JP2021066659A - 化粧品基材及び該化粧品基材を含有する化粧品 - Google Patents
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Abstract
【課題】損傷した毛髪の表面を被覆し、毛髪に疎水性と滑らかさを付与し、かつ、該毛髪のくし通り性を良好にすることができる化粧品基材と、該化粧品基材を含有する化粧品の提供。【解決手段】ペプチド又はペプチド誘導体、多塩基酸、及び、式(I)で表す脂肪酸アミドアミンの3成分によって形成される塩で化粧品基材を構成し、該化粧品基材を含有させて構成する化粧品。前記ペプチドが構成アミノ酸に塩基性アミノ酸を含む、化粧品基材。(R1はC11〜25の飽和/不飽和の鎖式炭化水素又はC11〜25の飽和/不飽和の環式炭化水素;R2はC1〜3のアルキレン基;R3及びR4は夫々独立にC1〜3のアルキル基)【選択図】なし
Description
本発明は、ペプチド又はペプチド誘導体、多塩基酸、及び、脂肪酸アミドアミンからなる塩を含有する化粧品基材及びそれを配合する化粧品に関するものである。すなわち、本発明は、上記のようなペプチド又はペプチド誘導体、特定の酸、特定の界面活性剤からなり、化粧品、特にヘアトリートメントなどの毛髪処理剤などに配合された際に毛髪に対して優れたコンディショニング作用を発揮する化粧品基材とそれを含有する化粧品に関するものである。
健康な毛髪表面には18−メチルエイコサン酸などの疎水性物質が存在し、それが毛髪の柔軟性やしっとり感、艶やかさや滑らかさなどの官能的特性に大きく関与しているものと考えられる。しかし、パーマ、ヘアカラーなどの化学処理やブラッシングなどの物理処理によって損傷した毛髪は、毛髪表面の疎水性が失われ、柔軟性やしっとり感、艶やかさや滑らかさなどの官能的特性が著しく低下している。そこで、それらの官能的特性の低下を改善する目的で様々な毛髪コンディショニング作用を有する化粧品基材が開発され、化粧品に配合されている。
毛髪コンディショニング作用を有する化粧品基材としては、毛髪への吸着力が強いという理由でペプチドやその誘導体が多用され、既にヘアトリートメントやシャンプーなどの毛髪処理剤に配合されている。それらの中でも、タンパク質を加水分解することで得られるタンパク質加水分解物(加水分解タンパク)やその誘導体が広く利用されている(特許文献1)。
ペプチドの誘導体としては、タンパク質加水分解物と脂肪酸をアミド結合させることで得られるアシル化加水分解タンパクが、タンパク質加水分解物の毛髪コンディショニング作用を高めた化粧品基材として開発され、多種の毛髪処理剤に配合されている(特許文献2など)。
なかでも、構成アミノ酸に酸性アミノ酸を有するペプチドやペプチド誘導体とカチオン界面活性剤などの特定の界面活性剤とのイオンコンプレックスが、毛髪への吸着力が高く、損傷によって官能特性が低下した毛髪表面を疎水化し、毛髪に柔軟性、保湿性、滑らかさ、艶やかさなどを付与する作用が優れているため、該イオンコンプレックスを形成しているペプチド又はペプチド誘導体からなる化粧品基材と、該化粧品基材を含有する化粧品が開発されている(特許文献3)
さらには、ペプチドの活性アミノ基を二塩基有機酸無水物などと反応させることでアシル化したアシルペプチドの酸性官能基の一部又は全部を、特定の脂肪酸アミドアミンで中和したアシルペプチドの脂肪酸アミドアミン塩が、毛髪に疎水性と滑らかさを付与し、かつ、該毛髪のくし通り性を良好にする作用に優れていることから、該アシルペプチドの脂肪酸アミドアミン塩からなる化粧品基材と、該化粧品基材を含有する化粧品が開発されている(特許文献4)
前記界面活性剤とイオンコンプレックスを形成しているペプチド又はペプチド誘導体からなる化粧品基材、及び、前記アシルペプチドの脂肪酸アミドアミン塩からなる化粧品基材は、損傷した毛髪に疎水性や滑らかさを付与する能力が優れていて、該毛髪のくし通り性を良好にするものの、化粧品への要求はさらに高度化しており、さらに毛髪コンディショニング作用を高めた化粧品基材の開発が望まれていた。
本発明は、損傷によって毛髪表面の18−メチルエイコサン酸を主成分とする脂質の層が失われて、疎水性と滑らかさが低下し、くし通り性が悪くなった毛髪表面を被覆し、毛髪に疎水性と滑らかさを付与し、かつ、該毛髪のくし通り性を良好にすることができる化粧品基材と、該化粧品基材を含有する化粧料を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ペプチド又はペプチド誘導体、多塩基酸、及び、脂肪酸アミドアミンの3成分によって形成される塩を含有する化粧料基材が、毛髪に疎水性と滑らかさを付与し、かつ、該毛髪のくし通り性を良好にする作用が優れていることを見出し、それに基づいて、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、ペプチド又はペプチド誘導体、多塩基酸、及び、下記の一般式(I)
(式中、R1は、炭素数11〜25の飽和若しくは不飽和の鎖式炭化水素又は炭素数11〜25の飽和若しくは不飽和の環式炭化水素を表し、R2は炭素数1〜3のアルキレン基を表し、R3、R4はそれぞれ炭素数1〜3のアルキル基を表す)
で表される脂肪酸アミドアミンの3成分によって形成される塩を含有することを特徴とする化粧品基材を基本発明とするもので、本願では、これを請求項1に係る発明とする。
で表される脂肪酸アミドアミンの3成分によって形成される塩を含有することを特徴とする化粧品基材を基本発明とするもので、本願では、これを請求項1に係る発明とする。
前記3成分からなる塩を構成するペプチド又はペプチド誘導体は毛髪への高い吸着性を示し、また、脂肪酸アミドアミンの脂肪酸残基は毛髪へ疎水性を付与することから、当該塩は、特に、損傷した毛髪のコンディション(状態)を改善する特性を示す。そのため、多塩基酸とイオン結合するペプチド又はペプチド誘導体には、主鎖の末端アミノ基以外にも陽イオン性官能基が含まれていることが、その特性上から好ましい。
そこで、本発明において、塩を構成するペプチド又はペプチド誘導体としては、側鎖に陽イオン性官能基を有する塩基性アミノ酸を含むペプチド又はペプチド誘導体が好ましく、本願では、これを請求項2に係る発明とする。
本発明の化粧品基材は、損傷によって疎水性と滑らかさが低下し、くし通り性が悪くなった毛髪に、疎水性と滑らかさを付与し、かつ、該毛髪のくし通り性を良好にする特徴を有するので、本願では、前記請求項1に記載の化粧品基材を含有することを特徴とする化粧品を、請求項3に係る発明とする。
本発明の化粧品基材は、前記のように、毛髪のコンディションを改善する特性を有することから、特にヘアトリートメントやヘアミストなどの毛髪のコンディションを改善する毛髪化粧品に配合した際には本発明の効果が顕著に奏される。
本発明の化粧品基材は、損傷によって疎水性と滑らかさが低下し、くし通り性が悪くなった毛髪に、疎水性と滑らかさを付与し、その結果として、毛髪のくし通り性を良好にし、元の健康状態にまでくし通り性を回復させることができ、また、健康な毛髪のくし通り性をより向上させることができる。従って、特に毛髪化粧品に好適に用いられ、上記のような作用を発揮する。また、本発明の化粧品基材は、皮膚化粧品にも配合でき、乾燥した皮膚に柔軟性と保湿性を付与することができる。
次に、本発明を実施するための形態を説明する。まず、本発明の化粧品基材を構成するにあたって使用されるペプチド又はペプチド誘導体、多塩基酸、脂肪酸アミドアミンについて説明し、その後で、前記3成分からなる塩の形成方法、化粧品基材の形態、化粧品基材が配合される化粧品について説明する。
[ペプチド]
本発明の化粧品基材を構成するにあたって使用されるペプチド又はペプチド誘導体は主鎖末端アミノ基を含めて1以上の陽イオン性官能基を含んでいれば良く、さらには、その構成アミノ酸にアミノ基、ヒドロキシアミノ基、グアニジノ基又はイミダゾリル基を有する塩基性アミノ酸を含んでいることが好ましい。例えば、下記一般式(II)
本発明の化粧品基材を構成するにあたって使用されるペプチド又はペプチド誘導体は主鎖末端アミノ基を含めて1以上の陽イオン性官能基を含んでいれば良く、さらには、その構成アミノ酸にアミノ基、ヒドロキシアミノ基、グアニジノ基又はイミダゾリル基を有する塩基性アミノ酸を含んでいることが好ましい。例えば、下記一般式(II)
〔式(II)中、R5は中性アミノ酸の側鎖の残基を表し、R6は酸性アミノ酸の側鎖の残基を表し、R7は側鎖にアミノ基を有する塩基性アミノ酸のアミノ基を除いた側鎖の残基を表す。また、Mは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、及び/又はマグネシウムを表す。さらに、a、b、c、d及びeは各アミノ酸の数を表し、a+b+c+d+eはアミノ酸重合度を表すが、a+b+c+d+eは2以上であり、好ましくは、a+b+c+d+eは2以上であり、かつ、c+d+eが1以上である。なお、a、b、c、d及びeはアミノ酸の数を表すのみで、アミノ酸配列の順序を表すものではない。a、b、c、d、e、a+b+c+d+e、及びc+d+eは理論的には整数であるが、ペプチドは分子量の異なるものの混合物として得られることが多いため、これらの値は平均値になり、通常は整数以外の数で表されることが多い〕
で表されるペプチドであり、工業的に入手しやすく、かつ本発明の化粧品基材が化粧品に配合される際の安全性の観点から考えると、タンパク質を加水分解することで得られるタンパク質加水分解物(加水分解タンパクとも言う)を用いることが好ましい。
で表されるペプチドであり、工業的に入手しやすく、かつ本発明の化粧品基材が化粧品に配合される際の安全性の観点から考えると、タンパク質を加水分解することで得られるタンパク質加水分解物(加水分解タンパクとも言う)を用いることが好ましい。
ペプチド又はペプチド誘導体のアミノ酸重合度の好適な範囲は、配合する化粧品の種類によっても異なるが、化粧品に配合した際の化粧品の安定性と本発明の化粧品基材の毛髪への吸着能力から考えると、アミノ酸平均重合度が2〜500であることが好ましい。
前記タンパク質加水分解物は、タンパク質を酸、アルカリ、酵素、又はそれらの併用によって部分加水分解することで得られ、そのタンパク質源としては、動物性タンパク質、植物性タンパク質、微生物由来のタンパク質などが挙げられるが、動物性タンパク質としては、例えば、コラーゲン(その変性物であるゼラチンも含む)、ケラチン、フィブロイン、セリシン、カゼイン、コンキオリン、エラスチン、プロタミン、鶏などの卵黄タンパク質や卵白タンパク質などを挙げることができ、植物性タンパク質としては、例えば、大豆、小麦、米(米糠)、ゴマ、エンドウ、トウモロコシ、イモ類などに含まれるタンパク質を挙げることができ、微生物由来のタンパク質としては、例えば、サッカロミセス属、カンディダ属、エンドミコプシス属の酵母菌、ビール酵母や清酒酵母といわれる酵母菌より分離した酵母タンパク質、キノコ類(担子菌)やクロレラより分離したタンパク質、海藻由来のスピルリナタンパク質などを挙げることができる。
本発明の化粧品基材は、ペプチド又はペプチド誘導体の陽イオン性官能基の少なくとも一部、及び脂肪酸アミドアミンの陽イオン性官能基が、多塩基酸の2以上の陰イオン性官能基(すなわち、カルボキシル基又は/及び酸性水酸基)とイオン結合することによって塩を形成することが必要であるため、該ペプチド又はペプチド誘導体のペプチド部はその構成アミノ酸に塩基性アミノ酸を含んでいることが好ましい。前記タンパク質の中でも、動物性タンパク質や植物性タンパク質はリジン、アルギニン、ヒスチジンなどの塩基性アミノ酸を含んでいるので、本発明の化粧品基材において塩を形成するためのタンパク質源として適しており、工業的な入手のしやすさや化粧品に配合した際の安全性の高さに加え、本発明の化粧品基材が毛髪に適用された際の毛髪への吸着能力や官能的特性を考慮すると、これらのタンパク質を加水分解することで得られる動物性タンパク質加水分解物や植物性タンパク質加水分解物が、本発明の化粧品基材を構成するにあたって使用するペプチド又はペプチド誘導体のペプチド部として適しており、さらには、構成アミノ酸の5%以上が塩基性アミノ酸であるタンパク質の加水分解物が好ましく、その中でも特に、加水分解ダイズタンパク質、加水分解ゴマタンパク質、加水分解エンドウタンパク質、加水分解コメタンパク質がより好ましい。
[ペプチド誘導体]
本発明の化粧品基材を構成するにあたって使用されるペプチド誘導体としては、ペプチドのアミノ基が化学修飾されたものが該当する。つまり、上記の一般式(II)中のペプチド主鎖の末端アミノ基とアミノ酸側鎖のアミノ基の一部において、その水素原子が官能基で置換されたものが該当し、具体的には、例えば、アシル化ペプチド、グリセリル化ペプチド、第4級アンモニウム化ペプチド、シリル化ペプチド、アルキルグリセリル化ペプチド、2−ヒドロキシアルキル化ペプチドなどが、工業的に容易に入手でき、化粧品に配合しても安全であることから、好ましい例として挙げられる。
本発明の化粧品基材を構成するにあたって使用されるペプチド誘導体としては、ペプチドのアミノ基が化学修飾されたものが該当する。つまり、上記の一般式(II)中のペプチド主鎖の末端アミノ基とアミノ酸側鎖のアミノ基の一部において、その水素原子が官能基で置換されたものが該当し、具体的には、例えば、アシル化ペプチド、グリセリル化ペプチド、第4級アンモニウム化ペプチド、シリル化ペプチド、アルキルグリセリル化ペプチド、2−ヒドロキシアルキル化ペプチドなどが、工業的に容易に入手でき、化粧品に配合しても安全であることから、好ましい例として挙げられる。
前記アシル化ペプチドとしては、ペプチド主鎖の末端アミノ基とアミノ酸側鎖のアミノ基に炭素数8〜32の直鎖又は分岐鎖の飽和または不飽和の脂肪酸や樹脂酸をアミド結合させたものが該当する。つまり、上記一般式(II)中のペプチド主鎖の末端アミノ基及びアミノ酸側鎖のアミノ基の一部に、炭素数8〜32の直鎖又は分岐鎖の飽和もしくは不飽和の脂肪酸や樹脂酸のカルボキシ基中の−OH基を除いた残基が結合しているものが該当する。
前記炭素数8〜32の直鎖又は分岐鎖の飽和もしくは不飽和の脂肪酸や樹脂酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、ヤシ油脂肪酸、イソステアリン酸、ステアリン酸、ウンデシレン酸、ラノリン脂肪酸、樹脂酸、水素添加樹脂酸などが挙げられる。そして、アシル化ペプチドの塩としては、例えば、カリウム塩、ナトリウム塩、トリエタノールアミン塩、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール塩、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール塩などが挙げられる。
既に述べたようにタンパク質加水分解物(加水分解タンパクとも言う)は工業的に入手しやすく、人体に対して安全性が高いので、アシル化ペプチドのペプチド部にも加水分解タンパクを用いるのが好ましく、本発明の化粧品基材を構成するにあたって使用するアシル化ペプチドとしては、アシル化加水分解タンパクが好ましい。
グリセリル化ペプチドとしては、上記一般式(II)中のペプチド主鎖の末端アミノ基とアミノ酸側鎖のアミノ基の少なくとも一部に、下記一般式(III)
前記アシル化ペプチドの場合と同様に、グリセリル化ペプチドのペプチド部にも加水分解タンパクを用いるのが好ましく、本発明の化粧品基材を構成するにあたって使用するグリセリル化ペプチドとしては、グリセリル化加水分解タンパクが好ましい。
第4級アンモニウム化ペプチドとしては、上記一般式(II)中のペプチド主鎖の末端アミノ基とアミノ酸側鎖のアミノ基の少なくとも一部に、下記一般式(V)
で表される基が結合したものが該当する。第4級アンモニウム化ペプチドは、アルカリ条件下でペプチドと第4級アンモニウム化合物とを反応させることによって得られる。
上記第4級アンモニウム化合物の具体例としては、例えば、グリシジルステアリルジメチルアンモニウムクロリド、グリシジルヤシ油アルキルジメチルアンモニウムクロリド、グリシジルラウリルジメチルアンモニウムクロリド、グリシジルトリメチルアンモニウムクロリドなどのグリシジルアンモニウム塩、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルステアリルジメチルアンモニウムクロリド、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルヤシ油アルキルジメチルアンモニウムクロリド、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルラウリルジメチルアンモニウムクロリド、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルエチルジメチルアンモニウムクロリド、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドなどの3−ハロ−2−ヒドロキシプロピルアンモニウム塩、2−クロロエチルトリメチルアンモニウムクロリドなどの2−ハロ−エチルアンモニウム塩、3−クロロプロピルトリメチルアンモニウムクロリドなどの3−ハロ−プロピルアンモニウム塩などが挙げられる。
前記アシル化ペプチドの場合と同様に、第4級アンモニウム化ペプチドのペプチド部にも加水分解タンパクが好ましく、本発明の化粧品基材を構成するにあたって使用する第4級アンモニウム化ペプチドとしては、第4級アンモニウム化加水分解タンパクが好ましい。
シリル化ペプチドとしては、上記一般式(II)中のペプチド主鎖の末端アミノ基とアミノ酸側鎖のアミノ基の少なくとも一部に、下記一般式(VI)
で表される基が結合したものが該当する。このシリル化ペプチドは、例えば、特開平8−059424号公報、特開平8−067608号公報などに記載の方法で製造することができる。
本発明で用いるシリル化ペプチドには、前記一般式(VI)がアミノ基に結合したペプチドに加えて、一般式(VI)がアミノ基に結合したペプチドの重合体であるシリコーンレジン化ペプチドを含有したものも含まれる。
前記アシル化ペプチドの場合と同様に、シリル化ペプチドのペプチド部にも加水分解タンパクを用いるのが好ましく、本発明の化粧品基材を構成するにあたって使用するシリル化ペプチドとしては、シリル化加水分解タンパクが好ましい。
アルキルグリセリル化ペプチドとしては、上記一般式(II)中のペプチド主鎖の末端アミノ基とアミノ酸側鎖のアミノ基の少なくとも一部に、下記一般式(VII)
で表される基が結合したものが該当する。このアルキルグリセリル化ペプチドはアルカリ条件下でペプチドと下記の一般式(VIII)
ペプチドとアルキルグリセリル化剤を反応させる際の温度は、30℃〜80℃が好ましく、40℃〜70℃がより好ましい。前記温度以下では、ペプチドとアルキルグリセリル化剤との反応性が悪くなり、前記温度以上では、ペプチドが著しい着色や不快臭を生じるため化粧品基材としては適切でなく、加熱温度を高くすることによる反応性の向上も見込めない。
また、ペプチドとアルキルグリセリル化剤を反応させる際の反応時間は、温度やpH、ペプチドの濃度によっても異なるが、1〜10時間が好ましく、2〜8時間がより好ましい。反応時間が前記時間より短い場合では、未反応のアルキルグリセリル化剤が残存し、前記時間より長い場合では、ペプチドが着色や不快臭を生じやすくなる。
前記アシル化ペプチドの場合と同様に、アルキルグリセリル化ペプチドのペプチド部にも加水分解タンパクを用いるのが好ましく、本発明の化粧品基材を構成するにあたって使用するアルキルグリセリル化ペプチドとしては、アルキルグリセリル化加水分解タンパクが好ましい。
2−ヒドロキシアルキル化ペプチドとしては、上記一般式(II)中のペプチド主鎖の末端アミノ基とアミノ酸側鎖のアミノ基の少なくとも一部に下記一般式(IX)
で表される基が結合したものが該当する。この2−ヒドロキシアルキル化ペプチドはアルカリ条件下でペプチドと下記の一般式(X)
ペプチドと2−ヒドロキシアルキル化剤を反応させる際の温度は、30℃〜80℃が好ましく、40℃〜70℃がより好ましい。前記温度以下では、ペプチドと2−ヒドロキシアルキル化剤との反応性が悪くなり、前記温度以上では、ペプチドが著しい着色や不快臭を生じるため化粧品基材としては適切でなく、加熱温度を高くすることによる反応性の向上も見込めない。
また、ペプチドと2−ヒドロキシアルキル化剤を反応させる際の反応時間は、温度やpH、ペプチドの濃度によっても異なるが、1〜10時間が好ましく、2〜8時間がより好ましい。反応時間が前記時間より短い場合では、未反応の2−ヒドロキシアルキル化剤が残存し、前記時間より長い場合では、ペプチドが着色や不快臭を生じやすくなる。
前記アシル化ペプチドの場合と同様に、2−ヒドロキシアルキル化ペプチドのペプチド部にも加水分解タンパクを用いるのが好ましく、本発明の化粧品基材を構成するにあたって使用する2−ヒドロキシアルキル化ペプチドとしては、2−ヒドロキシアルキル化加水分解タンパクが好ましい。
[多塩基酸]
本発明の化粧品基材は、構成アミノ酸に塩基性アミノ酸を有するペプチド又はペプチド誘導体、及び、脂肪酸アミドアミンと多塩基酸が塩を形成することによって、毛髪への高い吸着性と、毛髪表面の疎水化を同時に実現し、その結果、毛髪に柔軟性、保湿性、滑らかさ、艶やかさなどを付与することができる。多塩基酸としては、多塩基有機酸又は多塩基無機酸が挙げられる。多塩基有機酸とは、2以上、好ましくは2〜4のカルボキシル基を有する有機酸、1以上のカルボキシル基と1以上のスルホ基を有する有機酸、あるいは、1以上のホスホン基若しくはホスフェート基を有する有機酸を意味し、炭素原子数が4〜12の範囲にあることが好ましく、4〜6の範囲にあることが特に好ましい。具体的には、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、フタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、グルタコン酸、グルタル酸、3−ヒドロキシグルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、アコニット酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、エチレンジアミン四酢酸、N,N−ビス(カルボキシメチル)−L−グルタミン酸、システイン酸、ラウリルリン酸、エチドロン酸等が挙げられる。多塩基有機酸は、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を混合して用いてもよい。
本発明の化粧品基材は、構成アミノ酸に塩基性アミノ酸を有するペプチド又はペプチド誘導体、及び、脂肪酸アミドアミンと多塩基酸が塩を形成することによって、毛髪への高い吸着性と、毛髪表面の疎水化を同時に実現し、その結果、毛髪に柔軟性、保湿性、滑らかさ、艶やかさなどを付与することができる。多塩基酸としては、多塩基有機酸又は多塩基無機酸が挙げられる。多塩基有機酸とは、2以上、好ましくは2〜4のカルボキシル基を有する有機酸、1以上のカルボキシル基と1以上のスルホ基を有する有機酸、あるいは、1以上のホスホン基若しくはホスフェート基を有する有機酸を意味し、炭素原子数が4〜12の範囲にあることが好ましく、4〜6の範囲にあることが特に好ましい。具体的には、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、フタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、グルタコン酸、グルタル酸、3−ヒドロキシグルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、アコニット酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、エチレンジアミン四酢酸、N,N−ビス(カルボキシメチル)−L−グルタミン酸、システイン酸、ラウリルリン酸、エチドロン酸等が挙げられる。多塩基有機酸は、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を混合して用いてもよい。
前記多塩基有機酸は、工業的に入手しやすく、かつ本発明の化粧品基材が化粧品に配合される際の安全性の観点から考えると、特に好ましい例として、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸が挙げられる。
多塩基無機酸とは、2以上の酸性水酸基を有する無機酸であり、具体的には、硫酸、リン酸等が挙げられる。また、多塩基無機酸には酸性水酸基の一部がアルカリ金属で置換された多塩基無機酸塩も含まれ、具体的には、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム等が挙げられる。
[脂肪族アミドアミン]
本発明で使用する脂肪酸アミドアミンは、下記の一般式(I)
本発明で使用する脂肪酸アミドアミンは、下記の一般式(I)
脂肪酸アミドアミンは、脂肪酸のカルボキシ基に、ジアルキルアミノアルキレンアミンのアミノ基をアミド結合させることで得られる。R1が環式炭化水素を有するアミドアミンとしては、例えば、脂肪酸としてロジン(松脂)を用いた場合である。ロジンは松科の植物に多量に含まれる松脂の不揮発性の成分であり、樹脂酸ともよばれる各種異性体を主成分としたもので、アビエチン酸、ネオアビエチン酸、パラストリン酸、ピマール酸、イソピマール酸、デヒドロアビエチン酸などが含まれている。また、化粧品基材としての安定性や安全性を重視するならば、ロジンを水添した水添ロジンを用いることが好ましい。
本発明で使用する脂肪酸アミドアミンは、前述の一般式(I)で表されるものであればどのようなものでもよいが、その具体例を挙げると、例えば、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド(つまり、ステアラミドエチルジエチルアミン)、パルミチン酸ジエチルアミノエチルアミド、ベヘン酸ジエチルアミノエチルアミド、ミリスチン酸ジエチルアミノエチルアミド、ラウリン酸ジエチルアミノエチルアミド、イソステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド(つまり、ステアラミドプロピルジメチルアミン)、パルミチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ベヘン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ミリスチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ラウリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、イソステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、樹脂酸ジエチルアミノエチルアミド、水添樹脂酸ジエチルアミノエチルアミド、樹脂酸ジメチルアミノプロピルアミド、水添樹脂酸ジメチルアミノプロピルアミドなどが挙げられる。
それらの中でも、工業的に入手し易く、かつ、本発明の効果を充分に発現させることができる脂肪族アミドアミンとしては、例えば、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジエチルアミノエチルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ベヘン酸ジエチルアミノエチルアミド、イソステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、水添樹脂酸ジエチルアミノエチルアミドが好ましく、化粧品基材としての安定性と汎用性を重視するとステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、パルミチン酸ジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノプロピルアミドがより好ましく、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミドとパルミチン酸ジエチルアミノエチルアミドがモル比で約1:1の割合で混合されたセトステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド〔つまり、セテアラミドエチルジエチルアミン〕、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノプロピルアミドがモル比で約1:1の割合で混合されたセトステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド〔つまり、セテアラミドプロピルジメチルアミン〕は、特に好ましい。
また、本発明の化粧品基材を配合する化粧品が毛髪セット剤やスタイリング剤である場合は、脂肪酸アミドアミンとして水添樹脂酸ジエチルアミノエチルアミドを用いると、本発明の損傷毛髪の特性を改善する基本的な効果に加え、良好な毛髪セット効果も奏するようになるので特に好ましい。
[3成分からなる塩の形成方法]
本発明の化粧品基材である、構成アミノ酸に塩基性アミノ酸を有するペプチド又はペプチド誘導体、多塩基酸、及び、脂肪酸アミドアミンの3成分からなる塩は、さまざまな方法によって形成させることができる。例えば、ペプチド又はペプチド誘導体を水やエタノール、イソプロパノールなどの低級アルコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリンなどの多価アルコールなどの溶剤で溶液状にし、ペプチド又はペプチド誘導体の全陽イオン性官能基のモル数に対して0.6〜1.0当量に相当する量の多塩基酸を加えて、酸性にする。このような操作によって、多塩基酸のカルボキシル基又は酸性水酸基の一部が遊離状態〔つまり、−COOH又は−OHの状態〕となったペプチド又はペプチド誘導体と多塩基酸の2成分からなる塩が形成される。
本発明の化粧品基材である、構成アミノ酸に塩基性アミノ酸を有するペプチド又はペプチド誘導体、多塩基酸、及び、脂肪酸アミドアミンの3成分からなる塩は、さまざまな方法によって形成させることができる。例えば、ペプチド又はペプチド誘導体を水やエタノール、イソプロパノールなどの低級アルコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリンなどの多価アルコールなどの溶剤で溶液状にし、ペプチド又はペプチド誘導体の全陽イオン性官能基のモル数に対して0.6〜1.0当量に相当する量の多塩基酸を加えて、酸性にする。このような操作によって、多塩基酸のカルボキシル基又は酸性水酸基の一部が遊離状態〔つまり、−COOH又は−OHの状態〕となったペプチド又はペプチド誘導体と多塩基酸の2成分からなる塩が形成される。
次に、前記多塩基酸のカルボキシル基又は酸性水酸基の一部が遊離状態となったペプチド又はペプチド誘導体と多塩基酸の塩を含む酸性の溶液に、一般式(I)で表される脂肪酸アミドアミンを添加し中和することで、純度の高いペプチド又はペプチド誘導体、多塩基酸、及び、脂肪酸アミドアミンの3成分の塩からなる化粧品基材を得ることができる。
この一般式(I)で表される脂肪酸アミドアミンによる中和率〔つまり、ペプチド又はペプチド誘導体と多塩基酸の塩における遊離状態のカルボキシル基又は酸性水酸基に対する一般式(I)で表される脂肪族アミドアミンによる中和率〕は、高いほど好ましく、つまり、高いほど損傷した毛髪に対して疎水性と滑らかさを付与し、該毛髪のくし通り性を良好にする効果が顕著に奏されるようになるので好ましく、一般に、ペプチド又はペプチド誘導体と多塩基酸の塩におけるイオン結合にあずからないカルボキシル基又は酸性水酸基に対して30モル%以上が一般式(I)で表される脂肪酸アミドアミンで中和されていることが好ましく、特に40モル%以上が一般式(I)で表される脂肪酸アミドアミンで中和されていることが好ましい。
上記のようにして形成されたペプチド又はペプチド誘導体、多塩基酸、及び、脂肪酸アミドアミンの3成分からなる塩を例示する。ペプチド又はペプチド誘導体、多塩基酸、及び、脂肪酸アミドアミンの3成分からなる塩は、多塩基酸が2以上のカルボキシル基を有する有機酸の場合には、そのカルボキシル基がペプチド及びペプチド誘導体の陽イオン性官能基、さらには、脂肪酸アミドアミンの陽イオン性官能基〔つまり、第3級アミノ基〕とイオン結合を生じ、また、多塩基酸が1以上のカルボキシル基と1以上のスルホ基を有する有機酸、1以上のホスホン基若しくはホスフェート基を有する有機酸、あるいは、多塩基無機酸の場合には、カルボキシル基又は/及び酸性水酸基がペプチド及びペプチド誘導体の陽イオン性官能基、さらには、脂肪酸アミドアミンの陽イオン性官能基とイオン結合を生じているので、それらを分けて説明する。
まず、ペプチド又はペプチド誘導体、2以上のカルボキシル基を有する有機酸、及び、脂肪酸アミドアミンの3成分からなる塩は、次の一般式(XI)で表される。なお、ペプチドは、前記のように、一般式(II)で表され、また、ペプチド誘導体では、アシル化ペプチドの場合には、一般式(II)中のペプチド主鎖の末端アミノ基とアミノ酸側鎖アミノ基の一部に炭素数8〜32の直鎖又は分岐鎖の飽和または不飽和の脂肪酸や樹脂酸が結合しており、グリセリル化ペプチド、第4級アンモニウム化ペプチド、シリル化ペプチド、アルキルグリセリル化ペプチド、及び、2−ヒドロキシアルキル化ペプチドの場合には、一般式(II)中のペプチド主鎖の末端アミノ基とアミノ酸側鎖アミノ基の少なくとも一部に、それぞれ、前記の一般式(III)又は(IV)、一般式(V)、一般式(VI)、一般式(VII)、及び、一般式(IX)で表される基が結合しているが、ペプチド又はペプチド誘導体が多塩基有機酸とイオン結合を形成する部分は、ペプチド主鎖の末端アミノ基、アミノ酸側鎖のアミノ基、およびそれらに一般式(III)〜(VII)または一般式(IX)で表される基が結合したアミノ基、または、アミノ酸側鎖のグアニジノ基、イミダゾリル基のところなので、ペプチド又はペプチド誘導体に関しては、それらの陽イオン性官能基の部分のみを抜き出して表示し、他の部分は「ペプチド」で表す。なお、一般式(XI)において、R14はペプチド主鎖の末端アミノ基、アミノ酸側鎖のアミノ基、およびそれらに一般式(III)〜(VII)または一般式(IX)で表される基が結合したアミノ基、グアニジノ基、または、イミダゾリル基で表される基を表す。
さらに、2以上のカルボキシル基を有する有機酸は、そのカルボキシル基がペプチド又はペプチド誘導体、及び、脂肪酸アミドアミンとイオン結合を形成する。一般式(XI)では、例として、ペプチド又はペプチド誘導体、2残基のカルボキシル基を有する有機酸、及び、脂肪酸アミドアミンからなる塩が表されており、2残基のカルボキシル基を有する有機酸については、イオン結合にあずかるカルボキシル基のみを抜き出して表示し、他の部分は「多塩基有機酸」で表す。
前記3成分からなる塩の有機酸が、3以上のカルボキシル基を有する有機酸の場合には、一般式(XI)において、1以上のカルボキシル基が表されていないが、その場合、一般式(XI)に表されていない1以上のカルボキシル基は、一般式(II)で表されているペプチド又は前記ペプチド誘導体の分子内に存在する別の陽イオン性官能基、あるいは、一般式(XI)に表されていない別のペプチド又はペプチド誘導体の分子内に存在する陽イオン性官能基、あるいは、一般式(I)で表されている脂肪酸アミドアミン、あるいは、塩形成時の溶液中に存在しているアルカリ金属陽イオン等の他の陽イオンとイオン結合を形成しているか、若しくは、遊離状態で存在している。このイオン結合によって生じた、少なくとも、ペプチド又はペプチド誘導体、2以上のカルボキシル基を有する有機酸、及び、脂肪族アミドアミンの3成分からなる塩が本発明の化粧品基材に充分な効果をもたらす要因である。
次に、ペプチド又はペプチド誘導体、1以上のカルボキシル基と1以上のスルホ基を有する有機酸又は1以上のホスホン基若しくはホスフェート基を有する有機酸、あるいは、多塩基無機酸、及び、脂肪酸アミドアミンの3成分からなる塩は、次の一般式(XII)で表される。なお、ペプチドは、前記のように、一般式(II)で表され、また、ペプチド誘導体では、アシル化ペプチドの場合には、一般式(II)中のペプチド主鎖の末端アミノ基とアミノ酸側鎖アミノ基の一部に炭素数8〜32の直鎖又は分岐鎖の飽和または不飽和の脂肪酸や樹脂酸が結合しており、グリセリル化ペプチド、第4級アンモニウム化ペプチド、シリル化ペプチド、アルキルグリセリル化ペプチド、及び、2−ヒドロキシアルキル化ペプチドの場合には、一般式(II)中のペプチド主鎖の末端アミノ基とアミノ酸側鎖アミノ基の少なくとも一部に、それぞれ、前記の一般式(III)又は(IV)、一般式(V)、一般式(VI)、一般式(VII)、及び、一般式(IX)で表される基が結合しているが、ペプチド又はペプチド誘導体が多塩基有機酸とイオン結合を形成する部分は、ペプチド主鎖の末端アミノ基、アミノ酸側鎖のアミノ基、およびそれらに一般式(III)〜(VII)または一般式(IX)で表される基が結合したアミノ基、または、アミノ酸側鎖のグアニジノ基、イミダゾリル基であるため、ペプチド又はペプチド誘導体に関しては、それらの陽イオン性官能基の部分のみを抜き出して表示し、他の部分は「ペプチド」で表す。なお、一般式(XI)において、R14はペプチド主鎖の末端アミノ基、アミノ酸側鎖のアミノ基、およびそれらに一般式(III)〜(VII)または一般式(IX)で表される基が結合したアミノ基、グアニジノ基、または、イミダゾリル基で表される基を表す。
さらに、1以上のカルボキシル基と1以上のスルホ基を有する有機酸又は1以上のホスホン基若しくはホスフェート基を有する有機酸、あるいは、多塩基無機酸は、2以上のカルボキシル基又は/及び酸性水酸基がペプチド又はペプチド誘導体、及び、脂肪酸アミドアミンとイオン結合を形成する。一般式(XII)では、例として、ペプチド又はペプチド誘導体、2残基のカルボキシル基又は/及び酸性水酸基を有する有機酸、あるいは、多塩基無機酸、及び、脂肪酸アミドアミンからなる塩が表されており、2残基のカルボキシル基又は/及び酸性水酸基を有する有機酸、あるいは、多塩基無機酸については、イオン結合にあずかるカルボキシル基の−OH基及び酸性水酸基のみを抜き出して表示し、他の部分は「多塩基酸」で表す。
前記3成分からなる塩の、1以上のカルボキシル基と1以上のスルホ基を有する有機酸又は1以上のホスホン基を有する有機酸、あるいは、多塩基無機酸が3以上のカルボキシル基又は/及び酸性水酸基を有する場合には、一般式(XII)において、1以上のカルボキシル基又は/及び酸性水酸基が表されていないが、その場合、一般式(XII)に表されていない1以上のカルボキシル基又は/及び酸性水酸基は、一般式(II)で表されているペプチド又は前記ペプチド誘導体の分子内に存在する別の陽イオン性官能基、あるいは、一般式(XII)に表されていない別のペプチド又はペプチド誘導体の分子内に存在する陽イオン性官能基、あるいは、一般式(I)で表されている脂肪酸アミドアミン、あるいは、塩形成時の溶液中に存在しているアルカリ金属陽イオン等の他の陽イオンとイオン結合を形成しているか、若しくは、遊離状態で存在している。このイオン結合によって生じた、少なくとも、ペプチド又はペプチド誘導体、1以上のカルボキシル基と1以上のスルホ基を有する有機酸又は1以上のホスホン基若しくはホスフェート基を有する有機酸、あるいは、多塩基無機酸、及び、脂肪族アミドアミンの3成分からなる塩が本発明の化粧品基材に充分な効果をもたらす要因である。
[化粧基材の形態]
本発明の化粧品基材は、ペプチド又はペプチド誘導体、多塩基酸、及び、脂肪酸アミドアミンがイオン結合した塩からなる。この塩は乾燥して粉体の形態で化粧品基材になるが、該化粧品基材に水や低級アルコール、多価アルコールなどの溶媒を任意に加えて、該化粧品基材をペースト状又は溶液状の組成物として調製してもよい。
本発明の化粧品基材は、ペプチド又はペプチド誘導体、多塩基酸、及び、脂肪酸アミドアミンがイオン結合した塩からなる。この塩は乾燥して粉体の形態で化粧品基材になるが、該化粧品基材に水や低級アルコール、多価アルコールなどの溶媒を任意に加えて、該化粧品基材をペースト状又は溶液状の組成物として調製してもよい。
前記塩を含水エタノール溶液や含水グリセリン等の含水多価アルコール溶液に混合すると、溶液全体が均一に保たれ安定性が良いため、化粧品基材を溶液状にして提供する際には前記塩の含水エタノールや含水グリセリン等の含水多価アルコール溶液として調製することが好ましい。特に、前記塩の含水グリセリン溶液は、安定性に優れ、毛髪に適用した場合には毛髪のくし通り性を良好にする効果が高い。
前記塩と水とグリセリンの配合比率は、前記塩の種類によっても異なるが、質量比で前記塩:水:グリセリン=1〜80:5〜90:10〜60であることが、前記塩を溶液として提供する際に、製造性と化粧品基材としての安定性の面から好ましい。
[化粧品基材が配合される化粧品]
本発明の化粧品基材が配合される化粧品としては、例えば、ヘアトリートメント、ヘアコンディショナー、システムトリートメント、シャンプー、ヘアミスト、枝毛コート、ヘアクリーム、パーマネントウェーブ用第1剤及び第2剤、縮毛矯正剤、セットローション、ヘアワックス、スタイリング剤、染毛剤、染毛料、液体整髪料、養毛・育毛剤などの毛髪化粧品などが挙げられる。また、本化粧品基材を、クレンジングクリーム、エモリエントクリーム、ハンドクリーム、アフターシェービングローション、シェービングフォーム、洗顔クリーム、洗顔料、ボディーシャンプー、各種石鹸、脱毛剤、フェイスパック、乳液、化粧水、メイクアップ用品、日焼け止め用品などの皮膚化粧品に配合してもよく、その場合は皮膚に柔軟性や保湿性、皮膚への馴染み易さを付与する効果が期待できる。
本発明の化粧品基材が配合される化粧品としては、例えば、ヘアトリートメント、ヘアコンディショナー、システムトリートメント、シャンプー、ヘアミスト、枝毛コート、ヘアクリーム、パーマネントウェーブ用第1剤及び第2剤、縮毛矯正剤、セットローション、ヘアワックス、スタイリング剤、染毛剤、染毛料、液体整髪料、養毛・育毛剤などの毛髪化粧品などが挙げられる。また、本化粧品基材を、クレンジングクリーム、エモリエントクリーム、ハンドクリーム、アフターシェービングローション、シェービングフォーム、洗顔クリーム、洗顔料、ボディーシャンプー、各種石鹸、脱毛剤、フェイスパック、乳液、化粧水、メイクアップ用品、日焼け止め用品などの皮膚化粧品に配合してもよく、その場合は皮膚に柔軟性や保湿性、皮膚への馴染み易さを付与する効果が期待できる。
本発明の化粧品基材の化粧品への配合量(化粧品中での含有量)の好ましい範囲は、化粧品の種類によっても異なり、特に限定されるものではないが、化粧品中0.1〜10質量%が好ましい場合が多く、特に0.3〜5質量%が好ましい場合が多い。化粧品中への配合量が上記範囲より少ない場合は、損傷した毛髪に疎水性や滑らかさを付与したり、毛髪のくし通りを良好にする効果が充分に発現できなくなるおそれがある。また、本発明の化粧品基材の配合量が上記範囲より多くなっても、それに見合う効果の向上が見られない。
上記化粧品に、本発明の化粧品基材と併用して配合できる成分としては、例えば、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、カチオン性ポリマー、両性ポリマー、アニオン性ポリマーなどの合成ポリマー、半合成ポリマー類、動植物油、炭化水素類、エステル油、高級アルコール類、アミノ酸類、増粘剤、動植物抽出物、シリコーン類、防腐剤、香料、動植物由来及び微生物由来のタンパク質を加水分解したタンパク質加水分解物、それらタンパク質加水分解物のエステル化誘導体、第4級アンモニウム誘導体、シリル化誘導体、アシル化誘導体やとその塩などが挙げられる。これら以外にも本発明の化粧品基材の特性を損なわない範囲で適宜他の成分を添加することができる。
次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はそれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、実施例中などで表記されている%は、特にその単位を付記しない限り、いずれも質量%である。また、実施例などの説明に先立って、実施例中などで採用するアミノ態窒素と総窒素量の測定法及び全陽イオン性官能基のモル数の推定法について説明する。
[アミノ態窒素と総窒素量の測定法]
実施例中などでのアミノ態窒素量の測定は、バンスライク(Van Slyke)法によって行う。また、総窒素量の測定は、改良デュマ法によって行う。
実施例中などでのアミノ態窒素量の測定は、バンスライク(Van Slyke)法によって行う。また、総窒素量の測定は、改良デュマ法によって行う。
[全陽イオン性官能基のモル数の推定法]
ペプチド又はペプチド誘導体の全陽イオン性官能基のモル数は以下のようにして求めた。つまり、ペプチド又はペプチド誘導体の場合にはアシル化ペプチドの、また、ペプチド誘導体がグリセリル化ペプチド、第4級アンモニウム化ペプチド、シリル化ペプチド、アルキルグリセリル化ペプチド、2−ヒドロキシアルキル化ペプチドの場合には、誘導化前のペプチドのアミノ態窒素量を測定し、陽イオン性アミノ基のモル数を求める。さらに、ペプチド又はペプチド誘導体のアミノ酸分析によってアルギニン、ヒスチジンの存在モル数を求め、先に求めた陽イオン性アミノ基のモル数との和をペプチド又はペプチド誘導体の全陽イオン性官能基のモル数と推定する。
ペプチド又はペプチド誘導体の全陽イオン性官能基のモル数は以下のようにして求めた。つまり、ペプチド又はペプチド誘導体の場合にはアシル化ペプチドの、また、ペプチド誘導体がグリセリル化ペプチド、第4級アンモニウム化ペプチド、シリル化ペプチド、アルキルグリセリル化ペプチド、2−ヒドロキシアルキル化ペプチドの場合には、誘導化前のペプチドのアミノ態窒素量を測定し、陽イオン性アミノ基のモル数を求める。さらに、ペプチド又はペプチド誘導体のアミノ酸分析によってアルギニン、ヒスチジンの存在モル数を求め、先に求めた陽イオン性アミノ基のモル数との和をペプチド又はペプチド誘導体の全陽イオン性官能基のモル数と推定する。
なお、実施例で使用したペプチド及びペプチド誘導体のペプチド部のアミノ酸重合度〔つまり、一般式(II)におけるa+b+c+d+e〕は、ペプチド及びペプチド誘導体の場合には誘導化前の、ペプチドの総窒素量とアミノ態窒素量の割合から算出した。また、日立製作所社製のアミノ酸自動分析装置を用いたアミノ酸分析によってa:b:c:d:eを求め、アミノ酸重合度からa〜eの値を求めた。また、実施例中で使用している各タンパク質加水分解物は、それぞれのタンパク源を、酸、アルカリ又は酵素を使用した公知の方法によって加水分解したものである。
次に実施例1〜9でペプチド又はペプチド誘導体、多塩基酸、及び、脂肪酸アミドアミンからなる塩の具体例について説明する。そして、それらの実施例1〜9に次いで示す比較例1〜9ではペプチド又はペプチド誘導体の脂肪酸アミドアミン塩の具体例について説明し、比較例10ではペプチド又はペプチド誘導体の多塩基酸塩の一例としてのエンドウペプチドのコハク酸塩について具体的に説明し、比較例11ではペプチド又はペプチド誘導体の一例としてのエンドウペプチドについて具体的に説明し、比較例12ではペプチド又はペプチド誘導体、多塩基酸、及び、脂肪酸アミドアミンを単に配合した例として、エンドウペプチド、コハク酸、及び、トステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミドの配合剤について具体的に説明する。
実施例1:エンドウペプチド、コハク酸、及び、セトステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミドからなる塩
濃度30%のエンドウペプチド(「エンドウタンパク質加水分解物」を簡略化して前記のように「エンドウペプチド」で示す)[一般式(II)におけるaは2.5、bは1.3、cは0.3、dは0.3、eは0.1で、a+b+c+d+eは4.5]の水溶液50gに、全陽イオン性官能基のモル数に対して1.0当量に相当する量のコハク酸を添加し、室温にて30分間撹拌した。
濃度30%のエンドウペプチド(「エンドウタンパク質加水分解物」を簡略化して前記のように「エンドウペプチド」で示す)[一般式(II)におけるaは2.5、bは1.3、cは0.3、dは0.3、eは0.1で、a+b+c+d+eは4.5]の水溶液50gに、全陽イオン性官能基のモル数に対して1.0当量に相当する量のコハク酸を添加し、室温にて30分間撹拌した。
続いて、前記エンドウペプチドとコハク酸の塩を含む溶液を80℃で加熱撹拌し、コハク酸のモル数に対して1.0当量に相当する量のセトステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミドを添加した。さらに1時間撹拌を行い、室温まで冷却することにより、エンドウペプチド、コハク酸、及び、セトステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミドからなる塩を形成させた。
以上の操作によって、エンドウペプチド、コハク酸、及び、セトステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミドからなる塩の濃度49%の溶液を68g得た。この実施例1の「エンドウペプチド、コハク酸、及び、セトステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミドからなる塩」におけるセトステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミドによる中和率はエンドウペプチドとコハク酸の塩の全酸性官能基に対して47モル%であった。
実施例2:ゴマペプチド、クエン酸、及び、セトステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミドからなる塩
濃度30%のゴマペプチド(「ゴマタンパク質加水分解物」を簡略化して前記のように「ゴマペプチド」で示す)[一般式(II)におけるaは5.7、bは2.7、cは0.3、dは1.0、eは0.3で、a+b+c+d+eは10]の水溶液50gに、全陽イオン性官能基のモル数に対して1.0当量に相当する量のクエン酸を添加し、室温にて30分間撹拌した。
濃度30%のゴマペプチド(「ゴマタンパク質加水分解物」を簡略化して前記のように「ゴマペプチド」で示す)[一般式(II)におけるaは5.7、bは2.7、cは0.3、dは1.0、eは0.3で、a+b+c+d+eは10]の水溶液50gに、全陽イオン性官能基のモル数に対して1.0当量に相当する量のクエン酸を添加し、室温にて30分間撹拌した。
続いて、前記ゴマペプチドとクエン酸の塩を含む溶液を80℃で加熱撹拌し、クエン酸のモル数に対して1.5当量に相当する量のセトステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミドを添加した。さらに1時間撹拌を行い、室温まで冷却することにより、ゴマペプチド、クエン酸、及び、セトステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミドからなる塩を形成させた。
以上の操作によって、ゴマペプチド、クエン酸、及び、セトステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミドからなる塩の濃度44%の溶液を63g得た。この実施例2の「ゴマペプチド、クエン酸、及び、セトステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミドからなる塩」におけるセトステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミドによる中和率はゴマペプチドとクエン酸の塩の全酸性官能基に対して48モル%であった。
実施例3:コメペプチド、酒石酸、及び、ベヘン酸ジエチルアミノエチルアミドからなる塩
濃度30%のコメペプチド(「コメタンパク質加水分解物」を簡略化して前記のように「エンドウペプチド」で示す)[一般式(II)におけるaは2.5、bは1.0、cは0.1、dは0.3、eは0.1で、a+b+c+d+eは4.0]の水溶液50gに、全陽イオン性官能基のモル数に対して1.0当量に相当する量の酒石酸を添加し、室温にて30分間撹拌した。
濃度30%のコメペプチド(「コメタンパク質加水分解物」を簡略化して前記のように「エンドウペプチド」で示す)[一般式(II)におけるaは2.5、bは1.0、cは0.1、dは0.3、eは0.1で、a+b+c+d+eは4.0]の水溶液50gに、全陽イオン性官能基のモル数に対して1.0当量に相当する量の酒石酸を添加し、室温にて30分間撹拌した。
続いて、前記コメペプチドと酒石酸の塩を含む溶液を80℃で加熱撹拌し、酒石酸のモル数に対して1.0当量に相当する量のベヘン酸ジエチルアミノエチルアミドを添加した。さらに1時間撹拌を行い、室温まで冷却することにより、コメペプチド、酒石酸、及び、ベヘン酸ジエチルアミノエチルアミドからなる塩を形成させた。
以上の操作によって、コメペプチド、酒石酸、及び、ベヘン酸ジエチルアミノエチルアミドからなる塩の濃度53%の溶液を75g得た。この実施例3の「エンドウペプチド、コハク酸、及び、セトステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミドからなる塩」におけるセトステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミドによる中和率はエンドウペプチドとコハク酸の塩の全酸性官能基に対して47モル%であった。
実施例4:グリセリル化コメペプチド、リンゴ酸、及び、イソステアリン酸ジエチルアミノエチルアミドからなる塩
コメペプチド[一般式(II)におけるaは2.5、bは1.0、cは0.1、dは0.3、eは0.1で、a+b+c+d+eは4.0]の30%水溶液50g(アミノ基のモル数は0.039モル)に20%水酸化ナトリウム水溶液を加えpHを9に調整した。この溶液を55℃で撹拌しながら、グリシドール2.89g(コメペプチドのアミノ基に対して1.0当量)を0.5時間かけて滴下して、コメぺプチドのアミノ基に対してグリセリル化反応を行った。滴下終了後、55℃で3時間撹拌を続け反応を完結させた。
コメペプチド[一般式(II)におけるaは2.5、bは1.0、cは0.1、dは0.3、eは0.1で、a+b+c+d+eは4.0]の30%水溶液50g(アミノ基のモル数は0.039モル)に20%水酸化ナトリウム水溶液を加えpHを9に調整した。この溶液を55℃で撹拌しながら、グリシドール2.89g(コメペプチドのアミノ基に対して1.0当量)を0.5時間かけて滴下して、コメぺプチドのアミノ基に対してグリセリル化反応を行った。滴下終了後、55℃で3時間撹拌を続け反応を完結させた。
反応液に希塩酸を加えてpHを5に調整したのち、電気透析装置で脱塩し、グリセリル化コメペプチドを得た。なお、前記のコメペプチドのグリセリル化反応率は70%であり、反応前のコメペプチドのアミノ態窒素量をu1、反応後のアミノ態窒素量をt1として、下記式より求めた値である。
グリセリル化反応率(%)=(1−(t1/u1))×100
前記グリセリル化コメペプチドの水溶液50gに、全陽イオン性官能基のモル数に対して1.0当量に相当する量のリンゴ酸を添加し、室温にて30分間撹拌した。
続いて、前記グリセリル化コメペプチドとリンゴ酸の塩を含む溶液を80℃で加熱撹拌し、リンゴ酸のモル数に対して1.0当量に相当する量のイソステアリン酸ジエチルアミノエチルアミドを添加した。さらに1時間撹拌を行い、室温まで冷却することにより、グリセリル化コメペプチド、リンゴ酸、及び、イソステアリン酸ジエチルアミノエチルアミドからなる塩を形成させた。
以上の操作によって、グリセリル化コメペプチド、リンゴ酸、及び、イソステアリン酸ジエチルアミノエチルアミドからなる塩の濃度53%の溶液を75g得た。この実施例4の「グリセリル化コメペプチド、リンゴ酸、及び、イソステアリン酸ジエチルアミノプエチルアミドからなる塩」におけるイソステアリン酸ジエチルアミノエチルアミドによる中和率はグリセリル化コメペプチドとリンゴ酸の塩の全酸性官能基に対して47モル%であった。
実施例5:シリル化ゴマペプチド、マロン酸、及び、パルミチン酸ジエチルアミノエチルアミドからなる塩
ゴマペプチド[一般式(II)におけるaは5.7、bは2.7、cは0.3、dは1.0、eは0.3で、a+b+c+d+eは10.0]の30%水溶液50g(アミノ基のモル数は0.015モル)に20%水酸化ナトリウム水溶液を加えpHを9に調整した。この溶液を55℃で撹拌しながら、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン3.82g(コメペプチドのアミノ基に対して1.0当量)を0.5時間かけて滴下して、コメぺプチドのアミノ基に対してシリル化反応を行った。滴下終了後、55℃で3時間撹拌を続け反応を完結させ、シリル化ゴマペプチド〔すなわち、N−〔2−ヒドロキシ−3−〔3−(ジヒドロキシメチルシリル)プロポキシ〕プロピル〕加水分解ゴマタンパク〕を得た。なお、前記のゴマペプチドのシリル化反応率は71%であり、反応前のゴマペプチドのアミノ態窒素量をu2、反応後のアミノ態窒素量をt2として、下記式より求めた値である。
ゴマペプチド[一般式(II)におけるaは5.7、bは2.7、cは0.3、dは1.0、eは0.3で、a+b+c+d+eは10.0]の30%水溶液50g(アミノ基のモル数は0.015モル)に20%水酸化ナトリウム水溶液を加えpHを9に調整した。この溶液を55℃で撹拌しながら、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン3.82g(コメペプチドのアミノ基に対して1.0当量)を0.5時間かけて滴下して、コメぺプチドのアミノ基に対してシリル化反応を行った。滴下終了後、55℃で3時間撹拌を続け反応を完結させ、シリル化ゴマペプチド〔すなわち、N−〔2−ヒドロキシ−3−〔3−(ジヒドロキシメチルシリル)プロポキシ〕プロピル〕加水分解ゴマタンパク〕を得た。なお、前記のゴマペプチドのシリル化反応率は71%であり、反応前のゴマペプチドのアミノ態窒素量をu2、反応後のアミノ態窒素量をt2として、下記式より求めた値である。
シリル化反応率(%)=(1−(t2/u2))×100
得られたシリル化反応液55gに、全陽イオン性官能基のモル数に対して1.0当量に相当する量のマロン酸を添加し、室温にて30分間撹拌した。
続いて、前記シリル化ゴマペプチドとマロン酸の塩を含む溶液を80℃で加熱撹拌し、マロン酸のモル数に対して1.0当量に相当する量のパルミチン酸ジエチルアミノエチルアミドを添加した。さらに1時間撹拌を行い、室温まで冷却することにより、シリル化ゴマペプチド、マロン酸、及び、パルミチン酸ジエチルアミノエチルアミドからなる塩を形成させた。
以上の操作によって、パルミチン化ゴマペプチド、マロン酸、及び、パルミチン酸ジエチルアミノエチルアミドからなる塩の濃度43%の溶液を63g得た。この実施例5の「シリル化ゴマペプチド、マロン酸、及び、パルミチン酸ジエチルアミノプエチルアミドからなる塩」におけるパルミチン酸ジエチルアミノエチルアミドによる中和率はシリル化ゴマペプチドとマロン酸の塩の全酸性官能基に対して47モル%であった。
実施例6:ダイズペプチド、フマル酸、及び、セトステアリン酸ジエチルアミノエチルアミドからなる塩
濃度30%のダイズペプチド(「ダイズタンパク質加水分解物」を簡略化して前記のように「ダイズペプチド」で示す)[一般式(II)におけるaは1.8、bは1.0、cは0.2、dは0.2、eは0で、a+b+c+d+eは3.2]の水溶液50gに、全陽イオン性官能基のモル数に対して1.0当量に相当する量のフマル酸を添加し、室温にて30分間撹拌した。
濃度30%のダイズペプチド(「ダイズタンパク質加水分解物」を簡略化して前記のように「ダイズペプチド」で示す)[一般式(II)におけるaは1.8、bは1.0、cは0.2、dは0.2、eは0で、a+b+c+d+eは3.2]の水溶液50gに、全陽イオン性官能基のモル数に対して1.0当量に相当する量のフマル酸を添加し、室温にて30分間撹拌した。
続いて、前記ダイズペプチドとフマル酸の塩を含む溶液を80℃で加熱撹拌し、フマル酸のモル数に対して1.0当量に相当する量のセトステアリン酸ジエチルアミノエチルアミドを添加した。さらに1時間撹拌を行い、室温まで冷却することにより、ダイズペプチド、フマル酸、及び、セトステアリン酸ジエチルアミノエチルアミドからなる塩を形成させた。
以上の操作によって、ダイズペプチド、フマル酸、及び、セトステアリン酸ジエチルアミノエチルアミドからなる塩の濃度65.5%の溶液を102g得た。この実施例6の「ダイズペプチド、フマル酸、及び、セトステアリン酸ジエチルアミノエチルアミドからなる塩」におけるセトステアリン酸ジエチルアミノエチルアミドによる中和率はダイズペプチドとフマル酸の塩の全酸性官能基に対して64モル%であった。
実施例7:ケラチンペプチド、硫酸、及び、セトステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミドからなる塩
濃度30%のケラチンペプチド(「ケラチンタンパク質加水分解物」を簡略化して前記のように「ケラチンペプチド」で示す)[一般式(II)におけるaは2.8、bは0.8、cは0.1、dは0.3、eは0.1で、a+b+c+d+eは4.1]の水溶液50gに、全陽イオン性官能基のモル数に対して1.0当量に相当する量の20%硫酸を添加し、室温にて30分間撹拌した。
濃度30%のケラチンペプチド(「ケラチンタンパク質加水分解物」を簡略化して前記のように「ケラチンペプチド」で示す)[一般式(II)におけるaは2.8、bは0.8、cは0.1、dは0.3、eは0.1で、a+b+c+d+eは4.1]の水溶液50gに、全陽イオン性官能基のモル数に対して1.0当量に相当する量の20%硫酸を添加し、室温にて30分間撹拌した。
続いて、前記ケラチンペプチドと硫酸の塩を含む溶液を80℃で加熱撹拌し、硫酸のモル数に対して1.0当量に相当する量のセトステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミドを添加した。さらに1時間撹拌を行い、室温まで冷却することにより、ケラチンペプチド、硫酸、及び、セトステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミドからなる塩を形成させた。
以上の操作によって、ケラチンペプチド、硫酸、及び、セトステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミドからなる塩の濃度40%の溶液を84g得た。この実施例7の「ケラチンペプチド、硫酸、及び、セトステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミドからなる塩」におけるセトステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミドによる中和率はケラチンペプチドと硫酸の塩の全酸性官能基に対して52モル%であった。
実施例8:グリセリル化コラーゲンペプチド、リン酸、及び、イソステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミドからなる塩
コラーゲンペプチド[一般式(II)におけるaは3.0、bは0.5、cは0.1、dは0.2、eは0で、a+b+c+d+eは3.8]の30%水溶液50g(アミノ基のモル数は0.04モル)に20%水酸化ナトリウム水溶液を加えpHを9に調整した。この溶液を55℃で撹拌しながら、グリシドール2.99g(コラーゲンペプチドのアミノ基に対して1.0当量)を0.5時間かけて滴下して、コメぺプチドのアミノ基に対してグリセリル化反応を行った。滴下終了後、55℃で3時間撹拌を続け反応を完結させた。
コラーゲンペプチド[一般式(II)におけるaは3.0、bは0.5、cは0.1、dは0.2、eは0で、a+b+c+d+eは3.8]の30%水溶液50g(アミノ基のモル数は0.04モル)に20%水酸化ナトリウム水溶液を加えpHを9に調整した。この溶液を55℃で撹拌しながら、グリシドール2.99g(コラーゲンペプチドのアミノ基に対して1.0当量)を0.5時間かけて滴下して、コメぺプチドのアミノ基に対してグリセリル化反応を行った。滴下終了後、55℃で3時間撹拌を続け反応を完結させた。
反応液に希塩酸を加えてpHを5に調整したのち、電気透析装置で脱塩し、グリセリル化コラーゲンペプチドを得た。なお、前記のコラーゲンペプチドのグリセリル化反応率は71%であり、反応前のコメペプチドのアミノ態窒素量をu1、反応後のアミノ態窒素量をt1として、下記式より求めた値である。
グリセリル化反応率(%)=(1−(t3/u3))×100
前記グリセリル化コラーゲンペプチドの水溶液50gに、全陽イオン性官能基のモル数に対して1.0当量に相当する量のリン酸を添加し、室温にて30分間撹拌した。
続いて、前記グリセリル化コラーゲンペプチドとリン酸の塩を含む溶液を80℃で加熱撹拌し、リンゴ酸のモル数に対して1.5当量に相当する量のイソステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミドを添加した。さらに1時間撹拌を行い、室温まで冷却することにより、グリセリル化コラーゲンペプチド、リン酸、及び、イソステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミドからなる塩を形成させた。
以上の操作によって、グリセリル化コラーゲンペプチド、リン酸、及び、イソステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミドからなる塩の濃度57%の溶液を81g得た。この実施例4の「グリセリル化コメペプチド、リンゴ酸、及び、イソステアリン酸ジエチルアミノプエチルアミドからなる塩」におけるイソステアリン酸ジエチルアミノエチルアミドによる中和率はグリセリル化コメペプチドとリンゴ酸の塩の全酸性官能基に対して49モル%であった。
実施例9:トリメチルアンモニウム化コンキオリンペプチド、ラウリルリン酸、及び、水添樹脂酸ジエチルアミノエチルアミドからなる塩
コンキオリンペプチド[一般式(II)におけるaは4.8、bは0.7、cは0.1、dは0.2、eは0で、a+b+c+d+eは5.8]の30%水溶液50g(アミノ基のモル数は0.04モル)に20%水酸化ナトリウム水溶液を加えpHを9に調整した。この溶液を55℃で撹拌しながら、グリシジルトリメチルアンモニウムクロリド4.00g(コンキオリンペプチドのアミノ基に対して1.0当量)を0.5時間かけて滴下して、コンキオリンぺプチドのアミノ基に対してトリメチルアンモニウム化反応を行った。滴下終了後、55℃で3時間撹拌を続け反応を完結させた。なお、前記のコンキオリンペプチドの第4級アンモニウム化率は75%であり、反応前のコンキオリンペプチドのアミノ態窒素量をu4、反応後のアミノ態窒素量をt4として、下記式より求めた値である。
コンキオリンペプチド[一般式(II)におけるaは4.8、bは0.7、cは0.1、dは0.2、eは0で、a+b+c+d+eは5.8]の30%水溶液50g(アミノ基のモル数は0.04モル)に20%水酸化ナトリウム水溶液を加えpHを9に調整した。この溶液を55℃で撹拌しながら、グリシジルトリメチルアンモニウムクロリド4.00g(コンキオリンペプチドのアミノ基に対して1.0当量)を0.5時間かけて滴下して、コンキオリンぺプチドのアミノ基に対してトリメチルアンモニウム化反応を行った。滴下終了後、55℃で3時間撹拌を続け反応を完結させた。なお、前記のコンキオリンペプチドの第4級アンモニウム化率は75%であり、反応前のコンキオリンペプチドのアミノ態窒素量をu4、反応後のアミノ態窒素量をt4として、下記式より求めた値である。
トリメチルアンモニウム化反応率(%)=(1−(t4/u4))×100
前記トリメチルアンモニウム化コンキオリンペプチドの水溶液55gに、全陽イオン性官能基のモル数に対して1.0当量に相当する量のラウリルリン酸を添加し、室温にて30分間撹拌した。
続いて、前記トリメチルアンモニウム化コンキオリンペプチドとラウリルリン酸の塩を含む溶液を80℃で加熱撹拌し、ラウリルリン酸のモル数に対して1.0当量に相当する量の水添樹脂酸ジエチルアミノエチルアミドを添加した。さらに1時間撹拌を行い、室温まで冷却することにより、トリメチルアンモニウム化コンキオリンペプチド、ラウリルリン酸、及び、水添樹脂酸ジエチルアミノエチルアミドからなる塩を形成させた。
以上の操作によって、トリメチルアンモニウム化コンキオリンペプチド、ラウリルリン酸、及び、水添樹脂酸ジエチルアミノエチルアミドからなる塩の濃度48%の溶液を77g得た。この実施例9の「トリメチルアンモニウム化コンキオリンペプチド、ラウリルリン酸、及び、水添樹脂酸ジエチルアミノエチルアミドからなる塩」における水添樹脂酸ジエチルアミノエチルアミドによる中和率はトリメチルアンモニウム化コンキオリンペプチドとラウリルリン酸の塩の全酸性官能基に対して49モル%であった。
[比較例の調製]
比較例1〜9 ペプチド又はペプチド誘導体の脂肪酸アミドアミン塩
実施例1〜9で用いたペプチド又はペプチド誘導体、多塩基酸、及び、脂肪酸アミドアミンからなる塩に代えて、下記に示すペプチド又はペプチド誘導体と脂肪酸アミドアミンとの塩を調製し、比較例1〜12とした。なお、用いたペプチド又はペプチド誘導体のアミノ酸重合度、脂肪酸アミドアミンの種類、添加した脂肪酸アミドアミンのモル%は、各ペプチド種に対応する実施例と同じにした。
比較例1〜9 ペプチド又はペプチド誘導体の脂肪酸アミドアミン塩
実施例1〜9で用いたペプチド又はペプチド誘導体、多塩基酸、及び、脂肪酸アミドアミンからなる塩に代えて、下記に示すペプチド又はペプチド誘導体と脂肪酸アミドアミンとの塩を調製し、比較例1〜12とした。なお、用いたペプチド又はペプチド誘導体のアミノ酸重合度、脂肪酸アミドアミンの種類、添加した脂肪酸アミドアミンのモル%は、各ペプチド種に対応する実施例と同じにした。
比較例1:エンドウペプチドとセトステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミドの塩
比較例2:ゴマペプチドとセトステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミドの塩
比較例3:コメペプチドとベヘン酸ジエチルアミノエチルアミドの塩
比較例4:グリセリル化コメペプチドとイソステアリン酸ジエチルアミノエチルアミドの塩
比較例5:シリル化ゴマペプチドとパルミチン酸ジエチルアミノエチルアミドの塩
比較例6:ダイズペプチドとセトステアリン酸ジエチルアミノエチルアミドの塩
比較例7:ケラチンペプチドとセトステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミドの塩
比較例8:グリセリル化コラーゲンペプチドとイソステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミドの塩
比較例9:トリメチルアンモニウム化コンキオリンペプチドと水添樹脂酸ジエチルアミノエチルアミドの塩
比較例2:ゴマペプチドとセトステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミドの塩
比較例3:コメペプチドとベヘン酸ジエチルアミノエチルアミドの塩
比較例4:グリセリル化コメペプチドとイソステアリン酸ジエチルアミノエチルアミドの塩
比較例5:シリル化ゴマペプチドとパルミチン酸ジエチルアミノエチルアミドの塩
比較例6:ダイズペプチドとセトステアリン酸ジエチルアミノエチルアミドの塩
比較例7:ケラチンペプチドとセトステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミドの塩
比較例8:グリセリル化コラーゲンペプチドとイソステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミドの塩
比較例9:トリメチルアンモニウム化コンキオリンペプチドと水添樹脂酸ジエチルアミノエチルアミドの塩
比較例10:エンドウペプチドとコハク酸の塩
実施例1で用いたエンドウペプチドとコハク酸の塩を、脂肪酸アミドアミンの代わりに、水酸化ナトリウム水溶液で中和したものを用い、これを比較例10とした。
実施例1で用いたエンドウペプチドとコハク酸の塩を、脂肪酸アミドアミンの代わりに、水酸化ナトリウム水溶液で中和したものを用い、これを比較例10とした。
比較例11:エンドウペプチド
実施例1で用いたエンドウペプチドをコハク酸と塩を形成させず、かつ脂肪酸アミドアミンで中和することなく用い、これを比較例11とした。
実施例1で用いたエンドウペプチドをコハク酸と塩を形成させず、かつ脂肪酸アミドアミンで中和することなく用い、これを比較例11とした。
比較例12:エンドウペプチド、コハク酸、及び、セトステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミドの配合剤
実施例1で用いたエンドウペプチドに、水酸化ナトリウム水溶液で中和したコハク酸、及び、希塩酸で中和した脂肪酸アミドアミンを加え、比較例12とした。
実施例1で用いたエンドウペプチドに、水酸化ナトリウム水溶液で中和したコハク酸、及び、希塩酸で中和した脂肪酸アミドアミンを加え、比較例12とした。
[評価用の毛髪サンプルの調製]
健康毛髪:下記(a)の処理をした後、(d)の処理のみを行った毛髪(対照例1)
損傷毛髪:下記(a)〜(e)の処理を行った毛髪(対照例2)
サンプル処理毛髪:下記(A)〜(C)の処理をした毛髪(実施例1〜9及び比較例1〜12)
なお、上記のサンプル処理毛髪とは、実施例1〜9のペプチド又はペプチド誘導体、多塩基酸、及び、脂肪酸アミドアミンからなる塩、比較例1〜9のペプチド又はペプチド誘導体と多塩基酸の塩、比較例10のエンドウペプチドとコハク酸の塩、比較例11のエンドウペプチド又は比較例12のエンドウペプチド、コハク酸、及び、セトステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミドの配合剤をそれぞれ別々に用いて処理した毛髪を意味する。
健康毛髪:下記(a)の処理をした後、(d)の処理のみを行った毛髪(対照例1)
損傷毛髪:下記(a)〜(e)の処理を行った毛髪(対照例2)
サンプル処理毛髪:下記(A)〜(C)の処理をした毛髪(実施例1〜9及び比較例1〜12)
なお、上記のサンプル処理毛髪とは、実施例1〜9のペプチド又はペプチド誘導体、多塩基酸、及び、脂肪酸アミドアミンからなる塩、比較例1〜9のペプチド又はペプチド誘導体と多塩基酸の塩、比較例10のエンドウペプチドとコハク酸の塩、比較例11のエンドウペプチド又は比較例12のエンドウペプチド、コハク酸、及び、セトステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミドの配合剤をそれぞれ別々に用いて処理した毛髪を意味する。
(a)アジア人毛髪を2%ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム水溶液で洗浄し、毛髪表面に付着している汚れや油分を除去する。
(b)6%過酸化水素水と2%アンモニア水との混液中に30℃で、30分間浸漬し、ブリーチ(漂白)する。
(c)pH3.0クエン酸緩衝液中に5分間浸漬する。
(d)流水洗浄し、ドライヤーで乾燥する。
(e)(b)〜(d)の処理を5回繰り返す。
(b)6%過酸化水素水と2%アンモニア水との混液中に30℃で、30分間浸漬し、ブリーチ(漂白)する。
(c)pH3.0クエン酸緩衝液中に5分間浸漬する。
(d)流水洗浄し、ドライヤーで乾燥する。
(e)(b)〜(d)の処理を5回繰り返す。
(A)前記(a)〜(e)の処理によって得た損傷毛髪を実施例1〜9及び比較例1〜11の各試料(つまり、各サンプル)の固形分濃度0.3%の水溶液中で40℃、10分間振とうする。
(B)流水洗浄後、ドライヤーで乾燥する。
(C)(A)〜(B)の処理を5回繰り返す。
(B)流水洗浄後、ドライヤーで乾燥する。
(C)(A)〜(B)の処理を5回繰り返す。
[評価]
前記処理を行って得た評価用の毛髪サンプル、つまり、健康毛髪、損傷毛髪、実施例1〜9及び比較例1〜11の試料(サンプル)で処理したサンプル処理毛髪を用いて、滑り性、疎水性及びくし通り性の評価を行う。
前記処理を行って得た評価用の毛髪サンプル、つまり、健康毛髪、損傷毛髪、実施例1〜9及び比較例1〜11の試料(サンプル)で処理したサンプル処理毛髪を用いて、滑り性、疎水性及びくし通り性の評価を行う。
1.滑り性の評価
摩擦感テスター(カトーテック株式会社製)を用いて動摩擦係数を測定することで、毛髪表面の滑り性を評価する。毛髪20本をスライドガラス上に並べて固定し、毛髪の根元から毛先に向けてセンサーを滑らせ、平均摩擦係数〔MIU(×10−1)〕を測定する。平均摩擦係数の値が小さい程、毛髪表面が滑らかであることを示す。
摩擦感テスター(カトーテック株式会社製)を用いて動摩擦係数を測定することで、毛髪表面の滑り性を評価する。毛髪20本をスライドガラス上に並べて固定し、毛髪の根元から毛先に向けてセンサーを滑らせ、平均摩擦係数〔MIU(×10−1)〕を測定する。平均摩擦係数の値が小さい程、毛髪表面が滑らかであることを示す。
2.疎水性の評価
毛髪1本に対し1.5μLの水滴を垂らし、毛髪と水滴との間にできる接触角(度)を測定する。これを各毛髪に対して10回行い、その平均値を求める。なお、接触角は値が大きい程、毛髪表面の疎水性が保たれていることを示す。
毛髪1本に対し1.5μLの水滴を垂らし、毛髪と水滴との間にできる接触角(度)を測定する。これを各毛髪に対して10回行い、その平均値を求める。なお、接触角は値が大きい程、毛髪表面の疎水性が保たれていることを示す。
3.くし通り性の評価
コーミングテスター(テクノ・ハシモト製)を用いて、前記の処理毛髪で作成した毛束のくし通り性を評価する。毛束1つに対し、上記コーミングテスターを用いてコーミングを10回行い、その際に生じる荷重平均値を測定し比較することで、くし通り性を評価する。毛束は各被検体に対して3つ用意し、それぞれ10回ずつコーミングを行い、その平均値を求める。なお、荷重平均値(N)は値が小さい程、毛髪のくし通り性が良いことを示す。
コーミングテスター(テクノ・ハシモト製)を用いて、前記の処理毛髪で作成した毛束のくし通り性を評価する。毛束1つに対し、上記コーミングテスターを用いてコーミングを10回行い、その際に生じる荷重平均値を測定し比較することで、くし通り性を評価する。毛束は各被検体に対して3つ用意し、それぞれ10回ずつコーミングを行い、その平均値を求める。なお、荷重平均値(N)は値が小さい程、毛髪のくし通り性が良いことを示す。
これら「滑り性」、「疎水性」、「くし通り性」に関して以下の基準で評価した。その評価結果を表1に示す。
[平均摩擦係数(MIU)]
◎:〜0.080、○:0.081〜0.090、△:0.091〜0.100、×:0.101〜
[接触角(度)]
◎:110.1〜、○:100.1〜110.0、△:90.1〜100.0、×:〜90.0
[荷重平均値(N)]
◎:〜11.00、○:11.01〜14.00、△:14.01〜15.00、×:15.01〜
[平均摩擦係数(MIU)]
◎:〜0.080、○:0.081〜0.090、△:0.091〜0.100、×:0.101〜
[接触角(度)]
◎:110.1〜、○:100.1〜110.0、△:90.1〜100.0、×:〜90.0
[荷重平均値(N)]
◎:〜11.00、○:11.01〜14.00、△:14.01〜15.00、×:15.01〜
上記試験結果について表1に示す。なお、脂肪酸アミドアミン部分については、次のように簡略化して示す。
SCEE:セトステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド
ISEE:イソステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド
BHEE:ベヘン酸ジエチルアミノエチルアミド
PLEE:パルミチン酸ジエチルアミノエチルアミド
CSMP:セトステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド
ISMP:イソステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド
HREE:水添樹脂酸ジエチルアミノエチルアミド
ISEE:イソステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド
BHEE:ベヘン酸ジエチルアミノエチルアミド
PLEE:パルミチン酸ジエチルアミノエチルアミド
CSMP:セトステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド
ISMP:イソステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド
HREE:水添樹脂酸ジエチルアミノエチルアミド
表1に示すように、実施例1〜9のペプチド又はペプチド誘導体、多塩基酸、及び、脂肪酸アミドアミンからなる塩(それぞれ異なるが、ここでは総称で表す)で処理した毛髪は、比較例1〜9のペプチド又はペプチド誘導体の脂肪酸アミドアミン塩(実施例のものと同様に、それぞれ異なるが、ここでは総称で表す)で処理した毛髪や、比較例10のエンドウペプチドのコハク酸塩で処理した毛髪、比較例11のエンドウペプチドで処理した毛髪、又は比較例12のエンドウペプチド、コハク酸、及び、脂肪酸アミドアミンの配合剤で処理した毛髪に比べて、滑り性の評価では平均摩擦係数が小さく、疎水性の評価では接触角が大きく、くし通り性の評価では荷重平均値が小さく、実施例1〜9のペプチド又はペプチド誘導体、多塩基酸、及び、脂肪酸アミドアミンからなる塩は、損傷毛髪に対して、疎水性と滑らかさを付与し、くし通り性を良好にする効果が優れていることが分かる。
また、比較例1〜9のペプチド又はペプチド誘導体の脂肪酸アミドアミン塩で処理した毛髪も、対照例2で示す損傷毛髪や比較例10のエンドウペプチドのコハク酸塩で処理した毛髪、比較例11のエンドウペプチドで処理した毛髪、比較例12のエンドウペプチド、コハク酸、及び、脂肪酸アミドアミンの配合剤で処理した毛髪などと比べると、滑り性の評価では平均摩擦係数が同等若しくは小さく、疎水性の評価では接触角が大きく、くし通り性の評価では荷重平均値が同等若しくは小さく、比較例1〜9のペプチド又はペプチド誘導体の脂肪酸アミドアミン塩も、損傷毛髪に対して、疎水性と滑らかさを付与し、くし通り性を良好にする効果があったが、その効果は実施例1〜9のペプチド又はペプチド誘導体、多塩基酸、及び、脂肪酸アミドアミンからなる塩に比べると小さかった。
すなわち、例えば、共にエンドウペプチドを用いている実施例1と比較例1とを比較すると、表1に示すように、実施例1のエンドウペプチド、コハク酸、及び、セトステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド(表1では、「CSMP」で表示)からなる塩で処理した毛髪の平均摩擦係数は〜0.080の範囲であったが、比較例1のエンドウペプチドのセトステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド塩(表1では、「CSMP」で表示)で処理した毛髪の平均摩擦係数は0.091〜0.100の範囲であり、実施例1の方が比較例1より、滑り性(滑らかさ)の指標となる平均摩擦係数が小さかった。同様に実施例2以降についても、ペプチド又はペプチド誘導体が共通する実施例と比較例との間で比較すると、実施例の方が比較例より平均摩擦係数が小さい。このことから、本発明のペプチド又はペプチド誘導体、多塩基酸、及び、脂肪酸アミドアミンからなる塩を含有する化粧品基材は、損傷した毛髪に対して、滑らかさを付与する効果が高いことが分かる。
また、接触角に関しても、実施例1のエンドウペプチド、コハク酸、及び、セトステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミドからなる塩で処理した毛髪の接触角は100.1〜110.0度の範囲であったが、比較例1のエンドウペプチドのセトステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド塩で処理した毛髪の接触角は90.1〜100.0度の範囲であり、実施例1の方が比較例1より、疎水性の指標となる接触角が大きかった。同様に実施例2以降についても、ペプチド又はペプチド誘導体が共通する実施例と比較例との間で比較すると、実施例の方が比較例より接触角が大きい。このことから、本発明のぺプチド又はペプチド誘導体、多塩基酸、及び、脂肪酸アミドアミンからなる塩を含有する化粧品基材は、損傷した毛髪に対して、疎水性を付与する効果が高いことが分かる。
さらに、くし通り性に関しても、実施例1のエンドウペプチド、コハク酸、及び、セトステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミドからなる塩で処理した毛髪の荷重平均値は〜11.00Nの範囲であったが、比較例1のエンドウペプチドのセトステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド塩で処理した毛髪の加重平均値は11.01〜14.00Nの範囲であり、実施例1の方が比較例1より、くし通り性の指標となる荷重平均値が小さかった。同様に実施例2以降についても、ペプチド又はペプチド誘導体が共通する実施例と比較例との間で比較すると、実施例の方が比較例より荷重平均値が小さい。このことから、本発明のペプチド又はペプチド誘導体、多塩基酸、及び、脂肪酸アミドアミンからなる塩を含有する化粧品基材は、毛髪のくし通り性を良好にする効果が高いことが分かる。
また、比較例1〜9のペプチド又はペプチド誘導体の脂肪酸アミドアミン塩で処理した毛髪は対照例2で示す損傷毛髪より、くし通り性の指標となる荷重平均値が小さかったものの、対照例1で示す健康毛髪に比べると、荷重平均値は同等若しくは大きく、比較例1〜9のペプチド又はペプチド誘導体の脂肪酸アミドアミン塩は、損傷する以前の健康毛髪以上にくし通り性を良好にすることはできなかった。これに対して、実施例1〜9のペプチド又はペプチド誘導体、多塩基酸、及び、脂肪酸アミドアミンからなる塩で処理した毛髪は、対照例1で示す健康毛髪より荷重平均値が小さく、実施例1〜9のペプチド又はペプチド誘導体、多塩基酸、及び、脂肪酸アミドアミンからなる塩は、損傷した毛髪のくし通り性を損傷する以前の状態より良好にすることができ、毛髪のくし通り性を著しく良好にさせることができることが分かる。
さらに、比較例10のエンドウペプチドのコハク酸塩で処理した毛髪と、比較例11のエンドウペプチドで処理した毛髪、及び比較例12のエンドウペプチド、コハク酸、及び、セトステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミドの配合剤で処理した毛髪を比較すると、平均摩擦係数、接触角、荷重平均値のいずれも差はなかったが、実施例1のエンドウペプチド、コハク酸、及び、セトステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミドからなる塩で処理した毛髪と、比較例1のエンドウペプチドのセトステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド塩で処理した毛髪を比較すると、前記のように、平均摩擦係数、接触角、荷重平均値のいずれに関しても、実施例1が比較例1よりも良好な値を示し、本発明のペプチド又はペプチド誘導体、多塩基酸、及び、脂肪酸アミドアミンからなる塩を含有する化粧品基材は、これら3成分が塩を形成することで、毛髪の滑らかさ、疎水性及びくし通り性に対して優れた効果を奏することが分かる。
実施例10〜11及び比較例13〜14:ヘアコンディショナー
実施例1のエンドウペプチド、コハク酸、及び、セトステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミドからなる塩、実施例6のダイズペプチド、フマル酸、及び、セトステアリン酸ジエチルアミノエチルアミドからなる塩、比較例1のエンドウペプチドのセトステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド塩、及び、比較例6のダイズペプチドのセトステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド塩を用いて、表2に示す組成のヘアトリートメントを実施例10〜11及び比較例13〜14として調製した。各成分の配合量はいずれも質量部によるものである。
実施例1のエンドウペプチド、コハク酸、及び、セトステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミドからなる塩、実施例6のダイズペプチド、フマル酸、及び、セトステアリン酸ジエチルアミノエチルアミドからなる塩、比較例1のエンドウペプチドのセトステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド塩、及び、比較例6のダイズペプチドのセトステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド塩を用いて、表2に示す組成のヘアトリートメントを実施例10〜11及び比較例13〜14として調製した。各成分の配合量はいずれも質量部によるものである。
前記の損傷毛髪2gに対して、実施例10〜11及び比較例13〜14のヘアコンディショナーをそれぞれ1g塗布し、流水洗浄後、前記と同様の方法で滑り性、疎水性及びくし通り性を評価した。その結果を表3に示す。
表3に示すように、実施例10〜11のヘアコンディショナーで処理した毛髪は、比較例13〜14のヘアコンディショナーで処理した毛髪に比べて、平均摩擦係数が小さく、接触角が大きく、荷重平均値が小さく、実施例10〜11のヘアコンディショナーの方が比較例13〜14のヘアコンディショナーより、損傷した毛髪に対して、滑らかさと疎水性を付与し、くし通り性を良好にする効果が高いことが分かる。
実施例12〜13及び比較例15〜16:ヘアミスト
実施例4のグリセリル化コメペプチド、リンゴ酸、及び、イソステアリン酸ジエチルアミノエチルアミドからなる塩、実施例5のシリル化ゴマペプチド、マロン酸、及び、パルミチン酸ジエチルアミノエチルアミドからなる塩、比較例4のグリセリル化コメペプチドのイソステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド塩、及び、比較例5のシリル化ゴマペプチドのパルミチン酸ジエチルアミノエチルアミド塩を用いて、表4に示す組成のヘアミストを実施例12〜13及び比較例15〜16として調製した。各成分の配合量はいずれも質量部によるものである。
実施例4のグリセリル化コメペプチド、リンゴ酸、及び、イソステアリン酸ジエチルアミノエチルアミドからなる塩、実施例5のシリル化ゴマペプチド、マロン酸、及び、パルミチン酸ジエチルアミノエチルアミドからなる塩、比較例4のグリセリル化コメペプチドのイソステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド塩、及び、比較例5のシリル化ゴマペプチドのパルミチン酸ジエチルアミノエチルアミド塩を用いて、表4に示す組成のヘアミストを実施例12〜13及び比較例15〜16として調製した。各成分の配合量はいずれも質量部によるものである。
前記の損傷毛髪2gに対して、実施例12〜13及び比較例15〜16のヘアミストをそれぞれ0.5g塗布し、乾燥後、前記と同様の方法で滑り性、疎水性及びくし通り性を評価した。その結果を表5に示す。
表5に示すように、実施例12〜13のヘアミストで処理した毛髪は、比較例14〜15のヘアミストで処理した毛髪に比べて、平均摩擦係数が小さく、接触角が大きく、荷重平均値が小さく、実施12〜13のヘアミストの方が比較例15〜16のヘアミストより、損傷した毛髪に対して、滑らかさと疎水性を付与し、くし通り性を良好にする効果が高いことが分かる。
本発明によれば、損傷した毛髪に対して、疎水性及び滑らかさを付与し、該毛髪のくし通り性を良好にする化粧品基材を提供することができ、また、該化粧品基材を含有させることによって、上記作用を発揮する化粧品を提供することができる。
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