JP2006274121A - 溶着用ポリアミド樹脂組成物 - Google Patents

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誠 和田
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Abstract

【課題】 従来のポリアミド樹脂の持つ機械的性質、耐熱性、寸法安定性などを維持し溶着強度に優れる、溶着用ポリアミド樹脂組成物の提供、および本樹脂組成物と熱可塑性ポリエステル樹脂組成物との溶着方法の提供すること。
【解決手段】溶着接合部を構成する被着材の一方がポリアミド樹脂(a)100重量部に対し、熱可塑性ポリエステル樹脂(b)10〜150重量部、相溶化剤(c)12〜110重量部、無機充填剤(d)0〜540重量部、分子中にアミノ基,エポキシ基のいずれかを含有するシランカップリング剤(e)0.24〜28.0重量部からなる溶着用熱可塑性樹脂組成物を調整、熱可塑性ポリエステル樹脂組成物を相手材として溶着接合する。
【選択図】なし

Description

本発明は溶着用ポリアミド樹脂組成物、および本溶着用ポリアミド樹脂組成物と熱可塑性ポリエステル樹脂との溶着方法に関するものである。特に溶着加工において優れた溶着強度を有し、自動車部品,電動工具等の筐体、その他容器類などの意匠性を要求される製品製造に適した溶着用ポリアミド樹脂組成物および溶着方法に関するものである。
ポリアミド樹脂は結晶性の樹脂であり、その優れた機械的特性、耐熱性、耐薬品性を有しており、自動車や電気部品材料として広く使用されている。また、ガラス繊維や無機フィラーを配合することにより、強度や寸法安定性が向上するため、これらを配合した状態でも広く使用されている。一方、ポリエステル樹脂も屈曲性、ガスバリヤー性、耐熱性に優れており、同様に自動車や電気部品、外装用途などに適した部材として広く用いられている。製造コスト等の面から特に意匠性が要求される外装部品には互いの製品を接合させる技術が用いられており、このような接合においては、接着剤を用いたり、噛合構造を用いたり、部材を構成する樹脂自身を熱等で流動化させて接合したり(溶着)する方法が挙げられる。しかし、接着剤を用いる方法は作業が繁雑であり、噛合構造を用いる方法は液体に接触する用途に向かない。溶着法は簡便な方法であるが、具体的には溶融温度、分子極性などのポリアミド樹脂とポリエステル樹脂の特性の相違などに起因し両樹脂組成物間の接着力は皆無に等しく、近年の部品の大型化、複雑化に伴い、より高い溶着強度が要求されるようになってきたところ、溶着部分の強度が不十分であるために使用が制限されるのが現状であった。また、ポリアミド樹脂の特徴を損なわないためには、樹脂組成物中のポリエステルポリマー比率を上げることには限界があり、この為溶着性においても高いものが得られておらず、接着強度においてはいまだ欠点を有している。
特許文献1では、非相溶性の2つの樹脂成形部品を溶着する際、接合部分のみ両樹脂からなるアロイ成分となるよう設計し、溶着強度向上が図られている。但し、接合部分のみ樹脂アロイ状物とする為設計上の制約があり、適用可能な形状品が限定されるデメリットを有する。具体例として明示されている組み合わせとしてはABSとポリカーボネートのみであり、又材料レベルでの改質検討についても具体的に言及されていない。
特許文献2では異種プラスチック材料同士を溶着させる手段として、接合面に両方の材料と相溶性のあるラミネートフィルムを介在する事で溶着する方法を示している。但し、フィルムを介在させねばならず、成形品同士での溶着が出来ない事から溶着時の生産性の面で好ましくなく、またコスト増にも繋がる。
特許文献3ではポリアミド樹脂とポリエステル樹脂を酸変性ポリオレフィンにて相溶化する技術を示しているが、ポリエステル樹脂との溶着技術に関しては記載されておらず、シランカップリング剤についても記載はない。
特開平10−286884号公報 特開昭59−76218号公報 特開昭61−213256号公報
本発明は上述した従来のポリアミド樹脂およびポリエステル樹脂の持つ機械的性質、耐熱性などを維持し、溶着強度に優れる溶着用ポリアミド樹脂組成物、および本樹脂組成物と熱可塑性ポリエステル樹脂組成物との溶着接合方法の提供を課題とする。
上述の課題を解決すべく鋭意検討した結果、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、無機充填材、相溶化剤、およびシランカップリング剤を特定比率で配合したアロイ状の溶着用ポリアミド樹脂組成物と、ポリエステル樹脂からなる樹脂組成物を用いて溶着する事により達成されることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、
(1)ポリアミド樹脂(a)100重量部に対し、熱可塑性ポリエステル樹脂(b)10〜150重量部、相溶化剤(c)12〜110重量部、無機充填剤(d)0〜540重量部、分子中にアミノ基またはエポキシ基を含有するシランカップリング剤(e)0.24〜28.0重量部からなる溶着用ポリアミド樹脂組成物、
(2)前記ポリアミド樹脂(a)がナイロン6またはナイロン6の共重合体からなる(1)の溶着用ポリアミド樹脂組成物、
(3)前記熱可塑性ポリエステル樹脂(b)がポリエチレンテレフタレートであることを特徴とする(1)または(2)の溶着用ポリアミド樹脂組成物、
(4)前記相溶化剤(c)が酸変性されたエチレン−α−オレフィン共重合体であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかの溶着用ポリアミド樹脂組成物、
(5)前記(d)無機充填材がガラス繊維であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかの溶着用ポリアミド樹脂組成物、
(6)(1)〜(5)のいずれかの溶着用ポリアミド樹脂組成物と熱可塑性ポリエステル樹脂組成物とを溶着することを特徴とする樹脂溶着方法、
(7)前記熱可塑性ポリエステル樹脂組成物がポリエチレンテレフタレートであることを特徴とする(6)の樹脂溶着方法、
(8)溶着用ポリアミド樹脂組成物と熱可塑性ポリエステル樹脂組成物が二色射出成形法により両樹脂組成物を溶着接合することを特徴とする、(6)または(7)の樹脂溶着方法、
(9)二色射出成形時の一次成形体として溶着用ポリアミド樹脂組成物、二次成形体として熱可塑性ポリエステル樹脂組成物を用い、二色射出成形法により溶着することを特徴とする(8)の樹脂溶着方法、
を提供するものである。
本発明によれば、成形製品表面外観、寸法安定性、耐熱性が均衡して優れた、溶着用ポリアミド樹脂組成物を得る事が出来る。加えて、本溶着用ポリアミド樹脂組成物と熱可塑性ポリエステル樹脂組成物とを溶着接合した場合には、強度において顕著に優れた接合性を得る事ができる。
以下に本発明の好ましい実施形態を説明する。文中の「重量」とは「質量」を意味する。
本発明の溶着用ポリアミド樹脂組成物に用いられるポリアミド樹脂(a)として、具体的には、ポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン612)、ポリウンデカミド(ナイロン11)、ポリドデカミド(ナイロン12)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミド共重合体(ナイロン66/6T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミド共重合体(ナイロン66/6T/6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミド共重合体(ナイロン6T/6I)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミド共重合体(ナイロン66/6I)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミド/ポリカプロアミドコ共重合体(ナイロン66/6I/6)、ポリキシリレンアジパミド(ナイロンXD6)、およびこれらの混合物、ないし共重合体などが挙げられる。これらは特に限定されるものではないが、中でもナイロン6またはナイロン6の共重合体が好ましく、より好ましくはナイロン6である。
本発明の溶着用ポリアミド樹脂組成物に用いられるポリアミド樹脂(a)の相対粘度(98%硫酸法)は、靱性あるいは成形性において充分であれば特に制限されないが、好ましくは1.9〜3.5である。1.9未満では、溶着接合部の耐久性が充分でない可能性があり、3.5を超えると流動性が優れないため外観に優れた成形品が得られ難くなる。
一方、本発明の溶着用ポリアミド樹脂組成物に用いられる熱可塑性ポリエステル樹脂(b)、および熱可塑性ポリエステル樹脂組成物に用いられるポリエステル樹脂としては、テレフタル酸またはそのジアルキルエステルと脂肪族グリコール類との重縮合反応によって得られるポリアルキレンテレフタレートまたはこれを主体とする共重合体であり、代表的なものとしては、ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレートなどがあげられる。上記脂肪族グリコール類としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコールなどがあげられるが、これら脂肪族グリコール類と共に他のジオール類または他価アルコール類、例えば脂肪族グリコール類に対して30重量%以下のシクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、キシリレングリコール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロムフェニル)プロパン,2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン,2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシ−3,5−ジブロムフェニル)プロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等を混合して用いても良い。また、テレフタル酸またはそのジアルキルエステルと共に他の二塩基酸、多塩基酸またはそれらのアルキルエステル、例えばテレフタル酸またはそのジアルキルエステルに対して30重量%以下のフタル酸、イソフタル酸、ナフタリンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、それらのアルキルエステルなどを混合し用いても良い。
上記ポリエステル樹脂はo−クロロフェノール溶媒を用いて25℃で測定した固有粘度が、0.3〜1.6、好ましくは0.5〜1.4の範囲にあるものが成形性の点から好適である。なお、溶着用ポリアミド樹脂組成物に用いられる熱可塑性ポリエステル樹脂(b)と、その溶着相手材である熱可塑性ポリエステル樹脂組成物に用いられるポリエステル樹脂は同一でも異なっていてもよいが、同一組成である方が接着強度も高く好ましい。
溶着用ポリアミド樹脂組成物中におけるポリエステル樹脂(b)の含有量は前記ポリアミド樹脂(a)100重量部に対して、好ましくは10〜200重量部である。更に好ましくは30〜150重量部である。10重量部未満では熱可塑性ポリエステル樹脂組成物との溶着強度が充分ではなく、200重量部を超えると成形時の層状剥離、離型不良が問題となり好ましくない。
本発明の溶着用ポリアミド樹脂組成物に用いられる相溶化剤(c)としては、酸変性されたエチレン−α−オレフィン共重合体,金属イオン含有エチレン共重合体,多価エポキシ樹脂が挙げられるが、衝撃性の高さから酸変性されたエチレン−α−オレフィン共重合体が好ましく使用される。酸変性されたエチレン−α−オレフィン共重合体には、α、β−不飽和カルボン酸あるいはその誘導体で変性されたポリα−オレフィン共重合体が好ましく、ここで用いられるα、β−不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、ハイミック酸、フマル酸、ビシクロ(2,2,2)オクタ−5−エン−2,3−ジカルボン酸、4−メチルシクロヘキサ−4−エン−1,2−ジカルボン酸、1,2,3,4,5,8,9,10−オクタヒドロナフタレン−2,3−ジカルボン酸、ビシクロ(2,2,1)オクタ−7−エン−2,3,5,6−テトラジカルボン酸、7−オキサビシクロ(2,2,1)ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボン酸などがある。また、α、β−不飽和カルボン酸の誘導体としては、酸無水物、エステル、アミド、イミド及び金属塩があり、例えば、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水ハイミック酸、マレイン酸モノエチルエステル、フマル酸モノエチルエステル、イタコン酸モノメチルエステル、フマル酸モノメチルエステル、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、アクリルアミド、メタクリルアミド、マレイン酸モノアミド、マレイン酸ジアミド、マレイン酸−N,N−ジエチルアミドマレイン酸−N−モノブチルアミド、マレイン酸−N,N−ジブチルアミド、フマル酸−N,N−ジブチルアミド、マレイミド、N−ブチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、アクリル酸ナトリウム、メタクリル酸ナトリウム、アクリル酸カリウム、メタクリル酸カリウムなどを挙げることができる。これらの不飽和カルボン酸又はその誘導体は、2種以上混合して使用されることもある。なお、本発明においては無水マレイン酸が好ましく使用される。
上記成分(c)として用いられる変性ポリオレフィン共重合体を構成するα−オレフィン成分単位としては、炭素原子数2以上、特に2〜18のα−オレフィンであり、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセンなどを例示することができ、これらの1種または2種以上の混合物である。これらのオレフィンモノマー単位のうち、エチレンが必須単位であり、その共重合モノマー単位として5−メチレン−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノボルネン、ジシクロペンタジエン等が例示される。
酸変性の方法としては公知の方法(例えば溶液法、懸濁法、溶融法)による、いずれかの製造方法を採用できる。これ等の製造方法のうち、溶液法によって該共重合体を不飽和カルボン酸又はその誘導体で変性する場合、無極性有機溶媒中に該共重合体と不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体を投入し、更にラジカル開始剤を添加して高温にて加熱することによって変性共重合体を得ることができる。この際使われる無極性有機溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロルベンゼン及びテトラクロルエタンが挙げられる。又、ラジカル開始剤としては、2,5−ジメチルー2,5−ジ(第三級ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−ジ(第三級ブチルパーオキシ)ヘキシン−3及びベンゾイルパーオキサイドのごとき有機過酸化物が挙げられる。更に処理温度は、使用する該共重合体が溶解する温度であり、110〜160℃が好ましく、より好ましくは130〜150℃である。
又、懸濁法によって該共重合体を不飽和カルボン酸、又はその誘導体で変性する場合、極性溶媒(一般には、水)中に該共重合体と不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体を投入し、更に前記のラジカル開始剤を添加して高圧下で100℃以上の温度において処理することによって得られる。
更に、溶液法によって該共重合体を不飽和カルボン酸又はその誘導体で変性する場合、一般の合成樹脂の分野において使用されている溶融混練機(例えば押出機)を用いて、ポリオレフィン、不飽和カルボン酸及び/もしくはその誘導体ならびに前記ラジカル開始剤を溶融混練しながら処理することによって得ることができる。この際の混練温度は使用するポリオレフィン及びラジカル開始剤の種類によって異なるが、好ましくは使われるポリオレフィンの融点以上ないし300℃以下の温度範囲である。
本発明の溶着用ポリアミド樹脂組成物に用いられる相溶化剤(c)はポリアミド樹脂(a)100重量部に対し、12〜110重量部配合される事が好ましく、より好ましくは15〜85重量部である。12重量部未満ではポリアミドとポリエステルの相溶性が低下し、成形時の層状剥離、離型不良を及ぼす。また、110重量部より多いと流動性の低下により接着性の低下、成形品表面外観を満足することができない。
本発明の溶着用ポリアミド樹脂組成物に含有されうる無機充填材(d)としては繊維状無機充填材のガラス繊維、炭素繊維、非繊維状無機充填材のマイカ、タルク、カオリン、ワラステナイト、炭酸カルシウム、チタン酸カリウムの内から選ばれる少なくとも1種の無機充填材であり、なかでも繊維状無機充填材のガラス繊維、炭素繊維を用いるのが好ましく、より好ましくはガラス繊維である。ガラス繊維は通常熱可塑性樹脂に使用されているものを使うことができ、繊維径や長さに制限はなく、チョップドスランド、ロービング、ミルドファイバーのいずれかを使用しても良い。無機充填材(d)の含有量は製品強度に合わし含有することができ、ポリアミド樹脂組成物(a)100重量部に対し、0〜540重量部が好ましい。無機充填材(d)の含有量が540重量部を超えると補強効果は小さくなり溶着強度の低下や外観が充分とならないおそれがある。
本発明の溶着用ポリアミド樹脂組成物にシランカップリング剤(e)を含有させることで、本発明の溶着用ポリアミド樹脂組成物と熱可塑性ポリエステル樹脂組成物の接着性を更に向上させることができる。本発明の場合、シランカップリング剤(e)は分子中にアミノ基またはエポキシ基を含有していることが好ましい。分子中にアミノ基を持つ(e)シランカップリング剤としては、N−2−(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル-ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランが挙げられるが、一般的にはN−2−(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシランが使用される。分子中にエポキシ基を持つ(e)シランカップリング剤としては、2−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメキシラン、3−(グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)、3−(グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン)、3−(グリシドキシプロピルトリエトキシシラン)が挙げられ一般的に使用されている。これら分子中にアミノ基またはエポキシ基を含有するシランカップリング剤(e)の配合量はポリアミド樹脂組成物(a)100重量部に対し、好ましくは0.24〜28.0重量部、特に好ましくは0.3〜20.0重量部である。配合量が0.24重量部未満であると、ポリアミドとポリエステルの十分な接着強度を得ることができず、28.0重量部を越える場合は、密着が飽和して増量による効果がなくなってしまい、逆に製品外観が低下してしまい、好ましくない。
本発明の溶着用ポリアミド樹脂組成物および溶着相手材として用いる熱可塑性ポリエステル樹脂組成物においては、発明の目的を損なわない範囲で、要求される特性に応じて添加剤、結晶核剤、耐熱剤や紫外線吸収剤などの安定剤、難燃剤、帯電防止剤、可塑剤、滑剤、着色剤などを含有しても構わない。
なお、溶着用ポリアミド樹脂組成物および熱可塑性ポリエステル樹脂組成物を調整する方法は特定の方法に限定されない。効率的な例として、上記両樹脂組成物の構成単位である各原料を、単軸あるいは2軸押出機などの公知の機器に供給して溶融混練する方法などを挙げることができる。
本発明の溶着用ポリアミド樹脂組成物成形体および熱可塑性ポリエステル樹脂組成物成形体は、射出成形、押出成形などにより成形することができるが、より実用に即した複雑形状成形体を得るには射出成形が好ましい。
本発明の溶着用ポリアミド樹脂組成物成形体と熱可塑性ポリエステル樹脂組成物成形体は公知の方法で接合することができるが、中でも溶着接合は外観等の特性においても良好であるため、溶着接合することが好ましい。溶着接合法としては、例えば、振動溶着法、オービタル溶着法、超音波溶着法、レーザー溶着法、熱板溶着法、スピン溶着法、ニ色成形溶着法、高周波溶着法などが挙げられるが、その中でも二色成形溶着法は、成形工程にて金型内で製品として溶着するため仕上がりが良く外観が綺麗であり、また、後工程が要らずコスト削減にも大きく作用するため、好ましくはニ色成形溶着法である
二色成形溶着法の場合、一次材より二次材の溶融温度が高い方が、溶着部で一次材成形体が再溶融し二次材と相溶する為、溶着強度は高い事が知られている。本発明の溶着接合用部材の場合、溶着用ポリアミド樹脂組成物を一次材、熱可塑性ポリエステル樹脂組成物を二次材として用いると上記の状態となる為好ましい。
以下、本発明の実施例を最良の実施形態を、発明者が調整、特性評価した際の結果を例にとって、図面も参照しながら説明する。なお、本発明は実施例の記載に限定されるものではない。
溶着用ポリアミド樹脂組成物の組成は以下の通りである。
<ポリアミド樹脂(a)> ナイロン6樹脂:東レ株式会社製CM1001
<熱可塑性ポリエステル樹脂(b)> ポリエチレンテレフタレート樹脂:東レ株式会社製TSB900
<相溶剤(c)> 変性αオレフィン共重合体:三井化学株式会社製タフマーMH7010
<無機充填材(d)> 繊維状無機充填材(ガラス繊維):日本電気硝子社製T289
<シランカップリング剤(e)> アミノ基含有シランカップリング剤:信越シリコーン社製KBM403、またはエポキシ基含有シランカップリング剤:信越シリコーン社製KBM603
樹脂組成物を調整する際の溶融混練は、全て日本製鋼所製TEX44型2軸押出機を用いて行った。構成単位である各原料をシリンダー温度:260〜280℃、スクリュー回転数:250〜280min-1に設定した押出機へ(a),(b),(c),(e)を表1、2に示す各割合で供給し、ついで、サイドフィーダーから同じく表1、2に示す各割合にて(d)を供給し、押出されたストランドをペレタイザーにかけサンプルペレットを得た。
溶着性、強度の評価は、次の方法により行った。
図1は二色成形溶着性評価用いた試験片の概略図である。JISK7113で規定された1号引張り試験片を中央で左右対系となるよう2分割した、図1に示す形状の試験片を一次成形品として成形した。成形は東芝機械IS80型射出成形機を用いて実施した。一次成形品としてはアロイ状の溶着用ポリアミド樹脂組成物を用い、条件はシリンダー温度:240〜260℃、金型温度:80℃、射出−冷却時間:15−15秒、射出速度:70%、射出圧力:充填下限圧力+0.98MPa(G)とした。また、金型は上記半ダンベル形状となるよう独自に作成した金型を用いた。次に、一次成形品をJISK7113で規定された1号引張り試験片成形用の金型にセットし、二次材として熱可塑性ポリエステル樹脂組成物を射出、図1の符号1面に溶着するよう2材を成形溶着させた。二次材成形条件に関しては、いずれもシリンダー温度:250〜270℃、金型温度:80℃、射出−冷却時間:15−15秒、射出速度:70%、射出圧力:充填下限圧力+0.98MPa(G)とした。いずれの樹脂組成物も成形前には予備乾燥を実施し、溶着用ポリアミド樹脂組成物は除湿乾燥機を用い80℃で4時間、熱可塑性ポリエステル樹脂組成物は120℃の熱風乾燥機中で4時間乾燥を実施した。また、二次材成形後20時間以上、常温下デシケータ中にて保管後に強度測定実施した。溶着特性測定は、上記の方法で溶着成形した1号引張り試験片を用い、ASTM D638に準じ、試験速度は10mm/minとし、23℃にて試験を行った。溶着強度は溶着部位が破断したときの応力とした。なお、成形性として上記成形時の離型状態から相溶性の確認と、外観性として一次成形品である半ダンベルから外観評価も実施した。
成形性評価
溶着用ポリアミド樹脂組成物につき、以下の基準により成形性を評価した。
○:離型に問題はなく、相溶性が良好である状態
×:表層での層状剥離をおこし、相溶性に問題がある状態
外観評価
溶着用ポリアミド樹脂組成物につき、以下の基準により成形品外観を評価した。
○:表面の転写良好であり、極めて外観良好である状態
×:表面の転写良好ではなく、外観が悪い状態
[実施例1〜9]
以上の手法により具体的に評価した際の結果を説明する。
表1は今回発明の最適の形態にて評価実施した際の結果を示したものである。表1に示す配合にてアロイ状の溶着用ポリアミド樹脂組成物を得、上記各方法により溶着評価を実施した。結果は表中に示すとおりである。
実施例1〜9により得られた溶着用ポリアミド樹脂組成物は成形性,外観性ともに良好であり、熱可塑性ポリエステル樹脂との溶着強度も高いものが得られた。
Figure 2006274121
[比較例1〜9]
本発明の最良の実施形態において発現する効果を明確化する為、比較として本発明範囲外での例につき評価実施した際の結果を示す。表2はその結果を示したものである。表中に示す配合以外は、前記実施例と同様に混練、特性評価などを行った。ここで得られた組成物は成形性,外観性,溶着強度において実施例記載の各水準比で充分なものが得られなかった。
比較例1により得られたポリアミド樹脂組成物は熱可塑性ポリエステル樹脂との溶着において、溶着された成形品を得ることはできなかった。
比較例2,5,7,9により得られたポリアミド樹脂組成物は熱可塑性ポリエステル樹脂との溶着において、良好な溶着強度を得ることはできなかった。
比較例3,4により得られたポリアミド樹脂組成物は成形時に表層剥離を起こし、且つ外観も良好なものを得ることはできなかった。また、熱可塑性ポリエステル樹脂との溶着においても、良好な溶着強度を得ることはできなかった。
比較例6により得られたポリアミド樹脂組成物は外観で良好なものを得ることはできなかった。また、熱可塑性ポリエステル樹脂との溶着においても、良好な溶着強度を得ることはできなかった。
比較例8により得られたポリアミド樹脂組成物は外観の良好なものを得ることはできなかった。
Figure 2006274121
本発明は、複雑な形状の部品、または接合外観部品に適しており、例えば電装品ケースなどの自動車関連部品、電動工具棟の筐体、その他容器類などの製造に適した溶着接合部材としての展開が期待出来る。
二色成形溶着性評価用いた試験片の概略図である。
符号の説明
1. 二色成形時の二次材溶着部

Claims (9)

  1. ポリアミド樹脂(a)100重量部に対し、熱可塑性ポリエステル樹脂(b)10〜150重量部、相溶化剤(c)12〜110重量部、無機充填材(d)0〜540重量部、分子中にアミノ基またはエポキシ基を含有するシランカップリング剤(e)0.24〜28.0重量部からなる溶着用ポリアミド樹脂組成物。
  2. 前記ポリアミド樹脂(a)がナイロン6またはナイロン6の共重合体からなる請求項1記載の溶着用ポリアミド樹脂組成物。
  3. 前記熱可塑性ポリエステル樹脂(b)がポリエチレンテレフタレートであることを特徴とする請求項1または2記載の溶着用ポリアミド樹脂組成物。
  4. 前記相溶化剤(c)が酸変性されたエチレン−α−オレフィン共重合体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の溶着用ポリアミド樹脂組成物。
  5. 前記無機充填材(d)が繊維状無機充填材であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の溶着用ポリアミド樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の溶着用ポリアミド樹脂組成物と熱可塑性ポリエステル樹脂組成物とを溶着することを特徴とする樹脂溶着方法。
  7. 前記熱可塑性ポリエステル樹脂組成物がポリエチレンテレフタレートであることを特徴とする請求項6記載の樹脂溶着方法。
  8. 溶着用ポリアミド樹脂組成物と熱可塑性ポリエステル樹脂組成物が二色射出成形法により両樹脂組成物を溶着接合することを特徴とする、請求項6または7記載の樹脂溶着方法。
  9. 二色射出成形時の一次成形体として溶着用ポリアミド樹脂組成物、二次成形体として熱可塑性ポリエステル樹脂組成物を用い、二色射出成形法により溶着することを特徴とする請求項8記載の樹脂溶着方法。
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