JP2021061214A - 積層型電池の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電極板の表面に形成される被膜の厚みにムラが生じることが抑制された積層型電池の製造方法を提供する。【解決手段】積層型電池の製造方法は、外装体と、外装体の内部に収容され、正極板及び負極板を含む複数の板状部材を有する膜電極接合体と、外装体の内部に収容され、還元電位を有する添加剤を含む電解液と、を準備する準備工程と、膜電極接合体の正極板及び負極板を電源に電気的に接続し、負極板の電位が、添加剤が有する還元電位のうち最も高い還元電位よりも高い状態を維持するように、膜電極接合体を充電する前充電工程と、正極板及び負極板と電源との接続を外して、膜電極接合体を放置する、放置工程と、膜電極接合体の正極板及び負極板を電源に電気的に接続して、負極板の電位が、添加剤が有する還元電位のうち最も高い還元電位以下となるように、膜電極接合体を充電する初期充電工程と、をこの順に備える。【選択図】図10

Description

本発明は、積層型電池の製造方法に関する。
例えば特許文献1で提案されているように、複数の電極板を有する積層型電池が広く普及している。積層型電池の一例として、リチウムイオン二次電池が例示され得る。リチウムイオン二次電池は、他の形式の積層型電池と比較して大容量であることを特徴の一つとしている。このような特徴を有するリチウムイオン二次電池は、今般、車載用途や定置住宅用途等の種々の用途での更なる普及を期待されている。
リチウムイオン二次電池に代表される積層型電池は、例えば、正極板及び負極板などの電極板を有する膜電極接合体を収容している、熱可塑性樹脂を含むフィルムによって構成された外装体の内部に電解液を注入し、電極板の表面に電解液を供給した後、膜電極接合体を充電する初期充電の工程を行うことによって電解液を反応させ、電極板の表面に被膜を形成することによって、製造される。
特開2016−35916号公報
積層型電池の製造に際し、初期充電の工程における充電によって添加剤の反応により形成される被膜の厚みにムラが生じるおそれがあった。被膜の厚みにムラが生じると、被膜の抵抗が増大し、積層型電池について充放電を繰り返した場合の容量維持率が低下するおそれがあった。
本発明は、このような課題を効果的に解決し得る積層型電池の製造方法を提供することを目的とする。
本発明による積層型電池の製造方法は、外装体と、前記外装体の内部に収容され、正極板及び負極板を含む複数の板状部材を有する膜電極接合体と、前記外装体の内部に収容され、還元電位を有する添加剤を含む電解液と、を準備する準備工程と、前記膜電極接合体の前記正極板及び前記負極板を電源に電気的に接続し、前記負極板の電位が、前記添加剤が有する還元電位のうち最も高い還元電位よりも高い第1電位から、前記第1電位よりも低く、かつ前記添加剤が有する還元電位のうち最も高い還元電位よりも高い第2電位になるまで、前記膜電極接合体を充電する前充電工程と、前記正極板及び前記負極板と電源との接続を外して、前記膜電極接合体を放置する、放置工程と、前記膜電極接合体の前記正極板及び前記負極板を電源に電気的に接続して、前記負極板の電位が、前記添加剤が有する還元電位のうち最も高い還元電位以下となるように、前記膜電極接合体を充電する初期充電工程と、をこの順に備える。
本発明による積層型電池の製造方法において、前記第2電位は、前記添加剤が有する還元電位のうち最も高い還元電位よりも0.1V以上高くてもよい。
本発明による積層型電池の製造方法において、前記負極板は、導電性材料を含む負極集電体を有し、前記負極集電体は、酸化電位を有し、前記第2電位は、前記負極集電体が有する酸化電位よりも低くてもよい。
本発明による積層型電池の製造方法において、前記第2電位は、前記負極集電体が有する酸化電位よりも0.1V以上低くてもよい。
本発明による積層型電池の製造方法において、前記初期充電工程においては、前記負極板の電位が、前記添加剤が有する還元電位のうち、最も低い還元電位以下となるように、前記膜電極接合体を充電してもよい。
本発明による積層型電池の製造方法において、前記添加剤は、エチレンサルファイト、フルオロエチレンカーボネート、クラウンテーテル及びビニレンカーボネートの少なくともいずれか一つを含んでもよい。
本発明による積層型電池の製造方法において、前記準備工程の後、前記前充電工程の前に、前記膜電極接合体を12時間以下の時間だけ放置する、前充電前放置工程をさらに備えてもよい。
本発明による積層型電池の製造方法において、前記放置工程においては、前記膜電極接合体を、前記前充電前放置工程において前記膜電極接合体を放置する時間よりも長い時間だけ放置してもよい。
本発明による積層型電池の製造方法において、前記放置工程においては、前記膜電極接合体を、3時間よりも長い時間だけ放置してもよい。
本発明による積層型電池の製造方法において、前記放置工程においては、前記膜電極接合体を、7日間以下の時間だけ放置してもよい。
本発明による積層型電池の製造方法において、複数の前記板状部材は、正極板と負極板との間に位置する絶縁体をさらに有してもよい。
本発明による積層型電池の製造方法において、前記絶縁体は、ポリエチレン、ポリプロピレン、フッ素系化合物及びアラミド繊維の少なくともいずれか一つを含んでもよい。
本発明による積層型電池の製造方法において、前記負極板の面積は、400cm以上1200cm以下であってもよい。
本発明の積層型電池の製造方法によれば、電極板の表面に形成される被膜の厚みにムラが生じることを抑制することができる。
図1は、本発明の一実施の形態を説明するための図であって、積層型電池を示す斜視図である。 図2は、図1の積層型電池に含まれる膜電極接合体を示す斜視図である。 図3は、図1の積層型電池に含まれる膜電極接合体を示す平面図である。 図4は、図3のIV−IV線に沿った断面を示す断面図である。 図5は、図3のV−V線に沿った断面を示す断面図である。 図6は、第1開口部を有し、膜電極接合体を収容している外装体を示す図である。 図7は、図6に示す外装体に電解液を注入した様子を示す断面図である。 図8は、第1封止工程において第1開口部を封止した様子を示す図である。 図9は、図8のIX−IX線に沿った断面を示す図である。 図10は、初期充電工程において膜電極接合体を充電した後の様子を示す図である。 図11は、第2開口形成工程において第2開口部を形成した様子を示す図である。 図12は、外装体の内部に電解液を注入した直後における負極板の様子を示す平面図である。 図13は、比較例における積層型電池の製造方法において、前充電工程を行った後の負極板の様子を示す図である。 図14は、比較例における積層型電池の製造方法において、初期充電工程を行った後の負極板の様子を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
まず、本発明による積層型電池の製造方法の一実施の形態によって製造される積層型電池について説明する。図1〜図11は、本発明による積層型電池の製造方法の一実施の形態によって製造される積層型電池を説明するための図である。図1は、積層型電池の一具体例を示す斜視図である。積層型電池1は、膜電極接合体2と、膜電極接合体2を収容する外装体3と、膜電極接合体2に取り付けられたタブ16,26と、タブ16,26に取り付けられたシーラント18,28と、を備える。タブ16,26及びシーラント18,28は、外装体3の内部から部分的に外部へと延び出している。
図2は、図1において外装体3に収容されている膜電極接合体2を示す斜視図であり、外装体3が二点鎖線で示されている。図3は、積層型電池1を示す平面図である。以下、積層型電池1の各構成要素について説明する。
(膜電極接合体)
膜電極接合体2は、電極板を含む積層された複数の板状部材を有する。図2に示す例において、膜電極接合体2の板状部材は、電極板として、交互に積層された第1電極板10及び第2電極板20を含む。本実施の形態においては、膜電極接合体2がリチウムイオン二次電池を構成する例について説明する。この例において、第1電極板10は正極板10Xを構成し、第2電極板20は負極板20Yを構成するものとする。ただし、以下に説明する作用効果の記載からも理解され得るように、ここで説明する一実施の形態は、リチウムイオン二次電池に限定されることなく、第1電極板10及び第2電極板20を交互に積層してなる膜電極接合体2に広く適用され得る。
図4は、図3のIV−IV線に沿った膜電極接合体2を示す断面図である。図2〜図4に示すように、膜電極接合体2は、板状部材60として、複数の正極板10X(第1電極板10)及び負極板20Y(第2電極板20)を有している。正極板10X及び負極板20Yは、積層方向dL(図4参照)に沿って交互に配列されている。膜電極接合体2及び積層型電池1は、全体的に偏平形状を有し、積層方向dLへの厚さが薄く、積層方向dLに直交する方向d1,d2に広がっている。
図示された非限定的な例において、正極板10X及び負極板20Yは、長方形形状の外輪郭を有している。正極板10X及び負極板20Yは、積層方向dLに直交するとともにタブ16,26が延びる方向である第1方向d1に長手方向を有し、積層方向dL及び第1方向d1の両方に直交する第2方向d2に短手方向を有する。正極板10X及び負極板20Yは、第1方向d1にずらして配置されている。より具体的には、複数の正極板10Xは、第1方向d1における一側(図2の右上側)に寄って配置され、複数の負極板20Yは、第1方向d1における他側(図2の左下側)に寄って配置されている。正極板10X及び負極板20Yは、第1方向d1における中央において、積層方向dLに重なり合っている。
正極板10X(第1電極板10)は、図示するように、シート状の外形状を有している。正極板10X(第1電極板10)は、導電性材料を含む正極集電体11X(第1電極集電体11)と、正極集電体11X上に設けられた正極活物質層12X(第1電極活物質層12)と、を有している。リチウムイオン二次電池において、正極板10Xは、放電時にリチウムイオンを放出し、充電時にリチウムイオンを吸蔵する。
正極集電体11Xは、互いに対向する第1面11a及び第2面11bを主面として有している。正極活物質層12Xは、正極集電体11Xの第1面11a及び第2面11bの少なくとも一方の面上に形成される。図示はしないが、例えば正極集電体11Xの第1面11a又は第2面11bが、膜電極接合体2のうちの積層方向dLにおける最外面を形成する場合には、正極集電体11Xの当該面には正極活物質層12Xが設けられない。この正極集電体11Xの配置に関連した構成を除き、積層型電池1に含まれる複数の正極板10Xは、正極集電体11Xの両側に正極活物質層12Xを有し、互いに同一に構成され得る。
正極集電体11X及び正極活物質層12Xは、積層型電池1(リチウムイオン二次電池)に適用され得る種々の材料を用いて種々の製法により、作製され得る。一例として、正極集電体11Xは、アルミニウム箔によって形成され得る。正極活物質層12Xは、例えば、正極活物質、導電助剤、バインダーとなる結着剤を含んでいる。正極活物質層12Xは、正極活物質、導電助剤及び結着剤を溶媒に分散させてなる正極用スラリーを、正極集電体11Xをなす材料上に塗工して固化させることで、作製され得る。正極活物質として、例えば、一般式LiM(ただし、Mは金属であり、x及びyは金属Mと酸素Oの組成比である)で表される金属酸リチウム化合物が用いられる。金属酸リチウム化合物の具体例として、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウム等が例示され得る。導電助剤としては、アセチレンブラック等が用いられ得る。結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン等が用いられ得る。一例として、正極活物質層12Xは、内部に液体が含浸し得る間隙を有する層である。
図2に示すように、正極集電体11X(第1電極集電体11)は、第1接続領域a1及び第1接続領域a1に隣接する第1有効領域b1を有している。正極活物質層12X(第1電極活物質層12)は、正極集電体11Xの第1有効領域b1のみに配置されている。第1接続領域a1及び第1有効領域b1は、正極板10Xの長手方向に配列されている。第1接続領域a1は、第1有効領域b1よりも正極板10Xの長手方向における外側(図2における右上側)に位置している。複数の正極集電体11Xは、第1接続領域a1において、抵抗溶接や超音波溶接、テープによる貼着、融着等によって接合され、電気的に接続している。一方、第1有効領域b1は、負極板20Yの後述する負極活物質層22Yに対面する領域内に位置している。このような第1有効領域b1の配置により、正極活物質層12Xからのリチウムの析出を防止することができる。
次に、負極板20Y(第2電極板20)について説明する。負極板20Yも、正極板10Xと同様に、シート状の外形状を有している。負極板20Y(第2電極板20)は、導電性材料を含む負極集電体21Y(第2電極集電体21)と、負極集電体21Y上に設けられた負極活物質層22Y(第2電極活物質層22)と、を有している。リチウムイオン二次電池において、負極板20Yは、放電時にリチウムイオンを吸蔵し、充電時にリチウムイオンを放出する。
負極集電体21Yは、互いに対向する第1面21a及び第2面21bを主面として有している。負極活物質層22Yは、負極集電体21Yの第1面21a及び第2面21bの少なくとも一方の面上に形成される。積層型電池1に含まれる複数の負極板20Yは、負極集電体21Yの両側に設けられた一対の負極活物質層22Yを有するものとして、互いに同一に構成され得る。
負極集電体21Y及び負極活物質層22Yは、積層型電池1(リチウムイオン二次電池)に適用され得る種々の材料を用いて種々の製法により、作製され得る。一例として、負極集電体21Yは、例えば銅箔によって形成される。負極活物質層22Yは、例えば、炭素材料からなる負極活物質、及び、バインダーとして機能する結着剤を含んでいる。負極活物質層22Yは、例えば、炭素粉末や黒鉛粉末等からなる負極活物質とポリフッ化ビニリデンのような結着剤とを溶媒に分散させてなる負極用スラリーを、負極集電体21Yをなす材料上に塗工して固化することで、作製され得る。一例として、負極活物質層22Yは、内部に液体が含浸し得る間隙を有する層である。本実施の形態において、負極集電体21Yは、酸化電位を有する。ここで、負極集電体21Yの酸化電位とは、負極集電体21Yが酸化される電位である。一例として、負極集電体21Yが銅箔によって形成されている場合には、負極集電体21Yの酸化電位は、銅(Cu)が酸化される電位である。
図2に示すように、負極集電体21Y(第2電極集電体21)は、第2接続領域a2及び第2接続領域a2に隣接する第2有効領域b2を有している。負極活物質層22Y(第2電極活物質層22)は、負極集電体21Yの第2有効領域b2に配置されている。第2接続領域a2及び第2有効領域b2は、負極板20Yの長手方向に配列されている。第2接続領域a2は、第2有効領域b2よりも負極板20Yの長手方向における外側(図2における左下側)に位置している。複数の負極集電体21Yは、第2接続領域a2において、抵抗溶接や超音波溶接、テープによる貼着、融着等によって接合され、電気的に接続している。一方、第2有効領域b2は、正極板10Xの正極活物質層12Xに対面する領域に広がっている。
図4に示す例において、負極板20Y(第2電極板20)は、絶縁層30を有している。絶縁層30は、正極板10X(第1電極板10)及び負極板20Y(第2電極板20)の短絡を防止する。絶縁層30は、各負極板20Yに含まれる一対の負極活物質層22Yを覆うようにして、設けられている。そして、負極板20Yは、正極板10Xの正極活物質層12Xと積層方向dLに対面する面を、絶縁層30によって形成されている。図示された例において、絶縁層30は、電解質層30Aとしても機能する。本実施の形態において、絶縁層30は、後述する初期充電工程において膜電極接合体が充電されることによって、後述する電解液の添加剤を活物質層上で反応させることによって形成される被膜である。
本実施の形態においては、図3に示すように、正極板10Xの第2方向d2における幅が、負極板20Yの第2方向における幅よりも小さくなっている。また、本実施の形態においては、図3に示すように、正極板10Xの面積は負極板20Yの面積よりも小さくなっており、正極活物質層12Xの面積は負極活物質層22Yの面積よりも小さくなっている。
図4に示す例において、膜電極接合体2は、板状部材60として、正極板10X(第1電極板10)及び負極板20Y(第2電極板20)の他に、さらに絶縁体40を含む。絶縁体40は、正極板10X(第1電極板10)及び負極板20Y(第2電極板20)の短絡を防止する。図4に示す例においては、絶縁体40は、交互に積層された正極板10Xと負極板20Yとの間に位置する。絶縁体40は、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、フッ素系化合物及びアラミド繊維の少なくともいずれか一つを含む板状の部材である。図3に示す例においては、膜電極接合体2に含まれる、絶縁体40の輪郭を、一点鎖線にて示している。図3に示す非限定的な例において、絶縁体40は、長方形形状の外輪郭を有している。図3に示す例において、絶縁体40の第2方向d2における幅は、正極板10X及び負極板20Yの第2方向d2における幅よりも大きい。
(タブ)
タブ16,26は、複数の電極板のうち少なくとも一つの電極板に電気的に接続されている。図2に示す例において、タブ16,26は、正極板10Xと電気的に接続した第1タブ16と、負極板20Yと電気的に接続した第2タブ26と、を有する。図5は、図3のV−V線に沿った断面を示す断面図である。図5に示す二点鎖線は、外装体3の第1部材4及び第2部材5の位置の一例を示している。図5に示すように、第1タブ16は、正極板10Xのうち、正極集電体11Xに電気的に接続されている。また、図示はしないが、第2タブ26は、負極板20Yのうち、負極集電体21Yに電気的に接続されている。図5に示す例において、第1タブ16は、第1接続領域a1において最も下側に位置する正極集電体11Xの第2面11b(下面)に接続されている。図示はしないが、第2タブ26も、第2接続領域a2において最も下側に位置する負極集電体21Yの第2面21b(下面)に接続されている。なお、正極集電体11Xと第1タブ16とが電気的に接続され得る限りにおいて、第1タブ16の取り付け方は任意である。同様に、負極集電体21Yと第2タブ26とが電気的に接続され得る限りにおいて、第2タブ26の取り付け方は任意である。
図2及び図5に示すように、第1タブ16は、外装体3の後述する第1部材4及び第2部材5の間を通って外装体3の内部から外部へと第1方向d1に延び出している。また、図2に示すように、第2タブ26は、外装体3の第1部材4及び第2部材5の間を通って外装体3の内部から外部へと第1方向d1に延び出している。第1タブ16は、積層型電池1における正極端子として機能し、第2タブ26は、積層型電池1における負極端子として機能する。
第1タブ16及び第2タブ26は、例えばアルミニウム、ニッケル、銅合金又はニッケルメッキ銅等を用いて形成され得る。例えば、正極集電体11Xがアルミニウム箔によって形成され、負極集電体21Yが銅箔によって形成される場合には、アルミニウムを用いて第1タブ16を形成し、銅合金を用いて第2タブ26を形成することができる。第1タブ16及び第2タブ26の厚みは、例えば0.2mm以上であり、2.0mm以下であってもよい。
(シーラント)
シーラント18,28は、外装体3と溶着可能な材料から構成された部材である。シーラント18,28の材料としては、ポリプロピレン、変性ポリプロピレン、低密度ポリプロピレン、アイオノマー、エチレン・酢酸ビニル等を挙げることができる。シーラント18,28の厚みは、例えば0.05mm以上であり、0.4mm以下であってもよい。
シーラント18,28は、第1タブ16と外装体3との間に位置する第1シーラント18と、第2タブ26と外装体3との間に位置する第2シーラント28と、を有する。図5に示すように、後述する外装体3の第1部材4と第2部材5とが接合されている領域である封止領域7において、外装体3と第1タブ16との間には第1シーラント18が介在している。また、図示はしないが、外装体3と第2タブ26との間には第2シーラント28が介在している。これにより、タブ16,26の周囲において外装体3をより強固に封止することができる。また、外装体3に含まれているアルミニウム箔やステンレス箔などの金属箔とタブ16,26とが短絡してしまうことを抑制することができる。
(外装体)
外装体3は、膜電極接合体2を外部から封止するための包装材である。外装体3は、図1に示すように、膜電極接合体2の上側に位置するシート状の第1部材4と、膜電極接合体2の下側に位置するシート状の第2部材5と、を有する。第1部材4及び第2部材5は、平面視において膜電極接合体2を囲むように外縁に沿って互いに接合されている。図3に示すように、外装体3の第1部材4及び第2部材5は、平面視において、第1辺3cと、第1辺3cに対向する第2辺3dと、第1辺3cが延びる方向とは異なる方向に延びる第3辺3e及び第4辺3fと、を含む矩形状の形状を有する。図3に示す例においては、第1辺3c及び第2辺3dは第2方向d2に沿って延びる。また、第3辺3e及び第4辺3fは第1方向d1に沿って延びる。
以下の説明において、外装体3のうち、第1部材4と第2部材5との間に膜電極接合体2を収容する収容空間6aを画成している領域のことを、収容領域6とも称する。また、外装体3のうち、収容領域6の外周に位置し、第1部材4と第2部材5とが接合されている領域のことを、封止領域7とも称する。図3においては、封止領域7がハッチングで表されている。
第1部材4及び第2部材5は、一例として、基材と、基材よりも収容空間6a側に位置する熱可塑性樹脂層と、を含む。基材は、ナイロン、PET(ポリエチレンテレフタレート)などの、剛性を有するプラスチックフィルムを備える。基材は、プラスチックフィルムよりも収容空間6a側に位置する金属箔を更に備えていてもよい。金属箔の例としては、アルミニウム箔、ステンレス箔等を挙げることができる。熱可塑性樹脂層は、熱可塑性樹脂を含む層である。熱可塑性樹脂層は、封止領域7において加熱されることにより溶融して、第1部材4と第2部材5とを接合する接合部を形成している。熱可塑性樹脂の例としては、ポリプロピレン、変性ポリプロピレン、低密度ポリプロピレン、アイオノマー、エチレン・酢酸ビニル等を挙げることができる。
次に、リチウムイオン二次電池として構成された本実施の形態に係る積層型電池1の製造方法について説明する。以下に説明する積層型電池1の製造方法は、外装体3と、外装体3の内部に収容されている膜電極接合体2及び電解液とを準備する準備工程と、膜電極接合体2を充電する前充電工程と、膜電極接合体2を放置する放置工程と、膜電極接合体2を充電する初期充電工程と、をこの順に備える。また、本実施の形態に係る積層型電池の製造方法は、上述の工程に加えて、準備工程の後、前充電工程の前に、膜電極接合体2を放置する、前充電前放置工程と、初期充電工程の後に外装体3に第2開口部を形成する第2開口形成工程と、第2開口部を封止する封止工程と、をさらに備える。以下、各工程について説明する。
(準備工程)
準備工程においては、図6に示すように、外装体3と、外装体3の内部に収容されている膜電極接合体2及び電解液とを準備する。本実施の形態においては、準備工程において、外装体3、膜電極接合体2及び電解液とともに、膜電極接合体2の少なくとも一つの電極板10,20に電気的に接続しているタブ16,26を準備する。本実施の形態に係る準備工程は、膜電極接合体2及び膜電極接合体2の少なくとも一つの電極板10,20に電気的に接続しているタブ16,26を準備する工程と、第1開口部3aを有する外装体3の内部に膜電極接合体2を収容する工程と、第1開口部3aを通して外装体3の内部に電解液を注入する工程と、第1開口部3aを封止する工程と、を含む。
膜電極接合体2とタブ16,26とは、例えば、正極板10Xおよび負極板20Yをそれぞれ作製する工程と、正極板10Xと負極板20Yと絶縁体40とを積層する工程と、タブ16,タブ26を、膜電極接合体2の正極板10Xの少なくとも一つ、又は負極板20Yの少なくとも一つに電気的に接続する工程と、によって、準備することができる。
また、以下の方法によって、第1開口部3aを有する外装体3の内部に膜電極接合体2を収容することができる。まず、膜電極接合体2を第1部材4と第2部材5との間に配置する。続いて、第1辺3c、第2辺3d及び第3辺3eにおいて、第1部材4と第2部材5とを熱溶着によって接合する。図6に示す例において、外装体3は、収容領域6及び封止領域7のほかに、製造される積層型電池1において第4辺3fが形成される位置を示す破線L1からみて収容領域6とは反対側に広がる、外部領域9を有する。また、図6に示す外装体3は、第3辺3eと対向する外部領域辺3gを有する。図6に示す例において、第1開口部3aは、外部領域辺3gの位置に設けられている。
外装体3の内部に膜電極接合体2を収容した後に、第1開口部3aを通して外装体3の内部に電解液を注入する。図7は、図6に示す外装体3に電解液を注入した様子を示す、図6のVII−VII線に沿った断面図である。電解液の注入は、図7に示すように、外装体3の第1開口部3aが上側に位置するように、外装体3を支持した状態で行う。この場合、外装体3を支持する方法は、特に限定されない。外装体3は、図示はしないが、例えば外装体3の第1部材4側に接触する部分と第2部材5側に接触する部分とを有するスタンドによって、第1部材4側と第2部材5側との両側から外装体3を支持することによって、第1開口部3aが上側に位置するように支持される。図7に示す例において、注入された電解液は、重力の作用のために、外装体3の第1開口部3aとは反対側に位置する第3辺3e側において、液溜まり70を形成している。
本実施の形態においては、電解液として、後述する初期充電工程において膜電極接合体2が充電されることによって、電極板10,20のうち、負極板20Yの表面で固化又はゲル化などの反応により、図4に示すような絶縁層30となる被膜を形成する添加剤を含むものを用いる。一例として、電解液の添加剤は、負極板20Yの表面で固化又はゲル化した場合に、負極板20Yに対する粘着性を有するものである。また、電解液の添加剤は、負極板20Yの板面から分離しない自立膜を形成するものであることが好ましい。電解液は、例えば溶媒と、電解質塩と、添加剤とを含む。
溶媒は、例えば有機溶媒である。この場合、溶媒としては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVDF−HFP)、ポリアクリロニトリル、ポリエチレンオキシドやポリプロピレンオキシド等のアルキレンエーテルをはじめ、ポリエステル、ポリアミン、ポリフォスファゼン、ポリシロキサン等が用いられる。
電解質塩としては、特に限定されないが六フッ化リン酸リチウム(LiPF)、過塩素酸リチウム、四フッ化ホウ酸リチウム等のリチウム塩等が使用できる。
添加剤は、還元電位を有する。このため、負極板の電位が還元電位以下の電位になると、還元されることによって、電極板の表面に被膜を形成する。添加剤を還元することによって電極板の表面に被膜を形成する場合、電解液は、還元電位の異なる複数の添加剤を含んでもよい。添加剤としては、γ−ブチロラクトン等のラクトン化合物;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、フルオロエチレンカーボネート(FEC)、ビニレンカーボネート(VC)等の炭酸エステル化合物;ギ酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸メチル等のカルボン酸エステル化合物;テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、クラウンエーテル等のエーテル化合物;アセトニトリル等のニトリル化合物;スルホラン等のスルホン化合物;ジメチルホルムアミド等のアミド化合物;エチレンサルファイト等が、単独で、または2種類以上が混合されて用いられる。特に、電解液を固化して、固体電解質膜の被膜を形成する場合、添加剤は、フルオロエチレンカーボネート、ビニレンカーボネート等の炭酸エステル化合物;アセトニトリル等のニトリル化合物;テトラヒドロフラン等のエーテル化合物:ジメチルホルムアミド等のアミド系化合物のいずれか1種類、または2種類以上の混合物を含んでいてもよい。一例として、添加剤は、フルオロエチレンカーボネート及びビニレンカーボネートの少なくともいずれか一つを含む。
外装体3の内部に電解液を注入した後に、第1開口部3aを封止する。一例として、第1開口部3aの封止は、外装体3の内部を減圧した状態で行う。この場合、まず、電解液が注入された外装体3を、図示しないスタンドによって第1開口部3aが上側に位置するように支持された状態にて、減圧チャンバ内に配置し、減圧チャンバ内を減圧することによって、外装体3の内部を減圧する。次に、外装体3の内部を減圧した状態で、第1開口部3aを封止する。本実施形態においては、外装体3の外部領域辺3gにおいて、第1部材4と第2部材5とを熱溶着によって接合することによって、図8に示すように、外部領域辺3gにおいて第1部材4と第2部材5との間に封止領域7を形成して、第1開口部3aを封止する。図9は、図8のX−X線に沿った断面を示す断面図である。
第1開口部3aを封止する際に外装体3の内部を減圧することによって、電極板10,20を含む板状部材60同士の間に位置する気体が除かれ、電極板10,20同士の間隔が狭められる。このため、電極板10,20同士の間に多くの空気が残存した状態、又は電極板10,20同士の間隔が広がった状態で、後述する前充電及び初期充電が行われることが抑制される。これによって、後述する前充電及び初期充電の際に、正極板10Xと負極板20Yとの間隔が広がっていることに起因して正極板10Xから負極板20Yへ移動するリチウムイオン移動量が減少することを抑制することができる。また、電極板10,20同士の間に空気が残存し、残存した空気中の水分とリチウムイオンとが反応することを抑制することができる。以上の理由から、製造される積層型電池1の容量が小さくなることを抑制することができる。
(前充電前放置工程)
本実施の形態においては、準備工程の後、後述する前充電工程の前に、膜電極接合体2を放置する、前充電前放置工程を行う。一例として、前充電前放置工程においては、外装体3を、図示しないスタンドによって第1開口部3aが上側に位置するように支持された状態にて、12時間以下の時間だけ、外装体3及び膜電極接合体2を放置する。前充電前放置工程において、膜電極接合体2は、充電されていない状態であるために、充電がされている膜電極接合体2と比較して、負極板20Yの電位が高く、負極板20Yが酸化されやすくなっている。前充電前放置工程において膜電極接合体2を放置する時間を12時間以下とすることによって、前充電前放置工程において負極板20Yの酸化が大きく進むことを抑制することができる。放置工程において膜電極接合体2を放置する時間は、例えば1分以上である。
(前充電工程)
前充電工程においては、膜電極接合体2の正極板10X及び負極板20Yを、電源に電気的に接続して、電源を用いて膜電極接合体2を充電する。本実施の形態においては、図8及び図9に示すように外装体3の内部に収容された膜電極接合体2を、第1タブ16及び第2タブ26を介して充電する。この場合、電源の正極を第1タブ16に、電源の負極を第2タブ26に、それぞれ電気的に接続する。次に、電源を用いて、積層型電池1に電流を流す。これによって、積層型電池1が前充電される。
膜電極接合体2を充電することによって、充電する前と比較して、正極板10Xの電位は高くなり、負極板20Yの電位は低くなり、正極板10Xと負極板20Yとの電位差、すなわち膜電極接合体2の電圧は大きくなる。ここで、前充電工程においては、負極板20Yの電位が、第1電位から第2電位になるまで、膜電極接合体2を充電する。第1電位は、添加剤が有する還元電位のうち最も高い還元電位よりも高い電位である。また、第2電位は、第1電位よりも低く、かつ添加剤が有する還元電位のうち最も高い還元電位よりも高い電位である。これによって、負極板20Yの電位が、前充電によっては添加剤の還元電位のうち最も高い還元電位以下とならないようにし、前充電の際に添加剤の還元反応によって負極板20Yの表面に被膜が形成されることを抑制することができる。第2電位は、添加剤が有する還元電位のうち最も高い還元電位よりも0.1V以上高いことが好ましい。これによって、前充電の際に添加剤の還元反応によって負極板20Yの表面に被膜が形成されることを、より効果的に抑制することができる。
一例として、電解液が添加剤としてフルオロエチレンカーボネート及びビニレンカーボネートを含む場合について考える。この場合、フルオロエチレンカーボネートの還元電位は1.2V、ビニレンカーボネートの還元電位は0.7Vであるため、第2電位は、より還元電位の高いフルオロエチレンカーボネートの還元電位である1.2Vよりも高くなるように定められる。この場合において、特に、第2電位を、添加剤が有する還元電位のうち最も高い還元電位よりも0.1V以上高くするときは、第2電位は、1.3Vよりも高くなるように定められる。なお、本実施の形態においては、添加剤の還元電位及び負極板20Yの電位の値として、リチウム金属電極のLi/Li平衡電位を0と定義した場合における値を示している。
また、第2電位は、負極集電体21Yが有する酸化電位よりも低くなるように定められる。言い換えると、前充電工程においては、負極板20Yの電位が、負極集電体21Yが有する酸化電位よりも低くなるように、膜電極接合体2を充電する。例えば、負極集電体21Yが銅箔によって形成されている場合には、第2電位は、銅(Cu)が酸化される電位よりも低くなるように定められる。これによって、前充電後における負極板20Yの電位を負極集電体21Yの酸化電位よりも低くして、前充電後の工程において負極板20Yが酸化されることを抑制することができる。例えば、負極板20Yの負極集電体21Yが銅箔によって形成されている場合に、前充電後、後述する放置工程の際に、負極集電体21Yを形成している銅箔が酸化されて溶出することを抑制することができる。第2電位は、負極集電体21Yが有する酸化電位よりも0.1V以上低いことが好ましい。これによって、前充電後の工程において負極板20Yが酸化されることを、より効果的に抑制することができる。
(放置工程)
本実施の形態においては、前充電工程の後、後述する初期充電工程の前に、膜電極接合体2を放置する、放置工程を行う。放置工程においては、まず、前充電工程において用いた電源と正極板10X及び負極板20Yとの接続を外す。次に、外装体3を、図示しないスタンドによって第1開口部3aが上側に位置するように支持された状態にて、外装体3及び膜電極接合体2を放置する。放置工程の間に、電解液は、電解液が局在している領域から、電解液の存在しない電極板10,20の内部の間隙へと含浸する。これによって、電解液は、電極板10,20の表面の広範囲に供給される。放置工程における電極板10,20への電解液の含浸は、例えば絶縁体40が内部に間隙を有する場合、図7に示す液溜まり70の電解液が、毛細管現象によって絶縁体40の内部の間隙を通って電極板10,20の表面まで移動し、電極板10,20に含浸することによって進行する。この場合、絶縁体40の内部の間隙を電解液が移動しやすくする観点からは、絶縁体40は、ポリエチレン、ポリプロピレン、フッ素系化合物及びアラミド繊維の少なくともいずれか一つを含むことが好ましい。また、電解液の電極板10,20への含浸は、電解液が毛細管現象によって電極板10,20の内部の間隙を移動することによって、進行してもよい。この場合、電解液は、例えば電極板10,20の活物質層12,22の内部の間隙に含浸してもよい。
放置工程において膜電極接合体2を放置する時間は、電解液の電極板10,20、特に負極板20Yへの含浸が十分に進行する時間であれば、特に限定されない。前充電によって負極板20Yの電位が低くされているため、放置工程の間は、上述の前充電前放置工程の間と異なり、負極板20Yの酸化が進む懸念は小さい。このため、放置工程においては、前充電前放置工程において膜電極接合体2を放置する時間よりも長い時間だけ膜電極接合体2を放置し、電解液の電極板10,20への含浸を進行させることができる。電解液の含浸が十分に進行する時間を、より確実に確保する観点からは、膜電極接合体2を放置する時間は、例えば3時間より長い時間である。積層型電池1の製造に要する時間の長期化を避ける観点からは、膜電極接合体2を放置する時間は、例えば7日間以下である。
(初期充電工程)
初期充電工程においては、膜電極接合体2の正極板10X及び負極板20Yを、電源に電気的に接続して、電源を用いて膜電極接合体2を充電する。初期充電工程において膜電極接合体2を充電する方法は、後述する点を除いて、前充電工程において膜電極接合体2を充電する方法と同様である。
初期充電工程においては、負極板20Yの電位が、電解液に含まれる添加剤が有する還元電位のうち最も高い還元電位以下となるように、膜電極接合体2を充電する。これによって、負極板20Yの表面において添加剤が還元され、図10に示すように、負極板20Yの、正極板10Xの正極活物質層12Xと積層方向dLに対面する面に、絶縁層30として被膜が形成される。初期充電工程においては、負極板20Yの電位が、添加剤が有する還元電位のうち、最も低い還元電位以下となるように、膜電極接合体2を充電することが好ましい。この場合、最も低い還元電位を有する添加剤も含め、電解液中の全ての添加剤を還元して被膜を形成することができる。なお、初期充電工程における電解液の反応、例えば電解液に含まれる添加剤の反応に伴って、外装体3の内部の収容空間6aを含む空間内にガスが発生する。
(第2開口形成工程)
第2開口形成工程においては、外装体3に第2開口部3bを形成する。第2開口形成工程においては、外装体3を破線L1に沿って裁断する。これによって、図11に示すように、外装体3を裁断した位置に、第2開口部3bが形成される。第2開口部3bによって、収容空間6aを、第2開口部3bを通して外部に連通させ、初期充電によって発生したガスを収容空間6aから抜くことができる。なお、外装体3を破線L1に沿って裁断することによって、外装体3に第4辺3fが形成される。
(封止工程)
封止工程においては、外装体3の内部を減圧した状態で、第2開口部3bを封止する。封止工程において外装体3の内部を減圧して第1開口部3aを封止する方法は、例えば準備工程において外装体3の内部を減圧して第2開口部3bを封止する方法と同様である。封止工程において、外装体3の内部を減圧した状態で第2開口部3bを封止することによって、製造される積層型電池1の板状部材60の間に気体が残って、板状部材60同士の間隔が大きくなることを抑制することができる。これによって、製造される積層型電池1のエネルギー密度の低下を抑制することができる。また、電極板10,20同士の間に多くの空気が残存した状態、又は電極板10,20同士の間隔が広がった状態で積層型電池1の充放電が行われることが、抑制される。これによって、正極板10Xと負極板20Yとの間隔が広がっていることに起因して、充放電時に正極板10Xと負極板20Yとの間を移動するリチウムイオンの量が減少することを抑制することができる。また、電極板10,20同士の間に空気が残存し、残存した空気中の水分とリチウムイオンとが反応することを抑制することができる。以上の理由から、製造される積層型電池1について充放電を繰り返す場合に、積層型電池1の容量が低下することを抑制することができる。
本実施の形態に係る積層型電池の製造方法によってもたらされる作用効果について、比較例と比較することによって具体的に説明する。
積層型電池の製造において、外装体3の内部に電解液を注入した直後には、電解液は、電極板10,20の表面の一部に局在していると考えられる。図12は、外装体3の内部に電解液を注入した直後における、負極板20Yのうち負極活物質層22Yが分布する領域の様子を示す平面図である。図12に示す例において、負極活物質層22Yの表面の一部には、電解液が局在する第1領域71が形成されている。第1領域71は、例えば、電解液を第1開口部3aから注入する際に、電解液の一部が負極板20Yに付着することによって形成される。また、図12に示す例において、負極活物質層22Yのうち第2方向d2における一方の端部側には、電解液が局在する第2領域72が形成されている。第2領域72は、図7に示すように外装体3の第3辺3e側に液溜まり70が形成される場合に、液溜まり70において電解液が負極活物質層22Yに付着することによって形成される。
比較例として、負極板20Yが図12に示す状態となっている膜電極接合体2を前充電する際に、負極板20Yの電位が、電解液に含まれる添加剤が有する還元電位のうち最も高い還元電位以下となるように膜電極接合体2を充電する場合について考える。この場合、前充電によって、第1領域71及び第2領域72において負極活物質層22Yに付着している一部の電解液の添加剤が還元され、図13に示すように、負極活物質層22Yの表面の一部に、被膜31が形成される。この場合において、前充電の後に膜電極接合体2を放置して電解液が負極活物質層22Yの広範囲に含浸するのを待ち、その後に初期充電をしたとき、絶縁層30として形成される被膜は、図14に示すように、第1部分32と、第1部分32よりも厚みの大きい第2部分33とを有するものとなる。図14に示す例においては、前充電において被膜31が形成された領域に位置する第2部分33において、前充電において被膜31が形成されなかった領域に位置する第1部分32よりも、被膜31の分、絶縁層30の厚みが大きくなっている。このように絶縁層30として形成される被膜の厚みにムラが生じている場合、特に被膜が厚くなっている部分において被膜の抵抗が増大するおそれがあった。このため、電極板10,20の利用率が低下するおそれがあった。また、被膜の抵抗の増大のために、積層型電池について充放電を繰り返した場合の容量維持率が低下するおそれがあった。また、前充電において負極活物質層22Yの表面の一部に被膜31が形成されることを抑制するために、電解液の注液後、前充電の前に、膜電極接合体2を長時間放置して、電解液の電極板10,20への含浸が進むのを待つことも考えられる。しかしながら、この場合、前充電の前においては、前充電の後と比べて負極板20Yの電位が高いために、長時間の放置によって負極板20Yの酸化が進む可能性がある。
これに対して、本実施の形態に係る積層型電池の製造方法は、前充電工程において、負極板20Yの電位が、添加剤が有する還元電位のうち最も高い還元電位よりも高い第1電位から、第1電位よりも低く、かつ添加剤が有する還元電位のうち最も高い還元電位よりも高い第2電位になるまで、膜電極接合体2を充電する。このため、前充電工程において、負極活物質層22Yの一部に局在的に被膜が形成されることを抑制することができる。これによって、初期充電工程において絶縁層30として被膜を形成する際に、被膜の厚みにムラが生じることを抑制することができる。また、本実施の形態に係る積層型電池の製造方法においては、上述のとおり前充電工程において負極活物質層22Yに被膜が形成されることが抑制されるため、前充電の前に膜電極接合体2を長時間放置して、電解液の電極板10,20への含浸が進むのを待つ必要がない。このため、前充電の前に膜電極接合体2を放置する時間を短くして、放置によって負極板20Yの酸化が大きく進むことを抑制することができる。
本実施の形態に係る積層型電池の製造方法によれば、負極板20Yの面積が特に大きな積層型電池1を製造する場合においても、負極板20Yの表面に形成される被膜の厚みにムラが生じることを抑制することができる。このため、本実施の形態に係る積層型電池の製造方法は、面積の大きな負極板20Yを有する積層型電池1の製造に、特に適している。本実施の形態に係る積層型電池の製造方法に特に適している積層型電池1の負極板20Yの面積は、例えば400cm以上1200cm以下である。また、負極活物質層22Yの面積は、例えば300cm以上1000cm以下である。
以上において、具体例を参照しながら一実施の形態を説明してきたが、上述した具体例が一実施の形態を限定することを意図していない。上述した一実施の形態は、その他の様々な具体例で実施されることが可能であり、その要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。
1 積層型電池
2 膜電極接合体
3 外装体
3a 第1開口部
3b 第2開口部
4 第1部材
5 第2部材
6 収容領域
6a 収容空間
7 封止領域
10 第1電極板
10X 正極板
11 第1電極集電体
11X 正極集電体
11a 第1面
11b 第2面
12 第1電極活物質層
12X 正極活物質層
16 第1タブ
18 第1シーラント
20 第2電極板
20Y 負極板
21 第2電極集電体
21Y 負極集電体
21a 第1面
21b 第2面
22 第2電極活物質層
22Y 負極活物質層
26 第2タブ
28 第2シーラント
30 絶縁層
30A 電解質層
40 絶縁体
60 板状部材
70 液溜まり

Claims (13)

  1. 外装体と、前記外装体の内部に収容され、正極板及び負極板を含む複数の板状部材を有する膜電極接合体と、前記外装体の内部に収容され、還元電位を有する添加剤を含む電解液と、を準備する準備工程と、
    前記膜電極接合体の前記正極板及び前記負極板を電源に電気的に接続し、前記負極板の電位が、前記添加剤が有する還元電位のうち最も高い還元電位よりも高い第1電位から、前記第1電位よりも低く、かつ前記添加剤が有する還元電位のうち最も高い還元電位よりも高い第2電位になるまで、前記膜電極接合体を充電する前充電工程と、
    前記正極板及び前記負極板と電源との接続を外して、前記膜電極接合体を放置する、放置工程と、
    前記膜電極接合体の前記正極板及び前記負極板を電源に電気的に接続して、前記負極板の電位が、前記添加剤が有する還元電位のうち最も高い還元電位以下となるように、前記膜電極接合体を充電する初期充電工程と、をこの順に備える、積層型電池の製造方法。
  2. 前記第2電位は、前記添加剤が有する還元電位のうち最も高い還元電位よりも0.1V以上高い、請求項1に記載の積層型電池の製造方法。
  3. 前記負極板は、導電性材料を含む負極集電体を有し、
    前記負極集電体は、酸化電位を有し、
    前記第2電位は、前記負極集電体が有する酸化電位よりも低い、請求項1又は2に記載の積層型電池の製造方法。
  4. 前記第2電位は、前記負極集電体が有する酸化電位よりも0.1V以上低い、請求項3に記載の積層型電池の製造方法。
  5. 前記初期充電工程においては、前記負極板の電位が、前記添加剤が有する還元電位のうち、最も低い還元電位以下となるように、前記膜電極接合体を充電する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の積層型電池の製造方法。
  6. 前記添加剤は、エチレンサルファイト、フルオロエチレンカーボネート、クラウンエーテル及びビニレンカーボネートの少なくともいずれか一つを含む、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の積層型電池の製造方法。
  7. 前記準備工程の後、前記前充電工程の前に、前記膜電極接合体を12時間以下の時間だけ放置する、前充電前放置工程をさらに備える、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の積層型電池の製造方法。
  8. 前記放置工程においては、前記膜電極接合体を、前記前充電前放置工程において前記膜電極接合体を放置する時間よりも長い時間だけ放置する、請求項7に記載の積層型電池の製造方法。
  9. 前記放置工程においては、前記膜電極接合体を、3時間よりも長い時間だけ放置する、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の積層型電池の製造方法。
  10. 前記放置工程においては、前記膜電極接合体を、7日間以下の時間だけ放置する、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の積層型電池の製造方法。
  11. 複数の前記板状部材は、正極板と負極板との間に位置する絶縁体をさらに有する、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の積層型電池の製造方法。
  12. 前記絶縁体は、ポリエチレン、ポリプロピレン、フッ素系化合物及びアラミド繊維の少なくともいずれか一つを含む、請求項11に記載の積層型電池の製造方法。
  13. 前記負極板の面積は、400cm以上1200cm以下である、請求項1乃至12のいずれか一項に記載の積層型電池の製造方法。
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