JP2022169234A - ラミネート型二次電池の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】大型の電極体であっても、均一に電解液を含浸させるラミネート型二次電池の製造方法を提供すること。【解決手段】ここに開示される製造方法は、少なくとも正極および負極を備え、かつ、電極面積が20cm×40cm以上である大型電極体をラミネート外装体に収容する工程(S110);前記大型電極体が収容されたラミネート外装体の内部空間に電解液を注液して、ラミネート型電池を構築する工程(S120);前記大型電極体に前記電解液を含浸させる工程(S130);を包含する。前記電解液含浸工程には、前記電解液が注液されたラミネート型電池を2時間以上静置する処理と、前記静置後のラミネート型電池を初期充電する処理と、前記初期充電後のラミネート型電池に対して少なくとも4回以上充放電サイクルを繰り返す処理と、が含まれる。【選択図】図2

Description

本発明は、ラミネート型二次電池の製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池等の二次電池は、既存の電池に比べて軽量かつエネルギー密度が高いことから、車両搭載用の高出力電源、あるいは、パソコンおよび携帯端末の電源として好ましく利用されている。この種の二次電池の一形態として、ラミネートフィルムを使用した電極外装体に電極体が収容されて構成されるラミネート型電池が挙げられる。
ラミネート型電池は、典型的には、一対のラミネートフィルムの間に発電要素として正極および負極を有する電極体を挟み込んだ状態で、該ラミネートフィルムの周縁部を加圧、加熱することによって構築される。発電要素である電極体は、典型的には、シート状の正極集電体上に正極活物質層が形成された正極シートと、シート状の負極集電体上に負極活物質層が形成された負極シートとを、セパレータを間に介在させつつ積層または捲回した構造である。このため、従来の電池の製造方法においては、電極体の内部に電解液を含浸させるために長い時間を要する。
例えば、特許文献1においては、正極と負極の間に交流電圧または交流電流を印加することにより電解液を含浸させることを特徴とする電解液含浸方法が開示されている。これにより、電解液の含浸性を向上させることが記載されている。
特開2012-28290号公報
ところで、近年ではさらなる二次電池の高容量化を目的として、電極体を大型化することも行われている。単位電池当たりの容量を大きくすることにより、例えば車両のような限られた空間に搭載する際には、従来のような小型の電池を複数搭載するよりも、隙間(デッドスペース)を減らした状態で搭載することができるため高容量が求められる駆動用電源として、好ましく使用することができる。
例えば、電極面積が20cm×40cm以上であるような大型の電極体(以下、大型電極体ともいう。)が検討されている。このような大型電極体に従来の方法によって電解液を含浸させると、広い電極面積を有するため、大型電極体全体に均一に電解液を含浸させることが困難である。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、大型の電極体であっても、均一に電解液を含浸させるラミネート型二次電池の製造方法を提供することにある。
上記目的を実現するべく、ここに開示されるラミネート型電池の製造方法が提供される。ここに開示される製造方法は、少なくとも正極および負極を備え、かつ、電極面積が20cm×40cm以上である大型電極体をラミネート外装体に収容する工程;前記大型電極体が収容されたラミネート外装体の内部空間に電解液を注液して、ラミネート型電池を構築する工程;前記大型電極体に前記電解液を含浸させる工程;を包含する。前記電解液含浸工程には、前記電解液が注液されたラミネート型電池を2時間以上静置する処理と、前記静置後のラミネート型電池を初期充電する処理と、前記初期充電後のラミネート型電池に対して少なくとも4回以上充放電サイクルを繰り返す処理と、が含まれる。
電解液が注液された状態で2時間以上静置し、初期充電および充放電サイクルを実施することにより、大型電極体への電解液の含浸が促進される。かかる構成によれば、電極面積が20cm×40cm以上である大型電極体であっても、電解液を均一に含浸させる製造方法が実現される。
ここに開示される製造方法の好適な一態様では、前記正極は、正極集電体と該集電体上に形成された正極活物質層とを備えており、前記正極活物質層の平均膜厚が100μm以上であって、前記正極活物質層は平均粒径が10μm以下の正極活物質を含む。
かかる構成によれば、平均膜厚が比較的厚く、かつ、正極活物質の平均粒径が比較的小さく高密度化された電極であっても、非水電解液が好適に含浸する製造方法を提供することができる。
ここに開示される製造方法の好適な一態様では、前記静置処理が、30℃以上80℃以下の環境下において実施される。
かかる構成によれば、非水電解液の粘度を下げることができ、より好適に非水電解液の含浸を促進させることができる。
ここに開示される製造方法の好適な一態様では、前記ラミネート型電池を構築する工程において注液される前記電解液の液量は、予め定められており、該電解液の注液が所定の間隔を設けつつ少なくとも3回以上に分けて実施される。
かかる構成によれば、大型電極体に対して電解液をより均一に含浸させることができる。
一実施形態に係るラミネート型電池を模式的に示す説明図である。 一実施形態に係るラミネート型電池の製造方法のフロー図である。 図2の含浸工程の一実施形態を示すフロー図である。 ラミネート型電池の交流インピーダンス測定の結果を模式的に示す図である。 実施例に係るXRFマッピングを模式的に示す図である。 比較例に係るXRFマッピングを模式的に示す図である。
以下、適宜図面を参照しつつ、ここに開示される技術の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって実施に必要な事柄(例えば、ラミネート型電池の一般的な構成や構築プロセス)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。ここに開示される技術は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。また、以下の図面において、符号Xはラミネート型電池の長辺方向を示し、符号Yはラミネート型電池の短辺方向を示す。同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は省略または簡略化することがある。また、寸法関係(長さ、幅、高さ等)は実際の寸法関係を反映するものではない。
なお、本明細書において範囲を示す「A~B(ただし、A、Bは任意の値。)」の表記は、A以上B以下を意味するものとする。
ここでは、まずラミネート型二次電池の構成について説明し、次いで、一実施形態に係るラミネート型電池の製造方法について説明する。
なお、本明細書において「ラミネート型電池」とは、ラミネートフィルムを外装体として利用し、その内部に電極体を収容した構成の電池全般をいう。ラミネート型電池は、例えば、リチウムイオン二次電池やニッケル水素電池等のいわゆる蓄電池(化学電池)であってもよく、電気二重層キャパシタ等のキャパシタ(物理電池)であってもよい。
<ラミネート型電池>
図1は、一実施形態に係るラミネート型電池1を模式的に示す平面図である。ラミネート型電池1は、ラミネート外装体10と、該ラミネート外装体10に収容されている電極体20と、非水電解液(図示せず)と、を備えている。ラミネート外装体10は、袋状であり、電極体20を収容する空間の周縁部が熱溶着(ヒートシール)されることにより封止されている。ラミネート外装体10の外部には、正極端子30と負極端子40とが突出している。正極端子30と負極端子40とは、ラミネート外装体10の内部から外部に延びている。正極端子30と負極端子40とは外部端子である。
ラミネート外装体10は、電極体20を収容する絶縁性の容器である。ラミネート外装体10の構成は従来公知と同様でよく、特に限定されない。ラミネート外装体10は、典型的には多層構造を有するラミネートフィルムで構成されている。ラミネート外装体10は、例えば三層構造であり、電極体20に近い側から、シーラント層と、ガスバリア層と、保護層とが、この順に積層されて構成されている。
ラミネート外装体10は、多層構造を有する2枚のラミネートフィルムの端部が熱溶着されて封止されることにより形成される。シーラント層は、この熱溶着を可能にする層であるため、ラミネート外装体10の最内層、すなわち、電極体20の最も近い側に位置している。シーラント層は、従来のラミネート外装体のシーラント層と同様の構成であってよい。例えば、シーラント層は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等の熱可塑性樹脂により構成される。
ガスバリア層は、ラミネート型電池1の内外で、湿気や空気あるいはラミネート型電池1の内部で発生したガスの出入りを遮断する層である。ガスバリア層は、従来のラミネート外装体のガスバリア層と同様の構成であってよい。例えば、ガスバリア層は、アルミニウム、鉄、ステンレス等の金属材料で構成される。なかでも、コストや軽量化の観点から、アルミニウムが好ましい。
保護層は、ラミネート外装体10の耐久性を向上するための層である。保護層は、ガスバリア層よりも外表面側に位置している。保護層は、ラミネート外装体10の最外層であってもよい。保護層は、従来のラミネート外装体の保護層と同様の構成であってよい。例えば、保護層は、PET等のポリエステル、ポリアミド(ナイロン)等で構成される。
なお、上記ではラミネート外装体10がシーラント層とガスバリア層と保護層とで構成される3層構造である場合について説明した。しかしながら、ラミネート外装体10の多層構造はこれに限られたものではない。例えば、4層以上であってもよく、4~10層程度であってもよい。一例として、上記した層と層との間に、両層を相互に接着するための接着層を備えていてもよい。接着層は、例えばポリアミド(ナイロン)等の樹脂で構成されていてもよい。また、他の一例として、保護層の上に、例えば最外層として、さらに印刷層、難燃層、表面保護層等を備えていてもよい。
電極体20は、図示しない正極と負極とセパレータとを備えている。電極体20は、従来に比して大型の電極体であることを特徴とする。具体的には、電極面積が20cm×40cm以上の電極体である。電極体20の電極面積は、例えば20cm×40cm以上であって25cm×45cm以下であってよい。電極体20は、典型的には、矩形状の正極と矩形状の負極とがセパレータを介して積み重ねられている積層型の電極体(積層電極体)である。
正極は、正極集電体と、該正極集電体上に形成された正極活物質層と、を備えている。正極集電体としては、例えば、良好な導電性を有するアルミニウム、ニッケル、チタン、ステンレス鋼等の金属材が挙げられる。なかでも、特にアルミニウム(例えばアルミニウム箔)が好ましい。正極集電体の厚みは、特に限定されるものではないが、例えば5μm以上35μm以下であり、好ましくは7μm以上20μm以下である。
正極活物質層は、少なくとも電荷担体を可逆的に吸蔵および放出可能な正極活物質を含んでいる。正極活物質としては例えば、リチウムニッケル系複合酸化物等のリチウム遷移金属複合酸化物、リチウム遷移金属リン酸化合物(例えば、LiFePO)等を好ましく用いることができる。なかでも、平均粒径が10μm以下(例えば0.1μm以上10μm以下)の正極活物質を好ましく採用することができる。正極活物質の平均粒径を上記の範囲内とすることで、導電材との接触面積を好適に確保し、電極密度が向上し得るため正極活物質層内において良好な導電パスが形成される。このような平均粒径が10μm以下の正極活物質として、例えば、リン酸鉄リチウム(LiFePO)等のリチウムリン酸化合物が挙げられる。
なお、本明細書において、「平均粒径」とは、一般的なレーザ回折・光散乱法に基づく体積基準の粒度分布において、粒径が小さい微粒子側からの累積頻度50体積%に相当する粒径(D50、メジアン径ともいう。)をいう。
正極活物質層は、正極活物質以外の物質、例えば、導電材やバインダ等を含有していてもよい。導電材としては、例えばアセチレンブラック(AB)等のカーボンブラックやその他(グラファイト等)の炭素材料好ましく用いることができる。バインダとしては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系のバインダや、スチレンブタジエンゴム(SBR)等のゴム系バインダを好ましく用いることができる。また、本発明の効果を損なわない限りにおいて、正極活物質層は、上述した以外の材料(例えば各種添加剤等)を含有してもよい。
正極活物質層中の正極活物質の含有量(すなわち、正極活物質層の全質量に対する正極活物質の割合)は、エネルギー密度の観点から、概ね60質量%以上であることが好ましい。例えば75質量%~95質量%であることがより好ましく、80質量%~95質量%であることがさらに好ましい。また、正極活物質層中の導電材の含有量は、例えば、1質量%~10質量%であることが好ましく、1質量%~8質量%であることがより好ましい。正極活物質層中のバインダの含有量は、例えば、0.5質量%~5質量%であることが好ましく、1質量%~3質量%であることがより好ましい。また、増粘剤等の各種添加剤を含ませる場合、正極活物質層中の添加物の含有量は、例えば、7質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。
好適な一態様では、正極活物質層の平均厚みは正極集電体の片面当たり100μm以上である。正極活物質層の平均厚みは、高容量化を実現する観点から、例えば100μm以上200μm以下であってよく、110μm以上190μm以下であってよい。正極活物質層の密度は、ガスの排出とエネルギー密度とを実現する観点から2.0g/cm以上3.0g/cm以下であることが好ましく、2.1g/cm以上2.5g/cm以下であることより好ましい。
負極は、負極集電体と、該負極集電体上に形成された負極活物質層と、を備えている。負極集電体としては、例えば、良好な導電性を有する銅や銅を主体とする合金、ニッケル、チタン、ステンレス鋼等の金属材から構成される。なかでも、特に銅(例えば銅箔)を好ましく採用し得る。負極集電体の厚みは、例えば、概ね5μm~20μmであってよく、好ましくは8μm~15μmであってよい。
負極活物質層は、少なくとも電荷担体を可逆的に吸蔵および放出可能な負極活物質を含んでいる。負極活物質としては、例えば、黒鉛、ハードカーボン、ソフトカーボン等の炭素材料が挙げられる。負極活物質は、典型的には粒子状である。粒子状負極活物質の平均粒径は、特に限定されないが、50μm以下が適当であり、典型的には20μm以下、例えば1μm~20μmである。
負極活物質層には、負極活物質以外の物質、例えば、バインダや各種添加剤等を含有していてもよい。バインダとしては、例えばスチレンブタジエンラバー(SBR)等を使用し得る。その他、増粘剤、分散材、導電材等各種添加剤を適宜使用することができ、例えば増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース(CMC)やメチルセルロース(MC)等を好適に用いることができる。
負極活物質層中の負極活物質の含有量は、エネルギー密度の観点から、概ね60質量%以上であることが好ましい。例えば90質量%~99質量%であることがより好ましく、95質量%~99質量%であることがさらに好ましい。また、バインダを使用する場合には、負極活物質層64中のバインダの含有量は、例えば、1質量%~10質量%であることが好ましく、1質量%~5質量%であることがより好ましい。増粘剤を使用する場合には、負極活物質層中の増粘剤の含有量は、例えば1質量%~10質量%であることが好ましく、1質量%~5質量%であることがより好ましい。
負極活物質層の平均厚みは、高容量化を実現する観点から、負極集電体の片面当たり100μm以上200μm以下であってよく、110μm以上190μm以下であってよい。負極活物質層の密度は、1.0g/cm以上2.0g/cm以下であってよく、1.5g/cm以上1.7g/cm以下であってよい。
セパレータとしては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル、セルロース、ポリアミド等の樹脂からなる多孔性シート(フィルム)が挙げられる。かかる多孔質シートは、単層構造であってもよく、二層以上の積層構造(例えば、PE層の両面にPP層が積層された三層構造)であってもよい。セパレータは、耐熱層(HRL)を設けられていてもよい。
非水電解液としては、典型的には非水溶媒中に支持塩(例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、マグネシウム塩等。リチウムイオン二次電池ではリチウム塩。)を溶解または分散させた液状のものが用いられる。
支持塩としては、従来のこの種の非水電解液二次電池に用いられる支持塩を特に制限することなく用いることができる。例えば、LiPF,LiBF,LiAsF,LiCFSO,LiCSO,LiN(CFSO,LiC(CFSO等のリチウム塩を用いることができる。なかでも、LiPFを好ましく用いることができる。支持塩の濃度は、例えば1.1mol/L以上1.5mol/L以下にするとよい。
非水溶媒としては、カーボネート類、エステル類、エーテル類、ニトリル類、スルホン類、ラクトン類等の非水溶媒を、特に制限することなく用いることができる。具体的には、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC),ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、モノフルオロエチレンカーボネート(MFEC)、ジフルオロエチレンカーボネート(DFEC)、モノフルオロメチルジフルオロメチルカーボネート(F-DMC)、トリフルオロジメチルカーボネート(TFDMC)等の非水溶媒を好ましく用いることができる。このような非水溶媒は、1種を単独で、あるいは2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
なお、本実施形態に係る非水系二次電池の非水電解液は、本発明の効果を著しく損なわない限りにおいて、例えば、ビフェニル(BP)、シクロヘキシルベンゼン(CHB)等のガス発生剤;被膜形成剤;分散剤;増粘剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。
<ラミネート型電池の製造方法>
ここに開示される製造方法は、図2に示すように、典型的には以下の3つの工程:(1)ラミネート外装体に大型電極体を収容する工程(S110);(2)ラミネート外装体の内部空間に非水電解液を注液してラミネート型電池を構築する工程(S120);(3)大型電極体に電解液を含浸させる工程(S130);を包含する。ここに開示される製造方法は、電解液含浸工程S130によって大型電極体に電解液を均一に含浸させることによって特徴づけられている。したがって、その他の工程は特に限定されず、従来この種の製造方法と同様の構成でよい。以下、各工程について順に説明する。
電極体収容工程S110では、上述した正極および負極を備え、かつ、電極面積が20cm×40cm以上の電極体20がラミネート外装体10に収容される。ラミネート外装体10は、典型的には平面視において電極体20よりも大きい面積を有する矩形状の平面シートである。ラミネート外装体10は、例えば、市販品を購入することによって用意してもよい。また電極体20は、例えば、次の工程:正極活物質と導電材とバインダとを適当な溶媒に分散させた正極スラリーを正極集電体上に塗工し、乾燥して正極を作製する工程;負極活物質とバインダと増粘剤とを適当な溶媒に分散させた負極スラリーを負極集電体上に塗工し、乾燥して負極を作製する工程;上記作製した正極および負極を、セパレータを介在させた状態で積層し、積層方向から押圧プレスする工程;を包含する製造方法によって作製することができる。そして、電極体20の正極には正極端子30が、負極には負極端子40が、それぞれ取り付けられる。
ここに開示される製造方法において用いられる電極体20は、電極面積が20cm×40cm以上の大型電極体である。かかる大型電極体は、単位電池当たりの容量を増大できるほか、例えば車両の床下等の限られたスペースにおいて効率よく電池を搭載できる利点がある。好ましい一態様では、電極体20の電極活物質層(正極活物質層および/または負極活物質層)の平均膜厚が100μm以上である。従来に比して電極活物質層の平均膜厚を厚くすることにより、電池の高容量化に貢献する。また、より好ましい一態様では、電極体20は、正極活物質層に含まれる正極活物質の平均粒径が10μm以下である。かかる構成によれば、導電材との接触面積が増えることで活物質層内に好適な導電パスが形成され、電池の出力特性が向上する。
上述したように、正極活物質の平均粒径が比較的小さい場合には、電極密度が向上する(換言すれば高エネルギー密度化が実現される)一方で、粒子間の空隙が小さくなり電解液の含浸が困難になる傾向にある。また、このような正極活物質を含む正極を、比較的厚くした場合には、高容量化が実現される一方で、電解液がより含浸し難くなる。したがって、このような正極を備える大型電極体の場合には、ここに開示される製造方法による、電解液含浸性向上の効果がより好適に発揮される。
電池構築工程S120では、大型電極体が収容されたラミネート外装体の内部空間に電解液が注液される。予め定められた量(所定量)の電解液が注液された段階で、ラミネート外装体10を封止して、ラミネート型電池1が構築される。
まず、ラミネート外装体10の4つの辺のうち、いずれか1つの辺を開放した状態(以下、開口部ともいう。)で静置する。該開口部から所定量の電解液を注液する。好ましくは、ラミネート外装体10の長辺のうち、どちらか一方の辺を開放して非水電解液を注液するとよい。注液は、従来公知の電解液注液装置を適宜使用することができる。
電解液の所定量は、該電解液が電極体20の全体にいきわたる量となる分量に設定すればよい。所定量の電解液は、一度にすべて注液してもよいし、複数回に分けて注液してもよい。好ましくは、複数回(例えば3回~5回)にわけて注液するとよい。より好ましくは、所定量の電解液を複数回に分けて注液し、それぞれの注液の間に減圧環境下において3分程度(例えば1~5分)、開口部を上に向けた状態で静置するとよい。このような注液方法によって注液することにより、大型電極体であっても該電極体の中央部まで好適に電解液を含浸させることができ得る。所定量の電解液の注液が完了した後に、ラミネート外装体10の開口部を封止して、ラミネート型電池1を構築する。
なお、ここでいう「減圧環境下」とは、ラミネート外装体内部の圧力が大気圧よりも低くなる状態であればよい。かかる減圧は、開口部を一度仮封止してラミネート外装体内部だけを減圧してもよいし、大型電極体が収容されたラミネート外装体の全体を減圧雰囲気下に置いて減圧してもよい。減圧後の電池ケース内の圧力は、特に限定されるものではないが、例えば1kPa~30kPa程度、好ましくは5kPa~20kPa程度とするとよい。
特に限定されるものではないが、電極体収容工程S110の後、注液を開始する前の段階において、大型電極体が収容されたラミネート外装体を高温環境に静置するとよい。一例として、40℃程度(30℃以上80℃以下)の温度で、概ね2時間程度(例えば1~3時間)、大型電極体が収容されたラミネート外装体10を温めるとよい。電極体20およびラミネート外装体10が加温されていることにより、注液された電解液の粘度を好適に下げることができ、注液時間を短縮することができる。なお、温度の管理は、例えば恒温槽を利用するとよい。
電解液含浸工程S130は、注液された所定量の電解液を大型電極体に均一に含浸させる工程である。ここに開示される電解液含浸工程S130は、図3に示すように、ラミネート型電池を静置する処理(S131)と、ラミネート型電池を初期充電する処理(S132)と、初期終電後のラミネート型電池に対して充放電サイクルを実施する処理(S133)と、を含む。
静置処理S131では、封止された開口部を上に向けた状態でラミネート型電池1を静置する。好適な一態様では、静置処理S131は40℃程度(例えば30℃以上80℃以下)の環境下において実施される。例えば、40℃程度(30℃以上80℃以下)の温度で、2時間程度(例えば2~4時間)、ラミネート型電池1を静置するとよい。かかる温度の環境下において所定の時間静置処理S131を実施することにより、注液された電解液の粘度を下がり、大型電極体への電解液の含浸が促進される。
初期充電処理S132は、従来公知の方法に従って、ラミネート型電池1に対して初期充電(コンディショニング)を行う。初期充電は、製造後の二次電池が使用される電圧領域にわたって充電を行う処理である。これにより、ラミネート型電池1を電気化学的に活性化させることができる。初期充電は、例えば、正極端子30と負極端子40との間に外部電源を接続し、所定の電圧まで充電(典型的には定電流定電圧充電)する操作を行うとよい。初期充電の条件は、特に限定されるものではないが、常温環境(例えば25℃±5℃)において、正負極端子間の電圧(典型的には最高到達電圧)が2.5V~4.2V(好適には3.0V~4.1V)になるまで0.1C~10C程度の定電流で充電した後、SOC(State of Charge)が60~100%程度(典型的には80~100%程度)となるまで定電圧で充電する定電流定電圧充電(CCCV充電)を実施するとよい。
なお、「1C」とは、活物質の理論容量により予測した電池容量(Ah)を1時間で充電できる電流値(電流密度)を意味する。したがって、例えば、1/3Cとは、当該電池容量を3時間で充電できる電流値を意味し、20Cとは当該電池容量を20分の1時間で充電できる電流値を意味する。
上記初期充電処理S132が完了したラミネート型電池1に対して、交流インピーダンス測定を実施し、抵抗値を算出してもよい。初期充電処理S131の直後の抵抗値は、電解液の含浸がまだ不十分であるため、比較的高い値が算出され得る。詳しくは後述するが、電解液が大型電極体に均一に含浸することにより、反応ムラ等が抑制されて局所的な抵抗値の上昇が抑制され得るため、電解液含浸工程S130後の交流インピーダンス測定に基づく抵抗値は、ここで算出される抵抗値よりも低い値となる。
なお、交流インピーダンス測定に基づく抵抗値は、以下のようにして算出することができる。例えば、正極端子30と負極端子40との間に直流電流を流し、次いで微小交流電流の周波数を変化させて重畳させたときの各周波数における応答電圧を測定することでインピーダンスを得ることができる。具体的には、得られたデータをフーリエ変換することでインピーダンスの周波数特性を求めることができる。交流電圧の周波数は1000000Hz程度の高周波から0.1Hz程度の低周波へ変化させるとよい。交流電圧の振幅については特に限定されないが、1~10mV程度を目安に設定することができる。
交流インピーダンス測定により得られたプロットを等価回路にフィッティングさせて解析することにより、円弧形状の直径を反応抵抗として算出することができる。
充放電サイクル処理S133では、初期充電処理S132が完了したラミネート型電池1に対して、充放電サイクルを実施する。充放電サイクルは、ラミネート型電池1に対して、充電と放電が各々1回ずつ行われる処理を1サイクル(cyc)として複数サイクル実施される。充放電サイクルの電流値を高くし、サイクル回数を増やすほど電解液の含浸が促進される傾向にある。一方で、電流値が高すぎることや、サイクル回数を増やしすぎることにより、該充放電サイクル処理S133における充放電に起因してラミネート型電池1の劣化が進行しやすくなる虞がある。かかる観点から、充放電サイクルの条件を適宜設定することができる。
好適な一態様では、充放電サイクル処理S133における充放電サイクルが少なくとも4サイクル以上(例えば4~6サイクル程度)実施される。充放電サイクル処理S133が実施されることで、電極体20の膨張収縮が繰り返し発生しポンプのように作用することによって、電極体20への非水電解液の含浸が適切に促進され得る。
充放電サイクル処理S133における充放電サイクルは、例えば、60℃程度(例えば40~80℃)の環境下において、定電流で所定の電位(充電電位)になるまで充電し、次いで、定電流で所定の電位(放電電位)になるまで放電する操作を行うとよい。正負極端子間の電圧(典型的には最高到達電圧)は、使用する材料等によっても異なるが、例えば2.5V~4.2V(好適には3.0V~4.1V)とすることができる。電流値は特に限定されないが、例えば0.1C~2C(典型的には0.2C~1.5C、例えば0.3C~1C)とすることができる。充放電サイクルは、定電流で充電および放電する方式(CC充電、CC放電)により行ってもよく、あるいは上記所定の電圧になるまで定電流で充電または放電した後、定電圧で充電または放電する方式(CCCV充電、CCCV放電)により行ってもよい。好ましい一態様では、CC充電およびCC放電により複数サイクル(例えば2~4サイクル)実施した後に、CCCV充電およびCCCV放電により複数サイクル(例えば2~4サイクル)実施するとよい。
また、充電および放電の間に休止期間(充放電される電流が0とされる期間)は、設けられていてもよく、設けられていなくてもよい。好ましい一態様では、充電および放電の間に10分程度(例えば5~15分程度)の休止期間を設けるとよい。
電解液含浸工程S130は、ラミネート型電池1を拘束した状態で行ってもよい。具体的には、ラミネート外装体10の幅広面の両側に一対の拘束板を配置し、所定の拘束荷重をかけた状態で拘束する。拘束板は特に限定されるものではないが、ステンレス鋼等の金属部材であってよく、例えば10~15mm程度の厚さであることが好ましい。また、該拘束板とラミネート外装体10との間にはゴム(フッ素ゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム等)を挟むとよい。拘束荷重については、ラミネート型電池1のサイズに応じて適宜調整されればよいため特に限定されるものではないが、例えば、0.2~1.5MPaに調整するとよい。
電解液含浸工程S130後に、電解液が大型電極体に均一に含浸しているか確認するために、インピーダンス測定を行い、抵抗値を算出してもよい。本発明者の知見によると、電解液が大型電極体に均一に含浸しているときには、電解液含浸工程S130(より詳しくは、充放電サイクル処理S133)直後のラミネート型電池1の交流インピーダンス測定に基づく抵抗値と、電解液含浸工程S130後から数時間(例えば1~6時間)静置したラミネート型電池1の交流インピーダンス測定に基づく抵抗値とが一致する。これは、特に限定されるものではないが、以下のように推察される。電解液が電極体20に均一に含浸している場合には、数時間静置しても電解液が電極体20に好適に保持される。このため、電極体20において電解液の含浸ムラに起因する局所的な抵抗の増加が抑制されるため、抵抗値が増加しないと推測される。したがって、充放電サイクル処理S133直後に交流インピーダンス測定を行って抵抗値を算出し、少なくとも1時間以上静置した後で再度交流インピーダンス測定を行って抵抗値を算出して比較することにより、電解液が電極体20に均一に含浸したか否かを確認することができる。かかる方法によれば、交流インピーダンス法によりその場で、かつラミネート型電池1を破壊することなく電解液が均一に含浸しているか否かを判断することができるため好ましい。
なお、かかるインピーダンス測定は、同様の製造方法で製造されるすべてのラミネート型電池に対して行う必要はない。例えば、同様の製造方法で製造される数千個(例えば1000~3000個)のラミネート型電池のうち、無作為に抽出された1個以上(例えば1~10個)の電池に対して実施すればよい。
インピーダンス測定におけるラミネート型電池1の静置の条件は特に限定されない。例えば、高温環境下において静置を実施してもよい。例えば40℃以上、好ましくは50℃以上、さらには60℃以上であって、例えば80℃以下程度の温度を目安に行うことができる。また、静置の時間は特に限定されないが、典型的には1時間以上(例えば1~8時間、好ましくは4~6時間)とするとよい。
ここに開示される製造方法は、例えば、電解液の含浸に時間のかかる大型電極体を備えるラミネート型電池において好ましく用いることができる。さらに、平均粒径が小さい正極活物質を含み、かつ、正極活物質層の平均膜厚が厚い大型電極体においては、電解液の均一に含浸し難いため、特に好ましく用いることができる。このような性状の大型電極体を備えるラミネート型電池は、高容量であるため、例えばプラグインハイブリッド自動車、ハイブリッド自動車、電気自動車等の動力源(駆動電源)として好適に用いることができる。
以下、ここで開示される製造方法に関する実施例を説明するが、ここで開示される技術をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
<ラミネート型電池の用意>
正極活物質としてのLiFePO(平均粒径D50:10μm)と、導電材としてのアセチレンブラック(AB)と、バインダとしてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを、これらの材料の質量比が92:5:3となるように、溶媒としてのN-メチルピロリドン(NMP)と混合して、正極ペーストを調製した。かかる正極ペーストを、正極集電体としての矩形状のアルミニウム箔の両面に塗布した。このとき、片面の平均膜厚が100μmとなるようにした。これを乾燥することにより、正極を作製した。
負極活物質としての天然黒鉛(C)と、バインダとしてのスチレンブタジエンゴム(SBR)と、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)とを、これらの質量比が98:1:1となるように、溶媒としてのイオン交換水と混合して、負極ペーストを調製した。かかる負極ペーストを、負極集電体としての矩形状の銅箔の両面に塗布した。このとき、片面の平均膜厚が100μmとなるようにした。これを乾燥することにより、負極を作製した。
セパレータとしては、PP/PE/PPの三層構造を有する多孔性ポリオレフィンシートを用意した。
上記作製した正極と負極とを、用意したセパレータを介して積層し、電極面積が20cm×40cmの大型電極体を作製した。次に、作製した大型電極体の正極と負極のそれぞれに電極端子を取り付けた。これを、2枚のラミネートフィルムで挟み込み、長辺を1辺のみ開口し、残り3辺を熱溶着した。これにより、大型電極体をラミネート外装体の内部に収容した。なお、ラミネートフィルムは、ポリプロピレンからなるシーラント層と、アルミ蒸着層と、ナイロンからなる保護層とを備えるものを使用した。
次いで、大型電極体が収容されたラミネート外装体の内部空間に非水電解液を注液した。非水電解液としては、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とを30:30:40の体積比で含む混合溶媒に、支持塩としてのLiPFを1.4mol/Lの濃度で溶解させたものを用意した。
まず、上記大型電極体が収容されたラミネート外装体を40℃の恒温槽で2時間静置した。所定量の非水電解液を、ラミネート外装体の開口部から3回に分けて注液した。なお、注液するごとに減圧環境下において3分間静置した。ラミネート外装体の開口部を熱溶着により封止して、評価用ラミネート型電池を得た。
(実施例1)
上記評価用ラミネート型電池に対して、電解液含浸工程を実施した。具体的には、非水電解液の注液が完了したラミネート型電池を40℃の恒温槽で2時間静置した。その後、25℃の温度環境下において、正負極端子間の電圧が3.3Vになるまで1/3Cのレートで充電した後、定電圧で充電した(CCCV充電)。次いで、振幅:10mV、測定周波数範囲:1000000Hz~0.1Hz、測定電圧:3.3Vの条件でインピーダンス測定を実施し、得られたプロットを等価回路にフィッティングさせて解析することで、ラミネート型電池の抵抗値を算出した。また、ここでのインピーダンス測定の結果は、充放電サイクル前のプロット(基準A)として模式的に図4に示す。
次に、初期充電が完了したラミネート型電池に対して、正負極端子間の電圧が3.8Vになるまで1/3Cの充電レートで定電流充電した後10分間休止する操作と、正負極端子間の電圧が2.5Vになるまで1/3Cの放電レートで定電流放電した後10分間休止する操作とを1サイクル(CC充放電サイクル)として、これを2サイクル繰り返した。その後、正負極端子間の電圧が4.0Vになるまで1/5Cの充電レートで定電流充電し、終止電流(1/100C)になるまで定電圧充電した後10分間休止する操作と、正負極端子間の電圧が2.5Vになるまで1/5Cの放電レートで定電流放電し、終止電流(1/100C)になるまで定電圧放電した後10分間休止する操作とを1サイクル(CCCV充放電サイクル)として、2サイクル繰り返した。
(実施例2および比較例1~6)
電解液含浸工程および電解液含浸工程後の静置の条件を表1に示すように変更して、実施例2および比較例1~6を実施した。なお、サイクル数が1および2サイクルの時は上記CC充放電サイクルのみを実施し、3サイクルの時は上記CC充放電サイクルを2回繰り返した後にCCCV充放電サイクルを1サイクル実施した。
<非水電解液の含浸性評価>
充放電サイクル処理後の実施例1のラミネート型電池に対して、上述した方法でインピーダンス測定を行い、抵抗値を測定した。ここでのインピーダンス測定の結果は、充放電サイクル後のプロット(基準B)として模式的に図4に示す。充放電サイクル処理後の各評価用ラミネート型電池(実施例1,2および比較例1~6)を表1に示す条件で静置し、インピーダンス測定を行い、抵抗値を測定した。ここでのインピーダンス測定の結果は、表1および、プロットA~Cとして模式的に図4に示す。なお、大型電極体に非水電解液が均一に含浸することにより抵抗値が低下する傾向にあるため、プロットの円弧が小さいほど電解液が均一に含浸していると評価することができる。したがって、実施例1の充放電サイクル後のプロット(基準B)と、電解液含浸工程後に静置した後に測定された各評価用ラミネート型電池のプロットが一致していれば、大型電極体に非水電解液が均一に含浸していると評価することができる。
また、XRF(蛍光X線分析)を用いて、リン(P)をマッピングすることにより、非水電解液に支持塩として含まれるLiPFの分散状態を確認した。XRFのマッピング図を模式的に図5および図6に示す。また、図5はリン(P)の分散状態が良好であることを示し、図6はリン(P)が偏在しているため、分散不良であることを示す。分散状態が良好である場合には「○」、分散不良である場合には「×」として、結果を表1に示す。なお、リン(P)の分散状態が良好である場合には、非水電解液が均一に含浸していると評価することができる。
Figure 2022169234000002
表1に示すように、電極面積が20cm×40cm以上である大型電極体であっても、電解液含浸工程において、非水電解液が注液されたラミネート型電池を静置する処理と、静置後のラミネート型電池を初期充電する処理と、ラミネート型電池に対して少なくとも4回以上充放電サイクルを繰り返す処理とを実施することにより、大型電極体に非水電解液を均一に含浸させることができる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定
するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、
変更したものが含まれる。
1 ラミネート型電池
10 ラミネート外装体
20 電極体
30 正極端子
40 負極端子

Claims (4)

  1. 少なくとも正極および負極を備え、かつ、電極面積が20cm×40cm以上である大型電極体をラミネート外装体に収容する工程;
    前記大型電極体が収容されたラミネート外装体の内部空間に電解液を注液して、ラミネート型電池を構築する工程;
    前記大型電極体に前記電解液を含浸させる工程;
    を包含し、
    前記電解液含浸工程には、
    前記電解液が注液されたラミネート型電池を2時間以上静置する処理と、
    前記静置後のラミネート型電池を初期充電する処理と、
    前記初期充電後のラミネート型電池に対して少なくとも4回以上充放電サイクルを繰り返す処理と、
    が含まれる、ラミネート型電池の製造方法。
  2. 前記正極は、正極集電体と、該集電体上に形成された正極活物質層とを備えており、
    前記正極活物質層の平均膜厚が100μm以上であって、
    前記正極活物質層は平均粒径が10μm以下の正極活物質を含む、請求項1に記載のラミネート型電池の製造方法。
  3. 前記静置処理が、30℃以上80℃以下の環境下において実施される、請求項1または2に記載のラミネート型電池の製造方法。
  4. 前記ラミネート型電池を構築する工程において注液される前記電解液の液量は、予め定められており、該電解液の注液が所定の間隔を設けつつ少なくとも3回以上に分けて実施される、請求項1~3のいずれか一項に記載のラミネート型電池の製造方法。


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