JP2000290331A - イソブチレン系ブロック共重合体からなる靴底 - Google Patents
イソブチレン系ブロック共重合体からなる靴底Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】グリップ性と衝撃吸収性を向上させた靴底を提
供する。 【解決手段】 イソブチレン単位を主体とするユニット
および、芳香族ビニル化合物単位を主体とするユニット
からなるイソブチレン系ブロック共重合体を含有するこ
とを特徴とする靴底。
供する。 【解決手段】 イソブチレン単位を主体とするユニット
および、芳香族ビニル化合物単位を主体とするユニット
からなるイソブチレン系ブロック共重合体を含有するこ
とを特徴とする靴底。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明はスポーツシューズや
ウォーキングシューズなどの靴底の改良に関するもので
ある。
ウォーキングシューズなどの靴底の改良に関するもので
ある。
【０００２】
【従来の技術】一般的に靴底は、ミッドソール，アウト
ソール等から構成され、これら各ソールに軽量性，反発
性，衝撃緩衝性，グリップ性，耐摩耗性等のシューズの
要求特性を付与している。複数の素材を複合化してソー
ルを構成し、反発性や衝撃緩衝性、グリップ性や耐摩耗
性等の二律背反傾向にある特性のバランスを保ってい
る。
ソール等から構成され、これら各ソールに軽量性，反発
性，衝撃緩衝性，グリップ性，耐摩耗性等のシューズの
要求特性を付与している。複数の素材を複合化してソー
ルを構成し、反発性や衝撃緩衝性、グリップ性や耐摩耗
性等の二律背反傾向にある特性のバランスを保ってい
る。
【０００３】上記特性の衝撃緩衝性やグリップ性はシュ
ーズの靴底にとって重要な特性である。衝撃緩衝性は、
ジャンプの踏み切りや急激な停止などの際に、足への負
荷を小さくする観点から重要な要素である。
ーズの靴底にとって重要な特性である。衝撃緩衝性は、
ジャンプの踏み切りや急激な停止などの際に、足への負
荷を小さくする観点から重要な要素である。
【０００４】従来は、スポンジやゲルをソールやその一
部に導入し、衝撃緩衝性を向上させている。一方、グリ
ップ性は、推進力が得られ、転倒を防止する観点から重
要な要素である。従来は、低硬度のエラストマーを他の
素材に添加しグリップ性を向上させている。しかし、衝
撃緩衝性やグリップ性の向上要求は更に高まっており、
性能向上のための新たな素材が求められている。また、
近年の環境への負荷を低減するため、シューズのソール
素材においてもリサイクル可能な熱可塑性エラストマー
が求められている。
部に導入し、衝撃緩衝性を向上させている。一方、グリ
ップ性は、推進力が得られ、転倒を防止する観点から重
要な要素である。従来は、低硬度のエラストマーを他の
素材に添加しグリップ性を向上させている。しかし、衝
撃緩衝性やグリップ性の向上要求は更に高まっており、
性能向上のための新たな素材が求められている。また、
近年の環境への負荷を低減するため、シューズのソール
素材においてもリサイクル可能な熱可塑性エラストマー
が求められている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、衝撃緩衝性やグリップ性に優れた新たな熱可塑
性エラストマー素材を主成分とする組成物からなる靴底
を提供することである。
目的は、衝撃緩衝性やグリップ性に優れた新たな熱可塑
性エラストマー素材を主成分とする組成物からなる靴底
を提供することである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、イソブチレ
ン系重合体ブロック及び芳香族ビニル系重合体ブロック
から構成されるイソブチレン系ブロック共重合体（ａ）
を主成分とし、又はイソブチレン系ブロック共重合体
（ａ）とゴム系材料（ｂ）を主成分とする組成物からな
る靴底は衝撃緩衝性やグリップ性に優れていることを見
出し、本発明を完成した。すなわち本発明は、イソブチ
レン系重合体ブロック及び芳香族ビニル系重合体ブロッ
クから構成されるイソブチレン系ブロック共重合体
（ａ）を含有することを特徴とする靴底であり、更にゴ
ム系材料（ｂ）を配合する組成物からなることもでき
る。
に、本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、イソブチレ
ン系重合体ブロック及び芳香族ビニル系重合体ブロック
から構成されるイソブチレン系ブロック共重合体（ａ）
を主成分とし、又はイソブチレン系ブロック共重合体
（ａ）とゴム系材料（ｂ）を主成分とする組成物からな
る靴底は衝撃緩衝性やグリップ性に優れていることを見
出し、本発明を完成した。すなわち本発明は、イソブチ
レン系重合体ブロック及び芳香族ビニル系重合体ブロッ
クから構成されるイソブチレン系ブロック共重合体
（ａ）を含有することを特徴とする靴底であり、更にゴ
ム系材料（ｂ）を配合する組成物からなることもでき
る。
【０００７】前記イソブチレン系ブロック共重合体
（ａ）の芳香族ビニル化合物単位は、スチレン、ｐ−メ
チルスチレン、α−メチルスチレン及びインデンからな
る群から選択される少なくとも１種以上であるのが好ま
しい。またゴム系材料（ｂ）は天然ゴム、スチレン−ブ
タジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、スチレン−
ブタジエンブロック共重合体，スチレン−イソプレンブ
ロック共重合体、スチレン−エチレンブチレンブロック
共重合体，スチレン−エチレンプロピレンブロック共重
合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる群から選
択される少なくとも１種であるのが好ましい。さらに本
発明は、イソブチレン系ブロック共重合体（ａ）とゴム
系材料（ｂ）と熱可塑性樹脂（ｃ）を含む樹脂組成物か
らなることもできる。
（ａ）の芳香族ビニル化合物単位は、スチレン、ｐ−メ
チルスチレン、α−メチルスチレン及びインデンからな
る群から選択される少なくとも１種以上であるのが好ま
しい。またゴム系材料（ｂ）は天然ゴム、スチレン−ブ
タジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、スチレン−
ブタジエンブロック共重合体，スチレン−イソプレンブ
ロック共重合体、スチレン−エチレンブチレンブロック
共重合体，スチレン−エチレンプロピレンブロック共重
合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる群から選
択される少なくとも１種であるのが好ましい。さらに本
発明は、イソブチレン系ブロック共重合体（ａ）とゴム
系材料（ｂ）と熱可塑性樹脂（ｃ）を含む樹脂組成物か
らなることもできる。
【０００８】前記熱可塑性樹脂（ｃ）はポリオレフィン
系樹脂、ポリスチレン系樹脂からなる群から選択される
少なくとも１種であるのが好ましい。
系樹脂、ポリスチレン系樹脂からなる群から選択される
少なくとも１種であるのが好ましい。
【０００９】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の靴底は、イソブチレン単位を主体とする
ユニットおよび、芳香族ビニル化合物単位を主体とする
ユニットからなるイソブチレン系ブロック共重合体を含
有してなるものである。
する。本発明の靴底は、イソブチレン単位を主体とする
ユニットおよび、芳香族ビニル化合物単位を主体とする
ユニットからなるイソブチレン系ブロック共重合体を含
有してなるものである。
【００１０】上記芳香族ビニル化合物としては、スチレ
ン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、ｐ−メ
チルスチレン、ｔ−ブチルスチレン、モノクロロスチレ
ン、ジクロロスチレン、メトキシスチレン、インデン等
が挙げられる。上記化合物の中でもコストと物性及び生
産性のバランスからスチレン、α−メチルスチレン、ｐ
−メチルスチレン、インデンが好ましく、その中から２
種以上選んでもよい。
ン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、ｐ−メ
チルスチレン、ｔ−ブチルスチレン、モノクロロスチレ
ン、ジクロロスチレン、メトキシスチレン、インデン等
が挙げられる。上記化合物の中でもコストと物性及び生
産性のバランスからスチレン、α−メチルスチレン、ｐ
−メチルスチレン、インデンが好ましく、その中から２
種以上選んでもよい。
【００１１】本発明で使用されるブロック共重合体は、
イソブチレンを主体とするユニットと芳香族ビニル化合
物を主体とするユニットを有しているものであれば、い
ずれの構造を有するものも使用可能であるが、物性のバ
ランスと合成の簡便さから、（芳香族ビニル化合物を主
体とするユニット−イソブチレンを主体とするユニット
−芳香族ビニル化合物を主体とするユニット）の構造を
有するトリブロック体、（イソブチレンを主体とするユ
ニット−芳香族ビニル化合物を主体とするユニット）の
構造を有するジブロック体、またはこれらの混合物を用
いることができる。ブロック共重合体のイソブチレンを
主体とするユニットと芳香族ビニル化合物芳香族ビニル
化合物を主体とするユニットの割合に特に制限はない
が、物性のバランスから、イソブチレンを主体とする単
量体９５〜２０重量部と芳香族ビニル化合物芳香族ビニ
ル化合物を主体とする単量体５〜８０重量部が好まし
く、さらにイソブチレンを主体とする単量体９０〜６０
重量部と芳香族ビニル化合物芳香族ビニル化合物を主体
とする単量体１０〜４０重量部が好ましい。
イソブチレンを主体とするユニットと芳香族ビニル化合
物を主体とするユニットを有しているものであれば、い
ずれの構造を有するものも使用可能であるが、物性のバ
ランスと合成の簡便さから、（芳香族ビニル化合物を主
体とするユニット−イソブチレンを主体とするユニット
−芳香族ビニル化合物を主体とするユニット）の構造を
有するトリブロック体、（イソブチレンを主体とするユ
ニット−芳香族ビニル化合物を主体とするユニット）の
構造を有するジブロック体、またはこれらの混合物を用
いることができる。ブロック共重合体のイソブチレンを
主体とするユニットと芳香族ビニル化合物芳香族ビニル
化合物を主体とするユニットの割合に特に制限はない
が、物性のバランスから、イソブチレンを主体とする単
量体９５〜２０重量部と芳香族ビニル化合物芳香族ビニ
ル化合物を主体とする単量体５〜８０重量部が好まし
く、さらにイソブチレンを主体とする単量体９０〜６０
重量部と芳香族ビニル化合物芳香族ビニル化合物を主体
とする単量体１０〜４０重量部が好ましい。
【００１２】ブロック共重合体の数平均分子量にも特に
制限はないが、ブロック共重合体の数平均分子量は３０
０００〜５０００００が好ましく、５００００〜４００
０００が特に好まい。数平均分子量が３００００未満の
場合、機械的な特性等が十分に発現されず、また、５０
００００を超える場合、成形性等の低下が大きい。ま
た、本発明で使用されるゴム材料は、天然ゴム、合成ゴ
ム等の一般的なゴム材料から少なくとも１種類選択され
れば良い。合成ゴムの具体例としてはイソプレンゴム、
スチレン−ブタジエンゴム、ブチルゴム、ブタジエンゴ
ム、エチレン−プロピレンゴム、ニトリルゴム，クロロ
プレンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、アクリル
ゴム、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレ
ン−イソプレンブロック共重合体、スチレン−エチレン
ブチレンブロック共重合体、スチレン−エチレンプロピ
レンブロック共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体
等が挙げられる。反発性、耐摩耗性、リサイクル性、コ
ストの観点から天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、
エチレン−プロピレンゴム、スチレン−ブタジエンブロ
ック共重合体，スチレン−イソプレンブロック共重合
体、スチレン−エチレンブチレンブロック共重合体，ス
チレン−エチレンプロピレンブロック共重合体、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体からなる群が好ましい。また、
本発明の靴底に、必要に応じて熱可塑性樹脂，熱硬化性
樹脂が含まれても良い。熱可塑性樹脂としては、ポリ塩
化ビニル、ポリエチレン，ポリプロピレン，ポリスチレ
ン，、ナイロン、ポリウレタン等が挙げられる。熱硬化
性樹脂としては、ポリフェノール、ポリエポキシ、ポリ
ウレタン等が挙げられる。加工性の観点から熱可塑性樹
脂が好ましい。熱可塑性樹脂の中でも、可塑剤の相溶性
が良いポリオレフィン系樹脂や添加により硬度調節が可
能なスチレン系樹脂が特に好ましい。
制限はないが、ブロック共重合体の数平均分子量は３０
０００〜５０００００が好ましく、５００００〜４００
０００が特に好まい。数平均分子量が３００００未満の
場合、機械的な特性等が十分に発現されず、また、５０
００００を超える場合、成形性等の低下が大きい。ま
た、本発明で使用されるゴム材料は、天然ゴム、合成ゴ
ム等の一般的なゴム材料から少なくとも１種類選択され
れば良い。合成ゴムの具体例としてはイソプレンゴム、
スチレン−ブタジエンゴム、ブチルゴム、ブタジエンゴ
ム、エチレン−プロピレンゴム、ニトリルゴム，クロロ
プレンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、アクリル
ゴム、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレ
ン−イソプレンブロック共重合体、スチレン−エチレン
ブチレンブロック共重合体、スチレン−エチレンプロピ
レンブロック共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体
等が挙げられる。反発性、耐摩耗性、リサイクル性、コ
ストの観点から天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、
エチレン−プロピレンゴム、スチレン−ブタジエンブロ
ック共重合体，スチレン−イソプレンブロック共重合
体、スチレン−エチレンブチレンブロック共重合体，ス
チレン−エチレンプロピレンブロック共重合体、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体からなる群が好ましい。また、
本発明の靴底に、必要に応じて熱可塑性樹脂，熱硬化性
樹脂が含まれても良い。熱可塑性樹脂としては、ポリ塩
化ビニル、ポリエチレン，ポリプロピレン，ポリスチレ
ン，、ナイロン、ポリウレタン等が挙げられる。熱硬化
性樹脂としては、ポリフェノール、ポリエポキシ、ポリ
ウレタン等が挙げられる。加工性の観点から熱可塑性樹
脂が好ましい。熱可塑性樹脂の中でも、可塑剤の相溶性
が良いポリオレフィン系樹脂や添加により硬度調節が可
能なスチレン系樹脂が特に好ましい。
【００１３】本発明の靴底においては、イソブチレン系
ブロック共重合体が５重量％以上含まれることが好まし
く、１０重量％以上含まれることが更に好ましい。５重
量％未満の場合は、衝撃緩衝性やグリップ性の効果が低
下する。また、本発明の靴底は、ミッドソール、アウト
ソールのどちらにも用いることができ、ソール全体であ
っても、踏みつけ部、踵部といったソールの一部であっ
ても良い。また、非発泡体や発砲体であっても良い。
ブロック共重合体が５重量％以上含まれることが好まし
く、１０重量％以上含まれることが更に好ましい。５重
量％未満の場合は、衝撃緩衝性やグリップ性の効果が低
下する。また、本発明の靴底は、ミッドソール、アウト
ソールのどちらにも用いることができ、ソール全体であ
っても、踏みつけ部、踵部といったソールの一部であっ
ても良い。また、非発泡体や発砲体であっても良い。
【００１４】本発明の靴底には、性能を損なわない範囲
で、必要に応じた添加剤を加えることができる。上記添
加剤としては、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の安定剤、
滑剤、可塑剤、染料、顔料、難燃剤、充填材、補強材、
粘着付与剤、あるいはその他の助剤が挙げられる。
で、必要に応じた添加剤を加えることができる。上記添
加剤としては、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の安定剤、
滑剤、可塑剤、染料、顔料、難燃剤、充填材、補強材、
粘着付与剤、あるいはその他の助剤が挙げられる。
【００１５】
【実施例】以下、本発明の効果を明瞭にするために、実
施例および比較例を示す。比較例として、従来靴底に用
いられている天然ゴム，スチレンブタジエンゴム，スチ
レン−ブタジエンブロック共重合体を用いた。比較例お
よび本発明のイソブチレンブロック共重合体とスチレン
−ブタジエンゴムとの組成物の試験片を用意し、衝撃緩
衝性およびグリップ性を比較した。
施例および比較例を示す。比較例として、従来靴底に用
いられている天然ゴム，スチレンブタジエンゴム，スチ
レン−ブタジエンブロック共重合体を用いた。比較例お
よび本発明のイソブチレンブロック共重合体とスチレン
−ブタジエンゴムとの組成物の試験片を用意し、衝撃緩
衝性およびグリップ性を比較した。
【００１６】（グリップ性）摩擦試験器を用いて摩擦抵
抗を求め、各試験片のグリップ性を評価した。
抗を求め、各試験片のグリップ性を評価した。
【００１７】（衝撃緩衝性）各試験片の動的粘弾性を測
定し、２０℃でのtanδ（損失係数）を測定した。 tan
δ（損失係数）が大きいほど振動を吸収することがわか
っており、衝撃吸収性の目安に用いた。更に、試験片に
鉄球（１ｇ）を１０ｃｍの高さから自由落下させて試験
片に衝突させ、その際の鉄球の跳ね返りから衝撃吸収性
を比較した。
定し、２０℃でのtanδ（損失係数）を測定した。 tan
δ（損失係数）が大きいほど振動を吸収することがわか
っており、衝撃吸収性の目安に用いた。更に、試験片に
鉄球（１ｇ）を１０ｃｍの高さから自由落下させて試験
片に衝突させ、その際の鉄球の跳ね返りから衝撃吸収性
を比較した。
【００１８】
【表１】 （スチレン−イソブチレンブロック共重合体の合成）５
００ｍＬのセパラブルフラスコの重合容器内を窒素置換
した後、注射器を用いて、ｎ−ヘキサン（モレキュラー
シーブスで乾燥したもの）１２０ｍＬ及び塩化メチレン
（モレキュラーシーブスで乾燥したもの）８０ｍＬ、ｐ
−ジクミルクロライド）０．０８７６ｇ（０．３８ｍｍ
ｏｌ）を加えた。重合容器を−７０℃のドライアイス／
メタノールバス中につけて冷却した後、２−メチルピリ
ジン０．０３６ｇ（０．３９ｍｍｏｌ）を加えた。次に
イソブチレンモノマー３３．９ｍＬ（４１９．９ｍｍｏ
ｌ）が入っている三方コック付耐圧ガラス製液化採取管
にテフロン製の送液チューブを接続し、重合容器内にイ
ソブチレンモノマーを窒素圧により送液した。さらに四
塩化チタン１．５０ｍＬ（１３．７ｍｍｏｌ）を加えて
重合を開始した。重合開始から１時間同じ温度で撹拌を
行った後、重合溶液からサンプリング用として重合溶液
約１ｍＬを抜き取った。続いて、あらかじめ−７０℃に
冷却しておいたスチレンモノマー１２．１５ｇ（１１
６．７ｍｍｏｌ）、ｎ−ヘキサン１２ｍＬおよび塩化メ
チレン８ｍＬの混合溶液を重合容器内に添加した。該混
合溶液を添加してから１０分後に、約１０ｍＬのメタノ
ールを加えて反応を終了させた。
００ｍＬのセパラブルフラスコの重合容器内を窒素置換
した後、注射器を用いて、ｎ−ヘキサン（モレキュラー
シーブスで乾燥したもの）１２０ｍＬ及び塩化メチレン
（モレキュラーシーブスで乾燥したもの）８０ｍＬ、ｐ
−ジクミルクロライド）０．０８７６ｇ（０．３８ｍｍ
ｏｌ）を加えた。重合容器を−７０℃のドライアイス／
メタノールバス中につけて冷却した後、２−メチルピリ
ジン０．０３６ｇ（０．３９ｍｍｏｌ）を加えた。次に
イソブチレンモノマー３３．９ｍＬ（４１９．９ｍｍｏ
ｌ）が入っている三方コック付耐圧ガラス製液化採取管
にテフロン製の送液チューブを接続し、重合容器内にイ
ソブチレンモノマーを窒素圧により送液した。さらに四
塩化チタン１．５０ｍＬ（１３．７ｍｍｏｌ）を加えて
重合を開始した。重合開始から１時間同じ温度で撹拌を
行った後、重合溶液からサンプリング用として重合溶液
約１ｍＬを抜き取った。続いて、あらかじめ−７０℃に
冷却しておいたスチレンモノマー１２．１５ｇ（１１
６．７ｍｍｏｌ）、ｎ−ヘキサン１２ｍＬおよび塩化メ
チレン８ｍＬの混合溶液を重合容器内に添加した。該混
合溶液を添加してから１０分後に、約１０ｍＬのメタノ
ールを加えて反応を終了させた。
【００１９】反応溶液から溶剤等を留去した後、トルエ
ンに溶解し２回水洗を行った。さらにトルエン溶液を多
量のメタノールに加えて重合体を沈殿させ、得られた重
合体を６０℃で２４時間真空乾燥することにより目的の
ブロック共重合体を得た。ゲルパーミエーションクロマ
トグラフィー（ＧＰＣ）法により得られた重合体の分子
量を測定した。スチレン添加前のイソブチレン重合体の
Ｍｎが７０，０００、Ｍｗ／Ｍｎは１．１６であり、ス
チレン重合後のブロック共重合体のＭｎが１０１，００
０、Ｍｗ／Ｍｎが１．４０であるブロック共重合体が得
られた。得られたイソブチレン系ブロック共重合体８０
重量部にスチレン−ブタジエンゴム（ＳＢＲ）２０部を
１５０℃で混練した後、１５０℃でプレス成形した。
（硬度５０） （天然ゴム）天然ゴム（ＮＲ）１００部にカーボンブラ
ック５０部、加硫剤５部を８０℃で混練した後、１５０
℃でプレス成形して加硫ゴムを得た。（硬度６０） （スチレン−ブタジエンゴム）スチレン−ブタジエンゴ
ム（ＳＢＲ）１００部にカーボンブラック５０部、加硫
剤５部を８０℃で混練した後、１５０℃でプレス成形し
て加硫ゴムを得た。（硬度６０） （スチレン−ブタジエンブロック共重合体）市販のスチ
レン−ブタジエンブロック共重合体（ＳＢＳ）（Kraton
Ｄ１１０２（商標））を１５０℃でプレス成形した。
（硬度６５）
ンに溶解し２回水洗を行った。さらにトルエン溶液を多
量のメタノールに加えて重合体を沈殿させ、得られた重
合体を６０℃で２４時間真空乾燥することにより目的の
ブロック共重合体を得た。ゲルパーミエーションクロマ
トグラフィー（ＧＰＣ）法により得られた重合体の分子
量を測定した。スチレン添加前のイソブチレン重合体の
Ｍｎが７０，０００、Ｍｗ／Ｍｎは１．１６であり、ス
チレン重合後のブロック共重合体のＭｎが１０１，００
０、Ｍｗ／Ｍｎが１．４０であるブロック共重合体が得
られた。得られたイソブチレン系ブロック共重合体８０
重量部にスチレン−ブタジエンゴム（ＳＢＲ）２０部を
１５０℃で混練した後、１５０℃でプレス成形した。
（硬度５０） （天然ゴム）天然ゴム（ＮＲ）１００部にカーボンブラ
ック５０部、加硫剤５部を８０℃で混練した後、１５０
℃でプレス成形して加硫ゴムを得た。（硬度６０） （スチレン−ブタジエンゴム）スチレン−ブタジエンゴ
ム（ＳＢＲ）１００部にカーボンブラック５０部、加硫
剤５部を８０℃で混練した後、１５０℃でプレス成形し
て加硫ゴムを得た。（硬度６０） （スチレン−ブタジエンブロック共重合体）市販のスチ
レン−ブタジエンブロック共重合体（ＳＢＳ）（Kraton
Ｄ１１０２（商標））を１５０℃でプレス成形した。
（硬度６５）
【００２０】
【表２】
【００２１】
【表３】 この結果から、本発明のイソブチレン系ブロック共重合
体とゴム材料からなる靴底用組成物は、通常靴底に用い
られているエラストマーより摩擦係数が大きく（グリッ
プ性が高く）、衝撃吸収性が高いことが確認できた。
体とゴム材料からなる靴底用組成物は、通常靴底に用い
られているエラストマーより摩擦係数が大きく（グリッ
プ性が高く）、衝撃吸収性が高いことが確認できた。
【００２２】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のイソブチ
レン系ブロック共重合体とゴム材料からなる靴底は、高
いグリップ性を有し、かつ高い衝撃緩衝性を有してい
る。本発明の靴底をアウトソールに用いる場合は高いグ
リップ性と高い衝撃緩衝性が期待でき、ミットソールに
用いる場合は高い衝撃緩衝性が期待できる。さらに、本
発明のイソブチレン系ブロック共重合体は熱可塑性エラ
ストマーであるため、加硫の必要がなくリサイクル可能
な靴底の素材として優れている。
レン系ブロック共重合体とゴム材料からなる靴底は、高
いグリップ性を有し、かつ高い衝撃緩衝性を有してい
る。本発明の靴底をアウトソールに用いる場合は高いグ
リップ性と高い衝撃緩衝性が期待でき、ミットソールに
用いる場合は高い衝撃緩衝性が期待できる。さらに、本
発明のイソブチレン系ブロック共重合体は熱可塑性エラ
ストマーであるため、加硫の必要がなくリサイクル可能
な靴底の素材として優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Ｆターム(参考） 4F050 AA01 AA06 BA02 BA03 BA40 BA43 HA53 HA57 HA82 HA84 JA01 4J002 AC01X AC03X AC06X AC07X AC08X BB03Y BB06X BB12Y BB15X BC03Y BD03Y BP01X BP02W CD00Y CK02Y CL00Y GC00 4J026 HA14 HA28 HB06 HB28 HE01 HE02
Claims (15)
- 【請求項１】イソブチレン系重合体ブロック及び芳香族
ビニル系重合体ブロックから構成されるイソブチレン系
ブロック共重合体（ａ）を含有することを特徴とする靴
底。 - 【請求項２】イソブチレン系ブロック共重合体（ａ）と
ゴム系材料（ｂ）を主成分とする組成物からなる請求項
１記載の靴底。 - 【請求項３】イソブチレン系ブロック共重合体（ａ）の
芳香族ビニル化合物単位が、スチレン、ｐ−メチルスチ
レン、α−メチルスチレン及びインデンからなる群から
選択される少なくとも１種以上である請求項１又は２に
記載の靴底。 - 【請求項４】イソブチレン系ブロック共重合体（ａ）が
（芳香族ビニル化合物−イソブチレン−芳香族ビニル化
合物）の構造を有するトリブロック体、（芳香族ビニル
化合物−イソブチレン）の構造を有するジブロック共重
合体、またはこれらの混合物である請求項１、２又は３
に記載の靴底。 - 【請求項５】イソブチレン系ブロック共重合体（ａ）
が、芳香族ビニル化合物を主体とする単量体５〜８０重
量部と、イソブチレンを主体とする単量体９５〜２０重
量部からなるブロック共重合体である請求項１、２又は
３に記載の靴底。 - 【請求項６】イソブチレン系ブロック共重合体（ａ）
が、芳香族ビニル化合物を主体とする単量体１０〜４０
重量部と、イソブチレンを主体とする単量体９０〜６０
重量部からなるブロック共重合体である請求項１、２又
は３に記載の靴底。 - 【請求項７】イソブチレン系ブロック共重合体（ａ）の
数平均分子量が３００００から５０００００である請求
項１、２又は３に記載の靴底。 - 【請求項８】イソブチレン系ブロック共重合体（ａ）の
数平均分子量が５００００から４０００００である請求
項１、２又は３に記載の靴底。 - 【請求項９】ゴム系材料（ｂ）が天然ゴム、スチレン−
ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、スチレン
−ブタジエンブロック共重合体，スチレン−イソプレン
ブロック共重合体、スチレン−エチレンブチレンブロッ
ク共重合体，スチレン−エチレンプロピレンブロック共
重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる群から
選択される少なくとも１種である請求項２に記載の靴
底。 - 【請求項１０】イソブチレン系ブロック共重合体（ａ）
とゴム系材料（ｂ）と熱可塑性樹脂（ｃ）を含む樹脂組
成物からなる請求項１記載の靴底。 - 【請求項１１】熱可塑性樹脂（ｃ）がポリオレフィン系
樹脂、ポリスチレン系樹脂からなる群から選択される少
なくとも１種である請求項１０記載の靴底。 - 【請求項１２】樹脂組成物におけるイソブチレン系ブロ
ック共重合体（ａ）の含量が５重量％以上である請求項
１０又は１１に記載の靴底。 - 【請求項１３】樹脂組成物におけるイソブチレン系ブロ
ック共重合体（ａ）の含量が１０重量％以上である請求
項１０又は１１に記載の靴底。 - 【請求項１４】樹脂組成物がアウトソールである請求項
１０又は１１に記載の靴底。 - 【請求項１５】樹脂組成物がミッドソールである請求項
１０又は１１に記載の靴底。
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