JP2014208476A - 積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】複屈折が小さく、水蒸気バリア性、透明性等に優れ、また、粘着シート及び粘着フィルム等に適用するための粘着性に優れた積層体、並びに該積層体からなる保護フィルム及び粘着フィルムを提供する。
【解決手段】下記層(X)及び層(Y)が積層されてなる積層体。この積層体を含む保護フィルム及び粘着フィルム。
層(X):水素化ビニル芳香族重合体ブロックAと、イソブチレンを主体とする重合体のブロックBとを有する水素化ブロック共重合体を主成分とする層
層(Y):エチレンと環状オレフィンの共重合体(y1)、及び環状オレフィンの開環重合体の水素添加物(y2)から選ばれる非晶性ポリオレフィンを主成分とする層
【選択図】なし

Description

本発明は、透明性、光学特性、水蒸気バリア性、粘着性等に優れた積層体に関する。また、本発明は該積層体を含む保護フィルム及び粘着フィルムに関する。
液晶ディスプレイを代表とするフラットパネルディスプレイ装置には、偏光板、導光板、位相差フィルム、保護フィルム等の光学フィルムが幾層にも重なって使用されている。これらのフィルムに使用される素材は、光学特性に優れるガラス状ポリマーが使用されており、特に光学特性の中でも、複屈折の小さいアクリル樹脂や環状ポリオレフィンが好まれて使用されている。
最近では、特にディスプレイの携行化等により、ディスプレイそのものに応力がかかる場合が増えており、その様な応力下ではディスプレイの黒表示時の光漏れが問題になる。また、ディスプレイそのものを柔軟化し応力が常にかかるような状態で使用されることも想定される傾向にあり、応力下でのディスプレイの黒表示時の光漏れは解決すべき問題になっている。この光漏れは、応力下でも複屈折が小さい、即ち光弾性係数の小さい素材で組み合わせて用いることで解決されうるが、幾層にも積層されるフィルム同士を張り合わせる際に使用される粘着剤(粘着フィルム又は粘着シート)までにも複屈折の小さい素材が求められる傾向にある。このような粘着剤として、メチルメタクリレート、トリフルオロエチルメタクリレート及びベンジルメタクリレートの共重合体が有用であることが報告されている(非特許文献1)。
ポリマーフロンティア21講演録シリーズ33「高性能透明ポリマー材料」(編集:高分子学会、出版:エヌ・ティー・エス、発刊:2012年4月)第38頁〜第62頁)
本発明者らの詳細な検討によれば、ディスプレイ装置は、水蒸気等のガスから保護される必要性があるため、上記非特許文献1に記載されているような粘着剤において、更にガスバリア性、特に水蒸気バリア性が必要であるとの課題が見出された。
本発明はこのような従来技術の問題点を鑑みてなされたものであって、複屈折が小さく、水蒸気バリア性、透明性等に優れ、また、粘着シート及び粘着フィルム等に適用するための粘着性に優れた積層体、並びに該積層体からなる保護フィルム及び粘着フィルムを提供することを課題とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の構造を有する水素化ブロック共重合体からなる層と、特定の非晶性ポリオレフィンからなる層との積層体により、上記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下の[1]〜[9]を要旨とする。
[1] 下記層(X)及び層(Y)が積層されてなる積層体。
層(X):水素化ビニル芳香族重合体ブロックAと、イソブチレンを主体とする重合体のブロックBとを有する水素化ブロック共重合体を主成分とする層
層(Y):エチレンと環状オレフィンの共重合体(y1)、及び環状オレフィンの開環重合体の水素添加物(y2)から選ばれる非晶性ポリオレフィンを主成分とする層
[2] 前記水素化ブロック共重合体の重量平均分子量が10000以上200000以下である、[1]に記載の積層体。
[3] 前記水素化ブロック共重合体が、前記水素化ビニル芳香族重合体ブロックAを2以上有する、[1]又は[2]に記載の積層体。
[4] 前記水素化ビニル芳香族重合体ブロックAが、芳香族環を水素化した水素化ポリスチレンブロックである、[1]乃至[3]のいずれかに記載の積層体。
[5] 前記水素化ビニル芳香族重合体ブロックAの芳香族環の水素化率が50モル%以上である、[1]乃至[4]のいずれかに記載の積層体。
[6] 前記貯蔵弾性率が200〜2000MPaである樹脂が、ポリプロピレン系樹脂及び/又はポリエチレン系樹脂である、[1]乃至[5]のいずれかに記載の積層体。
[7] 前記層(X)の厚みが5〜50μmで、前記層(Y)の厚みが10〜100μmである、[1]乃至[6]のいずれかに記載の積層体。
[8] [1]乃至[7]のいずれかに記載の積層体を含む保護フィルム。
[9] [1]乃至[7]のいずれかに記載の積層体を含む粘着フィルム。
本発明によれば、複屈折が小さく、水蒸気バリア性、透明性等に優れ、また、粘着シート及び粘着フィルム等に適用するための粘着性に優れた積層体、並びに該積層体からなる保護フィルム及び粘着フィルムが提供される。
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、任意に変形して実施することができる。なお、本発明において、「〜」を用いてその前後に数値又は物性値を挟んで表現する場合、その前後の値を含むものとして用いることとする。
本発明の積層体は、下記層(X)及び層(Y)が積層されてなることを特徴とする。
層(X):水素化ビニル芳香族重合体ブロックAと、イソブチレンを主体とする重合体のブロックBとを有する水素化ブロック共重合体(以下、この水素化ブロック共重合体を「水素化ブロック共重合体(X)」と称す場合がある。)を主成分とする層
層(Y):エチレンと環状オレフィンの共重合体(y1)、及び環状オレフィンの開環重合体の水素添加物(y2)から選ばれる非晶性ポリオレフィン(以下、この非晶性ポリオレフィンを「非晶性ポリオレフィン(Y)」と称す場合がある。)を主成分とする層
本発明で用いる水素化ブロック共重合体(X)は、透明性、光学特性、柔軟性、機械物性、成形性、耐熱性、水蒸気バリア性、低吸湿性、並びに薬液非吸着性にバランスよく優れるものであり、特に柔軟でフィルム成形性等の成形性に優れるという特長を有する。
一方、非晶性ポリオレフィン(Y)は、耐衝撃性、剛性、引張強度、耐熱性、表面光沢性、透明性、水蒸気バリア性、低吸湿性、薬液非吸着性等にバランス良く優れるものである。
また、水素化ブロック共重合体(X)と非晶性ポリオレフィン(Y)は、屈折率が近似しているため、複屈折が小さく、透明性に優れた積層体とすることができ、更には、水素化ブロック共重合体(X)と、非晶性ポリオレフィン(Y)とは、相溶性にも優れるため、このような水素化ブロック共重合体(X)と非晶性ポリオレフィン(Y)とを用いる本発明の積層体は、二層押出成形等により容易に製造することができ、製造された積層体の層間密着性にも優れる。
なお、本発明の積層体を構成する層(X)は、水素化ブロック共重合体(X)を主成分とし、層(Y)は樹脂(Y)を主成分とするものであるが、ここで「主成分とする」とは、当該層を構成する全成分の50重量%より多いことを意味するものであり、70重量%以上を占めることが好ましく、80重量%以上を占めることがより好ましく、90重量%以上を占めることが更に好ましく、95〜100重量%を占めることが特に好ましい。
即ち、本発明に係る層(X)には、水素化ブロック共重合体(X)以外の通常の樹脂組成物に使用される各種の樹脂添加剤が含まれていてもよく、場合によって水素化ブロック共重合体(X)以外の他の樹脂成分が含まれていてもよい。同様に、層(Y)にも、非晶性ポリオレフィン(Y)以外の通常の樹脂組成物に使用される各種の樹脂添加剤が含まれていてもよく、場合によって、非晶性ポリオレフィン(Y)以外の他の樹脂成分が含まれていてもよい。
[層(X)]
本発明の積層体を構成する層(X)に含まれる水素化ブロック共重合体(X)は、水素化ビニル芳香族重合体ブロックAと、イソブチレンを主体とする重合体のブロックBとを有する水素化ブロック共重合体である。この水素化ブロック共重合体(X)は、水素化ビニル芳香族重合体ブロックAの2以上と、イソブチレンを主体とする重合体のブロックBとを有することが好ましい。即ち、水素化ブロック共重合体(X)は、ブロックAの2以上と少なくとも1つのブロックBを有する水素化ブロック共重合体であることが好ましい。また、その重量平均分子量は10000以上200000以下であることが好ましい。
水素化ブロック共重合体(X)の水素化ビニル芳香族重合体ブロックAを構成する、水素化前の単量体のビニル芳香族類としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フルオレン環、フェナントレン環等の芳香環にビニル基が結合したものが挙げられ、この芳香環にはビニル基以外の置換基が結合していてもよい。具体的には、スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、4−t−ブチルスチレン、5−t−ブチル−2−メチルスチレン、4−モノクロロスチレン、4−クロロメチルスチレン、4−ヒドロキシメチルスチレン、4−t−ブトキシスチレン、ジクロロスチレン、4−モノフルオロスチレン、4−フェニルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン等が挙げられ、スチレン、α−メチルスチレン、4−メチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、4−クロロメチルスチレン、ビニルナフタレンが好ましく用いられ、さらにスチレン、α−メチルスチレン、4−メチルスチレン、4−t−ブチルスチレンが好ましく用いられ、最も好ましくはスチレンが用いられる。これらのビニル芳香族類は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。特に、水素化ビニル芳香族重合体ブロックAは、芳香族環を水素化した水素化ポリスチレンブロックであることが好ましい。
なお、水素化ビニル芳香族重合体ブロックAは、通常、単量体として水素化されたビニル芳香族類のみで構成されるブロックであるが、本発明の目的を損なうことのない範囲において、例えば水素化ビニル芳香族重合体ブロックAの全重量の50重量%以下の割合でビニル芳香族類以外の単量体成分を含んでいてもよい。
一方、イソブチレンを主体とする重合体のブロックBは、単量体成分としてイソブチレンを、イソブチレンを主体とする重合体のブロックBの全重量の50重量%より多く含有するものであり、好ましくは55重量%以上、より好ましくは60重量%以上、更に好ましくは70重量%以上、特に好ましくは80〜100重量%含有するものであり、上記の範囲において、他の単量体が共重合されていてもよい。イソブチレンを主体とする重合体のブロックB中に単量体成分としてイソブチレンを上記の範囲で含むことにより、透明性、光学特性、柔軟性、機械物性、水蒸気バリア性、低吸湿性、薬液非吸着性にバランスよく優れた水素化ブロック共重合体が得られる。イソブチレンを主体とする重合体のブロックBがイソブチレン以外の他の単量体成分を含む場合、他の単量体としては、イソブチレンとカチオン重合可能な単量体であれば特に限定されないが、例えば、上記のビニル芳香族類、脂肪族オレフィン類、ジエン類、ビニルエーテル類、β−ピネン等の1種又は2種以上が挙げられる。
水素化ブロック共重合体(X)は、好ましくは、2以上のセグメントA(水素化ビニル芳香族重合体ブロックA)と1以上のセグメントB(イソブチレンを主体とする重合体のブロックB)を有し、その組合せによって、A−(B−A)、(A−B)、B−A−(B−A)−Bなどの構造を有するものが挙げられるが(ただし、nは1以上の整数、mは2以上の整数を表す)、これらのうち、A−(B−A)、特にA−B−Aの構造を有するものが好ましい。
ただし、水素化ブロック共重合体(X)は、1つのセグメントA(水素化ビニル芳香族重合体ブロックA)と1つのセグメントB(イソブチレンを主体とする重合体のブロックB)を有するもの、すなわちA−Bであってもよい。
また、水素化ブロック共重合体(X)の分子構造は、直鎖状、分岐状、放射状あるいはこれらの任意の組合せのいずれであってもよい。
水素化ブロック共重合体(X)の水素化ビニル芳香族重合体ブロックAの含有量は、好ましくは5重量%以上であり、より好ましくは10重量%以上であり、更に好ましくは15重量%以上であり、一方、好ましくは95重量%以下であり、より好ましくは80重量%以下であり、更に好ましくは60重量%以下であり、特に好ましくは40重量%以下である。水素化ブロック共重合体(X)の水素化ビニル芳香族重合体ブロックAの含有量が上記上限値以下であることにより、柔軟性や弾力性が良好なものとなり、耐衝撃性に優れる傾向にあり、一方、上記下限値以上であることにより、耐熱性が良好なものとなる傾向にある。
なお、水素化ブロック共重合体(X)は、水素化ビニル芳香族重合体ブロックAと、イソブチレンを主体とする重合体のブロックBを有するものであればよく、水素化ビニル芳香族重合体ブロックAとイソブチレンを主体とする重合体のブロックB以外の他の重合体又は共重合体ブロックCを有していてもよい。この場合、他のブロックCとしては、例えば、イソブチレンを主体とする重合体のブロックBにおいて、イソブチレンの含有量が50重量%未満である重合体又は共重合体ブロックや、脂肪族オレフィン類、ジエン類、ビニルエーテル類、β−ピネンの1種又は2種以上よりなる重合体又は共重合体ブロックが挙げられる。
ただし、水素化ブロック共重合体(X)中の他のブロックCの含有量が多過ぎると、水素化ビニル芳香族重合体ブロックAとイソブチレンを主体とする重合体のブロックBとを含有することによる水素化ブロック共重合体(X)の効果が低下する傾向にあるため、水素化ブロック共重合体(X)が他のブロックCを含有する場合、その含有量は、水素化ブロック共重合体(X)の全重量に対して40重量%以下、特に20重量%以下であることが好ましい。
水素化ブロック共重合体(X)の製造方法としては、上記の構造が得られるものであればどのような製造方法を用いてもよい。例えば、特開平11−100420号公報に記載される方法により、ルイス酸触媒等を用いて有機溶媒中でカチオン重合を行うことによって得られるビニル芳香族系ブロック共重合体の芳香環を水素化することによって得ることができる。
ビニル芳香族系ブロック共重合体の芳香環の水素化方法や反応形態などは特に限定されず、公知の方法に従って行えばよいが、水素化率を高くすることができ、また、重合体鎖切断反応の少ない水素化方法が好ましい。このような好ましい水素化方法としては、ニッケル、コバルト、鉄、チタン、ロジウム、パラジウム、白金、ルテニウム、レニウムなどから選ばれる少なくとも1種の金属を含む触媒を用いて行う方法が挙げられる。この水素化触媒は、不均一系触媒、均一系触媒のいずれも使用可能であり、水素化反応は有機溶媒中で行うことが好ましい。
不均一系触媒は、金属又は金属化合物のままで、又は適当な担体に担持して用いることができる。担体としては、例えば、活性炭、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、チタニア、マグネシア、ジルコニア、ケイソウ土、炭化珪素、フッ化カルシウムなどが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。触媒成分の担持量は、触媒成分と担体との合計量に対して通常0.1重量%以上、好ましくは1重量%以上で、通常60重量%以下、好ましくは50重量%以下である。
均一系触媒としては、ニッケル、コバルト、チタン又は鉄などの金属化合物と、有機アルミニウムや有機リチウムのような有機金属化合物とを組み合わせた触媒;ロジウム、パラジウム、ルテニウム、レニウム、チタン、ジルコニウム、ハフニウムなどの有機金属錯体などを用いることができる。
上記金属化合物としては、各金属のアセチルアセトン塩、ナフテン酸塩、シクロペンタジエニル化合物、シクロペンタジエニルジクロロ化合物などが用いられる。有機アルミニウムとしては、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムなどのアルキルアルミニウム;ジエチルアルミニウムクロリド、エチルアルミニウムジクロリドなどのハロゲン化アルキルアルミニウム;ジイソブチルアルミニウムハイドライドなどの水素化アルキルアルミニウムなどが使用される。
有機金属錯体としては、上記各金属のγ−ジクロロ−π−ベンゼン錯体、ジクロロ−トリス(トリフェニルホスフィン)錯体、ヒドリド−クロロ−トリス(トリフェニルホスフィン)錯体などが挙げられる。
これらの水素化触媒は、それぞれ単独で、又は2種以上組み合わせて用いることができる。水素化触媒の使用量は、ビニル芳香族系ブロック共重合体100重量部当たりの触媒有効成分量として、通常0.001重量部以上、好ましくは0.005重量部以上、より好ましくは0.01重量部以上で、通常50重量部以下、好ましくは30重量部以下、より好ましくは15重量部以下である。
水素化反応は、5〜25MPaの圧力、100〜200℃の温度下にて、溶媒としてシクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n−オクタン、デカリン、テトラリン、ナフサ等の飽和炭化水素系溶媒あるいは、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒を用いて行なうことが好ましい。溶媒の使用量には特に制限はないが、通常、ビニル芳香族系ブロック共重合体100重量部に対して100重量部以上、1000重量部以下である。
ビニル芳香族系ブロック共重合体の芳香環の水素化率は、好ましくは50モル%以上、より好ましくは80モル%以上、更に好ましくは90モル%以上である。水素化率が上記下限値以上であることにより、透明性、耐熱性、成形性に優れたものとなる。芳香環の水素化率は例えば、H−NMRにより、0.5〜2.5ppm付近の脂肪族由来のピークと6.0〜8.0ppm付近の芳香環由来のピークの積分値から算出することができる。
上記水素化反応終了後に水素化ブロック共重合体を回収する方法は、特に限定されない。回収方法としては、通常、濾過、遠心分離等の方法により水素化触媒残渣を除去した後、水素化ブロック共重合体が溶解した溶液から、スチームストリッピングにより溶媒を除去するスチーム凝固法、減圧加熱下で溶媒を除去する直接脱溶媒法、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、水、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル等の、水素化ブロック共重合体の貧溶媒中に溶液を注いで水素化ブロック共重合体を析出、凝固させる凝固法などの公知の方法を採用することができる。
水素化ブロック共重合体(X)は、テトラヒドロフランを溶媒とするゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が、通常10000以上、好ましくは30000以上、より好ましくは50000以上で、通常200000以下、好ましくは150000以下、より好ましくは130000以下である。水素化ブロック共重合体(X)のMwが上記下限値以上であることにより、得られる積層体の機械強度、耐熱性、成形性が良好なものとなる傾向にあり、上記上限値以下であることにより、加工時の溶融粘度が下がり、成形性が良好なものとなる傾向にある。
水素化ブロック共重合体(X)の分子量分布は、使用目的に応じて適宜選択できるが、上記のGPCにより測定されるポリスチレン換算のMwと数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)で、好ましくは4以下、より好ましくは3以下、特に好ましくは2以下である。Mw/Mnが上記上限値以下であると、成形性や耐熱性、透明性などに優れる積層体が得られる。
水素化ブロック共重合体(X)は、230℃(ノズル径2mm)のメルトフローレート(MFR)の下限値が、通常0.01g/分以上、好ましくは0.1g/分以上、より好ましくは0.5g/分以上、最も好ましくは1g/分以上であり、該MFRの上限値が通常500g/分以下、好ましくは200g/分以下、より好ましくは100g/分以下、最も好ましくは50g/分以下である。MFRが上記下限値以上であることにより、成形及び製造に適した粘度で製造が容易となり、上記上限値以下であることにより、加工時の成形性が良好となり、得られる積層体の機械物性が十分なものとなる。
なお、層(X)には、水素化ブロック共重合体(X)の1種のみが含まれていてもよく、前述のブロックAやブロックBの構成成分や組成、重量平均分子量や芳香環の水素化率などの異なる2種以上の水素化ブロック共重合体(X)が含まれていてもよい。
また、層(X)は、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じて上記水素化ブロック共重合体(X)以外の他の樹脂成分、各種添加剤などを含んでいてもよい。
本発明に係る層(X)が含有し得る他の樹脂成分としては、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、エチレン・メタクリル酸エステル共重合体のようなエチレン・α−オレフィン共重合体、ポリエチレン、ポリブテン−1樹脂等のポリオレフィン樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド系樹脂、アラミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の芳香族ポリエステル系樹脂、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート、ポリカプロラクトン等脂肪族ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアリレート系樹脂、変性ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリオキシメチレンホモポリマー、ポリオキシメチレンコポリマー等のポリオキシメチレン系樹脂、ポリメチルメタクリレート系樹脂、ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、ジヒドロキシポリシロキサンなどのケイ素含有軟質重合体、ポリスチレンなどのビニル芳香族重合体、エチレン・プロピレン共重合ゴム(EPM)、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合ゴム(EPDM)、エチレン・ブテン共重合ゴム(EBM)、エチレン・プロピレン・ブテン共重合ゴム等のエチレン系エラストマー、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレンブロック共重合体等のスチレン系エラストマー、ポリブタジエン、水素化ビニル芳香族重合体、水素化スチレン/ブタジエン又はスチレン/イソプレンブロック共重合体を含むその他の水素化ビニル芳香族ブロック共重合体、シクロオレフィン重合体、シクロオレフィン共重合体などが挙げられる(ただし、上記の樹脂成分のうち、水素化ブロック共重合体(X)に含まれるものを除く。)。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なかでも、透明性、耐熱性、ガスバリア性、並びに薬液非吸着性のバランスに優れることから、水素化ビニル芳香族重合体、水素化ビニル芳香族ブロック共重合体、シクロオレフィン重合体、シクロオレフィン共重合体、ポリオレフィン樹脂が好ましく、特に、水素化ビニル芳香族重合体が好ましい。
なお、上記の水素化ビニル芳香族重合体や水素化ビニル芳香族ブロック共重合体を構成する単量体のビニル芳香族類としては、スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、4−t−ブチルスチレン、5−t−ブチル−2−メチルスチレン、4−モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、4−モノフルオロスチレン、4−フェニルスチレンビニルナフタレン、ビニルアントラセン等が挙げられ、中でもスチレン、α−メチルスチレン、4−メチルスチレンが好ましく用いられる。これらのビニル芳香族類は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ただし、これらの他の樹脂成分は、水素化ブロック共重合体(X)を用いることによる本発明の効果を有効に得る上で、層(X)中の含有量として30重量%以下とすることが好ましく、15重量%以下とすることがより好ましい。
添加剤としては、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、フィラーなどの充填剤、中和剤、滑剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、分散剤、着色剤、難燃剤、帯電防止剤、導電性付与剤、架橋剤、架橋助剤、金属不活性化剤、分子量調整剤、防菌剤、防黴材、蛍光増白剤、有機拡散剤や無機拡散剤等の光拡散剤等が挙げられる。
[層(Y)]
本発明の積層体を構成する層(Y)に含まれる非晶性ポリオレフィン(Y)は、エチレンと環状オレフィンの共重合体(y1)(以下、「共重合体(y1)」と称す場合がある。)、及び環状オレフィンの開環重合体の水素添加物(y2)(以下、「水添開環重合体(y2)」と称す場合がある。)から選ばれる非晶性(すなわち、DSC測定により融点が実質的に観測されない性質)を有するポリオレフィン(Y)である。なお、共重合体(y1)は、エチレンと環状オレフィンとからなる共重合体に限らず、エチレンと環状オレフィンとエチレン以外のオレフィンとの共重合体であってもよい。
非晶性ポリオレフィン(Y)の数平均分子量又は極限粘度数は、特に限定されることなく目的等に応じて適宜好適なものを採用することができるが、一般的には、数平均分子量が10000〜500000の範囲内であるか、又はデカリン中135℃で測定した極限粘度数が0.01〜20dL/gの範囲内であることが好ましい。非晶性ポリオレフィン(Y)の数平均分子量又は極限粘度数が上記上限値以下であると成形性の観点から好ましく、上記下限値以上であると靭性の観点から好ましい。
非晶性ポリオレフィン(Y)において、メルトフローレート(MFR)は溶融時の流動性や外観、膜厚保精度に関わる指標である。非晶性ポリオレフィン(Y)のMFRは1〜50g/10分であることが望ましく、更に好ましくは1〜15g/10分である。上記下限値以上であると流動性の観点で好ましく、上記下限値以下であるとネックインが大きくなりすぎず、歩留まりが向上し、偏肉精度も向上するため好ましい。ここで、ネックインとはフィルム成形で用いるTダイの巾と、実際の成形品フィルムの巾の差であり、ネックインが小さいと製品のロスが小さくなるため好ましい。また、成形品のフィルムは全体が均一な厚みであることが重要な品質であるが、偏肉精度が良いと幅方向に厚みムラが生じないので好ましい。
非晶性ポリオレフィン(Y)の好ましい具体例としては、例えば、以下の式(1)で表される繰り返し単位を有するポリマーや、以下の式(2)で表される繰り返し単位を有するポリマーが挙げられるが、本発明で用いる非晶性ポリオレフィン(Y)は、何ら以下のものに限定されるものではない。
<共重合体(y1)>
共重合体(y1)におけるエチレンの共重合成分の環状オレフィンとしては、例えば、ノルボルネン、ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−メチルビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5,6−ジメチルビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8,9−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン等のノルボルネン類が挙げられる。これらの環状オレフィンは、更にアルキル基、ハロゲン、エステル、ニトリル、ピリジル等の極性基等の置換基を有していてもよい。これらの環状オレフィンは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。中でも、ノルボルネン、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンが好ましい。
また、共重合体(y1)がエチレン以外のオレフィンを共重合成分として含む場合、そのオレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどの炭素数3〜20のα−オレフィン等が挙げられる。これらのオレフィンは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
共重合体(y1)に含まれる単量体成分としてのエチレンと環状オレフィンの割合は、エチレン/環状オレフィンのモル比として、エチレン/環状オレフィン=80/20〜30/70の範囲であることが好ましい。この範囲においてエチレンが少ないほど共重合体(y1)のガラス転移温度が高くなり耐熱性に優れたものとなる傾向にあり、また、この範囲において多いほど共重合体(y1)の成形性が良好となる傾向にあり、また靭性が優れたものとなる傾向にある。
また、共重合体(y1)が単量体成分としてエチレン以外のオレフィンを含む場合、エチレンと環状オレフィンとの共重合体としての特性を維持するために、エチレン以外のオレフィンの割合は、エチレンに対して50モル%以下、特に30モル%以下であることが好ましい。
このような共重合体(y1)の製造方法は特に限定されることなく、公知の種々の製造方法を採用することができる。共重合体(y1)は、例えば、エチレン及び環状オレフィン、又はそれらと必要に応じて用いられるエチレン以外のオレフィンを、液相で共重合させることによって製造することができる。該液相での共重合は、例えば、可溶性バナジウム化合物と有機アルミニウム化合物とからなる触媒の存在下、シクロヘキサン等の炭化水素溶媒中で、−50℃〜100℃の範囲内の温度、0〜50kg/cmGの範囲内の圧力で行うことができる。
共重合体(y1)としては例えば下記式(1)で表される繰り返し単位を有するポリマーであることが好ましい。
Figure 2014208476
上記式(1)中、R及びRはそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、水素原子、炭化水素残基、又はハロゲン、エステル、ニトリル、ピリジル等の極性基を示す。また、R及びRは互いに結合して環を形成してもよい。aは1以上の整数、bは0以上の整数、cは1以上の整数である。
共重合体(y1)は市販品として入手可能であり、その具体例としては、三井化学(株)製の商品名「アペル(登録商標)」、ポリプラスチック株式会社の商品名「トパス(登録商標)」等が挙げられる。
<水添開環重合体(y2)>
水添開環重合体(y2)を構成する環状オレフィンとしては、例えば、ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−メチルビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5,6−ジメチルビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−カルボキシメチルビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、2,3−ジヒドロジシクロペンタジエン、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−カルボキシメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−カルボキシメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン等のノルボルネン類などが挙げられる。これらの環状オレフィンは、更にアルキル基、ハロゲン、エステル、ニトリル、ピリジル等の極性基等の置換基を有していてもよい。これらの環状オレフィンは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
水添開環重合体(y2)の製造方法も特に限定されることなく、公知の種々の製造方法が採用可能である。水添開環重合体(y2)は、例えば、環状オレフィンを開環重合した後、生成した重合体が有するオレフィン性不飽和結合部分を水素化することによって製造することができる。該開環重合は、例えば、環状オレフィンを、遷移金属化合物又は白金族金属化合物と有機アルミニウム化合物等の有機金属化合物を含む触媒系において、必要に応じて脂肪族又は芳香族の第三級アミン等の添加剤の存在下に、−20℃〜100℃の範囲内の温度、0〜50kg/cmGの範囲内の圧力で行うことができる。また該水素化は、通常の水素化触媒の存在下で行うことができる。
水添開環重合体(y2)としては例えば下記式(2)で表される繰り返し単位を有するポリマーであることが好ましい。
Figure 2014208476
上記式(2)中、R及びRはそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、水素原子、炭化水素残基、またはハロゲン、エステル、ニトリル、ピリジル等の極性基を示す。なお、RとRはそれぞれ互いに結合して環を形成してもよい。eは1以上の整数、dは0または1以上の整数である。なお、水添開環重合体(y2)は上記式(2)で表される構造のうち、異なる構造のものが複数含まれていてもよい。また、上記式(2)で表されるものの中でも、下記式(3)で表されるものを含むことが好ましく、より具体的には、分子中に下記式(3)で表されるものが30モル%以上含まれることが好ましい。
Figure 2014208476
水添開環重合体(y2)は市販品として入手可能であり、その具体例としては、日本ゼオン(株)製の水添重合体 商品名「Zeonor(登録商標)」、JSR(株)製の商品名「ARTON(登録商標)」等が挙げられる。
層(Y)には、共重合体(y1)又は水添開環重合体(y2)の1種のみが含まれていてもよく、共重合成分や共重合組成などの異なる2種以上の共重合体(y1)や水添開環重合体(y2)の2種以上が含まれていてもよい。また、共重合体(y1)の1種又は2種以上と水添開環重合体(y2)の1種又は2種以上が含まれていてもよい。
層(Y)には、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じて上記非晶性ポリオレフィン(Y)以外の他の樹脂成分、各種添加剤などを含んでいてもよい。
本発明に係る層(Y)が含有し得る他の樹脂成分としては、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、エチレン・メタクリル酸エステル共重合体のようなエチレン・α−オレフィン共重合体、ポリエチレン、ポリブテン−1樹脂等のポリオレフィン樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド系樹脂、アラミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の芳香族ポリエステル系樹脂、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート、ポリカプロラクトン等脂肪族ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアリレート系樹脂、変性ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリオキシメチレンホモポリマー、ポリオキシメチレンコポリマー等のポリオキシメチレン系樹脂、ポリメチルメタクリレート系樹脂、ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、ジヒドロキシポリシロキサンなどのケイ素含有軟質重合体、ポリスチレンなどのビニル芳香族重合体、エチレン・プロピレン共重合ゴム(EPM)、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合ゴム(EPDM)、エチレン・ブテン共重合ゴム(EBM)、エチレン・プロピレン・ブテン共重合ゴム等のエチレン系エラストマー、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレンブロック共重合体等のスチレン系エラストマー、ポリブタジエン、水素化ビニル芳香族重合体、水素化スチレン/ブタジエン又はスチレン/イソプレンブロック共重合体を含むその他の水素化ビニル芳香族ブロック共重合体、シクロオレフィン重合体、シクロオレフィン共重合体などが挙げられる(ただし、上記の樹脂成分のうち、非晶性ポリオレフィン(Y)に含まれるものを除く。)。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ただし、これらの他の樹脂成分は、非晶性ポリオレフィン(Y)を用いることによる本発明の効果を有効に得る上で、層(Y)中の含有量として30重量%以下とすることが好ましく、15重量%以下とすることがより好ましい。
添加剤としては、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、フィラーなどの充填剤、中和剤、滑剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、分散剤、着色剤、難燃剤、帯電防止剤、導電性付与剤、架橋剤、架橋助剤、金属不活性化剤、分子量調整剤、防菌剤、防黴材、蛍光増白剤、有機拡散剤や無機拡散剤等の光拡散剤等が挙げられる。
[各層の厚み・総厚み]
本発明の積層体の層(X)の厚みは、5〜50μm、特に10〜40μmであることが好ましく、層(Y)の厚みは10〜100μm、特に20〜80μmで、層(X)と層(Y)との厚み比は、[層(X)の厚み]/[層(Y)の厚み]=1/5〜1/2、特に1/3〜1/2であることが好ましい。また、本発明の積層体の総厚みは15〜150μm、特に40〜100μmであることが好ましい。
層(X)の厚みが上記下限値以上であると、層(X)を設けたことによる水蒸気バリア性、粘着性の観点から好ましく、一方、層(X)の厚みが上記上限値以下であると透明性の観点から好ましく、また、積層体の総厚みの薄肉化、材料費等の観点からも好ましい。
一方、層(Y)は積層体としての強度、保護効果等を担うものであり、層(Y)の厚み上記下限値以上であることがこの効果を得る観点で好ましく、一方、層(Y)の厚みが上記上限値以下であると透明性の観点から好ましい。また、積層体の総厚みの薄肉化、材料費等の観点からも好ましい。
また、積層体の総厚みは、薄肉化を阻害しない範囲で各層に必要な厚みを確保するために、上述のような厚みであることが好ましく、また、この総厚みの範囲で、各層の厚みを十分なものとするために、層(X)と層(Y)の厚み比についても上記範囲とすることが好ましい。
[その他の層]
本発明の積層体は、層(X)と層(Y)を積層してなるものであり、通常、層(X)と層(Y)とが直接積層された2層積層体として提供されるが、必要に応じて、層(X)と層(Y)との間に、ポリオレフィン系樹脂からなる接着剤層や、液体塗布型、反応硬化型の接着剤層を設けることもできる。また、層(Y)の外側に必要に応じて塗布型の離型層、練りこみ型の離型層又は表面凹凸からなる離型層を設けることもできる。
[積層体の製造方法]
本発明の積層体の製造方法は特に限定されない。
例えば、水素化ブロック共重合体(X)又は水素化ブロック共重合体(X)に他の樹脂成分や添加剤を溶融混練して得られる水素化ブロック共重合体(X)組成物と、非晶性ポリオレフィン(Y)又は非晶性ポリオレフィン(Y)に他の樹脂成分や添加剤を溶融混練して得られる非晶性ポリオレフィン(Y)組成物とを用い、これら各層の形成材料を共押出することにより積層一体化する方法、予め成膜された層(Y)の片面に層(X)の形成材料をラミネートし、積層一体化する方法などが挙げられる。
層(Y)と、層(X)とを共押出によって積層一体化する方法としては、インフレーション法、Tダイ法等の公知の方法が用いられ、層(X)を層(Y)上にラミネートする方法としては、層(X)の形成材料を適当な溶媒に溶解させた溶液を塗工する溶液塗工法、ドライラミネーション法、Tダイを用いた押出コーティング法等を用いることができる。
これらの中でも、Tダイ法による共押出が品質上、経済上から好ましい。なお、溶液塗工法の場合は、層(Y)と層(X)との間の接合強度を高めるために、層(Y)上に予めプライマー塗布等の表面処理を施しておくことが好ましい。
また、このようにして成形された積層体のフィルム又はシートは、一軸あるいは二軸延伸することも可能である。延伸法としては、ロール法、テンター法、チューブラー法等が挙げられる。さらに、通常工業的に利用されるコロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理、オゾン処理等の表面処理を施すこともできる。
[物性]
本発明の積層体は、複屈折が小さく、水蒸気バリア性、透明性、粘着性等に優れたものである。具体的には以下に記載する物性を満たすことが好ましい。
一般に、室温やガラス転移温度以下の温度領域でフィルムやシートなどの成形品に応力を印加し、変形させると複屈折が生じ、応力を開放すると元に戻る性質がある。この様な応力下での複屈折の発生のしやすさの指標が光弾性係数(C)であり、光学部材の構成要素として重要である。光弾性係数が小さいほど応力下での複屈折発生は小さくなり優れている。具体的には後掲の実施例に示すようにして測定することができ、光弾性係数は8×10−12Pa以下であることが好ましい。
本発明の積層体は水蒸気バリア性に優れたものである。本発明において、水蒸気バリア性は水蒸気透過度により評価することができ、水蒸気透過度の値が小さいものほど水蒸気バリア性に優れたものと評価される。水蒸気透過度は3g/m・24h以下であることが好ましい。
本発明の積層体は透明性に優れたものである。本発明において、透明性は後掲の実施例に示すようにヘーズにより評価される。ヘーズの値が小さいものほど透明性に優れたものと評価され、ヘーズが1%以下であることが好ましい。
本発明の積層体は優れた粘着性を有するものであるが、ここでいう「粘着性」とは、単に粘着力が高いものが良好ということではなく、後掲の実施例において示す方法により測定する剥離強度の値がそれぞれ5〜20N/25mmであればよく、特に重要なのは25℃で1日後の剥離強度と7日後の剥離強度との差、25℃で1日後の剥離強度と80℃で1日置いた後の剥離強度との差、及び80℃で1日後の剥離強度と80℃で7日後の剥離強度との差のそれぞれが小さいことである。より具体的には上記の剥離強度の差のそれぞれが±1.0N/25mmに収まっていれば良い。このようにそれぞれの剥離強度の差が小さいことにより、品質の信頼性のある、粘着フィルム、保護フィルムとして用いることができる。
[保護フィルム・粘着フィルム]
本発明の積層体は、特にその優れた光学特性、透明性、水蒸気バリア性、柔軟性、粘着性から、各種の表面保護フィルムや粘着フィルムとして有用である。具体的な用途としては、キャリアテープ、粘着テープ、マーキングフィルム、半導体又はガラス用ダイシングフィルム、表面保護フィルム、鋼鈑・合板保護フィルム、自動車保護フィルム、包装・結束用粘着テープ、事務・家庭用粘着テープ、接合用粘着テープ、塗装マスキング用粘着テープ、表面保護用粘着テープ、シーリング用粘着テープ、防食・防水用粘着テープ、電気絶縁用粘着テープ、電子機器用粘着テープ、貼布フィルム、バンソウコウ基材フィルム等医療・衛生材用粘着テープ、識別・装飾用粘着テープ、表示用テープ、包装用テープ、サージカルテープ、ラベル用粘着テープ等が挙げられる。
また、液晶パネルやバックライトに用いられる偏光シート、拡散板、プリズムシート、位相差フィルム、カラーフィルタ、ARシート、導光板、その他各種基盤等の保護フィルムや、電子機器や携帯電話、スマートフォン等の表示面の保護フィルム等として有用であり、その優れた透明性によりフィルム下の表示面等の視認性を損なうことがなく、また、その優れた水蒸気バリア性から機器類の保護効果に優れたものとなる。
特に、本発明の積層体は、複屈折が小さく、光学特性、透明性に優れることから、液晶ディスプレイを代表とするフラットパネルディスプレイ装置に用いられるディスプレイ用の光学フィルムとして好適に用いることができ、その際、その優れた柔軟性により、携帯用ディスプレイなどの応力を受けやすいディスプレイ用光学フィルムとしても好適である。
保護フィルム、粘着フィルムとしての本発明の積層体には、その層(Y)側の表面に記号や模様を印刷してもよく、また、更に、ハードコート層等を形成することもできる。また、層(X)側に一般的な離型シートを積層してもよい。
以下、本発明について実施例を用いて更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例によって限定されるものではない。また、以下の実施例における各種の製造条件や評価結果の値は、本発明の実施態様における上限又は下限の好ましい値としての意味をもつものであり、好ましい範囲は前記した上限又は下限の値と、下記実施例の値又は実施例同士の値との組み合わせで規定される範囲であってもよい。
〔物性の測定方法〕
以下において、各種物性の測定は、下記の方法に従って行った。
1−1)分子量:
水素化ブロック共重合体又はブロック共重合体の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)の測定は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を使用し、下記条件で標準ポリスチレン換算にて求めた。
装置:日本ウォーターズ(株)製Waters 2690
検出器(RI検出):日本ウォーターズ(株)製Waters 2410
カラム:昭和電工株式会社製Shodex KF−604・KF−603・
KF−602.50の各1本を3本直列に連結したものを用いた。
溶媒:テトラヒドロフラン
流速:0.7mL/min
温度:40℃
1−2)水素化率:
水素化ブロック共重合体の芳香環の水素化率(モル%)は、H−NMRスペクトルを測定して算出した。
2−1)MFR(メルトフローレート)
ISO1133に基づき、後掲のY−1については測定温度280℃、荷重21.2Nで、Y−2については測定温度250℃、荷重21.2Nで、y−1については測定温度230℃、荷重21.2Nでそれぞれ測定した。
3−1)ヘーズ
各例で成形された、厚さ90μm、[層(X)の厚み]/[層(Y)の厚み]=1/2のフィルムについて、JIS K7105に基づいて、全光線透過率および拡散透過率を測定し、ヘーズを以下の式で算出した。ヘーズの値が小さいものほど透明性に優れたものと評価される。ヘーズの値が1%以下であるものを合格「○」とし、1%を超えるものを不合格「×」と判定した。
[ヘーズ]=〔[拡散透過率]/[全光線透過率]〕×100
3−2)光弾性係数(C)
He−Neレーザー、偏光子、補償板、検光子、光検出器からなる複屈折測定装置(ユービーエム社製Rheogel−E4000)と振動型粘弾性測定装置(レオロジー社製DVE−3)を組み合わせた装置を用いて測定した(詳細は、日本レオロジー学会誌Vol.19,p93−97(1991)を参照。)。
各例で成形した、厚さ90μm、[層(X)の厚み]/[層(Y)の厚み]=1/2のフィルムから、幅5mm、長さ20mmの試料を切り出し、粘弾性測定装置に固定し、25℃の室温で貯蔵弾性率E’を周波数64Hzにて測定した。同時に、出射されたレーザー光を偏光子、試料、補償板、検光子の順に通し、光検出器(フォトダイオード)で拾い、ロックインアンプを通して角周波数(ω)又は(2ω)の波形について、その振幅とひずみに対する位相差を求め、ひずみ光学係数(O’)を求めた。このとき、偏光子と検光子の方向は直交し、またそれぞれ、試料の伸長方向に対してπ/4の角度をなすように調整した。光弾性係数(C)は、貯蔵弾性率(E’)とひずみ光学係数(O’)を用いて次式より求めた。光弾性係数(C)は小さい程複屈折が小さく光学特性に優れると評価される。光弾性係数(C)の値が8×10−12Pa以下を合格「○」とし、8×10−12Paを超えるものを不合格「×」と判定した。
C=O’/E’
3−3)水蒸気透過度
各例で成形された、厚さ90μm、[層(X)の厚み]/[層(Y)の厚み]=1/2のフィルムについて、JIS K7129 B法(MOCON法)に準拠した赤外線センサー法にて水蒸気透過度(g/m・24h)を求めた。水蒸気透過度の値が小さいものほど水蒸気バリア性に優れたものと評価される。水蒸気透過度3g/m・24h以下を合格「○」とし、3g/m・24hを超えるものを不合格「×」と判定した。
3−4)粘着性
各例で成形された、厚さ90μm、[層(X)の厚み]/[層(Y)の厚み]=1/2のフィルムについて、JIS Z0237に基づいて測定を行った。まず、フィルムをアクリル板の上に層(X)がアクリル板と接触するように2kgのローラーを用いて貼り付けた。その後、25℃/50%RHの条件下に静置後の剥離強度と80℃加熱後の剥離強度を、静置1日後と静置7日後でそれぞれ測定し、粘着力を求めた。尚、粘着力の測定は、島津製作所製オートグラフを用い、180度剥離、300mm/分の引張速度で求めた。25℃と80℃での1日後と7日後での粘着力の変化量の絶対値がいずれも1N/25mm以下を合格「○」とし、いずれかが1N/25mmより大きいものを不合格「×」と判定した。
〔積層体の原料〕
以下の実施例および比較例において、積層体の製造に用いた原料樹脂ペレットは以下の通りである。
<層(X)>
X−1:下記方法で製造した水素化ブロック共重合体
攪拌装置を備えたステンレス鋼製オートクレーブに、ポリスチレンブロック含有率が30重量%で、重量平均分子量(Mw)=111000、数平均分子量(Mn)=82100のスチレン−イソブチレン−スチレン共重合体25重量部及びシクロヘキサン75重量部からなる溶液と、水素化触媒として5重量%パラジウム担持活性炭触媒4重量部を入れて混合した。反応器内部を水素ガスで置換し、さらに溶液を攪拌しながら水素ガスを供給し、温度170℃、圧力10MPaにて4.5時間水素化反応を行った。
水素化反応終了後、反応液をテトラヒドロフラン100重量部で希釈し、その溶液を濾過して水素化触媒を除去した。濾液をメタノール1200重量部中へ攪拌しながら注ぎ、析出した水素化ブロック共重合体を濾過により分離後、減圧乾燥機により乾燥させた。
このようにして得られた水素化ブロック共重合体は、下記式で表され、重量平均分子量(Mw)は103000、数平均分子量(Mn)は78200(Mw/Mn=1.3)であり、水素化率は97%であった。
Figure 2014208476
x−1(比較例用):スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体
(SEBS、クレイトン社製クレイトン(登録商標)G1645)
重量平均分子量(Mw):100000
芳香族環の水素化率:0%
x−2(比較例用):スチレン−エチレン−エチレン/プロピレン−スチレンブロック共
重合体(SEEPS、クラレ社製ハイブラー(登録商標)7311)
重量平均分子量(Mw):100000
芳香族環の水素化率:0%
Y−1:日本ゼオン社製Zeonor(登録商標) 1020R
MFR(測定温度230℃、荷重21.2N):2.0g/分
(Y−1は、前記式(2)で表される繰り返し単位を有するポリマー(R及びRがシクロペンチル環構造を形成しており、dは0であり、式(2)の繰り返し単位が前記式(3)で表されるジシクロペンタジエンの開環重合体の水素添加物に相当しているもの)であって、前記式(3)で表されるジシクロペンタジエンの開環重合体の水素添加物を分子全体の85モル%含む化合物)
Y−2:ビニルシクロヘキサン−エチレン−ブチレン−ビニルシクロヘキサンブロック
共重合体(USIダウ社製ヴィヴィオン(登録商標) HP010)
MFR(測定温度250℃、荷重21.2N):76g/10分
芳香族環の水素化率:>98%
y−1(比較例用):ポリプロピレン
(日本ポリプロ社製ノバテック(登録商標)PP FY4)
MFR(測定温度230℃、荷重21.2N):5g/10分
〔実施例・比較例〕
[実施例1〜2及び比較例1〜5]
上記の樹脂ペレットを、表−1に示す組み合わせで、それぞれ2種2層用マルチマニホールドTダイに接続した口径20mmφの単軸押出機と口径30mmφの単軸押出機に投入し、押し出された溶融膜を冷却ロールで冷却して共押出積層体を作成した。この時、層(X)の材料は20mmφ押出機に、層(Y)の材料は30mmφ押出機にそれぞれ投入し、厚み比が[層(X)の厚み]/[層(Y)の厚み]=1/2となるように押し出し量を調整し、全体の厚みが90μmとなるように引き取り速度を調整した。
得られた積層体について、前記3−1)〜3−4)の評価を行い、結果を表−1に示した。
Figure 2014208476
〔評価結果〕
表−1より、実施例1、2の積層体は、透明性(へーズ)、光学特性(光弾性係数)、水蒸気バリア性(水蒸気透過度)及び粘着性のいずれも良好であったのに対し、比較例1〜5の積層体ではいずれかが不合格であることがわかる。

Claims (9)

  1. 下記層(X)及び層(Y)が積層されてなる積層体。
    層(X):水素化ビニル芳香族重合体ブロックAと、イソブチレンを主体とする重合体のブロックBとを有する水素化ブロック共重合体を主成分とする層
    層(Y):エチレンと環状オレフィンの共重合体(y1)、及び環状オレフィンの開環重合体の水素添加物(y2)から選ばれる非晶性ポリオレフィンを主成分とする層
  2. 前記水素化ブロック共重合体の重量平均分子量が10000以上200000以下である、請求項1に記載の積層体。
  3. 前記水素化ブロック共重合体が、前記水素化ビニル芳香族重合体ブロックAを2以上有する、請求項1又は2に記載の積層体。
  4. 前記水素化ビニル芳香族重合体ブロックAが、芳香族環を水素化した水素化ポリスチレンブロックである、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の積層体。
  5. 前記水素化ビニル芳香族重合体ブロックAの芳香族環の水素化率が50モル%以上である、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の積層体。
  6. 前記貯蔵弾性率が200〜2000MPaである樹脂が、ポリプロピレン系樹脂及び/又はポリエチレン系樹脂である、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の積層体。
  7. 前記層(X)の厚みが5〜50μmで、前記層(Y)の厚みが10〜100μmである、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の積層体。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の積層体を含む保護フィルム。
  9. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の積層体を含む粘着フィルム。
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