JP2021066877A - 金属との接合用ポリアミド樹脂組成物およびその製造方法ならびに該ポリアミド樹脂組成物を含む成形体と金属からなる異種複合成形体 - Google Patents

金属との接合用ポリアミド樹脂組成物およびその製造方法ならびに該ポリアミド樹脂組成物を含む成形体と金属からなる異種複合成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】従来の熱可塑性樹脂を含む成形体に比べて、金属との接合強度が高く、高温高湿の過酷な環境下でもその強度が低下し難く、さらに金属との接合界面での気密性にも優れた成形体を形成することができる、金属との接合用ポリアミド樹脂組成物を提供すること。【解決手段】レーザ照射により表面の少なくとも一部に金属粉の焼結層または融着層を形成させた金属との接合用ポリアミド樹脂組成物であって、ポリアミド樹脂(A)100質量部に対して、平均繊維径が10μm以下のセルロース繊維(B)を0.1〜50質量部含有する、ポリアミド樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、接合強度が高く、高温高湿の過酷な環境下でもその強度が低下し難く、さらに接合界面での気密性にも優れた、金属との接合用ポリアミド樹脂組成物およびその製造方法ならびに該ポリアミド樹脂組成物を含む成形体と金属からなる異種複合成形体に関するものである。
近年、各種部品の軽量化の観点から、金属代替品として樹脂成形体が期待されている。しかし、強度面などの観点から、すべての金属部品を樹脂で代替することは難しいケースも多い。そこで、金属成形体と樹脂成形体を接合一体化することで新たな複合部品を製造する試みがなされている。
特許文献1および2には、金属基板表面に金属粉末による重畳的微細粒子構造を形成し、その金属基板と樹脂とをプレス成形または超音波溶着する方法が記載されている。特許文献3には、アルカリ性または酸性溶液で処理した後シランカップリング剤で処理した金属を、射出成形用金型に挿入し、インサート成形する方法が記載されている。
特開2017−190521号公報 特開2016−130003号公報 特開2003−103562号公報
しかしながら、いずれの文献も、金属表面の改質のみに着目したものであり、接合させる樹脂の組成が接合強度に与える影響については検討されていない。さらなる接合強度の向上には、樹脂組成の設計が必要不可欠となる。詳しくは、従来の技術においては、金属と樹脂成形体との接合強度が比較的低く、過酷な使用環境下において当該接合強度が著しく低下した。さらに樹脂成形体と金属との接合界面での気密性が比較的低いことがあった。このような問題は、金属と樹脂とを、プレス成形、超音波溶着、振動溶着、摩擦混合撹拌溶着またはレーザ溶着する場合、および金属を金型に挿入し、インサート成形する場合のいずれの場合においても生じた。
本発明は、前記の問題点を解決しようとするものであり、従来の熱可塑性樹脂を含む成形体に比べて、金属との接合強度が高く、高温高湿の過酷な環境下でもその強度が低下し難く、さらに金属との接合界面での気密性にも優れた成形体を形成することができる、金属との接合用ポリアミド樹脂組成物およびその樹脂組成物を含む成形体と金属からなる異種複合成形体を提供することを目的とするものである。
本発明において、高温高湿の過酷な環境下における接合強度の低下のし難さのことを「耐湿熱性」、樹脂成形体と金属との接合界面での気密性のことを「ガス封止性」とそれぞれ定義する。
また、本発明において、金属と樹脂成形体とを後述する接合方法または成形方法で複合一体化させた成形物のことを「異種複合成形体」と定義する。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ポリアミド樹脂の重合時に特定のセルロース繊維を配合した樹脂組成物を用いることにより上記目的が達成されることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の要旨は、下記の通りである。
<1> レーザ照射により表面の少なくとも一部に金属粉の焼結層または融着層を形成させた金属との接合用ポリアミド樹脂組成物であって、
ポリアミド樹脂(A)100質量部に対して、平均繊維径が10μm以下のセルロース繊維(B)を0.1〜50質量部含有する、ポリアミド樹脂組成物。
<2> 前記セルロース繊維(B)が、未変性のセルロース繊維であるか、またはセルロース由来の水酸基が親水性または疎水性の置換基で変性された変性セルロース繊維である、<1>に記載のポリアミド樹脂組成物。
<3> さらに、ポリアミド樹脂(A)100質量部に対して、セルロース繊維以外の他の強化材(C)を0.1〜50質量部含有する、<1>または<2>に記載のポリアミド樹脂組成物。
<4> 前記他の強化材(C)が、ガラス繊維、炭素繊維、タルクおよびマイカからなる群から選択される1種以上の強化材である、<3>に記載のポリアミド樹脂組成物。
<5> 前記セルロース繊維(B)の平均繊維径が10〜300nmである、<1>〜<4>のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
<6> 前記ポリアミド樹脂(A)がポリアミド6を含み、
前記セルロース繊維(B)が未変性のセルロース繊維であり、
前記セルロース繊維(B)の含有量が4〜18質量部であり、
前記セルロース繊維(B)の平均繊維径が10〜100nmであり、
前記ポリアミド樹脂組成物の相対粘度が1.5〜2.8である、<1>〜<5>のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
<7> <1>〜<6>のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物を製造するための方法であって、
ポリアミド樹脂の重合時にセルロース繊維を添加する、ポリアミド樹脂組成物の製造方法。
<8> <1>〜<6>のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物を含む成形体および該成形体に接合された金属を含み、
前記金属がレーザ照射により表面の少なくとも一部に金属粉の焼結層または融着層を形成させた金属である、異種複合成形体。
<9> 前記焼結層または融着層が0.05μm〜400μmの算術平均表面粗さを有する、<8>に記載の異種複合成形体。
<10> 前記焼結層または融着層が1〜500μmの厚みを有する、<8>または<9>に記載の異種複合成形体。
<11> 前記焼結層または融着層が0.001〜10mg/mmの単位重量を有する、<8>〜<10>のいずれかに記載の異種複合成形体。
<12> 前記金属粉が1〜300μmの平均粒子径を有する、<8>〜<11>のいずれかに記載の異種複合成形体。
<13> 前記金属が、前記焼結層または融着層を介して、前記ポリアミド樹脂組成物を含む成形体と接合されている、<8>〜<12>のいずれかに記載の異種複合成形体。
<14> 前記焼結層または融着層の空隙に、溶融した前記ポリアミド樹脂組成物を含む成形体が入り込むことにより、前記金属が前記成形体と接合されている、<8>〜<13>のいずれかに記載の異種複合成形体。
<15> <1>〜<6>のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物およびレーザ照射により表面の少なくとも一部に金属粉の焼結層または融着層を形成させた金属を用いる、異種複合成形体の製造方法。
<16> 金型に前記金属を挿入し、溶融した前記ポリアミド樹脂組成物を注入するインサート成形を行う、<15>に記載の異種複合成形体の製造方法。
<17> 前記金属は、前記焼結層または融着層の少なくとも一部が前記溶融したポリアミド樹脂組成物と接触するように、挿入されている、<16>に記載の異種複合成形体の製造方法。
<18> 前記ポリアミド樹脂組成物を含む成形体と前記金属とを重ね合わせ、熱および圧を付与する圧熱型接合方法により接合を行う、<15>に記載の異種複合成形体の製造方法。
<19> 前記金属は、前記焼結層または融着層の少なくとも一部が前記成形体と接触するように、重ね合わされている、<18>に記載の異種複合成形体の製造方法。
<20>前記圧熱型接合方法が、熱プレス法、超音波溶着法、振動溶着法、摩擦混合撹拌溶着法およびレーザ溶着法からなる群から選択される方法である、<18>または<19>に記載の異種複合成形体の製造方法。
本発明によれば、従来の熱可塑性樹脂組成物成形体に比べて、金属との接合強度が高く、過酷な使用環境下においてもその強度が低下し難く、さらに金属との接合界面での気密性にも優れた成形体を形成することができる、金属との接合用ポリアミド樹脂組成物およびその樹脂組成物を含む成形体と金属からなる異種複合成形体を提供することができる。
実施例で使用した金属基材の模式的平面図を示す。 (a)は実施例で使用したガス封止性評価用の複合体の模式的平面図を示し、(b)は(a)の複合体の模式的断面図を示す。 実施例におけるガス封止性の評価方法を説明するための模式的構成図を示す。
[ポリアミド樹脂組成物]
本発明の金属との接合用ポリアミド樹脂組成物(以下、単に「樹脂組成物」ということがある)は、ポリアミド樹脂に対して、平均繊維径が10μm以下であるセルロース繊維を含有する。
本発明に用いるポリアミド樹脂とは、アミノ酸、ラクタムまたはジアミンとジカルボン酸とから形成されるアミド結合を有する重合体のことである。
アミノ酸としては、例えば、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、パラアミノメチル安息香酸が挙げられる。
ラクタムとしては、例えば、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタムが挙げられる。
ジアミンとしては、例えば、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、2,4−ジメチルオクタメチレンジアミン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、3,8−ビス(アミノメチル)トリシクロデカン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノプロピル)ピペラジンが挙げられる。
ジカルボン酸としては、例えば、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、2−クロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、5−メチルイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ジグリコール酸が挙げられる。
本発明で用いるポリアミド樹脂の具体例としては、ポリカプロアミド(ポリアミド6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ポリアミド46)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ポリアミド66)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ポリアミド610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ポリアミド612)、ポリウンデカメチレンアジパミド(ポリアミド116)、ポリウンデカンアミド(ポリアミド11)、ポリドデカンアミド(ポリアミド12)、ポリトリメチルヘキサメチレンテレフタルアミド(ポリアミドTMHT)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド(ポリアミド6T)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ポリアミド6I)、ポリヘキサメチレンテレフタル/イソフタルアミド(ポリアミド6T/6I)、ポリビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド(ポリアミドPACM12)、ポリビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド(ポリアミドジメチルPACM12)、ポリメタキシリレンアジパミド(ポリアミドMXD6)、ポリノナメチレンテレフタルアミド(ポリアミド9T)、ポリデカメチレンテレフタルアミド(ポリアミド10T)、ポリウンデカメチレンテレフタルアミド(ポリアミド11T)、ポリウンデカメチレンヘキサヒドロテレフタルアミド(ポリアミド11T(H))が挙げられ、これらの共重合体や混合物であってもよい。中でも、接合強度のさらなる向上の観点から、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド11、ポリアミド12、およびこれらの共重合体や混合物が好ましい。ポリアミド樹脂は、接合強度、耐湿熱性およびガス封止性のさらなる向上の観点から、ポリアミド6が好ましい。
上記ポリアミド樹脂は、後述する重合法で、または、さらに後述する重合法と固相重合法を併用して製造される。ポリアミド樹脂の分子量は特に限定されず、例えば、後述のように樹脂組成物が特定の相対粘度を有するような分子量であってよい。
本発明に用いるセルロース繊維としては、例えば、木材、稲、綿、麻、ケナフ等の植物に由来するものの他にバクテリアセルロース、バロニアセルロース、ホヤセルロース等の生物由来のものも含まれる。また、再生セルロース、セルロース誘導体も含まれる。植物由来のセルロース繊維の市販品として、例えば、ダイセルファインケム社製の「セリッシュ」が挙げられる。
本発明において、セルロース繊維の平均繊維径はできる限り小さい方が望ましい。セルロース繊維の平均繊維径が小さいほど、セルロース繊維が金属表面への微細構造へ入り込み、異種複合成形体の接合剪断強度は高くなる。
本発明のポリアミド樹脂組成物中に含有されるセルロース繊維は、平均繊維径が10μm以下であることが必要であり、異種複合成形体の接合強度、耐湿熱性およびガス封止性のさらなる向上の観点から、中でも平均繊維径は500nm以下であることが好ましく、300nm以下であることがより好ましく、150nm以下であることがさらに好ましく、100nm以下であることが特に好ましい。平均繊維径が10μmを超えるセルロース繊維では、異種複合成形体の接合強度およびガス封止性が大きく損なわれてしまう。平均繊維径の下限は特に限定するものではないが、セルロース繊維の生産性、異種複合成形体の接合強度、耐湿熱性およびガス封止性を考慮すると3nm以上(特に10nm以上)とすることが好ましく、20nm以上とすることがより好ましい。
ポリアミド樹脂組成物中のセルロース繊維の平均繊維径は、以下の方法で測定された平均繊維径を用いている。
ポリアミド樹脂組成物を用いて得られた射出成形片から、凍結ウルトラミクロトームを用いて厚さ100nmの切片を採取し、切片染色を実施後、透過型電子顕微鏡(日本電子社製JEM−1230)を用いて観察をおこなう。電子顕微鏡画像から任意の10本のセルロース繊維(単繊維)の長手方向に対する垂直方向の長さを測定し、これらの平均値を平均繊維径とする。
本発明のポリアミド樹脂組成物中のセルロース繊維の平均繊維径を10μm以下とするためには、ポリアミド樹脂に配合するセルロース繊維として、平均繊維径が10μm以下のものを用いることが好ましい。このような平均繊維径が10μm以下のセルロース繊維としては、セルロース繊維を引き裂くことによってミクロフィブリル化したものが好ましい。ミクロフィブリル化する手段としては、ボールミル、石臼粉砕機、高圧ホモジナイザー、高圧粉砕装置、ミキサー等の各種粉砕装置を用いることができる。セルロース繊維としては、市販されているものとして、例えば、ダイセルファインケム社製の「セリッシュ」を用いることができる。
平均繊維径が10μm以下のセルロース繊維として、セルロース繊維を用いた繊維製品の製造工程において、屑糸として出されたセルロース繊維の集合体を用いることもできる。繊維製品の製造工程とは紡績時、織布時、不織布製造時、その他、繊維製品の加工時等が挙げられる。これらのセルロース繊維の集合体は、セルロース繊維がこれらの工程を経た後に屑糸となったものであるため、セルロース繊維が微細化したものとなっている。
また、平均繊維径が10μm以下のセルロース繊維として、バクテリアが産出するバクテリアセルロース繊維を用いることもでき、例えば、アセトバクター族の酢酸菌を生産菌として産出されたものを用いることができる。植物のセルロース繊維は、セルロースの分子鎖が収束したもので、非常に細いミクロフィブリルが束になって形成されているものであるのに対し、酢酸菌より産出されたセルロース繊維はもともと幅20〜50nmのリボン状であり、植物のセルロース繊維と比較すると極めて細い網目状を形成している。
セルロース繊維は、セルロース由来の水酸基がいかなる置換基によっても変性されていない未変性のセルロース繊維であってもよいし、またはセルロース由来の水酸基(特にその一部)が変性(または置換)された変性セルロース繊維であってもよい。セルロース由来の水酸基に導入される置換基としては特に限定されず、例えば、親水性の置換基、疎水性の置換基が挙げられる。変性セルロース繊維において、置換基により変性(または置換)される水酸基は、セルロース由来の水酸基のうちの一部であり、その置換度(セルロース繊維中の全体の水酸基のうち、置換基により変性される水酸基の個数の割合)としては、例えば、0.05〜2.0が好ましく、0.1〜1.0がより好ましく、0.1〜0.8がさらに好ましい。親水性の置換基としては、例えば、カルボキシル基、カルボキシメチル基、リン酸エステル基等が挙げられる。疎水性の置換基としては、例えば、シリルエーテル基、アルキルエーテル基、アルキルエステル基等が挙げられる。
セルロース繊維は、異種複合成形体の接合強度、耐湿熱性およびガス封止性のさらなる向上の観点から、未変性のセルロース繊維であるか、または、セルロース由来の水酸基(特にその一部)が親水性または疎水性の置換基で変性された変性セルロース繊維であることが好ましく、より好ましくは当該未変性のセルロース繊維である。
セルロース由来の水酸基が親水性の置換基で変性された、平均繊維径が10μm以下のセルロース繊維として、例えば、N−オキシル化合物の存在下にセルロース繊維を酸化させた後に、水洗、物理的解繊工程を経ることにより得られる、微細化されたセルロース繊維を用いてもよい。N−オキシル化合物としては各種あるが、例えば、Cellulose(1998)5,153−164に記載されているような2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシルラジカル(2,2,6,6−Tetramethylpiperidine−1−oxyl radical)(以下、「TEMPO」と略称する。)等が好ましい。TEMPOにより、水酸基がカルボキシル基により置換される。
セルロース由来の水酸基が疎水性の置換基で変性されたセルロース繊維として、例えば、溶媒中、セルロース繊維にシリルエーテル化剤を35〜50℃で反応させることにより得られるセルロース繊維を用いてもよい。シリルエーテル化剤としては各種あるが、例えば、ヘキサメチルジシラザン等が好ましい。ヘキサメチルジシラザンにより、水酸基がシリルエーテル基により置換される。
本発明のポリアミド樹脂組成物中のセルロース繊維は、平均繊維径と平均繊維長との比であるアスペクト比(平均繊維長/平均繊維径)が10以上であることが好ましく、50以上であることがより好ましく、100以上であることがさらに好ましい。アスペクト比が10以上であることにより、得られる異種複合成形体の接合強度は高くなる。
本発明のポリアミド樹脂組成物を構成するセルロース繊維の含有量は、ポリアミド樹脂100質量部に対して、0.1〜50質量部であることが必要であり、異種複合成形体の接合強度、耐湿熱性およびガス封止性のさらなる向上の観点から、0.1〜30質量部であることが好ましく、1〜25質量部であることがより好ましく、3〜20質量部であることがさらに好ましく、4〜18質量部であることが特に好ましく、5〜10質量部であることが最も好ましい。セルロース繊維の含有量がポリアミド樹脂100質量部に対して0.1質量部未満である場合は、十分な接合強度、耐湿熱性およびガス封止性を得ることができない。一方、セルロース繊維の含有量がポリアミド樹脂100質量部に対して50質量部を超える場合は、セルロース繊維を樹脂組成物中に含有させることが困難となり、また溶融樹脂の流動性が悪化するため樹脂組成物の成形性が低下する場合がある。
本発明における金属との接合用ポリアミド樹脂組成物は、さらにセルロース繊維以外の他の強化材(以下、単に「他の強化材」ということがある)を含有してもよい。前記強化材としては、繊維状強化材や粒子状強化材が挙げられる。
繊維状強化材としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、ボロン繊維、アスベスト繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、全芳香族ポリアミド繊維、ポリベンズオキサゾール繊維、ケナフ繊維、竹繊維、麻繊維、バガス繊維、高強度ポリエチレン繊維、アルミナ繊維、炭化ケイ素繊維、チタン酸カリウム繊維、黄銅繊維、ステンレス繊維、スチール繊維、セラミックス繊維、玄武岩繊維が挙げられる。中でも、機械特性(特に曲げ特性)の向上効果がより高く、ポリアミド樹脂との溶融混練時の加熱温度に耐え得る耐熱性を有し、入手しやすいことから、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維が好ましい。金属繊維としては、例えば、チタン酸カリウム繊維、黄銅繊維、ステンレス繊維、スチール繊維が挙げられる。
ガラス繊維、炭素繊維を用いる場合、シランカップリング剤で表面処理されていることが好ましい。シランカップリング剤としては、例えば、ビニルシラン系、アクリルシラン系、エポキシシラン系、アミノシラン系が挙げられる。中でも、ポリアミド樹脂との密着効果が高いことから、アミノシラン系カップリング剤が好ましい。
セルロース繊維以外の他の強化材(特に繊維状強化材)の繊維長は、異種複合成形体の接合強度のさらなる向上ならびに成形性の向上の観点から、0.1〜10mmであることが好ましく、0.5〜8mmであることがより好ましい。また、前記強化材の繊維径は、接合強度のさらなる向上、ならびに溶融混練時の破損の防止の観点から、3〜20μmであることが好ましく、5〜13μmであることがより好ましい。前記強化材の断面形状は、円形断面、長方形、楕円、その他の異形断面いずれであってもよいが、中でも、円形断面が好ましい。
繊維状強化材の繊維長は、以下の方法で測定された平均繊維長を用いている。繊維の長さを光学顕微鏡によって観察し、繊維の長さを測定する。そして、この測定を繊維100本について行い、その平均値を繊維強化材の平均繊維長とする。
繊維状強化材の繊維径は、断面形状における最大長の平均値であり、以下の方法で測定された平均繊維径を用いている。繊維の長さ方向に直交する断面を光学顕微鏡によって観察し、繊維の直径を測定する。そして、この測定を繊維100本について行い、その平均値を繊維強化材の平均繊維径とする。
粒子状強化材としては、例えば、タルク、マイカ、層状珪酸塩、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、ワラストナイト、シリカ、ケイ酸カルシウム、黒鉛、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カルシウム、アルミノ珪酸ナトリウム、珪酸マグネシウム、ガラスバルーン、三酸化アンチモン、ゼオライト、ハイドロタルサイトが挙げられる。中でも、異種複合成形体の接合強度のさらなる向上、ならびに耐熱性の向上の観点から、タルク、マイカ、層状珪酸塩が好ましい。
粒状強化材の粒子径は、異種複合成形体の接合強度のさらなる向上の観点から、0.1〜100μmであることが好ましく、0.5〜80μmであることがより好ましく、0.5〜10μmであることがさらに好ましい。
粒状強化材の粒子径は、以下の方法で測定された平均粒子径を用いている。島津製作所製粉体比表面積測定装置SS−100型(恒圧式空気透過法)を用いて粒子1gあたりの比表面積値を求め、JIS M−8511に準じた空気透過法による比表面積の測定結果から、下記式により粒状強化材の平均粒子径を計算する。
平均粒子径=6×10,000/(比重×比重面積)
他の強化材は、異種複合成形体の接合強度のさらなる向上の観点から、ガラス繊維、炭素繊維、タルクおよびマイカからなる群から選択される1種以上の強化材を含むことが好ましい。
本発明のポリアミド樹脂組成物において、さらにセルロース繊維以外の他の強化材を用いる場合、その含有量は、異種複合成形体の接合強度のさらなる向上の観点から、ポリアミド樹脂100質量部に対して0.1〜50質量部とすることが好ましく、5〜30質量部とすることがより好ましい。セルロース繊維以外の他の強化材は2種以上含有されてもよく、その場合、それらの合計量が上記範囲内であればよい。
[ポリアミド樹脂組成物の製造方法]
本発明のポリアミド樹脂組成物は、ポリアミド樹脂の重合時にセルロース繊維を添加することで製造できる。詳しくは、まず、ポリアミド樹脂を構成するモノマーと、平均繊維径が10μm以下のセルロース繊維の水分散液とを混合し重合反応をおこなうことにより、セルロース繊維を含有する樹脂組成物を製造する。樹脂組成物は、いわゆるペレットの形態を有していてもよい。なお、重合反応時に、後述する樹脂組成物中に添加することができる添加剤を加えた場合は、樹脂組成物は該添加剤も含むものをいう。ポリアミドの重合時とは、ポリアミド樹脂を構成するモノマーを用いた重合時だけでなく、ポリアミドを構成し得るプレポリマーを用いた重合時も包含する。従って、重合させるモノマーは、プレポリマーであってもよい。プレポリマーとは、モノマーがポリマー化する途中の中間生成物のことである。
セルロース繊維は水との親和性が非常に高く、平均繊維径が小さいほど水に対して良好な分散状態を保つことができる。また、水を失うと水素結合により強固にセルロース繊維同士が凝集し、一旦凝集すると凝集前と同様の分散状態をとることが困難となる。特にセルロース繊維の平均繊維径が小さくなるほどこの傾向は顕著となる。したがって、セルロース繊維は水を含んだ状態でポリアミド樹脂に配合することが好ましい。そこで、本発明においては、水を含んだ状態のセルロース繊維の存在下に、ポリアミド樹脂を構成するモノマーの重合反応をおこなうことにより、セルロース繊維を含有する樹脂組成物を得る方法を採ることが好ましい。このような製造法により、ポリアミド樹脂中にセルロース繊維を凝集させずに均一に分散させることが可能となる。
セルロース繊維の水分散液は、平均繊維径が10μm以下のセルロース繊維を水に分散させたものであり、水分散液中におけるセルロース繊維の含有量は水分散液全量に対して0.01〜50質量%とすることが好ましい。セルロース繊維の水分散液は、精製水とセルロース繊維とをミキサー等で撹拌することにより得ることができる。そして、セルロース繊維の水分散液とポリアミド樹脂を構成するモノマーとを混合しミキサー等で撹拌することにより、均一な分散液とする。その後、分散液を加熱し、150〜270℃まで昇温させて撹拌することにより重合反応させる。このとき、分散液を加熱する際に徐々に水蒸気を排出することにより、セルロース繊維の水分散液中の水分を排出することができる。なお、上記ポリアミド樹脂の重合時においては、必要に応じてリン酸や亜リン酸等の触媒を添加してもよい。そして、重合反応終了後は、得られた樹脂組成物を払い出した後、切断してペレットとすることが好ましい。
セルロース繊維としてバクテリアセルロースを用いる場合においては、セルロース繊維の水分散液として、バクテリアセルロースを精製水に浸して溶媒置換したものを用いてもよい。バクテリアセルロースの溶媒置換したものを用いる際には、溶媒置換後、所定の濃度に調整したものを、ポリアミド樹脂を構成するモノマーに混合し、上記と同様に重合反応を進行させることが好ましい。
上記方法においては、平均繊維径が10μm以下のセルロース繊維を水分散液のまま重合反応に供することになるため、セルロース繊維を分散性が良好な状態で重合反応に供することができる。さらに、重合反応に供されたセルロース繊維は、重合反応中のモノマーや水との相互作用により、また上記のような温度条件で撹拌することにより、分散性が向上し、繊維同士が凝集することがなく、平均繊維径が小さいセルロース繊維が良好に分散した樹脂組成物を得ることが可能となる。なお、上記方法によれば、重合反応前に添加したセルロース繊維よりも、重合反応終了後に樹脂組成物中に含有されているセルロース繊維の方が、平均繊維径が小さくなることがある。
さらに上記方法においては、セルロース繊維を乾燥させる工程が不要となり、微細なセルロース繊維の飛散が生じる工程を経ずに製造が可能であるため、操業性よく樹脂組成物を得ることが可能となる。またモノマーとセルロース繊維を均一に分散させる目的として水を有機溶媒に置換する必要がないため、ハンドリングに優れるとともに製造工程中において化学物質の排出を抑制することが可能となる。
本発明に用いる樹脂組成物には、その特性を大きく損なわない限りにおいて、上記した添加剤以外の他の添加剤を配合してもよい。他の添加剤は、ポリアミド樹脂の重合時に配合してもよいし、重合後のポリアミド樹脂に対して溶融混練時等に配合してもよい。他の添加剤としては、例えば、ポリアミド樹脂とは異なる他の重合体、顔料、熱安定剤、酸化防止剤、耐候剤、可塑剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤、耐衝撃剤、難燃剤、相溶化剤、結晶核剤が挙げられる。
本発明に用いる樹脂組成物の相対粘度は、異種複合成形体の接合強度、耐湿熱性およびガス封止性のさらなる向上ならびに樹脂組成物の流動性および成形性の向上の観点から、溶媒として96%硫酸を用いて、温度25℃、濃度1g/100mLで測定した場合において、1.5〜5.0であることが好ましく、1.5〜4.0であることがより好ましく、1.5〜2.8であることがさらに好ましく、1.7〜2.8であることが特に好ましい。樹脂組成物の相対粘度はポリアミド樹脂の重合条件を調整することにより制御することができる。例えば、ポリアミド樹脂の重合条件(例えば、重合時間)を強めることにより、樹脂組成物の相対粘度を高くすることができる。また例えば、ポリアミド樹脂の重合条件(例えば、重合時間)を弱めることにより、樹脂組成物の相対粘度を低くすることができる。
[異種複合成形体]
本発明の異種複合成形体は、上記したポリアミド樹脂組成物を含む成形体(以下、単に「ポリアミド樹脂組成物成形体」ということがある)および当該成形体に接合された金属を含む。詳しくは、本発明の異種複合成形体において、金属はレーザ照射により表面の少なくとも一部に金属粉の焼結層または融着層を形成させた金属であり、当該金属は、上記の焼結層または融着層を介して、ポリアミド樹脂組成物成形体と接合されている。より詳しくは、上記の焼結層または融着層の空隙に、溶融した上記ポリアミド樹脂組成物成形体が入り込み、その後、固化することにより、アンカー効果に基づく金属と当該成形体との接合が達成されている。本発明においては、このように、焼結層または融着層の空隙に、セルロース繊維を含むポリアミド樹脂組成物が入り込んで固化することにより、アンカー効果が発揮される。さらには、ポリアミド樹脂組成物がセルロース繊維を含むため、セルロース繊維を含まないポリアミド樹脂組成物と比較して、ポリアミド樹脂組成物の線膨張係数は金属の線膨張係数により近似している。それらの結果、接合強度、耐湿熱性およびガス封止性が十分に向上するものと考えられる。
金属は通常、金属基材および当該金属基材表面の少なくとも一部に形成された金属粉の焼結層または融着層を含む。金属粉の焼結層または融着層とは、金属粉(特に金属粒子)が焼結されてなる層であってもよいし、融着されてなる層であってもよいし、またはこれらの複合層であってもよいという意味である。焼結層または融着層は、金属基材表面より隆起して形成されている。焼結層とは、金属粒子の融点以下(特に融点未満)の温度で金属粒子間の接触界面で結合が形成された層のことである。融着層とは、金属粒子表面の溶融により、金属粒子間の接触界面で結合が形成された層のことである。
焼結層または融着層は、通常は微細粒子構造を有している。微細粒子構造とは、金属粒子間の接触界面が焼結または融着により結合されながら、金属粒子間に空隙を有している粒子層構造(または多孔質構造)のことである。焼結層または融着層は、このような微細粒子構造に起因して、ポリアミド樹脂組成物を含む成形体に対して、機械的結合効果であるアンカー効果を発揮する微細凹凸形状を有している。本発明において焼結層または融着層は、重畳的微細粒子構造を有することが好ましい。重畳的微細粒子構造とは、上記した微細粒子構造における微細凹凸形状面に対し、さらなる微細凹凸形状を重畳的に有する微細構造のことである。すなわち、重畳的微細粒子構造においては、微細粒子構造を構成する相互に結合された金属粒子の表面に、さらなる微細凹凸形状が付与されている。
焼結層または融着層は、上記したように、金属基材表面より隆起して形成されており、当該焼結層または融着層の表面に凹凸を有する。焼結層または融着層の凹凸深さは、使用する金属粉(特に金属粒子)の平均粒子径を調整することによって変更および制御することができる。例えば、金属粒子の平均粒子径が大きいほど、焼結層または融着層の凹凸深さも大きくなる。また例えば、金属粒子の平均粒子径が小さいほど、焼結層または融着層の凹凸深さも小さくなる。
金属基材表面上に形成された焼結層または融着層の凹凸深さは通常、0.05μm〜400μmであり、異種複合成形体の接合強度、耐湿熱性およびガス封止性のさらなる向上の観点から、0.5μm〜350μmが好ましく、1μm〜200μmがより好ましく、5μm〜200μmがさらに好ましく、8μm〜120μmが最も好ましい。
焼結層または融着層の凹凸深さは、本明細書中、算術平均表面粗さで表され、詳しくは、JIS B 0601:2001の規定に準拠した方法により、任意の10点で測定された値の平均値を用いている。
焼結層または融着層の厚みは通常、1〜500μmであり、異種複合成形体の接合強度、耐湿熱性およびガス封止性のさらなる向上の観点から、好ましくは10〜500μmであり、より好ましくは100〜500μmであり、さらに好ましくは200〜300μmである。
焼結層または融着層の厚みは、金属基材において焼結層または融着層が形成されていない領域の表面を基準にした厚みであり、実体顕微鏡(OLYMPUS社製 SZ−40)により任意の10点で測定された値の平均値を用いている。
焼結層または融着層の単位重量(単位面積当たりの重量)は通常、0.001〜10mg/mmであり、異種複合成形体の接合強度、耐湿熱性およびガス封止性のさらなる向上の観点から、好ましくは0.01〜10mg/mmであり、より好ましくは0.1〜5mg/mmである。
焼結層または融着層の重量は、レーザ照射による金属粉の付着前後における金属基材の質量差を、焼結層または融着層の面積(幅1mm、長さ18mm)で除することで算出した。
焼結層または融着層は、金属基材表面に金属粉を付着させてレーザ照射することにより形成できる。レーザ照射処理は、異種複合成形体の接合強度、耐湿熱性およびガス封止性のさらなる向上の観点から、いわゆるレーザクラッディング処理であることが好ましい。レーザクラッディング処理は、金属基材の所定の表面にレーザを照射しながら、照射領域に金属粉を吹付および供給し、照射領域を肉厚化する技術である。
金属基材は金属または合金から構成されている。金属基材を構成する金属または合金は、金属粉による焼結層または融着層が形成され得る限り特に限定されず、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、ステンレス、マグネシウム、マグネシウム合金、チタン、チタン合金、銅、銅合金、ニッケル、ニッケル合金、クロム、クロム合金等が挙げられる。金属基材としては、例えば、アルミニウム合金を用いることができるし、またはアルミニウム合金以外の、アルミダイキャスト、ステンレス、冷間圧延鋼板(SPCC)等の他の金属材料からなる基材を用いることができる。金属材料には、単一の金属元素からなる金属や二以上の金属元素を含む合金や、金属基材表面にメッキやコーティングを施したものも含まれる。
金属粉を構成する金属としては、例えば、アルミニウム、ニッケル、銅、チタン、シリコン、ステライト、バナジウム、カーボン、炭化ホウ素およびこれらを合金化した金属粉が挙げられる。金属粉は2種以上の金属粉の混合粉であってもよい。微細粒子構造の形成の観点から、金属粉は、融点が異なる2種以上の金属粉の混合粉であることが好ましく、少なくともアルミニウム金属粉を含む2種以上の金属粉の混合粉であることがより好ましく、アルミニウム金属粉、炭化ホウ素粉体およびチタン金属粉の混合粉であることがさらに好ましい。金属粉の平均粒子径は通常、1〜300μmであり、異種複合成形体の接合強度、耐湿熱性およびガス封止性のさらなる向上の観点から、好ましくは1〜100μmであり、より好ましくは10〜100μmであり、さらに好ましくは20〜70μmである。
金属粉の金属基材表面への付着は、金属粉を水および/またはアルコールにより混練してなるスラリーを金属基材の所定の表面に塗布することにより達成してもよいし、または金属粉を金属基材の所定の表面に吹付および供給することにより達成してもよい。
レーザは、金属粉を加熱することができる限り特に限定されず、例えば、半導体レーザ、ファイバーレーザ、Nd:YAGレーザ、炭酸ガスレーザ等が挙げられる。
レーザの照射条件は、金属粉の微細粒子構造(特に重畳的微細粒子構造)を形成できる限り特に限定されない。例えばレーザクラッディング処理において、光学系を用いて直径2mmのスポットビームに整形した波長970nmの半導体レーザ光を用いる場合、スポットビームの走査速度は、10mm/s〜50mm/sであってもよいし、かつ/または最適値として30mm/sを選択してもよい。このようなレーザクラッディング処理により、レーザ照射した部位が変色し金属基材とは異なる合金領域(例えば重畳的微細粒子構造)が形成される。詳しくは、例えば、拡大倍率を30倍とした顕微鏡写真では、前記変色した領域中に微細粒子が多数形成されていることが確認できる。また例えば拡大倍率を100倍とした顕微鏡写真では、クラッディングされた合金層の全面に重畳的微細粒子構造が形成されていることがわかる。
[異種複合成形体の製造方法]
本発明の異種複合成形体は、上記したポリアミド樹脂組成物成形体の成形時(または製造時)に金属と一体化(または接合)させることにより製造されてもよいし(成形時一体化法)、またはポリアミド樹脂組成物成形体を予め成形(または製造)した後、金属と一体化(または接合)させることにより製造されてもよい(成形後一体化法)。
成形時一体化法においては、例えば、金型に前記した金属(特に焼結層または融着層が形成された金属基材)を挿入し、溶融した前記ポリアミド樹脂組成物を注入(例えば射出)するインサート成形を行う(インサート成形法)。このとき、金属は、焼結層または融着層の少なくとも一部が溶融したポリアミド樹脂組成物と接触するように、金型内に挿入されている。
成形後一体化法においては、ポリアミド樹脂組成物成形体は、ポリアミド樹脂組成物を公知の成形方法により成形することで得ることができる。公知の成形方法としては、例えば、射出成形法、押出成形法、ブロー成形法が挙げられる。中でも、射出成形法を好ましく用いることができる。射出成形機としては、特に限定されないが、例えば、スクリューインライン式射出成形機、プランジャ式射出成形機が挙げられる。射出成形機のシリンダ内で加熱溶融された樹脂組成物は、ショットごとに計量され、金型内に溶融状態で射出され、所定の形状で冷却、固化された後、成形体として金型から取り出される。射出成形時の樹脂温度は、得られる樹脂組成物の融点以上とすることが好ましく、「融点+100℃」未満とすることが好ましい。なお、樹脂組成物の加熱溶融時には、用いる樹脂組成物は十分に乾燥されたものを用いることが好ましい。含有する水分量が多いと、射出成形機のシリンダ内で樹脂が発泡し、最適な成形体を得ることが困難となることがある。射出成形に用いる樹脂組成物の水分率は、0.3質量%未満であることが好ましく、0.1質量%未満であることがより好ましい。
ポリアミド樹脂組成物成形体と金属(特に焼結層または融着層が形成された金属基材)との一体化(または接合)は、当該成形体と当該金属とを重ね合わせ、圧および熱を付与する圧熱式接合方法により達成することができる。このとき、金属は、焼結層または融着層の少なくとも一部が成形体と接触するように、重ね合わされている。
圧熱型接合方法とは、圧および熱を付与することにより、ポリアミド樹脂組成物成形体を溶融させることができる限り特に限定されない。圧熱型接合方法として、例えば、熱プレス法、超音波溶着法、振動溶着法、摩擦混合撹拌溶着法およびレーザ溶着法からなる群から選択される方法が挙げられる。
熱プレス法とは、ポリアミド樹脂組成物成形体と金属との少なくとも重ね合わせ部分に、加熱した型により圧と熱を付与することによって、双方を溶着させる方法である。
振動溶着法とは、ポリアミド樹脂組成物成形体と金属を重ね合わせ、重ね合わせにより形成される当接面を上下に圧接させた状態とし、この状態で横方向に振動を与えて発生する摩擦熱によって、双方を溶着させる方法である。
超音波溶着法とは、ポリアミド樹脂組成物成形体と金属を重ね合わせ、重ね合わせにより形成される当接面を上下に圧接させた状態とし、この状態で、超音波により当接面に縦方向の振動を発生させ、その摩擦熱によって双方を溶着させる方法である。
摩擦混合撹拌溶着法とは、ポリアミド樹脂組成物成形体と金属を重ね合わせ、重ね合わせにより形成される当接面を、円筒状の工具を回転させながら押し付け、摩擦による摩擦熱及び撹拌によって双方を溶着させる方法である。
レーザ溶着法とは、ポリアミド樹脂組成物成形体と金属を重ね合わせ、ポリアミド樹脂組成物成形体の外側に対してレーザ光を照射することにより、ポリアミド樹脂組成物成形体を通過したレーザ光が他方の金属部材の接触面を加熱し、そのときに発生した熱によって双方を溶着させる方法である。
本発明の異種複合成形体は、異種複合成形体の接合強度、耐湿熱性およびガス封止性のさらなる向上の観点から、インサート成形法、熱プレス法、超音波溶着法により好ましく製造することができる。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、ポリアミド樹脂組成物およびその樹脂組成物と金属からなる異種複合成形体の評価は以下の方法によりおこなった。
I.樹脂組成物の原料
(1)ポリアミド樹脂モノマー成分
・ε−カプロラクタム(宇部興産社製)
・ポリアミド66塩(ヘキサメチレンジアミン−アジピン酸の等モル塩、ポリアミドプレポリマー)
(2)セルロース繊維(B)
・B−1:KY100G(ダイセルファインケム社製 セリッシュKY100G、平均繊維径が125nmの未変性のセルロース繊維が10質量%含有されたもの。)
・B−2:KY100S(ダイセルファインケム社製 セリッシュKY100S、平均繊維径が140nmの未変性のセルロース繊維が25質量%含有されたもの。)
・B−3:KY110N(ダイセルファインケム社製 セリッシュKY110N、平均繊維径が125nmのセルロース繊維が15質量%含有されたもの。)
・B−4:バクテリアセルロース繊維(未変性のセルロース繊維):
0.5質量%グルコース、0.5質量%ポリペプトン、0.5質量%酵母エキス、0.1質量%硫酸マグネシウム7水和物からなる組成の培地50mLを、200mL容三角フラスコに分注し、オートクレーブで120℃、20分間蒸気滅菌した。これに試験管斜面寒天培地で生育させたGluconacetobacter xylinus(NBRC 16670)を1白金耳接種し、30℃で7日間静置培養した。7日後、培養液の上層に白色のゲル膜状のバクテリアセルロース繊維が生成した。
得られたバクテリアセルロース繊維をミキサーで破砕後、水で浸漬、洗浄を繰り返すことにより、水置換をおこない、平均繊維径が60nmのバクテリアセルロース繊維が4.1質量%含有された水分散液を調製した。
・B−5:屑糸(未変性のセルロース繊維):
不織布の製造工程において屑糸として出されたセルロース繊維の集合体に、精製水を加えてミキサーで撹拌し、平均繊維径が3240nmの未変性のセルロース繊維が6質量%含有された水分散液を調製した。
・B−6:TEMPO触媒酸化セルロース繊維(セルロース由来の水酸基の一部が親水性の置換基で変性されたセルロース繊維):
漂白後の針葉樹由来の未叩解クラフトパルプ(白色度85%)500g(絶乾)を、TEMPO 780mgおよび臭化ナトリウム75.5gを溶解した水溶液500mLに添加し、パルプが均一に分散するまで撹拌した。そこに次亜塩素酸ナトリウム水溶液を6.0mmol/gになるように加えることで酸化反応を開始した。反応中は系内のpHが低下するため、3M水酸化ナトリウム水溶液を逐次添加し、pH10に調整した。次亜塩素酸ナトリウムを消費し、系内のpHが変化しなくなった時点で反応を終了した。反応後の混合物をガラスフィルターにより濾過してパルプを分離し、十分に水洗することで酸化されたパルプを得た。上記の工程で得られた酸化パルプを水で1.0%(w/v)に調整し、超高圧ホモジナイザー(20℃、150MPa)で3回処理して、平均繊維径が10nmのTEMPO触媒酸化セルロース繊維が1.0質量%含有された水分散液を調製した。
なお、TEMPO触媒酸化セルロース繊維を1H−NMR、13C−NMR、FT−IR、中和滴定で分析したところ、セルロース由来の水酸基の一部がカルボキシル基で置換されており、その置換度は0.3であることを確認した。
・B−7:エーテル変性セルロース繊維(セルロース由来の水酸基の一部が疎水性の置換基で変性されたセルロース繊維):
針葉樹漂白クラフトパルプ(王子製紙社製、固形分25%)600gに水19.94kg添加し、固形分濃度が0.75質量%の水懸濁液を調製した。得られたスラリーの機械的解繊処理をビーズミル(アイメックス社製 NVM−2)を用いておこない、セルロース繊維を得た(ジルコニアビーズ直径1mm、ビーズ充填量70%、回転数2000rpm、処理回数2回)。遠心分離管一本あたりに、得られたセルロース繊維水分散液100gを入れ、遠心分離(7000rpm、20分)をおこない、上澄み液を除去し、沈殿物を取り出した。遠心分離管一本あたりに、アセトン100gを加えて、よく撹拌し、アセトン中に分散させ、遠心分離をおこない、上澄み液を除去し、沈殿物を取り出した。上記の操作をさらに二回繰り返し、固形分5質量%のセルロース繊維アセトンスラリーを得た。
撹拌羽根を備えた四つ口1Lフラスコに、得られたセルロース繊維アセトンスラリーをセルロース繊維の固形分が5gになるように投入した。N−メチル−2−ピロリドン(NMP)を500mL、トルエンを250mL加え、撹拌しながらセルロース繊維をNMP/トルエン中に分散させた。冷却器を取り付け、窒素雰囲気下、分散液を150℃に加熱し、分散液中に含まれるアセトン、水分をトルエンとともに留去した。その後分散液を40℃まで冷却し、ピリジン15mL、ヘキサメチルジシラザン(シリルエーテル化剤)25gを添加して窒素雰囲気下90分反応させ、エーテル変性セルロース繊維のNMP分散液を調製した。
得られたエーテル変性セルロース繊維のNMP分散液を遠心分離機によりセルロース繊維を沈殿させ水置換した。これを3回繰り返し、水で調製し、平均繊維径が100nmのエーテル変性セルロース繊維が1.0質量%含有された水分散液を調製した。
なお、エーテル変性セルロース繊維を1H−NMR、13C−NMR、FT−IRで分析したところ、セルロース由来の水酸基の一部が疎水性のシリルエーテル基で置換されており、その置換度は0.3であることを確認した。
(3)セルロース繊維以外の強化材(C)
・C−1:ガラス繊維(日本電気硝子社製、T−262H、平均繊維径10.5μm、平均繊維長3mm、酸共重合物を含んだ被膜形成剤を使用)
・C−2:炭素繊維(東邦テナックス社製、HTA−C6−NR、平均繊維径7μm、平均繊維長6mm)
・C−3:タルク(日本タルク社製、SG−2000、平均粒径1μm)
II.金属基材の表面への重畳的微細粒子構造の形成
金属基材1として、幅18mm、長さ45mm、厚さ1.5mmのアルミニウム合金(A5052)の板材を用意した。この金属基材の一部に、図1において斜線を施した接合予定領域(幅1mm、長さ18mm)2を設定した。
金属粉として、金属基材と同一のアルミ金属粉、炭化ホウ素粉体及びチタン金属粉を用意した。各金属粉はいずれも市販のものを用い、その粒径は所望の重畳的微細粒子構造の凹凸深さに応じて1μm〜100μmの範囲内で調整した。各粉体のモル比は、アルミ金属粉、炭化ホウ素、チタン金属粉の順に1:1:3とした。
前記各金属粉を、粉体送給装置であるGTV社製粉末送給装置のパウダーフィーダー装置に標準の2本のパウダーホッパーにそれぞれ同量ずつ投入した。なお、このパウダーホッパーには同じく撹拌用のミキサーが標準搭載されているので、投入の際各粉体をあらかじめ混合する必要はない。
金属基材の接合予定領域にレーザクラッディングを行った。詳しくは、金属基材の接合予定領域に、金属粉を供給しながらレーザ照射を行った。この際、粉体送給装置からはクラッディングノズルと同軸の粉体送給ノズルを介して混合粉体が供給される。本発明では、光学系を用いて直径3mmのスポットビームに整形した波長970nmの半導体レーザ光を用いた。他のクラッディングパラメータは次のように設定した。回転数:10rpm、供給量:8/分、Type:C4AF2.4、窒素流量:2.5L/分、繰返し周波数:1000Hz、デューティ比:70%、平均出力:1000W、走査速度60mm/秒。
金属基材表面上に形成された重畳的微細粒子構造を実体顕微鏡(OLYMPUS社製 SZ−40)で観察したところ、レーザ照射した部位が変色し金属基材とは異なる合金領域が形成されていることを確認した。ここで得られた、表面に重畳的微細粒子構造を有する金属基材を、以下では「表面処理済みの金属基材」と呼ぶことにする。
金属基材表面上に形成された重畳的微細粒子構造(すなわち焼結層または融着層)の凹凸深さは、使用した金属粉の粒径を調整することで変更および制御した。
後述する算術平均表面粗さが0.1μmである場合、アルミ金属粉、炭化ホウ素粉体およびチタン金属粉の平均粒子径はそれぞれ2μmであり、焼結層または融着層の厚みは50μm、重量は0.005mg/mmであった。
後述する算術平均表面粗さが1μmである場合、アルミ金属粉、炭化ホウ素粉体およびチタン金属粉の平均粒子径はそれぞれ10μmであり、焼結層または融着層の厚みは110μm、重量は0.08mg/mmであった。
後述する算術平均表面粗さが10μmである場合、アルミ金属粉、炭化ホウ素粉体およびチタン金属粉の平均粒子径はそれぞれ30μmであり、焼結層または融着層の厚みは220μm、重量は0.6mg/mmであった。
後述する算術平均表面粗さが100μmである場合、アルミ金属粉、炭化ホウ素粉体およびチタン金属粉の平均粒子径はそれぞれ50μmであり、焼結層または融着層の厚みは280μm、重量は2mg/mmであった。
後述する算術平均表面粗さが300μmである場合、アルミ金属粉、炭化ホウ素粉体およびチタン金属粉の平均粒子径はそれぞれ95μmであり、焼結層または融着層の厚みは450μm、重量は6mg/mmであった。
<表面処理済みの金属基材(特に焼結層または融着層)の算術平均表面粗さの測定>
金属基材表面上に形成された重畳的微細粒子構造(すなわち焼結層または融着層)の凹凸深さは、金属基材の算術平均表面粗さで評価した。具体的には、JIS B 0601:2001の規定に準拠し、上記で得られた表面処理済みの金属基材の算術平均粗さを、サーフコーダ SE−30K(株式会社小坂研究所製)により測定した。
III.接合剪断強度測定用の異種複合成形体の製造方法
(1)インサート成形法(成形時一体化法)
前述した表面処理済みの金属基材を射出成形金型に挿入した。詳しくは、金属基板を、その表面処理領域(焼結層または融着層)が溶融した樹脂組成物と接触するように、金型に挿入した。次に、十分に乾燥した樹脂組成物を、射出成形機(日精樹脂工業社製 NEX110−12E)を用いて射出し、ISO規格19095に記載の異種複合成形体を得た。射出成形条件について、ポリアミド6樹脂に対しては、シリンダ温度:250℃、金型温度:140℃、射出速度:50mm/秒とし、ポリアミド66樹脂に対しては、シリンダ温度:280℃、金型温度:140℃、射出速度:50mm/秒とした。
(2)熱プレス法(成形後一体化法)
十分に乾燥した樹脂組成物を、射出成形機(日精樹脂工業社製 NEX110−12E)を用いて射出成形し、幅10mm、長さ45mm、厚さ3mmの成形片を得た。得られた成形片および前述した表面処理済みの金属基材を重ね合わせて、熱板プレス機(神藤金属工業所製)にて溶融プレスすることで、ISO規格19095に記載の異種複合成形体を得た。プレス成形条件について、ポリアミド6樹脂に対しては温度:240℃、圧力:0.2MPa、時間:60秒とし、ポリアミド66樹脂に対しては温度:260℃、圧力:0.2MPa、時間:60秒とした。重ね合わせ時において、詳しくは、金属基板はその表面処理領域(焼結層または融着層)が成形片と接触するように、重ね合わせた。
(3)超音波溶着法(成形後一体化法)
十分に乾燥した樹脂組成物を、射出成形機(日精樹脂工業社製 NEX110−12E)を用いて射出成形し、成形片(幅10mm、長さ45mm、厚さ3mm)を得た。得られた成形片および前述した表面処理済みの金属基材(幅18mm、長さ45mm、厚さ1.5mm)を重ね合わせて、超音波溶着機で溶着した。具体的な溶着条件としては、超音波溶着機(ブランソン社製「BRANSON 8700」、出力1500W、20kHz)を用い、エアシリンダー圧力20kPa、溶着時間0.2秒で、成形片側から金属基材との接合領域にホーンを押し当てて溶着を行った。重ね合わせ時において、詳しくは、金属基板はその表面処理領域(焼結層または融着層)が成形片と接触するように、重ね合わせた。
IV.ガス封止性評価用の異種複合成形体の成形方法
図2に、ガス封止性評価用の複合体10の構成を示す(ISO規格19095−2:2015、タイプD)。詳しくは、中心に直径20mmの貫通孔を形成した金属基材11の貫通孔内周面に、前述した方法と同様にして幅1mmの重畳的微細粒子構造を形成させた。その金属基材を前記と同様にしてインサート成形することで、貫通孔にポリアミド樹脂2を充填してなるISO規格19095に記載のガス封止性評価用の異種複合成形体10を得た。
V.評価方法
(1)樹脂組成物中のセルロース繊維の平均繊維径
十分に乾燥した樹脂組成物を、射出成形機(日精樹脂工業社製 NEX110−12E)を用いて射出成形し、ISO規格3167に記載の多目的試験片A型を得た。この試験片を射出成形片として用いた。
凍結ウルトラミクロトームを用いて射出成形片から厚さ100nmの切片を採取し、切片染色を実施後、透過型電子顕微鏡(日本電子社製JEM−1230)を用いて観察をおこなった。電子顕微鏡画像からセルロース繊維(単繊維)の長手方向に対する垂直方向の長さを測定した。このとき、垂直方向の長さのうち最大のものを繊維径とした。同様にして、任意の10本のセルロース繊維(単繊維)の繊維径を測定し、10本の平均値を算出したものを平均繊維径とした。
なお、セルロース繊維の繊維径が大きいもの(例えば平均繊維径が1μm以上のもの)については、ミクロトームにて厚さ10μmの切片を切り出したものか、樹脂組成物をそのままの状態で、実体顕微鏡(OLYMPUS社製 SZ−40)を用いて観察をおこない、得られた画像から上記と同様にして繊維径を測定し、平均繊維径を求めた。
(2)相対粘度
樹脂組成物を、96%硫酸に、セルロースを除去後のポリアミドの濃度が1g/dLになるように溶解し、ウベローデ型粘度計を用いて、25℃で測定した。
(3)接合剪断強度
前述した種々の成形方法で得られた異種複合成形体の接合剪断強度を、引張試験機(「AG−10kNX、島津製作所製」)を用いて、ISO規格19095に準拠して測定した。まず、接合面が剥離した際の最大荷重を測定し、その値を樹脂成形片と重畳的微粒子とがオーバーラップしている部分の面積(10mm)で除すことで接合剪断強度を算出した。測定条件は、試験雰囲気:23℃、50%RH、引張速度:10mm/分とした。なお、接合剪断強度の際、成形体の端部を直接的に引張り破断するのではなく、ISO規格19095−3:2015(E)に記載された形状の補助具に収納した。
異種複合成形体の接合剪断強度が、強化材や添加剤を含有しないニートのポリアミド樹脂と対比して、120%未満の場合を「×」、120%以上かつ150%未満の場合を「△」、150%以上かつ180%未満の場合を「○」、180%以上を「◎」とそれぞれ評価した。強化材や添加剤を含有しないニートのポリアミド樹脂に対する接合剪断強度の比が120%以上(△または○または◎)の異種複合成形体を合格と判断した。
(4)耐湿熱性(接合剪断強度保持率)
耐湿熱性を接合剪断強度保持率で評価した。まず、前述したように、インサート成形によりISO規格19095に記載の異種複合成形体を得た。得られた成形体に対して、オートクレーブを用いて温度:85℃、湿度:85%RH、時間:1000時間の条件下で湿熱処理をした。湿熱処理後の異種複合成形体の接合剪断強度を上記記載の方法で測定した。湿熱処理後の接合剪断強度を湿熱処理前の接合剪断強度で除すことで、接合剪断強度保持率を算出した。
異種複合成形体の耐湿熱性について、1000時間後の接合剪断強度保持率が70%未満の場合を「×」、70%以上かつ80%未満の場合を「△」、80%以上かつ90%未満の場合を「○」、90%以上を「◎」とそれぞれ評価した。実用に耐えうるものとして、1000時間後の接合剪断強度保持率が70%以上(△または○または◎)の異種複合成形体を合格と判断した。
(5)ガス封止性の評価
ガス封止性評価用の異種複合成形体を35℃の水中に24時間浸漬した後に、ステンレス製の密閉治具に固定し、ヘリウムリーク試験を行った。詳しくは、図3に示すように、ガス注入口(21)から密閉治具(22)内に0.3MPaの圧力でヘリウムガスを封入しながら、異種複合成形体における樹脂と金属基材との接合部近傍のヘリウムリーク量を測定した。ヘリウムリーク試験は、リークディテクタ(HELIOT714;株式会社アルバック)(23)および当該リークディテクタに連結されたスニッファープローブ(24)を用いてJISZ2331:2006(ヘリウム漏れ試験方法)の附属書3((規定)吸込み法(スニッファー法))に準拠して行った。ヘリウムリーク量が1.0×10-3Pa・m/s以上の場合を「×」、1.0×10-5Pa・m/s以上かつ1.0×10-3Pa・m/s未満の場合を「△」、1.0×10-7Pa・m/s以上かつ1.0×10-5Pa・m/s未満の場合を「○」、1.0×10-7Pa・m/s未満の場合を「◎」とそれぞれ評価した。実用に耐えうるものとして、ヘリウムリーク量が1.0×10-3Pa・m3/s未満(△または○または◎)の異種複合成形体を合格と判断した。
(6)線膨張係数
(1)で得られた樹脂試験片および金属基材1(アルミニウム合金(A5052))を10mm×4mm×4mm(厚)に切り出した。それらの線膨張係数をJIS K7197に基づいて測定し、20〜150℃の領域での平均値を算出した。ここで、樹脂試験片については、射出成形時の樹脂の流動方向(MD方向)が長手方向になるようにして線膨張係数を測定した。
なお、測定の結果、金属基材1の線膨張係数は28ppm/℃であり、樹脂試験片の線膨張係数は表1および表2に記載した。
(7)総合評価
接合剪断強度、耐湿熱性、ガス封止性の全ての評価結果について、総合的に評価した。
◎:接合剪断強度、耐湿熱性、ガス封止性の全ての評価結果が◎であった。
○:接合剪断強度、耐湿熱性、ガス封止性の全ての評価結果のうち最低の評価結果が○であった。
△:接合剪断強度、耐湿 熱性、ガス封止性の全ての評価結果のうち最低の評価結果が△であった。
×:接合剪断強度、耐湿熱性、ガス封止性の全ての評価結果のうち最低の評価結果が×であった。
実施例1
セルロース繊維の水分散液として、セリッシュKY100Gを用いて、これに精製水を加えてミキサーで撹拌し、セルロース繊維の含有量が3質量%の水分散液を調製した。
このセルロース繊維の水分散液100質量部と、ε−カプロラクタム100質量部とを、均一な分散液となるまでさらにミキサーで撹拌、混合した。続いて、この混合分散液を重合装置に投入後、撹拌しながら240℃に加熱し、徐々に水蒸気を放出しつつ、0MPaから0.5MPaの圧力まで昇圧した。そののち大気圧まで放圧し、240℃で1時間重合反応をおこなった。重合が終了した時点で樹脂組成物をストランド状に払い出し、切断して、樹脂組成物のペレットを得た。
得られたペレットを95℃の熱水で精練した後、乾燥して、乾燥した樹脂組成物のペレットを得て、各特性の評価を行った。
実施例2〜4
セルロース繊維の含有量が表1に示す値になるように、セリッシュKY100Gの配合量を変更する以外は、実施例1と同様の操作をおこない、乾燥した樹脂組成物のペレットを得て、各特性の評価を行った。
実施例5〜6
表1のように、ポリアミド樹脂組成物の相対粘度を変更する以外は、実施例1と同様の操作をおこない、乾燥した樹脂組成物のペレットを得て、各特性の評価を行った。
実施例7
実施例1で得られたセルロース繊維の含有量が3質量%の水分散液100質量部と、ポリアミド66塩(プレポリマー)100質量部とを、均一な溶液となるまでミキサーで撹拌、混合した。続いて、この混合溶液を230℃で撹拌しながら、内圧が1.5MPaになるまで加熱した。その圧力に到達後、徐々に水蒸気を放出しつつ、加熱を続けてその圧力を保持した。280℃に達した時点で、常圧まで放圧し、さらに1時間重合をおこなった。重合が終了した時点で樹脂組成物をストランド状に払い出し、切断して、樹脂組成物のペレットを得た。
得られたペレットを95℃の熱水で精練した後、乾燥して、乾燥した樹脂組成物のペレットを得て、各特性の評価を行った。
実施例8〜13
表1のように、セルロース繊維の分散液を変更すること、およびセルロース繊維の配合量を変更すること以外は、実施例1と同様の操作をおこない、乾燥した樹脂組成物のペレットを得て、各特性の評価を行った。
実施例14〜16
二軸押出機(東芝機械社製TEM26SS、スクリュー径26mm)の主ホッパーに実施例2で得られた樹脂105質量部を供給し、途中、サイドフィーダーより表1に記載の強化材10質量部を供給した。260℃で十分に溶融混練し、ストランド状に払い出し、切断して、樹脂組成物のペレットを得て、各特性の評価を行った。
実施例17〜20
表1のように、表面処理済みの金属基材の算術平均表面粗さを変更すること以外は、実施例2と同様の操作をおこない、乾燥した樹脂組成物のペレットを得て、各特性の評価を行った。
比較例1
ε−カプロラクタムを重合装置に投入後、撹拌しながら240℃に加熱し、徐々に水蒸気を放出しつつ、0MPaから0.5MPaの圧力まで昇圧した。そののち大気圧まで放圧し、240℃で1時間重合反応をおこなった。重合が終了した時点で樹脂をストランド状に払い出し、切断して、ポリアミド6樹脂(PA6樹脂)のペレットを得た。
得られたペレットを95℃の熱水で精練した後、乾燥して、乾燥したPA6樹脂のペレットを得て、各特性の評価を行った。
比較例2
ポリアミド66塩を230℃で撹拌しながら、内圧が1.5MPaになるまで加熱した。その圧力に到達後、徐々に水蒸気を放出しつつ、加熱を続けてその圧力を保持した。280℃に達した時点で、常圧まで放圧し、さらに1時間重合をおこなった。重合が終了した時点で樹脂をストランド状に払い出し、切断して、ポリアミド66樹脂のペレットを得た。得られたペレットを95℃の熱水で精練した後、乾燥して、乾燥したポリアミド66樹脂のペレットを得て、各特性の評価を行った。
比較例3〜5
比較例1で得られた乾燥したPA6樹脂100質量部を二軸押出機の主ホッパーに供給し、途中、サイドフィーダーより表2に記載の強化材10質量部を供給した。260℃で十分に溶融混練し、ストランド状に払い出し、切断して、樹脂組成物のペレットを得て、各特性の評価を行った。
比較例6
セルロース繊維の分散液を、棚式凍結乾燥機として東京理化器械FD550を使用して−45℃にて凍結乾燥し、粉砕機を用いて粉末状にした。
得られたセルロース繊維の粉末5質量部と比較例1で得られた乾燥したPA6樹脂100質量部をドライブレンドし、二軸押出機の主ホッパーに供給した。260℃で十分に溶融混練し、ストランド状に払い出し、切断して、樹脂組成物のペレットを得て、各特性の評価を行った。
比較例7〜10
表2のように、表面処理済みの金属基材の算術平均表面粗さを変更すること以外は、比較例1と同様の操作をおこない、乾燥した樹脂組成物のペレットを得て、各特性の評価を行った。
表1および表2に、用いる樹脂組成物の樹脂組成および異種複合成形体の評価結果を示す。
実施例1〜20では、セルロース繊維の配合量およびポリアミド樹脂組成物中のセルロース繊維の平均繊維径が所定の範囲内であった。このため、接合剪断強度は高く、耐湿熱性およびガス封止性に優れていた。
比較例1〜5および7〜10は、ポリアミド樹脂に、セルロース繊維を配合していないため、接合剪断強度は低く、耐湿熱性およびガス封止性は悪かった。
比較例6は、ポリアミド樹脂にセルロース繊維を溶融混練により配合しセルロース繊維の平均繊維径が大きすぎたため、接合剪断強度は低く、耐湿熱性およびガス封止性は悪かった。
Figure 2021066877
Figure 2021066877
表1および表2において、特記事項は以下の通りである。
(1)質量部;
(2)平均繊維径;
(3)セルロース繊維以外の強化材(C);
(4)セルロース繊維の添加時期;
(5)ポリアミド樹脂組成物の相対粘度;
(6)表面処理済みの基板の算術平均表面粗さ;
(7)1000時間後の接合剪断強度保持率;
※実施例7の接合剪断強度の割合は比較例2の接合剪断強度に対する割合である;実施例17〜19の接合剪断強度の割合はそれぞれ比較例7〜9の接合剪断強度に対する割合である;それらの実施例以外の実施例(すなわち実施例1〜6および実施例8〜16)の接合剪断強度の割合は比較例1の接合剪断強度に対する割合である。
本発明の金属との接合用ポリアミド樹脂組成物、およびその樹脂組成物を含む成形体と金属からなる異種複合成形体は、ポリアミド樹脂組成物と金属基材との接着性が著しく優れるので、特に自動車等の輸送機器用の電装部品(センサー部品、E C U ケース、モーター部品、電池部品)、電気電子機器部品、産業機械用部品、その他民生用部品等に好適に使用できる。

Claims (20)

  1. レーザ照射により表面の少なくとも一部に金属粉の焼結層または融着層を形成させた金属との接合用ポリアミド樹脂組成物であって、
    ポリアミド樹脂(A)100質量部に対して、平均繊維径が10μm以下のセルロース繊維(B)を0.1〜50質量部含有する、ポリアミド樹脂組成物。
  2. 前記セルロース繊維(B)が、未変性のセルロース繊維であるか、またはセルロース由来の水酸基が親水性または疎水性の置換基で変性された変性セルロース繊維である、請求項1に記載のポリアミド樹脂組成物。
  3. さらに、ポリアミド樹脂(A)100質量部に対して、セルロース繊維以外の他の強化材(C)を0.1〜50質量部含有する、請求項1または2に記載のポリアミド樹脂組成物。
  4. 前記他の強化材(C)が、ガラス繊維、炭素繊維、タルクおよびマイカからなる群から選択される1種以上の強化材である、請求項3に記載のポリアミド樹脂組成物。
  5. 前記セルロース繊維(B)の平均繊維径が10〜300nmであり、
    前記焼結層または融着層が0.5μm〜350μmの算術平均表面粗さを有する、請求項1〜4のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
  6. 前記ポリアミド樹脂(A)がポリアミド6を含み、
    前記セルロース繊維(B)が未変性のセルロース繊維であり、
    前記セルロース繊維(B)の含有量が4〜18質量部であり、
    前記セルロース繊維(B)の平均繊維径が10〜100nmであり、
    前記ポリアミド樹脂組成物の相対粘度が1.5〜2.8であり、
    前記焼結層または融着層が5μm〜200μmの算術平均表面粗さを有する、請求項1〜5のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物を製造するための方法であって、
    ポリアミド樹脂の重合時にセルロース繊維を添加する、ポリアミド樹脂組成物の製造方法。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物を含む成形体および該成形体に接合された金属を含み、
    前記金属がレーザ照射により表面の少なくとも一部に金属粉の焼結層または融着層を形成させた金属である、異種複合成形体。
  9. 前記焼結層または融着層が0.05μm〜400μmの算術平均表面粗さを有する、請求項8に記載の異種複合成形体。
  10. 前記焼結層または融着層が1〜500μmの厚みを有する、請求項8または9に記載の異種複合成形体。
  11. 前記焼結層または融着層が0.001〜10mg/mmの単位重量を有する、請求項8〜10のいずれかに記載の異種複合成形体。
  12. 前記金属粉が1〜300μmの平均粒子径を有する、請求項8〜11のいずれかに記載の異種複合成形体。
  13. 前記金属が、前記焼結層または融着層を介して、前記ポリアミド樹脂組成物を含む成形体と接合されている、請求項8〜12のいずれかに記載の異種複合成形体。
  14. 前記焼結層または融着層の空隙に、溶融した前記ポリアミド樹脂組成物を含む成形体が入り込むことにより、前記金属が前記成形体と接合されている、請求項8〜13のいずれかに記載の異種複合成形体。
  15. 請求項1〜6のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物およびレーザ照射により表面の少なくとも一部に金属粉の焼結層または融着層を形成させた金属を用いる、異種複合成形体の製造方法。
  16. 金型に前記金属を挿入し、溶融した前記ポリアミド樹脂組成物を注入するインサート成形を行う、請求項15に記載の異種複合成形体の製造方法。
  17. 前記金属は、前記焼結層または融着層の少なくとも一部が前記溶融したポリアミド樹脂組成物と接触するように、挿入されている、請求項16に記載の異種複合成形体の製造方法。
  18. 前記ポリアミド樹脂組成物を含む成形体と前記金属とを重ね合わせ、熱および圧を付与する圧熱型接合方法により接合を行う、請求項15に記載の異種複合成形体の製造方法。
  19. 前記金属は、前記焼結層または融着層の少なくとも一部が前記成形体と接触するように、重ね合わされている、請求項18に記載の異種複合成形体の製造方法。
  20. 前記圧熱型接合方法が、熱プレス法、超音波溶着法、振動溶着法、摩擦混合撹拌溶着法およびレーザ溶着法からなる群から選択される方法である、請求項18または19に記載の異種複合成形体の製造方法。
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