JP2022120647A - 眼科装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】被検眼の測定中、外部カメラから顔支持部に支持される被検者の左右両眼を含む顔画像情報が得られる眼科装置を提供すること。【解決手段】被検者Pの被検眼Eの検査情報を取得する測定ヘッド12(CT測定ヘッド12a、KR測定ヘッド12b)と、被検者Pの顔を支持する顔支持部20と、測定ヘッド12による測定中、1箇所の位置から顔支持部20に支持される被検者Pの左右両眼を含む顔画像Mを撮像素子に捉える広角カメラ60と、を備える。【選択図】図1
Description
本開示は、眼科装置に関する。
被検眼を検査する眼科装置であって、被検眼を検査する検眼手段と、前記被検眼に対して前記検眼手段を3次元的に相対移動させる第1駆動手段と、左右の被検眼のうち少なくとも一方を含む顔を2箇所以上の異なる位置から撮影する撮影手段と、被検眼に対する検眼手段のアライメントを行う制御手段と、を備える。制御手段は、2箇所以上の異なる位置から撮影された顔の画像から被検眼の3次元位置情報を取得し、取得された3次元位置情報に基づいて第1駆動手段の駆動を制御することによって、被検眼に対する検眼手段のアライメントを行う眼科装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
従来の眼科装置の撮影手段は、被検眼に対する検眼手段のアライメントを行う際、2箇所以上の異なる位置から撮影された顔の画像から被検眼の3次元位置情報を取得するために設けられている。そして、アライメント完了後に被検眼の検査情報を取得する測定が開始されると、検眼手段に内蔵された内部カメラからの片眼の前眼部情報の取得に切り替えられる。このため、測定中に被検者の被検眼を含む顔情報が得られず、測定中において被検者の瞼の開閉状態等を検者が把握できない、という課題があった。
本開示は、上記の事情に鑑みて為されたもので、被検眼の測定中、被検者の左右両眼を含む顔画像情報を得ることができる眼科装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本開示の眼科装置は、被検者の被検眼の検査情報を取得する測定ヘッドと、前記被検者の顔を支持する顔支持部と、前記測定ヘッドによる測定中、1箇所の位置から前記顔支持部に支持される前記被検者の左右両眼を含む顔画像を撮像素子に捉える外部カメラと、を備えることを特徴とする。
このように構成されることで、被検眼の測定中、被検者の左右両眼を含む顔画像情報を得ることができる。この結果、被検眼の測定中において、被検者の瞼の開閉状態などを検者が把握し易くなる。
以下、本開示による眼科装置を実施するための形態を、図面に示す第1実施形態に基づいて説明する。
第1実施形態は、2つの測定ヘッドを有し、オートレフラクトメータ、オートケラトメータ、ノンコンタクトトノメータ、角膜厚測定を一台に集約し、1回の測定で4つの検査結果を取得可能な眼科装置1(「オートケラトレフラクトトノメータ」と呼ばれる。)に適用したものである。
なお、本明細書を通じて各図に記すようにX軸、Y軸及びZ軸を取り、図1における左右方向(X軸正方向が右方向、負方向が左方向)、前後方向(Z軸正方向が後方向、負方向が前方向)及び上下方向(Y軸正方向が上方向、Y軸負方向が下方向、高さ方向ということもある)を基準として明細書中の説明を行う。また、被検者P側(Z軸負方向)を眼科装置1の正面、被検者Pと対峙する側(Z軸正方向)を眼科装置1の背面、被検者Pの右側(X軸正方向)を眼科装置1の右側、被検者Pの左側(X軸負方向)を眼科装置1の左側と定義する。
まず、図1~図5に基づいて、第1実施形態に係る眼科装置1の全体構成及び要部構成を説明する。
眼科装置1は、図1及び図2に示すように、本体部10及び顔支持部20を有する眼科装置本体2と、眼科装置本体2が載置され昇降自在な光学テーブル30と、被検者Pが着座し昇降自在な昇降椅子50と、を備える。さらに、被検者Pの画像(左右両眼を含む顔画像M)を取得する広角カメラ60(外部カメラ)と、眼科装置本体2及び光学テーブル30の動作を制御する主制御部17(制御部)と、を備える。また、眼科装置1は、この他にも、検者が眼科装置1に対してデータを入力したり、操作指示を与えたりするための操作部19を備える。
本体部10は、ベース部11と測定部としての測定ヘッド12とを備えており、カバー部材13によって被覆されている。測定ヘッド12の頂部には、図1及び図2に示すように、表示部及び操作部としてのモニタ部14が設けられている。この他にも、遠隔操作時に検者が被検者Pに指示を与えるためのスピーカ(音発生部)や、被検者Pの応答等を検者に伝えるためのマイク等を本体部10に、又は本体部10と別個に設けてもよい。
本体部10のベース部11と測定ヘッド12とモニタ部14とは、電気的に接続されている。また本体部10と、顔支持部20及び光学テーブル30も電気的に接続されている。このため、ベース部11と測定ヘッド12とモニタ部14との間、さらには本体部10と顔支持部20と光学テーブル30との間で、データや操作指示の通信などが可能となる。また、例えばベース部11に設けられた電力供給部から、測定ヘッド12、モニタ部14及び顔支持部20、さらには光学テーブル30に電力を供給する構成とすることもできる。なお、光学テーブル30の電力供給部は、眼科装置本体2とは別個に設けた構成とすることもできる。
測定ヘッド12は、図2に示すように、被検者Pの左右両眼それぞれの眼圧測定と角膜厚測定を行うCT測定ヘッド12a(第1測定ヘッド)と、CT測定ヘッド12aの下部位置に配置され、被検者Pの左右両眼それぞれのレフ測定とケラト測定を行うKR測定ヘッド12b(第2測定ヘッド)と、を有する複合測定ヘッドである。
ここで、「レフ測定」とは、被検眼Eの球面屈折力、円柱屈折力、乱視軸角度を測定することをいう。「ケラト測定」とは、被検眼Eの角膜曲率半径、角膜屈折力、角膜乱視度、角膜乱視軸方向を測定することをいう。「眼圧測定」とは、測定時にエアーを吹き付け、被検眼Eの眼圧を測定することをいう。「角膜厚測定」とは、眼圧の測定値が角膜厚に影響されることから、被検眼Eの眼圧測定時において、角膜厚を測定することをいう。そして、眼科装置1は、角膜厚による眼圧の影響を考慮した眼圧補正値を算出する機能を搭載している。
CT測定ヘッド12aには、図4に示すように、公知の観察・撮影用の測定光学系や測定光学系を制御する制御回路と共に、撮像素子151を有する第1測定光学系15aが設けられている。KR測定ヘッド12bには、図4に示すように、公知の観察・撮影用の測定光学系や測定光学系を制御する制御回路と共に、撮像素子152を有する第2測定光学系15bが設けられている。なお、第1測定光学系15a及び撮像素子151は、第1検査光軸L1上に配列されていて、CT測定ヘッド12aの内部カメラに相当する。第2測定光学系15b及び撮像素子152は、第2検査光軸L2上に配列されていて、KR測定ヘッド12bの内部カメラに相当する。つまり、測定光学系15は、第1測定光学系15aと第2測定光学系15bにより構成される。また、測定ヘッド12の正面には、前眼部の照明用及び膜形状を測定する測定用の光源が輪環状に配置されている。
ベース部11には、図2に示すように、測定ヘッド12をXYZ方向へ駆動する移動機構として、公知のXYZ駆動機構・駆動回路16(測定ヘッド駆動機構)が設けられている。XYZ駆動機構・駆動回路16は、駆動アクチュエータとして、例えばステッピングモータが用いられる。
測定ヘッド12は、XYZ駆動機構・駆動回路16によりベース部11に対して水平方向つまり前後左右方向(X軸方向及びZ軸方向)、及びこれに垂直な垂直方向つまり上下方向(Y軸方向)に駆動される。これにより、測定ヘッド12はベース部11に対して三次元方向(水平方向及び垂直方向)にそれぞれ相対移動自在に支持されている。測定ヘッド12の駆動は、自動制御以外に、モニタ部14のタッチパネル式の表示画面40を操作することで行える。即ち、表示画面40は操作部19として機能する。
モニタ部14は、カラー液晶ディスプレイからなり、被検眼像と操作タッチ部等が表示されるタッチパネル式の表示画面40を有している。モニタ部14は、カバー部材14aによって被覆されている。カバー部材1回路ユニット等が内蔵されている。モニタ部14は、測定ヘッド12の頂部の一縁に支持され、水平軸回り(X軸又はZ軸回り)及び垂直軸周り(Y軸周り)に回動自在に取付けられている。この構成により、モニタ部14の表示画面40を、検者の位置、姿勢、目線の高さなどに応じて、所望の角度や方向に配置できる。例えば、図2に示すように本体部10の背面方向に表示画面40を向けることや、図1に示すように本体部10の正面方向に表示画面40を向けることができる。また、モニタ部14を本体部10の右側又は左側に配置し、表示画面40を右側又は左側に向けることもできる。
制御回路ユニットは、ハードウェア的には、マイクロプロセッサ、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ等を含んで構成される。制御回路ユニットは、図3に示す主制御部17と、内部メモリ17aと、記憶部18として機能する。主制御部17は、主にマイクロプロセッサからなり、内部メモリ17aはRAM等からなり、記憶部18はROM、EEPROM、フラッシュメモリ等からなる。
主制御部17には、図3に示すように、測定光学系15、XYZ駆動機構・駆動回路16、モニタ部14、記憶部18、操作部19、広角カメラ60、顔支持部20の駆動機構25、光学テーブル30のテーブル制御部33等が接続されている。主制御部17は、記憶部18又は内部メモリ17aに記憶したプログラムを例えばRAM上に展開し、操作部19からの操作入力信号に応じて、これら眼科装置1の各部を統括的に制御する。
前述したように、モニタ部14のタッチパネルは操作部19に含まれ、その表示画面40に表示された操作タッチ部やキーボード等に対する操作入力を受け付け、この操作入力信号を主制御部17に送出する。また、操作部19は、本体部10の電源ボタン、後述の光学テーブル30の電源ボタン34及び昇降レバー35等も含み、これらに対する操作入力を受け付け、この操作入力信号を主制御部17、テーブル制御部33に送出する。また、眼科装置1に検者又は被検者が操作可能なコントロールレバーや操作タッチ部が備えられたり、検者用又は被検者用コントローラが備えられたりしている場合、これらも操作部19に含まれ、これらに対する操作入力を受け付け、この操作入力信号を主制御部17に送出する。
顔支持部20は、本体部10のベース部11の前方(正面)に連結して設けられている。なお、顔支持部20が、本体部10に連結された構成に限定されるものではなく、顔支持部20が本体部10と分離し、光学テーブル30上に設置された構成でもよい。
顔支持部20は、ベース部11に連結固定された基部21と、基部21に上下動自在に設けられた顎受け部22と、基部21の左右両側に突出して設けられた一対の支柱23と、この一対の支柱23の上端に設けられた額当て部24と、顎受け部22を上下方向に移動させる顔支持部移動機構としての駆動機構25と、等を主に備えて構成される。また、前後方向や左右方向の位置の調整を可能とするため、顔支持部20は、駆動機構25によって前後方向や左右方向に移動自在に設けられていてもよい。
被検者Pは、例えば眼科装置本体2の前方(正面)に置かれた昇降椅子50等に着座した状態で眼科装置本体2と対峙し、顎受け部22に顎を置き、額当て部24に額Hを突き当てた状態で眼特性の測定等を受ける。なお、子供等、背が低い被検者Pの場合は、昇降椅子50に座らずに、立った状態で顔支持部20に顔を当てて測定を行ってもよい。車椅子に乗った被検者Pの場合は、車椅子に乗った状態で顔支持部20に顔を当てて測定を行ってもよい。
顎受け部22は、被検者Pの顎が載置される部材である。本実施形態では、この顎受け部22を基部21に対して上下動自在に設けることで、顎受け部22を本体部10に対して上下動自在としているが、他の異なる実施形態として、顔支持部20全体を本体部10に対して上下動自在に構成してもよい。
駆動機構25は、例えば、ステッピングモータを含む駆動機構、DCモータとポテンショセンサを含む駆動機構等、公知の駆動機構によって構成される。駆動機構25は主制御部17の制御により駆動して、顎受け部22を上方向又は下方向の所定の移動方向に、所定の移動量(移動距離)で、所定の移動速度により移動させる。この移動量等は、ステッピングモータのステップ数、ポテンショセンサの数値等によって検出することができ、これらの数値に基づいて容易かつ高精度に顎受け部22の移動を制御できる。
額当て部24は、被検者Pの額が突き当てられる部材である。本実施形態では、額当て部24は一対の支柱23に固定されているが、他の異なる実施形態として、額当て部24が前後方向の位置を調整自在となっていてもよい。この調整も、適宜の駆動機構(顔支持部移動機構)によって行う構成とすることで、自動化による調整や操作部からの操作が可能となる。さらに手動でも行える構成としてもよい。
また、顔支持部20は、被検眼Eの眼特性の測定中に、被検者Pの顔(頭部)が不測に移動することのないよう、被検者Pの顔を安定して支持できるものであれば、何れの構成であってもよい。他の異なる実施形態として、例えば顔支持部20が、顎受け部22及び額当て部24の一方のみを有する構成であってもよい。なお、額当て部24のみを有する場合は、この額当て部24(又は顔支持部20全体)を所定の駆動機構によって上下方向等に移動自在とすることができる。
駆動機構25は、主制御部17によって制御される。具体的には、主制御部17は、広角カメラ60で撮影した左右両眼を含む顔画像Mに基づいて、顎受け部22の移動距離、移動方向等の移動情報を算出し、この移動情報に従って駆動機構25を制御し、顎受け部22を上下移動させる。
なお、本実施形態では、主制御部17が顔支持部制御部として機能しているが、これに限定されることはなく、主制御部17とは別個に顔支持部制御部を設けてもよい。この場合、主制御部17からの指示信号に応じて、顔支持部制御部が駆動機構25を駆動制御して顎受け部22を移動させる。
光学テーブル30は、眼科装置本体2が載置される天板31と、この天板31を昇降させるテーブル移動機構としての昇降機構32と、昇降機構32の駆動を制御するテーブル制御部33と、電源ボタン34と、昇降機構32を手動で作動させるための昇降レバー35と、昇降機構32が取り付けられたキャスターベース36と、を備えて構成される。なお、本実施形態では被検者Pが昇降椅子50に座った状態(座位)で測定を行う眼科装置1であるため、光学テーブル30の高さも座位での測定に対応した高さとしている。これに対して、被検者Pが立った状態(立位)で測定を行う眼科装置1とすることもできる。この場合、昇降椅子50は備える必要がなく、光学テーブル30は、立位での測定に対応した高さのものを使用する。
昇降機構32は、テーブル制御部33の制御の下、天板31を昇降させる。これにより、被検者Pの身長や顎Cの位置に応じて、天板31の高さを調整できる。このように、昇降機構32によって実際には天板31が昇降する。
昇降機構32は、天板31を支持する昇降杆32aと、この昇降杆32aを上下動自在に支持する支持杆32bと、昇降杆32aを上下動させる駆動部32cと、を備えている。この昇降杆32aの移動情報(移動方向、移動距離、移動速度等)は、ロータリーエンコーダ等によって検出され、テーブル制御部33に送出される。
駆動部32cは、例えば、電動アクチュエータ等から構成される電動式としているが、この構成に限定されることはない。駆動部32cとして、油圧式、空圧式、ネジ式、リンク式、その他の公知の昇降機構を用いることができる。
キャスターベース36は、光学テーブル30全体を支持する。キャスターベース36には、ロック機構付きのキャスター36aが設けられている。よって、検者等が眼科装置1を所望の設置場所へ容易に移動でき、かつ、設置場所では、キャスター36aをロックすることで、不測に移動しないように眼科装置1を安定して設置できる。
テーブル制御部33は、マイクロプロセッサと、RAM、ROM、フラッシュメモリ等からなる内部メモリ33aと、等を有して構成される。テーブル制御部33は、昇降機構32、電源ボタン34及び昇降レバー35と電気的に接続されている。電源ボタン34は、ON/OFFの操作入力信号をテーブル制御部33に送出する。昇降レバー35は、押し上げ操作と押し下げ操作が自在であり、これらの操作がされると、上昇又は下降の操作入力信号をテーブル制御部33に送出する。
テーブル制御部33は、昇降レバー35からの上昇又は下降の操作入力信号を受け付けて、昇降機構32の駆動部32cを制御して駆動させ、天板31(光学テーブル30)を上下方向に移動させる。また、自動調整モードの場合には、テーブル制御部33は、主制御部17からの入力信号に基づいて駆動部32cを制御して、天板31を上下方向に移動させる。
昇降椅子50は、座面51の高さ調整が可能な公知の椅子を用いることができる。例えば、ガス圧式のものであってもよいし、電動式のものであってもよい。本実施形態では、昇降椅子50は眼科装置本体2や光学テーブル30と連動することなく、単独で座面51の高さを調整可能なものとしているが、これに限定されることはない。例えば、表示画面40に表示された操作タッチ部の操作に従って、座面51を上下方向等に移動する構成とすることもできる。また、主制御部17の制御によって、顎受け部22と光学テーブル30と昇降椅子50とを、各々適切な配置となるように移動制御する構成とすることもできる。
広角カメラ60(外部カメラ)は、円筒状筐体と広角レンズと撮像素子を有して構成され、図4及び図5に示すように、測定ヘッド12による測定中、1箇所の位置から顔支持部20に支持される被検者Pの左右両眼を含む顔画像Mを撮像素子に捉える単一のカメラとしている。広角カメラ60は、測定ヘッド12のうち顔支持部20と対向するヘッド正面の位置であって、広角カメラ60の撮影光軸L3を、CT測定ヘッド12aの第1検査光軸L1、及び、KR測定ヘッド12bの第2検査光軸L2に対して左右方向(X軸方向)で一致させた位置に配置している(図5を参照)。広角カメラ60は、高さ方向(Y軸方向)における撮影光軸K3を、CT測定ヘッド12aの第1検査光軸の高さ位置とKR測定ヘッド12bの第2検査光軸L2の高さ位置とに挟まれた中間の高さ位置に配置している(図4を参照)。なお、広角カメラ60により被検者Pの左右両眼を含む顔画像Mを撮像素子に捉えて撮影するタイミングは、電源投入後から粗アライメント完了までの初期段階、及び、各測定ヘッド12a,12bによる測定中であり、測定中以外に電源投入後の初期段階を加えている。
広角カメラ60の垂直方向(Y軸方向)の垂直画角は、図4に示すように、2つの測定ヘッド12a,12bによるそれぞれの測定中、位置が異なる2つの被検眼E’,E”が共に画角内に入る第1広角カメラ観察領域Aによる角度設定としている。即ち、CT測定ヘッド12aによる測定中の被検眼E’の位置と、KR測定ヘッド12bによる測定中の被検眼E”の位置とは、Y軸方向及びZ軸方向に対しずれた位置になる。これに対し、第1広角カメラ観察領域A(=垂直画角)は、被検眼E’が入る線を垂直画角上限線とし、被検眼E”が入る線を垂直画角下限線として垂直画角を決めている。第1実施形態では、広角カメラ60の垂直画角を、例えば、70°以上の角度に設定している。さらに、第1実施形態では、広角カメラ60を用いて粗アライメントを行うため、第1広角カメラ観察領域Aには、図4の被検眼E’のCTアライメント領域a1を含むし、図4の被検眼E”のKRアライメント領域a2を含む。
広角カメラ60の水平方向(X軸方向)の水平画角は、図5に示すように、2つの測定ヘッド12a,12bによるそれぞれの測定中、片方の被検眼E’,E”の位置が撮影光軸L3上にあるとき、他方の眼も画角に捉える第2広角カメラ観察領域Bによる角度設定としている。即ち、CT測定ヘッド12aによる測定時の被検眼E’は、KR測定ヘッド12bによる測定時の被検眼E”より広角カメラ60と近い位置となり、被検眼E’で成立すると被検眼E”でも成立する。これに対し、第2広角カメラ観察領域B(=水平画角)は、左右片方の被検眼E’の位置(実線)が撮影光軸L3上にあるとき、左右他方の眼(破線)も画角に捉える領域により水平画角を決めている。第1実施形態では、広角カメラ60の水平画角を、例えば、90°以上の角度に設定しいている。ここで、「広角カメラ」とは、焦点距離を短くして広い画角範囲を捉えることができる広角レンズを備える広角カメラ以外に、超広角レンズを備える超広角カメラ、魚眼レンズを備える魚眼カメラを含む撮像手段をいう。なお、広角レンズと超広角レンズは、広い画角範囲を捉える際に発生する歪みをレンズ補正するのに対し、魚眼レンズは、その歪みをあえて修正せずにそのまま捉える点で相違する。しかし、魚眼レンズは、広い画角範囲を撮影できるレンズという意味では超広角レンズの一種といえる。
次に、図6~図9に基づいて、第1実施形態に係る眼科装置1において電源を入れてから1つの測定が完了するまでの動作の一例を説明する。なお、図6に示すフローチャートの動作は、眼科装置1の電源が投入されたときに開始される。以下では、検者が被検者Pの傍らにいて、被検者Pを補助しながら、モニタ部14の表示画面40を操作して眼科装置1に操作指示を与える場合を想定して説明する。
ステップS1では、被検者Pの被検眼Eの特性を測定する際、検者が眼科装置1(眼科装置本体2及び光学テーブル30)の電源を投入すると、XYZ駆動機構・駆動回路16により測定ヘッド12を初期位置に移動させる。
ステップS2では、ステップS1での測定ヘッド12の初期位置移動に続き、顔支持部20に有する検出センサ26による検出値に基づいて、被検者Pが顎受け22に顔を乗せたか否かを判断する。被検者Pが顎受け22に顔を乗せていない間はステップS2の判断を繰り返し、被検者Pが顎受け22に顔を乗せたと判断されると、ステップS3へ進む。
ステップS3では、ステップS2での被検者Pが顎受け22に顔を乗せたとの判断に続き、XYZ駆動機構・駆動回路16により測定ヘッド12を初期位置から所定の移動量だけ退避移動させる。ここで、退避移動とは、X軸方向を中央位置のままとし、Z軸方向において測定ヘッド12を、初期位置での被検眼Eまでの距離より被検眼Eから遠ざける移動をいう。
ステップS4では、ステップS3での測定ヘッド12の退避移動に続き、測定ヘッド12が退避した位置で広角カメラ60の撮像素子で捉えた被検者Pの左右両眼を含む顔画像Mを、モニタ部14の表示画面40に表示する。
ここで、モニタ部14の表示画面40に表示される顔画像Mは、測定ヘッド12を退避移動したことにより、例えば、図7に示すように、画面両端から余裕代を持って表示画面40の右側位置と左側位置に被検者Pの左右両眼を分けて表示される顔の画像になる。
なお、モニタ部14の表示画面40(タッチパネル)の外周部左辺位置には、被検者PのIDを入力するためのIDタッチ部T1、右眼を選択するためのRタッチ部T2、顎受け部22を上下動させるための顎受け上下動タッチ部T3、右眼のマニュアル操作スタートタッチ部T4、等が配置されている。表示画面40の外周部下辺位置には、装置全体の設定をリセットするリセットタッチ部T5、白内障の被検眼Eを測定するための白内障タッチ部T6、等が配置されている。表示画面40の外周部右辺位置には、セットアップ画面を表示するセットアップタッチ部T7、左眼を選択するためのLタッチ部T8、測定ヘッド12を前後方向(Z軸方向)に移動させるための測定ヘッド前後タッチ部T9、左眼のマニュアル操作スタートタッチ部T10、等が配置されている。表示画面40の外周部上辺位置には、被検者PのID表示部T11、検者のID表示部T12、等が配置されている。そして、表示画面40のうち、外周部を除いた方形領域を、広角カメラ60や測定ヘッド12の内部カメラにより撮影した像を表示する領域としている。
ステップS5では、ステップS4での顔画像Mの画面表示、又は、ステップS8での広角カメラ60による粗アライメント未完了(粗アライメントエラー)であるとの判断に続き、被検者Pの左右両眼の位置を表示画面40の画面上でタッチする。
ステップS6では、ステップS5での左右両眼の位置タッチに続き、表示画面40で両眼が捉えられる所定の位置、及び、被検眼Eの標準的なZ軸方向位置に対して、測定ヘッド12に対する被検眼EのXY位置を認識する。即ち、画面上でタッチした被検者Pの左右両眼の位置に対する測定ヘッド12のX軸方向とY軸方向の位置ずれ量を認識する。
ステップS7では、ステップS6での被検眼EのXY位置の認識に続き、被検眼EのY軸方向の位置が、図7に示す精密アライメントの範囲C1,C2の枠内になるように、顔支持部20のY軸方向の高さを駆動機構25により自動調整する。ここで、Y軸方向の調整量は、ステップS6で認識されたY軸方向の位置ずれ量とする。
ステップS8では、ステップS7での被検眼EのY位置の調整に続き、広角カメラ60からの表示画像を用いた粗アライメントがエラー無く完了したか否かを判断する。粗アライメントがエラー無く完了した場合には、直ちにステップS9へ進む。しかし、粗アライメントにエラーが発生すると、ステップS5へ戻り、再度、被検者Pの左右両眼を表示画面40の画面上でタッチし、粗アライメント動作を繰り返す。
ステップS9では、ステップS8の粗アライメントの完了判断、又は、ステップS10でのXY方向アライメント未完了との判断に続き、両眼のうち検査する指定された一方の片眼に対してXY方向アライメントの調整をXYZ駆動機構・駆動回路16により行う。
ここで、XY方向アライメント調整とは、測定ヘッド12の内部カメラが捉えた像をモニタ部14の表示画面40に表示したとき、検査する指定された一方の片眼の前眼部像Gfが表示画面40の画面内に入るように調整することをいう。なお、XY方向アライメントの調整では、ステップS6で得られた被検眼EのX位置認識情報が用いられる。また、粗アライメントが完了に続いて精密アライメントが開始されると、モニタ部14の表示画面40に表示される画像が、広角カメラ60が捉えた左右両眼を含む顔画像Mから、測定ヘッド12に内蔵された内部カメラが捉えた前眼部像Gfに切り替えられる。
ステップS10では、ステップS9でのXY方向アライメントの調整に続き、XY方向アライメント調整が完了したか否かを判断する。XY方向アライメント調整が未完了であると、ステップS9→ステップS10へ進む流れを繰り返し、XY方向アライメント調整が完了であると、ステップS11へ進む。
ステップS11では、S10でのXY方向アライメント調整完了との判断、又は、ステップS12での精密アライメント未完了との判断に続き、被検眼Eの前眼部像Gfが表示されている表示画面40上で瞳孔付近をタップすることで、精密アライメントの自動調整制御を行う。
ここで、精密アライメントの自動調整制御では、図8に示すように、モニタ部14の表示画面40に表示されている前眼部像Gfの瞳孔付近をタップすると、角膜輝点像P1の検出位置と画面中心位置との距離を演算し、距離演算値に基づいてXYZ駆動機構・駆動回路16が駆動制御される。駆動制御では、距離演算値に基づいて測定ヘッド12を上下左右方向(Y軸方向及びX軸方向)に駆動するとともに、角膜輝点像P1のピントが合焦するように、測定ヘッド12を前後方向(Z軸方向)に駆動する。そして、角膜輝点像P1が画面中心領域をあらわす目標エリアマーク40e内に入り、かつ、角膜輝点像P1の出力値が所定値を超えると、条件成立により精密アライメントを完了する。なお、図8は精密アライメントの完了状態を示す。
ステップS12では、ステップS11での精密アライメントの自動調整に続き、精密アライメント完了であるか否かを判断する。精密アライメントが未完了であると、ステップS11→ステップS12へ進む流れを繰り返し、精密アライメントが完了であると、ステップS13へ進む。
ステップS13では、ステップS12での精密アライメントの完了判断に続き、主制御部17による測定光学系15の制御により、指定した片眼に対する検査情報を取得する測定が自動的に実行される。
ここで、被検眼Eの検査情報を取得する測定中、図9に示すように、表示画面40に対し、測定ヘッド12に内蔵された内部カメラからの片眼の前眼部像Gfに、広角カメラ60からの被検者Pの左右両眼を含む顔画像Mを重畳させた複合画像を表示する。複合画像を表示するとき、片眼の前眼部像Gfのうち画面に向かって右下の一部に設定した画面領域を顔画像Mの表示領域とし、当該表示領域に広角カメラ60からの被検者Pの左右両眼を含む顔画像Mを重畳させる。ここで、図9は、両眼付近のみの画像であるが、縦長の顎及び顎受けを含む顔画像Mであっても良い。この場合、顔画像Mの表示領域を縦方向に拡大し、縦長の顎及び顎受けを含む顔画像Mを表示しても良い。また、広角カメラ60のレンズとして、広角レンズや超広角レンズより広い画角範囲を捉えることができる魚眼レンズを用い、縦長の顎及び顎受けを含む顔画像Mを表示しても良い。
ステップS14では、ステップS13での指定の片眼に対する測定に続き、検査結果を記憶部18へ記憶し、エンドへ進む。なお、指定の片眼に対する測定が終了すると、検査結果を記憶部18へ記憶すると共に、検査結果を表示画面40に対して表示し、視覚により検者が検査情報を認識できるようにする。
次に、1人の被検者Pの左右両眼に対して、CT測定ヘッド12aとKR測定ヘッド12bを用いた一連のKR測定とCT測定を、検者のタッチ操作だけで完了させる左右眼フルオート測定を行う場合の動作の流れを説明する。
左右眼フルオート測定を開始し、かつ、図6に示すフローチャートにおいて、S1→S2→S3→S4→S5→S6→S7→S8へと進み、ステップS8にてYESと判断されると、広角カメラ60を用いた粗アライメントを完了する。なお、広角カメラ60を用いた粗アライメントの動作は、左右眼フルオート測定におけるKR測定の初期段階とCT測定の初期段階で行われる。
KR測定の粗アライメントを完了すると、図6に示すフローチャートにおいて、S9へ進み、被検者Pの右眼を指定の眼とし、KR測定でのXY方向アライメントを開始する。そして、S9からS10→S11→S12→S13へと進むと、瞳孔付近をタップすることで行われる精密アライメントを経過し、被検者Pの右眼のKR測定がKR測定ヘッド12bにより行われる。
検査情報を記憶部18へ記憶することで被検者Pの右眼のKR測定が終了すると、測定ヘッドはKR測定ヘッド12bのままで、被検者Pの指定する眼が右眼から左眼へと移行する。このとき、左眼を選択する操作を行うと、KR測定ヘッド12bは、第2検査光軸L2と左眼の位置が一致するようにX軸方向に自動的に移動する。そして、S9からS10→S11→S12→S13へと進み、XY方向アライメント、及び、瞳孔付近をタップすることで行われる精密アライメントを経過し、被検者Pの左眼のKR測定がKR測定ヘッド12bにより行われる。
検査情報を記憶部18へ記憶することで被検者Pの左眼のKR測定が終了すると、被検者Pの指定する眼は左眼のままで、測定ヘッドがKR測定ヘッド12bからCT測定ヘッド12aへと移行する。このとき、CT測定ヘッド12aを選択する操作を行うと、CT測定ヘッド12aは、第1検査光軸L1と左眼の位置が一致するようにY軸方向に自動的に移動し、CT測定の粗アライメントを行う。そして、CT測定の粗アライメントを完了すると、S9からS10→S11→S12→S13へと進み、XY方向アライメント、及び、瞳孔付近をタップすることで行われる精密アライメントを経過して被検者Pの左眼のCT測定が行われる。
検査情報を記憶部18へ記憶することで被検者Pの左眼のCT測定が終了すると、測定ヘッドはCT測定ヘッド12aのままで、被検者Pの指定する眼が左眼から右眼へと移行する。このとき、右眼を選択する操作を行うと、CT測定ヘッド12aは、第1検査光軸L1と右眼の位置が一致するようにX軸方向に自動的に移動する。そして、S9からS10→S11→S12→S13へと進み、XY方向アライメント、及び、瞳孔付近をタップすることで行われる精密アライメントを経過して被検者Pの右眼のCT測定が行われる。以上述べた一連の動作により左右眼フルオート測定を終了する。
上記のように、左右眼フルオート測定を行う場合、例えば、(被検者Pの右眼のKR測定)→(被検者Pの左眼のKR測定)→(被検者Pの左眼のCT測定)→(被検者Pの右眼のCT測定)という測定動作の流れにより、被検者Pが機器間を移動することなく左右眼の測定が行われる。
次に、第1実施形態に係る眼科装置1の特徴作用を説明する。第1実施形態では、測定ヘッド12による測定中、1箇所の位置から顔支持部20に支持される被検者Pの左右両眼を含む顔画像Mを撮像素子に捉える広角カメラ60を備えている。
即ち、測定ヘッドによる測定中、通常、測定ヘッドに内蔵された内部カメラからの片眼の前眼部像を表示している。よって、測定中に被検者の被検眼を含む顔情報が得られず、測定中において被検者の瞼の開閉状態などを検者が把握できない。これに対し、測定中、1箇所の位置から顔支持部20に支持される被検者Pの左右両眼を含む顔画像Mを撮像素子に捉える広角カメラ60を備えることで、被検眼Eの測定中、広角カメラ60から顔支持部20に支持される被検者Pの左右両眼を含む顔画像情報を得ることができる。この結果、被検眼Eの測定中において、被検者の瞼の開閉状態等を検者が把握し易くなる。その理由は、一方の眼の動きや形態は他方の眼の動きや形態に影響されることによる。
第1実施形態では、広角カメラ60は、測定ヘッド12のうち顔支持部20と対向するヘッド正面の位置であって、広角カメラ60の撮影光軸L3を、測定ヘッド12の検査光軸L1,L2に対して左右方向に一致させた位置に配置している。
即ち、広角カメラの撮影光軸を、測定ヘッドの検査光軸に対して左右何れかの方向にオフセット配置した場合、左右両眼が左右非対称の位置になり、1箇所の位置から顔支持部に支持される被検者の左右両眼を含む顔画像を撮像素子に捉えることが難しくなる。これに対し、広角カメラ60の撮影光軸L3を、測定ヘッド12の検査光軸L1,L2に対して左右方向に一致させた位置に配置することで、左右両眼が左右対称の位置になり、広角カメラ60の水平画角内に被検者Pの左右両眼を入れることが容易になる。このため、広角カメラ60を1箇所の位置に配置しながらも、顔支持部20に支持される被検者Pの左右両眼を含む顔画像Mを容易に撮像素子に捉えることができる。加えて、撮像素子に捉えた左右両眼を含む顔画像Mは、左右両眼が対象位置の被検者Pの顔を正面から撮影した画像になるため、左右両眼を含む顔画像Mを、顔支持部20をY軸方向に移動させて適切な位置に調整する粗アライメントに用いることができる。
第1実施形態では、測定ヘッド12を複合測定ヘッドとし、広角カメラ60の撮影光軸L3を、CT測定ヘッド12aの第1検査光軸L1の高さ位置とKR測定ヘッド12bの第2検査光軸L2の高さ位置とに挟まれた中間の高さ位置に配置している。
即ち、2つの測定ヘッドによる複合測定ヘッドとした場合、それぞれの測定ヘッドによる測定中において、左右両眼を含む顔画像を捉えるためにはそれぞれの測定ヘッドに対応する2台のカメラが必要になる。これに対し、広角カメラ60を、CT測定ヘッド12aの第1検査光軸L1の高さ位置とKR測定ヘッド12bの第2検査光軸L2の高さ位置とに挟まれた中間の高さ位置に配置している。このため、CT測定中においてもKR測定中においても、1台の広角カメラ60によって左右両眼を含む顔画像Mを捉えることが可能になる。
第1実施形態では、広角カメラ60の垂直画角を、CT測定ヘッド12aとKR測定ヘッド12bによるそれぞれの測定中、位置が異なる2つの被検眼E’,E”が共に画角内に入る第1広角カメラ観察領域Aによる角度設定としている。広角カメラ60の水平画角を、CT測定ヘッド12aとKR測定ヘッド12bによるそれぞれの測定中、片方の被検眼の位置が撮影光軸L3上にあるとき、他方の眼も画角に捉える第2広角カメラ観察領域Bによる角度設定としている。
即ち、広角カメラ60の垂直画角と水平画角の角度設定において、CT測定中であるかKR測定中であるかにかかわらず、左右両眼を含む顔画像Mを捉えることができる画角設定を採用している。このため、単一の広角カメラ60を用いながらも、2つの測定ヘッド12a,12bによるそれぞれの測定中において、左右両眼を含む顔画像Mを画角の設定範囲内で確実に捉えることができる。
第1実施形態では、第1測定ヘッドを、被検者Pの左右両眼それぞれの眼圧測定と角膜厚測定を行うCT測定ヘッド12aとし、第2測定ヘッドは、被検者Pの左右両眼それぞれのレフ測定とケラト測定を行うKR測定ヘッド12bとしている。
このため、被検者Pが機器間を移動することなく、眼科装置1による1回の測定により眼圧測定・角膜厚測定・レフ測定・ケラト測定との4つの検査結果が短時間にて取得される。この結果、被検者Pに与える検査負担を軽減することができる。
第1実施形態では、主制御部17において、被検者Pが顔支持部20に顔を載せると、初期位置の測定ヘッド12を被検眼Eから遠ざかる方向に退避させ、退避した位置で広角カメラ60の撮像素子が取得した顔画像Mを表示画面40に表示している。そして、表示画面40に表示された被検者Pの左右両眼の位置に基づいて、被検眼Eの高さ位置が精密アライメントの範囲内に入るように顔支持部20を上下動させる粗アライメントの制御処理を実行している。
即ち、被検眼Eの高さ位置を調整する操作は、例えば、被検者の顎を顎受け部に乗せ、額を額当てに当てさせ、顎受け部に設けられた高さマークに、被検者の目尻の高さ位置が合うように、表示画面上の調整タッチ部を押して顎受け部の高さ位置を調整していた。これに対し、退避した位置で広角カメラ60の撮像素子が取得した顔画像Mを表示画面40に表示することで、確実に被検者Pの左右両眼を含む顔画像Mを表示画面40に表示することができる。よって、タッチパネルを兼ねる表示画面40に表示された被検者Pの左右両眼の位置をタッチするだけで、粗アライメントが完了するようにしている。このため、測定ヘッド12と被検者Pの被検眼Eとの上下方向(Y軸方向)の位置関係を調整する粗アライメントを簡単な操作で短時間に完了することができると共に、粗アライメントから素早く精密アライメントへ移行することができる。
第1実施形態では、主制御部17において、被検眼Eの検査情報を取得する測定中、表示画面40に対し、測定ヘッド12に内蔵された内部カメラからの片眼の前眼部像Gfに、広角カメラ60からの被検者Pの左右両眼を含む顔画像Mを重畳させた複合画像を表示する制御処理を実行している。
即ち、CT測定ヘッド12aによるCT測定中、及び、KR測定ヘッド12bによるKR測定中、検査対象となっている片眼の前眼部像Gfと広角カメラ60からの被検者Pの左右両眼を含む顔画像Mとが共に表示画面40に表示される。このため、被検者Pの傍に検者が居ない状況で行われる遠隔検査やタブレット検査等において、被検者Pに関する多くの情報を表示画面40から得ながら検査を行うことができる。例えば、モニタ部14や主制御部17と、近距離無線通信からなる通信ネットワークによって互いに通信可能に接続したり、インターネット等の通信ネットワークを介して互いに通信可能に接続したりすれば、検者が被検者Pの傍らに居なくても、例えば、別室や受付、更には管理センター等の遠隔地から検査を行うことができる。
以上説明したように、第1実施形態に係る眼科装置1にあっては、下記に列挙する効果が得られる。
(1)被検者Pの被検眼Eの検査情報を取得する測定ヘッド12と、被検者Pの顔を支持する顔支持部20と、測定ヘッド12による測定中、1箇所の位置から顔支持部20に支持される被検者Pの左右両眼を含む顔画像Mを撮像素子に捉える外部カメラ(広角カメラ60)と、を備える。このため、被検眼Eの測定中、外部カメラ(広角カメラ60)から顔支持部20に支持される被検者Pの左右両眼を含む顔画像情報を得ることができる。
(2)外部カメラ(広角カメラ60)は、測定ヘッド12のうち顔支持部20と対向するヘッド正面の位置であって、外部カメラ(広角カメラ60)の撮影光軸L3を、測定ヘッド12の検査光軸L1,L2に対して左右方向に一致させた位置に配置する。このため、外部カメラ(広角カメラ60)を1箇所の位置に配置しながらも、顔支持部20に支持される被検者Pの左右両眼を含む顔画像Mを容易に撮像素子に捉えることができる。
(3)測定ヘッド12は、第1測定ヘッド(CT測定ヘッド12a)と、第1測定ヘッド(CT測定ヘッド12a)の下部位置に配置された第2測定ヘッド(KR測定ヘッド12b)を有する複合測定ヘッドとし、外部カメラ(広角カメラ60)は、高さ方向における撮影光軸L3を、第1測定ヘッド(CT測定ヘッド12a)の第1検査光軸L1の高さ位置と第2測定ヘッド(KR測定ヘッド12b)の第2検査光軸L2の高さ位置とに挟まれた中間の高さ位置に配置する。このため、単一の広角カメラ60を用いながらも、2つの測定ヘッド12a,12bによるそれぞれの測定中において、左右両眼を含む顔画像Mを捉えることが可能になる。
(4)外部カメラは、所定の垂直画角と水平画角を有する広角カメラ60であり、垂直画角を、第1測定ヘッド(CT測定ヘッド12a)と第2測定ヘッド(KR測定ヘッド12b)によるそれぞれの測定中、位置が異なる2つの被検眼E’,E”が共に画角内に入る第1広角カメラ観察領域Aによる角度設定とする。水平画角を、第1測定ヘッド(CT測定ヘッド12a)と第2測定ヘッド(KR測定ヘッド12b)によるそれぞれの測定中、片方の被検眼の位置が撮影光軸L3上にあるとき、他方の眼も画角に捉える第2広角カメラ観察領域Bによる角度設定とする。このため、単一の広角カメラ60を用いながらも、2つの測定ヘッド12a,12bによるそれぞれの測定中において、左右両眼を含む顔画像Mを垂直画角と水平画角の設定範囲内で確実に捉えることができる。
(5)第1測定ヘッドは、被検者Pの左右両眼それぞれの眼圧測定と角膜厚測定を行うCT測定ヘッド12aであり、第2測定ヘッドは、被検者Pの左右両眼それぞれのレフ測定とケラト測定を行うKR測定ヘッド12bである。このため、被検者Pが機器間を移動することなく、眼科装置1による1回の測定により眼圧測定・角膜厚測定・レフ測定・ケラト測定との4つの検査結果が短時間にて取得され、被検者Pの負担軽減に貢献することができる。
(6)測定ヘッド12をベース部11に対して3次元方向に相対移動させる測定ヘッド駆動機構(XYZ駆動機構・駆動回路16)と、表示画面40に画像を表示するモニタ部14と、装置各部を制御する制御部(主制御部17)と、を備える。制御部(主制御部17)は、電源を立ち上げると、測定ヘッド12を初期位置に移動させ、被検者Pが顔支持部20に顔を載せると、初期位置の測定ヘッド12を被検眼Eから遠ざかる方向に退避させ、退避した位置で外部カメラ(広角カメラ60)の撮像素子が取得した被検者Pの左右両眼を含む顔画像Mを表示画面40に表示する。表示画面40に表示した被検者Pの左右両眼の位置に基づいて、被検眼Eの高さ位置が精密アライメントの範囲内に入るように顔支持部20を上下動させる粗アライメントの制御処理を実行する。このため、測定ヘッド12と被検者Pの被検眼Eとの上下方向の位置関係を調整する粗アライメントを簡単な操作で短時間に完了することができると共に、粗アライメントから素早く精密アライメントへ移行することができる。
(7)制御部(主制御部17)は、被検眼Eの検査情報を取得する測定中、表示画面40に対し、測定ヘッド12に内蔵された内部カメラからの片眼の前眼部像Gfに、外部カメラ(広角カメラ60)からの被検者Pの左右両眼を含む顔画像Mを重畳させた複合画像を表示する制御処理を実行する。このため、被検者Pの傍に検者が居ない状況で行われる遠隔検査やタブレット検査等において、被検者Pに関する多くの情報を表示画面40から得ながら検査を行うことができる。
以上、本開示の実施形態を図面により詳述してきたが、第1実施形態は本開示の例示にしか過ぎないものであり、本開示は第1実施形態の構成にのみ限定されるものではない。本開示の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、本開示に含まれることは勿論である。
第1実施形態では、測定ヘッドとして、CT測定ヘッド12aとKR測定ヘッド12bを有する複合測定ヘッドの例を示した。しかし、測定ヘッドとしては、複合測定ヘッドに限られるものではなく、単一の測定ヘッドであっても勿論良い。更に、測定ヘッドの種類もCT測定ヘッド、KR測定ヘッド(RM測定ヘッド)に限られるものではなく、角膜形状測定ヘッド、眼底撮影ヘッド、眼軸長測定ヘッド、内皮細胞測定ヘッド、等のように、眼科装置に適用される様々な測定ヘッドであっても良い。
第1実施形態では、外部カメラとして、円筒状筐体と広角レンズと撮像素子を有して構成され広角カメラ60の例を示した。しかし、外部カメラとしては、広角カメラに焦点深度を広げるため、ピンホール絞りや合焦レンズ手段を追加した構成としても勿論良い。更に、広角カメラとして、超広角カメラ、超広角カメラの一つである魚眼カメラを用いる例としても良い。
第1実施形態では、被検眼Eの検査情報を取得する測定中、表示画面40に対し、測定ヘッド12に内蔵された内部カメラからの片眼の前眼部像Gfに、広角カメラ60からの被検者Pの左右両眼を含む顔画像Mを重畳させた複合画像を表示する例を示した。しかし、被検眼の検査情報を取得する測定中、表示画面に内部カメラからの前眼部像を全画面表示しておき、検者の要求に応じた切替え操作により、広角カメラからの顔画像に切り替えて顔画像の全画面表示をする例としても良い。また、被検眼の検査情報を取得する測定中、前眼部像に顔画像を重畳させた複合画像を表示しておき、検者による選択操作(例えば、表示画面へのタッチ操作等)により、前眼部像の全画面表示、又は、顔画像の全画面表示又は顔画像の拡大表示に切り替える例としても良い。
第1実施形態では、広角カメラ60の撮像素子に被検者の左右両眼を含む顔画像Mを捉えるタイミングとして、電源投入後から粗アライメント完了までの初期段階、及び、各測定ヘッド12a,12bによる測定中とする例を示した。しかし、広角カメラの撮像素子に捉えるタイミングとしては、少なくとも測定ヘッドによる測定中を含むものであれば良い。例えば、測定中のみで広角カメラの撮像素子に捉え、電源投入後の初期段階では広角カメラの撮像素子に捉えないものであっても良い。また、電源投入後から測定終了までの全検査域で撮像素子に被検者の左右両眼を含む顔画像を捉えるものであっても良い。
第1実施形態では、粗アライメントを行うとき、表示画面40に表示された広角カメラ60からの顔画像Mの左右両眼の位置をタッチすることで、顔支持部20を上下動させて行う例を示した。しかし、粗アライメントを行うとき、表示画面に表示された広角カメラからの顔画像の認識処理を行い、認識した左右両眼の位置に基づいて、顔支持部20を上下動させる例としても良い。
第1実施形態では、眼科装置本体2に取り付けられたモニタ部14の表示画面40を操作部19とする例を示した。しかし、操作部としては、モニタ部を着脱可能として、モニタ部を検者が持って操作しても良い。また、モニタ部とは別個に、表示部及びタッチパネルやキーボード等の操作部を備えたタブレット端末、スマートフォン等の情報端末、専用端末等のコントローラを備えていてもよい。このコントローラの表示部に、モニタ部の表示画面に表示される画面と同様の画面(被検者像を含む)を表示してもよい。この場合、検者がモニタ部やコントローラを保持して、眼科装置本体から離れた所望の場所から被検者の状態を視認しながら操作ができる。
1 眼科装置
12 測定ヘッド
12a CT測定ヘッド(第1測定ヘッド)
12b KR測定ヘッド(第2測定ヘッド)
14 モニタ部
20 顔支持部
40 表示画面
60 広角カメラ(外部カメラ)
16 XYZ駆動機構・駆動回路(測定ヘッド駆動機構)
17 主制御部(制御部)
A 第1広角カメラ観察領域
B 第2広角カメラ観察領域
P 被検者
E 被検眼
E’ CT測定中の被検眼
E” KR測定中の被検眼
Gf 前眼部像
M 左右両眼を含む顔画像
L1 CT測定ヘッド12aの第1検査光軸
L2 KR測定ヘッド12bの第2検査光軸
L3 広角カメラ60の撮影光軸
12 測定ヘッド
12a CT測定ヘッド(第1測定ヘッド)
12b KR測定ヘッド(第2測定ヘッド)
14 モニタ部
20 顔支持部
40 表示画面
60 広角カメラ(外部カメラ)
16 XYZ駆動機構・駆動回路(測定ヘッド駆動機構)
17 主制御部(制御部)
A 第1広角カメラ観察領域
B 第2広角カメラ観察領域
P 被検者
E 被検眼
E’ CT測定中の被検眼
E” KR測定中の被検眼
Gf 前眼部像
M 左右両眼を含む顔画像
L1 CT測定ヘッド12aの第1検査光軸
L2 KR測定ヘッド12bの第2検査光軸
L3 広角カメラ60の撮影光軸
Claims (7)
- 被検者の被検眼の検査情報を取得する測定ヘッドと、
前記被検者の顔を支持する顔支持部と、
前記測定ヘッドによる測定中、1箇所の位置から前記顔支持部に支持される前記被検者の左右両眼を含む顔画像を撮像素子に捉える外部カメラと、
を備えることを特徴とする眼科装置。 - 請求項1に記載された眼科装置において、
前記外部カメラは、前記測定ヘッドのうち前記顔支持部と対向するヘッド正面の位置であって、前記外部カメラの撮影光軸を、前記測定ヘッドの検査光軸に対して左右方向に一致させた位置に配置する
ことを特徴とする眼科装置。 - 請求項2に記載された眼科装置において、
前記測定ヘッドは、第1測定ヘッドと、当該第1測定ヘッドの下部位置に配置された第2測定ヘッドを有する複合測定ヘッドとし、
前記外部カメラは、高さ方向における撮影光軸を、前記第1測定ヘッドの第1検査光軸の高さ位置と前記第2測定ヘッドの第2検査光軸の高さ位置とに挟まれた中間の高さ位置に配置する
ことを特徴とする眼科装置。 - 請求項3に記載された眼科装置において、
前記外部カメラは、所定の垂直画角と水平画角を有する広角カメラであり、
前記垂直画角を、前記第1測定ヘッドと前記第2測定ヘッドによるそれぞれの測定中、位置が異なる2つの被検眼が共に画角内に入る第1広角カメラ観察領域による角度設定とし、
前記水平画角を、前記第1測定ヘッドと前記第2測定ヘッドによるそれぞれの測定中、片方の被検眼の位置が撮影光軸上にあるとき、他方の眼も画角に捉える第2広角カメラ観察領域による角度設定とする
ことを特徴とする眼科装置。 - 請求項3又は4に記載された眼科装置において、
前記第1測定ヘッドは、前記被検者の左右両眼それぞれの眼圧測定と角膜厚測定を行うCT測定ヘッドであり、
前記第2測定ヘッドは、前記被検者の左右両眼それぞれのレフ測定とケラト測定を行うKR測定ヘッドである
ことを特徴とする眼科装置。 - 請求項1から5までの何れか一項に記載された眼科装置において、
前記測定ヘッドをベース部に対して3次元方向に相対移動させる測定ヘッド駆動機構と、
表示画面に画像を表示するモニタ部と、
装置各部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、電源を立ち上げると、前記測定ヘッドを初期位置に移動させ、
前記被検者が前記顔支持部に顔を載せると、前記初期位置の前記測定ヘッドを前記被検眼から遠ざかる方向に退避させ、
前記退避した位置で前記外部カメラの撮像素子が取得した前記被検者の左右両眼を含む顔画像を前記表示画面に表示し、
前記表示画面に表示した前記被検者の左右両眼の位置に基づいて、前記被検眼の高さ位置が精密アライメントの範囲内に入るように前記顔支持部を上下動させる粗アライメントの制御処理を実行する
ことを特徴とする眼科装置。 - 請求項6に記載された眼科装置において、
前記制御部は、前記被検眼の検査情報を取得する測定中、前記表示画面に対し、前記測定ヘッドに内蔵された内部カメラからの片眼の前眼部像に、前記外部カメラからの前記被検者の左右両眼を含む顔画像を重畳させた複合画像を表示する制御処理を実行する
ことを特徴とする眼科装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2021017683A JP2022120647A (ja) | 2021-02-05 | 2021-02-05 | 眼科装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2021017683A JP2022120647A (ja) | 2021-02-05 | 2021-02-05 | 眼科装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2022120647A true JP2022120647A (ja) | 2022-08-18 |
Family
ID=82849193
Family Applications (1)
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JP2021017683A Pending JP2022120647A (ja) | 2021-02-05 | 2021-02-05 | 眼科装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2022120647A (ja) |
-
2021
- 2021-02-05 JP JP2021017683A patent/JP2022120647A/ja active Pending
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A621 | Written request for application examination |
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