JP4964952B2 - アウターソール、及びシューズ - Google Patents

アウターソール、及びシューズ Download PDF

Info

Publication number
JP4964952B2
JP4964952B2 JP2009516083A JP2009516083A JP4964952B2 JP 4964952 B2 JP4964952 B2 JP 4964952B2 JP 2009516083 A JP2009516083 A JP 2009516083A JP 2009516083 A JP2009516083 A JP 2009516083A JP 4964952 B2 JP4964952 B2 JP 4964952B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
outer sole
polymer
mpa
shoe
styrene
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009516083A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2008146342A1 (ja
Inventor
克博 今里
貞樹 森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asics Corp
Original Assignee
Asics Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asics Corp filed Critical Asics Corp
Publication of JPWO2008146342A1 publication Critical patent/JPWO2008146342A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4964952B2 publication Critical patent/JP4964952B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A43FOOTWEAR
    • A43BCHARACTERISTIC FEATURES OF FOOTWEAR; PARTS OF FOOTWEAR
    • A43B13/00Soles; Sole-and-heel integral units
    • A43B13/02Soles; Sole-and-heel integral units characterised by the material
    • A43B13/04Plastics, rubber or vulcanised fibre
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A43FOOTWEAR
    • A43BCHARACTERISTIC FEATURES OF FOOTWEAR; PARTS OF FOOTWEAR
    • A43B13/00Soles; Sole-and-heel integral units
    • A43B13/14Soles; Sole-and-heel integral units characterised by the constructive form
    • A43B13/18Resilient soles
    • A43B13/187Resiliency achieved by the features of the material, e.g. foam, non liquid materials
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A43FOOTWEAR
    • A43BCHARACTERISTIC FEATURES OF FOOTWEAR; PARTS OF FOOTWEAR
    • A43B13/00Soles; Sole-and-heel integral units
    • A43B13/14Soles; Sole-and-heel integral units characterised by the constructive form
    • A43B13/18Resilient soles
    • A43B13/189Resilient soles filled with a non-compressible fluid, e.g. gel, water
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A43FOOTWEAR
    • A43BCHARACTERISTIC FEATURES OF FOOTWEAR; PARTS OF FOOTWEAR
    • A43B13/00Soles; Sole-and-heel integral units
    • A43B13/14Soles; Sole-and-heel integral units characterised by the constructive form
    • A43B13/22Soles made slip-preventing or wear-resisting, e.g. by impregnation or spreading a wear-resisting layer
    • A43B13/24Soles made slip-preventing or wear-resisting, e.g. by impregnation or spreading a wear-resisting layer by use of insertions
    • A43B13/26Soles made slip-preventing or wear-resisting, e.g. by impregnation or spreading a wear-resisting layer by use of insertions projecting beyond the sole surface
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L23/00Compositions of homopolymers or copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L23/02Compositions of homopolymers or copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond; Compositions of derivatives of such polymers not modified by chemical after-treatment
    • C08L23/04Homopolymers or copolymers of ethene
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L23/00Compositions of homopolymers or copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L23/02Compositions of homopolymers or copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond; Compositions of derivatives of such polymers not modified by chemical after-treatment
    • C08L23/10Homopolymers or copolymers of propene
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L53/00Compositions of block copolymers containing at least one sequence of a polymer obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L53/02Compositions of block copolymers containing at least one sequence of a polymer obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds; Compositions of derivatives of such polymers of vinyl-aromatic monomers and conjugated dienes

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Footwear And Its Accessory, Manufacturing Method And Apparatuses (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

本発明は、シューズのアウターソール、及びシューズに関する。
スポーツ用シューズなどの各種シューズにおけるアウターソールは、地面に接する底部材である。該アウターソールは、摩耗しにくく(耐摩耗性)、軽量であることが求められる。
特許文献1(日本国公開特許公報平11−266905号)には、比重0.8以下の軽量発泡体と高強度非発泡体とを突き合わせて接合一体化したアウターソールが記載されている。かかるアウターソールは、耐摩耗性の要求される部位に高強度非発泡体を配設し、その他の部位に軽量発泡体を配設することにより、耐摩耗性に優れ且つ軽量であると特許文献1に記載されている。
特許文献2(日本国公開特許公報2007−29320号)には、ショアA硬度が55〜95で且つ比重1.00〜1.23の接地層と比重0.90〜1.13の非接地層とが積層された積層部を有し、積層部が、気泡を含まないポリマー組成物からなるアウターソールが開示されている。かかるアウターソールは、耐摩耗性が良好な接地層と比重の小さい非接地層とが積層された2重構造であるため、耐摩耗性に優れ且つ軽量であると特許文献2に記載されている。
日本国公開特許公報平11−266905号 日本国公開特許公報2007−29320号
しかしながら、特許文献1のアウターソールは、発泡体を使用しているため、発泡体を設けた部位において耐摩耗性に劣る。また、軽量発泡体と高強度非発泡体とが、剥離しないように、両者を突き合わせて接合しなければならない。
一方、特許文献2のアウターソールは、接地層がショアA硬度55〜95であるが、接地層の硬度を比較的高くするだけでは、接地層の耐摩耗性は十分でなく、その改良が求められる。また、該アウターソールは、接地層が比重1.00〜1.23であるため、更なる軽量化が求められる。
本発明の目的は、軽量で、且つ耐摩耗性に優れるアウターソール、及びこれを備えるシューズを提供することである。
一般に、比較的比重の小さい材料は、軽量化に優れるが、耐摩耗性に劣り、一方、耐摩耗性に優れる材料は、比較的比重が大きい傾向にある。
かかる相反する特性を満足するアウターソールを得るべく、本発明者らは、鋭意研究したところ、アウターソールの摩耗メカニズムに着目した。
本発明者らの研究によれば、アウターソールの摩耗は、下記ステージ1〜ステージ5を経て、発生するものが判ってきた。
ステージ1:アウターソールが地面に接した際に、該アウターソールの表面に、小石や砂に接触する。言い換えると、アウターソールが地面に接した際に、アウターソールの表面に、外力が加わる。
ステージ2:アウターソールの表面に外力が加わることにより、その表面が変形する。
ステージ3:外力がアウターソールに常態的に加わることにより、アウターソールの表面に傷が生じる。
ステージ4:上記傷が生じることにより、アウターソールの表面に、小さな塊片が生じる(傷が生じた部分に於けるアウターソールの形成材料の一部が、小さな塊片となる)。さらに、外力が加わることで、前記小さな塊片が、大きく成長する。
ステージ5:上記塊片が大きくなると、アウターソールの表面から脱落し、摩耗粉となる。このようにしてアウターソールの形成材料の一部が、脱落する結果、アウターソールが摩耗する。
以上のような摩耗メカニズムに着目し、本発明者らは、(1)アウターソールに外力が加わった際に、該アウターソールの表面に傷が発生し難くすること、(2)前記傷が発生して塊片が生じても、該塊片がアウターソールの表面から脱落し難くすること、によってアウターソールの摩耗を低減できることを見出した。
本発明は、シューズの下面に配置されるアウターソールであって、オレフィン系樹脂とスチレン系エラストマーを含み、比重が0.95以下のポリマー組成物で形成され、動的粘弾性測定(20±3℃、10Hz)に於ける貯蔵弾性率[E’]が100MPa〜500MPa、損失係数[tanδ]が0.2以下であり、引張り最大応力が30MPa以上であることを特徴とする。
ここで、貯蔵弾性率[E’]及び損失係数[tanδ]は、動的粘弾性測定による数値であり、貯蔵弾性率が小さいほど衝撃を緩和し易く、損失係数が小さいほど変形後元の形状に復元しやすい。
本発明のアウターソールは、その比重が0.95以下のポリマー組成物で形成されているため、軽量である。
上記アウターソールは、その貯蔵弾性率が100MPa〜500MPaであるため、外力が加わった際に、その衝撃を緩和し易い。さらに、上記アウターソールは、その損失係数が0.2以下であるため、外力によって変形した後、元の形状に復元し易い。従って、本発明のアウターソールは、傷の発生をより低減できる。
さらに、上記アウターソールは、引張り最大応力が30MPa以上であるため、破断を生じ難い。従って、本発明のアウターソールは、使用時に生じた塊片が脱落し難い。
このように本発明のアウトソールは、傷の発生を抑制でき、更に、塊片の脱落を抑制できるので、耐摩耗性に優れている。
本発明の好ましいアウトソールは、上記オレフィン系樹脂とスチレン系エラストマーの合計量100質量部に対し、オレフィン系樹脂が40質量部〜60質量部、スチレン系エラストマーが40質量部〜60質量部配合されている。
本発明の他の好ましいアウトソールは、上記オレフィン系樹脂が、エチレン系重合体とプロピレン系重合体の混合物を含む。
本発明の他の好ましいアウトソールは、上記エチレン系重合体とプロピレン系重合体の配合比(質量比)が、1:5〜4:1である。
本発明の他の好ましいアウトソールは、上記スチレン系エラストマーが、α−メチルスチレン・ブタジエン共重合体を含む。
本発明の他の好ましいアウトソールは、上記アウトソールの表面に、凸状のスタッド部が形成されている。
本発明の別の局面によれば、シューズが提供される。本発明のシューズは、上記いずれかのアウターソールを備える。
本発明のシューズの1つの実施形態を示す側面図。 図1のI−I線(縦方向)で切断した上部省略縦断面図。 本発明のシューズの他の実施形態を示す側面図。 本発明のシューズの他の実施形態を示す上部省略縦断面図。
本発明のアウターソールは、オレフィン系樹脂とスチレン系エラストマーを含み、比重が0.95以下のポリマー組成物で形成され、動的粘弾性測定(20±3℃、10Hz)に於ける貯蔵弾性率[E’]が100MPa〜500MPa、損失係数[tanδ]が0.2以下であり、引張り最大応力が30MPa以上である。
本発明のアウターソールは、シューズの下面に配置される。該アウターソールは、シューズの下面の全体的に設けられる他、シューズの下面の部分的に設けられる。該アウターソールは、略板状、略凸状(例えば、円錐台状等)、凹凸形状が形成された板状などの任意の形状に形成される。本発明のアウターソールは、接着により、シューズに固定的に取り付ける態様の他、ネジ等により、シューズに着脱可能に取り付ける態様も含まれる。
以下、本発明のアウターソールについて、具体的に説明する。
図1及び図2において、本発明のシューズ1は、本体2と、本体2の下面に設けられたミッドソール3と、ミッドソール3の下面に配置されたアウターソール5と、を備えている。アウターソール5の裏面は、ミッドソール3に接着されている。前記シューズ1を使用した際には、アウトソール5の表面が地面に接する。
アウターソール5の表面には、凹凸形状が形成されている。本発明のアウターソール5は、1つの実施形態において、アウターソール5の表面に、凸状のスタッド部6が一体的に形成されている。このスタッド部6の大きさは、特に限定されないが、通常、直径8mm〜15mm、高さ5mm〜20mm程度である。スタッド部6の個数及び形成場所は、特に限定されず、任意に設計することができる。スタッド部6は、好ましくはシューズの前部分及び後部分に複数個設けられる(図1参照)。
ただし、本発明のアウトソール5は、その表面が凹凸状に形成されている態様に限られない。本発明のアウターソールは、他の実施形態において、アウターソールの表面が略平坦状に形成される(図示せず)。
なお、本明細書において、「数値X〜数値Y」とは、「数値X以上数値Y以下」を意味する。例えば、上記8mm〜15mmは、8mm以上15mm以下を意味する。
本発明のアウトソール5は、1つの実施形態において、ミッドソール3の下面形状と略同形に形成されている。このようなアウトソール5は、図1及び図2に示すように、ミッドソール3の下面全体に接着される。
ただし、本発明のアウトソール5は、ミッドソール3の下面形状と略同形に形成されている態様に限られない。本発明のアウターソール5は、他の実施形態において、ミッドソール3の下面よりも小さい面積に形成される。このようなアウトソール5は、例えば、図3に示すように、ミッドソール3の前部分の形状と略同形に形成されていてもよいし、或いは、ミッドソール3の後部分と略同形に形成されていてもよい。さらに、本発明のアウトソールは、シューズの踵部に部分的に設けられていてもよい。
本発明のアウターソールは、地面に接する靴底部材であり、シューズの全体又は部分的に適宜使用できる。また、本発明のアウターソールは、常時地面に接する底部材に限られない。本発明のアウトソールには、通常は地面に接しないが、着地時の衝撃などの外力による変形によって地面に接し得るシューズの底部材も含まれる。外力による変形によって地面に接し得るシューズの底部材は、例えば、シャンク部材(土踏まず部分に配置される底部材)などのような補強部材が挙げられる。さらに、本発明のアウターソールは、取り替え式スタッド部材として使用することもできる。
本発明のアウトソール5は、1つの実施形態において、地面に接する表面層とミッドソールに接着される裏面層とが、1つのポリマー組成物で形成されている(図2参照)。このようなアウトソール5の裏面は、ミッドソール3の下面に良好に接着させるため、略平坦状に形成される。
ただし、本発明のアウトソール5は、図2に示すような態様に限られない。本発明のアウトソール5は、他の実施形態において、所定厚みに形成され、スタッド部6の凸形状に対応した凹部8が形成される(図4参照)。このようなアウトソール5は、凹部8を含むアウトソール5の裏面側に、充填層7が設けられる。該アウトソール5は、充填層7の裏面をミッドソール3に接着することによって、本体2に設けることができる。該充填層7の形成材料としては、熱可塑性樹脂、ゴム、エラストマーなどの各種ポリマーが挙げられる。
上記アウトソール5は、通常、厚み1mm以上、好ましくは厚み2mm〜5mmに形成される。
上記アウターソール5は、オレフィン系樹脂とスチレン系エラストマーを含み、比重が0.95以下のポリマー組成物で形成されている。
上記オレフィン系樹脂としては、例えば、プロピレン系重合体、エチレン系重合体などが挙げられる。プロピレン系重合体としては、例えば、ホモポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、ブロックポリプロピレン、アタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレン、これらの無水マレイン酸などの変性ポリプロピレンなどのポリプロピレン;プロピレン−αオレフィン共重合体;などが挙げられる。エチレン系重合体としては、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超低密度ポリエチレン(ULDPE)などのポリエチレン;エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・1−ヘキセン共重合体、エチレン・1−ヘプテン共重合体、エチレン・1−オクテン共重合体、エチレン・4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン・1−ノネン共重合体、エチレン・1−デセン共重合体などのエチレン・α−オレフィン共重合体;エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸エステル共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・メタクリルエステル共重合体、これらの無水マレイン酸などの変性物などのエチレン系共重合体;などが挙げられる。これらは、1種単独で、又は、2種以上を併用してもよい。本発明のオレフィン系樹脂は、上記プロピレン系重合体とエチレン系重合体の混合物が好ましく、特に、オレフィン系樹脂は、上記ポリプロピレンとポリエチレンの混合物がより好ましい。プロピレン系重合体とエチレン系重合体の混合物を含むオレフィン系樹脂は、比重が小さい上、射出成形時の溶融粘度が低いため、成形物に凹みや反りが生じ難く、さらにコスト的に有利である。
なお、上記プロピレン系重合体及びエチレン系重合体は、本発明の効果を損なわない範囲で、他の重合体成分を分子中に僅かに含んでいてもよい。
上記プロピレン系重合体は、比重が小さいものが好ましい。該プロピレン系重合体は、好ましくは比重0.92以下であり、より好ましくは比重0.90〜0.92である。
前記エチレン系重合体も同様に、比重が小さいものが好ましい。該エチレン系重合体は、好ましくは比重0.96以下であり、より好ましくは比重0.85〜0.94である。通常、高密度ポリエチレンの比重は、0.92〜0.96であり、低密度ポリエチレンの比重は、0.91〜0.92であり、直鎖状低密度ポリエチレンの比重は、0.94以下であり、超低密度ポリエチレンの比重は、0.90以下である。
上記エチレン系重合体としては、比重が小さく、耐熱性や強度を有することから直鎖状低密度ポリエチレンが好ましく、特に、メタロセン系触媒を使用して製造される直鎖状低密度ポリエチレンがより好ましい。
上記オレフィン系樹脂において、エチレン系重合体とプロピレン系重合体の配合比(質量比)は、特に限定されないが、好ましくは1:5〜4:1であり、より好ましくは、1:3〜1:1である。該配合比であれば、適度な貯蔵弾性率と破断強度を同時に満足できるからである。
次に、上記スチレン系エラストマーは、その構造上、ゴム状弾性を示すソフトセグメントと、三次元綱目のハードセグメントと、を有するポリマーである。スチレン系エラストマーは、常温ではゴム弾性を示し、高温では可塑化するので、射出成形などの各種成形法によって成形できる。
上記スチレン系エラストマーとしては、例えば、ハードセグメントがスチレン系重合体であり且つソフトセグメントが共役ジエン系重合体であるポリマーが挙げられる。該スチレン系重合体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、1,3−ジメチルスチレンなどの重合体が挙げられる。これらスチレン系重合体は、1種単独で、又は2種以上を併用してもよい。
共役ジエン系重合体としては、例えば、1,3−ブタジエン、1,2−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、これらの水素添加物などの重合体が挙げられる。これら共役ジエン系重合体は、1種単独で、又は2種以上を併用してもよい。共役ジエン系重合体が、水素添加物を含む場合、水素添加の割合は、特に限定されないが、共役ジエン単位に基づく炭素−炭素二重結合の30%以上が水素添加されていることが好ましく、50%以上水素添加されていることがより好ましい。かかる水素添加物を含むスチレン系エラストマーは、耐熱性、耐候性などに優れている
上記スチレン系エラストマーのスチレン系重合体としては、好ましくはα−メチルスチレン重合体である。該α−メチルスチレン重合体の数平均分子量は、特に限定されないが、好ましくは1000〜50000であり、より好ましくは、2000〜20000である。
なお、本明細書において、「数平均分子量」とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定によって求めたポリスチレン換算の分子量である。
上記スチレン系エラストマーの共役ジエン系重合体としては、好ましくはブタジエン(又は水素添加ブタジエン)重合体、又は/及びイソプレン重合体であり、より好ましくは1,3−ブタジエン(又は水素添加1,3−ブタジエン)重合体である。該1,3−ブタジエン(又は水素添加1,3−ブタジエン)の数平均分子量は、特に限定されないが、好ましくは1000〜400000であり、より好ましくは、10000〜100000である。上記共役ジエン系重合体がブタジエン重合体である場合、該ブタジエン共重合体を構成する共役ジエン単位の1,4結合の含有量が20%以上のブタジエン共重合体が好ましい。より好ましくは、1,4結合の含有量が30%〜90%であり、特に好ましくは、1,4結合の含有量が35%〜80%である。1,4結合の含有量が20%未満の場合、ソフトセグメント部位のTgが高くなり、スチレン系エラストマーの弾性が低下するからである。
また、上記スチレン系エラストマーは、共役ジエン単位の1,4結合の含有量が30%未満のブタジエン共重合体を含んでいてもよい。
本発明のスチレン系エラストマーを構成するブタジエン共重合体は、数平均分子量が500〜10000で且つ1,4結合の含有量が30%未満のブタジエン重合体と、数平均分子量が1000〜40000で且つ1,4結合の含有量が20%以上のブタジエン重合体と、を含んでいるポリマーが好ましい。
上記スチレン系エラストマーは、α−メチルスチレンとブタジエン(又は水素添加ブタジエン)の共重合体が好ましく、特に、α−メチルスチレンと1,3−ブタジエン(又は水素添加1,3−ブタジエン)の共重合体がより好ましい。α−メチルスチレンとブタジエンの結合形式は、線状、分岐状、放射状、或いはこれらの任意の組み合わせであってもよい。また、α−メチルスチレンとブタジエンの共重合の形態は、ランダム状でも、テーパード状でもよい。
本発明のスチレン系エラストマーとして、最も好ましくは、α−メチルスチレン・ブタジエン(又は水素添加ブタジエン)・α−メチルスチレンの共重合体である。α−メチルスチレン・ブタジエン(又は水素添加ブタジエン)・α−メチルスチレンの共重合体は、破断強度が高く、特に、比較的高温時においても破断強度が高い。かかる共重合体を含むポリマー組成物で形成したアウターソールは、耐摩耗性に優れている。
上記スチレン系エラストマーの数平均分子量は、特に限定されないが、好ましくは200000〜300000であり、より好ましくは、30000〜150000である。
また、上記スチレン系エラストマーの比重は、0.90〜0.94程度である。
上記スチレン系エラストマーにおいて、α−メチルスチレン重合体とブタジエン重合体の含有量は、特に限定されないが、好ましくはα−メチルスチレン重合体が10〜90質量%であり、ブタジエン重合体が、10〜70質量%であり、より好ましくはα−メチルスチレン重合体が20〜50質量%であり、ブタジエン重合体が、40〜70質量%である。かかる含有量のスチレン系エラストマーは、適度な破断強度と弾性を有する。
なお、上記スチレン系エラストマーは、本発明の効果を損なわない範囲で、他の重合体成分が共重合されていてもよい。該他の重合体としては、メタクリル酸メチルなどの他の単量体からなる重合体が挙げられる。
また、上記スチレン系エラストマーは、本発明の効果を損なわない範囲で、分子鎖中に又は分子末端に、カルボキシル基、水酸基、酸無水物基、アミノ基、エポキシ基などの官能基を有していてもよい。
上記スチレン系エラストマーは、例えば、アニオン重合法によって製造することができる。例えば、(1)テトラヒドロフラン溶媒中でジアニオン系開始剤を用いて共役ジエンを重合後に、−78℃の温度条件下でα−メチルスチレンを逐次重合させ、α−メチルスチレン・ブタジエン・α−メチルスチレンの共重合体を得る方法、(2)非極性溶媒中、有機リチウム化合物を開始剤として用い、0.1〜10質量%の濃度の極性化合物の存在下、−30〜30℃の温度にて、5〜50質量%の濃度のα−メチルスチレンを重合させ、得られるリビングポリマーに共役ジエンを重合させた後、カップリング剤を添加して、α−メチルスチレン・ブタジエン・α−メチルスチレンの共重合体を得る方法、などが挙げられる。
上記オレフィン系樹脂及びスチレン系エラストマーは、得られるポリマー組成物の比重が0.95以下となるように、配合される。上記オレフィン系樹脂及びスチレン系エラストマーは、オレフィン系樹脂とスチレン系エラストマーの合計量100質量部に対し、好ましくはオレフィン系樹脂が40質量部〜60質量部、スチレン系エラストマーが40質量部〜60質量部の割合で配合される。かかる配合量により、比重が0.95以下で、貯蔵弾性率[E’]が100MPa〜500MPaで、損失係数[tanδ]が0.2以下で、引張り最大応力が30MPa以上であるポリマー組成物(アウターソール)を得ることができる。
なお、上記ポリマー組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、他のポリマー(上記オレフィン系樹脂及びスチレン系エラストマー以外のポリマー)、その他の添加剤を配合してもよい。
上記他のポリマー及び/又は添加剤の配合割合は、特に限定されないが、通常、オレフィン系樹脂とスチレン系エラストマーの合計量100質量部に対し、0を超え10質量部以下である。
添加剤としては、熱安定剤、光安定剤、滑剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、難燃剤、着色剤、可塑剤、耐電防止剤、増粘剤などが挙げられる。
上記ポリマー組成物は、動的粘弾性測定(20±3℃、10Hz)に於ける貯蔵弾性率[E’]が100MPa〜500MPaの粘弾性体である。貯蔵弾性率[E’]が100MPa〜500MPaのポリマー組成物で形成されたアウターソールは、使用時に外力が加わっても、適度に変形して衝撃を緩和する。このため、アウターソールの表面に傷が生じ難い。このように傷付き難いアウターソールは、耐摩耗性に優れている。上記ポリマー組成物は、好ましくは貯蔵弾性率[E’]が300MPa〜500MPaである。貯蔵弾性率[E’]が300MPa〜500MPaのポリマー組成物で形成されたアウターソールは、比較的高温(例えば50℃)においても耐摩耗性に優れている。
上記ポリマー組成物は、動的粘弾性測定(20±3℃、10Hz)に於ける損失係数[tanδ]が0.2以下の粘弾性体である。損失係数[tanδ]が0.2以下のポリマー組成物で形成されたアウターソールは、使用時に外力が加わっても、元の形状に復元し易い。このため、アウターソールの表面に傷が生じることを抑制できる。この傷付き抑制作用は、上記特定範囲の貯蔵弾性率[E’]との相乗作用である。このように傷付き難いアウターソールは、耐摩耗性に優れる。上記ポリマー組成物は、好ましくは損失係数[tanδ]が0.12未満の粘弾性体である。損失係数[tanδ]が0.12未満のポリマー組成物で形成されたアウターソールは、比較的高温(例えば50℃)においても耐摩耗性に優れている。
上記ポリマー組成物は、引張り最大応力が30MPa以上である。本発明のアウトソールの表面は、上記のように、使用時に傷が生じ難いが、傷の発生を完全に防止することはできない。従って、使用頻度に応じて、アウターソールに傷が生じ、その結果、塊片が生じ得る。
この点、引張り最大応力が30MPa以上のポリマー組成物で形成されたアウターソールは、破断を生じ難い。このため、アウターソールの表面に塊片が生じても、この塊片が脱落し難い。上記傷付き抑制作用と塊片の脱落作用の相乗作用によって、本発明のアウターソールは、耐摩耗性に優れる。上記ポリマー組成物は、好ましくは引張り最大応力が40MPaである。引張り最大応力が40MPa以上のポリマー組成物で形成されたアウターソールは、比較的高温(例えば50℃)においても耐摩耗性に優れる。
本発明のアウトソールは、上記ポリマー組成物を成形することにより、得ることができる。
成形法は、特に限定されないが、好ましくは射出成形である。射出温度(ノズル部)は、200℃〜260℃程度である。
得られたアウトソールは、適切な接着剤を用いて、シューズ本体に接着される。
本発明のシューズの用途は、特に限定されない。本発明のシューズは、例えば、サッカーシューズ、ラグビーシューズなどの各種球技用シューズ;ジョギングシューズ、マラソンシューズなどのランニング用シューズ;陸上競技用シューズ;一般運動用シューズ;ビーチサンダルなどに用いることができる。
本発明のアウターソールは、軽量で且つ耐摩耗製に優れている。このため、該アウターソールを備える本発明のシューズは、球技用シューズ、ランニング用シューズ、陸上競技用シューズとして好適である。
以下、実施例及び比較例を挙げ、本発明を更に詳述する。但し、本発明は、下記実施例に限定されるものではない。
[実施例及び比較例に使用した材料]
(1)ポリエチレン(表1などにおいて「PE」と記す)…直鎖状低密度ポリエチレン。(株)プライムポリマー製、製品名「エボリューSP1521」。比重0.91。
(2)ポリプロピレン(表1などにおいて「PP」と記す)…ランダムポリプロピレン。(株)プライムポリマー製、製品名「プライムポリプロJ721−GR」。比重0.9。
(3)ポリウレタンエラストマー(表1などにおいて「TPU」と記す)…ハードセグメントがポリウレタンで、ソフトセグメントがポリエーテルであるエラストマー。BASF社製、製品名「エラストランET195」。
(4)ポリエステル系エラストマー(表1などにおいて「TPE」と記す)…ハードセグメントがポリエステルで、ソフトセグメントがポリエーテルであるエラストマー。三菱化学(株)製、製品名「プリマロイA1900N」。
(5)ポリプロピレン系エラストマー1(表1などにおいて「TPP1」と記す)…ハードセグメントがポリプロピレンで、ソフトセグメントがエチレン・プロピレンゴム(EPDM)であるエラストマー。(株)プライムポリマー製、製品名「プライムTPO J5910」。
(6)ポリプロピレン系エラストマー2(表1などにおいて「TPP2」と記す)…ハードセグメントがポリプロピレンで、ソフトセグメントがエチレンαオレフィンゴムであるエラストマー。三菱化学(株)製、製品名「サーモランM3855N」。
(7)アイオノマー樹脂1(表1などにおいて「IN1」と記す)…三井デュポンポリケミカル(株)製、製品名「ハイミラン1555」。
(8)アイオノマー樹脂2(表1などにおいて「IN2」と記す)…三井デュポンポリケミカル(株)製、製品名「ハイミラン1706」。
(9)スチレン・エチレン・ブタジエン・スチレン共重合体(表1などにおいて「SEBS」と記す)…(株)クラレ社製、製品名「ハイブラー7311」。
(10)スチレン・エチレン・プロピレン・スチレン共重合体(表1などにおいて「SEPS」と記す)…(株)クラレ社製、製品名「セプトン1062」。
(11)α−メチルスチレン・ブタジエン・α−メチルスチレン共重合体(表1などにおいて「αSBS」と記す)…(株)クラレ社製。共重合体の数平均分子量72000。α−メチルスチレン重合体:ブタジエン重合体の比率=33:67。α−メチルスチレン重合体の数平均分子量6400。ブタジエン重合体の数平均分子量59000。ブタジエン共重合体の1,4結合の含有量55%。
[実施例1]
表1に示す割合で、PE、PP及びαSBSを配合し、ミキサーで十分に混合し、その後二軸押出機(180〜230℃)にて混練し、ポリマー組成物を調製した。該ポリマー組成物の比重(20℃±3℃)は、表1に示す通りである。なお、表1において、各材料の配合割合は、質量部で表示している。
射出成形機(メーカ:日精樹脂工業(株)製、製品名:FE160S型油圧式射出成形機。型締力:160ton、スクリュー径:45mm、射出速度:21cm/s、射出圧力:60MPa、射出温度(ノズル部):230℃)を用いて、前記ポリマー組成物を金型内に射出し、物性試験用サンプルと摩耗試験用サンプルを作製した。
上記物性試験用サンプルは、比重の測定、動的粘弾性の測定及び引張り強度の測定に使用した。該物性試験用サンプルは、厚み2mm、幅50mm、長さ100mmの板状に形成した。
また、上記摩耗試験用サンプルは、後述する耐摩耗試験に使用した。摩耗試験用サンプルは、厚み8mm、幅20mm、長さ20mmの板状体に成形した後、この板状体を直径16mmの鋼鉄製抜き型で打ち抜き、直径16mm、厚さ8mmの円盤状に形成した。
Figure 0004964952
Figure 0004964952
[実施例2〜実施例5]
表1に示す割合で、PE、PP及びαSBSを配合したこと以外は、上記実施例1と同様にして、物性試験用サンプルと摩耗試験用サンプルを作製した。実施例2〜5の各ポリマー組成物の比重(20℃±3℃)は、表1に示す通りである。
[比較例1〜比較例15]
表1に示す割合で、各材料を配合したこと以外は、上記実施例1と同様にして、物性試験用サンプルと摩耗試験用サンプルを作製した。比較例1〜15の各ポリマー組成物の比重(20℃±3℃)は、表1に示す通りである。
[比重の測定方法]
JIS K 7311(水中置換法)に準拠して測定した。
ALFA MIRAGE co,LTD製の電子比重計(製品名:MD−200S)を使用し、各サンプル(長さ10±3mm、幅10±3mm、厚さ2±0.5mm)について、測定温度20±3℃で比重を測定した。
水中置換法では、空気中での重量(W1)と水中での重量(W2)から下記の式にて比重(D)を求めた。
式;D=W1/(W1−W2)。
[動的粘弾性の測定]
上記実施例及び比較例の各試験用サンプルについて、下記条件で動的粘弾性をJIS K7244に準拠して測定することにより、貯蔵弾性率[E’]及び損失係数[tanδ]を求めた。その結果を、表2に示す。
測定機器:(株)ユービーエム製、動的粘弾性測定装置 Rheogel-E4000。
サンプル形状等:長さ33±3mm、幅5±0.3mm、厚さ2±0.3mmの短冊状。
測定モード:正弦波歪みの引張モード。
チャック間距離:20±0.2mm。
温度:20±3℃。
周波数:10Hz。
荷重:自動静荷重。
動歪み:3〜5μm。
[引張り強度の測定]
上記実施例及び比較例の各試験用サンプルについて、JIS K 6251に準拠し下記条件で引張り最大応力[TB]を測定した。その結果を表2に示す。
測定機器:島津製作所(株)製、製品名「オートグラフAG−IS型万能試験機」。
ロードセル:島津製作所(株)5kN。
伸び測定機器:島津製作所(株)製、製品名「ビデオ式非接触伸び計 DVE−201」。
引張速度:300mm/min。
チャック間距離:40mm。
標線間距離:10mm。
サンプル形状:ダンベル5号(最小幅5mm)。
最大応力[TB]算出方法:最大試験力を試験前の初期断面積で除して算出した。
[23℃での耐摩耗性試験]
JIS K 6264−2に準拠したDIN摩耗試験機(GOTECH TESTING MACHINES社製、製品名「DIN摩耗試験機 GT−7012−D」)を用いて、上記実施例及び比較例の摩耗試験用サンプルの耐摩耗性を調べた。
このDIN摩耗試験機は、表面に#60の研磨紙を巻きつけた直径150mm、幅460mmのドラムを0.32m/secの速度で回転させ、このドラムの研磨紙に摩耗試験用サンプルを荷重10Nで押し付けて摩耗させる試験機である。
試験に際して摩耗面を平滑にするため、まず予備摩りを行った。予備摩りは、摩耗試験用サンプルのドラムに対する押し付けを23℃雰囲気下で20m行った。その後、この予備摩り後の摩耗試験用サンプルの重量を測定し、本試験を実施した。本試験は、予備摩り後のサンプルのドラムに対する押し付けを40m行った後、重量を測定した。本試験前の重量と本試験後の重量の差を求めた(この差を摩耗重量という)。なお、研磨紙の消耗状態の影響を無くすため、標準ゴムの摩耗重量も上記と同様な手順で測定した。
ここで、標準ゴムの摩耗重量をW1、摩耗試験用サンプルの摩耗重量をW2、摩耗試験用サンプルの比重をSとすると、各摩耗試験用サンプルの摩耗体積A(mm)は、以下の式から求められる。実施例及び比較例の23℃での摩耗体積(mm)を、表2に示す。
式;A=(W2×200)/(W1×S)。
[50℃での耐摩耗性試験]
50℃雰囲気下で行ったこと以外は、上記[23℃での耐摩耗性試験]と同様にして、各摩耗試験用サンプルの50℃での摩耗体積A(mm)を求めた。
それらの結果を表2に合わせて示す。
ただし、比較例1〜4及び比較例8〜13については、次の理由により、50℃に於けるDIN摩耗試験を省略した。
(a)比較例1〜4及び比較例8〜13は、実施例1〜5や他の比較例と同じオレフィン系材料を含む材料である。(b)実施例1〜5や他の比較例についての摩耗体積の変化度(23℃での摩耗体積/50℃での摩耗体積)は、0.8前後で同じ傾向にある。前記(a)及び(b)の事項から、比較例1〜4及び比較例8〜13の50℃に於ける耐摩耗性は、実施例1〜5等と同じ傾向を示すと推測される。
[評価]
実施例1〜実施例5のアウターソールは、表2から明らかな通り、耐摩耗性に優れている。特に、実施例2及び実施例3のアウターソールは、50℃に於いても耐摩耗性に優れている。シューズの使用時、地面に接するアウターソールの表面は、40℃〜60℃程度になる。このため、実施例2及び実施例3のように、50℃に於いても耐摩耗性に優れるアウターソールは、特に好ましい。
一方、損失係数が大きい(損失係数が0.2を超えている)比較例1及び比較例3は、耐摩耗性に劣ることが判る。
引張り強度が小さい(引張り強度が30MPa未満である)比較例1、2、4、5、7〜10、12及び13は、耐摩耗性に劣ることが判る。
貯蔵弾性率が小さい(貯蔵弾性率が100MPa未満である)比較例4及び13は、耐摩耗性に劣ることが判る。
他方、貯蔵弾性率が大きい(貯蔵弾性率が500MPaを超えている)比較例5、6、8及び11は、耐摩耗性に劣ることが判る。
なお、比較例14及び15は、実施例1〜5に比して比重が高く、本発明で要求される軽量化を満たさない。
本発明のアウターソールは、シューズの底部材として利用できる。特に、本発明のアウターソールは、スポーツ用シューズの底部材として好適である。

Claims (7)

  1. シューズの下面に配置されるアウターソールであって、
    オレフィン系樹脂とスチレン系エラストマーを含み、比重が0.95以下のポリマー組成物で形成され、動的粘弾性測定(20±3℃、10Hz)に於ける貯蔵弾性率[E’]が100MPa〜500MPa、損失係数[tanδ]が0.2以下であり、引張り最大応力が30MPa以上であることを特徴とするシューズのアウターソール。
  2. 前記オレフィン系樹脂とスチレン系エラストマーの合計量100質量部に対し、オレフィン系樹脂が40質量部〜60質量部、スチレン系エラストマーが40質量部〜60質量部配合されている請求項1に記載のシューズのアウターソール。
  3. 前記オレフィン系樹脂が、エチレン系重合体とプロピレン系重合体の混合物を含む請求項1または2に記載のシューズのアウターソール。
  4. 前記エチレン系重合体とプロピレン系重合体の配合比(質量比)が、1:5〜4:1である請求項3に記載のシューズのアウターソール。
  5. 前記スチレン系エラストマーが、α−メチルスチレン・ブタジエン共重合体を含む請求項1〜4のいずれかに記載のシューズのアウターソール。
  6. 凸状のスタッド部が表面に形成されている請求項1〜5のいずれかに記載のシューズのアウターソール。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のアウターソールを備えるシューズ。
JP2009516083A 2007-05-25 2007-05-25 アウターソール、及びシューズ Active JP4964952B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2007/060696 WO2008146342A1 (ja) 2007-05-25 2007-05-25 アウターソール、及びシューズ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2008146342A1 JPWO2008146342A1 (ja) 2010-08-12
JP4964952B2 true JP4964952B2 (ja) 2012-07-04

Family

ID=40074630

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009516083A Active JP4964952B2 (ja) 2007-05-25 2007-05-25 アウターソール、及びシューズ

Country Status (6)

Country Link
US (1) US20100154253A1 (ja)
EP (1) EP2143353B1 (ja)
JP (1) JP4964952B2 (ja)
CN (1) CN101677650B (ja)
AU (1) AU2007354185B2 (ja)
WO (1) WO2008146342A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018033962A1 (ja) * 2016-08-16 2018-02-22 株式会社アシックス アウトソール、及び、靴

Families Citing this family (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10548367B2 (en) 2013-01-29 2020-02-04 Exxonmobil Chemical Patents Inc. Footwear sole comprising a propylene-based elastomer, footwear comprising said sole, and methods of making them
US9681702B2 (en) 2014-08-22 2017-06-20 Nike, Inc. Footwear with elongated cleats
US10070686B2 (en) 2014-08-27 2018-09-11 Nike, Inc. Soil-shedding article of footwear, components thereof, and methods of making the article
CN107148226B (zh) 2014-08-27 2020-05-22 耐克创新有限合伙公司 具有吸水性能的鞋类物品、服装物品和运动装备物品
US10076156B2 (en) 2014-08-27 2018-09-18 Nike, Inc. Article of footwear with soil-shedding performance
GB2532837B (en) 2014-08-27 2017-10-25 Nike Innovate Cv Article of footwear with soil-shedding performance
US10314364B2 (en) 2014-08-27 2019-06-11 Nike, Inc. Soil-shedding article of footwear, and method of using the same
WO2016033272A1 (en) * 2014-08-27 2016-03-03 Nike Innovate C.V. Soil-shedding article of footwear, components thereof, and methods of making the article
WO2016031046A1 (ja) * 2014-08-29 2016-03-03 株式会社アシックス 靴形成用部材及び靴
US10856604B2 (en) * 2015-09-18 2020-12-08 Asics Corporation Shoe sole member and shoe
JP6572323B2 (ja) * 2015-12-02 2019-09-04 積水化成品工業株式会社 靴底用部材及び靴
US10531705B2 (en) 2016-03-02 2020-01-14 Nike, Inc. Hydrogel tie layer
US10362834B2 (en) 2016-03-02 2019-07-30 Nike, Inc. Hydrogel connection
US10455893B2 (en) 2016-03-02 2019-10-29 Nike, Inc. Hydrogel with mesh for soil deflection
US10675609B2 (en) 2016-03-02 2020-06-09 Nike, Inc. Articles with soil-shedding performance
CN110520007B (zh) * 2017-04-19 2021-07-16 株式会社爱世克私 外底和鞋
TWI700175B (zh) 2017-08-01 2020-08-01 荷蘭商耐基創新公司 製造用於鞋類物品之外底的組件之方法
EP4155062A1 (en) 2017-10-19 2023-03-29 NIKE Innovate C.V. Method of forming an outsole
JP6748790B2 (ja) 2017-12-01 2020-09-02 株式会社アシックス アウトソール、及び、靴
WO2020003433A1 (ja) * 2018-06-28 2020-01-02 株式会社アシックス

Family Cites Families (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4904725A (en) * 1984-11-30 1990-02-27 Shell Oil Company Block copolymeric rubber compositions for soles
US4747220A (en) * 1987-01-20 1988-05-31 Autry Industries, Inc. Cleated sole for activewear shoe
JP3034614B2 (ja) * 1991-01-10 2000-04-17 三井・デュポンポリケミカル株式会社 靴カウンター材料
US5681649A (en) * 1994-07-29 1997-10-28 Bridgestone Corporation Footwear member
JPH11253201A (ja) * 1998-03-13 1999-09-21 Aron Kasei Co Ltd 履物用エラストマー組成物
JP3935600B2 (ja) 1998-03-25 2007-06-27 株式会社アシックス アウターソール
JP2000290331A (ja) * 1999-04-02 2000-10-17 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd イソブチレン系ブロック共重合体からなる靴底
JP2002241540A (ja) * 2001-02-15 2002-08-28 Jsr Corp 油展1,2−ポリブタジエンおよびその製造方法
KR20030078917A (ko) * 2001-02-15 2003-10-08 제이에스알 가부시끼가이샤 유전 1,2-폴리부타디엔 및 그의 제법, 및 그의 조성물 및성형품
JP2003041060A (ja) * 2001-07-27 2003-02-13 Jsr Corp 靴底用熱可塑性重合体組成物および靴底材
JP4307002B2 (ja) * 2002-02-20 2009-08-05 キヤノン株式会社 プリントシステム、撮像装置及びプリント出力方法
WO2004039858A1 (ja) * 2002-10-31 2004-05-13 Kao Corporation 発泡体
KR100726276B1 (ko) * 2003-06-27 2007-06-08 미쓰이 가가쿠 가부시키가이샤 발포체용 수지 조성물 및 그 용도
JP4641711B2 (ja) * 2003-08-13 2011-03-02 花王株式会社 衝撃緩衝性発泡体
KR101229688B1 (ko) * 2005-05-10 2013-02-05 갸부시끼가이샤아식스 구두창용 부재
JP4962927B2 (ja) 2005-07-26 2012-06-27 Sriスポーツ株式会社 アウトソール及びこのアウトソールを備える靴

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018033962A1 (ja) * 2016-08-16 2018-02-22 株式会社アシックス アウトソール、及び、靴
JP6298936B1 (ja) * 2016-08-16 2018-03-20 株式会社アシックス アウトソール、及び、靴
US10897959B2 (en) 2016-08-16 2021-01-26 Asics Corporation Outsole and shoe

Also Published As

Publication number Publication date
CN101677650A (zh) 2010-03-24
CN101677650B (zh) 2011-08-17
AU2007354185A1 (en) 2008-12-04
EP2143353A4 (en) 2014-07-16
US20100154253A1 (en) 2010-06-24
WO2008146342A1 (ja) 2008-12-04
AU2007354185B2 (en) 2011-03-31
JPWO2008146342A1 (ja) 2010-08-12
EP2143353A1 (en) 2010-01-13
EP2143353B1 (en) 2015-09-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4964952B2 (ja) アウターソール、及びシューズ
US11802189B2 (en) Foam ionomer compositions and uses thereof
JP6022296B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物および該組成物からなる成形体
TWI445752B (zh) 熱塑性彈性體組成物
WO2002014423A1 (fr) Composition polymere
US11986044B2 (en) High energy return foam compositions having improved abrasion resistance and uses thereof
CN106795374A (zh) 组合物及层叠体
CA2959479C (en) Thermoplastic elastomer composition and molded article
CN100551963C (zh) 具有提高了耐磨性的聚烯烃组合物
JP6464174B2 (ja) 靴形成用部材及び靴
JP2019026826A (ja) 樹脂組成物及び成形体
US11261320B2 (en) Injection molded article and shoe
TW202138458A (zh) 樹脂組成物及成形體
JP6474535B2 (ja) 履物用緩衝組成物及び履物用緩衝部材
WO2022163170A1 (ja) 射出成形品および靴
ES2267455T3 (es) Mezclas de poliolefina que contienen caucho vulcanizado molido.
KR100291497B1 (ko) 신발뒷축용수지조성물
JPH10279738A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物、熱可塑性エラストマー組成物パウダー及びそれよりなる表皮材
TW593499B (en) Elastomeric composition and its process for preparation and use
JP2022093294A (ja) 樹脂組成物、マウスガード用シート、及びマウスガード
JP2020075953A (ja) ダイラタンシー性組成物
JPH04218543A (ja) 不均質構造ゴム組成物
JP2002226669A (ja) スチレン系エラストマー樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120316

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120328

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4964952

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150406

Year of fee payment: 3