JP2021093889A - ゲート駆動回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】 サージ電圧を抑制するとともにスイッチング損失を低減する。【解決手段】 ゲート駆動回路であって、ターンオフ前にスイッチング素子の主電極間に流れる主電流を検出する電流検出回路と、前記電流検出回路で検出された前記主電流に基づいて基準値を設定する基準値設定回路と、前記スイッチング素子のゲートの放電経路の電気抵抗を変更するゲート抵抗変更回路を有する。前記ゲート抵抗変更回路が、前記ゲート電圧と前記主電流のいずれかである参照値が基準値以上の期間では前記電気抵抗を第1値に制御し、前記参照値が前記基準値未満の期間では前記電気抵抗を前記第1値よりも低い第2値に制御する。前記基準値設定回路が、前記電流検出回路で検出された前記主電流が高いほど、前記基準値を高い値に設定する。【選択図】図2

Description

本明細書に開示の技術は、ゲート駆動回路に関する。
特許文献1に開示のゲート駆動回路は、スイッチング素子のゲートを放電してそのゲート電圧を低下させることによって、スイッチング素子をターンオフする。このゲート駆動回路は、ターンオフの初期にゲート電圧の低下速度を検出し、その低下速度に応じて放電経路の電気抵抗を変更する。これによって、スイッチング素子の主電極間に印加されるサージ電圧を適切に制御する。
特開2009−273071号公報
特許文献1の技術では、サージ電圧が発生してから主電極間の電圧が安定するまでの期間に放電経路の電気抵抗を変更しない。このため、当該期間において主電極間に流れる電流の低下速度が遅く、スイッチング素子で生じるスイッチング損失が大きい。本明細書では、サージ電圧を抑制するとともにスイッチング損失を低減する技術を提案する。
本明細書が開示するゲート駆動回路は、スイッチング素子のゲートを放電して前記スイッチング素子のゲート電圧を低下させることによって前記スイッチング素子をターンオフする。このゲート駆動回路は、電流検出回路と、基準値設定回路と、ゲート抵抗変更回路を有する。前記電流検出回路は、ターンオフ前に前記スイッチング素子の主電極間に流れる主電流を検出する。前記基準値設定回路は、前記電流検出回路で検出された前記主電流に基づいて基準値を設定する。前記ゲート抵抗変更回路は、前記ゲートの放電経路の電気抵抗を変更する。前記ゲート抵抗変更回路は、前記スイッチング素子をターンオフするときに、前記ゲート電圧と前記主電流のいずれかである参照値が基準値以上の期間では前記電気抵抗を第1値に制御し、前記参照値が前記基準値未満の期間では前記電気抵抗を前記第1値よりも低い第2値に制御する。前記スイッチング素子をターンオフするときに、前記スイッチング素子の前記主電極間の主電圧が、第1電圧から第2電圧まで上昇し、その後、前記第2電圧から前記第1電圧よりも高い第3電圧まで低下して安定するように変化する。前記電気抵抗の前記第1値から前記第2値への切り換えが、前記主電圧が前記第2電圧となるタイミングと前記主電圧が前記第3電圧で安定するタイミングの間の期間内に実行される。前記基準値設定回路が、前記電流検出回路で検出された前記主電流が高いほど、前記基準値を高い値に設定する。
このゲート駆動回路では、放電経路の電気抵抗の第1値から第2値への切り換えが、主電圧が第2電圧となるタイミングと主電圧が第3電圧で安定するタイミングの間の期間内に実行される。このため、主電圧が第2電圧となるタイミング(すなわち、サージ電圧が発生するタイミング)では、放電経路の電気抵抗が第1値(すなわち、高い抵抗値)に設定されている。このため、過大なサージ電圧の発生が抑制される。また、その後、主電圧が第3電圧で安定するまでの間に、放電経路の電気抵抗が第1値から第2値(低い抵抗値)に切り換えられる。このため、サージ電圧の発生後に、主電流が速やかに減少する。このため、スイッチング損失が抑制される。また、上述した放電経路の電気抵抗の切り換えは、参照値(ゲート電圧と主電流のいずれか一方)と基準値とを比較することによって実行される。ターンオフ中に、参照値は減少する。基準値が適切な値に設定されていれば、参照値が基準値よりも低くなったときに放電経路の電気抵抗を切り換えることで、上述した期間内に放電経路の電気抵抗を切り換えることができる。ここで、スイッチング素子のターンオフ時に主電流が低下を開始するタイミングは、ターンオフ前の主電流の大きさによって変化する。ターンオフ前の主電流が大きいほど、主電流が早いタイミングで低下を開始する。このため、ターンオフ前の主電流が大きいほど、サージ電圧が発生するタイミングが早くなる。このゲート駆動回路では、ターンオフ前の主電流が大きいほど、基準値を高い値に設定する。このため、ターンオフ前の主電流が大きいほど、放電経路の電気抵抗を第1値から第2値に切り換えるタイミングが早くなる。このため、サージ電圧の発生するタイミングが早いほど、放電経路の電気抵抗を切り換えるタイミングが早くなる。このように、ターンオフ前の主電流の大きさに応じて基準値を設定することで、サージ電圧の発生タイミングに応じて放電経路の電気抵抗を切り換えるタイミングを設定することができる。したがって、このゲート駆動回路によれば、ターンオフ前の主電流の大きさが異なる場合であっても、適切なタイミングで放電経路の電気抵抗の切り換えを実行することができる。
インバータ回路の回路図。 実施例1のゲート駆動回路の回路図。 実施例1のターンオフ処理を示すフローチャート。 実施例1のターンオフ処理における各値の変化を示すグラフ。 基準値Vgbの算出方法を示す表。 電流Ids18とゲート電圧Vg18の関係を示すグラフ。 ゲート電圧Vg18と電流Ids18の温度特性を示すグラフ。 実施例2のゲート駆動回路の回路図。 実施例2のターンオフ処理における各値の変化を示すグラフ。
図1に示すインバータ回路10は、高電位配線12と低電位配線14の間に接続された3つの直列回路17を有している。各直列回路17は、高電位配線12と低電位配線14の間に接続された2つのFET(field effect transistor)18を有している。各FET18は、nチャネル型である。各直列回路17において、FET18aのドレインが高電位配線12に接続されており、FET18aのソースがFET18bのドレインに接続されており、FET18bのソースが低電位配線14に接続されている。インバータ回路10は、3つの中間配線16を有している。各中間配線16の一端は、対応する直列回路17のFET18aのソース(すなわち、FET18bのドレイン)に接続されている。各中間配線16の他端は、モータ11に接続されている。各FET18のゲートに、ゲート駆動回路30が接続されている。ゲート駆動回路30は、FET18を制御する。高電位配線12と低電位配線14の間には、外部から直流電圧が印加される。インバータ回路10は、外部から供給される直流電力を交流電力に変換し、交流電力をモータ11に供給する。
図2は、1つのFET18と、そのFET18を制御するゲート駆動回路30を示している。図2に示すように、ゲート駆動回路30は、電流センス抵抗32と、温度センスダイオード34と、制御IC40と、ゲート充電回路44と、ゲート放電回路50を有している。
電流センス抵抗32は、FET18と同一の半導体基板内に設けられた電流センスFET19に接続されている。電流センスFET19のドレインはFET18のドレインに接続されている。電流センスFET19のゲートはFET18のゲートに接続されている。電流センスFET19のソースは、電流センス抵抗32を介してFET18のソースに接続されている。電流センスFET19は、FET18と同時にオン‐オフする。電流センスFET19は、FET18よりも小型である。したがって、電流センスFET19には、FET18に流れるドレイン‐ソース間電流Ids18よりも小さく、電流Ids18に比例する電流Ids19が流れる。電流Ids19は、電流センス抵抗32に流れる。したがって、電流センス抵抗32の両端間の電圧Vsenは、FET18の電流Ids18に比例する。
温度センスダイオード34は、FET18の近傍に配置されている。温度センスダイオード34には、定電流源36が接続されている。定電流源36は、温度センスダイオード34に一定電流を流す。温度センスダイオード34の温度は、FET18の温度T18と略等しい。温度センスダイオード34の順方向電圧降下は、FET18の温度T18によって変化する。なお、図2では、温度センスダイオード34を1つのダイオードにより示しているが、温度センスダイオード34が直列に接続された複数のダイオードによって構成されていてもよい。
制御IC40には、外部からPWM信号が入力される。制御IC40は、PWM信号に基づいてFET18をオンするかオフするかを指令する指令値を生成し、その指令値をゲート充電回路44とゲート放電回路50に送信する。
ゲート充電回路44は、制御FET46とゲートオン抵抗48を有している。制御FET46は、nチャネル型である。制御FET46のソースは、電圧VHが印加された配線49に接続されている。電圧VHは、FET18の低下開始閾値よりも高い電位である。制御FET46のドレインは、ゲートオン抵抗48を介してFET18のゲートに接続されている。制御FET46のゲートは、制御IC40に接続されている。制御FET46は、制御IC40から入力される指令値に応じてスイッチングする。制御FET46がオンすると、配線49から制御FET46とゲートオン抵抗48を介してFET18のゲートに向かってゲート電流が流れ、FET18のゲートが充電される。
ゲート放電回路50は、第1制御FET52、第1ゲートオフ抵抗54、コンデンサ55、第2制御FET56、第2ゲートオフ抵抗58、AND回路60、コンパレータ62、及び、基準値算出部64を有している。
第1制御FET52は、nチャネル型である。第1制御FET52のドレインは、第1ゲートオフ抵抗54を介してFET18のゲートに接続されている。第1ゲートオフ抵抗54に対して並列に、コンデンサ55が接続されている。なお、コンデンサ55は無くてもよい。第1制御FET52のソースは、グランドに接続されている。なお、本実施例では、グランドは、FET18のソースの電位を意味する。第1制御FET52のゲートは、制御IC40に接続されている。第1制御FET52は、制御IC40から入力される指令値に応じてスイッチングする。第1制御FET52がオンすると、FET18のゲートから第1ゲートオフ抵抗54と第1制御FET52を介してグランドへゲート電流が流れ、FET18のゲートが放電される。
第2制御FET56は、nチャネル型である。第2制御FET56のドレインは、第2ゲートオフ抵抗58を介してFET18のゲートに接続されている。第2制御FET56のソースは、グランドに接続されている。第2制御FET56のゲートには、AND回路60の出力端子が接続されている。第2制御FET56は、AND回路60から入力される信号に応じてスイッチングする。第2制御FET56がオンすると、FET18のゲートから第2ゲートオフ抵抗58と第2制御FET56を介してグランドへゲート電流が流れ、FET18のゲートが放電される。
基準値算出部64は、電流センス抵抗32の両端に接続されている。基準値算出部64は、電流センス抵抗32の両端間の電圧Vsenに基づいて、FET18に流れる電流Ids18を検出する。基準値算出部64は、温度センスダイオード34の両端に接続されている。基準値算出部64は、温度センスダイオード34の両端間の電圧(すなわち、順方向電圧降下)に基づいて、FET18の温度T18を検出する。基準値算出部64は、電流Ids18と温度T18に基づいて、基準値Vgbを算出する。基準値算出部64は、数式によって基準値Vgbを算出してもよいし、マップによって基準値Vgbを算出してもよい。基準値Vgbの算出方法は、後に詳述する。
コンパレータ62の非反転入力端子は、基準値算出部64の出力端子に接続されている。コンパレータ62の非反転入力端子には、基準値Vgbが入力される。コンパレータ62の反転入力端子には、FET18のゲート電圧Vg18が入力される。コンパレータ62は、ゲート電圧Vg18が基準値Vgb以上のときは出力信号をLowに制御し、ゲート電圧Vg18が基準値Vgb未満のときは出力信号をHighに制御する。
AND回路60の一方の入力端子には、コンパレータ62の出力信号が入力される。AND回路60の他方の入力端子には、制御IC40から指令値が入力される。AND回路60は、入力端子に入力される信号がいずれもHighの場合に自己の出力信号をHighに制御し、それ以外の場合に自己の出力信号をLowに制御する。AND回路60の出力信号は、第2制御FET56のゲートに入力される。
次に、ゲート駆動回路30がFET18をターンオフする動作について説明する。図3は、FET18をターンオフするときにゲート駆動回路30が実行するステップを示している。また、図4は、FET18をターンオフするときの各値の変化を示している。ターンオフ前の期間T0においては、制御FET46がオンしており、第1制御FET52と第2制御FET56がオフしている。このため、FET18のゲート電圧Vg18が電圧VHとなっており、FET18はオンしている。したがって、期間T0では、FET18のドレイン‐ソース間電圧Vds18が略0Vであり、FET18のドレイン‐ソース間電流Ids18は大きい。
ゲート駆動回路30は、期間T0の間(より詳細には、タイミングt1の直前)に、図3に示すステップS2、S4を実行する。ステップS2では、基準値算出部64が、FET18に流れる電流Ids18とFET18の温度T18を検出する。ステップS4では、基準値算出部64が、検出した電流Ids18と温度T18に基づいて、基準値Vgbを算出する。基準値Vgbは電流Ids18と温度T18によって変化するが、いずれの場合でも、基準値Vgbは、電圧VHよりも低く、0Vよりも高い。期間T0の間は、FET18のゲート電圧Vg18が電圧VH(すなわち、基準値Vgbよりも高い電圧)であるので、コンパレータ62の出力電圧はLowとなる。このため、AND回路60の出力電圧(すなわち、第2制御FET56のゲート電圧Vg56)がLowとなる。
ゲート駆動回路30は、タイミングt1において、ステップS6を実行する。ステップS6では、制御IC40が、制御FET46をターンオフするとともに、第1制御FET52をターンオンする。タイミングt1では、AND回路60の出力電圧(すなわち、第2制御FET56のゲート電圧Vg56)がLowに維持されるので、第2制御FET56はオフに維持される。タイミングt1においてこのように各制御FET46、52、56が制御されると、FET18のゲートが、制御FET46によって配線49(すなわち、電圧VH)から切り離されるとともに、第1制御FET52と第1ゲートオフ抵抗54によってグランドに接続される。すると、FET18のゲートから第1制御FET52と第1ゲートオフ抵抗54を介してグランドへゲート電流が流れ、FET18のゲートが放電される。したがって、タイミングt1以降にFET18のゲート電圧Vg18が低下する。なお、第1ゲートオフ抵抗54に対して並列にコンデンサ55が接続されている場合には、タイミングt1においてコンデンサ55を介した急速放電が行われるので、タイミングt1においてゲート電圧Vg18が所定値まで急速に低下する。
タイミングt1の後のタイミングt2において、ゲート電圧Vg18が所定電圧Vgth(以下、低下開始閾値という)まで低下する。すると、FET18に流れる電流Ids18が低下し始める。また、FET18のドレイン‐ソース間電圧Vds18が上昇する。このとき、電流Ids18の低下と回路の寄生インダクタンスとの影響によって、FET18にサージ電圧が印加される。サージ電圧は、タイミングt2の直後に印加される。このため、タイミングt2の直後に、電圧Vds18がピーク電圧Vdsp1まで上昇する。その後、電圧Vds18は、タイミングt3まで減少する。上述したように、タイミングt1とタイミングt3の間の期間T1においては、FET18のゲートが第1ゲートオフ抵抗54を介して放電される。第1ゲートオフ抵抗54の電気抵抗は比較的高い。このため、期間T1においては、電流Ids18が極端に高い変化率で変化することが防止される。これによって、電圧Vds18のピーク電圧Vdsp1が極端に高い値となることが防止される。
図3に示すように、ゲート駆動回路30は、タイミングt1以降に、繰り返しステップS8を実行する。ステップS8では、コンパレータ62が、ゲート電圧Vg18が基準値Vgb未満まで低下したか否かを判定する。図4では、タイミングt3において、ゲート電圧Vg18が、基準値Vgbまで低下する。このため、タイミングt3において、ゲート駆動回路30がステップS10を実行する。ステップS10では、コンパレータ62が、出力電圧をLowからHighに切り換える。すると、AND回路60の出力電圧(すなわち、第2制御FET56のゲート電圧Vg56)がLowからHighに切り換わる。このため、タイミングt3において、第2制御FET56がターンオンする。このため、タイミングt3以降は、FET18のゲートが、第1制御FET52と第1ゲートオフ抵抗54からなる放電経路だけでなく、第2制御FET56と第2ゲートオフ抵抗58からなる放電経路によっても放電される。その結果、FET18のゲートを放電する放電経路の電気抵抗が低下する。このため、タイミングt3以降に、ゲートの放電速度(すなわち、ゲート電圧Vg18の低下速度)が速くなる。その後、タイミングt4で電流Ids18がゼロまで減少し、FET18のターンオフが完了する。
図4の電流Ids18のグラフにおいて、実線は本実施例の制御方法を実施した場合(タイミングt3において第2制御FET56をターンオンする場合)を示しており、破線はタイミングt3において第2制御FET56をターンオンしない場合を示している。破線のグラフに示すように、第2制御FET56をターンオンしない場合には、時間の経過に伴って電流Ids18の低下速度が遅くなる。このため、破線のグラフでは、電流Ids18がゼロまで減少するのに要する時間が長く、FET18で発生するスイッチング損失が大きい。これに対し、実線のグラフでは、第2制御FET56をターンオンするタイミングt3以降に電流Ids18の低下速度が速くなる。このため、電流Ids18がゼロまで減少するのに要する時間が短く、FET18で発生するスイッチング損失が小さい。このように、本実施例のゲート駆動回路30によれば、FET18をターンオフするときに発生するスイッチング損失を低減することができる。
また、タイミングt3において第2制御FET56をターンオンすると、第2のサージ電圧が発生して電圧Vds18が第2のピーク電圧Vdsp2まで上昇する。これは、タイミングt3において、電流Ids18の低下速度が速くなるためである。図4では、タイミングt3以降に、電圧Vds18にリンギング(振動)が生じている。電圧Vds18の振動は、時間の経過とともに減衰する。振動が減衰すると、電圧Vds18は、電圧VMで安定する。電圧VMは、ピーク電圧Vdsp1、Vdsp2より低く、期間T0における電圧Vds18(すなわち、略0V)よりも高い値である。このように、電圧Vds18は、タイミングt3以降に変動しながら電圧VMまで変化する。タイミングt3においてはすでに電流Ids18がある程度低い値まで減少しているので、タイミングt3において第2制御FET56をターンオンして放電経路の電気抵抗を低下させても、それほど高いサージ電圧は発生しない。すなわち、電圧Vds18の第2のピーク電圧Vdsp2は、それほど大きい値にはならない。
以上に説明したように、実施例1のゲート駆動回路30によれば、高いサージ電圧の発生を抑制しながら、FET18のスイッチング損失を抑制することができる。なお、図4では、電圧Vds18にリンギングが生じている場合について説明したが、リンギングが生じない場合もある。
次に、ステップS4における基準値Vgbの算出方法について説明する。基準値算出部64は、図5に示すように、ステップS2で検出される電流Ids18と温度T18に応じて基準値Vgbを算出する。基準値算出部64は、電流Ids18が大きいほど基準値Vgbを高くし、温度T18が高いほど基準値Vgbを高くする。このように基準値Vgbを変更することで、より効果的にスイッチング損失を抑制することができる。以下に、詳細に説明する。
図4に示すように、基準値Vgbは、第2制御FET56をターンオンするタイミングt3が、サージ電圧が発生するタイミングよりも遅くなるように設定されている必要がある。このためには、基準値Vgbが、低下開始閾値Vgthよりも低い必要がある。但し、基準値Vgbが低下開始閾値Vgthに対して低すぎると、第2制御FET56をターンオンするタイミングt3が過度に遅くなり、スイッチング損失の抑制効果がほとんど得られない。低下開始閾値Vgthは、FET18に流れる電流Ids18、及び、FET18の温度T18によって変動する。したがって、変動する低下開始閾値Vgthに対して適切に基準値Vgbを設定すれば、より効果的にスイッチング損失を抑制することができる。
図6は、FET18をターンオフするときのゲート電圧Vg18と電流Ids18の関係を示している。図6は、オン状態における電流Ids18が約460A、約250A、約150Aのそれぞれの場合を示している。図6において、電流Ids18が低下を開始するときのゲート電圧Vg18が、低下開始閾値Vgthである。図6から明らかなように、電流Ids18が高いほど、低下開始閾値Vgthが高くなる。上述したように、基準値算出部64は、電流Ids18が高いほど、基準値Vgbを高くする。このため、低下開始閾値Vgthが高いほど、基準値Vgbが高くなる。このように、電流Ids18による低下開始閾値Vgthの変動に合わせて基準値Vgbを変化させるので、低下開始閾値Vgthと基準値Vgbの差にばらつきが生じることが抑制される。したがって、図4において、第2制御FET56をターンオンするタイミングt3が、サージ電圧(ピーク電圧Vdsp1)が発生するタイミングよりも極端に遅くなったり、サージ電圧(ピーク電圧Vdsp1)が発生するタイミングに極端に近くなることが防止される。したがって、効果的にFET18のスイッチング損失を抑制することができる。
図7は、FET18の電流Ids18とゲート電圧Vg18の関係を示している。図7は、FET18が高温、中温、低温のそれぞれの場合の関係を示している。図7から明らかなように、ゲート電圧Vg18を一定速度で低下させた場合には、FET18が低温の場合に、FET18が高温の場合よりも、電流Ids18がより速い段階(よりゲート電圧Vg18が高い段階)で減少する。すなわち、低温の場合には高温の場合よりも、電流Ids18が減少を開始するときのゲート電圧Vg18(すなわち、低下開始閾値Vgth)が高い。上述したように、基準値算出部64は、温度T18が高いほど、基準値Vgbを高くする。このため、低下開始閾値Vgthが高いほど、基準値Vgbが高くなる。このように、温度T18による低下開始閾値Vgthの変動に合わせて基準値Vgbを変化させるので、低下開始閾値Vgthと基準値Vgbの差にばらつきが生じることが抑制される。したがって、第2制御FET56をターンオンするタイミングt3が、サージ電圧(ピーク電圧Vdsp1)が発生するタイミングよりも極端に遅くなったり、サージ電圧(ピーク電圧Vdsp1)が発生するタイミングに極端に近くなることが防止される。したがって、効果的にFET18のスイッチング損失を抑制することができる。
以上に説明したように、実施例1のゲート駆動回路30によれば、基準値Vgbを電流Ids18及び温度T18に応じて適切に設定できるので、より効果的にスイッチング損失を抑制することができる。
図8は、実施例2のゲート駆動回路130を示している。実施例2では、ゲート放電回路50の構成が実施例1とは異なる。実施例2では、第2制御FET56のドレインが、直接、FET18のゲートに接続されている。また、実施例2では、ゲート放電回路50が、コンデンサ55を有さない。また、実施例2では、ゲート放電回路50が、ローパスフィルタ151、サンプルホールド回路152、コンパレータ154、フリップフロップ回路156、OR回路158、オフ保持回路160を有している。サンプルホールド回路152には、ローパスフィルタ151を介して、電流センス抵抗32の両端間のセンス電圧Vsenが入力される。サンプルホールド回路152は、入力されたセンス電圧Vsenを一定時間継続して出力する。したがって、サンプルホールド回路152の出力電圧は、所定時間前の電流Ids18に比例する。サンプルホールド回路152の出力電圧は、抵抗R1、R2によって分圧される。実施例2では、抵抗R1、R2によって分圧された電圧が、基準値Vsenbとして使用される。基準値Vsenbは、コンパレータ154の非反転入力端子に入力される。コンパレータ154の反転入力端子には、センス電圧Vsenが入力される。コンパレータ154の出力信号は、フリップフロップ回路156のS端子に入力される。フリップフロップ回路156のR端子には、制御IC40から指令値が入力される。フリップフロップ回路156のQ端子は、OR回路158の入力端子に接続されている。OR回路158の他方の入力端子には、オフ保持回路160の出力端子が接続されている。OR回路158の出力端子は、第2制御FET56のゲートに接続されている。オフ保持回路160の入力端子は、FET18のゲートに接続されている。オフ保持回路160は、FET18のゲートの電位が略0Vまで低下したか否かを示す信号を出力する。
次に、実施例2のゲート駆動回路130の動作について、図9を用いて説明する。図9の期間T10では、制御FET46がオンしており、第1制御FET52がオフしている。また、期間T10では、オフ保持回路160の出力信号はLowであり、フリップフロップ回路156の出力信号はLowである。したがって、期間T10では、第2制御FET56がオフしている。したがって、期間T10では、ゲート電圧Vg18が電圧VHに維持されており、FET18がオンしている。期間T10の間(より詳細には、タイミングt11の直前)に、サンプルホールド回路152がセンス電圧Vsenを読み取る。したがって、その後、サンプルホールド回路152の出力信号は、期間T10におけるセンス電圧Vsenに維持される。このため、基準値Vsenbは、期間T10におけるセンス電圧Vsenを分圧した値となる。
タイミングt11において、制御IC40は、制御FET46をターンオフし、第1制御FET52をターンオンする。このため、タイミングt11において、FET18のゲートの放電が開始され、ゲート電圧Vg18が低下を開始する。タイミングt11以降において、コンパレータ154は、センス電圧Vsenが基準値Vsenbを下回るか否かを監視する。すなわち、コンパレータ154は、電流Ids18が、基準値Vsenbに対応する電流値Ids18bを下回るか否かを判定する。タイミングt12において、電流Ids18が減少を開始し、タイミングt13において電流Ids18が電流値Ids18bを下回る。すると、コンパレータ154が出力信号をLowからHighに切り換える。すると、フリップフロップ回路156が、出力信号をLowからHighに切り換える。すると、OR回路158が、出力信号をLowからHighに切り換える。このため、タイミングt13において、第2制御FET56がターンオンし、放電経路の電気抵抗が低下する。したがって、タイミングt13以降に、電流Ids18の減少速度が速くなり、スイッチング損失が抑制される。タイミングt14においてゲート電圧Vg18が略0Vまで低下すると、オフ保持回路160の出力電圧がHighとなる。このため、タイミングt14以降も、第2制御FET56のオンが維持される。
上述した実施例2のオフ動作では、タイミングt12においてはゲートオフ抵抗54を介してゲートが放電されるので、ピーク電圧Vdsp1はそれほど大きい値とはならない。また、タイミングt13における電流Ids18が比較的小さいので、ピーク電圧Vdsp2はそれほど大きい値とはならない。このように、実施例2でも、高いサージ電圧の発生を抑制しながら、スイッチング損失を低減できる。
また、実施例2では、電流Ids18が基準値Vsenbに対応する電流値Ids18bを下回ったときに、第2制御FET56をターンオンする。電流値Ids18bが固定値であると、期間T10における電流Ids18が大きいときに、電流Ids18が低下を開始するタイミングt12から電流Ids18が電流値Ids18bまで低下するタイミングt13の間の時間差が大きくなり、サージ電圧(ピーク電圧Vdsp1)が発生するタイミングとタイミングt13の時間差が大きくなる。また、期間T10における電流Ids18が小さいときに、電流Ids18が低下を開始するタイミングt12から電流Ids18が電流値Ids18bまで低下するタイミングt13の間の時間差が小さくなり、サージ電圧(ピーク電圧Vdsp1)が発生するタイミングとタイミングt13の時間差が小さくなる。このように、電流値Ids18bが固定値であると、サージ電圧(ピーク電圧Vdsp1)が発生するタイミングとタイミングt13の時間差のばらつきが大きくなる。これに対し、実施例2のゲート駆動回路130では、基準値Vsenbが、期間T10におけるセンス電圧Vsenを分圧した値である。したがって、基準値Vsenbは、期間T10における電流Ids18が大きいほど高くなる。すなわち、基準値Vsenbに対応する電流値Ids18bは、期間T10における電流Ids18が大きいほど大きくなる。このため、サージ電圧(ピーク電圧Vdsp1)が発生するタイミングとタイミングt13の時間差にばらつきが生じ難い。タイミングt13が、サージ電圧(ピーク電圧Vdsp1)が発生するタイミングよりも極端に遅くなったり、サージ電圧(ピーク電圧Vdsp1)が発生するタイミングに極端に近くなることが防止される。したがって、効果的にFET18のスイッチング損失を抑制することができる。
以上、実施形態について詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例をさまざまに変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独あるいは各種の組み合わせによって技術有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの1つの目的を達成すること自体で技術有用性を持つものである。
18 :FET
19 :電流センスFET
30 :ゲート駆動回路
32 :電流センス抵抗
34 :温度センスダイオード
36 :定電流源
44 :ゲート充電回路
46 :制御FET
48 :ゲートオン抵抗
49 :配線
50 :ゲート放電回路
52 :第1制御FET
54 :第1ゲートオフ抵抗
55 :コンデンサ
56 :第2制御FET
58 :第2ゲートオフ抵抗
60 :AND回路
62 :コンパレータ
64 :基準値算出部

Claims (1)

  1. スイッチング素子のゲートを放電して前記スイッチング素子のゲート電圧を低下させることによって前記スイッチング素子をターンオフするゲート駆動回路であって、
    ターンオフ前に前記スイッチング素子の主電極間に流れる主電流を検出する電流検出回路と、
    前記電流検出回路で検出された前記主電流に基づいて基準値を設定する基準値設定回路と、
    前記ゲートの放電経路の電気抵抗を変更するゲート抵抗変更回路であって、前記スイッチング素子をターンオフするときに、前記ゲート電圧と前記主電流のいずれかである参照値が基準値以上の期間では前記電気抵抗を第1値に制御し、前記参照値が前記基準値未満の期間では前記電気抵抗を前記第1値よりも低い第2値に制御するゲート抵抗変更回路と、
    を有し、
    前記スイッチング素子をターンオフするときに、前記スイッチング素子の前記主電極間の主電圧が、第1電圧から第2電圧まで上昇し、その後、前記第2電圧から前記第1電圧よりも高い第3電圧まで低下して安定するように変化し、
    前記電気抵抗の前記第1値から前記第2値への切り換えが、前記主電圧が前記第2電圧となるタイミングと前記主電圧が前記第3電圧で安定するタイミングの間の期間内に実行され、
    前記基準値設定回路が、前記電流検出回路で検出された前記主電流が高いほど、前記基準値を高い値に設定する、
    ゲート駆動回路。
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