JP2007022986A - 新規ピラゾール誘導体及びこれを含有する有機el素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 発光層ホストとして高い三重項エネルギーを有し、電荷の輸送性に優れる材料を提供すること。
【解決手段】 一般式(1):
【化1】

[式中、R1〜R8は同一又は異なって水素原子、アルキル基又はアルコキシ基を示し;環A〜Eは同一又は異なってベンゼン環又はピリジン環を示す。]
で表されるピラゾール誘導体。
【選択図】 なし

Description

本発明は、新規なピラゾール誘導体及びこれを含有する有機EL素子に関する。
近年、フラットパネルディスプレイあるいは照明器具などの用途において、低消費電力で機器の占有面積が小さい発光媒体として有機電界発光素子(有機EL素子)が注目を集めている。これまで、有機EL素子の本格的な実用化に向けて素子の駆動電圧の低減、長寿命化、あるいは発光効率の向上など多くの観点から、多様な電極材料や電荷輸送材料、発光材料などが提案されてきた。
一般的な有機EL素子の基本構造としては、例えばガラスあるいはプラスチック等の可視光を透過する基板上にインジウム−スズ酸化物(ITO)などの導電性金属酸化物からなる陽極を設け、その上に正の電荷(正孔)を輸送する正孔輸送層、正負の電荷を再結合させて電流を光に変換する発光層、負の電荷(電子)を輸送する電子輸送層を順次積層し、その上にアルミニウム、マグネシウム、カルシウム、セシウム、銀などの金属、あるいはこれらを任意の比率で混合した合金などからなる陰極を設けた構造が採用されている。
最近、有機EL素子の発光効率の大幅な向上の観点から、分子内にイリジウム(III)や白金(II)などを含むリン光材料を発光材料とする素子が大きな注目を浴びている。特に緑色のリン光材料であるトリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(III)錯体(Ir(ppy)3)を使用した有機EL素子に関しては、素子に流した電流を光へ変換する効率(以下、内部量子効率)はほぼ100 %を達成している(非特許文献1)。更には、最近赤色のリン光材料を使用した素子の性能が実用レベルに到達し、その素子を使用した小型ディスプレイの市販が開始された。
しかしその一方で、青色のリン光材料を使用した有機EL素子に関しては、発光効率こそ改善されつつあるものの、駆動電圧の高さや素子を構成する各種材料の安定性、それらに起因する駆動寿命の短さなど、未だ多くの解決すべき問題を抱えているのが現状である。
一般に、有機EL素子における発光層は、正孔輸送層および電子輸送層より正負の電荷を受け取る役割を果たすホスト材料の中に、共蒸着法あるいは混合物溶液の塗付法などにより0.1〜10重量%程度の発光材料をドープする形で作成される。
ここで、発光材料として特にリン光材料を使用する場合、ホスト材料と発光材料それぞれの基底状態−励起三重項状態間のエネルギー差(以下、三重項エネルギー)が極めて重要となる。発光材料ドープ型の発光層を形成する場合、ホスト材料の三重項エネルギーが発光材料の三重項エネルギーよりも大きいことが必要となる。ここでもし発光材料の三重項エネルギーがホスト材料の三重項エネルギーよりも大きい場合、電流により励起された発光材料のエネルギーがホスト材料へと逆流してしまい、その結果発光効率の大幅な低下を引き起こす原因となる。
実際に、一般的にリン光材料系の発光層ホストとして使用される4、4'−ビス(9−カルバゾリル)ビフェニル(以下、CBP)の場合、発光材料として前述の緑色リン光材料であるIr(ppy)3を使用した場合は内部量子効率がほぼ100 %を示す。しかし、青色のリン光材料であるFIrpicを使用した場合、FIrpicの三重項エネルギーがホストであるCBPの三重項エネルギーより大きくなる。このため、FirpicからCBPへのエネルギーの逆流が生じ、その結果、素子の内部量子効率が大幅に低下することが知られている(非特許文献2、3)。
また、CBPに代表されるカルバゾール系のホスト材料は電荷の輸送性に乏しく、素子の駆動電圧が高くなるという問題も生じる。
M. Ikai et al., Appl. Phys. Lett., 79, 156(2001) C. Adachi et al., Appl. Phys. Lett., 79, 2082(2005) Y. Kawamura et al., Appl. Phys. Lett., 86, 071104(2005)
従って、本発明の目的は、発光層ホストとして高い三重項エネルギーを有し、電荷の輸送性に優れる材料を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、安価な材料から下記一般式(1)で表される新規なピラゾール誘導体が容易に得られ、更にこの新規ピラゾール誘導体が極めて高い三重項エネルギーを有していることを見いだした。また、当該ピラゾール誘導体を有機EL素子の発光層に発光層ホストとして使用すると、ドープされた発光材料の絶対発光量子収率が高く、更に電荷の輸送性に優れ、その結果低電圧駆動下でも十分な発光輝度を有する有機EL素子が得られることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、一般式(1):
[式中、R1〜R8は同一又は異なって、水素原子、アルキル基又はアルコキシ基を示し;環A〜Eは、同一又は異なってベンゼン環又はピリジン環を示す。]
で表されるピラゾール誘導体を提供するものである。
また本発明は、上記のピラゾール誘導体を含有する発光層を有する有機EL素子を提供するものである。
本発明の新規ピラゾール誘導体が極めて高い三重項エネルギーを有しており、これを発光層に発光層ホストとして使用すると、ドープされた発光材料の絶対発光量子収率が高く、更に電荷の輸送性に優れ、その結果低電圧駆動下でも十分な発光輝度を有する有機EL素子を得ることができる。
上記一般式(1)においてR1〜R8で示されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基等の直鎖又は分枝鎖の炭素数1〜6のアルキル基が挙げられ、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基が挙げられる。
1〜R8としては、同一又は異なって水素原子が好ましく、R1〜R8が同時に水素原子であることが好ましい。
1〜R8としては、R1とR5、R2とR6、R3とR7、R4とR8がそれぞれ同一であるものが好ましい。
一般式(1)中の環E上におけるベンゼン環とベンゼン環の結合は、o−、m−及びp−のいずれでもよいが、m−が特に好ましい。
また、環Eに結合するベンゼン環上におけるピラゾール環と環Eとの結合は、o−、m−及びp−のいずれでもよいが、o−又はp−が好ましく、o−がより好ましい。
本発明の本発明のピラゾール誘導体は、例えば以下の方法によって製造できる。
(式中、R1〜R8及び環A〜Eは前記定義のとおりであり;X1及びX2は同一又は異なってハロゲン原子を示し;Yは水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を示す。)
すなわち、フェニルヒドラジン(2)にジベンゾイルメタン誘導体(3)を反応させて、ピラゾール誘導体(4)に誘導する。続いて、このピラゾール誘導体(4)にアルキルリチウム及びホウ酸トリアルキルを反応させ、ボロン酸誘導体(5)とした後、パラジウム触媒及び塩基存在下にハロゲン化物(6)を反応させることにより本発明のピラゾール誘導体が得られる。
化合物(2)と化合物(3)の反応は酢酸等の酸存在下に行うことが好ましい。酸の使用量は、フェニルヒドラジン(2)1モルに対して、通常2〜10モル、好ましくは2〜5モルである。
かかる反応に用いられる反応溶媒としては、反応に不活性なものであれば特に限定されないが、例えば1−プロパノール、2−プロパノール等のアルコール系溶媒が好ましい。反応は、室温〜溶媒の沸点温度の範囲で、5〜20時間程度行うことが好ましい。
ピラゾール誘導体(4)の反応に用いるアルキルリチウムとしては、エチルリチウム、n−プロピルリチウム、n−ブチルリチウム等の炭素数1〜6のアルキルリチウムが挙げられるが、取り扱い性や反応性の点から、n−ブチルリチウムが好ましい。アルキルリチウムの使用量は、ピラゾール誘導体(4)1モルに対し、0.8〜2モル、好ましくは1〜1.5モルである。
かかる反応に用いられる反応溶媒としては、反応に不活性なものであれば特に制限されないが、例えばジメトキシエタン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒が好ましい。反応は、−80℃〜−30℃の温度範囲で15分〜1時間、次いで−20℃〜0℃の温度範囲で30分〜2時間で行うのが好ましい。
アルキルリチウムの反応の次に用いられるホウ酸トリアルキルとしては、ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリエチル等が挙げられる。ホウ酸トリアルキル類の使用量は、ピラゾール誘導体(4)1モルに対し、通常1〜3.5モル、好ましくは1.1〜2.0モルである。
ホウ酸トリアルキルの反応に用いられる反応溶媒としては、反応に不活性なものであれば特に制限されないが、例えばジメトキシエタン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒が好ましい。反応は、−80℃〜−30℃の温度範囲で1〜3時間、次いで室温で2〜16時間程度行うことが好ましい。
かくして得られる反応液に、酢酸、塩酸等の酸を加え、例えば室温で15〜45分攪拌反応させることにより、ボロン酸誘導体(5)が得られる。
ハロゲン化物(6)としては、ジクロロベンゼン、ジブロモベンゼン、ジクロロピリジン、ジブロモピリジン等が挙げられる。ハロゲン化物(6)の使用量は、ボロン酸誘導体(5)及び(5’)それぞれ各1モルに対し、通常0.5〜1.2モル、好ましくは0.8〜1.0モルである。ここで、ボロン酸誘導体(5’)は、ボロン酸誘導体(5)と同様の方法により得ることができ、ボロン酸誘導体(5’)はボロン酸誘導体(5)と同一であってもよい。
パラジウム触媒としては、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロ[ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]パラジウム、ジクロロ[ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン]パラジウム、ジクロロ[ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム等が挙げられるが、これらの中でテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムが好ましい。パラジウム触媒の使用量は、ボロン酸誘導体(5)1モルに対し、通常0.005〜0.5モルであり、好ましくは0.01〜0.15モルである。
塩基としては、例えば炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム、炭酸セシウム等のアルカリ金属炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素化合物カリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化セシウム等のアルカリ金属水酸化物などが挙げられる。塩基の使用量は、ボロン酸誘導体(5)1モルに対して、通常2〜10モル、好ましくは2〜5モルである。
ボロン酸誘導体とハロゲン化物(6)の反応に用いられる反応溶媒としては、反応に不活性なものであれば特に限定されず、例えばベンゼン、トルエン等のベンゼン系溶媒;ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒;n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン等の脂肪族炭化水素系溶媒などが挙げられ、エーテル系溶媒が好ましい。反応は、室温〜溶媒の沸点温度の範囲で、6〜15時間程度行うことが好ましい。なお、ボロン酸誘導体は、異なる構造からなる2種を組み合わせて用いてもよい。
また、本発明のピラゾール誘導体(1)は、以下に示すように、フェニルヒドラジン(2)の代わりにハロゲン化物(2’)を用いることの他は、前記と同様の方法を行うことによっても製造できる。
(式中、R1〜R8及び環A〜Eは前記定義のとおりであり;X1〜X3は同一又は異なってハロゲン原子を示し;Yは水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を示す。)
ピラゾール誘導体(4’)の反応に用いるアルキルリチウムとしては、エチルリチウム、n−プロピルリチウム、n−ブチルリチウム等の炭素数1〜6のアルキルリチウムが挙げられるが、取り扱い性や反応性の点から、n−ブチルリチウムが好ましい。アルキルリチウムの使用量は、ピラゾール誘導体(4’)1モルに対し、0.8〜2モル、好ましくは1〜1.5モルである。
かかる反応に用いられる反応溶媒としては、反応に不活性なものであれば特に制限されないが、例えばジメトキシエタン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒が好ましい。反応は、−80℃〜−30℃の温度範囲で30分〜3時間で行うのが好ましい。
アルキルリチウムの反応の次に用いられるホウ酸トリアルキルとしては、ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリエチル等が挙げられる。ホウ酸トリアルキル類の使用量は、ピラゾール誘導体(4’)1モルに対し、通常1〜3.5モル、好ましくは1.1〜2.0モルである。
ホウ酸トリアルキルの反応に用いられる反応溶媒としては、反応に不活性なものであれば特に制限されないが、例えばジメトキシエタン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒が好ましい。反応は、−80℃〜−30℃の温度範囲で1〜3時間、次いで室温で2〜16時間程度行うことが好ましい。かくして得られる反応液に、酢酸、塩酸等の酸を加え、例えば室温で15〜45分攪拌反応させることにより、ボロン酸誘導体(5’’)が得られる。ボロン酸誘導体(5’’’)も同様の方法により製造できる。
上記の方法により本発明のピラゾール誘導体(1)を含む反応混合物を得ることができるが、ろ過、中和、抽出、濃縮、再結晶、クロマトグラフィー等の一般的な操作を適宜組み合わせることにより、本発明のピラゾール誘導体(1)を結晶として単離することができる。
次に、本発明のピラゾール誘導体(1)を用いた有機EL素子について説明する。本発明の代表的な有機EL素子は、特開2004−339070号公報に記載の有機EL素子と同様の構造を有し、具体的には、透明基板、導電性材料からなる陽極、正孔輸送層、発光層、電子輸送層及び陰極が順次積層されており、発光層に、発光層ホストとして本発明のピラゾール誘導体を含有させたものである。
透明基板としては、ガラス、透明プラスチック等を使用すればよい。陽極としては、厚さ110nm程度に積層された導電性材料であるITOが使用できる。陰極としては、マグネシウムと銀の共蒸着により厚さ110nm程度に製膜して得られる半透明の仕事関数が小さな合金、例えば、MgAg/Agを使用すればよい。
本発明の有機EL素子の発光層、電子輸送層等の有機層には、更に従来から当該分野において使用されている各種の化合物を含有させてもよい。発光層には、発光材料を加えられるが、発光材料としてはリン光材料が好ましい。リン光材料としては、緑色リン光材料、赤色リン光材料、青色リン光材料が挙げられるが、青色リン光材料が好ましく、FIrpicがより好ましい。FIrpicを発光層に加える場合、FIrpicの本発明のキノリン誘導体(1)に対する添加量は、重量比で0.1〜20%であることが好ましく、3〜15%であることがより好ましい。
次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
実施例1
2,6−ビス(2−(3,5−ジフェニルピラゾール−1−イル)フェニル)ピリジン(以下、BPP)の合成
500 mLのナス型フラスコにフェニルヒドラジン23.0 g(213 mmol)およびジベンゾイルメタン52.5 g(234 mmol)を分取し、これに230 mLの2−プロパノール及び4.5 mLの酢酸を加え、窒素雰囲気下8時間還流した。反応液を室温まで冷却したのち、析出した白色の結晶をろ過、乾燥し、1,3,5−トリフェニルピラゾール(TPPz)の白色結晶61.0 g(206 mmol、収率96.8 %)を得た。
このTPPz 11.9 g(40 mmol)を300 mLのナス型フラスコに分取し、120 mLのテトラヒドロフランを加えて溶解した。この反応溶液をドライアイス−アセトン浴により−60 ℃以下まで冷却した。その後、内温を−40 ℃以下に保ちながら40 mLの1.6 M n−ブチルリチウム/ヘキサン溶液を滴下した。滴下終了後、内温を−10〜0 ℃に保ちながら1時間攪拌を続けた後、再びドライアイス−アセトン浴を用いて内温−60 ℃以下まで冷却した。この反応液に、内温を−40 ℃以下に保ちながら6.5 g(62.7 mmol)のホウ酸トリメチルを滴下した。滴下終了後、内温−40 ℃以下で2時間攪拌を続け、その後徐々に室温まで昇温させながら一晩攪拌を続けた。この反応液に、60 mLの1 M塩酸水溶液を加え、30分攪拌した。攪拌を停止し、分液した水層を廃棄し得られた有機層を減圧濃縮し、淡紅色アモルファスのボロン酸中間体(1-(2-(ジヒドロキシボリル)フェニル)-3,5-ジフェニルピラゾール)12.6 gを得た。このボロン酸中間体は少量の不純物を含むが、そのまま次の反応に使用した。
上記ボロン酸中間体4.2 gを100 mLのナス型フラスコに分取し、これに670 mg(4.5 mmol)の2,6−ジクロロピリジン、230 mg(0.4 mmol)のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、4.8 g(35 mmol)の炭酸カリウム、20 mLのテトラヒドロフラン及び10 mLのイオン交換水を加え、窒素雰囲気下8時間還流した。反応液を室温まで冷却したのち、分液した水層を廃棄し、減圧濃縮により溶媒を留去して黄色オイル5 gを得た。このオイルをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)および昇華精製法により精製し、白色結晶の表題化合物(BPP)2.1 gを得た。尚、BPPの構造は1Hおよび13C−NMR、質量分析法により同定した。
1H−NMR(400 MHz,CDCl3) δ ppm:6.310(2H, d),6.587〜6.610(6H, m),6.950(4H, t),7.035〜7.120(5H, m),7.306〜7.371(4H, m),7.436(4H, t),7.503(2H, t),7.701(2H, d),7.913(4H, d)
13C−NMR(100 MHz,CDCl3) δ ppm:103.791,120.770,125.648,127.572,127.638,127.746,127.788,127.837,128.501,128.683,129.198,129.281,131.130,132.897,135.419,136.995,137.492,145.770,151.634,154.654
DIMS(EI) m/z:667
実施例2 (BPP薄膜の吸収スペクトル、蛍光および低温リン光スペクトル測定)
石英基板(吸収スペクトル測定用)およびシリコン基板(蛍光、低温リン光スペクトル測定用)上にそれぞれ本発明のピラゾール誘導体(BPP)を膜厚1000Åに蒸着し、室温状態での吸収スペクトル及び蛍光スペクトル、低温(5 K)でのリン光スペクトルを測定した(図1〜3)。BPPは、特に低温リン光スペクトル(図3)において波長450 nm付近に第一の発光ピークを有することから、極めて高い三重項エネルギーを有していることが明らかになった。
実施例3 (BPPをホスト材料とするFIrpicの絶対発光量子収率の測定)
石英基板上にFIrpicと本発明のピラゾール誘導体(BPP)を重量比1:9の割合で共蒸着し、膜厚を1000Åとした。この基板を積分球中に導入し、波長280 nmの紫外光を照射し、BPPに吸収された光子数に対してFIrpicからの発光により放出された光子数の比率(以下、絶対発光量子収率)を測定した。測定の結果、得られた絶対発光量子収率の値はほぼ100 %となった。これは、ホスト−発光材料間に生じているエネルギー移動がBPPからFIrpicへの流入のみに帰属し、FIrpicからBPPへのエネルギーの逆流は生じていないことを示唆している。従って、本発明のBPPを有機EL素子の発光層ホストとして利用することにより、非常に発光効率の高い青色リン光素子が構築可能になることが予測された。
実施例4 (BPPを発光層ホストとして含有する有機EL素子)
1100Åの厚さにインジウム−スズ酸化物(ITO)をスパッタリングしたガラス基板上に、正孔注入層としてNPDを400Å、次いで正孔輸送層としてmCPを100Åの厚さに真空蒸着した。その上に発光層としてFIrpicと本発明のピラゾール誘導体(BPP)を重量比1:9の割合で共蒸着し、膜厚を200Åとした。更に、電子輸送層としてBPhenを400Å蒸着した。この状態で、蒸着された有機物薄膜は均一なアモルファスであることが確認された。この有機薄膜上に10重量%銀−マグネシウム合金を1000Å共蒸着し、次いで銀を100Åの厚さに蒸着した。以上の操作により得られた有機EL素子の発光特性を図4〜6に示す。
当該有機EL素子は3.2 V以上の電圧を印加すると電流が流れ、印加電圧−電流密度特性(図4)及び電流密度−外部量子効率特性(図5)から優れた電荷輸送性及び発光効率を示すことが確認された。また、当該有機EL素子は、波長450〜500 nm付近にピークを示すFIrpic由来の青色発光スペクトルを示すが、その他の発光(Exciplexの形成に起因する発光やBPPからの発光など)は観測されなかった(図6)。尚、この素子の外部量子効率の最大値は9 %であり、低電圧駆動で高い輝度を得ることが可能であった。
BPP薄膜の吸収スペクトルを示す図である。 BPP薄膜の蛍光スペクトルを示す図である。 BPP薄膜のリン光スペクトルを示す図である。 BPPを発光層ホストとして含有する有機EL素子の印加電圧−電流密度特性を示す図である。 BPPを発光層ホストとして含有する有機EL素子の電流密度−外部量子効率特性を示す図である。 BPPを発光層ホストとして含有する有機EL素子の発光スペクトルを示す図である。

Claims (2)

  1. 一般式(1):
    [式中、R1〜R8は同一又は異なって、水素原子、アルキル基又はアルコキシ基を示し;環A〜Eは、同一又は異なってベンゼン環又はピリジン環を示す。]
    で表されるピラゾール誘導体。
  2. 請求項1記載のピラゾール誘導体を含有する発光層を有する有機EL素子。
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