JP2006202611A - 燃料電池システム、ならびにそれを搭載した自動車および電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高温域で作動する燃料電池を覆う断熱体表面の熱を逃がしやすくすることにより、断熱体を薄くして、高出力かつ小型の燃料電池システムを提供する。
【解決手段】 燃料電池システムは、燃料電池と、前記燃料電池を覆う断熱体と、前記断熱体の外表面を覆う伝熱体とを含む。
【選択図】図2

Description

本発明は、燃料電池システム、ならびにそれを搭載した自動車および電子機器に関する。
近年、携帯電話やノート型パーソナルコンピュータ等の携帯型電子機器に対して、軽量化、小型化が要求されるとともに長時間使用の実現が求められている。この電子機器等に用いられる電源システムの一つとして、燃料電池を用いたシステムの開発が進められている。
一般的に触媒活性の点から、燃料電池の電流電圧特性は動作温度が高いほど良好である。つまり、動作温度以外が同じ条件の燃料電池を比較すると、高温で動作する方が高い出力が得られる。
例えば、現在広く用いられているパーフルオロスルホン酸系高分子電解質膜(例えば、Du Pont社製の商品名ナフィオン)を電解質として用いる固体高分子型燃料電池において、燃料としてメタノールを用いた場合、電流電圧特性は動作温度が上昇するにつれて向上し、70℃程度で最も優れた特性が得られる。さらに80℃を超えると高分子電解質膜の性質上、当該高分子電解質膜の導電性が低下するため特性は悪くなる。70℃程度で作動する燃料電池を用いた電子機器としては、例えば、携帯電話用の電池を充電する充電器が挙げられる(特許文献1参照)。
また、高温で作動する燃料電池としては、例えば、より高温で駆動可能な電解質として、ポリベンズイミダゾール(以下、PBIと表す)膜にリン酸を含浸したリン酸含浸PBI型燃料電池が挙げられる(特許文献2参照)。このタイプの燃料電池は、120〜200℃で駆動する。このような高温で作動する燃料電池は、上述したように高出力を有する。
特開2004−194434号公報 特開2002−083621号公報
高温で作動する高出力の燃料電池を用いる場合、燃料電池を収納する機器の筐体が高温になることを防止する必要がある。これに対しては、燃料電池を断熱体で覆う方法が一般的であり、例えば、上記の70℃で作動する燃料電池を用いた携帯電話充電器においては、燃料電池は厚さ2mmの発泡スチロール製の断熱体で覆われている。しかし、さらに高温の120〜200℃で作動する燃料電池の場合は、このような薄い発泡スチロールでは断熱が不十分である。また、断熱体を用いたとしても、燃料電池の温度が高くなればなるほど、断熱体を厚くすることが必要となり、結果として燃料電池システムのサイズが大きくなるという問題がある。
そこで、本発明は、高温で作動する燃料電池を覆う断熱体を薄くして、高出力かつ小型の燃料電池システムを提供することを目的とする。また、本発明は、上記の燃料電池システムを搭載した自動車および携帯型電子機器を提供することを目的とする。
本発明の燃料電池システムは、燃料電池と、前記燃料電池を覆う断熱体と、前記断熱体の外表面を覆う伝熱体とを含むことを特徴とする。
燃料電池の周囲をできるだけ断熱体および伝熱体で覆うのが好ましい。燃料電池の周囲全体を覆うのが最も好ましいが、燃料電池において、電極端子を配し、燃料および空気を供給・排出する管を接続する場合は、この部材の設置部分以外を覆うことが好ましい。
このように断熱体の外表面を伝熱体で覆うことにより、断熱体の表面温度が均一になるので放熱能力が向上する。熱が逃げやすくなるため、断熱体を従来よりも薄くすることが可能となり、燃料電池システムを小型化することができる。
前記伝熱体は前記断熱体と密着しているのが好ましい。ここで密着とは、面と面とが物理的に接している状態を表す。すなわち、断熱体と対向する伝熱体の面と伝熱体と対向する断熱体の面とが物理的に接している状態を表す。接する面に凹凸が有れば隙間を生じるが、数10マイクロメートル程度の凹凸であれば構わない。凹凸の隙間に存在する空気の影響を低減する目的で、凹凸の隙間にシリコングリスなどを塗布しても良い。もちろん面と面とが物理的に結合した状態も含む。伝熱体と断熱体の形状は特に限定されないが、伝熱体と断熱体とを密着させやすい点で、両者がシート状であるのが好ましい。
さらに前記伝熱体を冷却するための冷却部を含むのが好ましい。
前記断熱体の熱伝導率が0.03W/m・K以下であるのが好ましい。
前記伝熱体の熱伝導率が200W/m・K以上であるのが好ましい。
前記断熱体が、芯材および前記芯材を外包する外被材からなるのが好ましい。
前記伝熱体が、金、銀、銅、およびアルミニウムからなる群より選択される少なくとも1種を含む金属板からなるのが好ましい。
前記伝熱体はシート状であり、前記伝熱体の熱伝導率は、その厚み方向よりも前記厚み方向と直交する方向のほうが高いことが好ましい。
前記伝熱体がグラファイトシートであるのが好ましい。
前記伝熱体の少なくとも一部が、液体の蒸発と凝縮の潜熱を利用したヒートパイプで構成されているのが好ましい。
前記冷却部が、燃料電池から排出される水を気化させ、熱を放散する機構を含むのが好ましい。
前記冷却部が、熱伝導性の良好な材料、例えばアルミニウムや銅からなり、熱を周囲の空気に発散させるフィン、および羽根を回転させて送風することにより熱を周囲の空気に発散させるファンの少なくとも1つを含むのが好ましい。
また、本発明は、上記の燃料電池システムを搭載した自動車に関する。
さらに、本発明は、上記の燃料電池システムを搭載した携帯型電子機器に関する。
本発明によれば、高温で作動する燃料電池を覆う断熱体表面の熱を逃がしやすくすることにより、断熱体を薄くすることができ、高出力かつ小型の燃料電池システムを提供することができる。また、本発明によれば、上記の燃料電池システムを搭載した自動車および携帯型電子機器を提供することができる。
以下に、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の一実施形態である断熱体および伝熱体で覆われた燃料電池を断面とした、冷却部を備えた燃料電池システムの要部の正面図である。また、図2は図1の燃料電池システムの要部の概略斜視図である。
燃料電池1は断熱体2で覆われ、さらに断熱体2の外表面が伝熱体3で密着して覆われている。伝熱体3には、フィン4およびファン5からなる冷却部が取り付けられている。
燃料電池1には、高温域で作動する高出力の燃料電池が用いられる。燃料電池1は、単セルでも、単セルを複数個積層した積層体でもよい。このような燃料電池には、例えば、120〜200℃程度の高温域で作動するリン酸含浸PBI型の燃料電池が挙げられる。
燃料電池1は、単セルまたは単セルを複数個積層した積層体の両端を、金メッキした銅板などからなる集電板、およびポリテトラフルオロエチレンなどからなる絶縁板を介してステンレス鋼製の端板で挟み、端板をボルトで締めることにより構成される。単セルは、PBI膜にリン酸を含浸した電解質の両面を白金担持カーボン粒子付カーボンペーパーで挟み込んだ膜電極接合体(以下、MEAと表す)、およびMEAを挟む一対のセパレータより構成される。なお、ここではリン酸含浸PBI型の燃料電池の構成について説明したが、この構成に限らず、公知の燃料電池を適用することができる。
ここに示す燃料電池1は、扁平状直方体であり、6面のうち面積の最も小さい2面のうち一方の面1aに、燃料の入口および出口マニホルドにそれぞれ接続させた燃料供給管および燃料排出管、空気の入口および出口マニホルドにそれぞれ接続させた空気供給管および空気排出管、ならびに正極端子および負極端子が集中して設けられ(図示しない)、それ以外の5面が断熱体2および伝熱体3で覆われている。
なお、燃料供給管には、燃料供給部として、例えば、燃料をアノードに送り込むための燃料ポンプが接続され、空気供給管には、空気供給部として、例えば、空気をカソードに送り込むための空気ポンプが接続される。
断熱体2は、熱伝導率が0.03W/m・K以下のものが好ましい。断熱体がシート状の場合、熱伝導率が小さいほど断熱体の厚みを薄くすることができる。
断熱体2は、図3に示すような芯材6および芯材6を外包する外被材7からなるのが好ましい。芯材6を構成する熱伝導率の低い断熱材料は、多孔体、微細な粉末の集合体、微細な繊維の集合体などであるため、これらの材料が剥き出しの場合、飛散したり変形したりし易い。そこで、これらの材料を芯材6として外被材7で外包することにより、耐久性に優れ、かつ熱伝導率の低い断熱体が得られる。芯材6には、例えば、シリカ等のセラミクス粉末が用いられる。セラミクス粉末としては、例えば、黒崎播磨(株)製のWDS(成分はシリカ52%、ジルコニア25%、アルミナ20%、および他3%であり、粒子サイズは5〜30nmである。)や日本マイクロサーム(株)製のマイクロサーム(成分はシリカ60%、チタニア37%、アルミナ2%、および他1%であり、粒子サイズは100nm以下である。)が挙げられる。外被材には、例えば、ポリテトラフルオロエチレンなどが用いられる。
伝熱体3は、熱伝導率が200W/m・K以上のものが好ましい。伝熱体3がシート状の場合、熱伝導率が大きいほど伝熱体の厚みを薄くすることができる。
伝熱体3は、金、銀、銅、およびアルミニウムからなる群より選択される少なくとも1種を含む金属板からなるのが好ましい。これらの材料は熱伝導率が高いので、単体でも2種以上の金属からなる合金でも熱伝導率の高い伝熱体が得られる。
また、上記の金属板以外には、グラファイトシートなどが用いられる。グラファイトシートとは、グラファイト結晶を主成分にしたシートであって、グラファイト結晶のc軸がシートの厚さ方向に配列するように配向性よくシートにしたものである。
シート状伝熱体3における、電極端子や燃料および空気を供給・排出する管を設けた燃料電池1の側面1aと反対側の面を覆う部分に、アルミニウム製のフィン4が取り付けられている。そして、フィン4には、外部の空気をフィン4に送り込むファン5が取り付けられている。フィン4およびファン5が、伝熱体を冷却する冷却部として働く。
上記の高温域で作動する燃料電池1を、断熱体2を介して伝熱体3で覆うことにより、断熱体2を伝導した熱が伝熱体3に伝わり、伝熱体3は熱伝導がいいので温度が均一になり熱を効率よく外部に放出できる。したがって、伝熱体3の表面温度が低下し易くなる。このように伝熱体3により断熱体2を伝導する熱が逃げやすいため、断熱体2を従来よりも薄くするか、内蔵する燃料電池の発熱量を上げる、つまり高出力化することが可能となり、燃料電池システムを小型化することができる。従って、燃料電池システムの高出力化と小型化の両立が可能となる。また、燃料電池を覆う断熱体の外表面を覆う伝熱体の温度は均一になり易いため、外部に露出した伝熱体の表面において局所的に高温となる部分がない。
また、伝熱体3は断熱体2に密着しているため、燃料電池、断熱体、および伝熱体からなる一体化物がコンパクトになり、燃料電池システムをさらに小型化することができる。
燃料電池システムの通常運転は一定の出力で行われるため、燃料電池の発電時に生じる発熱量は一定である。また、燃料電池の温度維持に用いられる熱は、エネルギーの効率を考慮すると燃料電池の発電時に生じる熱のみ(自立運転と呼ばれるもの)である。従って、発熱量が一定で放熱構造が不変であれば、従来のように燃料電池を断熱体のみで覆った場合には、燃料電池からの放熱は断熱体を伝わる伝導伝熱であって、伝導伝熱では熱量が温度差に比例するので、内部温度は外部温度によって定まる。このため、環境温度が変われば燃料電池の動作温度が変化する。氷点下のような低温環境で使用する場合には、動作温度が低下し、高温環境で使用する場合には、動作温度が上昇する。
これに対して、上記の本発明の燃料電池システムを用いれば、環境温度に応じて冷却部による伝熱体の冷却を制御することにより、環境温度に関わらず、伝熱体の温度を一定に制御することが可能となる。
冷却を制御する方法としては、例えば、図2に示した伝熱体3あるいはフィン4に熱電対やサーミスタなどの温度センサーを取り付けて、得られた測定値が所定の範囲内になるようにファン5の運転を制御する機能を付ければよい。
例えば、燃料電池の起動時または起動直後で環境温度が低い場合には、ファン5を停止する。これにより、燃料電池の温度が運転に最適な温度まで早く上昇することができる。燃料電池の温度が上昇し、その熱が断熱体2を介して伝熱体3にまで伝わり、伝熱体3の温度が周囲の機器にまで影響を及ぼす温度T1に上昇したら、ファン5を運転する。伝熱体3の温度が温度T1よりもより高くなれば、ファン5の回転速度を上げて風量を増加させる。ファン5により伝熱体3が冷却されて温度T1よりも低くなれば、ファン5を停止する。なお、ファン5の停止温度を温度T1よりも低い温度T2としてもよい(例えばT1−T2=5℃)。このように制御することにより、ファン5がON/OFFを頻繁に繰り返すことなく、伝熱体3の温度を温度T1付近に維持することができ、効率的に冷却することができる。
このように、環境温度に応じてファン5の運転状態を制御するだけで、伝熱体の温度を一定にすることができる。なお、伝熱体3とフィン4はほぼ同じ温度であり温度センサーはフィン4に取り付けてもよい。また、伝熱体3と燃料電池1との温度差が一定であるので、燃料電池1に温度センサーを取り付けてもよい。また、燃料電池1、伝熱体3およびフィン4の全てに温度センサーを取り付けることで、断熱体の断熱量の変化、伝熱体3とフィン4の伝熱量の変化も検知することができ、この変化量の大きさにより運転の異常を検知ことができる。
上記のように冷却部により、伝熱体の温度を適温に制御することができるため、燃料電池システムにおける燃料電池の周囲に位置する部品を、燃料電池の周囲により密集して配置することが可能となるため、さらなる燃料電池システムの小型化が可能となる。
ここで、図4は、上記の図1と同様の燃料電池システムを内蔵したノートパソコンの一部を切り欠いた断面図である。
表示部19およびキーボードを備えつけた筐体16を有するノートパソコン10において、筐体16の上面にファン15用の空気取り入れ口18が設けられている。筐体16には、空気取り入れ口18の下方にファン15が位置するように、パソコン用電源として図1と同様の構造の燃料電池システムが内蔵されている。ファン15は空気取り入れ口18より送り込まれた空気をフィン14に送り込む。送り込まれた空気は筐体16に設けられた排出口(図示しない)より排出される。ファン15は、伝熱体13に取り付けられたフィン14の温度を検知し、その温度に基づいて制御される。
従って、ノートパソコンが燃料電池システムを内蔵しても、筐体は燃料電池の影響で高温にならずにすむ。また、燃料電池周囲に位置する燃料電池システムおよびパソコンを構成する電子部品に悪影響を与えない。また、燃料電池システムを小型化することができるため、燃料電池システムに要するスペースを小さくすることができる。
伝熱体に、グラファイトシート等の熱伝導性に対して異方性を有するシート状材料を用いる場合、シートの厚み方向よりも、その厚み方向と直交する方向のほうが、熱伝導率が高いことが好ましい。筺体16側への熱伝導が少なく、かつ冷却部に熱伝達し易いため、熱を効率的に拡散することができる。また、シートの面方向において温度分布が均一化しやすい。
本実施の形態では冷却部としてフィンおよびファンの両方を用いたが、電子機器の設計において消費電力や騒音が重視される場合はフィンのみで自然空冷を強化すればよく、サイズを重視する場合はファンを付けて強制空冷すればよい。
(実施の形態2)
図5は、本発明の一実施形態である燃料電池システム要部の概略縦断面図である。燃料電池21は、実施の形態1と同様に断熱体22で覆われ、さらにその外側が伝熱体23で密着して覆われている。そして、燃料電池21は耐熱性バンド24によりプリント基板25上に固定されている。耐熱バンド24の材料には、例えば、ポリテトラフルオロエチレンなどが用いられる。バンド24の両端は、ねじ等の固定手段26により固定されている。燃料電池21で生じた熱は主に、断熱体22を通って伝熱体23に伝わり、伝熱体23からプリント基板25へ選択的に伝わる。上述した構成以外は実施の形態1と同様であるので説明は省略する。
本構成の燃料電池システムは、例えば、プリント基板25を収容する電子機器の筺体の放熱部(図示せず)とプリント基板とを密着させて伝熱し易い構造にし、熱は速やかに筐体の放熱部へ伝わり、外部へ効率的に放熱することができる。これにより、燃料電池1近傍の筐体の温度が局所的に上昇するのを抑制することができる。
(実施の形態3)
図6は、本発明の一実施形態である燃料電池システム要部の概略斜視図である。
燃料電池31は、実施の形態1と同様に断熱体32で覆われ、その外側が伝熱体33で密着して覆われている。そして、燃料電池31の伝熱体33で覆われた1つの面に、フィン34が上下方向に縦長に位置するように設けられている。上述した構成以外は実施の形態1と同様であるので説明は省略する。
本構成の燃料電池システムは、このように、フィン34を上下方向に縦長に配置することにより、自然対流が強く生じ、フィン34の放熱能力が向上する。このため、ファンを使わなくてもフィン34自体の放熱能力だけで、伝熱体を十分に冷却することができる。
(実施の形態4)
図7は、本発明の一実施形態である燃料電池システム要部の概略断面図である。形状が直方体である燃料電池41の6面のうち面積が大きい4面が断熱体42で覆われ、さらにその外表面を密着して覆う伝熱体に平面型ヒートパイプ43が用いられている。2つの平面型ヒートパイプ43の一部が、それぞれ直方体の燃料電池41の面積が大きい4面のうち2面ずつを、覆う構成となっており、残りの部分は熱伝導性の接着剤や両面テープで貼り合わされ、放熱部として作用する。上述した構成以外は実施の形態1と同様であるので説明は省略する。
ここで、図8は、平面型ヒートパイプの一部を切り欠いて断面とした概略斜視図である。平面型ヒートパイプ43は、シート状のアルミニウム板内部に形成された断面が長方形の多数の通路43aに冷媒を封入したものである。これらの通路43aは一方向にそろって配されており、両端部では、それぞれ互いに連通している。一方の端部における蒸発部で冷媒が気化し、高速で移動することにより伝熱し、他方の端部における凝縮部で液化した冷媒は同じ通路内を移動する。そして、このルーチンを繰り返し伝熱する。凝縮部と蒸発部との間には、段差が設けられ、高さの低い方が蒸発部となり、高い方が凝縮部となるようにヒートパイプが配置される。
本構成の燃料電池システムは、平面型ヒートパイプの通路43aが断熱体42の表面に沿うように配され、蒸発部は断熱体42上に位置し、凝縮部は上記の放熱部に位置する。冷媒は断熱体の表面上に沿って流れるため、ヒートパイプの放熱側に断熱体42の熱を効率的に拡散することができる。
本実施の形態では、2つの平面型ヒートパイプで燃料電池の4面を覆っているが、ヒートパイプが断熱体を覆っていれば、これ以外の構成でも構わない。また、伝熱体として実施の形態1のグラファイトシートと本実施の形態のヒートパイプとを併用してもよい。
また、本実施の形態では、平面型ヒートパイプを用いたが筒型ヒートパイプを用いてもよい。
(実施の形態5)
図9は、本発明の一実施形態である燃料電池から排出される水を利用した冷却機構を備えた燃料電池システムの構成図である。アノード51aおよびカソード51bを含む燃料電池51は断熱体52で覆われ、さらにその外側が伝熱体53で密着して覆われている。アノード51aには、燃料供給管55aが接続され、燃料ポンプ54aにより燃料が供給される。カソード51bには、空気供給管55bが接続され、空気ポンプ54bにより空気が供給される。燃料電池51の出口側には、水蒸気等を含む排気ガスを放出するための燃料排出管56aおよび空気排出管56bが接続されている。そして、カソード側の空気排出管56bには冷却器57が設けられている。冷却器57は排気ガスを冷却し、排気ガス中の水分を液化する。液化された水は、水供給管57aを経由して伝熱体53上に設置された冷却部58に到達する。そして、冷却部58において、水が気化することにより伝熱体53から熱が奪われる。冷却部58は、例えば、断熱体52の表面に水を保持することが可能なガーゼ等のウィックを配することにより構成される。なお、燃料ポンプ54aや空気ポンプ54bは構成によってはなくてもよい。上述した構成以外は実施の形態1と同様であるので説明は省略する。
本構成の燃料電池システムは、発電によって生成する水の量は発電量に比例し、発熱量は概ね発電量と比例するので、発熱量に応じて冷却することができる。また、水の気化熱は大きいので、効果的に冷却することができる。
(実施の形態6)
図10は、本発明の一実施形態である燃料電池システムを搭載した自動車61の構成を示す図である。車輪62を駆動するモーター63は制御部64により制御される。制御部64には、車輪62を駆動するための電気エネルギーをモーター63に供給する燃料電池システム65が接続されている。また、制御部64には、ハイブリッド用電池66が接続されている。スタート等の加速時には、この電池66から多量のエネルギーがモーター63に供給され、それ以外の安定走行時(出力安定時)には、燃料電池から電気エネルギーがモーター63に供給される。
ここで、図11は燃料電池システム65の要部を示す図である。燃料電池71は断熱体72で覆われ、さらにその外側が伝熱体73で密着して覆われている。伝熱体73には、伝熱体を冷却するためのフィン74およびファン75が取り付けられている。燃料電池71の近傍には、燃料をアノードに送り込むための燃料ポンプ77、空気をカソードに送り込むための空気ポンプ78および回路部79が配置されている。上述した構成以外は実施の形態1と同様であるので説明は省略する。
本構成の燃料電池システムでは、断熱体72の外部を覆う伝熱体73の表面温度が適度に冷却されるため、高温に曝されることによる燃料ポンプ77、空気ポンプ78、回路部79を構成する部品等の劣化を抑制することができる。また、燃料ポンプ77、空気ポンプ78、および回路部79等を燃料電池71近傍に高密度に配置することができ、燃料電池システムのさらなる小型化が可能となる。従って、自動車の燃料電池システムに要するスペースを小さくすることができる。
以下に、本発明の実施例を詳細に説明する。
(実施例1)
本実施例では、上記の図2と同様の構成の燃料電池システムを作製した。
まず、燃料電池1を次のように作製した。
PBI膜にリン酸を含浸した電解質を、白金担持カーボン粒子付カーボンペーパー(エレクトロケム社製)で挟み込んでMEAを得た。MEAを、所定のサイズの樹脂含浸黒鉛板(東海カーボン(株)製、G347B)に燃料または空気が流通する溝を形成したセパレータで挟み単セルを得た。この単セルを複数個積層し、得られた積層体の両端を金メッキした銅板からなる集電板およびポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製の絶縁板を介して、ステンレス製の端板で挟み、端板同士をボルトで締めつけることにより、燃料電池を構成した。
そして、直方体(80mm×80mm×20mm)の燃料電池1における6面のうち5面を後述する断熱体および伝熱体で覆った。なお、残りの1面には、燃料および空気の供給・排出管、正極端子および負極端子を集中して配した(図示しない)。
次に、上記の図3の断熱体を作製した。
シリカ等のセラミクス粉末(黒崎播磨(株)製、WDS)を3mm厚にしたシート状の芯材6を準備した。この芯材6を、芯材よりもサイズの大きい厚さ0.1mmの2枚のPTFEフィルムで挟み、これらのフィルムの周縁部の重なり部分をテープで接着して、芯材6を包みこみ、断熱体2を得た。この断熱体2の熱伝導率は約0.02W/m・Kであった。なお、断熱体2の熱伝導率は、熱伝導率測定装置(英弘精機(株)製、HC−074)を用いて平板熱流計法により測定した。図3の断熱体2の縁をテープで接着し、一面が開口した箱状に成形した。そして、この箱状の断熱体2内に燃料電池1を収納した。
そして、箱状の断熱体2の外側を覆うように伝熱体3を断熱体2に貼付けた。伝熱体3には、熱伝導率は約500W/m・Kである厚さ0.2mmのテープ貼合わせのグラファイトシート(松下電器産業(株)製、PGS)を用いた。グラファイトシートの厚み方向の熱伝導率は20W/m・Kで、厚み方向と直交する方向の熱伝導率は、500W/m・Kであった。なおグラファイトシートの熱伝導率は、熱伝導率測定装置(アルバック理工(株)製、TC7000)を用いてレーザーフラッシュ法により測定した。
このシートの一部を引き出し、引き出したシート上に高熱伝導接着剤(信越化学工業(株)製、KE3467)を塗り、その上にアルミニウム製のフィン4を取り付け、伝熱体3とフィン4との間の熱的結合を確保した。フィン4に軸流ファン5を取り付けた。伝熱体3に温度センサー(サーミスタ)を取り付け、温度センサーの測定値が50℃より上回ればファン5を運転させ、45℃より下回ればファン5を停止させる制御機能を付加した。
アノードには燃料として水素ガスを供給し、カソードには空気を供給して発電した。ガス供給量、燃料電池に接続する負荷、および燃料電池温度等の運転条件を一定にすると、発電量が一定となった。上記発電試験の結果、燃料電池1の動作温度が120℃の時、伝熱体3の温度はフィン4およびファン5の冷却によって45〜50℃であった。このことから、伝熱体が、燃料電池周囲の回路等を構成する電子部品に悪影響を与えるような高温にならないことがわかった。また、電子機器等の内部にこの燃料電池システムを内蔵した場合、電子機器の筺体は燃料電池の影響で高温にならないことがわかった。
(比較例1)
伝熱体を用いない以外は、実施例1と同様の条件で燃料電池システムを作製し、発電試験を行った。
その結果、燃料電池1の動作温度が120℃の時、断熱体の温度は75℃であった。断熱体の表面温度を40℃とするには、断熱体における芯材の厚さを8mmとする必要があった。
なお、上記で燃料電池1の動作温度を120℃に設定したが、これ以外でも設定された動作温度に応じて、断熱体2の厚さや材質を変えればよく、200℃以上の高温でも伝熱体を用いることにより効果的に断熱体を薄くすることができる。
本発明の燃料電池システムは、高温域で作動する燃料電池を用いて、高出力かつ小型の電源システムとして好適に用いられる。例えば、携帯型電子機器用や自動車等の移動体用の電源システムとして好適である。
本発明の実施の形態1における、断熱体および伝熱体で覆われた燃料電池を断面とした燃料電池システムの要部を示す正面図である。 本発明の実施の形態1における燃料電池システムの要部を示す概略斜視図である。 本発明の実施の形態1における燃料電池システムにおける断熱体の概略縦断面図である。 本発明の実施の形態1における燃料電池システムを内蔵するノートパソコンの概略縦断面図である。 本発明の実施の形態2における燃料電池システムの要部を示す概略縦断面図である。 本発明の実施の形態3における燃料電池システムの要部を示す概略斜視図である。 本発明の実施の形態4における燃料電池システムの概略縦断面図である。 図7中の平板型ヒートパイプ43の一部を切り欠いた概略斜視図である。 本発明の実施の形態5における燃料電池システムの要部を示す構成図である。 本発明の実施の形態6における燃料電池システムを搭載した自動車の構成図である。 図10中の燃料電池システム65の要部を示す構成図である。
符号の説明
1、11、21、31、41、51、71 燃料電池
2、12、22、32、42、52、72 断熱体
6 芯材
7 外被材
3、13、23、33、53、73 伝熱体
4、14、34、74 フィン
5、15、75 ファン
10 ノートパソコン
16 筐体
18 空気取入れ口
19 表示部
24 耐熱性バンド
25 プリント基板
26 固定手段
43 ヒートパイプ
43a 通路
51a アノード
52b カソード
54a、77 燃料ポンプ
54b、78 空気ポンプ
55a 燃料供給管
55b 空気供給管
56a 燃料排出管
56b 空気排出管
57 冷却器
57a 水供給管
58 冷却部
61 自動車
62 車輪
63 モーター
64 制御部
65 燃料電池システム
66 電池
79 回路部

Claims (14)

  1. 燃料電池と、前記燃料電池を覆う断熱体と、前記断熱体の外表面を覆う伝熱体とを含むことを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記伝熱体は前記断熱体と密着している請求項1記載の燃料電池システム。
  3. さらに前記伝熱体を冷却するための冷却部を含む請求項1記載の燃料電池システム。
  4. 前記断熱体の熱伝導率が0.03W/m・K以下である請求項1記載の燃料電池システム。
  5. 前記伝熱体の熱伝導率が200W/m・K以上である請求項1記載の燃料電池システム。
  6. 前記断熱体が、芯材および前記芯材を外包する外被材からなる請求項1記載の燃料電池システム。
  7. 前記伝熱体が、金、銀、銅、およびアルミニウムからなる群より選択される少なくとも1種を含む金属板からなる請求項1記載の燃料電池システム。
  8. 前記伝熱体はシート状であり、前記伝熱体の熱伝導率は、その厚み方向よりも前記厚み方向と直交する方向のほうが高い請求項1記載の燃料電池システム。
  9. 前記伝熱体がグラファイトシートである請求項8記載の燃料電池システム。
  10. 前記伝熱体の少なくとも一部が、ヒートパイプで構成されている請求項8記載の燃料電池システム。
  11. 前記冷却部が、燃料電池から排出される水を気化させ、熱を放散する機構を含む請求項3記載の燃料電池システム。
  12. 前記冷却部が、フィンおよびファンの少なくとも1つを含む請求項3記載の燃料電池システム。
  13. 請求項1記載の燃料電池システムを搭載した自動車。
  14. 請求項1記載の燃料電池システムを搭載した携帯型電子機器。
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