JP5023880B2 - 離型フィルム - Google Patents

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Description

本発明はフレキシブルプリント配線基板の製造工程において用いられる離型フィルムに関する。
フレキシブルプリント配線板(以下、FPCということがある)は、ポリイミドフィルムなど絶縁基材の表面に所定の回路を設けたフレキシブル回路部材より構成されている。このようなFPCの製造にあたっては、通常、フレキシブル回路部材を、接着剤付き耐熱樹脂フィルムであるカバーレイで被覆して絶縁及び回路保護を行い、これに離型フィルムを重ねたうえ熱盤により加熱成形(プレス工程)する。
このようなFPCの製造にあたって、離型フィルムには様々な特性が要求される。たとえば、(1)熱プレス後、配線基板から離型フィルムを容易に剥離すること(離型性)、(2)配線基板の外周部において相互接着した離型フィルム同士が剥がれ易いこと(低自己融着性)、および(3)熱プレス時、基板表面の回路配線の凹凸によく追随し回路配線間を埋め、カバーレイから回路配線間へ滲み出す接着剤の進入を防止すること(良好な埋め込み性)が必要である。また、熱プレス後に剥離除去した離型フィルムの一部が導体部に付着して汚染し後工程での回路へのメッキ付き性に支障がないことも重要であり、(4)離型フィルムの配合樹脂間に良好な相溶性のあることも必要である。FPCの製造工程に用いられる離型フィルムは、このような特性をバランスよく保持する必要がある。さらに離型フィルムに必要な他の特性としては、FPCへの圧力が全体に均一化されること、仕上がりFPCの外観シワが少ないこと、使用後の離型フィルムに破れのないことなども挙げられる。
このようなFPC製造用の離型フィルムの1種として、最外層に環状ポリオレフィンを用いた離型フィルムが提案されている。たとえば特開2006-257399号公報には環状ポリオレフィン系樹脂(及び共重合体)を好ましくは単独で用いた離型フィルムが記載されている。また、特許第3676644号公報には、所定物性を備えた脂環式オレフィン樹脂からなる厚さの特定された離型フィルムが記載されている。
しかしながら、これらの環状ポリオレフィン系重合体を主体とする離型フィルムは、離型性は良好であるものの、FPC製造用の実用的な離型フィルムとしては未だ充分に満足すべき特性を備えるには至っていない。
特開2006-257399号公報 特許第3676644号公報
これら従来提案されている離型フィルムは、熱プレス後の配線基板からの離型性は良好なものの、熱プレス時に生ずるカバーレイからの接着剤の滲み出しを充分に防止できない(埋め込み性が不良)。このため、カバーレイから回路配線間へ滲み出す接着剤の進入を充分に防止できない。
本発明の目的は環状オレフィン系の樹脂を用いた離型フィルムの優れた性質を維持しつつ、かかる樹脂からなる離型フィルムの欠点を改善して良好な特性を有する実用的な離型フィルムを提供することにある。
本発明は下記(A)群及び(B)群
(A)環状ポリオレフィン系樹脂
(B)スチレン含有量が50wt%以上の水素添加スチレン系熱可塑性エラストマー及びポリプロピレン
の各々より選ばれた少なくとも1種のポリマーが配合され、(B)群ポリマーの配合量が離型層の樹脂全体に対して2〜50wt%である離型層、並びに
α−オレフィン系重合体、又はα−オレフィン系共重合体を主成分とするクッション層を有してなるフレキシブルプリント配線基板製造用の離型フィルムである。
本発明の離型フィルムにおいて、(B)群ポリマーの配合量は離型層の樹脂全体に対して5〜30wt%であるのがより好ましい。また、前記の環状ポリオレフィン系樹脂はガラス転移温度150〜190℃であるのが好ましい前記の環状ポリオレフィン系樹脂は、
(i)環状ポリオレフィン重合体又は、(ii)環状ポリオレフィン系共重合体であり、
水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーは、
(i)スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体、又は
(ii)スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体
であるのが好ましい。
前記クッション層の両面を離型層とするのが好ましく、クッション層は特にエチレン−メチルメタアクリレート共重合体を主成分とするのがよい。
なお、前記の公知文献に関して述べると、特開2006-257399号公報には、環状ポリオレフィン系樹脂を用いた離型フィルムが記載されていて(請求項1)、環状ポリオレフィン系樹脂は単独で用いることが最も好ましいと記載されている(0024)。他の樹脂との混合は目的を妨げない範囲において可能であり、高密度、低密度のポリエチレンやメタロセンポリエチレンなど各種ポリエチレンやオレフィン系、スチレン系のエラストマーをブレンドすることができると記載されている。実施例としてはポリエチレンに関してのみ記載があり、ポリプロピレンやSEPS樹脂の配合について記載はない。
また、特許第3676644号にはフレキシブルプリント配線基板の製造用離型フィルムとして、所定物性を備えた脂環式オレフィン樹脂からなる厚さの特定された離型フィルムが記載されている。
本発明のFPC用離型フィルムの離型層の成分樹脂としては、下記(A)群及び(B)群の各々より少なくとも1種の樹脂が選ばれる。
(A)環状ポリオレフィン系樹脂
(B)水素添加スチレン系熱可塑性エラストマー及びポリプロピレン
つぎに上記の各成分について詳細に説明する。
(A)群樹脂:環状ポリオレフィン系樹脂
本発明の離型フィルムに用いられる環状ポリオレフィン系樹脂は、環状オレフィンのホモポリマーである(i)環状ポリオレフィン重合体(COP)及び、(ii)環状ポリオレフィンの共重合体である環状ポリオレフィン系共重合体(COC)である。
環状ポリオレフィン系樹脂は、主鎖が炭素―炭素結合からなり、主鎖の少なくとも一部に環状炭化水素構造を有する高分子化合物である。この環状炭化水素構造は、ノルボルネンやテトラシクロドデゾンに代表されるような、環状炭化水素構造中に少なくとも一つのオレフィン性二重構造を有する化合物(環状オレフィン)を単量体として用いることで導入される。このような環状ポリオレフィン系樹脂には、環状ポリオレフィンのホモポリマーと、エチレン等鎖状ポリオレフィンとのコポリマーを使用することができる。
本発明で使用される環状オレフィンの具体例としては、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロオクテン;シクロペンタジエン、1,3−シクロヘキサジエン等の1環の環状オレフィン;
ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン(慣用名:ノルボルネン)、5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5,5−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−エチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−ブチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−エチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−ヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−オクチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−オクタデシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−メチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−ビニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−プロペニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン等の2環の環状オレフィン;
トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3,7−ジエン(慣用名:ジシクロペンタジエン)、トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン;トリシクロ[4.4.0.12,5]ウンデカ−3,7−ジエン若しくはトリシクロ[4.4.0.12,5]ウンデカ−3,8−ジエン又はこれらの部分水素添加物(又はシクロペンタジエンとシクロヘキセンの付加物)であるトリシクロ[4.4.0.12,5]ウンデカ−3−エン;5−シクロペンチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−シクロヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−シクロヘキセニルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−フェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンといった3環の環状オレフィン;
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン(単にテトラシクロドデセンともいう)、8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−ビニルテトラシクロ[4,4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−プロペニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エンといった4環の環状オレフィン;
8−シクロペンチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−シクロヘキシル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−シクロヘキセニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−フェニル−シクロペンチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン;テトラシクロ[7.4.13,6.01,9.02,7]テトラデカ−4,9,11,13−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレンともいう)、テトラシクロ[8.4.14,7.01,10.03,8]ペンタデカ−5,10,12,14−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,10a−へキサヒドロアントラセンともいう);ペンタシクロ[6.6.1.13,6.02,7.09,14]−4−ヘキサデセン、ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4−ペンタデセン、ペンタシクロ[7.4.0.02,7.13,6.110,13]−4−ペンタデセン;ヘプタシクロ[8.7.0.12,9.14,7.111,17.03,8.012,16]−5−エイコセン、ヘプタシクロ[8.7.0.12,9.03,8.14,7.012,17.113,l6]−14−エイコセン;シクロペンタジエンの4量体等の多環の環状オレフィンが挙げられる。これらの環状オレフィンは、それぞれ単独であるいは2種以上組合せて用いることができる。
環状オレフィンと共重合可能なα−オレフィンの具体例としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−へキセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−へキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−へキセン、3−エチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン等の炭素数2〜20、好ましくは炭素数2〜8のエチレン又はα−オレフィン等が挙げられる。これらのα−オレフィンは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
環状オレフィン又は環状オレフィンとα−オレフィンとの重合方法及び得られた重合体の水素添加方法に、格別な制限はなく、公知の方法に従って行うことができる。
かかる環状ポリオレフィン系樹脂の配合量は離型層の樹脂全体に対して98〜50wt%、好ましくは95〜70wt%、最も好ましくは92〜75wt%である。環状ポリオレフィン系樹脂の配合量が上記の範囲より少ないと離型性が低下する。また、この範囲より多いと埋め込み性が低下する。
(B)群樹脂:
該(B)群樹脂の配合量は離型層の樹脂全体に対して2〜50wt%、好ましくは5〜30wt%、更に好ましくは8〜25wt%である。
これら配合量が上記範囲より少ないと埋め込み性が充分でない。また、この範囲より多いと離型性が低下し、自己融着が生じやすく、メッキ付き性も低下する。
(水素添加スチレン系熱可塑性エラストマー)
本発明で用いられる水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーは、室温でゴム弾性体である共重合体であり、部分的に又は完全に水素添加されたものを指す。その具体例としては、スチレン−ブタジエン共重合体の水添物(ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体などすべて含まれる。)が挙げられ、より具体的には水添スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体(SEBS)、水添イソプレン−スチレン共重合体(SEP)、水添スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン共重合体(SEPS)、水添スチレン−ブタジエンランダム共重合体(HSBR)などが挙げられる。
また、前記エラストマー中のスチレン含有率は50wt%以上が好ましい。スチレンの含有率がこれより低いと離型性が低下し、自己融着が生じやすい。上限値は本発明の目的を損なわなければ特に定めないがスチレン含有量が高くなると埋め込み性が劣る傾向にあるので要求される埋め込み性やそのほかの特性に対しこの範囲内において適宜選択することが好ましい。
(ポリプロピレン)
前記の環状ポリオレフィン重合体及び環状ポリオレフィン系共重合体に配合されるポリプロピレンとしてはホモポリマー(単独共重合体)で、融点が158℃〜170℃のものが好ましい。
(クッション層)
本発明の離型フィルムは前記単層フィルムの形態であるほか、クッション層と前記単層フィルムを積層した2層フィルムの形態、クッション層を中間層として両外層に前記の単層フィルムを有する3層以上のフィルムの形態でも良い。このような積層タイプの離型フィルムは、配線基板を熱プレスする際、離型性に加えてクッション性に優れている。クッション層に用いられる樹脂としては、環状ポリオレフィン系樹脂と良好な接着性を示すこと、また、熱プレス温度で適度なクッション性を有すると共に積層フィルムの端面から流出することのない樹脂であるのが好ましい。このようなクッション層の樹脂としては、軟化温度(ビカット軟化温度)50〜160℃であるのが好ましい。
軟化温度が50℃未満であるとプレス時に離型フィルムの端面より樹脂が滲み出してきて当て板等に付着し、次工程への二次汚染の懸念がある。一方、軟化温度が160℃を超えると成形性が悪く、FPCの回路配線細部にボイドが発生する可能性があり好ましくない。なお、クッション層の厚みは特に限定されない。
クッション層に用いる材料としては、かかる公知の離型フィルムに用いられている樹脂がいずれも採用でき、例えばポリエチレン、ポリプロプレン等のα−オレフィン系重合体;エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、メチルペンテン等を共重合体成分として有するα−オレフィン系共重合体;ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド等のエンジニアリングプラスチックス系樹脂が挙げられ、これらを単独あるいは複数併用してよい。これらのうち特に好ましい材料として具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのα−オレフィン系重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレン−メチルメタアクリレート共重合体(EMMA)などのα−オレフィン系共重合体が挙げられる。
積層タイプの離型フィルムは、クッション層の片面に単層離型フィルムが積層された2層の離型フィルムであってもよいが、好ましくはクッション層の両面を単層の離型フィルムとした3層以上の積層離型フィルムである。
(離型層、離型フィルムの厚み)
離型フィルムの離型層の平均厚みは、強度や柔軟性、密着性を考慮して通常15〜50μm、好ましくは15〜45μm、更に好ましくは15〜30μmである。上記範囲より厚みが少ないと熱プレス後に離型層が破れ、FPCと離型フィルムとを剥離する際に、FPC表面に離型層樹脂が残る可能性がある。一方、上記範囲の厚みを超えると対形状追従性が低下しカバーレイに付着している接着剤の滲み出し量が多くなる可能性がある。
また、二層以上の積層離型フィルムの全体の厚みは、離型フィルムの強度や柔軟性、密着性を考慮して通常80〜200μm、好ましくは100〜150μmである。厚さがこの範囲であると特に離型性と埋め込み性のバランスに優れる。なお、離型層の厚みはクッション層の厚みよりも薄いことが好ましい。
(離型フィルムの製造及び使用)
本発明の離型フィルムの製造法は特に限定されるものではないが、多層のフィルムを製造するには共押出法、押出ラミネート法、ドライラミネート法など離型フィルムについて従来公知の製造法がいずれも用いることができる。
このようにして得られた本発明の離型フィルムは、FPCの製造工程において公知の離型フィルムと同様にカバーレイのプレスラミネート用の離型フィルムとして用いられる。たとえば、当て板/TPX単層フィルム/クッション紙/離型フィルム/カバーレイフィルム/フレキシブルプリント配線板/TPX単層フィルム/当て板のプレス構成にてプレス工程に供給する。プレス工程は加圧状態下、例えば150〜200℃、好ましくは160〜185℃まで昇温し、この温度で30〜90分間、好ましくは45〜80分間維持する。その後、常温まで冷却する。ここで昇温速度は特には限定されないが5〜30℃/分が好ましく、特に8〜20℃/分が好ましい。加圧条件も特に限定はないが、3〜10MPaが好ましく、特に4〜6MPaが好ましい。
以下に本発明を実施例及び比較例により更に具体的に説明する。実施例及び比較例において使用した原材料及びその物性は以下のとおりである。
(a)環状ポリオレフィン系共重合体(COC)
TOPAS 6017(Tg=180℃、ポリプラスチックス(株)製)
[ノルボルネンとエチレンの共重合体;共重合比82/18wt%]
(b)環状ポリオレフィン重合体(COP):
ゼオノア 1600R(Tg=160℃、日本ゼオン(株)製)
[ノルボルネン系モノマーの開環重合体]
(c)スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)
セプトンS8104(クラレ(株)製)スチレン含有量60wt%
(d)スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)
セプトンS2104(クラレ(株)製)スチレン含有量65wt%
セプトンS2007(クラレ(株)製)スチレン含有量30wt%
(e)ポリプロピレン:ノーブレンFS2011DG2(融点=160℃,住友化学(株)製)
(f)ポリエチレン:UBEポリエチレン F222NH(宇部興産(株)製)
(g)エチレン−メチルメタアクリレート共重合体(EMMA)
:アクリフトWD105−1(住友化学(株)製)
[実施例1〜18及び比較例1〜10]
(試料調製)
実施例1では、1台の押出機に表1に示す組成の離型層樹脂を供給し、単層ダイス(280℃)から押出して所定の厚さの離型単層フィルムを作成した。
また、実施例2では、2台の押出機に離型層樹脂、クッション層樹脂として、表1に示す各組成のポリマーを供給し、二層ダイス(280℃)より共押出して所定の厚さの離型多層フィルムを作成した。
実施例3〜18及び比較例1〜10では、3台の押出機に離型層樹脂、クッション層樹脂、離型層樹脂として、表1に示す各組成のポリマーを供給し、三層ダイス(280℃)より共押出して所定の厚さの離型多層フィルムを作成した。
この離型フィルムを用い、当て板/TPX単層フィルム/クッション紙/離型フィルム/カバーレイフィルム/フレキシブルプリント配線板/TPX単層フィルム/当て板のプレス構成にて一段型プレス機によりプレスした。プレスにあたっては加圧(5MPa)条件下、昇温速度10℃/分にて170℃まで昇温した。ついで、同温度にて30分間保持し、その後、常温まで冷却した。次にこれを取り出し評価した。
なお、評価はJPCA規格(デザインガイドマニュアル・片面及び両面フレキシブルプリント配線板・JPCA―DG02、以下、JPCA規格と略す)に準拠し、以下のような項目と基準で行った。結果を表1に示す。
(評価項目)
離型性(離型フィルムの破れ)
離型性は「JPCA規格の7.5.7.1項表面の付着物」に準拠し、回路基板製造後に離型フィルムと回路基板の剥離状態を目視で評価した。各符号は以下のとおりである。×を不合格とし、それ以外を合格とした。
◎:破れ発生率 0%
○:破れ発生率 2.0%未満
△:破れ発生率 2.0%以上5.0%未満
×:破れ発生率 5.0%以上
接着剤層の染み出し量
回路基板にカバーレイフィルムの接着剤層の染み出しがあるか否かを、「JPCA規格の7.5.3.6項のカバーレイの接着剤の流れおよびカバーコートのにじみ」に準拠し、回路端子部へのシミ出し量を評価した。この特性により「埋め込み性」を判定した。
各符号は以下のとおりである。×を不合格とし、それ以外を合格とした。
◎:全ての回路基板で染み出し量が100μm未満
○:全ての回路基板で染み出し量が150μm未満
△:全ての回路基板で染み出し量が200μm未満
×:全ての回路基板で染み出し量が200μm以上
低自己融着性
低自己融着性は、回路基板製造後の配線基板の外周部において相互接着した離型フィルムの剥がれ易さを評価した。
各符号は以下のとおりである。×を不合格とし、それ以外を合格とした。
○:容易に剥離
△:剥離できるが、若干重い
×:剥離できない
メッキ付き性
メッキ付き性は、「JPCA規格の7.5.4項のメッキの外観(必要メッキ面積の90%以上にメッキが付いているものを良品)」に準拠して評価した。各符号は以下のとおりである。×を不合格とし、それ以外を合格とした。
○:良品が98%以上
×:良品が98%未満
外観シワ
外観は、「JPCA規格の7.5.7.2項のシワ」に準じて評価した。
各符号は以下のとおりである。×を不合格とし、それ以外を合格とした。
○:シワ発生率が2.0%未満
×:シワ発生率が2.0%以上
Figure 0005023880
離型性に優れた環状オレフィン系樹脂を用いて、熱プレス時のカバーレイからの接着剤の滲み出しが完全に防止できるなど、優れた特性を備えた離型フィルムをとしてFPC製造工程で用いることができる。

Claims (5)

  1. 下記(A)群及び(B)群
    (A)環状ポリオレフィン系樹脂
    (B)スチレン含有量が50wt%以上の水素添加スチレン系熱可塑性エラストマー及びポリプロピレン
    の各々より選ばれた少なくとも1種のポリマーが配合され、(B)群ポリマーの配合量が離型層の樹脂全体に対して2〜50wt%である離型層、並びに
    α−オレフィン系重合体、又はα−オレフィン系共重合体を主成分とするクッション層を有してなるフレキシブルプリント配線基板製造用の離型フィルム。
  2. (B)群ポリマーの配合量が離型層の樹脂全体に対して5〜30wt%である請求項1の離型フィルム。
  3. 環状ポリオレフィン系樹脂のガラス転移温度が150〜190℃である請求項1または2に記載の離型フィルム。
  4. 水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーが
    (i)スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体、又は
    (ii)スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体
    である請求項1〜のいずれかに記載の離型フィルム。
  5. 離型層がクッション層の両面に設けられてなる請求項の離型フィルム。
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