JP2021048102A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池を収容するケースの密閉性を維持しつつ、燃料電池を適切に冷却する。【解決手段】燃料電池システム1は、複数の燃料電池セル110が積層されている燃料電池スタック11を有する燃料電池10と、燃料電池10を収容するケース20と、燃料電池スタック11の側部11aとケース20との間に介在し、絶縁性および熱伝導性を有する絶縁伝熱部材30と、ケース20に設けられ、当該ケース20の外側に向けて延在する放熱部材40(放熱部)と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池システムに関する。
近年、燃料電池を種々の装置の電力源として利用する技術の開発が進められている。燃料電池は、一般に、複数の燃料電池セルが積層されている燃料電池スタックを有しており、燃料電池セルには、電解質膜、アノード電極およびカソード電極を含む膜電極接合体が設けられている。そして、燃料電池セルにおいて、アノード電極に燃料ガス(具体的には、水素ガス)が供給され、カソード電極に酸化ガス(具体的には、空気)が供給されることによって発電が行われる。
燃料電池内には、冷媒(例えば、冷却水)が流通する冷媒流路が形成されている。そして、冷媒流路内を流通する冷媒と燃料電池との間で熱交換が行われることによって、燃料電池が冷却される。ここで、冷媒流路内を流通する冷媒を利用した燃料電池の冷却のみでは、燃料電池を十分に冷却することが困難な場合があり、このような場合には、他の冷却方法を追加的に利用して燃料電池を適切に冷却する必要が生じる。例えば、冷媒流路内を流通する冷媒を利用した冷却方法以外の他の冷却方法として、特許文献1に開示されているように、燃料電池に風を送ることにより当該燃料電池を空冷する方法がある。
特開2015−065121号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている技術等の従来の技術では、ケース内に収容される燃料電池に対して直接的に風を送ることにより空冷が行われるので、ケースに開口を設ける必要が生じることにより、燃料電池を収容するケースの密閉性が低下してしまう。ケースの密閉性の低下は、例えば、ケース外からケース内への異物(例えば、水または塵等)の侵入およびケース内からケース外への水素ガスの漏洩が生じる要因となるので、ケースの密閉性を維持することが望ましい。
そこで、本発明は、このような課題に鑑み、燃料電池を収容するケースの密閉性を維持しつつ、燃料電池を適切に冷却することが可能な燃料電池システムを提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明の燃料電池システムは、複数の燃料電池セルが積層されている燃料電池スタックを有する燃料電池と、燃料電池を収容するケースと、燃料電池スタックの側部とケースとの間に介在し、絶縁性および熱伝導性を有する絶縁伝熱部材と、ケースに設けられ、当該ケースの外側に向けて延在する放熱部と、を備える。
絶縁伝熱部材の一側は、燃料電池スタックの側部と接合されており、絶縁伝熱部材の他側は、ケースの内面と接合されており、ケースにおける絶縁伝熱部材の他側と接合される部分の外面に、放熱部として放熱部材が接合されていてもよい。
ケースには、ヒートパイプが貫通して設けられており、絶縁伝熱部材の一側は、燃料電池スタックの側部と接合されており、絶縁伝熱部材の他側は、ヒートパイプにおけるケースに対して内側の部分と接合されており、ケースの外面に、放熱部として放熱部材が接合されており、ヒートパイプにおけるケースに対して外側の部分は、放熱部材と接合されていてもよい。
ヒートパイプに封入されている作動媒体の沸点は、燃料電池の温度の許容上限値に対応していてもよい。
燃料電池セルは、電解質膜、アノード電極およびカソード電極を含む膜電極接合体と、膜電極接合体を挟んで対向する一対のセパレータと、を有し、燃料電池スタックの側部において、少なくとも一部のセパレータの周端部は、膜電極接合体よりも外側まで延在しており、周端部には、燃料電池セルの積層方向に張り出している張出部が設けられており、絶縁伝熱部材の一側は、張出部と接合されていてもよい。
燃料電池スタックにおける積層方向の端側から中央側に向かうにつれて、張出部の設置密度が高くなっていてもよい。
燃料電池内には、冷媒が流通する冷媒流路が形成されており、絶縁伝熱部材の一側は、燃料電池スタックの側部のうち冷媒流路の下流側の側部と接合されていてもよい。
放熱部への送風を行うファンと、燃料電池の温度に基づいて、ファンの動作を制御する制御装置と、をさらに備えてもよい。
本発明によれば、燃料電池を収容するケースの密閉性を維持しつつ、燃料電池を適切に冷却することが可能となる。
本発明の第1の実施形態に係る燃料電池システムの概略構成を示す模式図である。 本発明の第1の実施形態に係る燃料電池スタックの断面模式図である。 本発明の第1の実施形態に係る制御装置が行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態に係る燃料電池システムの概略構成を示す模式図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
<第1の実施形態>
図1〜図3を参照して、本発明の第1の実施形態に係る燃料電池システム1について説明する。
[構成]
まず、図1および図2を参照して、本発明の第1の実施形態に係る燃料電池システム1の構成について説明する。
図1は、燃料電池システム1の概略構成を示す模式図である。
燃料電池システム1は、燃料電池10を備えるシステムであり、例えば、車両に搭載され、その場合、燃料電池10は車両の駆動用モータの電力源として利用され得る。なお、本発明に係る燃料電池システムは、車両以外の他の装置に搭載されてもよく、例えば、船舶等の車両以外の移動体に搭載されてもよく、建物における発電システムとして利用される定置式のものであってもよい。
具体的には、燃料電池システム1は、図1に示されるように、燃料電池10と、ケース20と、絶縁伝熱部材30と、放熱部材40とを備える。さらに、燃料電池システム1は、ファン50と、冷媒(具体的には、冷却水)が循環する循環路81と、ポンプ82と、ラジエータ83と、水温センサ84と、制御装置90とを備える。なお、燃料電池システム1が車両に搭載される場合、燃料電池10は、例えば、車両のエンジンルーム内または車室の下方等に配置される。
燃料電池システム1では、絶縁伝熱部材30、放熱部材40およびファン50によって、燃料電池10の空冷(つまり、空気を用いた冷却)が実現される。また、循環路81、ポンプ82およびラジエータ83によって、燃料電池10の水冷(つまり、冷却水を用いた冷却)が実現される。
燃料電池10は、燃料ガス(具体的には、水素ガス)と酸化ガス(具体的には、空気)とを反応させることにより発電する電池である。具体的には、燃料電池10は、水素タンク(図示省略)と接続されており、水素タンクには、例えば、燃料電池10に供給される高圧水素が充填されている。そして、モータポンプ(図示省略)等により水素タンクから燃料電池10へ水素ガスが供給されるようになっている。また、燃料電池10には、コンプレッサ(図示省略)等により空気が供給される。燃料電池10への水素ガスおよび空気の供給量が制御されることによって、燃料電池10の出力が制御される。
燃料電池10は、具体的には、複数の燃料電池セル110が積層されている燃料電池スタック11を有する。さらに、燃料電池10は、一対のエンドプレート12,12と、冷媒流路13とを有する。なお、図1および後述する図4では、理解を容易にするために、燃料電池スタック11において9個の燃料電池セル110が積層されている例が示されているが、燃料電池スタック11における燃料電池セル110の数は、特に限定されない。
燃料電池スタック11は、略矩形平板形状の複数の燃料電池セル110が積層されることにより形成される積層体に相当し、略直方体形状を有する。一対のエンドプレート12,12は、燃料電池セル110の積層方向(つまり、燃料電池セル110の並ぶ方向)の両側に配置されており、燃料電池スタック11は、当該エンドプレート12,12によって当該積層方向に挟持されている。
冷媒流路13は、燃料電池10内に形成され、冷媒(具体的には、冷却水)が流通する流路であり、循環路81と接続されている。つまり、冷媒流路13は、循環路81と連通しており、冷却水の循環経路の一部を形成するものである。具体的には、一方のエンドプレート12に冷媒流路13の入口13aおよび出口13bが形成されており、循環路81は当該入口13aおよび出口13bと接続されている。冷媒流路13は、入口13aより下流側で分岐し、各燃料電池セル110を通過した後に合流するように形成されている。
燃料電池システム1では、燃料電池10はケース20内に収容されている。ケース20は、具体的には、金属材料等の導電性を有する材料によって形成されている。ケース20は、例えば、略中空直方体形状を有している。燃料電池スタック11とエンドプレート12,12との間には絶縁性を有する樹脂部材(図示省略)が介装されており、エンドプレート12,12が支持用の部材である支持部材5,5を介してケース20の底部に載置されている。なお、ケース20の形状は、中空形状であればよく、図1に示される例に特に限定されない。
ここで、図2を参照して、燃料電池スタック11の燃料電池セル110の構成の詳細について説明する。
図2は、燃料電池スタック11の断面模式図である。なお、図2では、絶縁伝熱部材30と接合される燃料電池スタック11の側部11aの構成が示されているが、当該側部11aの詳細については、後述する。
燃料電池セル110は、図2に示されるように、電解質膜111a、アノード電極111bおよびカソード電極111cを含む膜電極接合体111(MEA:Membrane Electrode Assembly)と、膜電極接合体111を挟んで対向する一対のセパレータであるアノード側セパレータ112およびカソード側セパレータ113とを有する。
膜電極接合体111は、燃料電池セル110において発電が行われる部分である。詳細には、電解質膜111aは、水素イオンを通過させる性質を有する膜である。アノード電極111bおよびカソード電極111cは、電解質膜111aを挟んで対向して配置されており、例えば、白金または白金を含有する合金がカーボン粒子上に担持されている触媒層を有する。アノード電極111bは、発電時に電子を失う側の電極であり、カソード電極111cは、発電時に電子を得る側の電極である。
アノード側セパレータ112およびカソード側セパレータ113は、膜電極接合体111を挟んで対向して配置されており、例えば、カーボンまたは金属材料等の導電性を有する材料によって形成されている。
アノード側セパレータ112におけるアノード電極111bと接する面には、アノード電極111bに供給される水素ガスが流通する水素流路(図示省略)が形成されている。具体的には、水素流路は溝状であり、アノード側セパレータ112における水素流路の経路は、特に限定されず、任意の位置で折れ曲がっていてもよく、分岐していてもよい。
カソード側セパレータ113におけるカソード電極111cと接する面には、カソード電極111cに供給される空気が流通する空気流路(図示省略)が形成されている。具体的には、空気流路は溝状であり、カソード側セパレータ113における空気流路の経路は、特に限定されず、任意の位置で折れ曲がっていてもよく、分岐していてもよい。
図1に示される冷媒流路13は、各燃料電池セル110において、例えば、アノード側セパレータ112とカソード側セパレータ113との間に形成されている。具体的には、冷媒流路13は溝状であり、隣り合うアノード側セパレータ112とカソード側セパレータ113との間における冷媒流路13の経路は、特に限定されず、任意の位置で折れ曲がっていてもよく、分岐していてもよい。
循環路81、ポンプ82およびラジエータ83は、上述したように、燃料電池10の冷却水による冷却(つまり、水冷)を行うために設けられている。なお、冷却水は本発明に係る冷媒の一例に過ぎず、循環路81を循環する冷媒として、冷却水以外の冷媒(例えば、フロンまたはアルコール等)が用いられてもよい。
具体的には、ポンプ82およびラジエータ83は、循環路81に設けられており、循環路81を循環する冷却水がポンプ82およびラジエータ83を流通するようになっている。循環路81において、ラジエータ83がポンプ82よりも上流側(つまり、冷媒流路13の出口13b側)に設けられている。燃料電池10の冷媒流路13の出口13bから排出された冷却水は、ラジエータ83により冷却された後、ポンプ82に送られる。そして、ポンプ82に送られた冷却水は、ポンプ82から燃料電池10の冷媒流路13の入口13aに向けて送出される。なお、図1では、細実線矢印によって、循環路81における冷却水の流れ方向が示されている。
水温センサ84は、循環路81における燃料電池10よりも下流側の冷却水の温度である出口水温を検出し、検出結果を制御装置90に出力する。具体的には、水温センサ84は、循環路81における冷媒流路13の下流側端部(つまり、冷媒流路13の出口13b)の近傍に設けられ、設置箇所における冷却水の温度を出口水温として検出する。制御装置90が行う後述する処理では、出口水温は、燃料電池10の温度に相当する値として利用される。
絶縁伝熱部材30、放熱部材40およびファン50は、上述したように、燃料電池10の空気による冷却(つまり、空冷)を行うために設けられている。
絶縁伝熱部材30は、燃料電池スタック11の側部11aとケース20との間に介在し、絶縁性および熱伝導性を有する部材である。なお、絶縁伝熱部材30は、1つの部材から形成されていてもよく、複数の部材により形成されていてもよい。絶縁伝熱部材30が複数の部材により形成される場合には、当該複数の部材によって、燃料電池スタック11の側部11aとケース20との間が絶縁され、かつ、燃料電池スタック11の側部11aとケース20との間で熱伝導が生じるようになっていればよい。
絶縁伝熱部材30の熱伝導率は、50[W/m・K]以上である。絶縁伝熱部材30の材質としては、例えば、炭化ケイ素または窒化アルミニウム等のセラミックスが用いられる。なお、炭化ケイ素および窒化アルミニウムの熱伝導率は、それぞれ200[W/m・K]および150[W/m・K]であるが、絶縁伝熱部材30の熱伝導率は、例えば、60[W/m・K]程度でもよい。なお、絶縁性は、金属材料等の導体と比較して電気を通しにくい性質を意味する。
なお、燃料電池スタック11の側部は、燃料電池10における外側の部分のうち、燃料電池スタック11により形成される部分(つまり、エンドプレート12,12により形成される部分を除いた部分)を意味する。図1に示される例では、このような燃料電池スタック11の側部のうちの1つの側部11a(具体的には、略直方体形状の燃料電池スタック11の4つの側面のうちの1つの側面)が絶縁伝熱部材30と接合されている。なお、絶縁伝熱部材30は、燃料電池スタック11の側部のうちの側部11aと異なる側部と接合されていてもよく、燃料電池スタック11における2以上の側部と接合されていてもよい。
絶縁伝熱部材30は、例えば、燃料電池スタック11の側部11aに沿って延在する略平板形状を有している。絶縁伝熱部材30の一側30a(具体的には、絶縁伝熱部材30の一方の面)は、燃料電池スタック11の側部11aと接合されており、絶縁伝熱部材30の他側30b(具体的には、絶縁伝熱部材30の他方の面)は、ケース20の内面20aと接合されている。つまり、燃料電池スタック11の側部11aとケース20の内面20aとの間の空間に、絶縁伝熱部材30が充填されている。絶縁伝熱部材30と燃料電池スタック11とは、例えば、放熱接着剤(つまり、比較的高い熱伝導性を有する接着剤)により接合されている。また、絶縁伝熱部材30とケース20とは、例えば、放熱接着剤により接合されている。
ここで、図2を参照して、絶縁伝熱部材30と接合される燃料電池スタック11の側部11aの詳細について説明する。
図2に示されるように、燃料電池スタック11の側部11aにおいて、少なくとも一部のセパレータの周端部は、膜電極接合体111よりも外側まで延在している。具体的には、図2に示される例では、燃料電池スタック11の側部11aにおいて、各燃料電池セル110のカソード側セパレータ113の周端部113a(つまり、カソード側セパレータ113における側部11a側の1つの辺を形成する部分)が膜電極接合体111よりも外側まで延在している。
また、各周端部113aには、燃料電池セル110の積層方向(つまり、燃料電池セル110の並ぶ方向)に張り出している張出部113bが設けられている。なお、各周端部113aにおいて、周端部113aにおける積層方向に交差する方向の全域に亘って張出部113bが設けられていてもよく、周端部113aの一部に張出部113bが設けられていてもよい。しかしながら、燃料電池スタック11と絶縁伝熱部材30との接合面積を効果的に増大させる観点では、周端部113aの全域に亘って張出部113bが設けられていることが好ましい。なお、図2では、各張出部113b間で延在方向が一致している例が示されているが、各張出部113b間で延在方向が異なっていてもよい。また、張出部113bは、図2に示されるように周端部113aから積層方向の一側にのみ延在していてもよく、積層方向の両側に延在していてもよい。
そして、絶縁伝熱部材30の一側30aは、張出部113bと接合されている。具体的には、各周端部113aの張出部113bにおける外側の面(つまり、絶縁伝熱部材30の一側30aと接合される側の面)は、同一平面上に位置している。それにより、絶縁伝熱部材30の一側30aが各張出部113bと適切に接触することができる。
上記のように、燃料電池セル110の積層方向に張り出している張出部を少なくとも一部のセパレータの周端部に設ける(例えば、図2に示されるように、各カソード側セパレータ113の周端部113aに張出部113bを設ける)ことによって、燃料電池スタック11と絶縁伝熱部材30との接合面積を増大させることができる。ゆえに、燃料電池10から絶縁伝熱部材30への熱伝導性を向上させることができる。
なお、上記では、図2を参照して、各カソード側セパレータ113の周端部113aに張出部113bが設けられる例を説明したが、燃料電池セル110の積層方向に張り出している張出部は、いずれのセパレータに設けられてもよい。例えば、張出部113bは、一部のカソード側セパレータ113にのみ設けられてもよい。また、例えば、燃料電池セル110の積層方向に張り出している張出部が各アノード側セパレータ112の周端部に設けられてもよい。
ここで、燃料電池スタック11における燃料電池セル110の積層方向の端側(つまり、エンドプレート12側)から中央側に向かうにつれて、張出部113bの設置密度が高くなっていることが好ましい。なお、張出部113bの設置密度は、燃料電池セル110の積層方向の単位長さあたりの張出部113bの設置数に相当する。
例えば、燃料電池スタック11における積層方向の端側で、3つの燃料電池セル110に対して1つの張出部113bが設けられている場合に、燃料電池スタック11における積層方向の中央側で、各燃料電池セル110に対して1つの張出部113bを設けることにより、積層方向の端側から中央側に向かうにつれて、張出部113bの設置密度を高くすることができる。それにより、燃料電池スタック11における積層方向の中央側において、積層方向の端側と比較して、燃料電池10から絶縁伝熱部材30への熱伝導性をより向上させることができる。ゆえに、熱のこもりやすい燃料電池スタック11における積層方向の中央側から絶縁伝熱部材30への熱伝導を促進させることができる。
ここで、空冷によって燃料電池10をより適切に冷却する観点では、絶縁伝熱部材30の一側30aは、図1に示されるように、燃料電池スタック11の側部のうち冷媒流路13の下流側の側部11aと接合されていることが好ましい。上述したように、燃料電池10は、冷媒流路13内を流通する冷却水との熱交換により水冷される。ゆえに、冷媒流路13における下流側では、冷媒流路13における上流側と比較して、冷却水の温度が高くなっている。よって、燃料電池スタック11の側部のうち冷媒流路13の下流側の側部11aでは、例えば上流側の側部11bと比較して、熱がこもりやすくなっている。ゆえに、絶縁伝熱部材30の一側30aを燃料電池スタック11の側部のうち冷媒流路13の下流側の側部11aと接合することにより、燃料電池スタック11から絶縁伝熱部材30への熱伝導を促進させることができる。
放熱部材40は、ケース20に設けられ、当該ケース20の外側に向けて延在する放熱部の一例(つまり、本発明に係る放熱部の一例)に相当する。放熱部材40は、ケース20の外部に熱を放熱する機能を有し、例えば、所謂放熱フィンである。
具体的には、放熱部材40は、ケース20における絶縁伝熱部材30の他側30bと接合される部分の外面20bに接合されている。放熱部材40とケース20とは、例えば、ネジ締結により接合されている。
ファン50は、放熱部材40への送風を行う。具体的には、ファン50は、ケース20の外部に設けられており、放熱部材40に風が送られるように、空気を送出する。なお、ファン50は、空気を吸引することにより放熱部材40への送風を行ってもよい。
制御装置90は、燃料電池システム1における各装置の動作を制御する。
例えば、制御装置90は、演算処理装置であるCPU(Central Processing Unit)、CPUが使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する記憶素子であるROM(Read Only Memory)およびCPUの実行において適宜変化するパラメータ等を一時記憶する記憶素子であるRAM(Random Access Memory)等で構成される。
また、制御装置90は、燃料電池システム1における各装置と通信を行う。制御装置90と各装置との通信は、例えば、CAN(Controller Area Network)通信を用いて実現される。例えば、制御装置90は、ファン50、ポンプ82および水温センサ84と通信を行う。
なお、本実施形態に係る制御装置90が有する機能は複数の制御装置により少なくとも部分的に分割されてもよく、複数の機能が1つの制御装置によって実現されてもよい。制御装置90が有する機能が複数の制御装置により少なくとも部分的に分割される場合、当該複数の制御装置は、CAN等の通信バスを介して、互いに接続されてもよい。
具体的には、制御装置90は、燃料電池10の温度に相当する出口水温を水温センサ84から取得し、当該出口水温に基づいて、ファン50およびポンプ82の動作を制御する。つまり、制御装置90は、燃料電池10の温度に基づいて、ファン50およびポンプ82の動作を制御する。それにより、燃料電池10の水冷および空冷を行うことができる。なお、制御装置90が行う燃料電池10の冷却に関する処理の詳細については、後述する。
[動作]
続いて、図1および図3を参照して、本発明の第1の実施形態に係る燃料電池システム1の動作について説明する。
図3は、制御装置90が行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。図3に示される制御フローは、具体的には、燃料電池10の冷却に関する処理の流れであり、繰り返し実行される。
図3に示される制御フローが開始されると、まず、ステップS501において、制御装置90は、ポンプ82の回転数の目標値である目標回転数を決定する。
例えば、制御装置90は、燃料電池10の温度が目標値(つまり、目標温度)に対してどの程度高いかに基づいて目標回転数を決定する。具体的には、燃料電池10の温度が目標温度よりも高い場合において、燃料電池10の温度と目標温度との差が大きいほど、目標回転数を大きな値に決定する。なお、目標温度は、例えば、燃料電池10の出力に応じて変化し得る。
次に、ステップS502において、制御装置90は、ポンプ82の回転数をステップS501で決定した目標回転数に制御する。それにより、燃料電池10の温度が目標温度に対してどの程度高いかに基づいて燃料電池10の冷媒流路13内の冷却水の流量を制御することができる。ゆえに、燃料電池10の温度を目標温度に近づけることができる。
次に、ステップS503において、制御装置90は、出口水温が基準温度より高いか否かを判定する。出口水温が基準温度より高いと判定された場合(ステップS503/YES)、ステップS504に進む。一方、出口水温が基準温度以下であると判定された場合(ステップS503/NO)、ステップS505に進む。
基準温度は、燃料電池10の温度の許容上限値(つまり、燃料電池10を正常に動作させることができる温度範囲の上限値)に応じた値に設定される。基準温度としては、例えば、許容上限値より若干低い値が用いられる。なお、上述したように、出口水温は、燃料電池10の温度に相当する。ゆえに、ステップS503でYESと判定された場合は、ポンプ82の回転数を制御することにより燃料電池10を水冷しているものの燃料電池10の温度が基準温度を超えてしまう場合に相当する。
ステップS503でYESと判定された場合、ステップS504において、制御装置90は、ファン50を駆動させる。それにより、燃料電池10の空冷が行われる。一方、ステップS503でNOと判定された場合、ステップS505において、制御装置90は、ファン50を停止させる。それにより、燃料電池10の空冷が停止する。
ステップS504またはステップS505の後、図3に示される制御フローは終了する。
上述したように、制御装置90は、例えば、ポンプ82の回転数を制御することにより燃料電池10を水冷しているものの燃料電池10の温度が基準温度を超えてしまう場合(つまり、水冷のみでは燃料電池10を十分に冷却することが困難な場合)に、ファン50を駆動させることによって燃料電池10の空冷を実行する。
ファン50が駆動された場合、図1で一点鎖線矢印により示されるように、ケース20の外部において放熱部材40への送風が行われる。それにより、放熱部材40からケース20外の空気への放熱が行われる。それに伴い、図1で太実線矢印により示される経路での熱伝導が生じる。具体的には、燃料電池スタック11から絶縁伝熱部材30、ケース20、放熱部材40の順に熱が移動するように熱伝導が生じる。よって、燃料電池10を冷却することができる。
ここで、燃料電池システム1では、燃料電池スタック11の側部11aとケース20との間に絶縁伝熱部材30を介在させることによって、燃料電池スタック11とケース20との間の絶縁を実現しつつ、燃料電池スタック11から絶縁伝熱部材30およびケース20を介した放熱部材40への熱伝導を生じさせることができる。それにより、ケース20の外部で放熱部材40への送風を行うことにより、燃料電池10を冷却することができる。ゆえに、ケース20内に収容される燃料電池10に対して直接的に風を送ることにより空冷が行われる従来の技術と異なり、ケース20に開口を設ける必要がないため、ケース20の密閉性の低下を抑制することができる。よって、ケース20外からケース20内への異物(例えば、水または塵等)の侵入およびケース20内からケース20外への水素ガスの漏洩を抑制することができる。このように、燃料電池システム1によれば、燃料電池10を収容するケース20の密閉性を維持しつつ、燃料電池10を適切に冷却することができる。
[効果]
続いて、本発明の第1の実施形態に係る燃料電池システム1の効果について説明する。
本実施形態に係る燃料電池システム1は、燃料電池スタック11の側部11aとケース20との間に介在し、絶縁性および熱伝導性を有する絶縁伝熱部材30と、ケース20に設けられ、当該ケース20の外側に向けて延在する放熱部(具体的には、放熱部材40)とを備える。それにより、ケース20内に収容される燃料電池10に対して直接的に風を送ることなく、ケース20の外部で放熱部への送風を行うことにより、燃料電池10を冷却することができる。ゆえに、ケース20の密閉性の低下を抑制することができる。このように、燃料電池システム1によれば、燃料電池10を収容するケース20の密閉性を維持しつつ、燃料電池10を適切に冷却することができる。
また、本実施形態に係る燃料電池システム1では、絶縁伝熱部材30の一側30aは、燃料電池スタック11の側部11aと接合されており、絶縁伝熱部材30の他側30bは、ケース20の内面20aと接合されている。また、ケース20における絶縁伝熱部材30の他側30bと接合される部分の外面20bに、放熱部として放熱部材40が接合されている。それにより、燃料電池スタック11から絶縁伝熱部材30、ケース20、放熱部材40の順に熱が移動するように熱伝導を生じさせることができる。よって、ケース20の外部で放熱部への送風を行うことにより燃料電池10を冷却することを適切に実現することができる。
また、本実施形態に係る燃料電池システム1では、燃料電池スタック11の側部11aにおいて、少なくとも一部のセパレータの周端部(例えば、カソード側セパレータ113の周端部113a)は、膜電極接合体111よりも外側まで延在しており、当該周端部には、燃料電池セル110の積層方向に張り出している張出部(例えば、張出部113b)が設けられており、絶縁伝熱部材30の一側30aは、当該張出部と接合されていることが好ましい。それにより、燃料電池スタック11と絶縁伝熱部材30との接合面積を増大させることができる。ゆえに、燃料電池10から絶縁伝熱部材30への熱伝導性を向上させることができる。
また、本実施形態に係る燃料電池システム1では、燃料電池スタック11における燃料電池セル110の積層方向の端側から中央側に向かうにつれて、張出部(例えば、カソード側セパレータ113の周端部113aに設けられる張出部113b)の設置密度が高くなっていることが好ましい。それにより、燃料電池スタック11における積層方向の中央側において、積層方向の端側と比較して、燃料電池10から絶縁伝熱部材30への熱伝導性をより向上させることができる。ゆえに、熱のこもりやすい燃料電池スタック11における積層方向の中央側から絶縁伝熱部材30への熱伝導を促進させることができる。よって、燃料電池10をより適切に冷却することができる。
また、本実施形態に係る燃料電池システム1では、燃料電池10内には、冷媒(例えば、冷却水)が流通する冷媒流路13が形成されており、絶縁伝熱部材30の一側30aは、燃料電池スタック11の側部のうち冷媒流路13の下流側の側部11aと接合されていることが好ましい。上述したように、燃料電池スタック11の側部のうち冷媒流路13の下流側の側部11aでは、例えば上流側の側部11bと比較して、熱がこもりやすくなっている。ゆえに、絶縁伝熱部材30の一側30aを燃料電池スタック11の側部のうち冷媒流路13の下流側の側部11aと接合することにより、燃料電池スタック11から絶縁伝熱部材30への熱伝導を促進させることができる。よって、燃料電池10をより適切に冷却することができる。
また、本実施形態に係る燃料電池システム1では、放熱部(具体的には、放熱部材40)への送風を行うファン50と、燃料電池10の温度に基づいて、ファン50の動作を制御する制御装置90とをさらに備えることが好ましい。それにより、冷媒流路13内を流通する冷媒を利用した燃料電池10の冷却(つまり、水冷)のみでは、燃料電池10を十分に冷却することが困難な場合に燃料電池10の空冷を行うことができる。ゆえに、例えば、不必要にファン50が駆動されることを抑制しつつ、燃料電池10を適切に冷却することができる。
<第2の実施形態>
図4を参照して、本発明の第2の実施形態に係る燃料電池システム2について説明する。
[構成]
まず、図4を参照して、本発明の第2の実施形態に係る燃料電池システム2の構成について説明する。
第2の実施形態に係る燃料電池システム2では、上述した第1の実施形態に係る燃料電池システム1と比較して、燃料電池10、ケース20、絶縁伝熱部材30および放熱部材40の接続関係が異なる。また、燃料電池システム2は、上述した燃料電池システム1と異なり、ヒートパイプ60をさらに備える。なお、燃料電池システム2における上記の点以外の点については、燃料電池システム1と同様であるので、説明を省略する。
図4は、燃料電池システム2の概略構成を示す模式図である。
燃料電池システム2では、ケース20には、ヒートパイプ60が貫通して設けられている。ヒートパイプ60は、比較的高い熱伝導性を有する金属材料によって形成されるパイプであり、ヒートパイプ60の内部には、揮発性の作動媒体が封入されている。ヒートパイプ60の両端間の温度差に応じて作動媒体がヒートパイプ60内で循環することにより、ヒートパイプ60による熱の移動が行われる。
具体的には、ヒートパイプ60は、屈曲しており、第1パイプ部61と、第2パイプ部62とを有する。第1パイプ部61と第2パイプ部62とは互いに交差した方向に延在している。第1パイプ部61は、ケース20の内部において、絶縁伝熱部材30に沿って延在している。一方、第2パイプ部62は、絶縁伝熱部材30に交差して延在しており、ケース20を貫通している。なお、図4では、ヒートパイプ60が、燃料電池セル110の積層方向に2つ示されているが、当該積層方向に並ぶヒートパイプ60の数は1つまたは3つ以上であってもよい。また、燃料電池セル110の積層方向に交差する方向(例えば、図4における紙面奥行方向)に並ぶヒートパイプ60の数は複数であってもよい。
絶縁伝熱部材30の一側30aは、燃料電池スタック11の側部11aと接合されており、絶縁伝熱部材30の他側30bは、ヒートパイプ60におけるケース20に対して内側の部分(具体的には、第1パイプ部61)と接合されている。絶縁伝熱部材30と燃料電池スタック11とは、例えば、放熱接着剤により接合されている。また、絶縁伝熱部材30とヒートパイプ60とは、例えば、放熱接着剤により接合されている。
なお、絶縁伝熱部材30と接合される燃料電池スタック11の側部11aの詳細な構成は、例えば、図2を参照して説明した例と同様である。
放熱部材40は、ケース20の外面20bに接合されている。放熱部材40とケース20とは、例えば、ネジ締結により接合されている。なお、図4では、放熱部材40がケース20における絶縁伝熱部材30の他側30bと対向する部分の外面20bに接合されている例が示されているが、放熱部材40は、ヒートパイプ60と接合されていればよく、ケース20の外面のうち放熱部材40と接合される部分の位置は特に限定されない。
ヒートパイプ60におけるケース20に対して外側の部分(具体的には、第2パイプ部62におけるケース20より外側の部分)は、放熱部材40と接合されている。放熱部材40とヒートパイプ60とは、例えば、ネジ締結により接合されている。
[動作]
続いて、図4を参照して、本発明の第2の実施形態に係る燃料電池システム2の動作について説明する。
例えば、制御装置90は、上述した図3に示される制御フローと同様の処理を行う。ゆえに、制御装置90は、例えば、上述した第1の実施形態と同様に、燃料電池10の温度に基づいてファン50の動作を制御する。
つまり、制御装置90は、上述した第1の実施形態と同様に、例えば、ポンプ82の回転数を制御することにより燃料電池10を水冷しているものの燃料電池10の温度が基準温度を超えてしまう場合(つまり、水冷のみでは燃料電池10を十分に冷却することが困難な場合)に、ファン50を駆動させることによって燃料電池10の空冷を実行する。
ファン50が駆動された場合、図4で一点鎖線矢印により示されるように、ケース20の外部において放熱部材40への送風が行われる。それにより、放熱部材40からケース20外の空気への放熱が行われる。それに伴い、図4で太実線矢印により示される経路での熱伝導が生じる。具体的には、燃料電池スタック11から絶縁伝熱部材30、ヒートパイプ60、放熱部材40の順に熱が移動するように熱伝導が生じる。よって、燃料電池10を冷却することができる。
ここで、燃料電池システム2では、燃料電池スタック11の側部11aとケース20との間に絶縁伝熱部材30を介在させることによって、燃料電池スタック11とケース20との間の絶縁を実現しつつ、燃料電池スタック11から絶縁伝熱部材30およびヒートパイプ60を介した放熱部材40への熱伝導を生じさせることができる。それにより、ケース20の外部で放熱部材40への送風を行うことにより、燃料電池10を冷却することができる。ゆえに、ケース20内に収容される燃料電池10に対して直接的に風を送ることにより空冷が行われる従来の技術と異なり、ケース20に開口を設ける必要がないため、ケース20の密閉性の低下を抑制することができる。よって、ケース20外からケース20内への異物(例えば、水または塵等)の侵入またはケース20内からケース20外への水素ガスの漏洩を抑制することができる。このように、燃料電池システム2によれば、燃料電池10を収容するケース20の密閉性を維持しつつ、燃料電池10を適切に冷却することができる。
水冷のみでは燃料電池10を十分に冷却することが困難な場合に空冷により燃料電池10をより適切に冷却する観点では、ヒートパイプ60に封入されている作動媒体の沸点は、燃料電池10の温度の許容上限値に対応していることが好ましい。このことは、燃料電池システム2を利用した燃料電池10の空冷は、水冷のみでは燃料電池10を十分に冷却することが困難な場合の追加的(換言すると、補助的)な冷却方法として活用されることによる。なお、作動媒体の沸点の調整は、例えば、ヒートパイプ60内における当該作動媒体の圧力を調整することによって実現される。
[効果]
続いて、本発明の第2の実施形態に係る燃料電池システム2の効果について説明する。
本実施形態に係る燃料電池システム2は、上述した燃料電池システム1と同様に、燃料電池スタック11の側部11aとケース20との間に介在し、絶縁性および熱伝導性を有する絶縁伝熱部材30と、ケース20に設けられ、当該ケース20の外側に向けて延在する放熱部(具体的には、放熱部材40)とを備える。それにより、ケース20内に収容される燃料電池10に対して直接的に風を送ることなく、ケース20の外部で放熱部への送風を行うことにより、燃料電池10を冷却することができるので、上述した燃料電池システム1と同様に、燃料電池10を収容するケース20の密閉性を維持しつつ、燃料電池10を適切に冷却することができる。
また、本実施形態に係る燃料電池システム2では、ケース20には、ヒートパイプ60が貫通して設けられている。また、絶縁伝熱部材30の一側30aは、燃料電池スタック11の側部11aと接合されており、絶縁伝熱部材30の他側30bは、ヒートパイプ60におけるケース20に対して内側の部分(具体的には、第1パイプ部61)と接合されている。また、ケース20の外面20bに、放熱部として放熱部材40が接合されており、ヒートパイプ60におけるケース20に対して外側の部分(具体的には、第2パイプ部62におけるケース20より外側の部分)は、放熱部材40と接合されている。それにより、燃料電池スタック11から絶縁伝熱部材30、ヒートパイプ60、放熱部材40の順に熱が移動するように熱伝導を生じさせることができる。よって、ケース20の外部で放熱部への送風を行うことにより燃料電池10を冷却することを適切に実現することができる。
また、本実施形態に係る燃料電池システム2では、ヒートパイプ60に封入されている作動媒体の沸点は、燃料電池10の温度の許容上限値に対応していることが好ましい。それにより、水冷のみでは燃料電池10を十分に冷却することが困難な場合に相当する燃料電池10の温度が基準温度を超えてしまう場合に、ヒートパイプ60を介して効果的に熱を輸送することができる。ゆえに、水冷のみでは燃料電池10を十分に冷却することが困難な場合に、空冷により燃料電池10をより適切に冷却することができる。
以上、添付図面を参照しつつ本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されないことは勿論であり、特許請求の範囲に記載された範疇における各種の変更例または修正例についても、本発明の技術的範囲に属することは言うまでもない。
例えば、上記では、燃料電池システム1,2において、ケース20の外面に当該ケース20とは別部材により形成される放熱部材40が放熱部として設けられている例を説明したが、本発明に係る燃料電池システムにおいて、ケース20の一部が放熱部として機能してもよい。
また、例えば、本明細書においてフローチャートを用いて説明した処理は、必ずしもフローチャートに示された順序で実行されなくてもよい。また、追加的な処理ステップが採用されてもよく、一部の処理ステップが省略されてもよい。
本発明は、燃料電池システムに利用できる。
1,2 燃料電池システム
5 支持部材
10 燃料電池
11 燃料電池スタック
12 エンドプレート
13 冷媒流路
20 ケース
30 絶縁伝熱部材
40 放熱部材(放熱部)
50 ファン
60 ヒートパイプ
81 循環路
82 ポンプ
83 ラジエータ
84 水温センサ
90 制御装置
110 燃料電池セル
111 膜電極接合体
111a 電解質膜
111b アノード電極
111c カソード電極
112 アノード側セパレータ(セパレータ)
113 カソード側セパレータ(セパレータ)
113a 周端部
113b 張出部

Claims (8)

  1. 複数の燃料電池セルが積層されている燃料電池スタックを有する燃料電池と、
    前記燃料電池を収容するケースと、
    前記燃料電池スタックの側部と前記ケースとの間に介在し、絶縁性および熱伝導性を有する絶縁伝熱部材と、
    前記ケースに設けられ、当該ケースの外側に向けて延在する放熱部と、
    を備える、
    燃料電池システム。
  2. 前記絶縁伝熱部材の一側は、前記燃料電池スタックの側部と接合されており、
    前記絶縁伝熱部材の他側は、前記ケースの内面と接合されており、
    前記ケースにおける前記絶縁伝熱部材の他側と接合される部分の外面に、前記放熱部として放熱部材が接合されている、
    請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記ケースには、ヒートパイプが貫通して設けられており、
    前記絶縁伝熱部材の一側は、前記燃料電池スタックの側部と接合されており、
    前記絶縁伝熱部材の他側は、前記ヒートパイプにおける前記ケースに対して内側の部分と接合されており、
    前記ケースの外面に、前記放熱部として放熱部材が接合されており、
    前記ヒートパイプにおける前記ケースに対して外側の部分は、前記放熱部材と接合されている、
    請求項1に記載の燃料電池システム。
  4. 前記ヒートパイプに封入されている作動媒体の沸点は、前記燃料電池の温度の許容上限値に対応している、
    請求項3に記載の燃料電池システム。
  5. 前記燃料電池セルは、
    電解質膜、アノード電極およびカソード電極を含む膜電極接合体と、
    前記膜電極接合体を挟んで対向する一対のセパレータと、
    を有し、
    前記燃料電池スタックの側部において、少なくとも一部の前記セパレータの周端部は、前記膜電極接合体よりも外側まで延在しており、
    前記周端部には、前記燃料電池セルの積層方向に張り出している張出部が設けられており、
    前記絶縁伝熱部材の一側は、前記張出部と接合されている、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の燃料電池システム。
  6. 前記燃料電池スタックにおける前記積層方向の端側から中央側に向かうにつれて、前記張出部の設置密度が高くなっている、
    請求項5に記載の燃料電池システム。
  7. 前記燃料電池内には、冷媒が流通する冷媒流路が形成されており、
    前記絶縁伝熱部材の一側は、前記燃料電池スタックの側部のうち前記冷媒流路の下流側の側部と接合されている、
    請求項1〜6のいずれか一項に記載の燃料電池システム。
  8. 前記放熱部への送風を行うファンと、
    前記燃料電池の温度に基づいて、前記ファンの動作を制御する制御装置と、
    をさらに備える、
    請求項1〜7のいずれか一項に記載の燃料電池システム。
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