JP4379059B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

本発明は、固体高分子電解質型燃料電池及びこれを加湿するための加湿水が貯蔵される水タンクを備えた燃料電池システムに関するものであり、特に、水タンク内に貯蔵された加湿水が凍結したときにこれを解凍するための解凍機構の改良に関する。
近年の環境問題、特に自動車の排出ガスによる大気汚染や二酸化炭素による地球温暖化の問題等に対する対策として、クリーンな排気及び高エネルギ効率を可能とする燃料電池技術が注目を浴びている。燃料電池は、燃料となる水素あるいは水素リッチな改質ガス及び空気を、電解質・電極触媒複合体に供給し、電気化学反応を起こし、化学エネルギを電気エネルギに変換するエネルギ変換システムである。中でも、固体高分子膜を電解質として用いた固体高分子電解質型燃料電池は、低コストでコンパクト化が容易であり、しかも高い出力密度を有することから、自動車等の移動体用電源としての用途が期待されている。
ところで、前記固体高分子電解質型燃料電池においては、固体高分子膜は、飽和含水することによりイオン伝導性電解質として機能するとともに、水素と酸素とを分離する機能も有する。固体高分子膜の含水量が不足すると、イオン抵抗が高くなり、水素と酸素とが混合して燃料電池としての発電ができなくなってしまう。
一方で、水素極で分離した水素イオンが電解質膜を通るときには、水も一緒に移動するため、水素極側は乾燥する傾向にある。また、供給する水素または空気に含まれる水蒸気が少ないと、それぞれの反応ガス入口付近で固体高分子膜が乾燥する傾向にある。
このようなことから、固体高分子電解質型燃料電池における固体高分子膜は、外部から水分を供給して積極的にこれを加湿する必要があり、電解質自体を加湿したり、供給される水素や空気を加湿する等、何らかの加湿手段が設けられている。
固体高分子電解質型燃料電池における加湿手段においては、寒冷地での使用等を考慮して、加湿用の水の凍結に対して対策を講ずることが必要となる。例えば、電気自動車の電源として前記固体高分子電解質型燃料電池を用いた場合、寒冷地等での使用により加湿水が凍結してしまうと、円滑な始動が困難になる。
これを解消するために、加湿水を貯蔵する水タンクに燃料電池の冷却配管を隣接させ、凍結時の起動の際に加熱された冷却液により水タンクを加熱し、水タンク内の凍結水を解凍する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2000−149970号公報
しかしながら、上述した従来の技術のように、単に冷却配管を水タンクに隣接させただけでは、伝熱面積を広くすることができず、十分な解凍性能が得られないという問題がある。この方法で伝熱面積を広げるためには、水タンクを大型化すればよいことになるが、車両等へ搭載できるように燃料電池システムの小型化を図る場合には、水タンクの大型化による対応は難しい。
また、上述した従来技術では、水タンク内の加湿水が凍結する際の体積膨張については全く考慮されておらず、凍結時によって加湿水に体積膨張が生じたときの応力の影響で、水タンクに損傷を与える虞もある。
本発明は、以上のような従来のシステムが有する不都合を解消すべく創案されたものであって、水タンクを小型化した場合にも十分な解凍性能が得られるようにして寒冷地での円滑な始動を実現すると共に、水タンク内の加湿水が凍結した際の体積膨張による作用応力を緩和して、水タンクの損傷を防止することが可能な燃料電池システムを提供することを目的としている。
本発明の燃料電池システムは、固体高分子電解質型の燃料電池と、この燃料電池を加湿するための加湿水が貯蔵される水タンクとを備えている。水タンクには少なくともその底部及び側壁部と貯水部内とに温媒を流通させる温媒流路が設けられており、この温媒流路が温媒の流通によって加熱されて伝熱面として機能するようになっている。また、水タンクの底部を除く外周部は断熱材で覆われており、この水タンクの底部を除く外周部から外部への放熱が抑制されるようになっている。
本発明の燃料電池システムでは、水タンクの底部を除く外周部が断熱材で覆われており、この部分から外部への放熱が抑制されるので、水タンク内に貯蔵された加湿水が凍結する際には、その凍結は底部側から始まり、凍結による加湿水の体積膨張は水面の上昇となって現れることになる。したがって、凍結によって加湿水に体積膨張が生じても、その作用応力が伝熱面として機能する温媒流路等に過度に加わることがない。
本発明の燃料電池システムによれば、水タンクに設けた温媒流路に温媒を流通させることにより水タンクの解凍性能を向上させることができ、寒冷地での使用の際にも円滑な始動が可能である。また、十分な伝熱面積を確保することができるので、水タンクを大型化する必要がなく、燃料電池システムの小型化を図ることが可能である。さらに、水タンク内に貯蔵された加湿水が凍結したときにも、その体積膨張による作用応力が伝熱面として機能する温媒流路等に過度に加わることがなく、温媒流路の変形や亀裂といったような水タンクの損傷を有効に防止することができる。
以下、本発明を適用した燃料電池システムについて、図面を参照しながら詳細に説明する。
(第1の実施形態)
本実施の形態は、燃料電池を電気自動車の動力源として用いる電気自動車用発電システムに本発明の燃料電池システムを適用したものである。
図1は、電気自動車用発電システム全体を示すものである。この電気自動車用発電システムは、大別して、電気自動車の動力源である燃料電池スタック1、この燃料電池スタック1に燃料である水素(あるいは水素リッチガス)及び酸化剤(空気)を供給する燃料・空気供給系2、燃料電池スタック1に加湿用の水を供給する加湿手段3、燃料電池スタック1を冷却するための冷却手段4からなる。
燃料電池スタック1は、水素が供給される燃料極と酸素(空気)が供給される空気極とが電解質・電極触媒複合体を挟んで重ね合わされた発電セルが多段積層された構造を有し、電気化学反応により化学エネルギを電気エネルギに変換する。燃料極では、水素が供給されることで水素イオンと電子とが解離し、水素イオンは電解質を通り、電子は外部回路を通って電力を発生させて、空気極側にそれぞれ移動する。また、空気極では、供給された空気中の酸素と前記水素イオン及び電子が反応して水が生成され、外部に排出される。
燃料電池スタック1の電解質としては、高エネルギ密度化、低コスト化、軽量化等を考慮して、固体高分子電解質膜が用いられる。固体高分子電解質膜は、例えばフッ素樹脂系イオン交換膜等、イオン(プロトン)伝導性の高分子膜からなるものであり、先にも述べた通り、飽和含水することによりイオン伝導性電解質として機能することから、このような固体高分子電解質膜を電解質として用いた固体高分子電解質型の燃料電池スタック1においては、水を供給して固体高分子電解質膜を加湿することが必要になる。
この燃料電池スタック1で電力を発生させるには、燃料となる水素や酸化剤である空気を燃料極や空気極に各々供給する必要があり、そのための機構が燃料・空気供給系2である。この燃料・空気供給系2は、水素ガスあるいは水素リッチガスを供給するための燃料供給経路21、及び空気を供給するための空気供給経路22とから構成され、燃料供給経路21は燃料電池スタック1の燃料供給口と接続され、空気供給経路22は燃料電池スタック1の空気供給口と接続される。燃料供給経路21においては、図示しない水素タンク等の水素供給源から供給される水素が減圧弁によって所定の圧力まで減圧され、さらに、例えば圧力制御弁がマイクロコンピュータ等のコントロールユニットによって圧力制御されて、運転条件に対応した所望の圧力に制御された水素が供給される。
加湿手段3は、燃料電池スタック1の固体高分子電解質膜、燃料である水素、あるいは空気の少なくとも何れかを加湿するものであり、加湿用の水を供給する加湿水供給経路31、余分な加湿水を回収する水回収経路32、加湿水が貯蔵される水タンク33、及び水タンク33内の加湿水を汲み上げるための水ポンプ34とから構成される。水タンク33内の加湿水は、前記水ポンプ34によって汲み上げられ、前記加湿水供給経路31を経て燃料電池スタック1の加湿に供され、余剰の加湿水が前記水回収経路32を経て水タンク33に戻される。なお、加湿水は、燃料電池スタック1に直接供給しないで、燃料電池スタック1に供給するガス(水素リッチガスや空気)を加湿する加湿器を用い、ここに供給するようにしてもよい。
加湿水供給経路31の入り口側には、ストレーナ35が取り付けられており、異物の混入等が防止される。また、水タンク33には、貯蔵される水の凍結を防止するための伝熱面が設けられているが、これについては詳細を後述する。
また、固体高分子電解質型の燃料電池スタック1は、適正な作動温度が80℃程度と比較的低く、過熱時には冷却することが必要である。そこで、この電気自動車発電システムにおいては、燃料電池スタック1を冷却する冷却手段4が設けられている。この冷却手段4は、冷媒を燃料電池スタック1に循環する循環経路41を有し、例えば冷媒である不凍液(水よりも凝固点の低い液体。)により燃料電池スタック1を冷却し、これを最適な温度に維持する。なお、冷媒としては、前記不凍液以外のものを用いるようにしてもよいが、寒冷地での使用等を考慮すると、凝固点の低い不凍液を用いることが好ましい。
冷却手段4の循環経路41内には、ラジエータ42が設けられており、燃料電池スタック1の冷却により加熱された冷媒は、ここで冷却される。また、前記ラジエータ42と並列に、熱交換器43に通じる分岐経路44が設けられており、例えば寒冷地での始動時等において、燃料電池スタック1を適正温度まで加熱する必要がある場合には、前記不凍液を流路切替バルブA,Bの操作によって熱交換器43へと導き、これを加熱して燃料電池スタック1に供給する。したがって、この場合には、前記不凍液は温媒として機能することになる。また、循環経路41は、前記加湿手段3の水タンク33に設けられた伝熱面を加熱する温媒流路にも接続されており、寒冷地での始動時等においては、加熱された不凍液を温媒として水タンク33内の水を解凍する。
熱交換器43は、水素燃焼器45を熱源とするものであり、この水素燃焼器45の燃料としては、燃料電池スタック1の燃料・空気供給系2の水素ガス(水素リッチガス)及び空気が利用される。すなわち、前記燃料・空気供給系2の燃料供給経路21及び空気供給経路22には、中途部にそれぞれバルブ46,47が設けられており、ここから分岐された分岐燃料供給経路48及び分岐空気供給経路49が前記水素燃焼器45に接続されている。この水素燃焼器45からの燃焼ガスは、熱交換器43にて吸熱された後、排気管50より外部へと排気される。
以上の構成を有する電気自動車発電システムにおいて、通常走行時には、冷却手段4の流路切替バルブAはA1−A2連通、流路切替バルブBはB1−B2連通とされ、不凍液が燃料電池スタック1とラジエータ42との間を循環する回路が構成される。この場合、不凍液は冷媒として機能し、燃料電池スタック1での発熱をラジエータ42で放熱し、燃料電池スタック1を温度調節する。
一方、寒冷地等での冷間起動時においては、流路切替バルブAはA1−A3連通、流路切替バルブBはB1−B3連通とされ、不凍液が燃料電池スタック1と熱交換器43との間を循環する回路が構成される。このとき、図示しない水素タンクから水素ガスあるいは水素リッチガスが水素燃焼器45に供給され、その燃焼ガスを加熱媒質として熱交換器43が不凍液を加温する。この場合、不凍液は温媒として機能し、燃料電池スタック1を流通してこれを加温した後、水タンク33の温媒流路を流通して水タンク33内の加湿水を加温し、熱交換器43へ戻る。不凍液は、水素ガス、あるいは水素リッチガスが水素燃焼器45に供給されている限り加温され、この不凍液が燃料電池スタック1及び水タンク33の温媒流路を流通して、燃料電池スタック1及び水タンク33が加温される。このとき、水タンク33内の加湿水が凍結している場合には、この不凍液による加温によって水タンク33内の加湿水が解凍されることになる。そして、不凍液により解凍された加湿水は、水ポンプ34と接続された加湿水供給経路31を経て燃料電池スタック1に供給され、燃料電池スタック1の加湿に使用される。
ところで、以上のような冷間起動時に円滑な始動を実現するためには、温媒である不凍液による解凍性能が極めて重要である。すなわち、解凍性能が高ければ、水タンク33を小型化しても凍結した加湿水を速やかに解凍することができ、円滑な始動が可能になる。本実施の形態においては、水タンク33に温媒である不凍液を流通させる温媒流路を設け、加温された不凍液を流通させることでこの温媒流路を伝熱面として機能させるようにして、効率的な解凍を実現している。以下、水タンク33に設けられた解凍機構の具体的構成について説明する。
水タンク33は、図2及び図3に示すように、温媒流路を有する放熱ユニット51を用いた構成とされており、この放熱ユニット51の温媒流路を温媒である不凍液が流通することにより、水タンク33内の加湿水(氷)が加温されるようになっている。放熱ユニット51は、平面形状が矩形とされた枠体状の放熱板を複数有し、この例ではサイズの異なる放熱板52、53、54、55が4重に配列されている。このうち、最外周部の放熱板55は、水タンク33の外周容器も兼ねており、その上面が蓋体56によって塞がれ、さらに底部を除く外周部が断熱材57で覆われている。また、水タンク33には、内部の圧力上昇を抑えるエアブリーザや水温を計測する温度計、水量を計測する水位計等が設けてあるが、ここでは図示を省略する。
放熱ユニット51を構成する各放熱板52、53、54、55の上端部の一カ所には、冷却手段4の循環経路41と接続される温媒導入管58が接続されており、ここから各放熱板52、53、54、55内の温媒流路へ温媒である不凍液が導入される。同様に、各放熱板52、53、54、55の底面部の一カ所には、循環経路41の下流部と接続される温媒排出管59が接続されており、これが出口となって温媒流路を流通した不凍液は循環経路41に戻る。
以上のような構造の放熱ユニット51においては、温媒流路に加温された不凍液が導入されることにより、各放熱板52、53、54、55の内周面52a,53a,54a,55a及び外周面52b,53b,54bが伝熱面として機能することになる。そして、これらの伝熱面を介して不凍液からの熱が水タンク33内で凍結した加湿水(氷)に伝達されることで、水タンク33内の加湿水(氷)が加温されて解凍される。
なお、水タンク33には加湿水の貯水量が過剰となったときにこれを排出するためのドレイン口60が設けられており、各放熱板52、53、54、55の上端、すなわち各伝熱面の上端の位置が、水タンク33における貯水上限よりも高くなるように設定されている。
ここで、各伝熱面、すなわち各放熱板52、53、54、55の内周面52a,53a,54a,55a及び外周面52b,53b,54bは、これら伝熱面によって囲まれる水面の面積が水位の上昇とともに次第に増加するように傾斜角を有する。例えば、最内周部の放熱板52を例に挙げて説明すると、その内周面52aは、互いに対向する面同士の間隔が上に行くほど広くなるように傾斜角θをもって傾斜されている。そして、底部に近い部分での間隔W1と上端部に近い部分での間隔W2とを比べると、W1<W2となっている。これは、図3において左右に対向する面同士でも、上下に対向する面同士でも同様である。したがって、図4に示すように、放熱板52の内周面52aで囲まれる水面の面積は、水面(または氷面)の上昇とともに広くなり、例えば低水位での水面の面積S1よりも高水位で水面の面積S2の方が広くなる。
以上のような関係は、他の伝熱面同士の間においても同様であり、放熱板52の外周面52bと放熱板53の内周面53a、放熱板53の外周面53bと放熱板54の内周面54a、放熱板54の外周面54bと放熱板55の内壁面55aにおいても、対向する面の間隔が上に行くにしたがって次第に広がるように各伝熱面が傾斜されている。その結果、いずれの伝熱面で囲まれる水面も、その面積が水位の上昇とともに増加するようになっている。
タンク内に貯蔵された水が凍結する際には、氷の比重は水より小さいために、一般的には上面が凍結してから内部が凍り、このときの体積膨張に起因する作用力により伝熱面(放熱ユニット51を構成する各放熱板52、53、54、55)の変形、亀裂などが懸念される。しかしながら、貯水部分の上部ほど面積が広がるよう伝熱面に傾斜角を有する構成とすれば、体積膨張した際に氷面が伝熱面から離れることになり、伝熱面への作用力を緩和させることができる。
ただし、このような加湿水凍結時の体積膨張による水タンク33の損傷を、伝熱面に傾斜を設けるという手法のみで確実に防止するのは、特に、電気自動車用発電システムへの適用を考えた場合には、実現が極めて困難である。
すなわち、電気自動車用発電システムに適用される燃料電池システムでは、電気自動車が坂道に駐車されて傾斜状態におかれることも考慮する必要があり、このような状況においても伝熱面の傾斜による上広がり構造を確保して、水平状態におかれた場合と同様にその機能を有効とするためには、伝熱面の傾斜角を車両傾斜角よりも大きくする必要がある。このため、貯水部内に配置される放熱板52、53、54の下部幅が広がることで、放熱ユニット51の体積が増大してタンク自体が大型化するという問題があり、同じスペースで考えると、加湿水の貯蔵量が低減するという問題がある。また、水タンク33の水タンク33の外周容器を兼ねる放熱板55に大きな傾斜角を持たせると、レイアウト上の制約を受けるといった問題も生じる。
そこで、本発明の燃料電池システムにおいては、水タンク33の伝熱面の傾斜による上広がり構造の機能に加えて、水タンク33(放熱ユニット51)の外周部を覆う断熱材57の配置を工夫することによっても、加湿水凍結時の体積膨張による水タンク33の損傷を防止できるようにしている。すなわち、本発明の燃料電池システムにおける水タンク33には、その底部を除く外周部(外周容器を兼ねる放熱板55の側壁部及び蓋体56)を覆うようにして、断熱材57が配置されている。この断熱材57は、水タンク33から外部への放熱を抑制するものである。
以上のように、水タンク33の底部を除く外周部が断熱材57にて覆われる構成とすることにより、断熱材57で覆われている放熱板55の側壁部や蓋体56からの放熱が抑制される一方で、水タンク33の底部、すなわち放熱板55の底部からの放熱が促進されることになる。したがって、水タンク33内に貯蔵された加湿水が凍結する際には、その凍結は底部側から始まり、凍結による加湿水の体積膨張は水面の上昇となって現れることになる。その結果、凍結によって加湿水に体積膨張が生じても、その作用応力が伝熱面(放熱ユニット51を構成する各放熱板52、53、54、55)に過度に加わることがなく、これら各放熱板52、53、54、55の変形や亀裂といったような水タンク33の損傷を有効に防止することができる。
図5は、水タンク33の外周部を覆う断熱材57の配置と、水タンク33内の加湿水の凍結時に放熱板55の底部(図2中のA部)及び放熱板55の側壁部(図2中のB部)に作用する応力との関係を示したものである。この図5において、細線のグラフは水タンク33の底部を含む外周部全てを断熱材57で覆った場合に生じる応力の経時変化を示し、太線のグラフは水タンク33の底部を除く外周部を断熱材57で覆った場合に生じる応力の経時変化を示している。この図5から分かるように、水タンク33内の加湿水が凍結すると、水タンク33の外周容器を兼ねる放熱板55の底部には引張応力、放熱板55の側壁部には圧縮応力がそれぞれ加わるが、水タンク33の底部を除く外周部を断熱材57で覆う構成とすることで、水タンク33の外周部全てを断熱材57で覆った場合に比べて、放熱板55の底部及び側壁部に加わる応力を大幅に低減させることができる。
なお、以上のような断熱材57の配置を工夫することによる効果は、水タンク33の伝熱面を上広がり構造としない場合にも有効であるが、水タンク33の伝熱面を上広がり構造とした上で、さらに水タンク33の底部を除く外周部を断熱材57で覆う構成とすれば、加湿水凍結時の体積膨張による作用応力を大幅に低減させることができ、水タンク33の損傷を確実に防止することができる。また、この場合には、伝熱面の傾斜角を車両傾斜角よりも大きくすることなく、加湿水凍結時の体積膨張による作用応力を緩和できるので、伝熱面の傾斜角を大きくすることによるタンク自体の大型化や、レイアウト上の制約を受けるといった問題を回避できる。
さらに、加湿水凍結時の体積膨張による作用応力を大幅に低減できることの副次的な効果として、放熱ユニット51を構成する各放熱板52、53、54、55の板厚低減が可能となり、水タンク33の軽量化を実現することができる。
以上説明したように、本発明の燃料電池システムにおいては、水タンク33が温媒流路を有する放熱ユニット51を用いた構成とされ、この放熱ユニット51を構成する各放熱板52、53、54、55の温媒流路に温媒を流通させることで、これら放熱板52、53、54、55を伝熱面として機能させるようにしているので、水タンク33を大型化することなく広い伝熱面積を確保することができ、水タンク33内で凍結した水を効率的に加温し、これを解凍させることができる。また、加熱手段も燃料電池スタック1の暖機促進と水タンク33内の加湿水の解凍とを兼ねさせることができ、コストアップを抑制できる。加えて、燃料電池スタック1の冷却媒体を解凍のための温媒として用いるので、専用の温媒循環装置を設ける必要が無く、この点からもコストアップを抑制できる。さらに、水素燃焼器45を加熱手段として用いているので、電気ヒータ等を用いる場合よりも起動に要する電力が少なくて済み、電気自動車に搭載する場合、起動用の2次電池の大型化を抑制できる。
また、本発明の燃料電池システムにおいては、上述したように、水タンク33内の加湿水の凍結により体積膨張が生じても、その体積膨張による作用応力が大幅に低減されるようになっているので、伝熱面として機能する放熱ユニット51の各放熱板52、53、54、55に過度の応力が加わることがなく、放熱ユニット51の変形や亀裂の発生といったような、水タンク33の損傷を有効に防止することができる。
(第2の実施形態)
この実施形態は、水タンク33に設けられた放熱ユニット51の形状を変更した例である。電気自動車発電システムの基本的な構成は、先の図1に示すものと同様である。
この実施形態では、図6及び図7に示すように、放熱ユニット51が、外周容器を兼ねる箱状の放熱板61と、貯水部内を仕切るように配列された複数の板状の放熱板62、63、64、65、66、67とから構成されており、本例では貯水部内に板状の放熱板が6列配列されている。本実施形態の放熱ユニット51を構成する各放熱板61、62、63、64、65、66、67は、上述した第1の実施形態と同様に、温媒を流通させる温媒流路を有しており、この温媒流路に温媒を流通させることにより、各放熱板61、62、63、64、65、66、67が伝熱面として機能するようになっている。
外周容器を兼ねる放熱板61の上端側の一カ所には、冷却手段4の循環経路41と接続される温媒導入管58が接続されており、ここから各放熱板61、62、63、64、65、66、67内の温媒流路へ温媒である不凍液が導入される。同様に、外周容器を兼ねる放熱板61の底面側の一カ所には、循環経路41の下流部と接続される温媒排出管59が接続されており、これが出口となって温媒流路を流通した不凍液は循環経路41に戻る。
以上のような構造の放熱ユニット51においては、温媒流路に加温された不凍液が導入されることにより、各放熱板61、62、63、64、65、66、67が伝熱面として機能することになる。そして、これらの伝熱面を介して不凍液からの熱が水タンク33内で凍結した加湿水(氷)に伝達されることで、水タンク33内の加湿水(氷)が加温されて解凍される。
外周容器を兼ねる放熱板61は、水タンク33の全周を密閉するように箱状に形成されている。すなわち、上述した第1の実施形態では水タンク33の上面は蓋体56で覆われていたのに対し、本実施形態では、水タンク33の上面も放熱板61で覆われて、温媒流路が水タンク33の上面側にも配置された構成となっている。
また、貯水部内を仕切るように配列された複数の板状の放熱板62、63、64、65、66、67には、それぞれ多数の伝熱フィン68が一体形成されている。これら伝熱フィン68は、基端側が各放熱板62、63、64、65、66、67に固定されると共に、先端側は自由端とされて、隣接する放熱板に向かって張り出すように、各放熱板62、63、64、65、66、67に一体形成されている。本実施形態では、加温された不凍液の導入によって各放熱板62、63、64、65、66、67が伝熱面として機能する際に、これら伝熱フィン68も伝熱面として機能させるようにしている。これにより、水タンク33の貯水部内の広い範囲に亘って伝熱面を確保することができ、水タンク33内で凍結した水を効率的に加温し、これを解凍させることができる。
以上のような放熱ユニット51を用いた本実施形態の水タンク33においても、その底面部を除く外周部(放熱板61の側壁部及び上面部)は、断熱材57によって覆われている。これにより、断熱材57で覆われている放熱板61の側壁部や上面部からの放熱が抑制される一方で、水タンク33の底部、すなわち放熱板61の底部からの放熱が促進されることになる。したがって、水タンク33内に貯蔵された加湿水が凍結する際には、上述した第1の実施形態と同様に、その凍結は底部側から始まり、凍結による加湿水の体積膨張は水面の上昇となって現れることになる。
特に、本実施形態の水タンク33では、その上面側にも温媒流路が配置された構成となっているので、貯水部内の加湿水の水面部の凍結をより一層遅延させることができる。その結果、凍結によって加湿水に体積膨張が生じても、その作用応力が伝熱面(放熱ユニット51を構成する各放熱板61、62、63、64、65、66、67)に過度に加わることがなく、これら各放熱板61、62、63、64、65、66、67の変形や亀裂といったような水タンク33の損傷を有効に防止することができる。
また、貯水部内に配列された各放熱板62、63、64、65、66、67には伝熱面積確保のために多数の放熱フィン68が一体形成されているので、加湿水凍結時の体積膨張による作用応力はこれら放熱フィン68にも加わることになるが、これら放熱フィン68は、上述したように、その先端部を自由端とした状態で各放熱板62、63、64、65、66、67に固定されているので、これら放熱フィン68に過大な応力が加わることもない。
なお、以上は、上広がり構造を持たない放熱ユニット51を例示して、この放熱ユニット51の外周容器を兼ねる放熱板61が水タンク33の上面部を覆うようにして、水タンク33の上面側にも温媒流路が配置されるようにすると共に、貯水部内に配列される各放熱板62、63、64、65、66、67に多数の放熱フィン68を一体形成するようにした例を説明したが、上述した第1の実施形態のような上広がり構造を有する放熱ユニット51においても、同様の構成を採用することが可能である。すなわち、上述した第1の実施形態のような上広がり構造を有する放熱ユニット51において、外周容器を兼ねる放熱板55が水タンク33の上面部を覆うようにして水タンク33の上面側にも温媒流路が配置されるようにすれば、貯水部内の加湿水の水面部の凍結をより一層遅延させて、加湿水凍結時の体積膨張による作用応力をより一層緩和させることができ、また、貯水部内に配置される放熱板52、53、54、55に多数の放熱フィン68を一体形成するようにすれば、より広い伝熱面積を確保することができ、水タンク33内で凍結した加湿水をさらに効率的に加温して、解凍を促進させることができる。
本発明を適用した電気自動車発電システムの一例を示す全体構成図である。 水タンクに設けられた解凍機構の一例を示す概略断面図である。 放熱ユニットの一例を示す平面図である。 水位の上昇に伴う水面面積の増加の様子を示す模式図である。 水タンクの外周部を覆う断熱材の配置と、加湿水凍結時に外周容器を兼ねる放熱板の底部及び側壁部に作用する応力との関係を示す図である。 水タンクに設けられた解凍機構の他の例を示す概略断面図である。 放熱ユニットの他の例を示す平面図である。
符号の説明
1 燃料電池スタック
3 加湿手段
4 冷却手段
33 水タンク
45 水素燃焼器
51 放熱ユニット
52,53,54,55 放熱板
57 断熱材
61、62,63,64,65,66,67 放熱板
68 放熱フィン

Claims (7)

  1. 固体高分子電解質型の燃料電池と、この燃料電池を加湿するための加湿水が貯蔵される水タンクとを備える燃料電池システムにおいて、
    少なくとも前記水タンクの底部及び側壁部と貯水部内とに温媒を流通させる温媒流路が設けられ、この温媒流路が温媒の流通により加熱されて伝熱面とされると共に、前記水タンクの底部を除く外周部が断熱材で覆われていることを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記温媒流路が、前記水タンクの上面側にも設けられていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記水タンクの貯水部内に設けられた温媒流路の伝熱面は、当該伝熱面によって囲まれる貯水部内の水面の面積が水位の上昇とともに次第に増加するように傾斜角を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記水タンクの貯水部内に設けられた温媒流路の伝熱面に、少なくとも一端側が自由端とされた伝熱フィンが一体形成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の燃料電池システム。
  5. 前記燃料電池を冷却する冷却手段を更に備え、
    前記冷却手段の冷却媒体を加熱して前記温媒として用いることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の燃料電池システム。
  6. 前記燃料電池に供給した燃料の一部を燃焼する燃焼器を更に備え、
    前記燃焼器を前記冷却媒体を加熱する加熱手段として用いることを特徴とする請求項5に記載の燃料電池システム。
  7. 前記冷却媒体が不凍液であることを特徴とする請求項5又は6に記載の燃料電池システム。
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