JP4551608B2 - 燃料電池および電気機器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池およびそれを用いた電気機器に関わる。
【0002】
【従来の技術】
従来、電気機器を使用するために、種々の一次電池、二次電池が使用されてきた。しかし、最近の小型電気機器の高性能化に伴い、消費電力が大きくなり、一次電池では、小型軽量で、十分なエネルギーを供給できなくなっている。一方、二次電池においては、繰り返し充電して使用できるという利点はあるものの、一回の充電で使用できるエネルギーは一次電池よりも更に少ない。そして、二次電池の充電の為には、別の電源が必要である上、充電には通常数十分から数時間かかり、いつでもどこでもすぐに使用できる様にするということは困難である。今後、電気機器のますますの小型、軽量化が進み、ワイヤレスのネットワーク環境が整うことにより、機器を持ち運んで使用する傾向が高まる中で、従来の一次電池、二次電池では機器の駆動に十分なエネルギーを供給することは困難である。
【0003】
このような問題の解決策として、燃料電池が注目されている。燃料電池は従来、大型の発電機、自動車用の駆動源として開発が進められてきた。これは燃料電池が、従来の発電システムに比べて、発電効率が高く、しかも廃棄物がクリーンであることが主な理由である。一方、燃料電池が小型電気機器の駆動源として有用な理由に体積当たり、重量当たりの供給可能なエネルギー量が従来の電池に比べて、数倍から十倍近くであることが挙げられる。さらに、燃料のみを交換すれば連続して使用が可能であるため、他の二次電池の様に充電に時間がかかることもない。
【0004】
燃料電池には、様々な方式のものが発明されているが、小型電気機器、とりわけ持ち運びして使用する機器に対しては、固体高分子型燃料電池が適している。
これは、常温に近い温度で使用でき、また、電解質が液体ではなく固体であるので、安全に持ち運べるという利点を有しているためである。
【0005】
小型電気機器用の燃料電池の燃料としては、メタノール型が検討されてきた。
これは、メタノールが保存しやすく、また入手しやすい燃料であることが主な理由である。
【0006】
また、大きな出力を得るための燃料電池には、水素を燃料に使用するのが効果的である。常圧下において気体である水素を貯蔵する方法としては、第一の方法に水素を圧縮して高圧ガスとして保存する方法である。第二の方法としては水素を低温にして、液体として貯蔵する方法である。第三の方法としては水素吸蔵合金を使用して水素を貯蔵する方法である。第四の方法では、メタノールやガソリンなどを燃料タンクに積み、改質して水素に変換し使用するという方法がある。
また、最近、第五の方法としてカーボンナノチューブ、グラファイトナノファイバー、カーボンナノホーンなどの炭素系材料が注目されている。これらの炭素系材料では、重量当たり約10wt%の水素を吸蔵できる可能性があるためである。
【0007】
一方、固体高分子型燃料電池の発電は以下の様にして行われる。高分子電解質膜には、パーフルオロスルホン酸系の陽イオン交換樹脂がよく用いられる。例えば、このような膜としては、デュポン社のナフィヨンなどがよく知られている。
固体高分子電解質膜を、白金などの触媒を担持した一対の多孔質電極、すなわち、燃料極と酸化剤極とで狭持した膜電極複合体が発電セルとなる。この発電セルに対して、酸化剤極には酸化剤を、燃料極には燃料を供給することにより、高分子電解質膜中をプロトンが移動し、発電が行われる。この発電反応は60℃〜100℃程度の温度範囲で行われると最も効率がよい。しかし、高分子電解質膜は、100℃を超えると、発電性能が著しく低下するという性質を持っている。また、高分子電解質膜は、通常湿らせて使用するが、100℃以上の温度では、高分子電解質膜中の水分が蒸発してしまう。従って、発電において発電セル温度が100℃以上になることは好ましくない。
【0008】
一方、固体高分子型燃料電池の発電効率は50%程度であり、発電量と同程度の熱が発生する。従って、発電においては、燃料電池セルを適切な温度に保つことが必要になる。
【0009】
発電セルを加熱して、発電効率を高めると共に、発電セル温度を最適に保つように制御する試みとしては、従来、熱交換機を利用した方法が採られてきた。また、特開平8−64218に示すように、燃料を加湿する際に加熱あるいは冷却しておくことにより熱交換機を用いずに温度制御を行う方法が試みられている。
また、特開2000−353536、および、特開平10−340734においては、ヒートパイプ、フィンを用いた冷却装置を使用することで、大型の制御装置を不要としている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の燃料電池の構成では、小型の電気機器に搭載するための構成や、小型化するために必要な構成が考慮されていなかった。さらに、燃料電池の集積化が進むに従い、単位体積当たりの発熱量も増加し、それに伴って発熱量も大きくなる。
【0011】
例えば、デジタルカメラなどの小型電気機器は、手に持つなど人体に接して使用することも多く、燃料電池筐体が100℃を超えるような高温になることは好ましくない。
【0012】
また、発電セルの周囲を筐体によって覆ってしまうと、熱がこもり、発電セルが高温になりやすくなる。発電セルは100℃を超えるような高温では正常に動作しなくなるという性質を有する。
【0013】
しかし、大型の冷却装置を使用することは、システムの小型化において好ましくない。
【0014】
また、燃料電池全体を小型化すると、燃料タンクと発電セルとの距離が近くなり、発電に伴って発生する熱が、燃料タンク内部に伝わりやすくなる。しかし、これは、タンク内の内圧を高める原因になり好ましくない。
【0015】
本発明はこの様な従来技術の課題を解決するためになされたものであり、燃料電池セル、筐体外部、燃料タンク内部の温度を最適に保つことが可能な大容量あるいは高出力の燃料電池およびこれを用いた電気機器を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、少なくとも内部に燃料を保持してなる燃料タンクと、前記燃料タンクより導かれた燃料を利用して発電を行う発電セルと、前記燃料タンクを覆う燃料タンク筐体と、前記発電セルを覆う発電セル筐体を有する燃料電池において、前記燃料タンク内壁、および前記発電セルと前記燃料タンクとの隔壁のそれぞれに断熱機構を有し、かつ前記発電セル筐体と前記燃料タンク筐体の外壁が熱的に接続するための部位を有し、前記発電セル筐体と燃料タンク筐体の外壁の熱的な接続が所定の温度以上で接続し、所定の温度未満で接続を解除することを特徴とする燃料電池である。
【0018】
前記熱的接続が、発電セル筐体に接している接続部材の熱膨張を利用して行われることが好ましい。
前記燃料タンクと燃料電池セルとの間に断熱構造を有することが好ましい。
前記発電セルと燃料タンクとの間に断熱材料からなる隔壁を有することが好ましい。
【0023】
前記発電セルが複数の発電セルからなり、各発電セル間に、空気による自然放熱における熱抵抗よりも小さな熱抵抗を有する伝熱機構を備えることが好ましい。
【0024】
前記伝熱機構が発電セル間が空気による自然放熱における熱抵抗よりも小さな熱抵抗を有する部材によって接続されていることが好ましい。
前記空気による自然放熱における熱抵抗よりも小さな熱抵抗を有する部材が絶縁性を有することが好ましい。
前記空気による自然放熱における熱抵抗よりも小さな熱抵抗を有する部材が通気性を有することが好ましい。
前記空気による自然放熱における熱抵抗よりも小さな熱抵抗を有する部材が、燃料電池の酸化剤極室の隔壁を兼ねることが好ましい。
【0025】
前記空気による自然放熱における熱抵抗よりも小さな熱抵抗を有する部材が、ガス気密性を有することが好ましい。
前記空気による自然放熱における熱抵抗よりも小さな熱抵抗を有する部材が、燃料電池の燃料極室の隔壁を兼ねることが好ましい。
前記空気による自然放熱における熱抵抗よりも小さな熱抵抗を有する部材が、導電性を有することが好ましい。
前記空気による自然放熱における熱抵抗よりも小さな熱抵抗を有する部材が、通気性を有することが好ましい。
【0026】
前記空気による自然放熱における熱抵抗よりも小さな熱抵抗を有する部材が、燃料電池の酸化剤極室の隔壁を兼ねることが好ましい。
前記空気による自然放熱における熱抵抗よりも小さな熱抵抗を有する部材が、気密性を有することが好ましい。
前記空気による自然放熱における熱抵抗よりも小さな熱抵抗を有する部材が、燃料電池の燃料極室の隔壁を兼ねることが好ましい。
前記伝熱機構が発電により生成する水の蒸発を利用することが好ましい。
【0027】
前記伝熱機構が発電セル筐体内の空気を対流させることにより実現されることが好ましい。
前記対流手段が燃料電池の酸化剤極に空気または酸素を供給するためのファンによることが好ましい。
前記伝熱機構が燃料の流れにより実現されることが好ましい。
【0028】
さらに、本発明の第四の発明は、上記の燃料電池を使用した電気機器である。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の燃料電池の特徴について説明する。
本発明の燃料電池は、少なくとも内部に燃料を保持してなる燃料タンクと、該燃料タンクより導かれた燃料を利用して発電を行う発電セルと、該燃料タンクおよび発電セルを覆う筐体を有する燃料電池において、前記燃料タンク内部に断熱構造を有することを特徴とし、燃料タンク内部を外部から断熱することにより、発電に伴う発熱や外部環境からの熱を燃料タンク内に伝わりにくくし、燃料タンク内の燃料圧力が上昇することを防ぐことができる。
【0030】
また、本発明の燃料電池は、少なくとも内部に燃料を保持してなる燃料タンクと、該燃料タンクより導かれた燃料を利用して発電を行う発電セルと、該発電セルを覆う筐体を有する燃料電池において、前記発電セルと発電セル筐体との間に空気による自然放熱における熱抵抗よりも熱抵抗の小さい伝熱機構を備えることを特徴とし、発電セルと発電セル筐体との間の伝熱効率を高めることにより、発電セルの温度が高くなりすぎるのを防ぐことができる。
【0031】
また、本発明の燃料電池は、複数の発電セルを有する燃料電池において、各発電セル間に、空気による自然放熱における熱抵抗よりも小さな熱抵抗を有する伝熱機構を備えることを特徴とし、発電セル間の伝熱効率を高めることにより、発電セルの温度が高くなりすぎるのを防ぐことができる。
【0032】
さらに、燃料タンク外面と発電セル筐体とを伝熱的に接続することにより、内部の熱を発電セル筐体だけでなく、燃料タンク筐体外面からも放熱を行うことができ、放熱効率を高めることができる。
さらに上記熱的接続を燃料電池の発熱状況によって制御することにより、燃料電池セル温度を最適に保つことができるようになる。
また、本発明は、上記の発電セルからの発熱による熱を制御し、温度を最適に保つことができる燃料電池を使用した電気機器を提供できる。
【0033】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
図1は本発明の燃料電池のシステムを示す概略図である。
【0034】
本実施例の燃料電池は、酸化剤として反応に用いる酸素を外気から取り入れるため、上下面、及び側面に外気を取り入れるための通気孔7を有する。また、この通気孔7は生成した水を水蒸気として外に逃がす働きもしている。また、一方の側面には、電気を取り出すための電極53がある。内部は、高分子電解質膜12、セル電極の酸化剤極11、燃料極13、および触媒からなるセル部1と、燃料を貯蔵する燃料タンク部3、燃料タンクからの燃料を減圧し、各セルの反応極まで導く燃料供給部4、各セルで発電した電気をとりまとめる配線部5によって構成されている。
【0035】
本実施例では、燃料電池の小型化において、十分な電池容量を得るための燃料タンク容積と、十分な出力を得るための燃料電池セル面積と、酸化剤を効率よく燃料電池セルに供給するための通気孔と燃料電池セルとの位置関係を最適にしている。図2(a)および2(b)は、燃料電池セルと燃料タンクと通気孔との位置関係を表す図である。図2(a)は、燃料電池セル部1と燃料タンク部3が直列に配置され、かつ、燃料タンク31は燃料電池セルの側面に存在する。また、通気孔7を有する発電セル筐体61面は燃料電池セル面に対して相対する位置にある。
【0036】
図2(b)は通気孔7を燃料電池筐体の表面積が最大になる面に配置し、燃料電池セル1を通気孔7を有する面に相対する位置に配置し、燃料電池セル部の内側に燃料タンク31を配置するものである。燃料電池が薄型である場合、燃料タンク容積を大きく取るためには図2(a)の方式が有効である。一方、より効率よく、酸化剤を通気孔から取り込み、酸化剤極に供給するためには、図2(b)の方式が有効である。いずれの場合も燃料電池筐体は発電セル筐体61と燃料タンク筐体62にわかれ、また、発電セルと燃料タンクは隔壁63によって隔てられている。
【0037】
図3は図2(a)の配置関係にある燃料電池の概観を表す斜視図である。図4は図2(a)の配置関係にある燃料電池の平面図である。図5は図2(a)の配置関係にある燃料電池の正面図である。図6は図2(a)の配置関係にある燃料電池の側面図である。燃料電池の外寸法は、よこ50mm×たて30mm×高さ10mmであり、通常コンパクトデジタルカメラで使用されているリチウムイオン電池の大きさとほぼ同じである。図16は本発明の燃料電池92をデジタルカメラ93に搭載した場合の概要図である。このように本発明のデジタルカメラは小型で一体化されているため、携帯機器に組み込みやすい形状となっている。
【0038】
以下、本発明の燃料電池の各部位について詳細に説明する。
燃料タンク部3について説明する。図7は燃料タンクの概要を示す概略図である。本実施例では燃料として水素を使用するものとする。タンクの内部に水素吸蔵合金を充填する場合について述べる。一般に、燃料電池に用いる高分子電解質膜の耐圧が0.3〜0.5MPaであることから、外気との差圧が0.1MPa以内の範囲で用いる必要がある。このため、システムを簡素化するために、水素の解放圧が常温で0.2MPaの特性を持つ水素吸蔵合金として、例えばLaNi5 などを用いるのが好ましい。燃料タンクの容積を燃料電池全体の半分とし、タンク肉厚を1mmとすると、燃料タンク容積は5.2cm3 になる。LaNi5 は重量当たり1.1wt%の水素を吸脱着可能なので、燃料タンクに蓄えられている水素量は0.4gであり、発電可能なエネルギーは、約11.3[W・hr]であり、従来のリチウムイオン電池の約4倍である。
【0039】
また、燃料タンクには温度変化などにより、燃料圧が増加しすぎることを防ぐために、リリーフバルブを設けることも可能である。一般に水素吸蔵合金は温度の上昇に伴い、水素の解離圧が上昇する。表1はLaNi5 の温度による水素の放出速度の変化、表2はLaNi5 の温度による水素の解離圧の変化を表したものである。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
表2から分かるように、燃料タンク内の温度が50℃を超えると、タンク内圧は0.4MPa(約4atm)を超えてしまう。燃料タンクが、このような高圧になることは、破裂の危険性が高まるだけでなく、燃料の流量を制御するバルブが正常に動作しなくなる原因となる。従って、燃料タンクの圧力上昇を防ぐためには、発電に伴って発生する熱や外部からの熱が燃料タンクに伝わらないようにすることが必要である。本発明においては、燃料タンク内壁36、および燃料電池セル1と燃料タンク31との隔壁63に断熱機構を有する。断熱機構には、断熱性を有する材料を用いて構成する方法と、断熱性の高い構造を具備する方法がある。断熱性を有する材料には、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリアクリル、ポリカーボネートなどのプラスチック類、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムなどのゴム類、ガラス、シリコンカーバイド、窒化シリコン、アモルファスカーボン、木材、コルク、紙、陶磁器などがあり、必要とされる加工性、強度などから最適な材料を選択することができる。また、断熱性の高い構造としては、断熱部分に真空室を設ける方法がある。
【0043】
一方、表1に示すように、一般に水素吸蔵合金は温度が上がると解離速度が上昇する。また、水素吸蔵合金の水素放出反応は吸熱反応であるため、水素の放出に伴い、燃料タンク内の温度は低下する。そこで、水素吸蔵合金の種類によっては、発電に必要な水素をタンクから放出させるためには、タンクを暖める必要が有る場合がある。上記燃料タンク内壁36および上記隔壁63の熱伝導性を最適に選ぶことで、燃料タンクの温度を発電に最適な状態に保つことも可能である。
【0044】
次に、セル部1について説明する。本実施例の燃料電池セルは起電力0.8V、電流密度300mA/cm2 であり、単位セルの大きさは1.2cm×2cmである。この燃料電池セルを8枚直列につなぐことで、電池全体の出力は6.4V、720mAで4.6Wである。固体高分子型燃料電池の発電効率は概ね50%程度であり、発電量と同量程度の熱が発生する。従って、本実施例の燃料電池もセル部において、5W程度の発熱がある。
【0045】
発電セル筐体61のみから、外部への放熱を行う場合を考える。
図8に示すように、発電セルの発熱量をQ[W]、発電セル筐体表面積をAw[m2 ]、外気温度をT0 [℃]、発電セル筐体温度をTw [℃]、また空気の熱伝達率ha [W/m2 ・K]とすると、
【0046】
【数1】
Tw −T0 =Q/(ha Aw )
で表される。また、Tc は発電セル温度を示す。
【0047】
ha =40[W/m2 ・K]、Aw =2.3×10-3[m2 ]、Q=5[W]のとき、
【0048】
【数2】
Tw −T0 =54.3
となる。
従って、外気温度T0 =25℃とすると、Tw =79.3℃となる。
【0049】
燃料電池をデジタルカメラなどの小型電気機器に搭載して使用することを想定した場合、これらの小型電気機器は手に持つなど肌に近いところで使用する可能性が高く、発電セル筐体が80℃近くになることは好ましくない。また、電気機器の動作の安定性という点からも、発電セル筐体の温度は低いことが望ましい。
【0050】
そこで、より効率よく発電セル筐体からの放熱を行うために、発電セル筐体の熱を燃料タンク筐体に伝えることで、発電セル筐体および燃料タンク筐体の表面から外気への放熱を行う。これにより、放熱面の表面積が増大し、大きな放熱効果が得られる。
【0051】
発電セル筐体、燃料タンク筐体の表面で、熱を効率よく伝えるための材料としては、ステンレス、アルミニウム、チタン、マグネシウム合金、金、銀、銅などの金属やグラファイト、アルミナ、シリコン、ゲルマニウム、ダイヤモンドなどが挙げられる。加工性や強度などを考慮すると、ステンレス、チタン、アルミニウム、マグネシウム合金などが好ましい。
【0052】
燃料タンクでの放熱を利用する場合、発電セル筐体および燃料電池筐体の表面積の合計は、4.6×10-3[m2 ]となる。従って、
【0053】
【数3】
Tw −T0 =27.1
となる。従って、外気温度T0 =25℃とすると、Tw =52.1℃となり、燃料電池筐体の温度をより効率よく下げることができる。また、前述のように、燃料タンク内壁は断熱材料によりなるため、燃料タンク筐体に伝わった熱は、燃料タンク内部には伝わらない。
【0054】
さらに大きな放熱効果を得るためには、例えば、燃料電池筐体にヒートシンクを設けて表面積を増大させたり、冷却ファンやヒートパイプなどを用いてより積極的に放熱を行うことも可能である。
【0055】
発電セル筐体から燃料タンク筐体表面への伝熱を発電セル筐体の温度が高い場合にのみ行うことで、発電セル表面の温度を必要以上に下げることなく、より効率よく発電を行うことができる。この機能は、例えば以下のようにして実現することができる。
【0056】
図9に示すように、発電セル筐体61に熱膨張率が高く、熱伝導率が高い材料からなる接続部材8を設けておき、温度が低い状態では発電セル筐体61と燃料タンク筐体62とは熱的に接続されておらず、発電セル筐体の温度が上昇するに伴い、該接続部材8が熱膨張し、燃料タンク筐体と接触することで、熱が伝わるようになる。熱膨張率が高く、熱伝導率が高い材料としては、アルミニウムなどが挙げられる。材料の線膨張率をα[K-1]、長さをl0 [cm]とすると、温度がΔT[K]変化したときの接続部の伸びΔl[cm]は以下のように表される。
【0057】
【数4】
Δl=l0 αΔT
例えば、発電セル筐体にチタンを用い、接続部材の材料としてアルミニウムを用いた場合、チタンの線膨張率が8.6×10-6[K-1]であり、アルミニウムの線膨張率が23.1×10-6[K-1]であることから、長さl0 を2.5[cm]とすると、ΔT=30[K]では、発電セルと発電セル筐体との伸びの差は、2.5×(23.1−8.6)×10-6×30=1.08×10-3[cm]である。従って、接続部材と燃料タンク筐体との間隔を1.08×10-3[cm]離して設計すれば、室温を25℃とすると、発電セル筐体温度が55℃を超えた時にのみ、発電セル筐体から、燃料タンク筐体への放熱が行われる。
【0058】
以上の設計指針に従い、接続部の材料と長さ、および接続部と燃料タンク筐体の間隔を設計することにより、所定の温度を超えた時にのみ、発電セル筐体から、燃料タンク筐体への放熱が行われるようにすることができる。
【0059】
燃料電池の発電においては、燃料電池セル温度が60℃〜80℃程度の場合に最も効率よく発電を行うことが可能である。また、発電セル温度が100℃を超えてしまうと、発電性能は著しく低下する。従って、発電において、発電セル温度が上記温度範囲にあることが好ましい。
【0060】
まず、発電セル筐体面に対向している発電セルの放熱を考える。発電セルと発電セル筐体との間の伝熱が空気の自然対流のみであるとすると、発電セルから発電セル筐体表面までの熱抵抗Rは以下のように表される。
【0061】
【数5】
R=1/(ha Ac )+tw /(λw Aw )
ただし、ha は空気の熱伝達率、Ac は発電セル筐体面に対抗している発電セル部の面積、λw は発電セル筐体の熱伝導率、Aw は発電セル筐体の表面積、tw は発電セル筐体の厚さである。
【0062】
Ac を7.5×10-4[m2 ]、発電セル筐体の肉厚tw を1[mm]、材料をステンレス(λw =16.3[W/m・K])とすると、
R=33.3[K/W]
となる(空気部分の熱抵抗は33.3[K/W]、筐体部分の熱抵抗は0.027[K/W])。
【0063】
また、発電セルと発電セル筐体との距離が非常に近いため、空気での伝熱が熱伝導であるとした場合、熱抵抗Rは以下のように表される。
【0064】
【数6】
R=ta /(λa Ac )+tw /(λw Aw )
ただし、ta は発電セルと発電セル筐体との距離、λa は空気の熱伝導率である。
【0065】
ta を1[mm]、λa =25×10-3[W/m・K]とすると、
R=53.3[K/W]
となる(空気部分の熱抵抗は53.3[K/W]、筐体部分の熱抵抗は0.027[K/W])。
【0066】
発電セル温度をTc とすると、
【0067】
【数7】
Tc −Tw =q1 R
である。ただし、q1 は発電セル筐体片面に対向している発電セルの発熱量である。
ここで、q1 を1.25[W]とすると、
Tc −Tw =41.6℃(自然対流)
Tc −Tw =66.6℃(熱伝導)
【0068】
発電セル筐体表面と燃料タンク筐体表面の両方で放熱を行う場合、Tw =52.1℃であるから、
Tc =93.7℃(自然対流)
Tc =118.7℃(熱伝導)
となり、発電セル表面温度は100℃以上にまで上昇するおそれがある。
そこで、発電セルから発電セル筐体へ効率よく熱を伝える方法が必要となる。
【0069】
発電セルから発電セル筐体へ効率よく熱を伝える第一の方法は、図10に示すように、発電セル1と発電セル筐体61との間に、高い熱伝導率を示す材料からなる伝熱部材9によって接続する方法である。高い熱伝導率を持つ材料としては、ステンレス、アルミニウム、チタン、マグネシウム合金、金、銀、銅などの金属やグラファイト、アルミナ、シリコン、ゲルマニウム、ダイヤモンドなどが挙げられる。加工性や強度などを考慮すると、ステンレス、チタン、アルミニウム、マグネシウム合金などが良い。特に、発電した電力を外に逃がさないようにするためには、上記部材が絶縁体(半導体)であることが好ましい。絶縁体(半導体)であり、かつ、熱伝導率が高い部材には、アルミナ、シリコン、ゲルマニウムなどがある。
【0070】
一方、上記伝熱部材に導体を用いる場合には、発電セル筐体を絶縁体材料で作製することにより、発電した電気を外に漏れないようにすることが可能である。
また、この場合、図11に示すように、発電セル筐体61と上記伝熱部材9が接している部分に導体材料からなる配線部材91を設け、該配線部材91が、燃料電池の電力取りだし用電極53に電気的に接続されるようにすることで、配線を効率よく行うことが可能である。
【0071】
また、上記伝熱部材は、発電セルと発電セル筐体とを固定する支持部材としての機能も兼ね備えることができる。この場合、支持部材の配置位置としては、図10(a)のように伝熱部材9を発電セル1と発電セル筐体61との間に間隔を設けて配置したものが挙げられる。これにより、発電セルと発電セル筐体とを固定することができ、また、酸化剤極と燃料極との差圧により、電解質膜がたわんだり、はがれたりすることを防ぐことができる。
【0072】
また、上記伝熱部材は多孔質状のものを用いたり、通気口を具備したりすることにより、酸化剤極により効率よく外気を供給することができる。
【0073】
上記伝熱部材として、ガス透過性がよく熱伝導性の高い材料としては、絶縁体ではシリコン、アルミナをポーラス状、あるいはウィスカー状に加工したものなど、導体では、グラファイト構造を有するポーラスカーボンなどがある。このような多孔質な部材を用いる場合、ガス透過性が高いため、図10(b)に示すように、シート状の伝熱部材9を発電セル1と発電セル筐体61との間に挟むことも可能である。
【0074】
図10(a)のように、伝熱部材9としてアルミナ材料からなる部材を配置した場合の伝熱について述べる。
【0075】
アルミナの熱伝導率λAl=36[W/m・K]、部材の発電セルと接する部分の面積をAAl(部材を2[mm])、厚さをtAl=1[mm]とすると、
熱抵抗R1 は、
【0076】
【数8】
R1=tAl/(λAlAAl)
R1=1.0×10-3÷(36×(3×2.5−2.6×2.1)×10-4)=0.14
従って、Tc −Tw =q1 R1 =1.25×(0.14+0.027)=0.20より、Tc =52.3℃である。
【0077】
すなわち、高熱伝導率を有する材料からなる部材によって、発電セルから発電セル筐体に反応熱を伝え、発電セルが加熱しすぎるのを防ぐことができる。また、部材の材料や形状、大きさを上記指針に従って設計することにより、発電セルを発電に最適な温度に保つことも可能である。
【0078】
発電セルから発電セル筐体へ効率よく熱を伝える第二の方法は図12(a)に示すように、発電によって、酸化剤極で生成する水の気化を利用する方法である。水の蒸発に伴う熱伝達率は1×104 [W/m2 K]程度である。これは自然対流における空気の熱伝達率の約1000倍である。従って、発熱に伴って発生する水の量は微量ではあるが、十分に発電セルから発電セル筐体へ熱を伝えることが可能である。
【0079】
発電セルから発電セル筐体へ効率よく熱を伝える第三の方法は図13(a)に示すように、ファンなどを用いて、発電セルと発電セル筐体との間の空気を強制的に対流させる方法である。この場合、酸化剤極により積極的に空気を供給できるようになるため、発電効率をさらに高めることができるという利点も有する。
空気の強制対流の熱伝達率は1×102 [W/m2 K]程度である。これは自然対流における空気の熱伝達率の約10倍である。従って、自然対流に比べて効率よく発電セルから発電セル筐体へ熱を伝えることが可能である。
【0080】
また、ファンを駆動するモーターの電力を燃料電池の発電電力から供給するように配線することにより、発電量が増えるほど、すなわち、発熱量が増えるほど、モーターの回転速度が増加するようにすることができ、発熱量に合わせた冷却を行うことが可能になる。
【0081】
次に発電セル間の伝熱について述べる。
発電セル全体の大きさを小さくし、かつ、大きな発電量を得るためには、複数のセルを積層して使用する方法が有効である。複数のセルを積層すると、発電セル筐体に直接対向していない発電セルが存在する場合がある。発電セルの温度を最適に保つためには、発電セル筐体に直接対向していない発電セルから効率よく放熱を行う必要がある。
【0082】
発電セル筐体に直接対向していない発電セルから効率よく放熱を行う第一の方法は、図14に示すように発電セルと発電セル間を、高い熱伝導率を示す材料からなる部材によって接続する方法である。高い熱伝導率を持つ材料としては、ステンレス、アルミニウム、チタン、マグネシウム合金、金、銀、銅などの金属やグラファイト、アルミナ、シリコン、ゲルマニウム、ダイヤモンドなどが挙げられる。
【0083】
発電セルを図15に示すように酸化剤極、高分子電解質膜、燃料極、セパレータの順で積層する方式においては、上記高熱伝導率部材に導電性をもつ材料を用いることによって、各発電セルを電気的に直列に接続することが可能である。一方、図2に示すように、同極同士が対向するような積層構造を有する場合、上記高熱伝導率部材に導電性をもつ材料を用いれば、各発電セルを電気的に並列に接続することができ、絶縁性を持つ材料を用いれば、各セルの配線を別途行うことで、各発電セルを電気的に直列に接続することができる。
【0084】
また、上記部材は、発電セルと発電セルとの接触を防ぎ、また燃料極室と酸化剤極室の圧力差による発電セルのたわみを防ぐ支持部材としての機能も兼ね備えることができる。この場合、支持部材の配置位置としては、図14(a)のようなものが、挙げられる。これにより、発電セルと発電セル筐体とを固定することができ、また、酸化剤極と燃料極との差圧により、電解質膜がたわんだり、はがれたりすることを防ぐことができる。
【0085】
特に、図2のような酸化剤極に空気を用いる外気開放型の燃料電池においては、酸化剤極に接する支持部材としては、通気性(ガス透過性)の良いものを、一方、燃料極に接する支持部材としては、燃料が外に漏れないように密封性の高いものを用いるのが好ましい。
【0086】
導体であり、かつ、熱伝導率が高い部材にはステンレス、アルミニウム、チタン、マグネシウム合金、金、銀、銅などの金属やグラファイトなどがある。絶縁体であり、かつ、熱伝導率が高い部材には、アルミナ、シリコン、ゲルマニウムなどがある。
【0087】
また、ガス透過性がよく熱伝導性の高い材料としては、絶縁体ではシリコン、アルミナをポーラス状、あるいはウィスカー状に加工したものなど、導体では、グラファイト構造を有するポーラスカーボンなどがある。このような多孔質な部材を用いる場合、ガス透過性が高いため、図14(b)に示すように、シート状の伝熱部材を発電セル間に挟むことも可能である。ガス密封性がよく、熱伝導性の高い材料としては、絶縁体では、シリコン、アルミナ、ゲルマニウムなどがあり、導体ではステンレス、アルミニウム、チタン、マグネシウム合金、金、銀、銅などの金属やグラファイトなどがある。
【0088】
発電セル筐体に直接対向していない発電セルから効率よく放熱を行う第二の方法は、図12(b)に示すように、発電によって、酸化剤極で生成する水の気化を利用して発電セル間の伝熱効率を高める方法である。水の蒸発に伴う熱伝達率は1×104 [W/m2 K]程度である。これは自然対流における空気の熱伝達率の約1000倍である。従って、発熱に伴って発生する水の量は微量ではあるが、十分に発電セル間で熱を伝えることが可能である。
【0089】
発電セル筐体に直接対向していない発電セルから効率よく放熱を行う第三の方法は、図13(b)に示すように、ファンなどを用いて、発電セルと発電セル筐体との間の空気を強制的に対流させる方法である。この場合、酸化剤極により積極的に空気を供給できるようになるため、発電効率をさらに高めることができるという利点も有する。空気の強制対流の熱伝達率は1×102 [W/m2 K]程度である。これは自然対流における空気の熱伝達率の約10倍である。従って、自然対流に比べて効率よく放熱を行うことが可能である。
【0090】
また、ファンを駆動するモーターの電力を燃料電池の発電電力から供給するように配線することにより、発電量が増えるほど、すなわち、発熱量が増えるほど、モーターの回転速度が増加するようにすることができ、発熱量に合わせた冷却を行うことが可能になる。
【0091】
また、燃料の流れを利用して効率よく熱を伝えることも可能である。本実施例の燃料電池では、114[mm3 /s]の流量の燃料が、燃料極に供給される。
燃料タンクは断熱されているので、発電によっても、タンク内の燃料はほとんど温度が上がらない。そこで、この燃料の流れを利用することにより、発電セルを冷却し、また、熱の循環を効率よく行うことができる。
【0092】
本発明の燃料電池は、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、小型プロジェクタ、小型プリンタ、ノート型パソコンなどの持ち運び可能な小型電気機器に特に好適に用いられることができる。
【0093】
【発明の効果】
以上のように、本発明の燃料電池は、大容量あるいは高出力であっても、その燃料電池セル、筐体外部、燃料タンク内部の温度を最適に保つことが可能であり、これを用いた電気機器に好適である。特に、持ち運んで使用できるような小型の電気機器に、より好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の燃料電池システムを示す概略図である。
【図2】本発明の燃料電池セルと燃料タンクの位置関係を示す概略図である。
【図3】図2(a)の燃料電池の概観を表す斜視図である。
【図4】図2(a)の燃料電池の平面図である。
【図5】図2(a)の燃料電池の正面図である。
【図6】図2(a)の燃料電池の側面図である。
【図7】図2(a)の燃料電池の燃料タンクを示す概略図である。
【図8】本発明の燃料電池の各部の温度パラメータを示す図である。
【図9】本発明の燃料電池の熱的接続部材を示す説明図である。
【図10】本発明の燃料電池の発電セルと発電セル筐体間の伝熱部材を示す説明図である。
【図11】本発明の燃料電池の発電セルと発電セル筐体間の配線部材を示す説明図である。
【図12】本発明の燃料電池の発電セルと発電セル筐体間の水による伝熱を示す説明図である。
【図13】本発明の燃料電池の発電セルと発電セル筐体間のファンによる伝熱を示す説明図である。
【図14】本発明の燃料電池の発電セル間の伝熱部材を示す説明図である。
【図15】本発明の燃料電池の酸化剤極、高分子電解質膜燃料極、セパレータの順での発電セルの積層方式を示す図である。
【図16】本発明の燃料電池をデジタルカメラに搭載した状態を示す概要図である。
【符号の説明】
1 セル部
11 酸化剤極
12 高分子電解質膜
13 燃料極
3 燃料タンク部
31 燃料タンク
32 燃料注入口
33 注入弁
34 燃料放出口
35 放出弁
36 燃料タンク内壁
37 燃料タンク外壁
4 燃料供給部
5 配線部
53 電極
61 発電セル筐体
62 燃料タンク筐体
63 隔壁
7 通気孔
71 ファン
8 接続部材
9 伝熱部材
91 配線部材
92 燃料電池
93 デジタルカメラ
94 水滴
10 保水部材
Claims (22)
- 少なくとも内部に燃料を保持してなる燃料タンクと、前記燃料タンクより導かれた燃料を利用して発電を行う発電セルと、前記燃料タンクを覆う燃料タンク筐体と、前記発電セルを覆う発電セル筐体を有する燃料電池において、前記燃料タンク内壁、および前記発電セルと前記燃料タンクとの隔壁のそれぞれに断熱機構を有し、かつ前記発電セル筐体と前記燃料タンク筐体の外壁が熱的に接続するための部位を有し、前記発電セル筐体と燃料タンク筐体の外壁の熱的な接続が所定の温度以上で接続し、所定の温度未満で接続を解除することを特徴とする燃料電池。
- 前記熱的接続が、発電セル筐体に接している接続部材の熱膨張を利用して行われることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
- 前記燃料タンクと発電セルとの間に断熱構造を有することを特徴とする請求項1または2に記載の燃料電池。
- 前記発電セルと燃料タンクとの間に断熱材料からなる隔壁を有することを特徴とする請求項3に記載の燃料電池。
- 前記燃料タンク内壁、および前記燃料電池セルと前記燃料タンクとの隔壁のそれぞれに、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリアクリル、ポリカーボネートなどのプラスチック類、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムなどのゴム類、ガラス、シリコンカーバイド、窒化シリコン、アモルファスカーボン、木材、コルク、紙、陶磁器のいずれか、または真空室からなる断熱機構を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかの項に記載の燃料電池。
- 前記発電セルが複数の発電セルからなり、各発電セル間に、空気による自然放熱における熱抵抗よりも小さな熱抵抗を有する伝熱機構を備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかの項に記載の燃料電池。
- 前記伝熱機構が発電セル間が空気による自然放熱における熱抵抗よりも小さな熱抵抗を有する部材によって接続されていることにより実現されることを特徴とする請求項6に記載の燃料電池。
- 前記空気による自然放熱における熱抵抗よりも小さな熱抵抗を有する部材が絶縁性を有することを特徴とする請求項7に記載の燃料電池。
- 前記空気による自然放熱における熱抵抗よりも小さな熱抵抗を有する部材が通気性を有することを特徴とする請求項7または8に記載の燃料電池。
- 前記空気による自然放熱における熱抵抗よりも小さな熱抵抗を有する部材が、燃料電池の酸化剤極室の隔壁を兼ねることを特徴とする請求項9に記載の燃料電池。
- 前記空気による自然放熱における熱抵抗よりも小さな熱抵抗を有する部材が、ガス気密性を有することを特徴とする請求項10に記載の燃料電池。
- 前記空気による自然放熱における熱抵抗よりも小さな熱抵抗を有する部材が、燃料電池の燃料極室の隔壁を兼ねることを特徴とする請求項11に記載の燃料電池。
- 前記空気による自然放熱における熱抵抗よりも小さな熱抵抗を有する部材が、導電性を有することを特徴とする請求項12に記載の燃料電池。
- 前記空気による自然放熱における熱抵抗よりも小さな熱抵抗を有する部材が、通気性を有することを特徴とする請求項13に記載の燃料電池。
- 前記空気による自然放熱における熱抵抗よりも小さな熱抵抗を有する部材が、燃料電池の酸化剤極室の隔壁を兼ねることを特徴とする請求項14に記載の燃料電池。
- 前記空気による自然放熱における熱抵抗よりも小さな熱抵抗を有する部材が、気密性を有することを特徴とする請求項13に記載の燃料電池。
- 前記空気による自然放熱における熱抵抗よりも小さな熱抵抗を有する部材が、燃料電池の燃料極室の隔壁を兼ねることを特徴とする請求項16に記載の燃料電池。
- 前記伝熱機構が発電により生成する水の蒸発を利用することにより実現されることを特徴とする請求項6に記載の燃料電池。
- 前記伝熱機構が発電セル筐体内の空気を対流させることにより実現されることを特徴とする請求項6に記載の燃料電池。
- 前記対流手段が燃料電池の酸化剤極に空気または酸素を供給するためのファンによることを特徴とする請求項19に記載の燃料電池。
- 前記伝熱機構が燃料の流れにより実現されることを特徴とする請求項6に記載の燃料電池。
- 請求項1乃至21のいずれかの項に記載の燃料電池を使用した電気機器。
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