JP2021080449A - ゴム組成物及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】弾性と低損失性に優れるゴム組成物、及びその製造方法を提供する。【解決手段】クロロプレンゴム100重量部に対し、セルロースナノファイバーを1.2〜3.0重量部含むゴム組成物であって、前記ゴム組成物を加硫した加硫シートの100%引張応力(M100)の上昇幅がセルロースナノファイバーの添加量に対して、1.5MPa/重量部以上であることを特徴とする、ゴム組成物を用いる。なお、M100の上昇幅は、セルロースナノファイバーを含む加硫シートのM100の値から、セルロースナノファイバーを含まない加硫シートのM100の値を差し引き、含まれるセルロースナノファイバーの量で除することにより算出される。【選択図】なし

Description

本発明は、ゴム組成物及びその製造方法に関するものである
クロロプレンゴムは、各種合成ゴムの中でも各物性のバランスが良好であるため幅広い用途に使用されている。末端の変性内容により、汎用のメルカプタン変性、動特性に優れる硫黄変性などがあり、後者はより力学物性に優れるが、近年の高性能化や使用環境の激化により、更なる高弾性化、耐熱性改善が要望されている。
弾性の指標としては引張応力が挙げられ、通常カーボンブラックやシリカなどの補強材を配合することでこれらを向上することができるが、これらの粒状補強材は、その粒子径や比表面積により補強効果に限界がある。また、補強材の配合による補強では、加硫ゴムの硬さも同時に著しく上昇しゴム製品への加工性が低下するため、適切なゴムの硬さを維持するためには、補強効果に限界がある。
一方で、繊維形状の補強材が提案されており、セルロースを配合したタイヤ等が提案されている(例えば、特許文献1)。しかし、疎水性のゴムに対し、親水性のセルロースは分散性が劣るため補強効果が低い。その対策として、ナノオーダーのセルロースと、それを分散するための分散剤や固定するためのシランカップリング剤を天然ゴムラテックスに配合したタイヤが提案されている(例えば、特許文献2、3)。しかし、これらの方法では分散剤等のゴムとセルロースを分散するための薬剤が別途必要であり、コストが高くなる。また、クロロプレンゴムへの検討はあまりされていないのが実情である。
一方クロロプレン重合体はクロロプレンを乳化剤の存在下で乳化剤および開始剤を含有する水性乳濁液中で重合して得られることが知られている。一般にこの重合反応はカルボン酸のアルカリ金属塩の存在下、強アルカリ雰囲気下にて実施されるが、セルロースは強アルカリ下では加水分解してしまうため、強アルカリであるクロロプレンラテックスへの検討はあまりされていないのが実情である。
特開2006−206864号公報 特開2009−191197号公報 特開2009−191198号公報
本発明はこの問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、低歪で優れた引張応力を示すクロロプレンゴム組成物及びその製造方法を提供するものである。
本発明者は、このような背景の下、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、クロロプレンゴムとセルロースナノファイバーを含むゴム組成物を用いることで、低硬度でありながら低歪で優れた引張応力を示すことを見出した。即ち、本発明の各態様は、以下に示す[1]〜[5]である。
[1]クロロプレンゴム100重量部に対し、セルロースナノファイバーを1.2〜3.0重量部含むゴム組成物であって、前記ゴム組成物を加硫した加硫シートの100%引張応力(M100)の上昇幅がセルロースナノファイバーの添加量に対して、1.5MPa/重量部以上であることを特徴とするゴム組成物。
なお、M100の上昇幅は、セルロースナノファイバーを含む加硫シートのM100の値から、セルロースナノファイバーを含まない加硫シートのM100の値を差し引き、含まれるセルロースナノファイバーの量で除することにより算出される。
[2]セルロースナノファイバーの1wt%水溶液の表面張力が60mN/m以下であることを特徴とする上記[1]に記載のゴム組成物。
[3]セルロースナノファイバーがカルボン酸塩およびカルボン酸を含まず、かつ機械的処理のみにより解繊されたことを特徴とする上記[1]又は[2]に記載のゴム組成物。
[4]クロロプレンゴムラテックスに、セルロースナノファイバーの水分散液を混合しセルロースナノファイバー分散ゴムラテックス混合液とした後、クロロプレンゴムを凍結凝固し、更に水洗した後、乾燥することを特徴とする上記[1]〜[3]のいずれかに記載のゴム組成物の製造方法。
[5]前記セルロースナノファイバー分散ゴムラテックス混合液の粘度が1000mPa・s以下であることを特徴とする上記[4]に記載のゴム組成物の製造方法。
本発明のゴム組成物を用いることで、低歪で優れた引張応力を示す加硫ゴムを得ることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の一態様であるゴム組成物は、クロロプレンゴム100重量部に対し、セルロースナノファイバーを1.2〜3.0重量部含むものであって、ゴム組成物を加硫した加硫シートの100%引張応力(M100)の上昇幅がセルロースナノファイバーの添加量に対して、1.5MPa/重量部以上である。
クロロプレンゴムは、クロロプレン、又はクロロプレン及びこれと共重合可能な単量体を乳化重合することにより得ることができる。
クロロプレンと共重合可能な単量体としては、例えば、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン、2−シアノ−1,3−ブタジエン、1−クロロ−1,3−ブタジエン、1,3−ブタジエン、スチレン、アクリロニトリル、メチルメタクリレート、メタクリル酸、アクリル酸等が挙げられ、このうち1種類以上を併用して用いることが可能であるが、必ずしも必要ではなく、要求物性に応じて適時使用する。共重合可能な単量体の量は特に限定するものではないが、クロロプレンゴムの特性を損なわない程度としてクロロプレンゴム100重量部に対し一般的に30重量部以下が用いられる。
クロロプレンゴムは、カルボン酸及びカルボン酸のアルカリ金属塩のいずれかまたは両方を3〜7重量%含むことが好ましい。この範囲であれば、クロロプレン重合時の乳化安定性に優れ、また、ラテックスから凍結乾燥にてゴムを取り出す際に凍結不良などの不具合が生じない。
カルボン酸またはカルボン酸のアルカリ金属塩としては、ロジン酸またはそのアルカリ金属塩、脂肪酸またはそのアルカリ金属塩、ポリカルボン酸またはそのアルカリ金属塩等があげられる。アルカリ金属塩としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム等があげられる。これらは、1種類でも良く、2種類以上を含んでいても良いが、重合安定性、乾燥時の凝集性、及びゴムの性能の観点からロジン酸のアルカリ金属塩、更にはロジン酸のカリウム塩を含むことが好ましい。
クロロプレンゴムの乳化重合では、例えば、上記の単量体を乳化剤、水、重合開始剤、連鎖移動剤、その他安定剤等を混合し、所定温度にて重合を行い、所定の重合転化率で重合停止剤を添加し重合を停止する方法があげられる。
乳化剤としては、上記のカルボン酸のアルカリ金属塩が使用できる。
乳化剤の量は特に限定するものではないが、重合後に得られるクロロプレンラテックスの安定性を考慮するとクロロプレンゴム100重量部に対し、3〜7重量部が好ましい。
重合開始剤としては、公知のフリーラジカル性物質、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過酸化物、過酸化水素、ターシャリーブチルヒドロパーオキサイド等の無機又は有機過酸化物等を用いることができる。また、これらは単独又は還元性物質、例えば、チオ硫酸塩、チオ亜硫酸塩、ハイドロサルファイト、有機アミン等との併用レドックス系で用いても良い。
重合温度は特に限定するものではないが、10〜50℃の範囲が好ましい。
本発明の一態様であるゴム組成物の製造方法では、重合終了時期は特に限定するものでは無いが、生産性の面から、単量体の転化率が60%以上95%まで重合を行うことが一般的である。60%以下では生産量が少なくラテックスの固形分が低く、水の乾燥コストが高くなり、95%以上では重合時間が非常に長くなる。
重合停止剤としては、通常用いられる停止剤であれば特に限定するものでなく、例えば、フェノチアジン、2,6−t−ブチル−4−メチルフェノール、ヒドロキシルアミン等が使用できる。
原料ゴムのムーニー粘度は、本発明の高弾性応力を満足させるものであれば特に限定はしないが、混練作業性を考慮すると20〜80が好ましい。ムーニー粘度の測定は、角速度2回転/分で温度100℃において予熱1分後に測定を開始し、測定開始4分後の値を読みとる。
セルロースナノファイバーは、木材に含まれるセルロースの繊維を平均繊維径数ナノ〜数十ナノレベルまで解繊したものである。セルロースの解繊処理は主に機械的処理によるものと、化学処理により各種官能基を付与し、機械処理を併用することでセルロースナノファイバー同士の凝集を抑制し、より細いシングルナノレベルまで実施するものがある。
本発明では、セルロースナノファイバーの1wt%水溶液の表面張力が60mN/m以下であるセルロースナノファイバーを用いることが好ましい。このようなセルロースナノファイバーとしては、化学処理を実施せず機械処理のみにより解繊し、両親媒性を有するセルロースナノファイバーが挙げられる。セルロースナノファイバーを化学処理せず、カルボン酸塩およびカルボン酸を有さないことで、ゴム中でのセルロースナノファイバーの分散状態が良好となり、得られる加硫ゴムの引張応力が向上し、ハンドリング性も良好となる。そのため、セルロースにはカルボン酸塩及びカルボン酸を含まないものを用いることが好ましい。両親媒性とは、セルロースナノファイバーが水との親和性が大きい親水部と小さい疎水部の両方を持ち合せていることで、特許第5419120号公報などに記載されているように、水懸濁試料を高速で対向衝突させることにより得ることが可能である。両親媒性を有することで、疎水性であるゴムとセルロースの親和性が高くなり、より少ない混合量で引張応力の大きな向上効果が得られる。一般的に純水の表面張力は約72mN/mであるが、疎水性が大きくなるほど表面張力は小さくなる。セルロースナノファイバーの水溶液は1wt%濃度で60mN/m以下であれば、両親媒性を有しゴムとの親和性が高くなる。
本発明の一態様であるゴム組成物において、セルロースナノファイバーの含有量は、クロロプレンゴム100重量部に対して1.2〜3.0重量部であり、さらには1.5〜2.5重量部が好ましい。セルロースナノファイバー含有量を1.2重量部以上とすることで硬度に対して高い引張り応力が得られる。さらに、セルロースナノファイバー含有量が3.0重量部以下とすることでセルロースナノファイバー混合時のハンドリング性が良好となる。
ゴム組成物は、クロロプレンゴムのラテックスにセルロースナノファイバーの水分散体を混合し、セルロースナノファイバー分散ゴムラテックス混合液を作製し、そこから水を除去することにより得ることができる。
クロロプレンゴムラテックスは、クロロプレンゴムが、カルボン酸のアルカリ金属塩で乳化・分散されたもので、その製造方法は特に制限されるものではなく、クロロプレン単量体、又はクロロプレン単量体と共重合可能な単量体を乳化重合した反応液や、クロロプレンゴムを溶剤に溶解後、カルボン酸のアルカリ金属塩で乳化・分散した液を用いることができる。
セルロースナノファイバーの水分散体は、木材やパルプ等を機械処理にて所定の繊維径・繊維長に解繊したものである。
上記ゴム組成物は、クロロプレンゴムラテックスに、セルロースナノファイバーの水分散液を混合しセルロースナノファイバー分散ゴムラテックス混合液とした後、クロロプレンゴムから水を除去し、更に水洗した後、乾燥することにより製造することができる。
クロロプレンゴムラテックスとセルロースナノファイバーの水分散体を混合する方法としては、特に制限はなく、プロペラ型の攪拌装置や、ホモミキサー、高圧ホモジナイザーなどを用い、クロロプレンラテックスとセルロースナノファイバーの水分散体が外観上均一(塊等が無いこと)になるまで混合とすることで得ることができる。
セルロースナノファイバー分散ゴムラテックス混合液からの水の除去方法(乾燥方法)としては、加熱乾燥や、酸や塩による凝集および凍結乾燥があるが、乳化剤や凝固液および水分がゴムの内部に残存し、乾燥が困難となるため、凍結によりゴムを析出(凍結凝固)させ、余分な乳化剤等を水洗除去してから熱風乾燥する凍結乾燥法が最も効率的で乾燥も容易である。更には、ゴムが析出しやすくなるよう、セルロースナノファイバー分散ゴムラテックス混合液のpHを10以下として凍結乾燥することが更に好ましい。
セルロースナノファイバー分散ゴムラテックス混合液から凍結凝固させ乾燥する方法において、セルロースナノファイバー分散ゴムラテックス混合液の粘度は1000mPa・s以下であることが好ましく、更には600mPa以下が好ましい。粘度が1000mPa・sを超える場合、現行の製造設備における適合性が著しく低下し、ゴム組成物を得ることが困難となる。
得られたセルロースナノファイバー含有ゴム組成物は、通常のクロロプレンゴム同様に各種配合剤を配合混練し、加熱により加硫ゴムとすることができる。
得られた加硫ゴムは低歪で優れた引張応力を示し、セルロースナノファイバーの添加量に対して100%引張応力が大きく向上する。特にセルロースナノファイバー1重量部の添加に対して100%引張り応力が1.5MPa以上向上すれば、硬度を抑えたまま100%引張応力を高めることができる。
ゴム組成物を加硫した加硫シートの100%引張応力(M100)の上昇幅は、セルロースナノファイバーを含む加硫シートのM100の値から、セルロースナノファイバーを含まない加硫シートのM100の値を差し引いて算出される。さらに含まれるセルロースナノファイバーの量で除して、セルロースナノファイバー1重量部あたりのM100上昇幅を求める。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
<メルカプタン変性クロロプレンゴムラテックスの作成>
単量体混合物としてクロロプレン100重量部に対してロジン酸カリウム3.5重量部、ナフタレンスルホン酸とホルムアルデヒドとの縮合物のナトリウム塩0.7重量部、水酸化ナトリウム0.25重量部及びn−ドデシルメルカプタン0.2重量部、水90重量部を含む乳化水溶液と混合攪拌し乳化させ、これに過硫酸カリウム0.04重量部、水5重量部からなる重合触媒をポンプにより一定速度で添加し重合を行なった。重合は重合転化率70%になるまで重合触媒を添加して行ない、ここにt−ブチルカテコール0.01重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.02重量部、クロロプレン0.5重量部、水0.5重量部からなる重合停止剤を添加して重合を停止させた。減圧下でスチームストリッピングにより未反応のクロロプレンを除去回収し、メルカプタン変性クロロプレンゴムラテックスを得た。
<セルロースナノファイバー含有ゴム組成物の作成>
クロロプレンゴムラテックスに、セルロースナノファイバーの水分散体を所定量添加し、オートホモミキサー(プライミックス社製:PRIMIX)にて2,000rpmで10分間混合しセルロースナノファイバー分散ゴムラテックス混合液を作成した。その後、15重量%希酢酸を用いてpHを6.5に調整し、ついで凍結凝固によりポリマーを析出させ、水洗した後、熱風乾燥させた。
<表面張力測定>
セルロースナノファイバー水分散体の表面張力は、表面張力計(協和界面科学(株)社製:DY−300)にて測定した。
<粘度測定>
セルロースナノファイバー分散液の粘度は、ビスメトロン粘度計(芝浦セムテック(株)社製:VD2)にて測定した。
<セルロースナノファイバー含有量の測定>
セルロースナノファイバー含有ゴム組成物を200倍量のクロロホルムに24時間溶解させ、クロロプレンゴムを除去した。溶解液を100メッシュの金網でろ過して、100℃のオーブンで熱風乾燥させセルロースナノファイバーを得た。重量を測定しクロロプレンゴム組成物に含まれるセルロースナノファイバーの量を算出した。
<ゴムコンパウンドの作製>
セルロースナノファイバー含有クロロプレンゴム組成物のクロロプレンゴム成分100重量部に対し、カーボンブラック(東海カーボン(株)製:シーストSO)40重量部、酸化マグネシウム(協和化学工業(株)製:キョーワマグ150)4重量部、ステアリン酸(日油(株)製:ビーズステアリン酸つばき)0.5重量部、老化防止剤(大内新興化学工業(株)製:サンノック)1重量部、可塑剤(日本サン石油(株)製:サンセン415)15重量部、酸化亜鉛(堺化学工業(株) :2種)5重量部、エチレンチオウレア(三新化学工業(株)製:サンセラー22−C)1重量部をオープンロール混練機にて添加し、セルロースナノファイバー含有クロロプレンゴムコンパウンドを得た。
<加硫物の作成>
得られたゴムコンパウンドを160℃で15分プレス加硫し、加硫シートを作成した。
<加硫物の硬度測定>
得られた加硫シートの硬さをJIS K6253(2012)に従い、評価した。デュロメータにはタイプAを選択した。
<加硫物の力学物性測定>
得られた加硫シートの100%引張応力(M100)をJIS−K−6251(2012年度版)に従い、引張速度500mm/分、23℃の条件にて評価した。
実施例1
セルロースナノファイバーとして、中越パルプ工業(株)社製:ナノフォレストSを用いて、クロロプレンゴムラテックスにセルロースナノファイバーが固形換算したクロロプレンゴム100重量部に対し2.0重量部となるよう混合し、10分間上記の方法で撹拌してセルロースナノファイバー含有ゴムラテックス分散液を得た。分散液の粘度は540mPa・sであり、ハンドリングに問題はなく、凍結乾燥によりゴム組成物を得た。ナノフォレストSは、機械的解繊手段によって製造された両親媒性のセルロースナノファイバーであり、セルロースナノファイバーの水分散体の1wt%における表面張力は55mN/mであった。
このゴム組成物を上記方法に従って加硫物を作製し、硬度および100%引張応力(M100)の測定を実施した。結果を表1に示す。表1から、硬度は73、M100は7.3MPaのためM100の上昇幅は3.8MPaで、セルロースナノファイバーの含有量は2.0重量部であるからセルロースナノファイバー1重量部あたりのM100上昇幅は1.9MPa/重量部であり、硬度に対するM100の値が高く良好な結果であった。
実施例2
セルロースナノファイバーの混合量を、固形換算したクロロプレンゴム100重量部に対し2.8重量部となる量にした以外は実施例1と同様にしてセルロースナノファイバー含有ゴムラテックス分散液を得た。分散液の粘度は870mPa・sであり、ハンドリングに問題はなく、凍結乾燥によりゴム組成物を得た。このゴム組成物から加硫物を作製し、硬度およびM100の測定を実施した。実施例1と同様にセルロースナノファイバー1重量部あたりのM100上昇幅は1.9MPa/重量部であり、硬度に対するM100の値が高く良好な結果であった。
実施例3
セルロースナノファイバーの混合量を、固形換算したクロロプレンゴム100重量部に対し1.5重量部となる量にした以外は実施例1と同様にしてセルロースナノファイバー含有ゴムラテックス分散液を得た。分散液の粘度は340mPa・sであり、ハンドリングに問題はなく、凍結乾燥によりゴム組成物を得た。このゴム組成物から加硫物を作製し、硬度およびM100の測定を実施した。実施例1と同様にセルロースナノファイバー1重量部あたりのM100上昇幅は1.8MPa/重量部であり、硬度に対するM100の値が高く良好な結果であった。
比較例1
セルロースナノファイバーを混合しなかった以外は実施例1と同様にしてゴム組成物および加硫物を作製し、硬度およびM100の測定を実施した。硬度およびM100どちらも低い結果であった。
比較例2
セルロースナノファイバーの混合量を、固形換算したクロロプレンゴム100重量部に対し0.9重量部となる量にした以外は実施例1と同様にしてセルロースナノファイバー含有ゴムラテックス分散液を得た。分散液の粘度は210mPa・sであり、ハンドリングに問題はなく、凍結乾燥によりゴム組成物を得た。このゴム組成物から加硫物を作製し、硬度およびM100の測定を実施した。セルロースナノファイバー1重量部あたりのM100上昇幅、硬度に対するM100の値はともに低かった。
比較例3
セルロースナノファイバーの混合量を、固形換算したクロロプレンゴム100重量部に対し3.5重量部となる量にした以外は実施例1と同様にしてセルロースナノファイバー含有ゴムラテックス分散液を得たが、分散液の粘度は1210mPa・sであり、ハンドリング性が劣るためゴム組成物を得ることができなかった。
比較例4
使用するセルロースナノファイバーをダイセルファインケム(株)社製:KY−100Gにした以外は実施例1と同様にしてセルロースナノファイバー分散含有ゴムラテックス液を得た。KY−100Gは機械的解繊手段によって製造された親水性のセルロースナノファイバーであり、セルロースナノファイバーの水分散体の1wt%における表面張力は70mN/mであった。分散液の粘度は390mPa・sであり、ハンドリングに問題はなく、凍結乾燥によりゴム組成物を得た。このゴム組成物から加硫物を作製し、硬度およびM100の測定を実施した。セルロースナノファイバー1重量部あたりのM100上昇幅、硬度に対するM100の値はともに低かった。
Figure 2021080449

Claims (5)

  1. クロロプレンゴム100重量部に対し、セルロースナノファイバーを1.2〜3.0重量部含むゴム組成物であって、前記ゴム組成物を加硫した加硫シートの100%引張応力(M100)の上昇幅がセルロースナノファイバーの添加量に対して、1.5MPa/重量部以上であることを特徴とする、ゴム組成物。
    なお、M100の上昇幅は、セルロースナノファイバーを含む加硫シートのM100の値から、セルロースナノファイバーを含まない加硫シートのM100の値を差し引き、含まれるセルロースナノファイバーの量で除することにより算出される。
  2. セルロースナノファイバーが1wt%水溶液の表面張力が60mN/m以下であることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
  3. セルロースナノファイバーがカルボン酸塩およびカルボン酸を含まず、かつ機械的処理のみにより解繊されたことを特徴とする請求項1又は2に記載のゴム組成物。
  4. クロロプレンゴムラテックスに、セルロースナノファイバーの水分散液を混合しセルロースナノファイバー分散ゴムラテックス混合液とした後、クロロプレンゴムを凍結凝固し、更に水洗した後、乾燥することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のゴム組成物の製造方法。
  5. 前記セルロースナノファイバー分散ゴムラテックス混合液の粘度が1000mPa・s以下であることを特徴とする請求項4に記載のゴム組成物の製造方法。
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