JP2021080322A - 非水系インクジェットインキおよびその印刷物 - Google Patents

非水系インクジェットインキおよびその印刷物 Download PDF

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Abstract

【課題】連続吐出安定性、印刷物の光輝性、乾燥性の全てに優れた非水系インクジェットインキの提供。【解決手段】有機溶剤(A)と、鱗片状金属粒子(B)と、表面張力調整用添加剤(C)とを含有する非水系インクジェットインキであって、前記有機溶剤(A)が、アルキレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤(a1−1)を、前記有機溶剤(A)全量に対して10〜75質量%含み、前記鱗片状金属粒子(B)が、平均厚み(t)が1〜50nmである鱗片状粒子であり、前記鱗片状金属粒子(B)の含有量が、前記非水系インクジェットインキ全量に対して0.1〜5質量%である、非水系インクジェットインキ。【選択図】なし

Description

本発明は、非水系インクジェットインキおよびその印刷物に関する。
インクジェット記録方式は、記録媒体に対して、インクジェットプリントヘッドのノズ
ルからインク液滴を吐出し、文字や画像が記録された印刷物を得る記録方式である。この
方式によれば、使用する装置の騒音が小さく、操作性がよいという利点を有するのみなら
ず、カラー化が容易であり、かつ様々な種類の記録媒体が使用できるという利点があるた
め、オフィスや家庭のみならず、産業用途においてもデジタル印刷の出力機として利用さ
れている。実際に、塩化ビニルおよびPET等の基材に対して印刷が可能な、非水系イン
クジェット印刷機が市販され、屋内外の広告用途をはじめ、様々な用途で用いられている
一方で、インクジェット記録方式を用いて高精細な印刷を行い、記録媒体を加飾すると
いう需要が高まっている。そして、前記加飾の一つとして、光輝性を有する印刷物の作製
に関する検討が盛んになされている。従来、光輝性を有する印刷物を作製するには、予め
金属層を蒸着した記録媒体を使用したり、箔押しまたは熱転写による後加工を行ったりす
る必要があった。しかしながら、特殊な記録媒体の使用や後加工による印刷物の作製は、
特殊な装置を印刷機に設置する必要がある、専用糊を使用するため基材を選ぶ、繊細な絵
柄や小さい文字の形成が困難であるなど、基材汎用性、生産面、コスト面での負荷が大き
かった。特に上記の後加工方法は、必要とする絵柄以上の大きさに箔を当て、必要な絵柄
分だけ型抜きするもので、金属箔等のロスが多く、コストがかかることが難点であった。
上記に対して、インクジェット記録方式を用いた光輝性印刷物の作製は、基材汎用性お
よびコスト削減の観点からも有用であり、非常に多くの注目を集めている。そしてこれま
でにも、光輝性印刷物を作製できる非水系インクジェットインキ(以下、単に「インクジ
ェットインキ」「インキ」ともいう)が、種々提案されている。
例えば特許文献1では、光輝性顔料と、引火点が70℃以下であるグリコールジエーテ
ルと、グリコールモノエーテルと、を含有する、非水系インクジェットインク組成物(非
水系インクジェットインキ)が開示されている。前記特許文献1によれば、前記グリコー
ルジエーテルと、グリコールモノエーテル(ただし、末端アルキル基の炭素数は1〜4で
ある)を併用することで、インクの乾燥性を調整し、同時に凝集ムラも抑制できるとされ
ている。しかしながら、通常の非水系インクジェットインキの乾燥条件である40〜60
℃という条件下において、引火点が70℃以下である溶剤は短時間で乾燥してしまうため
、溶剤乾燥に伴い光輝性顔料の激しい対流が起こり、前記光輝性顔料が、記録媒体の面に
対してほぼ平行に配列することができなくなり、光輝性の低下につながってしまう。加え
て、引火点が70℃以下であるグリコールジエーテルの高い乾燥性によって、インクジェ
ットプリントヘッドのノズル部位における乾燥を制御しきれず、連続的な吐出性に対して
悪影響をもたらす恐れがある。
また特許文献2では、金属顔料、アルキレングリコールジエーテルおよびラクトンを含
む、インク組成物(インクジェットインキ)が開示されており、例えば実施例において、
インク受容層を有する写真用紙上に印刷することで、鏡面光沢のような金属光沢を有する
画像を形成している。しかしながら、本発明者らが前記実施例に記載されているインク組
成物を再現して評価を行ったところ、インク受容層のない記録媒体上では、高い金属光沢
を有する印刷物を得ることができなかった。加えて、インク受容層を有する記録媒体は加
熱せずに印刷する場合が多く、沸点の高いラクトンを多量に含むインク組成物を、インク
受容層のない記録媒体に印刷した場合、前記ラクトンがすぐには揮発せず印刷物に残留し
てしまい、乾燥に時間がかかってしまうといった問題もあった。
さらに特許文献3では、金属顔料、有機溶剤、および、動粘度が2〜30cStである
シリコーンオイルを含むインク組成物が開示されており、前記インク組成物により、印刷
物の光沢性向上および記録媒体上での滲み防止が実現できると記載されている。また、特
許文献3の段落番号0062〜0063には、前記有機溶剤として、前記インク組成物全
量中60〜80質量%のジエチレングリコールジエチルエーテルと、1質量%超5質量%
未満のテトラエチレングリコールモノブチルエーテルと、24〜37質量%のγ−ブチロ
ラクトンおよび/またはテトラエチレングリコールジメチルエーテルとを含むことが好適
であると示されている。しかしながら、γ−ブチロラクトンおよびテトラエチレングリコ
ールジメチルエーテルはどちらも沸点が高いため、例えばインク受容層のない記録媒体に
、上記構成を有するインク組成物を印刷した場合、乾燥性が著しく悪化することが容易に
想像できる。一方で前記特許文献3の実施例では、テトラエチレングリコールジメチルエ
ーテルではなく、1気圧下における沸点が164℃であるテトラエチレングリコールモノ
メチルエーテルが使用されている。しかしながらこの場合は、逆に乾燥性が高くなりすぎ
るため、上述した特許文献1の場合と同様に、連続吐出安定性および印刷物の光輝性が悪
化する可能性が高い。
特許文献4には、沸点が150℃以上であり溶解度パラメーターが24MPa1/2以上
である有機溶剤(例えばプロピレングリコール)を含有し、300nm〜2500nmの
波長範囲における最大吸収波長が、800nm〜2500nmの波長範囲に存在するイン
クジェットインキが開示されている。特許文献4によれば、鏡面光沢性を有し、かつ、色
味が抑制された画像(ニュートラルなメタリック調の画像)を形成することができるとさ
れている。しかしながら、溶解度パラメーターが24MPa1/2以上である有機溶剤を用
いる場合、インキ内の樹脂が限定されてしまうため、吐出性や印刷物の高輝性の制御が困
難となる。そもそも特許文献4の実施例に具体的に開示されているインキは、主成分とし
て水を含む水性インクジェットインキであり、本発明が属する非水系インクジェットイン
キとは、技術的特徴が大きく異なる。
以上のように、連続吐出安定性、印刷物の光輝性、乾燥性の全てに優れた非水系インク
ジェットインキは、これまでに存在しない状況であった。
特開2016−150984号公報 特開2013−237850号公報 特開2012−017436号公報 国際公開第2017/149918号
本発明は、上記課題を解決すべくなされたものであって、その目的は、連続吐出安定性
、印刷物の光輝性、乾燥性の全てに優れた非水系インクジェットインキを得ることにある
上記課題の解決のため、本発明者らが鋭意検討を進めた結果、下記構成を有する非水系
インクジェットインキにより前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至
った。
すなわち本発明は、有機溶剤(A)と、鱗片状金属粒子(B)と、表面張力調整用添加
剤(C)とを含有する非水系インクジェットインキであって、前記有機溶剤(A)は、下
記一般式1で表されるアルキレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤(a1−1)を
、前記有機溶剤(A)全量に対して10〜75質量%含み、前記鱗片状金属粒子(B)は
、平均厚み(t)が1〜50nmである鱗片状粒子であり、前記鱗片状金属粒子(B)の
含有量が、前記非水系インクジェットインキ全量に対して0.1〜5質量%である、非水
系インクジェットインキに関する。

R1−(O−R2)n1−OH [一般式1]
上記一般式1中、R1は炭素数6〜12の炭化水素基を表し、R2は炭素数2または3
のアルキレン基を表し、n1は1または2を表す。
また本発明は、前記鱗片状金属粒子(B)が、金属元素として、Al、In、および、
Cuからなる群から選択される少なくとも1種を含む、上記非水系インクジェットインキ
に関する。
また本発明は、前記有機溶剤(A)が、さらに、アルキレングリコールジアルキルエー
テル系溶剤(a2)、および/または、アルキレングリコールモノアルキルエーテルモノ
アセテート系溶剤(a3)を含む、上記非水系インクジェットインキに関する。
また本発明は、前記有機溶剤(A)が、さらに、下記一般式2で表されるアルキレング
リコールモノアルキルエーテル系溶剤(a1−2)を含み、前記アルキレングリコールモ
ノアルキルエーテル系溶剤(a1−1)の配合量に対する、前記アルキレングリコールモ
ノアルキルエーテル系溶剤(a1−2)の配合量の比が、10〜500質量%である、上
記非水系インクジェットインキに関する。

R3−(O−R4)n2−OH [一般式2]
上記一般式2中、R3は炭素数1〜5の炭化水素基を表し、R4は炭素数2〜6のアル
キレン基を表し、n2は1〜4の整数を表す。
また本発明は、前記表面張力調整用添加剤(C)が、ポリシロキサン鎖構造を有する表
面張力調整用添加剤を含む、上記非水系インクジェットインキに関する。
また本発明は、プラスチック基材、紙基材、金属基材、ガラス基材から選択される基材
への印刷用である、上記非水系インクジェットインキに関する。
また本発明は、記録媒体に、上記非水系インクジェットインキ組成物を印刷してなる、印刷物に関する。
本発明により、連続吐出安定性、印刷物の光輝性、乾燥性の全てに優れた非水系インク
ジェットインキを提供することが可能となった。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の一例を説
明するものである。本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を
変更しない範囲において実施される変形例も含まれる。
背景技術でも説明したように、光輝性を有する印刷物を得るため、鱗片状の金属粒子を
含む非水系インクジェットインキが使用されている。前記非水系インクジェットインキを
用いて形成された印刷層内では、前記鱗片状の金属粒子が、記録媒体の面に対してほぼ平
行に配列しており、前記印刷層に入射する光を反射することで、光輝性が発現する。しか
しながら、非水系インクジェットインキを構成する成分の種類や量、あるいは印刷条件に
よっては、金属粒子の配列の前に、前記非水系インクジェットインキが乾燥または増粘し
てしまい、光輝性に劣る印刷物となってしまう可能性がある。
前記問題に対する対策として、例えば非水系インクジェットインキ中の金属粒子の量を
増量することで、記録媒体の面に対して平行に配列する前記金属粒子の絶対量を増やすと
いう方策が考えられる。しかしながら、固体成分である金属粒子の量の増加は、非水系イ
ンクジェットインキの連続吐出安定性の悪化を招く恐れがある。また、例えば高沸点溶剤
の添加や、乾燥温度の低下等の所作によって、記録媒体に非水系インクジェットインキを
付与してから、乾燥させるまでの時間を延ばし、金属粒子が配列するまでの時間を稼ぐと
いう方策も考えられる。しかしながら、インクジェット印刷において乾燥性が不十分であ
ると、例えば印刷後の記録媒体を巻き取った際に、印刷層の一部が前記記録媒体の裏面に
付着する、あるいは、耐擦過性に劣る印刷物になる、といった不具合が発生する可能性が
高い。
そこで上記問題を解決すべく、本発明者らが鋭意検討を進めた結果、上記一般式1で表
されるアルキレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤(a1−1)(以下、単に「溶
剤(a1−1)」ともいう。)を一定量配合し、鱗片状金属粒子の厚みや配合量を規定し
、さらに、表面張力調整用添加剤(C)を使用することで、連続吐出安定性、印刷物の光
輝性、乾燥性の全てに優れた非水系インクジェットインキが得られることを見出した。推
論ではあるが、以下にそのメカニズムを説明する。
まず、本発明の非水系インクジェットインキは、平均厚み(t)が1〜50nmである
鱗片状金属粒子(B)を、非水系インクジェットインキ全量に対して0.1〜5質量%含
む。上記範囲内の平均厚みを有する鱗片状金属粒子(B)を使用することで、印刷層内で
前記鱗片状金属粒子(B)同士が重なった部分の段差が小さくなり、より均一な配列を実
現できる。また一般に、鱗片状の粒子は、前記粒子同士の近接に伴う粒子間相互作用が強
く、互いに凝集しやすいことが知られている。特にインクジェットインキの場合は、イン
クジェットヘッド内で粒子の凝集が発生すると、連続吐出安定性が悪化する可能性がある
。そこで本発明では、鱗片状金属粒子(B)の配合量を上記範囲内に収め、粒子同士の近
接を抑えることで、連続吐出安定性の悪化を抑制している。
また本発明では、上記一般式1で表されるアルキレングリコールモノアルキルエーテル
系溶剤(a1−1)を、有機溶剤(A)全量に対して10〜75質量%含む。これら溶剤
(a1−1)は、疎水性の高い基(R1で表される基)と、親水性の高い基(O−R2で
表される基)とを、1分子中に有しており、微視的には界面活性剤として機能すると考え
られる。一方でこれらの溶剤は、高沸点溶剤としての機能も有している。
その結果、本発明の非水系インクジェットインキがインクジェットヘッド内に存在して
いる間、溶剤(a1−1)は、鱗片状金属粒子(B)同士の近接を抑制するとともに、ノ
ズル面での乾燥を防止し、連続吐出安定性の一層の向上に寄与していると考えられる。ま
た、インクジェットインキが記録媒体に付与された際は、前記鱗片状金属粒子(B)同士
の配列を妨げることなく、他の有機溶剤(A)と同様に揮発するため、優れた光輝性を有
する印刷物が得られると考えられる。
ただし上記の通り、溶剤(a1−1)は高沸点溶剤としての機能があるため、他の有機
溶剤(A)と比較して揮発しにくく、インクジェットインキの乾燥性に悪影響を及ぼす可
能性がある。そこで本発明の非水系インクジェットインキでは、さらに表面張力調整用添
加剤(C)を配合し、記録媒体上に付与された前記非水系インクジェットインキの液滴を
濡れ広がらせることで、前記溶剤(a1−1)の速やかな揮発を促している。また、液滴
が濡れ広がり、その高さが小さくなることで、鱗片状金属粒子(B)の配列の不均一化が
抑制され、印刷物の光輝性の向上にもつながっていると考えられる。
以上のように、連続吐出安定性、印刷物の光輝性、乾燥性の全てに優れた非水系インク
ジェットインキを得るために、本発明の構成は必須不可欠であるといえる。
続いて以下に、本発明の非水系インクジェットインキを構成する各成分について、好ま
しい形態を挙げながら詳細に説明する。
[有機溶剤(A)]
[アルキレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤(a1−1)]
上記の通り、本発明の非水系インクジェットインキは、有機溶剤(A)として、下記一
般式1で表されるアルキレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤(a1−1)を含む

R1−(O−R2)n1−OH [一般式1]
一般式1中、R1は炭素数6〜12の炭化水素基を表し、直鎖状であっても分岐状であ
ってもよく、芳香環を含む環を形成していてもよい。前記R1は、溶剤(a1−1)の粘
度および沸点を好適な範囲内に収め、連続吐出安定性と印刷物の光輝性とを両立させる観
点から、6〜10であることが好ましく、6〜8であることが特に好ましい。
また、R2は炭素数2または3のアルキレン基を表し、直鎖状であっても分岐状であっ
てもよい。前記R2は、溶剤(a1−1)の界面活性剤としての機能を高め、連続吐出安
定性と印刷物の光輝性とをともに向上させる観点から、炭素数2のアルキレン基(エチレ
ン基)であることが好ましい。
また、n1は1または2を表し、印刷物の乾燥性の観点から、1であることが好ましい。
一般式1で表されるアルキレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤(a1−1)と
しては、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシル
エーテル、エチレングリコールモノヘプチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘプチ
ルエーテル、エチレングリコールモノオクチルエーテル、ジエチレングリコールモノオク
チルエーテル、エチレングリコールモノエチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコール
モノエチルヘキシルエーテル、エチレングリコールモノノニルエーテル、ジエチレングリ
コールモノノニルエーテル、エチレングリコールモノデシルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノデシルエーテル、エチレングリコールモノウンデシルエーテル、ジエチレングリ
コールモノウンデシルエーテル、エチレングリコールモノメチルデシルエーテル、ジエチ
レングリコールモノメチルデシルエーテル、エチレングリコールモノドデシルエーテル、
ジエチレングリコールモノドデシルエーテル、等の(ジ)エチレングリコールモノ脂肪族
アルキルエーテル類;
プロピレングリコールモノヘキシルエーテル、ジプロピレングリコールモノヘキシルエ
ーテル、プロピレングリコールモノヘプチルエーテル、ジプロピレングリコールモノヘプ
チルエーテル、プロピレングリコールモノオクチルエーテル、ジプロピレングリコールモ
ノオクチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルヘキシルエーテル、ジプロピレン
グリコールモノエチルヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノノニルエーテル、ジ
プロピレングリコールモノノニルエーテル、プロピレングリコールモノデシルエーテル、
ジプロピレングリコールモノデシルエーテル、プロピレングリコールモノウンデシルエー
テル、ジプロピレングリコールモノウンデシルエーテル、プロピレングリコールモノメチ
ルデシルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルデシルエーテル、プロピレングリ
コールモノドデシルエーテル、ジプロピレングリコールモノドデシルエーテル、等の(ジ
)プロピレングリコールモノアルキルエーテル類;
エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテ
ル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、ジエチレングリコールモノベンジルエー
テル、エチレングリコールモノフェネチルエーテル、ジエチレングリコールモノフェネチ
ルエーテル、等の(ジ)エチレングリコールモノ芳香族エーテル類;
プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジプロピレングリコールモノフェニルエ
ーテル、プロピレングリコールモノベンジルエーテル、ジプロピレングリコールモノベン
ジルエーテル、プロピレングリコールモノフェネチルエーテル、ジプロピレングリコール
モノフェネチルエーテル、等の(ジ)プロピレングリコールモノ芳香族エーテル類;
等が挙げられ、これらのうち1種もしくは2種以上を組み合わせて使用できる。中でも連
続印刷安定性の点、印刷物の光輝性の点、および、乾燥性の点から、一般式1において、
R1が炭素数6〜8の炭化水素基であり、R2が炭素数2のアルキレン基であり、nが1
である化合物、具体的には、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコ
ールモノオクチルエーテル、エチレングリコールモノエチルヘキシルエーテル、エチレン
グリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、エチレン
グリコールモノフェネチルエーテルからなる群より選択される1種以上を使用することが
好ましく、エチレングリコールモノエチルヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフ
ェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテルからなる群より選択される1
種以上を使用することがより好ましく、エチレングリコールモノフェニルエーテルを使用
することが特に好ましい。
アルキレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤(a1−1)の含有量は、連続吐出
安定性、印刷物の光輝性、乾燥性の全てに優れた非水系インクジェットインキを得る点か
ら、有機溶剤(A)全量中10〜75質量%であり、10〜65質量%が好ましく、15
〜55質量%が特に好ましい。
また、上記と同様の観点から、アルキレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤(a1
−1)の含有量は、非水系インクジェットインキ全量に対して、9〜74質量%であるこ
とが好ましく、9〜64質量%がよりに好ましく、14〜54質量%であることが特に好
ましい。
[アルキレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤(a1−2)]
本発明の非水系インクジェットインキは、有機溶剤(A)として、上述した溶剤(a1
−1)以外のアルキレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤(以下、本明細書では「
アルキレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤(a1−2)」とする。また、単に「
溶剤(a1−1)」ともいう。)を使用してもよい。具体的には、前記アルキレングリコ
ールモノアルキルエーテル系溶剤(a1−2)として、下記一般式2で表されるアルキレ
ングリコールモノアルキルエーテル系溶剤を使用できる。

R3−(O−R4)n2−OH [一般式2]
一般式2中、R3は炭素数1〜5の炭化水素基を表し、直鎖状であっても分岐状であっ
てもよい。前記R3は、非水系インクジェットインキの粘度および沸点を好適な範囲内に
収め、連続吐出安定性に優れた前記非水系インクジェットインキを得ることができる点か
ら、炭素数1または2のアルキル基であることが好ましい。
また、R4は炭素数2〜6のアルキレン基を表し、直鎖状であっても分岐状であっても
よい。前記R4は、上記R3の場合と同様の観点から、炭素数2〜5のアルキレン基であ
ることがより好ましく、炭素数3または4のアルキレン基であることがさらに好ましい。
また、n2は1〜4の整数を表し、1または2であることが好ましい。
一般式2で表される、アルキレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤(a1−2)
としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエー
テル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノペンチル
エーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(1−メトキシ−2−プロパノール
)、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールn−プロピルエー
テル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエー
テル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピ
ルエーテル、ジエチレングリコールモノペンチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ
メチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコール
n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリ
コールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレン
グリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプ
ロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル
、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタ
ノール、3−メトキシブタノールなどが挙げられ、これらのうち1種もしくは2種以上を
組み合わせて使用できる。中でも、連続吐出安定性および乾燥性に優れた非水系インクジ
ェットインキが得られる点、並びに、臭気の点から、1−メトキシ−2−プロパノール、
ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノー
ル、3−メトキシブタノールから選ばれる1種以上を含むことが好ましく、特に、後述す
るバインダー樹脂の溶解性の点から、3−メトキシブタノールを含むことが極めて好まし
い。
また、非水系インクジェットインキの乾燥性を高める点から、アルキレングリコールモ
ノアルキルエーテル系溶剤(a1−2)全量中、50質量%以上が、1気圧下での沸点が
165℃以下であるアルキレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤(a1−2’)で
あることがより好ましい。前記1気圧下での沸点が165℃以下である前記アルキレング
リコールモノアルキルエーテル系溶剤(a1−2’)として、1−メトキシ−2−プロパ
ノール(沸点121℃)および/または3−メトキシブタノール(沸点158℃)を含む
ことが好ましい。
一般式2で表される、アルキレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤(a1−2)
を使用する場合、その配合量は、連続吐出安定性および乾燥性に優れた非水系インクジェ
ットインキが得られる点から、有機溶剤(A)全量中5〜70質量%であることが好まし
く、5〜50質量%であることがより好ましい。
また、溶剤(a1−1)の配合量に対する、アルキレングリコールモノアルキルエーテ
ル系溶剤(a1−2)の配合量は、本発明の効果を好適に発現させる点から、10〜50
0質量%であることが好ましく、25〜250質量%であることがより好ましい。
[アルキレングリコールジアルキルエーテル系溶剤(a2)]
[アルキレングリコールモノアルキルエーテルモノアセテート系溶剤(a3)]
さらに本発明では、前記有機溶剤(A)が、下記一般式3で表されるアルキレングリコ
ールジアルキルエーテル系溶剤(a2)、および/または、下記一般式4で表されるアル
キレングリコールモノアルキルエーテルモノアセテート系溶剤(a3)を含むことが好ま
しい。これらの溶剤を含有させることにより、吐出時と乾燥時の表面張力をコントロール
し、さらなる高画質化を実現することができる。加えて、これらの溶剤は溶剤(a1−1
)との相溶性が高く、結果として上述した前記溶剤(a1−1)の効果を好適に発現させ
ることができる点からも、好ましく使用される。

R5−(O−R6)m−OR7 [一般式3]
一般式3中、R5およびR7は、それぞれ独立に、炭素数1〜4のアルキル基を表し、
直鎖状であっても分岐状であってもよく、炭素数1または2のアルキル基であることが好
ましい。
また、R6は炭素数2〜4のアルキレン基を表し、直鎖状であっても分岐状であっても
よく、炭素数2または3のアルキレン基であることがより好ましい。
また、mは1〜4の整数を表し、1または2であることがより好ましい。
前記一般式3で表されるアルキレングリコールジアルキルエーテル系溶剤(a2)とし
ては、例えば、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエ
ーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテ
ル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルブチルエ
ーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエ
ーテル、トリエチレングリコールメチルブチルエーテル、テトラエチレングリコールジメ
チルエーテル、テトラエチレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールジ
メチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリプロピレングリコール
ジメチルエーテル等が挙げられ、これらのうち1種もしくは2種以上を組み合わせて使用
できる。中でも非水系インクジェットインキの保存安定性および乾燥性の点、並びに、溶
剤(a1−1)との相溶性の点から、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレ
ングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジプロピ
レングリコールジメチルエーテルから選ばれる1種以上を使用することが好ましい。

R8−CO−(O−R9)l−OR10 [一般式4]
一般式4中、R8は炭素数1〜6のアルキル基を表し、直鎖状であっても分岐状であっ
てもよく、炭素数1または2のアルキル基であることが好ましい。
R10は炭素数1〜6のアルキル基を表し、直鎖状であっても分岐状であってもよく、
炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましく、1〜2のアルキル基であることがより
好ましい。
R9は炭素数2〜6のアルキレン基を表し、直鎖状であっても分岐状であってもよく、
炭素数2〜4のアルキレン基であることが好ましい。
lは1〜6の整数を表し、1〜4であることが好ましく、1または2であることがより
好ましい。
一般式4で表されるアルキレングリコールモノアルキルエーテルモノアセテート系溶剤
(a3)としては、例えば、(ポリ)エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテー
ト類、(ポリ)プロレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、(ポリ)ブチレ
ングリコールモノアルキルエーテルアセテート類等が挙げられる。具体的には、エチレン
グリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセ
テート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノ
メチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエ
チレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエー
テルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリ
コールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセ
テート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコー
ルジブチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メト
キシブチルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート、プロピレングリコールモ
ノメチルエーテルプロピオネートなどが挙げられる。本発明では、これらのうち1種もし
くは2種以上を組み合わせて使用でき、中でも、エチレングリコールモノブチルエーテル
アセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコー
ルモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテー
ト、3−メトキシブチルアセテートから選ばれる1種以上を含むことが、印刷時の乾燥性
、並びに、溶剤(a1−1)との相溶性の観点から3−メトキシブチルアセテートが好ま
しい。
なお、一般式3で表されるアルキレングリコールジアルキルエーテル系溶剤(a2)、
および/または、一般式4で表されるアルキレングリコールモノアルキルエーテルモノア
セテート系溶剤(a3)を使用する場合、後述するバインダー樹脂の溶解性、および、印
刷物の光輝性の点から、その配合量の合計は、有機溶剤(A)全量中10〜70質量%で
あることが好ましく、20〜40質量%であることがより好ましい。
[その他の溶剤]
本発明では、非水系インクジェットインキの粘度、表面張力、沸点等を調整し、連続吐
出安定性および乾燥性に優れた前記非水系インクジェットインキを得ることを目的として
、その他の溶剤も併用することができる。前記その他の溶剤としては、酢酸エステル、乳
酸エステル、アルコキシアルキルアミド、アルカンジオール、環状エーテル、複素環系溶
剤、および炭化水素系溶剤などが挙げられる。具体的には、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳
酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル、N,N−ジメチル−β−ブトキシプ
ロピオンアミド、N,N−ジブチル−β−ブトキシプロピオンアミド、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピ
レングリコール(1,2−プロパンジオール)、1,3−プロパンジオール、ジプロピレ
ングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジ
オール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ペ
ンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキ
サンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−2−オキサゾリジ
ノン、2−ピロリドン(γ−ブチロラクタム)、1−メチル−2−ピロリドン、ε−カプ
ロラクタム、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、プロピレ
ンカーボネートなどが挙げられる。中でも、連続吐出安定性および乾燥性の観点から、1
気圧下での沸点が195℃未満であるものを使用することが好ましい。
一方で本発明では、上記に例示したその他の溶剤のうち、複素環系溶剤の配合量を制限
することが好適である。一般に複素環系溶剤は、基材浸透性および樹脂溶解性が高く、本
発明においては、後述する鱗片状金属粒子(B)の分散状態を悪化させ、また、前記鱗片
状金属粒子(B)の配列を阻害する可能性がある。したがって本発明では、連続吐出安定
性および乾燥性に優れた非水系インクジェットインキを得る観点から、複素環系溶剤の配
合量は、前記非水系インクジェットインキ全量に対して10質量%以下であることが好ま
しく、5質量%以下であることがより好ましく、3質量%以下であることが特に好ましい
[鱗片状金属粒子(B)]
本発明の非水系インクジェットインキに使用される鱗片状金属粒子(B)は、平均厚み
(t)が1〜50nmである鱗片状の金属粒子であれば、従来既知のものを任意に使用で
きる。なお本発明において「鱗片状」とは、後述する平均粒子径(D50)と、平均厚み
(t)との比が、D50/t=5以上であるものを指すものとする。
上記の通り本発明では、鱗片状金属粒子(B)の平均厚み(t)を1〜50nmとする
ことで、光輝性の高い印刷物を得ることを可能とする。すなわち、平均厚み(t)が1n
m以上であれば、鱗片状金属粒子(B)により記録媒体が十分に隠蔽され、印刷物への入
射光が透過することがない。また、前記平均厚み(t)を50nm以下とすることで、鱗
片状金属粒子(B)同士が重なった部分の段差が小さくなり、印刷物の表面が平滑化する
うえ、前記鱗片状金属粒子(B)のエッジ部分において入射光の乱反射が起こることもな
くなるため、光輝性に優れた印刷物が得られる。
なお、鱗片状金属粒子(B)の平均厚み(t)は、印刷物の光輝性をさらに高められる
とともに、連続吐出安定性の向上および製造コストの低減を図ることができる観点から、
5〜40nmであることが好ましく、10〜30nmであることがさらに好ましく、10
〜25nmであることが最も好ましい。また平均厚み(t)は、例えば走査型電子顕微鏡
によって測定することができる。具体的には、鱗片状金属粒子(B)とアセトンとを混合
し、鱗片状金属粒子(B)の希薄分散液を作製したのち、前記希薄分散液をガラスプレー
ト上で自然乾燥させる。そして、走査型電子顕微鏡を用いて、前記ガラスプレートを真横
から観察し、無作為に抽出した30個の鱗片状金属粒子(B)の厚みを測定したのち、そ
の平均値を算出することで、本発明における平均厚み(t)とすることができる。
また上記の通り、本発明における鱗片状金属粒子(B)の平均粒子径(D50)は、平
均厚み(t)の5倍以上であるが、前記平均粒子径(D50)は0.1〜2μmであるこ
とが好適である。平均粒子径(D50)を0.1μm以上とすることで、記録媒体を十分
に隠蔽でき、また印刷層の表面が平滑するため、光輝性に優れた印刷物となる。また前記
平均粒子径(D50)を2μm以下とし、さらに溶剤(a1−1)と組み合わせることで
、連続吐出安定性と印刷物の光輝性とが両立したインキとなる。
なお、連続吐出安定性と印刷物の光輝性とをともに向上できる観点から、前記平均粒子
径(D50)は0.1〜1.5μmであることがより好ましく、0.15〜1.0μmで
あることがさらに好ましく、0.2〜0.8μmであることが最も好ましい。また平均粒
子径(D50)は、例えば日機装社製レーザー回折式粒度分布測定器(Microtra
c MT3300EXII、粒子透過性:反射、計算モード:MT3000II)を用い
て測定することができる。
本発明における「金属粒子」とは、単金属材料や合金材料を主として(50質量%以上
)含む顔料を指す。具体的な材質として、Al、In、Sn、Cu、Zn、Si、Fe、
Ag等の単金属材料や、真鍮、青銅、ステンレスなどの合金材料が例示できる。また、表
面が、無機物(金属酸化物、マイカ、ガラスなど)、有機物(着色顔料、界面活性剤、樹
脂など)、シランカップリング剤などで処理されていてもよいし、金属層を含む積層体を
鱗片状金属粒子(B)として使用してもよい。さらに、2種類以上の鱗片状金属粒子(B
)を併用することもできる。
本発明では、優れた光輝性を有する印刷物が得られる観点から、金属元素として、Al
、In、および、Cuからなる群から選択される少なくとも1種を含む鱗片状金属粒子(
B)を使用することが好ましく、連続吐出安定性、印刷物の光輝性、および、製造コスト
の観点から、Alおよび/またはInを含む鱗片状金属粒子(B)を使用することがより
好ましい。
本発明の鱗片状金属粒子(B)は、上記平均厚み(t)を有しているものであれば、そ
の製法はいかなるものであってもよいが、より均一な平均厚み(t)を有する鱗片状金属
粒子(B)が得られ、光輝性に優れた印刷物となる観点から、金属蒸着膜を破砕して作製
されたものであることがより好ましい。
本発明の非水系インクジェットインキ中の鱗片状金属粒子(B)の含有量は、連続吐出
安定性と印刷物の光輝性とを両立する観点から、前記非水系インクジェットインキ全量を
基準として、0.1〜5質量%である。また、前記含有量は0.2〜4質量%であること
がより好ましく、0.3〜3質量%であることがさらに好ましく、0.4〜2.5質量%
であることが最も好ましい。
[着色剤]
本発明の非水系インクジェットインキには、着色剤を含有させてもよい。例えば、鱗片
状金属粒子(B)として、Al粒子のように銀白色の鱗片状金属粒子を使用した場合、鱗
片状金属粒子(B)と有色の着色剤とを併用することで、優れた光輝性を有する有色印刷
物(例えばゴールド(メタリックイエロー)色、メタリックブルー色、メタリックレッド
色、メタリックブラック色)が得られる。
前記着色剤として、インクジェットインキに一般に用いられる染料および/または顔料
が使用できる。また前記顔料として、有機顔料および/または無機顔料が任意に選択でき
る。前記無機顔料として、例えば、カーボンブラック、酸化鉄、酸化チタン、酸化ジルコ
ニウム、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、等が使用できる。
また、前記有機顔料をカラーインデックス(C.I.)ナンバーで例示すると、C.I
.ピグメントイエロー12、13、14、15、16、17、20、24、55、74、
83、86、87、93、109、110、117、120、125、124、128、
129、137、138、139、147、148、150、151、153、154、
155、166、168、170、171、172、174、176、180、185、
188、C.I.ピグメントオレンジ16、36、43、51、55、59、61、64
、C.I.ピグメントレッド9、48、49、52、53、57、97、122、123
、146、149、150、168、177、180、185、192、202、206
、207、209、215、216、217、220、223、224、226、227
、228、238、240、245、269、C.I.ピグメントバイオレット19、2
3、29、30、37、40、50、C.I.ピグメントブルー15、15:1、15:
3、15:4、15:6、22、60、64、C.I.ピグメントグリーン7、36、C
.I.ピグメントブラウン23、25、26、C.I.ピグメントブラック1等が挙げら
れる。
これらの着色剤は、印刷物の光輝性を損なわない範囲内で使用できる。また、非水系イ
ンクジェットインキの保存安定性および連続吐出安定性を考慮すると、前記着色剤の好適
な配合量は非水系インクジェットインキ全量に対して10質量%以下であり、5質量%以
下であることがより好ましく、3質量%以下であることが最も好ましい。
また、着色剤として用いる顔料の平均粒子径は、50〜350nmであることが好まし
い。顔料の平均粒子径が50nm以上であれば耐光性と着色力が得られ、350nm以下
であれば非水系インクジェットインキの保存安定性や連続吐出安定性が良好になる。前記
顔料の平均粒子径とは、体積基準のメジアン径であり、例えば、鱗片状金属粒子(B)を
除いて製造した非水系インクジェットインキを、酢酸エチルで200〜1000倍に希釈
し、日機装社製動的光散乱式粒度分布測定器(Microtrac UPA150)を用
いて測定することができる。
[顔料分散剤]
本発明の一実施形態として、鱗片状金属粒子(B)および着色剤の分散性を向上させ、
印刷物の光輝性および非水系インクジェットインキの保存安定性を向上させるために、顔
料分散剤を使用することが可能である。顔料分散剤としては、従来既知の化合物を使用す
ることができるが、連続吐出安定性、印刷物の光輝性、および、非水系インクジェットイ
ンキの保存安定性の点から、塩基性官能基を有する樹脂型分散剤を使用することが好まし
い。
本発明で好適に使用できる市販の顔料分散剤としては、ルーブリゾール社製のソルスパ
ース32000、76400、76500、J200、およびJ180等;ビックケミー
社製のDisperbyk−161、162、163、164、165、166、167
、および168等;味の素ファインテクノ社製のアジスパーPB821、PB822等が
挙げられる。前記顔料分散剤の含有量は、非水系インクジェットインキ全量を基準として
5質量%以下であることが好ましく、より好ましくは3質量%以下である。顔料分散体の
含有量が5質量%以下であれば、印刷物の白化現象が抑制され、光輝性に優れた印刷物が
得られるため好ましい。
また、顔料分散剤の重量平均分子量(以下Mw)は、5,000〜50,000である
ことが好ましく、10,000〜45,000であることがより好ましい。Mwが5,0
00以上であれば、非水系インクジェットインキに使用される有機溶剤(A)中で、顔料
分散剤が安定的に存在できるため、鱗片状金属粒子(B)および着色剤もまた凝集するこ
とがなく、結果として連続吐出安定性および印刷物の光輝性に優れた非水系インクジェッ
トインキとなる。また50,000以下であれば、後述するバインダー樹脂との相溶性が
良好となり、印刷物の白化現象が抑制され、光輝性に優れた印刷物が得られる。
さらに顔料分散剤は、数平均分子量(Mn)に対する重量平均分子量(Mw)の比、M
w/Mnが2以下であることが好ましく、1.8以下であることがより好ましい。Mw/
Mnが2以下であることにより、鱗片状金属粒子(B)および着色剤の平均粒子径のばら
つきが小さくなり、非水系インクジェットインキの低粘度化および保存安定性の両立、並
びに、連続吐出安定性および印刷物の光輝性の向上が可能となる。
ここでMwおよびMnは、一般的なゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下G
PC)によりポリスチレン換算分子量として求めることができる。本発明では、TSKg
elカラム(東ソー社製)を用い、RI検出器を装備したGPC(東ソー社製、HLC−
8320GPC)で、展開溶媒にDMFを用いたときのポリスチレン換算分子量である。
顔料分散剤の酸価は5〜20(mgKOH/g)であることが好ましく、5〜15(m
gKOH/g)であることがより好ましい。また、顔料分散剤のアミン価は5〜50(m
gKOH/g)であることが好ましく、20〜50(mgKOH/g)であることがより
好ましく、25〜40(mgKOH/g)であることがさらに好ましい。顔料分散剤の酸
価、アミン価が上記の範囲内である場合、非水系インクジェットインキの保存安定性が良
好になる。また、鱗片状金属粒子(B)および/または着色剤と顔料分散剤との混合物に
対して分散処理を施す際、前記分散処理が完了するまでの時間が短くなる。
本明細書における「酸価」は、分散剤固形分1g中に存在する酸基を中和するのに必要
な水酸化カリウムのmg数を表す。酸価は、JIS K 0070に準じ、電位差滴定法
によって測定できる。また「アミン価」は、分散剤固形分1g中に存在するアミンを中和
するのに必要な塩酸に対して当量となる水酸化カリウムのmg数(全アミン価)を表す。
アミン価は、0.1Nの塩酸水溶液を用いた電位差滴定法によって測定した値を、水酸化
カリウムの当量に換算することで算出できる。
[表面張力調整用添加剤(C)]
上記の通り本発明では、印刷物の光輝性を向上させ、また連続吐出安定性および乾燥性
に優れた非水系インクジェットインキとするため、表面張力調整用添加剤(C)を使用す
る。
本発明では、表面張力調整用添加剤(C)として、シロキサン系、シロキサンアクリル
系、フッ素系、フッ素アクリル系、アクリル系、アセチレングリコール系等の界面活性剤
を、単独で、または、2種以上併用して使用できる。中でも、アルキレングリコールモノ
アルキルエーテル系溶剤(a1−1)を含む有機溶剤(A)に対する表面張力低下能力の
点、および、非水系インクジェットインキの保存安定性の点から、ポリシロキサン鎖構造
を有する表面張力調整用添加剤である、シロキサン系、および/または、シロキサンアク
リル系の界面活性剤を使用することが好ましい。
前記シロキサン系の界面活性剤としては、例えば、ポリジメチルシロキサンのメチル基
の一部に有機基を導入した変性ポリシロキサン化合物が挙げられる。前記変性の例として
、ポリエーテル変性、メチルスチレン変性、アルコール変性、アルキル変性、アラルキル
変性、脂肪酸エステル変性、エポキシ変性、アミン変性、アミノ変性、メルカプト変性な
どが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。また、これらの変性の方法は
組み合わせて用いることができる。上記例示した中でも、ポリエーテル変性ポリシロキサ
ン化合物、アラルキル変性ポリシロキサン化合物が、アルキレングリコールモノアルキル
エーテル系溶剤(a1−1)との相溶性が高く、本発明の効果が好適に発現する点や、印
刷物の耐擦過性が向上する点等から好ましく、連続吐出安定性に優れた非水系インクジェ
ットインキが得られる観点から、ポリエーテル変性ポリシロキサン化合物が特に好ましい
ポリエーテル変性ポリシロキサン化合物の具体例としては、信越化学工業社製のKF−
353A、KF−354L、KF6017、X−22−6551、AW−3、日信化学工
業社製のSAG001、SAG002、SAG003、SAG005、SAG503A、
SAG008、SAG010、東レ・ダウコーニング社製の8019ADDITIVE、
8029ADDITIVE、8032ADDITIVE、8054ADDITIVE、8
526ADDITIVE、8616ADDITIVE、57ADDITIVE、67AD
DITIVE、L7001、L7002、L7604、FZ2105、FZ2110、F
Z2123、FZ2191、ビックケミー・ジャパン社製のBYK−300、302、3
06、307、333、330、377、エボニックデグサ社製のTEGO Glide
100、110、130、406、410、415、420、432、435、440
、450等が挙げられる。
また、アラルキル変性ポリシロキサン化合物の具体例としては、ビックケミー・ジャパ
ン社製のBYK−322、323、信越化学工業社製のKF−410、東レ・ダウコーニ
ング社製のSM 7001EX、SM 7002EX等が挙げられる。
一方、シロキサンアクリル系の界面活性剤としては、例えば、アクリル樹脂と、シロキ
サン系化合物とのグラフト共重合物である、シロキサン変性アクリル樹脂が挙げられる。
その具体例としては、信越化学工業社製のKP541、KP543、KP545、ビック
ケミー・ジャパン社製のBYK−3550、3565、SILCLEAN3700、楠本
化成社製のLHP−810等が挙げられる。
表面張力調整用添加剤(C)の配合量は、非水系インクジェットインキ全量を基準とし
て、1質量%以下であることが好ましく、0.01〜1質量%であることがより好ましく
、0.02〜0.5質量%であることがさらに好ましく、0.03〜0.15質量%であ
ることが最も好ましい。配合量を1質量%以下に抑えることで、表面張力調整用添加剤(
C)が印刷物の界面に十分量配向し、印刷物のモットリングが向上するとともに、印字率
によらず光輝性に優れた前記印刷物を得ることができる。
[バインダー樹脂(D)]
本発明の非水系インクジェットインキは、例えばクリアニス等を用い、非水系インクジ
ェットインキを用いて形成した層(インキ層)の上部にオーバーコート層を設けることに
より、優れた光輝性に加え、耐久性(耐擦過性、耐水性、耐溶剤性等)のある印刷物を得
ることができる。その一方で、バインダー樹脂(D)を配合することで、前記オーバーコ
ート層を設けなくても耐久性に優れる印刷物を得ることができる。
バインダー樹脂(D)としては、アルキレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤(
a1−1)を含む有機溶剤(A)に対する溶解性、連続吐出安定性、並びに、印刷物の光
輝性および耐久性等の観点から、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、ポリエステル
樹脂、および、ケトン系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種を使用することが
好ましい。
ここで、前記バインダー樹脂(D)の重量平均分子量(Mw)は1,500〜30,0
00であることが好ましい。Mwが1,500以上の場合、耐久性のある印刷物を得るこ
とができる。また、Mwが30,000以下であれば、鱗片状金属粒子(B)の配列を阻
害することがなくなり、光輝性と耐久性とが両立した印刷物となる。さらに、連続吐出安
定性に優れた非水系インクジェットインキが得られる点でも、上記Mwを有するバインダ
ー樹脂(D)が好適に使用される。Mwは、1,800〜20,000であることがより
好ましく、2,000〜18,000であることがさらに好ましい。なお、バインダー樹
脂(D)の重量平均分子量(Mw)は、上述した顔料分散剤のMwと同様の方法で測定で
きる。
また、バインダー樹脂(D)の配合量は、非水系インクジェットインキ全量に対して0
.1〜5質量%であることが好ましい。配合量を0.1質量%以上にすることで、記録媒
体に対する非水系インクジェットインキの密着性が向上するうえ、耐久性にも優れた印刷
物となる。また5質量%以下にすることで、鱗片状金属粒子(B)の配列を阻害すること
がなくなり、光輝性にも優れた印刷物となる。上記効果をさらに好適に発現させる観点か
ら、バインダー樹脂(D)は、非水系インクジェットインキ全量に対して0.15〜4質
量%含むことがより好ましく、0.2〜3質量%含むことがさらに好ましい。
なお一般に、非水系インクジェットインキがバインダー樹脂を含有する場合、前記バイ
ンダー樹脂の影響で、印刷物の表面に凹凸が生じる場合がある。本発明の場合、凹凸の影
響によって、鱗片状金属粒子(B)が平行に配列することが妨げられ、その結果、入射光
の乱反射が起こり、印刷物の表面が白く見えてしまう(白化現象)ことがある。本発明に
おけるバインダー樹脂(D)は、上述のとおり、樹脂の種類、重量平均分子量(Mw)、
および配合量を好適な範囲内にすることで、このような白化現象を防止でき、この点から
も光輝性に優れた印刷物が得られる。
本発明の非水系インクジェットインキがバインダー樹脂(D)を含む場合、前記バイン
ダー樹脂(D)は、従来既知の方法で合成したものを使用してもよいし、市販品を使用し
てもよい。また、バインダー樹脂(D)は単独で使用しても、2種以上を混合して使用し
てもよい。
使用できるバインダー樹脂(D)の市販品の具体例としては、三菱ケミカル社製のダイ
ヤナール(登録商標)BRシリーズのアクリル樹脂として、BR−50、BR−52、M
B−2539、BR−60、BR−64、BR−73、BR−75、MB−2389、B
R−80、BR−82、BR−83、BR−84、BR−85、BR−87、BR−88
、BR−90、BR−95、BR−96、BR−100、BR−101、BR−102、
BR−105、BR−106、BR−107、BR−108、BR−110、BR−11
3、MB−2660、MB−2952、MB−3012、MB−3015、MB−703
3、BR−115、MB−2478、BR−116、BR−117、BR−118、BR
−122、ER−502が、
ウイルバー・エリス社製のパラロイド(登録商標)シリーズのアクリル樹脂として、A
−11、A−12、A−14、A−21、B−38、B−60、B−64、B−66、B
−72、B−82、B−44、B−48N、B−67、B−99N、DM−55が、
BASF社製のJONCRYL(登録商標)シリーズのスチレン−アクリル樹脂として
、JONCRYL67、678、586、611、680、682、683、690、8
19、JDX−C3000、JDXC3080が、
三菱ケミカル社製のニチゴーポリエスター(TM)シリーズのポリエステル樹脂として
、TP−217,TP−220,TP−235,TP−236,TP−249,TP−2
90,TP−294,LP−011,LP−033,LP−035,LP−050,TP
−219,LP−022、LP−050S50TO,SNT,NP−110S50EO,
NP−120S45EOが、
EVONIC社製のTego(登録商標)シリーズのポリエステル樹脂として、Add
Bond LTHが、
EVONIC社製のTego(登録商標)シリーズのケトン系樹脂として、VariP
lus SK、VariPlus AP、VariPlus1201が、
荒川化学工業社製のケトン系樹脂として、K−90が、
それぞれ挙げられる。
なお、上記にない樹脂であっても、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、ポリエス
テル樹脂、および、ケトン系樹脂のいずれかであって、重量平均分子量(Mw)が1,5
00〜30,000以下の樹脂であれば、いずれも好適に使用できる。
[非水系インクジェットインキの製造方法]
本発明の非水系インクジェットインキは従来既知の方法によって製造することができる
が、具体例として、以下の方法を挙げることができる。
まず、鱗片状金属粒子(B)を得るため、シート状基材上、または、基材の表面に形成
した剥離用樹脂層上に、真空蒸着法によって金属層を形成する。なお、前記剥離用樹脂層
と前記金属層とを交互に複数積層させ、多層構造としてもよい。そして、形成した積層物
から金属層を剥離し、粉砕および微細化することによって、鱗片状金属粒子(B)を得る
また、溶融させた金属に対し、水またはガスを高圧で噴射することで金属粉を製造(ア
トマイズ法)し、さらに粉砕および微細化することによって、鱗片状金属粒子(B)を製
造してもよい。
次いで、得られた鱗片状金属粒子(B)、有機溶剤(A)、および、必要に応じて、表
面張力調整用添加剤(C)、バインダー樹脂(D)、顔料分散剤等を混合した後、ペイン
トシェーカー、サンドミル、ロールミル、メディアレス分散機、ディスパー等によって混
合・分散処理を施し、金属粒子分散体を作製することが可能である。
そして、得られた金属粒子分散体に、所望のインキ特性を有するように、有機溶剤(A
)の残部、表面張力調整用添加剤(C)の残部、バインダー樹脂(D)の残部、その他添
加剤(例えば後述する着色剤分散体)を添加し、よく混合したのち濾過処理を行い粗大粒
子を除去することで、本発明の非水系インクジェットインキが製造できる。
なお、非水系インクジェットインキがさらに着色剤を含む場合は、上述した金属粒子分
散体の製造方法と同様の方法で、前記着色剤を有機溶剤(A)中に分散した着色剤分散体
を製造したのち、金属粒子分散体等と混合すればよい。
[非水系インクジェットインキの物性]
本発明の非水系インクジェットインキは、インクジェットプリントヘッドからの連続吐
出安定性と、着弾後のドット形成の信頼性と、乾燥性とのバランスの観点から、25℃に
おける表面張力が20〜50mN/mであることが好ましく、21〜40mN/mである
ことがより好ましく、22〜30mN/mであることがさらに好ましい。同様の観点から
、25℃における粘度は、1〜15mPa・sが好ましく、1.5〜10mPa・sがよ
り好ましく、2〜6mPa・sであることがさらに好ましい。
なお前記表面張力は、協和界面科学社製自動表面張力計CBVP−Zを用い、25℃の
環境下で白金プレートをインキで濡らし測定した値である。また前記粘度は、東機産業社
製TVE25L型粘度計を用い、25℃の環境下で、ロータ回転速度50rpmの条件で
測定した値である。
[印刷物]
本発明の非水系インクジェットインキは、インクジェット印刷方式によって後述する記
録媒体に付与される。そして、必要に応じて乾燥処理を施したのち、印刷物が得られる。
前記乾燥処理としては、例えば、記録媒体上の非水系インクジェットインキに対して温風
を吹き付ける方式、オーブン等の加熱器内に前記記録媒体を投入または通過させる方式、
前記記録媒体の前記非水系インクジェットインキが付与されていない面を熱源に接触させ
る方式等があり、複数を組み合わせてもよい。
また上述したように、本発明の印刷物は、インキ層の上部に、オーバーコート層を形成
したものであってもよい。前記オーバーコート層は、例えば、オフセット印刷方式やグラ
ビア印刷方式等の有版印刷方式により、従来既知のクリアニスを印刷してなるものであっ
てよい。また、前記オーバーコート層を形成するための組成物として、本発明の非水系イ
ンクジェットインキから、鱗片状金属粒子(B)を除外したもの(非水系インクジェット
クリアインキ)を使用してもよい。さらに、従来既知の構成を有する紫外線硬化型インク
ジェットクリアインキ(例えば、特開2007−31667号公報や、特開2011−5
7744号公報に記載のもの)を使用することもできる。
[記録媒体]
本発明の非水系インクジェットインキが付与される記録媒体については特に限定はなく
、軟質塩化ビニル、硬質塩化ビニル、ポリスチレン、発泡スチロール、PMMA、ポリプ
ロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、PET、ポリカーボネート等のプラスチック基
材やこれらの混合品または変性品、上質紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙、段
ボール等の紙基材、ステンレス、アルミ等の金属基材、ガラス基材等が使用できる。
中でも、価格および加工性の点から、プラスチック基材または紙基材が好ましく用いられ
、特に軟質塩化ビニルシート、硬質塩化ビニルシート、段ボール、コート紙からなる群よ
り選択される1種が特に好ましく用いられる。一方で、特徴的に高画質で印刷できる点か
ら、金属基材またはガラス基材が好ましく用いられる。
以下、実施例および比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に特に
限定されるものではない。なお、以下の記載において、「部」および「%」とあるものは
特に断らない限りそれぞれ「質量部」、「質量%」を表す。
(金属顔料)
以下の実施例および比較例で使用した金属顔料は、表1のとおりである。
なお、表1に示した金属顔料の平均粒子径(D50)は、日機装社製レーザー回折式粒
度分布測定器(Microtrac MT3300EXII)、粒子透過性:反射、計算
モード:MT3000IIを用いて測定した値である。また平均厚み(t)は、日本電子
(株)製走査型電子顕微鏡(JSM−6390LA)を用い、上述の方法によって算出し
た値である。
Figure 2021080322
(表面張力調整用添加剤(C))
以下の実施例および比較例で使用した表面張力調整用添加剤(C)は、表2のとおりで
ある。
Figure 2021080322
(バインダー樹脂)
以下の実施例および比較例で使用したバインダー樹脂は、表3のとおりである。
なお、表3に示した重量平均分子量(Mw)は、TSKgelカラム(東ソー社製)お
よびRI検出器を装備したGPC(東ソー社製、HLC−8320GPC)を用い、上述
の条件に従って測定した値である。
Figure 2021080322
(実施例1)
有機溶剤(A)として1−メトキシ−2−プロパノールを8部、エチレングリコールモ
ノフェニルエーテルを30部、ジエチレングリコールジエチルエーテルを59部と、金属
顔料(B)としてM1(t:20nm、含有金属:In)を2部と、表面調整用添加剤(
C)としてS1(ポリシロキサン鎖含有、シロキサン変性アクリル)を0.1部と、バイ
ンダー樹脂(D)としてR1(アクリル、Mw:15,000)を0.9部とを、ディス
パーで攪拌を行いながら、混合容器中に順次投入した。次いで、液温を50℃に上昇させ
、バインダー樹脂が完全に溶解するまで、十分に均一になるように攪拌を継続した。その
後フィルターで濾過を行い、ヘッドつまりの原因となる粗大粒子を除去し、非水系インク
ジェットインキ1を作製した。
作製した非水系インクジェットインキ1を、VJ−628(武藤工業社製インクジェッ
トプリンタ)に充填したのち、軟質塩化ビニルシートを記録媒体として、室温25℃環境
下で以下に示す印刷試験を行い、連続吐出安定性、光輝性(印字率100%)、および、
乾燥性の評価を行った。結果を表4に示す。
(連続吐出安定性評価)
プリンタヒーターを45℃に設定した上記プリンタにて、非水系インクジェットインキ
の印字率100%のベタ画像(幅0.5m×長さ10m)を印字したのち、印字後に発生
したノズル抜けの程度を確認した。評価基準は下記のとおりとし、3以上を良好とした。
5:ノズル抜け2%未満
4:ノズル抜け2%以上、4%未満
3:ノズル抜け4%以上、7%未満
2:ノズル抜け7%以上、10%未満
1:ノズル抜け10%以上
(光輝性評価(印字率100%))
プリンタヒーターを45℃に設定した上記プリンタにて、非水系インクジェットインキ
の印字率100%のベタ画像(幅3cm×長さ15cm)を印字した。印刷物を、24時
間室温で乾燥させたのち、光沢度計(BYK−Gardner社製マイクロ−トリ−グロ
ス)を用いて20°光沢値を測定することで、光輝性の評価を行った。評価基準は下記の
とおりとし、3以上を良好とした。
5:光沢値350以上
4:光沢値300以上、350未満
3:光沢値250以上、300未満
2:光沢値200以上、250未満
1:光沢値200未満
(乾燥性評価)
プリンタヒーターをオフにした上記プリンタにて、非水系インクジェットインキの印字
率100%のベタ画像(幅3cm×長さ15cm)を印字した。印刷完了後、印刷物をす
ぐに60℃ホットプレートの上に静置し、静置開始から15秒ごとに綿棒で印字面を往復
3回こすり、綿棒へのインキの色移りがなくなるまでの時間を測定することで、乾燥性の
評価を行った。評価基準は下記のとおりとし、3以上を良好とした。
5:90秒以下で綿棒への色移りがなくなった
4:90秒超120秒以下で綿棒への色移りがなくなった
3:120秒超180秒以下で綿棒への色移りがなくなった
2:180秒超210秒以下で綿棒への色移りがなくなった
1:210秒経っても、綿棒への色移りが見られた
(実施例2〜実施例39、比較例1〜比較例8)
実施例1の有機溶剤(A)組成を、表4に記載の組成に替えた以外は、実施例1と同様
の操作にて、非水系インクジェットインキ2〜39、比較用非水系インクジェットインキ
1〜8を作製した。なお詳細は後述するが、比較用非水系インクジェットインキ3〜8は
、特許文献1〜3の実施例に記載されている非水系インクジェットインキを再現したもの
である。そして、実施例1と同様に実施例1と同様に印刷試験を行い、連続吐出安定性、
光輝性(印字率100%)、乾燥性の評価を行った(それぞれの評価方法は、実施例1と
同様である)。結果を表4に示す。
Figure 2021080322
Figure 2021080322
Figure 2021080322
Figure 2021080322
Figure 2021080322
(実施例40〜実施例48、比較例9〜比較例11)
有機溶剤(A)、金属顔料(B)を表5に記載の組成に替えた以外は、実施例1と同様
の操作にて、非水系インクジェットインキ40〜48、比較用非水系インクジェットイン
キ9〜11を作製した。そして、実施例1と同様に印刷試験を行い、連続吐出安定性、光
輝性(印字率100%)、乾燥性の評価を行った(それぞれの評価方法は、実施例1と同
様である)。結果を表5に示す。
Figure 2021080322
(実施例49〜実施例53、比較例12)
表面調整用添加剤(C)を表6に記載の組成に替えた以外は、実施例1と同様の操作に
て、非水系インクジェットインキ47〜53、比較用非水系インクジェットインキ12を
作製した。なお比較例12は、表面調整用添加剤(C)を配合しない系とした。そして、
実施例1と同様に印刷試験を行い、連続吐出安定性、光輝性(印字率100%)、乾燥性
の評価を行った(それぞれの評価方法は、実施例1と同様である)。結果を表6に示す。
Figure 2021080322
(実施例54〜実施例63)
バインダー樹脂(D)を表7に記載の組成に替えた以外は、実施例1と同様の操作にて
、非水系インクジェットインキ54〜63を作製した。なお実施例54は、バインダー樹
脂(D)を配合しない系とした。そして、実施例1と同様に印刷試験を行い、連続吐出安
定性、光輝性(印字率100%)、乾燥性の評価を行った(それぞれの評価方法は、実施
例1と同様である)。結果を表7に示す。
Figure 2021080322
なお、表4〜7中で使用した成分は以下の通りである。
(有機溶剤)
・EHG(エチレングリコールモノエチルヘキシルエーテル)
・EHDG(ジエチレングリコールモノエチルヘキシルエーテル)
・PhPG(プロピレングリコールモノフェニルエーテル)
・PhG(エチレングリコールモノフェニルエーテル)
・PhDG(ジエチレングリコールモノフェニルエーテル)
・BzG(エチレングリコールモノベンジルエーテル)
・DdDG(ジエチレングリコールモノドデシルエーテル)
・MP(1−メトキシ−2−プロパノール)
・MB(3−メトキシブタノール)
・MDPG(ジプロピレングリコールモノメチルエーテル)
・BDPG(ジプロピレングリコールモノブチルエーテル)
・MTeG(テトラエチレングリコールモノメチルエーテル)
・BTeG(テトラエチレングリコールモノブチルエーテル)
・DMDG(ジエチレングリコールジメチルエーテル)
・DEDG(ジエチレングリコールジエチルエーテル)
・MEDG(ジエチレングリコールメチルエチルエーテル)
・DMDPG(ジプロピレングリコールジメチルエーテル)
・DMTeG(テトラエチレングリコールジメチルエーテル)
・MBA(3−メトキシブチルアセテート)
・BGAc(エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート)
・EDGAc(ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート)
・MPGAc(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
・GBL(ガンマ−ブチロラクトン)
・酢酸ブチル(酢酸n−ブチル)
表4、5、7の結果より、有機溶剤(A)として、一般式1で表されるアルキレングリ
コールモノアルキルエーテル系溶剤(a1−1)を、前記有機溶剤(A)全量に対して1
0〜75質量%含み、平均厚み(t)が1〜50nmである鱗片状金属粒子(B)を0.
1〜5質量%で含有した非水系インクジェットインキとすることにより、連続吐出安定性
、光輝性、乾燥性について各評点が3点以上、かつ、平均評点が3.5点以上となり、い
ずれの特性も高い水準で満たすことができることが確認された。
さらに表6の結果から、表面張力調整用添加剤(C)が、ポリシロキサン鎖構造を有す
る場合、連続吐出安定性、光輝性について特に優れた品質を有することが確認された。
一方、比較例1のように、アルキレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤(a1−
1)の配合量が、有機溶剤(A)全量に対して10質量%未満であると、光輝性に劣る印
刷物となってしまい、逆に比較例2のように、前記アルキレングリコールモノアルキルエ
ーテル系溶剤(a1−1)の配合量が、有機溶剤(A)全量に対して75質量%より多い
場合は、連続吐出安定性および乾燥性に劣る非水系インクジェットインキとなってしまう
また、比較例9のように、鱗片状金属粒子の平均厚みが、本願の条件を満たさないもの
、あるいは、比較例10のように、鱗片状ではない鱗片状金属粒子を用いたものについて
も、連続吐出安定性または印刷物の光輝性に劣る非水系インクジェットインキが得られて
しまうことが確認された。また、比較例11は鱗片状金属粒子(B)の含有量が好適な範
囲より多く、連続吐出安定性の悪化が見られた。さらに比較例12のように、表面調整用
添加剤(C)を含まない場合、有機溶剤(A)および鱗片状金属粒子(B)に関する本発
明の条件を満たしていたとしても、連続吐出安定性および印刷物の光輝性に劣る非水系イ
ンクジェットインキとなることも判明した。
以上のように、連続吐出安定性、印刷物の光輝性、乾燥性の全てを高い水準で満たす非
水系インクジェットインキを得るためには、本発明の構成が必須不可欠である。
なお比較例3は、使用した鱗片状金属粒子(B)の種類以外の構成について、特許文献
1の実施例1を再現したものであり、同様に、比較例4は特許文献2の実施例1を、比較
例6は特許文献2の実施例4を、比較例7は特許文献3の実施例7を、それぞれ再現した
ものである。いずれの例についても、連続吐出安定性および印刷物の光輝性に劣る結果と
なっており、このことからも、両特性の両立のためには、一定量のアルキレングリコール
モノアルキルエーテル系溶剤(a1−1)が必須不可欠であることがわかる。
また比較例5は、比較例4の非水系インクジェットインキに含まれる、鱗片状金属粒子
(B)、表面調整用添加剤(C)、および、バインダー樹脂(D)について、その種類お
よび量を、実施例1の非水系インクジェットインキと合わせたものであり、比較例4と比
較して、連続吐出安定性は良好なレベルまで向上した一方、印刷物の光輝性は不十分なま
まであったうえ、乾燥性は悪化する結果となった。さらに比較例8は、比較例7の非水系
インクジェットインキに含まれるテトラエチレングリコールモノメチルエーテルを、テト
ラエチレングリコールジメチルエーテルに変更した系である。上述の通り、特許文献3に
はテトラエチレングリコールジメチルエーテルを含むことが好適であるとの記載があるた
め、その効果を確認することを目的としたものである。しかしながら評価の結果、印刷物
の光輝性が良化することはなく、また乾燥性はかえって悪化することが判明した。これら
の結果から、本発明の非水系インクジェットインキは、特許文献1〜3からは容易に想到
できたものではないことは明らかである。
(実施例64)
特開2014−214255号公報の実施例に記載されている顔料分散体1−3と同様
の材料および方法により、イエロー顔料を30質量%、ジエチレングリコールジエチルエ
ーテルを55質量%含む、イエロー顔料分散体を製造した。次いで、実施例1で作製した
非水系インクジェットインキ1を99部と、前記イエロー顔料分散体1部とを、混合容器
中に投入し、十分に均一になるように攪拌した後、フィルターで濾過を行い、非水系イン
クジェットインキ64を作製した。
そして、実施例1と同様に印刷試験を行い、連続吐出安定性、光輝性(印字率100%
)、乾燥性の評価を行った(それぞれの評価方法は、実施例1と同様である)。その結果
、全ての評価において評点が5点となり、いずれの特性も高い水準で満たすことが確認さ
れた。

Claims (7)

  1. 有機溶剤(A)と、鱗片状金属粒子(B)と、表面張力調整用添加剤(C)とを含有す
    る非水系インクジェットインキであって、
    前記有機溶剤(A)は、下記一般式1で表されるアルキレングリコールモノアルキルエ
    ーテル系溶剤(a1−1)を、前記有機溶剤(A)全量に対して10〜75質量%含み、
    前記鱗片状金属粒子(B)は、平均厚み(t)が1〜50nmである鱗片状粒子であり

    前記鱗片状金属粒子(B)の含有量が、前記非水系インクジェットインキ全量に対して
    0.1〜5質量%である、非水系インクジェットインキ。

    R1−(O−R2)n1−OH [一般式1]

    (一般式1中、R1は炭素数6〜12の炭化水素基を表し、R2は炭素数2または3のア
    ルキレン基を表し、n1は1または2を表す。)
  2. 前記鱗片状金属粒子(B)が、金属元素として、Al、In、および、Cuからなる群
    から選択される少なくとも1種を含む、請求項1に記載の非水系インクジェットインキ。
  3. 前記有機溶剤(A)が、さらに、アルキレングリコールジアルキルエーテル系溶剤(a
    2)、および/または、アルキレングリコールモノアルキルエーテルモノアセテート系溶
    剤(a3)を含む、請求項1または2に記載の非水系インクジェットインキ。
  4. 前記有機溶剤(A)が、さらに、下記一般式2で表されるアルキレングリコールモノア
    ルキルエーテル系溶剤(a1−2)を含み、
    前記アルキレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤(a1−1)の配合量に対する
    、前記アルキレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤(a1−2)の配合量の比が、
    10〜500質量%である、請求項1〜3いずれかに記載の非水系インクジェットインキ


    R3−(O−R4)n2−OH [一般式2]

    (一般式2中、R3は炭素数1〜5の炭化水素基を表し、R4は炭素数2〜6のアルキレ
    ン基を表し、n2は1〜4の整数を表す。)
  5. 前記表面張力調整用添加剤(C)が、ポリシロキサン鎖構造を有する表面張力調整用添
    加剤を含む、請求項1〜4いずれかに記載の非水系インクジェットインキ。
  6. プラスチック基材、紙基材、金属基材、および、ガラス基材のいずれかへの印刷用であ
    る、請求項1〜5いずれか記載の非水系インクジェットインキ。
  7. 基材に、請求項1〜6いずれか記載の非水系インクジェットインキ組成物を印刷してなる、印刷物。
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