JPH09206102A - シューズ - Google Patents

シューズ

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JPH09206102A
JPH09206102A JP1988096A JP1988096A JPH09206102A JP H09206102 A JPH09206102 A JP H09206102A JP 1988096 A JP1988096 A JP 1988096A JP 1988096 A JP1988096 A JP 1988096A JP H09206102 A JPH09206102 A JP H09206102A
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JP
Japan
Prior art keywords
shoe
weight
molecular weight
thermoplastic material
polymer
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Pending
Application number
JP1988096A
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English (en)
Inventor
Takahiro Matsuse
貴裕 松瀬
Shigehiko Mashita
成彦 眞下
Shinichi Toyosawa
真一 豊澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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Publication date
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  • Footwear And Its Accessory, Manufacturing Method And Apparatuses (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 衝撃吸収性が著しく良好で、高い生産
性にて安価に製造可能な熱可塑性材料を用いた、履き心
地に優れ、長時間歩行しても疲労が少なく、さらに効果
の持続性に優れたシューズを提供する。 【解決手段】 高分子有機材料と軟化剤とを含み、J
IS A硬度が0°〜25°であり、100℃における
圧縮永久歪みが50%以下であり、230℃におけるM
FRが10g/10分以上である熱可塑性材料を少なく
とも底部の一部に衝撃吸収材として用いる。高分子有機
材料100重量部に対して軟化剤50〜500重量部を
含み、前記各材料の溶解度パラメーターの差が3.0以
下であり、ポリフェニレンエーテル10〜250重量部
を含有し、高分子有機材料がポリスチレン、ポリブタジ
エンを含む共重合体を水添して得られる重合体であり、
軟化剤はナフテン系、パラフィン系、ポリイソブチレン
系オイルから選択されることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はシューズに係り、特
に、衝撃吸収性に優れた、履き心地が著しく良好なシュ
ーズに関する。
【0002】
【従来の技術】革靴(紳士靴、婦人靴)、スポーツシュ
ーズ、ケミカルシューズ、その他サンダル等のゴム履物
等のシューズの靴底や中敷については、歩行時の衝撃を
吸収して、疲れ難く履き心地の良いものとするために、
その形状や材質について様々なものが提供されている。
【0003】また、特にスポーツシューズについては、
安全性を目的として、靴底、中敷などの足を保持する部
分のみならず、シューズの先端(爪先部)や踵部、足首
部、甲部等にも適宜、衝撃吸収材料が配置されている。
【0004】従来、シューズに用いられる衝撃吸収材と
して、ゴムにコルクなどの軽量な充填材を配合したも
の、或いは、ウレタン系、シリコーン系等の樹脂、ゴ
ム、エラストマー及びこれらの発泡体等が用いられてい
る。
【0005】シューズに用いられる衝撃吸収材として
は、十分な衝撃吸収性を有し、その衝撃吸収性が持続
し、且つ、軽量で、生産性に優れ、安価に提供されるこ
とが要求される。
【0006】しかしながら、従来の材料においては、例
えば、充填材を配合したゴム、ウレタン等は形状保持性
には優れるが、衝撃吸収性には未だ改良の余地があっ
た。さらにこれら公知の樹脂やゴムには、衝撃吸収性を
上げるために柔軟性をアップすると、応力によってへた
りや変形を生じ易くなり、経時的に衝撃吸収性が低下す
るという問題があった。これを解決するためにゲル状の
衝撃吸収部材が提案されているが、物性上、被覆部材に
封入して使用する必要があるため、使用範囲が限られて
いた。
【0007】このため、これらの特性や物性、生産性な
どがより一層改善された衝撃吸収材を用いたシューズの
開発が望まれている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来の実
情に鑑みてなされたものであって、成形可能な材料であ
って、衝撃吸収性が著しく良好で、軽量化が可能であ
り、しかも高い生産性にて安価に製造可能な衝撃吸収材
を用いたシューズを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1のシューズは、
少なくとも底部の一部に衝撃吸収材を配置してなるシュ
ーズにおいて、該衝撃吸収材が、高分子有機材料と軟化
剤とを含む熱可塑性材料であって、硬度がJIS K6
301規格Aスケールで0°〜25°であり、100℃
における圧縮永久歪みがJIS K6301規格で50
%以下であり、且つ、230℃におけるMFRがJIS
K7210規格で10g/10分以上である特性を有
する熱可塑性材料を用いて構成されることを特徴とす
る。
【0010】即ち、本発明者らは、優れた特性を備える
シューズについて鋭意研究を重ねた結果、本発明に係る
熱可塑性材料が衝撃吸収特性や硬さ、成型性等の諸特性
について、シューズの底部や中敷の衝撃吸収材として極
めて良好な特性を有し、これを用いることによって極め
て優れたシューズを得ることができることを知見し、本
発明を完成させた。
【0011】ここで、少なくとも底部の一部とは、シュ
ーズ足裏面をささえる部位を指し、靴底の一部又は全部
及び中敷きを包含する また、前記熱可塑性材料は、高分子有機材料100重量
部と、軟化剤50〜500重量部と、を含み、高分子有
機材料と軟化剤の各々の溶解度パラメーターの差が3.
0以下であることが好ましい。
【0012】前記熱可塑性材料は、ポリフェニレンエー
テルを10〜250重量部含んでなることが好ましい。
【0013】本発明のシューズの衝撃吸収材を構成する
熱可塑性材料に用いられる前記高分子有機材料は、ビニ
ル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックの少なくと
も1つと、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロッ
クの少なくとも1つからなるブロック共重合体を水添し
て得られる水添ブロック共重合体であり、その平均分子
量が150,000〜400,000であることを特徴
とする。
【0014】さらに、前記軟化剤は、ナフテン系オイ
ル、パラフィン系オイル又はポリイソブチレン系オイル
から選択される一種又は二種以上であり、その平均分子
量が450〜5,000であることを特徴とする。
【0015】この前記熱可塑性材料の25℃、5Hzに
おける損失正接(tanδ)が0.05〜1.0であ
り、且つ、25℃における剪断弾性率が0.0005〜
0.1kgf/mm2 であることが好ましい。
【0016】本発明に係る衝撃吸収能を有する熱可塑性
材料は、高分子有機材料と軟化剤とを組み合わせること
により、低硬度の材料が得られ、形状追随性と密着性が
良好で、且つ、高分子有機材料と軟化剤の各々の溶解度
パラメーターの差を3.0以下とすることにより、材料
の相溶性が向上し、低分子成分のブリードを防止するこ
とができるという物性を有するため、優れた衝撃吸収性
とその耐久性を達成し、履き心地良好で、足への負担が
少ないシューズを提供しうる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。
【0018】本発明において、高分子有機材料として
は、数平均分子量が20,000以上、特に、30,0
00以上、とりわけ40,000以上の熱可塑性高分子
有機材料が好ましく、例えば、スチレン系(ブタジエン
スチレン系、イソプレンスチレン系など)、エステル
系、アミド系、ウレタン系などの各種熱可塑性エラスト
マー、並びに、それらの水添、その他による変性物、ス
チレン系、ABS系、オレフィン系(エチレン系、プロ
ピレン系、エチレンプロピレン系、エチレンスチレン
系、プロピレンスチレン系など)、塩化ビニル系、アク
リル酸エステル系(アクリル酸メチル系など)、メタク
リル酸エステル系(メタクリル酸メチル系、など)カー
ボネート系、アセタール系、ナイロン系、ハロゲン化ポ
リエーテル系(塩化ポリエーテル系など)、ハロゲン化
オレフィン系(四フッ化エチレン系、フッ化−塩化エチ
レン系、フッ化エチレンプロピレン系など)、セルロー
ス系(アセチルセルロース系、エチルセルロース系な
ど)、ビニリデン系、ビニルブチラール系、アルキレン
オキサイド系(プロピレンオキサイド系など)などの熱
可塑性樹脂、及びこれらの樹脂のゴム変性物などが挙げ
られる。
【0019】具体的な熱可塑性高分子有機材料として
は、このうちで結晶構造、凝集構造などの硬質ブロック
を形成しやすい部分と、アモルファス構造などの軟質ブ
ロックとを一緒に持ち合わせているものが特に好まし
く、具体的には、下記〜が挙げられる。
【0020】 ポリブタジエンとブタジエン−スチレ
ンランダム共重合体とのブロック共重合体を水添して得
られる結晶性ポリエチレンとエチレン/ブチレン−スチ
レンランダム共重合体とのブロック共重合体。
【0021】 ポリブタジエンとポリスチレンとのブ
ロック共重合体、あるいは、ポリブタジエン又はエチレ
ン−ブタジエンランダム共重合体とポリスチレンとのブ
ロック共重合体を水添して得られる、例えば、結晶性ポ
リエチレンとポリスチレンとのジブロック共重合体、ス
チレン−エチレン/ブチレン−スチレンのトリブロック
共重合体等、なかでも、スチレン−エチレン/ブチレン
−スチレンブロック共重合体。
【0022】 エチレン/ブチレン共重合体の片末端
又は両末端に結晶性ポリエチレンが連結したブロック共
重合体。
【0023】 エチレン−プロピレンゴム。このうち
特にに挙げられた、ビニル芳香族化合物を主体とする
重合体ブロックの少なくとも1つと、共役ジエン化合物
を主体とする重合体ブロックの少なくとも1つからなる
ブロック共重合体を水添して得られる水添ブロック共重
合体であって、その平均分子量が150,000〜40
0,000であるものが好ましい。すなわち、ビニル芳
香族化合物を主体とする重合体ブロックの少なくとも1
つ(1セグメント)と、共役ジエン化合物を主体とする
重合体ブロックの少なくとも1つとからなるブロック共
重合体を水添して得られるものが好ましいが、ビニル芳
香族化合物を主体とする重合体ブロックの少なくとも2
つと、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックの
少なくとも1つとを有するブロック共重合体(例えば、
スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体等)
を水添して得られる水添ブロック共重合体がさらに好ま
しい。このスチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブ
ロック共重合体に代表される水添ブロック共重合体にお
いては、平均分子量が150,000未満であると、圧
縮永久歪みが悪化して防振効果の持続性が低下し、40
0,000を超えると材料の流動性が低下して成形性が
悪化するため、平均分子量は、前記範囲であることが好
ましい。
【0024】上記ブロック共重合体の非晶質スチレンブ
ロックの含有量は、10〜70重量%、好ましくは15
〜60重量%の範囲のものが望ましい。また、非晶質ス
チレンブロック部のガラス転移温度(Tg)は、60℃
以上、好ましくは80℃以上であるものが望ましい。ま
た、両末端の非晶質スチレンブロックを連結する部分の
重合体としては、やはり非晶質のものが好ましく、例え
ば、エチレン−ブチレン共重合体、ブタジエン重合体、
イソプレン重合体等を挙げることができ、これらのブロ
ック或いはランダム共重合体であってもよい。
【0025】これらの各種熱可塑性高分子有機材料は主
に単独で用いられるが、2種以上をブレンドして用いて
もよい。
【0026】また、本発明に用いられる軟化剤として
は、数平均分子量は20,000未満の低分子の材料を
使用することが好ましく、物性的には、100℃におけ
る粘度が5×105 センチポイズ以下、特に、1×10
5 センチポイズ以下であることが好ましく、また、分子
量の観点からは、数平均分子量は20,000未満、特
に10,000以下、とりわけ5,000以下であるこ
とが好ましい。このような軟化剤としては、通常、室温
で液体または液状の材料が好適に用いられる。また、親
水性、疎水性のいずれの軟化剤も使用できる。軟化剤と
しては特に限定されないが、次のものが適している。鉱
物油系、植物油系、合成系などの各種ゴム用または樹脂
用軟化剤が、鉱物油系としては、ナフテン系、パラフィ
ン系などのプロセス油が挙げられる。植物油系として
は、ひまし油、綿実油、あまみ油、なたね油、大豆油、
パーム油、やし油、落花生油、木ろう、パインオイル、
オリーブ油などが挙げられる。なかでも、鉱物油系オイ
ルのパラフィン系オイル、ナフテン系オイル、又はポリ
イソブチレン系オイルから選択される一種又は二種以上
であって、その平均分子量が450〜5,000である
ものが好ましい。この軟化剤として好ましく用いられる
オイルにおいては、平均分子量が450未満であると圧
縮永久歪みが悪化して防振効果の持続性が低下し、5,
000を超えると得られた熱可塑性材料表面にベタツキ
が生じるため、平均分子量が前記範囲であることが好ま
しい。
【0027】これらの軟化剤は1種を単独で用いてもよ
く、互いの相溶性が良好であれば2種以上を混合して用
いてもよい。
【0028】これらの軟化剤の配合量は高分子有機材料
100重量部に対して50〜500重量部であり、特に
50〜300重量部であることが好ましい。配合量が5
0重量部未満であると、十分な低硬度を達成しえず、材
料の柔軟性が不充分となり、500重量部を超えると軟
化剤のブリードを生じ易くなり、また、材料の機械的強
度が低下するため、いずれも衝撃吸収効果の観点から好
ましくない。
【0029】本発明に係る熱可塑性材料が好ましい柔軟
性、衝撃吸収性と耐久性を発現するためには、その物性
が、硬度がJIS K6301規格Aスケールで0°〜
25°であり、100℃における圧縮永久歪みがJIS
K6301規格で50%以下であり、且つ、230℃
におけるMFRがJIS K7210規格で10g/1
0分以上であることを要する。
【0030】本発明に係る熱可塑性材料の硬度がJIS
K6301規格Aスケールで25°を超えると材料の
硬度が高くなって身体に適合し難く、さらに、好ましい
衝撃吸収性が得られず、100℃における圧縮永久歪み
がJIS K6301規格で50%を超えると材料が経
時的に変形し、衝撃吸収性が低下する虞があり、230
℃におけるMFRがJIS K7210規格で10g/
10分未満であると加工性が低下して、生産性が悪化す
るため、いずれも好ましくない。
【0031】これらの物性の試験方法はいずれもJIS
K6301及びK7210規格に準拠して測定するこ
とができる。
【0032】さらに、本発明のシューズの衝撃吸収材を
構成する熱可塑性材料は、以下の特性を有することが好
ましい。
【0033】(A)損失正接(tanδ、25℃、5H
z):0.05〜1.0 (B)剪断弾性率(25℃):0.0005〜0.1k
gf/mm2 なお、損失正接(tanδ)は、剪断型動的粘弾性試験
機(東洋精機社製)により25℃、5Hzの条件で測定
した値であり、損失正接は前記の如く0.05〜1.
0、好ましくは効果の点から0.1〜1.0であり、さ
らに好ましくは0.3〜1.0である。損失正接が0.
05未満では目的とする衝撃吸収性が得難く、損失正接
が1.0を超えると弾性率等諸物性の温度依存性が大き
くなり好ましくない。
【0034】また、剪断弾性率は剪断型動的粘弾性試験
機(東洋精機社製)により25℃の条件で測定して0.
0005〜0.1kgf/mm2 であり、好ましくは、
0.001〜0.009kgf/mm2 である。剪断弾
性率が0.0005kgf/mm2 未満であると形状保
持性が低下してヘタリ等を生じ、衝撃吸収性が低下する
虞があり、0.1kgf/mm2 を超えると固くなっ
て、身体になじみにくく、さらに衝撃吸収性が低下する
ため好ましくない。
【0035】前記の各特性を備えるためには、本発明の
熱可塑性材料を構成する高分子有機材料は三次元連続の
網状骨格構造を有することが好ましく、形成される三次
元連続の網状骨格構造は、その骨格の平均径が50μm
以下、好ましくは30μm以下、セル(網目)の平均径
は、500μm以下、好ましくは300μm以下であ
り、高分子有機材料の体積分率を[高分子有機材料の体
積/(高分子有機材料の体積+軟化剤の体積)]×10
0(%)と定義したとき、高分子有機材料の体積分率が
50%以下、特に33%以下であることが好ましい。
【0036】また、多量の軟化剤とより少ない量の高分
子有機材料を含む熱可塑性材料を得るために、用いる軟
化剤と高分子有機材料の各々の溶解度パラメーター値δ
=(ΔE/V)1/2 (ΔE=モル蒸発エネルギー、V=
モル体積)の差が3.0以下、好ましくは2.5以下と
なるよう、両材料を選択することが好ましい。この差が
3.0を超えると両材料の相溶性の点から、軟化剤が多
量に保持されにくく、得られる熱可塑性材料の低弾性化
の障害となり、また、軟化剤のブリードが発生しやすく
なり、衝撃吸収性が低下する虞があるため好ましくな
い。
【0037】また、本発明に係る衝撃吸収材用熱可塑性
材料には、材料の圧縮永久歪みを改善し、衝撃吸収効果
の持続性、衝撃吸収用材料の耐久性を向上する目的でポ
リフェニレンエーテル樹脂を配合することができる。こ
こで用いられるポリフェニレンエーテル樹脂は、下記式
で表される結合単位からなる単独重合体又は該結合単位
を含む共重合体である。
【0038】
【化1】
【0039】式中、R1 、R2 、R3 及びR4 はそれぞ
れ独立に、水素原子、ハロゲン原子又は炭化水素基を表
す。
【0040】ポリフェニレンエーテル樹脂は公知のもの
を用いることができ、具体的には、例えば、ポリ(2,
6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ
(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレンエーテ
ル)、ポリ(2,6−ジフェニル−1,4−フェニレン
エーテル)、ポリ(2−メチル−6−フェニレン−1,
4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジクロロ−
1,4−フェニレンエーテル)等が挙げられ、また、
2,6−ジメチルフェノールと1価のフェノール類(例
えば、2,3,6−トリメチルフェノールや2−メチル
−6−ブチルフェノール)との共重合体の如きポリフェ
ニレンエーテル共重合体も用いることができる。なかで
も、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエー
テル)や2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−ト
リメチルフェノールとの共重合体が好ましく、さらに、
ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテ
ル)が好ましい。
【0041】ポリフェニレンエーテル樹脂の配合量は、
熱可塑性材料に対して10〜250重量部の範囲で好適
に選択することができる。250重量部を超えると熱可
塑性材料の硬度が高くなって柔軟性が失われ、身体にな
じみにくく、さらに、衝撃吸収性が低下する虞があり、
10重量部未満では配合して得られる圧縮永久歪みの改
善効果が不十分であるため、いずれも好ましくない。
【0042】なお、本発明に係る衝撃吸収材用熱可塑性
材料には、必要に応じて、更に、次のような充填材を配
合してもよい。すなわち、クレー、珪藻土、シリカ、タ
ルク、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ム、金属酸化物、マイカ、グラファイト、水酸化アルミ
ニウムなどの麟片状無機充填剤、各種の金属粉、木片、
ガラス粉、セラミックス粉、粒状ないし粉末ポリマーな
どの粒状ないし粉末状固体充填剤、その他の各種の天然
または人工の短繊維、長繊維(例えば、ワラ、毛、ガラ
スファイバー、金属ファイバー、その他各種のポリマー
ファイバーなど)などを配合することができる。
【0043】また、中空フィラー、例えば、ガラスバル
ーン、シリカバルーンなどの無機中空フィラー、ポリフ
ッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン共重合体からな
る有機中空フィラーを配合することにより、軽量化を図
ることができる。更に軽量化などの各種物性に改善のた
めに、各種発泡剤を混入することも可能であり、また、
混合時などに機械的に気体を混ぜ込むことも可能であ
る。
【0044】本発明に係る熱可塑性材料には、前記成分
のほか、諸特性の改良のため、公知の樹脂成分などの添
加剤を併用することができる。
【0045】樹脂成分としては、例えば、ポリオレフィ
ン樹脂やポリスチレン樹脂などを併用することができ
る。これらを添加することにより熱可塑性材料の加工
性、耐熱性の向上を図ることができる。ポリオレフィン
樹脂としては、例えば、ポリエチレン、アイソタクチッ
クポリプロピレン、プロピレンと他の少量のα−オレフ
ィンとの共重合体(例えば、プロピレン−エチレン共重
合体、プロピレン/4−メチル−1ペンテン共重合
体)、ポリ(4−メチル−1ペンテン)、ポリブテン−
1等を挙げることができる。ポリオレフィン樹脂として
アイソタクチックポリプロピレンまたはその共重合体を
用いる場合、そのMFR(JIS K7210)が0.
1〜50g/10分、特に、0.5〜30g/10分の
範囲のものが好適に使用できる。
【0046】また、ポリスチレン樹脂としては、公知の
製造方法で得られるものであれば、ラジカル重合法、イ
オン重合法のいずれで得られたものも好適に使用でき
る。ポリスチレン樹脂の数平均分子量は5,000〜5
00,000、好ましくは10,000〜200,00
0の範囲から選択でき、分子量分布〔重量平均分子量
(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/M
n)〕は5以下のものが好ましい。
【0047】このスチレン樹脂としては、例えば、ポリ
スチレン、スチレン含有量60重量%以上のスチレン−
ブタジエンブロック共重合体、ゴム補強ポリスチレン、
ポリα−メチルスチレン、ポリp−第3ブチルスチレン
等が挙げられ、これらは一種又は二種以上を併用しても
よい。さらに、これらポリマーを構成するモノマーの混
合物を重合して得られる共重合体も用いることができ
る。
【0048】また、前記ポリオレフィン樹脂とポリスチ
レン樹脂とを併用することもできる。本発明の衝撃吸収
材用熱可塑性材料にこれらの樹脂を添加する場合、ポリ
オレフィン樹脂単独を添加する場合に比較してポリスチ
レン樹脂を併用すると、得られる材料の硬度が高くなる
傾向にある。従って、これらの配合比率を選択すること
により、得られる熱可塑性材料の硬度を調整することも
できる。この場合、ポリオレフィン樹脂/ポリスチレン
樹脂の比率は95/5〜5/95(重量比)の範囲から
選択することが好ましい。
【0049】これらの樹脂成分を併用する場合、本発明
の効果を損なわない範囲において使用すべきであり、配
合量は高分子有機材料100重量部に対して0〜100
重量部程度であることが好ましい。樹脂成分の配合量が
100重量部を超えると得られる衝撃吸収材用熱可塑性
材料の硬度が高くなり過ぎて柔軟性が失われ、身体にな
じみにくく、さらに、衝撃吸収性が低下するため好まし
くない。
【0050】また、他の添加剤として、必要に応じて、
難燃剤、抗菌剤、ヒンダードアミン系光安定剤、紫外線
吸収剤、酸化防止剤、無機充填剤、着色剤、シリコーン
オイル、クマロン樹脂、クマロン−インデン樹脂、フェ
ノールテルペン樹脂、石油系炭化水素、ロジン誘導体等
の各種粘着付与剤(タッキファイヤー)、レオストマー
(商品名:理研ビニル社製)等の各種接着剤、ハイブラ
ー(商品名:クラレ社製、ビニル−ポリイソプレンブロ
ックの両末端にポリスチレンブロックが連結したブロッ
ク共重合体)、ノーレックス(商品名:日本ゼオン社
製、ノルボルネンを開環重合して得られるポリノルボル
ネン)等の熱可塑性エラストマー又は樹脂等を併用する
ことができる。
【0051】本発明に係る熱可塑性材料の製造方法には
特に制限はなく、公知の方法を適用することができる。
例えば、前記の各材料及び所望により添加剤成分を加熱
混練機、例えば、一軸押出機、二軸押出機、ロール、バ
ンバリーミキサー、ブラベンダー、ニーダー、高剪断型
ミキサー等、を用いて溶融混練りし、さらに、所望によ
り有機パーオキサイド等の架橋剤、架橋助剤などを添加
したり、又は、これら必要な成分を同時に混合し、加熱
溶融混練することにより、容易に製造することができ
る。
【0052】また、高分子有機材料と低分子材料とを混
練りした熱可塑性材料を予め用意し、この材料を、ここ
に用いたものと同種か若しくは種類が異なる1種以上の
高分子有機材料にさらに混ぜ合わせて製造することもで
きる。
【0053】また、本発明に係る熱可塑性材料において
は、有機パーオキサイド等の架橋剤、架橋助剤などを添
加して架橋することも可能である。
【0054】ここで、部分架橋のために添加しうる架橋
剤としては、有機パーオキサイドが好適に挙げられ、具
体的には、例えば、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t
−ブチルパーオキシ)−ヘキサン、2,5−ジメチル−
2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)−ヘキサン、t−
ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキサイ
ド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジイソプロピル
ベンゾハイドロパーオキサイド、1,3−ビス−(t−
ブチルパーオキシイソプロピル)−ベンゼン、ベンゾイ
ルパーオキサイド、1,1−ジ(t−ブチルパーオキ
シ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等が挙げ
られ、また、有用な架橋助剤としては、例えば、ジビニ
ルベンゼン、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、エチレンジメタクリレート、ジアリルフタレート、
キノンジオキシム、フェニレンビスマレイミド、ポリエ
チレングリコールジメタクリレート、不飽和シラン化合
物等が挙げられる。これら有機パーオキサイド及び架橋
助剤は、配合材料全体を100重量部としたとき、0.
1〜5重量部の範囲で、任意に使用して架橋度を調整す
ることができる。これらの有機パーオキサイド及び架橋
助剤は必要に応じてそれぞれ2種以上を併用することも
できる。なお、架橋助剤として不飽和シラン化合物を使
用した場合には、さらにシラノール縮合触媒の存在下で
水分と接触させて架橋を進行させることができる。
【0055】かくして得られた本発明に係る衝撃吸収材
用熱可塑性材料は、公知の成型方法、例えば、射出成
型、モールド成型などにより所望の形状の衝撃吸収材を
成型し、各種シューズに適用して使用することができ
る。
【0056】本発明のシューズの衝撃吸収材の構成には
特に制限はなく、上記の熱可塑性材料のみで構成されて
いてもよく、シリコーン、ポリウレタン等の公知の高分
子材料と積層構造とするなどして組み合わせて用いても
よい。また、熱可塑性材料の表面をウレタン系、ポリ酢
酸ビニル系、シリコーン系等の高分子有機材料や布等を
被覆して用いることもできる。
【0057】本発明のシューズにおいて、衝撃吸収材の
配置箇所としては、体重を支え、衝撃を最も受けやすい
底部の少なくとも一部に配置することが効果的であり、
例えば、具体的には、図1(B)の断面図に示すよう
に、シューズ10の中敷12の踵部12Aに衝撃吸収材
14を配置したり、図2(B)の断面図に示すように、
シューズ16の靴底18の踵部の一部18Aに衝撃吸収
材14を配置したり、図3(B)の断面図に示すよう
に、シューズ20の中敷22の踏み付部22Aに衝撃吸
収材14を配置したりすることができる。図1(A)
は、靴の中敷12の踵部に衝撃吸収材14を配置したシ
ューズ10の正面図を示し、図1(B)はその断面図を
示す。図2(A)は、靴底18の踵の一部に衝撃吸収材
14を配置したシューズ16の正面図を示し、図1
(B)はその断面図を示す。図3(A)は、靴の中敷2
2の踏み付部22Aに衝撃吸収材14を配置したシュー
ズ20の正面図を示し、図3(B)はその断面図を示
す。
【0058】さらに、スポーツシューズや作業靴等の如
く、足の保護を必要とするシューズにおいては、例え
ば、図4の断面図に示すスポーツシューズ24の如く、
足の甲の部分24A、爪先部分24B、踵部24C、足
首部分24D等にそれぞれ衝撃吸収材14を配置するこ
とができる。図4は、底部のみならず、衝撃吸収性を要
する各箇所に衝撃吸収材14を配置したスポーツシュー
ズ24の断面図である。また、スキーブーツなどの高い
衝撃吸収性を要求されるシューズにおいては、シューズ
の内側全体に表面にパイルなどの布層を設けた衝撃吸収
材を配置することもできる。
【0059】本発明に係る衝撃吸収材を靴の底部に配置
する場合には、底部の成型時に一体的に配置することが
好ましい。また、この衝撃吸収材をシューズの中敷に配
置する場合には、例えば、(1) 前記衝撃吸収材用の熱可
塑性材料を所定に厚みのシートに成型し、適当な大きさ
に打抜き又は裁断してそのまま中敷として使用するか、
別の材料で形成した中敷の所定の位置に配置する、(2)
熱可塑性材料を所定の形状の型でモールド成型した後、
中敷の所定の位置に配置する、(3) 予め所定の位置に空
隙を設けた中敷の空隙内に加熱溶融した熱可塑性材料を
注入し、一体に成型する、等の方法を用いて配置するこ
とができる。
【0060】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明を
具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限さ
れるものではない。
【0061】なお、これらの実施例の物性評価は以下の
方法によって行った。 (1)材料の硬度 JIS K6301 Aタイプの評価法に準拠した。
【0062】(2)圧縮永久歪み JIS K6301に準拠し、100℃×22時間、2
5%変形後の歪残率で評価した。
【0063】(3)MFR JIS K7210の熱可塑性プラスチックの流れ試験
方法に準拠し、230℃において評価した。
【0064】(4)tanδの測定 tanδの測定は、剪断型動的粘弾性試験機(東洋精機
社製)を使用し、温度25°C、歪み10%、周波数5
Hzで行った。
【0065】(5)剪断弾性率の測定 剪断弾性率は、25℃において、剪断型動的粘弾性試験
機(東洋精機社製)を使用し、温度25℃で測定した。
【0066】なお、溶解度パラメーターの測定は常法に
より行い、数平均分子量の測定はゲルパーミエイション
クロマトグラフィ[GPC;東ソー製GMH−XL(2
本直列)]により行い、示差屈折率(RI)を用いて、
単分散ポリスチレンを標準としてポリスチレン換算で行
った。 (実施例1) (1)衝撃吸収材用熱可塑性材料の調整 下記の原料を用いて衝撃吸収材用熱可塑性材料を調整し
た。
【0067】 高分子有機材料 100重量部 (スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体: 分子量 200,000、SP値 8.5) 軟化剤:パラフィン系オイル 58重量部 (分子量1,500、SP値 7.8) 軟化剤:パラフィン系オイル 170重量部 (分子量750、SP値 7.8) ポリフェニレンエーテル樹脂 10重量部 〔ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)〕 ポリプロピレン樹脂 13.1重量部 (アイソタクチックポリプロピレンM−1300、旭ポリプロ社製) 高級脂肪酸アミド 3.0重量部 (アーモスリップE、ライオン社製) 前記各原料をヘンシェルミキサーでよく混合し、この混
合物を50mm径の二軸押出機にて240℃の条件下で
溶融混練りして、熱可塑性材料のペレットを得た。
【0068】この熱可塑性材料の硬度はJIS−Aにて
0°、永久圧縮歪みは45%、MFRは300g/分で
あった。さらに、tanδ値は0.15を示し、剪断弾
性率は0.005kgf/mm2 であった。 (2)衝撃吸収材用熱可塑性材料の成形 この材料を、200〜250℃の温度条件のまま、モー
ルドに注入、冷却して、厚さ3mmのシートに成型し、
その後、直径30mmの円形に打抜き、円形のシート状
の衝撃吸収材を得た。 (3)シューズの作製 シューズ10の中敷12の踵部12Aに予め直径30m
mの円形の空隙を設けて、得られた円形のシート状の衝
撃吸収材14を配置し、この中敷12を用いてウォーキ
ングシューズ10を得た。
【0069】かくして得られたウォーキングシューズ1
0をパネラーに着用させたところ、足裏の衝撃吸収性に
優れ、非常に履き心地がよく、長時間歩行後の足の疲れ
は従来品に比べて大幅に軽減され、疲れが少ないことが
確認された。 (実施例2) (1)衝撃吸収材用熱可塑性材料の調整 下記の原料を用いて実施例1と同様にして衝撃吸収材用
熱可塑性材料を調整した。
【0070】 高分子有機材料 100重量部 (スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体: 分子量 200,000、SP値 8.5) 軟化剤:パラフィン系オイル 58重量部 (分子量1,500、SP値 7.8) 軟化剤:パラフィン系オイル 73重量部 (分子量750、SP値 7.8) ポリフェニレンエーテル樹脂 10重量部 〔ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)〕 ポリプロピレン樹脂 13.1重量部 (アイソタクチックポリプロピレンM−1300、旭ポリプロ社製) この熱可塑性材料の硬度はJIS−Aにて10°、永久
圧縮歪みは30%、MFRは119g/分であった。さ
らに、tanδ値は0.10を示し、剪断弾性率は0.
01kgf/mm2 であった。 (2)シューズの作製 この材料をモールド型にて、実施例1と同様に厚さ3m
mのシート状に成形し、打抜きして、衝撃吸収材を得
た。
【0071】かくして得られた衝撃吸収材を実施例1と
同様に中敷の踵部に配置したウォーキングシューズを作
製した。
【0072】このウォーキングシューズを実施例1と同
様に評価したところ、履き心地が良好で、長時間歩行後
も、足裏への衝撃が軽減されて、足の疲れが少ないこと
が確認された。 (比較例1) (1)衝撃吸収材用熱可塑性材料の調整 下記の原料を用いて実施例1と同様にして衝撃吸収材用
熱可塑性材料を調整した。
【0073】 高分子有機材料 100重量部 (スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体: 分子量 30,000、SP値 8.5) 軟化剤:パラフィン系オイル 58重量部 (分子量1,500、SP値 7.8) 軟化剤:パラフィン系オイル 73重量部 (分子量750、SP値 7.8) ポリフェニレンエーテル樹脂 15重量部 〔ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)〕 ポリプロピレン樹脂 12重量部 (アイソタクチックポリプロピレンM−1300、旭ポリプロ社製) この熱可塑性材料の硬度はJIS−Aにて5°、永久圧
縮歪みは90%、MFRは300g/分であった。さら
に、tanδ値は0.10を示し、剪断弾性率は0.0
01kgf/mm2 であった。 (2)シューズの作製 この材料をモールド型にて、実施例1と同様に厚さ3m
mのシート状に成形し、打抜きして、衝撃吸収材を得
た。
【0074】かくして得られた衝撃吸収材を実施例1と
同様に中敷の踵部に配置したウォーキングシューズを作
製した。
【0075】このウォーキングシューズを実施例1と同
様に評価したところ、始めは履き心地が良好で、足裏へ
の衝撃が軽減されていたが、長時間歩行後は、材料がへ
たってしまい、中敷きに配置した衝撃吸収材部分が潰れ
て変型し、衝撃吸収性が低下し始め、足裏への負担が従
来のものとかわらなくなってしまうことが確認された。 (比較例2) (1)衝撃吸収材用熱可塑性材料の調整 下記の原料を用いて実施例1と同様にして衝撃吸収材用
熱可塑性材料を調整した。
【0076】 高分子有機材料 100重量部 (スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体: 分子量 200,000、SP値 8.5) 軟化剤:パラフィン系オイル 58重量部 (分子量1,500、SP値 7.8) 軟化剤:パラフィン系オイル 73重量部 (分子量400、SP値 7.8) ポリフェニレンエーテル樹脂 15重量部 〔ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)〕 ポリプロピレン樹脂 12重量部 (アイソタクチックポリプロピレンM−1300、旭ポリプロ社製) この熱可塑性材料の硬度はJIS−Aにて8°、永久圧
縮歪みは100%、MFRは200g/分であった。さ
らに、tanδ値は0.10を示し、剪断弾性率は0.
003kgf/mm2 であった。 (2)シューズの作製 この材料をモールド型にて、実施例1と同様に厚さ3m
mのシート状に成形し、打抜きして、衝撃吸収材を得
た。
【0077】かくして得られた衝撃吸収材を実施例1と
同様に中敷の踵部に配置したウォーキングシューズを作
製した。
【0078】このウォーキングシューズを実施例1と同
様に評価したところ、始めは履き心地が良好で、足裏へ
の衝撃が軽減されていたが、長時間歩行後は、材料がへ
たってしまい、中敷きに配置した衝撃吸収材部分が潰れ
て変型し、衝撃吸収性が低下し始め、足裏への負担が従
来のものとかわらなくなってしまうことが確認された。
【0079】以上の実施例から明らかなように、本発明
に係る衝撃吸収材用熱可塑性材料は、成形可能な材料で
あって、低硬度であり、高温時の圧縮永久歪みが低く、
低分子材料のブリードを抑制することができるため、こ
れを適用した本発明のシューズは、衝撃吸収性が著しく
良好で、高い生産性にて安価に製造可能であり、且つ、
その衝撃吸収性が経時的に低下することなく、耐久性に
優れていた。
【0080】一方、高分子有機材料として分子量の低い
水添ブロック共重合体を用いて得られた比較例1及び添
加する軟化剤として低分子量のパラフィン系オイルを用
いて得られた比較例2は、いずれも低硬度ではあるが、
圧縮永久歪みが高く、本発明の範囲外であった。この衝
撃吸収材を適用したシューズは、熱可塑性材料のへたり
によって衝撃吸収材が変型し、経時的に衝撃吸収性が低
下して、シューズとしては不適当であった。
【0081】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のシューズ
は、低硬度であり、高温時の圧縮永久歪みが低く、低分
子材料のブリードを抑制しうる衝撃吸収材用熱可塑性材
料を底部の少なくとも一部に用いているため、衝撃吸収
性が著しく良好であり、その衝撃吸収性が経時的に低下
することがなく、耐久性が高いという優れた効果を奏す
る。また、この材料は熱可塑性材料であり、成形可能
で、高い生産性にて安価に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A)は実施例1のウォーキングシューズの
正面図を示し、(B)は該ウォーキングシューズの断面
図を示す。
【図2】 (A)は底部に衝撃吸収材を配置したウォー
キングシューズの正面図を示し、(B)は該ウォーキン
グシューズの断面図を示す。
【図3】 (A)は中敷きの踏み付部に衝撃吸収材を配
置したウォーキングシューズの正面図を示し、(B)は
該ウォーキングシューズの断面図を示す。
【図4】 足の甲の部分、爪先部分、踵部、足首部分に
それぞれ衝撃吸収材を配置したスポーツシューズの断面
図を示す。
【符号の説明】
10 ウォーキングシューズ 12 シューズの中敷 12A 踵部 14 衝撃吸収材 16 ウォーキングシューズ 18 靴底 20 ウォーキングシューズ 22 シューズの中敷 22A 踏み付部 24 スポーツシューズ 24A 足の甲の部分 24B 爪先部分 24C 踵部 24D 足首部分

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも底部の一部に衝撃吸収材を配
    置してなるシューズにおいて、 該衝撃吸収材が、高分子有機材料と軟化剤とを含む熱可
    塑性材料であって、硬度がJIS K6301規格Aス
    ケールで0°〜25°であり、100℃における圧縮永
    久歪みがJIS K6301規格で50%以下であり、
    且つ、230℃におけるMFRがJIS K7210規
    格で10g/10分以上である特性を有する熱可塑性材
    料を用いて構成されることを特徴とするシューズ。
  2. 【請求項2】 前記熱可塑性材料が、高分子有機材料1
    00重量部と、軟化剤50〜500重量部と、を含み、 前記高分子有機材料と前記軟化剤の各々の溶解度パラメ
    ーターの差が3.0以下であることを特徴とする請求項
    1記載のシューズ。
  3. 【請求項3】 前記熱可塑性材料が、ポリフェニレンエ
    ーテルを10〜250重量部含んでなることを特徴とす
    る請求項1又は2記載のシューズ。
  4. 【請求項4】 前記高分子有機材料が、ビニル芳香族化
    合物を主体とする重合体ブロックの少なくとも1つと、
    共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックの少なく
    とも1つからなるブロック共重合体を水添して得られる
    水添ブロック共重合体であり、その平均分子量が15
    0,000〜400,000であることを特徴とする請
    求項1乃至3記載のシューズ。
  5. 【請求項5】 前記軟化剤が、ナフテン系オイル、パラ
    フィン系オイル又はポリイソブチレン系オイルから選択
    される一種又は二種以上であり、その平均分子量が45
    0〜5,000であることを特徴とする請求項1乃至4
    記載のシューズ。
  6. 【請求項6】 前記熱可塑性材料の25°C、5Hzに
    おける損失正接(tanδ)が0.05〜1.0であ
    り、且つ、25°Cにおける剪断弾性率が0.0005
    〜0.1kgf/mm2 であることを特徴とする請求項
    1乃至5記載のシューズ。
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