JP2021082804A - 半導体モジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】小型で放熱性能の高い半導体モジュールを提供する。【解決手段】半導体モジュール101は、互いに平行な2つの放熱面1a,1bを有する半導体素子1と、半導体素子1の第1放熱面1aに対向して設けられ第1放熱面1a側に配置された冷却部としての冷却器130に第1放熱面1aの熱を放熱するための下部放熱部材110と、半導体素子1の第2放熱面1bの熱を冷却部130に放熱するための上部放熱部材120と、を備え、上部放熱部材120は、第1方向Yについて半導体素子1と対向するように設けられた第1熱伝導部121と、第2方向Zについて半導体素子1と対向するように設けられた第2熱伝導部122と、を有し、第1熱伝導部121を通る第1放熱経路R1と第2熱伝導部122を通る第2放熱経路R2のそれぞれを通じて半導体素子1の第2放熱面1bの熱を冷却部130まで伝えるように構成されている。【選択図】図1
Description
本発明は、半導体モジュールに関する。
従来、電気自動車やハイブリッド自動車等には、車両走行用のモータを駆動させるために、バッテリからの直流電力を交流電力に変換する電力変換装置が搭載されている。下記特許文献1には、この種の電力変換装置を構成する半導体モジュールが開示されている。
この半導体モジュールは、半導体チップである半導体素子の放熱のために、半導体素子の下面側に設けられた下側部材と、半導体素子の上面側に下側部材を跨ぐように設けられた上側部材と、を備えている。この半導体モジュールは、下側部材及び上側部材のそれぞれを介して半導体素子の下方に配置された放熱部材まで放熱経路が形成されるように構成されている。本構成によれば、半導体素子で生じた熱は、下側部材の放熱経路を放熱部材に向けて下向きに流れる一方で、上側部材の放熱経路を側方に流れたのち方向を変えて放熱部材に向けて下向きに流れる。
上記半導体モジュールにおいて、上側部材のうち放熱部材に向けて下向きの放熱経路を形成する熱伝導部は、半導体素子の平面の法線方向に垂直な一方向である幅方向に設けられている。即ち、上側部材の熱伝導部は、半導体素子の幅方向の両側にのみ設けられている。このため、半導体素子の放熱性能を高めるべく上側部材の熱伝導部を幅方向に拡張すると、幅方向の寸法の増加よって半導体モジュールが大型化する要因に成り得る。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、小型で放熱性能の高い半導体モジュールを提供しようとするものである。
本発明の一態様は、
互いに平行な2つの放熱面(1a,1b)を有する半導体素子(1)と、
上記半導体素子の第1放熱面(1a)に対向して設けられ上記第1放熱面側に配置された冷却部(130)に上記第1放熱面の熱を放熱するための第1放熱部材(110)と、
上記半導体素子の第2放熱面(1b)の熱を上記冷却部に放熱するための第2放熱部材(120,220,320,420,520,620,720,820,920)と、
を備え、
上記第2放熱部材は、上記半導体素子の上記2つの放熱面の法線方向(X)に直交する方向であって互いに交差する方向を第1方向(Y)及び第2方向(Z)としたとき、上記第1方向について上記半導体素子と対向するように設けられた第1熱伝導部(121)と、上記第2方向について上記半導体素子と対向するように設けられた第2熱伝導部(122)と、を有し、上記第1熱伝導部を通る第1放熱経路(R1)と上記第2熱伝導部を通る第2放熱経路(R2)のそれぞれを通じて上記半導体素子の上記第2放熱面の熱を上記冷却部まで伝えるように構成されている、半導体モジュール(101,201,301,401,501,601,701,801,901)、
にある。
互いに平行な2つの放熱面(1a,1b)を有する半導体素子(1)と、
上記半導体素子の第1放熱面(1a)に対向して設けられ上記第1放熱面側に配置された冷却部(130)に上記第1放熱面の熱を放熱するための第1放熱部材(110)と、
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を備え、
上記第2放熱部材は、上記半導体素子の上記2つの放熱面の法線方向(X)に直交する方向であって互いに交差する方向を第1方向(Y)及び第2方向(Z)としたとき、上記第1方向について上記半導体素子と対向するように設けられた第1熱伝導部(121)と、上記第2方向について上記半導体素子と対向するように設けられた第2熱伝導部(122)と、を有し、上記第1熱伝導部を通る第1放熱経路(R1)と上記第2熱伝導部を通る第2放熱経路(R2)のそれぞれを通じて上記半導体素子の上記第2放熱面の熱を上記冷却部まで伝えるように構成されている、半導体モジュール(101,201,301,401,501,601,701,801,901)、
にある。
上記態様の半導体モジュールにおいて、半導体素子の第1放熱面の熱は第1放熱部材を第1放熱面に対向する冷却部に向けて流れることによって放熱され、半導体素子の第2放熱面の熱は第2放熱部材を冷却部に向けて流れることによって放熱される。第2放熱部材は、半導体素子の放熱面の法線方向に直交する第1方向について半導体素子と対向するように設けられた第1熱伝導部と、半導体素子の放熱面の法線方向に直交し且つ第1方向と交差する第2方向について半導体素子と対向するように設けられた第2熱伝導部と、を有する。即ち、第2放熱部材において冷却部に熱を伝えるための熱伝導部が半導体素子に対して少なくとも二方向に設けられている。
このとき、半導体素子の第1放熱面の熱は、第1放熱部材を通り形成される放熱経路を通じて冷却器まで伝わる。これに対して、半導体素子の第2放熱面の熱は、第2放熱部材の第1熱伝導部を通り形成される第1放熱経路を通じて冷却部まで伝わり、且つ第2放熱部材のうち第1熱伝導部とは別位置にある第2熱伝導部を通り形成される第2放熱経路を通じて冷却部まで伝わる。これにより、半導体素子を両面から冷却することができ、第2放熱部材が第1熱伝導部と第2熱伝導部のいずれか一方のみを有する場合に比べて、放熱経路が形成される領域を増やすことができる。その結果、第2放熱部材を第1方向または第2方向に拡張して半導体モジュールを大型化することなく半導体素子の放熱性能を高めることが可能になる。
以上のごとく、上記態様によれば、小型で放熱性能の高い半導体モジュールを提供することができる。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
以下、電力変換装置を構成する半導体モジュールの実施形態について、図面を参照しつつ説明する。この電力変換装置は、典型的には、電気自動車やハイブリッド車等の車両に搭載され、直流電力と交流電力との間で電力変換を行う車載用電力変換装置として構成される。
なお、本明細書では、特に断わらない限り、半導体モジュールの厚み方向を矢印Xで示し、厚み方向と直交する第1方向を矢印Yで示し、厚み方向X及び第1方向Yの双方に直交する第2方向を矢印Zで示すものとする。
また、電力変換装置はその搭載位置等に影響に応じて姿勢が変化するため、電力変換装置の上下については特に限定されないが、以下では、説明の便宜上、図2及び図3の上方を電力変換装置の上方とし、図2及び図3の下方を電力変換装置の下方とする。
(実施形態1)
図1〜図3に示されるように、電力変換装置100は、実施形態1の半導体モジュール101と、冷却部としての冷却器130と、を含む複数の要素を備え、これら複数の要素をケース(図示省略)の内部空間に収容するように構成されている。
図1〜図3に示されるように、電力変換装置100は、実施形態1の半導体モジュール101と、冷却部としての冷却器130と、を含む複数の要素を備え、これら複数の要素をケース(図示省略)の内部空間に収容するように構成されている。
半導体モジュール101は、半導体素子1と、本体部2と、正極端子3Pと、負極端子3Nと、制御端子4と、第1放熱部材としての下部放熱部材110と、第2放熱部材としての上部放熱部材120と、を備えている。この半導体モジュール101において、半導体素子1と、2つの放熱部材110,120は、樹脂材料からなる本体部2に封止されている。
半導体素子1は、矢印Xで示される方向を厚み方向とした略平板状であり、厚み方向Xから見たときの形状が略矩形をなすように構成されている。この半導体素子1は、互いに平行な2つの放熱面1a,1bを有する。この半導体素子1は「スイッチング素子」、「半導体チップ」とも称呼される。この半導体素子1として典型的には、IGBT(すなわち、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)、MOSFET(すなわち、MOS型電界効果トランジスタ)等の任意の半導体素子が使用される。
ここで、半導体素子1の厚み方向Xは、2つの放熱面1a,1bの法線方向でもある。また、第1方向Y及び第2方向Zはいずれも厚み方向Xに直交する方向であり、これら第1方向Y及び第2方向Zは互いに直交する(交差する)方向である。
正極端子3Pは、半導体素子1を後述の電源(図5中の「電源B」を参照)の正極側に電気的に接続するために本体部2から突出した金属製の端子であり、負極端子3Nは、半導体素子1をこの電源の負極側に電気的に接続するために本体部2から突出した金属製の端子である。制御端子4は、半導体素子1を制御回路基板(図示省略)に電気的に接続するために本体部2から突出した金属製の端子である。
冷却器130は、半導体素子1の第1放熱面1aに対向して設けられている。この冷却器130は、熱伝導性の高い金属部材によって構成されており、複数の放熱フィン131(図2及び図3を参照)を備えている。なお、必要に応じて冷却器130に冷媒流路を設け、この冷媒流路を流れる冷媒を利用して冷却性能を強化するようにしてもよい。
下部放熱部材110は、半導体素子1の第1放熱面1aに対向して設けられ、第1放熱面1a側に配置された冷却器130に第1放熱面1aの熱を放熱する機能を果たす部材である。上部放熱部材120は、半導体素子1の第2放熱面1bの熱を冷却器130に放熱する機能を果たす部材である。これら2つの放熱部材110,120は、熱伝導性の高いアルムニウム等の金属材料によって構成されており、「ヒートシンク」とも称呼される。
図2及び図3に示されるように、半導体素子1の第1放熱面1aと下部放熱部材110との間には、両者を接合するはんだ5が介在している。同様に、半導体素子1の第2放熱面1bと上部放熱部材120との間には、両者を接合するはんだ5が介在している。また、2つの放熱部材110,120と冷却器130との間には共通の放熱面を構成する電気絶縁板6が介装されている。これにより、2つの放熱部材110,120は、冷却器130に対する電気絶縁が担保されている。この場合、2つの放熱部材110,120は、電気絶縁板6を隔てて冷却器130に間接的に接合されている。電気絶縁板6として、典型的には、熱伝導性を有し且つ電気絶縁性を有するセラミック等の素材からなる部材を採用することができる。
図1に示されるように、上部放熱部材120は、半導体素子1の第2放熱面1bに対向してこの第2放熱面1bに沿って延在する天板部120aと、第1方向Yについて半導体素子1と対向するように設けられた2つの第1熱伝導部121と、第2方向Zについて半導体素子1と対向するように設けられた1つの第2熱伝導部122と、を有する。天板部120aは、厚み方向Xから見たとき半導体素子1と重なるように配置されている。2つの第1熱伝導部121と1つの第2熱伝導部122の3つは互いに離間して配置されている。本実施形態では、上部放熱部材120は、これら第1熱伝導部121及び第2熱伝導部122が天板部120aを介して一体化された一部品として構成されている。
上部放熱部材120の天板部120aは、半導体素子1の第2放熱面1bからの受熱を効率よく行うために、第1方向Y及び第2方向Zのいずれについてもその寸法が半導体素子1の寸法以上であるのが好ましい。また、上部放熱部材120における放熱性能の向上のために、第1熱伝導部121の第2方向Zの寸法が半導体素子1の第2方向Zの寸法以上であり、第2熱伝導部122の第1方向Yの寸法が半導体素子1の第1方向Yの寸法以上であるのが好ましい。
なお、必要に応じて、第1熱伝導部121及び第2熱伝導部122を天板部120aとは別体とし、組付け時に天板部120aに熱伝導可能に接合されるようにしてもよい。或いは、天板部120aの一部を第1熱伝導部121及び第2熱伝導部122のそれぞれに統合することによって、上部放熱部材120が第1熱伝導部121及び第2熱伝導部122のみからなるようしてもよい。
この上部放熱部材120は、天板部120aから各第1熱伝導部121を通る第1放熱経路R1と天板部120aから第2熱伝導部122を通る第2放熱経路R2のそれぞれを通じて半導体素子1の第2放熱面1bの熱を冷却器30まで伝えるように構成されている。半導体素子1の発熱時に第1放熱経路R1及び第2放熱経路R2のそれぞれに冷却器30に向かう熱流れが生じる。
図2及び図4に示されるように、第1放熱経路R1は、上部放熱部材120の天板部120aを第1方向Yへ移動した熱が方向転換して各第1熱伝導部121を冷却器30に向けて下向きに流れる放熱経路である。これに対して、図3及び図4に示されるように、第2放熱経路R2は、上部放熱部材120の天板部120aを第2方向Zへ移動した熱が方向転換して各第1熱伝導部121を冷却器30に向けて下向きに流れる放熱経路である。このように、第1放熱経路R1及び第2放熱経路R2はいずれも、半導体素子1の第2放熱面1bから熱がUターンするようにして逆方向に流れる経路であり、この点で、後述する、直線状に延びる放熱経路Sと相違している。
図2及び図3に示されるように、下部放熱部材110は、厚み方向Xから見たとき半導体素子1と重なるように配置されており、冷却器30に向かう放熱経路Sを通じて半導体素子1の第1放熱面1aの熱を冷却器30まで伝えるように構成されている。放熱経路Sは、下部放熱部材110を冷却器30に向けて下向きに直線状に流れる放熱経路である。下部放熱部材110は、半導体素子1の第1放熱面1aからの受熱を効率よく行うために、第1方向Y及び第2方向Zのいずれについてもその寸法が半導体素子1の寸法以上であるのが好ましい。
なお、本明細書の説明のための図面では、説明の便宜上、上記の放熱経路R1,R2,Sを1つの線で示している。実際には、放熱経路R1,R2,Sの熱流れは各放熱部材の広範囲にわたり生じ得る。例えば、上部放熱部材120において、第1放熱経路R1は第1熱伝導部121に第2方向Zへ広がるように形成され、第2放熱経路R2は第2熱伝導部122に第1方向Yへ広がるように形成される。
図5に示されるように、電力変換装置100のインバータ回路は、電源Bの正極側と負極側との間に並列接続された3相(U相、V相、W相)のレグを備える。各レグにおいて、2つの半導体モジュール101のうちの一方の半導体モジュール101の半導体素子1が上アーム半導体素子1uとなり、他方の半導体モジュール101の半導体素子1が下アーム半導体素子1dとなる。上アーム半導体素子1uと下アーム半導体素子1dが互いに直列接続されている。
上アーム半導体素子11uは、電源Bの高電位側端子に電気的に接続されている。下アーム半導体素子11dは、電源Bの低電位側端子に電気的に接続されている。上アーム半導体素子11uと下アーム半導体素子11dとの接続点は電力機器としてのモータMの3つの電極に接続されている。また、各半導体素子11には、フライホイールダイオードが逆並列接続されている。
次に、上述の実施形態1の作用効果について説明する。
上記半導体モジュール101において、半導体素子1の第1放熱面1aの熱は下部放熱部材110を第1放熱面1aに対向する冷却器130に向けて流れることによって放熱され、半導体素子1の第2放熱面1bの熱は上部放熱部材120を冷却器130に向けて流れることによって放熱される。上部放熱部材120は、半導体素子1の放熱面1a,1bの法線方向Xに直交する第1方向Yについて半導体素子1と対向するように設けられた2つの第1熱伝導部121と、半導体素子1の放熱面1a,1bの法線方向Xに直交し且つ第1方向Yと交差する第2方向Zについて半導体素子1と対向するように設けられた第2熱伝導部122と、を有する。即ち、上部放熱部材120において冷却器130に熱を伝えるための熱伝導部121,122が半導体素子1に対して少なくとも二方向に設けられている。
このとき、半導体素子1の第1放熱面1aの熱は、下部放熱部材110を通り形成される放熱経路Sを通じて冷却器130まで伝わる。これに対して、半導体素子1の第2放熱面1bの熱は、上部放熱部材120の第1熱伝導部121を通り形成される第1放熱経路R1を通じて冷却器130まで伝わり、且つ上部放熱部材120のうち第1熱伝導部121とは別位置にある第2熱伝導部122を通り形成される第2放熱経路R2を通じて冷却器130まで伝わる。これにより、半導体素子1を両面から冷却することができ、上部放熱部材120が第1熱伝導部121と第2熱伝導部122のいずれか一方のみを有する場合に比べて、放熱経路が形成される領域を増やすことができる。その結果、上部放熱部材120を第1方向Yまたは第2方向Zに拡張して半導体モジュール101を大型化することなく半導体素子1の放熱性能を高めることが可能になる。
以上のごとく、上述の実施形態1によれば、小型で放熱性能の高い半導体モジュール101を提供することができる。
上記の半導体モジュール101によれば、上部放熱部材120を第1熱伝導部121及び第2熱伝導部122が一体化された一部品として構成することによって、部品点数を少なくでき低コスト化を図ることができる。
以下、上記の実施形態1に関連する他の実施形態について図面を参照しつつ説明する。他の実施形態において、実施形態1の要素と同一の要素には同一の符号を付しており、当該同一の要素についての説明を省略する。
(実施形態2)
図6に示される電力変換装置200は、実施形態2の半導体モジュール201を備えている。この半導体モジュール201は、上部放熱部材220の構成が実施形態1のものと相違している。
図6に示される電力変換装置200は、実施形態2の半導体モジュール201を備えている。この半導体モジュール201は、上部放熱部材220の構成が実施形態1のものと相違している。
図6及び図7に示されるように、上部放熱部材220は、1つの第1熱伝導部121と、1つの第2熱伝導部122と、を有し、これらの第1熱伝導部121と第2熱伝導部122が互いに離間して配置されている。即ち、第1熱伝導部121と第2熱伝導部122との間に隙間が形成されている。
その他は、実施形態1と同様である。
実施形態2の半導体モジュール201によれば、実施形態1の半導体モジュール101に比べて、上部放熱部材220の構造を簡素化できる。
その他、実施形態1と同様の作用効果を有する。
(実施形態3)
図8に示される電力変換装置300は、実施形態3の半導体モジュール301を備えている。この半導体モジュール301は、上部放熱部材320の構成が実施形態1のものと相違している。
図8に示される電力変換装置300は、実施形態3の半導体モジュール301を備えている。この半導体モジュール301は、上部放熱部材320の構成が実施形態1のものと相違している。
図8及び図9に示されるように、上部放熱部材320は、1つの第1熱伝導部121と、1つの第2熱伝導部122と、を有し、これらの第1熱伝導部121と第2熱伝導部122が接合されて一体化されている。即ち、第1熱伝導部121と第2熱伝導部122は隙間なく繋がっている。
その他は、実施形態1と同様である。
実施形態3の半導体モジュール301によれば、実施形態1の半導体モジュール101に比べて、上部放熱部材320の構造を簡素化できる。
その他、実施形態1と同様の作用効果を有する。
(実施形態4)
図10に示される電力変換装置400は、実施形態4の半導体モジュール401を備えている。この半導体モジュール401は、上部放熱部材420の構成が実施形態1のものと相違している。
図10に示される電力変換装置400は、実施形態4の半導体モジュール401を備えている。この半導体モジュール401は、上部放熱部材420の構成が実施形態1のものと相違している。
図10及び図11に示されるように、上部放熱部材420は、2つの第1熱伝導部121と、1つの第2熱伝導部122と、を有し、2つの第1熱伝導部121のうちの一方と1つの第2熱伝導部122が接合されて一体化され、残りの第1熱伝導部121が離間して配置されている。
その他は、実施形態1と同様である。
実施形態4の半導体モジュール401によれば、実施形態1の半導体モジュール101に比べて、上部放熱部材420の構造を簡素化できる。
その他、実施形態1と同様の作用効果を有する。
なお、実施形態4に特に関連する変更例として、2つの第1熱伝導部121と1つの第2熱伝導部122との3つが一体化された構造を採用することもできる。
(実施形態5)
図12に示される電力変換装置500は、実施形態5の半導体モジュール501を備えている。この半導体モジュール501は、上部放熱部材520の構成、および冷却器130との接合構造が実施形態1のものと相違している。
図12に示される電力変換装置500は、実施形態5の半導体モジュール501を備えている。この半導体モジュール501は、上部放熱部材520の構成、および冷却器130との接合構造が実施形態1のものと相違している。
図12に示されるように、半導体モジュール501において、下部放熱部材110及び上部放熱部材520のそれぞれが厚み方向Xについて複数に分割され、分割された箇所に共通の電気絶縁板123が介装されている。これにより、下部放熱部材110及び上部放熱部材520は、冷却器130に対する電気絶縁が担保されている。この電気絶縁板123として、典型的には、熱伝導性を有し且つ電気絶縁性を有するセラミック等の素材からなる部材を採用することができる。
下部放熱部材110及び上部放熱部材520はいずれも、冷却器130に界面密着用の介装材7を介して接合されている。介装材7として、典型的には、放熱シートやグリースなどを使用するのが好ましい。なお、必要に応じて介装材7を2つに分離して、下部放熱部材110と上部放熱部材520のそれぞれに割り当てるようにしてもよい。
その他は、実施形態1と同様である。
実施形態5の半導体モジュール501によれば、介装材7を使用することによって、冷却器130に対する取外しが容易になる。
実施形態5の半導体モジュール501によれば、下部放熱部材110及び上部放熱部材520はいずれも、冷却器130に電気絶縁された状態で接合されるため、熱の伝えにくさの指標となる熱抵抗を小さく抑えることができ、放熱性能を向上させることができる。
このとき、下部放熱部材110及び上部放熱部材120が押付部材8によって冷却器130に押し付けられるのが好ましい。これにより、上記熱抵抗を更に小さくして放熱性能の更なる向上を図ることができる。押付部材8として、典型的には、ばね等の弾性部材を使用するのが好ましい。所望の放熱性能が得られる場合には、この押付部材8を省略してもよい。
その他、実施形態1と同様の作用効果を有する。
なお、実施形態5に特に関連する変更例として、金属材料を含む導電性の介装材7を使用することによって、或いは介装材7自体を省略することによって、下部放熱部材110及び上部放熱部材520が冷却器130に直に金属接合される構造を採用することもできる。これにより、下部放熱部材110及び上部放熱部材520と冷却器130との間の熱抵抗を低く抑えることができる。また、介装材7自体を省略した場合には、部品点数を削減する効果が得られる。
(実施形態6)
図13に示される電力変換装置600は、実施形態6の半導体モジュール601を備えている。この半導体モジュール601は、半導体素子1及び上部放熱部材620の構成が実施形態1のものと相違している。
図13に示される電力変換装置600は、実施形態6の半導体モジュール601を備えている。この半導体モジュール601は、半導体素子1及び上部放熱部材620の構成が実施形態1のものと相違している。
図13に示されるように、半導体モジュール601は、2つの半導体素子1(第1半導体素子1A及び第2半導体素子1B)と、本体部2と、正極端子3Pと、負極端子3Nと、出力端子3Oと、制御端子4と、2つの下部放熱部材110と、1つの上部放熱部材620と、を備えている。出力端子3Oは、各半導体素子1を電力機器(図17中の「モータM」を参照)に電気的に接続するための金属製の端子である。制御端子4は、各半導体素子1に対して設けられている。
上部放熱部材620は、天板部120aと、第1方向Yについて各半導体素子1と対向するように設けられた3つの第1熱伝導部121(図14及び図16を参照)と、第2方向Zについて半導体素子1と対向するように設けられた2つの第2熱伝導部122(図15及び図16を参照)と、を有する。この上部放熱部材620は、これら第1熱伝導部121及び第2熱伝導部122が天板部120aを介して一体化された一部品として構成されている。
図16に示されるように、3つの第1熱伝導部121のうちの真ん中の1つは、互いに隣接する2つの半導体素子1の間に設けられた中間熱伝導部121Aとして構成されている。2つの第2熱伝導部122のそれぞれが、2つの半導体素子1のそれぞれに対向するように構成されている。これにより、各半導体素子1の第2放熱面1bの熱は、第1方向Yの両側の2つの第1熱伝導部121を通る第1放熱経路R1を通じて冷却器30まで伝わり、且つ1つの第2熱伝導部122を通る第2放熱経路R2を通じて冷却器30まで伝わる。
図17に示されるように、各半導体モジュール601において、2つの半導体素子1の一方である第1半導体素子1Aは、3相のレグのいずれかの上アーム半導体素子1uとなり、2つの半導体素子1の他方である第2半導体素子1Bは、3相のレグのいずれかの下アーム半導体素子1dとなる。
実施形態6の半導体モジュール601によれば、互いに隣接する2つの半導体素子1の間に上部放熱部材620の中間熱伝導部121Aを介在させることによって、第1放熱経路R1を形成する第2熱伝導部122の数を増やすことができる。また、中間熱伝導部121Aを、2つの半導体素子1のための共通の第2熱伝導部122として兼用できる。
なお、この半導体モジュール601の上部放熱部材620は、第1半導体素子1Aと第2半導体素子1Bを電気的に直列につなぐものである。この場合、図14において、例えば、第1半導体素子1Aはその上部がエミッタであり、第2半導体素子1Bはその上部がコレクタである。
なお、この半導体モジュール601の上部放熱部材620は、第1半導体素子1Aと第2半導体素子1Bを電気的に直列につなぐものである。この場合、図14において、例えば、第1半導体素子1Aはその上部がエミッタであり、第2半導体素子1Bはその上部がコレクタである。
実施形態6の半導体モジュール601によれば、2つの半導体素子1を共通の本体部2に封止することができる。
その他、実施形態1と同様の作用効果を有する。
なお、実施形態6に特に関連する変更例として、3つの第1熱伝導部121と2つの第2熱伝導部122との5つのうちの少なくとも2つが一体化された構造を採用することもできる。また、第1方向Yに並置される半導体素子1の数を必要に応じて3つ以上に増やすこともできる。
(実施形態7)
図18に示される電力変換装置700は、実施形態7の半導体モジュール701を備えている。この半導体モジュール701は、上部放熱部材720の構成が実施形態6のものと相違している。
図18に示される電力変換装置700は、実施形態7の半導体モジュール701を備えている。この半導体モジュール701は、上部放熱部材720の構成が実施形態6のものと相違している。
図18及び図19に示されるように、上部放熱部材720は、2つの第1熱伝導部121と、2つの第2熱伝導部122と、を有しており、2つの半導体素子1の間に実施形態6の中間熱伝導部121Aに相当する第1熱伝導部121が設けられていない。
その他は、実施形態6と同様である。
実施形態7の半導体モジュール701によれば、実施形態6の半導体モジュール601に比べて、上部放熱部材720の構造を簡素化できる。また、中間熱伝導部121Aを省略することによって、互いに隣接する2つの半導体素子1の間の中間領域が本体部2による樹脂部によって埋められる。このため、中間熱伝導部121Aがある場合に比べて2つの半導体素子1の間で熱が移動しにくくなり、各半導体素子1が受熱する影響を防ぐことができる。
その他、実施形態6と同様の作用効果を有する。
なお、実施形態7に特に関連する変更例として、2つの第1熱伝導部121と2つの第2熱伝導部122との4つのうちの少なくとも2つが一体化された構造を採用することもできる。
(実施形態8)
図20に示される電力変換装置800は、実施形態8の半導体モジュール801を備えている。この半導体モジュール801は、上部放熱部材820の構成が実施形態6のものと相違している。
図20に示される電力変換装置800は、実施形態8の半導体モジュール801を備えている。この半導体モジュール801は、上部放熱部材820の構成が実施形態6のものと相違している。
図20及び図21に示されるように、上部放熱部材720は、1つの第1熱伝導部121(中間熱伝導部121A)と、2つの第2熱伝導部122と、を有しており、第1方向Yの両側に第1熱伝導部121が設けられていない。
その他は、実施形態6と同様である。
実施形態8の半導体モジュール801によれば、実施形態6の半導体モジュール601に比べて、上部放熱部材820の構造を簡素化できる。
その他、実施形態6と同様の作用効果を有する。
なお、実施形態8に特に関連する変更例として、1つの中間熱伝導部121Aと2つの第2熱伝導部122との3つのうちの少なくとも2つが一体化された構造を採用することもできる。
(実施形態9)
図22に示される電力変換装置900は、実施形態9の半導体モジュール901を備えている。この半導体モジュール901は、下部放熱部材110の構成、上部放熱部材920の構成、および冷却器130との接合構造が実施形態6のものと相違している。
図22に示される電力変換装置900は、実施形態9の半導体モジュール901を備えている。この半導体モジュール901は、下部放熱部材110の構成、上部放熱部材920の構成、および冷却器130との接合構造が実施形態6のものと相違している。
図22及び図23に示されるように、各下部放熱部材110は、厚み方向Xについて複数に分割され、分割された箇所に電気絶縁板124が介装されている。電気絶縁板124は、厚み方向Xから見たとき、各下部放熱部材110を完全に覆うような形状を有する。このとき、電気絶縁板124は、各下部放熱部材110を冷却器130に対して電気的に絶縁する機能を果たす。これにより、各下部放熱部材110は、冷却器130に対する電気絶縁が担保されている。
上部放熱部材920は、各半導体素子1のそれぞれの第2放熱面2bに対向して設けられた2つの対向部120bを備えている。各対向部120bは、天板部120aの一部を分割することによって構成され、分割された箇所に絶縁部としての電気絶縁板125が介装されている。電気絶縁板125は、厚み方向Xから見たとき、各対向部120bを完全に覆うような形状を有する。このとき、電気絶縁板125は、各対向部120bと第1熱伝導部121及び第2熱伝導部122との間を電気的に絶縁する機能を果たす。これにより、上部放熱部材920は、冷却器130に対する電気絶縁が担保されている。
電気絶縁板124,125として、典型的には、熱伝導性を有し且つ電気絶縁性を有するセラミック等の素材からなる部材を採用することができる。
下部放熱部材110及び上部放熱部材920はいずれも、冷却器130に電気絶縁された状態で、実施形態5と同様の介装材7を介して接合されている。介装材7として、典型的には、放熱シートやグリースなどを使用するのが好ましい。なお、必要に応じて介装材7を3つに分離して、2つの下部放熱部材110と1つの上部放熱部材920のそれぞれに割り当てるようにしてもよい。
その他は、実施形態6と同様である。
実施形態9の半導体モジュール901によれば、介装材7を使用することによって、冷却器130に対する取外しが容易になる。
実施形態9の半導体モジュール901によれば、下部放熱部材110及び上部放熱部材920はいずれも、冷却器130に電気絶縁された状態で接合されるため、熱の伝えにくさの指標となる熱抵抗を小さく抑えることができ、放熱性能を向上させることができる。
このとき、実施形態5の場合と同様の押付部材8によって、下部放熱部材110及び上部放熱部材920が冷却器130に押し付けられるのが好ましい。これにより、上記熱抵抗を更に小さくして放熱性能の更なる向上を図ることができる。
その他、実施形態6と同様の作用効果を有する。
なお、実施形態9に特に関連する変更例として、金属材料を含む導電性の介装材7を使用することによって、或いは介装材7自体を省略することによって、下部放熱部材110及び上部放熱部材920が冷却器130に直に金属接合される構造を採用することもできる。これにより、下部放熱部材110及び上部放熱部材920と冷却器130との間の熱抵抗を低く抑えることができる。また、介装材7自体を省略した場合には、部品点数を削減する効果が得られる。
(実施形態10)
図24及び図25に示される電力変換装置1000は、実施形態10の半導体モジュール1001を備えている。この半導体モジュール1001は、実施形態6の半導体モジュール601に対して、2つの半導体素子1A,1Bを有する点で一致する一方で、上部放熱部材1020の構成について相違している。
図24及び図25に示される電力変換装置1000は、実施形態10の半導体モジュール1001を備えている。この半導体モジュール1001は、実施形態6の半導体モジュール601に対して、2つの半導体素子1A,1Bを有する点で一致する一方で、上部放熱部材1020の構成について相違している。
図24〜図26に示されるように、下部放熱部材110は、2つの半導体素子1A,1Bのそれぞれに対して設けられている。これに対して、上部放熱部材1020は、2つの半導体素子1A,1Bに共通で設けられている。
上部放熱部材1020は、4つの熱伝導部(3つの第1熱伝導部121と1つの第2熱伝導部122)を有する。これら第1熱伝導部121及び第2熱伝導部122のそれぞれは、上部放熱部材1020を冷却器130側の電気絶縁板6に対する接地足として構成されている。この場合、各第1熱伝導部121及び第2熱伝導部122のそれぞれの底面が接地足の接地面となる。従って、上部放熱部材1020の第1熱伝導部121及び第2熱伝導部122は、冷却器130側の電気絶縁板6に4つの接地足による4面で接地するように構成されている。ここでいう「接地」を「接触」或いは「当接」ということもできる。
本構成によれば、上部放熱部材1020の冷却器130側の接地面の数を増やすことによって、上部放熱部材1020の熱拡散性能を高めて半導体素子1の冷却性能を向上させることができる。
なお、上部放熱部材1020の接地面の数は特に限定されないが、制御端子4のような信号線の取り回しを阻害しないことを条件に、冷却器130側の電気絶縁板6に3面以上で接地するように構成するのが好ましい。この半導体モジュール1001では、本実施形態では、制御端子4が第2方向Zの片側から突出するように構成されている。
上部放熱部材1020は、下部放熱部材110に比べて冷却器130から遠い範囲まで配置されている。そこで、本実施形態では、上部放熱部材1020の熱拡散性能を高めるために、半導体モジュール1001は、上部放熱部材1020の厚み方向Xの寸法d2,d3が下部放熱部材110の厚み方向Xの寸法d1を上回るように構成されるのが好ましい(図25を参照)。ここで、寸法d2は、天板部120aの厚み寸法であり、寸法d3は、天板部120aと第1熱伝導部121及び第2熱伝導部122を合わせた状態での厚み寸法である。本構成によれば、天板部120aの寸法d2が下部放熱部材110の寸法d1以下である場合に比べて、上部放熱部材1020による半導体素子1の冷却性能を向上させることができる。
半導体モジュール1001は、冷却器130に対する上部放熱部材1020の接地面積が冷却器130に対する下部放熱部材110の接地面積を上回るように構成されるのが好ましい。ここで、上部放熱部材1020の接地面積は、4つの接地足の底面の面積を合わせた面積であり、下部放熱部材110の接地面積は、2つの下部放熱部材110の底面の面積を合わせた面積である。本構成によれば、上部放熱部材1020による半導体素子1の冷却性能を向上させることができる。
上部放熱部材1020は、同一平面で接合された複数の接合部品からなるのが好ましい。本実施形態では、同一平面である天板部120aの下面Pに、接合部品としての4つの接地足(3つの第1熱伝導部121と1つの第2熱伝導部122)が接合されている(図25を参照)。これにより、上部放熱部材1020の製造を簡素化することができ、また上部放熱部材1020の寸法のばらつきを吸収できるという作用効果が得られる。
半導体モジュール1001は、上部放熱部材1020の熱伝導率が下部放熱部材110の熱伝導率を上回るように構成されるのが好ましい。典型的には、材質や形状を適宜に選択することによって本構成を実現できる。本構成によれば、上部放熱部材1020による半導体素子1の冷却性能を向上させることができる。
その他、実施形態6と同様の構成を有し、実施形態6と同様の作用効果を奏する。
なお、必要に応じて、実施形態10の半導体モジュール1001の特徴的な構成を、実施形態1〜9のそれぞれに適用することもできる。
(実施形態11)
図27〜図31に示される電力変換装置1100は、実施形態11の半導体モジュール1101を備えている。この半導体モジュール1101は、実施形態10の半導体モジュール1001に対して、下部放熱部材110が2つの半導体素子1A,1Bのそれぞれに対して設けられている点で一致する一方で、上部放熱部材1120が2つの半導体素子1A,1Bのそれぞれに対して設けられている点で相違している。また、この半導体モジュール1101では、制御端子4が第1方向Yの両側から突出するように構成されている。
図27〜図31に示される電力変換装置1100は、実施形態11の半導体モジュール1101を備えている。この半導体モジュール1101は、実施形態10の半導体モジュール1001に対して、下部放熱部材110が2つの半導体素子1A,1Bのそれぞれに対して設けられている点で一致する一方で、上部放熱部材1120が2つの半導体素子1A,1Bのそれぞれに対して設けられている点で相違している。また、この半導体モジュール1101では、制御端子4が第1方向Yの両側から突出するように構成されている。
2つの半導体素子1A,1Bのうちの一方を半導体素子1Aとし、他方を半導体素子1Bとしたとき、一方の半導体素子1Aに対して下部放熱部材110A及び上部放熱部材1120Aが設けられ、他方の半導体素子1Bに対して下部放熱部材110B及び上部放熱部材1120Bが設けられている。
図27に示されるように、半導体モジュール1101は、下部放熱部材110Bが半導体素子1Bの第1放熱面1a(図28を参照)に対向する対向面積が、下部放熱部材110Aが半導体素子1Aの第1放熱面1aに対向する対向面積を上回るように構成されている。また、下部放熱部材110Bは、第1熱伝導部121を介して上部放熱部材1120Aと接続されるように構成されている。本構成によれば、半導体素子1Bの冷却性能の向上と半導体モジュール1101の小型化を両立するのに有効である。
図27に示されるように、半導体モジュール1101は、上部放熱部材1120Aと上部放熱部材1120Bは、厚み方向Xについて互いに上下に重なるように配置されるのが好ましい。上部放熱部材1120Bの一部は、上部放熱部材1120Aの上方に隙間を隔てて対向配置されている。これにより、半導体モジュール1101とコンデンサ(例えば、図17のインバータ回路に示すコンデンサ(符号なし))との間の寄生インダクタンスを低減しつつ半導体素子1A,1Bの冷却性能を確保した上で、半導体モジュール1101を小型化するのに有効である。
上部放熱部材1120Aは、冷却器30に対する接地足として、第1熱伝導部121と下部放熱部材110Aの一部とからなる1つの接地足(図27及び図30を参照)と、2つの第2熱伝導部122からなる2つの接地足(図27及び図29を参照)と、を有する。これに対して、上部放熱部材1120Bは、冷却器30に対する接地足として、2つの第2熱伝導部122からなる2つの接地足(図27及び図31を参照)を有する。即ち、半導体素子1Aに対して設けられている上部放熱部材1120Aの接地足の数が3つであり、半導体素子1Bに対して設けられている上部放熱部材1120Bの接地足の数である2つを上回るようになっている。これらの接地足はいずれも、制御端子4の取り出しを邪魔しない位置に設けられている。これにより、制御端子4の取り出しスペースを確保しつつ、半導体素子1Bに比べて半導体素子1Aの冷却性能を向上させることができる。また、半導体モジュール1101を小型化するのに有効である。
また、半導体モジュール1101は、冷却器30に対する上部放熱部材1120Aの接地面積が、冷却器30に対する上部放熱部材1120Bの接地面積を上回るように構成されるのが好ましい。即ち、上部放熱部材1120Aの3つの接地足を合わせた接地面積の方が、上部放熱部材1120Bの2つの接地足を合わせた接地面積よりも大きくなるように構成されている。これにより、半導体素子1Bに比べて半導体素子1Aの冷却性能を向上させることができる。
その他、実施形態10と同様の構成を有し、実施形態10と同様の作用効果を奏する。
なお、必要に応じて、実施形態11の半導体モジュール1101の特徴的な構成を、実施形態1〜10のそれぞれに適用することもできる。
本発明は、上記の典型的な実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の応用や変形が考えられる。例えば、上記の実施形態を応用した次の各形態を実施することもできる。
上述の実施形態では、各半導体モジュールの半導体素子1に対して第2方向Zの一方側のみに第2熱熱伝導部122を設ける場合について例示したが、これに代えて、第2方向Zの両側に第2熱熱伝導部122を設ける構造を採用することもできる。
上述の実施形態では、第1方向Yと第2方向Zが互いに直交する場合について例示したが、第1方向Yと第2方向Zは、互いに交差していれば直交していることを問わない。
上述の実施形態では、半導体モジュールの本体部2に1つ或いは2つの半導体素子1が内蔵される場合について例示したが、本体部2に内蔵される半導体素子1の数は特に限定されるものではなく、例えば、3つ以上の半導体素子1が本体部2に内蔵される構造を採用することもできる。
上述の実施形態では、車載用電力変換装置に使用する半導体モジュールについて例示したが、この半導体モジュールの用途は車載用電力変換装置のみに限定されるものではなく、車両以外の機器に搭載される電力変換装置に使用できることは勿論である。
1,1A,1B…半導体素子、1a…第1放熱面、1b…第2放熱面、7…介装材、8…押付部材、101,201,301,401,501,601,701,801,901,1001,1101…半導体モジュール、110,110A,110B…下部放熱部材(第1放熱部材)、120,220,320,420,520,620,720,820,920,1020,1120,1120A,1120B…上部放熱部材(第2放熱部材)、120b…対向部、121…第1熱伝導部(接地足)、122…第2熱伝導部(接地足)、125…電気絶縁板(絶縁部)、130…冷却器(冷却部)、d1,d2…寸法、P…天板部の下面(同一平面)、R1…第1放熱経路、R2…第2放熱経路、X…厚み方向(法線方向)、Y…第1方向、Z…第2方向
Claims (17)
- 互いに平行な2つの放熱面(1a,1b)を有する半導体素子(1)と、
上記半導体素子の第1放熱面(1a)に対向して設けられ上記第1放熱面側に配置された冷却部(130)に上記第1放熱面の熱を放熱するための第1放熱部材(110)と、
上記半導体素子の第2放熱面(1b)の熱を上記冷却部に放熱するための第2放熱部材(120,220,320,420,520,620,720,820,920,1020,1120)と、
を備え、
上記第2放熱部材は、上記半導体素子の上記2つの放熱面の法線方向(X)に直交する方向であって互いに交差する方向を第1方向(Y)及び第2方向(Z)としたとき、上記第1方向について上記半導体素子と対向するように設けられた第1熱伝導部(121)と、上記第2方向について上記半導体素子と対向するように設けられた第2熱伝導部(122)と、を有し、上記第1熱伝導部を通る第1放熱経路(R1)と上記第2熱伝導部を通る第2放熱経路(R2)のそれぞれを通じて上記半導体素子の上記第2放熱面の熱を上記冷却部まで伝えるように構成されている、半導体モジュール(101,201,301,401,501,601,701,801,901,1001,1101)。 - 上記第2放熱部材において上記第1熱伝導部と上記第2熱伝導部が一体化されている、請求項1に記載の半導体モジュール。
- 複数の上記半導体素子が上記第1方向に並置されており、互いに隣接する2つの上記半導体素子の間に上記第2放熱部材の上記第1熱伝導部が設けられている、請求項1または2に記載の半導体モジュール。
- 上記第2放熱部材は、複数の上記半導体素子のそれぞれの上記第2放熱面に対向して設けられた対向部(120b)と、上記対向部と上記第1熱伝導部及び上記第2熱伝導部との間を電気的に絶縁する絶縁部(125)と、を有する、請求項3に記載の半導体モジュール。
- 複数の上記半導体素子が上記第1方向に並置されており、互いに隣接する2つの上記半導体素子の間に上記第2放熱部材の上記第1熱伝導部が設けられていない、請求項1または2に記載の半導体モジュール。
- 上記第1放熱部材及び上記第2放熱部材はいずれも、上記冷却部に金属接合されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の半導体モジュール。
- 上記第1放熱部材及び上記第2放熱部材はいずれも、上記冷却部に界面密着用の介装材(7)を介して接合されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の半導体モジュール。
- 上記第1放熱部材及び上記第2放熱部材が押付部材(8)によって上記冷却部に押し付けられる、請求項7に記載の半導体モジュール。
- 上記第2放熱部材の上記第1熱伝導部及び上記第2熱伝導部は、上記冷却部に3面以上で接地するように構成されている、請求項1〜8のいずれか一項に記載の半導体モジュール。
- 上記第2放熱部材の上記法線方向の寸法(d2)が上記第1放熱部材の上記法線方向の寸法(d1)を上回る、請求項1〜9のいずれか一項に記載の半導体モジュール。
- 上記冷却部に対する上記第2放熱部材の接地面積が上記冷却部に対する上記第1放熱部材の接地面積を上回る、請求項1〜10のいずれか一項に記載の半導体モジュール。
- 少なくとも2つの上記半導体素子(1A,1B)を備え、上記第1放熱部材が2つの上記半導体素子のそれぞれに対して設けられており、
2つの上記半導体素子のいずれか一方に対して設けられている上記第1放熱部材が当該半導体素子の上記第1放熱面に対向する対向面積が、2つの上記半導体素子のいずれか他方に対して設けられている上記第1放熱部材が半導体素子の上記第1放熱面に対向する対向面積を上回る、請求項1〜8のいずれか一項に記載の半導体モジュール。 - 少なくとも2つの上記半導体素子(1A,1B)を備え、上記第2放熱部材が2つの上記半導体素子のそれぞれに対して設けられており、
2つの上記半導体素子のいずれか一方に対して設けられている上記第2放熱部材の上記冷却部に対する接地面積が、2つの上記半導体素子のいずれか他方に対して設けられている上記第2放熱部材の上記冷却部に対する接地面積を上回る、請求項1〜8のいずれか一項に記載の半導体モジュール。 - 少なくとも2つの上記半導体素子(1A,1B)を備え、上記第2放熱部材が2つの上記半導体素子のそれぞれに対して設けられ、上記第1熱伝導部及び上記第2熱伝導部が上記冷却部に対する接地足として設けられており、
2つの上記半導体素子のいずれか一方に対して設けられている上記第2放熱部材の上記接地足の数が、2つの上記半導体素子のいずれか他方に対して設けられている上記第2放熱部材の上記接地足の数を上回る、請求項1〜8のいずれか一項に記載の半導体モジュール。 - 少なくとも2つの上記半導体素子(1A,1B)を備え、
2つの上記半導体素子のいずれか一方に対して設けられている上記第2放熱部材と、2つの上記半導体素子のいずれか他方に対して設けられている上記第2放熱部材が、上記法線方向について互いに重なるように配置されている、請求項12〜14のいずれか一項に記載の半導体モジュール。 - 上記第2放熱部材は、同一平面(P)で接合された複数の接合部品からなる、請求項1〜15のいずれか一項に記載の半導体モジュール。
- 上記第2放熱部材の熱伝導率が上記第1放熱部材の熱伝導率を上回る、請求項1〜16のいずれか一項に記載の半導体モジュール。
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