JP2021084400A - 消去部材を備える筆記具 - Google Patents

消去部材を備える筆記具 Download PDF

Info

Publication number
JP2021084400A
JP2021084400A JP2019216720A JP2019216720A JP2021084400A JP 2021084400 A JP2021084400 A JP 2021084400A JP 2019216720 A JP2019216720 A JP 2019216720A JP 2019216720 A JP2019216720 A JP 2019216720A JP 2021084400 A JP2021084400 A JP 2021084400A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
erasing member
cap
styrene
writing tool
component
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019216720A
Other languages
English (en)
Inventor
雅也 山田
Masaya Yamada
雅也 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Pencil Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Pencil Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Pencil Co Ltd filed Critical Mitsubishi Pencil Co Ltd
Priority to JP2019216720A priority Critical patent/JP2021084400A/ja
Publication of JP2021084400A publication Critical patent/JP2021084400A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Pens And Brushes (AREA)

Abstract

【課題】強固に固定された消去部材を備える筆記具を提供する。【解決手段】筆記具1は、筆記具本体2と、キャップ3と、キャップ3の前方の端面13から突出する第1固定端部12に配置された第1消去部材20と、を具備し、キャップ3の第1固定端部12には、第1消去部材20の回転を防止するように係止可能に軸線方向に延びる少なくとも1つの縦リブ16が形成されている。縦リブ16の側面に係止凹部16cが形成されていてもよい。縦リブ16の横断面形状が扇形状又は逆三角形状であってもよい。【選択図】図7

Description

本発明は、消去部材を備える筆記具に関する。
キャップの頂部に固定された消去部材を備える筆記具が公知である(例えば特許文献1)。特許文献1の筆記具は熱変色性インクを吐出するものである。特許文献1の消去部材は、熱変色性インクによって筆記された描線又は文字を擦過し、それによって生じる摩擦熱によって熱変色性インク変色させて消去するものである。特許文献1に示される消去部材は、円柱状であって、キャップの先端に形成された円形の凹部に嵌着されるか、二色成形によってキャップへ一体的に成形されて固定される。しかしながら、単純な円形の凹部に嵌着された円柱状の消去部材は、それが二色成形によってキャップに一体的に成形された場合であっても、筆記された文字等を強く擦ることが繰返されるとキャップから外れることがあった。
これに対し、特許文献2には、キャップに対して、長手方向に直交する方向に延びる横穴を形成し、その中に軸状部を充填することによって、消去部材を強固に固定する取付構造を備えた筆記具が記載されている。
特開2006−123324号公報 特開2016−078418号公報
特許文献2に記載の取付構造では、消去部材の軸線方向長さを短く設計しようとすると、必然的に横穴をより小径にしなければならない。その結果、製造時における横穴の充填が不十分になり、安定的な量産が困難となる場合がある。また、仮に安定的な量産ができたとしても、軸状部もより小径になることから軸状部の強度が弱く、十分な取付強度を確保できない場合がある。
本発明は、強固に固定された消去部材を備える筆記具を提供することを目的とする。
本発明の一態様によれば、筆記具本体と、キャップと、前記筆記具本体の後方の端面及び前記キャップの前方の端面の少なくとも一方の端面から突出する固定端部に配置された消去部材と、を具備する筆記具であって、前記筆記具本体及び前記キャップの少なくとも一方の前記固定端部には、前記消去部材の回転を防止するように係止可能に軸線方向に延びる少なくとも1つの縦リブが形成されていることを特徴とする筆記具が提供される。
前記縦リブの側面に係止凹部が形成されていてもよい。前記縦リブの横断面形状が扇形状又は逆三角形状であってもよい。前記固定端部が、フランジ部と、前記少なくとも一方の端面及び前記フランジ部間を接続する接続部とを有し、前記縦リブが前記接続部に形成されていてもよい。前記少なくとも一方の端面が、前記消去部材と密着し且つ湾曲状に形成されていてもよい。前記少なくとも一方の端面と前記消去部材とが、多色成形法により接合されていてもよい。前記少なくとも一方の端面の材料の融点と前記消去部材の材料の融点とが異なることによって、前記少なくとも一方の端面及び前記消去部材間に化学結合が生じていなくてもよい、前記少なくとも一方の端面の材料の融点と前記消去部材の材料の融点との差が、50℃以上であることが好適である。
本発明の態様によれば、強固に固定された消去部材を備える筆記具を提供するという共通の効果を奏する。
図1は、本発明の実施形態による筆記具の縦断面図である。 図2は、筆記具の後端部の拡大縦断面図である。 図3は、キャップ本体の斜視図である。 図4は、キャップ本体の上面図である。 図5は、キャップの斜視図である。 図6は、キャップの側面図である。 図7は、キャップの縦断面図である。 図8は、図7の線A−Aにおける断面図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を詳細に説明する。全図面に渡り、対応する構成要素には共通の参照符号を付す。
図1は、本発明の実施形態による筆記具1の縦断面図であり、図2は、筆記具1の後端部の拡大縦断面図である。
筆記具1は、筆記具本体2とキャップ3とを有している。筆記具本体2は、筒状に形成され且つ前軸4及び後軸5を備えた軸筒6と、軸筒6内に配置されたリフィル7とを有している。前軸4及び後軸5は、前軸4の後端部が後軸5の前端部内において互いに螺合することで取り付けられる。リフィル7の前端には、筆記部8が設けられている。前軸4の前端には、リフィル7の筆記部8を突出させるための孔が形成されている。
なお、本明細書中では、筆記具1の軸線方向において、筆記部8側を「前」側と規定し、筆記部8とは反対側を「後」側と規定する。また、キャップ3の長手方向において、筆記具本体2が挿入される開口端部側を「後」側と規定し、その反対側の閉鎖端部側を「前」側と規定する。特に言及のない限り、中心軸線又は軸線方向とは筆記具1又はキャップ3の中心軸線又は軸線方向をいう。
キャップ3は、キャップ本体部10及び第1消去部材20を有している。第1消去部材20は、キャップ3の前端部、すなわち閉鎖端部に配置されている。筆記具本体2の後端部には、すなわち軸筒6の後端部には、第2消去部材30が配置されている。
図3は、キャップ本体部10の斜視図であり、図4は、キャップ本体部10の上面図であり、図5は、キャップ3の斜視図であり、図6は、キャップ3の側面図であり、図7は、キャップ3の縦断面図であり、図8は、図7の線A−Aにおける断面図である。
キャップ3は、筒状に形成されたキャップ本体部10と、キャップ本体部10の側面からほぼ長手方向に延びるクリップ部11と、第1消去部材20が固定される第1固定端部12とを有し、これらは一体的に形成されている。キャップ本体部10は、筆記具本体2の軸筒6の前軸4に嵌合するように形成されている。
第1固定端部12は、キャップ3の前方の端面13から突出するように形成されている。詳細には、キャップ3の第1固定端部12は、キャップ本体部10の外径よりも小さい外径を有する円板状のフランジ部14と、端面13及びフランジ部14間を接続するより小径の円柱状の接続部15と、接続部15に形成された2つの縦リブ16とを有している。フランジ部14の前端部の周縁は面取りされたように形成された面取り部14aが設けられている。キャップ本体部10及び第1固定端部12には、中心軸線に沿って貫通された貫通孔17が形成されている。
2つの縦リブ16は、接続部15の外面において周方向に沿って等間隔に、すなわち180度離間して配置されている。縦リブ16は、少なくとも1つであってもよく、したがって1つ又は3つ以上であってもよい。縦リブ16は、接続部15の側面において、端面13からフランジ部14に亘って形成されている。縦リブ16は、図4及び図7に示されるように、前方に向かって、すなわちフランジ部14に向かって中心軸線方向に傾斜する傾斜面16aと、傾斜面16aの前方に接続する中心軸線と略平行に延びる平坦面16bとを有している。縦リブ16は、図8に示されるように、扇形状又は逆三角形状の横断面形状を有している。したがって、縦リブ16の側面には、扇形状又は逆三角形状の横断面形状を画成するように係止凹部16cが形成されている。
キャップ3の端面13は、第1消去部材20と密着し且つ湾曲状に形成されている。第1消去部材20は、端面13と相補的な当接面21を有している。端面13の形状は、具体的には、キャップ3の中心軸線に直交する中心軸線を有する円筒面の一部として構成されている。しかしながら、端面13をキャップ3の中心軸線に直交する平面の一部として構成してもよい。
第1消去部材20の外面は、キャップ本体部10の前端部の外面と略面一に形成されている。第1消去部材20の前端部の周縁はテーパー状に形成されたテーパー部22が設けられている。第1消去部材20は、その内側に、第1固定端部12のフランジ部14及び接続部15に相補的な、したがって径方向内側に延びてその周囲を充填する環状の係止凸部23を有している。第1消去部材20には、中心軸線に沿って貫通された貫通孔24が形成されている。図7に示されるように、キャップ本体部10の貫通孔17と第1消去部材20の貫通孔24とは、一体的に1つの貫通孔を構成する。それによって、キャップ3を幼児等が誤飲したとしても、気道を閉塞することなく安全性を確保することが可能となる。
第1消去部材20は、二色成形によってキャップ本体部10の前端部に設けられている。まず、一次成形としてキャップ本体部10が射出成形される。次いで、成形されたキャップ本体部10を残置する金型のコアに、第1消去部材20を成形するための金型のキャビティーが組み合わされる。次いで、二次成形として、キャップ本体部10とは異なる材料が射出されて第1消去部材20がキャップ本体部10に付加的に成形される。二色成形法により、キャップ本体部10及び第1消去部材20は、用いられる材料にもよるが、キャップ本体部10と第1消去部材20との接合面が化学結合によって高い強度で接合されるので、キャップ本体部10に対する第1消去部材20の固定がより強固になる。
第1消去部材20の材料は、例えばポリエステル系エラストマーである。一般的なポリエステル系エラストマーの融点は、100℃未満である。このとき、キャップ本体部10の材料として、例えばポリカーボネートを選択すると、一般的なポリカーボネートの融点は150℃以上であることから、キャップ本体部10の材料の融点と第1消去部材20の材料の融点とが大きく異なる。そのため、ポリエステル系エラストマーを射出する二次成形の際に、一次成形によって成形されているポリカーボネート製のキャップ本体部10の界面を十分に溶融させることができない。その結果、二次成形によって成形される第1消去部材20と、一次成形によって成形されているキャップ本体部10との界面において、化学結合を生じさせて十分に接合させることができない場合がある。
ここで、擦過動作によって、第1消去部材20に対してキャップ本体部10から外そうとする多方向の力が作用する。仮に、キャップ本体部10と第1消去部材20との接合面、すなわちキャップ本体部10の端面13及び第1消去部材20の当接面21において、化学結合が生じていない場合又は化学結合が不十分な場合であっても、第1消去部材20は、キャップ本体部10の第1固定端部12に対して強固に係止し、擦過動作中に外れることが防止される。
すなわち、第1消去部材20が軸線方向に離間しようとする力に対して、第1固定端部12のフランジ部14が第1消去部材20の係止凸部23と係止し、第1消去部材20の軸線方向の移動を防止する。また、第1消去部材20が軸線周りに回転しようとする力に対して、第1固定端部12の縦リブ16が第1消去部材20の係止凸部23と係止し、第1消去部材20の回転を防止する。特に、縦リブ16が扇形状又は逆三角形状の横断面形状であることによって、すなわち係止凹部16cを有することによって、縦リブ16の側面が第1消去部材20の係止凸部23と強く係止する。すなわち、縦リブ16の係止凹部16cと第2消去部材30の係止凸部23との当接によって、第1消去部材20を回転させる力から径方向内方への分力を生じさせ、第2消去部材30の係止凸部23を径方向内方に付勢する。その結果、第2消去部材30は、キャップ本体部10の第1固定端部12に対してより強固に固定される。
縦リブ16は、第1消去部材20の回転を防止するように第1固定端部12と係止可能である限りにおいて、任意に構成することができる。例えば、縦リブ16は、キャップ本体部10の端面13からフランジ部14に亘って形成されていなくてもよく、いずれからも離間した接続部15の部分に形成されていてもよい。また、縦リブ16は、側面に係止凹部16cを有していればよく、係止凹部16cの形状を任意に構成してもよい。したがって、縦リブ16の横断面形状は、扇形状又は逆三角形状の横断面形状でなくてもよい。また、係止凹部16cは、縦リブ16の長手方向に亘り形成されていなくてもよく、少なくとも一部に形成されていてもよい。
上述した理由から、一般に、二色成形を行う場合には、一次成形の材料の融点と二次成形の材料の融点との差は小さい方が好ましいが、仮に、差が大きかったとしても、上述した取付構造によれば、第1消去部材20をキャップ本体部10に対して強固に固定することができる。上述した取付構造は、一次成形の材料と二次形成の材料との融点の差が50℃以上のときに、さらに有効である。したがって、第1消去部材20及びキャップ本体部10の材料の選択の幅が広くなる。
なお上記融点は、DSC型示差走査熱量計(例えば株式会社パーキンエルマージャパンのDiamond)を使用して、230℃で5分間保持し、次いで10℃/分で−10℃まで冷却し、次いで−10℃で5分間保持し、次いで10℃/分で230℃まで昇温する、というプログラムで測定したときのセカンド融解曲線(すなわち最後の昇温過程で測定される融解曲線)において、最も高温側に現れるピークのピークトップ融点を意図する。
キャップ本体部10の材料は、キャップ3本体を構成するという観点から、エンジニアリングプラスチックであることが好ましい。したがって、キャップ本体部10の材料として、ポリカーボネート以外に、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミド、ポリアセタール、ポリブチレンテレフタレート、変性ポリフェニレンエーテル等が挙げられる。他方、第1消去部材20の材料は、摩擦体としての材料として後述するが、消去部材という性質上、キャップ本体部10と比較して軟質な材料が好ましい。
さらに、キャップ本体部10の第1固定端部12において、特許文献2に記載の取付構造における横穴のような微小な閉鎖空間は存在しないことから、二色成形の際に不十分な充填箇所が生じることもなく、量産化も容易に行うことができる。また、特許文献2に記載の取付構造における横穴が存在しないことから、第1消去部材20の軸線方向長さを短く設計することができる。そのため、例えば、湾曲状に形成された端面13のような構成を実現することができる。
後軸5は、リフィル7の過半を収容する筒状の後軸本体部5aとそれに一体的に形成され且つ後方の端面から突出する後方の第2固定端部5bとを有する。第2固定端部5bは、後軸本体部5aの外径よりも小さい外径を有する略円錐台状に形成されている。第2固定端部5bの外周面には、半径方向外側に突出する環状の第1凸部51とそれに平行な環状の第2凸部52が形成されており、その結果、後軸本体部5aとの間に環状の第1凹部53が形成され、第1凸部51と第2凸部52との間に環状の第2凹部54が形成される。後軸5における第1凹部53及び第2凹部54は、筆記具1の長手方向に直交する方向で第2固定端部5bの外周面から凹んでいる。また、第1凹部53及び第2凹部54の少なくとも一方を、不連続な環状の凹部として形成してもよい。
第2固定端部5bは、後軸本体部5aの内部に形成された穴から縮径されて連続的に長手方向に延びる縦穴55を有する。また、第2固定端部5bは、長手方向に対して直交して延びる横穴56も有する。横穴56は縦穴55に直交して第2固定端部5bを貫通している。
第2消去部材30は、二色成形によって後軸5の後端部に設けられている。第2消去部材30は、その内側に、第2固定端部5bの横穴56に相補的な、したがって横穴56を充填する軸部30aを有している。さらに、第2消去部材30は、第2固定端部5bの環状の第1凹部53及び第2凹部54にそれぞれ相補的な、したがって径方向内側に延びてそれらを充填する環状の第1凸部30b及び第2凸部30cを有している。
第2消去部材30の使用中に第2消去部材30を第2固定端部5bから引き抜くような力が作用したとしても、後軸5の第2固定端部5bに形成された第1凹部53及び第2凹部54並びに横穴86が、これらを充填する第2消去部材30の第1凸部30b及び第2凸部30c並びに軸部30aと嵌合又は係止することによって、第2消去部材30が外れるのを防止することができる。したがって、第2固定端部5bの表面と第2消去部材30の内面との間に接着力又は接合力がたとえ全く期待できない場合であっても、第2消去部材30を後軸5の第2固定端部5bに強固に固定することができる。
キャップ本体部10及び第1消去部材20、並びに、後軸5及び第2消去部材30は、それぞれ二色成形法によって成形されたが、それらが、性能もしくは機能を高めるため、又は、意匠上の要請から3色以上の多色成形法によって成形されてもよい。
第1固定端部12を用いた第1消去部材20の取付構造を、第2固定端部5bを用いた第2消去部材30の取付構造に適用してもよい。第1消去部材20及び第2消去部材30を二色成形ではなく、装着によって筆記具本体2又はキャップ3に取り付けるようにしてもよい。筆記具1が、上述した取付構造を備えた、第1消去部材20及び第2消去部材30のいずれか一方のみを有するようにしてもよい。
要するに、筆記具本体2の後方の端面及びキャップ3の前方の端面の少なくとも一方の端面から突出する固定端部に配置された消去部材と、を具備し、筆記具本体2及びキャップ3の少なくとも一方の上記固定端部には、消去部材の回転を防止するように係止可能に軸線方向に延びる少なくとも1つの縦リブが形成されているように、筆記具1を構成してもよい。
第1消去部材20及び第2消去部材30を、互いに異なる材料から形成してもよい。異なる材料とは、配合の成分違いや機械的性質が異なることをいう。それによって、使用者が感じる擦過時の触感等が異なることから、使用者は好みに応じて第1消去部材20及び第2消去部材30を使い分けることができる。また、第1消去部材20及び第2消去部材30を、リフィル7に収容されたインク色と同一又は類似した色で着色を施してもよい。それによって、仮に筆跡の擦過時にインクが第1消去部材20及び第2消去部材30に付着しても、汚れとして目立つことはない。
また、第1消去部材20及び第2消去部材30は、リフィル7内のインクと略同色とし、第1消去部材20及び第2消去部材30との距離を110〜140mmより好ましくは120〜130mmとすることで、軸筒6やキャップ3がインク色と非同色かつ不透明であってもリフィル7のインク色の視認を容易にすることができる。
本実施形態において、リフィル7は、熱変色性色材を含有する熱変色性インクを収容したリフィルである。したがって、筆記具1は熱変色性の筆記具であり、第1消去部材20及び第2消去部材30は摩擦体である。筆記具1による筆跡は、第1消去部材20及び第2消去部材30で擦過した際に生じる摩擦熱等によって、熱変色可能である。
ここで、熱変色性インクとは、常温(例えば25℃)で所定の色彩(第1色)を維持し、所定温度(例えば60℃)まで昇温させると別の色彩(第2色)へと変化し、その後、所定温度(例えば−5℃)まで冷却させると、再び元の色彩(第1色)へと復帰する性質を有するインクをいう。熱変色性インクを用いた筆記具1では上記第2色を無色とし、第1色(例えば赤)で筆記した描線を昇温させて無色とすることを、ここでは「消去する」ということとする。したがって、描線が筆記された筆記面等に対して摩擦体によって擦過して摩擦熱を生じさせ、それによって描線を無色に変化、すなわち消去させる。なお、当然のことながら上記第2色は、無色以外の有色でもよい。
摩擦体の表面粗さは、JIS B0601に準拠した測定から、算術平均粗さRa=7μm〜14μmが好ましい。算術平均粗さRaが7μmより小さいと、擦過の際の摩擦抵抗も小さいことから、十分な摩擦熱を生じさせることが困難である。また、算術平均粗さRaが14μmより大きいと、擦過の際に筆記面を損傷する虞がある。
リフィル7のインク収容部分は、合成樹脂で形成されており、その引張弾性率は700〜1800MPa(JIS K7161)である。引張弾性率をこの範囲とすることによって、仮に、第1消去部材20及び第2消去部材30が摩耗して使えなくなった場合に、リフィル7の後端部を摩擦体として使用することができ、且つ、擦過動作に耐え得る十分な剛性を確保することができる。リフィル7の未使用時には、筆記部8に対して樹脂玉が装着されている。樹脂玉は、リフィル7使用を開始する際には取り外されるが、樹脂玉を酸化チタンを含まない青色の樹脂材料で形成することによって、熱変色性インクの初筆性を向上させることができる。
摩擦体は、ショアーA硬度と高温領域での圧縮永久歪とのバランスが制御されていることによって、適度な硬度を有するとともに高温時にも良好な変形回復性を示すため、熱変色性を有する像を擦過によって良好に変色させることができる(すなわち良好な変色性を与える)とともに、強い力及び/又は繰り返しの擦過操作による摩擦体の破壊が生じにいために紙面汚染を低減することが可能である。
摩擦体は、120℃における圧縮永久歪(本開示で、「120℃圧縮永久歪」ともいう。):80%以下を有する。120℃圧縮永久歪が小さいことは、擦過条件下(すなわち高温条件下)での摩擦体の良好な変形回復性の指標となり、そしてこの良好な変形回復性は、摩擦体の特に擦過条件下(すなわち高温条件下)での良好な耐摩耗性の維持に寄与する。
120℃圧縮永久歪は、摩擦体の高温条件下での良好な耐摩耗性の観点から、80%以下であり、70%以下、又は60%以下であってよい。120℃圧縮永久歪は、高温条件下での耐摩耗性の観点では小さい程好ましい。なお本開示において、圧縮永久歪はJIS K6262−2013に準拠して測定される値である。
一般に、エラストマーから形成された成形体の圧縮永久歪は温度の上昇に伴って大きくなる傾向がある。本開示の摩擦体は、上記特定範囲のような小さい120℃圧縮永久歪を有する。このような120℃圧縮永久歪を得るという観点で、摩擦体における圧縮永久歪の温度依存性を小さくすることが有利である。摩擦体において、70℃における圧縮永久歪(B)に対する120℃における圧縮永久歪(A)の比率(A)/(B)は、1.0以上1.7以下、1.0以上1.5以下、1.0以上1.4以下、又は1.0以上1.3以下であってよい。
摩擦体は、ショアーA硬度:60〜98を有する。ショアーA硬度は、熱変色性を有する像の良好な変色性、及び摩擦体の良好な耐摩耗性の観点で、60以上であり、70以上、又は80以上であってよい。ショアーA硬度は、摩擦体を紙面に押付けることで該紙面に対する接触面積を大きくでき、従って良好な変色性を容易に得ることができるという観点で、98以下であり、95以下、又は90以下であってよい。なお本開示において、ショアーA硬度はJIS K 6253−3−2012に準拠して測定される値である。
本開示の摩擦体を構成する材料成分の組成は、前述したような所望の120℃圧縮永久歪及びショアーA硬度を与えるように設計される。摩擦体は、典型的には、エラストマー成分と添加剤成分とを含む。以下に、120℃圧縮永久歪とショアーA硬度との両者が本開示の所望の範囲に制御された摩擦体を形成するのに好適な材料成分について例示するが、材料成分は下記例示のものには限定されない。
[エラストマー成分(成分(A))]
エラストマー成分としては、スチレン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、オレフィン系エラストマー等を例示できるが、所望の120℃圧縮永久歪及びショアーA硬度の実現が容易であるという点で、エラストマー成分は、スチレン系エラストマーを含み、好ましくはスチレン系エラストマーからなる。
本開示で、「スチレン系エラストマー」とは、主鎖中にスチレン構成単位を含むエラストマーを意味し、典型的には熱可塑性エラストマーである。所望の120℃圧縮永久歪及びショアーA硬度の実現が容易であるという観点で、スチレン系エラストマーは、スチレン骨格含有化合物に由来する構成単位を主体とする重合体ブロックと共役ジエン化合物に由来する構成単位を主体とする重合体ブロックとを有するブロック共重合体(以下、スチレン系ブロック共重合体という。)、若しくは該ブロック共重合体の水素添加物、又はこれらの混合物であることが好ましい。なお上記の「スチレン骨格含有化合物(又は共役ジエン化合物)に由来する構成単位を主体とする重合体ブロック」とは、重合体ブロック中で最も高い質量割合で存在する構成単位がスチレン骨格含有化合物(又は共役ジエン化合物)由来の構成単位であるような重合体ブロックを意味する。
上記スチレン系ブロック共重合体は、通常、スチレン骨格含有化合物に由来する構成単位を主体とする重合体ブロックXの1個以上、好ましくは機械的特性の観点から2個以上と、共役ジエン化合物に由来する構成単位を主体とする重合体ブロックYの1個以上とを有するブロック共重合体である。例えば、X−Y、X−Y−X、Y−X−Y−X、及びX−Y−X−Y−X、等の構造を有するブロック共重合体を挙げることができる。
上記スチレン系ブロック共重合体の水素添加物は、上記スチレン系ブロック共重合体中の炭素・炭素二重結合に水素を添加して炭素・炭素単結合にすることにより得られる。上記水素添加は、公知の方法、例えば、不活性溶媒中で水素添加触媒を用いて水素処理することにより行うことができる。
上記スチレン系ブロック共重合体の水素添加物の水素添加率(すなわち、水素添加前のスチレン系ブロック共重合体中の炭素・炭素二重結合の数に対する、水素添加で生じた炭素・炭素単結合の数の割合)は、消字性能、耐紙面汚染性、及び耐摩耗性の向上の観点から、50%以上、70%以上、又は90%以上であってよい。なお上記水素添加率は、特記がない限り1H−NMRで測定される値を意味する。
スチレン骨格含有化合物は、重合性の炭素・炭素二重結合と芳香環とを有する重合性モノマーである。上記スチレン骨格含有化合物としては、例えば、スチレン、t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン、p−第3ブチルスチレン、及び炭素数1〜8のアルキル基の少なくとも1個がベンゼン環に結合したアルキルスチレン、等を挙げることができる。これらの中で、スチレン、及び炭素数1〜8のアルキル基の少なくとも1個がベンゼン環に結合したアルキルスチレンが好ましい。上記スチレン骨格含有化合物としては、これらの1種以上を用いることができる。
上記炭素数1〜8のアルキル基の少なくとも1個がベンゼン環に結合したアルキルスチレンとしては、例えば、o−アルキルスチレン、m−アルキルスチレン、p−アルキルスチレン、2,4−ジアルキルスチレン、3,5−ジアルキルスチレン、2,4,6−トリアルキルスチレン等のアルキルスチレン類、及びこれらアルキルスチレン類におけるアルキル基の水素原子の1個又は2個以上がハロゲン原子で置換されたハロゲン化アルキルスチレン類、等が挙げられる。より具体的には、例えば、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、3,5−ジメチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、o−エチルスチレン、m−エチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジエチルスチレン、3,5−ジエチルスチレン、2,4,6−トリエチルスチレン、o−プロピルスチレン、m−プロピルスチレン、p−プロピルスチレン、2,4−ジプロピルスチレン、3,5−ジプロピルスチレン、2,4,6−トリプロピルスチレン、2−メチル−4−エチルスチレン、3−メチル−5−エチルスチレン、o−クロロメチルスチレン、m−クロロメチルスチレン、p−クロロメチルスチレン、2,4−ビス( クロロメチル)スチレン、3,5−ビス(クロロメチル)スチレン、2,4,6−トリ(クロロメチル)スチレン、o−ジクロロメチルスチレン、m−ジクロロメチルスチレン、及びp−ジクロロメチルスチレン、等が挙げられる。これらの中でもp−メチルスチレンが架橋性の観点から特に好ましい。
上記炭素数1〜8のアルキル基の少なくとも1個がベンゼン環に結合したアルキルスチレンは、架橋されたスチレン系エラストマーの材料として好適に用いられる。
上記重合体ブロックXにおける、上記炭素数1〜8のアルキル基の少なくとも1個がベンゼン環に結合したアルキルスチレンの割合は、架橋性の観点から1質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、さらに100質量%であってもよい。
上記共役ジエン化合物は、2つの炭素・炭素二重結合が1つの炭素・炭素単結合により結合された構造を有する重合性モノマーである。上記共役ジエン化合物としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン(2−メチル−1,3−ブタジエン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、及びクロロプレン(2−クロロ−1,3−ブタジエン)、等を挙げることができる。これらの中で、1,3−ブタジエン、及びイソプレンが好ましい。上記共役ジエン化合物としては、これらの1種以上を用いることができる。
上記スチレン系ブロック共重合体又はその水素添加物における、上記スチレン骨格含有化合物に由来する構成単位の含有量は、特に制限されないが、機械強度、耐寒性、耐熱性及び柔軟性の観点から、5〜50質量%、又は20〜40質量%であってよい。
上記重合体ブロックXは、好ましくは、上記スチレン骨格含有化合物のみに由来する重合体ブロック、又は上記スチレン骨格含有化合物と上記共役ジエン化合物との共重合体ブロックである。上記重合体ブロックXが上記共重合体ブロックである場合、当該共重合体ブロック中の、上記重合体ブロックX中の上記スチレン骨格含有化合物に由来する構成単位の含有量は、特に制限されないが、耐熱性の観点から、通常50質量%以上であり、70質量%以上、又は90質量%以上であってよい。上記重合体ブロックX中の上記共役ジエン化合物に由来する構成単位の分布は、特に制限されない。スチレン系エラストマー分子中に上記重合体ブロックXが2個以上あるとき、これらは同一構造であってもよく、互いに異なる構造であってもよい。
上記重合体ブロックYは、好ましくは、上記共役ジエン化合物のみからなる重合体ブロック、又は上記スチレン骨格含有化合物と上記共役ジエン化合物との共重合体ブロックである。上記重合体ブロックYが上記共重合体ブロックである場合、当該共重合体ブロック中の、上記重合体ブロックY中の上記共役ジエン化合物に由来する構成単位の含有量は、特に制限されないが、耐熱性の観点から、通常50質量%以上であり、70質量%以上、又は90質量%以上であってよい。上記重合体ブロックY中の上記スチレン骨格含有化合物に由来する構成単位の分布は、特に制限されない。上記共役ジエン化合物と上記スチレン骨格含有化合物との結合様式は、特に制限されない。スチレン系エラストマー分子中に上記重合体ブロックYが2個以上あるとき、これらは同一構造であってもよく、互いに異なる構造であってもよい。
上記スチレン系ブロック共重合体としては、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、及びスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)などを挙げることができる。
上記スチレン系ブロック共重合体の水素添加物としては、例えば、スチレン−エチレン−ブテン共重合体(SEB)、スチレン−エチレン−プロピレン共重合体(SEP)、スチレン−エチレン−ブテン−スチレン共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン共重合体(SEPS)、及びスチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレン共重合体(SEEPS)などを挙げることができる。
これらの中で、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン(SEPS)、スチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレン(SEEPS)及びスチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン(SEBS)が好ましく、特に、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン共重合体(SEPS)、及びスチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレン共重合体(SEEPS)が耐摩耗性の観点から好ましい。
上記で列挙したスチレン系ブロック共重合体及び/又はその水素添加物を、1種で又は2種以上の混合物で用いることができる。
スチレン系エラストマーは、架橋されていてもよい。架橋の程度を高くすることは、120℃圧縮永久歪の低減及びショアーA硬度の上昇に寄与する。この場合、スチレンをp−メチルスチレンに置き換えたSEBS、SEPS、及びSEEPSが耐熱性及び耐摩耗性の観点から好ましい。なお、スチレン系エラストマーが架橋されているものであるか否かは、120℃の熱キシレンに24時間浸漬した後、ゲル分が残留するか否かを目視で観測、または残重量を測定することで区別できる。架橋には例えば後述の架橋剤(成分(E))を用いることができる。例示の態様において、摩擦体は、架橋されたスチレン系エラストマー以外の、120℃熱キシレン不溶性のポリマーを含まないことができる。この場合、スチレン系エラストマーが架橋されているか否かは、摩擦体に対して上記の熱キシレン処理をすることでも評価できる。
スチレン系エラストマーの質量平均分子量(Mw)は、好ましくは150,000〜500,000である。質量平均分子量は、耐摩耗性が良好である摩擦体を得る観点で、150,000以上、180,000以上、又は200,000以上であってよい。一方、質量平均分子量は、摩擦体製造時の加工性が良好であるという観点で、500,000以下、450,000以下、又は400,000以下であってよい。本開示で、分子量は、特記がない限りゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定されるポリスチレン換算の値を意味する。
[その他成分]
その他成分としては、例えば、プロピレン系樹脂(以下、成分(B))、ゴム用軟化剤(以下、成分(C))、潤滑剤(以下、成分(D))、架橋剤(以下、成分(E))、架橋助剤(以下、成分(F))、着色剤(以下、成分(G))、上記プロピレン系樹脂以外のポリマー成分、安定剤、充填剤、等のうち1種以上を使用できる。
[プロピレン系樹脂(成分(B))]
プロピレン系樹脂(成分(B))の使用は、摩擦体の耐摩耗性及び耐紙面汚染性の向上において有利である。上記成分(B)としては、プロピレン単独重合体、プロピレン系ランダム共重合体及びプロピレン系ブロック共重合体を例示でき、これらを1種又は2種以上の組合せで使用できる。耐熱性の観点で、プロピレン単独重合体及びプロピレン系ブロック共重合体がより好ましく、プロピレン単独重合体が更に好ましい。
プロピレン単独重合体は、プロピレン単位のみで構成される重合体であり、結晶性が高いため、成分(B)として最も好ましい。
プロピレン系ランダム共重合体としては、プロピレンとエチレンとを共重合して得られるプロピレン・エチレンランダム共重合体、プロピレンと炭素数4〜20の少なくとも1種のα−オレフィンとを共重合して得られるプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体、プロピレンとエチレンと炭素数4〜20の少なくとも1種のα−オレフィンとを共重合して得られるプロピレン・エチレン・α−オレフィンランダム共重合体などを例示できる。
炭素数4〜20のα−オレフィンとしては、例えば、1−ブテン、2−メチル−1−プロペン、1−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、2−エチル−1−ブテン、2,3−ジメチル−1−ブテン、2−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、3,3−ジメチル−1−ブテン、1−ヘプテン、メチル−1−ヘキセン、ジメチル−1−ペンテン、エチル−1−ペンテン、トリメチル−1−ブテン、メチルエチル−1−ブテン、1−オクテン、メチル−1−ペンテン、エチル−1−ヘキセン、ジメチル−1−ヘキセン、プロピル−1−ヘプテン、メチルエチル−1−ヘプテン、トリメチル−1−ペンテン、プロピル−1−ペンテン、ジエチル−1−ブテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、及び1−ドデセン、等が挙げられる。炭素数4〜20のα−オレフィンは、好ましくは、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、及び1−オクテンであり、より好ましくは1−ブテン、及び1−ヘキセンである。
プロピレン系ランダム共重合体の具体例としては、例えば、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−1−ブテンランダム共重合体、プロピレン−1−ヘキセンランダム共重合体、プロピレン−1−オクテンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−1−ブテンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−1−ヘキセンランダム共重合体、及びプロピレン−エチレン−1−オクテンランダム共重合体、等が挙げられ、好ましくはプロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−1−ブテンランダム共重合体、プロピレン−1−ヘキセンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−1−ブテンランダム共重合体、及びプロピレン−エチレン−1−ヘキセンランダム共重合体、等である。
プロピレン系ブロック共重合体としては、結晶性プロピレン系重合体部位と非結晶性プロピレン・α−オレフィン共重合体部位とから構成されるブロック共重合体が挙げられる。
結晶性プロピレン系重合体としては、プロピレンの単独重合体又はプロピレンと少量の
他のα−オレフィンとのランダム共重合体、等が例示できる。
一方、非結晶性プロピレン・α−オレフィン共重合体としては、プロピレンと他のα−オレフィンとの非結晶性ランダム共重合体が挙げられる。他のα−オレフィンとしては、炭素数2又は4〜12のものが好ましく、具体例としては、エチレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、ビニルシクロペンタン、及びビニルシクロヘキサン、等が挙げられる。これらのα−オレフィンは1種又は2種以上の組合せで使用できる。
プロピレン系ブロック共重合体として、上記他のα−オレフィンに加えて1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,5−ヘキサジエン、1,4−オクタジエン、シクロヘキサジエン、シクロオクタジエン、ジシクロペンタジエン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ブチリデン−2−ノルボルネン、及び5−イソプロペニル−2−ノルボルネン、等の非共役ジエンを共重合した三元又は四元以上の共重合体も使用することもできる。
上記成分(B)のメルトマスフローレートは、成形性の観点から、JIS K 7210−1999に準拠し、230℃、21.18Nの条件で測定したときに、0.01〜100g/10分、0.1〜50g/10分、又は0.3〜10g/10分であってよい。
上記成分(B)の配合量は、上記成分(A)100質量部に対し、30〜300質量部、35〜250質量部、又は40〜180質量部であってよい。この範囲であることにより、柔軟性、耐摩耗性、及び耐紙面汚染性のバランスが良好になる。
[ゴム用軟化剤(成分(C))]
ゴム用軟化剤(成分(C))としては、当該分野で軟化剤として機能することが当業者に理解される種々の化合物を使用できる。成分(C)の使用は摩擦体の柔軟性の向上において有利である。上記成分(C)は、典型的には非芳香族系ゴム用軟化剤である。非芳香族系ゴム用軟化剤の例は、非芳香族系の鉱物油(すなわち石油等に由来する炭化水素化合物であって、後述の区分において芳香族系に区分されない(すなわち芳香族炭素数が30%未満である)もの)又は非芳香族系の合成油(すなわち合成炭化水素化合物であって芳香族モノマーを使用していないもの)である。非芳香族系ゴム用軟化剤は、通常、常温では液状又はゲル状若しくはガム状である。
成分(C)として用いられる鉱物油は、パラフィン鎖、ナフテン環、及び芳香環の1種以上を有する化合物の混合物であり、炭素数基準で、ナフテン環が30〜45%のものはナフテン系鉱物油、芳香環が30%以上のものは芳香族系鉱物油と呼ばれ、ナフテン系鉱物油にも芳香族系鉱物油にも属さず、かつ炭素数基準でパラフィン鎖が50%以上を占めるものはパラフィン系鉱物油と呼ばれて区別されている。
上記成分(C)としては、例えば、直鎖状飽和炭化水素、分岐状飽和炭化水素、及びこれらの誘導体などのパラフィン系鉱物油;ナフテン系鉱物油;水素添加ポリイソブチレン、ポリイソブチレン、及びポリブテンなどの合成油;等を挙げることができる。これらの中で、エラストマー成分との相溶性の観点から、パラフィン系鉱物油が好ましく、芳香族炭素数の少ないパラフィン系鉱物油がより好ましい。また取扱い性の観点から、室温で液状であるものが好ましい。
耐熱性及び取扱い性の観点から、上記成分(C)の、JIS K2283−2000に準拠し測定された37.8℃における動的粘度は、20〜1000cSt、又は50〜500cStであってよい。また取扱い性の観点から、上記成分(C)の、JIS K2269−1987に準拠し測定された流動点は、−10〜−25℃であってよい。更に安全性の観点から、上記成分(C)の、JIS K2265−2007に準拠し測定された引火点(COC)は、170〜300℃であってよい。
上記成分(C)の配合量は、上記成分(A)100質量部に対し、柔軟性と機械物性とのバランスの観点から、1〜400質量部、10〜250質量部、又は40〜180質量部であってよい。
[潤滑剤(成分(D))]
潤滑剤(成分(D))としては、当該分野で潤滑剤として機能することが当業者に理解される種々の化合物を使用できる。成分(D)の使用は金型剥離性及び紙面の摩擦抑制において有利である。
上記成分(D)としては、シリコーン系化合物、フッ素系化合物、界面活性剤、等が挙げられ、紙面の摩擦抑制の観点からシリコーン系化合物が好ましい。
上記シリコーン系化合物としては、シリコーンオイル、シリコーンガム等を使用することができる。これらの中でも耐熱性、耐ブリード性、及び紙面の摩擦抑制の観点から高分子量のものが好ましい。但し、一般に、高分子量のシリコーン系化合物は高粘度の液体、又はガム状であるためハンドリング性が悪い傾向があるため、樹脂とのブレンド物又は樹脂との共重合物が使用上好適である。ここで使用される樹脂は、摩擦体を構成する他の成分、特に成分(A)との相溶性等を考慮して選定されるが、一般的にはポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂が好適である。
上記フッ素系化合物としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル等を使用することができる。これらの中でも紙面の摩擦抑制の観点からポリフッ化ビニリデンが好ましい。
上記界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系のいずれをも使用することができる。
上記成分(D)の配合量は、上記成分(A)100質量部に対し、紙面の摩擦抑制の観点から、0.1〜30質量部、0.5〜20質量部、又は1〜10質量部であってよい。
摩擦体中の成分(D)の含有量(好ましい態様ではシリコーンオイルの含有量、又は別の好ましい態様ではフッ素系化合物の含有量)は、0.1〜3.0質量%であることが好ましい。上記含有量は、紙面の摩擦抑制の観点から、0.1質量%以上、0.3質量%以上、又は0.5質量%以上であってよく、良好な消字性能及び耐紙面汚染性を得る観点から、3.0質量%以下、2.5質量%以下、又は2.0質量%以下であってよい。
[架橋剤(成分(E))]
架橋剤(成分(E))としては、当該分野で架橋剤として機能することが当業者に理解される種々の化合物を使用できる。摩擦体において、成分(E)は、主として成分(A)を架橋する目的で配合される。成分(E)の使用は120℃圧縮永久歪の低減及びショアーA硬度の上昇において有利である。
上記成分(E)としては、有機過酸化物、フェノール系化合物、等が挙げられ、耐摩耗性の観点から有機過酸化物が好ましい。
上記有機過酸化物は、過酸化水素の水素原子の1個又は2個を遊離有機基で置換した化合物である。有機過酸化物は、その分子内に過酸化結合を有するため、摩擦体の作製時(例えば材料組成物を溶融混練する際)にラジカルを発生し、そのラジカルが連鎖的に反応して、上記成分(A)を架橋させる働きをする。
上記有機過酸化物としては、例えば、ジクミルパーオキシド、ジ−tert−ブチルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルパーオキシ)バレレート、ベンゾイルパーオキシド、p−クロロベンゾイルパーオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキシド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、及びtert−ブチルクミルパーオキシド、等を挙げることができる。これらの中で、低臭気性、低着色性、及びスコーチ安全性の観点から、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、及び2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3が好ましい。
なお成分(E)として有機過酸化物を使用する場合、後述の架橋助剤(成分(F))も使用することが好ましい。成分(F)も使用することにより均一かつ効率的な架橋反応を行うことができる。
上記フェノール系化合物としては、通常液状であるという観点でレゾール樹脂が好ましい。レゾール樹脂は、アルキル置換フェノール又は非置換フェノールの、アルカリ媒体中のアルデヒド(好ましくはホルムアルデヒド)での縮合、又は二官能性フェノールジアルコール類の縮合により製造される。アルキル置換されたフェノールのアルキル置換基部分は典型的に炭素数1〜10を有する。p−位において炭素数1〜10を有するアルキル基で置換されたジメチロールフェノール又はフェノール樹脂が好ましい。
上記フェノール系化合物の中では、アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂、メチロール化アルキルフェノール樹脂、及び臭素化アルキルフェノール樹脂、等が好ましい。環境面から臭素化されていないものが望ましいが、末端の水酸基を臭素化したものであってもよい。特に、アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂が好ましい。
上記成分(E)の配合量は、成分(A)100質量部に対して、0.01〜20質量部、0.1〜10質量部、又は0.5〜5質量部であってよい。上記の下限値以上であることは、架橋反応が良好に進行する点で好ましく、一方、上記の上限値以下であることは、架橋が進み過ぎず成形性が良好に維持される点で好ましい。
[架橋助剤(成分(F))]
架橋助剤(成分(F))としては、当該分野で架橋助剤又は架橋促進剤として機能することが当業者に理解される種々の化合物を使用できる。
上記成分(F)としては、例えば、トリアリルシアヌレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールの繰り返し単位数が9〜14のポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、アリルメタクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジメタクリレート、及び1,9−ノナンジオールジメタクリレート、等のような多官能性メタクリレート化合物;ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、及びプロピレングリコールジアクリレート、等のような多官能性アクリレート化合物;ビニルブチラート又はビニルステアレートのような多官能性ビニル化合物;を挙げることができる。上記成分(F)としては、これらの1種以上を用いることができる。
上記成分(F)の中では、多官能性アクリレート化合物及び多官能性メタクリレート化合物が好ましく、トリアリルシアヌレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、及びテトラエチレングリコールジメタクリレートが特に好ましい。これらの化合物は、取り扱いが容易であるとともに、有機過酸化物可溶化作用を有し、有機過酸化物の分散助剤として働くため、有機過酸化物と組合せて用いた際に架橋をより均一かつ効果的にすることができる。
上記成分(F)の配合量は、成分(A)100質量部に対して、0.01〜50質量部、0.5〜30質量部、又は1〜20質量部であってよい。上記の下限値以上であることは、架橋反応が良好に進行する点で好ましく、一方、上記の上限値以下であることは、架橋が進み過ぎず、摩擦体中での架橋物の分散が良好に維持される点で好ましい。
[着色剤(成分(G))]
着色剤(成分(G))としては、当該分野で着色剤として機能することが当業者に理解される種々の化合物を使用できる。成分(G)としては、無機系顔料、有機系顔料等が好ましい。
上述した実施形態において、リフィルとして熱変色性インクを収容したリフィルであったが、消去部材で筆跡を消去可能である限りにおいて、任意のリフィルであってもよく、消去部材として当該リフィルに対応する消去部材であってもよい。すなわち、消去部材は、筆記された描線又は文字を、擦過により吸着するか又は削ぎ落とす消しゴムや砂消しゴムであってもよい。
1 筆記具
2 筆記具本体
3 キャップ
10 キャップ本体部
12 第1固定端部
13 端面
14 フランジ部
15 接続部
16 縦リブ
20 第1消去部材
23 係止凸部

Claims (6)

  1. 筆記具本体と、
    キャップと、
    前記筆記具本体の後方の端面及び前記キャップの前方の端面の少なくとも一方の端面から突出する固定端部に配置された消去部材と、を具備する筆記具であって、
    前記筆記具本体及び前記キャップの少なくとも一方の前記固定端部には、前記消去部材の回転を防止するように係止可能に軸線方向に延びる少なくとも1つの縦リブが形成されていることを特徴とする筆記具。
  2. 前記縦リブの側面に係止凹部が形成されている請求項1に記載の筆記具。
  3. 前記縦リブの横断面形状が扇形状又は逆三角形状である請求項1又は2に記載の筆記具。
  4. 前記固定端部が、フランジ部と、前記少なくとも一方の端面及び前記フランジ部間を接続する接続部とを有し、前記縦リブが前記接続部に形成されている請求項1乃至3のいずれか一項に記載の筆記具。
  5. 前記少なくとも一方の端面が、前記消去部材と密着し且つ湾曲状に形成されている請求項1乃至4のいずれか一項に記載の筆記具。
  6. 前記少なくとも一方の端面と前記消去部材とが、多色成形法により接合されているとともに、前記少なくとも一方の端面の材料の融点と前記消去部材の材料の融点とが異なることによって、前記少なくとも一方の端面及び前記消去部材間に化学結合が生じていない請求項1乃至5のいずれか一項に記載の筆記具。
JP2019216720A 2019-11-29 2019-11-29 消去部材を備える筆記具 Pending JP2021084400A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019216720A JP2021084400A (ja) 2019-11-29 2019-11-29 消去部材を備える筆記具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019216720A JP2021084400A (ja) 2019-11-29 2019-11-29 消去部材を備える筆記具

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021084400A true JP2021084400A (ja) 2021-06-03

Family

ID=76086598

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019216720A Pending JP2021084400A (ja) 2019-11-29 2019-11-29 消去部材を備える筆記具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2021084400A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7007507B2 (ja) 摩擦体、筆記具及び筆記具セット
JP4964952B2 (ja) アウターソール、及びシューズ
KR100875406B1 (ko) 열가소성 엘라스토머 조성물의 제조 방법
JP4030664B2 (ja) 熱可塑性エラストマー樹脂組成物およびその製造方法
JP2016196601A (ja) 熱可塑性エラストマー樹脂組成物
WO2002014423A1 (fr) Composition polymere
JP2021084400A (ja) 消去部材を備える筆記具
JP6464174B2 (ja) 靴形成用部材及び靴
JP2013091230A (ja) 消しゴム
JP6612576B2 (ja) ステッチを有する表皮一体樹脂成形体
EP1310524B1 (en) Thermoplastic elastomer composition, formed article of the same and composite formed article of the same
Coran Thermoplastic elastomeric rubber-plastic blends
JP2019127528A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JP4909467B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物およびその製造方法
JP6746201B2 (ja) 樹脂組成物と成形体
JP2002317096A (ja) 長靴用熱可塑性エラストマー組成物及びそれを用いた長靴
BR112019002838B1 (pt) Composição
JP6668746B2 (ja) 消しゴム
JP5085174B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
WO2022172946A1 (ja) 筆記具
JP2006316084A (ja) 熱可塑性樹脂組成物およびこれを用いた医療用器具
JP4118716B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物およびその成形品
JP4909468B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物の製造方法
JP2002338782A (ja) 自動車ハーネス用グロメット樹脂組成物および自動車ハーネス用グロメット
JP4373808B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20221003

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230623

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230801

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20230928

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20231128

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20240305

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20240322