JP2016101071A - 半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】バスバーから電子部品に熱が伝わることを抑制することができる半導体装置を提供する。【解決手段】基板に搭載されたパワースイッチング素子に接合される第1のバスバーBB1を備える。基板の導体パターンに接合される第2のバスバーBB2を備える。基板と平滑コンデンサ13との間では、第1のバスバーBB1と第2のバスバーBB2とは同一方向に並んで配置されるとともに第1のバスバーBB1は第2のバスバーBB2よりも筐体30側に配置される。【選択図】図1
Description
本発明は、半導体装置に関するものである。
特許文献1においてはパワースイッチング素子が搭載された基板から延びるバスバーを冷却する技術が開示されており、バスバーを往復構造として寄生インダクタンスの増加を抑えながら長さを確保している。
ところで、パワースイッチング素子に直接バスバーが接合される場合においては、パワースイッチング素子の熱がバスバーを伝わりやすく、場合によっては、バスバーに接続される電子部品にパワースイッチング素子の熱が伝わって電子部品の耐熱を超える虞がある。
本発明の目的は、バスバーから電子部品に熱が伝わることを抑制することができる半導体装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明では、基板に搭載されたパワースイッチング素子に接合される第1のバスバーと、前記基板の導体パターンに接合される第2のバスバーと、前記第1のバスバーおよび前記第2のバスバーと電気的に接続される電子部品と、放熱部材と、を備える半導体装置であって、前記基板と前記電子部品との間では、前記第1のバスバーと前記第2のバスバーとは同一方向に並んで配置されるとともに前記第1のバスバーは前記第2のバスバーよりも前記放熱部材側に配置されることを要旨とする。
請求項1に記載の発明によれば、基板と電子部品との間では、第1のバスバーと第2のバスバーとは同一方向に並んで配置されるとともに第1のバスバーは第2のバスバーよりも放熱部材側に配置されるため、第1のバスバーを効率よく放熱でき、第1のバスバーから電子部品に熱が伝わることを抑制できる。
請求項2に記載のように、請求項1に記載の半導体装置において、前記第1のバスバーは、前記パワースイッチング素子に接合される第3のバスバーと、前記第3のバスバーに接続される第4のバスバーとを有し、前記第2のバスバーは、前記基板の導体パターンに接合される第5のバスバーと、前記第5のバスバーに接続される第6のバスバーとを有し、前記基板と前記電子部品との間では、前記第4のバスバーと前記第6のバスバーとは同一方向に並んで配置されるとともに前記第4のバスバーは前記第6のバスバーよりも前記放熱部材側に配置されるとよい。
本発明によれば、バスバーから電子部品に熱が伝わることを抑制することができる。
以下、本発明を車載用インバータ装置に具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
車載用インバータ装置の電気的構成について、図3を用いて説明する。
車載用インバータ装置の電気的構成について、図3を用いて説明する。
図3に示すように、車載用インバータ装置(三相インバータ装置)10は、半導体装置11を有する。半導体装置11はインバータ回路12と平滑コンデンサ13を備えている。インバータ回路12は、6個のパワースイッチング素子14,15,16,17,18,19が設けられている。各パワースイッチング素子14〜19には、IGBT(絶縁ゲートバイポーラ型トランジスタ)が使用されている。各パワースイッチング素子14〜19には、それぞれ帰還ダイオード20,21,22,23,24,25が逆並列接続されている。
インバータ回路12において、第1および第2のパワースイッチング素子14,15、第3および第4のパワースイッチング素子16,17、第5および第6のパワースイッチング素子18,19がそれぞれ直列に接続されている。第1、第3および第5のパワースイッチング素子14,16,18がP極端子と接続され、P極端子が平滑コンデンサ13の一方の端子と接続されるとともに車載バッテリ26の正極と接続される。また、第2、第4および第6のパワースイッチング素子15,17,19がN極端子と接続され、N極端子が平滑コンデンサ13の他方の端子と接続されるとともに車載バッテリ26の負極と接続される。
U相用の上下のアームを構成するパワースイッチング素子14,15の間の接続点はU相出力端子に接続されている。また、V相用の上下のアームを構成するパワースイッチング素子16,17の間の接続点はV相出力端子に接続されている。さらに、W相用の上下のアームを構成するパワースイッチング素子18,19の間の接続点はW相出力端子に接続されている。U相出力端子、V相出力端子およびW相出力端子は、車載モータとしての3相交流モータ27に接続される。
パワースイッチング素子14〜19がスイッング制御されることにより、インバータ回路12は車載バッテリ26から供給される直流を適宜の周波数の3相交流に変換して3相交流モータ27の各相の巻線に供給する。即ち、パワースイッチング素子14〜19のスイッチング動作により3相交流モータ27の各相の巻線が通電されて3相交流モータ27を駆動することができる。
次に、半導体装置11の構造について、図1,2を用いて説明する。
なお、図1,2および後記する図4〜図9において、水平面を、直交するX,Y方向で規定するとともに、上下方向をZ方向で規定している。
なお、図1,2および後記する図4〜図9において、水平面を、直交するX,Y方向で規定するとともに、上下方向をZ方向で規定している。
図1に示すように、半導体装置11は、アルミ製の筐体30と、パワーモジュールMpと、平滑コンデンサ13と、バスバー積層体(バスバー組立体)60を備えている。
筐体30は、四角板状の底板31と、底板31の周縁部から立設された側壁部32と、底板31の下に形成された冷却水路部33を有する。冷却水路部33は、底板31の下面に冷却水の流路が区画形成されるように底板31の下面を囲っている。
筐体30は、四角板状の底板31と、底板31の周縁部から立設された側壁部32と、底板31の下に形成された冷却水路部33を有する。冷却水路部33は、底板31の下面に冷却水の流路が区画形成されるように底板31の下面を囲っている。
筐体30の底板31の上面には、パワーモジュールMp、平滑コンデンサ13およびバスバー積層体60が載置されている。図1において左側にパワーモジュールMpが配置されるとともに右側に平滑コンデンサ13が配置され、バスバー積層体60が中央に配置されている。つまり、パワーモジュールMpと平滑コンデンサ13との間にバスバー積層体60が位置している。
放熱部材としての筐体30により、パワーモジュールMp、平滑コンデンサ13、バスバー積層体60を冷却することができる。図1(b)に示すように、パワーモジュールMpの配置箇所における筐体30の底板31の下面にはフィン34が形成されている。また、平滑コンデンサ13の配置箇所における筐体30の底板31の下面にはフィン35が形成されている。
パワーモジュールMpは、図2に示す構成となっている。図2に示すように、パワーモジュールMpは基板40を備えており、基板40は絶縁基板としてのセラミック基板41を有する。セラミック基板41の下面には金属層42が形成されているとともに、セラミック基板41の上面には導体パターン43,44,45,46が形成されている。具体的には、例えば、セラミック基板41はAlN基板よりなり、金属層42はアルミ層よりなり、導体パターン43,44,45,46はアルミ層とその表面のNiめっき層よりなる。そして、図1に示すように、筐体30の底板31の上面にパワーモジュールMpの金属層42(図2参照)がロウ付け等により接合されている。
図2において、各パワースイッチング素子(チップ)14〜19は縦型の素子であって、チップの上面にエミッタ電極が形成されているとともにチップの下面にコレクタ電極が形成されている。パワースイッチング素子(チップ)14〜19および帰還ダイオード(チップ)20〜25が基板40に搭載されている。
図2に示すように、導体パターン43の上面には、パワースイッチング素子(チップ)14および帰還ダイオード(チップ)20が接近する位置に、はんだ付け等により接合されている。同様に、導体パターン43の上面には、パワースイッチング素子(チップ)16および帰還ダイオード(チップ)22が接近する位置に、はんだ付け等により接合されている。また、導体パターン43の上面には、パワースイッチング素子(チップ)18および帰還ダイオード(チップ)24が接近する位置に、はんだ付け等により接合されている。
また、導体パターン44の上面には、パワースイッチング素子(チップ)15および帰還ダイオード(チップ)21が接近する位置に、はんだ付け等により接合されている。さらに、導体パターン45の上面には、パワースイッチング素子(チップ)17および帰還ダイオード(チップ)23が接近する位置に、はんだ付け等により接合されている。さらには、導体パターン46の上面には、パワースイッチング素子(チップ)19および帰還ダイオード(チップ)25が接近する位置に、はんだ付け等により接合されている。
これにより、筐体30の底板31の上面に基板40を介してパワースイッチング素子14〜19および帰還ダイオード20〜25が固定され、パワースイッチング素子14〜19および帰還ダイオード20〜25は筐体30の底板31に熱的に結合している。
図2に示すように、パワースイッチング素子(チップ)14の上面と帰還ダイオード(チップ)20の上面とがバスバー47に、はんだ付け等により接合されている。バスバー47は導体パターン44に、はんだ付け等により接合されている(図2(d)参照)。また、パワースイッチング素子(チップ)16の上面と帰還ダイオード(チップ)22の上面とがバスバー48に、はんだ付け等により接合されている。バスバー48は導体パターン45に、はんだ付け等により接合されている。さらに、パワースイッチング素子(チップ)18の上面と帰還ダイオード(チップ)24の上面とがバスバー49に、はんだ付け等により接合されている。バスバー49は導体パターン46に、はんだ付け等により接合されている。
バスバー47は、パワースイッチング素子14のエミッタ電極およびパワースイッチング素子15のコレクタ電極から延びるU相出力端子として水平に延設されている。バスバー48は、パワースイッチング素子16のエミッタ電極およびパワースイッチング素子17のコレクタ電極から延びるV相出力端子として水平に延設されている。バスバー49は、パワースイッチング素子18のエミッタ電極およびパワースイッチング素子19のコレクタ電極から延びるW相出力端子として水平に延設されている。
パワースイッチング素子(チップ)15,17,19の上面と帰還ダイオード(チップ)21,23,25の上面とがバスバー51に、はんだ付け等により接合されている。バスバー51は、パワースイッチング素子15,17,19のエミッタ電極から延びるN極端子として水平に延設されている。
導体パターン43の上面にはバスバー50が、はんだ付け等により接合されている。バスバー50は、パワースイッチング素子14,16,18のコレクタ電極から延びるP極端子として水平に延設されている。
また、基板40、パワースイッチング素子14〜19、帰還ダイオード20〜25及び図示されていないパワースイッチング素子14〜19を駆動するための信号端子等が樹脂52によりモールドされている。樹脂52からバスバー47,48,49,50,51が露出している。この樹脂52から突出するバスバー47,48,49は帯板状をなし、Y方向に水平に延びている。このバスバー47,48,49の端部は3相交流モータ27と接続される。また、樹脂52から突出するバスバー50,51は帯板状をなし、X方向においてバスバー積層体60に向かって水平に延びている(図1参照)。
図1に示すように、平滑コンデンサ13は樹脂53により一対の電極板がモールドされており、一対の電極板から延びる一対の端子54,55が樹脂53から突出している。端子54,55は帯板状をなし、X方向においてバスバー積層体60に向かって水平に延びている。また、一対の電極板から延びる一対の端子56,57が樹脂53から突出している。端子56,57は帯板状をなし、X方向においてバスバー積層体60とは反対側に向かって水平に延びている。端子56,57は車載バッテリ26と接続される。
バスバー積層体60は、図4に示すように、P極用の平板状のバスバー61、N極用の平板状のバスバー62、平板状の絶縁層63,64,65を備えている。絶縁層63,64,65は、絶縁性板材よりなり、窒化アルミや窒化珪素の板材が用いられる。他にも、絶縁性・熱伝導性を有する絶縁層63,64,65として、シリコーンなどの、200℃程度の耐熱を有するものとしてもよい。また、絶縁層63,64,65はポリイミド等で構成してもよい。
P極用のバスバー61およびN極用のバスバー62は金属の平板よりなる。詳しくは、導体であるバスバー61,62およびバスバー47,48,49,50,51の材質は、銅、アルミ等が用いられる。他にも、導体の表面に錫めっきやニッケルめっきを施してもよい。
バスバー積層体60は、下から順に絶縁層63、N極用のバスバー62、絶縁層64、P極用のバスバー61、絶縁層65が積層して配置されることにより構成されている。
各絶縁層63,64,65は長方形をなし、同一形状、同一寸法である。P極用のバスバー61は、長方形の本体部61aと、本体部61aの一方の長辺から延びる帯板状の端子部61bと、本体部61aの他方の長辺から延びる帯板状の端子部61cからなる。N極用のバスバー62は、長方形の本体部62aと、本体部62aの一方の長辺から延びる帯板状の端子部62bと、本体部62aの他方の長辺から延びる帯板状の端子部62cからなる。
各絶縁層63,64,65は長方形をなし、同一形状、同一寸法である。P極用のバスバー61は、長方形の本体部61aと、本体部61aの一方の長辺から延びる帯板状の端子部61bと、本体部61aの他方の長辺から延びる帯板状の端子部61cからなる。N極用のバスバー62は、長方形の本体部62aと、本体部62aの一方の長辺から延びる帯板状の端子部62bと、本体部62aの他方の長辺から延びる帯板状の端子部62cからなる。
P極用のバスバー61の本体部61aの縦横寸法とN極用のバスバー62の本体部62aの縦横寸法とは同一である。P極用のバスバー61の本体部61aおよびN極用のバスバー62の本体部62aの縦横寸法よりも絶縁層63,64,65の縦横寸法が大きくなっている。絶縁層63,64,65の一方の長辺からP極用のバスバー61の端子部61bおよびN極用のバスバー62の端子部62bがずれた位置にて突出してX方向においてパワーモジュールMpに向かって水平に延びている(図1参照)。また、図4において、絶縁層63,64,65の他方の長辺からP極用のバスバー61の端子部61cおよびN極用のバスバー62の端子部62cがずれた位置にて突出してX方向において平滑コンデンサ13に向かって水平に延びている(図1参照)。
図1に示すように、筐体30の底板31の上面に、バスバー積層体60の絶縁層63が放熱部材66を介して配置される。
また、バスバー積層体60の絶縁層65の上面の中央部には当て板67が配置され、当て板67の上面側に配した付勢手段(図示略)により当て板67が下方に付勢され、放熱面を押し付ける力Fが付与される。当て板67が下方に付勢されることにより、バスバー積層体60は筐体30の底板31に押し付けられ、これによりバスバー積層体60は筐体30に熱的に結合されている。バスバー積層体60を筐体30の底板31に押し付ける際に、当て板67により、バスバー積層体60の損傷を防止している。
また、バスバー積層体60の絶縁層65の上面の中央部には当て板67が配置され、当て板67の上面側に配した付勢手段(図示略)により当て板67が下方に付勢され、放熱面を押し付ける力Fが付与される。当て板67が下方に付勢されることにより、バスバー積層体60は筐体30の底板31に押し付けられ、これによりバスバー積層体60は筐体30に熱的に結合されている。バスバー積層体60を筐体30の底板31に押し付ける際に、当て板67により、バスバー積層体60の損傷を防止している。
図1に示すように、パワーモジュールMpのバスバー50の端部とバスバー積層体60のバスバー61の端子部61bとが、ねじSc1およびナットN1で締結されている。パワーモジュールMpのバスバー51の端部とバスバー積層体60のバスバー62の端子部62bとが、ねじSc2およびナットN2で締結されている。
バスバー積層体60のバスバー61の端子部61cと平滑コンデンサ13の端子54とが、ねじSc3およびナットN3で締結されている。バスバー積層体60のバスバー62の端子部62cと平滑コンデンサ13の端子55とが、ねじSc4およびナットN4で締結されている。
そして、パワースイッチング素子15,17,19に接合される第3のバスバーとしてのバスバー51と、バスバー51に接続される第4のバスバーとしてのバスバー62とにより第1のバスバーBB1が構成され、第1のバスバーBB1はパワースイッチング素子15,17,19に接合される。また、基板40の導体パターン43に接合される第5のバスバーとしてのバスバー50と、バスバー50に接続される第6のバスバーとしてのバスバー61とにより第2のバスバーBB2が構成され、第2のバスバーBB2は基板40の導体パターン43に接合される。さらに、電子部品としての平滑コンデンサ13が第1のバスバーBB1および第2のバスバーBB2と電気的に接続される。
図1に示すように、パワーモジュールMpの基板40と平滑コンデンサ13との間では、第1のバスバーBB1と第2のバスバーBB2とはX方向およびY方向において同一方向に並んで、即ち、水平方向(X−Y平面)に並んで上下方向(Z方向)に離間して配置される。また、パワーモジュールMpの基板40と平滑コンデンサ13との間では、第1のバスバーBB1は第2のバスバーBB2よりも放熱部材としての筐体30の底板31側、即ち、下側に配置される。詳しくは、基板40と平滑コンデンサ13との間では、バスバー62とバスバー61とは同一方向に並んで配置(水平方向に並んで上下方向に離間して配置)されるとともにバスバー62はバスバー61よりも筐体30の底板31側(下側)に配置される。
次に、車載用インバータ装置10の作用について説明する。
パワースイッチング素子14〜19のスイッチング動作により、車載バッテリ26から供給される直流が適宜の周波数の3相交流に変換されて3相交流モータ27の各相の巻線に供給される。このパワースイッチング素子14〜19のスイッチング動作に伴いパワースイッチング素子14〜19が発熱する。この熱は基板40を介して筐体30の底板31に伝わり冷却水路部33において冷却水と熱交換され、パワーモジュールMpに発生する熱はある程度逃がされる。
パワースイッチング素子14〜19のスイッチング動作により、車載バッテリ26から供給される直流が適宜の周波数の3相交流に変換されて3相交流モータ27の各相の巻線に供給される。このパワースイッチング素子14〜19のスイッチング動作に伴いパワースイッチング素子14〜19が発熱する。この熱は基板40を介して筐体30の底板31に伝わり冷却水路部33において冷却水と熱交換され、パワーモジュールMpに発生する熱はある程度逃がされる。
また、パワーモジュールMpのバスバー51はパワースイッチング素子15,17,19の動作温度と同程度の温度となっている。そして、パワースイッチング素子14〜19で発生した熱はバスバー積層体60を介して平滑コンデンサ13側に伝達されようとする。ここで、バスバー積層体60において熱は筐体の底板31に伝わり冷却水路部33において冷却水と熱交換される。
つまり、バスバー積層体60は、平滑コンデンサ13とパワーモジュールMpの電気的接続部位に配され、熱を効果的に放熱しながらお互いを電気的に接続できるようなバスバー61,62が設けられている。また、インダクタンス的にもできるだけ不利にならないような、P極用のバスバー61およびN極用のバスバー62が重ね合された構造となっている。特に、N極用のバスバー62が下方に位置し、積極的に放熱される構造となっている。さらに、放熱面を押し付ける力F(図1参照)が付与される。これにより、平滑コンデンサ13の耐熱温度以下になるように、筐体30に放熱される。即ち、パワーモジュールMpが高温動作する場合においても、バスバーを介して平滑コンデンサ13に向かう熱を逃がすべくバスバー積層体60から筐体30側に放熱させる。なお、バスバー積層体60での放熱性能の設計の際に、P極用のバスバー61の本体部61aの縦横寸法およびN極用のバスバー62の本体部62aの縦横寸法は、熱を十分放熱して平滑コンデンサ13が耐熱温度を超えないように最適化すればよい。
このように、パワースイッチング素子14〜19の駆動に伴いパワースイッチング素子14〜19が発熱し、その熱はバスバー50,51,61,62を介して平滑コンデンサ13に伝達されようとするがバスバー積層体60において放熱され、平滑コンデンサ13への熱の伝達が低減される。即ち、バスバー積層体60は熱の伝達を抑制する熱フィルタとなっている。
図1の本実施形態と図9の比較例とを対比しつつ説明する。
図9の比較例では、パワーモジュール100から延びるバスバー101,102を用いてパワーモジュール100と平滑コンデンサ103を電気的に接続している。つまり、車載用インバータ装置において、車載バッテリから入力された電力が、平滑コンデンサ103を通してスイッチング用のパワーモジュール100に入力される。
図9の比較例では、パワーモジュール100から延びるバスバー101,102を用いてパワーモジュール100と平滑コンデンサ103を電気的に接続している。つまり、車載用インバータ装置において、車載バッテリから入力された電力が、平滑コンデンサ103を通してスイッチング用のパワーモジュール100に入力される。
図9に示すように構成した場合においては、パワーモジュール100から外部に引き出されるバスバー101,102は、動作温度と同程度の温度になっており、平滑コンデンサ103の耐熱温度を超える温度になりうる。この場合において、特に、パワーモジュール100のN極用のバスバー101は、パワースイッチング素子と直接接合されており、パワーモジュール100に設置された放熱部材とは熱的には接続されていない。
また、パワーモジュール100が高温動作する場合において、例えばチップ材料としてSiCや接合材としてAg焼結接合材料を使用した場合、平滑コンデンサ103とパワーモジュール100とを接続した部分がパワーモジュール100からの熱により温度が上昇し、平滑コンデンサ103の耐熱温度を超える場合がある。例えば、パワーモジュール100が200℃で動作可能とすると、パワーモジュール100のバスバー101,102も200℃程度であり、平滑コンデンサ103をフィルムコンデンサで構成した場合には耐熱温度は例えば105℃である。また、平滑コンデンサ103とパワーモジュール100との電気的接続部分は、インダクタンスが小さいことが求められる。
本実施形態では、平滑コンデンサとパワーモジュールの電気的接続部分においてバスバー積層体60を配して下面が放熱面となり熱を効率的に逃がしながら電気的に接続するようにした。
即ち、バスバー積層体60は、P極用のバスバー61とN極用のバスバー62は重ね合わされており、電流の向きが逆で互いに向き合わせになり、相互誘導作用によりインダクタンスが低減される。また、N極用のバスバー51は、発熱するパワースイッチング素子15,17,19に直接熱的に接続され、P極用のバスバー50は、パワースイッチング素子14〜19に直接熱的に接続されておらず、より高温になるN極用のバスバー51につながるバスバー62は放熱面により近い側に配置され、放熱しやすい。これにより、パワースイッチング素子の熱により平滑コンデンサ13の耐熱を超えることを防止することができる。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)半導体装置の構成として、基板40に搭載されたパワースイッチング素子(チップ)15,17,19に接合される第1のバスバーBB1を備える。また、基板40の導体パターン43に接合される第2のバスバーBB2を備える。さらに、第1のバスバーBB1および第2のバスバーBB2と電気的に接続される電子部品としての平滑コンデンサ13と、放熱部材としての筐体30と、を備える。また、基板40と平滑コンデンサ13との間では、第1のバスバーBB1と第2のバスバーBB2とは同一方向に並んで配置されるとともに第1のバスバーBB1は第2のバスバーBB2よりも筐体30側に配置されている。よって、第1のバスバーBB1を効率よく放熱できるため、第1のバスバーBB1から平滑コンデンサ13に熱が伝わることを抑制できる。
(1)半導体装置の構成として、基板40に搭載されたパワースイッチング素子(チップ)15,17,19に接合される第1のバスバーBB1を備える。また、基板40の導体パターン43に接合される第2のバスバーBB2を備える。さらに、第1のバスバーBB1および第2のバスバーBB2と電気的に接続される電子部品としての平滑コンデンサ13と、放熱部材としての筐体30と、を備える。また、基板40と平滑コンデンサ13との間では、第1のバスバーBB1と第2のバスバーBB2とは同一方向に並んで配置されるとともに第1のバスバーBB1は第2のバスバーBB2よりも筐体30側に配置されている。よって、第1のバスバーBB1を効率よく放熱できるため、第1のバスバーBB1から平滑コンデンサ13に熱が伝わることを抑制できる。
(2)第1のバスバーBB1は、パワースイッチング素子15,17,19に接合されるバスバー51と、バスバー51に接続されるバスバー62とを有する。第2のバスバーBB2は、基板40の導体パターン43に接合されるバスバー50と、バスバー50に接続されるバスバー61とを有する。そして、基板40と平滑コンデンサ13との間では、バスバー62とバスバー61とは同一方向に並んで配置されるとともにバスバー62はバスバー61よりも筐体30の底板31側に配置される。よって、実用的である。
実施形態は前記に限定されるものではなく、例えば、次のように具体化してもよい。
・図1では水冷式の筐体30を放熱部材として用いたが、これに代わり空冷式の筐体を放熱部材として用いてもよい。つまり、図1ではバスバー積層体60やパワーモジュールMp等を水冷方式にて冷却したが、空冷方式にて冷却してもよい。
・図1では水冷式の筐体30を放熱部材として用いたが、これに代わり空冷式の筐体を放熱部材として用いてもよい。つまり、図1ではバスバー積層体60やパワーモジュールMp等を水冷方式にて冷却したが、空冷方式にて冷却してもよい。
・図1においては筐体30の底板31上にバスバー積層体60を載置し、付勢手段でバスバー積層体60を上から押さえ付ける構造とした。これに代わり、図5に示すようにバスバー積層体60において締結用の貫通孔68を設けて、貫通孔68に、ねじを通して筐体30の底板31(放熱部材側)にねじ締結してもよい。
・図1では放熱部材としての筐体30の底板31上においてパワーモジュールMp(基板40)と平滑コンデンサ13とバスバー積層体60とが平面方向に並ぶ構成とした。これに代わり、図6に示すように、冷却器(放熱部材)70の上面にパワーモジュール71を配置し、冷却器(放熱部材)70の下面にバスバー積層体72を配置した積層構造としてもよい。
・図1では、平滑コンデンサ13とパワーモジュールMpとの間にバスバー積層体60を配した(入力電力が平滑コンデンサ13を通してスイッチング用のパワーモジュールMpに入力される)。この構成に加えて、パワーモジュールMpの出力側にもバスバーを放熱できるようにしてもよい。より詳しくは、パワーモジュールMpのバスバー47,48,49の先端部付近に電流センサ(図示略)が設置される場合において耐熱温度が低い電流センサを使用する際において電流センサを保護する目的でバスバー47,48,49を冷却するとよい。他にも、バスバー47,48,49の先端にコネクタを設ける場合において耐熱温度が低いコネクタを使用する際においてコネクタを保護する目的でバスバー47,48,49を冷却するとよい。
・図7に示すように、バスバー積層体80の構造として円形状として、円筒状の放熱部材81の外周面を包むような構造でもよい。つまり、バスバー積層体80は、第1のバスバー(パワースイッチング素子に接合されるバスバー)82と第2のバスバー(基板の導体パターンに接合されるバスバー)83とが間に絶縁層84を介して積層され、第1のバスバー82の内周面に絶縁層85が、第2のバスバー83の外周面に絶縁層86が配されている。そして、このバスバー積層体80を、円筒状の放熱部材81の外周面に巻き付けた構造としてもよい。
・他にも、図8に示すように、バスバー積層体90の構造として円形状として、円筒状の放熱部材91の中にバスバー積層体90を配置する。詳しくは、バスバー積層体90は、第1のバスバー(パワースイッチング素子に接合されるバスバー)92と第2のバスバー(基板の導体パターンに接合されるバスバー)93とが間に絶縁層94を介して積層されている。そして、円筒状の放熱部材91の内面とバスバー積層体90との間に電気絶縁性・熱伝導性の樹脂(例えばエポキシ樹脂)95を充填した構成としてもよい。
・図1ではバスバー50とバスバー61は別体でねじ締結されているとともにバスバー51とバスバー62は別体でねじ締結されていたが、溶接されていてもよい。他にも、バスバー50とバスバー61は一体化されているとともにバスバー51とバスバー62は一体化されていてもよい。
・パワーモジュールMpを筐体30の底板31の上面に対して放熱グリース等を介して上から押さえつけて固定してもよい。
・パワースイッチング素子14〜19として横型の素子を用いてもよく、この場合はボンディングワイヤにて基板の導体パターンと電気的に接続する。
・パワースイッチング素子14〜19として横型の素子を用いてもよく、この場合はボンディングワイヤにて基板の導体パターンと電気的に接続する。
・パワースイッチング素子14〜19としてIGBTを用いたが、パワースイッチング素子としてパワーMOSFETを使用してもよい。
・車載用インバータ装置(三相インバータ装置)10に適用したが、これに限るものではない。例えば、車載以外の機器に適用してもよい。また、インバータ装置以外にも昇圧や降圧といった電圧調整用のDC−DCコンバータに適用してもよい。
・車載用インバータ装置(三相インバータ装置)10に適用したが、これに限るものではない。例えば、車載以外の機器に適用してもよい。また、インバータ装置以外にも昇圧や降圧といった電圧調整用のDC−DCコンバータに適用してもよい。
11…半導体装置、13…平滑コンデンサ、15…パワースイッチング素子、16…パワースイッチング素子、17…パワースイッチング素子、18…パワースイッチング素子、19…パワースイッチング素子、30…筐体、40…基板、43…導体パターン、50…バスバー、51…バスバー、61…バスバー、62…バスバー、BB1…第1のバスバー、BB2…第2のバスバー。
Claims (2)
- 基板に搭載されたパワースイッチング素子に接合される第1のバスバーと、
前記基板の導体パターンに接合される第2のバスバーと、
前記第1のバスバーおよび前記第2のバスバーと電気的に接続される電子部品と、
放熱部材と、
を備える半導体装置であって、
前記基板と前記電子部品との間では、前記第1のバスバーと前記第2のバスバーとは同一方向に並んで配置されるとともに前記第1のバスバーは前記第2のバスバーよりも前記放熱部材側に配置されることを特徴とする半導体装置。 - 前記第1のバスバーは、前記パワースイッチング素子に接合される第3のバスバーと、前記第3のバスバーに接続される第4のバスバーとを有し、
前記第2のバスバーは、前記基板の導体パターンに接合される第5のバスバーと、前記第5のバスバーに接続される第6のバスバーとを有し、
前記基板と前記電子部品との間では、前記第4のバスバーと前記第6のバスバーとは同一方向に並んで配置されるとともに前記第4のバスバーは前記第6のバスバーよりも前記放熱部材側に配置されることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014239002A JP2016101071A (ja) | 2014-11-26 | 2014-11-26 | 半導体装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014239002A JP2016101071A (ja) | 2014-11-26 | 2014-11-26 | 半導体装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016101071A true JP2016101071A (ja) | 2016-05-30 |
Family
ID=56077775
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2014239002A Pending JP2016101071A (ja) | 2014-11-26 | 2014-11-26 | 半導体装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2016101071A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018186686A (ja) * | 2017-04-27 | 2018-11-22 | 富士電機株式会社 | 電力変換装置 |
CN109300884A (zh) * | 2017-07-25 | 2019-02-01 | 上海骐宏电驱动科技有限公司 | 并联式电力模块、电力装置及电力系统 |
-
2014
- 2014-11-26 JP JP2014239002A patent/JP2016101071A/ja active Pending
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