JP3373833B2 - 樹脂組成物、ガスケット材及び金属一体型ガスケット - Google Patents

樹脂組成物、ガスケット材及び金属一体型ガスケット

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JP3373833B2 JP2000066201A JP2000066201A JP3373833B2 JP 3373833 B2 JP3373833 B2 JP 3373833B2 JP 2000066201 A JP2000066201 A JP 2000066201A JP 2000066201 A JP2000066201 A JP 2000066201A JP 3373833 B2 JP3373833 B2 JP 3373833B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴム弾性に優れる
とともに、オイル保持性が良く、低硬度で、かつ圧縮永
久歪みが小さいなどの性能と共に、金属との優れた接着
性を有し、ガスケット材、特に、金属一体型ガスケット
用ガスケット材に適した樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータ等の電子機器は高性
能化、小型化が進み、複雑な回路構成を有するようにな
っており、わずかな塵によっても障害が起こるため、実
用上、防塵の必要性が高まっており、ガスケットを使っ
て塵の侵入を防ぐことが一般に行われている。かかるガ
スケットは、低硬度熱可塑性エラストマーからなるガス
ケット材をケースの蓋等の金属部品の上に射出成形した
金属一体型ガスケットの形で多く用いられる。金属部品
と低硬度熱可塑性エラストマーとを一体化する方法とし
ては、従来、次のような方法が採られていたが、これら
の方法は何れも工程が複雑であり、製造コストを要する
ものである。 金属部品表面のエラストマーを射出成形する部位に、
予め接着剤を塗布しておく方法 金属部品のエラストマーを射出成形する部位に、予め
貫通孔や溝を設けておき射出成形部分を機械的に係止さ
せる方法 これら従来法の欠点に鑑み、金属部品との接着性に優
れ、複雑な工程を経ることなく、単に金属部品表面に射
出するだけで保持・一体化が可能な低硬度熱可塑性エラ
ストマーが求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
状況下で、ゴム弾性に優れ、オイル保持性が良く、低硬
度で、へたり性に優れ、かつ圧縮永久歪みが小さいなど
の、ガスケット材として要求される性能に優れると共
に、金属との接着性に優れ、金属一体型ガスケット用の
材料に適した樹脂組成物を提供することを目的とするも
のである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは先に、特定
の物性、割合の水添ブロック共重合体、非芳香族系ゴム
用軟化剤及びポリオレフィン系樹脂から構成されてい
る、ゴム弾性に優れ、オイル保持性が良く、低硬度で、
へたり性に優れ、かつ圧縮永久歪みが小さいガスケット
材を提案した(特願平11−344879)が、更に前
記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、当該先
行発明のポリオレフィン系樹脂に代えて変成ポリオレフ
ィン系樹脂を使用することにより、その目的を達成しう
ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完
成したものである。
【0005】すなわち、本発明は、(a)ビニル芳香族
化合物を主体とする重合体ブロックの少なくとも一つ
と、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックの少
なくとも一つからなるブロック共重合体に水素添加して
得られる水添ブロック共重合体であって、重量平均分子
量が20万以上であって、ビニル芳香族化合物を主体と
する重合体ブロックがスチレンであって、水添ブロック
共重合体中に占めるそのポリスチレン量比率が重量比率
で20〜40%である水添ブロック共重合体100重量
部、(b)40℃における動粘度が300mm−1
以上である非芳香族系ゴム用軟化剤100〜200重量
部、及び(c)変性ポリオレフィン系樹脂10〜50重
量部からなる熱可塑性エラストマー組成物であって、そ
の硬度がJIS K6253に準拠したタイプAデュロ
メーターで50°以下、JIS K6262に準拠して
測定した25%圧縮下で70℃、22時間放置した後の
圧縮永久歪み率が50%以下である樹脂組成物からなる
金属一体型ガスケット用ガスケット材である。本発明は
また、前記本発明のガスケット材を使用して成形してな
る金属一体型ガスケット、及び該金属一体型ガスケット
からなるハードディスク用ガスケットの発明をも含むも
のである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の樹脂組成物における
(a)成分の水添ブロック共重合体は、ビニル芳香族化
合物を主体とする重合体ブロックの少なくとも一つと、
共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックの少なく
とも一つからなるブロック共重合体に水素添加して得ら
れる水添ブロック共重合体であって、重量平均分子量が
20万以上であって、ビニル芳香族化合物を主体とする
重合体ブロックがスチレンであって、水添ブロック共重
合体中に占めるそのポリスチレン含有量が20〜40重
量%である水添ブロック共重合体であり、例えば、ポリ
ブタジエンとポリスチレンとのブロック共重合体、及び
ポリイソプレンとポリスチレンとのブロック共重合体、
あるいは、ポリブタジエン又はエチレン−ブタジエンラ
ンダム共重合体とポリスチレンとのブロック共重合体を
水添して得ることができ、特に、スチレン−ブタジエン
−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−
スチレンブロック共重合体、又はスチレン−ブタジエン
/イソプレン−スチレンブロック共重合体を水添して得
られる水添ブロック共重合体が好ましい。
【0007】本発明における(a)成分の水添ブロック
共重合体は、具体的には、結晶性ポリエチレンとポリス
チレンとのジブロック共重合体,スチレン−エチレン/
ブチレン−スチレンのトリブロック共重合体(SEB
S),スチレン−エチレン/プロピレン−スチレンのト
リブロック共重合(SEPS),スチレン−エチレンプ
ロピレン/エチレンブチレン−スチレンブロック共重合
体などを挙げることができるが、中でも、SEBS,S
EPS又はスチレン−エチレンプロピレン/エチレンブ
チレン−スチレンブロック共重合体が好ましい。これら
の水添ブロック共重合体の重量平均分子量は20万以上
であり、特に40〜70万が好ましい。この重量平均分
子量が20万未満であると、軟化剤のブリードが著し
く、圧縮永久歪みが大きく、実際の使用には耐えないと
いう不都合が生じる。上記水添ブロック共重合体の(非
晶質)スチレンブロックの含有量は、20〜40重量%
である。この含有量が20重量%未満では、圧縮永久歪
が大きくなり、40重量%を超えると硬度が高くなりす
ぎる。
【0008】(非晶質)スチレンブロック部のガラス転
移温度(Tg)は、60℃以上、好ましくは80℃以上
であるものが望ましい。また、両末端の非晶質スチレン
ブロックを連結する部分の重合体としては、やはり非晶
質のものが好ましく、例えば、エチレン−ブチレン共重
合体、ブタジエン重合体,イソプレン重合体等の水添物
を挙げることができ、これらのブロックあるいはランダ
ム共重合体であってもよい。なお、これらの水添ブロッ
ク共重合体は主に単独で用いられるが、二種以上をブレ
ンドして用いてもよい。分子量やスチレン量の異なる2
種類以上の共重合体をブレンドすることにより成形時の
流動性を改良できる。これら水添ブロック共重合体は、
(株)クラレ製セプトン(商品名),シェル化学(株)
製クレイトンG(商品名),旭化成(株)製タフテック
(商品名)等として市販されているものから容易に入手
できるものである。
【0009】本発明の樹脂組成物における(b)成分の
非芳香族系ゴム用軟化剤は、本発明の樹脂組成物を低硬
度化する為に配合するものであり、40℃におけ動粘
度が300mm−1以上のものを使用する。この軟
化剤の40℃における動粘度が300mm−1未満
であると、揮発による組成物の重量減やブリードが著し
く、実際の使用に耐えないという不都合が生じる。この
動粘度は、実用上及び製造上の点から、40℃において
300〜10000mm−1であることが好まし
く、特に300〜5000mm−1が好ましい。ま
た、分子量の観点からは、重量平均分子量は20000
未満、特に10000以下、とりわけ5000以下であ
るものが好ましい。このような軟化剤としては、通常、
室温で液体または液状のものが好適に用いられる。この
ような性状を有する軟化剤としては、例えば鉱物油系,
植物油系,合成系などの各種非芳香族系ゴム用軟化剤の
中から適宜選択することができる。ここで、鉱物油系と
しては、ナフテン系,パラフィン系などのプロセス油が
挙げられ、植物油系としては、ひまし油,綿実油,あま
に油,なたね油,大豆油,パーム油,梛子油,落花生
油,木ろう,パインオイル,オリーブ油などが挙げられ
る。なかでも、特に鉱物油系のパラフィン系オイル,ナ
フテン系オイル又は合成系のポリイソブチレン系オイル
から選択される一種又は二種以上であって、その数平均
分子量が450〜5000であるものが好ましい。
【0010】なお、これらの軟化剤は一種を単独で用い
てもよく、互いの相溶性が良好であれば二種以上を混合
して用いてもよい。これらの軟化剤の配合量は、前記
(a)成分100重量部に対し、100〜200重量部
であるが、好ましくは100〜150重量部である。こ
の配合量が100重量部未満では充分な低硬度化が達成
できず熱可塑性材料の柔軟性が不充分となるおそれがあ
り、また200重量部を超えると軟化剤がブリードしや
すくなり、かつ熱可塑性材料の機械的強度が低下する原
因となる。なお、この軟化剤の配合量は、(a)成分の
水添ブロック共重合体の分子量及び該水添ブロック共重
合体に添加される他の成分の種類に応じて、上記範囲で
適宜選定することが好ましい。これらの軟化剤は、出光
興産(株)製ダイアナプロセスオイルシリーズ(商品
名)、日本サン石油(株)製サンバーシリーズ(商品
名),サンセンシリーズ(商品名)、三井化学(株)製
ルーカントシリーズ(商品名)等として市販されている
ものから容易に入手できるものである。
【0011】本発明の樹脂組成物における(c)成分の
変成ポリオレフィン系樹脂は、加工性、耐熱特性の向上
を図ると共に、金属との接着性を向上させる為に配合す
るものである。この、変性される、ポリオレフィン系樹
脂としては、ポリプロピレンを主体としたものが好まし
く、アイソタクティックポリプロピレン,プロピレンと
他の少量のα−オレフィンとの共重合体(例えば、プロ
ピレン−エチレン共重合体,プロピレン/4−メチル−
1−ペンテン共重合体)などを挙げることができる。ポ
リオレフィン系樹脂としてアイソタクティックポリプロ
ピレンの共重合体を用いる場合、そのMFR(JIS
K7210に準拠、230℃、2.16kg荷重下)が
0.1g/10分以上、特に0.5g/10分以上の範囲の
ものが好適に使用できる。
【0012】変成ポリオレフィン系樹脂は、かかるポリ
オレフィン系樹脂に官能基を有する重合性化合物を重合
させたものであるが、特に、赤外線吸収スペクトルの波
数1500〜2000cm-1に吸収帯を持つ官能基を有
するポリオレフィン系樹脂が好ましい。すなわち、「高
分子分析ハンドブック」(紀伊国屋書店)によれば、プ
ラスチック、ゴムなどの高分子材料の赤外線分析の「定
性分析への応用」として、高分子組成物に特有な「特性
吸収帯」があり、1550〜1950cm-1の範囲にお
いてポリマーの官能基に特徴的な吸収帯があることが判
っている。例えば、「ケトン、アルデヒド、アミドなど
のカルボニル基による」吸収が「1700cm-1付近に
現れ」、「エステル、酸塩化物、酸無水物の場合には、
より高波数側の1850〜1725cm-1付近に吸収が
現われ」、「解離したカルボン酸の場合には1610〜
1550cm-1」に吸収帯があると記載されている。更
に、詳しく「1750〜1720cm-1領域にカルボニ
ルに特有の」吸収があることも記載されている。また、
無水マレイン酸をグラフトしたポリプロピレンの赤外線
吸収スペクトルに関して特に「無水マレイン酸のC=O
伸縮振動が1785および1860cm-1付近に現われ
る」旨記載されている。一方、該ハンドブックに記載さ
れている純粋なポリプロピレンの赤外線吸収スペクトル
には、この領域(1550〜1950cm-1)に赤外線
の吸収がない。本発明者らは、鋭意研究の結果、150
0〜2000cm-1の領域に吸収帯をもつ官能基(無水
マレイン酸、アクリル酸、アミド、カルボン酸エステル
など)を有するポリオレフィン系樹脂が前記(c)成分
として、好ましいことを発見した。
【0013】この、1500〜2000cm−1の領域
に吸収帯をもつ官能基としては、不飽和カルボン酸、特
に無水マレイン酸、アクリル酸などの状態であるものが
より好ましく、酸エステルになっているものよりも良好
な接着性を示す。このような官能基を有するポリオレフ
ィン系樹脂としては、例えば、三井デュポンポリケミカ
ル(株)製ニュクレルシリーズ(商品名),三洋化成
(株)製ユーメックスシリーズ(商品名),エクソン化
学(株)製エクセラーシリーズ(商品名),ユニロイヤ
ル(株)製ポリボンドシリーズ(商品名),三井化学
(株)製アドマーシリーズ(商品名)等として市販され
ているものを利用できる。また、変成率(重量%:ポリ
プロピレン100重量部に対して使用する変成剤の重量
部)は、十分な接着性を得るためには、1重量%以上が
好ましい。また、(c)成分の配合量は、前記(a)成
分100重量部に対し、10〜50重量部であるが、好
ましくは10〜30重量部である。この配合量が10重
量部以下では、必要な接着性は得られず、50重量部を
超えると得られる熱可塑性材料の硬度が高くなり過ぎ
る。これらの成分(a)、(b)及び(c)からなる本
発明の樹脂組成物は、硬度がJIS K6253に準拠
したタイプAデュロメーターで50°以下で、JIS
K6262に準拠して測定した25%圧縮下で70℃、
22時間放置した後の圧縮永久歪み率が50%以下のも
のであり、これらの条件が満たされない場合は、ガスケ
ット材としての使用に適さないものとなる。
【0014】本発明の樹脂組成物においては、該材料の
加工性、耐熱性の向上を図るために、上記(c)成分に
ポリスチレン樹脂を併用することができる。ポリスチレ
ン樹脂としては、公知の製造方法で得られたものであれ
ば、ラジカル重合法、イオン重合法のいずれで得られた
ものも好適に使用できる。ポリスチレン樹脂の数平均分
子量は、好ましくは5000〜500000、より好ま
しくは10000〜200000の範囲から選択でき、
分子量分布〔重量平均分子量(Mw)と数平均分子量
(Mn)との比(Mw/Mn)〕は5以下のものが好ま
しい。このポリスチレン樹脂としては、例えば、ポリス
チレン、スチレン単位含有量60重量%以上のスチレン
−ブタジエンブロック共重合体、ゴム補強ポリスチレ
ン、ポリα−メチルスチレン、ポリp−t−ブチルスチ
レンなどが挙げられ、これらは一種または二種以上を併
用してもよい。さらに、これらポリマーを構成するモノ
マーの混合物を重合して得られる共重合体も用いること
ができる。本発明の樹脂組成物において、(c)成分に
ポリスチレン樹脂を併用すると、ポリスチレン樹脂を併
用しない場合と比較して、得られる材料の硬度が高くな
る傾向にある。したがって、これらの配合比率を選択す
ることにより、得られる熱可塑性材料の硬度を調整する
こともできる。この場合、変性ポリオレフィン系樹脂/
ポリスチレン樹脂の比率は95/5〜5/95(重量
比)の範囲から選択することが好ましい。
【0015】本発明において、多量の軟化剤とより少な
い量の高分子有機材料を含む樹脂組成物を得るために
は、用いる軟化剤と水添ブロック共重合体を構成してい
る共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックの各々
の溶解度パラメーター値δ=(ΔE/V)1/2 (ΔE=
モル蒸発エネルギー,V=モル体積)の差が3.0以下、
好ましくは2.5以下、さらに好ましくは1.0以下となる
ように、両成分を選択することが好ましい。この差が
3.0を超えると両材料の相溶性の点から、軟化剤が多量
に保持されにくく、得られる樹脂組成物の低硬度化の障
害となり、また、軟化剤のブリードが発生しやすくなる
ため好ましくない。また、本発明の樹脂組成物には、圧
縮永久歪みを改善するなどの目的で、所望によりポリフ
ェニレンエーテル樹脂を配合することができる。ここで
用いられるポリフェニレンエーテル樹脂は、下記一般式
で表される繰り返し単位からなる単独重合体又は該繰り
返し単位を含む共重合体である。
【0016】
【化1】
【0017】(式中、R1 ,R2 ,R3 及びR4 はそれ
ぞれ独立に、水素原子,ハロゲン原子又は炭化水素基を
表す。) このポリフェニレンエーテル樹脂としては公知のものを
用いることができ、具体的には、ポリ(2,6−ジメチ
ル−1,4−フェニレンエーテル),ポリ(2−メチル
−6−エチル−1,4−フェニレンエーテル),ポリ
(2,6−ジフェニル−1,4−フェニレンエーテ
ル),ポリ(2−メチル−6−フェニル−1,4−フェ
ニレンエーテル),ポリ(2,6−ジクロロ−1,4−
フェニレンエーテル)などが挙げられ、また、2,6−
ジメチルフェノールと1価のフェノール類(例えば、
2,3,6−トリメチルフェノールや2−メチル−6−
ブチルフェノール)との共重合体の如きポリフェニレン
エーテル共重合体も用いることができる。なかでも、ポ
リ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)
や2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチ
ルフェノールとの共重合体が好ましく、さらに、ポリ
(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)が
好ましい。
【0018】ポリフェニレンエーテル樹脂の配合量は、
(a)、(b)、(c)成分の合計量100重量部に対
して10〜250重量部の範囲で好適に選択することが
できる。この配合量が250重量部を超えると樹脂組成
物の硬度が高くなるおそれがあり、10重量部未満では
配合して得られる圧縮永久歪みの改善効果が不十分であ
るため、いずれも好ましくない。
【0019】また、本発明の樹脂組成物には、クレー,
珪藻土,タルク,硫酸バリウム,炭酸カルシウム,炭酸
マグネシウム,金属酸化物,マイカ,グラファイト,水
酸化アルミニウムなどのりん片状無機系添加剤、各種の
金属粉,ガラス粉,セラミックス粉,粒状あるいは粉末
ポリマー等の粒状あるいは粉末状固体充填剤,その他の
各種の天然または人工の短繊維,長繊維(例えば、ガラ
スファイバー,金属ファイバー、その他各種のポリマー
ファイバー等)などを、配合することができる。また、
中空フィラー、例えば、ガラスバルーンなどの無機中空
フィラー、ポリフッ化ビニリデン,ポリフッ化ビニリデ
ン共重合体などからなる有機中空フィラーを配合するこ
とにより、軽量化を図ることができる。更に軽量化など
の各種物性の改善のために、各種発泡剤を混入すること
も可能であり、また、混合時等に機械的に気体を混ぜ込
むことも可能である。
【0020】また、他の添加剤として、必要に応じて、
難燃剤,抗菌剤,ヒンダードアミン系光安定剤,紫外線
吸収剤,酸化防止剤,着色剤,クマロン樹脂,クマロン
−インデン樹脂,フェノールテルペン樹脂,石油系炭化
水素,ロジン誘導体などの各種粘着付与剤(タッキファ
イヤー)、レオストマーB(商品名:理研ビニル社製)
などの各種接着剤性エラストマー、ハイブラー(商品
名:クラレ社製、ビニル−ポリイソプレンブロックの両
末端にポリスチレンブロックが連結したブロック共重合
体)、ノーレックス(商品名:日本ゼオン社製、ノルボ
ルネンを開環重合して得られるポリノルボルネン)など
の他の熱可塑性エラストマー又は樹脂などを併用するこ
とができる。
【0021】本発明の樹脂組成物の製造方法は、特に限
定されず、公知の方法を適用することができる。例え
ば、前記の各成分及び所望により用いられる添加剤成分
を加熱混練機、例えば、一軸押出機,二軸押出機,ロー
ル,バンバリーミキサー,プラベンダー,ニーダー,高
剪断型ミキサーなどを用いて溶融混練りし、さらに、所
望により有機パーオキサイドなどの架橋剤、架橋助剤な
どを添加したり、又は、これら必要な成分を同時に混合
し、加熱溶融混練りすることにより、容易に製造するこ
とができる。また、高分子有機材料と軟化剤とを混練り
した熱可塑性材料を予め用意し、この材料を、ここに用
いたものと同種か若しくは種類の異なる一種以上の高分
子有機材料に更に混ぜ合わせて製造することもできる。
さらに、本発明の樹脂組成物においては、有機パーオキ
サイドなどの架橋剤,架橋助剤などを添加して架橋する
ことも可能である。
【0022】ここで、部分架橋のために添加し得る架橋
剤としては、有機パーオキサイドが好適に挙げられ、具
体的には、例えば、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t
−ブチルパーオキシ)−ヘキサン;2,5−ジメチル−
2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)−ヘキサン;t−
ブチルパーオキシベンゾエート;ジクミルパーオキサイ
ド;t−ブチルクミルパーオキサイド;ジイソプロピル
ベンゾハイドロパーオキサイド;1,3−ビス−(t−
ブチルパーオキシイソプロピル)−ベンゼン;ベンゾイ
ルパーオキサイド;1,1−ジ(t−ブチルパーオキ
シ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンなどが挙
げられ、また、有用な架橋助剤としては、例えば、ジビ
ニルベンゼン,トリメチロールプロパントリアクリレー
ト,エチレンジメタクリレート,ジアリルフタレート,
キノンジオキシム,フェニレンビスマレイミド,ポリエ
チレングリコールジメタクリレートなどが挙げられる。
これら有機パーオキサイド及び架橋助剤は、配合材料全
体を100重量部としたとき、0.1〜5重量部の範囲
で、任意に使用して架橋度を調整することができる。こ
れらの有機パーオキサイド及び架橋助剤は、必要に応じ
てそれぞれ二種以上を併用することもできる。なお、架
橋助剤として不飽和シラン化合物を使用した場合には、
さらにシラノール縮合触媒の存在下で水分と接触させて
架橋を進行させることができる。
【0023】かくして得られた本発明の樹脂組成物は、
公知の方法、例えば射出成形や押出成形などにより所望
の形状に成型してガスケット材として使用することがで
きる。特に、金属との接着性に優れているため、ケース
の蓋等の金属部品と一体となった、金属一体型ガスケッ
トを、金属部品表面に、予め接着剤を塗布したり貫通孔
や溝を設けることなく、製造することができる。本発明
の樹脂組成物は、特に、高い防塵性を要求されるハード
ディスクドライブ用のガスケット材として好適に用いら
れるが、その他にも、通常のガスケット材、パッキング
材として、気密性が要求される部位のいずれにも好適に
使用することができる。
【0024】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定され
るものではない。なお、以下の実施例及び比較例におけ
る物性評価は、下記の方法により行った。 (1)硬度 JIS K6253に準拠し、タイプAデュロメーター
で測定した。 (2)圧縮永久歪み JIS K6262に準拠し、25%圧縮下で70℃、
22時間放置した後の圧縮永久歪みを測定した。 (3)金属への接着性 図1に示したように、アルミプレート1上にガスケット
2が形成された、金属一体型ガスケットを成形した。即
ち、表面離型処理した金型内に、予めプレス加工した1
辺25mm×40mm、厚さ1mmの長方形のアルミプ
レートを設置し、その表面に樹脂組成物を、射出温度2
00℃、射出サイクル20秒の条件で射出して、幅1m
m、高さ1mmで1辺15mm×30mmの□形状の樹
脂成形体(ガスケット)をアルミプレート上に形成し
た。その射出操作における脱型(金型を開いて成形物を
取り出す操作)の際の樹脂成形体の状況により、次の基
準で評価した。 ◎:脱型の際に、樹脂成形体はアルミプレートから全く
剥離しない。 ○:脱型の際に、50%以下の確率ではあるが、樹脂成
形体がアルミプレートから剥離することがある。 ×:脱型の際に、樹脂成形体がアルミプレートから剥離
したり、所定の位置からずれたりする。
【0025】実施例1〜4及び比較例1、2 (1)熱可塑性材料の調製 第1表に示した配合からなる各成分を充分に混練して熱
可塑性樹脂のサンプルを調製し、物性の評価を行った。
その結果、第1表から明らかなように、実施例1〜3の
熱可塑性樹脂では金属との接着性は良好であったが、実
施例4の熱可塑性樹脂では金属との接着性が多少劣り、
比較例1、2の熱可塑性樹脂では金属との接着性は低
く、実用に耐えないものであることが、観測された。
【0026】
【表1】
【0027】A−1:重量平均分子量が35万で、ポリ
スチレン含有量30重量%の以上のSEPS A−2:重量平均分子量が15万で、ポリスチレン含有
量30重量%の以上のSEPS B−1:40℃における動粘度が380mm2 -1のパ
ラフィン系オイル C−1:変性率5重量%の無水マレイン酸変性ポリプロ
ピレン C−2:変性率0.5重量%の無水マレイン酸変性ポリ
プロピレン C−3:無変性のポリプロピレン
【0028】
【発明の効果】本発明樹脂組成物は、ゴム弾性に優れ
るとともに、オイル保持性が良く、低硬度で、かつ圧縮
永久歪みが小さいなどの性能と共に、金属との優れた接
着性を有し、ガスケット材、特に、金属一体型ガスケッ
トを、金属部品表面に予め接着剤を塗布したり貫通孔や
溝を設けるような複雑な工程を経ることなく、通常の射
出成形により製造することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 金属への接着性試験の為に製造した、金属一
体型ガスケットを示す斜視図である。
【符号の説明】
1:アルミプレート 2:ガスケット(樹脂成形体)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宇都宮 忠 神奈川県鎌倉市小町2−20−24 (56)参考文献 特開 平9−316285(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 53/02 C08L 23/26 C08L 91/00 F16J 15/06 F16J 15/10

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)ビニル芳香族化合物を主体とする
    重合体ブロックの少なくとも一つと、共役ジエン化合物
    を主体とする重合体ブロックの少なくとも一つからなる
    ブロック共重合体に水素添加して得られる水添ブロック
    共重合体であって、重量平均分子量が20万以上であっ
    て、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックが
    スチレンであって、水添ブロック共重合体中に占めるそ
    のポリスチレン含有量が20〜40重量%である水添ブ
    ロック共重合体100重量部、(b)40℃における動
    粘度が300mm−1以上である非芳香族系ゴム用
    軟化剤100〜200重量部、及び(c)変性ポリオレ
    フィン系樹脂10〜50重量部からなる熱可塑性エラス
    トマー組成物であって、その硬度がJIS K6253
    に準拠したタイプAデュロメーターで50°以下、JI
    S K6262に準拠して測定した25%圧縮下で70
    ℃、22時間放置した後の圧縮永久歪み率が50%以下
    であることを特徴とする樹脂組成物からなる金属一体型
    ガスケット用ガスケット材
  2. 【請求項2】 (c)変性ポリオレフィン系樹脂が、そ
    の赤外線吸収スペクトルの波数1500〜2000cm
    −1に吸収帯を持つ官能基を有するポリオレフィン系樹
    脂であることを特徴とする請求項1に記載の金属一体型
    ガスケット用ガスケット材
  3. 【請求項3】 (c)変性ポリオレフィン系樹脂が、ポ
    リプロピレンを主成分とするポリオレフィン系樹脂を不
    飽和カルボン酸類で変性した樹脂であることを特徴とす
    る請求項2に記載の金属一体型ガスケット用ガスケット
  4. 【請求項4】 不飽和カルボン酸類が、無水マレイン酸
    であることを特徴とする請求項3に記載の金属一体型ガ
    スケット用ガスケット材
  5. 【請求項5】 請求項1〜4の何れかに記載されたガス
    ケット材を使用して成形してなることを特徴とする金属
    一体型ガスケット。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載された金属一体型ガスケ
    ットからなることを特徴とするハードディスク用ガスケ
    ット。
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