JP2021157873A - 燃料電池及び燃料電池の運転方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】カソードの劣化を簡易に抑制する。【解決手段】電解質膜(1)と、前記電解質膜(1)の両側に1対の電極(2)と、を備える燃料電池(10)であって、前記1対の電極(2)のアノード側に複数のガス貯蔵体(60)を備え、前記ガス貯蔵体(60)は、水素ガスを貯蔵し、エネルギーが付与されると前記貯蔵した水素ガスを放出する燃料電池(10)。【選択図】図1
Description
本発明は、燃料電池及び燃料電池の運転方法に関する。
固体高分子型燃料電池では、起動時、カソードからアノードへ酸素ガスが流入し、水素ガスと酸素ガスの界面が生じることがある。この界面は水素フロントと呼ばれる。アノード側に水素フロントが存在すると、カソード側でカーボンと水から電子を生成する反応が生じ、触媒を担持するカーボン担体の腐食が起こって、カソードを劣化させる(特許文献1及び2参照)。
より簡易にカソードの劣化を抑制できるシステムが望まれていた。
本発明は、カソードの劣化を簡易に抑制することを目的とする。
本発明の一態様の燃料電池(10)は、電解質膜(1)と、前記電解質膜(1)の両側に1対の電極(2)と、を備える燃料電池(10)であって、前記1対の電極(2)のアノード側に複数のガス貯蔵体(60)を備え、前記ガス貯蔵体(60)は、水素ガスを貯蔵し、エネルギーが付与されると前記貯蔵した水素ガスを放出する。
本発明の他の一態様の燃料電池(10)の運転方法は、電解質膜(1)と、前記電解質膜(1)の両側に1対の電極と、を備える燃料電池(10)の運転方法であって、前記燃料電池(10)は、前記1対の電極(2)のアノード側に、水素ガスを貯蔵する複数のガス貯蔵体(60)を備え、前記燃料電池(10)の起動時、前記ガス貯蔵体(60)にエネルギーを付与し、前記ガス貯蔵体(60)が貯蔵する水素ガスを放出させる。
本発明によれば、カソードの劣化を簡易に抑制することができる。
以下、本発明の燃料電池及び燃料電池の運転方法の実施の形態について、図面を参照して説明する。以下に説明する構成は、本発明の一例(代表例)であり、この構成に限定されない。
図1は、燃料電池10の運転システム50の一例を示す。図2は、本発明の一実施形態の燃料電池10の構成を示す。図中、z方向は燃料電池10のスタック方向を表す。x方向及びy方向は、z方向に直交する面内において互いに直交する方向である。
図1に示すように、運転システム50は、z方向にスタックされた複数の燃料電池10(セル)へ燃料ガスを供給し、その運転を管理する。スタックされた燃料電池10のz方向両端には1対のマニホールドMが設けられる。マニホールドMには燃料ガスを供給又は排気するためのガス流路51a及び51bが接続されている。ガス流路51a及び51bは、ガス管等により構成され得る。
運転システム50は、水素ガスのタンク52a及びコンプレッサー52bを備える。運転システム50は、ガス流路51a及びマニホールドMを介して燃料電池10へ、タンク52aから水素ガスを供給し、コンプレッサー52bにより酸素ガスを含む空気を供給する。供給された水素ガス及び酸素ガスは、各燃料電池10内に設けられた流路に沿って流れ、マニホールドMを介してガス流路51bへと排気される。
運転システム50は、タンク52aに接続されたガス流路51a上に制御弁53aを備え、排気側のガス流路51b上にパージ弁53bを備える。また、運転システム50は、水素ガスの排気側のガス流路51bと供給側のガス流路51aの間に循環ポンプ54を備える。循環ポンプ54は、排気された水素ガスを再利用のためにガス流路51aへ戻す。
運転システム50は、ECU(Electronic Control Unit)等の制御装置55を備える。制御装置55は、燃料電池10の出力電圧やガス流路51a及び51bにおけるガス圧等に基づいて、制御弁53a又はパージ弁53bの開閉制御を行って燃料ガスの供給量又は排気量を制御する。同様に、制御装置55は循環ポンプ54を制御して水素ガスの循環量を制御する。
また、運転システム50は、燃料電池10の周囲に配置されたエネルギー付与部80を備える。エネルギー付与部80は、赤外線等のエネルギー線の照射や加熱等によってエネルギーを付与する。エネルギー付与部80としては、例えば赤外線ランプ、紫外線ランプ等の光源、ヒーター等の熱源を使用できる。本実施形態では、エネルギー付与部80として、x−z面に赤外線を発光する面発光型の赤外線ランプが1対のマニホールドM間に設けられる。
(燃料電池)
本実施形態において、燃料電池10は固体高分子型燃料電池である。図2に示すように、燃料電池10は、MEA3、1対のセパレータ4、サブガスケット5及びシール材7を備える。MEA3は、電解質膜1及び1対の電極2を備える。電解質膜1の両側にはそれぞれ電極2及びセパレータ4が積層されている。
本実施形態において、燃料電池10は固体高分子型燃料電池である。図2に示すように、燃料電池10は、MEA3、1対のセパレータ4、サブガスケット5及びシール材7を備える。MEA3は、電解質膜1及び1対の電極2を備える。電解質膜1の両側にはそれぞれ電極2及びセパレータ4が積層されている。
電解質膜1は、イオン伝導性の高分子電解質の膜である。電解質膜1としては、例えばナフィオン(登録商標)、フレミオン(登録商標)、アシプレックス(登録商標)、アクイヴィオン(登録商標)等のパーフルオロスルホン酸ポリマー;スルホン化ポリエーテルエーテルケトン(SPEEK)、スルホン化ポリイミド等の芳香族系ポリマー;ポリビニルスルホン酸、ポリビニルリン酸等の脂肪族系ポリマー等が挙げられる。
電解質膜1は、耐久性向上の観点から、多孔質基材1aに高分子電解質を含浸させた複合膜であってもよい。多孔質基材1aとしては、高分子電解質を担持できるのであれば特に限定されず、多孔質、織布状、不織布状、フィブリル状等の膜を用いることができる。多孔質基材1aの材料としても特に限定されないが、イオン伝導性を高める観点から、上述したような高分子電解質を用いることができる。なかでも、フッ素系ポリマーであるポリテトラフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン等は、強度及び形状安定性に優れる。
1対の電極2のうち、一方の電極2はアノードであり、燃料極とも呼ばれる。他方の電極2はカソードであり、空気極とも呼ばれる。燃料ガスとして、アノードには水素ガスが供給され、カソードには酸素ガスを含む空気が供給される。
アノードでは、水素ガス(H2)が供給され、当該水素ガス(H2)から電子(e−)とプロトン(H+)を生成する反応が生じる。電子は、図示しない外部回路を経由してカソードへ移動する。この電子の移動により外部回路では電流が発生する。プロトンは電解質膜1を経由してカソードへ移動する。
カソードでは、酸素ガス(O2)が供給され、外部回路から移動してきた電子により酸素イオン(O2 −)が生成される。酸素イオンは、電解質膜1から移動してきたプロトン(2H+)と結合して、水(H2O)になる。
電極2は、触媒層21を備える。本実施形態の電極2は、燃料ガスの拡散性向上のため、さらにガス拡散層22を備える。
触媒層21は、触媒によって水素ガス及び酸素ガスの反応を促進する。触媒層21は、触媒と、触媒を担持する担体及びこれらを被覆するアイオノマーを含む。
触媒としては、例えば白金(Pt)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、タングステン(W)等の金属、これら金属の混合物、合金等が挙げられる。なかでも、触媒活性、一酸化炭素に対する耐被毒性、耐熱性等の観点から、白金、白金を含む混合物、合金等が好ましい。
触媒としては、例えば白金(Pt)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、タングステン(W)等の金属、これら金属の混合物、合金等が挙げられる。なかでも、触媒活性、一酸化炭素に対する耐被毒性、耐熱性等の観点から、白金、白金を含む混合物、合金等が好ましい。
担体としてはメソポーラスカーボン、Ptブラック等の細孔を有する導電性の多孔性金属化合物が挙げられる。分散性が良好で表面積が大きく、触媒の担持量が多い場合でも高温での粒子成長が少ない観点からは、メソポーラスカーボンが好ましい。
アイオノマーとしては、電解質膜1と同様のイオン伝導性の高分子電解質を使用することができる。
アイオノマーとしては、電解質膜1と同様のイオン伝導性の高分子電解質を使用することができる。
ガス拡散層22は、供給された燃料ガスを触媒層21に均一に拡散することができる。ガス拡散層22としては、例えば導電性、ガス透過性及びガス拡散性を有するカーボン繊維等の多孔性繊維シートの他、発泡金属、エキスパンドメタル等の金属板等を用いることができる。
セパレータ4は、複数のリブ4bが表面に設けられたプレートであり、バイポーラプレートとも呼ばれる。各リブ4bによってセパレータ4の表面に凹部4aが設けられる。凹部4aは、セパレータ4とMEA3との間に燃料ガスの流路を形成する。この流路は、燃料ガスの反応によって生じた水の排出路でもある。
セパレータ4の材料としては、例えばカーボンの他、ステンレス鋼等の金属が用いられる。
サブガスケット5は、MEA3の端部に設けられるフィルム又はプレートである。具体的には、触媒層21よりも外周側の電解質膜1の端部を挟むように、2つのフレーム状のサブガスケット5が設けられる。このようなサブガスケット5は、MEA3の支持体又は端部の保護部材として機能する。また、サブガスケット5は、外周縁部においてセパレータ4と当接し、燃料電池10内部のガスを封止する。
サブガスケット5の材料としては、導電性が低い樹脂を用いることができる。樹脂材料としては特に限定されず、例えばポリフェニレンスルフィド(PPS)、ガラス入りポリプロピレン(PP−G)、ポリスチレン(PS)、シリコーン樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられる。
シール材7は、サブガスケット5とセパレータ4の間に配置される。サブガスケット5とセパレータ4とは、シール材7を介して当接する。シール材7により、燃料電池10のガスの封止性を高めることができる。シール材7としては、エラストマー材料等を使用できる。
(ガス貯蔵体)
燃料電池10は、アノード側に複数のガス貯蔵体60を備える。
燃料電池10は、アノード側に複数のガス貯蔵体60を備える。
ガス貯蔵体60は、水素ガスを貯蔵し、エネルギーが付与されると貯蔵した水素ガスを放出する。ガス放出のためのエネルギーは、例えば赤外線の照射、加熱等により付与することができる。
燃料電池10の運転停止後、アノードにおいて水素ガスと酸素ガスの界面、すなわち水素フロントが形成されることがある。カソードに残留する空気がアノード側へと流出するか、水分除去のため窒素ガス又は空気によるパージが行われるためである。水素フロントが存在すると、燃料電池10の始動時、水素フロントを境界として一方側では水素ガスからプロトンを生成する反応が起こり、他方側では当該プロトンと酸素ガスから水が生成する反応が進行する。この反応にプロトンを提供しようと、カソードではカーボンと水とからプロトンを生成する反応が進行する。その結果、触媒層21等に使用されるカーボンが腐食し、カソードが劣化する。
このように水素フロントが形成された場合でも、燃料電池10の起動時にガス貯蔵体60から水素ガスを燃料電池10のアノード側の内部空間に放出することにより、アノードから酸素ガスを排出させてカソード腐食の要因となる水素フロントの迅速な解消を図ることができる。
ガス貯蔵体60としては、例えば多孔質ガラスビーズ、ガス吸蔵合金等を用いることができる。導電性等の物性に及ぼす影響を減らす観点から、多孔質ガラスビーズが好ましく、細孔の形成性の観点からは、ホウケイ酸ガラスビーズがより好ましい。特に、酸化鉄(Fe3O4)がドープされたホウケイ酸ガラスビーズは、水素ガスの貯蔵に適している。
水素ガスを吸蔵した多孔質ガラスビーズは、例えばホウケイ酸又はアルミナホウケイ酸等のガラスフリットを、必要に応じて0.1〜10質量%の酸化鉄を配合して熱し、500〜700℃の温度下で溶融した状態で水素雰囲気にして急冷し、粒子状に成形することで形成することができる。水素ガスを吸蔵した多孔質ガラスビーズは、例えばDouglas B. Rapp, James E. Shelby, “Photo-Induced Hydrogen outgassing of glass, Journal of Non Crystalline Solids”, 349(2004)pp.254-259等を参照できる。
ガス貯蔵体60のサイズは、ガスの貯蔵量に応じて設定すればよいが、多孔質ガラスビーズの場合、その粒径は例えば0.1〜1000μmとすることができる。
ガス貯蔵体60の配合量は、ガス貯蔵体60のガス吸蔵量と、酸素ガスの排出に十分なガス量とに応じて適宜決定すればよい。
ガス貯蔵体60は、アノード側の電解質膜1、触媒層21、ガス拡散層22、セパレータ4、サブガスケット5及びシール材7の各部材の1つ以上に配置され得る。ガス貯蔵体60は、各部材の内部に配置されてもよいし、表面に配置されてもよい。なお、電解質膜1のアノード側とは電解質膜1のz方向中心よりもアノード側をいう。
ガス貯蔵体60の配置方法は特に限定されず、配置される部材に適切な方法を選択できる。ガス貯蔵体60の水素ガスの吸蔵は、ガス貯蔵体60の配置前であっても配置後であってもよい。
例えば、ガス拡散層22の内部に配置する場合は、多孔性繊維シート等の繊維間にガス貯蔵体60を混入させてもよい。電解質膜1の内部に配置する場合は、多孔質基材1aに含浸させる高分子電解質にガス貯蔵体60を混合してもよい。またガス貯蔵体60を混合した樹脂組成物を用いて多孔質基材1aを成形し、多孔質基材1a中に配置させてもよい。また、触媒層21のインク中にガス貯蔵体60を混合して電解質膜1上に塗布することにより、内部にガス貯蔵体60が配置された触媒層21が形成され得る。サブガスケット5の場合は、その脂組成物中にガスを吸蔵させたガス貯蔵体60を混合し、この樹脂組成物を用いて溶融キャスト法によりフィルム成形した後、低温乾燥することにより、サブガスケット5内にガス貯蔵体60を配置できる。
各部材の表面に配置する場合は、ガス貯蔵体60を含むインクを部材の表面上に塗布することにより形成することができる。ガス貯蔵体60の位置を固定する観点から、インクはバインダー樹脂を含むことができる。また、ガス貯蔵体60を表面上の異なる位置に均一に分散させる観点から、インクは分散剤を含むことができる。
発電性能への影響を減らす観点からは、ガス貯蔵体60は、電極2の周囲、特に発電の活性領域である触媒層21の周囲に配置されることが好ましい。例えば、ガス貯蔵体60は、電解質膜1の内部又は表面であって触媒層21の周囲に配置されてもよいし、サブガスケット5の内部又は表面に配置されてもよい。
一方、ガス拡散層22は、電解質膜1や電極2に比べて導電性が求められない。よって、ガス貯蔵体60は、ガス拡散層22の表面又は内部において面内方向(x−y平面)の異なる位置に分散するように配置されてもよい。
ガス貯蔵体60は、アノード側のセパレータ4に設けられた流路における水素ガスの流れ方向に応じた位置に配置され得る。例えば、ガス貯蔵体60が流れ方向の上流側に配置された場合、上流側から下流側へ酸素ガスを押し出して排気させやすい。
図3は、ガス拡散層22におけるガス貯蔵体60の配置例を示す。
通常、ガス拡散層22の面積は、セパレータ4の凹部4aにより形成される流路20より大きく、流路20を覆うようにガス拡散層22の位置が調整される。流路20の面積は触媒層21より広く、流路20が触媒層21の領域に重なるようにセパレータ4の配置位置が調整される。
通常、ガス拡散層22の面積は、セパレータ4の凹部4aにより形成される流路20より大きく、流路20を覆うようにガス拡散層22の位置が調整される。流路20の面積は触媒層21より広く、流路20が触媒層21の領域に重なるようにセパレータ4の配置位置が調整される。
流路20はサーペンタイン状であり、インレットP1及びアウトレットP2に通じる。インレットP1及びアウトレットP2は、マニホールドMを介して水素ガスのガス流路51a又は51bに接続される。水素ガスはインレットP1から供給され、流路20を通ってアウトレットP2へ流れる。なお、インレットP3及びアウトレットP4は、セパレータ4がカソード側に配置された場合に酸素ガスのガス流路51a又は51bに接続される貫通孔である。
図3に示す例において、ガス貯蔵体60は、ガス拡散層22の面内方向において水素ガスの流れ方向上流側、すなわちインレットP1側に配置される。インレットP1に近いほどガス貯蔵体60の配合量を増やす等、ガス貯蔵体60の配合量が水素ガスの流れ方向に応じて調整されてもよい。
(燃料電池の運転方法)
本実施形態の運転システム50は、燃料電池10の運転停止後、アノードに存在する水素フロントの解消を図るため、燃料電池10の起動時に下記処理を実行する。
本実施形態の運転システム50は、燃料電池10の運転停止後、アノードに存在する水素フロントの解消を図るため、燃料電池10の起動時に下記処理を実行する。
図4は、運転システム50が燃料電池10を起動するときのフローチャートである。
図4に示すように、運転システム50では、まずエネルギー付与部80が燃料電池10にエネルギーを付与し、ガス貯蔵体60から水素ガスを放出させる(ステップS1)。次いで、制御装置55の制御により水素ガスのガス流路51b上のパージ弁53bが開く(ステップS2)。
図4に示すように、運転システム50では、まずエネルギー付与部80が燃料電池10にエネルギーを付与し、ガス貯蔵体60から水素ガスを放出させる(ステップS1)。次いで、制御装置55の制御により水素ガスのガス流路51b上のパージ弁53bが開く(ステップS2)。
これにより、アノードにおいて水素フロントが形成されている場合であっても、ガス貯蔵体60から放出された水素ガスがアノード側の酸素ガスを流路へと押し出して、燃料電池10の外部へ排気することができる。
次いで、制御装置55が制御弁53aを開き、タンク52aからアノードへ水素ガスを供給させる(ステップS3)。例えば、ガス貯蔵体60が吸蔵可能なガス量から、水素フロントによるカソード腐食が発生しない程度に酸素ガスを排出するために必要な時間を予め実験的に求め、制御装置55がこの時間の経過後に制御弁53aを開くようにすればよい。十分にアノード側を水素ガスで満たした後、制御装置55はコンプレッサー52bにより空気をカソード側へ供給させ、運転を開始させる(ステップS4)。
なお、過剰な水素ガスの供給によりアノードからカソードへ水素ガスが漏れないように、制御装置55がアノード側のガス圧とカソード側のガス圧とを調整してもよい。具体的には、アノードとカソードとでガス圧が等しくなるように、タンク52aからの水素ガスの供給量とコンプレッサー52bからの空気量の供給とが制御される。
起動時の放出により、ガス貯蔵体60の水素ガスの貯蔵量は減るが、ガス貯蔵体60は運転中に供給される水素ガスを新たに貯蔵するため、次の起動時にも水素ガスを放出することができる。水素ガスを補充することなく、ガス放出を繰り返すことができる。
以上のように、本実施形態によれば、燃料電池10がアノード側にガス貯蔵体60を備える。ガス貯蔵体60は水素ガスを貯蔵し、燃料電池10の起動時に貯蔵した水素ガスを放出して水素フロントの迅速な解消を図ることができる。ガス貯蔵体60は、エネルギーが付与されると貯蔵した水素ガスを放出するため、水素ガスの放出のタイミングの制御も容易である。よって、カソードの劣化を簡易に抑制することができる。
また、ガス貯蔵体60は運転中に供給される水素ガスを新たに貯蔵し、次の起動時に放出する。水素ガスの貯蔵のための作業が不要であり、メンテナンスも簡易である。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されない。
例えば、本発明は、車両、電車等の移動体に駆動電力を供給する発電システム、定置式発電システム等の燃料電池に適用することができる。
また、上記実施形態において固体高分子型燃料電池の例を説明したが、水素フロントが生じ得る固体酸化物型燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)においても、本発明を適用することができる。
また、上記実施形態において固体高分子型燃料電池の例を説明したが、水素フロントが生じ得る固体酸化物型燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)においても、本発明を適用することができる。
10・・・燃料電池、1・・・電解質膜、2・・・電極、4・・・セパレータ、5・・・サブガスケット、7・・・シール材、50・・・燃料電池の運転システム、53b・・・パージ弁、55・・・制御装置、60・・・ガス貯蔵体
Claims (7)
- 電解質膜(1)と、前記電解質膜(1)の両側に1対の電極(2)と、を備える燃料電池(10)であって、
前記1対の電極(2)のアノード側に複数のガス貯蔵体(60)を備え、
前記ガス貯蔵体(60)は、水素ガスを貯蔵し、エネルギーが付与されると前記貯蔵した水素ガスを放出する
燃料電池(10)。 - 前記ガス貯蔵体(60)は、電解質膜(1)のアノード側の表面又は内部であって前記電極(2)の周囲に配置される
請求項1に記載の燃料電池(10)。 - 前記電極(2)は、前記電解質膜(1)上に触媒層(21)と、前記触媒層(21)上にガス拡散層(22)と、を備え、
前記ガス貯蔵体(60)は、アノード側の前記ガス拡散層(22)の内部又は表面に配置される
請求項1又は2に記載の燃料電池(10)。 - 前記1対の電極(2)の両側に1対のセパレータ(4)を備え、
前記ガス貯蔵体(60)は、前記セパレータ(4)に設けられた流路における水素ガスの流れ方向に応じた位置に配置される
請求項1〜3のいずれか一項に記載の燃料電池(10)。 - 前記ガス貯蔵体(60)は、多孔質ガラスビーズである
請求項1〜4のいずれか一項に記載の燃料電池(10)。 - 電解質膜(1)と、前記電解質膜(1)の両側に1対の電極と、を備える燃料電池の運転方法であって、
前記燃料電池(10)は、前記1対の電極(2)のアノード側に、水素ガスを貯蔵する複数のガス貯蔵体(60)を備え、
前記燃料電池(10)の起動時、前記ガス貯蔵体(60)にエネルギーを付与し、前記ガス貯蔵体(60)が貯蔵する水素ガスを放出させる
燃料電池(10)の運転方法。 - 前記ガス貯蔵体(60)は、前記燃料電池(10)の運転中に供給される水素ガスを貯蔵する
請求項6に記載の燃料電池(10)の運転方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2020054326A JP2021157873A (ja) | 2020-03-25 | 2020-03-25 | 燃料電池及び燃料電池の運転方法 |
PCT/IB2021/052203 WO2021191737A1 (ja) | 2020-03-25 | 2021-03-17 | 燃料電池及び燃料電池の運転方法 |
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