自体が滞ってしまう。
これに対し、本実施形態のアスファルトプラント1は、蓄熱燃焼式脱臭装置8に新骨材用乾燥炉32の排ガスと、再生骨材用乾燥炉52の排ガスとを混合して供給し、蓄熱燃焼式脱臭装置8内の排ガスの油分濃度が低くしているので、燃焼室810内で排ガスが燃焼するのを防ぐことができる。したがって、本実施形態によれば、アスファルトプラント1に対し、従来は採用が困難であった蓄熱燃焼式脱臭装置8を採用することができる。
次に、図9に示すフローチャートを参照しながら、本実施形態の作用について説明する。アスファルトプラント1は、新骨材用乾燥炉32により新骨材2を加熱・乾燥する(ステップS1)。その際に、第1の圧力センサ325は、新骨材用乾燥炉32の内圧を測定し、測定信号を制御装置15に送信する。制御装置15は、測定信号に基づいて、新骨材用乾燥炉32の内圧が高くなるほど第1の排風機36の排風量が大きくなり、かつ、新骨材用乾燥炉32から排ガスや粉塵が吹き出さない最小の排風量となるように、第1の排風機36の排風量を演算する。また、制御装置15は、演算した排風量に基づいて第1の排風機36を駆動する。新骨材用乾燥炉32により加熱・乾燥して排出された新骨材2は、トロリー装置又はホットエレベータ等によって搬送され、保温機能を備えたホットビンに貯蔵される。
アスファルトプラント1は、ステップS1と並行して、再生骨材用乾燥炉52により再生骨材4を加熱・乾燥する(ステップS2)。その際に、第2の圧力センサ526は、再生骨材用乾燥炉52の内圧を測定し、測定信号を制御装置15に送信する。制御装置15は、測定信号に基づいて、再生骨材用乾燥炉52の内圧が高くなるほど第2の排風機55の排風量が大きくなり、かつ、再生骨材用乾燥炉52から排ガスや粉塵が吹き出さない最小の排風量となるように、第2の排風機55の排風量を演算する。また、制御装置15は、演算した排風量に基づいて第2の排風機55を駆動する。再生骨材用乾燥炉52により加熱・乾燥して排出された再生骨材4は、トロリー装置又はベルトコンベア等により搬送され、保温機能を備えたサージビンに貯蔵される。
新骨材用乾燥炉32から第1の排風機36により送り出された排ガスは、第1の煙道33を通って第3の煙道7に送り込まれる。また、再生骨材用乾燥炉52から第2の排風機55により送り出された排ガスは、第2の煙道53を通って第3の煙道7に送り込まれる。これにより、第3の煙道7では、新骨材用乾燥炉32の排ガスと、再生骨材用乾燥炉52の排ガスとが混合される。混合された排ガスは、蓄熱燃焼式脱臭装置8に供給される。
アスファルトプラント1は、ステップS1及びステップS2と並行して、蓄熱燃焼式脱臭装置8により、混合された新骨材用乾燥炉32の排ガスと、再生骨材用乾燥炉52の排ガスとを脱臭する(ステップS3)。その際に、第3の圧力センサ83は、蓄熱燃焼式脱臭装置8の内圧を測定し、測定信号を制御装置15に送信する。制御装置15は、測定信号に基づいて、蓄熱燃焼式脱臭装置8の内圧が高くなるほど第3の排風機9の排風量が大きくなり、かつ、蓄熱燃焼式脱臭装置8から排ガス及び粉塵が吹き出さない最小の排風量となるように、第3の排風機9の排風量を演算する。また、制御装置15は、演算した排風量に基づいて第3の排風機9を駆動する。
アスファルトプラント1は、ステップS1〜S3と並行して、あるいは、ステップS1〜S3によって所定量の乾燥済みの新骨材2と再生骨材4とが貯留された後に、ミキサ13により新骨材2、再生骨材4、アスファルト11及び石粉12等を混合してアスファルト混合物14を製造する。アスファルト混合物14は、ミキサ13から排出され、トロリー装置又はホットエレベータ等により搬送され、保温機能を備えた合材ストレージビンに貯蔵される。
以上で説明したように、本実施形態のアスファルトプラント1は、新骨材2を乾燥する新骨材用乾燥炉32と、再生骨材4を乾燥する再生骨材用乾燥炉52と、新骨材用乾燥炉32で乾燥させた新骨材2と、再生骨材用乾燥炉52で乾燥させた再生骨材4と、アスファルト11等を混合するミキサ13と、新骨材用乾燥炉32で発生した排ガスと、再生骨材用乾燥炉52で発生した排ガスとを加熱して臭気成分を酸化分解する蓄熱燃焼式脱臭装置8と、を備えている。この構成によれば、新骨材用乾燥炉32の排ガスと、再生骨材用乾燥炉52の排ガスを1台の蓄熱燃焼式脱臭装置8で脱臭することができる。また、新骨材用乾燥炉32の排ガスを脱臭するために、新たに脱臭装置を設置する必要がないので、新たに脱臭装置を設置する場合に比べ、脱臭装置の燃料費と、COの排出量とを少なくすることができる。
また、本実施形態のアスファルトプラント1は、新骨材用乾燥炉32で発生した排ガスと、再生骨材用乾燥炉52で発生した排ガスとを集合させて蓄熱燃焼式脱臭装置8に供給する第3の煙道7を備えている。この構成によれば、新骨材用乾燥炉32で発生した排ガスと、再生骨材用乾燥炉52で発生した排ガスとが第3の煙道7内で混合されるので、油分、臭気成分等の成分濃度についてムラのない排ガスを蓄熱燃焼式脱臭装置8に供給することができる。
さらに、本実施形態のアスファルトプラント1は、新骨材用乾燥炉32で発生した排ガスを蓄熱燃焼式脱臭装置8に送り出す第1の排風機36と、再生骨材用乾燥炉52で発生した排ガスを蓄熱燃焼式脱臭装置8に送り出す第2の排風機55と、蓄熱燃焼式脱臭装置8で脱臭した排ガスを煙突10に送り出す第3の排風機9と、を備えている。この構成によれば、製造されるアスファルト混合物14の種類等に応じて、新骨材用乾燥炉32で発生する排ガス量と、再生骨材用乾燥炉52で発生する排ガス量と、蓄熱燃焼式脱臭装置8で脱臭される排ガス量とが変動した場合でも、第1の排風機36、第2の排風機55及び第3の排風機9によって、新骨材用乾燥炉32、再生骨材用乾燥炉52及び蓄熱燃焼式脱臭装置8の排ガスをそれぞれ最適な排風量で排出することができる。
また、本実施形態のアスファルトプラント1は、新骨材用乾燥炉32に接続している第1の煙道33と、再生骨材用乾燥炉52に接続している第2の煙道53と、第1の煙道33と第2の煙道53とを集合させた第3の煙道7と、を備えている。また、第1の排風機36は第1の煙道33に設置され、第2の排風機55は前記第2の煙道53に設置され、第3の排風機9は第3の煙道7に設置されている。この構成によれば、各排風機の排風量を演算して制御する際に、他の排風機が設置されている煙道の影響を考慮する必要がない。そのため、排風量の演算及び制御が容易になり、第1の排風機36、第2の排風機55及び第3の排風機9の制御に必要な処理負荷を低減することができる。
さらに、本実施形態のアスファルトプラント1は、新骨材用乾燥炉32の内圧を測定する第1の圧力センサ325と、再生骨材用乾燥炉52の内圧を測定する第2の圧力センサ526と、蓄熱燃焼式脱臭装置8の内圧を測定する第3の圧力センサと、第1の排風機36と、第2の排風機55と、第3の排風機9、を制御する制御装置15と、を備えている。そして、制御装置15は、第1の圧力センサ325の測定結果に基づいて、第1の排風機36の排風量を制御し、第2の圧力センサ526の測定結果に基づいて、第2の排風機55の排風量を制御し、第3の圧力センサ83の測定結果に基づいて、第3の排風機9の排風量を制御する。これによれば、新骨材用乾燥炉32と、再生骨材用乾燥炉52と、蓄熱燃焼式脱臭装置8稼働状況に基づいて、第1の排風機36、第2の排風機55及び第3の排風機9の排風量を制御するので、新骨材用乾燥炉32、再生骨材用乾燥炉52及び蓄熱燃焼式脱臭装置8の排ガスをそれぞれ最適な排風量で排出することができる。
また、本実施形態のアスファルトプラント1は、再生骨材用乾燥炉52について、傾斜された軸心周りに回転自在となるように支持され、収容した再生骨材4を攪拌しながら傾斜に沿って流動させる円筒形状の回転ドラム521と、回転ドラム521の両端部のうち、高い位置にある一端側から回転ドラム521内に再生骨材4を供給するコールドホッパ522と、回転ドラム521の他端側から回転ドラム521内に火炎を放射し、再生骨材4を加熱する乾燥用バーナ524と、を備えた直火向流式としている。そのため、従来、再生骨材4の乾燥に利用されていた直火並流式に比べて、高い熱効率を得ながら、環境負荷を小さくすることができる。
さらに、本実施形態のアスファルトプラント1は、再生骨材用乾燥炉52Aについて、回転ドラム521内で乾燥用バーナ524の火炎の周囲を覆う筒部材527を設けている。これにより、乾燥用バーナ524の火炎が再生骨材4に直接触れないので、再生骨材4に含まれるアスファルトの温度が上がりすぎて劣化するのを防ぐことができる。
また、本実施形態のアスファルトプラント1は、脱臭装置として、脱臭用バーナ82を有する燃焼室810と、燃焼室810にそれぞれ連通する2つ以上の蓄熱室811〜813と、を備え、新骨材用乾燥炉32及び再生骨材用乾燥炉52の排ガスを一の蓄熱室に供給して予熱し、予熱された排ガスを燃焼室810で脱臭用バーナ82により加熱して臭気成分を酸化分解し、臭気成分が酸化分解された排ガスを他の蓄熱室で熱回収してから排出する蓄熱燃焼式脱臭装置8を用いている。これによれば、蓄熱体811a〜813aを用いて排ガスを予熱及び熱回収するので、アスファルトプラント1の熱効率を高め、排ガスの脱臭に必要な燃料消費量を抑えることができる。また、蓄熱燃焼式脱臭装置8に新骨材用乾燥炉32の排ガスと、再生骨材用乾燥炉52の排ガスとを混合して供給し、蓄熱燃焼式脱臭装置8内の排ガスの油分濃度を低下させているので、燃焼室810内で排ガスが燃焼し、燃焼室810の保護のために蓄熱燃焼式脱臭装置8が強制的に停止されるのを防ぐことができる。
《第2実施形態》
次に、第1実施形態とは異なる手法で第3の排風機9の排風量を制御する第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同じ構成については、詳しい説明は省略する。第1実施形態の制御装置15は、図3に示すように、第3の圧力センサ83により測定された蓄熱燃焼式脱臭装置8の内圧に基づいて第3の排風機9の排風量を演算し、演算結果に基づいて第3の排風機9の排風量を制御している。これに対し、図10に示す本実施形態の制御装置15Aは、第1の排風機36の排風量の演算結果と、第2の排風機55の排風量の演算結果と、第3の圧力センサ83の測定結果とに基づいて、第3の排風機9の排風量を演算し、演算結果に基づいて第3の排風機9の排風量を制御している。
制御装置15Aは、例えば、第1の排風機36の排風量が30m/min、第2の排風機55の排風量が20m/minである場合、これらの排風量を加算し、加算した排風量50m/minと、第3の圧力センサ83の測定結果に基づいて、蓄熱燃焼式脱臭装置8から排ガス及び粉塵が吹き出さないように第3の排風機9の排風量を演算する。また、制御装置15Aは、演算結果に基づいて第3の排風機9の排風量を制御する。
第1実施形態では、第1の排風機36と第2の排風機55との排風量が変化すると、その排風量の変化に応じて蓄熱燃焼式脱臭装置8の内圧が変化し、この蓄熱燃焼式脱臭装置8の内圧の変化に基づいて第3の排風機9の排風量が制御している。すなわち、第1実施形態では、第1の排風機36と第2の排風機55の排風量が変化してから、第3の排風機9の排風量が制御されるまでの間にタイムラグがあるため、第3の排風機9の排風量の制御が開始される前に蓄熱燃焼式脱臭装置8から排ガス及び粉塵が吹き出すおそれがある。しかしながら、本実施形態によれば、第1の排風機36の排風量と、第2の排風機55の排風量とに基づいて第3の排風機9の排風量を制御するので、第1の排風機36と第2の排風機55の排風量が変化してから、第3の排風機9の排風量が制御されるまでの間のタイムラグを短くすることができ、蓄熱燃焼式脱臭装置8から排ガス等が吹き出すのを防ぐころができる。
上記各実施形態では、脱臭装置として蓄熱燃焼式脱臭装置8を用いたが、バーナによって炉内温度を上昇させる直接燃焼式脱臭装置を用いてもよい。また、第2実施形態では、第1の排風機36の排風量の演算結果と、第2の排風機55の排風量の演算結果と、第3の圧力センサ83の測定結果とに基づいて、第3の排風機9の排風量を制御したが、第3の圧力センサ83の測定結果を用いずに第3の排風機9の排風量を制御してもよい。これによれば、第1の排風機36と第2の排風機55の排風量が変化してから、第3の排風機9の排風量が制御されるまでの間のタイムラグをさらに短くすることができる。また、再生骨材乾燥ライン5のみを稼働してアスファルト混合物を製造する場合、再生骨材用乾燥炉52の排ガスの油分濃度によっては、蓄熱燃焼式脱臭装置8で排ガスが燃焼するおそれがある。この場合には、新骨材乾燥ライン3の第1の排風機36を稼働させて排ガスの油分濃度を下げるようにしてもよい。また、上記各実施形態では、直火向流式の再生骨材用乾燥炉52を用いる例について説明したが、直火向流式の再生骨材用乾燥炉52の代わりに、直火並流式の再生骨材用乾燥炉を用いてもよい。
1…アスファルトプラント
2…新骨材
3…新骨材乾燥ライン
32…新骨材用乾燥炉
321…回転ドラム
322…コールドホッパ
323…ホットホッパ
324…乾燥用バーナ
325…第1の圧力センサ(第1の内圧測定手段)
36…第1の排風機
4…再生骨材
5…再生骨材乾燥ライン
52…再生骨材用乾燥炉
521…回転ドラム
522…コールドホッパ
523…ホットホッパ
524…乾燥用バーナ(第2のバーナ)
526…第2の圧力センサ(第2の内圧測定手段)
527…筒部材
55…第2の排風機
6…混合ライン
7…第3の煙道
8…蓄熱燃焼式脱臭装置
810…燃焼室
811〜813…蓄熱室
82…脱臭用バーナ(第1のバーナ)
83…第3の圧力センサ(第3の内圧測定手段)
9…第3の排風機
15…制御装置(制御手段)

Claims (10)

  1. 新骨材を乾燥する新骨材用乾燥炉と、
    再生骨材を乾燥する再生骨材用乾燥炉と、
    前記新骨材用乾燥炉で乾燥させた新骨材と、前記再生骨材用乾燥炉で乾燥させた再生骨材と、アスファルトとを混合するミキサと、を備えたアスファルトプラントであって、
    前記新骨材用乾燥炉で発生した排ガスと、前記再生骨材用乾燥炉で発生した排ガスと、を加熱して臭気成分を酸化分解する脱臭装置を備えたアスファルトプラント。
  2. 請求項1に記載のアスファルトプラントであって、
    前記脱臭装置は、第1のバーナを有する燃焼室と、前記燃焼室にそれぞれ連通する2つ以上の蓄熱室と、を備え、前記新骨材用乾燥炉及び前記再生骨材用乾燥炉の排ガスを一の前記蓄熱室に供給して予熱し、予熱された排ガスを前記燃焼室で前記第1のバーナにより加熱して臭気成分を酸化分解し、臭気成分が酸化分解された排ガスを他の前記蓄熱室で熱回収してから排出する蓄熱燃焼式脱臭装置であるアスファルトプラント。
  3. 請求項1又は2に記載のアスファルトプラントであって、
    前記新骨材用乾燥炉で発生した排ガスを前記脱臭装置に送り出す第1の排風機と、
    前記再生骨材用乾燥炉で発生した排ガスを前記脱臭装置に送り出す第2の排風機と、
    前記脱臭装置で脱臭した排ガスを排気口に送り出す第3の排風機と、を備えたアスファルトプラント。
  4. 請求項3に記載のアスファルトプラントであって、
    前記新骨材用乾燥炉で発生した排ガスと、前記再生骨材用乾燥炉で発生した排ガスと、を集合させて前記脱臭装置に供給する煙道を備えたアスファルトプラント。
  5. 請求項4に記載のアスファルトプラントであって、
    前記煙道は、
    前記新骨材用乾燥炉に接続している第1の煙道と、
    前記再生骨材用乾燥炉に接続している第2の煙道と、
    前記第1の煙道と前記第2の煙道とを集合させた第3の煙道と、を備えており、
    前記第1の排風機は、前記第1の煙道に設置され、
    前記第2の排風機は、前記第2の煙道に設置され、
    前記第3の排風機は、前記第3の煙道に設置されているアスファルトプラント。
  6. 請求項3〜5のいずれか1項に記載のアスファルトプラントであって、
    前記新骨材用乾燥炉の内圧を測定する第1の内圧測定手段と、
    前記再生骨材用乾燥炉の内圧を測定する第2の内圧測定手段と、
    前記脱臭装置の内圧を測定する第3の内圧測定手段と、
    前記第1の排風機と、前記第2の排風機と、前記第3の排風機と、を制御する制御手段と、を備えており、
    前記制御手段は、
    前記第1の内圧測定手段の測定結果に基づいて、前記第1の排風機の排風量を制御し、
    前記第2の内圧測定手段の測定結果に基づいて、前記第2の排風機の排風量を制御し、
    前記第3の内圧測定手段の測定結果に基づいて、前記第3の排風機の排風量を制御するアスファルトプラント。
  7. 請求項3〜5のいずれか1項に記載のアスファルトプラントであって、
    前記新骨材用乾燥炉の内圧を測定する第1の内圧測定手段と、
    前記再生骨材用乾燥炉の内圧を測定する第2の内圧測定手段と、
    前記第1の排風機と、前記第2の排風機と、前記第3の排風機と、を制御する制御手段と、を備えており、
    前記制御手段は、
    前記第1の内圧測定手段の測定結果に基づいて、前記第1の排風機の排風量を制御し、
    前記第2の内圧測定手段の測定結果に基づいて、前記第2の排風機の排風量を制御し、
    前記第1の排風機の排風量と、前記第2の排風機の排風量とに基づいて、前記第3の排風機の排風量を制御するアスファルトプラント。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のアスファルトプラントであって、
    前記再生骨材用乾燥炉は、
    傾斜された軸心の周りで回転自在となるように支持され、収容した再生骨材を攪拌しながら傾斜に沿って流動させる円筒形状の回転ドラムと、
    前記回転ドラムの両端部のうち、高い位置にある一端側から前記回転ドラム内に再生骨材を供給する骨材供給手段と、
    前記回転ドラムの他端側から前記回転ドラム内に火炎を放射し、再生骨材を加熱する第2のバーナと、を備えるアスファルトプラント。
  9. 請求項8に記載のアスファルトプラントであって、
    前記再生骨材用乾燥炉は、前記回転ドラム内で前記第2のバーナの火炎の周囲を覆う筒部材を備えているアスファルトプラント。
  10. 新骨材を新骨材用乾燥炉により乾燥する第1の工程と、
    再生骨材を再生骨材用乾燥炉により乾燥する第2の工程と、
    前記第1の工程で乾燥させた新骨材と、前記第2の工程で乾燥させた再生骨材と、アスファルトとをミキサにより混合する第3の工程と、を備えたアスファルト混合物の製造方法であって、
    前記第1の工程で発生した排ガスと、前記第2の工程で発生した排ガスと、を脱臭装置により加熱して臭気成分を酸化分解する第4の工程を備えたアスファルト混合物の製造方法。
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