JP7164420B2 - ペットフードの製造方法 - Google Patents
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例えば、特許文献1には、穀物ベースのシェル成分と、脂質成分を含む軟性内部成分とを含有し、前記軟性内部成分が前記シェル成分に完全に囲まれた二重構造の動物用食品とすることで嗜好性を向上させた動物用食品が記載されている。
ペットフードに外観上及び食感上の変化を持たせるために、例えば、ペットフードの一部をクリーム状組成物で被覆することが考えられる。しかし、クリーム状組成物を用いて、ペットフードの基体の一部を被覆した場合、ペットフードに含まれる油脂原料の割合が多くなってしまい、得られるペットフードが総合栄養食基準を満たさないおそれがある。
一方、ペットフードが総合栄養食基準を満たすようにクリーム状組成物の量を減らした場合、基体上に被覆部を形成するのが困難になる場合がある。また、基体上に被覆部を形成できたとしても、所望の形状の被覆部を形成することが難しく、ペットフードの外観が損なわれる場合がある。
そこで、本発明は、基体と、前記基体の一部を被覆する被覆部と、を備え、総合栄養食の基準を満たすペットフードの製造方法を提供することを課題とする。
(1)基体と、前記基体の一部を被覆する被覆部と、を備え、前記基体の一部は露出しており、前記基体の成分組成と前記被覆部の成分組成とは、相違しているペットフードの製造方法であって、(a)前記基体とは異なる組成を有する被覆部形成用組成物を、ノズルよりTD方向に吐出して、MD方向に搬送される前記基体の一部を被覆する工程と、(b)前記工程(a)の後、得られたペットフードの重量を測定する工程と、(c)前記工程(b)で測定したペットフードの重量に基づいて、前記ノズルよりTD方向に吐出する前記被覆部形成用組成物の流量を制御する工程と、を含む、ペットフードの製造方法。
(2)(a1)前記ノズルよりTD方向に吐出される前記被覆部形成用組成物を検知手段により検知する工程と、(a2)前記工程(a1)において、所定時間以上前記被覆部形成用組成物が前記検知手段により検知されない場合、ノズル詰まり解消手段を作動させる工程と、を更に含む、前記(1)に記載のペットフードの製造方法。
(3)(z1)前記工程(a)の前に、前記基体の表面温度を測定する工程と、(z2)前記工程(z1)の後、かつ、前記工程(a)の前に、前記工程(z1)で測定した前記基体の表面温度に応じて、加熱手段又は冷却手段を制御する工程と、を更に含む、前記(1)又は(2)に記載のペットフードの製造方法。
(4)前記被覆部形成用組成物が、油脂及び粉体原料を含有する、前記(1)~(3)のいずれかに記載のペットフードの製造方法。
(5)前記被覆部形成用組成物が、硬化油脂を含有する、前記(1)~(4)のいずれかに記載のペットフードの製造方法。
(6)前記基体は、粒状である、前記(1)~(5)のいずれかに記載のペットフードの製造方法。
(7)前記基体は、膨化粒である、前記(6)に記載のペットフードの製造方法。
(8)基体と、前記基体の一部を被覆する被覆部と、を備え、前記基体の一部は露出しており、前記基体の成分組成と前記被覆部の成分組成とは、相違しているペットフードの製造方法であって、(a)前記基体とは異なる組成を有する被覆部形成用組成物を、ノズルよりTD方向に吐出して、MD方向に搬送される前記基体の一部を被覆する工程と、(a1)前記ノズルよりTD方向に吐出される前記被覆部形成用組成物を検知手段により検知する工程と、(a2)前記工程(a1)において、所定時間以上前記被覆部形成用組成物が前記検知手段により検知されない場合、ノズル詰まり解消手段を作動させる工程と、を含む、ペットフードの製造方法。
(9)基体と、前記基体の一部を被覆する被覆部と、を備え、前記基体の一部は露出しており、前記基体の成分組成と前記被覆部の成分組成とは、相違しているペットフードの製造方法であって、(z1)前記基体の表面温度を測定する工程と、(z2)前記工程(z1)の後、前記工程(z1)で測定した前記基体の表面温度に応じて、加熱手段又は冷却手段を制御する工程と、(z3)前記工程(z2)の後に、前記基体とは異なる組成を有する被覆部形成用組成物を、ノズルよりTD方向に吐出して、MD方向に搬送される前記基体の一部を被覆する工程と、を含む、ペットフードの製造方法。
本明細書において、「ドライタイプのペットフード」とは、水分含量が約6質量%程度のフード粒を意味する。ドライタイプのフード粒の水分含量は、通常3~12質量%程度であり、約10質量%以下であることが好ましい。
本明細書において、「ソフトタイプのペットフード」とは、水分含量が15~35質量%程度であるペットフードを意味する。
本明細書において、ペットフードの平均長径は、水平台に置いたペットフードを上方から見た場合の長径及び短径をノギスで測定し、それらの平均値を平均長径及び平均短径とする。またペットフードの厚さは、水平台に置いたペットフードの下面(下端)から上面(上端)までの厚さを測定する。
本発明の一態様に係るペットフードの製造方法は、基体と、前記基体の一部を被覆する被覆部と、を備え、前記基体の一部は露出しており、前記基体の成分組成と前記被覆部の成分組成とは、相違しているペットフードの製造方法であって、(a)前記基体とは異なる組成を有する被覆部形成用組成物を、ノズルよりTD方向に吐出して、MD方向に搬送される前記基体の一部を被覆する工程と、(b)前記工程(a)の後、得られたペットフードの重量を測定する工程と、(c)前記工程(b)で測定したペットフードの重量に基づいて、前記ノズルよりTD方向に吐出する前記被覆部形成用組成物の流量を制御する工程と、を含む。
図1中、11は、基体10に形成されている凹部である。本態様にかかる製造方法により製造されるペットフードにおいて、凹部11は、あってもよいし、なくてもよいが、被覆部20が剥離しにくくなることから、凹部11があることが好ましい。
工程(a)は、基体とは異なる組成を有する被覆部形成用組成物を、ノズルよりTD方向に吐出して、MD方向に搬送される前記基体の一部を被覆する工程である。
工程(a)の一の実施形態としては、例えば、コンベアで連続してMD方向に搬送される基体に対し、デコレーターのノズルより被覆部形成用組成物を吐出し、基体の一部を被覆する。
被覆部形成用組成物は、被覆部を形成するための組成物である。被覆部形成用組成物は、基体とは成分組成の異なる被覆部を形成するために、後述する基体の成分組成とは異なる成分組成を有している。
油脂としては、例えば、融点の高いもの(45~65℃程度、好ましくは56.5~60.5℃程度)と融点の低いもの(20~45℃程度、好ましくは30~40℃程度)とを併用することが好ましい。融点の高いもののみを用いた場合、摂取されたときに体内で溶けにくく分解しにくい。一方、融点の低いもののみを用いた場合、加工性が悪く、気温が高いと溶けてしまう恐れがある。融点の高いものと低いものとを併用することにより、加工性がよく、かつ食したときに溶けやすい組成物を得ることができる。そのような組み合わせとしては、植物性油脂と硬化油脂との組み合わせが例示される。あるいは、植物性油脂に代えて、又は植物性油脂とともに、精製牛脂、精製豚脂、鶏脂、羊脂、馬脂、魚油、脂肪酸(リノール酸、リノレン酸など)、及びバター等を用いてもよい。植物性油脂としては、パーム油、パーム分画油等が好適に例示される。
粉体原料の好適な例としては、大豆粉末が挙げられる。中でも、濃縮大豆タンパク質が好ましく、消化に配慮して加熱処理されたものがより好ましい。また、大豆粉末に代えて、又は大豆粉末とともに、α化小麦粉、分離大豆タンパク質、蛋白加水分解物、ビール酵母粉体、チーズパウダー、乳類粉体、魚介類粉体、アミノ酸粉体、肉類系、豆類、米粉、麦芽粉末、核酸等を用いてもよい。粉体原料は、油脂との相性がよいものを用いることが好ましい。粉体原料の粉砕粒度は、特に限定されないが、最大の粉砕粒度が400μm以下であることが好ましく、平均の粉砕粒度が100μm以下であることがより好ましい。
被覆部形成用組成物の配合例として、融点の低い油脂(植物性油脂など)の合計5~70質量%、融点の高い油脂(硬化油脂など)の合計3~40質量%、粉体原料の合計5~70質量%、賦形剤(デキストリン、デンプン類、単糖類、オリゴ糖類など)の合計2.5~35質量%等が挙げられる。
本工程で用いる基体は、特に限定されず、任意のものを用いることができる。
基体の形状は特に限定されず、粒状、棒状、板状、球状、管状、円柱状、円錐状等の任意の形状を採用することができる。基体の断面形状としては、円形、楕円形、多角形(例えば三角形、四角形、五角形、六角形、菱形、台形等)、星状、ハート状などが挙げられるが、これらに限定されない。基体が粒状である場合、粒の形状としては、例えば、円形、楕円形、多角形(例えば三角形、四角形、五角形、六角形、菱形、台形等)、ハート状、星状、十字状、ドーナツ状、クローバー状等が挙げられるが、これらに限定されない。
凹部の形状としては、例えば、円形、楕円形、多角形(例えば三角形、四角形、五角形、六角形、菱形、台形等)、溝形等が挙げられる。凹部の数は、特に限定されず、例えば、1~10個、2~8個、又は4~8個、6~8個等が例示される。凹部が複数である場合、その配置は、例えば、格子状、マス目状、放射状、円形状、楕円形状、多角形状(例えば三角形、四角形、五角形、六角形、菱形、台形等)等が挙げられる。
油脂は植物性油脂でもよく、動物性油脂でもよい。高い嗜好性が得られ易い点で動物性油脂を用いることが好ましい。好ましい動物物性油脂としては、鶏油、豚脂(ラード)、牛脂(ヘット)、または乳性脂肪等が挙げられる。
基体の製造方法は、特に限定されず、公知の方法を適用可能である。以下に、基体が膨化粒である場合の製造方法を例示する。
・造粒工程
造粒工程では、原料混合物を造粒してペットフード粒を得る。原料を混合して原料混合物とする方法、および該原料混合物を粒状に成形(造粒)する方法は、公知の方法を用いることができる。
例えばエクストルーダーを用いて膨化粒を製造する方法を好適に用いることができる。
エクストルーダーを用いて膨化粒を製造する方法は、例えば「小動物の臨床栄養学 第5版」(Michael S. Hand、Craig D. Thatcher, Rebecca L. Remillard, Philip Roudebusg、Bruce J. Novotny 編集、Mark Morris Associates 発行;2014年;p.209~p.215)に記載されている方法等が適用できる。
得られた原料混合物をエクストルーダーに投入し、加熱、加圧した後、出口から押し出す。出口には所定の形状の穴が形成されたプレートと、該プレートから押し出された原料混合物を所定の長さ(厚さ)に切断するカッターが設けられている。原料混合物は該プレートの穴から押し出され、カッターで切断されることにより所定の形状に成形されると同時に、加圧状態から常圧に開放されることによって原料混合物中の水蒸気が膨張し、これによって原料混合物が膨化して多孔質の粒が得られる。
こうして得られる粒を、所定の水分含量となるまで必要に応じて乾燥して膨化粒(フード粒)を得る。ドライタイプのフード粒を製造する場合、乾燥工程は必須である。
例えば、エクストルーダーから排出される粒の水分含量は10~20質量%である。この程度の水分を含んでいると良好な成形性が得られやすい。
エクストルーダーから排出される粒の温度は、エクストルーダー内での加熱温度に依存する。例えば90~150℃である。
エクストルーダーから排出された粒を乾燥する方法は公知の方法を適宜用いることができる。例えば、粒に熱風を吹き付けて乾燥させる熱風乾燥法、減圧乾燥法、油中でフライする方法等が挙げられる。例えばコンベア式の熱風乾燥機を用いた熱風乾燥法が好ましい。
乾燥条件(温度、時間)は、粒の成分の熱変性を生じさせずに、粒の温度を100℃以上に昇温させて粒中の水分を蒸発させ、所望の水分含量に調整できる条件であればよい。
例えば、熱風乾燥機で乾燥させる場合、粒に接触させる熱風の温度は100~140℃が好ましく、100~110℃がより好ましい。乾燥時間は特に限定されず、例えば5~20分間程度で行われる。
造粒工程で得られた粒又は乾燥工程後の粒を、焼成に供してもよい。焼成に供する粒は、焼成前に油脂をコーティング(プレコーティング)してもよい。
コーティング方法は特に制限されず、例えば真空コート法により行うことができる。
前記真空コート法は、加温したフード粒と前記コート剤を接触又は付着させた状態で、減圧し、その後ゆっくりと大気開放する方法である。前記コート剤は、液状であっても粉末状であってもよい。前記コーティングによりペットの嗜好性(食いつき)を向上させることができる。
工程(b)は、前記工程(a)の後、得られたペットフードの重量を測定する工程である。すなわち、工程(b)では、基体と、基体の一部を被覆する被覆部とを備えたペットフードの重量を測定する。
前記工程(a)の後、得られたペットフードの重量を測定する方法は特に限定されず、公知の方法により測定できる。
工程(b)の一の実施形態としては、例えば、前記工程(a)の後、所定の数のフード粒を取り、重量計でフード粒の重量を測定する。
工程(c)は、前記工程(b)で測定したペットフードの重量に基づいて、前記ノズルよりTD方向に吐出する前記被覆部形成用組成物の流量を制御する工程である。例えば、前記工程(b)で測定したペットフードの重量が、所定範囲の上限値以上の場合は、前記ノズルよりTD方向に吐出する前記被覆部形成用組成物の流量を増加するよう制御する。一方、前記工程(b)で測定したペットフードの重量が、所定範囲の下限値以下の場合は、前記ノズルよりTD方向に吐出する前記被覆部形成用組成物の流量を低減するように制御する。
上記の工程(a)、工程(b)及び工程(c)を繰り返し行うことにより、基体に被覆する被覆部形成用組成物の量を制御し、基体と、前記基体の一部を被覆する被覆部と、を備え、総合栄養食の基準を満たすペットフードを製造することができる。
(i)工程(a)の前に予め所定の数の基体の重量(g1)を測定する。
(ii)前記手順(i)重量を測定した基体と同じ数のフード粒の重量(g2)を測定する(前記工程(b))。
(iii)前記重量(g2)と前記重量(g1)との比[重量(g2)/重量(g1)]が好ましくは1.0超以上、1.2以下、より好ましくは1.03~1.17、更に好ましくは1.05~1.15の範囲内となるように、前記ノズルよりTD方向に吐出する前記被覆部形成用組成物の流量を制御する。
[重量(g2)/重量(g1)]比が上記の範囲内となるように、前記ノズルよりTD方向に吐出する前記被覆部形成用組成物の流量を制御することにより、得られるペットフードが総合栄養食の基準を満たすように制御しやすくなる。
本態様にかかる製造方法は、上記工程(a)~(c)に加えて、任意工程を含んでいてもよい。任意工程としては、ノズル調整工程、基体温度調整工程、被覆部形成用組成物固化工程、コネクト崩し工程等が挙げられる。
ノズル調整工程は、(a1)前記ノズルよりTD方向に吐出される前記被覆部形成用組成物を検知手段により検知する工程と、(a2)前記工程(a1)において、所定時間以上前記被覆部形成用組成物が前記検知手段により検知されない場合、ノズル詰まり解消手段を作動させる工程と、を含む工程である。
工程(a1)は、前記ノズルよりTD方向に吐出される前記被覆部形成用組成物を検知手段により検知する工程である。
工程(a1)において、前記ノズルよりTD方向に吐出される前記被覆部形成用組成物をする検知手段は特に限定されず、レーザーセンサー、流体センサー、流量センサー、圧力センサー等の公知のセンサーを用いることができる。
工程(a1)の一の実施形態としては、例えば、レーザーセンサーにより前記ノズルよりTD方向に吐出される前記被覆部形成用組成物にレーザーを照射する。
工程(a2)は、前記工程(a1)において、所定時間以上前記被覆部形成用組成物が前記検知手段により検知されない場合、ノズル詰まり解消手段を作動させる工程である。
ノズル詰まり解消手段は特に限定されない。例えば、ノズル内部に設置された針を作動させる方法、ノズル自体を回転体により回転する方法、ノズル内部を加熱する方法等が挙げられる。
工程(a2)の一の実施形態としては、例えば、前記ノズルよりTD方向に吐出される前記被覆部形成用組成物が所定時間以上検知されない場合、ノズル内部に設置された針を作動させ、ノズル内部で固化している被覆部形成用組成物を除去する。
基体温度調整工程は、(z1)前記工程(a)の前に、前記基体の表面温度を測定する工程と、(z2)前記工程(z1)の後、かつ、前記工程(a)の前に、前記工程(z1)で測定した前記基体の表面温度に応じて、加熱手段又は冷却手段を制御する工程と、を含む工程である。
工程(z1)は、前記工程(a)の前に、前記基体の表面温度を測定する工程である。
工程(z1)において、前記基体の表面温度を測定する方法は特に限定されず、表面温度測定センサー等、公知の温度測定装置を用いることができる。
工程(z2)は、前記工程(z1)の後、かつ、前記工程(a)の前に、前記工程(z1)で測定した前記基体の表面温度に応じて、加熱手段又は冷却手段を制御する工程である。
工程(z2)の一の実施形態としては、例えば、予め被覆部形成用組成物を基体に被覆して被覆部を形成しうる所定の表面温度範囲(st)を設定する。基体の表面温度が前記表面温度範囲(st)の下限値以下の場合は、加熱手段を作動させ、基体の表面温度を昇温する。一方、基体の表面温度が前記表面温度範囲(st)の上限値以上である場合は、冷却手段を作動させ、基体の表面温度を降温させる。
本実施形態において、前記表面温度範囲(st)は、例えば25℃~30℃に設定してもよい。
本実施形態においては、例えば、基体の表面温度が前記表面温度範囲(st)の下限値以下の場合は、送風機により基体に55℃~75℃の温風を吹き付けてもよい。一方、基体の表面温度が前記表面温度範囲(st)の上限値以上である場合は、送風機により基体に10℃~20℃の冷風を吹き付けてもよい。
被覆部形成用組成物固化工程は、前記基体の一部を被覆した前記被覆部形成用組成物を、固化させる工程である。
コネクト崩し工程は、被覆部形成用組成物により結合したペットフードの塊を崩す工程である。コネクト崩しは、基体に衝撃を与えることにより、行うことができる。衝撃を付与する方法は、特に限定されないが、例えば、ラダーシューター等を用いてコネクトをほぐす方法、振動を与える方法等が挙げられる。コネクト崩し工程は、工程(a)と被覆部形成用組成物固化工程の間に行ってもよく、被覆部形成用組成物固化工程の後に行ってもよく、工程(a)と被覆部形成用組成物固化工程の間及び被覆部形成用組成物固化工程の後の両方で行ってもよい。
本態様にかかる製造方法により製造されたペットフードは、基体と、前記基体の一部を被覆する被覆部と、を備えている。基体は、全て被覆部で被覆されることなく、基体の一部は露出している。
被覆部がライン形状である場合、当該ライン形状の被覆部の幅は、上記工程(a)で用いるデコレーター等のノズル径により制御することができる。ライン形状である被覆部の幅は、例えば、0.1~10mm、0.5~5mm、1~5mm、又は2~5mm等とすることができる。本態様にかかる製造方法では、上記工程(a)~(c)により被覆部形成用組成物の量を適切に制御できる。そのため、被覆部の幅の制御が容易となる。
本発明の他の態様に係るペットフードの製造方法は、基体と、前記基体の一部を被覆する被覆部と、を備え、前記基体の一部は露出しており、前記基体の成分組成と前記被覆部の成分組成とは、相違しているペットフードの製造方法であって、(a)前記基体とは異なる組成を有する被覆部形成用組成物を、ノズルよりTD方向に吐出して、MD方向に搬送される前記基体の一部を被覆する工程と、(a1)前記ノズルよりTD方向に吐出される前記被覆部形成用組成物を検知手段により検知する工程と、(a2)前記工程(a1)において、所定時間以上前記被覆部形成用組成物が前記検知手段により検知されない場合、ノズル詰まり解消手段を作動させる工程と、を含む。
この場合、工程(a)、工程(a1)及び工程(a2)は、前記態様に係るペットフードの製造方法において説明した工程(a)、工程(a1)及び工程(a2)と同様である。
本発明の他の態様に係るペットフードの製造方法によれば、ノズル内の被覆部形成用組成物の詰まりを解消し、被覆部形成用組成物をノズルから吐出しやすくできる。そのため、基体に被覆する被覆部形成用組成物の量を制御でき、基体と、前記基体の一部を被覆する被覆部と、を備え、総合栄養食の基準を満たすペットフードを効率的に製造することができる。
この場合、工程(z1)及び工程(z2)は、前記態様に係るペットフードの製造方法において説明した工程(z1)及び工程(z2)と同様である。また、工程(z3)は、前記態様に係るペットフードの製造方法において説明した工程(a)と同様である。
本発明の更に他の態様に係るペットフードの製造方法によれば、基体に被覆部形成用組成物を被覆する前に基体の表面温度を調整できる。そのため、基体に被覆する被覆部形成用組成物の量を制御でき、基体と、前記基体の一部を被覆する被覆部と、を備え、総合栄養食の基準を満たすペットフードを効率的に製造することができる。
Claims (7)
- 基体と、
前記基体の一部を被覆する被覆部と、
を備え、
前記基体の一部は露出しており、
前記基体の成分組成と前記被覆部の成分組成とは、相違している
ペットフードの製造方法であって、
(a)前記基体とは異なる組成を有する被覆部形成用組成物を、ノズルよりTD方向に吐出して、MD方向に搬送される前記基体の一部を被覆する工程と、
(b)前記工程(a)の後、得られたペットフードの重量を測定する工程と、
(c)前記工程(b)で測定したペットフードの重量に基づいて、前記ノズルよりTD方向に吐出する前記被覆部形成用組成物の流量を制御する工程と、
を含む、ペットフードの製造方法。 - (a1)前記ノズルよりTD方向に吐出される前記被覆部形成用組成物を検知手段により検知する工程と、
(a2)前記工程(a1)において、所定時間以上前記被覆部形成用組成物が前記検知手段により検知されない場合、ノズル詰まり解消手段を作動させる工程と、
を更に含む、請求項1に記載のペットフードの製造方法。 - (z1)前記工程(a)の前に、前記基体の表面温度を測定する工程と、
(z2)前記工程(z1)の後、かつ、前記工程(a)の前に、前記工程(z1)で測定した前記基体の表面温度に応じて、加熱手段又は冷却手段を制御する工程と、
を更に含む、請求項1又は2に記載のペットフードの製造方法。 - 前記被覆部形成用組成物が、油脂及び粉体原料を含有する、請求項1~3のいずれか一項に記載のペットフードの製造方法。
- 前記被覆部形成用組成物が、硬化油脂を含有する、請求項1~4のいずれか一項に記載のペットフードの製造方法。
- 前記基体は、粒状である、請求項1~5のいずれか一項に記載のペットフードの製造方法。
- 前記基体は、膨化粒である、請求項6に記載のペットフードの製造方法。
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