JP2021091129A - 食品用包装袋及び医療用包装袋 - Google Patents

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裕司 門脇
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Abstract

【課題】環状ポリオレフィンよりなる層と接着層とを有する積層体を用いた医療用包装袋又は食品用包装袋において、耐熱性を確保しつつ、環状ポリオレフィン層との接着強度も発現する医療用包装袋又は食品用包装袋を提供する。【解決手段】接着層と環状ポリオレフィン層とを有する積層体を用いた医療用包装袋又は食品用包装袋。該接着層が、下記水添ブロック共重合体(I)と、プロピレン系重合体(II)とを含む。水添ブロック共重合体(I):芳香族ビニル化合物由来の構造単位を含む重合体ブロック(A)と、ファルネセン由来の構造単位(b1)1〜100質量%及びファルネセン以外の共役ジエン由来の構造単位(b2)99〜0質量%を含む重合体ブロック(B)とを含有するブロック共重合体(P)の水素添加物【選択図】なし

Description

本発明は、食品用包装袋及び医療用包装袋に関する。
環状ポリオレフィン系樹脂は、高剛性、保香性などのバリア性、高光沢・高透明などの高外観を有する樹脂であり、様々な用途に使用されている。環状ポリオレフィン系樹脂を他の樹脂と積層させる場合、酸変性ポリオレフィンを粘着ないし接着層として用いることが知られている。しかしながら、環状ポリオレフィン系樹脂に対しては酸変性ポリオレフィンの官能基が十分に接着に寄与せず、タッキファイヤを添加して粘接着性を上げる必要があった。しかし、タッキファイヤは耐熱性に劣り、また油性成分などの溶剤への耐性に劣るため、使用する用途が限られていた。
タッキファイヤを使用せずに、環状ポリオレフィン層と接着する技術として、特許文献1に、プロピレン系重合体とスチレン系エラストマーのブレンド物からなる樹脂組成物層を接着層とすることが提案されている。
即ち、特許文献1には、液体状の医薬を収容するのに適したプラスチック容器として、環状ポリオレフィン層を含むプラスチック容器が開示されており、ヒートシール可能なシール層、環状ポリオレフィン層及び最外層を備え、シール層はポリプロピレンからなり、環状ポリオレフィン層は環状ポリオレフィンポリマー又は環状ポリオレフィンコポリマーからなり、最外層はポリプロピレンを含む層からなり、さらにプロピレン系重合体とスチレン系エラストマーとのブレンド物からなる樹脂組成物層を備える多層フィルムであって、環状ポリオレフィン層の両側表面にプロピレン系重合体とスチレン系エラストマーとのブレンド物からなる樹脂組成物層又はポリエチレン層を備える多層フィルムを、そのシール層が対向するように重ね合わせた状態で、その周縁部をヒートシールすることによって成形されたプラスチック容器が開示されている。
特開2011−62529号号公報
特許文献1に記載のプロピレン系重合体とスチレン系エラストマーとのブレンド物は、環状ポリオレフィン層との接着層として十分な接着強度を発現するためには、スチレン系エラストマーの配合量を多くする必要がある。このため、特許文献1に記載の接着層は、耐熱性に懸念がある。耐熱性を確保するには、プロピレン系重合体を多く配合する必要があるが、プロピレン系重合体を多く配合すると接着性が低下する問題がある。
本発明は、上記問題点に着目し、環状ポリオレフィンよりなる層と接着層とを有する積層体において、耐熱性を確保しつつ、環状ポリオレフィン層との接着強度も発現する積層体を用いた医療用包装袋又は食品用包装袋を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、特定の構造を有する水添スチレン−ファルネセンブロック共重合体とプロピレン系重合体を配合することにより、プロピレン系重合体の配合量を増量しても十分な接着強度を発現させることができるため、耐熱性に優れ、且つ接着強度も高い接着層を有する医療用包装袋又は食品用包装袋を得ることができることを見出した。
すなわち、本発明の要旨は以下の[1]〜[2]である。
[1] 接着層と環状ポリオレフィン層とを有する積層体を用いた医療用包装袋であって、該接着層が、芳香族ビニル化合物由来の構造単位を含む重合体ブロック(A)、並びにファルネセン由来の構造単位(b1)を1〜100質量%及びファルネセン以外の共役ジエン由来の構造単位(b2)を99〜0質量%含む重合体ブロック(B)を含有するブロック共重合体(P)の水素添加物である水添ブロック共重合体(I)と、プロピレン系樹脂(II)とを含む、医療用包装袋。
[2] 接着層と環状ポリオレフィン層とを有する積層体を用いた食品用包装袋であって、該接着層が、芳香族ビニル化合物由来の構造単位を含む重合体ブロック(A)、並びにファルネセン由来の構造単位(b1)を1〜100質量%及びファルネセン以外の共役ジエン由来の構造単位(b2)を99〜0質量%含む重合体ブロック(B)を含有するブロック共重合体(P)の水素添加物である水添ブロック共重合体(I)と、プロピレン系樹脂(II)とを含む、食品用包装袋。
本発明によれば、環状ポリオレフィン層と接着層を有する積層体を用いた医療用包装袋又は食品用包装袋であって、接着層が、耐熱性を維持した上で、一般的なスチレン系エラストマーを用いた場合よりも、環状ポリオレフィン層に対して高い接着強度を発現する医療用包装袋又は食品用包装袋を提供することができる。即ち、同程度の接着強度を発現する場合、一般的なスチレン系エラストマーとプロピレン系重合体との組合せよりも、水添スチレン−ファルネセンブロック共重合体とプロピレン系重合体との組合せの方が、プロピレン系重合体の添加割合を増やすことができ、耐熱性を向上させることができる。
本発明の医療用包装袋又は食品用包装袋は、レトルト処理や滅菌処理といった耐熱性が要求される処理が施される食品用包装袋又は医療用包装袋に好適に用いることができる。
以下に本発明について詳細に説明するが、以下の説明は、本発明の実施の形態の一例であり、本発明はその要旨を超えない限り、以下の記載内容に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、任意に変形して実施することができる。
また、本明細書において、「シート」と「フィルム」とは同義であり、フィルムの中でも比較的厚さの厚いものをシートと称し、フィルムはシートを包含するものとする。
よって、以下の説明において、「フィルム」は「シート」であってもよく、「シート」は「フィルム」であってもよい。
〔積層体〕
本発明の医療用包装袋又は食品用包装袋は、接着層と環状ポリオレフィン層とを有する積層体を用いた医療用包装袋又は食品用包装袋であって、該接着層が、下記水添ブロック共重合体(I)を、プロピレン系重合体(II)とを含むことを特徴とする。
水添ブロック共重合体(I):芳香族ビニル化合物由来の構造単位を含む重合体ブロック(A)と、ファルネセン由来の構造単位(b1)1〜100質量%及びファルネセン以外の共役ジエン由来の構造単位(b2)99〜0質量%を含む重合体ブロック(B)とを含有するブロック共重合体(P)の水素添加物
以下において、本発明の医療用包装袋又は食品用包装袋に用いられる上記積層体を「本発明の積層体」と称す場合がある。
[推定メカニズム]
水添ブロック共重合体(I)とプロピレン系重合体(II)を含む接着層が高強度に環状ポリオレフィン層と接着するメカニズムとしては、水添ブロック共重合体(I)が柔軟性およびプロピレン系重合体(II)への柔軟性付与機能に優れているため、被着体である環状ポリオレフィン層への密着性が向上し、高い接着強度を発現していると推定される。また、損失正接tanδの温度依存性の観点から、水添ブロック共重合体(I)と一般的なスチレン系エラストマーとを比較すると、それぞれソフトブロックが有するガラス転移温度にピークトップを有するtanδを有しているが、そのtanδの拡がりが水添ブロック共重合体(I)の方が温度域が広く、高温度範囲での分子運動性があることが分かっている。この幅広い温度範囲での高い損失係数は、β−ファルネセン適用による高分岐鎖ポリマーがソフトセグメントであることに由来すると考えられる。この幅広い温度域での高い分子運動性が、被着体表面への親和性を生み、高い接着強度を発現すると推定される。
[接着層]
<水添ブロック共重合体(I)>
本発明に係る接着層に用いる水添ブロック共重合体(I)は、芳香族ビニル化合物由来の構造単位(以下、単に「芳香族ビニル化合物単位」とも称する)を含む重合体ブロック(A)(以下、単に「重合体ブロック(A)」とも称する)、並びにファルネセン由来の構造単位(b1)(以下、単に「ファルネセン単位(b1)」とも称する)を1〜100質量%及びファルネセン以外の共役ジエン由来の構造単位(b2)(以下、単に「共役ジエン単位(b2)」とも称する)を99〜0質量%含む重合体ブロック(B)(以下、単に「重合体ブロック(B)」とも称する)を含有するブロック共重合体(P)の水素添加物である。
(重合体ブロック(A))
重合体ブロック(A)は、芳香族ビニル化合物単位を含む。かかる芳香族ビニル化合物としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、4−プロピルスチレン、4−t−ブチルスチレン、4−シクロヘキシルスチレン、4−ドデシルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、2−エチル−4−ベンジルスチレン、4−(フェニルブチル)スチレン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、N,N−ジエチル−4−アミノエチルスチレン、ビニルピリジン、4−メトキシスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン及びジビニルベンゼン等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を併用してもよい。中でも、スチレン、α−メチルスチレン及び4−メチルスチレンからなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく、スチレンがより好ましい。
重合体ブロック(A)は、芳香族ビニル化合物以外の単量体、例えば、後述する重合体ブロック(B)を構成する単量体、その他の共重合性単量体等に由来する構造単位を含有してもよい。かかる他の単量体としては、例えばプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン等の不飽和炭化水素化合物;アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、2−アクリロイルエタンスルホン酸、2−メタクリロイルエタンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸、酢酸ビニル、メチルビニルエーテル等の官能基含有不飽和化合物;等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を併用してもよい。
ただし、重合体ブロック(A)中の芳香族ビニル化合物単位の含有量は、60質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上がさらに好ましく、90質量%以上がよりさらに好ましく、100質量%であることが特に好ましい。
(重合体ブロック(B))
重合体ブロック(B)は、ファルネセン単位(b1)を1〜100質量%含む。
ファルネセン単位(b1)は、α−ファルネセン、又は下記式(β)で表されるβ−ファルネセン由来の構造単位のいずれでもよいが、水添ブロック共重合体(β)の製造容易性の観点から、β−ファルネセン由来の構造単位であることが好ましい。なお、α−ファルネセンとβ−ファルネセンとは組み合わせて用いてもよい。
Figure 2021091129
重合体ブロック(B)中のファルネセン単位(b1)の含有量は、1〜100質量%である。ファルネセン単位(b1)の含有量が1質量%未満であると、接着強度の高い接着層を形成し得ない。当該観点から、重合体ブロック(B)中のファルネセン単位(b1)の含有量は、30〜100質量%が好ましく、45〜100質量%がより好ましい。なお、重合体ブロック(B)中のファルネセン単位(b1)の含有量が100質量%であるものも好ましい態様の一つである。
重合体ブロック(B)は共役ジエン単位(b2)を含有してもよい。
共役ジエン単位(b2)を構成する共役ジエンとしては、例えばブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチルブタジエン、2−フェニルブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、1,3−オクタジエン、1,3−シクロヘキサジエン、2−メチル−1,3−オクタジエン、1,3,7−オクタトリエン、ミルセン及びクロロプレン等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を併用してもよい。中でも、ブタジエン、イソプレン及びミルセンからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、ブタジエン及びイソプレンから選ばれる1種以上がより好ましく、ブタジエンがさらに好ましい。
重合体ブロック(B)中の共役ジエン単位(b2)の含有量は、99質量%以下であり、70質量%以下が好ましく、55質量%以下がより好ましい。
重合体ブロック(B)は、ファルネセン単位(b1)及び共役ジエン単位(b2)以外の他の構造単位を含んでいてもよい。重合体ブロック(B)中におけるファルネセン単位(b1)及び共役ジエン単位(b2)の合計含有量は、柔軟性、密着性、接着性を向上させる観点から、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上、よりさらに好ましくは99質量%以上、特に好ましくは100質量%である。
<水添ブロック共重合体(I)>
水添ブロック共重合体(I)は、重合体ブロック(A)及び重合体ブロック(B)をそれぞれ少なくとも1個含む未水添のブロック共重合体(P)(以下「ブロック共重合体(P)」とも称する)の水素添加物である。水添ブロック共重合体(I)は、重合体ブロック(A)を2個以上、及び重合体ブロック(B)を1個以上含むブロック共重合体(P)の水素添加物であることが好ましい。
重合体ブロック(A)及び重合体ブロック(B)の結合形態は特に制限されず、直線状、分岐状、放射状、又はそれらの2つ以上の組み合わせであってもよい。中でも、各ブロックが直線状に結合した形態が好ましく、重合体ブロック(A)をA、重合体ブロック(B)をBで表したときに、(A−B)、A−(B−A)、又はB−(A−B)で表される結合形態が好ましい。なお、上記l、m及びnはそれぞれ独立して1以上の整数を表す。前記結合形態としては、成形加工性及び取り扱い性等の観点から、A−B−Aで表されるトリブロック共重合体が好ましい。
また、ブロック共重合体(P)が、重合体ブロック(A)を2個以上又は重合体ブロック(B)を2個以上有する場合には、それぞれの重合体ブロックは、同じ構造単位からなる重合体ブロックであっても、異なる構造単位からなる重合体ブロックであってもよい。
例えば、A−B−Aで表されるトリブロック共重合体における2個の重合体ブロック(A)は、それぞれのブロックを構成する構造単位の組成が同じであっても異なっていてもよい。
水添ブロック共重合体(I)は、1種を単独で又は2種以上を併用してもよい。例えば、前述のペンタブロック共重合体とトリブロック共重合体とを併用してもよい。
ここで、ポリ(β−ファルネセン)のみからなる重合体ブロックをF、ポリスチレンのみからなる重合体ブロックをSt、ポリイソプレンのみからなる重合体ブロックをIp、ポリブタジエンのみからなる重合体ブロックをBd、β−ファルネセンとイソプレンのみからなる重合体ブロックをF/Ip、β−ファルネセンとブタジエンのみからなる重合体ブロックをF/Bd、と表記する場合、水添ブロック共重合体(I)は、柔軟性、密着性、接着性を向上させる観点から、St,F,Stがこの順に結合してなるトリブロック共重合体(St−F−St)、St,F/Ip,Stがこの順に結合してなるトリブロック共重合体(St−F/Ip−St)、St,F/Bd,Stがこの順に結合してなるトリブロック共重合体(St−F/Bd−St)、F,St,Bd,St,Fがこの順に結合してなるペンタブロック共重合体(F−St−Bd−St−F)、及びF,St,Ip,St,Fがこの順に結合してなるペンタブロック共重合体(F−St−Ip−St−F)からなる群より選択される少なくとも1種の水素添加物が好ましく、前記トリブロック共重合体(St−F−St)、前記ペンタブロック共重合体(F−St−Bd−St−F)、及び前記ペンタブロック共重合体(F−St−Ip−St−F)からなる群より選択される少なくとも1種の水素添加物がより好ましく、前記トリブロック共重合体(St−F−St)及び前記ペンタブロック共重合体(F−St−Bd−St−F)からなる群より選択される少なくとも1種の水素添加物がさらに好ましい。
本発明で用いる水添ブロック共重合体(I)は、ブロック共重合体(P)の共役ジエン由来の構造単位中の炭素−炭素二重結合の水素添加率が50モル%以上であるものが好ましい。
水添ブロック共重合体(I)は、公知の方法により製造することができる。例えば、特開2014−237257号公報、国際公開2014/156651号、国際公開2015/087955号及び特開2019−11472号公報に開示されている製造方法などが挙げられる。
水添ブロック共重合体(I)は、市販のものを使用することができる。水添ブロック共重合体(I)の市販品としては、例えば、クラレ社製「セプトン(登録商標)」Bioシリーズを例示することができる。
水添ブロック共重合体(I)は、1種を単独で用いてもよく、構成単位の種類や組成、物性等の異なるものを2種以上混合して用いてもよい。
<プロピレン系重合体(II)>
本発明で用いるプロピレン系重合体(II)は、プロピレンに由来する構成単位の含有割合が全構成単位に対して通常50質量%以上、好ましくは60〜100質量%のものである。
プロピレン系重合体(II)としては、一般的なプロピレン単独重合体、立体規則性を制御し、低い立体規則性のプロピレン単独重合体や、プロピレン・α−オレフィン(ここで、α−オレフィンはエチレンを含む広義のα−オレフィンである。)共重合体等のプロピレン系共重合体などが挙げられる。α−オレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−ヘキセン、1−オクテン及び1−ノネンを例示することができ、α−オレフィンは1種でも、複数種類でもよい。プロピレン系共重合体としては、ランダム共重合体、ブロック共重合体のいずれでもよい。
プロピレン系重合体(II)としては、市販のものを使用することができる。プロピレン系重合体(II)の市販品としては、三菱ケミカル社製「ゼラス(登録商標)」や、日本ポリプロ社製「ノバテックPP(登録商標)」、「ウィンテック(登録商標)」、「ウェルネクス(登録商標)」を例示することができ、特に、三菱ケミカル社製「ゼラス(登録商標)7025」を好適に用いることができる。
プロピレン系重合体(II)は1種を単独で用いてもよく、構成単位の種類や組成、物性等の異なるものを2種以上混合して用いてもよい。
<水添ブロック共重合体(I)とプロピレン系重合体(II)の配合割合>
本発明に係る接着層を構成する水添ブロック共重合体(I)とプロピレン系重合体(II)の配合割合には特に制限はなく、積層体の使用目的、要求性能に応じて適宜決定される。即ち、耐熱性が重視される用途においては、プロピレン系重合体(II)を比較的多く配合し、接着性が重視される用途においては水添ブロック共重合体(I)を比較的多く配合することが好ましい。
いずれの場合においても、水添ブロック共重合体(I)とプロピレン系重合体(II)の合計100質量%に占める水添ブロック共重合体(I)の割合が10〜90質量%で、プロピレン系重合体(II)の割合が10〜90質量%となるように配合することが好ましく、水添ブロック共重合体(I)とプロピレン系重合体(II)の合計100質量%に占める水添ブロック共重合体(I)の割合が20〜80質量%で、プロピレン系重合体(II)の割合が20〜80質量%となるように配合することがより好ましい。
本発明によれば、水添ブロック共重合体(I)を用いることで、比較的少ない水添ブロック共重合体(I)の配合割合として、プロピレン系重合体(II)による耐熱性を確保した上で環状ポリオレフィン層に対して高い接着強度を得ることができる。
<その他の成分>
本発明の積層体に用いる接着層には、水添ブロック共重合体(I)およびプロピレン系重合体(II)以外にも本発明の目的・効果を損なわない範囲で、目的に応じて任意の成分を配合することができる。具体的には、水添ブロック共重合体(I)およびプロピレン系重合体(II)以外の樹脂成分や、ゴム成分、タルク、炭酸カルシウム、マイカ、ガラス繊維等のフィラー、パラフィンオイル等の可塑剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、滑剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、架橋剤、架橋助剤、着色剤、難燃剤、分散剤、帯電防止剤、防菌剤、蛍光増白剤等の各種添加剤を添加することができる。中でも、フェノール系、ホスファイト系、チオエーテル系、芳香族アミン系等の各種酸化防止剤の少なくとも一種を添加することが好ましい。
ただし、接着層に水添ブロック共重合体(I)とプロピレン系重合体(II)とを含むことによる耐熱性と接着性の効果を有効に得る上で、本発明の接着層に水添ブロック共重合体(I)及びプロピレン系重合体(II)以外のその他の成分が含まれる場合、その含有量は80質量%以下であることが好ましい。
<接着層用樹脂組成物の製造方法>
本発明の積層体の接着層を形成するための樹脂組成物は、上述の各成分を混合することにより得ることができる。
混合の方法については、原料成分が均一に分散すればよく特に制限は無い。すなわち、上述の各原料成分等を同時に又は任意の順序で混合することにより、各成分が均一に分散した組成物を得る。
より均一な混合・分散のためには、所定量の上記原料成分を溶融混合することが好ましく、例えば、各原料成分等を任意の順序で混合してから加熱したり、全原料成分等を順次溶融させながら混合してもよいし、各原料成分等の混合物をペレット化したり、目的積層体を製造する際の成形時に溶融混合したりしてもよい。
具体的には、所定量の上記原料成分を種々公知の手法、例えばタンブラーブレンダー、Vブレンダー、リボンブレンダー、ヘンシェルミキサー等を用いて混合し、混合後、単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ニーダー等で溶融混練し、造粒あるいは粉砕する手法により調製することができる。溶融混練時の温度は、各原料成分の少なくとも一つが溶融状態となる温度であればよいが、通常は用いる全成分が溶融する温度が選択され、一般には150〜300℃の範囲で行う。
<厚み>
接着層の厚みは、特に限定されないが、3〜70μmが好ましく、5〜50μmとするのがより好ましい。
接着層の厚みが薄過ぎると十分な接着強度を得ることができず、厚過ぎると接着層自体の耐熱性がより必要になってくるため、耐熱性と接着強度のバランスをとることが難しくなり、また、積層体の軽量、薄肉化の観点からも好ましくない。
なお、本発明の積層体は、後述の環状ポリオレフィン層の一方の面にのみ接着層を有するものであってもよく、両方の面に接着層を有するものであってもよい。いずれの場合も、接着層の一層当りの厚みが上記範囲であることが好ましい。
[環状ポリオレフィン層]
本発明に係る環状ポリオレフィン層は、環状ポリオレフィンポリマー又は環状ポリオレフィンコポリマーで構成される。
環状ポリオレフィン層を構成する環状ポリオレフィンポリマー又は環状ポリオレフィンコポリマーとしては、例えばエチレンとジシクロペンタジエン類との共重合体、エチレンとノルボルネン系化合物との共重合体や、シクロペンタジエン誘導体の開環重合体、種々のシクロペンタジエン誘導体の開環共重合体、及びそれらの水素添加物などが挙げられる。これらの中でも、エチレンとノルボルネン系化合物との共重合体の水素添加物、あるいは1種以上のシクロペンタジエン誘導体の開環(共)重合体水素添加物を用いるのが好ましく、ジシクロペンタジエン又はその誘導体の開環重合体水素添加物であることがより好ましい。
上記樹脂としては、例えば、下記一般式(1A)で表される繰り返し単位と、下記一般式(1B)で表される繰り返し単位を有するポリマーや、下記一般式(2)で表される繰り返し単位を有するポリマーが挙げられる。
Figure 2021091129
(式(1A)および(1B)中、Ra、Ra’、Rb及びおよびRb’は、同一であっても異なっていてもよく、水素原子、炭化水素基、またはハロゲン、エステル、ニトリル、ピリジル等の極性基を示す。Ra、Ra’、Rb及びRb’は互いに結合して環を形成してもよい。p及びおよびp’は1以上の整数であり、q及びq’は0以上の整数である。)
Figure 2021091129
(式(2)中、Rc及びRdは、水素原子、炭化水素基、又はハロゲン、エステル、ニトリル、ピリジル等の極性基を示す。また、Rc及びRdは互いに結合して環を形成してもよい。x及びzは1以上の整数、yは0以上の整数である。)
一般式(1A)および(1B)で表される繰り返し単位を有するポリマーは、1種または2種以上の単量体を公知の開環重合方法によって重合させ、又はこうして得られる開環重合体を常法に従って水素添加したものである。当該ポリマーの市販品としては、日本ゼオン社製の水添重合体 商品名「ゼオノア(登録商標)」、日本合成ゴム社製の商品名「ARTON(登録商標)」等が挙げられる。
一般式(2)で表される構造単位を有するポリマーは、単量体としての、1種または2種以上のノルボルネン系モノマーと、エチレンとを公知の方法によって付加共重合させたもの、又はこれを常法に従って水素添加したものである。当該ポリマーの市販品としては、三井化学社製の商品名「アペル(登録商標)」、ポリプラスチック社製の商品名「トパス(登録商標)」等が挙げられる。
本発明で用いる環状ポリオレフィンポリマー又は環状ポリオレフィンコポリマーの好ましい例としては「ゼオノア(登録商標)」、「トパス(登録商標)」を挙げることができる。
上記一般式(1A)、(1B)及び一般式(2)で表される構成単位を有するポリマーを含む、上記例示の樹脂のなかでも、その水素添加物は、いずれも飽和ポリマーであるので、ガス遮蔽性や水分遮蔽性に加えて、耐熱性や透明性、さらには安定性の点で優れている。本発明に用いる環状ポリオレフィンポリマーは、そのガラス転移温度(Tg )が70℃以上であることが好ましく、80〜120℃であることがより好ましい。また、その分子量の範囲が、シクロヘキサンを溶媒とするゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)分析により測定した数平均分子量(Mn)において1万〜10万であることが好ましく、2万〜5万であることがより好ましい。また、別の観点からはメルトフローレート(230℃、21.2N)値が1〜20(g/10分)であることが好ましい。環状ポリオレフィンの分子鎖中に残留する不飽和結合を水素添加により飽和させる場合において、その水添率は90%以上であることが好ましく、95%以上であることがより好ましく、99%以上であることが特に好ましい。
環状ポリオレフィンポリマー又は環状ポリオレフィンコポリマーは単独の単層の状態で用いることができるほか、他の樹脂と混合した混合樹脂として用いることもできる。混合樹脂として用いる場合、環状ポリオレフィンポリマー又は環状ポリオレフィンコポリマーの含有割合が60質量%を下回ると、薬剤の吸着を防止する効果が低下する。一方、環状ポリオレフィンポリマー又は環状ポリオレフィンコポリマーの含有割合が95質量%を超えると、多層フィルム全体の柔軟性が低下する。よって、混合樹脂として用いる場合、環状ポリオレフィンポリマー又は環状ポリオレフィンコポリマーの含有率は60質量%以上95質量%以下とすることが望ましい。
また、環状ポリオレフィン層においても、前述の接着層に用いる各種添加剤を添加してもよい。いずれの場合も、環状ポリオレフィン層中の環状ポリオレフィンポリマー又は環状ポリオレフィンコポリマーの含有量は、上記下限以上であることが好ましい。
環状ポリオレフィンポリマー又は環状ポリオレフィンコポリマーと混合する樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリプロピレンとポリエチレンまたはポリブテンとの混合物、これらのポリオレフィンの部分架橋物、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体を挙げることができる。この中でも、エチレンのホモポリマー(日本ポリエチレン社製 商品名「ハーモレックス(登録商標)」)、α−オレフィンコポリマー(三井化学社製 商品名「タフマー(登録商標)」)、エチレンと1−オクテンのコポリマー(プライムポリマー社製 商品名「モアテック(登録商標)」)を好ましい例として挙げることができる。
環状ポリオレフィン層には、環状ポリオレフィンポリマー又は環状ポリオレフィンコポリマーの1種を用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
環状ポリオレフィン層の厚みには特に制限はなく、使用目的に応じてバリア性や積層体全体の柔軟性等のバランスを考慮して設計される。環状ポリオレフィン層の厚みが薄過ぎると、バリア性や薬剤の吸着防止効果が低下する。一方、厚みが厚過ぎると、積層体全体の柔軟性が低下する。環状ポリオレフィン層の厚みは、10〜80μm、特に10〜50μm、とりわけ10〜30μmであることが好ましい。
[その他の層]
本発明の積層体は、上記環状ポリオレフィン層と接着層とを有するものであり、通常、環状ポリオレフィン層と接着層とが直接積層されてなるものであるが、前述の通り、接着層は環状ポリオレフィン層の一方の面にのみ設けられていてもよく、両方の面に設けられていてもよい。
また、本発明の積層体は、環状ポリオレフィン層及び接着層以外のその他の層を有していてもよく、酸素バリア性を発現するエチレン・ビニルエステル共重合体鹸化物(例えば、三菱ケミカル社製「ソアノール(登録商標)」やクラレ社製「エバール(登録商標)」)やポリアミド系樹脂(例えば、DSM社製「ノバミッド(登録商標)」)を用いたバリア性樹脂層や、高光沢で外観に優れ、且つ、高強度を発現するポリエステル樹脂層(例えば、イーストマンケミカル社製コポリエステル PETG)も用いることができる。中でも、耐熱性や機械的強度の性能をバランスよく発現するポリプロピレン系樹脂層が好ましい。
その他の層を構成するポリプロピレン系樹脂は、以下の物性を有するものであることが好ましい。
融点:121〜160℃
密度(JIS K7112):0.88〜0.91g/cm
MFR(JIS K7210(測定温度230℃、荷重2.16kg)):1.0〜10g/分
曲げ弾性率(ISO 178):300〜1500MPa
ポリプロピレン系樹脂の密度が上記下限値以上であるとヒートシール性が良好となる傾向にあり、上記上限値以下であると透明性が良好となる傾向にある。また、MFR(メルトフローレート)が上記範囲であると、成形性の観点で好ましい。更に、曲げ弾性率が上記下限値以上であるとヒートシール性が良好となる傾向にあり、上記上限値以下であると耐衝撃性や柔軟性が良好となる傾向にある。
なお、融点については、耐熱性及び滅菌処理の観点から、121℃以上のものが好ましく、より好ましくは125℃以上である。一方、ポリプロピレン系樹脂としての融点の上限は、通常160℃程度である。
このようなポリプロピレン系樹脂としては、市販のものを用いることができ、具体的には日本ポリプロ社製「ノバテック(登録商標)PP」、「ウェルネックス(登録商標)」、「ウィンテック(登録商標)」等が挙げられる。
ポリプロピレン系樹脂層は、要求特性を損なわない範囲において、酸化防止剤、防曇剤、滑剤など当該分野で使用されている添加剤を含有していてもよい。
ポリプロピレン系樹脂層の厚みは特に制限はなく、通常10〜300μmの範囲で用途に応じて適宜設計される。
[積層体の層構成]
本発明の積層体の層構造としては特に制限はなく、
環状ポリオレフィン層/接着層の2層積層構造
環状ポリオレフィン層/接着層/その他の層の3層構造
その他の層/接着層/環状ポリオレフィン層/接着層/その他の層の5層構造
等、様々な積層構造を採用することができる。
[積層体の製造方法]
本発明の積層体の製造方法は、特に制限はなく、公知の種々手法で製造することができる。例えば、(共)押出成形法、インフレーション成形法、ブロー成形法、回転成形法、プレス成形法、射出成形法(インサート射出成形法、二色射出成形法、コアバック射出成形法、サンドイッチ射出成形法、インジェクションプレス成形法)等の各種成形法を用いることができる。中でも(共)押出成形(押出成形又は共押出成形)法が、本発明の積層体の接着層による優れた接着性を活かすことができ、好適である。
このような製造方法により、本発明の積層体は、合計厚み50〜500μmのフィルム又はシートとして製造される。
〔食品用包装袋〕
本発明の食品用包装袋は、上記のような本発明の積層体を用いたものである。
環状ポリオレフィンは水蒸気バリア性に優れるため、環状ポリオレフィン層を積層した包装袋は、経時での内容物の品質を保ったまま、長期間保持することができる。
また、本発明の積層体の接着層は耐熱性に優れており、食品用包装袋としての用途において施されるレトルトやボイルといった加熱処理にも対応できる。
本発明の積層体よりなる食品用包装袋であれば、加熱処理殺菌による長期間品質保持と、高い水蒸気バリアによる内容物の長期間品質保持の2つの相乗効果により、より長い期間の品質保持が可能となる。
[医療用包装袋]
本発明の医療用包装袋は、上記のような本発明の積層体を用いたものである。
食料品包装袋と同様、本発明における環状ポリオレフィン層の高い水蒸気バリア性および接着層の優れた耐熱性により、医療用包装袋としての用途において施されるオートクレーブ滅菌処理により、医療用内容物の品質を長期間に渡って保持することが可能になる。
また、環状ポリオレフィンは、医療用内容物の薬剤に対して、低吸着であることから、医療用内容物の品質保持が可能になる。
一般的にポリエチレンやポリプロピレンといったポリオレフィンは、医療用内容物の薬剤を吸着してしまい、医療用内容物の有効成分である薬剤濃度を低下させてしまうことがある。それを防ぐために、あらかじめ、高い薬剤濃度を仕込む必要があり、非効率である。
これに対して、環状ポリオレフィンを用いた積層体および医療用包装袋では薬剤低吸着性であるため、薬剤を過剰充填する必要がなく、効率的である。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例により限定されるものではない。
[使用原料]
以下の実施例及び比較例で用いた原料は、次の通りである。
<水添ブロック共重合体(I)>
クラレ社製、製品名「セプトン(登録商標)−BIO SF904」
<プロピレン系重合体(II)>
・三菱ケミカル社製、製品名「ゼラス(登録商標)7025」(MFR(230℃、21N):1.6g/10min、溶融ピーク温度:162℃)
<ファルネセンを用いていないスチレン系エラストマー>
・クレイトン社製、製品名「G1645M」
・クラレ社製、製品名「ハイブラー(登録商標)7311F」
<環状ポリオレフィン>
・日本ゼオン社製、製品名「ゼオノア(登録商標)1060R」
[実施例1]
<接着層用樹脂組成物の調製>
表1に記載の水添ブロック共重合体(I)、及びプロピレン系重合体(II)を表1に記載の割合で用い、ドライブレンドし、株式会社テクノベル社製の同方向回転完全噛み合い型2軸スクリュ押出機「KZW15−45MG−NH」で、シリンダ温度200℃、スクリュ回転数250rpmで溶融混練し、接着層用樹脂組成物を得た。
<積層体の成形>
上記で得られた接着層用樹脂組成物を接着層に用い、Tダイ成形機を用いて、成形温度230℃、ラインスピード5m/minでポリプロピレン層/接着層/環状ポリオレフィン層/接着層/ポリプロピレン層の3種5層積層フィルムを成形した。得られた3種5層積層フィルムの各層の厚さは、30/10/20/10/30μmの層構成で、総厚みは100μmである。
なお、ポリプロピレン層には、日本ポリプロ社製ランダムポリプロピレン、製品名「ノバテックPP(登録商標)FW4B」を用いた。
<接着強度の測定>
得られた3種5層積層フィルムについて、接着層層と環状ポリオレフィン層との層間接着強度(N/15mm)を下記の条件で測定した。結果を表1に示す。
剥離幅:15mm
剥離角度:Tピール
剥離速度:300mm/min
測定雰囲気温度:23℃
[比較例1、2]
実施例1の接着層用樹脂組成物の調製において、水添ブロック共重合体(I)を用いず、ファルネセンを用いていないスチレン系エラストマーを配合した以外は実施例1と同様に接着層用樹脂組成物を調製し、さらに実施例1と同様にフィルム成形、接着強度の評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2021091129
表1より明らかなように、実施例1では接着層と環状ポリオレフィン層との接着強度が高い。これは水添ブロック共重合体(I)を用いたため、被着体との密着性が向上したことによるものと考えられる。
これに対して、比較例1、2では水添ブロック共重合体(I)を用いていないため、被着体との密着性が不十分であり、接着強度が低い。

Claims (2)

  1. 接着層と環状ポリオレフィン層とを有する積層体を用いた医療用包装袋であって、該接着層が、芳香族ビニル化合物由来の構造単位を含む重合体ブロック(A)、並びにファルネセン由来の構造単位(b1)を1〜100質量%及びファルネセン以外の共役ジエン由来の構造単位(b2)を99〜0質量%含む重合体ブロック(B)を含有するブロック共重合体(P)の水素添加物である水添ブロック共重合体(I)と、プロピレン系樹脂(II)とを含む、医療用包装袋。
  2. 接着層と環状ポリオレフィン層とを有する積層体を用いた食品用包装袋であって、該接着層が、芳香族ビニル化合物由来の構造単位を含む重合体ブロック(A)、並びにファルネセン由来の構造単位(b1)を1〜100質量%及びファルネセン以外の共役ジエン由来の構造単位(b2)を99〜0質量%含む重合体ブロック(B)を含有するブロック共重合体(P)の水素添加物である水添ブロック共重合体(I)と、プロピレン系樹脂(II)とを含む、食品用包装袋。
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