本開示は、空気調和装置に関する。
特許文献1には、カビや細菌の繁殖を抑制する機能を備えた空気調和装置が開示されている。同文献の図2に示すように、空気調和装置では、除湿運転が実行された後、送風運転、暖房運転が順に実行される。除湿運転では、室内熱交換器の表面で結露水が発生する。送風運転では、圧縮機が停止し、室内送風機が運転する。室内送風機が搬送する空気によって室内熱交換器が乾燥される。暖房運転では、室内熱交換器が凝縮器として機能し、室内送風機が運転する。室内熱交換器は、その内部の冷媒によってさらに乾燥される。
上述したように、特許文献1の空気調和装置は、利用熱交換器(室内熱交換器)を乾燥させるために第3動作(暖房運転)を行う。第3動作において、利用熱交換器の表面で蒸発した水分は、送風機に搬送された空気とともに対象空間へ供給される。このため、比較的高温高湿の空気が対象空間へ供給されることにより、対象空間の人が不快さを感じてしまう。
本開示の目的は、送風機を運転し、且つ利用熱交換器を放熱器として該利用熱交換器を乾燥させる動作において、対象空間の人が不快さを感じることを抑制することである。
第1の態様は、圧縮機(21)、熱源熱交換器(22)、減圧機構(23)、及び利用熱交換器(53)を含み、前記利用熱交換器(53)を蒸発器とする第1冷凍サイクルと、該利用熱交換器(53)を放熱器とする第2冷凍サイクルとを行う冷媒回路(11)と、前記利用熱交換器(53)が設けられ、該利用熱交換器(53)を通過する空気を対象空間に供給する送風機(52)を有する利用ユニット(40)と、第1動作、第2動作、及び第3動作を順に実行するように前記冷媒回路(11)及び送風機(52)を制御する制御装置(C)とを備え、前記第1動作は、前記送風機(52)を運転するとともに前記第1冷凍サイクルを行い、蒸発器とした前記利用熱交換器(53)に結露水又は氷を生じさせる動作であり、前記第2動作は、前記送風機(52)を運転するとともに前記利用熱交換器(53)を停止する動作であり、前記第3動作は、前記送風機(52)を運転するとともに前記第2冷凍サイクルを行い、放熱器とした前記利用熱交換器(53)により空気を加熱する動作であり、前記第3動作の実行時間が、前記第2動作の実行時間よりも短い空気調和装置である。
第1の態様は、第1動作において、利用熱交換器(53)の表面で結露水又は氷が生じる。第2動作において、送風機(52)が搬送する空気によって、利用熱交換器(53)が乾燥される。第3動作において、放熱器とした利用熱交換器(53)の冷媒によって、利用熱交換器(53)が乾燥される。この第3動作の実行時間は、第2動作の実行時間よりも短い。このため、第3動作において、比較的高温高湿の空気が対象空間へ供給されることに起因して、対象空間の人が不快さを感じることを抑制できる。
第2の態様は、第1の態様において、前記制御装置(C)は、前記利用熱交換器(53)により対象空間を空調する第1運転と、前記第1動作、前記第2動作、及び前記第3動作を含む第2運転とを実行させる。
第2の態様では、対象空間を空調する第1運転の後、第2運転が実行される。第2運転では、第1動作、第2動作、及び第3動作が順に実行される。
第3の態様は、第2の態様において、前記制御装置(C)は、前記第1運転が終了すると前記第2運転を開始させる。
第3の態様では、対象空間を空調する第1運転が終了すると、第2運転が開始され、利用熱交換器(53)の洗浄及び乾燥が行われる。
第4の態様は、第2又は第3の態様において、前記第1運転は、前記第1冷凍サイクルを行い蒸発器とした前記利用熱交換器(53)により空気を冷却する冷却運転と、前記第2冷凍サイクルを行い放熱器とした前記利用熱交換器(53)により空気を加熱する加熱運転とを含み、前記制御装置(C)は、前記冷却運転が終了すると前記第2運転を開始させ、前記加熱運転が終了すると前記第2運転を開始させない。
第4の態様では、冷却運転の後には、制御装置(C)が第2運転を開始させる。冷却運転は、夏季などの高温高湿条件下で実行される。このため、第2運転の第1動作を実行することで、利用熱交換器(52)で結露水や氷を生成しやすくなる。加熱運転の後には、制御装置(C)が第2運転を開始させない。加熱運転では、冬季などの低湿低温条件下で実行されることが多く、第2運転の第1動作を実行しても、結露水あるいは氷を発生させることが困難だからである。
第5の態様は、第2〜第4のいずれか1つの態様において、前記制御装置(C)は、前記第2運転の前記第1動作中において、前記利用熱交換器(53)の蒸発温度に関する指標が該利用熱交換器(53)を流れる空気の露点温度より高い第1条件が成立すると、前記第1動作の実行を禁止する。
第5の態様では、第2運転の第1動作中において、第1条件が成立すると第1動作の実行を禁止する。蒸発温度に関する指標が空気の露点温度より高い場合、結露水、あるいは氷を生成することが困難だからである。
第6の態様は、第2〜5のいずれか1つの態様において、前記第1運転は、前記第1冷凍サイクルを行い蒸発器とした前記利用熱交換器(53)により空気を冷却する冷却運転を含み、前記制御装置(C)は、前記冷却運転の終了時から前記第2運転の開始時までの間に、前記利用熱交換器(53)の蒸発温度に関する指標が該利用熱交換器(53)を流れる空気の露点温度より高い第1条件が成立すると、前記第1動作の実行を禁止する。
第6の態様では、冷却運転の終了時から第2運転の開始までの間に、第1条件が成立すると第1動作の実行を禁止する。蒸発温度に関する指標が空気の露点温度より高い場合、結露水、あるいは氷を生成することが困難だからである。
第7の態様は、第5又は第6の態様において、前記制御装置(C)は、前記第1条件が成立すると、前記第1動作の実行を禁止し前記第2動作を実行させる。
第7の態様では、蒸発温度に関する指標が空気の露点温度より高い場合、第1動作の実行を禁止し、第2動作を実行させる。言い換えると、結露水、あるいは氷を生成することが困難な状況では、利用熱交換器(53)を乾燥させるために、第2動作を実行する。
第8の態様は、第2〜第7のいずれか1つの態様において、前記第1運転は、前記対象空間を冷房する冷房運転であり、前記第1動作中の前記利用熱交換器(53)の蒸発温度域が、前記冷房運転中の前記利用熱交換器(53)の蒸発温度域よりも低い。
ここで、「第1動作中の前記利用熱交換器(53)の蒸発温度域が、冷房運転中の前記利用熱交換器(53)の蒸発温度域よりも低い」ことの定義の意味は、第1動作の蒸発温度域(以下、第1蒸発温度域という)と、冷房運転の蒸発温度域(以下、第2蒸発温度域という)とが全く重なっていない場合、及び第1蒸発温度域と第2蒸発温度域との一部が重なっている場合の双方を含む。
具体的に、第1蒸発温度域と第2蒸発温度域とが全く重なっていない場合、上記定義は、第1蒸発温度域の上限値が、第2蒸発温度の下限値より低いことを意味する。
第1蒸発温度域と第2蒸発温度域との一部が重なっている場合、上記定義は、例えば次の意味を含む。1)第1蒸発温度域の下限値が第2蒸発温度域の下限値より低く、且つ第1蒸発温度域の上限値が第2蒸発温度域の上限値より低い。2)第1蒸発温度域の上限値と第2蒸発温度域の上限値とが同じで且つ第1蒸発温度域の下限値が第2蒸発温度域の下限値より低い。
第8の態様では、冷房運転の後、第2運転が実行される。第2運転の第1動作中の利用熱交換器(53)の蒸発温度域は、冷房運転中の利用熱交換器(53)の蒸発温度域よりも低い。このため、第1動作において、利用熱交換器(53)で結露水又は氷を生成できる。
第9の態様は、第1〜第8のいずれか1つの態様において、前記利用ユニット(40)は、前記利用熱交換器(53)の上流側に配置されるフィルタ(50)と、前記フィルタ(50)に付着した塵埃を取る清掃機構(59)とを有し、前記制御装置(C)は、前記第1動作、前記第2動作、及び前記第3動作の少なくとも1つの動作の実行中において、前記清掃機構(59)を運転させる第3運転を実行する要求があると、前記第1動作、前記第2動作、及び前記第3動作のうち実行中の動作を終了し前記第3運転を実行させる。
第9の態様では、第1動作、第2動作、及び第3動作よりも、清掃機構(59)を運転させる第3運転が優先的に実行される。これにより、ユーザ等によるフィルタ(50)の清掃の要求を、各動作より優先させることができる。
第10の態様は、第1〜第9のいずれか1つの態様において、前記利用ユニット(40)は、前記利用ユニット(40)内で発生した結露水を受けるトレー(54)と、前記トレー(54)内の水を排出するポンプ(58)とを有し、前記制御装置(C)は、前記第1動作、前記第2動作、及び前記第3動作の少なくとも1つの動作の実行中に異常が発生すると、前記第1動作、前記第2動作、及び前記第3動作のうち実行中の動作を終了し、前記ポンプ(58)を運転状態とする。なお、ここでいうポンプ(58)の運転状態とは、停止中のポンプ(58)を運転状態とすることだけでなく、運転中のポンプ(58)を継続して運転状態とすることも含む意味である。
第10の態様では、異常が発生すると、実行中の動作が終了し、ポンプ(58)が運転状態となる。これにより、異常時においてトレー(54)内の水が蒸発することを抑制できる。
第11の態様は、第10の態様において、前記制御装置(C)は、前記第3動作中に前記異常が発生すると該第3動作を終了し、前記ポンプ(58)を運転状態とする。なお、ここでいうポンプ(58)の運転状態とは、停止中のポンプ(58)を運転状態とすることだけでなく、運転中のポンプ(58)を継続して運転状態とすることも含む意味である。
第11の態様では、第3動作において異常が発生すると、第3動作が終了し、ポンプ(58)が運転状態となる。第3動作では、利用熱交換器(53)が放熱器となるため、利用ユニット(40)の機内温度が高くなりやすい。この状態では、トレー(54)内の水が蒸発しやすい。このときにポンプ(58)を運転することで、トレー(54)内の水を排出でき、この水の蒸発を抑制できる。
第12の態様は、第1〜第11のいずれか1つの態様において、前記利用ユニット(40)は、空気中で放電を行う放電装置(60)を有し、前記制御装置(C)は、前記第2動作において前記放電装置(60)を運転させる。
第12の態様では、送風機(52)を運転させる第2動作において、放電装置(60)を運転させる。第2動作中の室内ユニット(40)では、機内の湿度が比較的低い。このため、機内の湿度が比較的高い条件下で放電装置(60)が運転することを抑制できる。
図1は、実施形態に係る空気調和装置の全体構成図である。
図2は、実施形態に係る空気調和装置の配管系統図である。
図3は、実施形態に係る室内ユニットの内部構造を示す縦断面図である。
図4は、実施形態に係る室内ユニットの吹出口の近傍を拡大した図であり、フラップが閉位置にある状態を示している。
図5は、実施形態に係る室内ユニットの吹出口の近傍を拡大した図であり、フラップが水平吹出位置にある状態を示している。
図6は、ドレンパン及び排水路の概略構成図である。
図7は、制御装置、及び制御装置と通信線を介して接続する機器を示すブロック図である。
図8は、第1運転、及び第2運転における各機器の動作を示すタイムチャートである。
図9は、第2運転の開始前の判定に係るフローチャートである。
図10は、第1動作時の判定に係るフローチャートである。
図11は、第2動作時の判定に係るフローチャートである。
図12は、第3動作時の判定に係るフローチャートである。
図13は、第4動作の判定に係るフローチャートである。
図14は、放電装置の制御に係るフローチャートである。
以下、本開示の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
〈空気調和装置の全体構成〉
空気調和装置(10)は、対象空間の空気の温度を調節する。本例の対象空間は、室内空間である。空気調和装置(10)は、冷房運転、暖房運転、及び除湿運転を行う。空気調和装置(10)は、第2運転を行う。第2運転は、室内熱交換器(53)をきれいにする運転である。
図1及び図2に示すように、空気調和装置(10)は、室外ユニット(20)と室内ユニット(40)と液連絡管(12)とガス連絡管(13)とを備える。室外ユニット(20)と室内ユニット(40)とは、液連絡管(12)及びガス連絡管(13)を介して互いに接続される。これらが接続されることにより、冷媒回路(11)が構成される。冷媒回路(11)には、冷媒が充填される。本例の冷媒は、ジフルオロメタンである。冷媒回路(11)は、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う。冷媒回路(11)は、主として、圧縮機(21)と室外熱交換器(22)と膨張弁(23)と室内熱交換器(53)と四方切換弁(25)とを有する。
〈室外ユニット〉
室外ユニット(20)は、室外に設置される。図2に示すように、室外ユニット(20)は、圧縮機(21)、室外熱交換器(22)、膨張弁(23)、四方切換弁(25)、及び室外ファン(26)を有する。
圧縮機(21)は、低圧のガス冷媒を吸入し、圧縮する。圧縮機(21)は、圧縮した冷媒を吐出する。圧縮機(21)は、インバータ回路から電動機へ電力が供給される、可変容量式である。言い換えると、圧縮機(21)は、電動機の運転周波数(回転数)が調節可能に構成される。
室外熱交換器(22)は、熱源熱交換器に対応する。室外ファン(26)は、室外熱交換器(22)を通過する室外空気を搬送する。室外熱交換器(22)は、室外ファン(26)が搬送する室外空気と、冷媒とを熱交換させる。
膨張弁(23)は、減圧機構に対応する。膨張弁(23)は、冷媒を減圧する。膨張弁(23)は、開度が調節可能な電動膨張弁である。減圧機構は、感温式の膨張弁、膨張機、キャピラリーチューブなどであってもよい。膨張弁(23)は、冷媒回路(11)の液ラインに接続されていればよく、室内ユニット(40)に設けられてもよい。
四方切換弁(25)は、第1ポート(P1)と第2ポート(P2)と第3ポート(P3)と第4ポート(P4)とを有する。第1ポート(P1)は圧縮機(21)の吐出部に繋がる。第2ポート(P2)は圧縮機(21)の吸入部に繋がる。第3ポート(P3)は室外熱交換器(22)のガス端部に繋がる。第4ポート(P4)はガス連絡管(13)に繋がる。
四方切換弁(25)は、第1状態(図2の実線で示す状態)と、第2状態(図2の破線で示す状態)とに切り換わる。第1状態の四方切換弁(25)は、第1ポート(P1)と第3ポート(P3)とを連通させ且つ第2ポート(P2)と第4ポート(P4)とを連通させる。第2状態の四方切換弁(25)は、第1ポート(P1)と第4ポート(P4)とを連通させ且つ第2ポート(P2)と第3ポート(P3)とを連通させる。
冷媒回路(11)は、四方切換弁(25)の切換に応じて第1冷凍サイクルと第2冷凍サイクルとを行う。第1冷凍サイクルは、室内熱交換器(53)を蒸発器とする冷凍サイクルである。第2冷凍サイクルは、室内熱交換器(53)を放熱器とする冷凍サイクルである。
室外ユニット(20)は、吐出圧力センサ(27)、吐出温度センサ(28)、吸入温度センサ(29)、外気温度センサ(30)、及び第1冷媒温度センサ(31)を有する。
吐出圧力センサ(27)は、圧縮機(21)から吐出される高圧媒の圧力を検出する。吸入温度センサ(29)は、圧縮機(21)に吸入される低圧冷媒の圧力を検出する。外気温度センサ(30)は、室外空気の温度を検出する。第1冷媒温度センサ(31)は、室外熱交換器(22)の内部の冷媒の温度を検出する。
〈室内ユニット〉
室内ユニット(40)は、室内に設置される。図3に示すように、室内ユニット(40)は、天井に設置される天井設置式である。具体的には、室内ユニット(40)は、天井裏の梁に吊り下げられる天井吊り式である。より具体的には、天井面に埋め込まれる天井埋込式である。室内ユニット(40)は、ケーシング(41)と、フィルタ(50)と、ベルマウス(51)と、室内ファン(52)と、室内熱交換器(53)と、ドレンパン(54)と、風向調節部(55)とを有する。
ケーシング(41)は、ケーシング本体(42)と、パネル(43)とを有する。ケーシング本体(42)は、下側に開放面が形成される矩形箱状に形成される。パネル(43)は、ケーシング本体(42)の開口面に着脱可能に設けられる。パネル(43)は、平面視において矩形枠状のパネル本体(44)と、パネル本体(44)の中央に設けられる吸込グリル(45)とを有する。パネル本体(44)の中央には、1つの吸込口(46)が形成される。吸込グリル(45)は、吸込口(46)に取り付けられる。パネル本体(44)の4つの側縁部には、それぞれ吹出口(47)が1つずつ形成される。各吹出口(47)は、4つの側縁に沿うように延びている。ケーシング(41)の内部では、吸込口(46)から吹出口(47)までの間の空気通路(48)が形成される。パネル(43)の4つの角部のそれぞれには、各吹出口(47)と連続するように補助吹出口が形成される。
フィルタ(50)は、吸込グリル(45)の上方に配置される。フィルタ(50)は、空気通路(48)における室内熱交換器(53)の上流側に配置される。フィルタ(50)は、吸込口(46)から吸い込まれる空気である吸込空気中の塵埃を捕集する。
ベルマウス(51)は、フィルタ(50)の上方に配置される。ベルマウス(51)は吸込空気を整流する。
室内ファン(52)は、ベルマウス(51)の上方に配置される。室内ファン(52)は、空気通路(48)における室内熱交換器(53)の上流側に配置される。室内ファン(52)は、送風機に対応する。室内ファン(52)は、遠心式である。室内ファン(52)は、室内熱交換器(53)を通過する空気を搬送する。室内ファン(52)は、ベルマウス(51)側から吸い込んだ空気を径方向外方へ搬送する。
室内ファン(52)は、その風量が4段階に切り替え可能に構成される。具体的に、これらの4段階の風量は、小さい風量から順に、微風量(LL)、小風量(L)中風量(M)、大風量(H)である。制御装置(C)は、室内ファン(52)の風量をこれらの4段階の風量の間で制御する。
室内熱交換器(53)は、室内ファン(52)の周囲に配置される。室内熱交換器(53)は、ケーシング本体(42)の4つの側面に沿うように折り曲げられている。室内熱交換器(53)は、利用熱交換器に対応する。室内熱交換器(53)では、室内ファン(52)が搬送する空気と、冷媒とが熱交換する。
ドレンパン(54)は、室内熱交換器(53)の下側に配置される。ドレンパン(54)は、トレーに対応する。ドレンパン(54)は、室内ユニット(40)のケーシング(41)の内部で発生した結露水を受ける。
風向調節部(55)は、吹出口(47)から吹き出される空気である吹出空気の風向を調節する。風向調節部(55)は、図示しないモータと、モータに連結する軸(56)と、軸(56)の回転に伴い回動するフラップ(57)とを有する。フラップ(57)は、パネル本体(44)の側縁、あるいは吹出口(47)の長手方向に沿って延びる長板状に形成される。フラップ(57)の縦断面の形状は略円弧状である。
フラップ(57)は、吹出口(47)を開閉する。フラップ(57)は、傾斜角度を段階的に変えられるように構成される。本例のフラップ(57)が調節される位置は、6つの位置を含む。これらの6つ位置は、図4に示す閉位置と、5つの開位置とを含む。5つの開位置は、図5に示す水平吹出位置を含む。閉位置のフラップ(57)は、吹出口(47)を実質的に閉じる。閉位置のフラップ(57)と、吹出口(47)の間に隙間が形成されていてもよい。
水平吹出位置のフラップ(57)は、吹出空気を略水平方向に吹き出す。水平吹出位置は、フラップ(57)の閉位置からの角度の変化が最小となる位置である。フラップ(57)が水平吹出位置にあると、複数の開位置の中で、吹出口(47)の内縁とフラップ(57)との間の隙間が最も狭くなる。
図6に示すように、室内ユニット(40)は、ドレンポンプ(58)と、排水路(70)とを有する。
ドレンポンプ(58)は、ドレンパン(54)内の水を排出するポンプに対応する。ドレンポンプ(58)は、ドレンパン(54)内の水を、排水路(70)を経由してケーシング(41)の外部へ排出する。
本例の排水路(70)は、第1立上部(70a)、第1中継部(70b)、第2中継部(70c)、第2立上部(70d)、及び傾斜部(70e)を含む。第1立上部(70a)及び第1中継部(70b)はケーシング(41)の内部に配置される。第2中継部(70c)、第2立上部(70d)、及び傾斜部(70e)はケーシング(41)の外部に配置される。
第1立上部(70a)は、ドレンポンプ(58)から上方に延びている。第1立上部(70a)は、ドレンポンプ(58)によって送られる水の下流側に向かって上方に延びている。第1中継部(70b)は、第1立上部(70a)の上端部から略水平方向に延びている。第2中継部(70c)は、柔軟なホースで構成される。第2中継部(70c)は第1中継部(70b)とクランプ金具を介して連結される。第2中継部(70c)は略水平方向に延びている。第2立上部(70d)は、第2中継部(70c)の端部から上方に延びている。第2立上部(70d)は、ドレンポンプ(58)によって送られる水の下流側に向かって上方に延びている。傾斜部(70e)は、柔軟なホースで構成される。傾斜部(70e)は、第2立上部(70d)の上端から斜め下方に延びている。ドレンポンプ(58)が停止中において、傾斜部(70e)の内部の水は、自身の自重により下方へ流れ落ちていく。本例の排水路(70)では、第1立上部(70a)及び第2立上部(70d)を設けることにより、傾斜部(70e)の水を自重により流すための揚程を確保している。
図2に模式的に示すように、室内ユニット(40)は、清掃機構(59)を有する。清掃機構(59)は、空気通路(48)におけるフィルタ(50)の上流側に配置される。清掃機構(59)は、モータと、除去部と、捕集箱とを含む。モータは、除去部を駆動する。除去部は、フィルタ(50)上の塵埃を掻き取る。捕集箱は、除去部で掻き取られた塵埃を貯める。捕集箱に貯まった塵埃は、掃除機によって回収される。
図2に模式的に示すように、室内ユニット(40)は、放電装置(60)を有する。放電装置(60)は、空気通路(48)における室内熱交換器(53)の上流側に配置される。放電装置(60)は、高圧電源部と、高圧電源部と電気的に接続する一対の電極とを含む。高圧電源部から一対の電極に直流電圧が印加されると、一対の電極の間で放電が生じる。本例の放電装置(60)は、ストリーマ放電を発生する。放電装置(60)は、グロー放電やコロナ放電を発生する方式でもよい。放電が生じると、空気中で活性種が生成する。活性種は、高速電子、イオン、水酸化ラジカル、励起分子などの酸化分解力が高い物質を含む。活性種は、空気中の有害成分、臭気成分、アレルゲンなどを分解する。
図2に示すように、室内ユニット(40)は、内気温度センサ(61)、内気湿度センサ(62)、及び第2冷媒温度センサ(63)を有する。
内気温度センサ(61)は、対象空間の室内空気の温度を室内温度(T1)として検出する。空気温度(T1)は、吸込空気の温度である。
内気湿度センサ(62)は、対象空間の室内空気の湿度を室内湿度(R1)として検出する。室内湿度(R1)は、吸込空気の湿度である。本例の内気湿度センサ(62)は、室内空気の絶対湿度を検出する。内気湿度センサ(62)は、室内空気の相対湿度を検出してもよい。
第2冷媒温度センサ(63)は、室内熱交換器(53)の冷媒の温度を検出する。第2冷媒温度センサ(63)は、蒸発器として機能する室内熱交換器(53)の蒸発温度(Te)を検出する。第2冷媒温度センサ(63)は、放熱器として機能する室内熱交換器(53)の凝縮温度(Tc)を検出する。蒸発温度(Te)は、冷媒の低圧圧力に相当する飽和温度によって求めてもよい。凝縮温度(Tc)は、冷媒の高圧圧力に相当する飽和温度によって求めてもよい。
第2冷媒温度センサ(63)は、室内ユニット(40)の機内温度(T2)を検出するセンサを兼用している。機内温度(T2)は、室内ユニット(40)のケーシング(41)の空気通路(48)の空気の温度に相当する。空気調和装置(10)は、第2冷媒温度センサ(63)と別に、機内温度(T2)を検出する他のセンサを有してもよい。
〈制御装置〉
図7に示すように、空気調和装置(10)は、制御装置(C)を有する。制御装置(C)は、冷媒回路(11)を制御する。制御装置(C)は、室内ユニット(40)及び室外ユニット(20)を制御する。制御装置(C)は、室外制御部(C1)、室内制御部(C2)、及びリモートコントローラ(C3)を含む。室外制御部(C1)は、室外ユニット(20)に設けられる。室内制御部(C2)は、室内ユニット(40)に設けられる。
リモートコントローラ(C3)は、対象空間に設けられる。リモートコントローラ(C3)は、ユーザが操作可能な位置にある。リモートコントローラ(C3)は、表示部(80)を有する。表示部(80)は、ユーザやメンテナンス業者などに所定の情報を知らせるためのサインを表示する。ここでいうサインは、文字、コード、記号、絵、アイコンなどを含む。表示部(80)は、例えば液晶モニタによって構成される。
室外制御部(C1)、室内制御部(C2)、及びリモートコントローラ(C3)のそれぞれは、制御基板を有する。制御基板のそれぞれには、マイクロコンピュータと、該マイクロコンピュータを動作させるためのソフトウエアを格納するメモリディバイスとが設けられる。
制御装置(C)は、複数の第1通信線を含む。室外制御部(C1)、室内制御部(C2)、及びリモートコントローラ(C3)は、これらの第1通信線を介して信号の授受を行う。第1通信線は、有線である。第1通信線は、無線であってもよい。
制御装置(C)は、圧縮機(21)、膨張弁(23)、四方切換弁(25)、室外ファン(26)、室内ファン(52)、風向調節部(55)、ドレンポンプ(58)、清掃機構(59)、放電装置(60)、及び各センサと接続する複数の第2通信線を含む。
制御装置(C)は、少なくとも、圧縮機(21)、膨張弁(23)、四方切換弁(25)、室外ファン(26)、室内ファン(52)、風向調節部(55)、ドレンポンプ(58)、清掃機構(59)、及び放電装置(60)に制御信号を出力する出力部を有する。制御装置(C)は、各センサの検出値が入力される入力部を有する。
−運転動作−
〈運転動作の概要〉
空気調和装置(10)は、第1運転と、第2運転とを行う。
第1運転は、対象空間を空調する通常の運転である。第1運転は、冷房運転、除湿運転、及び暖房運転を含む。
冷房運転は、対象空間の空気を冷却する運転である。除湿運転は、対象空間の空気を除湿する運転である。冷房運転及び除湿運転は、冷却運転に対応する。冷却運転は、第1冷凍サイクルを行い蒸発器とした室内熱交換器(53)により空気を冷却する運転である。
暖房運転は、対象空間の空気を加熱する運転である。暖房運転は、加熱運転に対応する。加熱運転は、第2冷凍サイクルを行い放熱器とした室内熱交換器(53)により空気を加熱する運転である。
第2運転は、室内熱交換器(53)を洗浄するための運転である。第2運転は、第1動作、第2動作、及び第3動作を含む。第2運転は、さらに第4動作を含む。第1動作は、室内ファン(52)を運転するとともに第1冷凍サイクルを行い、蒸発器とした室内熱交換器(53)に結露水を生じさせる動作である。第2動作は、室内ファン(52)を運転するとともに室内熱交換器(53)を停止する動作である。第3動作は、室内ファン(52)を運転するとともに室内熱交換器(53)を放熱器とする動作である。第4動作は、ドレンパン(54)に溜まった水をケーシング(41)の外部へ排出する動作である。
〈冷房運転〉
冷房運転では、制御装置(C)が、圧縮機(21)、室内ファン(52)、室外ファン(26)を運転させる。制御装置(C)は、四方切換弁(25)を第1状態に設定する。制御装置(C)は、膨張弁(23)の開度を適宜調節する。冷房運転では、圧縮機(21)で圧縮した冷媒が室外熱交換器(22)で放熱し、室内熱交換器(53)で蒸発する第1冷凍サイクルが行われる。
冷房運転において、圧縮機(21)が圧縮した冷媒は、四方切換弁(25)を通過し、室外熱交換器(22)を流れる。室外熱交換器(22)では、冷媒が室外空気へ放熱して凝縮する。室外熱交換器(22)で放熱した冷媒は、膨張弁(23)で減圧された後、室内熱交換器(53)を流れる。室内熱交換器(53)では、冷媒が室内空気から吸熱した蒸発する。室内熱交換器(53)により冷却された空気は吹出口(47)から対象空間へ供給される。室内熱交換器(53)で蒸発した冷媒は、圧縮機(21)に吸入され、再び圧縮される。
冷房運転では、室内温度(T1)が設定温度に収束するように、制御装置(C)が室内熱交換器(53)の目標蒸発温度(TeS)を調節する。制御装置(C)は、室内熱交換器(53)の冷媒の蒸発温度(Te)が目標蒸発温度(TeS)に収束するように圧縮機(21)の回転数を制御する。
〈除湿運転〉
除湿運転では、制御装置(C)が、圧縮機(21)、室内ファン(52)、室外ファン(26)を運転させる。制御装置(C)は、四方切換弁(25)を第1状態に設定する。制御装置(C)は、膨張弁(23)の開度を適宜調節する。除湿運転では、圧縮機(21)で圧縮した冷媒が室外熱交換器(22)で放熱し、室内熱交換器(53)で蒸発する第1冷凍サイクルが行われる。除湿運転の冷媒の流れは、冷房運転の冷媒の流れと同じである。
除湿運転では、室内熱交換器(53)の蒸発温度(Te)が室内空気の露点温度(Td)を下回るように、制御装置(C)が室内熱交換器(53)の冷却能力を制御する。制御装置(C)は、内気温度センサ(61)で検出した室内温度(T1)と、内気湿度センサ(62)で検出した室内湿度(R1)とに基づいて露点温度(Td)を求める。制御装置(C)は、室内熱交換器(53)の蒸発温度(Te)が露点温度(Td)以下になるように目標蒸発温度(TeS)を調節する。制御装置(C)は、室内熱交換器(53)の冷媒の蒸発温度(Te)が目標蒸発温度(TeS)に収束するように圧縮機(21)の回転数を制御する。
以上の制御により、除湿運転では、室内熱交換器(53)で冷却された室内空気中の水分が結露する。これにより、室内空気が除湿される。ドレンパン(54)は、結露した水分を受ける。除湿された空気は吹出口(47)から対象空間へ供給される。
〈暖房運転〉
暖房運転では、制御装置(C)が、圧縮機(21)、室内ファン(52)、室外ファン(26)を運転させる。制御装置(C)は、四方切換弁(25)を第2状態に設定する。制御装置(C)は、膨張弁(23)の開度を適宜調節する。暖房運転では、圧縮機(21)で圧縮した冷媒が室内熱交換器(53)で放熱し、室外熱交換器(22)で蒸発する第2冷凍サイクルが行われる。
暖房運転において、圧縮機(21)が圧縮した冷媒は、四方切換弁(25)を通過し、室内熱交換器(53)を流れる。室内熱交換器(53)では、冷媒が室内空気へ放熱して凝縮する。室内熱交換器(53)で加熱された空気は吹出口(47)から対象空間へ供給される。室内熱交換器(53)で放熱した冷媒は、膨張弁(23)で減圧された後、室外熱交換器(22)を流れる。室外熱交換器(22)では、冷媒が室外空気から吸熱して蒸発する。室外熱交換器(22)で蒸発した冷媒は、圧縮機(21)に吸入され、再び圧縮される。
暖房運転では、室内温度(T1)が設定温度に収束するように、制御装置(C)が室内熱交換器(53)の目標凝縮温度(TcS)を調節する。制御装置(C)は、室内熱交換器(53)の冷媒の凝縮温度(Tc)が目標凝縮温度(TcS)に収束するように圧縮機(21)の回転数を制御する。
〈第2運転〉
制御装置(C)は、原則として、通常運転が終了すると第2運転を実行させる。厳密には、制御装置(C)は、冷房運転及び除湿運転が終了すると、第2運転を開始させる。制御装置(C)は、暖房運転が終了しても第2運転を開始させない。
第2運転では、制御装置(C)は、原則として、第1動作、第2動作、第3動作、及び第4動作を順に実行させる。
第1動作の実行時間をΔT1、第2動作の実行時間をΔT2、第3動作の実行時間をΔT3、第4動作の実行時間をΔT4とする。原則として、第2動作の実行時間ΔT2は、第3動作の実行時間ΔT3より長い。第2動作の実行時間ΔT2は、第1動作の実行時間ΔT1より長い。第2動作の実行時間ΔT2は、第4動作の実行時間ΔT4より長い。
第1動作、第2動作、第3動作、及び第4動作の詳細について図8を参照しながら説明する。
〈第1動作〉
第1動作は、室内熱交換器(53)の表面に付着した埃などの汚れを落とす動作である。第1動作の実行時間ΔT1は、原則として10分である。
第1動作では、制御装置(C)が、圧縮機(21)、室内ファン(52)、室外ファン(26)を運転させる。制御装置(C)は、四方切換弁(25)を第1状態に設定する。制御装置(C)は、膨張弁(23)の開度を適宜調節する。第1動作では、圧縮機(21)で圧縮した冷媒が室外熱交換器(22)で放熱し、膨張弁(23)で減圧され、室内熱交換器(53)で蒸発する第1冷凍サイクルが行われる。
第1動作では、室内熱交換器(53)の蒸発温度(Te)が室内空気の露点温度(Td)以下になるように制御装置(C)が目標蒸発温度(TeS)を調節する。冷房運転の終了後、第1動作が実行された場合、第1動作時の目標蒸発温度(TeS)は、冷房運転の終了時の目標蒸発温度(TeS)より低い値に設定される。除湿運転の終了後、第1動作が実行された場合、第1動作時の目標蒸発温度(TeS)は、除湿運転の終了時の目標蒸発温度(TeS)と同じ値に設定される。
第1動作では、吸込口(46)から吸い込まれた空気が室内熱交換器(53)を通過する。室内熱交換器(53)では、冷媒により空気が露点温度以下まで冷却される。この結果、室内熱交換器(53)の表面において結露水が生成する。結露水は、室内熱交換器(53)の表面の埃などの汚れを落とす。室内熱交換器(53)の洗浄に利用された結露水は、ドレンパン(54)に溜まる。室内熱交換器(53)を通過した空気は、吹出口(47)から対象空間へ流出する。
第1動作では、制御装置(C)が室内ファン(52)の風量を微風量(LL)に制御する。これにより、室内熱交換器(53)を通過する空気の流量が小さくなり、結露水の生成量が増大する。加えて、吹出空気の風量が小さくなるため、対象空間の人が冷風により不快に感じることを抑制できる。
第1動作では、制御装置(C)がドレンポンプ(58)を運転する。これにより、ドレンパン(54)に貯まった水をケーシング(41)の外部へ排出できる。
第1動作では、制御装置(C)がフラップ(57)を水平吹出位置に調節する。これにより、対象空間の人に冷風が直接的に当たることを抑制できる。
第1動作中の室内熱交換器(53)の蒸発温度域は、冷房運転中の室内熱交換器(53)の蒸発温度の蒸発温度域よりも低い。具体的には、第1動作中の室内熱交換器(53)の蒸発温度の制御範囲は、冷房運転中の室内熱交換器(53)の蒸発温度の制御範囲よりも低い。例えば冷房運転の蒸発温度の制御範囲は10℃〜30℃であり、第1動作の蒸発温度の制御範囲は、4℃〜30℃である。このように、本実施形態では、第1動作の蒸発温度域(以下、第1蒸発温度域という)の上限値と、冷房運転の蒸発温度域(以下、第2蒸発温度域という)の上限値とが同じであり、第1蒸発温度域の下限値が第2蒸発温度域の下限値より低い。
なお、第1蒸発温度域と、第2蒸発温度域とが全く重なっていなくてもよい。この場合、第1蒸発温度域の上限値が、第2蒸発温度の下限値より低くなる。第1蒸発温度域と第2蒸発温度域との一部が重なっている場合、第1蒸発温度域の下限値が第2蒸発温度域の下限値より低く、且つ第1蒸発温度域の上限値が第2蒸発温度域の上限値より低くてもよい。
〈第2動作〉
第2動作は、室内熱交換器(53)の表面の水を室内ファン(52)が搬送する空気によって乾燥させる動作である。室内熱交換器(53)の表面の水を乾燥させることで、室内熱交換器(53)の表面でのカビや菌の発生を抑制できる。第2動作の実行時間ΔT2は、原則として100分である。
第2動作では、制御装置(C)が、圧縮機(21)及び室外ファン(26)を停止させる。制御装置(C)は、室内ファン(52)を運転させる。制御装置(C)は、室内ファン(52)の風量を小風量(L)に制御する。第2動作では、第1冷凍サイクル及び第2冷凍サイクルが行われず、冷媒が室内熱交換器(53)を流れない。このため、室内熱交換器(53)は停止する。ここでいう、「室内熱交換器が停止する」とは、室内熱交換器(53)が放熱器及び蒸発器としての機能を発揮しないことを意味する。
第2動作では、吸込口(46)から吸い込まれた空気が停止状態の室内熱交換器(53)を通過する。この結果、室内熱交換器(53)の表面の水分が蒸発していく。室内熱交換器(53)の乾燥に利用された空気は、吹出口(47)から対象空間へ流出する。
第2動作の実行時間ΔT2は、第3動作の実行時間ΔT3より長い。このため、室内熱交換器(53)の表面の水を、時間をかけてゆっくり乾燥できる。第2動作では、室内熱交換器(53)が放熱器とならず停止状態となる。このため、室内熱交換器(53)の表面から多量の水が蒸発することがない。よって、高温高湿の空気が長時間に亘って対象空間に供給されることに起因して対象空間の人が不快に感じることを抑制できる。
第2動作では、制御装置(C)が室内ファン(52)の風量を小風量(L)に制御する。これにより、風量が微風量(LL)であるときと比べて室内熱交換器(53)の乾燥を促進できる。風量が中風量(M)や大風量(H)であるときと比べて、対象空間の人が不快に感じることを抑制できる。
第2動作では、制御装置(C)がドレンポンプ(58)を運転する。厳密には、制御装置(C)は、第1動作から第2動作に亘ってドレンポンプ(58)を連続的に運転する。これにより、ドレンパン(54)に残った水をケーシング(41)の外部へ排出できる。
第2動作では、制御装置(C)がフラップ(57)を水平吹出位置に調節する。これにより、対象空間の人に湿った空気が直接的に当たることを抑制できる。
〈第3動作〉
第3動作は、室内熱交換器(53)の表面を冷媒により加熱し、該表面を急速に乾かす動作である。室内熱交換器(53)の表面の水を乾燥させることで、室内熱交換器(53)の表面でのカビや菌の発生を抑制できる。室内熱交換器(53)の表面の温度を高温にすることで、殺菌効果を得ることもできる。第3動作の実行時間ΔT3は、原則として10分〜15分である。
第3動作では、制御装置(C)が、圧縮機(21)、室内ファン(52)、室外ファン(26)を運転させる。制御装置(C)は、四方切換弁(25)を第2状態に設定する。制御装置(C)は、膨張弁(23)の開度を適宜調節する。第1動作では、圧縮機(21)で圧縮した冷媒が室内熱交換器(53)で放熱し、膨張弁(23)で減圧され、室外熱交換器(22)で蒸発する第2冷凍サイクルが行われる。
第3動作では、制御装置(C)が目標凝縮温度(TcS)を所定値に調節する。
第3動作では、吸込口(46)から吸い込まれた空気が室内熱交換器(53)を通過する。室内熱交換器(53)では、該室内熱交換器(53)の表面が内部の冷媒によって加熱される。この結果、室内熱交換器(53)の表面の水分がさらに蒸発する。蒸発した水分を含んだ空気は、吹出口(47)から対象空間へ流出する。
第3動作の実行時間ΔT3は、第2動作の実行時間ΔT2より短い。このため、高温高湿の空気が対象空間に供給されることに起因して対象空間の人が不快に感じることを抑制できる。
第3動作では、冷媒の熱を利用して室内熱交換器(53)を乾燥する。このため、実行時間ΔT3が比較的短くても、室内熱交換器(53)の水分を確実に除去できる。この結果、その後のカビや菌の繁殖を確実に抑えることができる。
第3動作では、制御装置(C)が室内ファン(52)の風量を小風量(L)に制御する。これにより、吹出空気の風量が比較的小さくなるため、対象空間の人が高温高湿の風により不快に感じることを抑制できる。
第3動作では、制御装置(C)がドレンポンプ(58)を運転する。厳密には、制御装置(C)は、第2動作から第3動作に亘ってドレンポンプ(58)を連続的に運転する。言い換えると、制御装置(C)は、第1動作から第3動作にかけてドレンポンプ(58)を運転する。これにより、ドレンパン(54)に残った水をケーシング(41)の外部へ十分に排出できる。
第1動作、第2動作、及び第3動作のいずれかにおいて、ドレンポンプ(58)を停止すると排水路(70)の水がドレンパン(54)に逆流するおそれがある。具体的には、図6に示すように、排水路(70)には2つの立上部(70a,70d)がある。このため、運転中のドレンポンプ(58)を停止すると、これらの立上部(70a,70d)の水が下方へ流れ、ドレンパン(54)内に逆流する。この結果、第2動作中、あるいは第3動作中にドレンポンプ(58)が停止している場合には、ドレンパン(54)の水が蒸発し、室内熱交換器(53)の表面に付着してしまう。これに対し、本実施形態では、少なくとも第1動作から第3動作に亘ってドレンポンプ(58)を連続的に運転するため、ドレンパン(54)に水が逆流することを抑制でき、ひいてはドレンパン(54)の水の蒸発を抑制できる。
特に第3動作では、室内熱交換器(53)が放熱器ないし凝縮器として機能するため、空気通路(48)の温度が高くなりやすい。このため、第3動作においてドレンパン(54)に水が逆流すると、ドレンパン(54)の水が蒸発しやすく、室内熱交換器(53)の乾燥が損なわれる。これに対し、第3動作の開始時からドレンポンプ(58)を運転することで、このような水の蒸発を確実に抑制できる。
第3動作では、制御装置(C)がフラップ(57)を水平吹出位置に調節する。これにより、対象空間の人に高温高湿の空気が直接的に当たることを抑制できる。
〈第4動作〉
第4動作では、制御装置(C)が、圧縮機(21)、室内ファン(52)、室外ファン(26)を停止させる。第4動作では、室内ユニット(40)が実質的に停止状態となる。
第4動作では、制御装置(C)がドレンポンプ(58)を運転させる。厳密には、制御装置(C)は、第3動作から第4動作に亘ってドレンポンプ(58)を連続的に運転する。言い換えると、制御装置(C)は、第1動作から第4動作にかけてドレンポンプ(58)を運転する。これにより、ドレンパン(54)に残った水をケーシング(41)の外部へ確実に排出できる。加えて、ドレンパン(54)に水が逆流することを確実に抑制でき、ドレンパン(54)の水の蒸発を抑制できる。
第4動作では、制御装置(C)がフラップ(57)を水平吹出位置とする。第4動作の直前には、第3動作が実行される。このため、第4動作中には、未だ空気通路(48)の温度が比較的高い。第4動作において、吹出口(47)を開口させることで、空気通路(48)の熱を吹出口(47)を通じてケーシング(41)の外部へ排出できる。これにより、第4動作において空気通路(48)の温度を下げることができ、ドレンパン(54)の水の蒸発を抑制できる。
フラップ(57)を水平吹出位置にすると、吹出口(47)の実質的な開口面積が最小となる。このため、空気通路(48)内の水分が吹出口(47)を通じて対象空間へ過剰に漏れてしまうことを抑制できる。これにより、対象空間の人が不快さを感じてしまうことを抑制できる。
第4動作が終了すると、第2運転が終了する。第2運転の終了時には、制御装置(C)がフラップ(57)を閉状態に制御する。
−各運転及び各動作の切り換えの判定−
次いで、上述した各運転及び各動作の切り換えの判定について図9〜図13のフローチャートを参照しながら詳細に説明する。
〈第2運転の開始前の判定〉
図9に示すように、ステップST1において通常運転が終了すると、制御装置(C)は、どの運転が終了したかを判定する。ステップST2では、制御装置(C)が、暖房運転が終了したか否かを判定する。ステップST2において制御装置(C)が、暖房運転が終了したと判定すると、ステップST8において、制御装置(C)は第2運転を実行させない。言い換えると、暖房運転の終了後には、制御装置(C)は第2運転の実行を禁止する。このため、第1動作は実行されない。
ステップST3では、制御装置(C)が、冷房運転が終了したか否かを判定する。ステップST3において制御装置(C)が、冷房運転が終了したと判定すると、ステップST5が行われる。ステップST3において制御装置(C)が、冷房運転が終了していないと判定すると、ステップST4が行われる。
ステップST4では、制御装置(C)が、除湿運転が終了したか否かを判定する。ステップST4において制御装置(C)が、除湿運転が終了したと判定すると、ステップST5が行われる。ステップST4において制御装置(C)が、除湿運転が終了していないと判定すると、ステップST8が行われる。
ステップST5では、制御装置(C)が、リモートコントローラ(C3)の設定を確認する。ユーザ等は、リモートコントローラ(C3)において第2運転を実行させるか否かを選択できる。ステップST5において、リモートコントローラ(C3)に第2運転を実行する選択がされていない場合、ステップST8において制御装置(C)は、第2運転を実行させない。ステップST5において、リモートコントローラ(C3)に第2運転を実行する選択がされている場合、ステップST6が行われる。
ステップST6において、制御装置(C)は、直前の冷却運転の実行時間が所定時間より長いか判定する。ステップST6で用いられる所定時間は1分である。ここでいう冷却運転は、直前に実行された冷房運転、あるいは除湿運転である。冷却運転の実行時間が短すぎる場合、ユーザ等が誤って冷房運転や除湿運転を開始させ、その後すぐに終了させた可能性がある。そこで、ステップST6の条件が成立しない場合、ステップST8において制御装置(C)は、第2運転を実行させない。ステップST6の条件が成立する場合、ステップST7が行われる。
ステップST7において、制御装置(C)は、露点温度(Td)が室内熱交換器(53)の目標蒸発温度(TeS)の下限値よりも小さいか判定する。ここでいう目標蒸発温度(TeS)の下限値は、第1動作における目標蒸発温度(TeS)の制御範囲の下限値である。現在の室内空気の露点温度(Td)が目標蒸発温度(TeS)の下限値より低い場合、第1動作を行っても、室内空気中から水分を結露させることができない。そこで、ステップST7の条件が成立する場合、制御装置(C)は、ステップST10の第1動作を実行させず、ステップST20の第2動作を実行させる(図11を参照)。ステップST7の条件は、第1条件に対応する。
なお、ステップST7において、制御装置(C)は、露点温度(Td)が、所定の目標蒸発温度(TeS)より低い条件が成立するか判定してもよい。ステップST7において、制御装置(C)は、露点温度(Td)が、冷却運転の終了時の室内熱交換器(53)の蒸発温度(Te)より低い条件が成立するか判定してもよい。
ステップST7の条件が成立しない場合、ステップST9において制御装置(C)は、第2運転を実行させる。制御装置(C)は、ステップST10の第1動作を実行させる。
〈第1動作中の判定〉
図10に示すように、ステップST10において第1動作が開始されると、ステップST11において、制御装置(C)は、露点温度(Td)が室内熱交換器(53)の目標蒸発温度(TeS)の下限値よりも小さいか判定する。ここでいう目標蒸発温度(TeS)の下限値は、第1動作における目標蒸発温度(TeS)の制御範囲の下限値である。現在の室内空気の露点温度(Td)が目標蒸発温度(TeS)の下限値より低い場合、第1動作を継続しても、室内空気中から水分を結露させることができない。そこで、ステップST11の条件が成立する場合、制御装置(C)は、第1動作を継続して実行させず、ステップST20の第2動作を実行させる。ステップST20の条件は、第1条件に対応する。
なお、ステップST11において、制御装置(C)は、露点温度(Td)が、所定の目標蒸発温度(TeS)より低い条件が成立するか判定してもよい。ステップST7において、制御装置(C)は、露点温度(Td)が、室内熱交換器(53)の蒸発温度(Te)より低い条件が成立するか判定してもよい。
ステップST11の条件が成立しない場合、ステップST12が行われる。ステップST12において、制御装置(C)は、室内温度(T1)が所定温度以下であるか判定する。この所定温度は、冷却運転の終了時の室内温度(T1)から所定値(例えば3℃)を引いた値である。ステップST12において、室内温度(T1)が所定温度以下である場合、第1動作により室内空間が過剰に冷却されていると判断できる。そこで、ステップST12の条件が成立すると、制御装置(C)は、第1動作を継続して実行させず、ステップST20の第2動作を実行させる。これにより、対象空間の人が第1動作に起因して過剰に寒さを感じることを抑制できる。
ステップST12の条件が成立しない場合、ステップST13が行われる。ステップST13において、制御装置(C)は、第1動作の実行時間がΔT1以上であるかを判定する。このΔT1は10分である。ステップST13の条件が成立すると、制御装置(C)は、第1動作を終了させ、ステップST20の第2動作を実行させる。ステップST13の条件が成立しない場合、ステップST14が行われる。
ステップST14において、空気調和装置(10)の異常が発生すると、制御装置(C)は、第1動作を終了させ、ステップST40の第4動作を実行させる(図13を参照)。ここでいう、空気調和装置(10)の異常は、室内ユニット(40)の各機器の異常、室外ユニット(20)の各機器の異常、冷媒回路(11)の各機器の異常、各センサの異常、各通信線の異常などを含む。ステップST14の条件が成立しない場合、ステップST15が行われる。
ステップST15では、制御装置(C)が清掃運転の要求があるか判定する。清掃運転は、
第3運転に対応する。清掃運転は、清掃機構(59)を運転させ、フィルタ(50)の塵埃を除去する運転である。ユーザ等がリモートコントローラ(C3)において清掃運転を選択すると、制御装置(C)は清掃運転の要求があると判定する。この場合、ステップST16において、制御装置(C)は清掃運転を実行させる。清掃運転が終了すると、制御装置(C)は、第1動作を再開させず、ステップST20の第2動作を実行させる。
このように第1動作中において清掃運転の要求がある場合、室内ユニット(40)は、第1動作よりも優先して清掃運転を行う。これにより、清掃運転を確実に実行させ、フィルタ(50)を清掃できる。
〈第2動作中の判定〉
図11に示すように、ステップST20において第2動作が開始されると、ステップST21において、制御装置(C)は、第2動作の実行時間がΔT2以上であるかを判定する。ΔT2は100分である。ステップST21の条件が成立すると、制御装置(C)は、第2動作を終了させ、ステップST30の第3動作を実行させる。ステップST21の条件が成立しない場合、ステップST22が行われる。
ステップST22において、空気調和装置(10)の異常が発生すると、制御装置(C)は、第2動作を終了させ、ステップST40の第4動作を実行させる。ステップST22の条件が成立しない場合、ステップST23が行われる。
ステップST23では、制御装置(C)が清掃運転の要求があるか判定する。清掃運転の要求がある場合、ステップST23において、制御装置(C)は清掃運転を実行させる。清掃運転が終了すると、制御装置(C)は、ステップST20の第2動作を再開させる。その後、ステップST21において、第2動作の積算の実行時間ΔT2が所定時間(100分)以上になると、制御装置(C)は、第2動作を終了させ、ステップST30の第3動作を実行させる。
このように、第2動作では、清掃運転が実行されても、第2動作を再開させる。これにより、室内熱交換器(53)を空気によって十分に乾燥させることができる。
〈第3動作中の判定〉
図12に示すように、ステップST30において第3動作が開始されると、ステップST31において、制御装置(C)は、室内熱交換器(53)の凝縮温度(Tc)が所定値以上である状態が所定時間以上継続することを判定する。ステップST31において、制御装置(C)は、圧縮機(21)の吐出冷媒の温度が所定値以上である状態が所定時間以上継続することを判定してもよい。ステップST30の条件が成立すると、制御装置(C)は、第3動作を終了させ、ステップST40の第4動作を実行させる。ステップST31の条件が成立しない場合、ステップST32が行われる。
ステップST32において、制御装置(C)は、室内温度(T1)が所定温度より高いか判定する。この所定温度は、第3動作の開始時の室内温度(T1)に所定温度(例えば3℃)を加えた値である。ステップST32において、室内温度(T1)が所定温度より高い場合、第3動作により対象空間の空気が過剰に加熱されていると判断できる。そこで、ステップST32の条件が成立すると、制御装置(C)は、第3動作を継続して実行させず、ステップST40の第4動作を実行させる。これにより、対象空間の人が第3動作に起因して過剰に暑さを感じることを抑制できる。ステップST32の条件が成立しない場合、ステップST33が行われる。
ステップST33において、制御装置(C)は、対象空間の空気の不快指数が所定値より大きいか判定する。不快指数は、制御装置(C)の演算部により、室内空気の湿度及び温度に基づいて求められる。具体的に、制御装置(C)の演算部は、内気温度センサ(61)で検出した室内温度(T1)、及び内気湿度センサ(62)で検出した室内湿度(R1)に基づいて不快指数を求める。ステップST33において、不快指数が所定値より高い場合、対象空間の人の快適性が損なわれてしまうと判断できる。そこで、ステップST33の条件が成立すると、制御装置(C)は、第3動作を継続して実行させず、ステップST40の第4動作を実行させる。これにより、対象空間の人が第3動作に起因して不快さを感じたり、体調が損なわれたりすることを抑制できる。ステップST33の条件が成立しない場合、ステップST34が行われる。なお、ステップST33において、制御装置(C)は、不快指数以外の指標を用いることもできる。この指標は、室内空気の温度及び湿度を用いる指標であることが好ましい。この指標として、暑さ指数を用いることもできる。暑さ指数は、WBGT(Wet-Bulb Globe Temperature)である。
ステップST34において、制御装置(C)は、第3動作の実行時間がΔT3以上であるかを判定する。このΔT3は10〜15分である。ステップST34の条件が成立すると、制御装置(C)は、第3動作を終了させ、ステップST40の第4動作を実行させる。ステップST34の条件が成立しない場合、ステップST35が行われる。
ステップST35において、空気調和装置(10)の異常が発生すると、制御装置(C)は、第3動作を終了させ、ステップST40の第4動作を実行させる。ステップST35の条件が成立しない場合、ステップST36が行われる。
ステップST36では、制御装置(C)が清掃運転の要求があるか判定する。清掃運転の要求がある場合、ステップST37において、制御装置(C)は清掃運転を実行させる。清掃運転が終了すると、制御装置(C)は、第3動作を再開させず、ステップST40の第4動作を実行させる。
〈第4動作中の判定〉
図13に示すように、ステップST40において第4動作が開始されると、上述したように、室内ユニット(40)が実質的に停止する。制御装置(C)は、ドレンポンプ(58)を運転させる。
上述したように、第4動作は、第1動作において異常が発生した場合、第2動作において異常が発生した場合、及び第3動作において異常が発生した場合のいずれにおいても実行される。
これらの異常が発生した場合に、第4動作が実行されず、ドレンポンプ(58)が停止することを想定する。第1動作、第2動作、及び第3動作では、ドレンパン(54)の水を確実に排出するためにドレンポンプ(58)が運転される。ドレンポンプ(58)が運転されると、ドレンパン(54)の水は、図6に示す排水路(70)を経由してケーシング(41)の外部へ送られる。この状態で、空気調和装置(10)の異常に伴いドレンポンプ(58)を停止させると、第2立上部(70d)、第2中継部(70c)、第1中継部(70b)、及び第1立上部(70a)にある水がドレンパン(54)に逆流してしまう。上述したように、排水路(70)では、傾斜部(70e)から自重により水を排水するために、ある程度の揚程が確保されているからである。
これに対し、本実施形態では、第1動作、第2動作、及び第3動作のいずれにおいても、制御装置(C)が第4動作を実行させ、ドレンポンプ(58)を継続して運転する。このため、排水路(70)にある水がドレンパン(54)に逆流することを防止できる。
特に、第3動作において異常が発生した後、排水路(70)の水がドレンパン(54)に逆流すると、室内熱交換器(53)の熱によりドレンパン(54)の水が蒸発してしまう。この場合、室内熱交換器(53)の表面に水分が付着し、室内熱交換器(53)を十分に乾燥できない。加えて、高温高湿の空気が対象空間へ供給されることで対象空間の人が不快さを感じてしまう。これに対し、本実施形態では、第3動作において異常が発生した場合にも、第4動作によりドレンポンプ(58)が継続して運転される。このため、排水路(70)の水の逆流を抑制でき、ドレンパン(54)の水が蒸発することを抑制できる。
ステップST41において、制御装置(C)は、機内温度(T2)が所定温度より低いか判定する。所定温度は、室内温度(T1)に所定温度(例えば2℃)を加えた値である。機内温度(T2)が所定温度より低い場合、ケーシング(41)の内部の温度がある程度低く、ドレンパン(54)に水が逆流しても、この水が蒸発する可能性が低いと判断できる。そこで、制御装置(C)は、ステップST41の条件を、第4動作を終了させる必要条件としている。言い換えると、制御装置(C)は、空気通路(48)の空気の温度が所定温度以下になったときに第3動作を終了させる。
ステップST42において、制御装置(C)は、機内湿度が所定湿度以下であるか判定する。機内湿度は、ケーシング(41)内の相対湿度である。相対湿度は、制御装置(C)の演算部により、室内温度(T1)及び室内湿度(R1)に基づいて求められる。所定湿度は、例えば65%である。
制御装置(C)は、ステップST41の条件が成立し、且つステップST42の条件が成立すると、ステップST43において第4動作を終了させる。制御装置(C)は、ステップST41及びステップST42のいずれか一方の条件が成立すると、ステップST43において第4動作を終了させてもよい。
ステップST41の条件が成立しない場合、あるいはステップST42の条件が成立しない場合、ステップST43が行われる。ステップST43において制御装置(C)は、第4動作の実行時間がΔT4以上であるか判定する。ΔT4はΔT2よりも短い所定時間である。ステップST43の条件が成立すると、制御装置(C)は、ステップST43において第4動作を終了させる。これにより、第2運転が終了する(ステップST44)。
−第4動作中の表示部の制御−
第4動作の実行中には、リモートコントローラ(C3)の表示部(80)が、サインを表示する。このサインは、第2運転が実行中であることを知らせるサインである。厳密には、このサインは、第2運転の第3動作が実行中であることを知らせるサインである。第3動作の終了に伴い室内ファン(52)などが停止すると、ユーザ等は第2運転が終了したと判断する。それにも拘わらず、第4動作においてドレンポンプ(58)が運転状態となると、ドレンポンプ(58)の作動音をきいたユーザ等が、現在どのような運転状況なのをわからなくなる。表示部(80)に第4動作が実行中であることを知らせるサインを表示することで、ユーザは、そのことを把握できる。表示部(80)のサインは、第4動作が終了すると消える。
なお、表示部(80)は、第4動作中において、第2運転が実行中であることを知らせるサインを表示してもよい。表示部(80)は、LEDなどの光によって第2運転が実行中であることを表示してもよい。表示部(80)は、室内ユニット(40)などのリモートコントローラ(C3)以外の機器に設けられてもよい。
−放電装置の制御−
次に第2運転における放電装置(60)の制御について図14を参照しながら説明する。
第2運転では、ステップST50において、制御装置(C)が、第2動作が開始されたかを判定する。ステップST50の条件が成立すると、ステップST51において制御装置(C)が放電装置(60)を運転させる。放電装置(60)が運転されると、室内ユニット(40)の内部で活性種が発生する。活性種を含んだ空気は、室内熱交換器(53)を通過する。これにより、室内熱交換器(53)の表面の菌、アレルゲン、カビ、有害成分、臭気成分などを分解できる。
ステップST52において、制御装置(C)は、放電装置(60)の運転時間がΔT5以上であるか判定する。ΔT5はΔT2より短い。ΔT5は例えば60分である。ステップST52の条件が成立すると、制御装置(C)は放電装置(60)を停止させる。このように、送風運転において、放電装置(60)の運転時間を制限することで、放電装置(60)の電極の寿命を延ばすことができる。ステップST53において、第2動作が終了した条件が成立した場合にも、制御装置(C)は、放電装置(60)を停止させる。
以上のように、第2運転では、第2動作のみ放電装置(60)の運転が許容され、第1動作及び第2動作での放電装置(60)の運転が禁止される。第1動作では、ケーシング(41)内で結露水が生じるため、水分の影響により、放電装置(60)が正常に作動しない可能性がある。第2動作では、ケーシング(41)内を高温高湿の空気が流れるため、放電装置(60)が正常に作動しない可能性がある。本実施形態では、これらの動作において放電装置(60)が運転されないため、放電装置(60)の異常放電や故障などを回避できる。
第2動作では、ケーシング(41)内の湿度がさほど高くならない。このため、放電装置(60)において所望の放電を行うことができる。
−実施形態の効果−
実施形態の特徴(1)は、圧縮機(21)、熱源熱交換器(22)、減圧機構(23)、及び利用熱交換器(53)を含み、前記利用熱交換器(53)を蒸発器とする第1冷凍サイクルと、該利用熱交換器(53)を放熱器とする第2冷凍サイクルとを行う冷媒回路(11)と、前記利用熱交換器(53)が設けられ、該利用熱交換器(53)を通過する空気を対象空間に供給する送風機(52)を有する利用ユニット(40)と、第1動作、第2動作、及び第3動作を順に実行するように前記冷媒回路(11)及び送風機(52)を制御する制御装置(C)とを備え、前記第1動作は、前記送風機(52)を運転するとともに前記第1冷凍サイクルを行い、蒸発器とした前記利用熱交換器(53)に結露水又は氷を生じさせる動作であり、前記第2動作は、前記送風機(52)を運転するとともに前記利用熱交換器(53)を停止する動作であり、前記第3動作は、前記送風機(52)を運転するとともに前記2冷凍サイクルを行い、放熱器とした前記利用熱交換器(53)により空気を加熱する動作であり、前記第3動作の実行時間が、前記第2動作の実行時間よりも短いことである。
実施形態の特徴(1)では、第3動作の実行時間ΔT3が、第2動作の実行時間ΔT2よりも短い。第3動作では、室内熱交換器(53)が放熱器ないし凝縮器として機能することで、比較的高温高湿の空気が対象空間へ供給されてしまう。しかし、第3動作の実行時間を短くすることで、対象空間の人が不快に感じることを抑制できる。
実施形態の特徴(1)によれば、第2動作の実行時間が比較的長いため、室内熱交換器(53)の表面の水を十分に乾燥できる。第2動作では、室内熱交換器(53)をゆっくり乾燥するため、多量の水分が対象空間へ供給されることを抑制できる。この結果、第2動作において、対象空間の人が不快に感じることを抑制できる。
実施形態の特徴(1)によれば、第2動作において、室内熱交換器(53)の表面の水を十分に乾燥することで、その後の第3動作において、室内熱交換器(53)の表面から多量の水が蒸発することを抑制できる。よって、対象空間の人が不快に感じることを抑制できる。
実施形態の特徴(2)は、前記制御装置(C)は、前記利用熱交換器(53)により対象空間を空調する第1運転と、前記第1動作、前記第2動作、及び前記第3動作を含む第2運転とを実行させることである。
実施形態の特徴(2)によれば、対象空間の空調を行う通常運転(第1運転)の後、第2運転が実行される。このため、通常運転において室内熱交換器(53)に付着した塵埃を洗浄できる。通常運転において室内熱交換器(53)の表面で発生した結露水を乾燥できる。
実施形態の特徴(3)は、前記制御装置(C)は、前記第1運転が終了すると前記第2運転を開始させることである。
実施形態の特徴(3)によれば、通常運転の終了後、制御装置(C)が第2運転を自動的に開始させる。このため、通常運転において室内熱交換器(53)に付着した塵埃を自動的に洗浄できる。通常運転において室内熱交換器(53)の表面で発生した結露水を自動的に乾燥できる。
実施形態の特徴(4)は、前記第1運転は、前記第1冷凍サイクルを行い蒸発器とした前記利用熱交換器(53)により空気を冷却する冷却運転と、前記第2冷凍サイクルを行い放熱器とした前記利用熱交換器(53)により空気を加熱する加熱運転とを含み、前記制御装置(C)は、前記冷却運転が終了すると前記第2運転を開始させ、前記加熱運転が終了すると前記第2運転を開始させないことである。
実施形態の特徴(4)によれば、冷却運転の終了後に第2運転が開始される。冷房運転及び除湿運転を含む冷却運転では、室内熱交換器(53)の表面で結露水が生成しやすい。冷却運転の後、第2運転を実行することで、室内熱交換器(53)を確実に乾燥できる。
実施形態の特徴(4)によれば、暖房運転を含む加熱運転の終了後に第2運転が開始されない。暖房運転が実行されるときには、対象空間の空気の温度が及び湿度が低く、空気の露点温度も低い傾向にある。このため、第1動作を行っても、室内熱交換器(53)の表面で結露水を生成することが困難である。加えて、暖房運転では、室内熱交換器(53)の表面で結露水が生成しないため、この結露水を乾燥させる必要もない。そこで、暖房運転の終了後には、第2運転を無駄に実行することが禁止されている。
実施形態の特徴(5)は、前記制御装置(C)は、前記第2運転の前記第1動作中において、前記利用熱交換器(53)の蒸発温度に関する指標が該利用熱交換器(53)を流れる空気の露点温度より高い第1条件が成立すると、前記第1動作の実行を禁止することである。
実施形態の特徴(5)によれば、第1動作において、室内熱交換器(53)の蒸発温度に関する指標が、空気の露点温度より高い第1条件が成立すると、第1動作の実行を禁止する。第1条件が成立する場合、室内熱交換器(53)の表面で結露水を生成することが困難なためである。これにより、第2運転では、速やかに次の動作を実行できる。
実施形態の特徴(6)は、前記第1運転は、前記第1冷凍サイクルを行い蒸発器とした前記利用熱交換器(53)により空気を冷却する冷却運転を含み、前記制御装置(C)は、前記冷却運転の終了時から前記第2運転の開始時までの間に、前記利用熱交換器(53)の蒸発温度に関する指標が該利用熱交換器(53)を流れる空気の露点温度より高い第1条件が成立すると、前記第1動作の実行を禁止することである。
実施形態の特徴(6)によれば、冷却運転の終了時から第2運転の開始時までの間に、室内熱交換器(53)の蒸発温度に関する指標が、空気の露点温度より高い第1条件が成立すると、第1動作の実行を禁止する。第1条件が成立する場合、室内熱交換器(53)の表面で結露水を生成することが困難なためである。これにより、第2運転では、速やかに次の動作を実行できる。
実施形態の特徴(7)は、前記制御装置(C)は、前記第1条件が成立すると、前記第1動作の実行を禁止し前記第2動作を実行させることである。
実施形態の特徴(7)によれば、室内熱交換器(53)の蒸発温度に関する指標が、空気の露点温度より高い第1条件が成立すると、第1動作の実行が禁止され、第2動作が実行される。これにより、無駄に第1動作を行うことを回避でき、速やかに室内熱交換器(53)を乾燥できる。
実施形態の特徴(8)は、前記第1運転は、前記対象空間を冷房する冷房運転であり、
前記第1動作中の前記利用熱交換器(53)の蒸発温度域が、前記冷房運転中の前記利用熱交換器(53)の蒸発温度域よりも低いことである。
実施形態の特徴(8)によれば、第1動作中の室内熱交換器(53)において結露水を確実に生成できる。
実施形態の特徴(9)は、前記利用ユニット(40)は、前記利用熱交換器(53)の上流側に配置されるフィルタ(50)と、前記フィルタ(50)に付着した塵埃を取る清掃機構(59)とを有し、前記制御装置(C)は、前記第1動作、前記第2動作、及び前記第3動作の少なくとも1つの動作の実行中において、前記清掃機構(59)を運転させる第3運転を実行する要求があると、前記第1動作、前記第2動作、及び前記第3動作のうち実行中の動作を終了し前記第3運転を実行させることである。
実施形態の特徴(9)によれば、第1動作、第2動作、第3動作のいずれにおいても、清掃運転の要求がある場合、これらの動作が終了し、清掃運転が優先的に実行させる。これにより、各動作と清掃運転とが干渉することで、清掃機構(59)の機能を発揮できなくなることを回避できる。清掃運転の要求に応じて、フィルタ(50)を確実に清掃できる。
実施形態の特徴(10)は、前記利用ユニット(40)は、前記利用ユニット(40)内で発生した結露水を受けるトレー(54)と、前記トレー(54)内の水を排出するポンプ(58)とを有し、前記制御装置(C)は、前記第1動作、前記第2動作、及び前記第3動作の少なくとも1つの動作の実行中に異常が発生すると、前記第1動作、前記第2動作、及び前記第3動作のうち実行中の動作を終了し、前記ポンプ(58)を運転状態とすることである。
実施形態の特徴(10)によれば、第1動作、第2動作、第3動作のいずれにおいても、空気調和装置(10)の異常が発生すると、これらの動作が終了し、第4動作が実行される。これにより、異常の発生時において、ドレンパン(54)の水が蒸発してしまうことを抑制できる。この結果、ドレンパン(54)の水の蒸発に起因して、室内熱交換器(53)の表面に水が付着したり、高湿の空気が対象空間に供給されたりすることを回避できる。
室内熱交換器(53)の表面に水が付着した状態で、第2運転が終了すると、室内熱交換器(53)が生乾きとなり、菌及びカビが繁殖したり、臭気が発生したりする。これに対し、実施形態(9)の特徴によれば、室内熱交換器(53)に水が付着することを抑制できる。このため、菌やカビの繁殖、及び臭気の発生を抑制できる。
実施形態の特徴(11)は、前記制御装置(C)が、前記第3動作中に前記異常が発生すると該第3動作を終了し、前記ポンプ(58)を運転状態とすることである。
実施形態の特徴(11)によれば、第3動作において、空気調和装置(10)の異常が発生すると、第3動作が終了し、第4動作が実行される。第3動作では、室内熱交換器(53)が放熱器ないし凝縮器として機能するため、ケーシング(41)内の温度が高くなる。この状態で異常が発生すると、ドレンパン(54)の水が蒸発しやすくなる。このとき、第4動作によりドレンパン(54)に水を排出することで、ドレンパン(54)の水が蒸発することを抑制できる。この結果、ドレンパン(54)の水の蒸発に起因して、室内熱交換器(53)の表面に水が付着したり、高湿の空気が対象空間に供給されたりすることを回避できる。
実施形態の特徴(12)は、前記利用ユニット(40)は、空気中で放電を行う放電装置(60)を有し、前記制御装置(C)は、前記第2動作において前記放電装置(60)を運転させることである。
実施形態の特徴(12)によれば、第2動作において放電装置(60)が運転する。第1動作及び第3動作では、放電装置(60)は運転しない。第2動作は、第1動作や第3動作と異なり、ケーシング(41)内の空気の湿度が高くなりにくい。このため、湿度の影響により、放電装置(60)が異常放電を行ったり、故障したりすることを回避できる。加えて、第2動作では、放電装置(60)の放電に伴い生成した活性種により、室内熱交換器(53)を菌、カビ、アレルゲン、臭気成分、有害成分などを除去できる。
《その他の実施形態》
上述した実施形態においては、適用可能な範囲において以下の構成としてもよい。
〈対象空間〉
空気調和装置(10)の対象空間は、室内空間に限られない。対象空間は、倉庫などの庫内空間であってもよいし、工場内の空間であってもよい。
〈空気調和装置の方式〉
空気調和装置(10)は、複数の室内ユニット(40)を有するマルチ式であってもよい。マルチ式の空気調和装置(10)は、一部の室内ユニット(40)において暖房を行うと同時に他の室内ユニット(40)において冷房を行う方式であってもよい。空気調和装置(10)は、複数系統の冷媒回路を有する空調システムであってもよい。空気調和装置(10)は、室内ユニット(40)のケーシング(41)に冷媒回路(11)が一体に収容させる形式であってもよい。この例の空気調和装置としては、ウインド型の空気調和装置が挙げられる。
〈室内ユニットの方式〉
室内ユニット(40)は、天井面の表側に配置されるとともに、天上面に吊り下げられる方式であってもよい。室内ユニット(40)は、天上面の裏側に配置され、天井の梁に吊り下げられる方式であってもよい。室内ユニット(40)は、吸込ダクト及び吹出ダクトの一方、又は両方を有する方式であってもよい。吸込ダクトは、室内空気を空気通路に吸い込む流路を構成する。吹出ダクトは、利用熱交換器(53)を通過した空気を室内に供給する流路を構成する。室内ユニット(40)は、壁掛け式であってもよいし、床置き式であってもよい。
〈制御装置〉
制御装置(C)は、室内ユニット(40)のみに設けられてもよいし、室外ユニット(20)のみに設けられてもよい。制御装置(C)は、室内ユニット(40)及び室外ユニット(20)とは別体の集中管理装置であってもよい。
〈第1動作〉
第1動作は、蒸発器とした室内熱交換器(53)に氷を生成させる動作であってもよい。第1動作において、室内熱交換器(53)の表面に氷を生成する。その後の第2動作及び第3動作により、この氷を室内熱交換器(53)の表面から剥がす。これにより、室内熱交換器(53)の汚れを落とすことができる。
第1動作は、室内熱交換器(53)の表面で結露水が生成する運転であればよく、冷房運転及び除湿運転を含む。具体的には、制御装置(C)は、第1動作としての冷房運転、あるいは除湿運転を行い、その後、第2動作としての第2動作、第3動作としての第3動作を順に実行させてもよい。この制御においても、第3動作の実行時間を第2動作の実行時間より短くするとよい。
以上、実施形態および変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。また、以上の実施形態、変形例、その他の実施形態は、本開示の対象の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。
以上に述べた「第1」、「第2」、「第3」…という記載は、これらの記載が付与された語句を区別するために用いられており、その語句の数や順序までも限定するものではない。
本開示は、空気調和装置について有用である。
C 制御装置
10 空気調和装置
11 冷媒回路
21 圧縮機
22 室外熱交換器(熱源熱交換器)
23 膨張弁(減圧機構)
40 室内ユニット(利用ユニット)
50 フィルタ
52 室内ファン(送風機)
53 室内熱交換器(利用熱交換器)
54 ドレンパン(トレー)
58 ドレンポンプ(ポンプ)
59 清掃機構
60 放電装置
本開示は、空気調和装置に関する。
特許文献1には、カビや細菌の繁殖を抑制する機能を備えた空気調和装置が開示されている。同文献の図2に示すように、空気調和装置では、除湿運転が実行された後、送風運転、暖房運転が順に実行される。除湿運転では、室内熱交換器の表面で結露水が発生する。送風運転では、圧縮機が停止し、室内送風機が運転する。室内送風機が搬送する空気によって室内熱交換器が乾燥される。暖房運転では、室内熱交換器が凝縮器として機能し、室内送風機が運転する。室内熱交換器は、その内部の冷媒によってさらに乾燥される。
上述したように、特許文献1の空気調和装置は、利用熱交換器(室内熱交換器)を乾燥させるために第3動作(暖房運転)を行う。第3動作において、利用熱交換器の表面で蒸発した水分は、送風機に搬送された空気とともに対象空間へ供給される。このため、比較的高温高湿の空気が対象空間へ供給されることにより、対象空間の人が不快さを感じてしまう。
本開示の目的は、送風機を運転し、且つ利用熱交換器を放熱器として該利用熱交換器を乾燥させる動作において、対象空間の人が不快さを感じることを抑制することである。
第1の態様は、圧縮機(21)、熱源熱交換器(22)、減圧機構(23)、及び利用熱交換器(53)を含み、前記利用熱交換器(53)を蒸発器とする第1冷凍サイクルと、該利用熱交換器(53)を放熱器とする第2冷凍サイクルとを行う冷媒回路(11)と、前記利用熱交換器(53)が設けられ、該利用熱交換器(53)を通過する空気を対象空間に供給する送風機(52)を有する利用ユニット(40)と、第1動作、第2動作、及び第3動作を順に実行するように前記冷媒回路(11)及び送風機(52)を制御する制御装置(C)とを備え、前記第1動作は、前記送風機(52)を運転するとともに前記第1冷凍サイクルを行い、蒸発器とした前記利用熱交換器(53)に結露水又は氷を生じさせる動作であり、前記第2動作は、前記送風機(52)を運転するとともに前記利用熱交換器(53)を停止する動作であり、前記第3動作は、前記送風機(52)を運転するとともに前記第2冷凍サイクルを行い、放熱器とした前記利用熱交換器(53)により空気を加熱する動作であり、前記第3動作の実行時間が、前記第2動作の実行時間よりも短い空気調和装置である。
第1の態様は、第1動作において、利用熱交換器(53)の表面で結露水又は氷が生じる。第2動作において、送風機(52)が搬送する空気によって、利用熱交換器(53)が乾燥される。第3動作において、放熱器とした利用熱交換器(53)の冷媒によって、利用熱交換器(53)が乾燥される。この第3動作の実行時間は、第2動作の実行時間よりも短い。このため、第3動作において、比較的高温高湿の空気が対象空間へ供給されることに起因して、対象空間の人が不快さを感じることを抑制できる。
第2の態様は、第1の態様において、前記制御装置(C)は、前記利用熱交換器(53)により対象空間を空調する第1運転と、前記第1動作、前記第2動作、及び前記第3動作を含む第2運転とを実行させる。
第2の態様では、対象空間を空調する第1運転の後、第2運転が実行される。第2運転では、第1動作、第2動作、及び第3動作が順に実行される。
第3の態様は、第2の態様において、前記制御装置(C)は、前記第1運転が終了すると前記第2運転を開始させる。
第3の態様では、対象空間を空調する第1運転が終了すると、第2運転が開始され、利用熱交換器(53)の洗浄及び乾燥が行われる。
第4の態様は、第2又は第3の態様において、前記第1運転は、前記第1冷凍サイクルを行い蒸発器とした前記利用熱交換器(53)により空気を冷却する冷却運転と、前記第2冷凍サイクルを行い放熱器とした前記利用熱交換器(53)により空気を加熱する加熱運転とを含み、前記制御装置(C)は、前記冷却運転が終了すると前記第2運転を開始させ、前記加熱運転が終了すると前記第2運転を開始させない。
第4および第13の態様では、冷却運転の後には、制御装置(C)が第2運転を開始させる。冷却運転は、夏季などの高温高湿条件下で実行される。このため、第2運転の第1動作を実行することで、利用熱交換器(52)で結露水や氷を生成しやすくなる。加熱運転の後には、制御装置(C)が第2運転を開始させない。加熱運転では、冬季などの低湿低温条件下で実行されることが多く、第2運転の第1動作を実行しても、結露水あるいは氷を発生させることが困難だからである。
第5の態様は、第2〜第4のいずれか1つの態様において、前記制御装置(C)は、前記第2運転の前記第1動作中において、前記利用熱交換器(53)の蒸発温度に関する指標が該利用熱交換器(53)を流れる空気の露点温度より高い第1条件が成立すると、前記第1動作の実行を禁止する。
第5の態様では、第2運転の第1動作中において、第1条件が成立すると第1動作の実行を禁止する。蒸発温度に関する指標が空気の露点温度より高い場合、結露水、あるいは氷を生成することが困難だからである。
第6の態様は、第2〜4のいずれか1つの態様において、前記第1運転は、前記第1冷凍サイクルを行い蒸発器とした前記利用熱交換器(53)により空気を冷却する冷却運転を含み、前記制御装置(C)は、前記冷却運転の終了時から前記第2運転の開始時までの間に、前記利用熱交換器(53)の蒸発温度に関する指標が該利用熱交換器(53)を流れる空気の露点温度より高い第1条件が成立すると、前記第1動作の実行を禁止する。
第6の態様では、冷却運転の終了時から第2運転の開始までの間に、第1条件が成立すると第1動作の実行を禁止する。蒸発温度に関する指標が空気の露点温度より高い場合、結露水、あるいは氷を生成することが困難だからである。
第7の態様は、第5又は第6の態様において、前記制御装置(C)は、前記第1条件が成立すると、前記第1動作の実行を禁止し前記第2動作を実行させる。
第7の態様では、蒸発温度に関する指標が空気の露点温度より高い場合、第1動作の実行を禁止し、第2動作を実行させる。言い換えると、結露水、あるいは氷を生成することが困難な状況では、利用熱交換器(53)を乾燥させるために、第2動作を実行する。
第8の態様は、第2〜第7のいずれか1つの態様において、前記第1運転は、前記対象空間を冷房する冷房運転であり、前記第1動作中の前記利用熱交換器(53)の蒸発温度域が、前記冷房運転中の前記利用熱交換器(53)の蒸発温度域よりも低い。
ここで、「第1動作中の前記利用熱交換器(53)の蒸発温度域が、冷房運転中の前記利用熱交換器(53)の蒸発温度域よりも低い」ことの定義の意味は、第1動作の蒸発温度域(以下、第1蒸発温度域という)と、冷房運転の蒸発温度域(以下、第2蒸発温度域という)とが全く重なっていない場合、及び第1蒸発温度域と第2蒸発温度域との一部が重なっている場合の双方を含む。
具体的に、第1蒸発温度域と第2蒸発温度域とが全く重なっていない場合、上記定義は、第1蒸発温度域の上限値が、第2蒸発温度の下限値より低いことを意味する。
第1蒸発温度域と第2蒸発温度域との一部が重なっている場合、上記定義は、例えば次の意味を含む。1)第1蒸発温度域の下限値が第2蒸発温度域の下限値より低く、且つ第1蒸発温度域の上限値が第2蒸発温度域の上限値より低い。2)第1蒸発温度域の上限値と第2蒸発温度域の上限値とが同じで且つ第1蒸発温度域の下限値が第2蒸発温度域の下限値より低い。
第8の態様では、冷房運転の後、第2運転が実行される。第2運転の第1動作中の利用熱交換器(53)の蒸発温度域は、冷房運転中の利用熱交換器(53)の蒸発温度域よりも低い。このため、第1動作において、利用熱交換器(53)で結露水又は氷を生成できる。
第9の態様は、第1〜第8のいずれか1つの態様において、前記利用ユニット(40)は、前記利用熱交換器(53)の上流側に配置されるフィルタ(50)と、前記フィルタ(50)に付着した塵埃を取る清掃機構(59)とを有し、前記制御装置(C)は、前記第1動作、前記第2動作、及び前記第3動作の少なくとも1つの動作の実行中において、前記清掃機構(59)を運転させる第3運転を実行する要求があると、前記第1動作、前記第2動作、及び前記第3動作のうち実行中の動作を終了し前記第3運転を実行させる。
第9の態様では、第1動作、第2動作、及び第3動作よりも、清掃機構(59)を運転させる第3運転が優先的に実行される。これにより、ユーザ等によるフィルタ(50)の清掃の要求を、各動作より優先させることができる。
第10の態様は、第1〜第9のいずれか1つの態様において、前記利用ユニット(40)は、前記利用ユニット(40)内で発生した結露水を受けるトレー(54)と、前記トレー(54)内の水を排出するポンプ(58)とを有し、前記制御装置(C)は、前記第1動作、前記第2動作、及び前記第3動作の少なくとも1つの動作の実行中に異常が発生すると、前記第1動作、前記第2動作、及び前記第3動作のうち実行中の動作を終了し、前記ポンプ(58)を運転状態とする。なお、ここでいうポンプ(58)の運転状態とは、停止中のポンプ(58)を運転状態とすることだけでなく、運転中のポンプ(58)を継続して運転状態とすることも含む意味である。
第10の態様では、異常が発生すると、実行中の動作が終了し、ポンプ(58)が運転状態となる。これにより、異常時においてトレー(54)内の水が蒸発することを抑制できる。
第11の態様は、第10の態様において、前記制御装置(C)は、前記第3動作中に前記異常が発生すると該第3動作を終了し、前記ポンプ(58)を運転状態とする。なお、ここでいうポンプ(58)の運転状態とは、停止中のポンプ(58)を運転状態とすることだけでなく、運転中のポンプ(58)を継続して運転状態とすることも含む意味である。
第11の態様では、第3動作において異常が発生すると、第3動作が終了し、ポンプ(58)が運転状態となる。第3動作では、利用熱交換器(53)が放熱器となるため、利用ユニット(40)の機内温度が高くなりやすい。この状態では、トレー(54)内の水が蒸発しやすい。このときにポンプ(58)を運転することで、トレー(54)内の水を排出でき、この水の蒸発を抑制できる。
第12の態様は、第1〜第11のいずれか1つの態様において、前記利用ユニット(40)は、空気中で放電を行う放電装置(60)を有し、前記制御装置(C)は、前記第2動作において前記放電装置(60)を運転させる。
第12の態様では、送風機(52)を運転させる第2動作において、放電装置(60)を運転させる。第2動作中の室内ユニット(40)では、機内の湿度が比較的低い。このため、機内の湿度が比較的高い条件下で放電装置(60)が運転することを抑制できる。
図1は、実施形態に係る空気調和装置の全体構成図である。
図2は、実施形態に係る空気調和装置の配管系統図である。
図3は、実施形態に係る室内ユニットの内部構造を示す縦断面図である。
図4は、実施形態に係る室内ユニットの吹出口の近傍を拡大した図であり、フラップが閉位置にある状態を示している。
図5は、実施形態に係る室内ユニットの吹出口の近傍を拡大した図であり、フラップが水平吹出位置にある状態を示している。
図6は、ドレンパン及び排水路の概略構成図である。
図7は、制御装置、及び制御装置と通信線を介して接続する機器を示すブロック図である。
図8は、第1運転、及び第2運転における各機器の動作を示すタイムチャートである。
図9は、第2運転の開始前の判定に係るフローチャートである。
図10は、第1動作時の判定に係るフローチャートである。
図11は、第2動作時の判定に係るフローチャートである。
図12は、第3動作時の判定に係るフローチャートである。
図13は、第4動作の判定に係るフローチャートである。
図14は、放電装置の制御に係るフローチャートである。
以下、本開示の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
〈空気調和装置の全体構成〉
空気調和装置(10)は、対象空間の空気の温度を調節する。本例の対象空間は、室内空間である。空気調和装置(10)は、冷房運転、暖房運転、及び除湿運転を行う。空気調和装置(10)は、第2運転を行う。第2運転は、室内熱交換器(53)をきれいにする運転である。
図1及び図2に示すように、空気調和装置(10)は、室外ユニット(20)と室内ユニット(40)と液連絡管(12)とガス連絡管(13)とを備える。室外ユニット(20)と室内ユニット(40)とは、液連絡管(12)及びガス連絡管(13)を介して互いに接続される。これらが接続されることにより、冷媒回路(11)が構成される。冷媒回路(11)には、冷媒が充填される。本例の冷媒は、ジフルオロメタンである。冷媒回路(11)は、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う。冷媒回路(11)は、主として、圧縮機(21)と室外熱交換器(22)と膨張弁(23)と室内熱交換器(53)と四方切換弁(25)とを有する。
〈室外ユニット〉
室外ユニット(20)は、室外に設置される。図2に示すように、室外ユニット(20)は、圧縮機(21)、室外熱交換器(22)、膨張弁(23)、四方切換弁(25)、及び室外ファン(26)を有する。
圧縮機(21)は、低圧のガス冷媒を吸入し、圧縮する。圧縮機(21)は、圧縮した冷媒を吐出する。圧縮機(21)は、インバータ回路から電動機へ電力が供給される、可変容量式である。言い換えると、圧縮機(21)は、電動機の運転周波数(回転数)が調節可能に構成される。
室外熱交換器(22)は、熱源熱交換器に対応する。室外ファン(26)は、室外熱交換器(22)を通過する室外空気を搬送する。室外熱交換器(22)は、室外ファン(26)が搬送する室外空気と、冷媒とを熱交換させる。
膨張弁(23)は、減圧機構に対応する。膨張弁(23)は、冷媒を減圧する。膨張弁(23)は、開度が調節可能な電動膨張弁である。減圧機構は、感温式の膨張弁、膨張機、キャピラリーチューブなどであってもよい。膨張弁(23)は、冷媒回路(11)の液ラインに接続されていればよく、室内ユニット(40)に設けられてもよい。
四方切換弁(25)は、第1ポート(P1)と第2ポート(P2)と第3ポート(P3)と第4ポート(P4)とを有する。第1ポート(P1)は圧縮機(21)の吐出部に繋がる。第2ポート(P2)は圧縮機(21)の吸入部に繋がる。第3ポート(P3)は室外熱交換器(22)のガス端部に繋がる。第4ポート(P4)はガス連絡管(13)に繋がる。
四方切換弁(25)は、第1状態(図2の実線で示す状態)と、第2状態(図2の破線で示す状態)とに切り換わる。第1状態の四方切換弁(25)は、第1ポート(P1)と第3ポート(P3)とを連通させ且つ第2ポート(P2)と第4ポート(P4)とを連通させる。第2状態の四方切換弁(25)は、第1ポート(P1)と第4ポート(P4)とを連通させ且つ第2ポート(P2)と第3ポート(P3)とを連通させる。
冷媒回路(11)は、四方切換弁(25)の切換に応じて第1冷凍サイクルと第2冷凍サイクルとを行う。第1冷凍サイクルは、室内熱交換器(53)を蒸発器とする冷凍サイクルである。第2冷凍サイクルは、室内熱交換器(53)を放熱器とする冷凍サイクルである。
室外ユニット(20)は、吐出圧力センサ(27)、吐出温度センサ(28)、吸入温度センサ(29)、外気温度センサ(30)、及び第1冷媒温度センサ(31)を有する。
吐出圧力センサ(27)は、圧縮機(21)から吐出される高圧媒の圧力を検出する。吸入温度センサ(29)は、圧縮機(21)に吸入される低圧冷媒の圧力を検出する。外気温度センサ(30)は、室外空気の温度を検出する。第1冷媒温度センサ(31)は、室外熱交換器(22)の内部の冷媒の温度を検出する。
〈室内ユニット〉
室内ユニット(40)は、室内に設置される。図3に示すように、室内ユニット(40)は、天井に設置される天井設置式である。具体的には、室内ユニット(40)は、天井裏の梁に吊り下げられる天井吊り式である。より具体的には、天井面に埋め込まれる天井埋込式である。室内ユニット(40)は、ケーシング(41)と、フィルタ(50)と、ベルマウス(51)と、室内ファン(52)と、室内熱交換器(53)と、ドレンパン(54)と、風向調節部(55)とを有する。
ケーシング(41)は、ケーシング本体(42)と、パネル(43)とを有する。ケーシング本体(42)は、下側に開放面が形成される矩形箱状に形成される。パネル(43)は、ケーシング本体(42)の開口面に着脱可能に設けられる。パネル(43)は、平面視において矩形枠状のパネル本体(44)と、パネル本体(44)の中央に設けられる吸込グリル(45)とを有する。パネル本体(44)の中央には、1つの吸込口(46)が形成される。吸込グリル(45)は、吸込口(46)に取り付けられる。パネル本体(44)の4つの側縁部には、それぞれ吹出口(47)が1つずつ形成される。各吹出口(47)は、4つの側縁に沿うように延びている。ケーシング(41)の内部では、吸込口(46)から吹出口(47)までの間の空気通路(48)が形成される。パネル(43)の4つの角部のそれぞれには、各吹出口(47)と連続するように補助吹出口が形成される。
フィルタ(50)は、吸込グリル(45)の上方に配置される。フィルタ(50)は、空気通路(48)における室内熱交換器(53)の上流側に配置される。フィルタ(50)は、吸込口(46)から吸い込まれる空気である吸込空気中の塵埃を捕集する。
ベルマウス(51)は、フィルタ(50)の上方に配置される。ベルマウス(51)は吸込空気を整流する。
室内ファン(52)は、ベルマウス(51)の上方に配置される。室内ファン(52)は、空気通路(48)における室内熱交換器(53)の上流側に配置される。室内ファン(52)は、送風機に対応する。室内ファン(52)は、遠心式である。室内ファン(52)は、室内熱交換器(53)を通過する空気を搬送する。室内ファン(52)は、ベルマウス(51)側から吸い込んだ空気を径方向外方へ搬送する。
室内ファン(52)は、その風量が4段階に切り替え可能に構成される。具体的に、これらの4段階の風量は、小さい風量から順に、微風量(LL)、小風量(L)中風量(M)、大風量(H)である。制御装置(C)は、室内ファン(52)の風量をこれらの4段階の風量の間で制御する。
室内熱交換器(53)は、室内ファン(52)の周囲に配置される。室内熱交換器(53)は、ケーシング本体(42)の4つの側面に沿うように折り曲げられている。室内熱交換器(53)は、利用熱交換器に対応する。室内熱交換器(53)では、室内ファン(52)が搬送する空気と、冷媒とが熱交換する。
ドレンパン(54)は、室内熱交換器(53)の下側に配置される。ドレンパン(54)は、トレーに対応する。ドレンパン(54)は、室内ユニット(40)のケーシング(41)の内部で発生した結露水を受ける。
風向調節部(55)は、吹出口(47)から吹き出される空気である吹出空気の風向を調節する。風向調節部(55)は、図示しないモータと、モータに連結する軸(56)と、軸(56)の回転に伴い回動するフラップ(57)とを有する。フラップ(57)は、パネル本体(44)の側縁、あるいは吹出口(47)の長手方向に沿って延びる長板状に形成される。フラップ(57)の縦断面の形状は略円弧状である。
フラップ(57)は、吹出口(47)を開閉する。フラップ(57)は、傾斜角度を段階的に変えられるように構成される。本例のフラップ(57)が調節される位置は、6つの位置を含む。これらの6つ位置は、図4に示す閉位置と、5つの開位置とを含む。5つの開位置は、図5に示す水平吹出位置を含む。閉位置のフラップ(57)は、吹出口(47)を実質的に閉じる。閉位置のフラップ(57)と、吹出口(47)の間に隙間が形成されていてもよい。
水平吹出位置のフラップ(57)は、吹出空気を略水平方向に吹き出す。水平吹出位置は、フラップ(57)の閉位置からの角度の変化が最小となる位置である。フラップ(57)が水平吹出位置にあると、複数の開位置の中で、吹出口(47)の内縁とフラップ(57)との間の隙間が最も狭くなる。
図6に示すように、室内ユニット(40)は、ドレンポンプ(58)と、排水路(70)とを有する。
ドレンポンプ(58)は、ドレンパン(54)内の水を排出するポンプに対応する。ドレンポンプ(58)は、ドレンパン(54)内の水を、排水路(70)を経由してケーシング(41)の外部へ排出する。
本例の排水路(70)は、第1立上部(70a)、第1中継部(70b)、第2中継部(70c)、第2立上部(70d)、及び傾斜部(70e)を含む。第1立上部(70a)及び第1中継部(70b)はケーシング(41)の内部に配置される。第2中継部(70c)、第2立上部(70d)、及び傾斜部(70e)はケーシング(41)の外部に配置される。
第1立上部(70a)は、ドレンポンプ(58)から上方に延びている。第1立上部(70a)は、ドレンポンプ(58)によって送られる水の下流側に向かって上方に延びている。第1中継部(70b)は、第1立上部(70a)の上端部から略水平方向に延びている。第2中継部(70c)は、柔軟なホースで構成される。第2中継部(70c)は第1中継部(70b)とクランプ金具を介して連結される。第2中継部(70c)は略水平方向に延びている。第2立上部(70d)は、第2中継部(70c)の端部から上方に延びている。第2立上部(70d)は、ドレンポンプ(58)によって送られる水の下流側に向かって上方に延びている。傾斜部(70e)は、柔軟なホースで構成される。傾斜部(70e)は、第2立上部(70d)の上端から斜め下方に延びている。ドレンポンプ(58)が停止中において、傾斜部(70e)の内部の水は、自身の自重により下方へ流れ落ちていく。本例の排水路(70)では、第1立上部(70a)及び第2立上部(70d)を設けることにより、傾斜部(70e)の水を自重により流すための揚程を確保している。
図2に模式的に示すように、室内ユニット(40)は、清掃機構(59)を有する。清掃機構(59)は、空気通路(48)におけるフィルタ(50)の上流側に配置される。清掃機構(59)は、モータと、除去部と、捕集箱とを含む。モータは、除去部を駆動する。除去部は、フィルタ(50)上の塵埃を掻き取る。捕集箱は、除去部で掻き取られた塵埃を貯める。捕集箱に貯まった塵埃は、掃除機によって回収される。
図2に模式的に示すように、室内ユニット(40)は、放電装置(60)を有する。放電装置(60)は、空気通路(48)における室内熱交換器(53)の上流側に配置される。放電装置(60)は、高圧電源部と、高圧電源部と電気的に接続する一対の電極とを含む。高圧電源部から一対の電極に直流電圧が印加されると、一対の電極の間で放電が生じる。本例の放電装置(60)は、ストリーマ放電を発生する。放電装置(60)は、グロー放電やコロナ放電を発生する方式でもよい。放電が生じると、空気中で活性種が生成する。活性種は、高速電子、イオン、水酸化ラジカル、励起分子などの酸化分解力が高い物質を含む。活性種は、空気中の有害成分、臭気成分、アレルゲンなどを分解する。
図2に示すように、室内ユニット(40)は、内気温度センサ(61)、内気湿度センサ(62)、及び第2冷媒温度センサ(63)を有する。
内気温度センサ(61)は、対象空間の室内空気の温度を室内温度(T1)として検出する。空気温度(T1)は、吸込空気の温度である。
内気湿度センサ(62)は、対象空間の室内空気の湿度を室内湿度(R1)として検出する。室内湿度(R1)は、吸込空気の湿度である。本例の内気湿度センサ(62)は、室内空気の絶対湿度を検出する。内気湿度センサ(62)は、室内空気の相対湿度を検出してもよい。
第2冷媒温度センサ(63)は、室内熱交換器(53)の冷媒の温度を検出する。第2冷媒温度センサ(63)は、蒸発器として機能する室内熱交換器(53)の蒸発温度(Te)を検出する。第2冷媒温度センサ(63)は、放熱器として機能する室内熱交換器(53)の凝縮温度(Tc)を検出する。蒸発温度(Te)は、冷媒の低圧圧力に相当する飽和温度によって求めてもよい。凝縮温度(Tc)は、冷媒の高圧圧力に相当する飽和温度によって求めてもよい。
第2冷媒温度センサ(63)は、室内ユニット(40)の機内温度(T2)を検出するセンサを兼用している。機内温度(T2)は、室内ユニット(40)のケーシング(41)の空気通路(48)の空気の温度に相当する。空気調和装置(10)は、第2冷媒温度センサ(63)と別に、機内温度(T2)を検出する他のセンサを有してもよい。
〈制御装置〉
図7に示すように、空気調和装置(10)は、制御装置(C)を有する。制御装置(C)は、冷媒回路(11)を制御する。制御装置(C)は、室内ユニット(40)及び室外ユニット(20)を制御する。制御装置(C)は、室外制御部(C1)、室内制御部(C2)、及びリモートコントローラ(C3)を含む。室外制御部(C1)は、室外ユニット(20)に設けられる。室内制御部(C2)は、室内ユニット(40)に設けられる。
リモートコントローラ(C3)は、対象空間に設けられる。リモートコントローラ(C3)は、ユーザが操作可能な位置にある。リモートコントローラ(C3)は、表示部(80)を有する。表示部(80)は、ユーザやメンテナンス業者などに所定の情報を知らせるためのサインを表示する。ここでいうサインは、文字、コード、記号、絵、アイコンなどを含む。表示部(80)は、例えば液晶モニタによって構成される。
室外制御部(C1)、室内制御部(C2)、及びリモートコントローラ(C3)のそれぞれは、制御基板を有する。制御基板のそれぞれには、マイクロコンピュータと、該マイクロコンピュータを動作させるためのソフトウエアを格納するメモリディバイスとが設けられる。
制御装置(C)は、複数の第1通信線を含む。室外制御部(C1)、室内制御部(C2)、及びリモートコントローラ(C3)は、これらの第1通信線を介して信号の授受を行う。第1通信線は、有線である。第1通信線は、無線であってもよい。
制御装置(C)は、圧縮機(21)、膨張弁(23)、四方切換弁(25)、室外ファン(26)、室内ファン(52)、風向調節部(55)、ドレンポンプ(58)、清掃機構(59)、放電装置(60)、及び各センサと接続する複数の第2通信線を含む。
制御装置(C)は、少なくとも、圧縮機(21)、膨張弁(23)、四方切換弁(25)、室外ファン(26)、室内ファン(52)、風向調節部(55)、ドレンポンプ(58)、清掃機構(59)、及び放電装置(60)に制御信号を出力する出力部を有する。制御装置(C)は、各センサの検出値が入力される入力部を有する。
−運転動作−
〈運転動作の概要〉
空気調和装置(10)は、第1運転と、第2運転とを行う。
第1運転は、対象空間を空調する通常の運転である。第1運転は、冷房運転、除湿運転、及び暖房運転を含む。
冷房運転は、対象空間の空気を冷却する運転である。除湿運転は、対象空間の空気を除湿する運転である。冷房運転及び除湿運転は、冷却運転に対応する。冷却運転は、第1冷凍サイクルを行い蒸発器とした室内熱交換器(53)により空気を冷却する運転である。
暖房運転は、対象空間の空気を加熱する運転である。暖房運転は、加熱運転に対応する。加熱運転は、第2冷凍サイクルを行い放熱器とした室内熱交換器(53)により空気を加熱する運転である。
第2運転は、室内熱交換器(53)を洗浄するための運転である。第2運転は、第1動作、第2動作、及び第3動作を含む。第2運転は、さらに第4動作を含む。第1動作は、室内ファン(52)を運転するとともに第1冷凍サイクルを行い、蒸発器とした室内熱交換器(53)に結露水を生じさせる動作である。第2動作は、室内ファン(52)を運転するとともに室内熱交換器(53)を停止する動作である。第3動作は、室内ファン(52)を運転するとともに室内熱交換器(53)を放熱器とする動作である。第4動作は、ドレンパン(54)に溜まった水をケーシング(41)の外部へ排出する動作である。
〈冷房運転〉
冷房運転では、制御装置(C)が、圧縮機(21)、室内ファン(52)、室外ファン(26)を運転させる。制御装置(C)は、四方切換弁(25)を第1状態に設定する。制御装置(C)は、膨張弁(23)の開度を適宜調節する。冷房運転では、圧縮機(21)で圧縮した冷媒が室外熱交換器(22)で放熱し、室内熱交換器(53)で蒸発する第1冷凍サイクルが行われる。
冷房運転において、圧縮機(21)が圧縮した冷媒は、四方切換弁(25)を通過し、室外熱交換器(22)を流れる。室外熱交換器(22)では、冷媒が室外空気へ放熱して凝縮する。室外熱交換器(22)で放熱した冷媒は、膨張弁(23)で減圧された後、室内熱交換器(53)を流れる。室内熱交換器(53)では、冷媒が室内空気から吸熱した蒸発する。室内熱交換器(53)により冷却された空気は吹出口(47)から対象空間へ供給される。室内熱交換器(53)で蒸発した冷媒は、圧縮機(21)に吸入され、再び圧縮される。
冷房運転では、室内温度(T1)が設定温度に収束するように、制御装置(C)が室内熱交換器(53)の目標蒸発温度(TeS)を調節する。制御装置(C)は、室内熱交換器(53)の冷媒の蒸発温度(Te)が目標蒸発温度(TeS)に収束するように圧縮機(21)の回転数を制御する。
〈除湿運転〉
除湿運転では、制御装置(C)が、圧縮機(21)、室内ファン(52)、室外ファン(26)を運転させる。制御装置(C)は、四方切換弁(25)を第1状態に設定する。制御装置(C)は、膨張弁(23)の開度を適宜調節する。除湿運転では、圧縮機(21)で圧縮した冷媒が室外熱交換器(22)で放熱し、室内熱交換器(53)で蒸発する第1冷凍サイクルが行われる。除湿運転の冷媒の流れは、冷房運転の冷媒の流れと同じである。
除湿運転では、室内熱交換器(53)の蒸発温度(Te)が室内空気の露点温度(Td)を下回るように、制御装置(C)が室内熱交換器(53)の冷却能力を制御する。制御装置(C)は、内気温度センサ(61)で検出した室内温度(T1)と、内気湿度センサ(62)で検出した室内湿度(R1)とに基づいて露点温度(Td)を求める。制御装置(C)は、室内熱交換器(53)の蒸発温度(Te)が露点温度(Td)以下になるように目標蒸発温度(TeS)を調節する。制御装置(C)は、室内熱交換器(53)の冷媒の蒸発温度(Te)が目標蒸発温度(TeS)に収束するように圧縮機(21)の回転数を制御する。
以上の制御により、除湿運転では、室内熱交換器(53)で冷却された室内空気中の水分が結露する。これにより、室内空気が除湿される。ドレンパン(54)は、結露した水分を受ける。除湿された空気は吹出口(47)から対象空間へ供給される。
〈暖房運転〉
暖房運転では、制御装置(C)が、圧縮機(21)、室内ファン(52)、室外ファン(26)を運転させる。制御装置(C)は、四方切換弁(25)を第2状態に設定する。制御装置(C)は、膨張弁(23)の開度を適宜調節する。暖房運転では、圧縮機(21)で圧縮した冷媒が室内熱交換器(53)で放熱し、室外熱交換器(22)で蒸発する第2冷凍サイクルが行われる。
暖房運転において、圧縮機(21)が圧縮した冷媒は、四方切換弁(25)を通過し、室内熱交換器(53)を流れる。室内熱交換器(53)では、冷媒が室内空気へ放熱して凝縮する。室内熱交換器(53)で加熱された空気は吹出口(47)から対象空間へ供給される。室内熱交換器(53)で放熱した冷媒は、膨張弁(23)で減圧された後、室外熱交換器(22)を流れる。室外熱交換器(22)では、冷媒が室外空気から吸熱して蒸発する。室外熱交換器(22)で蒸発した冷媒は、圧縮機(21)に吸入され、再び圧縮される。
暖房運転では、室内温度(T1)が設定温度に収束するように、制御装置(C)が室内熱交換器(53)の目標凝縮温度(TcS)を調節する。制御装置(C)は、室内熱交換器(53)の冷媒の凝縮温度(Tc)が目標凝縮温度(TcS)に収束するように圧縮機(21)の回転数を制御する。
〈第2運転〉
制御装置(C)は、原則として、通常運転が終了すると第2運転を実行させる。厳密には、制御装置(C)は、冷房運転及び除湿運転が終了すると、第2運転を開始させる。制御装置(C)は、暖房運転が終了しても第2運転を開始させない。
第2運転では、制御装置(C)は、原則として、第1動作、第2動作、第3動作、及び第4動作を順に実行させる。
第1動作の実行時間をΔT1、第2動作の実行時間をΔT2、第3動作の実行時間をΔT3、第4動作の実行時間をΔT4とする。原則として、第2動作の実行時間ΔT2は、第3動作の実行時間ΔT3より長い。第2動作の実行時間ΔT2は、第1動作の実行時間ΔT1より長い。第2動作の実行時間ΔT2は、第4動作の実行時間ΔT4より長い。
第1動作、第2動作、第3動作、及び第4動作の詳細について図8を参照しながら説明する。
〈第1動作〉
第1動作は、室内熱交換器(53)の表面に付着した埃などの汚れを落とす動作である。第1動作の実行時間ΔT1は、原則として10分である。
第1動作では、制御装置(C)が、圧縮機(21)、室内ファン(52)、室外ファン(26)を運転させる。制御装置(C)は、四方切換弁(25)を第1状態に設定する。制御装置(C)は、膨張弁(23)の開度を適宜調節する。第1動作では、圧縮機(21)で圧縮した冷媒が室外熱交換器(22)で放熱し、膨張弁(23)で減圧され、室内熱交換器(53)で蒸発する第1冷凍サイクルが行われる。
第1動作では、室内熱交換器(53)の蒸発温度(Te)が室内空気の露点温度(Td)以下になるように制御装置(C)が目標蒸発温度(TeS)を調節する。冷房運転の終了後、第1動作が実行された場合、第1動作時の目標蒸発温度(TeS)は、冷房運転の終了時の目標蒸発温度(TeS)より低い値に設定される。除湿運転の終了後、第1動作が実行された場合、第1動作時の目標蒸発温度(TeS)は、除湿運転の終了時の目標蒸発温度(TeS)と同じ値に設定される。
第1動作では、吸込口(46)から吸い込まれた空気が室内熱交換器(53)を通過する。室内熱交換器(53)では、冷媒により空気が露点温度以下まで冷却される。この結果、室内熱交換器(53)の表面において結露水が生成する。結露水は、室内熱交換器(53)の表面の埃などの汚れを落とす。室内熱交換器(53)の洗浄に利用された結露水は、ドレンパン(54)に溜まる。室内熱交換器(53)を通過した空気は、吹出口(47)から対象空間へ流出する。
第1動作では、制御装置(C)が室内ファン(52)の風量を微風量(LL)に制御する。これにより、室内熱交換器(53)を通過する空気の流量が小さくなり、結露水の生成量が増大する。加えて、吹出空気の風量が小さくなるため、対象空間の人が冷風により不快に感じることを抑制できる。
第1動作では、制御装置(C)がドレンポンプ(58)を運転する。これにより、ドレンパン(54)に貯まった水をケーシング(41)の外部へ排出できる。
第1動作では、制御装置(C)がフラップ(57)を水平吹出位置に調節する。これにより、対象空間の人に冷風が直接的に当たることを抑制できる。
第1動作中の室内熱交換器(53)の蒸発温度域は、冷房運転中の室内熱交換器(53)の蒸発温度の蒸発温度域よりも低い。具体的には、第1動作中の室内熱交換器(53)の蒸発温度の制御範囲は、冷房運転中の室内熱交換器(53)の蒸発温度の制御範囲よりも低い。例えば冷房運転の蒸発温度の制御範囲は10℃〜30℃であり、第1動作の蒸発温度の制御範囲は、4℃〜30℃である。このように、本実施形態では、第1動作の蒸発温度域(以下、第1蒸発温度域という)の上限値と、冷房運転の蒸発温度域(以下、第2蒸発温度域という)の上限値とが同じであり、第1蒸発温度域の下限値が第2蒸発温度域の下限値より低い。
なお、第1蒸発温度域と、第2蒸発温度域とが全く重なっていなくてもよい。この場合、第1蒸発温度域の上限値が、第2蒸発温度の下限値より低くなる。第1蒸発温度域と第2蒸発温度域との一部が重なっている場合、第1蒸発温度域の下限値が第2蒸発温度域の下限値より低く、且つ第1蒸発温度域の上限値が第2蒸発温度域の上限値より低くてもよい。
〈第2動作〉
第2動作は、室内熱交換器(53)の表面の水を室内ファン(52)が搬送する空気によって乾燥させる動作である。室内熱交換器(53)の表面の水を乾燥させることで、室内熱交換器(53)の表面でのカビや菌の発生を抑制できる。第2動作の実行時間ΔT2は、原則として100分である。
第2動作では、制御装置(C)が、圧縮機(21)及び室外ファン(26)を停止させる。制御装置(C)は、室内ファン(52)を運転させる。制御装置(C)は、室内ファン(52)の風量を小風量(L)に制御する。第2動作では、第1冷凍サイクル及び第2冷凍サイクルが行われず、冷媒が室内熱交換器(53)を流れない。このため、室内熱交換器(53)は停止する。ここでいう、「室内熱交換器が停止する」とは、室内熱交換器(53)が放熱器及び蒸発器としての機能を発揮しないことを意味する。
第2動作では、吸込口(46)から吸い込まれた空気が停止状態の室内熱交換器(53)を通過する。この結果、室内熱交換器(53)の表面の水分が蒸発していく。室内熱交換器(53)の乾燥に利用された空気は、吹出口(47)から対象空間へ流出する。
第2動作の実行時間ΔT2は、第3動作の実行時間ΔT3より長い。このため、室内熱交換器(53)の表面の水を、時間をかけてゆっくり乾燥できる。第2動作では、室内熱交換器(53)が放熱器とならず停止状態となる。このため、室内熱交換器(53)の表面から多量の水が蒸発することがない。よって、高温高湿の空気が長時間に亘って対象空間に供給されることに起因して対象空間の人が不快に感じることを抑制できる。
第2動作では、制御装置(C)が室内ファン(52)の風量を小風量(L)に制御する。これにより、風量が微風量(LL)であるときと比べて室内熱交換器(53)の乾燥を促進できる。風量が中風量(M)や大風量(H)であるときと比べて、対象空間の人が不快に感じることを抑制できる。
第2動作では、制御装置(C)がドレンポンプ(58)を運転する。厳密には、制御装置(C)は、第1動作から第2動作に亘ってドレンポンプ(58)を連続的に運転する。これにより、ドレンパン(54)に残った水をケーシング(41)の外部へ排出できる。
第2動作では、制御装置(C)がフラップ(57)を水平吹出位置に調節する。これにより、対象空間の人に湿った空気が直接的に当たることを抑制できる。
〈第3動作〉
第3動作は、室内熱交換器(53)の表面を冷媒により加熱し、該表面を急速に乾かす動作である。室内熱交換器(53)の表面の水を乾燥させることで、室内熱交換器(53)の表面でのカビや菌の発生を抑制できる。室内熱交換器(53)の表面の温度を高温にすることで、殺菌効果を得ることもできる。第3動作の実行時間ΔT3は、原則として10分〜15分である。
第3動作では、制御装置(C)が、圧縮機(21)、室内ファン(52)、室外ファン(26)を運転させる。制御装置(C)は、四方切換弁(25)を第2状態に設定する。制御装置(C)は、膨張弁(23)の開度を適宜調節する。第1動作では、圧縮機(21)で圧縮した冷媒が室内熱交換器(53)で放熱し、膨張弁(23)で減圧され、室外熱交換器(22)で蒸発する第2冷凍サイクルが行われる。
第3動作では、制御装置(C)が目標凝縮温度(TcS)を所定値に調節する。
第3動作では、吸込口(46)から吸い込まれた空気が室内熱交換器(53)を通過する。室内熱交換器(53)では、該室内熱交換器(53)の表面が内部の冷媒によって加熱される。この結果、室内熱交換器(53)の表面の水分がさらに蒸発する。蒸発した水分を含んだ空気は、吹出口(47)から対象空間へ流出する。
第3動作の実行時間ΔT3は、第2動作の実行時間ΔT2より短い。このため、高温高湿の空気が対象空間に供給されることに起因して対象空間の人が不快に感じることを抑制できる。
第3動作では、冷媒の熱を利用して室内熱交換器(53)を乾燥する。このため、実行時間ΔT3が比較的短くても、室内熱交換器(53)の水分を確実に除去できる。この結果、その後のカビや菌の繁殖を確実に抑えることができる。
第3動作では、制御装置(C)が室内ファン(52)の風量を小風量(L)に制御する。これにより、吹出空気の風量が比較的小さくなるため、対象空間の人が高温高湿の風により不快に感じることを抑制できる。
第3動作では、制御装置(C)がドレンポンプ(58)を運転する。厳密には、制御装置(C)は、第2動作から第3動作に亘ってドレンポンプ(58)を連続的に運転する。言い換えると、制御装置(C)は、第1動作から第3動作にかけてドレンポンプ(58)を運転する。これにより、ドレンパン(54)に残った水をケーシング(41)の外部へ十分に排出できる。
第1動作、第2動作、及び第3動作のいずれかにおいて、ドレンポンプ(58)を停止すると排水路(70)の水がドレンパン(54)に逆流するおそれがある。具体的には、図6に示すように、排水路(70)には2つの立上部(70a,70d)がある。このため、運転中のドレンポンプ(58)を停止すると、これらの立上部(70a,70d)の水が下方へ流れ、ドレンパン(54)内に逆流する。この結果、第2動作中、あるいは第3動作中にドレンポンプ(58)が停止している場合には、ドレンパン(54)の水が蒸発し、室内熱交換器(53)の表面に付着してしまう。これに対し、本実施形態では、少なくとも第1動作から第3動作に亘ってドレンポンプ(58)を連続的に運転するため、ドレンパン(54)に水が逆流することを抑制でき、ひいてはドレンパン(54)の水の蒸発を抑制できる。
特に第3動作では、室内熱交換器(53)が放熱器ないし凝縮器として機能するため、空気通路(48)の温度が高くなりやすい。このため、第3動作においてドレンパン(54)に水が逆流すると、ドレンパン(54)の水が蒸発しやすく、室内熱交換器(53)の乾燥が損なわれる。これに対し、第3動作の開始時からドレンポンプ(58)を運転することで、このような水の蒸発を確実に抑制できる。
第3動作では、制御装置(C)がフラップ(57)を水平吹出位置に調節する。これにより、対象空間の人に高温高湿の空気が直接的に当たることを抑制できる。
〈第4動作〉
第4動作では、制御装置(C)が、圧縮機(21)、室内ファン(52)、室外ファン(26)を停止させる。第4動作では、室内ユニット(40)が実質的に停止状態となる。
第4動作では、制御装置(C)がドレンポンプ(58)を運転させる。厳密には、制御装置(C)は、第3動作から第4動作に亘ってドレンポンプ(58)を連続的に運転する。言い換えると、制御装置(C)は、第1動作から第4動作にかけてドレンポンプ(58)を運転する。これにより、ドレンパン(54)に残った水をケーシング(41)の外部へ確実に排出できる。加えて、ドレンパン(54)に水が逆流することを確実に抑制でき、ドレンパン(54)の水の蒸発を抑制できる。
第4動作では、制御装置(C)がフラップ(57)を水平吹出位置とする。第4動作の直前には、第3動作が実行される。このため、第4動作中には、未だ空気通路(48)の温度が比較的高い。第4動作において、吹出口(47)を開口させることで、空気通路(48)の熱を吹出口(47)を通じてケーシング(41)の外部へ排出できる。これにより、第4動作において空気通路(48)の温度を下げることができ、ドレンパン(54)の水の蒸発を抑制できる。
フラップ(57)を水平吹出位置にすると、吹出口(47)の実質的な開口面積が最小となる。このため、空気通路(48)内の水分が吹出口(47)を通じて対象空間へ過剰に漏れてしまうことを抑制できる。これにより、対象空間の人が不快さを感じてしまうことを抑制できる。
第4動作が終了すると、第2運転が終了する。第2運転の終了時には、制御装置(C)がフラップ(57)を閉状態に制御する。
−各運転及び各動作の切り換えの判定−
次いで、上述した各運転及び各動作の切り換えの判定について図9〜図13のフローチャートを参照しながら詳細に説明する。
〈第2運転の開始前の判定〉
図9に示すように、ステップST1において通常運転が終了すると、制御装置(C)は、どの運転が終了したかを判定する。ステップST2では、制御装置(C)が、暖房運転が終了したか否かを判定する。ステップST2において制御装置(C)が、暖房運転が終了したと判定すると、ステップST8において、制御装置(C)は第2運転を実行させない。言い換えると、暖房運転の終了後には、制御装置(C)は第2運転の実行を禁止する。このため、第1動作は実行されない。
ステップST3では、制御装置(C)が、冷房運転が終了したか否かを判定する。ステップST3において制御装置(C)が、冷房運転が終了したと判定すると、ステップST5が行われる。ステップST3において制御装置(C)が、冷房運転が終了していないと判定すると、ステップST4が行われる。
ステップST4では、制御装置(C)が、除湿運転が終了したか否かを判定する。ステップST4において制御装置(C)が、除湿運転が終了したと判定すると、ステップST5が行われる。ステップST4において制御装置(C)が、除湿運転が終了していないと判定すると、ステップST8が行われる。
ステップST5では、制御装置(C)が、リモートコントローラ(C3)の設定を確認する。ユーザ等は、リモートコントローラ(C3)において第2運転を実行させるか否かを選択できる。ステップST5において、リモートコントローラ(C3)に第2運転を実行する選択がされていない場合、ステップST8において制御装置(C)は、第2運転を実行させない。ステップST5において、リモートコントローラ(C3)に第2運転を実行する選択がされている場合、ステップST6が行われる。
ステップST6において、制御装置(C)は、直前の冷却運転の実行時間が所定時間より長いか判定する。ステップST6で用いられる所定時間は1分である。ここでいう冷却運転は、直前に実行された冷房運転、あるいは除湿運転である。冷却運転の実行時間が短すぎる場合、ユーザ等が誤って冷房運転や除湿運転を開始させ、その後すぐに終了させた可能性がある。そこで、ステップST6の条件が成立しない場合、ステップST8において制御装置(C)は、第2運転を実行させない。ステップST6の条件が成立する場合、ステップST7が行われる。
ステップST7において、制御装置(C)は、露点温度(Td)が室内熱交換器(53)の目標蒸発温度(TeS)の下限値よりも小さいか判定する。ここでいう目標蒸発温度(TeS)の下限値は、第1動作における目標蒸発温度(TeS)の制御範囲の下限値である。現在の室内空気の露点温度(Td)が目標蒸発温度(TeS)の下限値より低い場合、第1動作を行っても、室内空気中から水分を結露させることができない。そこで、ステップST7の条件が成立する場合、制御装置(C)は、ステップST10の第1動作を実行させず、ステップST20の第2動作を実行させる(図11を参照)。ステップST7の条件は、第1条件に対応する。
なお、ステップST7において、制御装置(C)は、露点温度(Td)が、所定の目標蒸発温度(TeS)より低い条件が成立するか判定してもよい。ステップST7において、制御装置(C)は、露点温度(Td)が、冷却運転の終了時の室内熱交換器(53)の蒸発温度(Te)より低い条件が成立するか判定してもよい。
ステップST7の条件が成立しない場合、ステップST9において制御装置(C)は、第2運転を実行させる。制御装置(C)は、ステップST10の第1動作を実行させる。
〈第1動作中の判定〉
図10に示すように、ステップST10において第1動作が開始されると、ステップST11において、制御装置(C)は、露点温度(Td)が室内熱交換器(53)の目標蒸発温度(TeS)の下限値よりも小さいか判定する。ここでいう目標蒸発温度(TeS)の下限値は、第1動作における目標蒸発温度(TeS)の制御範囲の下限値である。現在の室内空気の露点温度(Td)が目標蒸発温度(TeS)の下限値より低い場合、第1動作を継続しても、室内空気中から水分を結露させることができない。そこで、ステップST11の条件が成立する場合、制御装置(C)は、第1動作を継続して実行させず、ステップST20の第2動作を実行させる。ステップST20の条件は、第1条件に対応する。
なお、ステップST11において、制御装置(C)は、露点温度(Td)が、所定の目標蒸発温度(TeS)より低い条件が成立するか判定してもよい。ステップST7において、制御装置(C)は、露点温度(Td)が、室内熱交換器(53)の蒸発温度(Te)より低い条件が成立するか判定してもよい。
ステップST11の条件が成立しない場合、ステップST12が行われる。ステップST12において、制御装置(C)は、室内温度(T1)が所定温度以下であるか判定する。この所定温度は、冷却運転の終了時の室内温度(T1)から所定値(例えば3℃)を引いた値である。ステップST12において、室内温度(T1)が所定温度以下である場合、第1動作により室内空間が過剰に冷却されていると判断できる。そこで、ステップST12の条件が成立すると、制御装置(C)は、第1動作を継続して実行させず、ステップST20の第2動作を実行させる。これにより、対象空間の人が第1動作に起因して過剰に寒さを感じることを抑制できる。
ステップST12の条件が成立しない場合、ステップST13が行われる。ステップST13において、制御装置(C)は、第1動作の実行時間がΔT1以上であるかを判定する。このΔT1は10分である。ステップST13の条件が成立すると、制御装置(C)は、第1動作を終了させ、ステップST20の第2動作を実行させる。ステップST13の条件が成立しない場合、ステップST14が行われる。
ステップST14において、空気調和装置(10)の異常が発生すると、制御装置(C)は、第1動作を終了させ、ステップST40の第4動作を実行させる(図13を参照)。ここでいう、空気調和装置(10)の異常は、室内ユニット(40)の各機器の異常、室外ユニット(20)の各機器の異常、冷媒回路(11)の各機器の異常、各センサの異常、各通信線の異常などを含む。ステップST14の条件が成立しない場合、ステップST15が行われる。
ステップST15では、制御装置(C)が清掃運転の要求があるか判定する。清掃運転は、
第3運転に対応する。清掃運転は、清掃機構(59)を運転させ、フィルタ(50)の塵埃を除去する運転である。ユーザ等がリモートコントローラ(C3)において清掃運転を選択すると、制御装置(C)は清掃運転の要求があると判定する。この場合、ステップST16において、制御装置(C)は清掃運転を実行させる。清掃運転が終了すると、制御装置(C)は、第1動作を再開させず、ステップST20の第2動作を実行させる。
このように第1動作中において清掃運転の要求がある場合、室内ユニット(40)は、第1動作よりも優先して清掃運転を行う。これにより、清掃運転を確実に実行させ、フィルタ(50)を清掃できる。
〈第2動作中の判定〉
図11に示すように、ステップST20において第2動作が開始されると、ステップST21において、制御装置(C)は、第2動作の実行時間がΔT2以上であるかを判定する。ΔT2は100分である。ステップST21の条件が成立すると、制御装置(C)は、第2動作を終了させ、ステップST30の第3動作を実行させる。ステップST21の条件が成立しない場合、ステップST22が行われる。
ステップST22において、空気調和装置(10)の異常が発生すると、制御装置(C)は、第2動作を終了させ、ステップST40の第4動作を実行させる。ステップST22の条件が成立しない場合、ステップST23が行われる。
ステップST23では、制御装置(C)が清掃運転の要求があるか判定する。清掃運転の要求がある場合、ステップST23において、制御装置(C)は清掃運転を実行させる。清掃運転が終了すると、制御装置(C)は、ステップST20の第2動作を再開させる。その後、ステップST21において、第2動作の積算の実行時間ΔT2が所定時間(100分)以上になると、制御装置(C)は、第2動作を終了させ、ステップST30の第3動作を実行させる。
このように、第2動作では、清掃運転が実行されても、第2動作を再開させる。これにより、室内熱交換器(53)を空気によって十分に乾燥させることができる。
〈第3動作中の判定〉
図12に示すように、ステップST30において第3動作が開始されると、ステップST31において、制御装置(C)は、室内熱交換器(53)の凝縮温度(Tc)が所定値以上である状態が所定時間以上継続することを判定する。ステップST31において、制御装置(C)は、圧縮機(21)の吐出冷媒の温度が所定値以上である状態が所定時間以上継続することを判定してもよい。ステップST30の条件が成立すると、制御装置(C)は、第3動作を終了させ、ステップST40の第4動作を実行させる。ステップST31の条件が成立しない場合、ステップST32が行われる。
ステップST32において、制御装置(C)は、室内温度(T1)が所定温度より高いか判定する。この所定温度は、第3動作の開始時の室内温度(T1)に所定温度(例えば3℃)を加えた値である。ステップST32において、室内温度(T1)が所定温度より高い場合、第3動作により対象空間の空気が過剰に加熱されていると判断できる。そこで、ステップST32の条件が成立すると、制御装置(C)は、第3動作を継続して実行させず、ステップST40の第4動作を実行させる。これにより、対象空間の人が第3動作に起因して過剰に暑さを感じることを抑制できる。ステップST32の条件が成立しない場合、ステップST33が行われる。
ステップST33において、制御装置(C)は、対象空間の空気の不快指数が所定値より大きいか判定する。不快指数は、制御装置(C)の演算部により、室内空気の湿度及び温度に基づいて求められる。具体的に、制御装置(C)の演算部は、内気温度センサ(61)で検出した室内温度(T1)、及び内気湿度センサ(62)で検出した室内湿度(R1)に基づいて不快指数を求める。ステップST33において、不快指数が所定値より高い場合、対象空間の人の快適性が損なわれてしまうと判断できる。そこで、ステップST33の条件が成立すると、制御装置(C)は、第3動作を継続して実行させず、ステップST40の第4動作を実行させる。これにより、対象空間の人が第3動作に起因して不快さを感じたり、体調が損なわれたりすることを抑制できる。ステップST33の条件が成立しない場合、ステップST34が行われる。なお、ステップST33において、制御装置(C)は、不快指数以外の指標を用いることもできる。この指標は、室内空気の温度及び湿度を用いる指標であることが好ましい。この指標として、暑さ指数を用いることもできる。暑さ指数は、WBGT(Wet-Bulb Globe Temperature)である。
ステップST34において、制御装置(C)は、第3動作の実行時間がΔT3以上であるかを判定する。このΔT3は10〜15分である。ステップST34の条件が成立すると、制御装置(C)は、第3動作を終了させ、ステップST40の第4動作を実行させる。ステップST34の条件が成立しない場合、ステップST35が行われる。
ステップST35において、空気調和装置(10)の異常が発生すると、制御装置(C)は、第3動作を終了させ、ステップST40の第4動作を実行させる。ステップST35の条件が成立しない場合、ステップST36が行われる。
ステップST36では、制御装置(C)が清掃運転の要求があるか判定する。清掃運転の要求がある場合、ステップST37において、制御装置(C)は清掃運転を実行させる。清掃運転が終了すると、制御装置(C)は、第3動作を再開させず、ステップST40の第4動作を実行させる。
〈第4動作中の判定〉
図13に示すように、ステップST40において第4動作が開始されると、上述したように、室内ユニット(40)が実質的に停止する。制御装置(C)は、ドレンポンプ(58)を運転させる。
上述したように、第4動作は、第1動作において異常が発生した場合、第2動作において異常が発生した場合、及び第3動作において異常が発生した場合のいずれにおいても実行される。
これらの異常が発生した場合に、第4動作が実行されず、ドレンポンプ(58)が停止することを想定する。第1動作、第2動作、及び第3動作では、ドレンパン(54)の水を確実に排出するためにドレンポンプ(58)が運転される。ドレンポンプ(58)が運転されると、ドレンパン(54)の水は、図6に示す排水路(70)を経由してケーシング(41)の外部へ送られる。この状態で、空気調和装置(10)の異常に伴いドレンポンプ(58)を停止させると、第2立上部(70d)、第2中継部(70c)、第1中継部(70b)、及び第1立上部(70a)にある水がドレンパン(54)に逆流してしまう。上述したように、排水路(70)では、傾斜部(70e)から自重により水を排水するために、ある程度の揚程が確保されているからである。
これに対し、本実施形態では、第1動作、第2動作、及び第3動作のいずれにおいても、制御装置(C)が第4動作を実行させ、ドレンポンプ(58)を継続して運転する。このため、排水路(70)にある水がドレンパン(54)に逆流することを防止できる。
特に、第3動作において異常が発生した後、排水路(70)の水がドレンパン(54)に逆流すると、室内熱交換器(53)の熱によりドレンパン(54)の水が蒸発してしまう。この場合、室内熱交換器(53)の表面に水分が付着し、室内熱交換器(53)を十分に乾燥できない。加えて、高温高湿の空気が対象空間へ供給されることで対象空間の人が不快さを感じてしまう。これに対し、本実施形態では、第3動作において異常が発生した場合にも、第4動作によりドレンポンプ(58)が継続して運転される。このため、排水路(70)の水の逆流を抑制でき、ドレンパン(54)の水が蒸発することを抑制できる。
ステップST41において、制御装置(C)は、機内温度(T2)が所定温度より低いか判定する。所定温度は、室内温度(T1)に所定温度(例えば2℃)を加えた値である。機内温度(T2)が所定温度より低い場合、ケーシング(41)の内部の温度がある程度低く、ドレンパン(54)に水が逆流しても、この水が蒸発する可能性が低いと判断できる。そこで、制御装置(C)は、ステップST41の条件を、第4動作を終了させる必要条件としている。言い換えると、制御装置(C)は、空気通路(48)の空気の温度が所定温度以下になったときに第3動作を終了させる。
ステップST42において、制御装置(C)は、機内湿度が所定湿度以下であるか判定する。機内湿度は、ケーシング(41)内の相対湿度である。相対湿度は、制御装置(C)の演算部により、室内温度(T1)及び室内湿度(R1)に基づいて求められる。所定湿度は、例えば65%である。
制御装置(C)は、ステップST41の条件が成立し、且つステップST42の条件が成立すると、ステップST43において第4動作を終了させる。制御装置(C)は、ステップST41及びステップST42のいずれか一方の条件が成立すると、ステップST43において第4動作を終了させてもよい。
ステップST41の条件が成立しない場合、あるいはステップST42の条件が成立しない場合、ステップST43が行われる。ステップST43において制御装置(C)は、第4動作の実行時間がΔT4以上であるか判定する。ΔT4はΔT2よりも短い所定時間である。ステップST43の条件が成立すると、制御装置(C)は、ステップST43において第4動作を終了させる。これにより、第2運転が終了する(ステップST44)。
−第4動作中の表示部の制御−
第4動作の実行中には、リモートコントローラ(C3)の表示部(80)が、サインを表示する。このサインは、第2運転が実行中であることを知らせるサインである。厳密には、このサインは、第2運転の第3動作が実行中であることを知らせるサインである。第3動作の終了に伴い室内ファン(52)などが停止すると、ユーザ等は第2運転が終了したと判断する。それにも拘わらず、第4動作においてドレンポンプ(58)が運転状態となると、ドレンポンプ(58)の作動音をきいたユーザ等が、現在どのような運転状況なのをわからなくなる。表示部(80)に第4動作が実行中であることを知らせるサインを表示することで、ユーザは、そのことを把握できる。表示部(80)のサインは、第4動作が終了すると消える。
なお、表示部(80)は、第4動作中において、第2運転が実行中であることを知らせるサインを表示してもよい。表示部(80)は、LEDなどの光によって第2運転が実行中であることを表示してもよい。表示部(80)は、室内ユニット(40)などのリモートコントローラ(C3)以外の機器に設けられてもよい。
−放電装置の制御−
次に第2運転における放電装置(60)の制御について図14を参照しながら説明する。
第2運転では、ステップST50において、制御装置(C)が、第2動作が開始されたかを判定する。ステップST50の条件が成立すると、ステップST51において制御装置(C)が放電装置(60)を運転させる。放電装置(60)が運転されると、室内ユニット(40)の内部で活性種が発生する。活性種を含んだ空気は、室内熱交換器(53)を通過する。これにより、室内熱交換器(53)の表面の菌、アレルゲン、カビ、有害成分、臭気成分などを分解できる。
ステップST52において、制御装置(C)は、放電装置(60)の運転時間がΔT5以上であるか判定する。ΔT5はΔT2より短い。ΔT5は例えば60分である。ステップST52の条件が成立すると、制御装置(C)は放電装置(60)を停止させる。このように、送風運転において、放電装置(60)の運転時間を制限することで、放電装置(60)の電極の寿命を延ばすことができる。ステップST53において、第2動作が終了した条件が成立した場合にも、制御装置(C)は、放電装置(60)を停止させる。
以上のように、第2運転では、第2動作のみ放電装置(60)の運転が許容され、第1動作及び第2動作での放電装置(60)の運転が禁止される。第1動作では、ケーシング(41)内で結露水が生じるため、水分の影響により、放電装置(60)が正常に作動しない可能性がある。第2動作では、ケーシング(41)内を高温高湿の空気が流れるため、放電装置(60)が正常に作動しない可能性がある。本実施形態では、これらの動作において放電装置(60)が運転されないため、放電装置(60)の異常放電や故障などを回避できる。
第2動作では、ケーシング(41)内の湿度がさほど高くならない。このため、放電装置(60)において所望の放電を行うことができる。
−実施形態の効果−
実施形態の特徴(1)は、圧縮機(21)、熱源熱交換器(22)、減圧機構(23)、及び利用熱交換器(53)を含み、前記利用熱交換器(53)を蒸発器とする第1冷凍サイクルと、該利用熱交換器(53)を放熱器とする第2冷凍サイクルとを行う冷媒回路(11)と、前記利用熱交換器(53)が設けられ、該利用熱交換器(53)を通過する空気を対象空間に供給する送風機(52)を有する利用ユニット(40)と、第1動作、第2動作、及び第3動作を順に実行するように前記冷媒回路(11)及び送風機(52)を制御する制御装置(C)とを備え、前記第1動作は、前記送風機(52)を運転するとともに前記第1冷凍サイクルを行い、蒸発器とした前記利用熱交換器(53)に結露水又は氷を生じさせる動作であり、前記第2動作は、前記送風機(52)を運転するとともに前記利用熱交換器(53)を停止する動作であり、前記第3動作は、前記送風機(52)を運転するとともに前記2冷凍サイクルを行い、放熱器とした前記利用熱交換器(53)により空気を加熱する動作であり、前記第3動作の実行時間が、前記第2動作の実行時間よりも短いことである。
実施形態の特徴(1)では、第3動作の実行時間ΔT3が、第2動作の実行時間ΔT2よりも短い。第3動作では、室内熱交換器(53)が放熱器ないし凝縮器として機能することで、比較的高温高湿の空気が対象空間へ供給されてしまう。しかし、第3動作の実行時間を短くすることで、対象空間の人が不快に感じることを抑制できる。
実施形態の特徴(1)によれば、第2動作の実行時間が比較的長いため、室内熱交換器(53)の表面の水を十分に乾燥できる。第2動作では、室内熱交換器(53)をゆっくり乾燥するため、多量の水分が対象空間へ供給されることを抑制できる。この結果、第2動作において、対象空間の人が不快に感じることを抑制できる。
実施形態の特徴(1)によれば、第2動作において、室内熱交換器(53)の表面の水を十分に乾燥することで、その後の第3動作において、室内熱交換器(53)の表面から多量の水が蒸発することを抑制できる。よって、対象空間の人が不快に感じることを抑制できる。
実施形態の特徴(2)は、前記制御装置(C)は、前記利用熱交換器(53)により対象空間を空調する第1運転と、前記第1動作、前記第2動作、及び前記第3動作を含む第2運転とを実行させることである。
実施形態の特徴(2)によれば、対象空間の空調を行う通常運転(第1運転)の後、第2運転が実行される。このため、通常運転において室内熱交換器(53)に付着した塵埃を洗浄できる。通常運転において室内熱交換器(53)の表面で発生した結露水を乾燥できる。
実施形態の特徴(3)は、前記制御装置(C)は、前記第1運転が終了すると前記第2運転を開始させることである。
実施形態の特徴(3)によれば、通常運転の終了後、制御装置(C)が第2運転を自動的に開始させる。このため、通常運転において室内熱交換器(53)に付着した塵埃を自動的に洗浄できる。通常運転において室内熱交換器(53)の表面で発生した結露水を自動的に乾燥できる。
実施形態の特徴(4)は、前記第1運転は、前記第1冷凍サイクルを行い蒸発器とした前記利用熱交換器(53)により空気を冷却する冷却運転と、前記第2冷凍サイクルを行い放熱器とした前記利用熱交換器(53)により空気を加熱する加熱運転とを含み、前記制御装置(C)は、前記冷却運転が終了すると前記第2運転を開始させ、前記加熱運転が終了すると前記第2運転を開始させないことである。
実施形態の特徴(4)によれば、冷却運転の終了後に第2運転が開始される。冷房運転及び除湿運転を含む冷却運転では、室内熱交換器(53)の表面で結露水が生成しやすい。冷却運転の後、第2運転を実行することで、室内熱交換器(53)を確実に乾燥できる。
実施形態の特徴(4)によれば、暖房運転を含む加熱運転の終了後に第2運転が開始されない。暖房運転が実行されるときには、対象空間の空気の温度が及び湿度が低く、空気の露点温度も低い傾向にある。このため、第1動作を行っても、室内熱交換器(53)の表面で結露水を生成することが困難である。加えて、暖房運転では、室内熱交換器(53)の表面で結露水が生成しないため、この結露水を乾燥させる必要もない。そこで、暖房運転の終了後には、第2運転を無駄に実行することが禁止されている。
実施形態の特徴(5)は、前記制御装置(C)は、前記第2運転の前記第1動作中において、前記利用熱交換器(53)の蒸発温度に関する指標が該利用熱交換器(53)を流れる空気の露点温度より高い第1条件が成立すると、前記第1動作の実行を禁止することである。
実施形態の特徴(5)によれば、第1動作において、室内熱交換器(53)の蒸発温度に関する指標が、空気の露点温度より高い第1条件が成立すると、第1動作の実行を禁止する。第1条件が成立する場合、室内熱交換器(53)の表面で結露水を生成することが困難なためである。これにより、第2運転では、速やかに次の動作を実行できる。
実施形態の特徴(6)は、前記第1運転は、前記第1冷凍サイクルを行い蒸発器とした前記利用熱交換器(53)により空気を冷却する冷却運転を含み、前記制御装置(C)は、前記冷却運転の終了時から前記第2運転の開始時までの間に、前記利用熱交換器(53)の蒸発温度に関する指標が該利用熱交換器(53)を流れる空気の露点温度より高い第1条件が成立すると、前記第1動作の実行を禁止することである。
実施形態の特徴(6)によれば、冷却運転の終了時から第2運転の開始時までの間に、室内熱交換器(53)の蒸発温度に関する指標が、空気の露点温度より高い第1条件が成立すると、第1動作の実行を禁止する。第1条件が成立する場合、室内熱交換器(53)の表面で結露水を生成することが困難なためである。これにより、第2運転では、速やかに次の動作を実行できる。
実施形態の特徴(7)は、前記制御装置(C)は、前記第1条件が成立すると、前記第1動作の実行を禁止し前記第2動作を実行させることである。
実施形態の特徴(7)によれば、室内熱交換器(53)の蒸発温度に関する指標が、空気の露点温度より高い第1条件が成立すると、第1動作の実行が禁止され、第2動作が実行される。これにより、無駄に第1動作を行うことを回避でき、速やかに室内熱交換器(53)を乾燥できる。
実施形態の特徴(8)は、前記第1運転は、前記対象空間を冷房する冷房運転であり、
前記第1動作中の前記利用熱交換器(53)の蒸発温度域が、前記冷房運転中の前記利用熱交換器(53)の蒸発温度域よりも低いことである。
実施形態の特徴(8)によれば、第1動作中の室内熱交換器(53)において結露水を確実に生成できる。
実施形態の特徴(9)は、前記利用ユニット(40)は、前記利用熱交換器(53)の上流側に配置されるフィルタ(50)と、前記フィルタ(50)に付着した塵埃を取る清掃機構(59)とを有し、前記制御装置(C)は、前記第1動作、前記第2動作、及び前記第3動作の少なくとも1つの動作の実行中において、前記清掃機構(59)を運転させる第3運転を実行する要求があると、前記第1動作、前記第2動作、及び前記第3動作のうち実行中の動作を終了し前記第3運転を実行させることである。
実施形態の特徴(9)によれば、第1動作、第2動作、第3動作のいずれにおいても、清掃運転の要求がある場合、これらの動作が終了し、清掃運転が優先的に実行させる。これにより、各動作と清掃運転とが干渉することで、清掃機構(59)の機能を発揮できなくなることを回避できる。清掃運転の要求に応じて、フィルタ(50)を確実に清掃できる。
実施形態の特徴(10)は、前記利用ユニット(40)は、前記利用ユニット(40)内で発生した結露水を受けるトレー(54)と、前記トレー(54)内の水を排出するポンプ(58)とを有し、前記制御装置(C)は、前記第1動作、前記第2動作、及び前記第3動作の少なくとも1つの動作の実行中に異常が発生すると、前記第1動作、前記第2動作、及び前記第3動作のうち実行中の動作を終了し、前記ポンプ(58)を運転状態とすることである。
実施形態の特徴(10)によれば、第1動作、第2動作、第3動作のいずれにおいても、空気調和装置(10)の異常が発生すると、これらの動作が終了し、第4動作が実行される。これにより、異常の発生時において、ドレンパン(54)の水が蒸発してしまうことを抑制できる。この結果、ドレンパン(54)の水の蒸発に起因して、室内熱交換器(53)の表面に水が付着したり、高湿の空気が対象空間に供給されたりすることを回避できる。
室内熱交換器(53)の表面に水が付着した状態で、第2運転が終了すると、室内熱交換器(53)が生乾きとなり、菌及びカビが繁殖したり、臭気が発生したりする。これに対し、実施形態(9)の特徴によれば、室内熱交換器(53)に水が付着することを抑制できる。このため、菌やカビの繁殖、及び臭気の発生を抑制できる。
実施形態の特徴(11)は、前記制御装置(C)が、前記第3動作中に前記異常が発生すると該第3動作を終了し、前記ポンプ(58)を運転状態とすることである。
実施形態の特徴(11)によれば、第3動作において、空気調和装置(10)の異常が発生すると、第3動作が終了し、第4動作が実行される。第3動作では、室内熱交換器(53)が放熱器ないし凝縮器として機能するため、ケーシング(41)内の温度が高くなる。この状態で異常が発生すると、ドレンパン(54)の水が蒸発しやすくなる。このとき、第4動作によりドレンパン(54)に水を排出することで、ドレンパン(54)の水が蒸発することを抑制できる。この結果、ドレンパン(54)の水の蒸発に起因して、室内熱交換器(53)の表面に水が付着したり、高湿の空気が対象空間に供給されたりすることを回避できる。
実施形態の特徴(12)は、前記利用ユニット(40)は、空気中で放電を行う放電装置(60)を有し、前記制御装置(C)は、前記第2動作において前記放電装置(60)を運転させることである。
実施形態の特徴(12)によれば、第2動作において放電装置(60)が運転する。第1動作及び第3動作では、放電装置(60)は運転しない。第2動作は、第1動作や第3動作と異なり、ケーシング(41)内の空気の湿度が高くなりにくい。このため、湿度の影響により、放電装置(60)が異常放電を行ったり、故障したりすることを回避できる。加えて、第2動作では、放電装置(60)の放電に伴い生成した活性種により、室内熱交換器(53)を菌、カビ、アレルゲン、臭気成分、有害成分などを除去できる。
《その他の実施形態》
上述した実施形態においては、適用可能な範囲において以下の構成としてもよい。
〈対象空間〉
空気調和装置(10)の対象空間は、室内空間に限られない。対象空間は、倉庫などの庫内空間であってもよいし、工場内の空間であってもよい。
〈空気調和装置の方式〉
空気調和装置(10)は、複数の室内ユニット(40)を有するマルチ式であってもよい。マルチ式の空気調和装置(10)は、一部の室内ユニット(40)において暖房を行うと同時に他の室内ユニット(40)において冷房を行う方式であってもよい。空気調和装置(10)は、複数系統の冷媒回路を有する空調システムであってもよい。空気調和装置(10)は、室内ユニット(40)のケーシング(41)に冷媒回路(11)が一体に収容させる形式であってもよい。この例の空気調和装置としては、ウインド型の空気調和装置が挙げられる。
〈室内ユニットの方式〉
室内ユニット(40)は、天井面の表側に配置されるとともに、天上面に吊り下げられる方式であってもよい。室内ユニット(40)は、天上面の裏側に配置され、天井の梁に吊り下げられる方式であってもよい。室内ユニット(40)は、吸込ダクト及び吹出ダクトの一方、又は両方を有する方式であってもよい。吸込ダクトは、室内空気を空気通路に吸い込む流路を構成する。吹出ダクトは、利用熱交換器(53)を通過した空気を室内に供給する流路を構成する。室内ユニット(40)は、壁掛け式であってもよいし、床置き式であってもよい。
〈制御装置〉
制御装置(C)は、室内ユニット(40)のみに設けられてもよいし、室外ユニット(20)のみに設けられてもよい。制御装置(C)は、室内ユニット(40)及び室外ユニット(20)とは別体の集中管理装置であってもよい。
〈第1動作〉
第1動作は、蒸発器とした室内熱交換器(53)に氷を生成させる動作であってもよい。第1動作において、室内熱交換器(53)の表面に氷を生成する。その後の第2動作及び第3動作により、この氷を室内熱交換器(53)の表面から剥がす。これにより、室内熱交換器(53)の汚れを落とすことができる。
第1動作は、室内熱交換器(53)の表面で結露水が生成する運転であればよく、冷房運転及び除湿運転を含む。具体的には、制御装置(C)は、第1動作としての冷房運転、あるいは除湿運転を行い、その後、第2動作としての第2動作、第3動作としての第3動作を順に実行させてもよい。この制御においても、第3動作の実行時間を第2動作の実行時間より短くするとよい。
以上、実施形態および変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。また、以上の実施形態、変形例、その他の実施形態は、本開示の対象の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。
以上に述べた「第1」、「第2」、「第3」…という記載は、これらの記載が付与された語句を区別するために用いられており、その語句の数や順序までも限定するものではない。
本開示は、空気調和装置について有用である。
C 制御装置
10 空気調和装置
11 冷媒回路
21 圧縮機
22 室外熱交換器(熱源熱交換器)
23 膨張弁(減圧機構)
40 室内ユニット(利用ユニット)
50 フィルタ
52 室内ファン(送風機)
53 室内熱交換器(利用熱交換器)
54 ドレンパン(トレー)
58 ドレンポンプ(ポンプ)
59 清掃機構
60 放電装置