JP7288643B1 - ペットフード、その製造方法、そのペットフードを封入したペットフード包装袋 - Google Patents
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第2の従来技術として、油脂を吸着してなる多孔質の芯部材と、該芯部材を被覆している油脂中間層と、該油脂中間層の外側に付着している変性しやすい成分の粉末層と、その外側に付着している多糖類を主成分とする最外層とからなることを特徴とするドライタイプのペットフードが知られている(例えば、特許文献2参照)。
第2の従来技術において、最外層は油脂層であるため、油脂の含有量を高めた場合、油脂がしみ出してべた付く懸念がある。
また、イタチ科に属するフェレットは、肉食動物であり、成体でも腸の長さは10〜15センチなので、そのペットフードは、消化性・吸収性が良い動物性たんぱく質・動物性脂肪を多く含んでいることが好ましい。しかしながら、動物性脂肪を液状にして飼料粒に多く含ませた場合、気温が高くなると当該動物性脂肪が飼料粒表面に滲み出し、べた付く恐れがあるので、多くの動物性脂肪を含有させることができない懸念がある。
本発明の第2の目的は、当該ペットフードの製造方法を提供することである。
本発明の第3の目的は、当該ペットフードを封入したペットフード包装袋を提供することである。
成形用の食用油脂が含浸された飼料粒を含むペットフードであって、当該飼料粒は、成形粒の表面に、糖質を主成分とする皮膜で油脂を包んだ被覆油脂粉が付着され、前記被覆油脂粉は、豚脂からなる中空殻状の油脂と、前記油脂の外周を皮膜によって包まれた中空微粉体であり、前記成形粒に付着された植物性油脂である付着用の食用油脂によって前記成形粒に付着された
ことを特徴とするペットフードである。
前記成形粒に旨みパウダーが付着されたことを特徴とする第1の発明のペットフードである。
前記飼料粒に乾燥肉ペレットを混合してなる第1又は第2の発明のペットフードである。
成形用の食用油脂が含浸された成形粒を形成する工程、前記成形用の食用油脂が含浸された成形粒に植物性油脂である付着用の食用油脂を付着する工程、前記付着用の食用油脂が含浸された成形粒の表面に、豚脂からなる中空殻状の油脂と前記油脂の外周を糖質を主成分とする皮膜によって包んだ微粉体である被覆油脂粉を付着させる工程、及び旨みパウダーを付着させる工程を含むペットフードの製造方法である。
成形用の食用油脂が含浸された成形粒の表面に、前記成形粒に付着された植物性油脂である付着用の食用油脂によって前記成形粒に付着される豚脂からなる中空殻状の油脂と前記油脂の外周を糖質を主成分とする皮膜によって包んだ微粉体である被覆油脂粉と旨みパウダーが付着された飼料粒に、乾燥肉ペレットが混合されたペットフードを、脱酸素剤と共に包装袋内に封入したことを特徴とするペットフード包装袋である。
皮覆油脂粉は、皮覆油脂粉の油脂から発する匂いによってペットの食欲を増進させる。
特に、成形粒の表面に付着されていることから、成形粒に混入させるよりも効果的に食欲を増進させる。また、被覆油脂粉は皮膜によって包まれていることから、ペットフード全体として動物性油脂量を高めることができるので、ペットの食欲を増進させることができ、また、被覆油脂粉は皮膜で包まれているので、飼料粒表面に油脂が滲み出してベトつくことがない利点がある。よって、本第1の発明は本発明の第1の目的を達成することができる。
これにより、成形粒を形成する工程において、穀物、肉片又は肉粉、及び食用油脂からなり、当該食用油脂が表面に滲み出さない程度に含浸された所定の大きさの成形粒が製造される。
次に、食用油脂を含浸させた成形粒に、糖質を主成分とする皮膜で油脂を包んだ被覆油脂粉を付着させる。
さらに、成形粒に旨みパウダーを付着させる工程を有する。
これにより、食用油脂が含浸された飼料粒を含むペットフードであって、飼料粒は成形粒表面に、糖質を主成分とする皮膜で油脂を包んだ被覆油脂粉が付着されている。成形粒にはベトつかない程度に油脂を含浸させることができる。成形粒の表面には、糖質を主成分とする皮膜によって包まれた油脂からなる被覆油脂粉が付着されている。被覆油脂粉は皮膜よって包まれていることから、ペットフード全体としての油脂量を高めることができ、更に旨みパウダーが付着されているので、ペットの食欲を増進させることができ、また、被覆油脂粉は皮膜で包まれているので、飼料粒表面に油脂が滲み出してベトつくことがない利点があるペットフードが製造できる。よって、第4の発明は本発明の第2の目的を達成できる。
食用油脂が含浸された飼料粒を含むペットフードであって、当該飼料粒は、成形粒の表面に、糖質を主成分とする皮膜で油脂を包んだ被覆油脂粉が付着されたことを特徴とするペットフード。
前記成形粒に旨みパウダーが付着されたことを特徴とする第1の発明のペットフード。
前記飼料粒に乾燥肉ペレットを混合してなる第1又は第2の発明のペットフード。
食用油脂が含浸された成形粒を形成する工程、前記食用油脂が含浸された飼料粒は、成形粒の表面に、糖質を主成分とする皮膜で油脂を包んだ被覆油脂粉を付着させる工程、及び旨みパウダーを付着させる工程を含むペットフードの製造方法。
食用油脂が含浸された成形粒の表面に、糖質皮膜で油脂を包んだ被覆油脂粉と旨みパウダーが付着された飼料粒に、乾燥肉ペレットが混合されたペットフードを、脱酸素剤と共に包装袋内に封入したことを特徴とするペットフード包装袋。
飼料粒102は、動物性及び/又は植物性タンパク質を主成分とする成形粒106、被覆油脂粉108、及び旨みパウダー112を含んでいる。
成形粒106は、ペットフード100の大半を占めるたんぱく質と炭水化物からなる。
たんぱく質の原材料は、動物性タンパク質としては肉類、魚介類、卵類等をあげることができ、植物性タンパク質としては豆類、穀類を上げることができ、乾燥肉を粉砕した粉状肉114が好ましい。
また、炭水化物は穀物粉116を用いることが好ましい。
本実施例1において、成形粒106は、粉状肉114、穀物粉116及び食用の食用油脂118を均質に混合し、圧縮成形法等によって、所定の大きさに固形化して成形される。
魚肉は、マグロ節、削り節、煮干し等を採用し、粉状にする。
粉状肉114は、大きさに制限はないが、直径1.4ミリメートル程度が好ましい。
穀物粉116は、大きさに制限はないが、直径1.4ミリメートル程度が好ましい。
食用油脂118は、脂質率を上げすぎないため植物性油脂を用いることが好ましい。
これら粉状肉114及び穀物粉116に、塩、食物繊維、海藻粉末、栄養剤等を混合させることができる。
成形粒106の形状は、円盤形状、円筒形状等任意の形状に成形できる。
成形用の食用油脂118Fの含有率は、成形粒106から当該成形用の食用油脂118Fがにじみ出ないようにすることが好ましい。
成形粒106は、タンパク質が34乃至36%以上、脂肪が18乃至20%以上であることが好ましい。
被覆油脂粉108は、油脂122を主成分とし、当該油脂122が皮膜124で包まれた微粉体である。被覆油脂粉108は、直径約30ミクロン程度であることが好ましい。油脂122を構成する油粒の直径は約1ミクロン程度であることが好ましい。
旨みパウダー112は、動物及び/又は植物由来の原材料より抽出して生成したパウダーが好ましい。
特にフェレット用としてはチキンレバーパウダーが好ましい。
旨みパウダー112は、例えば、内臓や肉を加熱してタンパク質を収縮させて水分を分離して肉汁を分離させて製造する。その後、例えば、その肉汁等を連続式真空乾燥装置、スプレードライヤー等によって粉体化することで製造できる。チキンレバーパウダーとしては、粗蛋白質50%以上(セミミクロケルダール法)、粗脂肪28%以下(ソックスレー抽出法)であることが好ましい。旨みパウダー112も、ステップ4-1の混合第1工程において、成形粒106の表面に追加的に付着、含浸させた付着用の食用油脂118Bによる粘着力によって成形粒106の表面に付着されている。
乾燥肉ペレット104は、匂い等によってペットの食欲を増進させる機能を有する。
乾燥肉ペレット104は、動物又は魚の肉を乾燥させた乾燥肉や乾燥させた内臓を所定の大きさに粉砕した粉状体である。
乾燥肉ペレット104のフェレット用乾燥肉としては、豚肉が好ましい。さらに、乾燥肉ペレット104には食用植物油脂、砂糖、香辛料、糖アルコールの一種であるソルビトール等を付着させることができる。
乾燥肉ペレット104の混入比率は、ペットフード100において、3重量パーセント程度が好ましい。
製造工程は、大きく分けて成形粒106の製造工程、付着用の食用油脂118の付着、並びに被覆油脂粉108及び旨みパウダー112のコーティング工程、及び包装工程の3工程に分けられる。
ステップS1において、成形粒106の原料となる、粉状肉114、穀物粉116及び食用油脂118たる成形用の食用油脂118Fを均質に混合し、成形用原料を製造する。
次にステップS2において、成形用原料を型枠に入れて加熱、加圧し、又は所定形状の成形型から押し出しつつ所定長で切断し、所定形状の粗成形粒106Cを得る。
次にステップS3において、ステップS2において製造した粗成形粒106Cを加熱して乾燥させ、所定の水分率になるように乾燥した成形粒106を得る。
なお、乾燥した成形粒106を自然冷却し、又はクーラーで強制的に冷却し、常温に戻した後、コーティング工程に進む。
本実施例1においてコーティング工程(ステップS4)は、混合第1工程たるステップS4-1に続いて行われる混合第2工程たるステップS4-2によって構成されている。
まずステップS4-1において、攪拌機、例えば、攪拌ドラムに所定量の成形粒106を投入し、攪拌する。次いで、攪拌中の成形粒106に所定量の液体の食用油脂118たる付着用の食用油脂118Bをふりかけて攪拌し、ふりかけた付着用の食用油脂118Bが、成形粒106の表面に均質に付着するよう更に攪拌する。これによって、付着用の食用油脂118Bは、成形粒106の表面に付着し、一部は成形粒106に含浸される。これによって、成形粒106の表面に、付着用の食用油脂118Bの粘着力によって、被覆油脂粉108が付着される。なお、付着用の食用油脂118Bを成形粒106の表面に付着させ、一部を成形粒106に含浸させる工程は、攪拌中の成形粒106に対し、付着用の食用油脂118Bを噴霧して行うことも出来る。なお、成形用の食用油脂118Fと付着用の食用油脂118Fは同一種類であっても、異なる種類であっても良い。付着用の食用油脂118Bは植物性油脂が好ましい。
次にステップS6において、ステップS5において製造したペットフード100を脱酸素剤132と共に小袋134に投入した後、密封する。
小袋134と大袋136は、2軸延伸ポリプロピレン(Oriented PolyproPylene)フィルム、PET(polyethylene terephthalate)フィルムにアルミ蒸着を施したフィルム(VM-PET)、及び低密度ポリエチレン(Low Density Polyethylene)フィルムの三層構造にし、強度、防湿性、ガスバリヤ性等に優れた材料によって構成することが好ましい。本実施例1においては、小袋134の3袋を大袋136に封入し、販売する。しかし、小袋134のままで販売することもでき、大袋136に入れる小袋134の数も任意に設定することができる。
本発明の第3の発明のペットフード100(飼料粒102と乾燥肉ペレット104)と、成形粒106のみのペットフードを用い、ペットの食いつき試験を以下の条件で行った。
試験ペット:フェレット
収容:フェレットをケージ138内に収容
試験前準備:試験6時間前からフェレットに食料を与えず空腹状態とした。前述したように、フェレットは消化器官が短いので、試験6時間前に無食事状態であれば、胃内の食物は消化され、空腹状態であると推測される。但し、水は自由に飲むことが出来る。
食事可能時間:2時間
ペットフード:
本発明:飼料粒102(下記成形粒106に下記被覆油脂粉108及び下記旨みパウダー112を付着)に乾燥肉ペレット104を混合。
成形粒106の配合比率は以下の通りである。
マグロ節パウダー 15重量%
削り節ミール 15重量%
いわし煮干しパウダー 4重量%
脱脂大豆粉末 17重量%
酵母 16重量%
米粉 13重量%
馬鈴薯粉 12重量%
菜種油 7重量%
並塩 0.60重量%
食物繊維 0.20重量%
昆布粉末 0.20重量%
被覆油脂粉108の成分は以下の通りである。
豚脂 71.5重量%
糖類(コーンシロップ)23.59重量%
カゼイン 3.5重量%
乳化剤 1.4重量%
酸化防止剤 0.01重量%
この被覆油脂粉108の栄養成分は以下が推定される(100g当たり)。
エネルギー 759Kcal
脂質 72.9g
炭水化物 22.7g
タンパク質 3.0g
旨みパウダー112の成分は以下の通りである。
チキンレバーパウダー
粗タンパク質 50%以上(セミミクロケルダール法)
粗脂肪 28%以下(ソックスレー抽出法)
飼料粒102の配合比率は以下の通りである。
成形粒106 92.15重量%
被覆油脂粉108(被覆豚脂粉) 2.91重量%
旨みパウダー112 0.97重量%
食用油脂118B(菜種油) 0.97重量%
乾燥肉ペレット104の栄養成分(100g当たり)は以下である。
タンパク質 39.2g
脂質 24.6g
炭水化物 24.8g
食塩相当量 4.8g
エネルギー 477Kcal
この飼料粒102に乾燥肉ペレット104を加えた栄養成分は以下である。
水分 7.49%
タンパク質 40.70%
粗脂質 15.18%
粗繊維 0.17%
粗灰分 5.43%
カルシウム 0.74%
リン 0.79%
ナトリウム 0.46%
比較ペットフード:上記成形粒106のみ
試験場所:株式会社エヌ・シー内フェレット飼育室
試験方法:フェレット1匹を1のケージ138内に収容し、第2の発明に係る飼料粒102を第1容器142に、成形粒106のみを第2容器144に同量ずつ入れ、第1容器142及び第2容器144を同時にケージ内に設置し、フェレットが食事可能にし、食いつき状態を観察した。
フェレットは、まず匂いを嗅ぎ、第1の発明に係る飼料粒102を完食し、その後、成形粒106のみを食すようになった。
この結果から、第1の発明に係る飼料粒102の方が、フェレットの食欲を増進させるといえる。
102 飼料粒
104 乾燥肉ペレット
106 成形粒
108 被覆油脂粉
112 旨みパウダー
118 食用油脂
122 油脂
124 皮膜
132 脱酸素剤
134 小袋
136 大袋
138 ケージ
142 第1容器
144 第2容器
Claims (5)
- 成形用の食用油脂(118F)が含浸された飼料粒(102)を含むペットフード(100)であって、当該飼料粒(102)は、成形粒(106)の表面に、糖質を主成分とする皮膜(124)で油脂(122)を包んだ被覆油脂粉(108)が付着され、
前記被覆油脂粉(108)は、豚脂からなる中空殻状の油脂(122)と、前記油脂(122)の外周を皮膜(124)によって包まれた中空微粉体であり、前記成形粒(106)に付着された植物性油脂である付着用の食用油脂(118B)によって前記成形粒(106)に付着された
ことを特徴とするペットフード。 - 前記成形粒(106)に旨みパウダー(112)が付着されたことを特徴とする請求項1のペットフード。
- 前記飼料粒(102)に乾燥肉ペレット(104)を混合してなる請求項1又は2に記載のペットフード。
- 成形用の食用油脂(118F)が含浸された成形粒(106)を形成する工程、前記成形用の食用油脂(118F)が含浸された成形粒(106)に植物性油脂である付着用の食用油脂(118B)を付着する工程、前記付着用の食用油脂(118B)が含浸された成形粒(106)の表面に、豚脂からなる中空殻状の油脂(122)と前記油脂(122)の外周を糖質を主成分とする皮膜(124)によって包んだ微粉体である被覆油脂粉(108)を付着させる工程、及び旨みパウダー(112)を付着させる工程を含むペットフードの製造方法。
- 成形用の食用油脂(118F)が含浸された成形粒(106)の表面に、前記成形粒(106)に付着された植物性油脂である付着用の食用油脂(118B)によって前記成形粒(106)に付着される豚脂からなる中空殻状の油脂(122)と前記油脂(122)の外周を糖質を主成分とする皮膜(124)によって包んだ微粉体である被覆油脂粉(108)と旨みパウダー(112)が付着された飼料粒(102)に、乾燥肉ペレット(104)が混合されたペットフード(100)を、脱酸素剤(132)と共に包装袋(134、136)内に封入したことを特徴とするペットフード包装袋。
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