JP2021061563A - 画像読取装置、その制御方法、及びプログラム - Google Patents

画像読取装置、その制御方法、及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】ラインイメージセンサの傾きを正しく導出し、読み取り精度を向上すること【解決手段】本発明の一実施形態は、ラインイメージセンサにより原稿の画像を読み取る画像読取装置であって、複数のドットパターンが印刷されたチャートを読み取ることで取得した読み取りデータに基づき、該複数のドットパターンそれぞれの座標を導出する第1の導出手段と、前記第1の導出手段により導出された座標に基づき、前記ラインイメージセンサの傾き角を導出する第2の導出手段と、前記第2の導出手段により導出された傾き角に基づき、前記ラインイメージセンサの傾き補正用の第1の補正値を算出する第1の算出手段と、を有し、前記チャートにおいて、前記複数のドットパターンは、互いに孤立して配置されていることを特徴とする画像読取装置である。【選択図】図8

Description

本発明は、ラインイメージセンサを有する画像読取装置における、画像補正に関する。
大判原稿の画像読取装置としては、一般的にはコストメリットの大きい、小サイズのラインイメージセンサを複数用いる構成が採用されている。ラインイメージセンサを複数用いるため、各ラインイメージセンサで読み取ったデータをつなぎ合わせる処理が必要になる。この際、ラインイメージセンサの傾きによる誤差成分があると、つなぎ合わせる処理に誤差が生じてしまう。
図19は、複数のラインイメージセンサを用いた画像読取装置の一般的な構成と読み取り例を示している。図19(a)に示すように、上流側原稿搬送ローラ107および下流側原稿搬送ローラ108により、原稿110を搬送し、複数のラインイメージセンサ1904で読み取りを行う構成となっている。その際に複数のラインイメージセンサ1904で読み取った結果をつなぎ位置113にてつなぎ合わせる処理を行うが、ラインイメージセンサ1904の位置ずれ1901が存在すると、ラインイメージセンサ1904の傾きが発生し、つなぎ位置に誤差が生じる。例えば、図19(b)に示すように直線のパターン1902を読み取った際には、各ラインイメージセンサ1904の傾きにより、つなぎ合わせた際につなぎ位置のずれが生じるがたついた線1903として読み取られてしまっていた。
上記課題に対し、キャリブレーションという処理により、ラインイメージセンサの傾きによる読み取り時の誤差成分を前もって導出し、正確なつなぎ合わせを実現している。特許文献1では、キャリブレーションを行うために、直線の組み合わせのパターンで構成された原稿を用いて、該パターンの読み取りを行い、読み取った直線のパターンの位置データに基づき、ラインイメージセンサの傾きを導出している。この際、各ラインイメージセンサの傾きを高い精度で導出することが求められている。
特開2007−304653号公報
しかしながら、特許文献1では、キャリブレーションの際に、原稿セット時の傾きに加えて原稿搬送ローラの直径誤差が存在すると、キャリブレーション原稿自体の読み取りに誤差成分として影響してしまう。そのため、イメージセンサ固有の誤差を求める妨げとなり、キャリブレーションの精度に懸念がある。
そこで本発明は、上記の課題に鑑み、ラインイメージセンサを有する画像読取装置におけるキャリブレーションを高い精度で行うことを目的とする。
本発明の一実施形態は、ラインイメージセンサにより原稿の画像を読み取る画像読取装置であって、複数のドットパターンが印刷されたチャートを読み取ることで取得した読み取りデータに基づき、該複数のドットパターンそれぞれの座標を導出する第1の導出手段と、前記第1の導出手段により導出された座標に基づき、前記ラインイメージセンサの傾き角を導出する第2の導出手段と、前記第2の導出手段により導出された傾き角に基づき、前記ラインイメージセンサの傾き補正用の第1の補正値を算出する第1の算出手段と、を有し、前記チャートにおいて、前記複数のドットパターンは、互いに孤立して配置されていることを特徴とする画像読取装置である。
本発明によれば、ラインイメージセンサを有する画像読取装置におけるキャリブレーションを高い精度で行うことが可能になる。
第1の実施形態における画像読取装置の全体構成等を示す図。 第1の実施形態における画像読取装置のハードウェア構成を示すブロック図。 第1の実施形態における画像読取装置のキャリブレーション処理のフローチャート。 補正値算出処理用パターンを示す図。 第1の実施形態における補正値算出処理を説明するフローチャート。 第1の実施形態における読み取り対象の円形ドットパターンを示す図。 第1の実施形態における円形ドットパターンの中心座標を導出する処理のフローチャート。 第1の実施形態におけるCISの傾き角導出に用いるパターンを示す図。 第1の実施形態におけるCISの傾き角導出に用いるアルゴリズムを示す図。 第1の実施形態におけるCISの傾き角導出を伴う補正値算出を説明するフローチャート。 第1の実施形態における原稿セット時のずれおよび円形ドットパターンの配置を示す図。 第1の実施形態におけるCISの内都構造および円形ドットパターンの配置を示す図。 第2の実施形態における原稿搬送ローラの偏芯の影響を抑えるためのパターンを説明する図。 第2の実施形態における原稿搬送ローラの偏芯の影響を抑えるための処理のフローチャート。 第3の実施形態における原稿搬送ローラの偏芯の影響を抑えるための円形ドットパターンの配置を示す図。 第4の実施形態における副走査方向倍率の導出処理のフローチャート。 第4の実施形態で用いるドットパターンと該ドットパターンの読み取り結果を示すイメージ図。 第4の実施形態における座標変換を説明する図。 複数のラインイメージセンサを有する画像読取装置の一般的な構成と、読み取り結果の例。 第5の実施形態におけるCISの傾きに基づく座標変換を説明する図。 第5の実施形態におけるCIS間のつなぎ位置導出を説明する図。 第5の実施形態におけるつなぎ位置補正用の補正値導出の流れを示すフローチャート。 原稿セット時のずれがある場合の円形ドットパターンの配置を示す図。 第5の実施形態におけるつなぎ位置の誤導出対策を説明する図。 第5の実施形態におけるCISの内都構造および円形ドットパターンの配置を示す図。 第6の実施形態で用いる原稿搬送ローラの偏芯の影響を抑えるための円形ドットパターンの配置を説明する図。 第6の実施形態における原稿搬送ローラの偏芯の影響を抑えるための処理のフローチャート。 傾き角の導出後のドット間距離について説明する図。 第7の実施形態におけるチップ間段差の導出処理のフローチャート。 第7の実施形態におけるチップ間段差の導出結果を示す図。 第7の実施形態における課題を説明する図。 第9の実施形態における偏芯影響の抑制処理のフローチャート。 単位区間あたりの搬送量Δyとその累積加算値yとの関係を示す図。
以下、本発明を実施するための形態を、図面を参照して説明する。尚、全ての実施形態について、シートフィード方式の画像読取装置を例に説明するが、本発明の適用範囲はこれに限ったものではなく、フラットベッド方式の画像読取装置にも適用可能である。
[第1の実施形態]
本実施形態では、予め特定のパターンを読み取ることでラインイメージセンサの傾きを導出する形態であって、パターン内の複数の座標を用いて、ラインイメージセンサの傾きを導出する形態について説明する。
<画像読取装置の構成>
まず、画像読取装置の基本的な構成について、画像読取装置の全体図、画像の読み取り形態を示す図などを用いて説明する。
図1(a)は、本実施形態における画像読取装置の一例として、シートフィード方式のスキャナ100の外観を示す斜視図である。図1(a)に示すように、スキャナ100は、本体手前側に原稿給紙口101および原稿給紙台102を有する。ユーザーは、原稿給紙台102上で給紙口の中央に原稿の中央部が位置するように原稿の先端部を乗せ、台の上を滑らせるようにして原稿給紙口101へ挿入させる。原稿給紙口101は、スキャナ100が読み取り可能な原稿の主走査方向の幅に対し挿入時の位置ずれや傾き等を有る程度許容可能に設計される。原稿の給紙経路の構成に関しては、図1(b)を用いて後述する。尚、説明のため、図1(a)に示すように座標軸を設定し、この座標軸は他の図面にも同様に適用するものとする。
スキャナ100は本体上面に物理キーやタッチパネル、LCDパネル等によって構成される操作部103を備えており、読み取り条件の設定や原稿サイズの入力を行う事が可能となっている。また、スキャナ100の上面には上カバー104が備え付けられており、上カバー104が上側に開くことで読み取り部等へのアクセスが可能となり、本体のメンテナンスを行う事ができるようになっている。
図1(b)および図1(c)は、スキャナ100の内部構成を示した模式図であり、図1(b)は断面図、図1(c)は上面図を表している。図1(b)の断面図においては、左側が原稿給紙の上流側で右側が下流側となり、+y方向に原稿が搬送される。ユーザーによって原稿給紙台102を介して給紙された原稿110は、平面な搬送路を通って本体背面から排紙される。
原稿検出センサ105は原稿110の挿入を検出するもので、原稿110の挿入を検出した場合、スキャナ100の制御部202(図2参照)は、上流側搬送ローラ107を回転させて原稿を本体内部へと引き込ませる。端部検出センサ112は、上流側原稿搬送ローラ107の回転によって本体内部へと引き込まれた原稿110の先端部の検出に用いられる。また、端部検出センサ112の検出結果は、原稿110の読み取り開始位置の決定や原稿110の後端部の位置の検出にも用いられる。
本体内部では、原稿110は、ガラス板109と原稿押し当て板111との間を通過する。原稿押し当て板111は、原稿110を所定の圧力でガラス板109に対して押し当てる働きをしている。CIS106は、主走査方向(図中X方向)に受光素子が配列されたラインイメージセンサであり、複数の受光素子から構成される複数のチップで構成されている。CIS106の読み取り面はガラス板109と対向しており、読み取りの焦点位置が原稿110とガラス板109との接触面に位置するように設計されている。
下流側原稿搬送ローラ108は、不図示のベルトによって上流側原稿搬送ローラ107に従動する構成となっており、原稿押し当て板111によるガラス板109への押し当て領域を抜けた原稿を下流側に排出する役割を持っている。後述の制御部202は、各検出センサおよび上流側原稿搬送ローラ107を回転させるための不図示のモータ、CIS106や操作部103を制御するための回路基板、等によって構成される。
図1(c)の上面図は、スキャナ100はCIS106が複数(本例では5本)主走査方向に千鳥状に配置された構成であることを示している。スキャナ100は各CIS106で読み取りを行い、制御部202にて、各CIS106で読み取ったデータをつなぎ位置113でつなぎ合わせる処理を行っている。
図2は、本実施形態におけるスキャナ100のハードウェア構成を表すブロック図である。スキャナ100において画像読み取り等を制御する制御部202は、CPU204と、メモリ208と、モータドライバ207と、インターフェース(以下IF)部203と、A/D変換部206と、電源部205と、を有する。操作部103は、LCD(Liquid Crystal Displayの略)付きタッチパネルによって構成される。操作部103のLCDには、CPU204からの指示に従って、読み取りを行う原稿や読み取り装置の設定等に関する情報が表示される。また、ユーザーは、操作部103のLCDに表示された情報を確認しながら、操作部103に対するタッチパネル操作によって、スキャナ100に対する入力、例えば、各種設定を変更することができる。
搬送モータ201は、CPU204によってモータドライバ207を介して制御され、上流側搬送ローラ107および下流側搬送ローラ108を回転させる。原稿検出センサ105および端部検出センサ112の出力はCPU204に入力される構成となっており、CPU204は、これらのセンサの出力信号の変化と搬送モータ201の状態とに基づき、複数のCIS106の駆動タイミングを決定する等の制御を行う。
複数のCIS106は、読みとった画像をアナログ信号として制御部202へ出力する。複数のCIS106から出力されたアナログ信号は各A/D変換部206でデジタル信号に変換され、CPU204に入力される。CPU204は各A/D変換部206にてデジタル信号に変換されたデータを処理し、IF部203を介してUSBまたはLANなどによって接続された外部機器に画像データとして送信することができる。電源部205は各部に必要な電圧を生成して電力の供給を行う。メモリ208は、複数ライン分の画像データを記憶することが可能である。
<キャリブレーション>
以下、CIS106を用いて原稿110を読み取り、補正値算出を行う流れについて、図3を用いて説明する。尚、補正値算出タイミングは、予め補正値を算出しても良いし、或いは、毎回の読み取りごとに補正値を算出しても良い。
予め補正値を算出する場合は、工場出荷時やユーザー先で予め用意した所定の原稿を読み取ることで補正値を算出し、その後は読み取りごとに同じ補正値を適用する。この場合、毎回の読み取りごとに補正値を算出する必要がないため、読み取り時間の短縮を図ることができる。
一方、毎回の読み取りごとに補正値を算出する場合は、読み取り前に所定の原稿を読み取ることや原稿のヘッダー部に補正値算出用のパターンを印刷した原稿を読み取ることで、補正値を算出する。この場合、現状の誤差成分を随時補正することが可能となるため、高精度な読み取りを実現できる。
まず、ステップS301では、CPU204は、ユーザーによる操作部103上のキャリブレーション開始ボタンの押下入力を受け付ける。本ステップにより、スキャナ100は、キャリブレーションに使用する専用の原稿の挿入を待つ状態となる。以降、簡単のため「ステップS〜」を「S〜」と略記する。
S302では、CPU204は、ユーザーによってセットされる原稿110の挿入を検出したか判定する。本ステップの判定結果が真の場合、S303に進む。一方、本ステップの判定結果が偽の場合、原稿110の挿入検出判定が再び行われる。
S303では、CPU204は、搬送モータ201を制御することで、原稿110を読み取り開始位置へ搬送する。
S304では、CPU204は、画像読み取り動作を開始し、読み取りにより取得したデータ(読み取りデータとする)をメモリ208に保存していく。
S305では、CPU204は、所定長さの読み取りが完了したか判定する。本ステップの判定結果が真の場合、S306に進む。一方、本ステップの判定結果が偽の場合(つまり、所定長さの読み取りが完了していない場合)、所定長さの読み取りが完了するまで読み取り動作を継続する。
S306では、CPU204は、画像読み取り動作を終了し、キャリブレーション用の原稿110を排紙位置まで搬送させる。
S307では、CPU204は、補正値算出処理を行う。本ステップで得られた補正値は、メモリ208に記憶され、通常の読み取り動作時に読み出され適用される。
続けて、読み取ったパターンに基づいて補正値算出を行う流れ(図3のS307の詳細)について、図4(a)および図5を用いて説明する。図4(a)は、本実施形態における補正値算出処理用パターン(キャリブレーションチャートとも呼ぶ)を示す図である。図4(a)に示すように、キャリブレーションチャートには、複数のONドット(画素値が1)から成る円形ドットパターン401が複数、互いに孤立して印刷されており、原稿搬送ローラで原稿を搬送しながら、円形ドットパターン401を読み取る。原稿上のパターン配置として、読み取り可能領域の幅(Xrとする)、原稿搬送ローラ104の円周分(円周長をYrとする)に亘り、複数の円形ドットパターン401が印刷されている。尚、原稿搬送ローラ104の円周分以上の、複数のドットパターン401が印刷されていても良い。また、本明細書では、円形ドットパターン401を、格子点とも呼ぶ。
まず、S501では、CPU204は円形ドットパターン401の中心座標を導出する導出手段として機能し、画像読み取りにより取得された読み取りデータからドットパターン円形401それぞれの中心座標を導出する。後述する各補正値の導出処理では、本ステップで導出した中心座標が用いられる。
S502では、CPU204は、CIS106の傾き角の導出処理を行う。具体的には、複数の円形ドットパターンが基準座標からの座標の合計が0になるように同心円状に配置されたことを利用して傾き角を算出する。本ステップにおける傾き角の導出処理は、読み取ったデータをつなぎ合わせた際のつなぎ位置113のずれを抑えるための処理である。本ステップで求めるCIS106の傾き角の情報により、読み取った画像のつなぎ合わせを、後で高精度に行うことが可能となる。後述する各補正値の導出処理では、S502により導出したCIS106の傾き角に応じた補正値を、事前に適用してから処理を行う。
S503では、CPU204は、原稿搬送ローラによる副走査方向倍率の導出処理を行う。原稿搬送ローラによる副走査方向倍率の導出処理は、スキャナ100の読み取り結果全体に影響する原稿搬送ローラ107、108の直径誤差による副走査方向倍率を導出する処理である。
S504では、CPU204は、原稿搬送ローラの偏心による影響を抑制する処理を行う。本ステップは、例えば、原稿搬送ローラの偏芯率を求めるなどして、スキャナ100の読み取り結果全体に影響する原稿搬送ローラの偏芯による副走査方向の読み取り誤差を補正するための処理である。
S505では、CPU204は、チップ間段差による主走査方向倍率の導出処理を行う。チップ間段差による主走査方向倍率の導出処理は、CIS106の内部にある各チップの隙間による主走査方向の読み取り誤差を補正するための処理である。
S506では、CPU204は、つなぎ位置の導出処理を行う。つなぎ位置の導出処理は、各CIS106の読み取り結果の正確なつなぎ合わせを行うための処理であり、S502〜S505の結果から求める各ステップに対応する補正値を事前に適用し、つなぎ位置113を導出する処理である。以上により、各補正値の算出を伴うキャリブレーションが完了する。
<中心座標導出処理>
以下、読み取りデータに基づき円形ドットパターンの中心座標を導出する処理(図5のS501)について、図6に示す円形ドットパターン401および図7のフローチャートを用いて具体的に説明する。図6に示すように、円形ドットパターン401は、スキャナによる読み取り対象の画素に対してある程度大きなパターンである必要がある。
まず、S701では、CPU204は、全読み取りデータのうち、CIS106の副走査方向(2)の着目位置における、CIS106の主走査方向(1)の画素データを全て抽出する。
S702では、CPU204は、S701で抽出した画素データに基づき、諧調値が主走査方向(1)に連続して閾値Xtを超える画素があるか判定し、図6に示すような各画素に対する二値化を行う。本ステップの判定結果が信の場合、S703に進む一方、該判定結果が偽の場合、S705に進む。尚、本ステップで用いる閾値Xtは予め設定され、そのデータはメモリ208に保存されている。
S703では、CPU204は、諧調値が閾値Xtを超える連続画素の中央の画素の位置を、主走査方向(1)の中央座標として導出する。
S704では、CPU204は、副走査方向(2)の全ラインに対して、主走査方向(1)の中央座標の導出が終了したか判定する。
S705では、CPU204は、副走査方向(2)の着目位置を1画素進める。
S706では、CPU204は、導出した主走査方向の中央座標の平均をとり、求めた平均値を、円形ドットパターン401の中心座標601として設定する。
尚、主走査方向の中央座標を求める際にゴミによる読み取り誤差を考慮する場合は、ドットパターンを大きくすることで対応が可能である。また、CIS106のチップ間の隙間による読み取り誤差を考慮する場合は、主走査方向(1)の座標を求める際に、チップ間にまたがっていない箇所を選択して中心座標を求める必要がある。
尚、ドットパターンの形状は、図6に示すような略円形が望ましい。この理由は、略円形が中心座標601を導出する際に読み取り時の誤差成分の影響を受けにくい形状であるためである。例えば、原稿セット時の傾きがあった場合、ドットパターンの形状が四角であると、CIS106の読み取り画像データについて、主走査方向(1)の画素データのうち、階調値が主走査方向(1)に連続して閾値Xtを超える画素かを判定しにくい。四角より略円形の方が、階調値が主走査方向(1)に連続して閾値Xtを超える連続した画素データをより判別しやすくなっている。また、ドットパターンが略円形の場合、図7のS704〜S706のように副走査方向(2)の全ラインに対して中央座標を導出する処理を行わなくても良い。つまり、ドットパターンが略円形であることを前提に、諧調値が主走査方向(1)に連続して閾値Xtを超える画素データを推測してドットパターンの中心座標601を導出することが可能なため、中心座標導出に要する時間を短縮することが可能となる。
<CISの傾き角の導出>
前述の中心座標導出処理により導出した中心座標601を用いて、S502〜S506の処理を行う。前述したように、本実施形態はCIS106の傾き角を事前に導出するものであるため、以下では、図5に示す補正値算出の流れのうち、S502におけるCISの傾き角の導出処理について説明する。
ここでは、図8(a)に示すCIS106の傾き角導出パターン、図9に示すアルゴリズム、および図10に示すフローチャートを用いて、円形ドットパターン401を読み取ってCIS106の傾き角を導出する流れを示す。図8(a)に示す円形ドットパターン群は、中心の円形ドットパターン(基準ドットパターンとする)と、この基準ドットパターンの周りの4つの円形ドットパターン(周囲ドットパターンとする)とを含む。このような円形ドットパターン401の配置を用いることで、原稿セット時の傾きや原稿搬送ローラの直径誤差によらず、CIS106の傾きを正確に導出することが可能になる。
まず、S1001では、CPU204は、CIS106ごとに円形ドットパターン401の中心座標を規定数(X個とする)抽出する。
S1002では、CPU204は、CIS106ごとに規定数X個の座標のうち、最も中心にある座標を基準座標P、基準座標の周囲の座標を傾き角補正値算出座標A1〜ANと設定する。図8(a)は、基準座標Pを中心としてその周囲に、傾き角補正値算出座標がA1〜 A4の4点存在する場合を表している。
S1003では、CPU204は、S1002にて設定した基準座標P、傾き角補正値算出座標A1〜 ANを用いて、基準座標Pを通過点とする直線近似を行う。
直線近似をする際の座標の変化および傾き角導出のアルゴリズムについて、図8(b)〜図8(d)および図9を用いて説明する。図8(b)は、原稿110が傾いた状態で読み取られた場合の基準座標Pを基準とした傾き角補正値算出座標の座標変化を表しており、原稿の傾き角θ=45のケースを示している。図8(c)は、上流原稿搬送ローラ107の直径誤差があつた場合の基準座標Pを基準とした傾き角補正値算出座標の座標変化を表しており、原稿搬送ローラの副走査方向倍率がμのケースを示している。
図9は、CIS106の傾き角φの導出アルゴリズムで用いる式を示している。式(1)では、基準座標Pを基準とした各傾き角補正値算出座標の合計は0になることを示している。式(1)の計算式は、図8(b)および図8(c)で示す原稿の傾き角θ、原稿搬送ローラによる副走査方向倍率μの影響があったとしても変わらない。
次に、図8(d)は、CIS106の傾き角φがある状態で読み取られた際の基準座標Pを基準とした傾き角補正値算出座標の座標変化を表している。図9の式(2)〜 式(5)は、CIS106の傾き角φによる傾き角補正値算出座標の座標変化時の、変化後の座標を表している。
図9の式(6)は、S1003にて行った基準座標Pを基準とした傾き角補正値算出座標A1〜 ANによる直線近似を行う際に用いる近似式であり、図9の式(7)は、式(6)における傾きおよび切片を表している。図9の式(7)における各構成式に、式(2)〜 式(5)を代入した式が、式(8)〜 式(10)である。
図9の式(8)〜式(10)を式(7)に代入すると、式(11)のように簡略化することができる。式(11)に示す傾きに基づいて、CIS106の傾き角φを導出する式が、式(12)である。
S1003では、CPU204は、図9に示すアルゴリズムに従い直線近似を行うことで、直線の傾きaを算出している。
S1004では、CPU204は、S1003にて算出したaに基づき、式(12)を用いて、CIS106の傾き角φを算出する。
S1005では、CPU204は、S1004にて算出したφに基づきCIS106の傾き角補正用の補正値を算出する。
S1006では、CPU204は、S1005にて算出した補正値をメモリ208に書き込むことで保存する。
尚、補正値を適用する方法としては、S1006にてメモリに書き込んだ補正値に基づき、各読み取り時にメモリのアクセス箇所を変更しながら読み取りを行う方法や、CIS106の傾きを物理的に調整する方法を採用可能である。或いは、S1003にて算出した直線の傾きaを用いて、CIS106の傾き角φを求めずに、メモリのアクセス箇所を直接変更することやCIS106の傾きを物理的に調整しても構わない。
図11は、原稿セット時のずれ、及び、ドットパターンの配置を示している。ここでは、図11(a)に示すように、ユーザーが原稿110をセットした結果、原稿のセットずれ1101が生じる場合を検討する。このような場合、CIS106に対し、図8(a)に示すような、中心の格子点とその周囲4つの格子点とを含む1パターンのみ配置される構成では、CIS106の長さに依っては、読み取り幅にこの1パターンが収まらない可能性がある。
そこで図11(b)に示すように、CIS106が、2つのパターン(第1の傾き角補正値算出処理用パターン1102、第2の傾き角補正値算出処理用パターン1103)を読み取るように、円形ドットパターン(格子点)を配置する。これにより、原稿セット時のずれ1101があった場合でも、CIS106の傾き角φを導出することが可能となる。傾き角φ導出の際、2パターンの読み取りができた場合は、図11(c)に示すように、読み取り幅の中心座標1104から近い座標を規定数X個抽出してCIS106の傾き角φを導出する。図11(c)のケースでは、座標Xg2に比べると座標Xg1が中心座標1104に近い。従って、座標Xg1を中心とする第1の傾き角補正値算出処理用パターン1102を用いることになり、座標Xg1を基準座標Pとして、傾き角φを導出する。
図12は、CIS106の内都構造、および、複数(本例では5)の円形ドットパターンから構成される傾き角補正値算出処理用パターンの配置を表している。CIS106は一般的に複数チップで構成されており、チップ1201ごとに、チップの傾き角θcおよびチップ間の位置ずれdxが存在している。図12に示すように、チップの幅(チップ長Cxとする)は、円形ドットパターン群の幅(パターン長Pxとする)より大きい。
図10ではCIS106の傾き角の導出を示したが、図12に示すように、チップ1201ごとに傾き角が導出できるように円形ドットパターンを配置することで、チップ間の隙間dxの影響を無視して、チップ1201ごとの傾きθcを導出することができる。尚、図11に示したような原稿のセットずれ1101による影響を抑えたい場合は、チップ1201に対して傾き角補正値算出処理用パターンを2パターン配置することで対応可能である。
<本実施形態の効果など>
尚、前述の例では、複数のCISを有する画像読取装置を挙げて説明したが、本実施形態は、CISを1つだけ有する画像読取装置にも適用可能である。
本実施形態によれば、原稿セット時の傾きや原稿搬送ローラの直径誤差によらず、CIS106の傾きを正確に導出することができる。
[第2の実施形態]
本実施形態では、原稿搬送ローラに偏芯があった場合でも、CIS106の傾き角を正確に導出する。詳しくは、上流側原稿搬送ローラ107が搬送する方向に沿って存在する複数のパターンを用いて、CIS106の傾きを導出する。以降、既述の実施形態との差分について主に説明し、既述の実施形態と同様の内容については説明を適宜省略する。
以下、図13に示す原稿搬送ローラの偏芯の影響を抑えるためのパターン、および、図14に示すフローチャートを用いて、原稿搬送ローラに偏芯があった場合でも、CIS106の傾き角を正確に導出する処理を説明する。
図13(a)は、原稿搬送ローラの偏芯がある場合のパターンの読み取り結果を示している。原稿搬送ローラの偏芯により回転の中心位置がずれることによって、原稿搬送ローラの搬送量が変化する。そのため、原稿搬送ローラの円周の中で、搬送量が平均となる位置Oaに加えて、搬送量が大きい位置Ob、搬送量が小さい位置Ocが存在することになる。このように位置によって搬送量が変化する中で、円形ドットパターン401を読み取った結果例が、図13(a)に示すパターンである。原稿搬送ローラの搬送量が大きい位置Obにおける読み取りでは、近接する円形ドットパターンの間隔Dgaは狭くなる。一方、搬送量が小さい位置Ocにおける読み取りでは、近接する円形ドットパターンの間隔Dgbは広くなる。このような状態では、CIS106の傾き角を正しく導出できない。
図13(b)は、原稿搬送ローラの偏芯の影響を抑えてCIS106の傾き角を導出する形態を示している。原稿搬送ローラの円周長Yrの長さに対し、円形ドットパターン401を並べた円形ドットパターン群(傾き角補正値算出処理用パターンZa、Zb、Zc、Zdとする)を用いる。これらのパターンそれぞれでCIS106の傾き角を導出していく。
まず、S1401では、CPU204は、読み取りデータの読み出し位置から(言い換えると、着目する傾き角補正値算出処理用パターンから)格子点座標X個を抽出する。図13(b)の例では、最初に着目するパターンは、最上部に存在する傾き角補正値算出処理用パターンZaである。S1401の処理が繰り返し実行される度に(S1405でNO→S1406→S1401)、傾き角補正値算出処理用パターンZb、Zc、Zd、と着目するパターンが変わっていく。尚、S1401〜S1409の各処理は、CIS106ごとに実行される。
S1402では、CPU204は、S1401にて抽出したX個の格子点座標のうち、最も中心にある座標を基準座標P、基準座標P周囲の座標を傾き角補正値算出座標A1〜 ANと設定する。
S1403では、CPU204は、S1402にて設定した基準座標P、傾き角補正値算出座標A1〜 ANを用いて、基準座標Pを通過点とする直線近似を行う。
S1404では、CPU204は、S1403にて図9に示すアルゴリズムに従い直線近似を行うことで算出した直線の傾きaに基づき、CIS106の傾き角φを算出する。
S1405では、CPU204は、原稿搬送ローラの円周分の処理が完了したか判定する。本ステップの判定結果が真の場合、S1407に進む。一方、本ステップの判定結果が偽の場合、S1406に進む。
S1406では、CPU204は、次に読み取るパターンがある位置まで読み取りデータの読み出し位置を進める。
S1407では、CPU204は、複数の傾き角補正値算出処理用パターン(本例では傾き角補正値算出用パターンZa〜Zd)それぞれに対し算出したCIS106の傾き角φを平均化する。
S1408では、CPU204は、S1407で平均化した傾き角φに基づきCIS106の傾き角補正用の補正値を算出する。
S1409では、CPU204は、S1408にて算出した傾き角補正用の補正値をメモリ208に書き込むことで保存する。
<本実施形態の効果など>
本実施形態は、CISを1つだけ有する画像読取装置に適用可能である。
本実施形態では、原稿搬送ローラの1周分の長さに対してCIS106の傾き角を複数導出し、該導出した複数の傾き角の平均をとる。これにより、原稿搬送ローラの偏芯の影響を抑え、CIS106の傾きを正確に導出することができる。尚、円形ドットパターン401の間隔はできるだけ狭い間隔とし、狭い分広範囲で円形ドットパターン401の座標を規定数X個抽出することで、CIS106の傾きを正確に導出することができる。
[第3の実施形態]
本実施形態では、原稿搬送ローラに偏芯があった場合でも、CIS106の傾き角を正確に導出する。詳しくは、上流側原稿搬送ローラ107が搬送する方向に沿って、ローラ円周長の間隔ごとに存在する円形ドットパターン(格子点)を用いて、CIS106の傾きを導出する。
以下、図15に示す原稿搬送ローラの偏芯の影響を抑えるパターンを用いて、原稿搬送ローラの偏芯の影響によらずCIS106の傾き角を正確に導出する処理を説明する。図15は、原稿搬送ローラの偏芯がある場合の、傾き角補正値算出処理用パターンZrの読み取り結果を示している。原稿搬送ローラの偏芯の有無によらず、円周分の位置では搬送量は変化しないため、パターンの読み取りずれが生じない。そのため、ドットパターンの間隔Dgcとドットパターンの間隔Dgdとは等しく、原稿搬送ローラの円周長Yrとなる。
このように、円周長ごとに円形ドットパターンが配置される傾き角補正値算出処理用パターンZrを用いることで、原稿搬送ローラの偏芯の影響を受けることなく、CIS106の傾きを正確に導出することができる。尚、本実施形態におけるCIS106の傾き角導出の流れは図10と同様のため、説明を省略する。また、本実施形態は、CISを1つだけ有する画像読取装置に適用可能である。
[第4の実施形態]
本実施形態では、図4(a)に示すCIS106の傾き角を導出するために用いた補正値算出処理用パターンを利用し、傾き角以外の補正値を算出する。詳しくは、上流側原稿搬送ローラ107の直径誤差による副走査方向倍率を正確に導出する。尚、本実施形態における直径誤差の導出は、第1〜第3の実施形態で説明したCIS106の傾き角導出の後に行う必要がある。
<副走査方向倍率の導出処理>
以下、本実施形態における副走査方向倍率の導出について、図16を用いて説明する。
S1601では、CPU204は、副走査方向倍率の導出対象となる主走査区間を決定する。本ステップで決定される主走査区間とは、1つのCIS106を構成する複数のCIS内チップのうち1つ分が読み取る主走査領域である。
S1602では、CPU204は、S1601にて決定された主走査区間に含まれる円形ドットパターンの中心座標を副走査方向に検索する。そして、検索により検出された中心座標の中から、まず、基準点と主走査測距点とを選択する。基準点と主走査測距点とは、チャート上副走査方向の座標が同じ円形ドットパターンの中心座標である。基準点および主走査測距点として、所定の主走査区間の読み取りを行うセンサチップの主走査区間における中心に位置する画素を挟んだ位置関係にある点が選択される。ここでは、選択された2つの中心座標のうち、主走査方向基準側(先頭画素側)にある中心座標が基準点、もう1つの中心座標が主走査測距点として選択される。
基準点および主走査測距点を選択した後、副走査測距点を選択する。副走査測距点は、チャート上主走査方向の座標が同じ円形ドットパターンの中心座標であり、基準点と主走査測距点の距離、基準点と副走査測距点間の距離がチャート上同一である位置の座標点が選択される。
図17(a)は、円形ドットパターンが印刷されたチャートと、読み取りを行うCIS106内のチップ1201との位置関係を示す。図17(b)は、図17(a)に示すパターンの読み取りを行った結果得たデータに基づき導出された円形ドットパターンの中心座標の位置関係を表す。ここでは、CIS106の傾きおよびセットした原稿におけるチャートの傾きによって、円形ドットパターンの中心座標が主走査方向と副走査方向とのそれぞれにずれて読み取られた状態を表している。このようなデータに対し、A11(x11、y11)が基準点として選択されると、A12(x12、y12)が主走査測距点、A21(x21、y21)が副走査測距点として選択される。
S1603では、CPU204は、基準点A11を中心とした各測距点の相対的な座標への変換を行う。A11の変換後の座標をA11’(0、0)とした場合、A12はA12’(x12’、y12’)に、A21はA21’(x21’、y21’)に変換される。このとき、x12’=x12−x11、y12’=y12−y11、x21’=x21−x11、y21’=y21−y11となる。以降、これらの座標を用いて具体的に説明する。図18に変換後の座標データのイメージを示す。
S1604では、CPU204は、直前の補正値算出で得たCIS106の傾き情報に基づき、S1603で変換した座標(本例では、変換後の座標A12’、A21’)に対する補正を行う。直前に行ったCIS106の傾き検出によって該当チップの傾き角がφであると求められた場合、A12’、A21’は座標A11’を基準点としてそれぞれA12”(x12”、y12”)、A21”(x21”、y21”)に変換される。ここで、CIS106またはチップ1201の傾きがメカ的に制限され、公差が読み取り結果に影響を与えない場合、当該補正処理を省略することも可能である。S1604により、基準点と、変換された主走査測距点A12”と間の距離(主走査方向距離とする)x21”、及び、基準点と、変換された副走査測距点A21”と間の距離(副走査方向距離とする)y12”を求めることができる。
S1605では、CPU204は、S1604で求めた主走査方向距離x21”および副走査方向距離y12”を、基準点A11における距離データとしてメモリに記憶する。
ここまでが1つの基準点における搬送データ情報を取得する処理の流れであるが、同様の処理を副走査方向に配列された他の中心座標に対しても行う。
S1606では、CPU204は、記憶された中心座標データに基づき、基準点として選択可能な中心座標が残っていないか判定する。本ステップの判定結果が真の場合、S1607に進む。一方、本ステップの判定結果が偽の場合(つまり、選択可能な中心座標が残っている場合)、直前で基準点として選択した中心座標から1つ分副走査方向にシフトした円形ドットパターンの中心座標を選択する。
このようにして、A11からA(N−1)1までの中心座標が基準点として選択され、選択された基準点を中心として各測距点までの距離が算出され、メモリに記録される。A(N−1)1が基準点として選択されることで、AN1がA(N−1)1に対する副走査測距点となり、それ以降のデータは無いため、処理が終了する。全ての区間における距離データが揃うと、S1607において、CPU204は、それらのデータをメモリから読み出して副走査方向倍率を求める。副走査倍率は以下の式(1)によって求めることが出来る。
Figure 2021061563
上記計算によって得た副走査倍率は、ラインの読み取り開始トリガ発生タイミング、画像処理における拡大縮小補正、等に反映可能である。
<本実施形態の効果など>
本実施形態は、CISを1つだけ有する画像読取装置に適用可能である。
本実施形態によれば、図4(a)に示すCIS106の傾き角を導出する際に用いた補正値算出処理用パターンを利用することで、上流側原稿搬送ローラ107の直径誤差による副走査方向倍率も高精度に導出することができる。
[第5の実施形態]
<本実施形態の課題>
図19は、本実施形態の課題を説明するための図であり、従来のキャリブレーション処理によるつなぎ処理後の読み取り例、および、理想的なつなぎ処理後の読み取り例を示している。
従来、図19(a)に示すように、キャリブレーションを行うために、直線の組み合わせパターン1904を用いて読み取りを行う。その後、読み取った結果から各CIS106の傾き(Φ)を導出し、その後CIS106間のつなぎ位置113(X、Y)を導出していた。
しかし、CIS106の傾き導出に直線の組み合わせパターン1904を用いた場合、原稿の傾きやローラの直径誤差の影響を受けてしまうことから、CIS106の傾き導出時の誤差要因となってしまっていた。CIS106の傾き導出時の誤差がある状態でつなぎ位置113を導出すると、つなぎ処理を正しく行うことができない。例えば、図19(b)に示すように直線のパターン1902を読み取った際には、CIS106の傾き導出時の誤差成分により、つなぎ位置のずれが生じる結果、がたついた線1903として読み取られてしまっていた。
そこで本実施形態は、読み取り時の誤差成分によらず、CIS106間のつなぎ処理を実現することを目的とする。
尚、本実施形態におけるスキャナ100の構成、キャリブレーション処理、補正値算出処理用パターンを読み取り補正値を算出する処理、円形ドットパターンの中心座標の導出、CIS106の傾き角導出は、第1の実施形態と同様である(図1〜図10参照)。
<つなぎ位置導出処理>
以下、本実施形態におけるつなぎ位置導出処理について、図20〜図25を用いて説明する。図20は、直前の補正値算出で得たCIS106の傾き角に基づく座標変換を表した図である。図21は、CIS106間のつなぎ位置導出の概要を表す図である。図22は、つなぎ位置導出の流れを示すフローチャートである。
まず、S2201では、CPU204は、直前の補正値算出で得たCIS106の傾き角に基づき、図6および図7で説明した円形ドットパターン401の中心座標601を、CIS106の傾きによる変化前の状態に変換する座標変換を行う。図20(a)は、CIS106の傾き角φによる円形ドットパターン401の中心座標601の変化を示す図である。図20(b)は、直前の補正値算出にて算出したCIS106の傾き角φを用いて、円形ドットパターン401の中心座標601をCIS106の傾きによる変化前の状態に変換する座標変換を行ったときの図である。CIS106の傾き角φに基づく座標変換は、図20(c)に示す計算式に従い実施する。
尚、ここでは、円形ドットパターン401の中心座標601を座標変換してつなぎ位置を導出する形態を説明している。但し、直前の補正値算出で得たCIS106の傾きの補正値を適用した状態で、円形ドットパターン401が印刷された原稿110を再度読み取りつなぎ位置を導出しても良い。
S2202では、CPU204は、S2201にて座標変換した円形ドットパターン401の中心座標601に基づき、N番目のCIS(CIS[N]とする)2101、N+1番目のCIS(CIS[N+1]とする)2102の処理対象座標を選出する。図21(a)は、複数のCIS106の重複部に対する円形ドットパターン401の配置を示した図である。図21(b)は、CIS[N]2101の読み取り結果を、図21(c)は、CIS[N+1]2102の読み取り結果を表している。図21(b)に示すように、CIS[N]2101で読み取ったデータに対し、予め固定値として定めたCIS[N]のつなぎ基準位置2103から最も近い円形ドットパターン401の中心座標601をCIS[N]の処理対象座標2105として選出する。同様に、図21(c)に示すように、CIS[N+1]2102でもCIS[N+1]のつなぎ基準位置2104から最も近い円形ドットパターン401の中心座標601をCIS[N+1]の処理対象座標2106として選出する。
S2203では、CPU204は、S2202にて選出したCIS[N]の処理対象座標2105とCIS[N+1]の処理対象座標2106との間のX座標、Y座標の差に基づき、X方向、Y方向のオフセット値を算出する。
S2204では、CPU204は、S2203にて算出したX方向、Y方向のオフセット値に基づき、つなぎ位置補正用の補正値を算出する。
S2205では、CPU204は、複数のCIS106の重複部全てにおいてつなぎ位置補正用の補正値を算出したか判定する。本ステップの判定結果が真の場合、S2206に進む。一方、本ステップの判定結果が偽の場合(つまり、複数のCIS106の重複部全てにおいてつなぎ位置補正用の補正値算出が完了していない場合)、S2202に戻り、次の重複部のつなぎ位置補正用の補正値の算出を行う。
S2206では、CPU204は、複数のCIS106の重複部全てに対して導出したつなぎ位置補正用の補正値をメモリ208に書き込むことで保存する。
尚、求めた補正値を適用する方法としては、S2206にてメモリに書き込んだ補正値に基づき、各読み取り時にメモリのアクセス箇所を変更しながら読み取りを行う方法や、CIS106の位置を物理的に調整する方法などを採用可能である。
また、つなぎ位置導出の際、円形ドットパターン401の中心座標601導出時の量子化誤差の影響を抑えるためには、重複部に対し、複数の円形ドットパターン401を配置するとよい。そして、前述の配置構成において、S2202では、CIS[N]およびCIS[N+1]のつなぎ基準位置を用いて、重複部で読み取った格子点の数分のCIS[N]およびCIS[N+1]の処理対象座標2105、2106をそれぞれ選出する。S2204にてつなぎ位置補正用の補正値を算出する際には、S2203にて算出した複数のX方向、Y方向のオフセット値をそれぞれ平均した結果を用いる。
図23は、原稿のセット時のずれ2301がある状態での円形ドットパターンの配置を示している。ここでは、図23(a)に示すように、ユーザーが原稿110をセットした際に原稿のセットずれ2301が生じた場合を検討する。このような場合、図21(a)に示すようなCIS106の重複部に対し円形ドットパターン401が1つのみ配置されている構成では、1パターンも該重複部に入らない可能性がある。この対策として、図23(b)に示すように、CIS106の重複部に対し、第1のつなぎ位置補正値算出処理用パターン2302と第2のつなぎ位置補正値算出処理用パターン2303との2パターン入るように配置する。図13(b)に示す対策により、図13(c)に示すように原稿セット時のずれ2301があった場合でも、CIS106間のつなぎ位置を導出可能となる。
図24は、CIS106の重複部に対しドットパターンが複数配置される構成において、つなぎ位置の誤導出を防ぐパターン配置を表している。図24(a)に示すように、前述した量子化誤差影響を抑えるためや原稿のセット時のずれ影響対策として、ドットパターンをCIS106の重複部に対して複数配置する場合がある。理想的には、CIS[N] のつなぎ基準位置2103とCIS[N+1] のつなぎ基準位置2104とが、原稿の搬送方向の同一直線上に位置する(主走査方向において同一である)ことが望ましい。しかし実際は、複数のCIS106はメカ取り付け公差により位置がずれるため、これらの基準位置は、直線上からずれている。そのため、CIS位置のずれ量によっては、CIS[N] の基準座標から最も近いドットパターン2401とCIS[N+1] の基準座標から最も近いドットパターン2402のように、同一ドットパターンをS2202にて選出できなくなる虞がある。
図24(b)は、それぞれサイズが異なる複数ドットパターンから成る構成を表している。図24(c)は、それぞれ光学濃度が異なる複数ドットパターンから成る構成を表している。図24(b)の構成を採用することで、例えばCIS[N] のつなぎ基準位置2103とCIS[N+1] のつなぎ基準位置2104から最も近い、径がXbより大きいドットパターンを選出する場合、同一パターンをS2202にて選出可能となる。また、図14(c)の構成を採用しても、例えばCIS[N] のつなぎ基準位置2103とCIS[N+1] のつなぎ基準位置2104から最も近い、光学濃度がDbより大きいドットパターンを選出する場合、同一パターンをS2202にて選出可能となる。
以上説明したような、CIS106の重複部に対しドットパターンが複数配置される構成を用いれば、つなぎ位置の誤導出を抑制することが可能となる。尚、サイズや光学濃度を変えたドットパターン以外に、色を変えたドットパターンも誤導出抑制に有効である。
図25は、CIS[N]2101およびCIS[N+1]2102の内都構造および円形ドットパターン401の配置を表している。CIS106は一般的に複数チップで構成されており、CIS[N]2101であれば内部のチップ2501ごとに、CIS[N+1] 1102であれば内部のチップ2502ごとに、チップ間の位置ずれdxが存在している。図25に示すように、CIS[N]内のチップ2501とCIS[N+1]内のチップ2502との重複部(チップ重複部とする)に対し円形ドットパターン401を配置する。これにより、チップ間の隙間dxの影響を無視してCIS106間のつなぎ位置を導出できる。尚、図23で示した原稿のセットずれ2301による影響を抑える場合は、CIS[N]内のチップ2501とCIS[N+1]内のチップ2502との重複部に対して円形ドットパターン401を2パターン配置すれば良い。
<本実施形態の効果>
以上説明したように本実施形態では、原稿セット時の傾きや原稿搬送ローラの直径誤差などの読み取り時の誤差成分によらず、CIS106の傾きを正確に導出した状態でCIS106間のつなぎ位置を導出している。これにより、CIS間の高精度なつなぎ処理を実現することが可能である。また、CIS106間のつなぎ位置導出時にCIS106の傾き導出時と同じパターンを利用できるため、チャート作成コストを低減することが可能である。
[第6の実施形態]
本実施形態では、原稿搬送ローラの偏芯があった場合でもCIS106間のつなぎ位置を正確に導出する。詳しくは、上流側原稿搬送ローラ107が搬送する方向に沿って配置される複数の円形ドットパターンを読み取って、CIS106間のつなぎ位置を導出する。
以下、本実施形態におけるCIS106間のつなぎ位置の導出について、図26及び図27を用いて説明する。図26は、原稿搬送ローラの偏芯の影響を抑えるためのパターンを説明する図である。図27は、原稿搬送ローラの偏芯の影響を抑えるための処理のフローチャートである。
図26(a)は、原稿搬送ローラの偏芯がある場合のパターンの読み取り結果を示している。原稿搬送ローラの偏芯により回転の中心位置がずれることによって、原稿搬送ローラの搬送量が変化する。そのため、原稿搬送ローラの円周の中で、搬送量が平均となる位置Oaに加えて、搬送量が大きい位置Ob、搬送量が小さい位置Ocが存在することになる。このように位置によって搬送量が変化する中で、円形ドットパターン401を読み取った結果例が、図26(a)に示すパターンである。原稿搬送ローラの搬送量が大きい位置Obにおける読み取りでは、近接する円形ドットパターンの間隔Dgaは狭くなる。一方、搬送量が小さい位置Ocにおける読み取りでは、近接する円形ドットパターンの間隔Dgbは広くなる。このような状態では、CIS106間のつなぎ位置を正しく導出できない。
図26(b)は、原稿搬送ローラの偏芯の影響を抑えるためのCIS106間のつなぎ位置の導出方法を示している。原稿搬送ローラの円周長Yrの長さに対し、円形ドットパターン401を並べた円形ドットパターン群(つなぎ位置導出用パターンとする)2601を用いてCIS106間のつなぎ位置を導出していく。尚、S2701〜S2703は、図22のS2201〜S2203と同様のため、説明を省略する。
S2704では、CPU204は、S2703でX方向、Y方向のオフセット値を算出する処理が、原稿搬送ローラの円周分完了したか判定する。本ステップの判定結果が真の場合、S2706に進む。一方、本ステップの判定結果が偽の場合、S2705に進む。
S2705では、CPU204は、次に読み取る円形ドットパターンがある位置まで読み取りデータの読み出し位置を進める。
S2706では、CPU204は、S2702〜S2705にて算出した原稿搬送ローラの円周分のX方向、Y方向のオフセット値のそれぞれについて、平均をとる。
S2707では、CPU204は、S2706にて算出したX方向、Y方向の平均したオフセット値に基づき、つなぎ位置補正用の補正値を算出する。
S2708では、CPU204は、重複部全てにおいてつなぎ位置補正用の補正値を算出したか判定する。本ステップの判定結果が真の場合、S2709に進む。一方、本ステップの判定結果が偽の場合(つまり、複数のCIS106の重複部全てにおいてつなぎ位置補正用の補正値算出が完了していない場合)、S2702に戻り次の重複部のつなぎ位置補正用の補正値の算出を行う。
S2709では、CPU204は、複数のCIS106の重複部全てに対して導出したつなぎ位置補正用の補正値をメモリ208に書き込むことで保存する。
<本実施形態の効果>
以上説明したように本実施形態では、原稿搬送ローラの円周に対してCIS106間のX方向、Y方向のオフセット値をそれぞれ複数導出しており、これにより、CIS106間のつなぎ位置導出時に原稿搬送ローラの偏芯の影響を抑えることができる。尚、搬送方向における円形ドットパターン401の間隔を狭くすることで、CIS106間のつなぎ位置導出時に多くの円形ドットパターン401の座標を用いることができるため、CIS106間のつなぎ位置を正確に導出することができる。
[第7の実施形態]
複数チップから構成されているラインイメージセンサにおいては、製造上チップ間段差というものが存在する場合がある。図31は、ラインイメージセンサにおけるチップ間段差について説明する図である。尚、本実施形態では、前述の実施形態と同様にラインイメージセンサはCIS方式のもので、1つのラインイメージセンサは12個のチップで構成されているとして説明するが、方式や構成チップ数はこれらに限られない。
チップ間段差とは、図31(a)における副走査方向のズレ量dY1を指す。傾き角をΘ、主走査方向のチップ間距離の理想値をdxとすると、この場合の主走査方向の距離dXは、dX=dx×cosΘとなる。従って、dX<dxとなり、チップ間段差が主走査方向の距離にも影響を及ぼすことになる。例えば、図31(b)に示すような水平線と斜め線から構成されるパターンを読みとった場合、本来の主走査方向長Xに対して圧縮されたXLという長さの読み取り結果になってしまう。
このようなチップ間段差の許容値に関しては、ラインイメージセンサの製造スペックに委ねられており、歩留まりやコストを考慮して決定されていた。例えば、ある種のラインイメージセンサではdY1=30μmという値である。しかし、近年求められる更なる高精度読み取り実現においては、チップ間段差に起因する、隣接するチップ間の読み取り誤差は、無視できない課題となっている。
そこで本実施形態では、現状の製造スペックを向上することなく、チップ間段差に応じた補正を実現することを目的とする。
<補正値算出処理用パターン>
以下、本実施形態で用いる補正値算出処理用パターン(キャリブレーションチャート)について、図4(b)を用いて説明する。図4(b)は、本実施形態における補正値算出処理用パターンを示す図である。
図4(b)に示すように、原稿110には主走査方向および副走査方向に等間隔(dx=dy)に円形ドットパターン401が印刷されている。主走査方向の間隔dxおよび副走査方向の間隔dyは、センサのチップサイズCxよりも小さい。上流側原稿搬送ローラ107および下流側原稿搬送ローラ108を用いて原稿を搬送し、これらの円形ドットパターン401を読み取っていく。尚、原稿上のパターン配置としては、複数の円形ドットパターン401が、主走査方向においては読み取り可能領域の幅にわたって、副走査方向においては上流側原稿搬送ローラ107、下流側原稿搬送ローラ108の円周分印刷されている。
<チップ間段差による主走査方向倍率の導出>
本実施形態では、図4(b)に示すパターンを用いて、種々の補正値算出を伴うキャリブレーションを行う。本実施形態におけるキャリブレーションのフローは、基本的には、第1の実施形態と同様である(図5参照)。
図4(b)に示すパターンを用いて円形ドットパターン401の中心座標を導出し(S501)、引き続きS502〜S506の処理を行っていく。本実施形態は、S505におけるチップ間段差による主走査方向倍率の導出処理に関する内容であるため、S505以外の詳細については説明を適宜省略する。
S502では、複数の円形ドットパターンが基準座標からの座標の合計が0になるように同心円状に配置されたことを利用して傾き角を算出する。S503およびS504では、円形ドットパターン間の距離の比に基づき、副走査方向の搬送量ばらつきを算出する。
S505におけるチップ間段差による主走査方向倍率の導出処理を実施する前に、原稿110のセット傾き等のチップの製造要因以外の要因を取り除く必要があるため、S505は、S502〜S504の後に実施する必要がある。つまり、S502〜S504までの処理が実行されたことにより、残る誤差要因は製造上のチップ間段差のみになっている。尚、チップ間段差による副走査方向倍率の導出処理は、S506のつなぎ位置導出処理の中で実施されることになるが、前述した理由からここでは詳細は省略する。
本実施形態における円形ドットパターン間の距離の導出手法は、第4の実施形態と同様である(図18)。つまり、A11の変換後の座標をA11’(0、0)とした場合、A12はA12’(x12’、y12’)に、A21はA21’(x21’、y21’)に変換される。このとき、x12’=x12−x11、y12’=y12−y11、x21’=x21−x11、y21’=y21−y11となる。このようなケースにおいて、S502で示す傾き角の導出処理後のドット間距離は、図28(a)〜(c)に示すような関係となる。
CIS106の傾き角導出(S502)によって該当チップの傾きがφと求められた場合、A12’、A21’は基準座標A11’を原点としてそれぞれA12”(x12”、y12”)、A21”(x21”、y21”)に変換される。このとき、x12”=x12’/cos−1φ、y12”=y12’+x12’/tanφ、x21”=x21’/cos−1φ、y21”=y21’+x21’/tanφとなる。
<チップ間段差の導出処理>
図29は、図5のS505におけるチップ間段差を導出する流れを示すフローチャートである。
まずS2901では、CPU204は、主走査方向に基準座標をシフトさせながら、前述した相対的変換座標を用いて、主走査方向で近接する円形ドットパターン間距離ΔXと、副走査方向で近接する円形ドットパターン間距離ΔYとの比ΔX/ΔYを算出する。
本来、主走査方向において近接する円形ドットパターン間距離ΔXと、副走査方向において近接する円形ドットパターン間距離ΔYとの比ΔX/ΔYは必ず「R」(R≒1)となるはずである。しかし、チップ間段差がある場合は、n番目のΔXn/ΔYnとn+1番目のΔXn+1/ΔYn+1との間で値が変化し、「R」より小さい数値が算出されることになる。
例えば、仮に、前述した円形ドットパターン401が1チップ内に3パターン配置されるように構成されていた場合、チップ間段差に該当する最初の1回の算出では「R」より小さな値が算出され、その後2回の算出では「R」が繰り返し算出されることになる。S2902では、CPU204は、このような繰り返しパターンを検出したか(言い換えると、チップサイズ単位でΔX/ΔYの値が変化するか)判定する。本ステップの判定結果が真の場合、S2903に進む。一方、本ステップの判定結果が偽の場合、チップ間段差検出NGとみなして処理を終了する。尚、検出NGの場合に、必要に応じて規定回のリトライを実施しても良い。
S2903では、チップ毎に最初の1回のΔX/ΔY算出で得られた比を、メモリ208に記憶する。
尚、CIS106とキャリブレーションチャートとの位置関係に基づき、チップ間段差に該当する位置に配置された円形ドットパターンを予め把握することが可能である。このことから、チップ内での繰り返し値の算出は、チップ間段差部分の検出値の確からしさを確認するための一度のみの算出としても良いし、或いは、省略してもよい。
図30は、本実施形態におけるチップ間段差の導出結果の一例を示す。図30(a)は、12個のチップで構成されるCISと、前述のS2903でメモリ208に記憶された比との位置関係を示す模式図である。図30(a)のケースでは、一番左に位置するチップを絶対的な基準としているため、それ以外の11チップに対する値が記憶されることになる。尚、ここで記憶された値は、一番左に位置するチップに対する絶対量ではなく、n−1番目のチップに対する相対量である。
図30(b)は、図30(a)に示す12チップのうち2チップと円形ドットパターンとの関係を示す模式図である。これまで説明したとおり、同一チップ内で読み取りを実施する円形ドットパターンを用いて導出されるΔXx−2/ΔYy−2、ΔXx−1/ΔYy−1、ΔXx+1/ΔYy+1、およびΔXx+2/ΔYy+2の各値は、「R」(ここでは1)となる。一方、2チップにまたがる円形ドットパターンを用いて導出されるΔXx/ΔYyの値は、チップ間段差がある場合、「R」以下の値(本例では0.99)が得られることになる。S3003でメモリ208に記憶される値とは、図30(b)のΔXx/ΔYyのような2チップにまたがる円形ドットパターンを用いて導出される値である。
実際に本読み取りを実施する場合は、読み取った画像データをメモリ208に一旦記憶した後、前述のS2903で記憶した比に基づいて、一番左に位置するチップからの絶対量、つまりはチップ間段差量を算出し、その値に応じで画像データを補正する。こうすることで、チップ間段差による主走査方向の誤差要因を排除することが可能となる。
<本実施形態の効果など>
本実施形態は、CISを1つだけ有する画像読取装置にも適用可能である。
本実施形態によれば、現状の製造スペックを向上することなく、チップ間段差に応じた補正を実現することが可能となる。よって、高精度な画像読み取りを実現することが可能になる。
[第8の実施形態]
<本実施形態の課題>
本実施形態は、副走査方向の読み取り位置ずれを検出する処理において、チャートの取り付け誤差の影響を無視できるようにすることを目的とする。
<副走査方向における倍率の算出>
本実施形態におけるスキャナ100の構成、キャリブレーション処理、補正値算出処理用パターンを読み取り補正値を算出する処理、円形ドットパターンの中心座標の導出、CIS106の傾き角導出は、第1の実施形態と同様である(図1〜図10参照)。
CIS106の傾き角算出が完了すると、続いて副走査方向倍率の導出を行う。本実施形態において、副走査方向における倍率の導出は第4の実施形態と概ね同様であり(図16〜図18参照)、主走査方向倍率の導出は第7の実施形態と同様である(図28参照)。
ここでは、図17(a)に示すパターンを読み取り、図16に示す処理を実施するケースを挙げて説明する。読み取ったパターンの副走査方向の長さLは、パターン上のドット間距離をD、搬送ローラが1回転したときの原稿が搬送される理想的な副走査方向距離をFとしたときに、以下の式(2)に従い算出される。
Figure 2021061563
このとき、Nは副走査方向における1周期分のドット数(2以上の整数)、θmaxはパターン読み取り時に発生し得る副走査方向に対するパターンの傾きの最大値を表す。尚、ドット間距離Dは、理想的にはD=F/(N−1)となっていることが望ましい。この場合、副走査方向にN個分のドットが読み取られるため、最終的に、中心座標データとしてN個分(図17のケースでは9個)が記憶されることになる。
S1606では、CPU204は、記憶された中心座標データに基づき、基準点として選択可能な中心座標が残っていないか判定する。本ステップの判定結果が真の場合、S1607に進む。一方、本ステップの判定結果が偽の場合(つまり、選択可能な中心座標が残っている場合)、直前で基準点として選択した中心座標から1つ分副走査方向にシフトした円形ドットパターンの中心座標を選択する。
例えば、図17(a)のケースで直前の基準点として選択された中心座標がA11の場合、副走査方向における次の基準点として、A12が選択される。このようにして、S1601〜S1606の処理を繰り返し行った結果、A11からA(N−1)1までの中心座標が基準点として選択され、選択された基準点を中心として各測距点までの距離が算出され、メモリに記録される。A(N−1)1が基準点として選択されることで、AN1がA(N−1)1に対する副走査測距点となり、それ以降のデータは無いため、処理が終了する。全ての区間における距離データが揃うと、S1607において、CPU204は、それらのデータをメモリから読み出して副走査方向倍率aを求める。前述したように、副走査方向倍率aは、式(1)によって求めることが出来る。
但し、式(1)における分母は搬送量の期待値であり、また、分子は搬送量の実測値に相当し、パターンの傾きを想定すると、搬送ローラの1周分の回転による搬送量期待値Fよりも大きな値となっている。従って、搬送ローラの偏芯による区間毎の変動の影響をより小さくするためには、搬送量期待値Fを超える領域分を補正すると良い。詳しく説明すると、主走査方向距離(つまり式(1)における分母)においては、x(N−1)2”の代わりに、Δx(N−1)2”=(F−x12”−x22”−・・・−x(N−2)2”)/x(N−1)2”を加算する。また、副走査方向距離(つまり式(1)における分子)においては、yN1”の代わりに、ΔyN1”=yN1”× Δx(N−1)2”を加算する。
このように、原稿110のスキャナ100に対する取り付け傾きを考慮せずに副走査方向倍率aを算出可能な理由の一つは、複数の円形ドットパターンの中心座標の位置関係がパターンの傾きによって変化しないことである。図19(a)や図31(b)に示すような直線パターンを使用した場合、原稿110のスキャナ100に対する取り付け傾き、CIS106の傾き、搬送量誤差、等の複合的要因によって直線に歪みが生じ、その切り分けが困難となる。
また、他の理由は、円形ドットパターンがチャート上基準点を中心として主走査方向、副走査方向に90度の角度をもって配置されているため、パターンの傾きによる距離の比の変化が一定であることである。
従って、本実施形態のパターンを採用することにより、単純で少ない演算処理によって、副走査方向倍率を高精度に求めることが可能となっている。
本実施形態の計算によって得た副走査方向倍率は、ラインの読み取り開始トリガ発生タイミング、画像処理における拡大縮小補正、等に反映可能である。例えば、搬送モータがステッピングモータである読み取り装置の場合、ラインの読み取り開始トリガを生成するのに必要なモータ回転角の基準値に対し副走査方向倍率aで除算した回転角毎にトリガを生成するよう補正すれば良い。また、搬送モータがDCモータであり、読み取り開始トリガの生成を搬送ローラに取り付けたエンコーダによって行う場合には、トリガ生成に用いるエンコーダカウント値について、基準値に対し副走査方向倍率aで除算すれば良い。
<本実施形態の効果など>
本実施形態は、CISを1つだけ有する画像読取装置に適用可能である。
本実施形態によれば、副走査方向の読み取り位置ずれを検出する処理において、チャートの取り付け誤差の影響を無視することが可能となる。
[第9の実施形態]
本実施形態では、原稿搬送ローラの偏芯の影響による読み取り誤差を補正するための補正値を求める。原稿搬送ローラの偏芯による影響とは具体的には、原稿搬送ローラの軸が製造公差によって中心より僅かにずれた場合に起こる単位回転角あたりに原稿が搬送される量のばらつきを指す。単位区間における搬送量は、位置によって多いこともあれば少ないこともあり、原稿搬送ローラの偏芯による誤差量は、ローラ1周分を足し合わせるとゼロとなる。
<原稿搬送ローラの偏芯による影響の抑制>
以下、本実施形態における、原稿搬送ローラの偏芯による影響を抑制する処理について、図32を用いて説明する。図32は、図5のS504における偏芯影響の抑制処理の詳細を表すサブフローのフローチャートである。
偏芯による誤差の算出には、前述の副走査方向倍率の導出の際に使用した変換後の座標データにおける副走査方向距離(y21”、y31”、・・・yN1”)を用いることができる。副走査方向倍率を事前に導出しない場合、図32のフローの前に図16のS1601〜S1606のフローによって変換後の副走査方向距離を求める。ここで得た副走査方向距離には副走査方向倍率による変動分も含まれている。従って、S3201では、CPU204は、全ての副走査方向距離を副走査方向倍率aで除算する。副走査方向倍率aで除算した副走査方向距離をΔy2、Δy3、・・・、ΔyNとした場合、ΔyN=yN1”/aと表される。
S3202では、CPU204は、このΔyNを単位区間あたりの搬送量とし、縦軸を単位区間あたりの搬送量Δy、横軸をΔyの累積加算値yとした近似曲線を算出する。累積加算を原稿搬送ローラ1周分の搬送量F以上の領域に含まれる全てのドット間の副走査方向距離に対し行って、得た値をプロットとすると、例えば図33に破線で示すような近似曲線が得られる。
S3203では、CPU204は、タイミング補正値を記憶する。S3202で得た近似曲線の式を用いることで、原稿搬送ローラの任意の回転角におけるラインセンサの読み取り開始トリガの発生タイミングを補正するための補正値を得ることが可能となる。スキャナ100のメモリには単位区間の搬送量に対するタイミング補正値を保持するためのテーブルが記憶されており、S3203で算出されたタイミング補正値がこのテーブルに保持される。
タイミング補正テーブルに保持されるタイミング補正データは、通常の読み取り動作時に読み出され、ライン読み取り開始トリガの発生タイミングを微調整するのに用いられる。この微調整の結果、単位区間における搬送量が理論値よりも多い区間については、ライン読み取り開始トリガの発生タイミングが初期値よりも早くなり、単位区間における搬送量が理論値よりも少ない区間については、発生タイミングが初期値よりも遅くなる。これによって、原稿搬送ローラの偏芯による搬送量のばらつきがある場合であっても、ライン読み取り周期が一定となり、読み取り品位を向上させることができる。
<本実施形態の効果など>
本実施形態は、CISを1つだけ有する画像読取装置に適用可能である。
本実施形態によれば、原稿搬送ローラの偏芯による影響を抑制できるため、読み取り精度を向上させることが可能である。
尚、本実施形態では説明の簡略化のため、図33に示すように、原稿搬送ローラ1周分の搬送中に読み取られる円形ドットパターンの数を少なくしている。しかし、補正の精度を高めるには、副走査方向のパターン数を多くして、パターン間の距離を短くした方が良い。但し、パターン間の距離が短いと、距離算出時における誤差影響が大きくなるため、基準点を中心として複数個の主走査測距点および副走査測距点を選択し、距離の平均を求めるなどすることで精度を高めることも可能である。
[その他の実施形態]
本発明は、前述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。尚、本発明は、前述の実施形態の要素を適宜組み合わせて構成してもよい。
106 CIS
100 スキャナ
110 原稿
204 CPU
401 円形ドットパターン

Claims (24)

  1. ラインイメージセンサにより原稿の画像を読み取る画像読取装置であって、
    複数のドットパターンが印刷されたチャートを読み取ることで取得した読み取りデータに基づき、該複数のドットパターンそれぞれの座標を導出する第1の導出手段と、
    前記第1の導出手段により導出された座標に基づき、前記ラインイメージセンサの傾き角を導出する第2の導出手段と、
    前記第2の導出手段により導出された傾き角に基づき、前記ラインイメージセンサの傾き補正用の第1の補正値を算出する第1の算出手段と、
    を有し、
    前記チャートにおいて、前記複数のドットパターンは、互いに孤立して配置されている
    ことを特徴とする画像読取装置。
  2. 前記複数のドットパターンは、1つの基準ドットパターンと、該基準ドットパターンの周りの複数の周囲ドットパターンとから成るドットパターン群を少なくとも1つ含み、
    前記複数の周囲ドットパターンは、前記基準ドットパターンの座標を基準座標としたとき、該基準座標からの座標の合計がゼロになるように配置されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
  3. 前記チャートにおいて、前記ラインイメージセンサを構成するチップの幅に対して、前記ドットパターン群が少なくとも1つ配置されている
    ことを特徴とする請求項2に記載の画像読取装置。
  4. 前記チャートにおいて、原稿搬送ローラの円周の長さ分、副走査方向に2つ以上、前記ドットパターン群が配置されている
    ことを特徴とする請求項2または3記載の画像読取装置。
  5. 前記複数の周囲ドットパターンは、前記基準座標を中心として同心円状に配置されている
    ことを特徴とする請求項3または4に記載の画像読取装置。
  6. 前記チャートにおいて、前記ドットパターンは、副走査方向に沿って、原稿搬送ローラの円周の長さ毎に配置されている
    ことを特徴とする請求項2に記載の画像読取装置。
  7. 前記第1の算出手段は、前記基準座標を通過点とする直線近似を行うことで、前記第1の補正値を算出する
    ことを特徴とする請求項2乃至6の何れか1項に記載の画像読取装置。
  8. 前記複数のドットパターンはそれぞれ、略円形であり、
    前記第1の導出手段は、前記複数のドットパターンそれぞれの中心座標を導出する
    ことを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の画像読取装置。
  9. 前記読み取りデータと、前記第1の補正値とに基づき、原稿搬送ローラの直径誤差による副走査方向の倍率を算出する第2の算出手段を更に有する
    ことを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の画像読取装置。
  10. 前記ラインイメージセンサは、複数のチップで構成され、
    基準座標を主走査方向にシフトさせながら、主走査方向で近接するドットパターン間の距離ΔXと、副走査方向で近接するドットパターン間の距離ΔYとの比、ΔX/ΔYを算出する第3の算出手段と、
    前記算出されたΔX/ΔYに基づき、隣接するチップ間の読み取り画像のずれ量を算出する第4の算出手段と、
    を更に有することを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項に記載の画像読取装置。
  11. 前記チャートにおける近接するドットパターン間の距離は、前記チップの主走査方向の幅より小さいことを特徴とする請求項10に記載の画像読取装置。
  12. 前記第3の算出手段および前記第4の算出手段は、前記隣接するチップ間にまたがる位置に配置されたドットパターンに対し算出を行うことを特徴とする請求項10または11に記載の画像読取装置。
  13. 前記第2の算出手段は、基準点と主走査測距点との間の主走査方向の距離と、該基準点と副走査測距点との間の副走査方向の距離と、原稿搬送ローラが1回転したときに原稿が搬送される理想的な副走査方向の距離とに基づき、副走査方向の倍率を算出する
    ことを特徴とする請求項9に記載の画像読取装置。
  14. 各区間における副走査方向の距離を、前記第2の算出手段により算出された副走査方向の倍率で除算した値をプロットすることで得られる近似曲線の式に従い、前記ラインイメージセンサの読み取り開始トリガの発生タイミングを補正するための補正値を算出する第5の算出手段を更に有することを特徴とする請求項13に記載の画像読取装置。
  15. 複数の前記ラインイメージセンサを有し、
    前記複数のラインイメージセンサは、主走査方向に沿って千鳥状に配置されており、
    前記千鳥状に配置されたラインイメージセンサの重複部で前記チャートを読み取った読み取りデータに基づき、前記重複部を成すラインイメージセンサの間の読み取り画像のずれ量を示すオフセット値を算出する第6の算出手段を更に有する
    ことを特徴とする請求項1乃至14の何れか1項に記載の画像読取装置。
  16. 前記第6の算出手段は、前記複数のドットパターンそれぞれの座標と、前記ラインイメージセンサごとの傾き角とに基づき、前記オフセット値を算出する
    ことを特徴とする請求項15に記載の画像読取装置。
  17. 前記チャートにおいて、少なくとも2つ以上の前記ドットパターンが、前記重複部に対して、主走査方向に沿って配置されている
    ことを特徴とする請求項15または16に記載の画像読取装置。
  18. 前記第6の算出手段は、前記少なくとも2つ以上のドットパターンそれぞれに対して算出した値を平均することで、前記オフセット値を算出する
    ことを特徴とする請求項17に記載の画像読取装置。
  19. 前記チャートにおいて、前記少なくとも2つ以上のドットパターンのサイズは、主走査方向における位置によって変わる
    ことを特徴とする請求項17に記載の画像読取装置。
  20. 前記チャートにおいて、前記少なくとも2つ以上のドットパターンの光学濃度は、主走査方向における位置によって変わる
    ことを特徴とする請求項17に記載の画像読取装置。
  21. 前記チャートにおいて、少なくとも1つの前記ドットパターンが、前記重複部のうちの該重複部を成す各ラインイメージセンサを構成するチップが重複するチップ重複部に対して、配置されていることを特徴とする請求項15または16に記載の画像読取装置。
  22. 前記チャートにおいて、少なくとも2つ以上の前記ドットパターンが、原稿搬送ローラの円周の長さ分、副走査方向に沿って配置されており、
    前記第6の算出手段は、前記少なくとも2つ以上のドットパターンそれぞれに対して算出した値を平均することで、前記オフセット値を算出する
    ことを特徴とする請求項15乃至17の何れか1項に記載の画像読取装置。
  23. ラインイメージセンサにより原稿の画像を読み取る画像読取装置の制御方法であって、
    複数のドットパターンが印刷されたチャートを読み取ることで取得した読み取りデータに基づき、該複数のドットパターンそれぞれの座標を導出する第1の導出ステップと、
    前記第1の導出ステップにおいて導出された座標に基づき、前記ラインイメージセンサの傾き角を導出する第2の導出ステップと、
    前記第2の導出ステップにおいて導出された傾き角に基づき、前記ラインイメージセンサの傾き補正用の第1の補正値を算出する第1の算出ステップと、
    を有し、
    前記チャートにおいて、前記複数のドットパターンは、互いに孤立して配置されている
    ことを特徴とする制御方法。
  24. コンピュータに請求項23に記載の制御方法を実行させるためのプログラム。
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