JP2021079697A - 多層離型フィルム - Google Patents

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奈瑠美 河合
Narumi Kawai
奈瑠美 河合
博亮 前川
Hirosuke Maekawa
博亮 前川
宏明 小屋原
Hiroaki Koyahara
宏明 小屋原
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Abstract

【課題】凝集破壊の発生が抑制された多層離型フィルムを提供する。【解決手段】少なくとも離型層2とクッション層1とを有する多層離型フィルムであって、前記クッション層1は、2種類以上の樹脂を含有し、分散相11と連続相12からなる海島構造を有し、かつ、前記分散相11の流動後平均サイズが1.0μm2以下である多層離型フィルム。【選択図】図1

Description

本発明は、多層離型フィルムに関する。
プリント配線基板、フレキシブルプリント基板、多層プリント配線板等の製造工程においては、プリプレグ又は耐熱フィルムを介して銅張積層板又は銅箔を熱プレスする際に離型フィルムが使用されている。また、フレキシブルプリント基板の製造工程においては、銅回路を形成したフレキシブルプリント基板本体に、熱硬化型接着剤又は熱硬化型接着シートによってカバーレイフィルムを熱プレス接着する際にも、カバーレイフィルムと熱プレス板とが接着するのを防止するために離型フィルムが広く使用されている(特許文献1、2等)。
熱プレス成形時には、基板表面の凹凸に対して離型フィルムが追従することが必要とされる。特に近年では、フレキシブルプリント基板のL/S(ラインスペース)の細線化にも対応できるよう、より埋め込み性の高い離型フィルムが求められている。これに対して、離型性の高い離型層に、クッション性に優れたクッション層を有する多層離型フィルムが提案されている。
特開平2−175247号公報 特開平5−283862号公報
近年、フレキシブル回路基板の薄膜化に伴い、離型フィルムには離型性の更なる向上が求められている。しかしながら、熱プレス後に多層離型フィルムを剥離する際、十分な離型性がないと、多層離型フィルムの一部が剥離せず、プレス対象物に残ってしまうことがあった。本発明者らは、このような場合には多層離型フィルムのクッション層の内部で凝集破壊を起こしていることを見出した。
本発明は、上記現状に鑑み、凝集破壊の発生が抑制された多層離型フィルムを提供することを目的とする。
本発明は、少なくとも離型層とクッション層とを有する多層離型フィルムであって、前記クッション層は、2種類以上の樹脂を含有し、分散相と連続相からなる海島構造を有し、かつ、前記分散相の流動後平均サイズが1.0μm以下である多層離型フィルムである。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、多層離型フィルムを熱プレス後に剥離する際に十分な離型性が得られない原因について検討した。その結果、剥離時に多層離型フィルムのクッション層の内部で凝集破壊を起こしていることが原因であることを見出した。クッション層の凝集破壊により離型性が低下するメカニズムを、図1を用いて説明する。
図1は多層離型フィルムの断面模式図である。図1に記載された多層離型フィルムは、クッション層1と離型層2とを有する。この例において、多層離型フィルムのクッション層には、特性の異なる2種類以上の原料樹脂が混合して用いられている。熱プレス前の多層離型フィルムにおいて、クッション層1中で2種類以上の樹脂が分散相11と連続相12からなる海島構造を形成している。原料樹脂の軟化点以上の温度では、樹脂の流動性が高まるため、熱プレス等によって高温で圧がかかった場合、海島構造の分散相11同士が連結(再凝集)し、その結果、個々の分散相11のサイズが大きくなることがある(図1(b))。このような状態では、分散相11と連続相12の界面が連続して形成されやすいと考えられる。熱プレス後に多層離型フィルムを剥離する際に応力がかかると、この界面でクッション層1が内部破壊(凝集破壊)されてしまうものと考えられる(図1(c))。
本発明者らは、更に鋭意検討の結果、分散相の再凝集性、即ち熱プレス後のクッション層の海島構造における分散相のサイズに着目することにより、凝集破壊の発生が抑制された離型性に優れた多層離型フィルムを提供できることを見出し、本発明を完成した。
本発明の多層離型フィルムは、離型層とクッション層とを有する。
本発明の多層離型フィルムにおいて、最表面には少なくともひとつの離型層が配置されることが好ましい。本発明の多層離型フィルムは、上記クッション層の一方の面に上記離型層を有する2層構造であってもよく、上記クッション層の両面に上記離型層を有する3層構造であってもよい。また、上記離型層、クッション層以外の層を更に有してもよい。本発明の多層離型フィルムは、最表面に配置された離型層と、クッション層とが直接接していることが好ましい。本発明の多層離型フィルムは、クッション層が離型層に隣接している構成であっても、層間剥離の発生を効果的に抑制することができる。
上記離型層は、本発明の多層離型フィルムを用いたフレキシブルプリント基板等の製造工程において、カバーレイフィルムと接触させた状態で熱プレスを行ったときに優れた離型性を発揮させる役割を果たす。
上記離型層を構成する樹脂は特に限定されないが、多層離型フィルムの離型性が向上することから、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂又はポリスチレン樹脂が好ましい。
上記ポリエステル樹脂は、芳香族ポリエステル樹脂を含有することが好ましい。上記ポリオレフィン樹脂は、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)又は脂環式オレフィン系樹脂を含有することが好ましい。上記ポリスチレン樹脂は、シンジオタクチック構造を有するポリスチレン系樹脂を含有することが好ましい。なかでも、凹凸への追従性に優れ、カバーレイフィルムに形成された接着剤の染み出し防止性に優れることから、上記離型層は、芳香族ポリエステル樹脂を含有することがより好ましい。
上記芳香族ポリエステル樹脂は特に限定されないが、結晶性芳香族ポリエステル樹脂が好ましい。具体的には例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリヘキサメチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリブチレンナフタレート樹脂、テレフタル酸ブタンジオールポリテトラメチレングリコール共重合体等が挙げられる。これらの芳香族ポリエステル樹脂は単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。なかでも、耐熱性、離型性、凹凸への追従性等のバランスの観点から、ポリブチレンテレフタレート樹脂が好ましい。
また、ポリブチレンテレフタレート樹脂と、ポリブチレンテレフタレートと脂肪族ポリエーテルとのブロック共重合体との混合樹脂も好ましい。上記脂肪族ポリエーテルは特に限定されず、例えば、ポリエチレングリコール、ポリジエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。
上記芳香族ポリエステル樹脂は、フィルム製膜性の観点から、メルトボリュームフローレートが30cm/10min以下であることが好ましく、20cm/10min以下であることがより好ましい。なお、メルトボリュームフローレートは、ISO1133に従って、測定温度250℃、荷重2.16kgで測定することができる。
上記芳香族ポリエステル樹脂のうち、市販されているものとして、例えば、「ペルプレン(登録商標)」(東洋紡社製)、「ハイトレル(登録商標)」(東レ・デュポン社製)、「ジュラネックス(登録商標)」(ポリプラスチックス社製)、「ノバデュラン(登録商標)」(三菱エンジニアリングプラスチックス社製)等が挙げられる。
上記ポリ(4−メチル−1−ペンテン)を含有するポリオレフィン樹脂には、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)樹脂が90重量%以上含有されていることが好ましい。
上記ポリ(4−メチル−1−ペンテン)樹脂は、例えば、三井化学社製の商品名TPX(登録商標)「MX002」等の市販品を用いることができる。
上記脂環式オレフィン系樹脂とは、主鎖又は側鎖に環状脂肪族炭化水素を有するオレフィン系樹脂であり、耐熱性、強度等の点から、熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂が好ましい。
上記熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂として、例えば、ノルボルネン系モノマーの開環重合体又は開環共重合体を、(必要に応じてマレイン酸付加やシクロペンタジエン付加のような変性を行った後に)水素添加した樹脂が挙げられる。また、ノルボルネン系モノマーを付加重合させた樹脂、ノルボルネン系モノマーとエチレン又はα−オレフィン等のオレフィン系モノマーとを付加重合させた樹脂、ノルボルネン系モノマーとシクロペンテン、シクロオクテン、5,6−ジヒドロジシクロペンタジエン等の環状オレフィン系モノマーとを付加重合させた樹脂が挙げられる。更に、これらの樹脂の変性物等も挙げられる。
上記シンジオタクチック構造を有するポリスチレン系樹脂を含有するポリスチレン樹脂には、シンジオタクチック構造を有するポリスチレン系樹脂が70重量%以上、90重量%以下含有されていることが好ましい。
なお、シンジオタクチック構造を有するポリスチレン系樹脂とは、シンジオタクチック構造、即ち、炭素−炭素シグマ結合から形成される主鎖に対して側鎖であるフェニル基や置換フェニル基が交互に反対方向に位置する立体規則構造を有する樹脂である。
上記シンジオタクチック構造を有するポリスチレン系樹脂は、特に限定されない。例えば、ラセミダイアッドで75%以上、又は、ラセミペンタッドで30%以上のシンジオタクティシティーを有するポリスチレン、ポリ(アルキルスチレン)、ポリ(アリールスチレン)、ポリ(ハロゲン化スチレン)、ポリ(ハロゲン化アルキルスチレン)、ポリ(アルコキシスチレン)、ポリ(ビニル安息香酸エステル)等が挙げられる。また、これらの水素化重合体及びこれらの混合物、これらを主成分とする共重合体等が挙げられる。上記シンジオタクチック構造を有するポリスチレン系樹脂は、例えば、出光興産社製の商品名ザレック(登録商標)(XAREC(登録商標))等の市販品を用いることができる。
上記離型層は、ポリブチレンテレフタレート樹脂とエラストマーを含む混合樹脂を含有するものであってもよい。上記エラストマーは特に限定されず、例えば、ポリブチレンテレフタレートと脂肪族ポリエーテルとのブロック共重合体等が挙げられる。上記脂肪族ポリエーテルは特に限定されず、例えば、ポリエチレングリコール、ポリジエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。
上記離型層が上記混合樹脂を含有する場合、上記離型層を構成する樹脂に占める上記ポリブチレンテレフタレート樹脂の割合は特に限定されないが、50重量%以上であることが好ましい。上記ポリブチレンテレフタレート樹脂の割合が50重量%以上であれば、多層離型フィルムの離型性が向上する。上記離型層を構成する樹脂に占める上記ポリブチレンテレフタレート樹脂の割合のより好ましい下限は60重量%、更に好ましい下限は75重量%、特に好ましい下限は80重量%である。
上記離型層は、ゴム成分を含有してもよい。上記離型層がゴム成分を含有することにより、多層離型フィルムの凹凸への追従性が向上する。
上記ゴム成分は特に限定されず、例えば、天然ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリブタジエン、ポリイソプレン、アクリルニトリル−ブタジエン共重合体、エチレン−プロピレン共重合体(EPM、EPDM)、ポリクロロプレン、ブチルゴム、アクリルゴム、シリコンゴム、ウレタンゴム等が挙げられる。また、上記ゴム成分として、例えば、オレフィン系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー、塩ビ系熱可塑性エラストマー、エステル系熱可塑性エラストマー、アミド系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
上記離型層は、安定剤を含有してもよい。
上記安定剤は特に限定されず、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、熱安定剤等が挙げられる。
上記ヒンダードフェノール系酸化防止剤は特に限定されず、例えば、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、3,9−ビス{2−〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−プロピオニロキシ〕−1,1−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン等が挙げられる。上記熱安定剤は特に限定されず、例えば、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリラウリルホスファイト、2−t−ブチル−α−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−p−クメニルビス(p−ノニルフェニル)ホスファイト、ジミリスチル3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスチリルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、ジトリデシル3,3’−チオジプロピオネート等が挙げられる。
上記離型層は、更に、繊維、無機充填剤、難燃剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、無機物、高級脂肪酸塩等の従来公知の添加剤を含有してもよい。
上記離型層の厚みは特に限定されないが、好ましい下限は10μm、好ましい上限は40μmである。上記離型層の厚みが10μm以上であれば、多層離型フィルムの耐熱性が向上する。上記離型層の厚みが40μm以下であれば、多層離型フィルムの凹凸への追従性が向上する。上記離型層の厚みのより好ましい下限は15μm、より好ましい上限は30μmである。上記離型層の厚みの更に好ましい下限は20μmである。離型層の厚みが大きいことで、クッション層における海島構造の分散相同士の連結(再凝集)を抑制することができる。
上記クッション層は、本発明の多層離型フィルムを用いたフレキシブルプリント基板等の製造工程において、基板表面の凹凸に追従して、フレキシブルプリント基板のL/S(ラインスペース)の細線化にも対応できる高い埋め込み性を発揮させる役割を果たす。
上記クッション層は、2種類以上の樹脂を含有し、分散相と連続相からなる海島構造を有する。上記クッション層が2種類以上の樹脂を含有することにより、高いクッション性と、耐熱性、離型層への接着性とを両立することができる。上記クッション層が分散相と連続相からなる海島構造を有することは、多層離型フィルムの断面を電子顕微鏡で観察することにより確認することができる。また、分散相と連続相の存在が確認できるということは、上記クッション層が2種類以上の樹脂を含有することを意味する。一様な樹脂で構成されている場合、通常は分散相と連続相からなる海島構造を形成し得ないからである。
また、上記クッション層は、上記分散相の流動後平均サイズが1.0μm以下である。なお本明細書において、分散相の流動後平均サイズとは、特定の熱処理を施した後における、クッション層の海島構造における分散相の平均サイズのことを意味する。特定の熱処理後において、分散相の大きさが一定以下である海島構造を示すクッション層を有することで、本発明の多層離型フィルムは、凝集破壊の発生を抑えて高い離型性を発揮することができる。
以下に、クッション層の海島構造における分散相の流動後平均サイズの測定方法(以下、単に「流動後分散相サイズ測定法」ともいう。)について説明する。
まず、上記特定の熱処理として、多層離型フィルムを圧力3MPa、温度170℃の条件で300秒間熱プレスする。ここで、圧力3MPa、温度170℃、300秒間としたのは、一般的なフレキシブルプリント基板等の製造工程を模したものである。
熱プレスの際には、シリコーン系離型剤が塗布されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(リンテック社製 PET50C)を試験片の上下に配置し、クイックプレス機(ミカドテクノス社製 クイックプレスMKP3000V)を用いて熱プレスを行う。
次いで、透過電子顕微鏡(TEM)を用いて上記特定の熱処理を施した後の多層離型フィルムの断面観察を行う。観察にあたっては、上記特定の熱処理を施した後の多層離型フィルムを、染色剤を用いて電子染色する。上記染色剤としては、高分子材料を染色するのに用いる一般的な染色剤を用いることができる。例えば、分散相がポリエステル樹脂からなる場合にはオスミウム染色を、ポリオレフィン樹脂からなる場合にはルテニウム染色を用いることができる。このようにすることで、海島構造を明確に区別することができる。
次いで、ミクロトーム(例えば、LEICA社製、クライオウルトラミクロトーム、EM FC7等)を用いて、TD(Transverse Direction:横幅方向)/ND(Normal Direction:法線方向)断面が観察できるように、厚さ70nm程度の超薄切片を作製する。
得られた超薄切片を透過電子顕微鏡(TEM)(例えば、JEOL社製、JEM−2100等)を用いて、3000倍の倍率で観察及び撮像し、得られた断面画像における分散相の平均サイズ(μm)を求める。
分散相の平均サイズは、対象画像を二値化した後に個々の分散相の面積を計測することで算出する。画像の二値化及び分散相の面積の計測は、汎用の画像解析ソフト(例えば、ImageJ等)を用いることができる。二値化及び面積の計測の際は、対象領域が50μmとなるように設定する。解像度は285pixels/10μmとする。また、対象画像に対してオープニング処理を1回適用する。なおオープニング処理とは、二値化画像のノイズ除去を目的としたモルフォロジー処理の一種で、収縮処理の後に膨張処理を適用する一連の操作のことを指す。次いで、閉曲線で囲まれた領域をひとつの分散相としてカウントする。領域端に位置し、領域内におさまらなかった分散相は計数対象から除外する。また、ノイズの閾値を0.07μmに設定し、この閾値以下の面積を有する分散相はノイズとして計数対象から除外する。領域内の分散相の個数及びその面積を計測して各分散相の面積の平均値を算出し、これを分散相の流動後平均サイズとする。
なお、特定の熱処理を施す前の分散相の平均サイズについても、上記熱プレスを施す以外は上記と同様にして算出することができる。
分散相の流動後平均サイズが1.0μm以下であることにより、剥離時にクッション層の凝集破壊を防止することができ、本発明の多層離型フィルムは、高い離型性を発揮することができる。上記分散相の流動後平均サイズは、0.9μm以下であることが好ましく、0.7μm以下であることがより好ましい。上記分散相の流動後平均サイズの下限は特に限定されないが、高いクッション性と、耐熱性、離型層への接着性とを両立する観点から、0.1μm以上であることが好ましく、0.2μm以上であることがより好ましい。
本発明の多層離型フィルムのクッション層において、分散相の流動後平均サイズを一定以下とするためには、クッション層を構成する2種類以上の樹脂の選択において、海島構造を形成する程度の非相溶性を発揮できる範囲内で、比較的相溶性の高い組み合わせを選択することが重要である。例えば、クッション層を構成する2種類以上の樹脂がポリエステル樹脂及びポリオレフィン樹脂を含む場合、ポリエステル樹脂とポリオレフィン樹脂のSP値の差が一定以上になるようにすることで、海島構造を形成しやすくすることができる。また、ポリエステル樹脂を2種類以上用いる場合、又は、ポリオレフィン樹脂を2種類以上用いる場合は、それぞれの樹脂のSP値の差が相対的に小さくなるように選定することが好ましい。
更に、島構造を形成する樹脂が高分散できるように、樹脂混合時の混合条件を選択することも重要である。例えば、二軸押出機を用いたり、ユニメルト構造又は浅溝のスクリューを用いたりすることができる。
上記クッション層を構成する2種類以上の樹脂は、分散相の流動後平均サイズが一定以下である海島構造を示す限りにおいて特に限定されないが、上記離型層を構成する樹脂(A)を含有することが好ましい。
上記クッション層が上記離型層を構成する樹脂(A)を含有することにより、上記離型層と上記クッション層との密着性が向上する。上記クッション層は、上記離型層を構成する樹脂(A)及びポリオレフィン樹脂(B)を含有することがより好ましい。上記離型層を構成する樹脂(A)がポリオレフィン樹脂を含む場合は、上記クッション層が含有するポリオレフィン樹脂(B)は、上記離型層を構成する樹脂(A)に含まれるポリオレフィン樹脂以外のポリオレフィン樹脂であることが好ましい。
上記クッション層は、上記離型層を構成する樹脂(A)のなかでも上記離型層の主成分樹脂を含有することが更に好ましく、上記離型層の主成分樹脂及びポリオレフィン樹脂(B)を含有することが特に好ましい。ここで、上記離型層の主成分樹脂とは、上記離型層を構成する樹脂の中で含有量が最も多い樹脂のことを意味する。
上記クッション層における上記離型層を構成する樹脂(A)の含有量は特に限定されないが、好ましい下限が10重量%、好ましい上限が50重量%である。上記離型層を構成する樹脂(A)の含有量が10重量%以上であれば、上記離型層と上記クッション層との密着性が向上する。上記離型層を構成する樹脂(A)の含有量が50重量%以下であれば、上記クッション層の柔軟性が充分となり、多層離型フィルムの凹凸への追従性が向上する。上記離型層を構成する樹脂(A)の含有量のより好ましい下限は20重量%、更に好ましい下限は25重量%である。上記離型層を構成する樹脂(A)の含有量のより好ましい上限は40重量%、更に好ましい上限は35重量%である。
上記ポリオレフィン樹脂(B)は特に限定されず、例えば、ポリエチレン樹脂(例えば、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン)、ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。また、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体等のエチレン−アクリル系モノマー共重合体等も挙げられる。これらのポリオレフィン樹脂(B)は単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。なかでも、凹凸への追従性と耐熱性を両立させやすいことから、ポリプロピレン樹脂が好ましい。
上記クッション層における上記ポリオレフィン樹脂(B)の含有量は特に限定されないが、好ましい下限が50重量%、好ましい上限が90重量%である。上記ポリオレフィン樹脂(B)の含有量が50重量%以上であれば、上記クッション層の柔軟性が充分となり、多層離型フィルムの凹凸への追従性が向上する。上記ポリオレフィン樹脂(B)の含有量が90重量%以下であれば、上記離型層と上記クッション層との密着性が向上する。上記ポリオレフィン樹脂(B)の含有量のより好ましい下限は60重量%、更に好ましい下限は65重量%である。上記ポリオレフィン樹脂(B)の含有量のより好ましい上限は80重量%、更に好ましい上限は75重量%である。
上記クッション層が上記離型層を構成する樹脂(A)を含有する場合、上記離型層を構成する樹脂(A)として、ポリブチレンテレフタレート樹脂とエラストマーを含む混合樹脂を含有することが好ましい。このようにすることで、上記クッション層を構成する2種類以上の樹脂の相溶性が向上し、熱プレス時の分散相同士の連結(再凝集)を抑制することができる。即ち、分散相の流動後平均サイズを一定以下に抑え、凝集破壊の発生を抑制することができる。
上記エラストマーは特に限定されず、例えば、ポリブチレンテレフタレートと脂肪族ポリエーテルとのブロック共重合体等、上記離型層に用いてもよい樹脂として上述したものが挙げられる。
上記クッション層において、上記エラストマーの含有量は特に限定されないが、好ましい下限は3重量%、より好ましい下限は7重量%である。また、上記クッション層において、上記ポリブチレンテレフタレート樹脂の含有量に対する上記エラストマーの含有量の割合は特に限定されないが、好ましい下限が0.1、より好ましい下限が0.3である。上記クッション層において、上記エラストマーの含有量又は含有割合を上記のように一定水準以上に調整することで、上記クッション層を構成する2種類以上の樹脂の相溶性が向上し、熱プレス時の分散相同士の連結(再凝集)を抑制することができる。即ち、分散相の流動後平均サイズを一定以下に抑え、凝集破壊の発生を抑制することができる。
上記クッション層が、上記離型層を構成する樹脂(A)及びポリオレフィン樹脂(B)を含有する場合、上記離型層を構成する樹脂(A)の含有量に対する上記ポリオレフィン樹脂(B)の含有量の割合は、2.0以上であることが好ましい。このようにすることで、上記クッション層を構成する2種類以上の樹脂の相溶性が向上し、熱プレス時の分散相同士の連結(再凝集)を抑制することができる。即ち、分散相の流動後平均サイズを一定以下に抑え、凝集破壊の発生を抑制することができる。上記含有割合のより好ましい下限は2.2である。上記含有割合の上限は特に限定されないが、上記離型層と上記クッション層との密着性の観点から、好ましい上限は8.0、より好ましい上限は5.0である。
なお、上記クッション層が上記離型層を構成する樹脂として2種類以上の樹脂を含む場合は、上記含有割合は複数の樹脂の合計量に基づく割合を意味する。上記クッション層が上記ポリオレフィン樹脂として2種類以上の樹脂を含む場合も同様である。
上記クッション層が、上記離型層を構成する樹脂(A)としてポリブチレンテレフタレート樹脂のみを含む場合(上記エラストマーを含まない場合)、上記ポリオレフィン樹脂(B)として、上記ポリエチレン樹脂を含有することが好ましい。上記ポリエチレン樹脂を用いることで、より融点の高いポリオレフィン樹脂を用いた場合に比べて上記クッション層の流動性が向上し、熱プレス時の分散相同士の連結(再凝集)を抑制することができる。
上記クッション層は、上記離型層を構成する樹脂(A)としてポリブチレンテレフタレート樹脂とエラストマーを含む混合樹脂を含有し、かつ、上記ポリオレフィン樹脂(B)を含有することが特に好ましい。即ち、ポリブチレンテレフタレート樹脂、エラストマー及びポリオレフィン樹脂を含有することが特に好ましい。
上記ポリブチレンテレフタレート樹脂を用いることで、上記クッション層の耐熱性を高めることができる。また、上記離型層が上記ポリブチレンテレフタレート樹脂を含有する場合は、上記離型層と上記クッション層との密着性を向上させることができる。また、上記ポリオレフィン樹脂(B)として上記ポリエチレン樹脂を用いつつ、上記エラストマーの含有量を低めれば、凝集破壊を抑えつつ、基板への汚染性を抑えることができる。また、上記ポリオレフィン樹脂(B)として上記ポリプロピレン樹脂を用いつつ、上記エラストマーの含有量を高めれば、凝集破壊を抑えつつ、基板への汚染性を抑えることができる。
上記クッション層は、更に、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリスルフォン、ポリエステル等の樹脂を含有してもよい。
上記クッション層を構成する2種以上の樹脂の選択にあたっては、海島構造を形成する程度の非相溶性を発揮できる範囲内で、比較的相溶性の高い組み合わせを選択することが重要である。例えば、ポリエステル樹脂及びポリオレフィン樹脂のような異種樹脂を選定しつつ、同種の樹脂同士ではSP値の差が相対的に小さくなるように選定することができる。これにより、熱プレスにおいてそれぞれの樹脂が再凝集することを抑制し、分散相の流動後平均サイズが一定以下である海島構造とすることができる。また、溶融時の温度において粘度差が小さくなるような製造条件を選択することも効果的である。このようにすることで、熱プレス前の状態から分散相の分散性を向上させることができる。このような樹脂の組み合わせとして、例えば、上記クッション層は、ポリブチレンテレフタレート樹脂、エチレン−メチルメタクリレート共重合体及びポリプロピレン樹脂を含有することが好ましい。
上記クッション層は、更に、2種以上の樹脂の相溶性を調整する目的で相溶化剤を含有してもよい。
上記相溶化剤としては、例えば、反応系相溶化剤、非反応系相溶化剤を用いることができ、配合系や目的に応じ使い分けることができる。
上記反応系相溶化剤とは、反応基を有する高分子化合物である。上記反応基としては、例えば、無水マレイン酸基、カルボン酸を有する(メタ)アクリル酸、エポキシ(グリシジル)基、オキサゾリン基が挙げられる。上記反応系相溶化剤として、具体的には、大阪ガスケミカル社製のマリコン、三井化学社製のアドマー及びタフマー、三洋化成社製のユーメックス、住友化学社製のボンドファースト、旭化成社製のタフテック、日本触媒社製のエポクロス及びポリイミレックス、JSR社製のBIOLLOY及びDYNARON、日油社製のモディパー等、市販の相溶化剤を用いることができる。また、上記非反応系相溶化剤として、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体を用い、相溶性を調整することもできる。上記非反応系相溶化剤として、例えば、スチレン−エチレン−スチレン共重合体、スチレン−エチレンブチレン−スチレン共重合体及びこれらの変性体等が挙げられる。
上記クッション層は、更に、繊維、無機充填剤、難燃剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、無機物、高級脂肪酸塩等の添加剤を含有してもよい。
上記クッション層は、単独の層からなる単層構造であってもよいし、複数の層の積層体からなる多層構造であってもよい。上記クッション層が多層構造である場合は、全ての層が分散相の流動後平均サイズが一定以下である海島構造を示すことが好ましい。
上記クッション層の厚みは特に限定されないが、好ましい下限は15μm、好ましい上限は200μmである。上記クッション層の厚みが15μm以上であれば、多層離型フィルムの凹凸への追従性が向上する。上記クッション層の厚みが200μm以下であれば、熱プレス接着時におけるフィルム端部で生じる上記クッション層からの樹脂の染み出しを抑制できる。上記クッション層の厚みのより好ましい下限は30μm、より好ましい上限は150μmである。
本発明の多層離型フィルムを製造する方法は特に限定されず、例えば、水冷式又は空冷式共押出インフレーション法、共押出Tダイ法で製膜する方法、溶剤キャスティング法、熱プレス成形法等が挙げられる。
上記クッション層の両側に上記離型層を有する構造を有する場合には、一方の離型層となるフィルムを作製した後、このフィルムにクッション層を押出ラミネート法にて積層し、次いで他方の離型層をドライラミネーションする方法が挙げられる。また、一方の離型層となるフィルム、クッション層となるフィルム及び他方の離型層となるフィルムをドライラミネーションする方法が挙げられる。
なかでも、各層の厚み制御に優れる点から、共押出Tダイ法で製膜する方法が好適である。
上記クッション層において、分散相の流動後平均サイズを一定以下とするためには、島構造を形成する樹脂が高分散できるように、樹脂混合時の混合条件を調整することも効果的である。具体的には、より混合効率に優れるスクリューを採用すること(例えば、軽量部の溝深さを調整してせん断流動を促進させる等)、より混合効率に優れる二軸混錬法を採用すること、予めマスターバッチを製造してから混練すること、混練温度を低めに設定すること等が挙げられる。
本発明の多層離型フィルムの用途は特に限定されないが、プリント配線基板、フレキシブル回路基板、多層プリント配線板等の製造工程において好適に用いることができる。
具体的には例えば、フレキシブル回路基板の製造工程において、銅回路を形成したフレキシブル回路基板本体に、熱硬化型接着剤又は熱硬化型接着シートを介してカバーレイフィルムを熱プレス接着する際に本発明の多層離型フィルムを用いることができる。
本発明の多層離型フィルムは離型性に極めて優れることから、高い離型性が求められるRtoR方式によるフレキシブル回路基板の製造にも好適に用いることができる。
本発明によれば、凝集破壊の発生が抑制された多層離型フィルムを提供することができる。
多層離型フィルムにおいて、クッション層の凝集破壊により離型性が低下するメカニズムを説明する断面模式図である。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1)
(1)多層離型フィルムの製造
ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)60重量部と、ポリブチレンテレフタレートとポリテトラメチレングリコールとの共重合体(PBT/PTMG共重合体)40重量部とを混合し、離型層用樹脂組成物を得た。
PBT27.0重量部と、PBT/PTMG共重合体3.0重量部と、ポリプロピレン樹脂(PP)35.0重量部と、エチレン−メチルメタクリレート共重合体(EMMA)35.0重量部とを混合し、クッション層用樹脂組成物を得た。なお、離型層を構成する樹脂(A)の含有量に対するポリオレフィン樹脂(B)の含有量の割合((B)/(A))を表1に示した。PBT(a1)の含有量に対するエラストマーとしてのPBT/PTMG共重合(a2)の含有量の割合((a2)/(a1))についても表1に示した。
得られた離型層用樹脂組成物及びクッション層用樹脂組成物を、押出機を用いて、Tダイ幅400mmにて三層共押出することにより、クッション層(厚み60μm)の両側に離型層(片面の厚み15μm、45μm)を有する3層構造の多層離型フィルムを得た。押出機はジーエムエンジニアリング社製、GM30−28を用い、スクリュー径30mm、L/D28とした。
(2)熱プレス前のクッション層の分散相の平均サイズの測定
得られた多層離型フィルムを、染色剤としてオスミウムを用いて電子染色した。次いで、染色した断面をミクロトーム(LEICA社製、クライオウルトラミクロトーム、EM FC7)を用いて、TD/ND断面が観察できるように、厚さ70nmの超薄切片を作製した。
得られた超薄切片を透過電子顕微鏡(TEM)(JEOL社製、JEM−2100)を用いて、3000倍の倍率で観察し、分散相の平均サイズ(μm)を求めた。
分散相の平均サイズは、画像解析ソフト(ImageJ)を用いて測定した。より具体的には、以下のような手順で測定した。まず、対象領域が50μmとなるように設定し、「Huang」モードで対象画像を二値化した。領域端に位置し、領域内におさまらなかった分散相は除外して計測した。測定範囲は離型層側から少なくとも5μm離れた箇所を対象とし、できるだけ層の中央付近を測定した。測定時のノイズの閾値を0.07μmとし、これ以下のサイズの分散相はノイズとして計数対象から除外した。
(3)熱プレス後のクッション層の分散相の流動後平均サイズの測定
得られた多層離型フィルムを、10cm×10cmの大きさに切り出し、シリコーン系離型剤が塗布されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(リンテック社製 PET50C)を上下に重ねて積層体を得た。この際、PETフィルムの離型剤が塗布された面が多層離型フィルムに接するようにした。得られた積層体を、ミカドテクノス社製、クイックプレス機(クイックプレスMKP3000V)を用い、圧力3MPa、温度170℃の条件で300秒間熱プレスした。
熱プレス後の積層体から多層離型フィルムを回収し、上記と同様の方法により熱プレス後のクッション層の分散相の流動後平均サイズを測定した。
(実施例2〜9、比較例1、2)
クッション層用樹脂組成物の組成を表1に示したようにした以外は、実施例1と同様にして、3層構造の多層離型フィルムを得た。なお、実施例7では、離型層用樹脂組成物として、PBT及びPBT/PTMG共重合体に代えてポリ(4−メチル−1−ペンテン)樹脂(三井化学社製、TPX)を用いた。
なお、表1中、PMPはポリ(4−メチル−1−ペンテン)を表し、PEはポリエチレン樹脂を表す。また、相溶化剤としては、大阪ガスケミカル社製、マリコン(登録商標)を用いた。
(評価)
実施例及び比較例で得た多層離型フィルムについて、以下の方法により評価を行った。
結果を表1に示した。
(層間剥離発生率)
銅張積層板(CCL)(12.5cm×12.5cm、ポリイミド厚25μm、銅箔の厚み35μm)上に、一辺が15mmの正方形の穴を6つ空けたカバーレイフィルム(12.5cm×12.5cm、ポリイミド厚25μm、エポキシ接着剤層の厚み15μm)を乗せ、更に得られた多層離型フィルムを積層した。得られた積層体を、ミカドテクノス社製クイックプレス機(クイックプレスMKP3000V)を用い、圧力3MPa、温度170℃の条件で3分間熱プレスした。その後、積層体から多層離型フィルムを剥離し、層間剥離発生率を算出した。即ち、正方形の穴から接着剤が染み出している辺を層間剥離発生箇所として、その数をカウントし、以下の式で層間剥離発生率を算出した。
層間剥離発生率(%)=層間剥離が発生している辺の数/24辺×100
これを3回行って平均値を算出し、平均値が20%未満の場合を「◎」、20%以上、40%未満の場合を「○」、40%以上の場合を「×」と評価した。
Figure 2021079697
本発明によれば、凝集破壊の発生が抑制された多層離型フィルムを提供することができる。
1 クッション層
11 分散相
12 連続相
2 離型層

Claims (6)

  1. 少なくとも離型層とクッション層とを有する多層離型フィルムであって、
    前記クッション層は、2種類以上の樹脂を含有し、分散相と連続相からなる海島構造を有し、かつ、前記分散相の流動後平均サイズが1.0μm以下である
    ことを特徴とする多層離型フィルム。
  2. 離型層は、芳香族ポリエステル樹脂を含有することを特徴とする請求項1記載の多層離型フィルム。
  3. 芳香族ポリエステル樹脂は、ポリブチレンテレフタレート樹脂を含有することを特徴とする請求項2記載の多層離型フィルム。
  4. クッション層は、離型層の主成分樹脂及びポリオレフィン樹脂を含有することを特徴とする請求項1、2又は3記載の多層離型フィルム。
  5. クッション層は、ポリブチレンテレフタレート樹脂、エラストマー及びポリオレフィン樹脂を含有することを特徴とする請求項1、2又は3記載の多層離型フィルム。
  6. フレキシブル回路基板の製造に用いられることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の多層離型フィルム。
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