JP2021074850A - ロボットの線条体ユニットおよび線条体配線方法 - Google Patents

ロボットの線条体ユニットおよび線条体配線方法 Download PDF

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Abstract

【課題】より低コストかつ、より確実に防塵防滴性能を確保できるロボットの線条体ユニットおよび線条体配線方法を提供すること。
【解決手段】ロボットの複数のモータへのケーブル8a,8b,8c,8dを横断面円形の外形を有する可撓性のシース9により被覆してなる第1部分2と、第1部分の一端においてシースを剥がしたバラ線の状態のケーブルからなる第2部分3と、各モータに接続するコネクタ7毎に纏められた第2部分の1以上のケーブルを、横断面円形の外径を有する可撓性の被覆材10により被覆してなる複数の第3部分4と、第2部分を収容し、ロボットの可動部に固定されるケーシング6とを備え、ケーシングに、第1部分および第3部分をそれぞれ貫通させる複数の貫通孔15,16が設けられ、各貫通孔とシースおよび被覆材との間がそれぞれケーブルグランド17,18によって液密状態に固定されているロボットの線条体ユニット1である。
【選択図】図2

Description

本発明は、ロボットの線条体ユニットおよび線条体配線方法に関するものである。
第2アームを第1アームに対して駆動するモータおよび手首を駆動するモータを制御するためのケーブルを1本に纏めた線条体の形態で、旋回軸から第1アームを経由して配線する線条体配線方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2017−185580号公報
1本の線条体の形態で配線された複数のケーブルは、各モータに配線するために第2アーム上で分岐される。分岐部分においては一旦、線条体を纏めていた外部シースが取り除かれて、バラ線の状態で各モータに接続するためのコネクタに配線される。
バラ線の状態ではケーブル群の防塵防滴性能を確保することができないため、バラ線部分を防塵防滴性を有する熱収縮チューブで被覆する処理などが行われる。しかしながら、熱収縮チューブによる防塵防滴処理は、ケーブル群毎に配置した熱収縮チューブを加熱して収縮させる必要があり、手間がかかるためコスト高となるとともに、完全な防塵防滴は困難である。したがって、より低コストかつ、より確実に防塵防滴性能を確保することが望まれている。
本発明の一態様は、ロボットの複数のモータへのケーブルを横断面円形の外形を有する可撓性のシースにより被覆してなる第1部分と、該第1部分の一端において前記シースを剥がしたバラ線の状態の前記ケーブルからなる第2部分と、各前記モータに接続するコネクタ毎に纏められた前記第2部分の1以上の前記ケーブルを、横断面円形の外径を有する可撓性の被覆材により被覆してなる複数の第3部分と、前記第2部分を収容し、前記ロボットの可動部に固定されるケーシングとを備え、該ケーシングに、前記第1部分および前記第3部分をそれぞれ貫通させる複数の貫通孔が設けられ、各該貫通孔と前記シースおよび前記被覆材との間がそれぞれケーブルグランドによって液密状態に固定されているロボットの線条体ユニットである。
本発明の一実施形態に係る線条体ユニットを備えるロボットを示す側面図である。 図1の線条体ユニットの一例を示す図である。 図1の線条体ユニットの第1部分の一例を示す横断面図である。 図1の線条体ユニットの第3部分の一例を示す横断面図である。 図1の線条体ユニットのケーシングの一例を示す分解斜視図である。 図5のケーシングに固定されるケーブルグランドの一例を示す縦断面図である。 図1の線条体ユニットの第2部分の変形例を示す図である。 図1の線条体ユニットのケーシングの配置の他の例を示す側面図である。 図1の線条体ユニットの他の変形例を示す側面図である。
本発明の一実施形態に係るロボットの線条体ユニット1および線条体配線方法について、図面を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る線条体ユニット1は、例えば、図1に示される垂直多関節型ロボット(以下、ロボットという)100に装着される。
図1に示される例では、ロボット100は、床面に設置されるベース110と、鉛直な第1軸線A回りにベース110に対して回転可能な旋回胴120とを備えている。さらに、ロボット100は、水平な第2軸線B回りに旋回胴120に対して回転可能な第1アーム130と、水平な第3軸線C回りに第1アーム130に対して回転可能な第2アーム(可動部)140と、第2アーム140の先端に取り付けられた3軸の手首ユニット150とを備えている。
線条体ユニット1は、図2に示されるように、一端にコネクタ5が取り付けられた第1部分2と、一端にコネクタ7が取り付けられた複数の第3部分4と、第1部分2と第3部分4との間に配置された第2部分3と、第2部分3を収容するケーシング6とを備えている。
第1部分2は、図3に示されるように、複数のケーブル8を含み、これらを一纏めに被覆するシース(被覆材)9を備えている。第1部分2のケーブル8には、第1アーム130に対して第2アーム140を回転駆動するためのモータ161および手首ユニット150の3つの手首軸151,152,153を駆動するためのモータ162,163,164に接続される4組のケーブル群(ケーブル)8a,8b,8c,8dが含まれる。第1部分2を構成するシース9は、例えば、難燃性のゴム材料により構成され、複数のケーブル8を一纏めに維持するとともに、横断面円形の外形を有している。図1中、符号165は旋回胴120に対して第1アーム130を回転駆動するためのモータ、符号166はベース110に対して旋回胴120を回転駆動するためのモータである。
シース9によって被覆される線条体には、モータ161,162,163,164に接続するためのケーブル8の他、エアチューブおよびI/O信号用ケーブル等が含まれていてもよい。
第2部分3は、第1部分2の他端において、シース9が剥がされることにより、複数のケーブル8がバラ線の状態となった部分である。第1部分2においてシース9により一纏めに維持されていた複数のケーブル8は、第2部分3において、4つのモータ161,162,163,164用のケーブル群8a,8b,8c,8dに分けられている。
第3部分4は、図4に示されるように、第2部分3において分けられた4組のケーブル群8a,8b,8c,8dが、例えば、エアチューブ等の可撓性のある配管用チューブ(被覆材)10内に収容された部分である。配管用チューブ10は、外力が加えられない状態において横断面円形の外形を有している。
図2に示されるように、第3部分4の4組のケーブル群8a,8b,8c,8dの端部にはモータ161,162,163,164に接続するためのコネクタ7が接続されている。また、ケーブル群8a,8b,8c,8dを被覆している配管用チューブ10の端部は、コネクタ7に設けられたブーツ内に挿入されて、例えば、ナイロンバンド等の結束具によって液密状態に締め付けられている。
ケーシング6は、例えば、図5に示されるように、板金によって構成され、一面に開口部12を有する直方体箱状のケーシング本体11と、ケーシング本体11に着脱可能に取り付けられ開口部12を閉塞可能な蓋体13とを備えている。蓋体13とケーシング本体11との間には、開口部12の外側を全周にわたって、液密状態に密封するシール部材14が挟まれる。
ケーシング本体11には、第1部分2および第3部分4を貫通させる複数の貫通孔15,16、および、ケーシング本体11をロボット100に取り付けるための取付孔11aが設けられている。各貫通孔15,16には、ケーブルグランド17,18が設けられている。
ケーブルグランド17,18は、図6に示されるように、貫通孔15,16に固定される円筒状の本体部19と、本体部19の一端に設けられた雄ねじ19aに締結されるキャップナット20とを備えている。本体部19は径方向外方に延びるフランジ21を備え、本体部19の他端に設けられた雄ねじ19bに締結されるナット22とフランジ21との間にケーシング6を挟むことにより、ケーシング6に固定される。
また、本体部19の中央孔23に第1部分2あるいは第3部分4を貫通させてキャップナット20を締結することにより、本体部19の先端を径方向内方に変形させる。これにより、第1部分2のシース9の外面または第3部分4の配管用チューブ10の外面に本体部19の内面を全周にわたって押し付けて、両者間を液密状態に密封することができる。
次に、このように構成された本実施形態に係る線条体ユニット1を用いたロボットの線条体配線方法について説明する。
本実施形態に係る線条体配線方法は、まず、ベース110内の空間に挿入した第1部分2を旋回胴120内の空間を経由して旋回胴120の上方に引き出し、旋回胴120に対する第1アーム130の回転のために必要な余長を確保しつつ第1アーム130の側面に取り付ける。第1部分2の旋回胴120および第1アーム130への取付は、旋回胴120および第1アーム130にそれぞれ固定した板金に、ナイロンバンド等の結束具によって締め付けることにより行われればよい。
次いで、第1アーム130の側面に沿って長手方向に配置した第1部分2を、第1アーム130に対する第2アーム140の回転のために必要な余長を確保しつつ第2アーム140に取り付ける。第1部分2の第2アーム140への取付は、ケーシング6を第2アーム140に取付ネジにより固定することにより行われる。
ケーシング6の第2アーム140への取付位置は、図1に示されるように、第3軸線Cを挟んで手首ユニット150とは反対側の端面に固定することが好ましい。また、第2アーム140の基端に、ワイヤ送給装置等が配置される場合には、その取付の邪魔にならない位置に配置することが好ましい。
そして、ケーシング6から延びる第3部分4の4つのケーブル群8a,8b,8c,8dのコネクタ7を、それぞれ対応するモータ161,162,163,164のコネクタに接続する。これにより、線条体を配線することができる。
このように、本実施形態に係るロボットの線条体ユニット1および線条体配線方法によれば、貫通孔15,16を経由してケーシング6の壁面を貫通する第1部分2および第3部分4が横断面円形の外形を有するシース9あるいは配管用チューブ10によって被覆されている。これにより、ケーブルグランド17,18を用いることによって、貫通孔15と第1部分2との間および貫通孔16と各第3部分4との間の隙間をより液密状態に密封することができる。
すなわち、ケーシング6内に収容される第2部分3は、シース9が剥がされたバラ線状態のケーブル群8a,8b,8c,8dであるが、ケーシング6によって密封されることにより、防塵防滴性能が確保される。また、第1部分2はシース9により、第3部分4は配管用チューブ10によりそれぞれ防塵防滴性能が確保される。
この場合において、本実施形態に係る線条体ユニット1によれば、各コネクタ7に接続する1以上のケーブル8からなるケーブル群8a,8b,8c,8dを配管用チューブ10に挿入するだけで第3部分4の防塵防滴性能を熱収縮チューブよりも確実に向上できる。すなわち、外形の横断面が円形であることが推奨されているケーブルグランド17,18を用いることにより、第1部分2のシース9および第3部分4の配管用チューブ10の外面をより好適な状態で密封することができる。
配管用チューブ10によれば、熱収縮チューブとは異なり、第3部分4のケーブル群8a,8b,8c,8dへの巻き付け作業や加熱作業が不要であり、手間をかけずに低コストで防塵防滴性能を向上することができるという利点がある。
また、本実施形態に係る線条体配線方法によれば、線条体ユニット1を構成しているケーシング6を第2アーム140の予め定められた位置に固定するので、特に第2アーム140への取付時の余長の確保を簡単に行うことができる。
そして、ケーシング6を第2アーム140の第3軸線Cよりも基端側に固定することにより、手首ユニット150側に液体が常時浴びせられる環境下においても、ケーシング6への液体の飛散の機会を低減して、ケーシング6内に液体が流入することをより確実に防止できる。
なお、本実施形態においては、第1部分2を構成しているバラ線状態の4組のケーブル群8a,8b,8c,8dをそれぞれ配管用チューブ10に挿入することにより第3部分4を構成した。これに代えて、図7に示されるように、4つのモータ161,162,163,164に接続するコネクタ7を一端に備え、断面円形のシース24によって被覆された4本の線条体によって第3部分4を構成してもよい。この場合、第1部分2の端部においてシース9を剥がして露出させたバラ線状のケーブル8と、各第3部分4の端部においてシース24を剥がして露出させたバラ線状のケーブル群8a,8b,8c,8dとをはんだ付け等によってそれぞれ接続すればよい。
また、配管用チューブ10としてはエアチューブに代えて、水あるいは油等の任意の液体を流動させるための配管用チューブ10を用いてもよい。配管用チューブ10の材質は、耐熱性、耐薬品性等の用途に合わせて適宜調整することができる。
また、本実施形態においては、第2アーム140の基端側の端面の内、第3軸線Cを挟んで手首ユニット150とは反対側の端面にケーシング6を固定することとした。これに代えて、基端側に搭載する装置がない場合、あるいは、全高が増大しても問題ない場合等のロボット100の用途に応じて、図8に実線で示されるように、第2アーム140の基端側の任意の位置に固定してもよい。また、図8に鎖線で示されるように、第3軸線Cに対して手首ユニット150と同じ側の端面に固定してもよい。
また、図9に示されるように、モータ162がモータ用のハウジング141内に収容される場合には、ハウジング141に設けた貫通孔と第3部分4との間の隙間をケーブルグランド25によって密封することにしてもよい。
また、モータ163,164が手首軸151内に収容される場合にも、図9に示されるように、手首軸151に設けた貫通孔と第3部分4との間の隙間をケーブルグランド25によって密封することにしてもよい。
1 線条体ユニット
2 第1部分
3 第2部分
4 第3部分
5,7 コネクタ
6 ケーシング
8,8a,8b,8c,8d ケーブル
9 シース
10 配管用チューブ(被覆材)
15,16 貫通孔
17,18 ケーブルグランド
24 シース(被覆材)
100 ロボット
110 ベース
120 旋回胴
130 第1アーム
140 第2アーム(可動部)
150 手首ユニット
161,162,163,164,165,166 モータ
A 第1軸線
B 第2軸線
C 第3軸線

Claims (5)

  1. ロボットの複数のモータへのケーブルを横断面円形の外形を有する可撓性のシースにより被覆してなる第1部分と、
    該第1部分の一端において前記シースを剥がしたバラ線の状態の前記ケーブルからなる第2部分と、
    各前記モータに接続するコネクタ毎に纏められた前記第2部分の1以上の前記ケーブルを、横断面円形の外径を有する可撓性の被覆材により被覆してなる複数の第3部分と、
    前記第2部分を収容し、前記ロボットの可動部に固定されるケーシングとを備え、
    該ケーシングに、前記第1部分および前記第3部分をそれぞれ貫通させる複数の貫通孔が設けられ、
    各該貫通孔と前記シースおよび前記被覆材との間がそれぞれケーブルグランドによって液密状態に固定されているロボットの線条体ユニット。
  2. 前記被覆材が配管用チューブである請求項1に記載のロボットの線条体ユニット。
  3. 前記被覆材が前記シースであり、
    前記第2部分において、前記ケーブルが接合されている請求項1に記載のロボットの線条体ユニット。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載のロボットの線条体ユニットを用いた線条体配線方法であって、
    前記ロボットが、鉛直な第1軸線回りにベースに対して回転可能な旋回胴と、水平な第2軸線回りに前記旋回胴に対して回転可能な第1アームと、水平な第3軸線回りに前記第1アームに対して回転可能な第2アームと、該第2アームの先端に取り付けられた手首ユニットとを備え、
    前記第1部分を、前記ベース、前記旋回胴および前記第1アームを経由して前記第2アームまで配線し、
    前記第2アームに前記ケーシングを固定する線条体配線方法。
  5. 前記ケーシングが、前記第3軸線を挟んで前記手首ユニットとは反対側の前記第2アームの基端側に固定されている請求項4に記載の線条体配線方法。



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