第1実施形態に係る眼科装置の外観を示す斜視図である。
第1実施形態に係る眼科装置の外観を示す側面図である。
第1実施形態に係る眼科装置のブロック構成を示す図である。
第1実施形態に係る眼科装置の動作の一例を示すフローチャートである。
表示面に表示される被検眼像と操作ボタンとの一例を示す説明図であって、アライメント完了前の被検眼像の状態を示す図である。
表示面に表示される被検眼像と操作ボタンとの一例を示す説明図であって、アライメント完了後の測定実行時の状態を示す図である。
第2実施形態に係る眼科装置の外観を示す斜視図である。
第3実施形態に係る眼科システムのブロック構成を示す図である。
第3実施形態の眼科システムの眼科装置が設置される医療機関の間取りの一例を示す平面図である。
(第1実施形態)
以下、第1実施形態に係る眼科装置を、図面に基づいて説明する。まず図1〜図3に基づいて、第1実施形態に係る眼科装置1の構成を説明する。図1は第1実施形態に係る眼科装置1の外観を示す斜視図であり、図2はその側面図である。図3は第1実施形態に係る眼科装置1のブロック構成を示す図である。
なお、本明細書を通じて各図に記すようにX軸、Y軸及びZ軸を取り、図1における左右方向(X軸正方向が右方向、負方向が左方向)、前後方向(Z軸正方向が後方向、負方向が前方向)及び上下方向(Y軸正方向が上方向、Y軸負方向が下方向、高さ方向ということもある)を基準として明細書中の説明を行う。また、被検者P側(Z軸負方向)を眼科装置1の正面、被検者Pと対峙する側(Z軸正方向)を眼科装置1の背面、被検者Pの右側(X軸正方向)を眼科装置1の右側、被検者Pの左側(X軸負方向)を眼科装置1の左側と定義する。
本実施形態の眼科装置1は、例えば、自覚検査として、遠用検査、近用検査、コントラスト検査、グレア検査などを実行可能であり、他覚測定として、他覚屈折測定、角膜形状測定などを実行可能な眼科装置(オートレフケラトメータ)とすることができる。
なお、眼科装置1がオートレフケラトメータに限定されるものではない。他の異なる実施形態として、眼科装置が視標表示装置、レフラクターヘッド、視標表示装置やレフラクターヘッドを備えた検眼装置、その他の自覚検査装置、他覚屈折測定装置、角膜形状測定装置、眼底撮影装置、眼軸長測定装置、眼圧測定装置、眼軸長測定装置、内皮細胞測定装置、スリットランプ、光コヒーレンストモグラフィ(Optical Coherence Tomography:OCT)装置、走査型レーザー検眼鏡(Scanning Laser Ophthalmoscope:SLO)等であってもよい。
図1〜図3に示すように、第1実施形態に係る眼科装置1は、本体部10及び顔支持部20を有する眼科装置本体2と、眼科装置本体2が載置され昇降自在な光学テーブル30と、被検者Pが着座し昇降自在な昇降椅子50と、被検者Pの画像を撮影する撮像部60と、眼科装置本体2、光学テーブル30、昇降椅子50及び撮像部60の動作を制御する制御部としての主制御部17と、を主に備えて構成される。また、眼科装置1は、この他にも、検者が眼科装置1に対してデータを入力したり、操作指示を与えたりするためのコントローラ41を備える。
本実施形態の眼科装置1は、被検眼Eの情報(眼特性)を取得するに際して、被検者Pの顔が顔支持部20に支持されていない測定前の状態の被検者Pの画像と、被検者Pが昇降椅子50に着座し、顔を顔支持部20に支持された状態で眼科装置本体2と対峙して測定可能な状態又は測定中の被検者Pの画像とを撮影し、これらの画像に基づいて算出された被検者Pの寸法情報や姿勢情報に基づいて、測定前から測定中までの測定ヘッド12、顔支持部20、光学テーブル30及び昇降椅子50の何れかの位置調整を自動的に行う装置である。
また、本実施形態の眼科装置1は、被検者Pの測定前と測定中の画像を撮影する撮像部60と、これらの画像に基づいて、測定ヘッド12、顔支持部20、光学テーブル30及び昇降椅子50の何れかの位置調整を適切かつ迅速に行うための寸法情報を算出する制御部17とを備えた被検者情報取得装置としても機能する。
本明細書では、被検者Pが顔支持部20に顔を当てて、眼科装置本体2と対峙し、被検眼Eの眼特性を測定可能な状態又は測定中の状態を「測定状態」といい、この「測定状態」での被検者Pの姿勢を「測定姿勢」という。さらにこれに対して、測定前であって被検者Pが眼科装置本体2の周辺に居るが、顔支持部20に顔を当てていない状態を、「非測定状態」といい、この「非測定状態」での被検者Pの姿勢を「非測定姿勢」という。
本体部10は、ベース部11と測定部としての測定ヘッド12とを備えており、カバー部材13によって被覆されている。測定ヘッド12の頂部には、図1、図2等に示すように、表示部及び操作部としてのモニタ部14が設けられている。この他にも、遠隔操作時に検者が被検者Pに指示を与えるためのスピーカや、被検者Pの応答等を検者に伝えるためのマイク等を本体部10に、又は本体部10と別個に設けてもよい。
本体部10のベース部11と測定ヘッド12とモニタ部14とは、電気的に接続されている。また本体部10と、顔支持部20、光学テーブル30及び昇降椅子50も電気的に接続されている。このため、ベース部11と測定ヘッド12とモニタ部14との間、さらには本体部10と顔支持部20と光学テーブル30と昇降椅子50との間で、データや操作指示の通信などが可能となる。また、例えばベース部11に設けられた電力供給部から、測定ヘッド12、モニタ部14及び顔支持部20、さらには光学テーブル30や昇降椅子50に電力を供給する構成とすることもできる。なお、光学テーブル30や昇降椅子50の電力供給部は、眼科装置本体2とは別個に設けた構成とすることもできる。
測定ヘッド12の内部には、図2、図3に示すように、公知の観察・撮影用の測定光学系15や測定光学系15を制御する制御回路等が設けられている。測定光学系15は、光学レンズ、撮像素子等を含み、この測定光学系15により、被検者Pの被検眼Eの前眼部、角膜、眼底等が観察・撮影可能である。測定ヘッド12の正面には、前眼部の照明用及び膜形状を測定する測定用の光源が輪環状に配置されている。
ベース部11には、図2、図3に示すように、測定ヘッド12をXYZ方向へ駆動する移動機構として、公知のXYZ駆動機構・駆動回路16が設けられている。XYZ駆動機構・駆動回路16は、駆動機構として、例えばステッピングモータが用いられる。
測定ヘッド12は、XYZ駆動機構・駆動回路16によりベース部11に対して水平方向つまり前後左右方向(X軸方向及びZ軸方向)、及びこれに垂直な垂直方向つまり上下方向(Y軸方向)に駆動される。これにより、測定ヘッド12はベース部11に対して水平方向及び垂直方向にそれぞれ移動自在に支持されている。測定ヘッド12の駆動は、モニタ部14のタッチパネル式の表示面40を操作することで行える。すなわち、表示面40は操作部19として機能する。
モニタ部14は、液晶ディスプレイからなり、被検眼像と操作ボタン等が表示されるタッチパネル式の表示面40を有している。モニタ部14は、カバー部材14aによって被覆されている。カバー部材14aには、制御回路ユニット等が内蔵されている。モニタ部14は、測定ヘッド12の頂部の一縁に固定された支持部12aに、水平軸回り(X軸又はZ軸回り)及び垂直軸周り(Y軸周り)に回動自在に取付けられている。この構成により、モニタ部14の表示面40を、検者の位置、姿勢、目線の高さなどに応じて、所望の角度や方向に配置できる。例えば、図2に示すように本体部10の背面方向に表示面40を向けることや、図1に示すように本体部10の正面方向に表示面40を向けることができる。また、モニタ部14を本体部10の右側又は左側に配置し、表示面40を右側又は左側に向けることもできる。
制御回路ユニットは、ハードウェア的には、マイクロプロセッサ、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ等を含んで構成される。制御回路ユニットは、図3に示す主制御部17と、内部メモリ17aと、記憶部18として機能する。主制御部17は、主にマイクロプロセッサからなり、内部メモリ17aはRAM等からなり、記憶部18はROM、EEPROM、フラッシュメモリ等からなる。
主制御部17には、図3に示すように、測定光学系15、XYZ駆動機構・駆動回路16、モニタ部14、記憶部18、操作部19、撮像部60(本体カメラ61、外部カメラ62)、顔支持部20の駆動機構25、光学テーブル30のテーブル制御部33、昇降椅子50の椅子制御部53等が接続されている。主制御部17は、記憶部18又は内部メモリ17aに記憶したプログラムを例えばRAM上に展開し、適宜操作部19やコントローラ41の操作部44からの操作入力信号に応じて、これら眼科装置1の各部を統括的に制御する。
また、主制御部17は、撮像部60で撮影した被検者Pの非測定状態の画像(第1画像)を画像解析し、予め設定された被検者Pと撮像部60との距離に基づいて、被検者Pの所定部位の寸法情報としての高さ情報を算出する。高さ情報としては、例えば、被検者Pの身長、座高、顎Cから被検眼Eまでの高さAL(以下、単に「高さAL」ということがある。)、被検者Pが昇降椅子50に着座したときの臀部(座面51)から被検眼Eまでの高さBL(以下、単に「高さBL」ということがある。)、被検眼Eから額Hまでの高さCL等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、本実施形態では、主制御部17は、画像解析によって測定ヘッド12の水平方向への位置調整に用いる瞳孔間距離PD等、高さ以外の寸法情報も算出する。
また、主制御部17は、画像に基づいて被検者Pの姿勢情報も検出する。例えば、立位姿勢、座位姿勢等の姿勢情報を検出できる。主制御部17は、この姿勢情報を参照しつつ、寸法情報を算出することができる。さらには、例えば、立位姿勢であって、姿勢が悪く被検者Pの背中が丸まっていることを検出した場合は、背筋を伸ばした状態を想定して、被検者Pの寸法情報を算出する。また、車椅子の使用者等は、姿勢情報として座位姿勢が検出されるため、この座位姿勢に基づいて寸法情報を算出する。
主制御部17は、算出した高さ情報に基づいて、測定ヘッド12、顔支持部20、光学テーブル30、昇降椅子50の適切な位置調整のための移動方向、移動距離、移動速度等の移動情報を算出する。本明細書では、移動方向、移動距離、移動速度等、移動に関わる態様、数値、その他の条件を、「移動情報」と定義する。
主制御部17は、この移動情報に基づいて、XYZ駆動機構・駆動回路16、駆動機構25、テーブル制御部33、椅子制御部53等を制御し、測定ヘッド12、顔支持部20、光学テーブル30、昇降椅子50を上下方向に移動させ、これらの高さ方向の位置を調整する。また、算出した瞳孔間距離PDに基づいて、XYZ駆動機構・駆動回路16を制御し、測定ヘッド12を水平方向に移動させて水平方向の位置調整を行う。例えば、左右のいずれかの被検眼Eに対峙する位置に測定ヘッド12を移動させる。なお、位置調整が必要ない場合は、例えば、移動距離に「0」が設定され、当該部位の移動は行われない。
また、主制御部17は、撮像部60で撮影した被検者Pの測定状態の画像(第2画像)を画像解析し、寸法情報及び姿勢情報を取得する。被検者Pの測定姿勢が無理のない自然な姿勢であれば、そのまま測定を続行するが、不自然な姿勢の場合は、適切な測定姿勢での測定を可能とするべく、画像から取得した寸法情報及び姿勢情報に基づいて、光学テーブル30等の位置調整を行うための移動情報を取得し、この移動情報に基づいて光学テーブル30等の位置の再調整を行うように制御する。
例えば、被検者Pの背中が丸まっている場合は顔支持部20が低い可能性があり、顎Cが上がっている場合は顔支持部20が高い可能性がある。このため、被検者Pが適切な測定姿勢となるように、顔支持部20を上下に移動させるための移動情報を算出し、この顔支持部20の移動に追随して測定ヘッド12や光学テーブル30等の位置調整が必要な場合は、これらの移動情報を算出する。
画像解析によって少なくとも基準位置からの被検眼Eの高さ(例えば、床面Fから被検眼Eの眼球中心までの高さ)や身長が分かれば、統計学に基づいて、被検者Pの顎Cから被検眼Eまでの高さAL、臀部Dから被検眼Eまでの高さBL、被検眼Eから額Hまでの高さCL、瞳孔間距離PD等の寸法情報を算出(推定)できる。これらの統計データ(例えば被検眼Eの高さに対応する身長、高さAL、高さBL、高さCL、瞳孔間距離PD等の平均値は標準値等)が記憶部18に予め記憶されている。主制御部17は、この記憶部18の統計データを参照して、高さ情報その他の寸法情報を算出する。
なお、統計データがこれらに限定されることはなく、例えば、全身画像を画像解析することで被検者Pの身長が算出できるのであれば、統計データとして、身長に対する被検眼Eの高さ、高さAL、高さBL、高さCL、瞳孔間距離PD等の平均値等が記憶される。また、眼科装置1にAIを搭載し、AIの学習機能によって寸法情報を算出してもよい。
統計データは、工場出荷時、搬入時、使用時等に提供元やユーザが登録、変更(アップデート)できることが望ましい。例えば、眼科装置1を提供する国の人種等に応じて、更には年齢別に、その人種や年齢等の平均値等の統計データを設定できるようにすれば、被検眼Eに対する測定ヘッド12、光学テーブル30、昇降椅子50高さ調整(位置合わせ)を、より適切に行える。
また、主制御部17は、モニタ部14の表示面40や後述するコントローラ41の表示面40’に、操作や確認のための各種画像を表示する。表示面40,40’に表示される画面の例を、図5、図6を参照して説明するが、表示面40,40’に表示される画面がこの例に限定されることはない。図5、図6に示すように、矩形状の表示面40,40’には、被検眼像等表示領域40aと、操作ボタン表示領域40b〜40dと、被検者画像表示領域41gとが設けられている。被検眼像等表示領域40aには、その画面中央に矩形状の目標エリアマーク40eと最小瞳孔径判定マーク40fとが表示されている。最小瞳孔径判定マーク40fは、この最小瞳孔径判定マーク40f以下の瞳孔径の場合、測定を中止するのに用いられる。被検者画像表示領域40gには、撮像部60で撮影される画像がリアルタイムで表示される。
操作ボタン表示領域40b,40c,40dは、表示面40に向かってその被検眼像等表示領域40aを挟んでその左右両辺部と、下辺部にそれぞれ設けられている。左辺部の操作ボタン表示領域40bには、患者のIDを入力するためのIDボタンB1、右眼を選択するためのRボタンB2、顔支持部20に設けた顎受け部22を上下動させるための顎受け上下動ボタンB3、眼科装置1全体の設定をリセットするためのリセットボタンB4、レフ(眼屈折力)、ケラト(角膜形状)、レフ/ケラト等の測定モードを切り替えるための測定モードボタンB5が配置されている。また、顎受け上下動ボタンB3の近傍には、測定ヘッド12、顎受け部22、光学テーブル30、昇降椅子50の位置調整を自動で行うためモード(以下、「自動調整モード」という)へ切り替えるための自動調整ボタンB12が配置されている。この他にも、光学テーブル30を上下動させるためのテーブル上下動ボタン、昇降椅子50を上下動させるための椅子上下動ボタン、測定ヘッド12を上下左右前後に移動させるための測定ヘッド移動ボタン等を設け、光学テーブル30、昇降椅子50、測定ヘッド12もコントローラ41によって手動(マニュアル)で位置調整できるようにしてもよい。
本実施形態では、自動調整ボタンB12によって位置調整の自動化を眼科装置1に設定しているが、これに限定されることはなく、例えばセットアップ画面で設定する構成、本体部10に別個に設けた物理的な操作スイッチやボタンによって設定する構成とすることもできる。また、遠隔操作や無人化での自動化を行う場合は、これらのボタンを設ける必要はなく、例えば電源ボタンの投入によって自動調整モードとなる構成とすることができる。
右辺部の操作ボタン表示領域40cには、セットアップ画面を表示するためのセットアップボタンB6、左眼を選択するためのLボタンB7、測定ヘッド12を前後方向に移動させるための測定ヘッド前後ボタン(Z方向ボタン)B8、マニュアルモード時に撮像部60での撮影や測定ヘッド12での測定を開始させるためのスタートボタンB9、マニュアル・オート切り替えボタンB10が配置されている。
下辺部の操作ボタン表示領域40dには、白内障等の被検眼を測定する際に用いる白内障ボタン、測定結果のプリントアウトボタン、測定値クリアボタン等、各種ファンクションボタンB11が配置されている。
被検眼像等表示領域40aには、観察中の前眼部像Gfの他、測定結果やその他検査に関連する文字、記号、符号等の他、図形等の画像が適宜表示される。図6には、被検眼Eの前眼部像Gfと測定結果S,C、Aが表示される。図5、図6において、Gf’は虹彩像、Gf”は瞳孔像である。また、P1は角膜輝点像、P2はアライメント指標像である。
例えば、前眼部像Gfの観察モードのときに、図5に示すように、検者が指等で被検眼像等表示領域40aの前検部像Gfの瞳孔付近をタッチする。主制御部17は、このタッチ操作による操作入力信号を受け付けて、タッチ箇所tpに対応する画像部位が画面中心G0に位置するように、測定ヘッド12を上下左右に移動する。これにより、被検眼像の瞳孔像Gf”が画面中央に位置するように制御され、アライメントが行われる。
このとき、主制御部17は、例えば、画面中心G0からタッチ箇所tpまでの画面上での距離Lを演算し、この距離Lに基づいてXYZ駆動機構・駆動回路16の駆動部を駆動制御する。この駆動制御により、被検眼に対して測定ヘッド12を上下左右方向(Y軸方向及びX軸方向)に移動させる。
また、主制御部17は、目標エリアマーク40eの近傍に瞳孔中心PDOが位置して、角膜輝点像P1が検出されると、角膜輝点像P1の検出位置と画面中心G0との距離に基づいてXYZ駆動機構・駆動回路16の駆動部を駆動制御し、測定ヘッド12を上下左右方向(Y軸方向及びX軸方向)に駆動するとともに、角膜輝点像P1のピントが合焦するように、測定ヘッド12を前後方向(Z軸方向)に駆動する。そして、角膜輝点像P1が目標エリアマーク40e内に入り、かつ角膜輝点像P1の出力値が所定値を超えると、主制御部17による測定光学系15の制御により、測定が自動的に実行される。
被検者画像表示領域40gに、撮像部60で撮影された被検者Pの画像が表示されることで、例えば、別室や、遠隔地からのリモート操作等の際に、検者は被検者Pの非測定姿勢や測定姿勢を確認しながら表示面40’を操作できる。また、検者が被検者Pの近くで表示面40’を操作する場合も、被検者Pの非測定姿勢や測定姿勢を確認しながら操作でき、被検者Pと表示面40’の双方を視認する必要がなく、操作に集中できる。
コントローラ41は、液晶ディスプレイからなるモニタ部42と、コントローラ41を制御する制御部43と、検者の操作を受け付ける操作部44とを有している。モニタ部42は、タッチパネル式の表示面40’を備え、この表示面40’が操作部44として機能する。この他にも、リモート操作時に検者が被検者Pに指示を与えるためのマイク、被検者Pの応答等を聞くためのスピーカ等を、コントローラ41に、又はコントローラ41と別個に設けてもよい。
コントローラ41は、検者が眼科装置1を操作するために用いられる。コントローラ41の制御部43と、本体部10の主制御部17とは、Wi−fi(登録商標)等の近距離無線通信からなる通信ネットワークNによって互いに通信可能に接続されているが、有線によって接続されていてもよい。また、眼科装置本体2から離れた部屋や遠隔地にコントローラ41を設置した場合、LAN(Local Area Network)、インターネット等の通信ネットワークNを介してこれらを接続してもよい。
本実施の形態では、コントローラ41としてタブレット端末を用いているが、これに限定されることはなく、スマートフォン、ノート型パーソナルコンピュータ等を用いることもできる。このようなコントローラ41では、検者が手に持って操作でき、被検者Pや眼科装置本体2の周囲、さらには別室や遠隔地等の離れた位置等、いずれの位置からでも操作できる。このため、検者の位置の自由度を高めることができる。
検者が操作するコントローラ41以外にも、被検眼Eの情報の取得の際に、被検者Pが応答するための被検者用コントローラを備えていてもよい。被検者用コントローラとしては、例えばキーボード、マウス、ボタン、コントロールレバー等を備えたものが挙げられる。被検者用コントローラも、通信ネットワークNを介して主制御部17と通信可能に接続する。
前述したように、モニタ部14のタッチパネルは操作部19に含まれ、コントローラ41のタッチパネルは操作部44に含まれる。これらは、その表示面40,40’に表示された操作ボタンやキーボード等に対する操作入力を受け付け、この操作入力信号を主制御部17に出力する。また、本体部10の電源ボタン、後述の光学テーブル30の電源ボタン34及び昇降レバー35、昇降椅子50の電源ボタン54及び昇降レバー55等も操作部に含まれ、これらに対する操作入力を受け付け、この操作入力信号を主制御部17、テーブル制御部33に出力する。また、被検者用コントローラを備える場合には、キーボード、マウス、ボタン、コントロールレバー等も操作部19に含まれ、これらに対する操作入力を受け付け、この操作入力信号を主制御部17に出力する。
顔支持部20は、本体部10のベース部11の前方(正面)に連結して設けられている。なお、顔支持部20が、本体部10に連結された構成に限定されるものではなく、顔支持部20が本体部10と分離し、光学テーブル30上に設置された構成でもよい。
顔支持部20は、ベース部11に連結固定された基部21と、基部21に上下動自在に設けられた顎受け部22と、基部21の左右両側に突出して設けられた一対の支柱23と、この一対の支柱23の上端に設けられた額当て部24と、顎受け部22を上下方向に移動させる顔支持部移動機構としての駆動機構25と、等を主に備えて構成される。また、前後方向や左右方向の位置の調整を可能とするため、顔支持部20は、駆動機構25によって前後方向や左右方向に移動自在に設けられていてもよい。
被検者Pは、例えば眼科装置本体2の前方(正面)に置かれた昇降椅子50等に着座した状態で眼科装置本体2と対峙し、顎受け部22に顎を置き、額当て部24に額Hを突き当てた状態で眼特性の測定等を受ける。なお、子供等、背が低い被検者Pの場合は、昇降椅子50に座らずに、立った状態で顔支持部20に顔を当てて測定を行ってもよい。車椅子に乗った被検者Pの場合は、車椅子に乗った状態で顔支持部20に顔を当てて測定を行ってもよい。
顎受け部22は、被検者Pの顎が載置される部材である。本実施形態では、この顎受け部22を基部21に対して上下動自在に設けることで、顎受け部22を本体部10に対して上下動自在としているが、他の異なる実施形態として、顔支持部20全体を本体部10に対して上下動自在に構成してもよい。
駆動機構25は、公知の駆動機構によって構成され、主制御部17の制御により駆動して、顎受け部22を上方向又は下方向の所定の移動方向に、所定の移動量(移動距離)で、所定の移動速度により移動させる。
額当て部24は、被検者Pの額Hが突き当てられる部材である。本実施形態では、額当て部24は一対の支柱23に固定されているが、他の異なる実施形態として、額当て部24が前後方向の位置を調整自在となっていてもよい。この調整も、適宜の駆動機構(顔支持部移動機構)によって行う構成とすることで、自動化による調整や操作部からの操作が可能となる。さらに手動でも行える構成としてもよい。
また、顔支持部20は、被検眼Eの眼特性の測定中に、被検者Pの顔(頭部)が不測に移動することのないよう、被検者Pの顔を安定して支持できるものであれば、何れの構成であってもよい。他の異なる実施形態として、例えば顔支持部20が、顎受け部22及び額当て部24の一方のみを有する構成であってもよい。なお、額当て部24のみを有する場合は、この額当て部24(又は顔支持部20全体)を所定の駆動機構によって上下方向等に移動自在とすることができる。
駆動機構25は、主制御部17によって制御される。具体的には、主制御部17は、撮像部60で撮影した画像に基づいて算出された被検者Pの高さ情報に基づいて、顎受け部22の移動情報を算出し、この移動情報に従って駆動機構25を制御し、顎受け部22を移動させる。また、主制御部17は、顎受け上下動ボタンB3の操作入力を受けて駆動機構25を制御し、顎受け部22を上下に移動させる。
なお、本実施形態では、主制御部17が顔支持部制御部として機能しているが、これに限定されることはなく、主制御部17とは別個に顔支持部制御部を設けてもよい。この場合、主制御部17からの指示信号に応じて、顔支持部制御部が駆動機構25を駆動制御して顎受け部22を上下に移動させる。
光学テーブル30は、眼科装置1が載置される天板31と、この天板31を昇降させるテーブル移動機構としてのテーブル昇降機構32と、テーブル昇降機構32の駆動を制御するテーブル制御部33と、電源ボタン34と、テーブル昇降機構32を手動で作動させるための昇降レバー35と、テーブル昇降機構32が取り付けられたキャスターベース36と、を備えて構成される。なお、本実施形態では被検者Pが昇降椅子50に座った状態(座位)で測定を行う眼科装置1であるため、座位での測定に対応した高さを有する光学テーブル30を使用している。これに対して、被検者Pが立った状態(立位)で測定を行う眼科装置1とすることもできる。この場合、昇降椅子50は備える必要がなく、光学テーブル30は、立位での測定に対応した高さを有するものを使用する。
テーブル昇降機構32は、テーブル制御部33の制御の下、天板31を昇降させる。これにより、被検者Pの身長等に応じて、天板31の高さを調整できる。このように、テーブル昇降機構32によって実際には天板31が昇降するが、本明細書では、天板31の昇降と同等の意味で、「光学テーブル30が昇降する。」ということがある。
テーブル昇降機構32は、天板31を支持する昇降杆32aと、この昇降杆32aを上下動自在に支持する支持杆32bと、昇降杆32aを上下動させる駆動部32cと、を備えている。この昇降杆32aの移動情報(移動方向、移動距離、移動速度等)は、ロータリーエンコーダ等によって検出され、テーブル制御部33に出力される。
駆動部32cは、例えば、電動アクチュエータ等から構成される電動式としているが、この構成に限定されることはない。駆動部32cとして、油圧式、空圧式、ネジ式、リンク式、その他の公知の昇降機構を用いることができる。
キャスターベース36は、光学テーブル30全体を支持する。キャスターベース36には、ロック機構付きのキャスター36aが設けられている。よって、検者等が眼科装置1を所望の設置場所へ容易に移動でき、かつ、設置場所では、キャスター36aをロックすることで、不測に移動しないように眼科装置1を安定して設置できる。
テーブル制御部33は、マイクロプロセッサと、RAM、ROM、フラッシュメモリ等からなる内部メモリ33aと、等を有して構成される。テーブル制御部33は、テーブル昇降機構32、電源ボタン34及び昇降レバー35と電気的に接続されている。電源ボタン34は、ON/OFFの操作入力信号をテーブル制御部33に送出する。昇降レバー35は、押し上げ操作と押し下げ操作が自在であり、これらの操作がされると、上昇又は下降の操作入力信号をテーブル制御部33に出力する。
テーブル制御部33は、昇降レバー35からの上昇又は下降の操作入力信号を受け付けて、テーブル昇降機構32の駆動部32cを制御して駆動させ、天板31(光学テーブル30)を上下方向に移動させる。また、自動調整モードの場合には、テーブル制御部33は、主制御部17からの入力信号に基づいて駆動部32cを制御して、天板31を上下方向に移動させる。
昇降椅子50は、被検者Pが着座する座面51と、この座面51を昇降させる椅子移動機構としての椅子昇降機構52と、椅子昇降機構52の駆動を制御する椅子制御部53と、電源ボタン54と、椅子昇降機構52を手動で作動させるための昇降レバー55と、キャスター56aを有する脚部56と、を備えて構成される。
椅子昇降機構52は、椅子制御部53の制御の下、座面51を昇降させる。これにより、被検者Pの身長や座高等に応じて、座面51の高さを調整できる。この場合も、座面51の昇降と同等の意味で、「昇降椅子50が昇降する。」ということがある。
椅子昇降機構52は、座面51を支持する昇降杆52aと、この昇降杆52aを上下動自在に支持する支持杆52bと、昇降杆52aを上下動させる駆動部52cと、を備えている。この昇降杆52aの移動情報(移動方向、移動距離、移動速度等)は、ロータリーエンコーダ等によって検出され、椅子制御部53に出力される。
この場合も、駆動部52cは、例えば、電動アクチュエータ等から構成される電動式としているが、この構成に限定されることはない。駆動部52cとして、油圧式、空圧式、ネジ式、リンク式、その他の公知の昇降機構を用いることができる。
椅子制御部53は、マイクロプロセッサと、RAM、ROM、フラッシュメモリ等からなる内部メモリ53aと、等を有して構成される。椅子制御部53は、椅子昇降機構52、電源ボタン54及び昇降レバー55と電気的に接続されている。電源ボタン54は、ON/OFFの操作入力信号を椅子制御部53に送出する。昇降レバー55は、押し上げ操作と押し下げ操作が自在であり、これらの操作がされると、上昇又は下降の操作入力信号を椅子制御部53に出力する。
椅子制御部53は、昇降レバー55からの上昇又は下降の操作入力信号を受け付けて、椅子昇降機構52の駆動部52cを制御して駆動させ、座面51(昇降椅子50)を上下方向に移動させる。また、自動調整モードの場合には、椅子制御部53は、主制御部17からの入力信号に基づいての駆動部52cを制御して駆動させ、座面51を上下方向に移動させる。
また、昇降椅子50が、図1、図2に示すようなスツール型の椅子に限定されることはない。他の異なる実施形態として、例えば背もたれやひじ掛けのある椅子、リクライニングシート等であってもよい。
また、本実施形態では、表示面40,40’に表示される操作画面に自動調整ボタンB12を設けているが、光学テーブル30又は昇降椅子50に設けてもよいし、それぞれに設けてもよい。また、本実施形態では、電源ボタン34,54及び昇降レバー35,55を、光学テーブル30及び昇降椅子50に設けているが、操作がし易いように、これらを操作画面に設けてもよいし、双方に設けてもよい。
撮像部60は、本体部10から所定距離の位置(撮影位置G)に居る非測定状態の被検者Pの画像、及び測定状態の被検者Pの画像を撮影して、その画像信号を主制御部17へ送出する。本実施形態では、撮像部60で撮影した画像に基づいて、主制御部17が被検者Pの顎Cから被検眼Eまでの高さALと、臀部D(座面51)から被検眼Eまでの高さBLと、瞳孔間距離PD等を算出する。このため、撮像部60で少なくとも被検者Pの被検眼Eの画像を撮影できれば、画像中の被検眼Eの位置、撮影位置Gと撮像部60との距離に基づいて、被検者Pの身長を推定できる。この推定した身長と、統計データに基づいて、高さAL,高さBL、を算出できる。
また、撮像部60で被検者Pの被検眼Eと顎Cを含む顔面画像を取得することがより望ましく、寸法情報をより精度よく算出できる。特に顎Cから被検眼Eまでの高さALをより高精度に算出できる。さらに、撮像部60で被検者Pの上半身画像を取得することがより望ましく、全身画像を取得することが最も望ましい。この結果、被検者Pの身長をより正確に取得でき、高さAL、臀部D(座面51)から被検眼Eまでの高さBLをより高精度に算出できる。また、撮像部60の倍率を適宜変更して、顔面画像と全体画像の双方を取得してもよく、それぞれの部位の高さ情報をより精度よく検出できる。
これに対して、姿勢情報は、被検者Pの少なくとも上半身画像を撮影することが望ましく、全身画像を撮影することがより望ましい。寸法情報と姿勢情報の双方を適切に取得するためには、撮像部60で上半身画像又は全身画像を撮影することが望ましい。また、少なくとも被検眼Eを含む上半身画像又は全身画像を撮影するためには、被検者Pの横から撮影することが望ましい。また、被検者Pの斜め前方から撮影すれば、左右の被検眼Eの撮影も可能となり、瞳孔間距離PDもより精度よく算出できる。
以上を考慮して、本実施形態では、被検者Pの横の全身画像を撮影可能に、撮像部60の設置場所、方向、画角等を設定している。具体的には、撮像部60を、本体部10から所定距離の位置であって、本体部10の側方の壁面Wに設置している。これにより、撮影位置Gの被検者Pの被検眼E、顎C、臀部Dを含む全身画像を横から撮影できる。この撮像部60の位置情報は、設置が完了したときに本体部10に入力し、記憶部18に記憶させる。位置情報としては、例えば撮像部60と本体部10(又は撮影位置G)とのXYZ軸方向における距離や方向等が挙げられる。この撮像部60の位置情報は、主制御部17が撮像部60からの全身画像に基づいて、被検者Pの各種寸法情報を算出する際に用いられる。
非測定状態の被検者Pの画像を撮影する場合は、被検者Pが撮影位置Gに立った状態で撮影することが望ましいが、例えば、車椅子を使用する被検者Pの場合は、車椅子に着座した状態で撮影しても構わない。被検者Pが立った状態(立位)か、座った状態(座位)かといった姿勢情報は画像解析処理によって容易に判断でき、主制御部17での移動情報の算出に用いることで、被検者Pの姿勢情報に対応したより信頼性の高い寸法情報の算出及び位置調整が可能となる。
撮像部60による撮影は、人感センサや顔認証機能によって、被検者Pが撮影位置Gに居ることを検知して自動で開始してもよいし、検者が操作部19,44(例えば、スタートボタンB9)等を操作して、撮像部60に撮影指示を与えることによって開始してもよい。
撮像部60としては、特に限定されることはなく、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、CCD等公知のカメラが挙げられる。暗室等での測定の場合は、赤外線カメラ等を用いてもよい。また、撮影する画像の種類としては、静止画像であってもよいし、動画像であってもよい。
また、本実施形態では撮像部60を一台設置しているが、これに限定されることはなく、2台以上設けてもよく、複数の画像に基づいて、より精度よく寸法情報や姿勢情報を取得できる。また、撮像部60としてステレオカメラを用いれば、被検者Pの顔画像や全身画像を三次元的に撮影できる。これにより、撮像部60の位置情報を予め本体部10に入力する必要がなく、被検者Pが何れの位置に居ても、被検者Pと本体部10との位置関係(距離)を精度よく取得して、被検者Pの寸法情報や姿勢情報をより高精度に算出できる。
上述のような構成の第1実施形態に係る眼科装置1の動作の一例を、図4のフローチャートを参照しながら説明する。図4に示すフローチャートの動作は、眼科装置1の電源が投入され、検者により自動調整ボタンB12が操作されたときに開始される。以下では、眼科装置1が病院の検査室等に設置されており、検者は被検者P及び眼科装置本体2から離れた場所(例えば、診察室や他の検査室等の別室、受付け等)で、コントローラ41によって眼科装置1に操作指示を与える場合を想定して説明する。
まず、被検者Pの被検眼Eの特性を測定するに際して、検者は眼科装置1(眼科装置本体2、光学テーブル30及び昇降椅子50)の電源を投入する。これにより、眼科装置1が起動し、主制御部17が内部メモリ17aに格納されたプログラムを実行し、各部の初期設定を行う。
この初期設定の際に、主制御部17は、XYZ駆動機構・駆動回路16、駆動機構25、テーブル昇降機構32、椅子昇降機構52の駆動部52cを制御して駆動させ、測定ヘッド12、顔支持部20、光学テーブル30及び昇降椅子50を初期位置に移動させるリセット動作を実行してもよい。または、表示面40’のリセットボタンB4の操作を受け付けて、このようなリセット動作を行ってもよい。その後、検者は自動調整ボタンB12を操作して、自動調整モードに切り替える。
次に、検者は被検者Pを眼科装置1まで案内し、撮影位置Gに立つように指示する。なお、この指示は、眼科装置1に設けたマイク又は別個に設けたマイクを通して行ってもよい。そして、図2に実線で示すように、被検者Pが撮影位置Gに立つと、検者によるコントローラ41の表示面40’での撮影指示入力(例えば、スタートボタンB9の操作)を受けて、又は自動で、撮像部60が被検者Pの横の全身画像を撮影する(ステップS1)。撮像部60で撮影された全身画像は、画像信号として主制御部17に送出される。
画像信号を受け付けた主制御部17は、ステップS2で、表示面40’の被検者画像表示領域40gへの被検者Pの全身画像の表示を開始する。これにより、検者は別室で被検者Pの全身画像を確認できる。そして、ステップS3で、主制御部17は、全身画像を画像解析して、被検者Pの顎Cから被検眼Eまでの高さAL、臀部Dから被検眼Eまでの高さBL、及び瞳孔間距離PDを算出する。このとき、主制御部17は、被検者画像表示領域40gに表示された被検者Pの全身画像に、算出した寸法情報(高さAH、高さBHの数値)を重畳して表示してもよい。
次に、ステップS4で、被検者Pが昇降椅子50に座ったときに、背中を丸めたりすることなく、適切かつ楽な姿勢で、被検眼Eが測定ヘッド12の測定光学系15の測定許容範囲に位置するように、主制御部17は、高さBLに基づいて、光学テーブル30の好適な高さ(床面Fからの高さ)を算出する。また、身長が低い子供等の場合は、立った状態で測定することもあるため、この場合は立った状態での光学テーブル30の好適な高さを算出する。また、身長が過度に低い場合は、踏み台等に立った状態で測定することもあるため、この場合は踏み台分の高さを考慮して光学テーブル30の好適な高さを算出する。また、車椅子使用の場合は、車椅子に座った状態での光学テーブル30の好適な高さを算出する。
算出された高さ、現状の光学テーブル30の高さ等に基づいて、主制御部17は光学テーブル30の移動方向、移動距離、移動速度等の移動情報を算出する。このとき、被検者Pの身長が過度に高い、又は過度に低い場合等であって、光学テーブル30を最大限下降又は上昇させても、高さ調整が十分でない場合は、昇降椅子50の高さ調整を行うべく、昇降椅子50の移動情報を算出してもよい。主制御部17は、算出した移動情報をテーブル制御部33や椅子制御部53に送出する。
次のステップS5で、テーブル制御部33が、移動情報に応じてテーブル昇降機構32の駆動部32cを制御して駆動させ、天板31を昇降させることで、光学テーブル30の高さ調整を行う。また、昇降椅子50の高さ調整を行う場合は、椅子制御部53が、移動情報に応じて椅子昇降機構52の駆動部52cを制御して駆動させ、座面51を昇降させる。
次のステップS6で、高さAL及び現状の顎受け部22の高さに基づいて、主制御部17は顎受け部22の移動方向、移動距離等の移動情報を算出する。そして、ステップS7で、主制御部17は移動情報に応じて、顔支持部20の駆動機構25を制御して駆動させ、顎受け部22を上下方向に移動させることで、高さ調整を行う。
次に、測定ヘッド12の左右方向(X軸方向)の位置調整を行うべく、ステップS8へと進む。ここでは、まず右の被検眼Eに対峙する位置に測定ヘッド12を移動させる。このため、ステップS8で、主制御部17は、左右の被検眼Eの瞳孔間距離PDに基づいて、本体部10に対する右の被検眼EのX軸方向の位置を算出し、この位置情報に基づいて、測定ヘッド12のX軸方向における移動方向、移動距離等の移動情報を算出する。
ステップS9で、移動情報に応じて、主制御部17はXYZ駆動機構・駆動回路16を制御して、測定ヘッド12をX軸方向へ移動させ、位置調整を行う。
以上のように、光学テーブル30、顎受け部22、測定ヘッド12の位置調整が行われるため、被検者Pが昇降椅子50に座り、額Hを額当て部24に当て、顎Cを顎受け部22に乗せると、背中を丸めたり、不自然に首を伸ばしたり縮めたりすることなく、被検者Pは適切かつ楽な測定姿勢で眼科装置1に対峙できる。
ここで、検者は、被検者画像表示領域40gに表示された被検者Pの全身画像、つまり測定姿勢を視認して、被検者Pの測定姿勢が未だ適切でないと判断したとき、顎受け部22を適切な位置に移動させて測定姿勢を是正すべく、検者は表示面40’の顎受け上下動ボタンB3を操作する。主制御部17は、ステップS10で、操作信号を受信したか否かで、顎受け上下動ボタンB3を操作があったか否かを判定する。操作があった場合は(YES)、ステップS12へ進み、操作信号に応じて駆動機構25を制御して、顎受け部22を上下方向に移動させて高さの調整(再調整)を行う。操作がない場合は(NO)、ステップS11〜S15をスキップして、プログラムはステップS16へと進む。
次のステップS12では、主制御部17は、顎受け部22の移動に対応して、光学テーブル30(及び/又は昇降椅子50)の高さ調整のための移動情報を算出し、テーブル制御部33に送出する。高さ調整が不要であれば、移動距離に「0」が設定される。そして、ステップS13で、テーブル制御部33が、移動情報に応じて駆動部32cを制御して、光学テーブル30の高さ調整(再調整)を行う。
次のステップS14で、主制御部17は、顎受け部22の移動に対応して、測定ヘッド12の位置調整のための移動情報を算出する。位置調整が不要であれば、移動距離に「0」が設定される。そして、ステップS15で、主制御部17が、移動情報に応じて、XYZ駆動機構・駆動回路16を制御して、測定ヘッド12の位置調整(再調整)を行う。
そして、被検者画像表示領域40gに表示された被検者Pの全身画像を視認して、被検者Pの測定姿勢が適切であると判断したら、アライメントを実行すべく、検者は表示面40’を操作する。この表示面40’には、図5に示すように、各種操作ボタンB1〜B17と、測定光学系15により取得された被検眼Eの前眼部像Gfが表示されている。この表示面40’で、前述したように、検者が瞳孔付近をタッチ操作して、アライメントの指示の入力操作を行う。
なお、被検眼Eが測定光学系15での測定許容範囲内に位置していない場合等は、表示面40に前眼部像Gfが表示されないことがあるが、この場合も表示面40’のタッチ操作等によってアライメントを指示する。
これらの操作によって、コントローラ41からアライメントの操作入力信号が主制御部17へと送出される。ステップS16では、この操作入力信号を主制御部17が受け付け、ステップS17で前眼部像Gfに基づいて、XYZ駆動機構・駆動回路16を制御して、測定ヘッド12をXYZ軸方向へ移動させるべく、移動情報を算出する。
このとき測定ヘッド12の上下方向(Y軸方向)への移動量が限界(又は閾値)を超えた場合(ステップS17の判定がYES)、測定ヘッド12の移動だけでは、被検眼Eに対する測定ヘッド12の高さ調整が行えないことがある。この場合は、光学テーブル30(昇降椅子50)及び顔支持部20の高さ調整によって補正を行うべく、ステップS18へ進む。
これに対して、ステップS17でNOと判定された場合は、測定ヘッド12の移動によって被検眼Eと測定光学系15との位置合わせが可能であるため、ステップS18、S19をスキップしてステップS20へ進む。
ステップS18では、主制御部17が、被検眼Eと測定光学系15との距離に基づいて、光学テーブル30の移動方向、移動距離、移動速度等の移動情報のデータを算出し、テーブル制御部33に送出する。この場合も、光学テーブル30の移動では十分な調整ができない場合は、光学テーブル30と併せて昇降椅子50の高さ調整を行うべく、昇降椅子50の移動情報を算出してもよい。
さらに、この光学テーブル30(及び/又は昇降椅子50)の移動情報に基づいて、顎受け部22の移動情報を決定する。具体的には、光学テーブル30の上昇時は、上昇した距離だけ顎受け部22を下降させ、光学テーブル30の下降時には、下降した距離だけ顎受け部22を上昇させる。光学テーブル30と顎受け部22の昇降速度は、等速とすることが、被検者Pの違和感を低減できる観点から好ましい。
そして、ステップS19で、移動情報に従ってテーブル制御部33がテーブル昇降機構32の駆動部32cを制御して(及び/又は椅子制御部53が椅子昇降機構52の駆動部52cを制御して)、天板31(及び/又は座面51)を昇降させる。この昇降と同時に、主制御部17が移動情報に従って駆動機構25を制御し、顎受け部22を上下方向に移動させる。
この処理により、光学テーブル30等とともに測定ヘッド12が昇降し、これらと反対方向に等量かつ等速で顎受け部22が移動するため、顎受け部22の被検者Pの顔に対する相対的な位置が変化しない。このため、被検者Pに不快感を与えることなく、顎受け部22で安定して支持しつつ、被検者Pの被検眼Eに合わせて測定ヘッド12の高さを調整できる。
光学テーブル30の昇降及び顎受け部22の移動により、高さ調整を適切に行ったら、ステップS20へ進む。ステップS20では、主制御部17は、ステップS17で算出した移動情報に従って、又はステップS18、S19で位置調整したときは前眼部像Gfに基づき改めて算出した移動情報に従って、XYZ駆動機構・駆動回路16を駆動制御してアライメントを実行する。
アライメントが完了したら、ステップS21へ進み、被検眼Eの眼特性の測定に進む。例えば、アライメントによって、角膜輝点像P1が目標エリアマーク40e内に入りかつ角膜輝点像P1の出力値が所定値を超えたとき、又はスタートボタンB9の操作入力信号を受け付けたとき、主制御部17は測定光学系15を制御し、被検眼Eの眼特性の測定を実行させる。主制御部17は、測定結果を表示面40’に表示するとともに、被検者画像表示領域40gの被検者Pの全身画像に、算出した寸法情報(高さAH、高さBH等の数値)を重畳して表示する(図6参照)。また、プリントアウトボタンの操作指示があったときは測定結果、さらには寸法情報を印刷する。よって、検者等は測定結果を確認できるだけでなく、正しい測定姿勢で適切に寸法情報が算出された状態で測定できたか否かを確認できる。
続けて左の被検眼Eの眼特性の測定を行う際には、ステップS8へと戻り、ステップS8〜S21の処理を繰り返す。
左右の被検眼Eの眼特性の測定が終了したら、プログラムはステップS22へ進む。このステップS22では、主制御部17が、測定結果及び被検者Pの高さ情報を含む寸法情報(例えば、身長、顎Cから被検眼Eまでの高さAL、臀部Dから被検眼Eまでの高さBL、瞳孔間距離PD等)を、IDと対応づけて記憶部18に記憶する。また、撮像部60で撮影した非測定姿勢及び測定姿勢の全身画像をIDと対応づけて記憶部18に記憶してもよい。なお、寸法情報の記憶が不要であるとき、また、商業施設や特設会場等に眼科装置1を設置し、不特定多数の被検者Pが眼特性を測定し、測定結果や寸法情報を個人情報として破棄するときは、ステップS22をスキップして終了するようにプログラムを制御してもよい。
以上説明したように、第1実施形態に係る被検者情報取得装置は、眼科装置1から所定距離の位置に設置され、被検者Pの画像を取得する撮像部60と、撮像部60で取得した画像に基づいて、被検者Pの所定部位の高さ情報を含む寸法情報を算出する主制御部17(制御部43)と、を備えてなる。この構成により、測定部(測定ヘッド12)、顔支持部20及び光学テーブル30の少なくとも何れかの高さ調整を含む位置調整に好適な寸法情報及び姿勢情報を取得できる。
また、第1実施形態に係る眼科装置1は、測定ヘッド12を有する本体部10と、顔支持部20と、光学テーブル30と、撮像部60と、主制御部17と、を備えて構成される。撮像部60は、顔支持部20によって顔を支持されていない状態であって本体部10から所定距離に位置する測定前の被検者Pの第1画像、及び顔支持部20によって顔を支持された状態であって本体部10に対峙して測定可能な状態又は測定中の被検者Pの第2画像を取得する。主制御部17は、撮像部60で取得した第1画像に基づいて、測定前の被検者Pの所定部位の高さ情報を含む寸法情報及び姿勢情報を算出し、第2画像に基づいて、測定可能な状態又は測定中の被検者Pの寸法情報及び姿勢情報を算出する。そして、算出した寸法情報に基づいて、少なくとも高さ方向の位置を調整するように測定ヘッド12、顔支持部20及び光学テーブル30の少なくとも何れかの移動を制御する。
したがって、被検眼Eに対する光学テーブル30等の各部の高さ調整、その他の位置調整を適切かつ迅速に行うことのできる寸法情報及び姿勢情報を適切に取得できる。この結果、被検者Pは適切な姿勢で眼科装置1と対峙でき、測定精度や測定効率の向上が可能となるとともに、被検者Pの負担も低減して、快適な測定が可能となる。
また、第1実施形態では、撮像部60として、本体部10に設置された本体カメラ61及び本体部10から所定距離離れた位置に設置された外部カメラ62を含んでいる。この構成により、被検者Pの顔面画像及び全身画像をほぼ同時に撮影でき、主制御部17での処理効率を向上させるとともに、より精度よく寸法情報を算出できる。なお、本体カメラ61及び外部カメラ62の何れか一方のみを設置してもよく、一方のみで撮影した画像に基づいて寸法情を取得でき、眼科装置1をより簡易で廉価なものにできる。
また、第1実施形態において、主制御部17が、寸法情報及び姿勢情報に基づいて、測定ヘッド12、顔支持20部及び光学テーブル30の少なくとも何れかの位置調整の操作を行うための操作推奨情報を算出し、提示する構成とすることができる。この構成により、この操作推奨情報に基づいて、眼科装置1が自動で、又は検者の操作によって、測定ヘッド12顔支持20部及び光学テーブル30の位置調整を適切に行える。
また、第1実施形態では、主制御部17と通信ネットワークNを介して接続され、モニタ部(表示部)42及び操作部44(表示面40’)を有するコントローラ41を備えている。これにより、眼科装置本体2から離れた位置、更には別室や遠隔地でも眼科装置1を操作できる。よって、いわゆるリモート操作が可能な眼科装置1を提供できる。
また、主制御部17は、撮像部60で取得した被検者Pの第1、第2画像をモニタ部42に表示するとともに、被検者Pの寸法情報及び姿勢情報に基づいて、測定ヘッド12、顔支持部20及び光学テーブル30の少なくとも何れかの位置調整の操作を行うための操作推奨情報を算出し、モニタ部42に表示している。よって、検者は被検者Pの姿勢を画像で確認しつつ、操作推奨情報に基づいてコントローラ41を操作して、測定ヘッド12等の位置調整を手動で適切に行える。
また、第1実施形態では、撮像部60が、被検者Pの横側から画像を取得する位置に設置されている。これにより、撮像部60で、被検眼E、顎C、額H、臀部D等を含む画像を撮影することができ、寸法情報をより精度よく算出できる。
また、第1実施形態では、測定ヘッド12を少なくとも上下方向に移動させるXYZ駆動機構・駆動回路16と、顔支持部20を少なくとも上下方向に移動させる駆動機構25と、光学テーブル30を少なくとも上下方向に移動させるテーブル昇降機構32と、を備えている。主制御部17は、高さ情報に基づいて、これらを制御する。これにより、測定ヘッド12、顔支持部20、光学テーブル30を、より円滑かつ迅速に上下方向に移動させることができる。
また、寸法情報が、被検者の身長、臀部Dから被検眼Eまでの高さBL、顎Cから被検眼Eまでの高さAL、被検眼Eから額Hまでの高さCL、及び左右の被検眼Eの瞳孔間距離PDの少なくとも何れかを含むものとすれば、これらの寸法情報に基づいて、測定ヘッド12、顔支持部20及び光学テーブル30の位置調整を適切かつ迅速に行って、測定効率を向上させることができる。
また、第1実施形態では、寸法情報及び姿勢情報を記憶する記憶部18を備えている。これにより、例えば、次回の診察や検査の際に、被検者Pの寸法情報及び姿勢情報を記憶部18から取得し、これに基づいて光学テーブル30、昇降椅子50、顔支持部20、測定ヘッド12の高さ調整を含む位置調整を行う構成とすることができる。よって、少なくとも撮像部60で非測定姿勢の被検者Pの画像の再度の撮影や主制御部17での再度の寸法情報の算出を行う必要がなくなり、簡易かつより迅速に、眼科装置1の位置調整が可能となり、より効率的な測定が可能となる。また、再度の撮影等による被検者Pの身体的負担も軽減できる。
また、第1実施形態では、被検者Pが着座する昇降椅子50と、昇降椅子50を少なくとも上下方向に移動させる椅子昇降機構52と、を備えている。主制御部17は、高さ情報に基づいて、昇降椅子50を少なくとも上下方向に移動させるように椅子昇降機構52を制御している。これにより、被検者Pの身長に応じた高さに昇降椅子50の高さを調整できる。さらに、光学テーブル30等の高さ調整では十分な調整ができない場合に、光学テーブル30と併せて昇降椅子50の高さ調整を行うことで、被検者Pの負担のない、より快適な高さ調整が可能となる。
また、顔支持部20が、被検者Pの顎Cを支持する顎受け部22、被検者Pの額Hを支持する額当て部24の少なくとも何れかを有していれば、被検者Pの顔を安定して支持できる。第1実施形態では、顎受け部22と額当て部24の双方を有しているため、被検者Pの顔をより安定して支持でき、より効率的で高精度な測定が可能となる。
また、測定ヘッド12、顔支持部20及び光学テーブル30の少なくとも何れかの移動を行ったが、被検眼Eが測定ヘッド12の測定許容範囲に位置しない場合、つまり被検眼像等表示領域40aに、アライメントのための前眼部像Gfが適切に表示されないことがある。この状況は、例えば、画像撮影時の姿勢が悪く、寸法情報の取得に誤差がある場合等に起こる。この場合、主制御部17は、顔面画像や全身画像に基づいて、前記被検者の所定部位の高さ情報を含む寸法情報を再度算出し、再度算出した前記寸法情報に基づいて、少なくとも高さ方向の位置を調整するように測定ヘッド12、顔支持部20及び光学テーブル30の少なくとも何れかの移動を再度制御することが好ましい(フィードバックループ制御)。このように制御することで、被検眼Eに対する測定光学系15の位置合わせを、より高精度に行える。
(変形例)
ところで、上記第1実施形態では、検者が被検者Pや眼科装置本体2から離れた別室で、コントローラ41を操作することで、撮像部60による撮影、アライメント、眼特性の測定等を行っているが、第1実施形態の変形例として、検者が被検者Pの傍らで、補助や声がけをしながら、これらの操作や処理を行う構成とすることもできる。この場合も、図4のフローチャートを用いて説明した場合と同様にして、検者がコントローラ41を操作することで、眼科装置1での処理が実行される。この場合、検者はコントローラ41を保持しながら、被検者Pの周囲の任意の場所で操作等ができる。
また、検者はコントローラ41に代えて、モニタ部14の表示面40を操作して、眼科装置1に各処理を実行させることもできる。このとき、検者の作業の行い易さや、眼科装置本体2の設置環境等に応じて、図1に示すように、本体部10の正面方向に向けてモニタ部14の表示面40を配置し、被検者Pの背後から表示面40を操作することもできる。また、図2に示すように本体部10の背面に向けてモニタ部14の表示面40を配置し、検者が被検者Pと対峙して表示面40を操作することや、本体部10の右側又は左側に向けてモニタ部14の表示面を40配置し、被検者Pの右側又は左側から表示面40を操作することもできる。
この変形例のような使用の場合、被検者Pの姿勢を検者が直接視認することができるが、被検者Pの全体的な状態を視認しにくい場合もある。よって、検者は表示面40,40’と被検者Pとの間で視線を移動しながら操作と姿勢確認をすることとなる。特に、被検者Pの背後や正面で操作する場合は、被検者Pの背中が丸まっていたり、首が不自然に伸びたりしていても、気が付きにくい。
しかしながら、この眼科装置1では、被検者Pの測定状態での画像を、表示面40,40’の被検者画像表示領域40gに表示しているので、この被検者Pの画像及び被検眼像等表示領域40aの被検眼像を視認しつつ、操作ボタン表示領域40b〜40dの操作ボタンを操作できる。よって、検者の視線の移動、身体の移動等を行う必要がなく、検者が操作に集中することができるとともに、作業性も向上する。この結果、効率的な測定及び適切な姿勢での測定が可能となり、測定精度を向上できる。
また、第1実施形態では、検者が表示面40,40’を操作することによって撮像部60による撮影を行っているが、第1実施形態の他の異なる変形例として、自動で行う構成としてもよい。例えば、被検者Pが撮影位置Gに立つと、人感センサや顔認証機能により被検者Pを認識し、撮像部60により画像を取得するように構成する。この画像は、表示面40’の被検者画像表示領域40gに表示されるため、この画像を視認することで、検者は撮影がされたことを認識でき、以降の操作を円滑に実行できる。
また、第1実施形態では、主制御部17の制御により、寸法情報及び姿勢情報に基づいて算出した移動情報に応じて自動で光学テーブル30、昇降椅子50、顎受け部22及び測定ヘッド12の位置調整を行っている。これに対して、第1実施形態のさらに異なる変形例として、主制御部17が、算出した移動情報を、操作推奨情報として表示面40,40’に表示するように構成してもよい。そして、この操作推奨情報に基づいて、検者が表示面40,40’の顎受け上下動ボタンB3、テーブル上下動ボタン、椅子上下動ボタン、測定ヘッド移動ボタン等を操作して、光学テーブル30、昇降椅子50、測定ヘッド12を手動で位置調整するものであってもよい。
また、第1実施形態では、眼科装置1は、モニタ部14及びコントローラ41を備えているが、この構成に限定されることはない。例えば、モニタ部14のみを備える構成としてもよいし、コントローラ41のみを備える構成としてもよい。また、更に異なる実施形態として、モニタ部14を着脱可能として、モニタ部14を検者が持って操作してもよい。眼科装置1の種類、測定時の検者の操作場所(被検者Pの周囲、遠隔地)等に応じて適宜の構成を選択できる。
また、眼科装置1が、通信ネットワークを介して他の眼科装置と接続され、主制御部17が、算出した寸法情報を、被検者Pと対応づけて、他の眼科装置に送出することで、寸法情報を複数の眼科装置で共有する構成とすることもできる。これにより、他の眼科装置は、眼科装置1で算出した寸法情報に基づいて各部の位置調整を行うことができ、他の眼科装置での非測定状態の第1画像の撮影や寸法情報の算出が不要となり、効率的な位置調整及び測定が可能となる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態の眼科装置1Aについて、図7を参照しながら説明する。図7は第2実施形態に係る眼科装置1Aの外観を示す斜視図である。この図7に示す第2実施形態に係る眼科装置1Aは、本体部としてのレフラクターヘッド(測定部)70と視標提示装置71を備えた検眼装置である。眼科装置1Aは、このレフラクターヘッド(測定部)70及び視標提示装置71、並びに顔支持部としての額当て部24Aを有する眼科装置本体2Aと、レフラクターヘッド70を支持する光学テーブル30Aと、昇降椅子50と、撮像部60と、コントローラ41と、を備えている。
レフラクターヘッド70は、被検者Pの左右の被検眼Eに対応して、2つのユニットが左右に並んで一対配置され、視標提示装置71と被検者Pとの間に配置された光学テーブル30Aから起立する支柱73に、アーム74を介して吊り下げ支持されている。このアーム74には、一対のレフラクターヘッド70の中央に、額当て部24が上下方向(Y軸方向)に移動可能に、更には前後方向(Z軸方向)に移動可能に設けられている。
アーム74は、コントローラ41の制御により、支柱73を中心に回動すると共に、支柱73に沿って上下方向に移動するように構成されている。よって、支柱73及びアーム74がレフラクターヘッド70の高さを調整する測定部移動機構として機能する。天板31の上下方向への移動に加えて、アーム74の上下移動によって、レフラクターヘッド70の高さ調整を行うことができる。
光学テーブル30Aは、天板31、天板31の一側に設けられたテーブル昇降機構32(昇降杆32a、支持杆32b、駆動部32c)、テーブル制御部33等を備え、主制御部17の制御の下、上下方向に移動可能となっている。昇降椅子50は、座面51、椅子昇降機構52、椅子制御部53等を備え、主制御部17の制御の下、上下方向に移動可能となっている。
また、テーブル昇降機構32が天板31の一側に設けられているため、天板31の下方の空間を広くして、被検者Pの足等を配置でき、被検者Pがより楽な姿勢で測定できる。また、車椅子での測定も容易となる。
第2実施形態では、第1実施形態と同様に、被検者Pの全体画像を撮影する撮像部60を、本体部10の側方の壁面Wに設置している。ところで、第2実施形態のような眼科装置1Aの場合、検査室等に入室した被検者Pが、視標提示装置71側から光学テーブル30Aの前方に回りこんで移動し、昇降椅子50に座ることがある。このような被検者Pの動線を利用して、他の異なる実施形態として、図7に仮想線で示すように、指標視標提示装置71の後方の壁面W’に、撮像部60を設置してもよい。さらに、異なる実施形態として、図7に仮想線で示すように、レフラクターヘッド70の後方(視標提示装置71に向く側であって被検者Pの動線に向く側)に、本体カメラ61bを設置してもよい。そして、被検者Pが検査室等に入室した際に被検者Pの撮影を行うようにすれば、被検者Pが昇降椅子50に座るまでには、被検眼Eから額Hまでの高さCL、臀部Dから被検眼Eまでの高さBLに基づく眼科装置1Aの各部の高さ調整や、瞳孔間距離PDに応じた左右のレフラクターヘッド70の位置調整等を行うことができ、検眼をより迅速かつより効率的に行うことができる。なお、側方の壁面W及び後方の壁面W’の双方、更には前方や他の側方等、複数の撮像部60を設置してもよく、より詳細な被検者Pの画像が取得できる。
コントローラ41は、ノート型PCからなり、表示面40’を有するモニタ部42と、主制御部17として機能する制御部43と、タッチパネルやマウスやキーボードからなる操作部44と、等を備えている。コントローラ41は、レフラクターヘッド70、視標提示装置71、光学テーブル30A、昇降椅子50等、眼科装置1A全体の動作を制御する。
上述のような構成の眼科装置1Aでも第1実施形態と同様に、撮像部60で撮影した被検者Pの非測定状態の第1画像を解析することで、被検者Pの被検眼Eから額Hまでの高さCL、臀部から被検眼Eまでの高さBL、瞳孔間距離PD等の各種寸法情報、姿勢情報を取得できる。この寸法情報に基づいて、レフラクターヘッド70、光学テーブル30A、昇降椅子50、額当て部24、レフラクターヘッド70の位置調整を行うことで、被検者Pは、昇降椅子50に座って額当て部24に額Hを突き当てるだけで、無理のない適切かつ楽な測定姿勢をとることができ、円滑に検眼を行うことができる。また、測定状態における測定姿勢が不適切であっても、撮像部60で撮影した被検者Pの測定状態の第2画像を解析して取得した寸法情報や姿勢情報に基づいて、各部の位置を再調整することで、被検者Pの測定姿勢を適切に是正できる。この結果、検眼効率、検眼精度を向上できる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態の眼科システムSYについて、図8及び図9を参照しながら説明する。図8は第3実施形態に係る眼科システムSYのブロック構成を示す図である。図9は第3実施形態の眼科システムSYの眼科装置1〜1Cが設置される医療機関100の間取りの一例を示す平面図である。
図9に示す医療機関100は、受付101、複数の診察室(診察室1、診察室2、・・・)102、検査室103、暗室検査室104、手術室105、医局106、治療室107等を有している。なお、眼科システムSYが医療機関100への適用に限定されるものではなく、例えば、眼鏡店、商業施設等の検眼コーナー等にも適用できる。
本実施形態の眼科システムSYでは、各診察室102に、例えばスリットランプからなる眼科装置1Bがそれぞれ設置され、検査室103には、例えば第1実施形態のオートレフケラトメータからなる眼科装置1と第2実施形態の検眼装置からなる眼科装置1A等が設置されている。暗室検査室104には、例えば眼底撮影装置からなる眼科装置1Cが設置されている。しかしながら、各部屋に設置されている眼科装置がこれらに限定されることはない。
眼科装置1B,1Cも、本体部(測定部)及び顔支持部を有する眼科装置本体、光学テーブル、主制御部等を備え、座位で測定するものは、電動椅子も備えている。また、受付101等には、管理サーバ80や各眼科装置1〜1Cに操作指示等を入力可能なコントローラ41が設置されている。
各眼科装置1〜1Cは通信ネットワークNを介して管理サーバ80に接続され、この管理サーバ80によって眼科装置1の動作及び測定結果等が管理される。本実施形態では、管理サーバ80の制御部が、画像解析によって被検者Pの寸法情報を算出し、各眼科装置1〜1Cを制御して位置調整を行わせる主制御部17’として機能する。また、管理サーバ80には、統計データ、算出した寸法情報、姿勢情報、測定結果等が記憶される記憶部18’等も備えている。
本実施形態では、診察室(診察室1及び診察室2)102、検査室103、暗室検査室104の壁面Wに、それぞれ撮像部60を設置している。検査室103では、眼科装置1と眼科装置1Aとで撮像部60を兼用している。各室内に設置された撮像部60で撮影された被検者Pの撮影画像は、通信ネットワークNを介して管理サーバ80に送出され、各々の眼科装置1〜1Cの各部の位置調整に用いられる。
このような構成の眼科システムSYにおいて、被検者Pが診察室102や検査室103に入出し、眼科装置1〜1Cの所定の撮影位置で停止すると、撮像部60が被検者Pの全身像を撮影し、管理サーバ80に送出する。この撮影は、例えば、受付101のコントローラ41から検者(受付係等)が撮影指示を入力することで行ってもよい。または、撮像部60に人感センサを取り付けて、人感センサの範囲内にまで被検者Pが近接したときに行ってもよいし、撮像部60が顔認証機能によって被検者Pの顔を検出したときに行ってもよい。
管理サーバ80の主制御部17’は、外部カメラ62からの画像信号を受け付けると、画像解析を行い、この解析結果及び記憶部18’の統計データ等に基づいて、被検者Pの顎Cから被検眼Eまでの高さAL、臀部から被検眼Eまでの高さBL、被検眼Eから額Hまでの高さCL、瞳孔間距離PD等、位置調整に必要な寸法情報や姿勢情報を算出する。これらの寸法情報に基づいて、各々の科装置1〜1Cに適した測定部、顔支持部、光学テーブル、昇降椅子の移動方向、移動量、移動速度等の移動情報(操作推奨情報)を各々算出し、通信ネットワークNを介して各眼科装置1〜1Cに送出する。
このとき、すべての眼科装置1〜1Cに対して移動情報を算出し、送出してもよいが、被検者Pが測定を受ける眼科装置のみを選択し、選択された眼科装置の移動情報を主制御部17’が算出し、送出してもよい。例えば、医師や医師の指示を受けた者が、コントローラ等によって眼科装置を選択してもよいし、電子カルテの入力データに基づいて、管理サーバ80が自動で眼科装置を選択してもよい。
移動情報を受け付けた各眼科装置1〜1Cは、この移動情報に従って測定部、顔支持部、光学テーブル、昇降椅子の位置調整を行う。
変形例として、主制御部17’が、コントローラ41の表示面40’に、眼科装置1〜1Cごとの移動情報(操作推奨情報)を表示し、検者がこの移動情報に基づいて、手動で顎受け上下動ボタンB3、テーブル上下動ボタン、椅子上下動ボタン、測定ヘッド移動ボタン等を操作して、対応する眼科装置1〜1Cの光学テーブル30、昇降椅子50、測定ヘッド12の位置調整を行うものであってもよい。
以上のような位置調整により、被検者Pが、診察室102、検査室103等を移動しつつ、当該室内の昇降椅子50に座るだけで(立位で測定する眼科装置では、その前方に立つだけで)、適切かつ楽な測定姿勢で眼科装置と対峙できる。また、測定中の測定姿勢も、撮像部60で撮影された全身画像で確認でき、この全身画像に基づいて、自動で、又は手動で各部の位置の再調整を行うことができ、測定が完了するまで適切な測定姿勢を保つことができる。よって、迅速、効率的かつ精度よく眼特性の測定等が可能となる。
また、管理サーバ80は、取得した画像、算出した寸法情報、姿勢情報及び各々の眼科装置1〜1Cに対応した移動情報(操作推奨情報)を、例えば、被検者PのIDと対応づけて記憶部18’に記憶することもできる。または、これらの情報を、各々の眼科装置1〜1Cの記憶部18に記憶することもできる。これにより、被検者Pが次回来診したときに、コントローラ72でIDを入力することで、記憶部18,18’から被検者Pの情報を取得できる。よって、撮像部60での再度の非測定状態の画像の撮影や寸法情報の算出等を行わなくても、取得した情報に基づいて眼科装置1〜1Cの各部の位置調整を、より迅速に行うことができる。また、再度の撮影等による被検者Pの身体的負担も軽減できる。
また、必ずしも管理サーバ80を設ける必要もなく、通信ネットワークNを介して各眼科装置1〜1Cが互いに寸法情報、姿勢情報、その他の情報を送受信可能に構成してもよい。これにより、眼科装置1〜1C間で寸法情報等を共有して、各々の眼科装置1〜1Cでの各部の位置調整を、より迅速に行うことができる。
また、待合室108から各診察室102に向かう廊下109の壁面Wにも撮像部を設置し、非測定状態の被検者Pの全身画像をこの撮像部で撮影してもよい。この撮像部で撮影した全身画像に基づいて、被検者Pの寸法情報及び姿勢情報を取得し、各眼科装置1〜1Cに適した移動情報を算出し、送出する。各眼科装置1〜1Cは、移動情報に基づいて、予め各部位の位置調整を行うことで、被検者Pが各部屋に入室したときには、既に適切な位置調整が行われており、各部屋の撮像部60での撮影や移動情報の算出の必要がなくなり、より効率的な測定準備が可能となる。また、測定中は、各部屋に設置した撮像部60で被検者Pの全身画像を撮影することで、各部の位置の再調整を行ったり、コントローラ41に表示された被検者Pの全身画像を検者が視認しながらアライメントや測定等を行ったりできる。
以上、本開示の実施形態を図面により詳述してきたが、上記各実施形態は本開示の例示にしか過ぎないものであり、本開示は上記各実施形態の構成にのみ限定されるものではない。本開示の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、本開示に含まれることは勿論である。
例えば、上記各実施形態では、測定ヘッド12をXYZ方向へ移動可能とし、寸法情報に応じて測定ヘッド12、光学テーブル30及び顔支持部20を移動させているが、このような構成に限定されることなない。例えば、測定部が移動しない構成の眼科装置であっても、光学テーブル30と顔支持部20との位置調整によって、被検眼Eに対する測定部の位置合わせを適切に行える。
また、上記各実施形態では、眼科装置本体2から所定距離の位置(第1実施形態では壁面W)に設置した撮像部60で被検者Pの画像を取得し、この画像に基づいて寸法情報及び姿勢情報を取得しているが、これに限定されることはない。他の異なる実施形態として、例えば、眼科装置本体2に、撮像部60とは別個に第2の撮像部を設け、この第2の撮像部で、眼科装置本体2と対峙する被検者Pの顔面画像を撮影してもよい。この顔面画像に基づいて、顎Cから被検眼Eまでの高さAL、被検眼Eから額Hまでの高さCH、瞳孔間距離PD等をより高精度に検出できる。または、測定光学系15の撮像素子を、第2の撮像部として機能させてもよい。この場合も、被検者Pの被検眼E、額H、顎Cを含む顔面画像が撮影できることが望ましいが、少なくとも左右の被検眼Eを撮影できれば、少なくとも瞳孔間距離PDを算出できる。
また、上記各実施形態では、撮像部60を被検者Pの側方の壁面Wに設置しているが、これに限定されることはない。被検者Pの寸法情報及び姿勢情報を取得できる画像を取得可能であれば、眼科装置本体2の前方(すなわち被検者Pの背面側)や、眼科装置本体2の後方(すなわち被検者Pの正面側)に設置してもよい。また、図1に仮想線で示すように、被検者Pの左又は右斜め前向から画像を撮影できる位置に設置してもよく、被検者Pの顎C、額H、臀部D及び左右の被検眼Eを含む全身画像の取得が可能となる。また、撮像部60を壁面Wに設置する必要もなく、カメラスタンドを用いたり、天井から吊り下げたりすることで撮像部60を設置してもよい。
また、上記各実施形態では、検者が測定状態の被検者Pの測定姿勢の画像を視認しながら、又は主制御部17が表示面40,40’に表示した操作推奨情報に従って、手動で顎受け部22、その他の部位の位置調整を行っているが、これに限定されることはない。例えば、主制御部17が、画像解析によって被検者Pの測定姿勢を検出し、不自然な測定姿勢であれば、主制御部17の制御の下、自動で顎受け部22の調整を行う構成としてもよい。すなわち、測定前と測定中の画像に基づいて、主制御部17が自動で顎受け部22等の位置調整を行う構成としてもよく、無人であっても簡易かつ、適切に測定が可能となる。この自動化の場合は、被検者Pの画像を被検者画像表示領域40gに表示する必要はないが、表示するようにして、管理センターの管理者等が被検者Pの状態を監視してもよい。また、画像、寸法情報、姿勢情報とともに測定結果を記憶部18に記憶しておけば、測定が適切に行われたか否かを後で確認することも可能となる。
また、他の異なる実施形態として、顔支持部20に顔が支持されているか否かを検出する検出部を備えてもよい。この検出部としては、例えば、顔支持部20に額Hや顎Cが接触したことを検出する圧力センサ、フォトセンサ、磁気センサ、スイッチ等が挙げられる。また、撮像部60によって撮影された画像に基づいて、顔支持部20と顔面との接触状態を検出する構成とすれば、撮像部60を検出部として機能させることもできる。そして、検出部によって被検者Pの顔面が顔支持部20によって適切に支持されたことを確認したら、主制御部17の制御の下、アライメントや測定等を開始するようにすれば、測定も無人化、自動化が可能となる。
また、上記各実施形態では、撮像部60で撮影した画像を、主制御部17が画像解析して被検眼E、顎C、臀部D等を検出している。これに対して、他の異なる実施形態として、例えば、表示面40,40’に画像を表示し、検者が被検眼E、顎C、臀部D等をタッチ操作して、各部位の位置を示すようにすれば、主制御部17によるこれらの部位の検知精度をより向上させることができ、高さAL,BL、CL,瞳孔間距離PD等の寸法情報を、より高精度に算出できる。