JP2021054744A - 化合物、化合物の製造方法、青色発光材料及び有機発光素子 - Google Patents

化合物、化合物の製造方法、青色発光材料及び有機発光素子 Download PDF

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Abstract

【課題】極大吸収波長が380nm〜460nmの深い青色の発光を実現することができ、効率のよい製造が可能な新規化合物、青色発光材料、その製造方法及びその応用。【解決手段】下記式(I)で表される化合物。式(I)中、nは0又は1を表す。上記式(I)で表される青色発光材料。2,6−ジブロモナフタレン又は2,7−ジブロモナフタレンと、1−ブロモナフタレンボロン酸(b)とを、炭酸カリウム及びテトラ(トリフェニルリン)パラジウム(0)の存在下で反応させる工程を含む、化合物の製造方法。【選択図】なし

Description

本開示は、新規化合物、化合物の製造方法、青色発光材料及び有機発光素子に関する。
高効率、省エネルギー、及び低環境負荷という要請が高まり、近年、従来の無機発光材料よりも利点の多い有機電界発光(有機エレクトロルミネッセンス:以下、有機ELと称することがある)を利用したデバイスが注目され、一般の照明においても、蛍光灯から白色発光ダイオード(light emitting diode:LED)光への転換が進んでいる。これは、水銀製品の代替品として、蛍光灯から白色有機EL照明への転換が要求されていることに起因する。
有機EL発光デバイスの発光層、白色LED照明等に用いる発光材料は、赤色発光材料、緑色発光材料、及び青色発光材料の光の三原色である発光体がバランス良く組み合わされることが重要である。特に白色LED照明の場合には、光の三原色の発光材料のバランスが良好であることが重要であり、光の三原色の蛍光発光材料のバランスが良好ではない場合、良好な白色光を得ることが困難であるいう問題がある。
光の三原色のうち、波長の比較的長い赤色と緑色の光を発する有機化合物は数多く知られている。
しかし、発光材料のなかでも、青色発光する化合物は限定的であり、例えば、溶媒中では青色発光する材料は知られているが、固体で青色発光する材料は少なく、固体状態で波長の短い高エネルギーの青色で発光する有機芳香族化合物はあまり知られていない。
青色発光材料としては、有機EL用として有用とされる新規な芳香族有機アミン誘導体が提案されている(特許文献1参照)。
色純度のよい青色発光を得ることを課題として、ナフタレン骨格が3つ以上連続して結合した化合物としてのオリゴナフタレン誘導体及びそれを用いた発光素子が提案され、短波長の発光が可能であることが記載されている(特許文献2参照)。
また、本発明者は、先に青色個体発光材料として有用なボロンジケトン錯体を合成し、ボロンジケトン錯体を使用したOLEDデバイス(Organic Lighting Emitting Diode Device)の作製を行った(特許文献3及び非特許文献1参照)。
Chem.Asian J.2017、Vol.12、P2299−2303.
特開2016−147855号公報 特開2006−151966号公報 再公表2017−065219号公報
特許文献1に記載の青色発光材料では、比較的長波長側の波長450nm〜480nm程度のペールブルーの発光は得られる。しかし、バランスのよい白色光を得るためには、青色発光材料として、極大吸収波長が380nm〜460nmといった比較的短波長側に吸収を有する深い青色の発光を実現する材料が求められており、特許文献1に記載の青色発光材料では、発光波長の点でなお改良が必要であった。
引用文献2には、ナフタレン骨格が3つ又は4つ連続して結合した化合物が記載されており、短波長の発光が可能であることが確認されてはいるが、合成経路が複雑であり、中間体の収率が低いという問題がある。また、青色発光は確認されているが、発光効率までは評価されていない。
特許文献3及び非特許文献1に記載のボロンジケトン錯体化合物は、固体にて深い青色発光が可能であり、分子量も300以上であって、真空蒸着法により安定な膜が形成できるため、デバイスの製造に好適ではある。しかし、原料の入手しやすさ、合成経路が複雑であることなど、効率のよい発光材料を製造するという観点では、なお、改良の余地があった。
本発明の一実施形態が解決しようとする課題は、極大吸収波長が380nm〜460nmの深い青色の発光を実現することができ、効率のよい製造が可能な新規化合物及び青色発光材料を提供することである。
本発明の他の実施形態が解決しようとする課題は、極大吸収波長が380nm〜460nmの深い青色の発光を実現することができる化合物を高収率で簡易に得ることができる化合物の製造方法を提供することである。
本発明の別の実施形態が解決しようとする課題は、極大吸収波長が380nm〜460nmの深い青色の発光を実現する化合物を用いた有機発光素子を提供することである。
課題を解決するための手段は、以下の態様が含まれる。
<1> 下記式(I)で表される化合物。
Figure 2021054744

式(I)中、nは0又は1を表す。
<2> 前記式(I)で表される化合物は、下記式(I−2)で表される化合物である<1>に記載の化合物。
Figure 2021054744

<3> 分子量が300以上である<1>又は<2>に記載の化合物。
<4> 下記式(I)で表される青色発光材料。
Figure 2021054744

式(I)中、nは0又は1を表す。
<5> 2,6−ジブロモナフタレン(a1)又は2,6−ジブロモナフタレン(a2)と、1−ブロモナフタレンボロン酸(b)とを、炭酸カリウム及びテトラ(トリフェニルリン)パラジウム(0)の存在下で反応させる工程を含む、<2>に記載の化合物の製造方法。
Figure 2021054744

<6> <1>〜<3>のいずれか1つに記載の化合物、若しくは、<4>に記載の青色発光材料を含む有機発光素子。
本発明の一実施形態によれば、極大吸収波長が380nm〜460nmの深い青色の発光を実現することができ、効率のよい製造が可能な新規化合物及び青色発光材料を提供することができる。
本発明の他の実施形態によれば、極大吸収波長が380nm〜460nmの深い青色の発光を実現することができる化合物を高収率で簡易に得ることができる化合物の製造方法を提供することができる。
本発明の別の実施形態によれば、極大吸収波長が380nm〜460nmの深い青色の発光を実現する化合物を用いた有機発光素子を提供することができる。
実施例1〜実施例4で得た例示化合物2611、2612、2711及び2712のクロロホルム溶媒中における吸収スペクトル、クロロホルム溶媒中における発光スペクトル、及び、固体発光スペクトルを示すグラフである。 実施例1で得た例示化合物2611のH NMRスペクトルである。 実施例1で得た例示化合物2611の13C NMRスペクトルである。 実施例2で得た例示化合物2612の中間体である2−ブロモ−6−(1−ナフチル)ナフタレン(26B1)のH NMRスペクトルである。 実施例2で得た例示化合物2612の中間体である2−ブロモ−6−(1−ナフチル)ナフタレン(26B1)の13C NMRスペクトルである。 実施例2で得た例示化合物2612のH NMRスペクトルである。 実施例2で得た例示化合物2612の13C NMRスペクトルである。 実施例3で例示化合物2711とともに得た、例示化合物2712の中間体である2−ブロモ−7−(1−ナフチル)ナフタレン(27B1)のH NMRペクトルである。 実施例3で例示化合物2711とともに得た、例示化合物2712の中間体である2−ブロモ−7−(1−ナフチル)ナフタレン(27B1)の13C NMRスペクトルである。 実施例3で得た例示化合物2711のH NMRスペクトルである。 実施例3で得た例示化合物2711の13C NMRスペクトルである。 実施例4で得た例示化合物2712のH NMRスペクトルである。 実施例4で得た例示化合物2712の13C NMRスペクトルである。
以下、本開示の化合物、化合物の製造方法、及び有機発光素子について詳細に説明する。
本開示において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を意味する。
本開示における「固形分」の語は、溶剤を除く成分を意味し、溶剤以外の低分子量成分などの液状の成分も本明細書における「固形分」に含まれる。
本開示において「溶媒」とは、水、有機溶剤、及び水と有機溶剤との混合溶媒を意味する。
本開示において「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても、その工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
本開示において「置換基」の表記は、特に断りのない限り、無置換のもの、置換基を更に有するものを包含する意味で用いられ、例えば「アルキル基」と表記した場合、無置換のアルキル基と置換基を更に有するアルキル基の双方を包含する意味で用いられる。その他の置換基についても同様である。
本開示中に段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示中に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
また、本開示において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
≪化合物≫
本開示の化合物は、下記式(I)表される化合物である。
下記式(I)で表される化合物は、構造新規な化合物であり、後述するように、青色発光材料として有用である。
Figure 2021054744

前記式(I)中、nは0又は1を表し、合成適性の観点から、nは0であることが好ましい。
即ち、式(I)で表される化合物は、下記式(I−2)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2021054744

式(I)及び式(I−2)は、二つのナフタレンの結合位置が以下に示す部分構造を有することが重要と考えている。
Figure 2021054744

上記部分構造のナフタレン骨格において、3つめのナフタレン骨格の結合位置は、1、3、4、5、6、7、及び8のいずれであってもよいが、合成適性及び得られる化合物の極大吸収波長の観点から、結合位置は、5、6、又は7であることが好ましく、6又は7であることがより好ましい。
本開示の化合物は、極大吸収波長が380nm〜460nmの深い青色の発光を実現することができる化合物であり、青色発光材料として好適に用いられる。
本開示の化合物の溶媒中での発光波長及び固体状態での発光波長は、いずれも、380nm〜460nmの範囲であることが好ましく、380nm以上450nm未満の範囲であることがより好ましく、390nm〜430nmの範囲であることがさらに好ましい。
ナフタレンは有機溶媒中、0.23の量子収率で蛍光を発するが、固体状態では発光しない。本発明者は、ナフタレンを炭素−炭素結合で二量化することにより、溶液状態よりも長波長領域で、高効率で固体発光することを見出した。本開示においては、分子量が300以上であり、ナフタレンを発光原子団(クロモファー)として有する青色発光を示す化合物の作製を目指した。その結果、ナフタレンを炭素−炭素結合で二量化した場合の結合位置から、上記構造の二量体構造に着目し、当該二量体に、さらに1つ又は2つのナフタレン骨格を導入することで、有機溶媒中及び固体状態において、好ましい極大吸収波長を有する化合物を見出した。
溶媒中での化合物の極大発光波長は、例えば、絶対PL光量子収率測定装置(C9920−02、浜松フォトニクス(株)製)を用いて行なうことができる。
また、固体状態の化合物の極大発光波長の測定は、固体状態の発光材料の粉末状物を測定対象とし、例えば、絶対PL光量子収率測定装置(C9920−02、浜松フォトニクス(株)製)を用いて行なうことができる。絶対PL光量子収率測定装置を用いることで、従来の相対的な計測方法に比べて、信頼性の高い最大発光波長及び蛍光収率の値を得ることができる。
また、化合物を青色発光材料として使用する場合における重要な物性の一つである発光寿命及び速度定数は、例えば、小型蛍光寿命測定装置(TAU、浜松フォトニクス(株)製)を用いて、単一光子計測法により測定することができる。測定対象である試料は、既述の如く、発光材料の粉末状物を測定試料として行なう。単一光子計測法における励起光源は、パルス化したLEDランプを用いることができる。
なお、化合物を、青色発光材料として、例えば、有機EL等の作製に用いる際、発光層は真空蒸着法により形成させる場合が多い。発光層の耐久性の観点からは、青色発光材料としての本開示の化合物の分子量は300以上であることが好ましく、350以上であることがより好ましい。
以下、本開示の化合物の例示化合物を挙げるが、本開示は、以下の例示化合物に限定されない。
上記式(I)で表される化合物であって、式(I−2)で表される化合物としては、例えば、下記例示化合物2611、2612、2711、2712等が挙げられる。
下記例示化合物は、いずれもナフタレン骨格を3つ含む化合物であり、分子量は380.49である。
Figure 2021054744

上記例示化合物のなかでも、発光波長、安定性、合成のし易さの観点から、例示化合物2612及び例示化合物2612が好ましく、例示化合物2611がより好ましい。
従って、青色発光材料としては、例示化合物2612及び例示化合物2612を含むことが好ましく、例示化合物2611を含むことがより好ましい。
次に、式(1)で表される化合物であって、式(I−2)に含まれない化合物、即ち、式(I)におけるnが1であって、分子内にナフタレン骨格を4つ有する化合物の例示化合物を挙げる。分子内にナフタレン骨格を4つ有する例示化合物としては、下記例示化合物126261、126262、126271、126272、127271、127272等が挙げられる。
下記例示化合物は、いずれもナフタレン骨格を4つ含む化合物であり、分子量は506.65である。
Figure 2021054744

式(I)で表される上記各例示化合物は、ナフタレン骨格を少なくとも3つ有するため、いずれも分子量が300以上であり、固体青色発光材料として使用する場合に、耐久性が良好な発光層の形成が可能であるという利点を有する化合物である。
従って、後述の有機発光素子などに、本開示の化合物を青色発光材料として適用する場合、固体状態の薄膜を作製することができる。得られた固体状態の薄膜を電極として、例えば、電子デバイスに適用する場合にも、耐久性が良好であり、且つ、光子を効率よく波長変換して青色光を発光させることが可能となるという効果を奏する。
≪化合物の製造方法≫
式(I)で表される化合物は、入手容易な化合物を原料として、合成することができる。本開示の化合物の製造方法には特に制限はなく、公知の製造方法により得ることができる。
なかでも、収率がより良好であるという観点から、「Suzuki coupling」を適用する、下記本開示の製造方法により製造されることが好ましい。
本開示の化合物の製造方法は、2,6−ジブロモナフタレン(a1)又は2,7−ジブロモナフタレン(a2)と、1−ブロモナフタレンボロン酸(b)とを、炭酸カリウム〔KCO〕及びテトラ(トリフェニルリン)パラジウム(0)〔Pd(PPh〕の存在下で反応させる工程を含む。ここで、Phはフェニル基を表す。
Figure 2021054744
本開示の製造方法の一例である、例示化合物2611の合成スキームを以下に示す。なお、化合物の製造方法の詳細については、実施例にて合成例を挙げて説明する。
Figure 2021054744
本開示の化合物の製造方法によれば、出発物質として、入手容易なジブロモナフタレン、例えば、2,6−ジブロモナフタレン(a1)又は2,7−ジブロモナフタレン(a2)と、1−ブロモナフタレンボロン酸(b)とを用いて本開示の化合物を合成することができる。具体的には、例えば、例示化合物2611では、上記スキームに示すように、1段階の反応で目的とする例示化合物2611を得ることができる。
さらに、上記スキームにおいて、反応温度及び反応時間のいずれかを制御することで、下記合成スキームに示すように、例示化合物2611と、例示化合物2612を合成するための中間体である26B1を得ることができる。
その後、中間体26B1を、さらに2−ブロモナフタレンボロン酸(b2)と反応させることで、溶媒、触媒等が同じである2段階の反応工程により、高収率で例示化合物2612を得ることができる。
Figure 2021054744

次に、ナフタレン骨格を4つ有する化合物の合成スキームについて説明する。以下のナフタレン骨格を4つ有する化合物の合成もまた、「Suzuki coupling」を適用して、ナフタレン骨格を3つ有する化合物の合成と同様にして行うことができる。
Figure 2021054744
まず、2,6−ジブロモナフタレン、2,7−ジブロモナフタレンなどのジブロモナフタレン(a)と、1−ブロモナフタレンボロン酸(b)とを用いてナフタレン骨格を2つ有する中間体NNB1を得る。上記反応を、炭酸カリウム〔KCO〕及びテトラ(トリフェニルリン)パラジウム(0)〔Pd(PPh〕の存在下で行う点は、ナフタレン骨格を3つ有する化合物の合成と同様である。
Figure 2021054744
次に、ジブロモナフタレン(a)と、1−ブロモナフタレンボロン酸、2−ブロモナフタレンボロン酸等のブロモナフタレンボロン酸(b3)とを用いてナフタレン骨格を2つ有する中間体NNB2を得る。
Figure 2021054744
次に、上記で得られた中間体NNB2を、−78℃のテトラヒドロフラン(THF)溶媒中で、n−ブチルリチウム〔n−BuLi〕とホウ酸トリイソプロピル〔B(OiPr)〕との存在下で反応させ、ナフタレン骨格を2つ有する化合物に−B(OH)が導入された中間体NNB3を得ることができる。
Figure 2021054744
さらに、上記で得られた中間体NNB1と中間体NNB3とを、炭酸カリウム〔KCO〕及びテトラ(トリフェニルリン)パラジウム(0)〔Pd(PPh〕の存在下で反応させることで、ナフタレン骨格を4つ有する化合物NNNN1を得ることができる。
上記反応において、ジブロモナフタレン(a)におけるホウ素の結合位置、ブロモナフタレンボロン酸(b3)における−B(OH)の結合位置等は、目的に応じた原料を選択することで決定できる。そして、原料を選択することで、ナフタレン骨格における第3のナフタレン骨格及び第4のナフタレン骨格の結合位置を制御することができる。
このように、ナフタレン骨格を3つ又は4つ有する本開示の化合物は、入手容易な原料を用いて、簡易な方法にて製造することができる。
上記合成スキームにおいて、50℃〜100℃、好ましくは60℃〜90℃の温度条件下で、目的に応じて、2時間〜10時間反応させ、溶媒を留去し、精製して本開示の化合物を得ることができる。
反応溶媒としては、水、1,2−ジメトキシエタン及びトルエンから選ばれる有機溶媒等が挙げられる。
溶媒は、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合、水と少なくとも1種の有機溶媒を併用してもよく、互いに異なる2種以上の有機溶媒を併用してもよい。なかでも、水と1,2−ジメトキシエタンとの混合溶媒、水とトルエンとの混合溶媒が好ましく、収率がより良好であるという観点からは、1,2−ジメトキシエタンと水との混合比〔体積比〕15:1〜5:1の混合溶媒がより好ましい。
使用する溶媒の量としては、例えば、出発物質である(a1)若しくは(a2)、(b)及び炭酸カリウムの総量1質量部に対して、0.5質量部〜20質量部であることが好ましく、1質量部〜15質量部であることがより好ましい。
反応は、空気中で行ってもよく、不活性ガス(ヘリウム、窒素、アルゴンなど)の雰囲気下又は流通下で行ってもよい。なかでも、収率をより向上させるという観点から、窒素雰囲気下で行うことが好ましい。
また、不活性ガス雰囲気下で反応を行う際には、反応前の原料の混合溶液に対し、不活性ガスを吹き込み、バブリングを行うことも、空気中の酸素などの反応に与える影響をより低減する観点から好ましい。
反応は、常圧下、加圧下、又は減圧下のいずれで行ってもよい。
反応は、攪拌しながら行ってもよく、還流しながら行ってもよい。収率をより向上させるという観点から、還流しながら行うことが好ましい。
精製は常法により行なうことができる。例えば、溶媒を留去して得た粗生成物を、ヘキサン及びクロロホルムの体積比3:1の混合溶媒を展開溶媒としたシリカゲルクロマトグラフィーにより精製することができる。
本開示の化合物の製造方法においては、上記した工程以外の任意の工程をさらに含むことができる。
例えば、得られた化合物の粗精製物を、既述のように、シリカゲルクロマトグラフィーなどにより精製する工程を含むことができる。
本開示の化合物の製造方法によれば、入手容易な出発物質を用いて、簡易な方法により、青色発光材料として有用な本開示の化合物を高い収率で得ることができる。このため、青色発光材料として有用な化合物を簡易に得ることができ、広い分野へ青色発光材料を応用する場合に有用である。
なお、本開示における高収率とは、理論収率に対し、10%以上であることを指し、好ましくは、30%以上である。
≪青色発光材料≫
本開示の青色発光材料は、下記式(I)で表される。
Figure 2021054744
式(I)中、nは0又は1を表す。
上記式(I)で表される化青色発光材料は、クロロホルム溶媒などの溶媒中でも、固体状態でも、極大吸収波長が380nm〜460nmの範囲にある深い青色を示す発光を得ることができる。
式(I)で表される青色発光材料は、前記本開示の新規化合物と同じ化合物であり、好ましい例も同じである。
本開示の青色発光材料は、ナフタレン骨格を少なくとも3つ有し、分子量は300以上であることから、青色固体発光材料として、有機発光素子の発光層を、例えば、真空蒸着法などの気相法により形成する際に好適に使用することができ、形成された発光層の耐久性が良好であるため、その応用範囲は広い。
≪有機発光素子≫
本開示の有機発光素子は、既述の本開示の化合物、若しくは、本開示の青色発光材料を含む。
本開示における有機発光素子は、例えば、表示装置、照明装置の構成部材、電子写真方式の画像形成装置の露光光源、液晶表示装置のバックライト、白色光源にカラーフィルターを有する発光装置等の発光素子として好適に用いられる。
表示装置としては、例えば、有機発光素子を表示部に用い、有機発光素子とトランジスタのドレイン電極又はソース電極と接続させて発光輝度を制御することにより、有機ELテレビ、パーソナルコンピュータのディスプレイ等の画像表示装置が挙げられる。上記の表示装置、さらに、白色LED光源などに、本開示の有機発光素子を適用することができる。
本開示の化合物は、固体状態における発光波長が380nm〜460nmの深い青色の発光が得られる。このため、本開示の有機発光素子は、赤色、および緑色の有機発光材料を含む有機発光素子と組み合わせて、例えば、画表示装置に適用した場合に、白色の表示性が良好であり、コントラストに優れた画像が得られる。また、白色LED光源としても好適である。このため、本開示の化合物を含む本開示の有機発光素子は、種々の分野に応用することができる。
以下、本開示の化合物及びその製造方法について、実施例を挙げてより具体的に説明する。しかし本開示は、その主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されない。なお、以下の実施例においては、特に断らない限り「%」は質量換算である。
実施例における収率の「%」は、原料が理論上、所望の生成物にすべて変換された場合に対する実際に得られた生成物の量の比率(質量基準)である。
(試薬及び化合物の同定方法)
調製に用いた試薬は、すべて市販のものを用いた。また、合成した生成物については、NMR(Nuclear Magnetic Resonance:核磁気共鳴)及び高分解能質量分析(High−resolution mass−spectrometry:HRMS)測定によって確認した。
NMR測定には、Varian社製のNMR System 600MHzを用いた。高分解能質量分析には、日本電子(株)(JEOL)の高性能二重収束質量分析計(GC−MS)JMS−700を用いた。下記HRMS(FAB)とは、質量分析の際のイオン化を高速電子衝撃(Fast atom bombardment:FAB)にて行う装置により測定された数値を指す。
〔実施例1:ビス(1−ナフチル)−2,6−ナフタレン(例示化合物2611)の合成〕
下記スキームに従い、例示化合物(2611)を合成した。
2,6−ジブロモナフタレン(化合物(a1))290mg(1.0mmol〔ミリモル〕)、1−ブロモナフタレンボロン酸(化合物(b))395mg(2.3mmol)及び炭酸カリウム690mgを、5.0 mmolの1,2−ジメトキシエタン(10ml)と水(1ml)との混合溶媒に溶解して得た溶液を、10分間窒素ガスでバブリングを行った後、テトラ(トリフェニルリン)パラジウム(0)(116mg、0.1mmol)を加え、窒素雰囲気下、85℃で7時間還流した。
溶液を室温に戻した後、ベンゼン100mlを加え、飽和食塩水100mlで2度洗浄後、有機層を分離し、これを硫酸ナトリウムで乾燥させた後、溶媒を留去した。
生成物をヘキサン:クロロホルム(体積比 3:1)を展開溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて分離を行い、217mgの例示化合物2611を57%の収率で得た。
Figure 2021054744
既述の方法により、NMR測定を行い、以下に示す結果を得た。例示化合物2611のHNMRチャートを図2Aに、13CNMRチャートを図2Bに、それぞれ示す。
HNMR(600MHz,CDCl) δ=8.06(m,1H),8.02(d,1H,J=8.2Hz),7.99(d,1H,J=8.4Hz),7.96(d,1H,J=7.8Hz),7.30(d,1H,J=7.7Hz),7.71(dd,1H,J=8.2,1.5Hz),7.62−7.56(m,2H),7.54(ddd,1H,J=8.0,6.8,1.2 Hz),7.47(ddd,1H,J=8.4,6.8,1.5 Hz).
13CNMR (600MHz,CDCl)δ=140.26,138.70,133.98,132.67,131.89,129.09,128.72,128.49,127.98,127.96,127.39,126.29,126.22,125.99,125.59.
HRMS(FAB) m/z calcd.for C3020 380.1565,found 380.1563.
〔実施例2:2−(1−ナフチル)−6−(2−ナフチル)ナフタレン(例示化合物2612)の合成〕
1.中間体(26B1)の合成
まず、下記スキームに従い、中間体(26B1)を合成した。
2,6−ジブロモナフタレン(化合物(a1))858mg(3.0mmol)、1−ブロモナフタレンボロン酸(化合物(b))620mg(3.6mmol)及び炭酸カリウム2g(14mmol)を、1,2−ジメトキシエタン40mlと水4mlとの混合溶媒に溶解して得た溶液を、10分間窒素ガスでバブリングを行った後、テトラ(トリフェニルリン)パラジウム(0)346mg(0.3mmol)を加え、窒素雰囲気下、85℃で2時間還流した。
溶液を室温に戻した後、ベンゼン200mlを加え、飽和食塩水100mlで2度洗浄後、有機層を分離し、これを硫酸ナトリウムで乾燥させた後、溶媒を留去した。
生成物をヘキサン:クロロホルム(体積比3:1の混合溶媒)を展開溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて分離を行い、408mgの中間体26B1を、41%の収率で得た。
Figure 2021054744
既述の方法により、NMR測定を行い、以下に示す結果を得た。中間体26B1のHNMRチャートを図3Aに、13CNMRチャートを図3Bに、それぞれ示す。
HNMR (600MHz,CDCl) 8.11(d,1H,J=1.6Hz),7.97−7.89(m,4H),7.87(d,1H,J=8.4Hz),7.76(d,1H,J=8.6Hz),7.68(dd,1H,J=8.4,1.6Hz),7.62(dd,1H,J=8.7,1.9Hz),7.57(dd,1H,J=7.9,7.1Hz),7.55−7.50(m,2H),7.45(ddd,1H,J=8.2,6.9,1.2Hz).
13CNMR (600MHz,CDCl) δ=139.81,138.96,133.96,133.74,131.97,131.73,129.92,129.86,129.82,129.66,128.78,128.52,128.11,127.37,126.91,126.38,126.05,126.00,125.55,120.09.
HRMS(FAB) m/z calcd.for C2013Br 332.0201,found 332.0185.
2.例示化合物2612の合成
下記スキームに従い、例示化合物2612を合成した。
上記1.で得た中間体26B1 335mg(1.0mmol),2−ブロモナフタレンボロン酸(化合物(b2))230mg(1.3 mmol)及び炭酸カリウム690mg(5mmol)の1,2−ジメトキシエタン10mlと水1mlとの混合溶媒に溶解して得た溶液を10分間窒素ガスでバブリングを行った後、テトラ(トリフェニルリン)パラジウム(0)346mg(0.3mmol)を加え、窒素雰囲気下、85℃で2時間還流した。
溶液を室温に戻した後、ベンゼン200mlを加え、飽和食塩水100mlで2度洗浄後、有機層を分離し、これを硫酸ナトリウムで乾燥させた後、溶媒を留去した。
生成物をヘキサン:クロロホルム(体積比 3:1の混合溶媒)を展開溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて分離を行い、326mgの例示化合物2612を、86%の収率で得た。
Figure 2021054744
既述の方法により、NMR測定を行い、以下に示す結果を得た。例示化合物2612のH NMRチャートを図4Aに、13C NMRチャートを図4Bに、それぞれ示す。
H NMR(600MHz,CDCl) δ=8.27(brd,1H,J=1.1Hz),8.22(brd,1H,J=1.2Hz),8.06(d,1H,J=8.2Hz),7.90−8.07(m,10H),7.70(dd,1H,J=8.2,1.6Hz),7.50−7.61(m,5H),7.56(ddd,1H,J=8.2,6.6,1.2Hz).
13C NMR(600MHz,CDCl)δ=140.26,138.81,138.67,138.53,134.01,133.92,133.05,132.86,132.79,131.90,129.17,128.86,128.73,128.68,128.50,128.41,128.16,127.97,127.85,127.40,126.56,126.35,126.31,126.28,126.21,126.10,126.01,125.88,125.60.
HRMS(FAB) m/z calcd.for C3020 380.1565,found 380.1565.
〔実施例3:ビス(1−ナフチル)−2,7−ナフタレン(例示化合物2711)及び2−ブロモ−7−(1−ナフチル)ナフタレン(中間体27B1)の合成〕
下記スキームに従い、例示化合物2711と中間体27B1とを合成した。
2,7−ジブロモナフタレン(化合物(a2))600mg(2.1mmol),1−ブロモナフタレンボロン酸(化合物(b))654mg(3.8mmol)及び炭酸カリウム1.4g(10mmol)の1,2−ジメトキシエタン25mlと水3mlとの混合溶媒に溶解して得た溶液を、10分間窒素ガスでバブリングを行った後、テトラ(トリフェニルリン)パラジウム(0)242mg(0.2mmol)を加え、窒素雰囲気下、85℃で16時間還流した。
溶液を室温に戻した後、ベンゼン150mlを加え、飽和食塩水100mlで2度洗浄後、有機層を分離し、これを硫酸ナトリウムで乾燥させた後、溶媒を留去した。
生成物をヘキサン:クロロホルム(体積比3:1の混合溶媒)を展開溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて分離を行い、570mgの例示化合物2711を71%の収率で、170mgの中間体27B1を24%の収率で得た。
Figure 2021054744

既述の方法により、中間体27B1のNMR測定を行い、以下に示す結果を得た。中間体27B1のH NMRチャートを図5Aに、13CNMRチャートを図5Bに、それぞれ示す。
H NMR(400MHz,CDCl)δH NMR δ=8.06(d,1H,J=1.7Hz),7.96−7.86(m,5H),7.81(d,1H,J=8.8Hz),7.66(dd,1H,J=8.2,1,6Hz),7.61(dd,1H,J=8.7,1.9Hz),7.57(dd,1H,J=8.1,7.0Hz),7.54−7.49(2H,two ddd signals overlap),7.44(ddd,1H,J=8.7,6.7,1.3Hz).
13C NMR(600MHz,CDCl)δ=139.74,139.59,134.63,133.94,131.73,131.08,130.19,129.55,129.06,128.51,128.14,127.90,127.78,127.38,126.38,126.05,125.98,125.54,120.44.
HRMS(FAB) m/z calcd.for C3020 380.1565,found 380.1564.
既述の方法により、例示化合物2711のNMR測定を行い、以下に示す結果を得た。例示化合物2711のH NMRチャートを図6Aに、13C NMRチャートを図6Bに、それぞれ示す。
H NMR(400MHz,CDCl)δ=8.06(d,2H,J=8.3Hz),8.02(s,2H),8.00(d,2H,J=8.2Hz),7.96(d,2H,J=8.2Hz),7.92(d,2H,J=7.8Hz),7.71(d,2H,J=8.2Hz),7.61−7.55(m,4H),7.53(t,2H,J=7.3Hz),7.46(t,2H,J=7.7Hz).
13C NMR(600MHz,CDCl)δ=140.26,139.00,133.98,133.95,133.57,131.89,131.85,129.03,128.86,128.49,127.97,127.67,127.40,126.30,126.22,126.00,125.59.
HRMS(FAB) m/z calcd.for C3020 380.1565,found 380.1564.
〔実施例4:2−(1−ナフチル)−7−(2−ナフチル)ナフタレン(例示化合物2712)の合成〕
下記スキームに従い、例示化合物2712を合成した。
実施例3で得た中間体(27B1)100 mg(0.30 mmol)、2−ブロモナフタレンボロン酸(化合物(b2))67mg(0.39mmol)及び炭酸カリウム207mg(1.5mmol)を1,2−ジメトキシエタン5mlと水1mlとの混合溶媒に溶解して得た溶液を、10分間窒素ガスでバブリングを行った後、テトラ(トリフェニルリン)パラジウム(0)35mg(0.03mmol)を加え、窒素雰囲気下、85℃で3時間還流した。
溶液を室温に戻した後、ベンゼン100mlを加え、飽和食塩水100mlで2度洗浄後、有機層を分離し、これを硫酸ナトリウムで乾燥させた後、溶媒を留去した。
生成物をヘキサン:クロロホルム(体積比 3:1の混合溶媒)を展開溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて分離を行い、91mgの例示化合物2712を80%の収率で得た。
Figure 2021054744

既述の方法により、例示化合物2712のNMR測定を行い、以下に示す結果を得た。例示化合物2712のH NMRチャートを図7Aに、13C NMRチャートを図7Bに、それぞれ示す。
H NMR δH=8.23(s,1H),8.21(s,1H),8.08−8.04(m,2H),8.03−7.88(m,9H),7.67(d,1H,J=8.5Hz),7.62−7.48(m,5H),7.45(m,1H).
13C NMR(600MHz,CDCl)δ=140.27,139.09,139.02,138.53,134.00,133.89,132.86,131.95,131.90,129.22,128.83,128.72,128.54,128.49,128.41,127.98,127.84,127.62,127.39,126.53,126.43,126.31,126.23,126.20,126.12,126.01,125.87,125.60.
HRMS(FAB) m/z calcd. for C2020 380.1565,found .380.1563
≪評価≫
実施例1〜実施例4にて合成した例示化合物2611、例示化合物2612、例示化合物2711及び例示化合物2712のそれぞれの固体状態(粉末)及び化合物を含む溶液(クロロホルム)に対する発光波長、光物理特性(蛍光収率、蛍光寿命及び速度定数)を測定した。
<各物性の測定方法>
(蛍光収率等の測定)
絶対PL光量子収率測定装置(C9920−02、浜松フォトニクス(株)製)を用いて、クロロホルム溶媒中における上記化合物の極大吸収波長(λabs/nm)及び蛍光数率を測定した。絶対PL光量子収率測定装置を用いることで、信頼性の高い蛍光収率の値を得ることができる。
(吸収スペクトルの測定)
吸収スペクトルについては、紫外可視分光光度計(Ubest−50、JASCO社製)を用いて測定し、蛍光発光スペクトルについては、絶対PL光量子収率測定装置(C9920−02、浜松フォトニクス(株)製)を用いて測定した。
固体状態の測定は、各化合物を固体粉末状の試料とし、得られた試料を上記の絶対PL光量子収率測定装置付属のガラスシャーレにそれぞれ投入し、試料を入れた石英シャーレを上記の絶対PL光量子収率測定装置に設置した以外は、上記の各化合物をクロロホルムに溶解した溶液に対する極大蛍光波長及び蛍光収率を測定した条件と同じ条件で、極大蛍光波長及び蛍光収率の測定を行った。
上記例示化合物のクロロホルム溶媒中の吸収スペクトル、クロロホルム溶媒中の蛍光スペクトル、及び固体の蛍光スペクトルを図1に示す。図1では、吸収スペクトルを実線で、クロロホルム溶媒中の発光スペクトルを破線で、固体状態の蛍光スペクトルを点線で、それぞれ示した。
また、各例示化合物の基本物性を評価するため、例示化合物のクロロホルム溶媒中の発光極大波長(λf)、固体状態の発光極大波長(λfsolid)、クロロホルム溶媒中の発光量子収率(Φf)及び固体状態の発光量子収率(Φfsolid)を測定し、表1に併記する。
Figure 2021054744

図1及び表1の結果より、例示化合物2611、2612、2711、及び2712は、いずれも、固体状態において、380nm〜410nmに発光極大波長を有し、発光量子収率が実用上問題のないレベルであった。なかでも、例示化合物2611は、発光量子収率が0.9を超えるという、極めて優れた値を示すことがわかる。
また、実施例で得た各化合物は、固体粉末状態において、目視で観察した場合にも、鮮やかな青色蛍光が確認された。
上記実施例の結果より、本開示の化合物は、有機発光素子等として有用なレベルの青色を呈し、良好な発光効率を有する青色発光性材料であることが示された。

Claims (6)

  1. 下記式(I)で表される化合物。
    Figure 2021054744


    式(I)中、nは0又は1を表す。
  2. 前記式(I)で表される化合物は、下記式(I−2)で表される化合物である請求項1に記載の化合物。
    Figure 2021054744

  3. 分子量が300以上である請求項1又は請求項2に記載の化合物。
  4. 下記式(I)で表される青色発光材料。
    Figure 2021054744


    式(I)中、nは0又は1を表す。
  5. 2,6−ジブロモナフタレン(a1)又は2,7−ジブロモナフタレン(a2)と、1−ブロモナフタレンボロン酸(b)とを、炭酸カリウム及びテトラ(トリフェニルリン)パラジウム(0)の存在下で反応させる工程を含む、請求項2に記載の化合物の製造方法。
    Figure 2021054744
  6. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の化合物、若しくは、請求項4に記載の青色発光材料を含む有機発光素子。
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