JP2023124014A - ゴム組成物及びその製造方法 - Google Patents

ゴム組成物及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 高い引張応力と高耐久性を両立したゴム組成物を提供する【解決手段】 クロロプレンゴム100重量部に対し、平均繊維径が40nm以下のセルロースナノファイバーを1.0~2.4重量部含むゴム組成物を用いる。【選択図】 なし

Description

本発明は、クロロプレンゴム組成物及びその製造方法に関するものである
クロロプレンゴムは、各種合成ゴムの中でも各物性のバランスが良好であるため幅広い用途に使用されているが、近年の高性能化や使用環境の激化により、更なる高弾性化、高耐久化が要望されている。
弾性の指標としては引張応力が挙げられ、通常カーボンブラックやシリカなどの補強材を配合することで向上することができるが、これら粒状補強材の配合による補強で引張応力が向上すると、耐久性評価において屈曲などの変形箇所への応力集中が増大し屈曲疲労が促進され、耐久性が著しく低下する。
一方で、繊維形状の補強材が提案されており、セルロースを配合したタイヤ等が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。しかし、疎水性のゴムに対し、親水性のセルロースは分散性が劣るため補強効果が低いだけでなく、耐久性にも悪影響を与える。その対策として、ナノオーダーのセルロースと、それを分散するための分散剤や固定するためのシランカップリング剤を天然ゴムラテックスに配合したタイヤが提案されている(例えば、特許文献2、3参照。)。しかし、これらの方法では分散剤等のゴムとセルロースを分散するための薬剤が別途必要であり、コストが高くなる。また、クロロプレンラテックスに直接セルロースナノファイバーを少量添加することで、引張応力と耐久性を同時に向上させる方法も提案されているが、セルロースナノファイバーの添加量が少ないため、引張応力の向上幅は小さい(例えば、特許文献4参照。)。
特開2006-206864号公報 特開2009-191197号公報 特開2009-191198号公報 特開2021-80449号公報
本発明はこの問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、高い引張応力と高耐久性を両立したクロロプレンゴム組成物及びその製造方法を提供するものである。
本発明者は、このような背景の下、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、クロロプレンゴムと特定のセルロースナノファイバーを含むゴム組成物を用いることで、その加硫物が高い引張応力を有しながら耐久性に優れたゴム組成物を見出した。即ち、本発明の各態様は、以下に示す[1]~[5]である。
[1]クロロプレンゴム100重量部に対し、平均繊維径が40nm以下のセルロースナノファイバーを1.0~2.4重量部含むゴム組成物。
[2]セルロースナノファイバーがカルボン酸塩およびカルボン酸を含まず、かつ機械的処理のみにより解繊された、上記[1]に記載のゴム組成物。
[3]クロロプレンゴムラテックスに、セルロースナノファイバーの水分散液を混合しセルロースナノファイバー分散ゴムラテックス混合液とした後、クロロプレンゴムを凍結凝固し、更に水洗した後、乾燥する、上記[1]又は[2]に記載のゴム組成物の製造方法。
[4]前記セルロースナノファイバー分散ゴムラテックス混合液の粘度が1000mPa・s以下である、上記[3]に記載のゴム組成物の製造方法。
[5]上記[1]又は[2]に記載のゴム組成物を加硫して得られる加硫ゴムが、セルロースナノファイバーを含まない加硫ゴムと比較し、100%伸長時の引張応力が同じで3倍以上の耐久性を示すことを特徴とする加硫ゴム。
なお、耐久性はJIS K6260(2017)に従って試験片に往復運動をさせて、試験片に亀裂が発生した屈曲回数で評価する。
本発明のゴム組成物を用いることで、高い引張応力と高耐久性を両立した加硫ゴムを得ることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の一態様であるゴム組成物は、クロロプレンゴム100重量部に対し、平均繊維径が40nm以下のセルロースナノファイバーを1.0~2.4重量部含むものである。また、ゴム組成物を加硫して得られる加硫ゴムがセルロースナノファイバーを含まない加硫ゴムと比較して同じ引張応力で3倍以上の耐久性を示す加硫ゴムである。
なお、耐久性はJIS K6260(2017)に従って試験片に往復運動をさせて、試験片に亀裂が発生した屈曲回数で評価する。
クロロプレンゴムは、クロロプレン、又はクロロプレン及びこれと共重合可能な単量体を乳化重合することにより得ることができる。
クロロプレンと共重合可能な単量体としては、例えば、2,3-ジクロロ-1,3-ブタジエン、2-シアノ-1,3-ブタジエン、1-クロロ-1,3-ブタジエン、1,3-ブタジエン、スチレン、アクリロニトリル、メチルメタクリレート、メタクリル酸、アクリル酸等が挙げられ、このうち1種類以上を併用して用いることが可能であるが、必ずしも必要ではなく、要求物性に応じて適時使用する。共重合可能な単量体の量は特に限定するものではないが、クロロプレンゴムの特性を損なわない程度としてクロロプレンゴム100重量部に対し一般的に30重量部以下が用いられる。
クロロプレンゴムは、カルボン酸及びカルボン酸のアルカリ金属塩のいずれかまたは両方を3~7重量%含むことが好ましい。この範囲であれば、クロロプレン重合時の乳化安定性に優れ、また、ラテックスから凍結乾燥にてゴムを取り出す際に凍結不良などの不具合が生じない。
カルボン酸またはカルボン酸のアルカリ金属塩としては、ロジン酸またはそのアルカリ金属塩、脂肪酸またはそのアルカリ金属塩、ポリカルボン酸またはそのアルカリ金属塩等があげられる。アルカリ金属塩としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム等があげられる。これらは、1種類でも良く、2種類以上を含んでいても良いが、重合安定性、乾燥時の凝集性、及びゴムの性能の観点からロジン酸のアルカリ金属塩、更にはロジン酸のカリウム塩を含むことが好ましい。
クロロプレンゴムの乳化重合では、例えば、上記の単量体を乳化剤、水、重合開始剤、連鎖移動剤、その他安定剤等を混合し、所定温度にて重合を行い、所定の重合転化率で重合停止剤を添加し重合を停止する方法があげられる。
乳化剤としては、上記のカルボン酸のアルカリ金属塩が使用できる。
乳化剤の量は特に限定するものではないが、重合後に得られるクロロプレンラテックスの安定性を考慮するとクロロプレンゴム100重量部に対し、3~7重量部が好ましい。
重合開始剤としては、公知のフリーラジカル性物質、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過酸化物、過酸化水素、ターシャリーブチルヒドロパーオキサイド等の無機又は有機過酸化物等を用いることができる。また、これらは単独又は還元性物質、例えば、チオ硫酸塩、チオ亜硫酸塩、ハイドロサルファイト、有機アミン等との併用レドックス系で用いても良い。
重合温度は特に限定するものではないが、10~50℃の範囲が好ましい。
本発明の一態様であるゴム組成物の製造方法では、重合終了時期は特に限定するものでは無いが、生産性の面から、単量体の転化率が60%以上95%まで重合を行うことが一般的である。60%以下では生産量が少なくラテックスの固形分が低く、水の乾燥コストが高くなり、95%以上では重合時間が非常に長くなる。
重合停止剤としては、通常用いられる停止剤であれば特に限定するものでなく、例えば、フェノチアジン、2,6-t-ブチル-4-メチルフェノール、ヒドロキシルアミン等が使用できる。
原料ゴムのムーニー粘度は、本発明の高弾性応力を満足させるものであれば特に限定はしないが、混練作業性を考慮すると20~80が好ましい。ムーニー粘度の測定は、角速度2回転/分で温度100℃において予熱1分後に測定を開始し、測定開始4分後の値を読みとる。
セルロースナノファイバーは、木材に含まれるセルロースの繊維を平均繊維径数ナノ~数十ナノレベルまで解繊したものである。セルロースの解繊処理は主に機械的処理によるものと、化学処理により各種官能基を付与し、機械処理を併用することでセルロースナノファイバー同士の凝集を抑制し、より細いシングルナノレベルまで実施するものがある。
本発明では、平均繊維径が40nm以下、好ましくは10~32nmであるセルロースナノファイバーを用いる。さらに、化学処理を実施せず機械処理のみにより解繊したセルロースナノファイバーを用いることがより好ましい。セルロースナノファイバーを化学処理せず、カルボン酸塩およびカルボン酸を有さないことで、ゴム中でのセルロースナノファイバーの分散状態が良好となり、得られる加硫ゴムの引張応力と耐久性が向上し、ゴムラテックス混合液の粘度が低下するためハンドリング性も良好となる。そのため、セルロースにはカルボン酸塩及びカルボン酸を含まないものを用いることが好ましい。機械処理のみにより解繊するセルロースナノファイバーは、処理回数を増加したり処理強度を強めることで平均繊維径が小さくなる。
本発明の一態様であるゴム組成物において、セルロースナノファイバーの含有量は、クロロプレンゴム100重量部に対して1.0~2.4重量部であり、1.2~2.0重量部が好ましい。セルロースナノファイバー含有量が1.0重量部より小さいと、引張応力の向上の効果が小さい。さらに、セルロースナノファイバー含有量が2.4重量部より大きいと、セルロースナノファイバー混合時のハンドリング性が悪化する。
ゴム組成物は、クロロプレンゴムのラテックスにセルロースナノファイバーの水分散体を混合し、セルロースナノファイバー分散ゴムラテックス混合液を作製し、そこから水を除去することにより得ることができる。
クロロプレンゴムラテックスは、クロロプレンゴムが、カルボン酸のアルカリ金属塩で乳化・分散されたもので、その製造方法は特に制限されるものではなく、クロロプレン単量体、又はクロロプレン単量体と共重合可能な単量体を乳化重合した反応液や、クロロプレンゴムを溶剤に溶解後、カルボン酸のアルカリ金属塩で乳化・分散した液を用いることができる。
セルロースナノファイバーの水分散体は、木材やパルプ等を機械処理にて所定の繊維径・繊維長に解繊したものである。
上記ゴム組成物は、クロロプレンゴムラテックスに、セルロースナノファイバーの水分散液を混合しセルロースナノファイバー分散ゴムラテックス混合液とした後、クロロプレンゴムから水を除去し、更に水洗した後、乾燥することにより製造することができる。
クロロプレンゴムラテックスとセルロースナノファイバーの水分散体を混合する方法としては、特に制限はなく、プロペラ型の攪拌装置や、ホモミキサー、高圧ホモジナイザーなどを用い、クロロプレンラテックスとセルロースナノファイバーの水分散体が外観上均一(塊等が無いこと)になるまで混合とすることで得ることができる。
セルロースナノファイバー分散ゴムラテックス混合液からの水の除去方法(乾燥方法)としては、加熱乾燥や、酸や塩による凝集および凍結乾燥があるが、乳化剤や凝固液および水分がゴムの内部に残存し、乾燥が困難となるため、凍結によりゴムを析出(凍結凝固)させ、余分な乳化剤等を水洗除去してから熱風乾燥する凍結乾燥法が最も効率的で乾燥も容易である。更には、ゴムが析出しやすくなるよう、セルロースナノファイバー分散ゴムラテックス混合液のpHを10以下として凍結乾燥することが更に好ましい。
セルロースナノファイバー分散ゴムラテックス混合液から凍結凝固させ乾燥する方法において、セルロースナノファイバー分散ゴムラテックス混合液の粘度は1000mPa・s以下であることが好ましく、更には600mPa以下が好ましい。粘度が1000mPa・s以下であれば、現行の製造設備で凍結凝固を効率良く実施することができる。
得られたセルロースナノファイバー含有ゴム組成物は、通常のクロロプレンゴム同様に各種配合剤を配合混練し、加熱により加硫ゴムとすることができる。
得られた加硫ゴムはセルロースナノファイバーを含まない加硫ゴムと比較し、同じ引張応力で耐久性が3倍以上に増加する。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
<メルカプタン変性クロロプレンゴムラテックスの作成>
単量体混合物としてクロロプレン100重量部に対してロジン酸カリウム3.5重量部、ナフタレンスルホン酸とホルムアルデヒドとの縮合物のナトリウム塩0.7重量部、水酸化ナトリウム0.25重量部及びn-ドデシルメルカプタン0.2重量部、水90重量部を含む乳化水溶液と混合攪拌し乳化させ、これに過硫酸カリウム0.04重量部、水5重量部からなる重合触媒をポンプにより一定速度で添加し重合を行なった。重合は重合転化率70%になるまで重合触媒を添加して行ない、ここにt-ブチルカテコール0.01重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.02重量部、クロロプレン0.5重量部、水0.5重量部からなる重合停止剤を添加して重合を停止させた。減圧下でスチームストリッピングにより未反応のクロロプレンを除去回収し、メルカプタン変性クロロプレンゴムラテックスを得た。
<セルロースナノファイバー含有ゴム組成物の作成>
クロロプレンゴムラテックスに、セルロースナノファイバーの水分散体を所定量添加し、オートホモミキサー(プライミックス社製:PRIMIX)にて2,000rpmで10分間混合しセルロースナノファイバー分散ゴムラテックス混合液を作成した。その後、15重量%希酢酸を用いてpHを6.5に調整し、ついで凍結凝固によりポリマーを析出させ、水洗した後、熱風乾燥させた。
<粘度測定>
セルロースナノファイバー分散液の粘度は、ビスメトロン粘度計(芝浦セムテック(株)社製:VD2)にて測定した。
<セルロースナノファイバー平均繊維径の測定>
セルロースナノファイバーを純水で0.1wt%濃度に薄めた後、ろ過・乾燥を実施した。こののち、オスミウムコートを施し、日本電子(株)製FE―SEM JSM―7100Fで倍率2万倍のSEM観察を実施した。得られた観察画像から繊維をランダムに100本選び出し、繊維径を測定してその平均値を平均繊維径とした。
<ゴムコンパウンドの作製>
セルロースナノファイバー含有クロロプレンゴム組成物のクロロプレンゴム成分100重量部に対し、カーボンブラック(東海カーボン(株)製:シーストシリーズ)所定量、酸化マグネシウム(協和化学工業(株)製:キョーワマグ150)4重量部、ステアリン酸(日油(株)製:ビーズステアリン酸つばき)0.5重量部、老化防止剤(大内新興化学工業(株)製:サンノック)1重量部、可塑剤(日本サン石油(株)製:サンセン415)15重量部、酸化亜鉛(堺化学工業(株) :2種)5重量部、エチレンチオウレア(三新化学工業(株)製:サンセラー22-C)1重量部をオープンロール混練機にて添加し、セルロースナノファイバー含有クロロプレンゴムコンパウンドを得た。
<加硫物の作成>
得られたゴムコンパウンドを160℃で15分プレス加硫し、加硫シートおよび耐久試験用試験片を作成した。
<加硫物の力学物性測定>
得られた加硫シートの100%引張応力(M100)をJIS K6251(2017)に従い、引張速度500mm/分、23℃の条件にて評価した。
<加硫物の耐久性測定>
得られた耐久試験用試験片をJIS K6260(2017)に従い、試験片に往復運動をさせて、試験片に亀裂が発生した屈曲回数で評価した。表1の耐久性の値はいずれも、それぞれの引張応力においてセルロースナノファイバーを含まない加硫ゴムの値を100として比で表したものであり、数値が大きいほど耐久性が優れていることを示す。
実施例1
セルロースナノファイバーとして、中越パルプ工業(株)社製:ナノフォレストBを用いて、クロロプレンゴムラテックスにセルロースナノファイバーが固形換算したクロロプレンゴム100重量部に対し1.0重量部となるよう混合し、10分間上記の方法で撹拌してセルロースナノファイバー含有ゴムラテックス分散液を得た。分散液の粘度は100mPa・sであり、ハンドリングに問題はなく、凍結乾燥によりゴム組成物を得た。セルロースナノファイバーの平均繊維径は36nmであった。
このゴム組成物にカーボンブラック(シーストSO)30重量部を添加し、上記方法に従って加硫物を作製し、100%引張応力(M100)および耐久性の測定を実施した。結果を表1に示す。同じM100の値でセルロースナノファイバーを含まない比較例1と比べて耐久性は5倍以上を示す良好な結果であった。
実施例2
セルロースナノファイバーとして、中越パルプ工業(株)社製:ナノフォレストCを用いて、クロロプレンゴムラテックスにセルロースナノファイバーが固形換算したクロロプレンゴム100重量部に対して1.3重量部となるよう混合した以外は実施例1と同様にしてセルロースナノファイバー含有ゴムラテックス分散液を得た。分散液の粘度は250mPa・sであり、ハンドリングに問題はなく、凍結乾燥によりゴム組成物を得た。セルロースナノファイバーの平均繊維径は32nmであった。
このゴム組成物から加硫物を作製し、M100および耐久性の測定を実施した。実施例1と同様に耐久性は、同じM100の値でセルロースナノファイバーを含まない比較例4の6倍以上を示す良好な結果であった。
実施例3
セルロースナノファイバーの混合量を、固形換算したクロロプレンゴム100重量部に対し2.3重量部となる量にした以外は実施例1と同様にしてセルロースナノファイバー含有ゴムラテックス分散液を得た。分散液の粘度は850mPa・sであり、ハンドリングに問題はなく、凍結乾燥によりゴム組成物を得た。このゴム組成物から加硫物を作製し、M100および耐久性の測定を実施した。実施例1と同様に耐久性は、同じM100の値でセルロースナノファイバーを含まない比較例6の6倍以上を示す良好な結果であった。
比較例1
セルロースナノファイバーを混合せず、固形換算したクロロプレンゴム100重量部に対しカーボンブラック(シーストSO)を50重量部添加した以外は実施例1と同様にしてゴム組成物および加硫物を作製した。M100および耐久性の測定を実施し、M100が5.0MPaのときの耐久性の基準とした。
比較例2
セルロースナノファイバーとして、中越パルプ工業(株)社製:ナノフォレストS―1を用いて、クロロプレンゴムラテックスにセルロースナノファイバーが固形換算したクロロプレンゴム100重量部に対して1.4重量部となるよう混合した以外は実施例1と同様にしてセルロースナノファイバー含有ゴムラテックス分散液を得た。分散液の粘度は170mPa・sであり、ハンドリングに問題はなく、凍結乾燥によりゴム組成物を得た。セルロースナノファイバーの平均繊維径は50nmであった。このゴム組成物から加硫物を作製し、M100および耐久性の測定を実施した。比較例1と比べて耐久性は2.3倍の改善に留まった。
比較例3
固形換算したクロロプレンゴム100重量部に対しカーボンブラック(シースト3)を41重量部となる量にした以外は比較例1と同様にしてゴム組成物をおよび加硫物を作製した。比較例1と比べて耐久性は1.6倍の改善に留まった。
比較例4
固形換算したクロロプレンゴム100重量部に対しカーボンブラック(シーストSO)を55重量部となる量にした以外は比較例1と同様にしてゴム組成物をおよび加硫物を作製した。M100および耐久性の測定を実施し、M100が6.0MPaのときの耐久性の基準とした。
比較例5
固形分換算したクロロプレンゴム100重量部に対しセルロースナノファイバー(中越パルプ工業(株)社製:ナノフォレストS―1)を2.1重量部となる量とした以外は比較例2と同様にしてゴム組成物をおよび加硫物を作製した。比較例4と比べて耐久性は1.5倍の改善に留まった。
比較例6
固形換算したクロロプレンゴム100重量部に対しカーボンブラック(シーストSO)を64重量部となる量にした以外は比較例1と同様にしてゴム組成物をおよび加硫物を作製した。M100および耐久性の測定を実施し、M100が8.0MPaのときの耐久性の基準とした。
比較例7
セルロースナノファイバーの混合量を、固形換算したクロロプレンゴム100重量部に対し2.5重量部となる量にした以外は実施例1と同様にしてセルロースナノファイバー含有ゴムラテックス分散液を得たが、分散液の粘度は1160mPa・sであり、ハンドリング性が劣るためゴム組成物を得ることができなかった。
Figure 2023124014000001

Claims (5)

  1. クロロプレンゴム100重量部に対し、平均繊維径が40nm以下のセルロースナノファイバーを1.0~2.4重量部含むゴム組成物。
  2. セルロースナノファイバーがカルボン酸塩およびカルボン酸を含まず、かつ機械的処理のみにより解繊された、請求項1に記載のゴム組成物。
  3. クロロプレンゴムラテックスに、セルロースナノファイバーの水分散液を混合しセルロースナノファイバー分散ゴムラテックス混合液とした後、クロロプレンゴムを凍結凝固し、更に水洗した後、乾燥する、請求項1又は2に記載のゴム組成物の製造方法。
  4. 前記セルロースナノファイバー分散ゴムラテックス混合液の粘度が1000mPa・s以下である、請求項3に記載のゴム組成物の製造方法。
  5. 請求項1又は2に記載のゴム組成物を加硫して得られる加硫ゴムであって、セルロースナノファイバーを含まない加硫ゴムと比較し、100%伸長時の引張応力が同じで3倍以上の耐久性を示すことを特徴とする加硫ゴム。
    なお、耐久性はJIS K6260(2017)に従って試験片に往復運動をさせて、試験片に亀裂が発生した屈曲回数で評価する。
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