JP7080634B2 - 粉末プルランを結着剤として含有する造粒物の製造方法 - Google Patents

粉末プルランを結着剤として含有する造粒物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、粉末プルランを結着剤として含有する造粒物の製造方法に関する。より詳しくは、少量の粉末プルランを結着剤として使用する水分添加量の少ない造粒物の製造方法に関する。
動物又はヒトが摂取する飼料又は食品には、いろいろな形状、形態のものがある。そのうちペレットのような造粒物は、取り扱いのし易さ、嗜好性、消化性などの点で優れ、飼料用ペレット、ペットフード、健康補助食品用サプリメント、スナック菓子、調味料など多くの飼料、食品に利用されている。ペレットのような造粒物は、製造時の乾燥工程、包装工程、或いは輸送時に、造粒物同士の接触等により造粒物の角が欠けたり、崩壊したりすることにより粉化し、微粉が生成する。この粉化を抑え、造粒物の強度を高めるため、通常、造粒物を製造する際には、結着剤が使用される。一般に、結着剤としては多糖類が使用されるものの、多糖類には、水に溶かすとゲル化し取り扱いが難しいもの、水への溶解性が低いものなどがあるため、多糖類を結着剤として使用する際には、通常、結着剤を多量の水に溶かし水溶液として粉末原料と混合する方法か、或いは結着剤を粉末原料と混合した後に多量の水を添加して溶解させる方法のいずれかの方法が用いられ、いずれにせよ、比較的大量の水を使用する必要があった。そのため、結果として造粒物には多量の水分が含まれることとなり、その乾燥には長時間を要することとなる。しかし、乾燥は通常、造粒物に熱を加える工程でもあるので乾燥を長時間行うと、造粒物に含まれるタンパク質、ビタミン類、酵素剤などの熱に対して不安定な物質が変性、劣化したり、乾燥に要するエネルギー消費量が多くなり製造コストが高くなるという問題があった。
一方、粉末原料中に澱粉質が含まれると、製造時の加熱により澱粉質がα化することで、結着作用は得られるが、十分な結着効果を得るためには多量の水分が必要となり、造粒物の粉化を抑制する点でも十分とは言えなかった。
これまでに、種々の結着剤が検討され、水分量を少なくする方法について試みられてはきたが、造粒物の粉化が抑制された安定な製品を製造するには十分ではなかった。さらに、造粒物の粉化に対する抵抗性は、造粒物を構成する個々の粒間においても均質であることが好ましい。しかしながら、結着剤に対する水分量を少なくした場合であっても、造粒物を構成する個々の粒間において粉化に対する抵抗性が均質となる造粒物の製造方法については報告がない。
また、造粒物の製造における別の問題として、粉化が抑えられた安定な製品を維持するためには粉末原料に対し、0.1質量%以上の結着剤の添加が必要と考えられていた。例えば、非特許文献1は、食品に用いられるバインダーとして、塩類、糖、澱粉、油脂などを開示しており、これらをバインダーとして用いる場合、少なくとも固形分に対して0.2質量%以上で使用することが記載されている。しかしながら、例えば、飼料用途に使用する場合、結着剤として使用する多糖類は原料に比べ高価であるため、添加量が増えると製造コストに影響を及ぼし、また、結着剤によっては、製造時、混練物の粘度が高まりすぎ、製造ラインのつまりの原因となるなど、添加量の調整が難しいことがあった。
造粒物の製造に際し、多糖類の一つであるプルランを結着剤として使用することが知られている。例えば、特許文献1には、一軸のエクストルーダーを用いて油脂含有率が10~50%の養魚用ドライペレットを製造する場合において、界面活性剤および増粘安定剤をそれぞれペレットに対して0.1~5重量%添加すること、および、増粘安定剤として特定の成分群から選ばれる一種以上を使用することを特徴とする製造方法を開示しており、増粘安定剤の一つとしてプルランを用いてもよいことが記載されている。また特許文献2には、澱粉、ショ糖脂肪酸エステル、プルラン、カゼインナトリウムの組成物からなる養魚用ドライペレットの粉化防止剤を開示しており、プルランを1~15重量%で含む粉化防止剤を開示している。さらに例えば特許文献3には、へら鮒釣り用ペレットの製造において、原料中に粘結剤を配合してエクストルーダーまたはエキスパンダーにより製造されることを特徴とするへら鮒釣り用ペレットを開示しており、粘結剤としてプルランを用いても良いことが記載されている。
このように、造粒物の製造において、結着剤としてプルランを用いることが報告されているが、プルランを用いた造粒物の製造時に添加される水分量を低減させることについては報告がなく、例えば特許文献2では、ドライペレットの原料全体量に対して30重量部の水の添加を行っていた。また、例えば、特許文献1では、造粒物の製造時においてペレットを安定的に製造するためには、増粘安定剤は少なくともペレットに対して0.1質量%以上添加することを記載しており、より少ない量のプルランを用いた造粒物の製造方法については報告がない。
特許第2913332号公報 特開平6-153819号公報 特開2003-333968号公報
「食品工学基礎講座4 混合と成形」 宮南啓ほか3名著 株式会社光琳 平成2年6月30日発行 148頁
従来の製造方法では、結着剤と水分の添加量が多く、粉化が抑えられた均質な製品を低コストで製造するには、いまだ十分とは言えず、結着剤を使用する飼料や食品用などの造粒物の製造方法において、添加する結着剤と水分の量を少なくしても造粒物の粉化が抑えられた均質な製品、すなわち、造粒物を構成する個々の粒間で粉化に対する抵抗性が揃った均質な製品を得られる製造方法が求められてきた。
本発明は、多糖類を結着剤として使用する造粒物の製造方法において、添加する結着剤と水分の量を少なくしても、造粒物の粉化が抑えられた均質な製品を製造する方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明者らが造粒物の製造方法について検討した結果、結着剤として粉末プルランを使用し、かつ、粉末原料と結着剤との粉末混合物に対する水分の添加を水蒸気の形態で行うことで、結着剤の使用量を低減することができ、且つ、製造時に添加する水分量を少なくできること、さらには、粉化が抑えられ、かつ、粉化に対する抵抗性が均質な造粒物を製造することができることを見出した。本発明は上記知見に基づき完成されたものである。
すなわち、本発明は、以下の態様を含む。
本発明は、一態様において、
〔1〕下記工程を含む造粒物の製造方法に関する:
(a)結着剤としての粉末プルランと粉末原料とを含む粉末混合物を、当該粉末混合物に水蒸気を吹き掛けながら混練して混物を調製する工程;及び
(b)前記混練物を造粒する工程。
ここで、本発明の造粒物の製造方法は、一実施の形態において、
〔2〕上記〔1〕に記載の造粒物の製造方法であって、前記粉末混合物に含まれる粉末プルランの質量が、粉末プルランの質量と粉末原料の質量との合計質量に対して、0.01質量%以上0.1質量%未満で含まれることを特徴とする。
また、本発明の造粒物の製造方法は、一実施の形態において、
〔3〕上記〔1〕又は〔2〕に記載の製造方法であって、前記粉末原料が、飼料用又は食用粉末原料であることを特徴とする。
また、本発明の造粒物の製造方法は、一実施の形態において、
〔4〕上記請求項〔1〕乃至〔3〕のいずれかに記載の製造方法であって、前記粉末原料が、穀粒粉及び/又は澱粉類を含むことを特徴とする。
また、本発明の造粒物の製造方法は、一実施の形態において、
〔5〕上記〔1〕乃至〔4〕のいずれかに記載の製造方法であって、前記穀粒粉が、トウモロコシ粉及び小麦粉から選ばれるいずれか一方又は両方を含むことを特徴とする。
また、本発明の造粒物の製造方法は、一実施の形態において、
〔6〕上記〔1〕乃至〔5〕のいずれかに記載の製造方法であって、前記粉末混合物に前記水蒸気として吹き掛ける水分量が、粉末プルランの質量と粉末原料の質量との合計質量に対して、2乃至10質量%であることを特徴とする。
また、本発明の造粒物の製造方法は、一実施の形態において、
〔7〕上記〔1〕乃至〔6〕のいずれかに記載の製造方法であって、前記工程(a)及び前記工程(b)が、エクストルーダーを用いて行われることを特徴とする。
また、本発明の造粒物の製造方法は、一実施の形態において、
〔1〕’下記工程を含む造粒物の製造方法であることを特徴とする:
(a)結着剤としての粉末プルランと粉末原料とを混合して粉末混合物を調製し、該粉末混合物に水蒸気を吹き掛けながら混練して混物を調製する工程;及び
(b)該混練物を造粒する工程
(ただし、前記製造方法は、前記工程(a)において水蒸気を吹き掛ける以外の水分の添加を含むもの、ではない)。
また、本発明の造粒物の製造方法は、一実施の形態において、
〔8〕上記〔1〕乃至〔7〕のいずれかに記載の造粒物の製造方法であって、前記工程(b)が造粒物を乾燥する工程をさらに含むことを特徴とする。
また、本発明の別の態様において、
〔9〕上記〔1〕乃至〔8〕のいずれかに記載の造粒物の製造方法によって得られる造粒物に関する。
また、本発明の造粒物は、一実施の形態において、
〔10〕結着剤としての粉末プルランと粉末原料とを含む粉末混合物を混し、かつ、造粒してなる造粒物であって、
前記粉末混合物が、前記粉末プルラン及び澱粉を除く他の結着剤を実質的に含まない、造粒物に関する。
また、本発明の造粒物は、一実施の形態において、
〔11〕上記〔9〕又は〔10〕に記載の造粒物であって、前記粉末プルランが前記粉末混合物の全質量に対して、0.01乃至0.5質量%の範囲内で含まれることを特徴とする。
また、本発明の造粒物は、一実施の形態において、
〔12〕飼料用、又は、食品用であることを特徴とする。
また、本発明は別の態様において、
〔13〕上記〔9〕乃至〔11〕のいずれかに記載の造粒物を含む飼料に関する。
また、本発明は別の態様において、
〔14〕上記〔9〕乃至〔11〕のいずれかに記載の造粒物を含む食品に関する。
本発明の造粒物の製造方法によれば、結着剤としての粉末プルランの添加量と製造時に添加する水分量を少なくでき、かつ、乾燥工程時、包装工程時、或いは輸送時の接触等による粉化が抑えられた造粒物であって、個々の粒間で粉化に対する抵抗性が揃った均質な造粒物を製造することができる。
また、製造時に添加する水分量を少なくできることから、造粒物の乾燥にかかる時間を短縮することができる。これにより、造粒物に含まれる熱に対して不安定な物質の変性を抑制することができ、かつ、乾燥時のエネルギー消費量を抑えることができ、製造コストを低減できる。
次に本発明の造粒物の製造方法について、説明する。
本発明の造粒物の製造方法は、下記工程を含むことを特徴とする:
(a)結着剤としての粉末プルランと粉末原料とを含む粉末混合物に、水蒸気を吹き掛けながら混練して混物を調製する工程;及び
(b)前記混練物を造粒する工程。
上記のように、本発明の造粒物の製造方法は、結着剤として「粉末プルラン」を用いるものである。結着剤とは、造粒物の製造において粉末原料同士を結び付ける、または、凝集させるために用いるものをいう。また、プルランとは、グルコースがα-1,4結合で3分子連なったマルトトリオースを構成単位とし、マルトトリオースがα-1,6結合を介して連結した構造を有する水溶性高分子多糖であり、粉末プルランとはその粉末である。粉末プルランは極めて水に溶けやすく、人体に対して無毒、無刺激、無味、無臭の化合物である。プルランの由来や製造方法に制限はない。通常、プルラン産生能を有する微生物を培養し、培養物からプルランを分離精製する方法が好適に用いられる。かかる微生物としては、オーレオバシディウム・プルランスが挙げられる(例えば、特開2016-145248号公報参照)。通常、入手し易さ及び品質の点で、市販の粉末プルランが有利に用いられ、例えば、株式会社林原販売の飼料級プルラン(商品名『プルランA飼料』)、医薬品級プルラン(商品名『日本薬局方プルラン』)、化粧品級プルラン(商品名『化粧品用プルラン』)及び食品添加物級プルラン(商品名『食品添加物プルラン』)などが好適に使用できる。
本発明に用いられる粉末プルランとしては、平均分子量や分子量分布に特に制限はなく、通常、平均分子量5,000~50万ダルトンのものが好ましく、より望ましくは、平均分子量5万~40万ダルトンのものが好ましい。
粉末プルランの配合量は、粉末プルランの質量と後述する粉末原料の質量との合計質量に対し、0.01~0.5質量%で用いることができる。0.01質量%より少ないと結着剤としての効果を十分に得ることができないことがあり、0.5質量%を超えると、粉末混合物中の粉末プルランと蒸気との接触に時間がかかり、粉末化プルランが完全に溶解せず、粉末原料への結着機能を十分に発揮できない場合がある。なお、粉末プルランの結着剤としての効果を十分に発揮し、かつ、添加量を抑える実施形態として好ましくは、粉末プルランの質量と粉末原料の質量との合計質量に対し、粉末プルランを0.1質量%未満とすることができる。すなわち、粉末プルランの質量と粉末原料の質量との合計質量に対して、粉末プルランを好ましくは0.01質量%以上0.1質量%未満、より好ましくは、0.025質量%以上0.1質量%未満、さらに好ましくは、0.05質量%以上0.1質量%未満の範囲とすることができる。粉末混合物に対する相対的な粉末プルランの使用量が増加すると、飼料用造粒剤等の原料価格が安い製品については、原料に掛かる費用に比べ、結着剤として使用する粉末プルランの費用が高くなり、製造コストに影響を与えることがある。
本発明において「粉末原料」とは、飼料や食品用などの造粒物を製造するために用いられる粉末状の原料をいう。本発明の製造方法に用いることのできる粉末原料としては、上述の配合量の粉末プルラン及び後述する量の水蒸気の添加により粉化が抑えられた造粒物を製造できる限りにおいて制限されず、例えば、飼料又は食品等に利用される粉末原料を好適に挙げることができる。
飼料原料としては、以下に制限されないが、例えば、トウモロコシ、マイロ、大麦、小麦、キャッサバ、米、キビ、粟、燕麦、ハトムギ、ヒエ、モロコシ、ライコムギなどの穀粒粉、タピオカ澱粉、コーンスターチなどの粉末状態にある澱粉類、大豆油粕、菜種油粕、大豆粕、豆腐粕、ビール粕、醤油粕、てんさい残渣などの粉末粕類、魚粉、肉粉、脱脂粉乳、オキアミミール、イカミール、卵白粉、コーングルテンミール等の蛋白質類、タラ肝油、スケソウタラ肝油、イワシ油、牛脂、豚脂、大豆油、パーム油などの粉末油脂、ショ糖、グルコース、マルトース、トレハロース、フルクトース、ラクトース、マルトトリオース、ラフィノース、イソマルツロース、マルチトール、還元パラチノース、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、マンニトール、異性化糖、粉末水飴などの糖類、パプリカ抽出物、綿実、ヘイキューブの粉砕物、フスマ、米糠、コーングルテンフィード、とうもろこしジスチラーズグレインソリュブル、などを挙げることができる。当業者であれば、目的とする造粒物にあわせて、上記に列挙されるような飼料用粉末原料の1種、或いは2種以上を組み合わせて適宜選択し、調製又は配合することができる。
このうち、穀粒粉及び/又は澱粉類を粉末原料とすると、結着剤としての粉末プルランの機能が発揮されやすい。このうち、穀粒粉のトウモロコシ粉及び小麦粉は飼料用ペレット原料の主成分となる。よって、粉末原料としてトウモロコシ粉及び小麦粉のいずれか又は両方を少なくとも配合することが好ましい。プルランの結着性が優れているのは、おそらく、プルランの優れた水溶性と、穀粉類及び澱粉類の表面を構成しているグルコースを基本単位とする分子との親和性の強さによるものと推測される。
また、食品用の粉末原料としては、以下に制限されないが、例えば、小麦粉、米粉、大豆粉などの穀粒粉、コーンスターチ、馬鈴薯澱粉、小麦澱粉等の粉末状態にある澱粉類、ショ糖、グルコース、マルトース、ガラクトース、パラチノース、ラクトース、フルクトース、粉末水飴、転化糖、異性化糖、トレハロース、α-マルトシルα,α-トレハロース、α-マルトトリオシルα,α-トレハロース、ソルビトール、マルチトール、マルトトリイトール、マルトテトライトール、キシリトール等の糖アルコール、ネオトレハロース、環状四糖、サイクロデキストリンなどの糖類、食塩、苦汁、炭酸カルシウム、酢酸カルシウム、乳酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、リン酸カルシウム、リンゴ酸カルシウム、水酸化カルシウム、硫酸カルシウム、クエン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、シュウ酸カルシウム、卵殻カルシウム、グルコン酸カリウム、クエン酸第一鉄ナトリウム、ピロリン酸第二鉄などのミネラル類、L-アスコルビン酸、L-アスコルビン酸2-グルコシド、L-アスコルビン酸ステアリン酸エステル、L-アスコルビン酸ナトリウム、L-アスコルビン酸パルミチン酸エステルなどのアスコルビン酸類、β-カロテン、カンタキサンチン、食用赤色2号、食用赤色3号、食用赤色40号、食用黄色4号、食用緑色3号、食用青色1号などの食用色素、粉末醤油、粉末味噌、粉末寿司酢、粉末ダシの素、粉末複合調味料、粉末パプリカ、粉末にんにく、粉末シナモン、粉末ナツメグ、粉末ペパー、粉末セージなどの粉末香辛料、粉末乾燥野菜、旨味調味料、菜種油、大豆油、ヒマワリ種子油、綿実油、落花生油、米糠油、コーン油、サフラワー油、オリーブ油、胡麻油、カカオ油、ヤシ油、アブラヤシ油、乳脂、牛脂、豚脂、魚油、鯨油などの粉末油脂、全脂粉乳、イソマルトデキストリン、難消化性デキストリン、ポリデキストロース、水溶性大豆多糖類などの食物繊維、粉末酵母エキス、粉末ミルク、粉末ヨーグルト、粉末チーズ、粉末ジュース、粉末ハーブ、顆粒スープ、顆粒ブイヨン、魚粉、血粉、骨粉、粉末乳酸菌剤などの各種食品用粉末原料を挙げることができる。当業者であれば、目的とする造粒物にあわせて、上記に列挙されるような食品用粉末原料を1種、或いは2種以上を適宜配合することができる。
このうち、穀粒粉、澱粉類を粉末原料とすると、結着剤としての粉末プルランの機能がより発揮されやすい。また、イソマルトデキストリン、難消化性デキストリン、ポリデキストロース等の食物繊維類は、腸内環境を整える食物繊維としての機能の他、粉末プルランの結着力を高める上でも優れた成分であり、組合せて用いると相乗的な効果が期待できることから好適に用いられる。
また、本発明の粉末原料は、飼料用粉末原料として用いられる成分と食品用粉末原料として用いられる1種、或いは2種以上が配合されていてもよい。
粉末原料には、飼料用や食品用などの造粒物の製造において用いられる上記以外の成分が含まれても良い。以下に制限されないが、例えば、L-アスコルビン酸、L-アスコルビン酸カルシウム、L-アスコルビン酸ナトリウム、L-アスコルビン酸-2-リン酸エステルナトリウム、L-アスコルビン酸-2-リン酸エステルカルシウム、L-アスコルビン酸-2-リン酸エステルマグネシウム、ビタミンA、ビタミンK4、イノシトール、ビタミンB1、ビタミンD2、塩化コリン、ビタミンB2、ビタミンB6、β-カロテン、ビタミンD3、ビタミンE、シアノコバラミン、ビタミンB1等のビタミン類、塩化カリウム、クエン酸鉄、グルコン酸カルシウム、リン酸カルシウム、コハク酸クエン酸鉄ナトリウム、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、炭酸亜鉛、炭酸コバルト、炭酸水素ナトリウム、炭酸マグネシウム、炭酸マンガン、炭酸カルシウム、トレオニン鉄、乳酸カルシウム、フマル酸第一鉄、ペプチド亜鉛、ペプチド鉄、ペフチド銅、ペプチドマンガン、ヨウ化カリウム、ヨウ素酸カリウム、ヨウ素酸カルシウム、硫酸亜鉛、硫酸亜鉛メチオニン、塩化ナトリウム、貝殻粉末等のミネラル類、エトキシキン、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソールなどの抗酸化剤、プロピオン酸、プロピオン酸カルシウム、プロピオン酸ナトリウムなどの防かび剤、アスタキサンチン、カンタキサンチン、β-アポ-8´-カロテン酸エチルエステルなどの色素、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルなどの乳化剤、枯草菌、乳酸菌、酵母などの菌類、ホスファターゼ、エステラーゼ、ヘミセルラーゼ、β-グルカナーゼ、オキシダーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、プロテアーゼ、キシラナーゼ、ペクチナーゼ、ラクターゼ、リパーゼ、フィターゼ、マンナーゼ、ラッカーゼ、トランスグルタミナーゼ、酸化還元酵素等の粉末酵素剤、抗生物質など、飼料又は食品として配合することが可能な粉末成分を1種、或いは2種以上を適宜配合することもできる。
また、粉末原料には、アラビアガム、タマリンドガム、ローカストビーンガム、アルギン酸ナトリウム、デキストリン、加工澱粉、カゼインナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチル澱粉、グリセリン、ゼラチン、澱粉、粉末糖蜜、微結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、ポリリン酸ナトリウムなどの従来から結着剤として使用されている成分を配合してもよい。配合量としては、水蒸気による少量の水分添加量で粉化が抑えられた造粒物を製造でき、かつ、粉末プルランと併用することで結着剤としての機能が向上する配合量の範囲内で適宜配合することができる。
なお、本発明の好適な一実施の形態においては、造粒物の製造に用いる粉末混合物は粉末プルラン及び澱粉を除く他の結着剤を実質的に含まない。ここで、粉末混合物が粉末プルラン及び澱粉を除く他の結着剤を実質的に含まないとは、造粒物の製造において粉末混合物中に結着剤として使用される粉末プルラン及び澱粉以外の他の成分を全く含まないか、又は、結着剤としての機能を発揮しない程度の量で粉末プルラン及び澱粉以外の他の成分が造粒物中に含まれることを意味する。なお、粉末原料としてよく用いられるトウモロコシ粉や小麦中には結着剤の作用を有する澱粉が含まれるため、澱粉が造粒物中に含まれていてもよい。また、結着剤として用いられる粉末プルラン以外の多糖として、例えば、アラビアガム、タマリンドガム、ローカストビーンガムなどのガム類が知られているが、これらガム類を結着剤として使用する場合、結着剤の効果を得るためには上述する粉末プルランの配合量程度では足りず、また、結着効果が得られる程度配合すると粘性が増してしまい、混や造粒時の作業性の観点から水分添加量が多くなってしまう。一方で、本発明の一実施の形態は、造粒物となる粉末混合物中に粉末プルラン及び澱粉以外の結着剤を実質的に含まないため、水蒸気による少量の水分添加量で粉化が抑えられ、かつ、粉化に対する抵抗性が均質な造粒物を製造することができる。
上記粉末原料は、製造工程の前段階で前記粉末プルランと混合し、粉末混合物とするが、その配合量は、粉末プルランの質量と粉末原料の質量との合計質量に対し、99.5~99.99質量%の範囲とすることができる。なお好ましくは、粉末プルランの質量と粉末原料の質量との合計質量に対して99.9質量%より多く99.975質量%以下、より好ましくは、99.9質量%より多く99.95質量%以下の範囲で配合することができる。
本発明の造粒物の製造方法は、結着剤としての粉末プルランと粉末原料とを含む粉末混合物に水蒸気を吹き掛けながら混練し、混練物を調製する工程、及び、混練物を造粒する工程とを含む。
本発明の造粒物の製造方法には、押出造粒機、転動造粒機、撹拌造粒機、流動造粒機、複合型流動造粒機、圧縮造粒機などの市販の造粒機を用いることができる。このうち、混練物の粘度が高くなる本発明の造粒物の製造方法には、押出し成形による押出造粒機が好ましく、このうち、スクリュー押出型の一軸式エクストルーダー又は二軸式エクストルーダーは、飼料用ペレット、食品材料などの製造に汎用される造粒機で、本発明の粉化の低減された造粒物の製造方法において好適に利用できる。
粉末プルランと粉末原料との粉末混合物の調製は、粉末プルランと粉末原料とを、前記配合量で混合して調製する。混合方法は、粉末プルランと粉末原料とが均質に混合される方法であればよく、例えば、水平円筒型容器回転型、傾斜円筒容器回転型、V型容器回転型、二重円錐型容器回転型、スクリュー型、リボン型、ヘンシェル型、ドラム型、マーラー型、回転円板型、気流撹拌型、パグミル型の混合機を適宜選択して用いることができる。
続いて、粉末混合物は、水蒸気を吹き掛けながら混練される。本発明において、「水蒸気を吹き掛けながら混する」とは、水蒸気が吹き掛けられた粉末混合物を混する過程が含まれていればよく、以下に限定されないが、粉末混合物に対して連続的に水蒸気を吹き掛けながら混する形態、粉末混合物に対して断続的に水蒸気を吹き掛けながら混する形態、または、粉末混合物に予め水蒸気を吹き掛けた後に混する形態などを含む。混練機は、ボールミル型、潤式ミル型、パグミル、高速回転円板型、湿式撹拌型、セルフクリーニング型、スクリュー型、スクリュー押出型、ロッド型、ボテーター型、マーラー型、コニーダー、インターナルミキサー、セルフクリーニングなどの各種混練機を用いることができる。本発明では、前述したとおり、スクリュー押出型の混練機(エクストルーダー)が好適に用いられる。
水蒸気は、温度65℃~150℃の蒸気を用いることができる。使用する粉末原料の種類にもよるが、温度85~100℃の蒸気を用いるのが好ましい。なお、150℃以上の高温の蒸気を用いると、粉末原料によっては熱によって変質するなどの問題が発生する場合がある。また、実施の形態により、粉末混合物に水蒸気を吹き掛けながら混して混物を調製する際、混機(具体的には、例えば、スクリュー押出型混機のバレル)を加熱して混しても良い。
粉末混合物に対して水蒸気により吹き掛ける水分量は、単位時間当たりに吹き掛けられる水蒸気中の水分量、水蒸気を吹き掛けている時間、または、その両方により調製することができる。粉末混合物に対して水蒸気により吹き掛ける水分量は、粉末プルランの質量と粉末原料の質量との合計質量に対し、水分換算で、2質量%~10質量%、より好ましくは2質量%~5質量%とする。水蒸気により吹き掛ける水分量が少なすぎると粉末プルランの結着性が十分発揮できなくなる。また、水蒸気により吹き掛ける水分量が多くなると造粒後の乾燥に時間を要する。
水蒸気の吹き掛けは、以下の方法に限定されないが、例えば、バレル内に蒸気の噴出口を有するスクリュー押出し機を用いることで、粉末混合物の混時に蒸気を吹き掛けることができる。当業者であれば、上記の方法に限らず、使用する混機などにより適宜粉末混合物の混過程において水蒸気を吹き掛けることができる。例えば、バレル内に蒸気の噴出口を有するスクリュー押出し機であれば、水蒸気として用いるための水の供給口に所望する量の水を供給すればよい。
なお、本発明の造粒物の製造方法における一実施の形態において、粉末混合物を混する工程において添加される水分は水蒸気由来のみである。すなわち、本実施形態における造粒物の製造方法は、上記工程(a)において水蒸気を吹き掛ける以外の方法による水分の添加を含むもの、ではない。
得られた混練物は造粒される。混物を造粒する工程は、目的の大きさに混物を切断し、造粒物を形成させることを含む。本発明において製造に使用するのに好ましいエクストルーダーは、連続的に、混練物を特定の径の金型のダイから押出し、カッターで切断することで造粒物を製造できるので好適に用いられる。ダイ径は目的によりさまざまあり、適宜調整できるけれども、飼料、食品用の造粒物では、通常、2mm~20mm程度の径のものを用いるのが好ましい。造粒物の形状は、円筒状、角筒状、球形のものがあるが、通常、円筒状の造粒物が好適に製造される。このうち、飼料用ペレットでは、給与する動物の種類によりその大きさは適宜設定できるが、牛、家禽用のペレットでは、通常、径2.5mm~8mm、長さ10mm~40mmの円筒状のペレットが目的に合わせ製造され用いられる。
ここで、粉末混合物に水蒸気を吹き掛けながら混練して得られた混物中の水分含量は、粉末混合物中にもともと含まれていた水分含量と水蒸気により吹き掛けた水分量との合計にほぼ一致すると考えられる。よって、水蒸気の吹き掛けにより混物中に添加された水分量(水分添加量)は、混物中の水分含量と水蒸気添加前の粉末混合物の水分含量との差を求めることによって確認することができる。また、例えば、粉末混合物中と乾燥前の造物中との単位質量当たりの水分含有量の割合の差を求め、当該差の値を粉末混合物の総質量当たりに換算することで添加された水分量を算出してもよい。混物、乾燥前の造粒物、又は、粉末混合物中の水分含量は公知の方法(例えば、加熱乾燥法、カールフィッシャー法)により測定することができる。
乾燥は、室温で通風乾燥するか、加熱する場合は、100℃程度までの加熱温度でおこなうことができる。水分添加量の少ない本発明の製造方法では、通風乾燥をおこなうだけで十分短時間で乾燥させることが可能である。また、加熱により乾燥する場合にも、従来の多量の水分を用いて製造した造粒物と比較して、乾燥に必要な時間を短縮することができる。乾燥は、通気棚段乾燥機、ロータリードライヤー、フラッシュドライヤー、溝形撹拌乾燥機、流動層乾燥機、通気バンド乾燥機などを使用することができる。造粒物の水分含量は乾燥後、粉末混合物にもともと含まれる水分量と同程度か、またはそれ以下の5~11質量%程度に調整する。
本発明の製造方法では、既述のとおり、混工程から造粒までの工程を連続的におこなうことのできる市販のエクストルーダーを用いることが好ましい。
本発明の製造方法によって製造される造粒物は、飼料用造粒物であれば、例えば、ハマチ、タイ、カンパチ、サケ、サワラ、カツオ、サヨリ、ヒラメ、マアジ、シマアジ、マダイ、クロダイ、イシダイ、チダイ、クロイソ、カワハギ、メバル、カサゴ、ヒラマサ、スズキ、クロマグロ、トラフグ、イサキ、オオニベ、メジナ、マサバ、クエ等の海水魚、コイ、フナ、マス、アユ、ウナギ、ヤマメ、イワナ、ニジマス、ナマズ等の淡水魚、クルマエビ、ウシエビ等の甲殻類、スッポンなどの爬虫類、山羊、羊、牛、馬、豚、ロバ、ラバ、ラクダ、アルパカ、ヤク、犬、猫、猿、ウサギ、ハムスター、ラット、マウス等の動物、鶏、チャボ、アヒル、ガチョウ、七面鳥、キジなどの鳥類に、そのまま、或いは更に他の飼料、ペットフードと混合して用いることができる。
食品用造粒物としては、健康食品用サプリメント、ビスケット、クッキー、スナック菓子、オートミール、或いは、調理用原料などの中間原料となる食品材料造粒物が挙げられる。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明は本実施例によって何ら限定されるものではない。また、下記実施例においては、造粒物のうちの例示として飼料用造粒物の製造方法について具体的に示すが本発明は飼料用造粒物に限定されない。
<実施例1:飼料用造粒物の製造方法(プルラン添加量 0.025質量%)>
粉末飼料原料(「SDB No.2」フィードワン社製造)(トウモロコシ粉と小麦粉併せて65質量%、大豆粕19質量%、魚粉8質量%、その他(粉末牛脂、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、食塩、ラクトース)8質量%を含有する粉末混合物9.9975kgと、粉末プルラン(飼料級プルラン(商品名『プルランA飼料』)株式会社林原製造)0.0025kgを予め混合し、一軸式エクストルーダー(製品名『California Pellet Machine』 カリフォルニア ペレット ミル社製造)に供給し、エクストルーダーのバレル前半部分でさらにスクリュー混合処理したのち、バレル後半部分において水蒸気(温度90℃)を15秒間吹き掛けながら混練し(水蒸気として吹き掛けた水分量は、粉末試料原料および粉末プルランの合計質量に対し3質量%)た。
水蒸気とともに混された粉末混合物は、ダイ(径4.8mm)から押出し、カッターにて切断し造粒物を得た。上記造粒物を100℃で約1時間乾燥させ、飼料用造粒物を製造した。得られた飼料用造粒物は平均で、直径約4.8mm、長さ約19mmの円筒形状であった。
<実施例2:飼料用造粒物の製造方法(プルラン添加量 0.050質量%)>
実施例1の粉末飼料原料を9.9950kg、粉末プルランを0.0050kgに変えたこと以外は、実施例1と同様の方法により飼料用造粒物を製造した。
<実施例3>
飼料用造粒物の製造方法(プルラン添加量 0.100質量%)
実施例1の粉末飼料原料を9.99kg、粉末プルランを0.01kgに変えたこと以外は実施例1と同様の方法により飼料用造粒物を製造した。
<比較例>
粉末プルランを配合せず、粉末飼料原料10.00kgとすること以外は実施例1の製造方法により飼料用造粒物を製造した。
<粉化率試験>
各実施例及び比較例で製造された造粒物について、レボリングパンを用いて粉化率の試験をおこなった。
1cm角の羽2枚を取り付けたレボリングパン(直径:300 mm、奥行:200mm)に試料50gを投入し、33rpmで回転させた。9分(300回転)、18分(600回転)、又は、27分(900回転)の回転処理をそれぞれ行い、試料を取り出した。次いで、篩(目開き1.7mm)で粉化物を除去し、篩に残った試料の重量を篩上重量として、それぞれ計測した。この操作を各3回繰り返した。ペレットの粉化率を次式より算出した。各造粒物の粉化率を表1に示す。
式:
粉化率(%)={1-(篩上重量÷試料重量)}×100
<硬さ試験>
レオメータ-(『CR-500DX』 株式会社サン科学製造)を用いて硬さを測定した。試料を横方向から圧縮し、破断時の最大圧縮応力を硬さとした。直径10mm円柱プランジャーを速さ20mm/minの速度で押し当て測定した。各製品それぞれ20個を測定しその平均値を求めた。結果を表1に示す。
Figure 0007080634000001
表1に示された実施例1~3の粉化率と比較例の粉化率の対比から明らかなとおり、粉末プルランを少量配合することで、粉化率は大幅に抑えられ、粉末プルランは結着剤としての機能を十分に発揮した。硬さは、比較例と比べて差は見られなかった。粉化率を抑えるためには、一般的に、硬さを増す必要があると考えられるが、結着剤として少量の粉末プルランを添加した本発明の製造方法で得られる造粒物は、造粒物の硬さには影響を与えることなく、粉化率を低減させるという特徴があった。よって、本発明の製造方法によれば、造粒物が硬くなることによる食感に関わる嗜好性の低下、さらには、消化性の低下などの悪影響を生じることもない。
さらに、水蒸気として吹き掛けることにより、粉末原料及び粉末プルランの合計質量に対し、わずか3%の水分を添加しただけで粉末プルランの結着剤としての機能を十分に発揮させることができた。これは、造粒物の製造時、水分添加量を少なくすることができ、乾燥時間が短縮できること、そして乾燥時間の短縮により、熱に不安定な物質の変性、劣化を抑えることができることを意味している。
また、実施例1~3により製造された造粒物は、300~900回転処理のいずれの区においても粉化率の標準偏差にばらつきが見られなかった。これは、本発明の製造方法によれば、造粒物を構成する個々の粒間で粉化に対する抵抗性が揃った均質な造粒物を製造することができることを示している。
本発明の製造方法によれば、少量の結着剤と少量の水分添加量で、飼料または食用造粒物として、粉化率が低減され、かつ、粉化に対する抵抗性が均質な飼料用または食用造粒物を提供でき、かつ、乾燥に要する時間やエネルギーが少なくて済むので、製造コストも抑えることができる。さらに、本発明の製造方法によれば、造粒物の乾燥時間が短くて済むので、熱に対して変質、劣化しやすい成分であっても、安定して造粒できる。本発明の製造方法は、造粒物の製造方法として画期的なものであり、食品用のみならず飼料用の造粒物の利便性や利用範囲を広げることができ、その産業上の利用可能性は多大である。

Claims (11)

  1. 下記工程を含む造粒物の製造方法:
    (a)結着剤としての粉末プルランと粉末原料とを含む粉末混合物を、当該粉末混合物に水蒸気を吹き掛けながら混練して混物を調製する工程であって、
    前記粉末混合物に含まれる粉末プルランの質量が、粉末プルランの質量と粉末原料の質量との合計質量に対して、0.01乃至0.5質量%であり、
    前記粉末混合物に前記水蒸気として吹き掛ける水分量が、粉末プルランの質量と粉末原料の質量との合計質量に対して、2乃至10質量%である工程;及び
    (b)前記混練物を造粒する工程。
  2. 前記粉末混合物に含まれる粉末プルランの質量が、粉末プルランの質量と粉末原料の質量との合計質量に対して、0.01質量%以上0.1質量%未満である、請求項1記載の造粒物の製造方法。
  3. 前記粉末原料が、飼料用又は食用粉末原料である、請求項1又は2記載の造粒物の製造方法。
  4. 前記粉末原料が、穀粒粉及び/又は澱粉類を含む、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の造粒物の製造方法。
  5. 前記穀粒粉が、トウモロコシ粉及び小麦粉から選ばれるいずれか一方又は両方を含む、請求項4に記載の造粒物の製造方法。
  6. 前記工程(a)及び前記工程(b)が、エクストルーダーを用いて行われる、請求項1乃至のいずれか一項に記載の造粒物の製造方法。
  7. 前記工程(b)が造粒物を乾燥する工程をさらに含む、請求項1乃至のいずれか一項に記載の造粒物の製造方法。
  8. 結着剤としての粉末プルランと粉末原料とを含む粉末混合物を混し、かつ、造粒してなる造粒物であって、
    前記粉末プルランが前記粉末混合物の全質量に対して、0.01乃至0.5質量%の範囲内で含まれ、
    前記粉末混合物が、前記粉末プルラン及び澱粉を除く他の結着剤を実質的に含まない、造粒物。
  9. 飼料用、又は、食品用である、請求項記載の造粒物。
  10. 請求項記載の造粒物を含む飼料。
  11. 請求項記載の造粒物を含む食品。
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