JP2021073253A - Hdac6阻害剤での多嚢胞性疾患の治療 - Google Patents

Hdac6阻害剤での多嚢胞性疾患の治療 Download PDF

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Abstract

【課題】ヒストンデアセチラーゼ6(HDAC6)特異的阻害剤、その医薬組成物及びこれらの化合物を使用して多嚢胞性疾患を治療する方法を提供する。
【解決手段】具体的には、例えば下記構造式のHDAC6特異的阻害剤化合物又はその薬学的に許容される塩の治療上有効な量を多嚢胞性疾患をもつ被験体に投与することを含む、多嚢胞性疾患を治療する方法である。
Figure 2021073253

【選択図】なし

Description

関連した出願
本出願は、2013年10月24日に出願のU.S. Provisional Application No. 61/895,223に対する優先権及びそれの利益を主張し、その全体が参照により本明細書に援用される。
本開示は、多嚢胞性疾患の治療のためのHDAC6阻害剤の投与について報告する。
政府資金提供
本発明は、国立衛生研究所(NIH)によって授与されるP30DK084567、R21CA166635及びR01 DK24031の元で政府支援により行われた。政府は、本発明において一定の権利を有する。
リジン残基のアセチル化及び脱アセチルを介するタンパク質の翻訳後修飾は、細胞形状、分化及び増殖の制御を含む、様々な細胞機能を調節することに重要な役割を果たす。ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)は、ヒストンならびに非ヒストンタンパク質上のリジン残基の脱アセチルを触媒する亜鉛−結合ヒドロラーゼである(Haberland et al Nature Rev. Genet. 2009, 10, 32−42)。11個のZn結合ヒトHDACsが、同定された(Taunton et al. Science 1996, 272, 408−411; Yang et al. J. Biol. Chem. 1997, 272, 28001−28007; Grozinger et al. Proc. Natl. Acad. Sd. U.S.A. 1999, 96, 4868−4873; Kao et al. Genes Dev. 2000, 14, 55−66. Hu et al J. Biol. Chem. 2000, 275, 15254−15264; Zhou et al. Proc. Natl. Acad. Sci U.S.A. 2001, 98, 10572−10577; Venter et al. Science 2001, 291, 1304−1351)。これらのメンバーは、4つのファミリーに分類される:クラスI(HDAC1、2及び3)、クラスIIa(HDAC4、5、7及び9)、クラスIIb(HDAC6及び10)及びクラスIV(HDAC11)。
クラスI HDAC(HDAC1、2及び3)は、細胞の核中のヒストンタンパク質のN−アセチル−リジン残基の脱アセチル及びその他の転写制御因子を介して、遺伝子発現を調節する(Hassig et al. Curr. Opin. Chem. Biol. 1997, 1, 300−308)。
HDAC6(クラスIIb HDAC)は、ヒトにおける亜鉛依存HDACの中で独特である。HDAC6は、細胞質に位置し、そのC末端領域に2つの触媒ドメイン及びユビキチン結合ドメインを有する。HDAC6の基質は、ヒストンでなくチューブリン、ペルオキシレドキシン、コルタクチン及び熱ショックタンパク質90(hsp90)を含む。HDAC6は、細胞移動及び細胞間相互作用を含む微小管動態において重要な役割を果たし、及びそれはユビキチン化タンパク質でのアグリソーム形成に必要とされる。
HDAC6の小分子阻害剤、その医薬組成物及びこれらの化合物を使用して多嚢胞性疾患を治療する方法が、本明細書において提供される。
Haberland et al Nature Rev. Genet. 2009, 10, 32−42 Taunton et al. Science 1996, 272, 408−411 Yang et al. J. Biol. Chem. 1997, 272, 28001−28007 Grozinger et al. Proc. Natl. Acad. Sd. U.S.A. 1999, 96, 4868−4873 Kao et al. Genes Dev. 2000, 14, 55−66 Hu et al J. Biol. Chem. 2000, 275, 15254−15264 Zhou et al. Proc. Natl. Acad. Sci U.S.A. 2001, 98, 10572−10577 Venter et al. Science 2001, 291, 1304−1351 Hassig et al. Curr. Opin. Chem. Biol. 1997, 1, 300−308
本開示は、式I:
Figure 2021073253
のヒストンデアセチラーゼ6(HDAC6)特異的阻害剤化合物またはその薬学的に許容される塩の治療上有効な量を多嚢胞性疾患をもつ被験体に投与することを含む多嚢胞性疾患を治療する方法であって、
式中、環Bは、アリールまたはヘテロアリールであり、Rはアリールまたはヘテロアリールであり、そのそれぞれはOH、ハロまたはC1−6−アルキルによって任意に置換されてもよく、及びRはHまたはC1−6−アルキルであり、及び式Iのヒストンデアセチラーゼ6(HDAC6)特異的阻害剤化合物の量は、被験体における嚢胞成長を減少させるのに有効である、方法を提供する。
また、本開示は、式II:
Figure 2021073253
のヒストンデアセチラーゼ6(HDAC6)特異的阻害剤化合物またはその薬学的に許容される塩の治療上有効な量を多嚢胞性疾患をもつ被験体に投与することを含む多嚢胞性疾患を治療する方法であって、
式中、Xは、CまたはOであり;
は、存在ごとに、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、ハロ、−C1−6ハロアルキル、−C1−6ジハロアルキル、−C1−6トリハロアルキル、−OH、−N(R、−C(O)R、−CO及び−C(O)N(Rからなる群から独立して選択される;
または:
同じまたは隣接した炭素原子上の2つのR基は、共になってC3−8−シクロアルキルまたはC3−7−ヘテロシクロアルキル環を形成し、そのそれぞれは縮合しても、または分離してもよく;
は、存在ごとに、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、ハロ、−C1−6ハロアルキル、−C1−6ジハロアルキル、−C1−6トリハロアルキル、−OH、−N(R、−C(O)R、−CO、−C(O)N(Rからなる群から独立して選択され;
それぞれのRは、存在ごとに、H、C1−6−アルキル、C3−8−シクロアルキル、C3−7−ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C1−6−アルキル−シクロアルキル、C1−6−アルキル−ヘテロシクロアルキル、C1−6−アルキル−アリール及びC1−6−アルキル−ヘテロアリールからなる群から独立して選択され;
それぞれのRは、存在ごとに、HまたはC1−6−アルキルからなる群から独立して選択され;
mは、0、1、2または3であり;及び
nは、0、1、2または3であり、
及び式IIのヒストンデアセチラーゼ6(HDAC6)特異的阻害剤化合物の量は、被験体における嚢胞成長を減少させるのに有効である、方法を提供する。
一定の実施形態において、ヒストンデアセチラーゼ6(HDAC6)特異的阻害剤化合物は、被験体における嚢胞の形成を防ぐ。
一定の実施形態において、嚢胞は、肝臓及び/または腎臓に位置し得る。
一定の実施形態において、被験体は、PRKCSH(タンパク質キナーゼC基質80K−H)及びSec63遺伝子の少なくとも1つにおいて突然変異を有する。
一定の実施形態において、多嚢胞性疾患は、嚢胞性腎疾患である。
一定の実施形態において、多嚢胞性疾患は、多発性嚢胞腎である。
一定の実施形態において、多嚢胞性疾患は、常染色体優性多発性嚢胞腎(ADPKD)である。被験体は、Pkd1及びPkd2遺伝子の少なくとも1つにおいて突然変異を有し得る。
一定の実施形態において、多嚢胞性疾患は、常染色体劣性多発性嚢胞腎(ARPKD)である。被験体は、Pkhd1遺伝子において突然変異を有し得る。
一定の実施形態において、HDAC6特異的阻害剤化合物の量は、胆管細胞増殖及び/または胆管β−カテニン合成を阻害し、及び/または胆管β−カテニンリン酸化及び/またはアセチル化を促進するのに有効である。
一定の実施形態において、HDAC6特異的阻害剤化合物の量は、胆管アセチル化チューブリンの量を増加させ、及び/または胆管β−カテニン合成を減少させるのに有効である。
一定の実施形態において、式Iのヒストンデアセチラーゼ6(HDAC6)特異的阻害剤化合物は:
Figure 2021073253
の構造を有する化合物A−1、
またはその薬学的に許容される塩、
または:
Figure 2021073253
の構造を有する化合物B−1、
またはその薬学的に許容される塩、である。
一定の実施形態において、ヒストンデアセチラーゼ6(HDAC6)特異的阻害剤化合物A−1及びB−1の量は、被験体における嚢胞成長を減少させるのに有効である。
一定の実施形態において、ヒストンデアセチラーゼ6(HDAC6)特異的阻害剤化合物A−1及びB−1の量は、胆管細胞増殖を阻害するのに有効である。
一定の実施形態において、式IIのヒストンデアセチラーゼ6(HDAC6)特異的阻害剤化合物は:
Figure 2021073253
の構造を有する化合物C−2、
またはその薬学的に許容される塩、である。
一定の実施形態において、ヒストンデアセチラーゼ6(HDAC6)特異的阻害剤化合物C−2の量は、被験体における嚢胞成長を減少させるのに有効である。
一定の実施形態において、ヒストンデアセチラーゼ6(HDAC6)特異的阻害剤化合物C−2の量は、胆管細胞増殖を阻害するのに有効である。
一定の実施形態において、本開示は、式IまたはIIのHDAC6特異的阻害剤化合物の治療上有効な量を含むキット及び多嚢胞性疾患の治療における使用のための説明書を教示する。
嚢胞性胆管細胞におけるHDAC6発現の解析を示す。図1A:正常(NRC)及びPCKラット両方の胆管細胞におけるHDAC6 mRNA発現を示すPCR解析。図1B:NRC及びPCKラット胆管細胞におけるHDAC6及びアセチル化−α−チューブリン発現についての代表的なウェスタンブロット及びウェスタンブロット結果の濃度測定解析。(p<0.05、対照については6n=3、PCKについてはn=4)。図1C:PCKラット(n=5)、ヒトADPKD(n=3)及びARPKD(n=3)肝臓並びにそれぞれの対照(ラット及びヒトについてはn=5及び3)における肝臓嚢胞の免疫蛍光共焦点顕微鏡法。HDAC6は緑であり、CK19は赤く、及び核は青い(DAPI)。 HDAC6阻害が嚢胞性胆管細胞増殖及び嚢胞性成長を減少させることを示す。細胞を96ウェルプレート中でインキュベートし、及び増殖をMTSアッセイによって解析した。図2A:異なる用量のツバスタチン−Aの存在下での時間とともにPCKラット胆管細胞増殖のレベルを示す(p<0.05)。図2B:ツバスタチン−A及びツバシンが3日間にわたってPCKラット胆管細胞の増殖を減少させることを示す(p<0.05)。 図2C:PCKラットから新たに単離した胆嚢嚢胞の代表的な画像を示す。嚢胞をラット尾部コラーゲンマトリックスに包埋し、及び2つの異なるHDAC6特異的阻害剤、ツバスタチン−A及びツバシンで処理した。図2D:時間とともに嚢胞成長の定量的分析を示し、及びその両方の阻害剤(10μM ツバスタチンAについてn=12、2μM ツバシンについてn=4、無治療対照についてn=16。倍率40×。p<0.05)は、嚢胞成長を有意に減少させる。 HDAC6阻害剤がアセチル化α−チューブリンを増加させ、及びβ−カテニンを減少させることを示す。PCK胆管細胞を20μMツバスタチンAまたは2μMツバシンで処理し、及び溶解し、及びウェスタンブロッティングのために使用した。図3A:HDAC6阻害剤での処理が、β−カテニン、サイクリンD1及びc−mycを減少させる一方、アセチル化α−チューブリンレベルを上昇させることを示すウエスタンブロット(n=3)の代表的な画像を示す。ヒストン−3のアセチル化レベルは、影響を受けないままであった。アクチンを充填対照として使用した。図3B:HDAC6阻害剤が、充填対照として総β−カテニンを使用して未処理細胞と比較してホスホ−及びアセチル−β−カテニンの量を増加させることを示すウェスタンブロット(n=3)の代表的な画像を示す。 図3C:2μMツバシンでの処理後に時間とともにβ−カテニンタンパク質発現の減少を示す一方で、β−カテニンmRNAは安定のままであったウェスタンブロット及びRT−PCR解析を示す(p<0.05)。 HDAC6阻害剤、化合物A−1がインビボでの嚢胞成長を阻害することを示す。図4A:化合物A−1の異なる用量の存在下でインキュベートした正常(NRC)及び嚢胞性胆管細胞(PCK)における増殖アッセイを示す。図4B:媒体(n=8)または化合物A−1(n=8)で処理したPCKラットからのピクロシリウス赤で染色した代表的な肝臓及び腎臓切片を示す。バー=2500μm。 図4C:総柔組織領域の割合として表した嚢胞性領域の定量化解析。*p<0.05。 図5A:HDAC6特異的阻害剤、ツバスタチン−A及びツバシンの両方によって誘導される減少した増殖を示すヒトADPKDの3日間増殖アッセイを示す。図5B:20μMツバスタチンAの効果を示す細胞計数によるPCK細胞増殖解析を示す。 図6A:免疫蛍光によって解析し、及び正常な細胞(NRC)と比較したHDAC6特異的阻害剤化合物A−1で処理したPCK胆管細胞及びβ−カテニン発現を示す。図6B:NRCと比較して核及び細胞質両方においてPCK細胞における増加したβ−カテニン発現を示すβ−カテニン蛍光定量化評価を示す。HDAC6特異的阻害剤化合物A−1での処理は、PCK細胞におけるβ−カテニン発現を減少させた。 式I(化合物B−1)及び式II(化合物C−2)のHDAC6阻害剤で処理した雄のPCK−1ラットの腎臓における嚢胞の容積を示す。
発明の詳細な説明
定義
本発明を記述するのに使用される種々の用語の定義を下に収載する。これらの定義は、個々に、またはより大きな群の部分としてのいずれかに、特定の例において限定されない限り、これらが本明細書及び特許請求の範囲の全体にわたって使用されるときに、該用語に適用される。
用語「約」は、一般に、値の10%、5%または1%に過ぎない変化の可能性を示す。たとえば、「約25mg/kg」は、その最も広い意味において、22.5〜27.5mg/kg、すなわち、25±2.5mg/kgの値を一般に示すだろう。
用語「アルキル」は、一定の実施形態において、それぞれ1〜6または1〜8の間の炭素原子を含む飽和した、直鎖または分枝鎖炭化水素部分をいう。C−Cアルキル部分の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル、ネオペンチル、n−ヘキシル部分を含むが、限定されない;及びC−Cアルキル部分の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、ヘプチル及びオクチル部分を含むが、限定されない。
用語「アリール」は、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニル、イデニル及び同様のものを含むが、限定されない縮合または非縮合の1つまたは複数の芳香族環を有する単または多環式炭素環式環構造をいう。いくつかの実施形態において、アリール基は、6炭素原子を有する。いくつかの実施形態において、アリール基は、6〜10炭素原子を有する。いくつかの実施形態において、アリール基は、6〜16炭素原子を有する。
用語「ヘテロアリール」は、環形成原子の1つまたは複数が酸素、硫黄または窒素などのヘテロ原子である場合、少なくとも1つの芳香族環を有する縮合または非縮合の単または多環式(たとえば、二または三環式以上)部分または環構造をいう。いくつかの実施形態において、ヘテロアリール基は、1〜6炭素原子及びさらなる実施形態において、1〜15炭素原子を有する。いくつかの実施形態において、ヘテロアリール基は、1環原子が酸素、硫黄及び窒素から選択される5〜16環原子を含み;0、1、2または3環原子は、酸素、硫黄及び窒素から独立して選択されるさらなるヘテロ原子であり;及び残りの環原子は、炭素である。ヘテロアリールは、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、チオフェニル、フラニル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、キノキサリニル、アクリジニル及び同様のものを含むが、限定されない。
用語「ハロ」は、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素などのハロゲンをいう。
本明細書に使用される用語「被験体」は、哺乳動物をいう。したがって、被験体は、たとえば、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタ、モルモット及び同様のものをいう。好ましくは、被験体は、ヒトである。被験体がヒトであるとき、被験体は、本明細書において患者といわれてもよい。
本明細書に使用される用語「治療すること」、「治療」及び同様のものは、多嚢胞性疾患を少なくとも緩和する、または弱める所望の薬理学的及び/または生理学的効果を得ることを意味するのに本明細書に使用される。効果は、多嚢胞性疾患またはその徴候もしくは症候を完全にまたは部分的に防ぐことに関して予防的でもよく、及び/または多嚢胞性疾患及び/または多嚢胞性疾患に起因する有害作用のための部分的な、または完全な治癒に関して治療的でもよい。また、「治療すること」は、哺乳動物における多嚢胞性疾患の任意の治療をカバーし、及び:(a)多嚢胞性疾患にかかりやすいかもしれないが、それを有するとまだ診断されなかった被験体において多嚢胞性疾患が生じるのを防ぐこと;(b)多嚢胞性疾患を抑制し、すなわち、その発症を抑えること;または(c)多嚢胞性疾患を軽減することまたは寛解させること、たとえば多嚢胞性疾患の退行を引き起こすこと、を含む。本明細書に使用される「治療する」ことは、病理学と関連する症候の全身寛解及び/または症候の発症における遅延を含む。「治療すること」の臨床上及び無症状性証拠は、病理学、個体及び治療で変化するだろう。
一定の実施形態において、用語「治療すること」または「治療」は、胆管細胞増殖、胆管β−カテニン合成または胆管β−カテニンリン酸化及び/またはアセチル化を減少させることをいうことができる。その他の実施形態において、用語「治療すること」または「治療」は、胆管アセチル化チューブリン及び/または胆管β−カテニン合成の量を増加させることをいうことができる。
本明細書に使用される用語「多嚢胞性疾患」は、嚢胞の形成によって特徴づけられる疾患である。多嚢胞性疾患の例は、多発性嚢胞腎(PKD)などの嚢胞性腎疾患、多嚢胞肝(PLD)、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)、膵嚢胞またはこれらの組み合わせを含むが、限定されない。
多嚢胞性疾患は、胆管症、胆管細胞、胆管を裏打ちしている上皮が標的細胞である肝臓疾患の群を含むことができる。「胆管症」は、原発性胆汁性肝硬変症、原発性硬化性胆管炎、AIDS胆管症、胆管消失症候群、アラジール症候群、嚢胞性線維症及び胆道閉鎖症を含むが、限定されない(Tietz PS, Larusso NF (2006). “Cholangiocyte biology”. Current Opinion in Gastroenterology 22 (3): 279−87を参照されたい)。
また、多嚢胞性疾患は、肝臓嚢胞の存在を含む疾患、疾患状態及び障害などの、肝臓または肝機能が塩及び/または水ホメオスタシスまたはバランスにおける機能不全及び/またはアンバランスによって損なわれる肝疾患を含み得る。例示的な肝疾患は、慢性肝臓肝線維症、PLD付随PKD、ネフロン癆(NPHP)、メッケル・グルーバー症候群、バルデ・ビードル症候群及び同様のものを含むが、限定されない。
式IまたはIIのHDAC6阻害剤化合物によって治療され得る多嚢胞肝の臨床症候は、単離された多嚢胞肝または肝臓及び腎臓の場合において、腹部膨満、息切れ、初期の食後充満、腹部不快及び背部不快を生じさせ得る常染色体優性多発性嚢胞腎の場合において、肝腫、肝臓内の複数の大嚢胞を含むが、限定されない。重篤な多嚢胞肝のその他の臨床症候は、門脈圧亢進症、静脈瘤出血、黄疸、腹水及びまれな場合、嚢胞癌並びに肝臓からの静脈排液の妨害物から生じる「疑似」バッド・キアリ症候群を含む。
また、本発明は、本明細書において記述した化合物の薬学的に許容される塩を含む。本明細書に使用される「薬学的に許容される塩」は、親化合物がその塩形態に既存の酸または塩基部分を変えることによって修飾されている、開示された化合物の誘導体をいう。薬学的に許容される塩の例は、ミネラルまたはアミンなどの塩基性残基の有機酸性塩;アルカリまたはカルボン酸などの酸性残基の有機塩;及び同様のものを含むが、限定されない。本発明の薬学的に許容される塩は、たとえば、無毒性無機または有機酸から形成される親化合物の従来の無毒性塩を含む。本発明の薬学的に許容される塩は、従来の化学的方法によって塩基性または酸性部分を含む親化合物から合成することができる。一般に、このような塩は、水中または有機溶媒中または2つの混合物において、適切な塩基または酸の化学量論量とこれらの化合物の遊離酸または塩基形態を反応させることによって調整することができる;一般に、非水媒体様エーテル、エチルアセテート、エタノール、イソプロパノールまたはアセトニトリルが好ましい。適切な塩の一覧は、Remington’s Pharmaceutical Sciences, 16th Edition, 1980 and 17th Edition, 1985, both published by Mack Publishing Company, Easton, PA, page 1418 and Journal of Pharmaceutical Science, 66, 2 (1977) から入手でき、そのそれぞれは、その全体が参照により本明細書に援用される。
本発明の化合物
いくつかの実施形態において、HDAC6特異的阻害剤は、式Iの化合物:
Figure 2021073253
またはその薬学的に許容される塩であり、
式中、
環Bは、アリールまたはヘテロアリールであり;
は、アリールまたはヘテロアリールであり、そのそれぞれは、OH、ハロまたはアルキルによって任意に置換されてもよく;
及び
Rは、Hまたはアルキルである。
式Iの代表的化合物は、以下を含むが、限定されない:
Figure 2021073253
式Iに従った選択的なHDAC6阻害剤の調整及び特性は、International Patent Application No. PCT/US2011/021982において提供され、その全内容は参照により本明細書に援用される。
その他の実施形態において、HDAC6特異的阻害剤は、式IIの化合物:
Figure 2021073253
またはその薬学的に許容されるであり、式中、
Xは、CまたはOであり;
は、存在ごとに、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、ハロ、−C1−6ハロアルキル、−C1−6ジハロアルキル、−C1−6トリハロアルキル、−OH、−N(R、−C(O)R、−CO及び−C(O)N(Rからなる群から独立して選択される;
または:
同じまたは隣接した炭素原子上の2つのR基は、共になってC3−8−シクロアルキルまたはC3−7−ヘテロシクロアルキル環を形成し、そのそれぞれは、縮合されても、または分離されてもよく;
は、存在ごとに、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、ハロ、−C1−6ハロアルキル、−C1−6ジハロアルキル、−C1−6トリハロアルキル、−OH、−N(R、−C(O)R、−CO、−C(O)N(Rからなる群から独立して選択され;
それぞれのRは、存在ごとに、H、C1−6−アルキル、C3−8−シクロアルキル、C3−7−ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C1−6−アルキル−シクロアルキル、C1−6−アルキル−ヘテロシクロアルキル、C1−6−アルキル−アリール及びC1−6−アルキル−ヘテロアリールからなる群から独立して選択され;
それぞれのRは、存在ごとに、HまたはC1−6−アルキルからなる群から独立して選択され;
mは、0、1、2または3であり;及び
nは、0、1、2または3である。
式IIの化合物の実施形態において、nは1または2であり、及びRはハロである。
式IIの化合物のもう一つの実施形態において、XはCであり、及びmは1または2である。好ましい実施形態において、XはCであり、mは1または2であり、及びRはハロまたはC1−6−アルコキシである。もう一つの実施形態において、同じまたは隣接した炭素原子上の2つのR基は、共になってC3−8−シクロアルキルまたはC3−7−ヘテロシクロアルキル環を形成し、及びRはC1−6−アルコキシである。好ましい実施形態において、同じ炭素原子上の2つのR基は、共になってC3−8−シクロアルキルまたはC3−7−ヘテロシクロアルキル環を形成する。
式IIの好ましい実施形態は、その薬学的に許容される塩を含み、下の表IIに下に示す。式II並びにその薬学的に許容される塩の全ての化合物及び表IIの化合物並びにその薬学的に許容される塩は、「本発明の化合物」であると考慮される。
Figure 2021073253
本明細書に提供した組成物及び医薬組成物は、被験体の多嚢胞性疾患を治療するのに使用することができる。
一定の実施形態において、多嚢胞性疾患は、多嚢胞肝である。
一定の実施形態において、多嚢胞性疾患は、多発性嚢胞腎などの嚢胞性腎疾患である。
一定の実施形態において、本明細書に提供した組成物及び医薬組成物は、胆管細胞増殖及び/または胆管β−カテニン合成を阻害し、及び/または胆管β−カテニンリン酸化及び/またはアセチル化を誘導することができる。
一定の実施形態において、本明細書に提供された組成物及び医薬組成物は、胆管アセチル化チューブリンの量を増加させ、及び/または胆管β−カテニン合成を減少させることができる。
もう一つの本発明の目的は、本明細書における多嚢胞性障害または疾患の治療における使用のための医薬の製造における本明細書において記述した化合物の使用である。もう一つの本発明の目的は、本明細書における多嚢胞性障害または疾患の治療における使用のために本明細書において記述した化合物の使用である。
本発明の方法
本発明の1つの態様において、本明細書において記述したように、その必要のある被験体に式IまたはIIのHDAC6特異的阻害剤化合物の治療上有効な量を投与することを含む多嚢胞性疾患の治療のための方法が提供される。
嚢胞性疾患の影響を治療するまたは寛解するのに十分な式IまたはIIのHDAC6特異的阻害剤化合物の治療上有効な量は、治療される状態の性質、作用が望まれる時間の長さ、並びに患者の年齢及び状態で変化し得るし、及び付き添いの医師によって最終的に決定されてもよい。また、患者に投与してもよい本発明に従った式IまたはIIのHDAC6特異的阻害剤化合物の量または用量は、当該技術分野において公知の様々な要因、たとえば患者の種、性別、年齢、体重、状態、所望の反応、状態の性質、代謝、疾患の重症度、副作用に応じて変化してもよい。所望の用量は、単一用量で、または適切な間隔にて投与される複数の用量として、たとえば1日あたり2、3、4以上の半用量として都合よく投与されてもよい。複数の用量は、たいてい望まれる、または必要とされる。
一定の実施形態において、多嚢胞性疾患は、多嚢胞肝(PLD)であり得る。PLDは、胆管症に含まれ得る遺伝的障害、標的細胞として胆管細胞を有する多様な病因すべての疾患の群である。PLDは、単独で、または多発性嚢胞腎(PKD)と共に生じる(Masyuk et al. Cholangiociliopathies:genetics, molecular mechanisms and potential therapies, Current Opinion in Gastroenterology (2009) 25:265−271を参照されたい)。
一定の実施形態において、治療されている被験体は、PRKCSH(タンパク質キナーゼC基質80K−H)及びSec63遺伝子の少なくとも1つにおいて1つまたは複数の突然変異を有する。これらの突然変異は、ポリシスチン−2分解を経て細胞の翻訳後タンパク質修飾機構及び繊毛シグナル伝達に影響を及ぼすことによって、腎臓関与のない多嚢胞肝(ADPLD)を生じさせる(Drenth et al. Germline mutations in PRKCSH are associated with autosomal dominant polycystic liver disease, Nature Genetics (2003) 33:345−347 3; Davila et al. Mutations in SEC63 cause autosomal dominant polycystic liver disease, Nat Genet (2004) 36:575−577 4; Woollattet al. Human Sec63 endoplasmic reticulum membrane protein, map position 6q21, Chromosome Research (1999), 7:77; Gao et al. PRKCSH/80K−H, the protein mutated in polycystic liver disease, protects polycystin−2/TRPP2 against HERP−mediated degradation, Human Molecular Genetics (2010) 19:16−24を参照されたい)。
一定の実施形態において、治療される被験体は、繊毛関連タンパク質、ポリシスチン−1(PC1)及び−2(PC2)をコードするPkd1及びPkd2遺伝子の少なくとも1つにおいて1つまたは複数の突然変異を有し、及びそれは、肝臓及び常染色体優性多発性嚢胞腎(ADPKD)における腎臓の嚢胞性変性の原因である。
一定の実施形態において、治療されている被験体は、常染色体劣性多発性嚢胞腎(ARPKD)と関連するPkhd1遺伝子において1つまたは複数の突然変異を有する(Hughes et al. The polycystic kidney disease 1 (PKD1) gene encodes a novel protein with multiple cell recognition domains, Nature Genetics (1995) 10:151−160; Mochizuki et al. PKD2, a gene for polycystic kidney disease that encodes an integral membrane protein, Science (1996) 272:1339−13428; Onuchic et al. PKHD1, the polycystic kidney and hepatic disease 1 gene, encodes a novel large protein containing multiple immunoglobulin− like plexin−transcription−factor domains and parallel beta−helix 1 repeats, Am J Hum Genet (2002)70:1305−1317; Ward et al. The gene mutated in autosomal recessive polycystic kidney disease encodes a large, receptor−like protein, Nat Genet (2002) 30:259−269を参照されたい)。
本明細書に使用される用語「嚢胞性腎疾患」は、多発性嚢胞腎(PCK)、フォン・ヒッペル・リンダウ病、結節性硬化症、ネフロン癆、常染色体優性多発性嚢胞腎(ADPKD)、常染色体劣性多発性嚢胞腎(ARPKD)、後天性嚢胞腎(ACKD)及び常染色体優性多嚢胞肝(ARPKD)を含む、疾患の大きな群を含むが、限定されない(たとえば、Friedman, J. Cystic Diseases of the Kidney, in PRINCIPLES AND PRACTICE OF MEDICAL GENETICS (A. Emery and D. Rimoin, Eds.) pp. 1002−1010, Churchill Livingston, Edinburgh, U.K. (1983); Striker & Striker (1986) Am. J. Nephrol. 6:161−164. Extrarenal manifestations include hepatic and pancreatic cysts as well as cardiovascular complications. Gabow & Grantham (1997) Polycystic Kidney Disease, in DISEASES OF THE KIDNEY (R. Schrier & C. Gottschalk, Eds.), pp. 521−560, Little Brown, Boston; Welling & Grantham (1996) Cystic Diseases of the Kidney, in RENAL PATHOLOGY (C. Tisch & B. Brenner, Eds.) pp:1828−1863, Lippincott, Philadelphiaを参照されたい)。
もう一つの態様において、式IまたはIIの化合物の治療上有効な量は、多嚢胞性疾患をもつ被験体に腹腔内に注射され、式IまたはIIの化合物は、多嚢胞性疾患を治療する。
一定の実施形態において、式IまたはIIのHDAC6特異的阻害剤化合物は、嚢胞形成を防ぐ。
一定の実施形態において、式IまたはIIのHDAC6特異的阻害剤化合物は、嚢胞成長を阻害する。
一定の実施形態において、式IまたはIIのHDAC6特異的阻害剤化合物は、胆管細胞増殖を阻害する。
式IまたはIIの化合物でのHDAC6阻害は、肝腫を含む多嚢胞肝の多くの特徴及び肝臓または腎臓における嚢胞の成長を減少させることができる。
一定の実施形態において、式IまたはIIの化合物でのHDAC6阻害は、多嚢胞性疾患を獲得する病気に遺伝的にかかりやすい患者における嚢胞の形成を防ぐ。
好ましい実施形態において、式Iの化合物は、化合物A−1であることができる。
好ましい実施形態において、式Iの化合物は、化合物B−1であることができる。
好ましい実施形態において、式IIの化合物は、化合物C−2であることができる。
一定の実施形態において、式IまたはIIの化合物でのHDAC6の薬理学的阻害は、β−カテニン機能を阻害すること、たとえばβ−カテニンの発現及びそれの核集積を阻害することによって多嚢胞性疾患を治療する。
本発明の1つの態様において:
Figure 2021073253
の構造を有する治療上有効な量のHDAC6特異的阻害剤化合物(化合物A−1)またはその薬学的に許容される塩を、多嚢胞肝をもつ被験体に投与することを含む多嚢胞肝の治療のための方法であって、
HDAC6特異的阻害剤化合物A−1の量は、嚢胞成長を阻害するのに有効である、方法が提供される。
本発明の1つの態様において:
Figure 2021073253
の構造を有する治療上有効な量のHDAC6特異的阻害剤化合物B−1またはその薬学的に許容される塩を、多嚢胞肝をもつ被験体に投与することを含む多嚢胞肝の治療のための方法であって、
HDAC6特異的阻害剤化合物B−1の量は、嚢胞成長を阻害するのに有効である、方法が提供される。
本発明の1つの態様において:
Figure 2021073253
の構造を有する治療上有効な量のHDAC6特異的阻害剤化合物C−2またはその薬学的に許容される塩を、多嚢胞肝をもつ被験体に投与することを含む多嚢胞肝の治療のための方法であって、
HDAC6特異的阻害剤化合物C−2の量は、嚢胞成長を阻害するのに有効である、方法が提供される。
医薬組成物
もう一つの態様において、本発明は、式IもしくはIIの化合物またはそれらの薬学的に許容されるエステル、塩またはプロドラッグを含む医薬組成物を薬学的に許容される担体と共に提供する。この医薬組成物は、多嚢胞性疾患の治療において使用されることができる。
本発明の化合物は、特に経腸的に、たとえば経口的に、たとえば錠剤もしくはカプセルの形態で、または非経口的に、たとえば注射可能な溶液もしくは懸濁液の形態で、局所的に、たとえばローション、ゲル、軟膏もしくはクリームの形態で、または経鼻もしくは坐薬形態で、任意の従来の経路によって医薬組成物として投与されることができる。少なくとも1つの薬学的に許容される担体または希釈剤に結合した遊離型での、または薬学的に許容される塩形態での本発明の化合物を含む医薬組成物は、混合、造粒またはコーティング方法による従来の様式において製造されることができる。たとえば、経口組成物は、a)希釈剤、たとえば、ラクトース、デキストロース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロース及び/またはグリシン;b)滑沢剤、たとえば、シリカ、滑石、ステアリン酸、そのマグネシウムまたはカルシウム塩及び/またはポリエチレングリコール;また錠剤のためにc)結合剤、たとえば、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、デンプンペースト、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシルメチルセルロースナトリウム及びまたはポリビニルピロリドン;所望の場合d)崩壊剤、たとえば、デンプン、寒天、アルギン酸またはそのナトリウム塩、または発泡性混合物;及び/またはe)吸収剤、着色剤、香味及び甘味料と共に活性成分を含む錠剤またはゼラチンカプセルであることができる。注射可能な組成物は、水性等張液または懸濁液であることができ、坐薬は、脂肪エマルジョンまたは懸濁液から調整することができる。組成物は、滅菌されても、及び/または保存、安定、湿潤もしくは乳化剤、溶液促進剤、浸透圧を調節するための塩及び/または緩衝液などのアジュバントを含んでいてもよい。加えて、また、これらは、その他の治療的に有益な物質を含んでいてもよい。経皮投与に適切な製剤は、担体を伴う有効量の本発明の化合物を含む。担体は、吸収性薬理学的に許容される溶媒をを含んで、受容者の皮膚を介しての通過を助けることができる。たとえば、経皮装置は、裏当て部材、任意に担体を伴う化合物を含む貯蔵所、任意に、長期の期間にわたって制御された、及び予め決められた速度で受容者の皮膚に化合物を送達するための速度制御バリア及び装置を皮膚に固定する手段を含む包帯の形態である。またマトリックス経皮製剤が、使用されてもよい。たとえば、皮膚及び目に対する局所的投与に適切な製剤は、好ましくは周知の当該技術分野の水性溶液、軟膏、クリームまたはゲルである。そのようなものは、可溶化剤、安定剤、張性増強剤、緩衝液及び保存剤を含んでいてもよい。
また、本発明の化合物及び医薬組成物が、療法と組み合わせて製剤化され、及び用いることができる、すなわち、化合物及び医薬組成物は、1つまたは複数のその他の所望の治療学または医学的手順と並行して、より前に、またはそれの後に製剤化される、または投与されることができることが、認識されるだろう。組み合わせ投与計画に用いるための療法(治療または手順)の特定の組み合わせは、達成されるべき所望の治療及び/または手順並びに所望の治療効果の適合性を考慮するだろう。また、用いられる療法が、同じ障害に所望の効果を達成し得る(たとえば、本発明の化合物が、もう一つの免疫調節剤、抗癌剤またはSLEなどの自己免疫疾患の治療に有用な薬剤と並行して投与されてもよい)、またはこれらが異なる効果(たとえば、任意の有害作用の制御)を達成し得ることが、認識されるだろう。
一定の実施形態において、本発明の医薬組成物は、1つまたは複数のさらなる治療的活性成分をさらに含む。本発明のために、用語「緩和剤」は、疾患の症候及び/または治療上の投与計画の副作用の軽減に焦点をおくが、治療的でない治療をいう。たとえば、緩和療法は、鎮痛剤、抗嘔吐薬物、解熱薬及び抗病気薬物を包含する。加えて、化学療法、放射線療法及び外科手術の全ては、緩和的に使用することができる(すなわち、治癒を求めずに症候を減少させるために;たとえば、腫瘍を縮小し、及び癌の圧力、出血、疼痛及びその他の症候を減少させるため)。
本発明の医薬組成物は、1つまたは複数の薬学的に許容される担体と共に製剤化される治療上有効な量の本発明の化合物を含む。
本明細書に使用される用語「薬学的に許容される担体」は、任意のタイプの無毒性、不活性固体、半固体または液体充填剤、希釈剤、封入材料または製剤補助剤を意味する。本発明の医薬組成物は、経口的に、直腸に、非経口的に、大槽内に、膣内に、腹腔内に、局所的に(粉末、軟膏または液滴によるように)、口腔内に、または口腔もしくは鼻内噴霧として、ヒト及びその他の動物に投与されることができる。
経口投与のための液体剤形は、薬学的に許容されるエマルジョン、ミクロエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップ及びエリキシルを含む。活性化合物に加えて、液体剤形は、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、エチルアセテート、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に、綿実、落花生、トウモロコシ、胚芽、オリーブ、ヒマシ及びゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール及びソルビタンの脂肪酸エステル及びそれらの混合物などの、たとえば、水またはその他の溶媒、可溶剤及び乳化剤などの当該技術分野において一般に使用される不活性希釈剤を含んでいてもよい。不活性希釈剤の他に、また、経口組成物は、湿潤剤、乳化及び懸濁剤、甘味料、香味料及び芳香剤などのアジュバントを含むことができる。
注射可能な調合剤、たとえば、無菌の注射可能な水性または油性懸濁液は、適切な分散または湿潤剤及び懸濁剤を使用して公知の技術に従って製剤化されてもよい。また、無菌の注射可能な調合剤は、無毒性非経口的に許容される希釈剤または溶媒における無菌の注射可能の溶液、懸濁液またはエマルジョン、たとえば、1,3−ブタンジオールにおける溶液としてでもよい。用いられ得る許容される媒体及び溶媒の中には、水、リンゲル液、U.S.P.及び等張食塩水がある。加えて、無菌の、不揮発性油は、溶媒または懸濁媒体として従来は用いられる。このため、合成モノまたはジグリセリドを含む任意の刺激性の低い不揮発性油は、用いられることができる。加えて、オレイン酸などの脂肪酸は、注射剤の調製において使用される。
本発明の治療の方法によれば、障害は、所望の結果を達成するために必要であるのと同じ量で、及び時間で、本発明の化合物の治療上有効な量を被験体に投与することによって、ヒトまたはその他の動物などの被験体において治療される、または予防される。
本明細書に使用される用語「治療上有効な量」の本発明の化合物は、被験体における多嚢胞肝によって生じる症候の1つまたは複数を減少させるように、十分な量の化合物を意味する。
医学的技術においてかなり理解されているように、本発明の治療上有効な量の化合物は、任意の医学的治療に適用できる妥当な利益/リスク比であるだろう。
一般に、本発明の化合物は、単独で、または1つまたは複数の治療薬と組み合わせてのいずれかで、当該技術分野において公知の通常の、及び許容される容器のいずれかを経て治療上有効な量で投与されるだろう。治療上有効な量は、被験体の疾患の重症度、年齢及び関係する健康、使用される化合物及びその他の因子の効力に応じて広く変化してもよい。一般に、満足な結果は、体重あたり約0.03〜2.5mg/kg(0.05〜4.5mg/m)の1日投与量で全身的に得られることが示される。より大きな哺乳動物、たとえばヒトにおける示された1日投与量は、約0.5mg〜約100mgの範囲であり、たとえば、1日4回まで分けられた用量で、または徐放形態で都合よく投与される。経口投与のための適切な単位剤形は、およそ1〜50mgの活性成分を含む。
一定の実施形態において、本発明の化合物の治療上の量または用量は、約0.1mg/kg〜約500mg/kg(約0.18mg/m〜約900mg/m)、あるいは、約1〜約50mg/kg(約1.8〜約90mg/m)の範囲でもよい。一般的に、本発明に従った治療投与計画は、単一の、または複数の用量で1日あたり約10mg〜約1000mgの本発明の化合物をこのような治療の必要のある患者に投与することを含む。また、治療上の量または用量は、投与経路並びにその他の薬剤との共使用の可能性に応じて変化するだろう。
被験体の状態の改善に応じて、本発明の化合物、組成物または組み合わせの維持量は、必要な場合投与されてもよい。その後、投薬量もしくは投与頻度または両方は、症候が望ましいレベルに緩和されたときに、改善された状態が保持されるレベルまで症候の機能につれて減少させられてもよく、治療はやめるべきである。しかし、被験体は、多嚢胞肝から生じる症候の任意の再発に応じて、長期ベースの断続的な治療を必要とし得る。
しかし、本発明の化合物及び組成物の日々の総使用量が、健全な医学的な判断の範囲内で主治医によって決定されることが理解されるだろう。任意の特定の患者のための特定の抑制量は、治療されている障害及び障害の重症度;用いられる特異的化合物の活性;用いられる特異的化合物;患者の年齢、体重、一般的な健康、性別及び食事;用いられる特異的化合物の投与時間、投与経路及び排出の割合;治療の期間;用いられる特異的化合物と組み合わせて、または同時に使用される薬物;及び医学的技術分野において周知の同様の因子を含む様々な因子に依存するだろう。
キット
本明細書における開示は、被験体における多嚢胞性疾患を治療するための式IまたはIIの異なる用量の化合物を有するパッケージユニットを含むキット形式を提供する。一定の実施形態において、式Iの化合物は、化合物A−1または化合物B−1である。その他の実施形態において、式IIの化合物は、化合物C−2である。
また、キットは、以下品目の1つまたは複数を含んでいてもよい:処方情報、投薬量情報、貯蔵情報及び同様のもの並びに無菌生理食塩水溶液、針、注射器、カテーテル及び包帯、その他などの応急処置材料を含む使用説明書。キットは、本明細書において記述した方法を行うために適切な比率において共に混合された試薬の容器を含んでいてもよい。試薬容器は、目的の方法を行うときに、測定工程を不必要にする単位量における試薬を好ましくは含む。
パッケージ標識は、たとえば、多嚢胞性疾患の治療のための式IまたはIIの化合物を摂取するための説明書を含むことができる。もう一つの実施形態において、パッケージ標識は、多嚢胞肝を治療するための説明書を含む。
また式Iまたは式IIの化合物の治療上有効な量及び薬学的に許容される担体または希釈剤、並びに多嚢胞肝などの多嚢胞性疾患を治療する方法における説明書を含むパッケージされた組成物が提供される。
本発明の化合物は、溶媒和物(たとえば、水和物)として、本発明の方法の間に都合よく作製され、または形成されることができる。本発明の化合物の水和物は、ジオキサン、テトラヒドロフランまたはメタノールなどの有機溶媒を使用して、水性/有機溶媒混合物から再結晶によって都合よく作製されることができる。
加えて、本発明の化合物のいくつかは、1つまたは複数の二重結合または1つまたは複数の不斉中心を有する。このような化合物は、ラセミ体、ラセミ混合物、単一のエナンチオマー、個々のジアステレオマー、ジアステレオ異性混合物及びシス−もしくはトランス−またはE−もしくはZ−二重異性体、及び絶対立体化学に関して、アミノ酸について(R)−もしくは(S)−として、または(D)−もしくは(L)−として定義され得るその他の立体異性体形態として存在し得る。これらの化合物の全てのこのような異性体形態は、本発明に明白に含まれる。光学異性体は、上記の手順によって、またはラセミ混合物を分割することによって、これらのそれぞれの光学活性前駆体から作製されてもよい。分割は、クロマトグラフィーによって、または繰り返される結晶化によって、または当業者に公知であるこれらの技術のいくつかの組み合わせによって、分割薬剤の存在下で実施することができる。分割に関するさらなる詳細は、Jacques, et al., Enantiomers, Racemates, and Resolutions (John Wiley & Sons, 1981)で見いだすことができる。また、本発明の化合物は、このような例において、複数の互変異性型で表されてもよく、本発明は本明細書において記述した化合物の全ての互変異性型を明白に含む。本明細書において記述した化合物が、オレフィン二重結合または幾何学的非対称のその他の中心を含むとき、及び特に明記しない限り、化合物がE及びZ幾何異性体を含むことが意図されている。同様に、また、全ての互変異性型は、含まれることが意図される。本明細書に見られる任意の炭素−炭素二重結合の配置は、便宜のためにだけ選択され、及びテキストがそのように述べない限り、特定の配置を指定することは意図されない;したがって、トランスとして任意に本明細書に示される炭素−炭素二重結合は、シス、トランスまたは任意の比率における2つの混合物でもよい。このような化合物の全てのこのような異性形態は、本発明において明白に含まれる。本明細書において記述した化合物の全ての結晶形態は、本発明において明白に含まれる。
合成された化合物は、反応混合物から分離され、及びカラムクロマトグラフィー、高圧液体クロマトグラフィーまたは再結晶などの方法によってさらに精製されることができる。当業者によって認識されることができるように、本明細書における式の化合物を合成するさらなる方法は、当業者に明らかだろう。加えて、種々の合成工程は、代わりの順序または順番で行われて、所望の化合物を与えてもよい。加えて、本明細書において描写した溶媒、温度、反応期間、その他は、説明の目的のみであり、及び当業者は、様々な反応条件が本発明の所望の化合物を生成することができることが認識されるだろう。本明細書において記述した化合物を合成することに有用な合成化学変換及び保護基方法論(保護及び脱保護)は、当該技術分野において公知であり、及びたとえば、R. Larock, Comprehensive Organic Transformations, VCH Publishers (1989); T.W. Greene and P.G.M. Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, 2d. Ed., John Wiley and Sons (1991); L. Fieser and M. Fieser, Fieser and Fieser’s Reagents for Organic Synthesis, John Wiley and Sons (1994); and L. Paquette, ed., Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis, John Wiley and Sons (1995)に記述されるなどのもの、及びその後の版を含む。
本発明の化合物は、選択的生物学的特性を増強するために本明細書において描写される任意の合成手段を経て種々の機能性を追加することによって修飾されてもよい。このような修飾は、当該技術分野において公知であり、及び所与の生物系(たとえば、血液、リンパ系、中枢神経系)への生物学的浸透を増加させ、経口利用可能性を増加させ、溶解度を増加させて注射による投与を可能にし、代謝を変化させ、及び排出の割合を変化させるものを含む。
本発明の化合物は、これらの化学的構造及び/または化学名によって本明細書において定義される。化合物が化学的構造及び化学名の両方によって呼ばれ、及び化学的構造及び化学名が矛盾する場合、化学的構造が化合物の同一性を決定する。
本明細書において変化するものの任意の定義における化学基のリストの詳述は、収載された基の任意の単一の基または組み合わせとしてその変化するものの定義を含む。本明細書における実施形態の詳述は、任意の単一の実施形態として、または任意のその他の実施形態またはその部分と組み合わせてその実施形態を含む。本明細書における変化するもののための実施形態の詳述は、任意の単一の実施形態として、または任意のその他の実施形態またはその部分と組み合わせてその実施形態を含む。
本明細書において同定される任意の特許、特許出願、公開またはその他の開示材料は、その全体が本明細書において参照により本明細書に援用される。本明細書における参照により援用されると言われるが、既存の定義、記載、または本明細書に記載されるその他の開示材料と矛盾する任意の材料またはその部分は、矛盾が援用される材料と本開示材料との間に生じない程度まで援用されるのみである。
実施例を図解の目的のため、及び本発明の一定の特定の実施形態を記述するために下に記載した。しかし、請求項の範囲は、本明細書に記載される実施例によって決して限定されるべきでない。開示された実施例に対する種々の変更及び修飾は、当業者にとって明らかだろう、及び本発明の化学構造、置換基、誘導体、製剤及び/または方法に関するものを含むこのような変更及び修飾は、限定されないが、本発明の精神及び添付の請求の範囲の範囲を逸脱しない範囲でなされてもよい。本明細書におけるスキームにおける構造における変数の定義は、本明細書において提示される式において対応する位置のものに相応する。
実施例1:本発明の化合物の合成
式Iの化合物の合成は、PCT/US2011/021982において提供され、その全体が参照により本明細書に援用される。
化合物A−1の合成
Figure 2021073253
反応スキーム
Figure 2021073253
中間体2の合成
Figure 2021073253
DMF(100ml)中のアニリン(3.7g、40mmol)、エチル2−クロロピリミジン−5−カルボキシラート1(7.5g、40mmol)、KCO(11g、80mmol)の混合物を一晩N下で120℃でガス抜きし、及び撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、及びEtOAc(200ml)で希釈し、次いで飽和塩水(200ml×3)で洗浄した。有機層を分離し、及びNaSO上で乾燥し、蒸発乾固し、及びシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=10/1)によって精製されて白色固体(6.2g、64%)として所望の生成物を与えた。
中間体3の合成
Figure 2021073253
TEOS(200ml)中の化合物2(6.2g、25mmol)、ヨードベンゼン(6.12g、30mmol)、CuI(955mg、5.0mmol)、CsCO(16.3g、50mmol)の混合物を窒素でガス抜きし、及び除去した。生じる混合物を14時間140℃で撹拌した。室温まで冷却後、残留物をEtOAc(200ml)及び95%EtOH(200ml)で希釈し、シリカゲル上にNHF−HO[50g、シリカゲル(500g、100−200メッシュ)への水(1500ml)中のNHF(100g)の添加によってプレ調製した]を添加し、及び生じる混合物を2時間室温で保持し、凝固した材料を濾過し、及びEtOAcで洗浄した。ろ液を蒸発乾固して、残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=10/1)によって精製して黄色固体(3g、38%)を与えた。
中間体4の合成
Figure 2021073253
2N NaOH(200ml)をEtOH(200ml)中の化合物3(3.0g、9.4mmol)の溶液に添加した。混合物を30分間60℃にて撹拌した。溶媒の蒸発後、溶液を2N HClで中和して、白色沈殿物を与えた。懸濁液をEtOAc(2×200ml)で抽出し、及び有機層を水(2×100ml)、塩水(2×100ml)で分離し、洗浄し、及びNaSO上で乾燥した。溶媒の除去は、茶色固体(2.5g、92%)を与えた。
中間体6の合成
Figure 2021073253
化合物4(2.5g、8.58mmol)、アミノヘプタノアート5(2.52g、12.87mmol)、HATU(3.91g、10.30mmol)、DIPEA(4.43g、34.32mmol)の混合物を一晩室温で撹拌した。反応混合物を濾過した後、ろ液を蒸発乾固して、残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=2/1)によって精製して茶色固体の(2g、54%)を与えた。
2−(ジフェニルアミノ)−N−(7−(ヒドロキシアミノ)−7−オキソヘプチル)ピリミジン−5−カルボキサミドの合成
Figure 2021073253
MeOH(50ml)及びDCM(25ml)中の化合物6(2.0g、4.6mmol)、水酸化ナトリウム(2N、20mL)の混合物を10分間0℃で撹拌した。ヒドロキシルアミン(50%)(10ml)を0℃まで冷却し、及び混合物に添加した。生じる混合物を20分間室温で撹拌した。溶媒の除去後、混合物を1M HClで中和して、白色沈殿を与えた。粗生成物をプレHPLCによって濾過し、及び精製して白色固体(950mg、48%)を与えた。
化合物B−1の合成
Figure 2021073253
反応スキーム:
Figure 2021073253
中間体2の合成:上の化合物A−1の合成における中間体2の合成を参照されたい。
中間体3の合成:
DMSO(690ml)中の化合物2(69.2g、1当量)、1−クロロ−2−ヨードベンゼン(135.7g、2当量)、LiCO(42.04g、2当量)、KCO(39.32g、1当量)、Cu(1当量45μm)の混合物を窒素でガス抜きし、及び除去した。生じる混合物を140℃で撹拌した。反応のワークアップは、93%収量にて化合物3を与えた。
中間体4の合成:上の化合物A−1の合成における中間体4の合成を参照されたい。
中間体6の合成:上の化合物A−1の合成における中間体6の合成を参照されたい。
2−((2−クロロフェニル)(フェニル)アミノ)−N−(7−(ヒドロキシアミノ)−7−オキソヘプチル)ピリミジン−5−カルボキサミド(化合物B−1)の合成
上の化合物A−1の合成を参照されたい。
もう一つの実施形態は、本明細書において描写した反応の任意の1つまたはその組み合わせを使用して式Iの化合物を作製する方法である。方法は、本明細書において描写した1つまたは複数の中間体または化学的試薬の使用を含むことができる。
化合物C−2の合成:
Figure 2021073253
工程1:THF(20mL)中の1(2.00g、12.81mmol)及び2(1.552g、12.81mmol)の溶液にTi(OEt)(5.4mL、25.56mmol)を添加した。混合物を16時間室温で撹拌し、及び次いで、0℃で飽和NaHCO溶液に注いだ。生じる沈殿物を濾過した。生じるろ液をEAで抽出した。合わせたEA層を真空中で濃縮し、及び残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(PE/EA=4/1、2/1)によって精製して白色固体(2.61gは、収量:75%)として3を得た。
工程2:3(1.00g、3.86mmol)を含むフラスコに、0℃でPhMgBr(THF中の1M、10mL)の溶液を添加した。それを完全な反応まで0℃〜室温で撹拌した。飽和NHCl溶液をpH6〜7に調整するために添加した。生じる混合物をEAで抽出した。合わせたEA層を真空中で濃縮し、及び残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(PE/EA=5/1、2/1、1.5/1)によって精製して白色固体(823mg、収量:60%)として4を得た。
工程3:HCl(水中の2M、20mL)及びTHF(20mL)中の化合物4(8.3mg、2.38mmol)の混合物を16時間50℃で撹拌した。NaOHの溶液を混合物に添加して、pH7〜8に調整した。THFを真空中で除去し、及び水性相をEAで抽出した。合わせたEA層を真空中で濃縮し、及び残留物をEAに溶解した。HCl(4M、1mL)を添加した。生じる白色固体を濾過によって収集して、所望の生成物5(395mg、収量:57%)を得た。
工程4:NMP(4mL)中の化合物5(350mg、1.55mmol)、6(376mg、2.02mol)及びDIPEA(1.07mL、6.47mmol)の混合物を5時間130℃で撹拌した。混合物を水(20mL)に添加し、及びEA(25mL×2)で抽出した。有機層を濃縮して残留物を得て、それをシリカゲルクロマトグラフィー(PE/EA=4/1)によって精製して7(178mg、収量:34%)を得た。
工程5:DCM(30mL)中の化合物7(168mg、0.50mmol)の溶液に、0℃でDAST(302μL、2.47mmol)を添加した。それを室温で3時間及び35℃で2時間撹拌した。反応混合物を飽和NaHCO(5mL)でクエンチし、及びEtOAc(2×5mL)で抽出した。有機抽出物を真空中で濃縮した。残留物をプレTLCによって精製して、8(74mg、収量:42%)を与えた。
工程6:NHOH(水中の50%、3.9mL)を0℃で8(74mg、0.20mmol)を含むフラスコに添加した。次いで、MeOH(3.9ml)中の飽和NaOH溶液を0℃で添加した。DCM(3.9mL)を基質が溶解するのを助けるために添加した。混合物を18時間25℃で加熱した。濃縮HClを、pHを7に合わせるために添加した。それを真空中で濃縮し、及び残留物をプレHPLCによって精製して白色固体として化合物C−2(27mg、収量:38%)をもたらした。H NMR (500 MHz, DMSO) δ 10.96 (s, 1H), 9.00 (s, 1H), 8.63 (s, 1H), 8.35 (s, 1H), 8.29 (s, 1H), 7.39 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 7.28 (t, J = 7.7 Hz, 2H), 7.17 (t, J = 7.3 Hz, 1H), 2.73 (s, 2H), 2.23 − 1.88 (m, 6H). LCMS: m/z = 349 (M+H)
実施例2:HDAC酵素アッセイ
試験のための化合物を50倍の終濃度までDMSO中に希釈し、及び10.3倍希釈シリーズを作製した。化合物をアッセイ緩衝液(50mM HEPES、pH7.4、100mM KCl、0.001% Tween−20、0.05% BSA、20μM TCEP)中に6倍のこれらの終濃度まで希釈した。HDAC酵素(BPS Biosciencesから購入した)をアッセイ緩衝液中に1.5倍のこれらの終濃度まで希釈した。0.05μM終濃度にてトリペプチド基質及びトリプシンを6倍のこれらの終濃度でアッセイ緩衝液中に希釈した。これらのアッセイにおいて使用される最終酵素濃度は、3.3ng/ml(HDAC1)、0.2ng/ml(HDAC2)、0.08ng/ml(HDAC3)及び2ng/ml(HDAC6)であった。使用される最終基質濃度は、16μM(HDAC1)、10μM(HDAC2)、17μM(HDAC3)及び14μM(HDAC6)であった。
5μlの化合物及び20μlの酵素を二つ組で黒い、不透明な384ウェルプレートのウェルに添加した。酵素及び化合物を10分間室温で共にインキュベートした。5μlの基質をそれぞれのウェルに添加し、プレートを60秒間振盪し、及びVictor 2マイクロタイタープレートリーダに置いた。蛍光の発生を60分間モニターし、及び反応の線形速度を算出した。IC50を4つのパラメーター曲線フィットによるGraph Pad Prismを使用して決定した。化合物C−2について得たIC50値(nM)は、下で表IIIに見られる。
Figure 2021073253
化合物A−1及びB−1について得たIC50値(nM)を表Iに見ることができる
実施例3:HDAC6は、嚢胞性胆管細胞において過剰発現する。
ポリメラーゼ連鎖反応
RNAをTRIZOL試薬(Invitrogen)で対照及びPCKラット胆管細胞から単離した。cDNAをFirst Srand cDNA Synthesis(Invitrogen)試薬を使用して得て、及びHDAC6プライマー(フォワードプライマー:5’−TCA GCG CAG TCT TAT GGA TG−3’(配列番号:1);リバースプライマー:5’−GCG GTG GAT GGA GAA ATA GA−3’、配列番号:2)をIntegrated DNA Technologiesから購入した。β−カテニンmRNA発現を製造業者の指導に従ってTaqMan Gene Expression Assay(アッセイID Rn00584431_g1)を使用して解析した。試料を18S rRNAに規準化した。
ウェスタンブロット
培養された対照ラット及びPCKラット胆管細胞から単離されるタンパク質を解析した。細胞を破片にし、プロテアーゼ阻害剤、バナジン酸ナトリウム及びフッ化フェニルメチルスルホニル(PMSF)とリン酸緩衝食塩水(PBS)中に再懸濁し、超音波処理し、試料タンパク質の同等の量をLaemmli Sample Buffer(Biorad)及びメルカプトエタノール中に希釈した。SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動、SDS−PAGEの後、タンパク質をニトロセルロース膜へ移し、ブロックし、及び次いで、以下の一次抗体とインキュベートした:HDAC6(Santa Cruz Biotechnology、D−11、1:500)、アセチル化−α−チューブリン(Sigma Aldrich、1:2000)、β−カテニン(Cell Signaling Technology、(D10A8)XP(登録商標)Rabbit mAb; 1:1000)、ホスホ−β−カテニン(Ser33/37/Thr41)(Cell Signaling Technology、1:1000)、アセチル−β−カテニン(Cell Signaling Technology、1:1000)、c−myc(Santa Cruz Biotechnology、1:500)、サイクリンD1(Santa Cruz Biotechnology、1:500)及びアクチン(Sigma Aldrich、1:5000)。膜を4℃で一晩インキュベートし、洗浄し、及び西洋ワサビペルオキシダーゼ抱合された(1:5000、Invitrogen)またはIRdye 680もしくは800(1:15000、Odyssey)対応二次抗体と室温で1時間インキュベートした。ECLシステムまたはOdyssey Licor Scannerをタンパク質検出のために使用し、及びGel−Pro Analyzer 6.0ソフトウェアをデンシトメトリー解析のために使用した。
免疫蛍光及び共焦点顕微鏡法。
対照及びPCKラット、健康なヒト並びにADPKD及びARPKD患者のパラフィン包埋した肝臓切片をHDAC6(Santa Cruz Biotechnology、D−11、1:100)に対する抗体及びアセチル化−α−チューブリン(Sigma Aldrich、マウスモノクローナル1:500)と一晩4℃でインキュベートし、続いて室温で90分間の蛍光二次抗体インキュベーションを行った。核をDAPI(ProLong Gold Antifade Reagent、Life Technologies)で染色した。画像をZeiss LSM 510共焦点顕微鏡で取得した。3人の正常、3人のARPKD及び3人のADPKD患者からのパラフィンブロックをMayo Clinic Tissue Registry Archivesから得た。全ての実験手順は、Mayo Clinic Institutional Review Boards(IRB#:08−005681)によって承認された。
統計
データを平均±SEとして表す。統計分析を両側によって行った;スチューデントt検定を2つの群を比較するのに使用した。有意性のためのカットオフp値は、p<0.05にてセットした。
胆管細胞におけるHDAC6 mRNAの発現を評価するために、培養されたラット胆管細胞から単離されるmRNAをPCRを使用して解析した。図1Aに示したように、HDAC6 mRNAは、対照及びPCKラット両方の胆管細胞に存在する。PCR産物の同一性をシーケンシングによって確認した。
図1Bは、培養された対照ラット及びPCKラット胆管細胞から単離されるタンパク質におけるウェスタンブロット解析を示す。HDAC6タンパク質は、対照ラット胆管細胞と比較してPCK胆管細胞において6.5倍に過剰発現し、それはアセチル化−α−チューブリン、主要なHDAC6基質の1つの減少したレベルと相関する(Zhang et al. Two catalytic domains are required for protein deacetylation, J. Biol. Chem. (2006) 281:2401−2404を参照されたい)。
また、インビトロにおいて観察されるHDAC6の過剰発現を肝臓組織の共焦点免疫蛍光によってインビボにおいて確認した。PCKラット並びにADPKD及びARPKD患者の肝臓組織において、HDAC6の免疫活性は、それぞれ、正常なラット及び健康なヒト対照と比較して肝臓嚢胞において増加する(図1C)。
実施例4:HDAC6の阻害は、インビトロにおける胆管細胞増殖及び嚢胞成長を減少させる。
組織培養
インビトロ実験について、胆管細胞を対照ラット、PCKラット(an animal model for ARPKD; Vroman B, LaRusso NF: Development and characterization of polarized primary cultures of rat intrahepatic bile duct epithelial cells, Lab Invest 1996, 74:303−313)、健康なヒト及びADPKD患者(Masyuk et al. Biliary exosomes influence cholangiocyte regulatory mechanisms and proliferation through interaction with primary cilia, Am J Physiol Gastrointest Liver Physiol (2010) 299:G990−999; O’Haraet al. Cholangiocyte N−Ras protein mediates lipopolysaccharide−induced interleukin 6 secretion and proliferation, J Biol Chem (2011) 286:30352−30360; Banaleset al. Up−regulation of microRNA 506 leads to decreased Cl(−)/HCO(3) (−) anion exchanger 2 expression in biliary epithelium of patients with primary biliary cirrhosis, Hepatology (2012) 56(2):687−97)から単離した。
胆管細胞をCollagen−I被覆フラスコ(BD Biocoat)中で培養した。全ての株化細胞を37℃、5% CO2、100%湿度にてNRC Media中でインキュベートした。NRC Mediaは、以下の添加とDulbecco’s修飾Eagle培地/F12を含む:0.01mL/mL Minimum Essential Media(MEM)可欠アミノ酸、0.01mL/mL脂質濃縮物、0.01mL/mL MEMビタミン溶液、2mmol/L L−グルタミン、0.05mg/mLダイズトリプシン阻害剤、0.01mL/mLインスリン/伝達/セレニウム−S、5%ウシ胎児血清、30g/mLウシ下垂体抽出物、25ng/mL上皮細胞成長因子、393ng/mLデキサメタゾン、3.4g/mL 3,3−,5−トリヨード−L−チロニン、4.11g/mLホルスコリン及び1%ペニシリン−ストレプトマイシン。
増殖アッセイ法
対照及びPCKラット胆管細胞をNRC Mediaを使用してCollagen−I被覆フラスコ(BD Biocoat)において培養し、0.25% Trypsin−EDTA(GIBCO)で剥離させ、Collagen−I被覆96ウェルプレート(10000細胞/ウェル)へ移し、及び37℃、5% CO、100%湿度にてインキュベートした。NRC培地中に懸濁される5、10及び20μmol/LツバスタチンA(Chemie Tek)、1−2μmol/Lツバシン(Chemie Tek)または2、4及び8μmol/L化合物A−1(Acetylon Pharmaceutical Inc)での治療を24時間後に始めた。薬物媒体、DMSOを対照としてNRC Media中に懸濁した。細胞増殖をCellTiter 96 AQueous One Solution(MTS;Promega)で評価し、及び/またはCellometer Auto T4 Cell Counter(Nexcelom Bioscience)を使用して細胞を計数した。
3D−培養
PCKラットから新たに単離された胆管をラット尾部I型Collagenマトリックス(BD Biosciences)中に包埋し、10μmol/LツバスタチンA及び2μmol/Lツバシンの存在または非存在下で成長させた。成長する嚢胞の画像を5日間にわたって毎日撮影し、及び嚢胞サイズをソフトウェア「Image J」(National Institute of Health)で測定した。それぞれの嚢胞性構造についての周囲領域を前述したように0日目と比較して成長の割合を算出した(Muff et al. Development and characterization of a cholangiocyte cell line from the PCK rat, an animal model of Autosomal Recessive Polycystic Kidney Disease, Lab Invest 2006, 86:940−950; Masyuk et al. Octreotide inhibits hepatic cystogenesis in a rodent model of polycystic liver disease by reducing cholangiocyte adenosine 3’,5’−cyclic monophosphate, Gastroenterology (2007) 132:1104−1116 27; Leeet al. MicroRNA15a modulates expression of the cell−cycle regulator Cdc25A and affects hepatic cystogenesis in a rat model of polycystic kidney disease, J. Clin. Invest. (2008) 118:3714−3724 28. Gradilone et al. Activation of Trpv4 reduces the hyperproliferative phenotype of cystic cholangiocytes from an animal model of ARPKD, Gastroenterology (2010) 139:304−314 e302を参照されたい)。
PCK胆管細胞は、対照ラット胆管細胞より早い速度で増殖する(Banales JM, Masyuk TV, Gradilone SA, Masyuk AI, Medina JF, LaRusso NF: The cAMP effectors Epac and protein kinase a (PKA) are involved in the hepatic cystogenesis of an animal model of autosomal recessive polycystic kidney disease (ARPKD), Hepatology 2009, 49:160−174を参照されたい)。HDAC6の上方制御が胆管細胞過剰増殖に寄与するかどうか試験するために、HDAC6選択的阻害剤ツバスタチン−Aを培養された胆管細胞に添加した。
図2Aは、ツバスタチン−Aが、用量及び時間依存的様式においてPCK胆管細胞増殖を減少させたことを示す。3日目までに、処理されたPCK胆管細胞の増殖をそれぞれ、5μM、10μM及び20μMツバスタチンAについて2.5、3.5、及び4.15倍まで減少させた。加えて、また、異なるHDAC6特異的阻害剤、ツバシンは、2.94倍までPCK胆管細胞増殖を減少させた(図2B)。また、両方の薬物は、それぞれ、85%及び16%まで培養されたヒトADPKD胆管細胞の増殖を減少させた(図5A)。増殖におけるHDAC6阻害の効果をさらに確認するために、HDAC6阻害剤ツバスタチン−Aは、Cellometer Auto T4 Cellを使用して測定したときに嚢胞性胆管細胞増殖を有意に減少させる(図5B)。
PCKラットから単離し、及び3−Dコラーゲンマトリックスにおいて成長した肝臓嚢胞をHDAC6阻害剤で処理した(図2C)。PCK嚢胞性構造の周囲領域の解析は、嚢胞成長の有意な阻害を示した。薬物投与の4日後に、ツバスタチン−A及びツバシンは、それぞれ未処置嚢胞と比較して131%及び125%まで嚢胞成長を減少させた(図2D)。
実施例5: HDAC6の阻害は、β−カテニンたんぱく質レベルを低下させる
PCK胆管細胞増殖の阻害及び3D培養における嚢胞成長の原因である機構のより優れた知識のために、培養されたPCK胆管細胞をツバスタチン−A及びツバシンで処理し、及びアセチル化α−チューブリン及びβ−カテニンの量をウェスタンブロッティングによって決定した。
ツバスタチン−A及びツバシンで処理されるPCK胆管細胞は、未処理細胞と比較して、アセチル化α−チューブリンの増加したレベル(13及び2.3倍)を有した(図3A)。対照的に、β−カテニンのレベルは、それぞれ、ツバスタチンA及びツバシンでの処理後、2.2及び5倍まで減少した(図3A)。
さらに、また、b−カテニン細胞内局在性の免疫蛍光解析は、HDAC6処理が核及び細胞質両方においてb−カテニン発現を減少させることを示した(図6)。β−カテニン減少と一致して、また、HDAC6阻害は、β−カテニン遺伝子標的産物、サイクリンD1及びc−mycにおいて減少させる一方、アセチル化されたヒストンH3のレベルは、影響を受けないままであった(図3A)。
また、HDAC6阻害は、b−カテニン不安定化及び分解に対するターゲティングと一致して、β−カテニンアセチル化及びリン酸化を増加させた(図3B)。β−カテニンタンパク質は、細胞がHDAC6阻害剤で処理されたときに、時間とともに減少する一方、β−カテニンメッセンジャーRNAのレベルは安定のままであり、HDAC6阻害がβ−カテニンタンパク質の分解を誘導することを示唆する(図3C)。
実施例6:特異的HADC6阻害剤、化合物A−1は、インビボにおいて嚢胞形成を減少させる。
ラットPldモデル
この動物における遺伝子組換えが、ヒトARPKDにおいて見いだされたものにオルソロガスであるので、PCKラットモデルを使用した。これらの動物は、ヒトADPKDの特徴の多くを発現する(Lager DJ, et al., Kidney Internat 59: 126−136, 2001; Harris, Curr Opin Nephrol Hypertens 11:309−314, 2002)。この突然変異をもつ動物は、腎臓及び肝臓の両方の線維嚢胞性疾患を示し、及びこれらの動物は、長期の治療プロトコルを容易にするのに十分に長く生きる(Gattone V.H., et al., Nat Med (2003) 9: 1323− 1326; Torres V.E., et al., Nat Med (2004) 10:363−364; Masyuk T.V., et al., Gastroenterology (2007) 132:1104−1116, 2007)。雌動物は、雄動物より重篤な肝疾患を示す。
正常及びPCK胆管細胞をHDAC6特異的阻害剤、化合物A−1で処理した。PCK細胞増殖を用量依存的様式において、化合物A−1によって阻害し、及び正常細胞の増殖に著しい効果を有しなかった(図4A)。
次いで、化合物A−1の有効性をPCKラット、多嚢胞肝の動物モデルにおいて試験した。肝臓及び腎臓両方の嚢胞領域を化合物A−1での処理によって有意に減少させた[それぞれ28.4%及び39.0%まで(図4B及び4Cを参照されたい)。重要なことには、また肝線維症を30.5%(p<0.001)まで減少させた。
実施例7:化合物B−1及びC−2の特異的HDAC6阻害剤は、インビボにおいて嚢胞形成を減少させる。
雄PKC−1ラット(4週間目、n=12)を12週間化合物の示した用量で1日1回経口経管栄養によって処理した。動物を殺し、及び腎臓を除去し、及びホルマリン中に固定した。腎臓における嚢胞の容積を組織学的解析によって測定した(図7を参照されたい)。比較として、6匹のラットを4週間で殺して、腎嚢胞の開始容積を測定した(対照)。
結果は、HDAC6特異的阻害剤化合物B−1及びC−2が、インビボでの嚢胞形成を減少させることを示す。

Claims (23)

  1. 多嚢胞性疾患を治療するための方法であって:
    式I:
    Figure 2021073253
    のヒストンデアセチラーゼ6(HDAC6)特異的阻害剤化合物またはその薬学的に許容される塩の治療上有効な量、
    式中、
    環Bは、アリールまたはヘテロアリールであり;
    R1はアリールまたはヘテロアリールであり、そのそれぞれはOH、ハロまたはC1−6−アルキルによって任意に置換されてもよく;
    及び
    Rは、HまたはC1−6−アルキルであるか、
    または
    式II:
    Figure 2021073253
    のヒストンデアセチラーゼ6(HDAC6)特異的阻害剤化合物またはその薬学的に許容される塩の治療上有効な量、
    式中、
    Xは、CまたはOであり;
    は、存在ごとに、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、ハロ、−C1−6ハロアルキル、−C1−6ジハロアルキル、−C1−6トリハロアルキル、−OH、−N(R、−C(O)R、−CO及び−C(O)N(Rからなる群から独立して選択される;
    または:
    同じまたは隣接した炭素原子上の2つのR基は、共になってC3−8−シクロアルキルまたはC3−7−ヘテロシクロアルキル環を形成し、そのそれぞれは縮合しても、または分離してもよく;
    は、存在ごとに、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、ハロ、−C1−6ハロアルキル、−C1−6ジハロアルキル、−C1−6トリハロアルキル、−OH、−N(R、−C(O)R、−CO、−C(O)N(Rからなる群から独立して選択され;
    それぞれのRは、存在ごとに、H、C1−6−アルキル、C3−8−シクロアルキル、C3−7−ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C1−6−アルキル−シクロアルキル、C1−6−アルキル−ヘテロシクロアルキル、C1−6−アルキル−アリール及びC1−6−アルキル−ヘテロアリールからなる群から独立して選択され;
    それぞれのRは、存在ごとに、HまたはC1−6−アルキルからなる群から独立して選択され;
    mは、0、1、2または3であり;及び
    nは、0、1、2または3である、
    を多嚢胞性疾患をもつ被験体に投与することを含む、前記方法。
  2. 請求項1に記載の多嚢胞性疾患を治療するための前記方法であって、前記ヒストンデアセチラーゼ6(HDAC6)特異的阻害剤化合物の前記量は、前記被験体における嚢胞成長を減少させるのに有効である、前記方法。
  3. 請求項1に記載の多嚢胞性疾患を治療するための前記方法であって、前記多嚢胞性疾患は、多嚢胞肝である、前記方法。
  4. 請求項2に記載の多嚢胞性疾患を治療するための前記方法であって、前記嚢胞は、肝臓に位置する、前記方法。
  5. 請求項1に記載の多嚢胞性疾患を治療するための前記方法であって、前記多嚢胞性疾患は、嚢胞性腎疾患である、前記方法。
  6. 請求項5に記載の多嚢胞性疾患を治療するための前記方法であって、前記嚢胞性腎疾患は、多発性嚢胞腎である、前記方法。
  7. 請求項2に記載の多嚢胞性疾患を治療するための前記方法であって、前記嚢胞は、腎臓に位置する、前記方法。
  8. 請求項5に記載の多嚢胞性疾患を治療するための前記方法であって、前記嚢胞性腎疾患は、常染色体優性多発性嚢胞腎(ADPKD)である、前記方法。
  9. 請求項5に記載の多嚢胞性疾患を治療するための前記方法であって、前記嚢胞性腎疾患は、常染色体劣性多発性嚢胞腎(ARPKD)である、前記方法。
  10. 請求項1に記載の多嚢胞性疾患を治療するための前記方法であって、前記ヒストンデアセチラーゼ6(HDAC6)特異的阻害剤化合物の前記量は、嚢胞の前記形成を防ぐのに有効である、前記方法。
  11. 請求項1に記載の多嚢胞性疾患を治療するための前記方法であって、前記ヒストンデアセチラーゼ6(HDAC6)特異的阻害剤化合物の前記量は、胆管細胞増殖を阻害するのに有効である、前記方法。
  12. 請求項1に記載の多嚢胞性疾患を治療するための前記方法であって、前記ヒストンデアセチラーゼ6(HDAC6)特異的阻害剤化合物の前記量は、胆管アセチル化チューブリンの前記量を増加させるのに有効である、前記方法。
  13. 請求項1に記載の多嚢胞性疾患を治療するための前記方法であって、前記ヒストンデアセチラーゼ6(HDAC6)特異的阻害剤化合物の前記量は、胆管β−カテニン合成を減少させるのに有効である、前記方法。
  14. 請求項1に記載の多嚢胞性疾患を治療するための前記方法であって、前記ヒストンデアセチラーゼ6(HDAC6)特異的阻害剤化合物の前記量は、胆管β−カテニンリン酸化及び/またはアセチル化を増加させるのに有効である、前記方法。
  15. 請求項1に記載の多嚢胞性疾患を治療するための前記方法であって、式Iの前記ヒストンデアセチラーゼ6(HDAC6)特異的阻害剤化合物は:
    Figure 2021073253
    またはその薬学的に許容される塩である、前記方法。
  16. 請求項15に記載の多嚢胞性疾患を治療するための前記方法であって、前記ヒストンデアセチラーゼ6(HDAC6)特異的阻害剤化合物の前記量は、前記被験体における嚢胞成長を減少させるのに有効である、前記方法。
  17. 請求項15に記載の多嚢胞性疾患を治療するための前記方法であって、前記ヒストンデアセチラーゼ6(HDAC6)特異的阻害剤化合物の前記量は、胆管細胞増殖を阻害するのに有効である、前記方法。
  18. 請求項1に記載の多嚢胞性疾患を治療するための前記方法であって、式Iの前記ヒストンデアセチラーゼ6(HDAC6)特異的阻害剤化合物は:
    Figure 2021073253
    またはその薬学的に許容される塩である、前記方法。
  19. 請求項18に記載の多嚢胞肝を治療するための前記方法であって、前記ヒストンデアセチラーゼ6(HDAC6)特異的阻害剤化合物の前記量は、前記被験体における嚢胞成長を減少させるのに有効である、前記方法。
  20. 請求項18に記載の多嚢胞性疾患を治療するための前記方法であって、前記ヒストンデアセチラーゼ6(HDAC6)特異的阻害剤化合物の前記量は、胆管細胞増殖を阻害するのに有効である、前記方法。
  21. 請求項1に記載の多嚢胞性疾患を治療するための前記方法であって、式IIの前記ヒストンデアセチラーゼ6(HDAC6)特異的阻害剤化合物は:
    Figure 2021073253
    またはその薬学的に許容される塩である、前記方法。
  22. 請求項21に記載の多嚢胞肝を治療するための前記方法であって、前記ヒストンデアセチラーゼ6(HDAC6)特異的阻害剤化合物の前記量は、前記被験体における嚢胞成長を減少させるのに有効である、前記方法。
  23. 請求項21に記載の多嚢胞性疾患を治療するための前記方法であって、前記ヒストンデアセチラーゼ6(HDAC6)特異的阻害剤化合物の前記量は、胆管細胞増殖を阻害するのに有効である、前記方法。
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