JP2010257940A - 燃料電池モジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】ドライアウトおよびフラッディングの抑制がより簡便な構成で可能な燃料電池を提供する。
【解決手段】潜熱蓄熱部50がガスシール部材40と水素吸蔵合金タンク60との間に設けられており、ガスシール部材40および水素吸蔵合金タンク60と熱的に接続している。潜熱蓄熱部50は、燃料電池の動作時にドライアウトが生じ始める温度(ドライアウト温度)以下の融点を有する第1の蓄熱材と、燃料電池の動作時にフラッディングが生じ始める温度(フラッディング温度)以下の融点を有する第2の蓄熱材とを含む。
【選択図】図2
【解決手段】潜熱蓄熱部50がガスシール部材40と水素吸蔵合金タンク60との間に設けられており、ガスシール部材40および水素吸蔵合金タンク60と熱的に接続している。潜熱蓄熱部50は、燃料電池の動作時にドライアウトが生じ始める温度(ドライアウト温度)以下の融点を有する第1の蓄熱材と、燃料電池の動作時にフラッディングが生じ始める温度(フラッディング温度)以下の融点を有する第2の蓄熱材とを含む。
【選択図】図2
Description
本発明は燃料電池モジュールに関する。
燃料電池は水素と酸素とから電気エネルギーを発生させる装置であり、高い発電効率を得ることができる。燃料電池の主な特徴としては、従来の発電方式のように熱エネルギーや運動エネルギーの過程を経ない直接発電であるので、小規模でも高い発電効率が期待できること、窒素化合物等の排出が少なく、騒音や振動も小さいので環境性が良いことなどが挙げられる。このように、燃料電池は燃料のもつ化学エネルギーを有効に利用でき、環境にやさしい特性を持っているので、21世紀を担うエネルギー供給システムとして期待され、宇宙用から自動車用、携帯機器用まで、大規模発電から小規模発電まで、種々の用途に使用できる将来有望な新しい発電システムとして注目され、実用化に向けて技術開発が本格化している。
中でも、固体高分子形燃料電池は、他の種類の燃料電池に比べて、作動温度が低く、高い出力密度を持つ特徴が有り、特に近年、携帯機器(携帯電話、ノート型パーソナルコンピュータ、PDA、MP3プレーヤ、デジタルカメラあるいは電子辞書、電子書籍)などの電源への利用が期待されている。携帯機器用の固体高分子形燃料電池としては、複数の単セルを平面状に配列した平面配列型の燃料電池が知られている(特許文献1参照)。燃料としては、特許文献1に示したメタノールの他、水素吸蔵合金や水素ボンベに格納された水素を利用することが研究されている。
一般に燃料電池では、セル温度が高すぎると電解質膜が乾燥するドライアウトと呼ばれる現象が生じ、逆に、セル温度が低すぎると水が凝縮するフラッディングと呼ばれる現象が生じることにより発電性能が低下する。この対策として、ヒータを用いてセル温度を上昇させたり、冷却フィンを用いてセル温度を低下させる技術が知られている。しかし、従来の技術ではドライアウト抑制およびフラッディング抑制のための構造が複雑となるため、携帯機器用の燃料電池に求められるコンパクト化が困難になるという問題があった。
なお、特許文献2には、発電時に生ずる熱を可逆的に吸熱する潜熱蓄熱剤を有する燃料電池が開示されている。しかし、使用される潜熱蓄熱剤は1種類、言い換えると潜熱蓄熱剤の融点は1つであるため、ドライアウトとフラッディングの両方に対応することができない。
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、より簡便な構成でドライアウトおよびフラッディングの抑制が可能な燃料電池モジュールの提供にある。
本発明のある態様は、燃料電池モジュールである。当該燃料電池モジュールは、電解質膜と、電解質膜の一方の面に設けられたカソードと、電解質膜の他方の面に設けられたアノードとを含む燃料電池と、燃料電池に供給される水素を貯蔵する水素吸蔵合金を収容する燃料収容部と、燃料電池の動作時にドライアウトが生じ始める温度以下の融点を有する第1の蓄熱材と、燃料電池の動作時にフラッディングが生じ始める温度以上の融点を有する第2の蓄熱材とを含む潜熱蓄熱部と、を備え、潜熱蓄熱部が燃料電池および燃料収容部に熱的に接続していることを特徴とする。
この態様によれば、燃料電池の温度が第1の蓄熱材の融点にまで上昇すると、第1の蓄熱材の融解に伴う吸熱により燃料電池の温度の上昇が抑制されるため、ドライアウトの発生を抑制することができ、燃料電池の温度が第2の蓄熱材の融点にまで低下すると、第2の蓄熱材の凝固に伴う発熱により燃料電池の温度の低下が抑制されるため、フラッディングの発生を抑制することができる。すなわち、前記ヒータや冷却フィンなどの部材を用いることなく、より簡便な構成でドライアウトおよびフラッディングの抑制が可能である。また、潜熱蓄熱部が燃料収容部と熱的に接続していることにより以下のような効果が得られる。すなわち、燃料電池が発電している場合には、燃料収容部に内蔵された水素吸蔵合金から水素が放出されることに伴い、吸熱が生じる。このため、潜熱蓄熱部に蓄えられた熱が吸熱され、潜熱蓄熱部の蓄熱効果をより持続させることができる。また、燃料電池の運転を停止させた状態で燃料収容部に水素を充填すると、水素吸蔵合金への水素充填に伴い発熱が生じる。この熱により、凝固した蓄熱材を溶解させるとともに、燃料収容部を冷却させることができる。これにより水素充填に要する時間を短縮させるとともに、電解質膜の乾燥を防ぐことができる。
上記態様において、潜熱蓄熱部は、第1の蓄熱材と第2の蓄熱材とを内包し、柔軟性を有する部材を含んでもよい。また、潜熱蓄熱部は、燃料電池の中央領域に相当する領域において、第1の蓄熱材を第2の蓄熱材に比べて多く含有し、燃料電池の外周領域に相当する領域において、第2の蓄熱材を第1の蓄熱材に比べて多く含有してもよい。また、潜熱蓄熱部は、燃料電池の中央領域に相当する区画から外周領域に相当する区画に向けて複数区画化されており、各区画は、燃料電池の中央領域に相当する区画から外周領域に相当する区画に向けて第2の蓄熱材の含有比率が漸次多くなっていてもよい。また、第1の蓄熱材の融点は、所定の湿度範囲においてドライアウトが生じ始める温度の下限以下であり、第2の蓄熱材の融点は、所定の湿度範囲においてフラッディングが生じ始める温度の上限以上であってもよい。
また、燃料電池の温度を測定する温度センサと、温度センサによって測定された温度が上昇して第1の蓄熱材の融点に達した場合に、燃料電池の出力を下げ、温度センサによって測定された温度が低下して第2の蓄熱材の融点に達した場合に、燃料電池の出力を上げる制御部と、をさらに備えてもよい。
また、潜熱蓄熱部は、融点が異なる複数の第1の蓄熱材、および融点が異なる複数の第2の蓄熱材を含み、異なる湿度範囲において、複数の第1の蓄熱材のうち少なくとも一つの第1の蓄熱材は、ドライアウトが生じ始める温度の下限以下の融点を有するドライアウト抑制用の蓄熱材であり、異なる湿度範囲において、複数の第2の蓄熱材のうち少なくとも一つの第2の蓄熱材は、フラッディングが生じ始める温度の上限以上の融点を有するフラッディング抑制用の蓄熱材であってもよい。
また、燃料電池の温度を測定する温度センサと、燃料電池の周囲の湿度を測定する湿度センサと、温度センサによって測定された温度が上昇して、湿度センサによって測定された湿度を含む湿度範囲においてドライアウト抑制用の蓄熱材の融点に達した場合に、燃料電池の出力を下げ、温度センサによって測定された温度が低下して、湿度センサによって測定された湿度を含む湿度範囲においてフラッディング抑制用の蓄熱材の融点に達した場合に、燃料電池の出力を上げる制御部と、を備えてもよい。
本発明によれば、ドライアウトおよびフラッディングの抑制をより簡便な構成で実現できる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
図1は、実施の形態1に係る燃料電池モジュールの外観を示す斜視図である。図2は、図1のA−A線に沿った断面図である。
燃料電池モジュール10は、筐体20と、筐体20に収容された膜電極接合体12、水素吸蔵合金タンク60、潜熱蓄熱部50を主な構成として備える。なお、膜電極接合体12は、本明細書における「燃料電池」の一部または「燃料電池」そのものである。
筐体20には、膜電極接合体12のカソード側に対向する面(図1、2の上部)に複数の空気取入口22が設けられている。空気取入口22を通して、外部から筐体20の内部に酸化剤としての空気が流入可能である。
また、筐体20には、空気取入口22が設けられている面に対向する面近傍の側面(図1、2の下部)に水素充填口24が設けられている。水素充填口24は、水素吸蔵合金タンク60と連通しており、水素充填口24に水素が充填された外部ボンベ(図示せず)を接続することにより、水素吸蔵合金タンク60内に水素を注入することができる。
膜電極接合体12は、電解質膜30、カソード触媒層32およびアノード触媒層34を含む。
電解質膜30は、湿潤状態において良好なイオン伝導性を示すことが好ましく、カソード触媒層32とアノード触媒層34との間でプロトンを移動させるイオン交換膜として機能する。電解質膜30は、含フッ素重合体や非フッ素重合体等の固体高分子材料によって形成され、例えば、スルホン酸型パーフルオロカーボン重合体、ポリサルホン樹脂、ホスホン酸基又はカルボン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体等を用いることができる。スルホン酸型パーフルオロカーボン重合体の例として、ナフィオン(デュポン社製:登録商標)112などが挙げられる。また、非フッ素重合体の例として、スルホン化された、芳香族ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホンなどが挙げられる。電解質膜30の厚さは、たとえば10〜200μmである。
カソード触媒層32は、電解質膜30の一方の面に形成されている。カソード触媒層32には、外部から空気取入口22を経由して空気が供給される。また、アノード触媒層34は、電解質膜30の他方の面に形成されている。アノード触媒層34には、水素吸蔵合金タンク60から放出された水素が供給される。一対のカソード触媒層32とアノード触媒層34との間に電解質膜が30が狭持されることにより単セルが構成され、単セルは水素と空気中の酸素との電気化学反応により発電する。
カソード触媒層32およびアノード触媒層34は、それぞれイオン交換樹脂ならびに触媒粒子、場合によって炭素粒子を有する。
カソード触媒層32およびアノード触媒層34が有するイオン交換樹脂は、触媒粒子と電解質膜30とを接続し、両者間においてプロトンを伝達する役割を持つ。このイオン交換樹脂は、電解質膜30と同様の高分子材料から形成されてよい。触媒金属としては、Sc、Y、Ti、Zr、V、Nb、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Pt、Os、Ir、ランタノイド系列元素やアクチノイド系列の元素の中から選ばれる合金や単体が挙げられる。また触媒を担持する場合には炭素粒子として、ファーネスブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンナノチューブなどを用いてもよい。なお、カソード触媒層32およびアノード触媒層34の厚さは、それぞれ、たとえば10〜40μmである。
ガスケット80は、カソード触媒層32の周囲に位置する電解質膜30(電解質膜30のカソード側の外周部)と筐体20のカソード側の内周側面に設けられたカソード側固定部材90との間に設けられている。ガスケット80により、空気室110の密封性が高められている。
ガスケット82は、アノード触媒層34の周囲に位置する電解質膜30(電解質膜30のアノード側の外周部)と筐体20のアノード側の内周側面に設けられたアノード側固定部材92との間に設けられている。ガスケット82により、燃料ガス室112の密封性が高められ、燃料が漏洩することが抑制されている。
筐体20内にはアノード触媒層34と対向してシート状のガスシール部材40が設けられている。ガスシール部材40とアノード触媒層34との間に水素が充填される空間となる燃料ガス室112が形成されている。ガスシール部材40により燃料ガス室112の密封性が高められている。ガスシール部材40は、水素の流出を遮断でき、且つ膜電極接合体12からの熱を潜熱蓄熱部50に伝えることができる材料であればよく、たとえば、SUSやアルミニウム等の金属板が用いられる。ガスシール部材40は、「燃料電池」の一部である。
水素吸蔵合金タンク(燃料収容部)60は、膜電極接合体12のアノード側に対向する筐体20の内周面側に設けられている。水素吸蔵合金タンク60には、水素を吸蔵可能な水素吸蔵合金(たとえば、希土類系のMm(ミッシュメタル)Ni4.32Mn0.18Al0.1Fe0.1Co0.3)が格納されている。なお、水素吸蔵合金は、希土類系に限られず、たとえばTi−Mn系、Ti−Fe系、Ti−Zr系、Mg−Ni系、Zr−Mn系等であってもよい。
また、空気室110に面してカソード触媒層32の近傍に温度センサ28が設けられている。温度センサ28により燃料電池の温度が検出される。温度センサ28により検出された温度データは制御部100に送信される。
水素吸蔵合金タンク60の内部と燃料ガス室112とは、水素供給路70を介して連通している。具体的には、水素供給路70は、筐体20のアノード側の内周側面に沿って設けられており、水素供給路70の一方の端部において、レギュレータ71を介して水素供給路70と水素吸蔵合金タンク60の内部とが連通している。レギュレータ71により、外部ボンベから水素吸蔵合金に水素が補充される際や、水素吸蔵合金から水素が放出される際に、燃料ガス室112に供給される水素の圧力が低減され、アノード触媒層34が保護される。また、水素供給路70の他方の端部において、水素供給路70と燃料ガス室112とを連通する水素供給口72が設けられている。
制御部100は、レギュレータ71の開度を制御することにより、水素吸蔵合金タンク60から燃料ガス室112に供給される水素の量を調節して燃料電池の出力を制御する。
潜熱蓄熱部50は、融解時に吸熱反応を起こし、凝固時に発熱反応を起こす材料であり、物質の相変化時にエネルギーが消費されることを利用した蓄熱材を含む。蓄熱材の温度が融点付近に達すると加えられた熱エネルギーが相変化に費やされるため、温度が変化しない領域が生じる。これにより、蓄熱材の融点以上(または融点以下)に温度が変化することを抑制することができる。
潜熱蓄熱部50は、ガスシール部材40と水素吸蔵合金タンク60との間に設けられており、潜熱蓄熱部50はガスシール部材40および水素吸蔵合金タンク60と熱的に接続している。潜熱蓄熱部50は、アノード触媒層34とは反対側のガスシール部材40の主表面、およびアノード触媒層34側の水素吸蔵合金タンク60の外周面に接していることが好ましい。これにより、潜熱蓄熱部50と、ガスシール部材40および水素吸蔵合金タンク60との間の熱の伝達性を高めることができる。
図3は、潜熱蓄熱部50の構成を示す概略図である。潜熱蓄熱部50は、ゲル状シート51、第1の蓄熱材52aおよび第2の蓄熱材52bを含む。
ゲル状シート51は、第1の蓄熱材52aおよび第2の蓄熱材52bを内包する部材であり、柔軟性、形状追随性を有する。ゲル状シート51としては、シリコンゴムシートが挙げられる。ゲル状シート51により、潜熱蓄熱部50とガスシール部材40および水素吸蔵合金タンク60との密着性を高めることができる。特に、水素吸蔵合金タンク60は水素放出による体積変化が生じるため、潜熱蓄熱部50に柔軟性や形状追随性を持たせることにより、潜熱蓄熱部50と水素吸蔵合金タンク60との間に隙間が生じることを抑制する効果が大きい。
第1の蓄熱材52aおよび第2の蓄熱材52bとしては、蓄熱マイクロカプセルを用いることができる。蓄熱マイクロカプセルは、樹脂製のマイクロカプセルに有機系蓄熱材料を内包した構造を有する蓄熱材料である。有機系蓄熱材料の融点を調節することで目的の温度設定が可能である。
有機系蓄熱材料としては、脂肪族炭化水素化合物、アルコール、エステル、脂肪酸等が挙げられるが、以下のような特徴を持つ化合物であるノルマルパラフィンが望ましい。
・構成する炭素数が増す毎に融点が上昇し小刻みな融点設定が可能である。
・マイクロカプセル化が比較的容易である。
・複数の化合物を混合することにより任意の融点を設定することが可能である。
・マイクロカプセル化が比較的容易である。
・複数の化合物を混合することにより任意の融点を設定することが可能である。
マイクロカプセルの大きさ(粒子径)は、カプセル作製時に用いる乳化剤の種類と濃度、乳化時の乳化液の温度、乳化比(水相と油相の体積比率)、乳化機、分散機等と称される微粒化装置の運転条件(攪拌回転数、時間等)等を適宜調節して適宜設定することができる。マイクロカプセルの大きさとしては、10μm以下が好ましい。マイクロカプセルの大きさが10μmを超えると、マイクロカプセルが外圧により容易に破損しやすくなるため好ましくない。
第1の蓄熱材52aは、燃料電池の動作時にドライアウトが生じ始める温度(ドライアウト温度)以下の融点を有する蓄熱材である。一方、第2の蓄熱材52bは、燃料電池の動作時にフラッディングが生じ始める温度(フラッディング温度)以上の融点を有する蓄熱材である。
図4は、潜熱蓄熱部50による温度制御の概念を示す図である。セル温度が上昇してドライアウトが起こり始める温度T2に到達すると、融点T2の潜熱蓄熱材(第1の蓄熱材52a)の融解による吸熱が起こるため、セル温度の上昇が抑制される。制御部100は、セル温度の上昇が抑えられている間に燃料電池の出力を下げてセル温度を低下させる。これにより、ドライアウトの発生を回避することができる。
一方、セル温度が低下してフラッディングが起き始めるT1に到達すると、融点T1の潜熱蓄熱材(第2の蓄熱材52b)の凝固による吸熱が起こるため、セル温度の低下が抑制される。制御部100は、セル温度の低下が抑えられている間に燃料電池の出力を上げてセル温度を上昇させる。これにより、フラッディングの発生を回避することができる。
図5は、従来の燃料電池モジュールにおけるセル温度の変化を示すグラフである。一方、図6は、上述した潜熱蓄熱部50を用いた燃料電池モジュール10におけるセル温度の変化を示すグラフである。
図5に示すように、従来の燃料電池モジュールでは、セル温度が上昇し、ドライアウト温度T2を超えた時点で燃料電池の出力を下げた場合でも、セル温度はすぐには低下せずそのまま上昇し続け、オーバーシュートが生じる。このため、従来の燃料電池モジュールではドライアウトが生じうる。
一方、図6に示すように、本実施の形態に係る燃料電池モジュール10では、ドライアウト温度T2において、融点T2の潜熱蓄熱材(第1の蓄熱材52a)の融解による吸熱が起こるため、セル温度の上昇が抑制され、図5に示したようなオーバーシュートが抑制される。温度センサ28で検出された温度(セル温度)がドライアウト温度T2で一定となっている間に燃料電池の出力を下げることにより、オーバーシュートの発生を回避しつつ、セル温度をドライアウト温度T2以下に低下させることができる。この結果、急な負荷変動による温度変化が生じた場合にも、ドライアウトの発生を回避することができる。
一方、フラッディング温度T1においては、融点T1の潜熱蓄熱材(第2の蓄熱材52b)の凝固による発熱により、温度センサ28で検出された温度(セル温度)がフラッディング温度T1で一定となっている間に燃料電池の出力を上げることにより、オーバーシュートの発生を回避しつつ、セル温度をフラッディング温度T1以上に上昇させることができる。この結果、急な負荷変動による温度変化が生じた場合にも、フラッディングの発生を回避することができる。
次に、潜熱蓄熱部50が水素吸蔵合金タンク60と熱的に接続していることによる効果について説明する。燃料電池が発電している間、水素吸蔵合金タンク60に内蔵された水素吸蔵合金から水素が放出される。水素吸蔵合金からの水素放出に伴い、吸熱が生じる。このため、潜熱蓄熱部50に蓄えられた熱が吸熱され、潜熱蓄熱部50の蓄熱効果をより持続させることができる。特に、モバイル用機器を想定した場合には、水素吸蔵合金タンク60による吸熱は大きな意味がある。たとえば、蓄熱材をヒートシンクのような放熱材で冷却しようとしても、空間の狭いモバイル機器では熱気がこもり、ヒートシンクの冷却機能は低下してしまう。そのため潜熱蓄熱部50の蓄熱効果が持続しなくなる。それに対し、水素吸蔵合金タンク60は水素放出による一定の吸熱を続けることができるため、潜熱蓄熱部50の蓄熱効果を持続させることができる。
次に、外部環境の湿度変化を考慮した場合の潜熱蓄熱部50による温度制御について説明する。図7は、ドライアウト温度T2およびフラッディング温度T1の湿度依存性を示すグラフである。ドライアウト温度T2およびフラッディング温度T1は、湿度の上昇に伴い上昇する。このように、燃料電池のドライアウトおよびフラッディング開始温度は湿度に依存して変化し、たとえば、高湿度条件ではフラッディング温度T1が高くなるため、フラッディングしやすくなる。このため、外部環境の湿度変化に応じた温度制御が必要となる。
図7において、温度T2’は、ドライアウト温度T2の下限値(低湿度条件、たとえば、湿度20%におけるドライアウト温度)である。また、温度T1’は、フラッディング温度T1の上限値(高湿度条件、たとえば、湿度80%におけるフラッディング温度)である。図7に示すように、温度T1’から温度T2’の温度範囲では、湿度が変化してもドライアウトおよびフラッディングのいずれも生じない。このため、温度T1’から温度T2’の温度範囲は、燃料電池が湿度に依存せず安定的に発電可能な温度範囲である。
このことから、図3に示した第1の蓄熱材52aの融点をT2’とし、第2の蓄熱材52bの融点をT1’とすることにより、湿度に依存せず燃料電池を安定的に作動させることがきる。
より詳しくは、厳密にはドライアウト防止用の第1の蓄熱材52aの融点は、温度T2’より少なくとも1℃程度低く設定することが望ましい。たとえば、温度T2’が約55℃の場合には、第1の蓄熱材52aとして、ペンタコサン(融点53.0℃)を用いることができる。また、フラッディング防止用の第2の蓄熱材52bの融点は温度T1’より少なくとも1℃程度高く設定することが望ましい。たとえば、温度T1’が約45℃の場合には、第2の蓄熱材52bとして、トリコサン(融点47.7℃)を用いることができる。
湿度を考慮した場合の温度制御の概念は、図4に示した概念と基本的に同様である。すなわち、セル温度が上昇して温度T2’に到達すると、融点T2’の潜熱蓄熱材(第1の蓄熱材52a)の融解による吸熱が起こるため、セル温度の上昇が抑制される。セル温度の上昇が抑えられている間に燃料電池の出力を下げてセル温度を低下させることにより、ドライアウトの発生を回避することができる。
一方、セル温度が低下して温度T1’に到達すると、融点T1’の潜熱蓄熱材(第2の蓄熱材52b)の凝固による吸熱が起こるため、セル温度の低下が抑制される。セル温度の低下が抑えられている間に燃料電池の出力を上げてセル温度を上昇させることにより、フラッディングの発生を回避することができる。
このような湿度変化を考慮した温度制御の効果について説明する。上述した構成では、湿度センサを用いることなく湿度変化に応じた温度制御が可能となるため、燃料電池モジュールの構成を簡便化することができる。また、燃料電池を安定的に作動させるための制御として、セル温度が温度T1’に低下した場合に燃料電池の出力を上げ、セル温度が温度T2’に上昇した場合に燃料電池の出力を下げるだけで済むため、複雑な制御を要さず、簡便な制御が可能となる。
この他、燃料電池が発電を行っていない場合の効果を以下に説明する。燃料電池の運転を停止させた状態で、水素吸蔵合金タンク60に水素を充填すると、水素吸蔵合金への水素充填に伴い発熱が生じる。この熱により、凝固した蓄熱材を溶解させるとともに、水素吸蔵合金タンク60を冷却させることができる。これにより水素充填に要する時間を短縮させるとともに、電解質膜30の乾燥を防ぐことができる。
(実施の形態2)
図8は、実施の形態2に係る燃料電池モジュールの外観を示す斜視図である。図9は、図8のA−A線に沿った断面図である。実施の形態2に係る燃料電池モジュールの基本的な実施の形態1と同様である。このため、実施の形態2に係る燃料電池モジュールについて、実施の形態1と同様な構成については適宜説明を省略する。
図8は、実施の形態2に係る燃料電池モジュールの外観を示す斜視図である。図9は、図8のA−A線に沿った断面図である。実施の形態2に係る燃料電池モジュールの基本的な実施の形態1と同様である。このため、実施の形態2に係る燃料電池モジュールについて、実施の形態1と同様な構成については適宜説明を省略する。
図8に示すように、実施の形態2に係る燃料電池モジュール10では、空気取入口22の近傍の筐体20に湿度センサ26が設置されている。湿度センサ26により筐体20が置かれた環境の湿度が検出される。湿度センサ26で検出された湿度は、制御部100に送信される。
図10は、実施の形態2の燃料電池モジュール10に用いられる潜熱蓄熱部50の構成を示す概略図である。潜熱蓄熱部50は、ゲル状シート51、第1の蓄熱材52c(以下、蓄熱材Cと呼ぶ)、第1の蓄熱材52d(以下、蓄熱材Dと呼ぶ)、第1の蓄熱材52e(以下、蓄熱材Eと呼ぶ)、第2の蓄熱材52f(以下、蓄熱材Fと呼ぶ)、第2の蓄熱材52g(以下、蓄熱材Gと呼ぶ)および第2の蓄熱材52h(以下、蓄熱材Hと呼ぶ)を含む。蓄熱材C、蓄熱材Dおよび蓄熱材Eは、ドライアウト防止用の蓄熱材である。また、蓄熱材F、蓄熱材Gおよび蓄熱材Hは、フラッディング防止用の蓄熱材である。
図11は、ドライアウト温度T2およびフラッディング温度T1の湿度依存性、ならびに潜熱蓄熱部50が有する各蓄熱材の融点を示すグラフである。蓄熱材Cの融点Tcは、低湿度(たとえば、湿度20%)におけるドライアウト温度と同程度、あるいは、少なくとも1度程度低い。蓄熱材Dの融点Tdは、中湿度(たとえば、湿度50%)におけるドライアウト温度と同程度、あるいは、少なくとも1度程度低い。蓄熱材Eの融点Teは、高湿度(たとえば、湿度80%)におけるドライアウト温度と同程度、あるいは、少なくとも1度程度低い。
また、蓄熱材Fの融点Tfは、低湿度(たとえば、湿度20%)におけるフラッディング温度と同程度、あるいは、少なくとも1度程度高い。蓄熱材Gの融点Tgは、中湿度(たとえば、湿度50%)におけるフラッディング温度と同程度、あるいは、少なくとも1度程度高い。蓄熱材Hの融点Thは、高湿度(たとえば、湿度80%)におけるフラッディング温度と同程度、あるいは、少なくとも1度程度高い。
表1は、各湿度で想定されるドライアウト温度およびフラッディング温度の値を示す。表2は、各蓄熱材の材料の具体例と融点を示す。表3は、湿度範囲ごとの温度制御を担う蓄熱材の組み合わせを示す。
湿度が20〜50%の範囲では、蓄熱材Cがドライアウトを抑制するための温度制御を担い、蓄熱材Gがフラッディングを抑制するための温度制御を担う。すなわち、蓄熱材Cの融点は、湿度が20〜50%の範囲におけるドライアウト温度の下限以下である。また、蓄熱材Gの融点は、湿度が20〜50%の範囲におけるフラッディング温度の上限以上である。制御部100は、湿度センサ26により検出された湿度が20〜50%の範囲である場合に、温度センサ28で検出された温度(セル温度)が蓄熱材Cの融点Tcで一定となっている間に燃料電池の出力を下げる。また、制御部100は、温度センサ28で検出された温度(セル温度)が蓄熱材Gの融点Tgで一定となっている間に燃料電池の出力を上げる。
湿度が50〜80%の範囲では、蓄熱材Dがドライアウトを抑制するための温度制御を担い、蓄熱材Hがフラッディングを抑制するための温度制御を担う。すなわち、蓄熱材Dの融点は、湿度が50〜80%の範囲におけるドライアウト温度の下限以下である。また、蓄熱材Hの融点は、湿度が50〜80%の範囲におけるフラッディング温度の上限以上である。制御部100は、湿度センサ26により検出された湿度が50〜80%の範囲である場合に、温度センサ28で検出された温度(セル温度)が蓄熱材Dの融点Tdで一定となっている間に燃料電池の出力を下げる。また、制御部100は、温度センサ28で検出された温度(セル温度)が蓄熱材Hの融点Thで一定となっている間に燃料電池の出力を上げる。
湿度が80%より高い範囲では、蓄熱材Eがドライアウトを抑制するための温度制御を担い、蓄熱材Hがフラッディングを抑制するための温度制御を担う。なお、蓄熱材Hの融点は、湿度の上限値、たとえば湿度100%におけるフラッディング温度以上である。湿度センサ26により検出された湿度が80%より高い場合に、温度センサ28で検出された温度(セル温度)が蓄熱材Eの融点Teで一定となっている間に燃料電池の出力を下げる制御が行われる。また、温度センサ28で検出された温度(セル温度)が蓄熱材Hの融点Thで一定となっている間に燃料電池の出力を上げる制御が行われる。これにより、より広い湿度範囲での温度制御が可能となる。
本実施の形態によれば、湿度範囲に応じてドライアウト抑制およびフラッディング抑制に適した蓄熱材が温度制御を担うため、各湿度範囲において、燃料電池が安定的に作動可能な温度範囲を広げることができる。言い換えると、燃料電池本来の安定作動領域により近い温度範囲にて燃料電池を作動させることができる。
(実施の形態3)
図12は、実施の形態3に係る燃料電池モジュールの断面図である。図13は、実施の形態3の燃料電池モジュールに用いられる潜熱蓄熱部の構成を示す斜視図である。
図12は、実施の形態3に係る燃料電池モジュールの断面図である。図13は、実施の形態3の燃料電池モジュールに用いられる潜熱蓄熱部の構成を示す斜視図である。
本実施の形態では、潜熱蓄熱部50は、蓄熱材固定枠200の枠内に固定された状態で潜熱蓄熱部50a、潜熱蓄熱部50b、潜熱蓄熱部50cの3つの領域(区画)に分割されている。蓄熱材固定枠200は、金属材料、樹脂材料などで形成される。
潜熱蓄熱部50aが設けられている領域は、燃料電池モジュール10の中央領域に相当している。潜熱蓄熱部50bは、潜熱蓄熱部50aの周囲の領域に設けられている。また、潜熱蓄熱部50cは、潜熱蓄熱部50bの周囲に設けられており、潜熱蓄熱部50cが設けられている領域は、燃料電池モジュール10の外周領域に相当している。
潜熱蓄熱部50aでは、フラッディング防止用の蓄熱材の含有量(質量%)がドライアウト防止用の蓄熱材の含有量(質量%)より多い。潜熱蓄熱部50bでは、フラッディング防止用の蓄熱材の含有量(質量%)がドライアウト防止用の蓄熱材の含有量(質量%)と同等である。また、潜熱蓄熱部50cでは、フラッディング防止用の蓄熱材の含有量(質量%)がドライアウト防止用の蓄熱材の含有量(質量%)より少ない。言い換えると、潜熱蓄熱部50は、燃料電池モジュール10の中央領域に相当する区画から外周領域に相当する区画に向けて複数区画化されており、潜熱蓄熱部50a、潜熱蓄熱部50b、潜熱蓄熱部50cの順でドライアウト防止用の蓄熱材の含有比率が漸次多くなっている。
一般に、燃料電池モジュールの温度は中心に近いほど高くなり、外側になるほど低くなる。このため、燃料電池モジュールの中央領域においてドライアウトが起こりやすく、燃料電池モジュールの外周領域では、フラッディングが起こりやすいと考えられる。本実施の形態では、潜熱蓄熱部50が含有する蓄熱材の分布を変えてあり、燃料電池モジュールの中央領域に相当する領域においては、相対的に高融点を有するドライアウト防止用の蓄熱材の含有割合を多くし、燃料電池モジュールの外周領域に相当する領域においては、相対的に低融点を有するフラッディング防止用の蓄熱材の含有割合を多くしている。
これにより、燃料電池モジュール10の温度分布に応じたドライアウト抑制およびフラッディング抑制が可能になるため、燃料電池をより安定的に作動させることができる。
なお、本実施の形態では、ドライアウト防止用の蓄熱材とフラッディング防止用の蓄熱材の含有割合が領域ごとに段階的に異なっているが、ドライアウト防止用の蓄熱材の含有量を燃料電池モジュール10の中央領域から外周領域に向けて連続的に減少させてもよい。
なお、本実施の形態では、ドライアウト防止用の蓄熱材とフラッディング防止用の蓄熱材の含有割合が領域ごとに段階的に異なっているが、ドライアウト防止用の蓄熱材の含有量を燃料電池モジュール10の中央領域から外周領域に向けて連続的に減少させてもよい。
本発明は、上述の各実施の形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれうるものである。
例えば、上述の各実施の形態の燃料電池モジュール10では、一組の膜電極接合体12が例示されており、燃料電池は単セルとなっているが、膜電極接合体12が平面状に複数配設され、インターコネクタ、集電体、配線などの電気接続部材により複数の膜電極接合体12が直列に接続された構成も取り得る。また、本発明が適用される燃料電池は、膜電極接合体12が積層されたスタック構造を有してもよい。
10 燃料電池モジュール、12 膜電極接合体、20 筐体、22 空気取入口、24 水素充填口、26 湿度センサ、28 温度センサ、30 電解質膜、32 カソード触媒層、34 アノード触媒層、50 潜熱蓄熱部、60 水素吸蔵合金タンク、80,82 ガスケット、100 制御部、110 空気室、112 燃料ガス室、200 蓄熱材固定枠
Claims (8)
- 電解質膜と、前記電解質膜の一方の面に設けられたカソードと、前記電解質膜の他方の面に設けられたアノードとを含む燃料電池と、
前記燃料電池に供給される水素を貯蔵する水素吸蔵合金を収容する燃料収容部と、
前記燃料電池の動作時にドライアウトが生じ始める温度以下の融点を有する第1の蓄熱材と、前記燃料電池の動作時にフラッディングが生じ始める温度以上の融点を有する第2の蓄熱材とを含む潜熱蓄熱部と、
を備え、
前記潜熱蓄熱部が前記燃料電池および前記燃料収容部に熱的に接続していることを特徴とする燃料電池モジュール。 - 前記潜熱蓄熱部は、前記第1の蓄熱材と前記第2の蓄熱材とを内包し、柔軟性を有する部材を含む請求項1に記載の燃料電池モジュール。
- 前記潜熱蓄熱部は、前記燃料電池の中央領域に相当する領域において、前記第1の蓄熱材を前記第2の蓄熱材に比べて多く含有し、前記燃料電池の外周領域に相当する領域において、前記第2の蓄熱材を前記第1の蓄熱材に比べて多く含有する請求項1または2に記載の燃料電池モジュール。
- 前記潜熱蓄熱部は、前記燃料電池の中央領域に相当する区画から外周領域に相当する区画に向けて複数区画化されており、各区画は、前記燃料電池の中央領域に相当する区画から外周領域に相当する区画に向けて前記第2の蓄熱材の含有比率が漸次多くなる請求項1または2に記載の燃料電池モジュール。
- 前記第1の蓄熱材の融点は、所定の湿度範囲においてドライアウトが生じ始める温度の下限以下であり、
前記第2の蓄熱材の融点は、所定の湿度範囲においてフラッディングが生じ始める温度の上限以上である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の燃料電池モジュール。 - 前記燃料電池の温度を測定する温度センサと、
前記温度センサによって測定された温度が上昇して前記第1の蓄熱材の融点に達した場合に、前記燃料電池の出力を下げ、前記温度センサによって測定された温度が低下して前記第2の蓄熱材の融点に達した場合に、前記燃料電池の出力を上げる制御部と、
をさらに備える請求項1乃至4のいずれか1項に記載の燃料電池モジュール。 - 前記潜熱蓄熱部は、融点が異なる複数の第1の蓄熱材、および融点が異なる複数の第2の蓄熱材を含み、
異なる湿度範囲において、前記複数の第1の蓄熱材のうち少なくとも一つの第1の蓄熱材は、ドライアウトが生じ始める温度の下限以下の融点を有するドライアウト抑制用の蓄熱材であり、
異なる湿度範囲において、前記複数の第2の蓄熱材のうち少なくとも一つの第2の蓄熱材は、フラッディングが生じ始める温度の上限以上の融点を有するフラッディング抑制用の蓄熱材である請求項1または2に記載の燃料電池モジュール。 - 前記燃料電池の温度を測定する温度センサと、
前記燃料電池の周囲の湿度を測定する湿度センサと、
前記温度センサによって測定された温度が上昇して、前記湿度センサによって測定された湿度を含む湿度範囲においてドライアウト抑制用の蓄熱材の融点に達した場合に、前記燃料電池の出力を下げ、
前記温度センサによって測定された温度が低下して、前記湿度センサによって測定された湿度を含む湿度範囲においてフラッディング抑制用の蓄熱材の融点に達した場合に、前記燃料電池の出力を上げる制御部と、
を備えることを特徴とする請求項7に記載の燃料電池モジュール。
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