JP2021068971A - 画像読取装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】プレスキャンを行わず、かつ、読み取り速度を落とさずに、原稿の端辺を認識するとともに1枚の原稿の画像データの取得に要する時間を短くする。【解決手段】画像読取装置のキャリッジは、第1ランプと第2ランプを含む。移動機構は、副走査方向の一方側から他方側にキャリッジを移動させる。第1ランプと第2ランプは副走査方向で並べられる。制御部は、1ラインの読み取り中、第1ランプと第2ランプの何れか一方のみを点灯させる。第1ランプを点灯させて得られた第1画像データに基づき、制御部は一方側端辺の位置を認識する。第2ランプを点灯させて得られた第2画像データに基づき、制御部は他方側端辺の位置を認識する。制御部は、第1画像データと第2画像データを合成してジョブ用読取画像データを生成する。【選択図】図9

Description

本発明は、原稿を読み取る画像読取装置に関する。
画像読取装置は、原稿を読み取って画像データを生成する。画像読取装置には、副走査方向で光源を移動させるものがある。光源を移動させると、原稿台上の原稿への光の照射位置が移動する。つまり、読取ラインの位置が移動する。このような光源移動型の画像読取装置では、原稿の副走査方向(光源の移動方向)のサイズを検知することがある。従来、副走査方向のサイズを検知する場合、原稿に対して光源を複数回往復させて複数面分の走査を繰り返し、原稿サイズ検知と原稿画像データの取得を行っている。特許文献1には原稿に対して光源を複数回往復させる画像読取装置が記載されている。
具体的に、特許文献1には、原稿台の下面で副走査方向に移動しつつ原稿に光を照射し、反射光を主走査方向で複数の読取素子が並設された読取素子部にて受光して、原稿台上に載置された原稿の画像情報を読み取り、原稿の画像情報を読み取るよりも前に予備走査を行い、原稿のエッジに発現する影を読み取り、読み取られた影を元に原稿の主走査方向及び副走査方向の各サイズを認識し、予備走査時、副走査方向下流側か上流側のいずれか一方向のみから光を照射し、照射方向を往路と復路とで切り換える画像読取装置が記載されている(特許文献1:請求項2〜4)。
特開2003−244403号公報
原稿台にセットされた原稿を読み取る画像読取装置がある。原稿台はコンタクトガラスと称されることがある。画像読取装置は原稿に光を照射する光源を含む。また、原稿台での読取位置(読取ライン)を移動させるため、副走査方向で光源を移動させる画像読取装置がある。光源の移動にあわせてライン単位での読み取りが繰り返される。
従来、画像読取装置では、セット原稿のサイズを検知する場合(セット原稿のエッジを検知する場合)、プレスキャン(予備走査)が行われている。副走査方向のエッジを検知する場合、光源を副走査方向で移動させる。プレスキャンでは、光源の往路と復路の両方で原稿を読み取ることがある。プレスキャン後、ジョブに用いる画像データを得るための読み取りが行われる。
このように、プレスキャン、原稿の読み取りの順に処理が行われる。プレスキャン後、原稿の読み取りを行う場合、1枚の原稿につき、複数面分の読み取り(走査)が行われる。1枚の原稿を読み取って画像データを得るのに、時間がかかるという問題がある。
特許文献1記載の技術では、予備走査において、往路と復路の読み取りがなされる(原稿2面分の走査)。予備走査後、原稿の読み取りがなされる(原稿1面分の走査)。特許文献1記載の技術では、1ページ分の原稿の画像データを得る場合、原稿3面(3ページ)分の読み取り(走査)を行う必要がある。特許文献1記載の技術では、上記の問題を解決することはできない。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、プレスキャンを行わず、かつ、読み取り速度を落とさずに、原稿の端辺を認識できるように読み取りを行い、1枚の原稿の画像データの取得に要する時間を短くする。
上記課題を解決するため、本発明に係る画像読取装置は、原稿台、キャリッジ、移動機構、ラインセンサー、制御部を含む。前記原稿台は、原稿がセットされる。前記キャリッジは、第1ランプと第2ランプを含む。前記移動機構は、前記原稿の読取開始に伴い、前記原稿台の副走査方向で向かい合う辺の一方側から他方側の辺に向けて、前記副走査方向で前記キャリッジを移動させる。前記ラインセンサーは、反射された前記第1ランプと前記第2ランプの光に基づいて前記原稿の読み取りを行う。前記第1ランプと前記第2ランプは、前記副走査方向で並べて設けられる。前記第1ランプは、点灯したとき、前記原稿台及びセットされた前記原稿に向けて、主走査方向に沿って光を照射する。前記第1ランプは、前記副走査方向において、前記第2ランプ及び前記ラインセンサーの読取ラインの位置よりも前記他方側に設けられる。前記第2ランプは、点灯したとき、前記原稿台及びセットされた前記原稿に向けて、前記主走査方向に沿って光を照射する。前記第2ランプは、前記副走査方向において、前記第1ランプ及び前記読取ラインの位置よりも前記一方側に設けられる。前記制御部は、1ラインの読み取り中、前記第1ランプと前記第2ランプの何れか一方のみを点灯させる。前記第1ランプを点灯させて読み取った画像データである第1画像データに基づき、前記制御部は、一方側端辺の位置を認識する。前記第2ランプを点灯させて読み取った画像データである第2画像データに基づき、前記制御部は、他方側端辺の位置を認識する。前記制御部は、前記第1画像データと前記第2画像データを合成して、ジョブに用いる画像データであるジョブ用読取画像データを生成する。前記一方側端辺は前記副走査方向で向かい合う前記原稿の端辺のうち前記一方側の端辺である。前記他方側端辺は前記副走査方向で向かい合う前記原稿の端辺のうち前記他方側の端辺である。
本発明によれば、プレスキャンを行わずに、原稿の端辺を認識できるように読み取りを行うことができる。また、読み取り速度を落とさずに、原稿の端辺(エッジ)を認識できるように読み取りを行うことができる。エッジ検知を行う場合、1枚の原稿の画像データの取得に要する時間を従来よりも短くすることができる。
実施形態に係る複合機の一例を示す図である。 実施形態に係る画像読取部の一例を示す図である。 実施形態に係る画像読取部の一例を示す図である。 実施形態に係る複合機での画像データ生成の一例を示す図である。 実施形態に係るキャリッジの原稿読み取り時の移動を説明するための図である。 実施形態に係るキャリッジの一例を示す図である。 実施形態に係る第1ランプと第2ランプの一例を示す図である。 実施形態に係るカードスキャンモードの処理の流れの一例を示す図である。 実施形態に係るカードスキャンモードの処理の流れの一例を示す図である。 実施形態に係る第1画像データを用いる処理の一例を示す図である。 実施形態に係る第1画像データを用いる処理の一例を示す図である。 実施形態に係る第1画像データを用いる処理の一例を示す図である。 実施形態に係る第2画像データを用いる処理の一例を示す図である。 実施形態に係る第2画像データを用いる処理の一例を示す図である。 実施形態に係る第2画像データを用いる処理の一例を示す図である。 実施形態に係るジョブ用読取画像データの生成の一例を示す図である。 実施形態に係るジョブ用読取画像データの生成の一例を示す図である。 実施形態に係るジョブ用読取画像データでの傾き補正の一例を示す図である。
以下、図1〜図18を用い、実施形態に係る画像読取装置を説明する。画像読取装置として、複合機100を例に挙げて説明する。原稿を読み取って得られた画像データに基づき、複合機100は印刷ジョブや送信ジョブを行える。複合機100は画像形成装置でもある。本実施形態の説明に記載されている構成、配置等の各要素は、発明の範囲を限定せず単なる説明例にすぎない。
(複合機100)
図1を用いて、実施形態に係る複合機100を説明する。図1は、実施形態に係る複合機100の一例を示す図である。
図1に示すように、複合機100は、制御部1、記憶部2、操作パネル3、印刷部4、画像読取部5を含む。
制御部1は複合機100の動作を制御する。制御部1は、ジョブでの複合機100の動作を制御する。制御部1は、制御回路10、画像データ生成回路11、画像処理回路12、通信部13を含む。制御回路10は、例えば、CPUである。制御回路10は、ジョブに関する処理、演算を行う。画像データ生成回路11は、画像読取部5が原稿を読み取って出力したアナログ画像信号を処理する。そして、画像データ生成回路11は読取画像データを生成する。画像処理回路12はジョブに用いる画像データを画像処理する。画像処理回路12は、例えば、画像処理用のASICである。
記憶部2は揮発性の記憶装置としてRAM21を含む。記憶部2は、不揮発性の記憶装置として、ROM22、ストレージ23を含む。ストレージ23は、例えば、HDD又はSSDである。制御部1は記憶部2に記憶されたプログラムやデータに基づき、各部を制御する。
操作パネル3は使用者の設定を受け付ける。操作パネル3は、表示パネル31、タッチパネル32、ハードキー33を含む。制御部1は、メッセージや、設定用画面を表示パネル31に表示させる。制御部1は操作用画像を表示パネル31に表示させる。操作用画像は、例えば、ボタン、キー、タブである。タッチパネル32の出力に基づき、制御部1は、操作された操作用画像を認識する。ハードキー33は、スタートキーやテンキーを含む。タッチパネル32、ハードキー33は使用者の設定操作(ジョブに関する操作)を受け付ける。例えば、操作パネル3は、原稿の読取のモードの設定を受け付ける。制御部1は操作パネル3の出力に基づき、設定内容を認識する。
印刷部4は、給紙部41、用紙搬送部42、画像形成部43、定着部44を含む。給紙部41は給紙カセット、給紙ローラーを含む。給紙カセットは用紙を収容する。給紙ローラーは用紙を送り出す。印刷ジョブのとき、制御部1は用紙を給紙部41に供給させる。用紙搬送部42は、用紙搬送用の搬送ローラー対、搬送モーターを含む。搬送ローラー対は用紙を搬送する。搬送モーターは搬送ローラー対を回転させる。制御部1は用紙を用紙搬送部42に搬送させる。
画像形成部43は、例えば、感光体ドラム、帯電装置、露光装置、現像装置、転写ローラーを含む。画像データに基づき、制御部1はトナー像を画像形成部43に形成させる。制御部1は搬送用紙へのトナー像の転写を画像形成部43に行わせる。定着部44は、ヒーター、定着用回転体、定着用モーターを含む。ヒーターは定着用回転体を熱する。用紙は定着用回転体と接しつつ搬送される。これにより、トナー像が用紙に定着する。制御部1は転写されたトナー像の用紙への定着を定着部44に行わせる。用紙搬送部42は印刷済み用紙を機外に排出する。
通信部13は通信制御回路、コネクター、通信用メモリーを含む。通信用メモリーは、通信用ソフトウェアを記憶する。通信部13はコンピューター200やFAX装置300と通信する。コンピューター200は、例えば、PCやサーバーである。通信部13は、コンピューター200やFAX装置300から送られた印刷用データを受信する。制御部1は、受信した印刷用データに基づき印刷部4に印刷させる(プリントジョブ、FAX受信印刷)。また、送信ジョブの場合、操作パネル3は宛先の設定を受け付ける。制御部1は、設定された宛先に向けて、読取で得られた画像データに基づく画像ファイルを通信部13に送信させる(スキャン送信、FAX送信)。
(画像読取部5)
次に、図2〜図4を用いて、実施形態に係る画像読取部5の一例を説明する。図2、図3は、実施形態に係る画像読取部5の一例を示す図である。図2は、実施形態に係る画像読取部5を複合機100の正面方向から見た図である。図4は実施形態に係る複合機100での画像データ生成の一例を示す図である。
画像読取部5の上方右寄りに原稿台5a(テーブル読取用コンタクトガラス)が設けられる。原稿台5aは透明な板(ガラス板)である。テーブル読取を行うとき、使用者は、読み取る原稿を原稿台5aの一面(図2において、上側の面)にセットする。
原稿押さえ部51が画像読取部5の上方に設けられる。複合機100の手前側を上下で振るように、原稿押さえ部51を開閉することができる。使用者は、原稿押さえ部51を開けて、原稿をセットする。セット後、使用者は原稿押さえ部51を閉じる。図2は原稿押さえ部51が閉じられた状態を示す。原稿押さえ部51の下面には、押さえ板52が取り付けられる。押さえ板52は、例えば、白色の板である。閉じられた押さえ板52は、原稿台5a及びセットされた原稿を上から覆う。原稿が動かないように、押さえ板52は、原稿を上から押さえる。原稿押さえ部51は、原稿を押さえるカバーとして機能する。
図3に示すように、画像読取部5は読取制御部50を含む。読取制御部50は画像読取部5の動作を制御する基板である。読取制御部50はCPUやメモリーを含む制御基板である。読取制御部50は、制御部1からの原稿読取指示を受ける。この指示に基づき、読取制御部50は原稿読取を制御する。
画像読取部5は、キャリッジ6、白基準板53、移動機構7を含む。移動機構7は、ベルト71、プーリー72、プーリー73、移動用モーター74を含む。キャリッジ6はCIS方式のスキャンユニットである。画像読取部5は、CCD方式のスキャンユニットを有してもよい。
ベルト71は無端状である。ベルト71はプーリー72とプーリー73にかけ回される。ベルト71とキャリッジ6は接続される。移動用モーター74が画像読取部5に設けられる(図3参照)。移動用モーター74の駆動はプーリー72又はプーリー73に伝達される。移動用モーター74は正逆回転可能である。キャリッジ6を移動させるとき、読取制御部50は移動用モーター74を回転させる。これにより、ベルト71が周回する。ベルト71の周回にあわせ、キャリッジ6は水平方向(副走査方向、主走査方向と垂直な方向、図2の左右方向)で移動する。キャリッジ6は、原稿台5aの他面側(下側)で移動する。
白基準板53は、副走査方向において、原稿台5aの外側に設けられる。白基準板53の長手方向は主走査方向である。キャリッジ6には、ホームポジションが設定される。ホームポジションは、キャリッジ6(ラインセンサー63)の読取ラインの位置が白基準板53となる位置である。図2では、キャリッジ6はホームポジションに位置している。
キャリッジ6は第1ランプ61、第2ランプ62、ラインセンサー63、伝送回路64を含む。キャリッジ6は反射光をラインセンサー63の各受光素子に導くレンズ65(ロッドレンズアレイ)も含む。第1ランプ61、第2ランプ62は、主走査方向に沿って、読取対象(原稿、押さえ板52、白基準板53)に光を照射する。
読取制御部50は点灯制御回路50aを含む。点灯制御回路50aは、第1ランプ61と第2ランプ62の点灯を制御する。原稿読み取りのとき、制御部1は、原稿読み取り指示を点灯制御回路50aに与える。この指示に基づき、点灯制御回路50aは、原稿読み取り中、第1ランプ61と第2ランプ62を点消灯する。
ラインセンサー63は原稿台5aに置かれた原稿を読み取る。ラインセンサー63は読取対象(原稿、押さえ板52、白基準板53)を読み取る。例えば、ラインセンサー63は1本である。なお、カラーで読取対象(原稿)を読み取れるように、ラインセンサー63は、R、G、Bの3本設けられてもよい。
ラインセンサー63は複数の受光素子(光電変換素子、画素)を含む。受光素子は、読取対象で反射された光を受光する。受光素子は列状に並べられる。受光素子が並ぶ方向が主走査方向である。各受光素子は、受光量(反射光量)に応じたアナログ画像信号(アナログ電圧)を出力する。各受光素子は、読取期間の受光量が多いほど、大きいアナログ画像信号を出力する。
伝送回路64は、例えば、シフトレジスターである。伝送回路64は、1ラインの読取期間中に蓄えられた各受光素子の電荷を抜き出す。そして、伝送回路64は、抜き出した電荷をアナログ画像信号として、画像データ生成回路11に伝送する。
ケーブルにより、画像データ生成回路11は、伝送回路64と接続される。画像データ生成回路11は、ラインセンサー63から出力されたアナログ画像信号をA/D変換し、画像データを生成する。画像データ生成回路11は複数の回路を含む。画像データ生成回路11は、例えば、増幅回路11a、A/D変換回路11b、補正回路11cを含む。増幅回路11aは入力されたアナログ画像信号を増幅する。増幅後のアナログ画像信号は、A/D変換回路11bに入力される。A/D変換回路11bは、入力されたアナログ画像信号をディジタル画像信号に変換し、画像データを生成する。
生成された画像データは補正回路11cに入力される。例えば、補正回路11cは、シェーディング補正回路を含む。シェーディング補正回路はシェーディング補正を行う。補正回路11cは他種の補正用回路を含んでもよい。画像データ生成回路11が生成、処理した画像データは、読取画像データとして記憶部2に格納される。
(キャリッジ6の移動)
次に、図5を用いて、実施形態に係るキャリッジ6の原稿読み取り時の移動の一例を説明する。図5は、実施形態に係るキャリッジ6の原稿読み取り時の移動を説明するための図である。図5は、上方から見た画像読取部5の一例を示す。図5では、原稿押さえ部51の図示を省略している。
使用者は原稿台5aに原稿を載置する(セットする)。使用者は、読み取る面を下向きにする。図5は、名刺、カードのような小型の原稿(特殊原稿)をセットした状態の一例を示す。なお、図5に示すように、原稿台5aには基準点Pが設定される。基準点Pは、画像読取部5(複合機100)を正面からみて、原稿台5aの左奥隅である。原稿台5aを上方からみた場合、基準点Pは原稿台5aの左上隅である。定形サイズの原稿を置くとき、使用者は、基準点Pに原稿の左上隅をあわせる。
原稿読み取りのとき、制御部1は、原稿台5aの副走査方向で向かい合う辺(端部)の一方側から他方側に向けて、キャリッジ6を移動機構7に移動させる。基準点Pに近い方の辺が原稿台5aの一方側の辺である。図5では、ホームポジションのときの読取ラインの位置の一例を破線で図示している。ホームポジションから移動してきたキャリッジ6は、原稿台5aの一方側にある読取開始ラインから読み取りを開始する。読取開始ラインは基準点Pを通る。図5において、原稿を読み取るとき(走査するとき)のキャリッジ6の進行方向を実線矢印で図示している。なお、原稿読み取りが完了すると、制御部1は、ホームポジション方向に向けて、キャリッジ6を移動機構7に移動させる。制御部1は、進行方向を逆転させ、キャリッジ6をホームポジションに戻す。
制御部1は、予め定められた速度でキャリッジ6を移動させる。キャリッジ6の移動速度は、1ラインの読取幅(1画素、1ドットのピッチ)を、1ラインの読み取り周期で除した値である。つまり、制御部1は、1ラインの読み取り周期ごとに1ドット、キャリッジ6を移動させる。
(第1ランプ61と第2ランプ62)
次に、図6、図7を用いて、実施形態に係る第1ランプ61と第2ランプ62の一例を説明する。図6は、実施形態に係るキャリッジ6の一例を示す図である。図7は、実施形態に係る第1ランプ61と第2ランプ62の一例を示す図である。
図6に示すように、キャリッジ6は、第1ランプ61と第2ランプ62を含む。第1ランプ61と第2ランプ62は、副走査方向で並ぶ。点灯したとき、第1ランプ61は、原稿台5a及びセットされた原稿に向けて、主走査方向に沿って光を照射する。また、点灯したとき、第2ランプ62は、原稿台5a及びセットされた原稿に向けて、主走査方向に沿って光を照射する。
図6に示すように、第1ランプ61は、副走査方向において、第2ランプ62よりも他方側に設けられる。キャリッジ6の進行方向でいえば、第1ランプ61は、第2ランプ62よりも前側に設けられる。反対に、第2ランプ62は、副走査方向において、第1ランプ61よりも一方側に設けられる。キャリッジ6の進行方向でいえば、第2ランプ62は第1ランプ61よりも後側に設けられる。
図6に示すように、第1ランプ61は一方側(後側)の斜め上方に向けて光を照射する。第2ランプ62は、他方側(前側)の斜め上方に向けて光を照射する。第1ランプ61と第2ランプ62の間に、レンズ65(ロッドレンズアレイ)が設けられる。レンズ65の下方にラインセンサー63が設けられる。副走査方向での読取ラインの位置は、第1ランプ61と第2ランプ62の間となる。
図7に示すように、主走査方向に沿って光を照射するため、第1ランプ61は、主走査方向を長手方向とする。第1ランプ61は、複数の第1光源61aを含む。第1光源61aは、例えば、白色LEDである。第1光源61aは、例えば、R、G、Bの3色のLEDを含むものでもよい。この場合、R、G、Bの同時点灯により、第1光源61aを白色光源として用いることができる。複数の第1光源61aは、主走査方向に沿って並べられる。原稿を読み取るとき、制御部1は、それぞれの第1光源61aの点灯を点灯制御回路50aに行わせる。
また、図7に示すように、主走査方向に沿って光を照射するため、第2ランプ62も、主走査方向を長手方向とする。第2ランプ62は複数の第2光源62aを含む。第2光源62aも、例えば、白色LEDである。複数の第2光源62aは、主走査方向に沿って並べられる。原稿を読み取るとき、制御部1は、それぞれの第2光源62aの点灯を点灯制御回路50aに行わせる。
(原稿の読み取り)
次に、図8、図9に基づき、実施形態に係る複合機100でのカードスキャンモードでの読み取りの流れの一例を説明する。図8、図9は、実施形態に係るカードスキャンモードの処理の流れの一例を示す図である。
複合機100では、原稿を読み取るモードの1つとして、カードスキャンモードを搭載する。操作パネル3を用いて、カードスキャンモードを選択することができる。カードスキャンモードで得られた画像データに基づき、印刷、送信、保存のようなジョブを行うことができる。
カードスキャンモードは、免許証、IDカード、パスポート、名刺のような特殊サイズの原稿を読み取るためのモードである。カードスキャンモードは不定形サイズの原稿を読み取るモードといえる。カードスキャンモードでは、原稿の端辺(エッジ)を認識する処理と、画像データに含まれる原稿部分D2の傾きを調整する処理が自動で行われる。
カードスキャンモードでは、制御部1は、原稿台5aのうち、予め定められた読取範囲(カード読取範囲)の読み取りを行わせる。カード読取範囲の副走査方向の長さは、予め定められる。例えば、カード読取範囲の副走査方向の長さは、A4短辺(A5長辺)の長さとされる。そのため、使用者は、原稿台5aのうち、副走査方向において、基準点PからA4短辺の長さまでの範囲内に原稿をセットする。
なお、カードスキャンモードが選択されていない場合、制御部1は、原稿の端辺の認識処理と、傾き調整処理を行わない。また、制御部1は、操作パネル3で設定された範囲の読み取りを行わせる。例えば、読み取りのサイズとしてA3が設定された場合、制御部1は、原稿台5aのうち、A3サイズの範囲を画像読取部5に読み取らせる。
そして、図8のスタートは、カードスキャンモードでの原稿の読み取りを開始する時点である。例えば、使用者がカードスキャンモードを選択したとき、制御部1は、カードスキャンモードのガイダンスを表示パネル31に表示させる。ガイダンスにあわせて、使用者は、原稿台5aに原稿(カード)をセットする。セット後、使用者は原稿押さえ部51を閉じる。さらに操作パネル3がスキャン開始を受け付けたとき、カードスキャンモードでの原稿の読み取りが開始される。
まず、制御部1はキャリッジ6の移動を画像読取部5に開始させる(ステップ♯11)。そして、制御部1は、1ラインずつの読み取りを画像読取部5に行わせつつ、ラインセンサー63から出力されるアナログ画像信号に基づき、各ラインの画像データ(主走査ラインデータ80)を生成し、生成した各主走査ラインデータ80を記憶部2に記憶させる(ステップ♯12)。
具体的に、画像読取部5(ラインセンサー63)は、読取開始ラインから読み取りを開始する。ホームポジションから読取開始ラインまでの距離は予め定められている。キャリッジ6がホームポジションから読取開始ラインまでの距離を移動したとき、読取制御部50は、1ライン目の読み取りをラインセンサー63に行わせる。
図9を用いて、カードスキャンモードでの各ラインの読み取りでのランプの点灯の一例を説明する。まず、カードスキャンモードの場合、1ラインの読み取りでは、制御部1は、第1ランプ61と第2ランプ62のうち、何れかのみ点灯させる。
例えば、制御部1は、奇数番目のラインの読み取りでは、制御部1は、第1ランプ61(それぞれの第1光源61a)のみを点灯させる。また、制御部1は、偶数番目のラインの読み取りでは、制御部1は、第2ランプ62(それぞれの第2光源62a)のみを点灯させる。図9に示すように、1ライン目(最初のライン、読取開始ライン)の読み取りでは、制御部1は、第1ランプ61のみを点灯させる。次のラインでは、制御部1は、第2ランプ62のみを点灯させる。このように、第1ランプ61を点灯させて1ラインを読み取ったとき、次のラインの読み取りでは、制御部1は第2ランプ62を点灯させる。第2ランプ62を点灯させて1ラインを読み取ったとき、次のラインの読み取りでは、制御部1は第1ランプ61を点灯させる。制御部1は、第1ランプ61と第2ランプ62を交互に点灯して、各ラインの読み取りを行わせる。
なお、制御部1は、奇数番目のラインの読み取りでは、制御部1は、第2ランプ62のみを点灯させてもよい。この場合、制御部1は、偶数番目のラインの読み取りでは、制御部1は、第1ランプ61のみを点灯させる。
1ラインの読み取り期間中、制御部1は、第1ランプ61を点灯させて得られたラインの画像データ(主走査ラインデータ80)を第1画像データ81として、記憶部2(RAM21)に格納する。また、1ラインの読み取り期間中、制御部1は、第2ランプ62を点灯させて得られたラインの画像データ(主走査ラインデータ80)を第2画像データ82として、記憶部2(RAM21)に格納する。
やがて、カード読取範囲の読み取りが完了する(ステップ♯13)。その後、制御部1は、キャリッジ6をホームポジションに戻す(移動させる)(ステップ♯14)。そして、制御部1は、処理を終了する。キャリッジ6の帰路(復路)では、制御部1は、第1ランプ61、第2ランプ62を点灯させない。また、キャリッジ6の帰路(復路)では、制御部1は、ラインセンサー63に読み取りを行わせない。カードスキャンモードでも、原稿1面分のみの読み取りがなされる。
(原稿の端辺の位置の認識)
次に、図10〜図15を用いて、実施形態に係る複合機100での原稿の端辺の位置を認識する処理の一例を説明する。図10〜12は、実施形態に係る第1画像データ81を用いる処理の一例を示す図である。図13〜図15は、実施形態に係る第2画像データ82を用いる処理の一例を示す図である。
カードスキャンモードでは、小型の原稿がセットされる。通常、原稿は多少ずれた状態で原稿台5aにセットされる。主走査方向や副走査方向に対して、原稿の端辺は多少傾く。そこで、制御部1は、原稿の一方側端辺L1の位置と、他方側端辺L2の位置と、を認識する。認識結果に基づき、傾きを補正する。
一方側端辺L1は、副走査方向で向かい合う原稿の端辺のうち一方側の端辺である。一方側端辺L1は、副走査方向においてホームポジションに近い方の端辺である。なお、読み取り順で言えば、一方側端辺L1は、先に読み取られる部分(原稿の先端部分)の端辺である。キャリッジ6の進行方向でみれば、後側の端辺である。
他方側端辺L2は副走査方向で向かい合う原稿の端辺のうち他方側の端辺である。他方側端辺L2は、副走査方向においてホームポジションから遠い方の端辺である。また、読み取り順で言えば、他方側端辺L2は、後に読み取られる部分(原稿の後端部分)の端辺である。キャリッジ6の進行方向でみれば、前側の端辺である。
原稿が傾いてセットされることを考慮すると、一方側端辺L1とは、原稿の端辺を構成する直線であって、傾きを補正した場合に副走査方向で向かいあう端辺のうち副走査方向で一方側にある直線である。傾いた状態でいえば、一方側端辺L1は、副走査方向の成分よりも主走査方向の成分の方が多い2本の直線のうち、副走査方向で一方側にある直線といえる。また、他方側端辺L2とは、原稿の端辺を構成する直線であって、傾きを補正した場合に副走査方向で向かいあう端辺のうち副走査方向で他方側にある直線である。傾いた状態でいえば、他方側端辺L2は、副走査方向の成分よりも主走査方向の成分の方が多い2本の直線のうち、副走査方向で他方側にある直線といえる。
(1)一方側端辺L1の位置の認識
まず、一方側端辺L1の位置の認識の一例を説明する。一方側端辺L1の位置を認識する場合、制御部1は第1画像データ81を用いる。第1画像データ81は、第1ランプ61(読取ラインよりも他方側のランプ)のみの点灯で得られた画像データである。第1ランプ61のみを点灯させると、一方側端辺L1に影ができる。第1画像データ81では、一方側端辺L1が強調され、一方側端辺L1に該当する画素(一方側端辺L1を読み取った画素)が高濃度となる。第1画像データ81では一方側端辺L1が明確に現れる。一方側端辺L1の位置を認識する場合、制御部1は、第1画像データ81を用いて認識する。
図10は、原稿台5aの上側に原稿がセットされ、原稿押さえ部51(押さえ板52)が閉じられた状態を示す。原稿を示す部分は網掛けとしている。また、図10では、キャリッジ6(ラインセンサー63)の読取ラインの位置が原稿の一方側端辺L1の近くにある。図10に示すように、一方側端辺L1では、原稿の厚み(段差)によって影ができる。また、第1ランプ61の光の反射が乱れる。第1ランプ61から照射された光のうち、原稿で反射され、ラインセンサー63に入射する光が減る。そのため、第1画像データ81では、一方側端辺L1に該当する画素が高濃度になると考えられる。なお、第1ランプ61と第2ランプ62の両方を点灯させた場合、一方側端辺L1を読み取れないときがある。
図11、図12を用いて、一方側端辺L1(原稿の先端部分)の位置の認識の一例を説明する。図11のスタートは、原稿の読み取り開始に伴い、主走査ラインデータ80の生成が開始された時点である。制御部1は、第1画像データ81の蓄積を開始する(ステップ♯21)。第1ランプ61のみを点灯させた主走査ラインデータ80が新たに得られると、制御部1(画像データ生成回路11)は、新たな主走査ラインデータ80を第1画像データ81に追加する。第1ランプ61のみを点灯させた主走査ラインデータ80が新たに得られるごとに、制御部1は、主走査ラインデータ80を読み取り順に並べて、第1画像データ81を更新する。
制御部1(画像処理回路12)は、一方側端辺L1の位置を認識できたか否かの確認を続ける(ステップ♯22、ステップ♯22のNo→ステップ♯22)。認識できたとき(ステップ♯22のYes)、制御部1は処理(フローチャート)を終了する(エンド)。
次に、図12を用いて、一方側端辺L1の位置認識のアルゴリズムの一例を説明する。図12は、読み取り中(範囲の読取完了前)の第1画像データ81の一例を示す。また、図12は、主走査方向と副走査方向に対して、やや傾いた原稿を読み取って得られた第1画像データ81の一例を示す。図12に示すように、第1画像データ81では、一方側端辺L1に対応する画素が高濃度となる。なお、図12に示すように、一方側端辺L1とつながる別の辺の影も読み取られる。
制御部1(画像処理回路12)は、第1画像データ81について、主走査方向の1ラインごとに(主走査ラインデータ80ごとに)、高濃度画素を認識する。制御部1は、予め定められた閾値よりも濃い画素値の画素を高濃度画素と認識する。そして、2つ以上の高濃度画素を含む主走査ラインデータ80において、制御部1は、主走査方向において一方側の端にある高濃度画素と、他方側の端にある高濃度画素との幅(ドット数)を認識する。主走査方向で最も端にある高濃度画素は、原稿のエッジ(端辺)を示す。以下、主走査方向での両端の高濃度画素の幅を両端幅と称する。
図12に示すように、一方側端辺L1を読み取っている間、両端幅は次第に大きくなる(破線矢印で両端幅の例を図示)。副走査方向での一方側端辺L1の読み取りが終わると、両端幅が一定又はほぼ一定となる期間が続く(2点鎖線で両端幅の例を図示)。
制御部1は、片点灯画像データにおいて、隣り合う主走査ラインデータ80の両端幅の変化量を、主走査ラインデータ80ごとに求める。主走査ラインデータ80に2つ以上の高濃度画素を認識した後、変化量の絶対値が所定値以下である時間が一定期間続くと、制御部1は、一方側端辺L1の読み取りが完了したと判定する。例えば、一定期間は、副走査方向で数ミリ〜数センチ分のラインを読み取りに要する時間である。一方側端辺L1の読み取りが完了したと判定したとき、制御部1は現時点(判定時点)での第1画像データ81に存在する直線を検出する。制御部1は読み取り中に原稿の端辺を示す直線を検出する。例えば、制御部1は、ハフ変換処理を行って、直線を検出する。
例えば、制御部1は、直線の傾きの絶対値が最も大きい直線を一方側端辺L1と認識する。また、制御部1は、最も長い直線を一方側端辺L1と認識してもよい。これにより、制御部1は、一方側端辺L1を示す画素が主走査方向で何ライン目かを認識できる。また、制御部1は、一方側端辺L1を示す画素が副走査方向で何ライン目かを認識できる。つまり、制御部1は、一方側端辺L1を構成する各画素の座標を認識できる。また、一方側端辺L1の両端は、原稿の隅を示す。制御部1は、一方側端辺L1の両端の画素の位置(座標)を認識できる。
(2)原稿の他方側端辺L2の位置の認識
次に、他方側端辺L2の位置の認識の一例を説明する。他方側端辺L2の位置を認識する場合、制御部1は第2画像データ82を用いる。第2画像データ82は、第2ランプ62(読取ラインよりも他方側のランプ)のみの点灯で得られた画像データである。第2ランプ62のみを点灯させると、他方側端辺L2に影ができる。第2画像データ82では、他方側端辺L2が強調され、他方側端辺L2に該当する画素(他方側端辺L2を読み取った画素)が高濃度となる。第2画像データ82に他方側端辺L2が明確に現れる。他方側端辺L2の位置を認識する場合、制御部1は、第2画像データ82を用いて認識する。
図13は、原稿台5aの上側に原稿がセットされ、原稿押さえ部51(押さえ板52)が閉じられた状態を示す。原稿を示す部分は網掛けとしている。また、図13では、キャリッジ6(ラインセンサー63)の読取ラインの位置が他方側端辺L2の近くにある。図13に示すように、他方側端辺L2では、原稿の厚み(段差)によって、影ができる。また、第2ランプ62の光の反射が乱れる。第2ランプ62から照射された光のうち、原稿で反射され、ラインセンサー63に入射する光が減る。そのため、第2画像データ82では、他方側端辺L2に該当する画素が高濃度になると考えられる。なお、第1ランプ61と第2ランプ62の両方を点灯させた場合、他方側端辺L2は読み取られないときがある。
図14、図15を用いて、他方側端辺L2(原稿の先端部分)の位置の認識の一例を説明する。図14のスタートは、原稿の読み取り開始に伴い、主走査ラインデータ80の生成が開始された時点である。制御部1は、第2画像データ82の蓄積を開始する(ステップ♯31)。第2ランプ62のみを点灯させた主走査ラインデータ80が新たに得られると、制御部1(画像データ生成回路11)は、新たな主走査ラインデータ80を第2画像データ82に追加する。第2ランプ62のみを点灯させた主走査ラインデータ80が新たに得られるごとに、制御部1は、主走査ラインデータ80を読み取り順に並べて、第2画像データ82を更新する。
原稿の読み取りが完了すると、制御部1(画像処理回路12)は、他方側端辺L2の位置を認識する(ステップ♯32)。図15を用いて、他方側端辺L2の位置認識のアルゴリズムの一例を説明する。図15は、第2画像データ82の一例を示す。また、図15は、主走査方向と副走査方向に対して、やや傾いた原稿を読み取って得られた第2画像データ82の一例を示す。図15に示すように、第2画像データ82では、他方側端辺L2に対応する画素が高濃度となる。また、図15に示すように、他方側端辺L2とつながる別の辺の影も読み取られる。
制御部1(画像処理回路12)は第2画像データ82に存在する直線を検出する。つまり、制御部1は原稿の端辺を示す直線を検出する。例えば、制御部1は、ハフ変換処理を行って、直線を検出する。例えば、制御部1は、検出した直線のうち、直線の傾きが、一方側端辺L1と最も近い直線を、副走査方向での原稿の他方側端辺L2と認識する。
制御部1(画像処理回路12)は、他方側端辺L2を示す画素が主走査方向で何ライン目かを認識できる。また、制御部1は、他方側端辺L2を示す画素が副走査方向で何ライン目かを認識できる。つまり、制御部1は、他方側端辺L2を構成する各画素の座標を認識できる。また、他方側端辺L2の両端は、原稿の隅を示す。制御部1は、他方側端辺L2の両端の画素の位置(座標)を認識できる。
(ジョブ用読取画像データ9の生成)
次に、図16を用いて、実施形態に係る複合機100でのジョブ用読取画像データ9の生成の一例を説明する。図16、図17は、実施形態に係る複合機100でのジョブ用読取画像データ9の生成の一例を示す図である。
ジョブ用読取画像データ9は、カードスキャンモードでの読み取り後のジョブに用いる画像データである。複合機100では、カードスキャンモードで得られたジョブ用読取画像データ9に基づく印刷ジョブを行うことができる。また、送信ジョブ、保存ジョブを行うこともできる。操作パネル3は実行するジョブの種類の選択を受け付ける。送信ジョブを行う場合、操作パネル3はジョブ用読取画像データ9の宛先(送信先アドレス)の設定を受け付ける。制御部1は、設定された宛先に向けて、ジョブ用読取画像データ9に基づく画像ファイルを、通信部13に送信させる。保存ジョブを行う場合、操作パネル3はジョブ用読取画像データ9の保存場所の設定を受け付ける。制御部1は、ジョブ用読取画像データ9に基づく画像ファイルを、設定された保存場所(指定フォルダー)に保存する。
制御部1(画像処理回路12)は、第1画像データ81と第2画像データ82を合成して、ジョブに用いる画像データであるジョブ用読取画像データ9を生成する。図16、図17を用いて、ジョブ用読取画像データ9の生成を説明する。ジョブ用読取画像データ9を生成するとき、制御部1(画像処理回路12)は合成用画像データ9aを生成する。制御部1は、読み取り順に主走査ラインデータ80を並べた画像データを合成用画像データ9aとして生成する。新たに主走査ラインデータ80が生成されるごとに、制御部1は、合成用画像データ9aに主走査ラインデータ80を追加する。主走査ラインデータ80を並べるとき、合成用画像データ9aは、第1画像データ81と第2画像データ82をそれぞれ分解し、読み取り順に主走査ラインデータ80を並べた画像データとなる。図16の左側のブロックは、読取順に主走査ラインデータ80を並べた状態を示す。
制御部1(画像処理回路12)は、交互に並べた主走査ラインデータ80のうち、n番目の主走査ラインデータ80とn+1番目の主走査ラインデータ80を合成して、n番目の合成ラインデータ90を生成する。nは正の整数である。nの初期値は1である。nの最大値は、読み取ったライン数から1減じた数である。1ライン合成するごとに、制御部1は、nに1を加算する。制御部1は、交互に並べた主走査ラインデータ80の全てについて、合成ラインデータ90の生成を繰り返す。制御部1(画像処理回路12)は、生成順に、合成ラインデータ90を並べる。制御部1は、合成ラインデータ90を順番に並べた画像データを、ジョブ用読取画像データ9とする。
図17を用いて主走査ラインデータ80の合成を説明する。合成ラインデータ90を生成するとき、制御部1(画像処理回路12)は2本の主走査ラインデータ80の主走査方向で同じ位置の画素の画素値を読み出す。図17は、n番目のラインの1番目の画素の画素値と、(n+1)番目のラインの1番目の画素の画素値を読み出している状態を示す。
制御部1(画像処理回路12)は、読み出した2つの画素値の平均値を求める。制御部1は、主走査方向で同じ位置の画素の画素値を平均する。制御部1は、求めた平均値を合成ラインデータ90の各画素の画素値とする。まとめると、制御部1は、n番目の主走査ラインデータ80において、主走査方向でm番目の画素の画素値と、(n+1)番目の主走査ラインデータ80において、主走査方向でm番目の画素の画素値と、の平均を求める。制御部1は、n番目の合成ラインデータ90のm番目の画素の画素値を求めた平均値とする。mは1以上の整数である。mの最大値は、主走査方向のドット数である。
(傾きの補正)
次に、図18を用いて、実施形態に係るジョブ用読取画像データ9での傾きの補正の一例を説明する。図18は、実施形態に係るジョブ用読取画像データ9での傾きの補正の一例を示す図である。
制御部1(画像処理回路12)は、生成したジョブ用読取画像データ9について、傾き補正処理を行う。傾き補正処理では、まず、制御部1は、ジョブ用読取画像データ9のうちの原稿の端辺部分D1を認識する。制御部1は、一方側端辺L1の両端の画素の位置を認識している。制御部1は、この両端の画素を結ぶ直線上の画素を、原稿の端辺部分D1と認識する。また、制御部1は、他方側端辺L2の両端の画素の位置を認識している。制御部1は、この両端の画素を結ぶ直線上の画素も、原稿の端辺部分D1と認識する。
また、制御部1(画像処理回路12)は、一方側端辺L1の上端の画素と、他方側端辺L2の上端の画素を結ぶ直線上の画素を、原稿の端辺部分D1と認識する。さらに、制御部1(画像処理回路12)は、一方側端辺L1の下端の画素と、他方側端辺L2の下端の画素を結ぶ直線上の画素を、原稿の端辺部分D1と認識する。これらの処理により、制御部1は、四角形(矩形)の枠線を原稿の端辺部分D1と認識する。
そして、制御部1(画像処理回路12)は、端辺部分D1に沿って、原稿部分D2(端辺部分D1で囲われた部分)の画像データをクロップする(くり抜く)。なお、制御部1は、原稿部分D2の中心を円の中心とし、原稿部分D2の4隅と内接する円の範囲をクロップしてもよい。次に、制御部1は、クロップした原稿部分D2の画像データを回転させる。制御部1は、クロップした原稿部分D2の画像データの中心を回転軸とする。副走査方向をX軸、主走査方向をY軸とする場合、一方側端辺L1の傾きが正のとき、制御部1は、反時計方向に回転させる。一方側端辺L1の傾きが負のとき、制御部1は、時計方向に回転させる。また、一方側端辺L1又は他方側端辺L2の傾きに基づき、制御部1は、回転角度を定める(アークタンジェントの演算)。
制御部1(画像処理回路12)は、定めた回転角度で、定めた回転方向に、クロップした画像を回転させる。そして、制御部1は、回転後の画像データをジョブ用読取画像データ9に貼り付ける。制御部1は、回転前の画像データの中心と回転後の画像データの中心が一致するように、回転後の画像データを貼り付ける。
図18は、回転による原稿の画像の傾きの補正の一例を示す。制御部1(画像処理回路12)は、原稿の内容が見やすくなるように、ジョブ用読取画像データ9を補正できる。
このようにして、実施形態に係る画像読取装置(複合機100)は、原稿台5a、キャリッジ6、移動機構7、ラインセンサー63、制御部1を含む。原稿台5aは、原稿がセットされる。キャリッジ6は、第1ランプ61と第2ランプ62を含む。移動機構7は、原稿の読取開始に伴い、原稿台5aの副走査方向で向かい合う辺の一方側から他方側の辺に向けて、副走査方向でキャリッジ6を移動させる。ラインセンサー63は、反射された第1ランプ61と第2ランプ62の光に基づいて原稿の読み取りを行う。第1ランプ61と第2ランプ62は、副走査方向で並べて設けられる。第1ランプ61は、点灯したとき、原稿台5a及びセットされた原稿に向けて、主走査方向に沿って光を照射する。第1ランプ61は、副走査方向において、第2ランプ62及びラインセンサー63の読取ラインの位置よりも他方側に設けられる。第2ランプ62は、点灯したとき、原稿台5a及びセットされた原稿に向けて、主走査方向に沿って光を照射する。第2ランプ62は、副走査方向において、第1ランプ61及び読取ラインの位置よりも一方側に設けられる。制御部1は、1ラインの読み取り中、第1ランプ61と第2ランプ62の何れか一方のみを点灯させる。第1ランプ61を点灯させて読み取った画像データである第1画像データ81に基づき、制御部1は、一方側端辺L1の位置を認識する。第2ランプ62を点灯させて読み取った画像データである第2画像データ82に基づき、制御部1は、他方側端辺L2の位置を認識する。制御部1は、第1画像データ81と第2画像データ82を合成して、ジョブに用いる画像データであるジョブ用読取画像データ9を生成する。一方側端辺L1は副走査方向で向かい合う原稿の端辺のうち一方側の端辺である。他方側端辺L2は副走査方向で向かい合う原稿の端辺のうち他方側の端辺である。
第1ランプ61のみを点灯した場合、副走査方向の一方側端辺L1の影を強調した画像データを得ることができる。第1ランプ61のみを点灯させた画像データ(第1画像データ81)に基づき判定するので、原稿の一方側端辺L1(エッジ)の位置を正確に認識することができる。また、第2ランプ62のみを点灯した場合、原稿の他方側端辺L2の影を強調した画像データを得ることができる。第2ランプ62のみを点灯させた画像データ(第2画像データ82)に基づいて判定するので、原稿の他方側端辺L2(エッジ)の位置を正確に認識することができる。
また、原稿1面分の走査だけで、原稿の端辺の位置を認識しつつ、ジョブに用いる画像データも得ることができる。従来のようにプレスキャンと原稿読み取りを別々に行う必要がない。言い換えると、原稿を複数面分、走査する必要がない。1枚の原稿の画像データの取得に要する時間を短くすることができる。しかも、1ラインの読み取りでの読み取り回数は増えないので、読み取り速度は低下しない。原稿の端辺(エッジ)の位置を検知する場合、従来よりも1枚の原稿の画像データの取得に要する時間を短くすることができる。
第1ランプ61を点灯させて1ラインを読み取ったとき、制御部1は次のラインの読み取りでは第2ランプ62を点灯させる。第2ランプ62を点灯させて1ラインを読み取ったとき、制御部1は次のラインの読み取りでは第1ランプ61を点灯させる。1ラインごとに、第1ランプ61と第2ランプ62を交互に点灯させて原稿を読み取ることができる。第1ランプ61と第2ランプ62を交互に点灯させた画像データを得ることができる。
制御部1は、第1画像データ81と第2画像データ82を用いて、読み取り順に主走査方向のラインの画像データである主走査ラインデータ80を並べる。制御部1は、交互に並べた主走査ラインデータ80のうち、n番目の主走査ラインデータ80と(n+1)番目の主走査ラインデータ80を合成してn番目の合成ラインデータ90を生成する。制御部1は、並べた主走査ラインデータ80の全てについて合成ラインデータ90の生成を繰り返す。制御部1は、生成した合成ラインデータ90を順番に並べた画像データをジョブ用読取画像データ9とする。nは正の整数である。第1画像データ81のみ、又は、第2画像データ82のみをジョブ用読取画像データ9とはしない。第1画像データ81と第2画像データ82を合成して、ジョブ用読取画像データ9を得ることができる。十分な解像度のジョブ用読取画像データ9を得ることができる。また、第1ランプ61の照射特性と第2ランプ62の照射特性に多少の差があっても、単に読み取り順に主走査ラインデータ80を並べる場合に比べ、照射特性差の影響の少ないジョブ用読取画像データ9を得ることができる。合成するので、主走査ラインデータ80を単純に読み取り順に並べる場合にくらべ、特性差による縞状の模様が現れ難い。
合成ラインデータ90を生成するとき、制御部1は、2本の主走査ラインデータ80の主走査方向で同じ位置の画素の画素値の平均値を合成ラインデータ90の主走査方向で同じ位置の画素の画素値とする。2辺の主走査ラインデータ80の画素値の平均を取って得られたラインデータを合成ラインデータ90とすることができる。第1ランプ61と第2ランプ62の照射特性差の影響が少なく、画質の高いジョブ用読取画像データ9を得ることができる。
認識した一方側端辺L1の位置と他方側端辺L2の位置に基づき、制御部1は、ジョブ用読取画像データ9のうちの原稿の端辺部分D1を認識する。認識した端辺部分D1に基づき、制御部1は、ジョブ用読取画像データ9の原稿部分D2を回転させて、原稿の傾きを補正する。正確な端辺部分D1(エッジ)の判定結果に基づき、原稿の傾きを正確に補正することができる。セットされた原稿が傾いていても、ジョブ用読取画像データ9において、原稿部分D2の画像の傾きを自動的に補正することができる。
第1ランプ61と第2ランプ62は、白色光源を含む。制御部1は、モノクロの第1画像データ81、モノクロの第2画像データ82、モノクロのジョブ用読取画像データ9を生成する。原稿の端辺の位置を検知しつつ、高速にモノクロのジョブ用画像データを得ることができる。
本発明の実施形態を説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。例えば、上記の説明では、1つのラインセンサー63を含む例を説明した。しかし、キャリッジ6は、R、G、Bの3色分のラインセンサー63を備えてもよい。この場合、カラーの画像データを得ることができる。また、キャリッジ6が含むラインセンサー63は4本以上でもよい。
本発明は画像読取装置に利用可能である。
100 複合機(画像読取装置) 1 制御部
5a 原稿台 6 キャリッジ
61 第1ランプ 62 第2ランプ
63 ラインセンサー 7 移動機構
80 主走査ラインデータ 81 第1画像データ
82 第2画像データ 9 ジョブ用読取画像データ
D1 端辺部分 D2 原稿部分
L1 一方側端辺 L2 他方側端辺

Claims (6)

  1. 原稿がセットされる原稿台と、
    第1ランプと第2ランプを含むキャリッジと、
    前記原稿の読取開始に伴い、前記原稿台の副走査方向で向かい合う辺の一方側から他方側の辺に向けて、前記副走査方向で前記キャリッジを移動させる移動機構と、
    反射された前記第1ランプと前記第2ランプの光に基づいて前記原稿の読み取りを行うラインセンサーと、
    制御部と、を含み、
    前記第1ランプと前記第2ランプは、前記副走査方向で並べて設けられ、
    前記第1ランプは、
    点灯したとき、前記原稿台及びセットされた前記原稿に向けて、主走査方向に沿って光を照射し、
    前記副走査方向において、前記第2ランプ及び前記ラインセンサーの読取ラインの位置よりも前記他方側に設けられ、
    前記第2ランプは、
    点灯したとき、前記原稿台及びセットされた前記原稿に向けて、前記主走査方向に沿って光を照射し、
    前記副走査方向において、前記第1ランプ及び前記読取ラインの位置よりも前記一方側に設けられ、
    前記制御部は、
    1ラインの読み取り中、前記第1ランプと前記第2ランプの何れか一方のみを点灯させ、
    前記第1ランプを点灯させて読み取った画像データである第1画像データに基づき、一方側端辺の位置を認識し、
    前記第2ランプを点灯させて読み取った画像データである第2画像データに基づき、他方側端辺の位置を認識し、
    前記第1画像データと前記第2画像データを合成して、ジョブに用いる画像データであるジョブ用読取画像データを生成し、
    前記一方側端辺は前記副走査方向で向かい合う前記原稿の端辺のうち前記一方側の端辺であり、
    前記他方側端辺は前記副走査方向で向かい合う前記原稿の端辺のうち前記他方側の端辺であることを特徴とする画像読取装置。
  2. 前記制御部は、
    前記第1ランプを点灯させて1ラインを読み取ったとき、次のラインの読み取りでは前記第2ランプを点灯させ、
    前記第2ランプを点灯させて1ラインを読み取ったとき、次のラインの読み取りでは前記第1ランプを点灯させることを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
  3. 前記制御部は、
    前記第1画像データと前記第2画像データを用いて、読み取り順に前記主走査方向のラインの画像データである主走査ラインデータを並べ、
    交互に並べた前記主走査ラインデータのうち、n番目の前記主走査ラインデータと(n+1)番目の前記主走査ラインデータを合成してn番目の合成ラインデータを生成し、
    並べた前記主走査ラインデータの全てについて前記合成ラインデータの生成を繰り返し、
    生成した前記合成ラインデータを順番に並べた画像データを前記ジョブ用読取画像データとし、
    nは正の整数であることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像読取装置。
  4. 前記合成ラインデータを生成するとき、前記制御部は、2本の前記主走査ラインデータの前記主走査方向で同じ位置の画素の画素値の平均値を、前記合成ラインデータの前記主走査方向で同じ位置の画素の画素値とすることを特徴とする請求項3に記載の画像読取装置。
  5. 前記制御部は、
    認識した前記一方側端辺の位置と前記他方側端辺の位置に基づき、前記ジョブ用読取画像データのうちの前記原稿の端辺部分を認識し、
    認識した前記端辺部分に基づき、前記ジョブ用読取画像データの原稿部分を回転させて、前記原稿の傾きを補正することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の画像読取装置。
  6. 前記第1ランプと前記第2ランプは、白色光源を含み、
    前記制御部は、
    モノクロの前記第1画像データ、モノクロの前記第2画像データ、モノクロの前記ジョブ用読取画像データを生成することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の画像読取装置。
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