JP2021102582A - 毛髪の染色方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】メラニン前駆体を含有する染毛剤組成物を用いて灰色〜黒色に染色された毛髪を、より赤味が強く、明るい自然な色合いに変化させることが可能な毛髪染色方法の提供。【解決手段】下記工程1及び工程2を順に有する、毛髪の染色方法。工程1:下記一般式(1A)で表される化合物又はその塩(A)、(A)の誘導体であるインドール−2−カルボン酸化合物又はその塩(B)、及びアルカリ剤(C)を含有し、質量比(B)/(A)が0.01以上0.5以下であり、pHが9以上11以下である染毛剤組成物(I)を毛髪に適用する工程〔式中、破線はπ結合の存在又は不存在を示す。R1は水酸基又はアセトキシ基を示す。R2は水素原子、アセチル基、メチル基又はエチル基を示す。〕工程2:有機酸(D)を含有し、pHが5.5以下である毛髪処理剤(II)を毛髪に適用する工程【選択図】なし

Description

本発明は、毛髪の染色方法に関する。
従来、白髪染め用の染毛剤組成物として、メラニン前駆体である、5,6−ジヒドロキシインドール、5,6−ジヒドロキシインドリン又はこれらの誘導体(以下、これらを総称して単に「ジヒドロキシインドール誘導体」ともいう)を使用した空気酸化型染毛剤組成物が知られている。これらメラニン前駆体は酸化剤を使用しないため、染毛剤組成物に用いた場合にも毛髪の傷みが少なく、また染毛剤用染料としての簡便性も高い。
上記メラニン前駆体により染色された毛髪は通常灰色〜黒色を呈するが天然の毛髪はメラニン前駆体により染色される色よりも赤味が強く明るい色合いを有している。そのため、メラニン前駆体を着色成分として利用していても、毛髪をより自然な色合いに染色する要望が高まっている。
例えば特許文献1、2には、5,6−ジヒドロキシインドールと5,6−ジヒドロキシインドール−2−カルボン酸との組み合わせに、アスコルビン酸又はその塩、亜硫酸又はその塩のいずれかの酸化剤、非イオン界面活性剤及び増粘ポリマーを併用することで、染め上がりの色味を変化させることが開示されている。
また、特許文献3には、ジヒドロキシインドール誘導体または追加のマスキング着色剤を使用せずに、ジヒドロキシインドール誘導体によりヘアダイされた毛髪の色をより天然に見える色になるように変化させる方法として、ジヒドロキシインドールによりヘアダイされた毛髪を酸性溶液により有効時間トリートメントし、そのトリートメントされた毛髪をすすぐ工程を含む方法が開示されている。
特開2007−326810号公報 特開2007−326811号公報 特開平6−40866号公報
特許文献1又は2に開示された方法では、アスコルビン酸、亜硫酸ナトリウム等の酸化防止剤を用い、ジヒドロキシインドール誘導体の酸化反応を変化させることで、染め上がりの色味を変化させているが、色味の変化度が比較的小さい。さらにアスコルビン酸等は経時で加水分解されやすく、経時で色味の変化度が変わってしまうという課題があった。
特許文献3の実施例に開示された方法では、予め硫酸銅水溶液により髪房をトリートメントした後にジヒドロキシインドール誘導体によりヘアダイし、次いで、これらの髪房を種々の酸性溶液により後トリートメントしている。硫酸銅水溶液はジヒドロキシインドール誘導体の酸化反応を促進する触媒として作用していると考えられる。
しかしながら上記方法では、所望する髪色に変化させるためには酸性溶液によるトリートメントに時間がかかり、頭皮又は毛髪にダメージを与える懸念がある。また、色味の変化度も低く、ジヒドロキシインドール誘導体により染色された灰色〜黒色の毛髪を赤味のある明るい色合いに変化させるという観点では改善の余地があった。さらに重金属含有触媒を使用することから、環境安全性の観点からも好ましい方法といえるものではなかった。
本発明の課題は、メラニン前駆体を含有する染毛剤組成物を用いて染色された灰色〜黒色の毛髪を、より赤味が強く、明るい自然な色合いに染めることが可能な毛髪の染色方法を提供することにある。
本発明者らは、2種のメラニン前駆体を所定の質量比で含有する染毛剤組成物を毛髪に適用する工程、及び所定の毛髪処理剤を毛髪に適用する工程を順に有する毛髪の染色方法が、前記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は下記[1]〜[2]に関する。
[1]下記工程1及び工程2を順に有する、毛髪の染色方法。
工程1:下記一般式(1A)で表される化合物又はその塩(A)、下記一般式(1B)で表される化合物又はその塩(B)、及びアルカリ剤(C)を含有し、質量比(B)/(A)が0.01以上0.5以下であり、pHが9以上11以下である染毛剤組成物(I)を毛髪に適用する工程
Figure 2021102582

〔式中、破線はπ結合の存在又は不存在を示す。Rは水酸基又はアセトキシ基を示す。Rは水素原子、アセチル基、メチル基又はエチル基を示す。〕
Figure 2021102582

〔式中、破線はπ結合の存在又は不存在を示す。Rは水酸基又はアセトキシ基を示す。Rは水素原子、アセチル基、メチル基又はエチル基を示す。Rは水素原子、メチル基又はエチル基を示す。〕
工程2:有機酸(D)を含有し、pHが5.5以下である毛髪処理剤(II)を毛髪に適用する工程
[2]前記一般式(1A)で表される化合物又はその塩(A)、前記一般式(1B)で表される化合物又はその塩(B)、及びアルカリ剤(C)を含有し、質量比(B)/(A)が0.01以上0.5以下であり、pHが9以上11以下である染毛剤組成物(I)と、有機酸(D)を含有し、pHが5.5以下である毛髪処理剤(II)とを備えた染毛用キット。
本発明の方法によれば、通常灰色〜黒色を呈する、メラニン前駆体により染色された毛髪を、より赤味が強く、明るい自然な色合いに短時間で変化させることが可能になる。そのため、毛髪処理時間を非常に短くすることができ、実使用における簡便性に優れる。
[毛髪の染色方法]
本発明の毛髪の染色方法(以下、「本発明の染毛方法」又は単に「本発明の方法」ともいう)は、下記工程1及び工程2を順に有することを特徴とする。
工程1:下記一般式(1A)で表される化合物又はその塩(A)、下記一般式(1B)で表される化合物又はその塩(B)、及びアルカリ剤(C)を含有し、質量比(B)/(A)が0.01以上0.5以下であり、pHが9以上11以下である染毛剤組成物(I)を毛髪に適用する工程
Figure 2021102582

〔式中、破線はπ結合の存在又は不存在を示す。Rは水酸基又はアセトキシ基を示す。Rは水素原子、アセチル基、メチル基又はエチル基を示す。〕
Figure 2021102582

〔式中、破線はπ結合の存在又は不存在を示す。Rは水酸基又はアセトキシ基を示す。Rは水素原子、アセチル基、メチル基又はエチル基を示す。Rは水素原子、メチル基又はエチル基を示す。〕
工程2:有機酸(D)を含有し、pHが5.5以下である毛髪処理剤(II)を毛髪に適用する工程
本発明は上記構成であることにより、工程1においてメラニン前駆体を含有する染毛剤組成物を用いて染色された灰色〜黒色の毛髪を、工程2で、より赤味が強く明るい色合いに短時間で変化させることができる。
<工程1>
工程1は、下記一般式(1A)で表される化合物又はその塩(A)、下記一般式(1B)で表される化合物又はその塩(B)、及びアルカリ剤(C)を含有し、質量比(B)/(A)が0.01以上0.5以下であり、pHが9以上11以下である染毛剤組成物(I)を毛髪に適用する工程である。工程1では、染毛剤組成物(I)を毛髪に塗布、又は毛髪を浸漬させること等により適用して染毛する。
Figure 2021102582

〔式中、破線はπ結合の存在又は不存在を示す。Rは水酸基又はアセトキシ基を示す。Rは水素原子、アセチル基、メチル基又はエチル基を示す。〕
Figure 2021102582

〔式中、破線はπ結合の存在又は不存在を示す。Rは水酸基又はアセトキシ基を示す。Rは水素原子、アセチル基、メチル基又はエチル基を示す。Rは水素原子、メチル基又はエチル基を示す。〕
(染毛剤組成物(I))
染毛剤組成物(I)は、前記一般式(1A)で表される化合物又はその塩(A)、前記一般式(1B)で表される化合物又はその塩(B)、及びアルカリ剤(C)を含有し、質量比(B)/(A)が0.01以上0.5以下であり、pHが9以上11以下である。
〔一般式(1A)で表される化合物又はその塩(A)〕
染毛剤組成物(I)は、下記一般式(1A)で表される化合物又はその塩である成分(A)を含有する。成分(A)は毛髪の着色成分として作用する。
Figure 2021102582

〔式中、破線はπ結合の存在又は不存在を示す。Rは水酸基又はアセトキシ基を示す。Rは水素原子、アセチル基、メチル基又はエチル基を示す。〕
成分(A)のメラニン前駆体は、一般式(1A)で表される化合物であるインドール誘導体又はインドリン誘導体、又はこれらの塩であり、本発明においてはその1種又は2種以上の組み合わせを用いることができる。成分(A)は、高染毛性の観点からインドール誘導体(すなわち、一般式(1A)中の破線部分にπ結合が存在する)であることがより好ましい。
また、成分(A)の入手性及び染毛性、並びに赤味の強い明るい色合いに染毛する観点から、一般式(1A)において、Rは好ましくは水酸基であり、Rは好ましくは水素原子である。
前記一般式(1A)で表される化合物としては、5,6−ジヒドロキシインドール、N−メチル−5,6−ジヒドロキシインドール、N−エチル−5,6−ジヒドロキシインドール、N−アセチル−5,6−ジヒドロキシインドール、N−メチル−5,6−ジヒドロキシインドリン、N−エチル−5,6−ジヒドロキシインドリン、N−アセチル−5,6−ジヒドロキシインドリン、等が挙げられる。
前記一般式(1A)で表される化合物の塩としては、該化合物の塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、乳酸塩、クエン酸塩等が挙げられ、なかでも入手性の観点から臭化水素酸塩が好ましい。
毛髪を自然な色合いに染める観点から、成分(A)としては5,6−ジヒドロキシインドール、5,6−ジヒドロキシインドリン、及びこれらの塩からなる群から選ばれる1種以上が好ましく、5,6−ジヒドロキシインドール又はその塩がより好ましく、5,6−ジヒドロキシインドールがさらに好ましい。
染毛剤組成物(I)中の成分(A)の含有量は、高染毛性を得る観点から、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは0.2質量%以上、よりさらに好ましくは0.3質量%以上であり、赤味の強い明るい色合いに染毛する観点、及び経済性の観点から、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下、よりさらに好ましくは0.8質量%以下である。
〔一般式(1B)で表される化合物又はその塩(B)〕
染毛剤組成物(I)は、下記一般式(1B)で表される化合物又はその塩である成分(B)を含有する。成分(B)も毛髪の着色成分として作用する。
Figure 2021102582

〔式中、破線はπ結合の存在又は不存在を示す。Rは水酸基又はアセトキシ基を示す。Rは水素原子、アセチル基、メチル基又はエチル基を示す。Rは水素原子、メチル基又はエチル基を示す。〕
成分(B)は、一般式(1B)で表される化合物であるインドール誘導体又はインドリン誘導体、又はこれらの塩であり、本発明においてはその1種又は2種以上の組み合わせを用いることができる。成分(B)は、高染毛性の観点からインドール誘導体又はその塩であることがより好ましい。
また、成分(B)の入手性及び染毛性、並びに赤味の強い明るい色合いに染毛する観点から、一般式(1B)において、Rは好ましくは水酸基であり、Rは好ましくは水素原子である。
前記一般式(1B)で表される化合物としては、5,6−ジヒドロキシインドール−2−カルボン酸、5,6−ジヒドロキシインドール−2−カルボン酸メチル、5,6−ジヒドロキシインドール−2−カルボン酸エチル、N−メチル−5,6−ジヒドロキシインドール−2−カルボン酸、N−エチル−5,6−ジヒドロキシインドール−2−カルボン酸、N−アセチル−5,6−ジヒドロキシインドール−2−カルボン酸、5−アセトキシ−6−ヒドロキシインドール−2−カルボン酸、5,6−ジヒドロキシインドリン−2−カルボン酸、5,6−ジヒドロキシインドリン−2−カルボン酸メチル、5,6−ジヒドロキシインドリン−2−カルボン酸エチル、N−メチル−5,6−ジヒドロキシインドリン−2−カルボン酸、N−エチル−5,6−ジヒドロキシインドリン−2−カルボン酸、N−アセチル−5,6−ジヒドロキシインドリン−2−カルボン酸、5−アセトキシ−6−ヒドロキシインドリン−2−カルボン酸、等が挙げられる。
前記一般式(1B)で表される化合物の塩としては、該化合物の塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、乳酸塩、クエン酸塩等が挙げられ、なかでも入手性の観点から臭化水素酸塩が好ましい。
また一般式(1B)においてRが水素原子である場合、一般式(1B)で表される化合物の塩としては、そのカルボン酸塩(−COORが−COO(Xは、Na、K等のアルカリ金属イオン、Ca、Mg等のアルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオンなどの陽イオン)である)が挙げられる。
毛髪を赤味の強い明るい色合いに染める観点から、成分(B)としては5,6−ジヒドロキシインドール−2−カルボン酸、5,6−ジヒドロキシインドール−2−カルボン酸メチル、5,6−ジヒドロキシインドール−2−カルボン酸エチル及びこれらの塩からなる群から選ばれる1種以上が好ましく、5,6−ジヒドロキシインドール−2−カルボン酸又はその塩がより好ましく、5,6−ジヒドロキシインドール−2−カルボン酸がさらに好ましい。
染毛剤組成物(I)中の成分(A)と成分(B)との質量比(B)/(A)は、赤味の強い明るい色合いに染毛する観点から、0.01以上であり、好ましくは0.02以上、より好ましくは0.05以上、さらに好ましくは0.1以上、よりさらに好ましくは0.15以上であり、高染毛性を得る観点から、0.5以下であり、好ましくは0.4以下、より好ましくは0.3以下、さらに好ましくは0.25以下である。
染毛剤組成物(I)中の成分(B)の含有量は、質量比(B)/(A)が上記範囲となる量である限り特に制限されないが、赤味の強い明るい色合いに染毛する観点から、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.005質量%以上、さらに好ましくは0.01質量%以上、よりさらに好ましくは0.05質量%以上、よりさらに好ましくは0.08質量%以上であり、高染毛性を得る観点、及び経済性の観点から、好ましくは2.5質量%以下、より好ましくは1.5質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下、よりさらに好ましくは0.5質量%以下、よりさらに好ましくは0.25質量%以下である。
また染毛剤組成物(I)中の成分(A)及び成分(B)の合計含有量は、高染毛性を得る観点から、好ましくは0.06質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは0.2質量%以上、よりさらに好ましくは0.3質量%以上であり、赤味の強い明るい色合いに染毛する観点、及び経済性の観点から、好ましくは7.5質量%以下、より好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは3質量%以下、よりさらに好ましくは1質量%以下である。
〔アルカリ剤(C)〕
染毛剤組成物(I)は、成分(C)としてアルカリ剤を含有する。
成分(C)としては、通常の染毛剤組成物に使用されるアルカリ剤であれば特に制限なく用いることができる。当該アルカリ剤としては、例えば、アンモニア;モノ−、ジ−又はトリメタノールアミン、モノ−、ジ−又はトリエタノールアミン、トリスヒドロキシメチルアミノメタン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等のアルカノールアミン;メチルアミン、ジメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、N−メチルエチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン等のアルキルアミン;ベンジルアミン等のアラルキルアミン;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機アルカリ化合物等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。アルカノールアミン、アルキルアミン、又はアラルキルアミンの炭素数は、水溶性の観点から、好ましくは10以下、より好ましくは8以下である。
なかでも、赤味の強い明るい色合いに染毛する観点からは、成分(C)は有機アルカリ剤であることが好ましく、アンモニア、アルカノールアミン、アルキルアミン、及びアラルキルアミンからなる群から選ばれる1種以上がより好ましく、アンモニア及びアルカノールアミンからなる1種以上を含むことがさらに好ましく、アルカノールアミンを含むことがよりさらに好ましい。アルカノールアミンとして、赤味の強い明るい色合いに染毛する観点からは、特にモノエタノールアミン、トリスヒドロキシメチルアミノメタン及び2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールからなる群から選ばれる1種以上を含むことが好ましく、モノエタノールアミン及び2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールからなる群から選ばれる1種以上を含むことがより好ましい。
成分(C)中のアルカノールアミンの含有量は、赤味の強い明るい色合いに染毛する観点から、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上であり、100質量%以下である。
染毛剤組成物(I)中の成分(C)の含有量は、高染毛性を得る観点、及び赤味の強い明るい色合いに染毛する観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは0.5質量%以上、よりさらに好ましくは1質量%以上であり、刺激性を抑制する観点から、好ましくは10質量%以下、より好ましくは8質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下である。
〔その他の成分〕
染毛剤組成物(I)は、前記成分の他、染毛剤組成物に通常使用される成分を、本発明の目的を損なわない範囲で適宜含有してもよい。当該成分としては、例えば、界面活性剤、pH調整剤、粘度調整剤、酸化防止剤、シリコーン、芳香族アルコール、成分(A)以外の染色剤、ポリマー、油剤、抗フケ剤、ビタミン剤、殺菌剤、抗炎症剤、防腐剤、キレート剤、保湿剤、パール剤、セラミド類、香料、紫外線吸収剤等が挙げられる。
本発明の方法によれば、染毛剤組成物(I)において成分(A)及び成分(B)以外の染色剤を用いなくても赤味の強い明るい色合いに染毛できる。したがって成分(A)及び成分(B)以外の着色成分は、染毛剤組成物(I)中に実質的に含有しなくてもよい。なお、実質的に含有しないとは、染毛剤組成物(I)中の含有量として、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、さらに好ましくは0.2質量%以下であり、よりさらに好ましくは0質量%である。
成分(A)及び成分(B)以外の染色剤としては、通常染毛剤組成物に用いられる酸化染料(プレカーサー及びカップラーから構成される)、直接染料が挙げられる。
〔水性媒体〕
染毛剤組成物(I)は、通常、水性媒体を含有する。水性媒体としては、水;エタノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール;1,3−ブチレングリコール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール等の炭素数6以下の低分子ジオール及びトリオールが挙げられ、毛髪との親和性の観点から、水及びエタノールからなる群から選ばれる1種以上が好ましい。
染毛剤組成物(I)中の水性媒体の含有量は、通常、1〜99質量%の範囲であり、その剤型により適宜選択することができる。毛髪のすすぎのしやすさの観点からは、染毛剤組成物(I)中の水性媒体の含有量は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上であり、毛髪処理後の毛髪の乾燥を容易にする観点から、好ましくは98質量%以下である。
染毛剤組成物(I)の剤型には特に制限はなく、例えば液体状、泡状、ペースト状、クリーム状、固形状、粉末状等、任意の剤型とすることが可能である。毛髪に塗布、浸漬等により適用する観点からは、染毛剤組成物(I)の剤型は液体状、ペースト状又はクリーム状が好ましく、液体状がより好ましい。
染毛剤組成物(I)の製造方法は特に限定されない。例えば、成分(A)〜(C)、及び必要に応じて用いられるその他の成分を配合し、公知の攪拌装置等を用いて混合することにより製造できる。
〔pH〕
染毛剤組成物(I)のpHは、高染毛性の観点から9以上であり、好ましくは9.5超であり、より好ましくは9.8以上である。また当該pHは、毛髪へのダメージ抑制の観点から、11以下であり、好ましくは10.8以下であり、より好ましくは10.5以下である。
上記pHは25℃における測定値であり、具体的には実施例に記載の方法により測定できる。
工程1では、上記染毛剤組成物(I)を毛髪に適用する。染毛剤組成物(I)を毛髪に適用する方法としては、染毛剤組成物(I)を毛髪に接触させることができる方法であればよく、例えば、該組成物を乾燥状態又は湿潤状態の毛髪に塗布する方法、該組成物に乾燥状態又は湿潤状態の毛髪を浸漬させる方法等が挙げられる。
毛髪に適用する染毛剤組成物(I)の量は、染毛性及び経済性のバランスの観点から、浴比(毛髪の質量:染毛剤組成物の質量)で、好ましくは1:0.2〜1:20、より好ましくは1:0.5〜1:10であり、さらに好ましくは1:2〜1:8である。適用対象となる毛髪は頭髪であることが好ましく、頭髪の少なくとも一部であればよい。
染毛剤組成物(I)を毛髪に塗布する場合、塗布時間は、毛髪内に成分(A)及び成分(B)を浸透させる観点から、好ましくは10秒以上、より好ましくは20秒以上であり、施術者への負担を低減する観点から、好ましくは10分以下、より好ましくは5分以下である。また染毛剤組成物(I)に毛髪を浸漬する場合、浸漬時間は、毛髪内に成分(A)及び成分(B)を浸透させる観点から、好ましくは1分以上、より好ましくは3分以上であり、施術者への負担を低減する観点から、好ましくは60分以下、より好ましくは30分以下である。
染毛剤組成物(I)を毛髪に適用した後、さらに放置する工程を行うことが好ましい。この際の放置時間は、毛髪内に成分(A)及び成分(B)を浸透させる観点から、好ましくは1分以上、より好ましくは3分以上であり、施術者への負担を低減する観点から、好ましくは30分以下、より好ましくは20分以下である。
工程1において、染毛剤組成物(I)を毛髪に適用させる時間、すなわち染毛剤組成物(I)を毛髪に塗布又は浸漬する時間及び放置時間の合計は、適宜変更することが可能であるが、毛髪内に成分(A)及び成分(B)を浸透させる観点から、好ましくは30秒以上、より好ましくは2分以上、さらに好ましくは4分以上であり、施術者への負担を低減する観点から、好ましくは90分以下、より好ましくは60分以下、さらに好ましくは50分以下、よりさらに好ましくは40分以下である。
工程1を行う際の温度は特に制限されないが、染毛剤組成物(I)の取り扱い性の観点から、好ましくは40℃以下、より好ましくは35℃以下である。また、染毛性を向上させる観点から、好ましくは25℃以上、より好ましくは30℃以上である。
<すすぎ工程>
本発明の方法は、毛髪内に浸透されなかった成分(A)及び成分(B)を除去する観点から、工程1と工程2との間に、毛髪をすすぎ流す工程(以下、単に「すすぎ工程」ともいう)を有することが好ましい。すすぎ工程は、例えば、毛髪に適用した染毛剤組成物(I)を水で洗い流すことにより行われる。
<乾燥工程>
本発明の方法は、工程1と工程2との間に、適宜、毛髪を乾燥させる工程(以下、単に「乾燥工程」ともいう)を有することができる。前記すすぎ工程を行う場合は、工程1及びすすぎ工程を行った後、工程2の前に乾燥工程を行うことが好ましい。
毛髪を乾燥させる工程とは毛髪の水分量を低減させる工程であり、例えば、積極的に毛髪の水分を低減させるために、タオルドライ、ドライヤー(冷風又は熱風)乾燥、風乾、及びこれらの2種以上の乾燥処理を組み合わせて行うことが含まれる。
<工程2>
工程2は、有機酸(D)を含有し、pHが5.5以下である毛髪処理剤(II)を毛髪に適用する工程である。工程2では、毛髪処理剤(II)を毛髪に適用することで、毛髪内に浸透した着色成分の色シフトを生じさせ、赤味の強い明るい色合いに染毛することが可能となる。
(毛髪処理剤(II))
毛髪処理剤(II)は、有機酸(D)を含有し、pHが5.5以下である。
〔有機酸(D)〕
毛髪処理剤(II)は、成分(D)として有機酸を含有する。有機酸としては、赤味の強い明るい色合いに染毛する観点、毛髪処理剤(II)への溶解性の観点、及び頭皮や毛髪へのダメージ抑制の観点から、炭素数8以下の脂肪族カルボン酸、炭素数10以下の芳香族スルホン酸、又はこれらの塩からなる群から選ばれる1種以上が好ましい。
該塩としては、例えば、アンモニウム塩、アルキルアンモニウム塩等のアンモニウム塩;ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩が挙げられ、アンモニウム塩、ナトリウム塩、又はカリウム塩が好ましい。
炭素数8以下の脂肪族カルボン酸又はその塩としては、例えば、リンゴ酸、クエン酸、乳酸、グリコール酸、ピロリドンカルボン酸、マロン酸、マレイン酸、ニコチン酸、安息香酸、グリセリン酸、酒石酸、及びこれらの塩が挙げられる。中でも、リンゴ酸、クエン酸、乳酸、グリコール酸、グリセリン酸、酒石酸、及びこれらの塩からなる群から選ばれる1種以上が好ましい。
炭素数10以下の芳香族スルホン酸又はその塩としては、例えば、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、2,4−ジメチルベンゼンスルホン酸、2,5−ジメチルベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、サッカリン、及びこれらの塩が挙げられる。中でも、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、及びこれらの塩からなる群から選ばれる1種以上が好ましい。
成分(D)は1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
中でも、赤味の強い明るい色合いに染毛する観点、毛髪処理剤(II)への溶解性の観点、及び頭皮や毛髪へのダメージ抑制の観点から、成分(D)としては炭素数8以下の脂肪族カルボン酸又はその塩を含むことが好ましく、リンゴ酸、クエン酸、乳酸、グリコール酸、グリセリン酸、酒石酸、及びこれらの塩からなる群から選ばれる1種以上を含むことがより好ましく、リンゴ酸、クエン酸、乳酸及びこれらの塩からなる群から選ばれる1種以上を含むことがさらに好ましく、乳酸又はその塩を含むことがさらに好ましい。
成分(D)中の炭素数8以下の脂肪族カルボン酸又はその塩の含有量は、赤味の強い明るい色合いに染毛する観点、毛髪処理剤(II)への溶解性の観点、及び毛髪へのダメージ抑制の観点から、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上であり、100質量%以下である。
毛髪処理剤(II)中の成分(D)の含有量は、赤味の強い明るい色合いに染毛する観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、さらに好ましくは5質量%以上であり、頭皮や毛髪へのダメージ抑制の観点から、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは15質量%以下である。
〔その他の成分〕
毛髪処理剤(II)は、前記成分の他、本発明の目的を損なわない範囲でその他の成分を適宜含有してもよい。当該成分としては、前記染毛剤組成物(I)において「その他の成分」として例示した成分が挙げられ、例えばpH調整剤、粘度調整剤等を含有することができる。
〔水性媒体〕
毛髪処理剤(II)は、通常、水性媒体を含有する。水性媒体としては、前記染毛剤組成物(I)において例示した成分が挙げられ、水が好ましい。
毛髪処理剤(II)中の水性媒体の含有量は、その剤型により適宜選択することができるが、通常、1〜99質量%の範囲である。毛髪のすすぎやすさの観点から、毛髪処理剤(II)中の水性媒体の含有量は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上であり、毛髪処理後の毛髪の乾燥を容易にする観点から、好ましくは98質量%以下である。
毛髪処理剤(II)の剤型には特に制限はなく、例えば液体状、泡状、ペースト状、クリーム状等、任意の剤型とすることが可能である。毛髪に塗布、浸漬等により適用する観点からは、毛髪処理剤(II)の剤型は液体状、ペースト状又はクリーム状が好ましく、液体状がより好ましい。
毛髪処理剤(II)の製造方法も特に限定されず、例えば、成分(D)及び必要に応じて用いられるその他の成分を配合し、公知の攪拌装置等を用いて混合することにより製造できる。
〔pH〕
毛髪処理剤(II)のpHは、赤味の強い明るい色合いに染毛する観点から、5.5以下であり、好ましくは4.5以下、より好ましくは4以下、さらに好ましくは4未満、よりさらに好ましくは3.8以下である。また当該pHは、高染毛性を得る観点、及び頭皮や毛髪へのダメージ抑制の観点から、好ましくは2以上であり、より好ましくは2.3以上である。
上記pHは25℃における測定値であり、具体的には実施例に記載の方法により測定できる。
工程2では、上記毛髪処理剤(II)を毛髪に適用する。毛髪処理剤(II)を毛髪に適用する方法としては、該処理剤を毛髪に接触させることができる方法であればよく、例えば、該処理剤を毛髪に塗布する方法、該処理剤に毛髪を浸漬させる方法等が挙げられる。
毛髪に適用する毛髪処理剤(II)の量は、赤味の強い明るい色合いに染毛する観点から、浴比(毛髪の質量:毛髪処理剤の質量)で、好ましくは1:0.2〜1:20、より好ましくは1:0.5〜1:10、さらに好ましくは1:0.5〜1:5である。
毛髪処理剤(II)を毛髪に塗布又は浸漬する時間は、毛髪処理剤(II)を毛髪に十分になじませることができれば特に制限されず、適用する毛髪の量、毛髪の形状等によって変化させることができる。
また、より赤味の強い明るい色合いに染毛するために、毛髪処理剤(II)を毛髪に塗布又は浸漬した後、さらに放置する工程を行うことができる。本発明においては、放置する工程を有さなくとも、十分な赤みの強い明るい色合いに染毛することができるが、さらに赤味の強い明るい色合いに染毛する観点から、この際の放置時間を、好ましくは30秒以上、より好ましくは1分以上、さらに好ましくは2分以上とすることができる。また、施術者の負担を低減し、頭皮や毛髪へのダメージを抑制する観点から、該放置時間を、好ましくは10分未満、より好ましくは5分以下、さらに好ましくは3分以下とすることができる。
毛髪処理剤(II)に毛髪を浸漬させた場合は、毛髪を該毛髪処理剤に浸漬させたまま放置するか、又は毛髪を該毛髪処理剤から引き揚げた後に放置する工程を行うことができる。
工程2において、毛髪処理剤(II)を毛髪に適用させる時間、すなわち毛髪処理剤(II)を毛髪に塗布又は浸漬する時間及び放置時間の合計は、適宜変更することが可能であるが、赤味の強い明るい色合いに染毛する観点から、好ましくは10秒以上、より好ましくは20秒以上であり、施術者の負担を低減し、頭皮や毛髪へのダメージ抑制の観点から、好ましくは10分以下、より好ましくは6分以下、さらに好ましくは4分以下である。
工程2を行う際の温度は特に制限されないが、毛髪処理剤(II)の取り扱い性の観点から、好ましくは40℃以下、より好ましくは35℃以下である。また、染毛性を向上させる観点から、好ましくは25℃以上、より好ましくは30℃以上である
工程2においては、毛髪処理剤(II)を毛髪に適用し、好ましくは放置した後に、毛髪をすすぎ流す工程(すすぎ工程)を行うことが好ましい。すすぎ工程は、例えば、毛髪に適用した毛髪処理剤(II)を水で洗い流すことにより行われる。
すすぎ工程を行った後は、毛髪を乾燥させる工程を行ってもよい。また、毛髪を乾燥させる工程を行わず、再度工程1に供することもできる。
本発明の方法は、前述した工程1と工程2を順に有していればよく、各工程を行う回数には特に制限はない。例えば本発明の方法においては、工程1と工程2を1回ずつ順に行ってもよく、工程1を2回以上繰り返して行った後に工程2を行ってもよく、あるいは、工程1を行った後に工程2を2回以上繰り返して行ってもよい。さらに、これらのサイクルを繰り返してもよい。より赤味の強い明るい色合いに染毛する観点から、工程1と工程2を1回ずつ順に行うことが好ましく、所望の染毛色になるまで、このサイクルを繰り返してもよい。
本発明の方法は、赤味の強い明るい色合いに染毛する観点、及び環境安全性の観点から、金属系酸化触媒を毛髪に適用する工程を実質的に含まないことが好ましい。ここでいう金属系酸化触媒とは、金属を含有し、且つ成分(A)及び成分(B)の酸化を促進する作用のある化合物であり、具体的には鉄、コバルト、マンガン、銅、銀、チタン、ジルコニウム、タンタル、クロム、ニッケル、パラジウム、白金、金、水銀、カドミウム、亜鉛、スズ、アンチモン、鉛及びビスマスから選択される金属又は遷移金属の1種以上が挙げられる。より具体的には、硫酸第2銅、塩化ニッケル、硫酸第1鉄、酢酸鉛、硫酸マンガン及び硝酸亜鉛から選択される1種以上が挙げられる。また「金属系酸化触媒を毛髪に適用する」とは、金属系酸化触媒又はその溶液等を、染色前又は染色後の毛髪に塗布、浸漬等により接触させることをいう。金属系酸化触媒を毛髪に適用する工程を実質的に含まないとは、前記金属系酸化触媒を0.01質量%以上含有する組成物を毛髪に適用する工程を含まないこという。
金属系酸化触媒を毛髪に適用すると、工程1で毛髪に適用した染毛剤組成物(I)中の成分(A)及び成分(B)の酸化が過度に進行して成分(A)、成分(B)又はその酸化物中のフェノール水酸基がケトンにまで酸化されるため、その後に工程2に供しても成分(A)又はその酸化物の一次構造が変化する余地がなく、赤味のある色合いへの色シフトが起こり難くなると考えられる。
[染毛用キット]
本発明はまた、下記一般式(1A)で表される化合物又はその塩(A)、下記一般式(1B)で表される化合物又はその塩(B)、及びアルカリ剤(C)を含有し、質量比(B)/(A)が0.01以上0.5以下であり、pHが9以上11以下である染毛剤組成物(I)と、有機酸(D)を含有し、pHが5.5以下である毛髪処理剤(II)とを備えた染毛用キットを提供する。
Figure 2021102582

〔式中、破線はπ結合の存在又は不存在を示す。Rは水酸基又はアセトキシ基を示す。Rは水素原子、アセチル基、メチル基又はエチル基を示す。〕
Figure 2021102582

〔式中、破線はπ結合の存在又は不存在を示す。Rは水酸基又はアセトキシ基を示す。Rは水素原子、アセチル基、メチル基又はエチル基を示す。Rは水素原子、メチル基又はエチル基を示す。〕
染毛剤組成物(I)、毛髪処理剤(II)及びこれらの好適態様は前記と同じである。
本発明の染毛用キットは、染毛剤組成物(I)と毛髪処理剤(II)とを備えていればよく、例えば染毛剤組成物(I)と毛髪処理剤(II)とを個別に容器に封入したものを備えた二剤型のキットが挙げられる。容器の形状には特に制限はなく、剤型に応じて適宜選択することができ、例えばボトル、チューブ、ディスペンサー、エアゾール等が挙げられる。
染毛用キットは、必要に応じ染毛剤組成物(I)、毛髪処理剤(II)を毛髪に塗布等するためのコーム、ブラシ等をさらに備えていてもよい。
本発明の染毛用キットは、好ましくは、前述した毛髪の染色方法において記載した方法に従って使用することができる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は実施例の範囲に限定されない。なお本実施例において、pH測定及び染毛性評価は以下の方法により行った。
[pH測定]
pHメーター(F−51、(株)堀場製作所製)を用いて、染毛剤組成物及び毛髪処理剤の25℃におけるpHを測定した。
[染毛性評価]
(1)色差計による評価
処理後のトレスの明度(L)及び色相(a)を、色彩色差計(CR−400、コニカミノルタ(株))を用いて、トレス1本につき6点測定し、その平均値を算出した。Lの値が大きいほど白に近い色合いであり、aの値が大きいほど赤味のある色合いに染色されていると評価される。
(2)官能評価
処理後のトレスの赤味について、専門パネラー5名が蛍光灯下で観察して、下記工程2を実施していない参考例1を基準とし、下記の評価基準に従ってそれぞれ評価を行い、5名の平均点(小数点第2位四捨五入)により、判定を行った。
[評価基準]
4: 強い赤味を感じる
3: 赤味を感じる
2: やや赤みを感じる
1: 赤味を感じない
実施例1、比較例1〜4
表1に示す組成に従って各成分を配合して混合し、染毛剤組成物及び毛髪処理剤を調製した。表1に記載の配合量は、いずれも有効成分量の質量%である。
調製した染毛剤組成物は、窒素雰囲気下で保管し、使用の際にその都度、分取し、以下の方法で毛髪処理及び染毛性評価(1)及び(2)を実施した。
未処理トレス(中国人女性の長さ10cm、質量1gの白髪トレス(BM−W−A、(株)ビューラックス))を、以下に示す組成のプレーンシャンプーで2回洗浄し、風乾した後、以下の染毛処理に供した。
(プレーンシャンプー) (質量%)
・ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム
(エマールE−27C(有効成分量:27質量%)、花王(株)製)
57.4
・ラウラミドDEA(アミノーン L−02、花王(株)製) 1.5
・EDTA−2Na(フロスト DS、第一化学薬品(株)製) 0.3
・リン酸(pH7.0に調整)
・安息香酸ナトリウム 0.5
精製水 残 量
計 100
(工程1及びすすぎ工程)
上記風乾後の未処理トレスを窒素雰囲気下で、表1に記載の染毛剤組成物5gに10分間浸漬した(浸漬時の浴比(未処理トレス:染毛剤組成物)は1:5)。次いで、トレスを染毛剤組成物から引き揚げ、放置時の浴比(未処理トレス:染毛剤組成物)が1:1になるように軽く絞って調整し、空気雰囲気下で10分間放置した。10分経過後、染毛処理後のトレスを流温水(約40℃)で30秒間洗い流した。
(乾燥工程)
工程1を行った後、トレスのタオルドライを行い、次いでドライヤーの熱風を30分あててトレスを乾燥させた。乾燥処理後のトレスを用いて以下の工程2を実施した。
(工程2)
乾燥工程を経て得られたトレスに、表1に記載の毛髪処理剤1gを30秒間かけて塗布し(浴比(未処理トレス:毛髪処理剤)は1:1)、1分間放置した後に流温水(約40℃)で30秒間洗い流した。その後、ドライヤーで30分間冷風乾燥し、処理トレスを得た。
参考例1(工程2を行わないもの)
前記風乾した未処理トレスを用いて、実施例1と同様に工程1及びすすぎ工程、並びに乾燥工程を行い、処理トレスを得た。
処理トレスの染毛性評価(1)及び(2)の結果を表1に示す。
Figure 2021102582
*1:5,6−ジヒドロキシインドール溶液(MATRIX SCIENTIFIC社製、5,6−ジヒドロキシインドール:1質量%、エタノール:20質量%、水:残部)を、表に記載の有効分となるよう配合。
*2:花王(株)合成品(Ito S, Suzuki N, Takebayashi S, Commo S, Wakamatsu K. Neurral pH and copper ions promote eumelanogenesis after the dopachrome stage. Pigment Cell Melanoma Res. 26; 817-825 2013)に記載の方法に基づいて合成した5,6−ジヒドロキシインドールカルボン酸(DHICA))
*3:武蔵野化学研究所製、商品名「ムサシノ乳酸90」
表1の結果より、成分(A)に対する成分(B)の質量比(B)/(A)を所定の範囲とした実施例1において、成分(A)のみを用いて染毛した場合(比較例1)に比べて、赤味が強く、明るい自然な色合いに変化することが確認できた。また参考例1に対して、赤みの変化度が2付近、かつ、明度のみの変化度が10付近で自然な色合いに見えることが確認された。
実施例2、3
表2に示す組成に従って各成分を配合して混合し、染毛剤組成物及び毛髪処理剤を調製した。表2に記載の配合量は、いずれも有効成分量の質量%である。
調製した染毛剤組成物は、窒素雰囲気下で保管し、使用の際にその都度、分取し、上記の方法で毛髪処理及び染毛性評価(1)を実施した。
処理トレスの染毛性評価(1)の結果を実施例1と共に表2に示す。
Figure 2021102582
表2の結果より、実施例2、3においても明度と赤みのバランスが実施例1と同等であり、自然な色合いに変化することが確認できた。
本発明の方法によれば、通常灰色〜黒色を呈する、メラニン前駆体により染色された毛髪を、より赤味が強く、明るい自然な色合いに短時間で変化させることが可能になる。そのため、毛髪処理時間を非常に短くすることができ、実使用における簡便性に優れる。

Claims (6)

  1. 下記工程1及び工程2を順に有する、毛髪の染色方法。
    工程1:下記一般式(1A)で表される化合物又はその塩(A)、下記一般式(1B)で表される化合物又はその塩(B)、及びアルカリ剤(C)を含有し、質量比(B)/(A)が0.01以上0.5以下であり、pHが9以上11以下である染毛剤組成物(I)を毛髪に適用する工程
    Figure 2021102582

    〔式中、破線はπ結合の存在又は不存在を示す。Rは水酸基又はアセトキシ基を示す。Rは水素原子、アセチル基、メチル基又はエチル基を示す。〕
    Figure 2021102582

    〔式中、破線はπ結合の存在又は不存在を示す。Rは水酸基又はアセトキシ基を示す。Rは水素原子、アセチル基、メチル基又はエチル基を示す。Rは水素原子、メチル基又はエチル基を示す。〕
    工程2:有機酸(D)を含有し、pHが5.5以下である毛髪処理剤(II)を毛髪に適用する工程
  2. 成分(C)がアンモニア、アルカノールアミン、アルキルアミン、及びアラルキルアミンからなる群から選ばれる1種以上である、請求項1に記載の染色方法。
  3. 成分(D)が炭素数8以下の脂肪族カルボン酸、炭素数が10以下の芳香族スルホン酸、又はこれらの塩からなる群から選ばれる1種以上である、請求項1又は2に記載の染色方法。
  4. 前記染毛剤組成物(I)中の成分(A)及び成分(B)の合計含有量が0.06質量%以上7.5質量%以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の染色方法。
  5. 工程1と工程2との間に、毛髪をすすぎ流す工程を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の染色方法。
  6. 下記一般式(1A)で表される化合物又はその塩(A)、下記一般式(1B)で表される化合物又はその塩(B)、及びアルカリ剤(C)を含有し、質量比(B)/(A)が0.01以上0.5以下であり、pHが9以上11以下である染毛剤組成物(I)と、有機酸(D)を含有し、pHが5.5以下である毛髪処理剤(II)とを備えた染毛用キット。
    Figure 2021102582

    〔式中、破線はπ結合の存在又は不存在を示す。Rは水酸基又はアセトキシ基を示す。Rは水素原子、アセチル基、メチル基又はエチル基を示す。〕
    Figure 2021102582

    〔式中、破線はπ結合の存在又は不存在を示す。Rは水酸基又はアセトキシ基を示す。Rは水素原子、アセチル基、メチル基又はエチル基を示す。Rは水素原子、メチル基又はエチル基を示す。〕
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