JP2021061784A - 肉を主体とするペット用ジャーキー製造方法、及び当該製造方法で製造したペット用ジャーキー - Google Patents

肉を主体とするペット用ジャーキー製造方法、及び当該製造方法で製造したペット用ジャーキー Download PDF

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Abstract

【課題】従来よりも低温で調理することにより、ペットの食いつきがよいペット用ジャーキーを提供する。【解決手段】ミンチ肉を重量比1対1の水に混ぜ合わせることにより作った肉ペーストを、3mmの深さでオーブン皿に入れる。当該オーブン皿をオーブンに入れ、65度Cで70分加熱した後、オーブン皿を水平状態で180度回転させた後、オーブンに入れ、65度Cで70分加熱しミンチ肉シートを得る。次に当該ミンチ肉シートを焼き網上に載せてオーブンに入れ、60度Cで60分加熱し、ミンチ肉シートを得る。次に当該ミンチ肉シートに霧吹きして湿らせて所定の大きさに切断することにより切断片を得る。当該切断片を焼き網に載せてオーブンに入れ、60度Cで60分加熱し、完成品を得る。【選択図】図1

Description

本発明は、肉を主体とするペット用ジャーキーの製造方法、及び当該製造方法で製造したペット用ジャーキーに関する。
詳しくは、肉の旨みを引き出し、ペットが喜んで食するペット用ジャーキーの製造方法、及び当該製造方法で製造したペット用ジャーキーに関する。
さらには、低温調理によって、タンパク質の熱変成を抑制して肉の旨みを引き出し、ペットが喜んで食すると共に製造工程におけるエネルギーを少なくできるペット用ジャーキーの製造方法、及び当該製造方法で製造したペット用ジャーキーに関する。
なお、ジャーキーとは、通常、「干し肉」のことであるが、本明細書においては、人工的に水分を蒸発させた「乾燥肉」という意味合いで用いている。
また、ペットとは、犬を初めとする犬科、猫を初めとする猫科、ハムスターを初めとするネズミ科等を含むものである。
さらに、ミンチ肉(mince)とは、肉を細かく切り刻んだもの、換言すれば、挽肉をいう。
肉には、馬(horse meat)、牛(beef)、豚(pork)、鶏(chiken)、鹿(venison)等の動物、肝臓(liver)や心臓(heart)などの内臓(visceral organ)、及び鮭等の魚(fishs)が含まれる。
また、低温とは、肉等におけるタンパク質が固化しない、又は固化の進行が遅い範囲の温度をいう。
第1の従来技術として、エクストルーダーを使用して、原材料の混合物を150℃以下の温度で加熱して造粒してフード粒を形成する造粒工程、
フード粒の水分含量がフード粒の全体の質量に対して6〜12重量%となるように前記フード粒を乾燥する乾燥工程、
雰囲気温度が160〜230℃となるように遠赤外線を照射して乾燥した前記フード粒を焼成する焼成工程、及び
前記焼成により得られたフード粒と水とを接触させながら撹拌する水添加工程を含む製造方法によって製造されたペットフードであって、
前記水添加工程後に得られるフード粒の水分含量がフード粒の全体の質量に対して6〜12重量%であり、
前記原材料の混合物が、とうもろこし、小麦粉、コーングルテンミール及び大豆からなる群より選ばれる少なくとも1種の穀物類を65〜85重量%、チキンミール及びポークミールからなる群より選ばれる少なくとも1種の肉類を7〜20重量%、フィッシュミールを含む魚介類を2〜10重量%、ビタミン及びミネラル類を2〜5重量%、ならびに塩類、還元糖、アミノ酸、チキンエキス及びフィッシュエキスからなる群より選ばれる少なくとも1種の添加物を0.1〜12重量%含有し、最短径及び最長径が1.5mm〜15mmの碁石状であるペットフードが知られている(例えば、特許文献1参照)。
第2の従来技術として、所要の原料を配合し、この原料配合物を造粒し、乾燥した後に油コーティングを施し、次いで120〜200℃の温度で乾熱処理し、さらにそれに呈味物質コーティングを施すことからなる嗜好性が改良されたペットフードの製造方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2018-86014(図1、段落0006〜0007) 特許第2629003号(第2頁第3欄)
第1の従来技術において、雰囲気温度が160〜230℃となるように遠赤外線を照射して乾燥した前記フード粒を焼成する焼成工程が存在するため、肉中に含まれているタンパク質が熱変成により固化して旨みが減少し、ペットが喜んで食する旨み品質を持っていなかった。また、エクストルーダー(押出機)を用いることから、製造装置が大がかり、換言すれば多額の投資が必要になる問題がある。
第2の従来技術においても、120〜200℃の温度で乾熱処理するので、肉中に含まれているタンパク質が第1の従来技術と同様に熱変成して固化し、旨みが減少する懸念がある。
即ち、肉のタンパク質は、球状たんぱく質、繊維状たんぱく質、結合組織たんぱく質の3種のたんぱく質からなっており、それぞれ、20%、60%、及び20%含まれている。球状たんぱく質は温度が大凡80度を超えると変性が始まるが固化しない。繊維状たんぱく質は温度が60度を超えると凝集が始まり、90度を超えると堅く固まる。結合組織たんぱく質は温度が60度を超えると固化し、100度を超えると繊維が崩壊する。
第1及び第2の従来技術においては、加熱温度が何れも100度を超えているので、繊維状たんぱく質、結合組織たんぱく質は何れも固化される。換言すれば全体の80%が固化されるので、堅い食餌になってしまい、旨みが薄れてしま懸念がある。
これを解消するため、本来の干し肉と同様の手法で製造するともできるが、肉が限られ、時間と労力を要し、高価格となってしまう問題がある。
本発明は上記欠点を解消することを目的とし、従来よりも低温で調理することにより、ペットの食いつきがよいペット用ジャーキーを提供することである。
この目的を達成するため、請求項1に係る第1の発明は以下のように構成される。
肉を主体とするペット用ジャーキーの製造方法であって、
肉をミンチ肉にする第一工程、
前記ミンチ肉を飲用液体と混ぜ合わせて肉ペーストにする第二工程、
当該肉ペーストをオーブン皿に流し込む第三行程、
前記肉ペーストを入れたオーブン皿をオーブンで60〜65度Cで140分間加熱し、肉ペーストをミンチ肉シートに焼き上げる第四工程、
前記ミンチ肉シートを網に載せ、オーブンで少なくとも60〜65度Cで60分間加熱する第五工程、
よりなるペット用ジャーキーの製造方法である。
本発明に係る第2の発明は、
前記第四工程を第四A工程と第四B工程に分け、
前記第四A工程において、前記肉ペーストを入れたオーブン皿をオーブンで60〜65度Cで70分間加熱し、
前記第四B工程において、前記オーブン皿を前記ミンチ肉シートと一体に水平状態において180度回転させた後、オーブンで60〜65度で70分間加熱する、
ことを特徴とする第1の発明のペット用ジャーキーの製造方法である。
本発明に係る第3の発明は、
さらに、前記ミンチ肉シートを所定の柔軟性を有するよう湿潤させる第六工程、
前記霧を吹いたミンチ肉シートを切断機で所定の大きさに切断し、切断片とする第七工程、
前記切断した切断片をオーブンで60度Cで60分焼く第八工程
よりなることを特徴とする第1又は第2の発明のペット用ジャーキーの製造方法である。
本発明に係る第4の発明は、
前記第一工程において、ミンチ肉と飲用液体とを1対1の重量比で混ぜ合わせて肉ペーストにする
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載したペット用ジャーキーの製造方法。
よりなることを特徴とする肉を主体とするペット用ジャーキーの製造方法である。
本発明に係る第5の発明は、
肉を主体とするペット用ジャーキーの製造方法であって、
肉をフードプロセッサーによってミンチにする第一工程、
ミンチした肉に飲用液体を1:1の重量比割合で混合し、肉ペーストにする第二工程、
前記肉ペーストをオーブン皿に深さを3ミリに流し込む第三工程、
前記オーブン皿をオーブンに入れ、65度Cで70分間加熱し、ミンチ肉シートにする第四A工程、
前記オーブン皿を前記オーブンから取り出して水平面内において180度回転させた後、再度前記オーブン内に入れ、65度Cで70分オーブンで加熱する第四B工程、
前記オーブン皿内のミンチ肉シートを焼き網に載せ、60度Cで60分加熱する第五工程、
前記焼き網上のミンチ肉シートをオーブンから取り出して霧吹きし、前記ミンチ肉シートを柔軟化させる第六工程、
前記柔軟化したミンチ肉シートを所定の大きさに切断する第七工程、
前記切断した切断片を焼き網に載せてオーブンに入れ、60度で60分間加熱する第八工程、
よりなることを特徴とする肉を主体とするペット用ジャーキーの製造方法である。
本発明に係る第6の発明は、
肉を主体とするペット用ジャーキーであって、
肉をミンチ肉にする第一工程、
ミンチ肉を飲用液体と混ぜ合わせて肉ペーストにする第二工程、
当該肉ペーストをオーブン皿に流し込む第三行程、
前記肉ペーストを入れたオーブン皿をオーブンで60〜65度Cで140分間加熱し、肉ペーストをミンチ肉シートに焼き上げる第四工程、
前記ミンチ肉シートを網に載せ、オーブンで少なくとも60〜65度Cで60分間加熱する第五工程、
により製造されてなるペット用ジャーキーである。
本発明に係る第7の発明は、
前記第四工程を第四A工程と第四B工程に分け、
前記肉ペーストを入れたオーブン皿をオーブンで60〜65度Cで70分間加熱する前記第四A工程、
前記オーブン皿を前記ミンチ肉シートと一体に水平状態において180度回転させた後、オーブンで60〜65度で70分間加熱する前記第四B工程、
により製造されてなる第6の発明のペット用ジャーキーである。
本発明に係る第8の発明は、
さらに、前記ミンチ肉シートを所定の柔軟性を有するよう湿潤させる第六工程、
前記湿潤させたミンチ肉シートを切断機で所定の大きさに切断し、切断片とする第七工程、
前記切断した切断片をオーブンで60〜65度Cで60分焼く第八工程
によって製造されてなる
第6の発明のペット用ジャーキーである。
本発明に係る第9の発明は、
前記第一工程において、ミンチ肉と飲用液体とを1対1の重量比で混ぜ合わせて肉ペーストにされてなる
ことを特徴とする第6乃至第8の発明のペット用ジャーキーである。
本発明に係る第10の発明は、
肉を主体とするペット用ジャーキーであって、
肉をフードプロセッサーによって肉ミンチにする工程、
ミンチした肉に飲用液体を1:1の重量比割合で混合し、肉ペーストにする工程、
前記肉ペーストをオーブン皿に深さを3ミリに流し込む工程、
前記オーブン皿をオーブンに入れ、65度Cで70分間加熱し、ミンチ肉シートにする工程、
前記オーブン皿を前記オーブンから取り出して水平面内において180度回転させた後、再度オーブンに入れ、65度Cで70分間加熱する工程、
前記オーブン皿内のミンチ肉シートを焼き網に載せ、60度Cで60分加熱する工程、
前記焼き網上のミンチ肉シートをオーブンから取り出して霧を吹き、前記ミンチ肉シートを柔軟化させる工程、
前記柔軟化したミンチ肉シートを所定の大きさに切断する工程、
前記切断した切断片を焼き網に載せてオーブンに入れ、60度で60分間加熱する工程、
によって製造されたことを特徴とする肉を主体とするペット用ジャーキーである。
第1の発明のペット用ジャーキーの製造方法において、
第一工程において、肉は肉挽き機等によってミンチ肉にされる。
第二工程において、ミンチ肉は、飲用液体と混ぜ合わされて肉ペーストにされる。
第三行程において、肉ペーストは所定の容積を有する角型のオーブン皿に所定深さに流し込まれる。
第四工程において、肉ペーストを所定の深さに流し込まれたオーブン皿をオーブンに入れ、60〜65度Cで140分間加熱し、混ぜ合わせた飲用液体を蒸発させ、また、ミンチ肉のタンパク質を熱変成させて凝縮させ、オーブン皿内の肉ペースト中のミンチ肉を固化させてミンチ肉シートに焼き上げる。
第五工程において、ミンチ肉シートを焼き網に載せ、オーブンで60度〜65度Cで60分間加熱する。ミンチ肉シートを焼き網に載せることにより、ミンチ肉シートを上下から均等に加熱することできると共に、水分がミンチ肉シートの下面からも円滑に蒸発することができ、ミンチ肉シートをカリカリに乾燥させる。これにより、所定の大きさを有する乾燥されたミンチ肉シートが焼き上がる。ミンチ肉シートの表裏両面からの乾燥により、均一に、かつ迅速に行える。また、カリカリ状態に乾燥されるので、水分率が下がることから、保存に適する状態になる。
ミンチ肉シートは、65度まで加熱されるが、この温度は、球状タンパク質は変性するが凝固せず、繊維状たんぱく質は少し変性して凝集が始まり、結合組織たんぱく質は凝集し固くなると推測される。換言すれば、60度〜65度は、ステーキでいうところの「ミディアムレア」又は「ミディアム」程度であり、肉汁がタンパク質内に僅かに残っている状態である。したがって、旨み成分が残っているので、ペットの食いつきが良いペットフードを得ることが出来る。そして、一部タンパク質の凝集によって、ミンチ肉の結合力が高まる結果、一枚のシートになり、取扱が容易になる。また、細菌の死滅温度と時間の関係は表1、細菌が十分の一に減する温度と時間の関係は表2に示すように知られている。オーブンにおいて、60度〜65度で合計200分(3時間10分)加熱する本発明においては、殆どの細菌が死滅又は十分の一以上に減少され、十分な殺菌がなされているといえる。さらに、ミンチ肉シートは、カリカリになるほどに低水分率に乾燥されることから、カビの発生が抑制され、保存に適する。
Figure 2021061784
Figure 2021061784
第2の発明のペット用ジャーキーの製造方法において、
第四A工程において、ペーストを所定の深さに流し込まれたオーブン皿をオーブンで60〜65度で70分間加熱し、水分を蒸発させ、オーブン皿内の肉ペースト中の肉のタンパク質を凝集させて結合力を増加させてミンチ肉シートに焼き上げる。
第四B工程において、ミンチ肉シートを水平状態において180度回転させた後、オーブンで60〜65度Cで70分間加熱する。水平状態において180度回転させることにより、ミンチ肉シートのオーブンの扉側と奥部における焼きムラを是正し、ミンチ肉シートを均一に焼き上げる。
これにより、第2の発明は、第一の発明と同一方法を含むので、第一の発明と同一の目的を達成できる。さらに、第2の発明は、第四B工程において、ミンチ肉シートを水平状態で180度回転させて加熱するので、オーブンの扉側と奥側との加熱ムラによるミンチ肉シートの焼きムラを防止し、均等に焼き上げることができる利点がある。
第3の発明は、第一の発明と同一方法を含むので、第一の発明と同一の目的を達成できる。さらに、第3の発明の第六工程において、焼き上がったミンチ肉シートを湿潤化する。これにより、水分率が上昇したミンチ肉シートは、柔軟性が増す。換言すれば、カラカラに乾燥したミンチ肉シートは、切断するために一部に力を加えると、通常の煎餅のように、無秩序に割れが波及する。しかし、湿潤によって水分率が向上したミンチ肉シートは、柔軟性が増し、ぬれ煎餅のように、力が加わった部位以外へ割れが波及することはない。
次いで第七工程において、ミンチ肉シートを切断機で所定の大きさに切断し、切断片とする。この切断の際、前述したように、切断機による切断力が加わった部位のみが切断されるので、所定の大きさの切断片を得ることが出来る。切断片にすることにより、小型のペットが食べやすい、又は、取扱に便利な所定の大きさに分割することが出来る利点がある。
第八行程において、分割したミンチ肉シートの切断片をオーブンで60〜65度Cで60分加熱する。これにより、切断片を切断する際に付加した水分を蒸発させ、カラカラの所定の大きさのペット用ジャーキー100を得ることができる。これによって、保存性に優れ、取扱しやすい大きさに分割された大きさのペット用ジャーキーを得ることができる利点がある。
第四の発明は、第一の発明と同一方法を含むので、第一の発明と同一の目的を達成できる効果がある。さらに、第四の発明において、ミンチ肉と飲用液体を1対1の重量比で混ぜ合わせて肉ペーストにする。これにより、容易に均一な厚みの肉ペーストをオーブン皿に形成できると共に、第三工程における乾燥を短時間に低温で行うことができ、従来よりも省エネルギー化できる利点がある。
第五の発明において、肉をフードプロセッサーによってミンチにする第一工程によって、肉がミンチされる。
ミンチした肉に飲用液体を1:1の重量比で混合し、肉ペーストにする第二工程によって、オーブン皿内において短時間で均一な深さになる粘度、及び次の行程において低温かつ短時間で蒸発する要求を満足する肉ペーストを得る。
前記肉ペーストをオーブン皿に深さを3ミリに流し込む第三工程によって、次の第四行程において、比較的低温かつ短時間で厚みが均一なミンチ肉シートが形成される準備状態を構成する。
前記オーブン皿をオーブンに入れ、65度Cで70分間加熱し、ミンチ肉シートにする第四A工程によって、肉ペーストにおける水分を大凡蒸発させ、ミンチ肉がシート状になったミンチ肉シートを焼き上げる。
前記オーブン皿を前記オーブンから取り出して水平状態において180度回転させた後、再度オーブン内に入れ、65度Cで70分間加熱する第四B工程によって、オーブンの奥部と扉側の位置における焼きムラが解消されたミンチ肉シートを得る。
前記オーブン皿内のミンチ肉シートを焼き網に載せ、60度Cで60分間加熱する第五工程によって、ミンチ肉シートをその上下から均等に加熱して更に乾燥させ、カリカリの薄焼き煎餅状態にする。
前記焼き網上のシートをオーブンから取り出して霧吹き機によって霧を吹く第六工程によって、乾燥されたミンチ肉シートに湿り気を与えてシットリとさせ、所定の柔軟性を与える。
前記柔軟化したミンチ肉シートを所定の大きさに切断機によって切断する第七工程によって、取り扱いやすい、又はペットが食しやすい等の大きさの分割片に分割する。
前記切断したミンチ肉シートの切断片を焼き網に載せてオーブンに入れ、60度Cで60分間加熱する第八工程によって、再度、カリカリに乾燥させ、乾燥して硬く、かつ割れやすい薄焼き煎餅状態にし、水分率を低下させた保存に適したベート用ジャーキーを得る。
このペット用ジャーキーの製造方法によれば、全体において、ミンチ肉は65度以上に加熱されることはない。よって、20%を占め、80度から変性が始まる球状たんぱく質は、変性が始まらず、柔らかい状態が維持される。60%を占める繊維状たんぱく質は温度が60度を超えるので凝集されるが、90度を超えないので固化せず、20%を占める結合組織たんぱく質は、温度が60度を超えるので固化するが崩壊しない状態である。したがって、球状タンパク質の水分は保持されるので旨みが残り、繊維状タンパク質が凝集され、結合組織たんぱく質が固化されるので所定の固さを有するペット用ジャーキーが得られる。よって、ペットの食いつきがよく、低水分率によって保存に適したペット用ジャーキーを提供することができる。
第6の発明のペット用ジャーキーは、肉を主体とするペット用ジャーキーであって、肉をミンチ肉にする第一工程によってミンチ肉を製造する。
製造したミンチ肉を飲用液体と混ぜ合わせてペーストにする第二工程よって、ミンチした肉が均一に分布された肉ペーストを生成する。
当該ペーストをオーブン皿に流し込む第二行程によって、肉ペーストをオーブン皿に均一な深さに分布させる。
前記肉ペーストを入れたオーブン皿をオーブンで60〜65度で140分加熱し、肉ペーストをシート状に焼き上げる第三工程によって、肉ペースト中の水分を蒸発させ、ミンチ肉が均一に分布したミンチ肉シートを焼き上げる。
前記焼き上げたミンチ肉シートを網に載せ、オーブンで60〜65度で60分加熱する第五工程により、ミンチ肉シートを表裏から均等に加熱し、ミンチ肉シートから更に水分を蒸発させ、カラカラに乾燥してカリカリ状態としたペット用ジャーキーを製造する。
これにより、旨み成分が残っているので、ペットの食いつきが良いペットフードを得ることが出来る。また、一枚のシートであることから、取扱が容易である。さらに、殆どの細菌が死滅又は十分の一以上に減少され、十分な殺菌がなされる。さらにまた、ミンチ肉シートがカリカリになるほどに低水分率に乾燥されることから、保存に適するペット用ジャーキーを得ることができる。
第7の発明のペット用ジャーキーは、第6の発明と同一構成を含むので、第6の発明と同一の目的を達成できる効果がある。さらに、第7の発明において、第四A工程において60〜65度Cで70分加熱し、引き続く第四B工程において、ミンチ肉シートを水平状態で180度回転させた後、再度オーブンで60〜65度Cで70分間加熱するので、オーブンの扉側と奥側との加熱ムラによるミンチ肉シートの焼きムラを防止し、均等に焼き上げることができる利点がある。
第8の発明のペット用ジャーキーは、第6の発明のペット用ジャーキーと同一構成を含んでいるので、本発明の目的を達成することができる。さらに、第8の発明においては、前記ミンチ肉シートを湿潤させる第六工程によって、第五工程においてカリカリに焼き上げて堅くなったミンチ肉シートを柔軟化する。換言すれば、ミンチ肉シートに柔軟性を持たせ、一部の割れが他の部位へ波及しないようにする。
前記柔軟化したミンチ肉シートを切断機で所定の大きさに切断し、切断片とする第七工程によって、取り扱いやすい大きさ、食餌として適当な大きさ等に切断して複数の切断片に分割する。
前記切断した切断片をオーブンで60〜65度Cで60分焼く第八工程によって、再び、カリカリに乾燥させ、保存に適し水分率にする。
これによって、取り扱い性、食餌性に富んだペット用ジャーキーを得ることができる利点がある。
第9の発明のペット用ジャーキーは、第6の発明と同一構成を含んでいるので、同一の目的を達成することができる。さらに、第9の発明においては、第一の工程において、ミンチ肉と飲用液体とを1対1の重量比で混ぜ合わせて肉ペーストを生成する。この1対1の重量比は、ミンチ肉が混合されたペーストが、第三工程においてオーブン皿に流し込んだ際、素早く同一深さになる程よい粘度を有すると共に、次工程の第四工程において、ペースト中の水分を可及的速やかに蒸発させうる量である。よって、作業時間の短縮、消費エネルギーの削減が出来る利点がある。
第10の発明のペット用ジャーキーは、以下の行程によって製造された肉を主体とするペット用ジャーキーである。
肉をフードプロセッサーによってミンチ状にする工程によって、肉がミンチ状にされる。
ミンチ肉に飲用液体を1:1の重量比割合で混合した後、良くかき混ぜて肉ペーストにする第二工程によって、オーブン皿内において容易に均一な深さになる粘度、及びその次に加熱する第四行程において短時間で蒸発する要求を満足する肉ペーストが生成される。
前記肉ペーストをオーブン皿に深さを3ミリ程度に流し込む第三工程において、次の第四行程において、比較的低温かつ短時間で厚みが均一なミンチ肉シートが形成される準備状態を構成する。
前記オーブン皿をオーブンに入れ、65度Cで70分間加熱し、ミンチ肉シートにする第四A工程によって、肉ペーストにおける水分を蒸発させ、ミンチ肉がシート状になったミンチ肉シートを焼き上げる。
前記オーブン皿を前記オーブンから取り出して水平状態において180度回転させた後、再度前記オーブン内に入れ、65度Cで70分間オーブンで加熱する第四B工程によって、オーブンの奥部と扉側の位置における焼きムラを解消する。
前記オーブン皿内のミンチ肉シートを焼き網に載せ、60度Cで60分加熱する第五工程によって、ミンチ肉シートをその上下から加熱し、さらに乾燥させ、カリカリに乾燥していて硬いけれど割れやすい薄焼き煎餅状態にする。
前記焼き網上のミンチ肉シートをオーブンから取り出して霧吹き機によって霧を吹き、前記ミンチ肉シートに柔軟性を付与する第六工程によって、乾燥されたミンチ肉シートに湿り気を与えてシットリとさせ、柔軟性を与える。
前記柔軟化したミンチ肉シートを切断機によって切断し、所定の大きさに切断する第七工程によって、取り扱いやすい、又はペットが食しやすい大きさに分離する。
前記切断したミンチ肉シートの切断片を焼き網に載せてオーブンに入れ、60度で60分間加熱する第八工程によって、再度、乾燥させ、カリカリに乾燥していて硬いけれど割れやすい薄焼き煎餅状態にし、水分を低下させて保存に適した状態にする。
このペット用ジャーキーによれば、全体において、ミンチ肉は65度以上に加熱されることはない。よって、20%を占め、80度から変性が始まる球状たんぱく質は、変性が始まらず、柔らかい状態が維持される。60%を占める繊維状たんぱく質は温度が60度を超えるので凝集が始まるが、90度を超えないので固化しない20%を占める結合組織たんぱく質は、温度が60度を超えるので固化するが崩壊しない状態である。したがって、タンパク質が熱変性せずに旨みが残っている状態で水分が蒸発される。よって、ペットの食いつきがよいペット用ジャーキーを提供することができる。
図1は、本発明にかかる実施例1のペット用ジャーキーの製造方法の工程を説明するためのフローチャートである。 図2は、本発明にかかる実施例1のペット用ジャーキーの製造方法の第一工程を説明するための説明図であり、(A)は肉、(B)はミンチ肉を製造するミンチ機、(C)はミンチ肉を製造するフードプロセッサー、(D)はミンチ肉である。 図3は、本発明にかかる実施例1のペット用ジャーキーの製造方法の第二及び第三工程の説明図であり、(A)は第二工程に用いる材料、(B)は肉ペースト、(C)(D)は第三行程を説明する説明図である。 図4は、本発明にかかる実施例1のペット用ジャーキーの製造方法の説明図であり、(A)は第四工程、(B)は第五行程、(C)は完成したペット用ジャーキーである。 図5は、本発明にかかる実施例2のペット用ジャーキーの製造方法の工程を説明するためのフローチャートである。 図6は、本発明にかかる実施例2のペット用ジャーキーの製造方法の説明図であり、(A)は第四A工程、(B)は第四B行程である。 図7は、本発明にかかる実施例3のペット用ジャーキーの製造方法の工程を説明するためのフローチャートである。 図8は、本発明にかかる実施例3のペット用ジャーキーの製造方法の説明図であり、(A)は第七工程、(B)は鋏での切断時の写真、(C)は切断状態である。 図9は、本発明にかかる実施例3のペット用ジャーキーの製造方法の説明図であり、(A)は第八工程、(B)は実施例3によって製造したペット用ジャーキーの写真である。
まず図1を参照して、本発明にかかるペット用ジャーキー100の製造方法たるフローチャートを説明する。以下の説明は、ミンチ肉が200グラムの例である。ミンチ肉の量に応じてオーブン皿の大きさ等が変更される。
まず、ステップS1たる第一工程において、馬肉等の肉102(図2(A))を公知のミンチ機104(同図(B))、又は公知のフードプロセッサー106(同図(C))等によってミンチ肉108(同図(D))にする。なお、ステップS1は、ステップS2とは連続している必要はない。例えば、専門業者において加工されたミンチ肉108を購入した後、ステップS2へ進むことが出来る。しかし、鮮度の関係から、ステップS1及びS2は連続して行われることが好ましい。
次にステップS2たる第二行程において、所定量、本実施例1においては200gのミンチ肉108に飲用液体を1:1の重量比で混合し、良くかき混ぜてペーストにする。換言すれば、200グラムのミンチ肉108と、容器112に入れた同一重量の飲用液体200グラムを、ボウル (bowl)114等に投入して混合器具116によって良く混ぜ合わせ、肉ペースト118を生成する。この肉ペースト118の粘度は、蜂蜜やジャム程度が好ましい。換言すれば、肉ペースト118は、オーブン皿122に入れてオーブン皿122を傾けた場合、所定の短時間経過後には表面が水平面を構成するように粘性に打ち勝って、重力によって流動可能な程度の粘性を有することが好ましい。これによって、オーブン皿122において、肉ペースト118を均一にする手間が殆どかからない利点がある。なお、調理用へら等で均す程度の粘性を有していても良い。
次にステップS3たる第三工程において、肉ペースト118をオーブン皿122に深さ(T)が3mm程度になるよう流し込む。深さ3mm程度でない場合、水分が蒸発してミンチ肉シート124が形成される際、肉量が不足し、シート状にならない場合がある。また、3mmを大幅に超える場合、ステップS4の第四工程における加熱によって、十分な乾燥を行うことができない懸念がある。
次にステップS4たる第四工程において、オーブン皿122、を公知のオーブン126に入れ、65度Cで140分間加熱し、一枚の薄いシート状に焼き上げられたミンチ肉シート124を得る。これにより、たんぱく質が凝集して結合力が増加し、ミンチ肉シート124の一部を持ち上げても破断することがなく、一枚のミンチ肉シート124として取り扱うことが出来る。ここで、加熱温度を60〜65度Cにすることにより、結合組織たんぱく質の固化を抑制することができる。
次にステップS5たる第五工程において、オーブン皿122内のミンチ肉シート124を焼き網134に載せてオーブン126に入れ、60度Cで60分加熱し、カリカリのミンチ肉シート124を得る。ステップS5における加熱温度を60度とし、スッテプS4よりも低くする理由は、焼き上がったミンチ肉シート124の浪打を抑えるためである。浪打を抑制することにより、包装作業が容易になる。こステップS5により、ミンチ肉シート124は上下面から加熱され、水分(自由水)も殆ど蒸発され、水分活性値は0.60未満になるものと推測される。水分活性値が0.60未満である場合、細菌及び微生物とも増殖できず、感染症や中毒等に対する衛生面での安全性が高まる。また、水分活性値が0.60未満である場合、細菌は増殖できず、保存に適する。
換言すれば、第五工程において焼き上がったミンチ肉シート124は、全面に亘ってカリカリ状態であり、水分率が極めて低い状態である。この水分率は、10%以下であることが好ましい。そして、このミンチ肉シート124を一枚のペット用ジャーキー100として、又は任意に分割して商品とすることができる。分割する場合、カリカリ状態で分割するため、形状が様々になる。
なお、実施例1のミンチ肉シート124は、一枚のミンチ肉シート124は、大きさがオーブン皿122の寸法に異存する。よって、小さいミンチ肉シート124を得る場合、小型のオーブン皿122を用いる必要がある。
本実施例1に係るペット用ジャーキー100は、従来よりも低温製法であるので、肉の旨みを残し、かつ何らの化学成分や自然成分を加えていない無添加のペット用ジャーキー100である。
肉102としては、馬肉、牛肉、鶏肉、豚肉、鹿肉、猪肉、山羊肉、羊肉、魚肉等、又はそれらの心臓、肝臓、レバー等が用いられる。これらの中でも、特に馬肉はペットが喜んで食する。
また、肉のみでも良いが、野菜、チーズ等を混ぜ合わせることが好ましい。
ミンチ機104は公知の手動又は電動のミンチ機104を用いる。フードプロセッサー106は公知の電動フードプロセッサー用い、肉を大きくとも20mm〜30mmの小塊に切断した後、フードプロセッサー106に入れてスイッチを入れ、回転カッタ-によって微少肉片に加工する。
混合器具116は、ミンチ肉108と飲用液体110を混ぜ合わせ、ペースト状の肉ペースト118にする機能を有し、公知の、木べら、手動又は電動ミキサー等を用いることができる。
飲用液体110は、ペットが飲用可能との意味合いであり、天然水、水道水、又はミルク、例えばヤギミルク、馬ミルク、牛ミルク等を用いることが出来る。温泉などミネラル成分が多い液体を用いることも出来る。
オーブン皿122は公知のオーブン皿であり、肉ペースト118を所定量、所定の厚みで収容する機能を有する。本実施例1においては、幅400mm(W)×奥行き260mm(D)×高さ(H)25mmの鉄製のホーロー加工した角形のオープン皿112が少なくとも2枚用いられる。しかし、オーブンの大きさによって一枚でも良いし、3枚以上であっても良い。また、材質は、温度設定に対し使用でき、汚れ落としが容易である場合には何でも良い。ここで重要なのは、肉ペースト118の粘度と、オーブン皿122に流し込んだ際の、肉ペースト118の深さである。
オーブン126は、公知のオーブン126、例えば、ガス式、電気式等の、温度管理ができるオーブンが用いられる。オーブン皿122の収納枚数や、自動温度管理の有無は問わないが、オーブン皿122を多数収納でき、自動温度調節機能付きのオーブン126はエネルギー効率が良く、かつ品質も安定する利点がある。
焼き網134は、目の大きさや材質は問わないが、清掃や衛生等を考慮すると、格子状、又はメッシュ状のステンレス製の焼き網を使用することが好ましい。
第二工程における1:1の重量比とは、厳密な意味での比率ではなく、同一の作用・効果を生じる範囲を含むものである。例えば、0.95:1又は逆の比率で同様の作用・効果を生じる場合にはその比率をも含むものである。
第三工程における深さ3mmは、厳密な意味での3mmの他、同様の作用・効果を生じる深さを含む概念である。例えば、2.5mm、3.5mmを含む概念である。
第四工程における60〜65度Cは、厳密な意味での65度C〜65度Cの他、同様の作用・効果を生じる温度を含む概念である。例えば、65.5度C、59.5度Cを含む概念である。また、同様に、70分は同様の作用・効果を生じる範囲を含む時間の概念である。、
第六工程における60度Cは、厳密な意味での60度Cの他、同様の作用・効果を生じる温度を含む概念である。例えば、60.5度C、59.5度Cを含む概念である。また、同様に、60分は同様の作用・効果を生じる範囲を含む概念である。ミンチ肉シート124の大きな浪打を許容出来る場合、第六工程においても、65度Cで加熱することが可能である。
肉ペースト118には、少量の野菜を混ぜ合わせることができる。野菜としては、キャベツ、人参、ブロッコリー等が適当である。これら野菜を10mm角程度のさいの目に刻み、焼き網に載せてオーブン126で乾燥させて乾燥野菜粉を製造する。この乾燥によって、野菜重量が約十分の一になる。そして、この乾燥野菜粉を200gのミンチ肉108に対し5g程度をステップS2の肉ペースト118にする工程において混ぜ合わせる。乾燥野菜粉を混ぜ合わせることにより、栄養バランスに優れた食いつきの良いペット用ジャーキー100が得られる。
次に実施例2を図5及び図6を参照しつつ説明する。
実施例2は、オーブン126による焼きムラを解消したペット用ジャーキー100の製造方法である。
実施例2の製造方法は、基本的製造方法は実施例1と同一であるが、ステップS4たる第四工程が実施例1とは異なる。
実施例2におけるステップS4は、ステップS4AとステップS4Bによって構成されている。
最初にステップS4Aたる第四A工程を説明する。
第四A工程において、肉ペースト118を3mmの深さで満たしたオーブン皿122をオーブン126に入れ、60〜65度Cで70分間加熱し、ミンチ肉シート124を焼き上げる。オーブン126においては、熱風を強制循環させてオーブン室128内全体を均一な温度に保つようにしているが、完璧とは言えず、温度は扉132(左扉132L、右扉132R)側の方が高く、扉132から遠い奥側が低い傾向にある。このため、焼き上がったミンチ肉シート124の扉132側はカリカリ状態になるが、奥側は未だカリカリ状態とは言えず、しんなりとした状態であり、一部を持ち上げた場合、バラバラと崩れる状態である。換言すれば、ミンチ肉シート124には焼きムラがある状態である。この焼きムラを解消するため、ステップS4Bたる第四B工程を行う。
次にステップS4Bたる第四B工程を説明する。
第四B工程において、第四A工程(図6(A))を終了した後、オーブン皿122をオーブン室128から取出し、水平状態において180度回転させた後、再びオーブン室128へ戻し(図6(B))、オーブン126で60〜65度Cで70分間加熱し、ミンチ肉シート124を得、完成品とする。換言すれば、扉132側にあったミンチ肉シート124を奥部へ配置し、奥側に位置していた部位を扉132側へ位置替えする。第四B工程において焼き上がったミンチ肉シート124は、全面に亘ってカリカリ状態であり、水分率が極めて低い状態である。この水分率は、前述同様に10%以下であることが好ましい。
実施例2によれば、焼きムラを生じるオーブン126を用いた場合であっても、焼きムラを生じないミンチ肉シート124を得ることできる利点がある。そして、このミンチ肉シート124を一枚のペット用ジャーキー100として、又は任意に分割して商品とすることができる。分割する場合、カリカリ状態で分割するため、形状が様々になる。
次に実施例3を図7乃至図9を参照しつつ説明する。
実施例3は、完成したミンチ肉シート124の大きさが、オーブン皿122の大きさに異存しないミンチ肉シート124の製造方法に関する。
実施例3の製造方法は、図7に示すように、ステップS1乃至S5は実施例1又は2と同一であり、ステップS5に続いてステップS6乃至ステップS8を実行する。なお、図7においては、実施例2のフローチャートにステップS6〜S8を追加した例である。
まず、ステップS6たる第六工程を図8(A)を参照しつつ説明する。
第六工程において、焼き網134と共にミンチ肉シート124をオーブン126から取り出して湿潤させ、ミンチ肉シートに柔軟性を付与する。湿潤手段として、例えば公知の霧吹き機138を用い、ミンチ肉シート124の表裏に霧を吹き、ミンチ肉シート124を柔軟化させる。霧吹き機138は公知の手動又は電動の霧吹き機を用いる事が出来る。霧を吹くための液体としては、前述した飲用液体を用いることが出来る。霧吹きは、ミンチ肉シート124の表裏面に対して行うことが好ましいが、表裏面の一方で良い場合には、一方でも良い。また、湿らせれば良いので、濡れた布でミンチ肉シート124を拭く等によって湿潤させることができる。
ステップS5の第五工程において、カリカリに焼き上げられたミンチ肉シート124は、取扱に適当な大きさに分割するため、例えば鋏などで力を加えると、勝手に無秩序に割れてしまう。そこで、無秩序に割れることを防止するため、再度湿潤によって湿らせ、ミンチ肉シート124に柔軟性を持たせる。
次に、ステップS7たる第七工程を主に図8(B)(C)を参照しつつ説明する。
第7工程は、第六工程で柔軟化したミンチ肉シート124を切断機142を用いて所定の大きさに切断する工程である。第六工程において、ミンチ肉シート124は湿潤されるので、切断機142で切断しても切断位置を定めつつ切断することが出来る。切断機142は、ミンチ肉シート124を切断して切断片144に分離する機能を有し、小型の場合、例えば鋏であり、大型の場合、例えばシャーリングである。切断片144は、例えば15mm×5mmの短冊形状に切断される。
次にステップS8たる第八工程を主に図9を参照しつつ説明する。
第八工程は、前記切断した切断片144を焼き網134に載せて(図9(A))オーブン126に入れ、第七工程において湿潤のために付与した水分を蒸発させる工程である。具体的には、オーブン126において、60度で60分間加熱する工程である。これにより、カリカリ状態に乾燥され、長期の保存に適した水分率にされたミンチ肉シート124を分割した切断片144が得られる(同図(B))。切断片144はミンチ肉シート124よりも小片であるので、包装する際の作業性が向上する。また、切断片144をペットの食餌に適した大きさにすることもできるので、利便性が向上する。
本発明は、前記実施例1乃至3に拘わらず、発明に係る技術思想の範囲において、各種変形可能である。
102 肉
106 フードプロセッサー
108 ミンチ肉
110 飲用液体
118 肉ペースト
122 オーブン皿
124 ミンチ肉シート
126 オーブン
134 焼き網
142 切断機
144 切断片

Claims (10)

  1. 肉を主体とするペット用ジャーキーの製造方法であって、
    肉(102)をミンチ肉(108)にする第一工程、
    前記ミンチ肉(108)を飲用液体(110)と混ぜ合わせて肉ペースト(118)にする第二工程、
    当該肉ペースト(118)をオーブン皿(122)に流し込む第三行程、
    前記肉ペースト(118)を入れたオーブン皿(122)をオーブン(126)で60〜65度Cで140分間加熱し、前記肉ペースト(118)をミンチ肉シート(124)に焼き上げる第四工程、
    前記ミンチ肉シート(124)を焼き網(134)に載せ、オーブン(126)で少なくとも60〜65度Cで60分間加熱する第五工程、
    よりなるペット用ジャーキーの製造方法。
  2. 前記第四工程を第四A工程と第四B工程に分け、
    前記第四A工程において、前記肉ペースト(118)を入れたオーブン皿(122)をオーブン(126)で60〜65度Cで70分間加熱し、
    前記第四B工程において、前記オーブン皿(122)を前記ミンチ肉シート(124)と一体に水平状態において180度回転させた後、オーブン(126)で60〜65度で70分間加熱する、
    ことを特徴とする請求項1に記載したペット用ジャーキーの製造方法。
  3. さらに、前記ミンチ肉シート(124)を所定の柔軟性を有するよう湿潤させる第六工程、
    前記湿潤させたミンチ肉シート(124)を切断機(142)で所定の大きさに切断し、切断片(144)とする第七工程、
    前記切断した切断片(144)をオーブン(126)で60度Cで60分焼く第八工程
    よりなる
    請求項1又は2に記載したペット用ジャーキーの製造方法。
  4. 前記第一工程において、ミンチ肉(108)と飲用液体(110)とを1対1の重量比で混ぜ合わせて肉ペースト(118)にする
    ことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載したペット用ジャーキーの製造方法。
  5. 肉を主体とするペット用ジャーキーの製造方法であって、
    肉をフードプロセッサー(106)によってミンチにする第一工程、
    ミンチ肉(108)に飲用液体(110)を1:1の重量比割合で混合し、肉ペースト(118)にする第二工程、
    前記肉ペースト(118)をオーブン皿(122)に深さを3ミリに流し込む第三工程、
    前記オーブン皿(122)をオーブン(126)に入れ、65度Cで70分間加熱し、ミンチ肉シート(124)にする第四A工程、
    前記オーブン皿(122)を前記オーブン(126)から取り出して水平面内において180度回転させた後、再度オーブン(126)内に入れ、65度Cで70分オーブンで加熱する第四B工程、
    前記オーブン皿(122)内のミンチ肉シート(124)を焼き網(134)に載せ、60度Cで60分加熱する第五工程、
    前記焼き網(134)上のミンチ肉シート(124)をオーブン(126)から取り出して霧吹し、前記ミンチ肉シート(124)を柔軟化させる第六工程、
    前記柔軟化したミンチ肉シート(124)を切断機(142)によって所定の大きさに切断する第七工程、
    前記切断した切断片(144)を焼き網(134)に載せてオーブン(126)に入れ、60度で60分間加熱する第八工程、
    よりなることを特徴とする肉を主体とするペット用ジャーキーの製造方法。
  6. 肉を主体とするペット用ジャーキーであって、
    肉(102)をミンチ肉(108)にする第一工程、
    前記ミンチ肉(108)を飲用液体(110)と混ぜ合わせて肉ペースト(118)にする第二工程、
    当該肉ペースト(118)をオーブン皿(122)に流し込む第三行程、
    前記肉ペースト(118)を入れたオーブン皿(122)をオーブン(126)で60〜65度Cで140分間加熱し、肉ペースト(118)をミンチ肉シート(124)に焼き上げる第四工程、
    前記ミンチ肉シート(124)を焼き網(134)に載せ、オーブン(126)で少なくとも60〜65度Cで60分間加熱する第五工程、
    により製造されてなるペット用ジャーキー。
  7. 前記第四工程を第四A工程と第四B工程に分け、
    前記肉ペースト(118)を入れたオーブン皿(122)をオーブン(126)で60〜65度Cで70分間加熱する前記第四A工程、
    前記オーブン皿(122)を前記ミンチ肉シート(124)と一体に水平状態において180度回転させた後、オーブン(126)で60〜65度で70分間加熱する前記第四B工程、
    により製造されてなる請求項6に記載のペット用ジャーキー。
  8. さらに、前記ミンチ肉シート(124)を所定の柔軟性を有するよう湿潤させる第六工程、
    前記湿潤させたミンチ肉シート(124)を切断機(142)で所定の大きさに切断し、切断片(144)とする第七工程、
    前記切断した切断片(144)をオーブン(126)で60〜65度Cで60分焼く第八工程
    によって製造されてなる
    請求項6に記載したペット用ジャーキー。
  9. 前記第一工程において、ミンチ肉(108)と飲用液体(110)とを1対1の重量比で混ぜ合わせて肉ペースト(118)にされてなる
    ことを特徴とする請求項6乃至8の何れかに記載したペット用ジャーキー。
  10. 肉を主体とするペット用ジャーキーであって、
    肉(102)をフードプロセッサー(106)によってミンチ肉(108)にする工程、
    ミンチ肉(108)に飲用液体を1:1の重量比割合で混合し、肉ペースト(118)にする工程、
    前記肉ペースト(118)をオーブン皿(122)に深さを3ミリに流し込む工程、
    前記オーブン皿(122)をオーブン(126)に入れ、65度Cで70分間加熱し、ミンチ肉シート(124)にする工程、
    前記オーブン皿(122)を前記オーブン(126)から取り出して水平面内において180度回転させた後、再度オーブン(126)に入れ、65度Cで70分間加熱する工程、
    前記オーブン皿(122)内のミンチ肉シート(124)を焼き網(134)に載せ、60度Cで60分加熱する工程、
    前記焼き網(134)上のミンチ肉シート(124)をオーブン(126)から取り出して霧を吹き、前記ミンチ肉シート(124)を柔軟化させる工程、
    前記柔軟化したミンチ肉シート(124)を切断機(142)によって所定の大きさに切断する工程、
    前記切断した切断片(144)を焼き網(134)に載せてオーブンに入れ、60度で60分間加熱する工程、
    によって製造されたことを特徴とする肉を主体とするペット用ジャーキー。
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