JP2002190313A - 固体高分子電解質形燃料電池 - Google Patents

固体高分子電解質形燃料電池

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JP2002190313A
JP2002190313A JP2000390395A JP2000390395A JP2002190313A JP 2002190313 A JP2002190313 A JP 2002190313A JP 2000390395 A JP2000390395 A JP 2000390395A JP 2000390395 A JP2000390395 A JP 2000390395A JP 2002190313 A JP2002190313 A JP 2002190313A
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fuel cell
polymer electrolyte
cell stack
electrically insulating
solid polymer
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JP2000390395A
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Nobuhiko Kususe
暢彦 楠瀬
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Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Abstract

(57)【要約】 【課題】コンパクトで、過酷な条件下でも電気絶縁性が
良好に保たれ、かつ反応熱が効率的に回収されるものと
する。 【解決手段】燃料電池スタック1を密閉容器2の内部に
収納し、絶縁スペーサー3を介して密閉容器2に固定
し、密閉容器2の内部の燃料電池スタック1を取り囲む
空間に電気絶縁性液体4を満たして、燃料電池スタック
1と密閉容器2を電気的に絶縁する。さらに、反応熱を
受けて温度上昇した電気絶縁性液体4を外部の熱交換器
に送って熱回収し、再び密閉容器2へと戻す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体高分子電解質
膜を用いて構成される固体高分子電解質形燃料電池に係
わり、特に、電気絶縁性と熱回収性能に優れた燃料電池
スタックの構成に関する。
【0002】
【従来の技術】固体高分子電解質形燃料電池(PEF
C:Polymer Electrolyte Fuel Cell )は電解質に高分
子膜を用いる燃料電池で、高い出力密度が得られるこ
と、運転温度が 100℃以下と低く短時間で起動でき、か
つ安価な材料が利用できること等の利点を持つので、早
期の実用化が期待されており、数十kW級の電池が自動
車用として、また1kW級の電池が家庭用として開発さ
れている。
【0003】図5は、固体高分子電解質形燃料電池の一
般的なセルの基本構成を示す模式図である。固体高分子
電解質膜21の両面にアノード側電極層22とカソード
側電極層23を配して構成された膜・電極接合体20
(MEA:Membrane ElectrodeAssembly )を、アノー
ド側拡散層24とカソード側拡散層25、さらに燃料ガ
ス通流溝28を備えたセパレータ26と酸化剤ガス通流
溝29を備えたセパレータ27とにより挟持して単セル
30が構成されている。
【0004】燃料電池スタックは、この単セル30を複
数個積層して構成される。図6は、燃料電池スタックの
構成例を示す部分側面図である。複数個の単セル30を
積層し、その両側に集電板31およびベースプレート3
2を配し、ばね33によって両側から加圧して保持され
ている。なお、図において、34は締付板、35は締付
け用のスタッド、36はナットである。本構成におい
て、純水素、あるいは天然ガスを改質した水素リッチな
改質ガス等の燃料ガスと、空気等の酸化剤ガスを、図示
しない供給配管を通して各単セルに供給すれば、電気化
学反応を生じて発電する。積層された複数の単セルは電
気的に直列接続をなすので、両側の集電板31の間には
複数の単セルの総和の電圧が得られる。
【0005】なお、本図の構成においては示されていな
いが、複数個の単セル30とともに、固体高分子電解質
膜21を湿潤状態に保持するために用いられる加湿用部
材を積層して燃料電池スタックを構成する場合もある。
また、上記の電気化学反応においては電気エネルギーが
得られるとともに反応熱を生じるので、温度を所定の運
転温度に維持するために、燃料電池スタックは冷却水等
の冷媒により冷却される。
【0006】このように燃料電池スタックには、2種類
の反応ガスと冷媒とが供給、排出されるが、固体高分子
電解質形燃料電池においては、通常、この供給、排出用
のマニホールドを燃料電池スタックの構成部材の面内に
配置する内部マニホールド構造が用いられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】固体高分子電解質形燃
料電池は、前述のように、給湯用の熱の取出しも兼ねた
熱併給発電方式の据置き型発電装置、および自動車用等
の移動型発電装置として開発されている。このうち、熱
併給発電方式の据置き型発電装置では、給湯用の熱をで
きるだけ多量に得るために、燃料電池スタックからの放
熱量を最小限に抑えることが最重要課題の一つである。
このため、燃料電池スタックをガラス繊維等からなる断
熱材で厳重に覆う方式が一般的に採られるが、この断熱
材の組み込みが発電装置全体のコンパクト化を図る上で
障害となっている。また、断熱材で厳重に覆っても、断
熱材の隙間や表面から散逸する熱を皆無にすることは困
難であり、如何に熱効率を向上させるかが課題となって
いる。
【0008】また、一般に採用される内部マニホールド
方式では、燃料電池スタックの外側面にマニホールドを
付設する外部マニホールド方式に比較して燃料電池スタ
ックの側面の露出部が広いので、断熱材で覆う構造を採
用すると、長期間運転を停止した際に断熱材が水分を吸
収して部分的に複数のセルが短絡し、性能が低下する危
険性がある。この危険性を回避するためには、燃料電池
スタックと断熱材との隙間を十分に確保する必要がある
が、このように十分な隙間を取ると発電装置のコンパク
ト化と熱効率の向上がさらに困難となる。
【0009】一方、自動車用等の移動型発電装置として
用いる固体高分子電解質形燃料電池では、コンパクトに
構成するために電力発生密度を高めているので、発生す
る反応熱の密度も高く、この発生熱を効率的に外部に放
散することが重要課題の一つである。一般の内燃機関で
は単純に空気をあてて冷却する方式が取り得るが、固体
高分子電解質形燃料電池にこの方式を採用すると、空気
中の水分や塩分、金属性の粉塵などが燃料電池スタック
に付着して短絡を起こす危険性がある。したがって、移
動型の固体高分子電解質形燃料電池においては、このよ
うな短絡の危険性がなく、さらに、大雨に遭遇しても、
また深い水溜りを通過しても良好な電気絶縁性が維持さ
れる冷却方式を組み込む必要があり、かつ車載するため
にはコンパクトに構成されるものとする必要がある。
【0010】本発明は上記のごとき技術課題を考慮して
なされたもので、本発明の目的は、シンプルかつコンパ
クトに構成され、過酷な条件下においても燃料電池スタ
ックの汚染が防止されて電気絶縁性が良好に保たれ、さ
らに、燃料電池スタックから反応熱が効率よく取り出さ
れて回収される固体高分子電解質形燃料電池を提供する
ことにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明においては、上記
の目的を達成するために、固体高分子電解質形燃料電池
において、 (1)固体高分子電解質膜を用いて形成された単電池を
複数個積層してなる燃料電池スタック、若しくは、複数
個の上記の単電池と複数個の加湿用部材を積層してなる
燃料電池スタックを密閉容器の内部に配設し、この密閉
容器内の燃料電池スタックを取り囲む空間に電気絶縁性
液体、例えば、ジメチルシリコーンあるいはメチルフェ
ニルシリコーンを主成分とするシリコーンオイル、ある
いはフロロカーボン等の電気絶縁性液体を満たすことと
する。
【0012】(2)上記(1)において、さらに、上記
の電気絶縁性液体の循環冷却系を備えて、電気絶縁性液
体を上記の密閉容器と密閉容器外に設置された熱交換器
との間で循環させ、熱交換器において冷却させることと
する。 (3)また、上記(2)において、燃料電池スタックの
温度が特定の運転温度以上に達した時、上記の電気絶縁
性液体を循環させることとする。
【0013】燃料電池スタックと燃料ガス、酸化剤ガ
ス、冷媒を供給、排出する配管系とは、セラミックスや
樹脂等の電気絶縁性材料よりなる絶縁パイプを介して接
続され、電気的に絶縁されている。したがって、上記の
(1)のごとく燃料電池スタックを密閉容器の内部に配
設し、この燃料電池スタックを取り囲む密閉容器内の空
間に電気絶縁性液体を満たせば、燃料電池スタックは密
閉容器を含む外部と電気的に絶縁される。特にジメチル
シリコーンあるいはメチルフェニルシリコーンを主成分
とするシリコーンオイル、あるいはフロロカーボン等の
電気絶縁性液体の絶縁性能は空気や水に比べて格段に優
れているので、燃料電池スタックと密閉容器との隙間は
僅かでよい。したがって、密閉容器の大きさは小さくて
よく、コンパクトに構成できる。なお、燃料電池スタッ
クは内部を流れる反応ガスが外部に漏れないように厳重
なガスシール構造が採られているので、電気絶縁性液体
中に配しても、燃料電池スタック中に電気絶縁性液体が
漏れ込んでトラブルを引き起こす恐れはない。
【0014】さらに、上記の(2)のごとく、この電気
絶縁性液体を密閉容器と密閉容器外に設置された熱交換
器との間で循環させ、熱交換器において冷却させること
とすれば、燃料電池スタックで生じた反応熱が電気絶縁
性液体によって密閉容器外へと取出され、熱交換器にお
いて効率的に回収されるので、熱回収効率の高い装置が
構成される。また、反応熱が電気絶縁性液体によって速
やかに密閉容器外へと取出されるので、燃料電池スタッ
クを収納した密閉容器を特に断熱する必要はない。した
がって、従来の装置のごとく断熱材によって覆う必要は
なく、コンパクトに構成できることとなる。
【0015】また、上記のごとく電気絶縁性液体の循環
系を備えて熱交換器において冷却させると、温度が低
く、発生熱の少ない起動直後には、燃料電池スタックが
過剰に冷却され、定格温度に達するのに長時間を要する
こととなる。したがって、上記の(3)のごとく、燃料
電池スタックの温度が特定の運転温度以上に達した時、
上記の電気絶縁性液体を循環させることとすれば、温度
の低い起動時には燃料電池スタックの冷却が抑えられて
温度上昇が早くなるので、起動時間が短縮され、効率的
に運転できることとなる。
【0016】また、ジメチルシリコーンやメチルフェニ
ルシリコーン等の電気絶縁性液体では引火点が 200〜30
0 ℃と高い液体が容易に選択できるので、100 ℃以下の
温度で運転する固体高分子電解質形燃料電池では引火の
危険性はない。なお固体高分子電解質形燃料電池以外の
方式の燃料電池では、運転温度が190〜 1000 ℃と高い
こと、また、特にりん酸形燃料電池では腐食性の強いり
ん酸を電解質として用いるために完全に密封できるシー
ル材が得られないこと等の理由により、上記のように燃
料電池スタックを電気絶縁性液体中に浸漬する構成を採
ることは困難である。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例を用いて説
明する。 <実施例1>図1は、本発明の固体高分子電解質形燃料
電池の第1の実施例の燃料電池スタックと密閉容器の基
本構成を示す分解斜視図である。
【0018】本実施例では、複数の単セルを積層して構
成された燃料電池スタック1は、金属製の方形状の密閉
容器2の内部に配設され、アルミナ製の絶縁スペーサー
3および図示しない樹脂製の絶縁ボルトによって密閉容
器2に固定されている。この燃料電池スタック1を取り
囲む密閉容器2の内部の空間には電気絶縁性液体4とし
て、ジメチルシリコーン液(信越シリコーン社製 KF96
H)が満たされている。図1においては、表示を容易に
するために密閉容器2の内部の下半部の空間にのみ電気
絶縁性液体4を表示しているが、電気絶縁性液体4は密
閉容器2の内部の燃料電池スタック1を取り囲む全空間
を満たしている。
【0019】燃料電池スタック1は内部マニホールド方
式で、燃料電池スタック1を構成する複数の単セルは、
いずれも面内周辺部にそれぞれ一対の燃料ガスマニホー
ルド11、酸化剤ガスマニホールド12、冷媒マニホー
ルド13を備えている。またこれらのマニホールドは、
密閉容器2に付設された燃料ガス配管14、酸化剤ガス
配管15、冷媒配管16に、アルミナ、あるいはポリテ
トラフルルエチレン等の電気絶縁性材料よりなる図示し
ない絶縁パイプを介して接続されている。水素を主成分
とする燃料ガスは外部の改質装置から燃料ガス配管14
を通して燃料ガスマニホールド11へと送られ、燃料電
池スタック1の各単セルの面内を流れて電気化学反応に
寄与したのち、反対側の燃料ガスマニホールドに集めら
れ、密閉容器2の外部へ取出される。同様に、酸化剤ガ
スマニホールド12には酸化剤ガス配管15を通して空
気圧縮機によって送られた空気が供給され、各単セルの
面内を流れて電気化学反応に寄与する。また、冷媒とし
ての冷却水がポンプによって冷媒配管16を介して冷媒
マニホールド13へと送られ、燃料電池スタック1を冷
却する。
【0020】本構成では、上記のように、燃料電池スタ
ック1は絶縁スペーサー3によって密閉容器2に固定さ
れ、燃料電池スタック1へ給排するガスおよび冷媒の配
管には絶縁パイプが組み込まれ、また、燃料電池スタッ
ク1を取り囲む密閉容器2の内部の空間には電気絶縁性
液体4が満たされているので、燃料電池スタック1は外
部に対して完全に電気絶縁されている。また、燃料電池
スタック1が密閉容器2の内部に配されているので、過
酷な条件下においても汚染される恐れることなく安定し
て運転できる図2は、本実施例の密閉容器に満たされて
いる電気絶縁性液体4の循環供給系の基本構成を示す系
統図である。模式的に示したように、燃料電池スタック
1は密閉容器2の内部に収納され、燃料電池スタック1
を取り囲む密閉容器2内の空間には、電気絶縁性液体4
としてのジメチルシリコーン液が満たされている。ま
た、燃料電池スタック1には、密閉容器2に付設された
燃料ガス配管14、酸化剤ガス配管15、冷媒配管16
を介して、燃料ガス、酸化剤ガス、および冷却水が供給
されている。電気絶縁性液体4の循環供給系には、熱交
換器5、オイルタンク6、およびポンプ7が組み込まれ
ており、電気絶縁性液体4としてのジメチルシリコーン
液はポンプ7によって本循環供給系を循環している。す
なわち、密閉容器2において燃料電池スタック1の周囲
を流れ、電気化学反応に伴う発熱を吸収して温度上昇し
た電気絶縁性液体4は、熱交換器5に送られ、外部冷却
水との熱交換により冷却されたのち、オイルタンク6へ
と戻され、再び密閉容器2の内部へと送られる。
【0021】したがって、本構成では、燃料電池スタッ
ク1が、内部を流れる冷却水と周囲を流れる電気絶縁性
液体4の双方によって冷却され、所定の運転温度に保持
されることとなるので、効率よく熱回収される。 <実施例2>図3は、本発明の固体高分子電解質形燃料
電池の第2の実施例の密閉容器に満たされている電気絶
縁性液体4の循環供給系の基本構成を示す系統図であ
る。
【0022】本実施例の燃料電池スタック1および密閉
容器2の構成は図1に示した第1の実施例の構成と同一
である。本実施例の第1の実施例との相違点は電気絶縁
性液体4の循環供給系の構成にある。すなわち、第1の
実施例においては水冷式の熱交換器5が用いられていた
のに対して、本実施例では図3に見られるごとく熱交換
促進用のファン9を備えた空冷式の熱交換器8が用いら
れている。燃料電池スタック1の温度が所定温度まで上
昇したのちこのファン9を作動させることとすることに
よって、装置の起動時間を短縮することができる。ま
た、移動用の固体高分子電解質形燃料電池の場合には、
走行に伴って受ける風によりこのファン9を回転させる
こととしてもよい。なお、本実施例では電気絶縁性液体
4としてメチルフェニルシリコーン液(GE東芝シリコ
ーン社製 KF96H)を用いているが、第1の実施例で用い
たジメチルシリコーン液を用いてもよい。また、本実施
例のメチルフェニルシリコーン液を第1の実施例の電気
絶縁性液体4として用いてもよい。
【0023】<実施例3>図4は、本発明の固体高分子
電解質形燃料電池の第3の実施例の燃料電池スタックと
密閉容器の基本構成を示す分解斜視図である。本実施例
の構成の特徴は、燃料電池スタック1を収納する密閉容
器として、第1の実施例の方形状の密閉容器2に代わっ
て、円筒状の密閉容器2Aが用いられ、付随して絶縁ス
ペーサー3と形状のやや異なる絶縁スペーサー3Aが組
み込まれていることにある。また、本実施例では、電気
絶縁性液体4としてメチルフェニルシリコーン液(GE
東芝シリコーン社製 TSF-431)が用いられている。この
メチルフェニルシリコーン液等の電気絶縁性液体は凝固
点が−70 ℃と低いので実用的な環境条件では凍結して
燃料電池スタック1や配管等を破損する恐れがなく、長
期保管する際にもこの電気絶縁性液体を抜き取る処置が
不要であるので、メンテナンスも容易となる。なお、図
1と同様に図4においても、表示を容易にするために密
閉容器2Aの内部の下半部の空間にのみ電気絶縁性液体
4を表示しているが、電気絶縁性液体4は密閉容器2A
の内部の燃料電池スタック1を取り囲む全空間を満たし
ている。
【0024】なお、図1、あるいは図4の構成のごと
く、密閉容器内に上記のごとき電気絶縁性液体を満たし
て構成した燃料電池を寒冷地で使用する場合には、これ
らの電気絶縁性液体が保温材の役割を果たすので、装置
を停止した際の温度低下を緩やかにすることができる。
このため、停止期間中の凍結防止ヒーターの利用時間が
短縮されるので、省エネルギー化が図れる。また、これ
らの電気絶縁性液体は氷点下でも粘性を維持するので、
凍結防止の措置を行う必要がなく、メンテナンスも容易
となる。
【0025】
【発明の効果】以上述べたように、本発明においては、 (1)固体高分子電解質形燃料電池を請求項1に記載の
ごとく構成することとしたので、過酷な条件下において
も汚染が防止されて電気絶縁性が良好に保たれ、さら
に、電気絶縁および断熱のための所要寸法が大幅に縮小
してコンパクトに構成され、かつ、メンテナンスも容易
な固体高分子電解質形燃料電池が得られることとなっ
た。
【0026】(2)また、請求項2のごとく構成するこ
とにより、発生熱が極めて効率よく回収される固体高分
子電解質形燃料電池が得られることとなった。例えば、
家庭用の1kW発電装置では、交流出力1kWに対して
1.5kW程度の反応熱が生じ、従来、100 W程度(約 7
%)が燃料電池からの放熱により散逸していたが、本発
明の構成を用いることによって、この放熱量のほぼ全量
が回収されることとなり、新設のポンプの動力を差し引
いて約 3%総合効率を向上することができた。また、移
動用の 30 kW発電装置では、発生した40kW以上の熱
量を環境条件にかかわらず容易に排出できるようになっ
た。
【0027】(3)さらに、請求項3のごとく構成する
ことにより、短時間で起動可能な固体高分子電解質形燃
料電池が得られることとなった。すなわち、本構成によ
って起動開始後の燃料電池スタックの温度上昇が早ま
り、定格出力が得られるまでの時間を約 20 %短縮でき
ることとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の固体高分子電解質形燃料電池の第1の
実施例の燃料電池スタックと密閉容器の基本構成を示す
分解斜視図
【図2】第1の実施例の密閉容器に満たされている電気
絶縁性液体の循環供給系の基本構成を示す系統図
【図3】本発明の固体高分子電解質形燃料電池の第2の
実施例の密閉容器に満たされている電気絶縁性液体の循
環供給系の基本構成を示す系統図
【図4】本発明の固体高分子電解質形燃料電池の第3の
実施例の燃料電池スタックと密閉容器の基本構成を示す
分解斜視図
【図5】固体高分子電解質形燃料電池の一般的なセルの
基本構成を示す模式図
【図6】燃料電池スタックの構成例を示す部分側面図
【符号の説明】
1 燃料電池スタック 2,2A 密閉容器 3,3A 絶縁スペーサー 4 電気絶縁性液体 5 熱交換器(水冷式) 6 オイルタンク 7 ポンプ 8 熱交換器(空冷式) 9 ファン 11 燃料ガスマニホールド 12 酸化剤ガスマニホールド 13 冷媒マニホールド 14 燃料ガス配管 15 酸化剤ガス配管 16 冷媒配管
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年6月19日(2001.6.1
9)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】燃料電池スタック1は内部マニホールド方
式で、燃料電池スタック1を構成する複数の単セルは、
いずれも面内周辺部にそれぞれ一対の燃料ガスマニホー
ルド11、酸化剤ガスマニホールド12、冷媒マニホー
ルド13を備えている。またこれらのマニホールドは、
密閉容器2に付設された燃料ガス配管14、酸化剤ガス
配管15、冷媒配管16に、アルミナ、あるいはポリテ
トラフロロエチレン等の電気絶縁性材料よりなる図示し
ない絶縁パイプを介して接続されている。水素を主成分
とする燃料ガスは外部の改質装置から燃料ガス配管14
を通して燃料ガスマニホールド11へと送られ、燃料電
池スタック1の各単セルの面内を流れて電気化学反応に
寄与したのち、反対側の燃料ガスマニホールドに集めら
れ、密閉容器2の外部へ取出される。同様に、酸化剤ガ
スマニホールド12には酸化剤ガス配管15を通して空
気圧縮機によって送られた空気が供給され、各単セルの
面内を流れて電気化学反応に寄与する。また、冷媒とし
ての冷却水がポンプによって冷媒配管16を介して冷媒
マニホールド13へと送られ、燃料電池スタック1を冷
却する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】本構成では、上記のように、燃料電池スタ
ック1は絶縁スペーサー3によって密閉容器2に固定さ
れ、燃料電池スタック1へ給排するガスおよび冷媒の配
管には絶縁パイプが組み込まれ、また、燃料電池スタッ
ク1を取り囲む密閉容器2の内部の空間には電気絶縁性
液体4が満たされているので、燃料電池スタック1は外
部に対して完全に電気絶縁されている。また、燃料電池
スタック1が密閉容器2の内部に配されているので、過
酷な条件下においても汚染される恐れなく安定して運転
できる図2は、本実施例の密閉容器に満たされている電
気絶縁性液体4の循環供給系の基本構成を示す系統図で
ある。模式的に示したように、燃料電池スタック1は密
閉容器2の内部に収納され、燃料電池スタック1を取り
囲む密閉容器2内の空間には、電気絶縁性液体4として
のジメチルシリコーン液が満たされている。また、燃料
電池スタック1には、密閉容器2に付設された燃料ガス
配管14、酸化剤ガス配管15、冷媒配管16を介し
て、燃料ガス、酸化剤ガス、および冷却水が供給されて
いる。電気絶縁性液体4の循環供給系には、熱交換器
5、オイルタンク6、およびポンプ7が組み込まれてお
り、電気絶縁性液体4としてのジメチルシリコーン液は
ポンプ7によって本循環供給系を循環している。すなわ
ち、密閉容器2において燃料電池スタック1の周囲を流
れ、電気化学反応に伴う発熱を吸収して温度上昇した電
気絶縁性液体4は、熱交換器5に送られ、外部冷却水と
の熱交換により冷却されたのち、オイルタンク6へと戻
され、再び密閉容器2の内部へと送られる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固体高分子電解質膜を用いて形成した単電
    池を複数個積層してなる燃料電池スタック、若しくは、
    複数個の前記単電池と複数個の加湿用部材を積層してな
    る燃料電池スタックが密閉容器の内部に配設され、該密
    閉容器内の燃料電池スタックを取り囲む空間に電気絶縁
    性液体が満たされていることを特徴とする固体高分子電
    解質形燃料電池。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の固体高分子電解質形燃料
    電池において、密閉容器内の空間に満たされた前記電気
    絶縁性液体を、密閉容器と密閉容器外に設置された熱交
    換器との間で循環させ、熱交換器において冷却させる電
    気絶縁性液体の循環冷却系を備えていることを特徴とす
    る固体高分子電解質形燃料電池。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の固体高分子電解質形燃料
    電池において、前記の電気絶縁性液体の循環冷却系が、
    燃料電池スタックの温度が特定の運転温度以上に達した
    とき電気絶縁性液体を循環させて冷却させる循環冷却系
    であることを特徴とする固体高分子電解質形燃料電池。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3のいずれかに記載の固体高
    分子電解質形燃料電池において、前記電気絶縁性液体
    が、ジメチルシリコーンあるいはメチルフェニルシリコ
    ーンを主成分とするシリコーンオイル、あるいはフロロ
    カーボンのうちのいずれかであることを特徴とする固体
    高分子電解質形燃料電池。
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