JP3604796B2 - パッキン材料 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱可塑性材料からなるパッキン材料に関し、詳しくは、携帯用電話機等の小型電子機器のケースの接合部等や水回り設備の防水用パッキン等の製造に好適に使用されるパッキン材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯用電話機等の小型電子機器が汎用され、これらは機構上、外部からの水分や塵埃の侵入を確実に遮断するため、外部ケースの接合部分に溝を設けてその溝のなかに嵌合するように合成ゴム等のパッキンが装着されている。また、水回り設備の防水用パッキンとして、例えば、セラミック製の洗面器と金属性の排水管、樹脂製のロータンクとセラミック製の便器など、異種材料間の間に用いられるパッキンが増加してきている。
【0003】
従来、これらのパッキン材料としては、シリコーンゴム等の合成ゴム、ブチルゴム等の一般加硫ゴムやエラストマー等が使用されている。これらのうちゴム材料は、その硬度がJIS−Aスケールで20°〜30°前後であり、最も低硬度のものでも20°程度であった。
【0004】
携帯用電話機等の小型電子機器のケースに用いるパッキンは、ケースとパッキンの材料の物性が大きく異なるため、ケースとパッキンとを別々に成形し、ケースの端部に形成された細い溝にリング状に成形されたパッキンを嵌合させて配置しなければならず、製造が煩雑であった。また、通常パッキンに使用される如き弾性材料では形状追随性が低いため、密閉するために応力を掛けなければならず、ケースに過剰の応力が係るという問題を有していた。さらに、加硫ゴムにおいては、加硫剤である硫黄が残留して内部の電子部品に影響を与える懸念があり、シリコーンゴムでは、低分子量シリコーンによる接点障害の可能があるという問題があった。
【0005】
水回り設備の防水用パッキンにおいても、硬度や強度の異なる材料で形成された設備間を密閉しつつ接合することが必要であり、前記と同様、接合部分に集中的に掛かる応力のため、パッキンそのものの耐久性が低下したり、接合する設備の劣化を促進する懸念があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事実に鑑みなされたもので、小型電子機器のケースや水回り設備の接合と密閉に好適に使用され、適度な硬度を有し、形状追随性に優れるため過剰な応力集中もなく、密閉性が良好で、且つ、耐久性に優れるパッキン材料を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のパッキン材料は、分子内に結晶構造、凝集構造から選ばれる硬質ブロックを形成しやすい部分と、アモルファス構造である軟質ブロックとを併せもち、三次元連続の網状骨格構造を有し、数平均分子量が150,000〜400,000である高分子有機材料と軟化剤とを含む熱可塑性材料であって、硬度がJIS K6301規格Aスケールで0°〜25°であり、100℃における圧縮永久歪みがJIS K6301規格で50%以下であり、且つ、230℃におけるMFRがJIS K7210規格で10g/10分以上であることを特徴とする。
【0008】
また、前記熱可塑性材料は、高分子有機材料100重量部と、軟化剤100〜500重量部と、を含み、高分子有機材料と軟化剤の各々の溶解度パラメーターの差が3.0以下であることが好ましい。
【0009】
前記熱可塑性材料は、ポリフェニレンエーテルを10〜250重量部含んでなることが好ましい。
【0010】
本発明の熱可塑性材料に用いられる前記高分子有機材料は、少なくとも1個のビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックと、少なくとも1個の共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックからなるブロック共重合体を水添して得られる水添ブロック共重合体であり、その平均分子量が150,000〜400,000であることを特徴とする。
【0011】
さらに、前記軟化剤は、ナフテン系オイル、パラフィン系オイル又はポリイソブチレン系オイルから選択される一種又は二種以上であり、その平均分子量が450〜5,000であることであることを特徴とする。
【0012】
本発明のパッキン材料は、分子内に結晶構造、凝集構造から選ばれる硬質ブロックを形成しやすい部分と、アモルファス構造である軟質ブロックとを併せもち、三次元連続の網状骨格構造を有し、数平均分子量が150,000〜400,000である高分子有機材料と軟化剤とを組み合わせることにより、低硬度の材料が得られ、形状追随性と密着性が良好で、且つ、前記特定の高分子有機材料と軟化剤の各々の溶解度パラメーターの差を3.0以下とすることにより、材料の相溶性が向上し、低分子成分のブリードを防止することができる。
【0013】
また、この熱可塑性材料は、射出成形が可能であるため、電子機器等のケースを成形する際に、ケースとを一体的に成形することができるため、簡単に製造しうる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を詳細に説明する。
【0015】
本発明において、高分子有機材料としては、数平均分子量が20,000以上、特に、30,000以上、とりわけ40,000以上の熱可塑性高分子有機材料が好ましく、例えば、スチレン系(ブタジエンスチレン系、イソプレンスチレン系など)、エステル系、アミド系、ウレタン系などの各種熱可塑性エラストマー、並びに、それらの水添、その他による変性物、スチレン系、ABS系、オレフィン系(エチレン系、プロピレン系、エチレンプロピレン系、エチレンスチレン系、プロピレンスチレン系など)、塩化ビニル系、アクリル酸エステル系(アクリル酸メチル系など)、メタクリル酸エステル系(メタクリル酸メチル系、など)カーボネート系、アセタール系、ナイロン系、ハロゲン化ポリエーテル系(塩化ポリエーテル系など)、ハロゲン化オレフィン系(四フッ化エチレン系、フッ化−塩化エチレン系、フッ化エチレンプロピレン系など)、セルロース系(アセチルセルロース系、エチルセルロース系など)、ビニリデン系、ビニルブチラール系、アルキレンオキサイド系(プロピレンオキサイド系など)などの熱可塑性樹脂、及びこれらの樹脂のゴム変性物などが挙げられる。
【0016】
具体的な熱可塑性高分子有機材料としては、このうちで結晶構造、凝集構造などの硬質ブロックを形成しやすい部分と、アモルファス構造などの軟質ブロックとを一緒に持ち合わせているものであることを要し、具体的には、下記(1) (4)が挙げられる。
【0017】
▲1▼ ポリブタジエンとブタジエン−スチレンランダム共重合体とのブロック共重合体を水添して得られるポリエチレンとエチレン/ブチレン−スチレンランダム共重合体とのブロック共重合体。
【0018】
▲2▼ ポリブタジエンとポリスチレンとのブロック共重合体、あるいは、ポリブタジエン又はエチレン−ブタジエンランダム共重合体とポリスチレンとのブロック共重合体を水添して得られるポリエチレン/ブチレンとポリスチレンとのブロック共重合体、なかでも、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体。
【0019】
▲3▼ エチレン/ブチレン共重合体と、その片末端又は両末端に結晶性エチレンが連結したブロック共重合体。
【0020】
▲4▼ エチレン−プロピレンゴム。
このうち特に▲2▼に挙げられた、少なくとも1個のビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックと、少なくとも1個の共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックからなるブロック共重合体を水添して得られる水添ブロック共重合体であって、その平均分子量が150,000〜400,000であるものが好ましい。すなわち、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックを少なくとも1個と、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックを少なくとも1個とからなるブロック共重合体を水添して得られるものが好ましいが、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックが少なくとも2個と、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックが少なくとも1個とを有するブロック共重合体(例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体等)を水添して得られる水添ブロック共重合体がさらに好ましい。このスチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体に代表される水添ブロック共重合体においては、平均分子量が150,000未満であると、圧縮永久歪みが悪化し、400,000を超えると材料の流動性が低下して成形性が悪化するため、平均分子量は、前記範囲であることが好ましい。
【0021】
これらの各種熱可塑性高分子有機材料は主に単独で用いられるが、2種以上をブレンドして用いてもよい。
【0022】
また、本発明に用いられる軟化剤としては、数平均分子量は20,000未満の低分子の材料を使用することが好ましく、物性的には、100℃における粘度が5×10 センチポイズ以下、特に、1×10 センチポイズ以下であることが好ましく、また、分子量の観点からは、数平均分子量は20,000未満、特に10,000以下、とりわけ5,000以下であることが好ましい。このような軟化剤としては、通常、室温で液体または液状の材料が好適に用いられる。また、親水性、疎水性のいずれの軟化剤も使用できる。軟化剤としては特に限定されないが、次のものが適している。鉱物油系、植物油系、合成系などの各種ゴム用または樹脂用軟化剤。鉱物油系としては、ナフテン系、パラフィン系などのプロセス油が挙げられる。植物油系としては、ひまし油、綿実油、あまみ油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生油、木ろう、パインオイル、オリーブ油などが挙げられる。なかでも、流動パラフィン等のパラフィン系オイル、ナフテン系オイル、又はポリイソブチレン系オイルから選択される一種又は二種以上であって、その平均分子量が450〜5,000であるものが好ましい。この軟化剤として好ましく用いられるオイルにおいては、平均分子量が450未満であると圧縮永久歪みが悪化し、5,000を超えると得られたパッキン材料表面にベタツキが生じるため、平均分子量が前記範囲であることが好ましい。
【0023】
これらの軟化剤は1種を単独で用いてもよく、互いの相溶性が良好であれば2種以上を混合して用いてもよい。
【0024】
これらの軟化剤の配合量は100〜500重量部であり、特に100〜300重量部であることが好ましい。配合量が100重量部未満であると、十分な低硬度を達成しえず、材料の柔軟性が不充分となり、500重量部を超えると軟化剤のブリードを生じ易くなり、また、材料の機械的強度が低下するためいずれも好ましくない。
【0025】
本発明のパッキン材料を構成する熱可塑性材料が好ましい密閉性と耐久性を発現するためには、その物性が、硬度がJIS K6301規格Aスケールで0°〜25°であり、100℃における圧縮永久歪みがJIS K6301規格で50%以下であり、且つ、230℃におけるMFRがJIS K7210規格で10g/10分以上であることを要する。
【0026】
このような特性を備えるためには、高分子有機材料は三次元連続の網状骨格構造を有することが好ましく、形成される三次元連続の網状骨格構造は、その骨格の平均径が50μm以下、好ましくは30μm以下、セル(網目)の平均径は、500μm以下、好ましくは300μm以下であり、高分子有機材料の体積分率を[高分子有機材料の体積/(高分子有機材料の体積+軟化剤の体積)]×100(%)と定義したとき、高分子有機材料の体積分率が50%以下、特に33%以下であることが望ましい。
【0027】
また、多量の軟化剤と高分子有機材料を含むパッキン材料を得るために、用いる軟化剤と高分子有機材料の各々の溶解度パラメーター値δ=(ΔE/V)1/2 (ΔE=モル蒸発エネルギー、V=モル体積)の差が3.0以下、好ましくは2.5以下となるよう、両材料を選択することが好ましい。この差が3.0を超えると両材料の相溶性の点から、軟化剤が多量に保持されにくく、得られる高分子ブレンド材料の低弾性化の障害となり、また、軟化剤のブリードが発生しやすくなるので好ましくない。
【0028】
また、本発明のパッキン材料には、材料の圧縮永久歪みを改善する目的でポリフェニレンエーテル樹脂を配合することができる。ここで用いられるポリフェニレンエーテル樹脂は、下記式で表される結合単位からなる単独重合体又は該結合単位を含む共重合体である。
【0029】
【化1】
Figure 0003604796
【0030】
式中、R 、R 、R 及びR はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子又は炭化水素基を表す。
【0031】
ポリフェニレンエーテル樹脂は公知のものを用いることができ、具体的には、例えば、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジフェニル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−フェニレン−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジクロロ−1,4−フェニレンエーテル)等が挙げられ、また、2,6−ジメチルフェノールと1価のフェノール類(例えば、2,3,6−トリメチルフェノールや2−メチル−6−ブチルフェノール)との共重合体の如きポリフェニレンエーテル共重合体も用いることができる。なかでも、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)や2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体が好ましく、さらに、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)が好ましい。
【0032】
ポリフェニレンエーテル樹脂の配合量は、高分子有機材料100重量部に対して0〜100重量部の範囲で好適に選択することができる。100重量部を超えると熱可塑性材料の硬度が高くなって柔軟性が失われるため好ましくない。
【0033】
なお、本発明に係るパッキン材料には、必要に応じて、更に、次のような充填材を配合してもよい。すなわち、クレー、珪藻土、シリカ、タルク、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、金属酸化物、マイカ、グラファイト、水酸化アルミニウムなどの麟片状無機充填剤、各種の金属粉、木片、ガラス粉、セラミックス粉、粒状ないし粒末ポリマーなどの粒状ないし粉末状固体充填剤、その他の各種の天然または人口の短繊維、超繊維(例えば、ワラ、毛、ガラスファイバー、金属ファイバー、その他各種のポリマーファイバーなど)などを配合することができる。
【0034】
また、中空フィラー、例えば、ガラスバルーン、シリカバルーンなどの無機中空フィラー、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン共重合体からなる有機中空フィラーを配合することにより、軽量化を図ることができる。更に軽量化などの各種物性に改善のために、各種発泡剤を混入することも可能であり、また、混合時などの機械的に気体を混ぜ込むことも可能である。
【0035】
本発明のパッキン材料には、前記成分のほか、諸特性の改良のため、公知の樹脂成分や添加剤を併用することができる。
【0036】
樹脂成分としては、例えば、ポリオレフィン樹脂やポリスチレン樹脂などを併用することができる。これらを添加することによりパッキン材料の加工性、耐熱性の向上を図ることができる。ポリオレフィン樹脂としては、例えば、ポリエチレン、アイソタクチックポリプロピレン、プロピレンと他の少量のα−オレフィンとの共重合体(例えば、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン/4−メチル−1ペンテン共重合体)、ポリ(4−メチル−1ペンテン)、ポリブテン−1等を挙げることができる。ポリオレフィン樹脂としてアイソタクチックポリプロピレンまたはその共重合体を用いる場合、そのMFR(JIS K7210)が0.1〜50g/10分、特に、0.5〜30g/10分の範囲のものが好適に使用できる。
【0037】
また、ポリスチレン樹脂としては、公知の製造方法で得られるものであれば、ラジカル重合法、イオン重合法のいずれで得られたものも好適に使用できる。ポリスチレン樹脂の数平均分子量は5000〜500000、好ましくは10000〜200000の範囲から選択でき、分子量分布〔重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)〕は5以下のものが好ましい。
【0038】
このスチレン樹脂としては、例えば、ポリスチレン、スチレン含有量60重量%以上のスチレン−ブタジエンブロック共重合体、ゴム補強ポリスチレン、ポリα−メチルスチレン、ポリp−第3ブチルスチレン等が挙げられ、これらは一種又は二種以上を併用してもよい。さらに、これらポリマーを構成するモノマーの混合物を重合して得られる共重合体も用いることができる。
【0039】
また、前記ポリオレフィン樹脂とポリスチレン樹脂とを併用することもできる。本発明のパッキン材料にこれらの樹脂を添加する場合、ポリオレフィン樹脂単独を添加する場合に比較してポリスチレン樹脂を併用すると、得られる材料の硬度が高くなる傾向にある。従って、これらの配合比率を選択することにより、得られるパッキン材料の硬度を調整することもできる。この場合、ポリオレフィン樹脂/ポリスチレン樹脂の比率は95/5〜5/95(重量比)の範囲から選択することが好ましい。
【0040】
これらの樹脂成分を併用する場合、本発明の効果を損なわない範囲において使用すべきであり、高分子有機材料100重量部に対して0〜100重量部程度であることが好ましい。100重量部を超えると得られるパッキン材料の硬度が高くなり過ぎて柔軟性が失われるため好ましくない。
【0041】
また、他の添加剤として、必要に応じて、ヒンダードアミン系光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、無機充填剤、着色剤、シリコーンオイル、クマロン樹脂、クマロン−インデン樹脂、フェノールテルペン樹脂、石油系炭化水素、ロジン誘導体等の各種粘着付与剤(タッキファイヤー)、レオストマー(商品名:理研ビニル社製)等の各種接着剤等を併用することができる。
【0042】
本発明のパッキン材料の製造方法には特に制限はなく、公知の方法を適用することができる。例えば、前記の各材料及び所望により添加剤成分を加熱混練機、例えば、一軸押出機、二軸押出機、ロール、バンバリーミキサー、ブラベンダー、ニーダー等、を用いて溶融混練りし、さらに、所望により有機パーオキサイド等の架橋剤、架橋助剤などを添加したり、又は、これら必要な成分を同時に混合し、加熱溶融混練することにより、容易に製造することができる。
【0043】
また、高分子有機材料と低分子材料とを混練りした熱可塑性材料を予め用意し、この材料を、ここに用いたものと同種か若しくは種類が異なる1種以上の高分子有機材料にさらに混ぜ合わせて製造することもできる。
【0044】
また、本発明のパッキン材料においては、有機パーオキサイド等の架橋剤、架橋助剤などを添加して架橋することも可能である。
【0045】
ここで、部分架橋のために添加しうる架橋剤としては、有機パーオキサイドが好適に挙げられ、具体的には、例えば、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)−ヘキサン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジイソプロピルベンゾハイドロパーオキサイド、1,3−ビス−(t−ブチルパーオキシイソプロピル)−ベンゼン、ベンゾイルパーオキサイド、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等が挙げられ、また、有用な架橋助剤としては、例えば、ジビニルベンゼン、トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレンジメタクリレート、ジアリルフタレート、キノンジオキシム、フェニレンビスマレイミド、ポリエチレングリコールジメタクリレート、不飽和シラン化合物等が挙げられる。これら有機パーオキサイド及び架橋助剤は、配合材料全体を100重量部としたとき、0.1〜5重量部の範囲で、任意に使用して架橋度を調整することができる。これらの有機パーオキサイド及び架橋助剤は必要に応じてそれぞれ2種以上を併用することもできる。なお、架橋助剤として不飽和シラン化合物を使用した場合には、さらにシラノール縮合触媒の存在下で水分と接触させて架橋を進行させることができる。
【0046】
かくして得られた本発明のパッキン材料は、公知の方法、例えば、射出成型などにより所望の形状に成型してパッキンとして使用できる。また、射出成型が可能なため、例えば、携帯用電話器のカバーの接合部のパッキン等に使用する場合、カバー本体とともに、一体成形することができ、製造が格段に容易になる。
【0047】
パッキンの用途としては、例えば、具体的には、携帯用電話器のカバー、小型ゲーム機本体のカバーなどの小型電子機器のカバーの接合部や、洗面器、排水管、便器、ロータンク、浴槽などの水回り設備の水漏れ防止用パッキン、特に、強度等の物性の異なる材料間の接合部の防水用途に好適に使用できる。
【0048】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
【0049】
なお、これらの実施例の物性評価は以下の方法によって行った。
(1)材料の硬度
JIS K6301 Aタイプの評価法に準拠した。
【0050】
(2)圧縮永久歪み
JIS K6301に準拠し、100℃×22時間、25%変形後の歪残率で評価した。
【0051】
(3)MFR
JIS K7210の熱可塑性プラスチックの流れ試験方法に準拠し、230℃において評価した。
(実施例1)
(1)パッキン材料の調整
下記の原料を用いてパッキン材料を調整した。
【0052】
高分子有機材料 100重量部
(スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体:
分子量 200,000、SP値 8.5)
軟化剤:パラフィン系オイル 58重量部
(分子量1,500、SP値 7.8)
軟化剤:パラフィン系オイル 170重量部
(分子量750、SP値 7.8)
ポリフェニレンエーテル樹脂 10重量部
〔ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)〕
ポリプロピレン樹脂 13.1重量部
(アイソタクチックポリプロピレンM−1300、旭ポリプロ社製)
高級脂肪酸アミド 3.0重量部
(アーモスリップE、ライオン社製)
前記各原料をヘンシェルミキサーでよく混合し、この混合物を50mm径の二軸押出機にて240℃の条件下で溶融混練りして、熱可塑性材料のペレットを得た。
【0053】
この熱可塑性材料の硬度はJIS−Aにて0°、永久圧縮歪みは45%、MFRは300g/10分であった。
(2)パッキン材料の成形
この材料を射出成型機にて、携帯電話器のカバー接合部分の溝に充填されるように200〜250℃の温度条件で成型し、携帯電話器のカバーと一体成形されたパッキンを得た。
【0054】
かくして得られたパッキンを使用したところ、優れた密閉性と防塵性を示すことが確認された。
【0055】
また、この材料を射出成型機にて、200〜250℃の温度条件で成型し、Oリング状のパッキンを得た。
【0056】
かくして得られたパッキンを樹脂製のロータンクとセラミック製の便器の接合部分の水漏れ防止に使用したところ、優れた防水性を示し、形状追随性に優れることから、ロータンクの接合部分に過剰な応力がかからず、180日経過後も好ましい密閉性が維持されていることが確認された。
(実施例2)
(1)パッキン材料の調整
下記の原料を用いて実施例1と同様にしてパッキン材料を調整した。
【0057】
高分子有機材料 100重量部
(スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体:
分子量 200,000、SP値 8.5)
軟化剤:パラフィン系オイル 58重量部
(分子量1,500、SP値 7.8)
軟化剤:パラフィン系オイル 73重量部
(分子量750、SP値 7.8)
ポリフェニレンエーテル樹脂 10重量部
〔ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)〕
ポリプロピレン樹脂 13.1重量部
(アイソタクチックポリプロピレンM−1300、旭ポリプロ社製)
この熱可塑性材料の硬度はJIS−Aにて10°、永久圧縮歪みは30%、MFRは119g/10分であった。
(2)パッキン材料の成形
この材料を射出成型機にて、200〜250℃の温度条件で成型し、実施例1と同様にOリング状の防水用パッキンを得た。
【0058】
かくして得られたパッキンを実施例1と同様に使用したところ、優れた防水性を示し、形状追随性が良好で応力集中もみられず、180日経過後も好ましい密閉性が維持されていることが確認された。
(比較例1)
(1)パッキン材料の調整
下記の原料を用いて実施例1と同様にしてパッキン材料を調整した。
【0059】
高分子有機材料 100重量部
(スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体:
分子量 30,000、SP値 8.5)
軟化剤:パラフィン系オイル 58重量部
(分子量1,500、SP値 7.8)
軟化剤:パラフィン系オイル 73重量部
(分子量750、SP値 7.8)
ポリフェニレンエーテル樹脂 15重量部
〔ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)〕
ポリプロピレン樹脂 12重量部
(アイソタクチックポリプロピレンM−1300、旭ポリプロ社製)
この熱可塑性材料の硬度はJIS−Aにて5°、永久圧縮歪みは90%、MFRは300g/10分であった。
(2)パッキン材料の成形
この材料を射出成型機にて、200〜250℃の温度条件で成型し、実施例1と同様にOリング状の防水用パッキンを得た。
【0060】
かくして得られたパッキンを実施例1と同様に使用したところ、当初は優れた防水性を示したが、永久圧縮歪みが大きいため、経時的に変型し、180日後には接合部に水漏れが発生した。
(比較例
(1)パッキン材料の調整
下記の原料を用いて実施例1と同様にしてパッキン材料を調整した。
【0061】
高分子有機材料 100重量部
(スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体:
分子量 200,000、SP値 8.5)
軟化剤:パラフィン系オイル 58重量部
(分子量1,500、SP値 7.8)
軟化剤:パラフィン系オイル 73重量部
(分子量400、SP値 7.8)
ポリフェニレンエーテル樹脂 15重量部
〔ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)〕
ポリプロピレン樹脂 12重量部
(アイソタクチックポリプロピレンM−1300、旭ポリプロ社製)
この熱可塑性材料の硬度はJIS−Aにて8°、永久圧縮歪みは100%、MFRは200g/10分であった。
(2)パッキン材料の成形
この材料を射出成型機にて、200〜250℃の温度条件で成型し、実施例1と同様にOリング状の防水用パッキンを得た。
【0062】
かくして得られたパッキンを実施例1と同様に使用したところ、当初は優れた防水性を示したが、永久圧縮歪みが大きいため、経時的に変型し、180日後には接合部に水漏れが発生した。
【0063】
以上の実施例から明らかなように、本発明のパッキン材料は、他の樹脂材料と一体成形が可能であり、樹脂材料の嵌合部のパッキン材料として簡単に製造ができる。さらに、低硬度であり、高温時の圧縮永久歪みが低く、ブリードを抑制しうるため、特性の異なる材料間のパッキンとして用いても形状追随性に優れ、密閉性に優れ、且つ、応力集中が起こりにくく耐久性にも優れていた。
【0064】
一方、分子量の低い水添ブロック共重合体を高分子有機材料を用いて得られた比較例1及び添加する軟化剤として低分子量のパラフィン系オイルを用いて得られた比較例2は、いずれも低硬度であが、圧縮永久歪みが高く、本発明の範囲外であった。このパッキン材料は、経時的にへたりによってパッキンが変型し、密閉性を必要とするパッキン材料としては不適当であった。
【0065】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のパッキン材料は、小型電子機器のケースや水回り設備の接合と密閉に好適に使用され、適度な硬度を有し、高温時の圧縮永久歪みが低く、ブリードを抑制しうる。さらに、特性の異なる材料間のパッキンとして用いても形状追随性に優れるため過剰な応力集中もなく、密閉性が良好で、且つ、耐久性に優れるという優れた効果を奏する。

Claims (5)

  1. 分子内に結晶構造、凝集構造から選ばれる硬質ブロックを形成しやすい部分と、アモルファス構造である軟質ブロックとを併せもち、三次元連続の網状骨格構造を有し、数平均分子量が150,000〜400,000である高分子有機材料と数平均分子量が450〜5,000である軟化剤とを含む熱可塑性材料であって、硬度がJIS K6301規格Aスケールで0°〜25°であり、100℃における圧縮永久歪みがJIS K6301規格で50%以下であり、且つ、230℃におけるMFRがJIS K7210規格で10g/10分以上であることを特徴とするパッキン材料。
  2. 前記熱可塑性材料が、高分子有機材料100重量部と、軟化剤100〜500重量部と、を含み、
    前記高分子有機材料と前記軟化剤の各々の溶解度パラメーターの差が3.0以下であることを特徴とする請求項1記載のパッキン材料。
  3. 前記熱可塑性材料が、ポリフェニレンエーテルを10〜250重量部含んでなることを特徴とする請求項1又は2記載のパッキン材料。
  4. 前記高分子有機材料が、少なくとも1個のビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックと、少なくとも1個の共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックからなるブロック共重合体を水添して得られる水添ブロック共重合体であり、その平均分子量が150,000〜400,000であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のパッキン材料。
  5. 前記軟化剤が、ナフテン系オイル、パラフィン系オイル又はポリイソブチレン系オイルから選択される一種又は二種以上であり、その平均分子量が450〜5,000であることであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のパッキン材料。
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