JP2021042914A - 膨張機およびランキンサイクル装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本開示は、高温部から低温部への熱の移動を低減し、効率を向上した膨張機とそれを用いたランキンサイクル装置を提供する。【解決手段】本開示は、略円筒形状をなし、第1の端面から外径面に至る第1の通路及び第1の端面の背面側の第2の端面から外径面に至る第2の通路を有するバルブ160と、バルブ160に対して外径面の外側に配置され、作動流体を膨張させる作動室とを有し、作動流体は第1の端面が面する第1の空間から第1の通路を経由して作動室へ吸入され、且つ、作動室から第2の通路を経由して第2の端面が面する第2の空間へ吐出される、膨張機とそれを用いたランキンサイクル装置である。【選択図】図2

Description

本開示は、膨張機およびランキンサイクル装置に関する。
特許文献1は、冷凍効率の高い冷凍空調機を開示する。この冷凍空調機は、シリンダ内への冷媒の導入及びシリンダ内からの冷媒の排出を制御するためのロータリーバルブと、該ロータリーバルブを回転可能に挿入保持するための内部空間を有するハウジングとを備え、ロータリーバルブの外側面とこれに面する上記ハウジングの内面との少なくとも一方に固体潤滑材層を形成した膨張機を有する。
特許文献2は、発電効率の高いランキンサイクル装置、熱電併給システム及びランキンサイクル装置の運転方法を開示する。このランキンサイクル装置は、ポンプ、蒸発器、膨張機、凝縮器及び内部熱交換器を備えている。内部熱交換器は、膨張機から吐出された作動流体とポンプから吐出された作動流体とを熱交換させる。膨張機の出口における作動流体の温度がサイクルの高圧側における飽和温度よりも高くなるように、膨張機の入口における作動流体の温度が設定される。
特開2001−272139号公報 国際公開第2014/087642号
本開示は、高温部から低温部への熱の移動を低減し、効率、すなわち供給された熱エネルギーに対する発電される電力の比率を向上した膨張機を提供する。
本開示は、略円筒形状をなし、第1の端面から外径面に至る第1の通路と、第1の端面の背面側の第2の端面から外径面に至る第2の通路とを有するバルブと、バルブに対して外径面の外側に配置され、作動流体を膨張させる作動室とを有し、作動流体は第1の端面が面する第1の空間から第1の通路を経由して作動室へ吸入され、且つ、作動室から第2の通路を経由して第2の端面が面する第2の空間へ吐出される膨張機、およびこれを用いたランキンサイクル装置である。
本開示は、膨張機において、バルブの第1の端面側に高温部である吸入空間、反対の第2の端面側に低温部である吐出空間を配置することで、バルブを介して吸入空間と吐出空間とを隔てて、吸入空間と吐出空間との境界部の表面積を小さくすることで、高温部から低温部への熱の移動を低減する。そのため、高温部の温度低下による作動流体の熱エネルギーの損失を低減することで、熱エネルギーを変換して得られる電力の減少を抑制するので、膨張機の効率を向上することができる。
実施の形態1における膨張機の縦断面図 実施の形態1における膨張機構部の拡大図 図2のA−A面における水平断面図 バルブの吸入動作を示す模式図 バルブの吐出動作を示す模式図 実施の形態1におけるバルブの斜視図 実施の形態1におけるバルブの正面図 実施の形態1におけるバルブの上面図 実施の形態2におけるランキンサイクル装置の構成図
(本開示の基礎となった知見等)
発明者らが本開示に想到するに至った当時、太陽光などの自然エネルギー又は各種排熱を利用するエネルギーシステムの一つとして、ランキンサイクルを有する発電システムの技術があった。このようなランキンサイクル装置は、一般に、高温かつ高圧の作動流体で膨張機を動作させ、膨張機によって作動流体から取り出した動力で発電を行う。
また、膨張機としては、ピストンの往復により容積が変化する作動室と、ハウジングに収納された円筒状のバルブにより作動室への作動流体の導入及び排出を制御する吸排気機構と、を備え、バルブの外側面とハウジングの内面との少なくとも一方に固体潤滑材層を設けることで、バルブとハウジングとの間の摩擦を小さくする技術があった。
このような膨張機では、小型軽量化の観点から膨張機の外径が大きくならないように、バルブとこれに連通する吸入通路および吐出通路が、作動室より上死点方向に配置されている。また、バルブの外側面には、作動室との連通路を開閉するための開閉溝、および、ハウジングに設けた通路と常に連通するための環状溝、さらに開閉溝および環状溝の気密を維持するため、微小なクリアランスを介してハウジング内面と対向するシール部などを設けている。
開閉溝および環状溝は作動流体が流れる際に抵抗が大きくならように所定の断面積を確保する必要があり、シール部も気密保持のために必要な幅を確保する必要がある。このため、バルブの外側面には開閉溝、環状溝、およびシール部が配置され、これら各々の幅を考慮すると合計の幅が大きくなるので、バルブは直径に比べ軸方向に長い形状になることが一般的であった。また、開閉溝の吸入側は高圧圧力、吐出側は低圧圧力となっているため、バルブにはこれらの圧力差により半径方向の荷重が作用する。バルブが直径に比べ軸方向に長い形状であるため、バルブに作用する圧力差による荷重はシール部とハウジングとの摺動面で支持される。このため、荷重支持に必要な面積を確保する観点でも、バルブの外径面の面積は大きくなる傾向がある。
さらに、バルブに吸入経路と吐出経路とを設けるためには、環状溝とは連通しないようにバルブの内部に通路を設ける必要がある。これらの開閉溝および環状溝に加えて、さらに内部の通路などを複雑に配置しつつ、それぞれの開閉溝、環状溝、および通路が作動流体の流動に必要な断面積を確保する必要がある。この結果、バルブの作動流体と接する表面積が大きくなる。
このような膨張機を高温高圧の作動流体より動力を取り出すランキンサイクルに用いる場合、バルブは作動流体と接する面積が大きいので、高温部である吸入ガスからバルブへの熱移動や、バルブから低温部である吐出ガスへの熱移動が多くなる。さらに、バルブのシール部とハウジングは微小なクリアランスを介して対向し、かつ、シール部の面積が大きいので、バルブからハウジングへの熱移動が多くなり、ハウジングから膨張機全体へ熱が拡散する。
従って、作動室より上死点方向にバルブを設けた膨張機では、高温部から低温部への熱
移動が大きくなり、効率が低下するという課題を発明者らは発見し、その課題を解決するために、本開示の主題を構成するに至った。
そこで本開示は、高温部から低温部への熱の移動を低減し、効率を向上した膨張機を提供する。なお、本明細書において、膨張機は、熱エネルギーを有する作動流体を膨張させる機構部と、作動流体の膨張による運動エネルギーを用いて電力を生成する発電機部とを有するものとし、膨張機の効率とは、供給された熱エネルギーに対する、発電される電力の比率のことを言う。
(本開示に係る一態様の概要)
本開示の第1態様に係る膨張機は、
略円筒形状をなし、第1の端面から外径面に至る第1の通路と、前記第1の端面の背面側の第2の端面から前記外径面に至る第2の通路とを有するバルブと、
前記バルブに対して前記外径面の外側に配置され、作動流体を膨張させる作動室と、
を有し、
前記作動流体は、
前記第1の端面が面する第1の空間から前記第1の通路を経由して前記作動室へ吸入され、且つ、
前記作動室から前記第2の通路を経由して前記第2の端面が面する第2の空間へ吐出される。
この第1態様は、
回転軸に垂直な第1の端面、前記第1の端面の背面側の第2の端面、前記回転軸から一定距離の周方向に形成された外径面、前記第1の端面から前記外径面に至る第1の通路、及び、前記第2の端面から前記外径面に至る第2の通路、を有するバルブと、
前記バルブに対して前記外径面の外側に配置され、作動流体を膨張させる作動室と、
を有し、
前記作動流体は、
前記第1の端面が面する第1の空間から前記第1の通路を経由して前記作動室へ吸入され、且つ、前記作動室から前記第2の通路を経由して前記第2の端面が面する第2の空間へ吐出される、膨張機である。
第1態様に係る技術は、膨張機において、バルブの第1の端面側に高温の作動流体の吸入空間、および、反対側すなわち第1の端面の背面側に形成される第2の端面側に低温の作動流体の吐出空間、が配置されることとなる。このため、バルブを介して吸入空間と吐出空間とを隔てることとなり、吸入空間と吐出空間との境界部分の表面積を小さくすることが可能となるので、高温部から低温部への熱の移動が低減される。このように熱の移動が低減されるため、膨張機の効率を向上することができる。
本開示の第2態様は、例えば、第1態様に係る膨張機において、
前記バルブが、
外径に比べて軸方向の長さが短くてもよい。
第2態様によれば、第1の通路および第2の通路の長さが短くなるとともに、バルブの表面積がより小さくなるので、バルブと冷媒との間の熱伝達が低減される。また、バルブの外径面すなわち側面の面積が小さくなるので、バルブから、作動室を形成するシリンダブロックへの熱伝達が低減される。したがって、高温部から低温部への熱の移動がより低減される。このため、膨張機の効率をさらに向上することができる。
本開示の第3態様は、例えば、第1または第2態様に係る膨張機において、
前記バルブが回転自在に収納されるハウジングと、前記ハウジングの周囲に複数配置される前記作動室と、軸受とを備えたシリンダブロックと、
前記バルブと回転軸を共有し、かつ前記バルブと一体となって、前記軸受により回転自在に支持されるシャフトと、
をさらに備えてもよい。
第3態様によれば、バルブがシャフトと軸受とで回転自在に支持されるため、バルブの外径面と、バルブを収納するハウジングとが接触しないようにバルブを配置することができる。これにより、バルブとハウジングとの間の摩擦が軽減されるため、熱ロスを低減しつつ摩擦による損失を低減して、膨張機の効率を向上することができる。
本開示の第4態様は、例えば、第3態様に係る膨張機において、
前記シリンダブロックが、
前記第1の端面および前記第2の端面のそれぞれとの間に隙間を有してもよい。
第4態様によれば、バルブからシリンダブロックへの熱伝達を低減し、熱の移動をさらに低減することができるため、膨張機の効率をより向上することができる。
本開示の第5態様は、例えば、第3または第4態様に係る膨張機において、
前記バルブの熱伝導率が、
前記シリンダブロックの熱伝導率よりも低くてもよい。
第5態様によれば、バルブの熱伝導率が低いためバルブを経由した熱の移動がさらに小さくなるので、膨張機の効率をより向上できる。
本開示の第6態様は、第1から第5態様のいずれかに係る膨張機を用いたランキンサイクル装置である。
第6態様によれば、効率を向上させた膨張機をランキンサイクル装置に適用するため、ランキンサイクルとしての効率も向上するので、ランキンサイクル装置により発電を行う場合に、発電効率を向上することができる。
以下、図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、または、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が必要以上に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
(実施の形態1)
以下、図1〜図8を用いて、実施の形態1を説明する。
[1−1.構成]
図1において、膨張機100は、密閉容器102と、密閉容器102内に収納される、発電機部110と機構部120とを備える。機構部120内には、吸入室146と吐出室176が形成されている。また、密閉容器102の内部には、下部空間178a、178b、178cが形成されている。密閉容器102内の空間には、作動流体としてHFO系またはHFC系、イソペンタンなどの炭化水素系など、通常ランキンサイクルで用いられ
る冷媒が封入されている。
下部空間178bの底部にはオイル104が貯留されている。機構部120に具備された給油機構174がオイル104に浸漬している。密閉容器102には吸入管106と吐出管108が取り付けられている。吸入管106は、吸入室146に接続されており、吐出管108は下部空間178cに接続されている。
発電機部110は、鉄心に銅線を巻いた固定子112と、永久磁石を内蔵した回転子114とからなる。固定子112は、密閉容器102の内面に固定される。回転子114は固定子112の内径側に配置され、機構部120のシャフト128に取り付けられている。
次に図2から図5を用いて機構部120について詳細に説明する。
図2、図3において、機構部120は、下ブロック150、シリンダブロック122などからなる。下ブロック150の外径面と密閉容器102の内面とを溶接するなどの方法で、機構部120は密閉容器102に対して固定されている。また、下ブロック150は、円筒状の孔部である下軸受158を備えている。また、下ブロック150は、下ブロック150の上下の空間を接続する連通穴152を備えている。
シリンダブロック122は下ブロック150の上面に固定されている。そして、シリンダブロック122の下端面を下ブロック150で蓋をするようにして、シリンダブロック122と下ブロック150とで囲まれた吐出室176を形成している。また、シリンダブロック122は、中心部に円筒状の孔部である、軸受125としての上軸受126を備えている。上軸受126の上方には、上軸受126と中心線を共有し、円筒状の内面を有する空間であるハウジング142が形成されている。さらに、上軸受126の周囲に複数の吐出通路148a、148bを設けている。吐出通路148a、148bは、ハウジング142の底面に設けられた空間122a、122bと吐出室176とを連通している。
シャフト128には、円盤状の斜板134が、ホルダ135を介して固定されている。斜板134は、斜板134の外径側に形成された環状の平面部の法線が、シャフト128の中心軸に対して傾斜している。シャフト128は、上軸受126および下軸受158に小さなクリアランスを介して回転自在に挿入されている。また、ホルダ135と下ブロック150との間に玉軸受を用いたスラスト軸受138が配置されている。
上軸受126の周囲には、6個の円筒状の孔部であるシリンダ124a〜124fが等間隔に配置されている。
以下、シリンダ124a、ピストン132aおよび作動室140aの組み合わせに関して構成を説明するが、他の組み合わせについても構成は同様であるため、対応する構成要素には記号b〜fの記号を付して説明は省略する。
主に図3、図4に示すように、ハウジング142とシリンダ124aとの間には、吸入吐出孔144aを設けており、ハウジング142内の空間とシリンダ124a内の空間とを連通している。吸入吐出孔144aは、概ね四角形の断面を有する。吸入吐出孔144aの高さすなわち上下方向の幅HHおよび横方向の幅WHにくらべ、奥行DHはこれらの半分以下である。これにより、作動流体の流れ方向の断面積を確保しながら、吸入吐出孔144a内の空間容積は小さくなっている。
シリンダ124aには、ピストン132aが往復動自在に挿入され、シリンダ124a
、ピストン132a、ヘッド154とで囲まれた空間である作動室140aを形成している。
斜板134の外径側に一対のシュー136a、137aを介してピストン132aが揺動可能に連結されることで、ピストン132aの、シリンダ124a内での位置を定めている。そして、斜板134の傾斜角度により、ピストン132aのストロークL(図示せず)が定まる。
このようなピストン132a〜132f(132b、132c、132e、132fは図示せず)がシャフト128の周囲に等間隔に配置されているので、これらのピストン132a〜132fは所定の位相差で互いに連動して往復運動する。
図2に示すように、バルブ160は、ハウジング142内に収納されており、ハウジング142の上側端面にはハウジングカバー156が取り付けられている。そして、ハウジング142、ハウジングカバー156、バルブ160で囲まれた吸入室146を形成している。
図6および図7に示すように、バルブ160は、上側の第1の端面162と、下側の第2の端面166と、外径面170とを有する略円筒形状をなしている。バルブ160の高さHVは、バルブ160の直径すなわち外径DVより小さい。
また、バルブ160は、第1の端面162と外径面170とにまたがる凹部である第1の通路164と、第2の端面166と外径面170とにまたがる凹部である第2の通路168を備えている。
図7において、第1の通路164の高さ方向の幅は、寸法Mと寸法Jとの和である。第1の通路164の下側に、寸法Kの幅の円筒面を設けてシール部を形成している。また、第2の通路168の高さ方向の幅は、寸法Mと寸法Kとの和である。第2の通路168の上側に、寸法Jの幅の円筒面を設けてシール部を形成している。
なお、シール部の上下幅である寸法Jおよび寸法Kは、寸法Mの半分程度としている。
さらに、寸法Mは、吸入吐出孔144aの高さすなわち上下方向の幅HHとほぼ等しい。この寸法Mの部位が、吸入吐出孔144aと対向するように、バルブ160の上下方向の位置を定めている。
バルブ160の高さHVは、寸法Mと寸法Jと寸法Kとの和であることから、寸法Mの約2倍である。バルブ160の高さHVは、寸法Mの3倍以内であり、吸入吐出孔144aの高さすなわち上下方向の幅HHの3倍以内である。
バルブ160は、所定のタイミングで吸入吐出孔144aの開閉が行えるように、第1の通路164と第2の通路168とを設ける角度の範囲が選択されている。
図8において方向Oは、吸入吐出孔144aの中央に方向Oが位置するときに、ピストン132aが上死点となる方向である。方向Oを中心に方向BからEの範囲は、第1の通路164および第2の通路168の範囲外である。このため、ピストン132aの上死点では吸入吐出孔144aはバルブ160によって閉塞される。なお、上死点において作動室140aの容積は最小となるが、ピストン132aとヘッド154との間には小さな隙間を設けており、容積は零にはならない。この上死点における作動室140aの容積と、吸入吐出孔144a内の容積との合計を死容積と呼ぶことにする。
方向BからCの範囲は第1の通路164が配置されており、図4のように、第1の通路164に対向する吸入吐出孔144aを経由して吸入室146と作動室140aとが連通する。
方向CからDの範囲では吸入吐出孔144aはバルブ160により閉塞される。
方向DからEの範囲は第2の通路168が配置されており、図5のように、第2の通路168に対向する吸入吐出孔144aを経由して吐出室176と作動室140aとが連通する。
バルブ160に設けた第1の通路164および第2の通路168の仕様の一例を、方向Oを基準に反時計回りの角度で示すと、方向Bは10〜15度、方向Cは50〜60度、方向Dは180〜190度、方向Eは165〜170度である。
このバルブ160を用いた場合、吸入吐出孔144aの中心とバルブ160の方向Dとが一致するとき、ピストン132aは下死点に位置し、ピストン132aの上端面は、ヘッド154からストロークLの位置付近にある。
また、吸入吐出孔144aの中心とバルブ160の方向Cとが一致するとき、ピストン132aの上端面は、ヘッド154からストロークLの約1/4の位置にある。従って、バルブ160により吸入吐出孔144aが閉塞される、バルブ160が方向CからDに回転する間に、ピストン132aは下向きに変位し、作動室140aの容積は約4倍に増加する。
なお、膨張機100による作動流体の膨張比は、作動室140aと吸入吐出孔144aとを合わせた容積の、吸入終了時と吐出開始時とを比較した比率である。従って、ピストン132aのストロークLが同じであっても、死容積が大きくなるほど膨張比が小さくなる。このため、必要な膨張比をより小型の膨張機100で実現するためには、死容積が小さいことが望ましい。
BからEの角度は20〜30度であるが、この弧BEの長さは吸入吐出孔144aの幅WHより長くなっている。このため、吸入吐出孔144aと弧BEとが対向した際に、吸入吐出孔144aを経由して、第1の通路164と第2の通路168とが連通することはない。
バルブ160の外径DVはピストン132aの外径DPより大きい。このため、吸入吐出孔144aの幅WHを大きくして、必要な流路断面積を確保しながら、バルブ160で吸入吐出孔144aを封止可能な構成になっている。
シャフト128の上端に設けた径小部である保持部130と、バルブ160の中心部に設けた円筒状の孔部172が嵌合することで、バルブ160はシャフト128に対して回転軸を共有した状態で固定されている。
また、バルブ160の下側の端面である第2の端面166とハウジング142の底面との間には隙間を設けている。上軸受126の端部と第2の端面166との隙間より、外径側の部位である空間122a、122bとの隙間(寸法G)が大きい。
バルブ160とハウジング142との隙間は、シャフト128と上軸受126との隙間より大きい。
ピストン132aとシリンダブロック122とはともにアルミ合金で形成されている。また、バルブ160はシリンダブロック122より熱伝導率の小さいステンレス鋼で形成されている。
吸入吐出孔144aの中心とバルブ160の方向Cとが一致するとき、ピストン132aの上端面はヘッド154から概ねストロークLの1/4の位置にある。また、吸入吐出孔144aの高さすなわち上下方向の幅HHは、このときのピストン132aとヘッド154との幅の全体で開口するように、ストロークLの約1/4となっている。
第1の通路164および第2の通路168は流路断面積の確保と、シール部の確保をしながら、バルブ160の外径面170の面積を最小化する観点から、バルブ160の高さHVはピストン132aのストロークL(図示せず)より小さく、望ましくはピストン132aのストロークLの70%以内である。
[1−2.動作]
以上のように構成された膨張機100について、その動作を以下説明する。
吸入管106より吸入室146へ高温高圧の作動流体が流入する。
図3に示すバルブ160の状態では、第1の通路164と、吸入吐出孔144dおよび作動室140dとが連通し、図4に示す吸入状態にある(図4の140a、132a、144aは140d、132d、144dに対応)。このとき、作動室140d内の圧力が高圧圧力で、ピストン132dの下面が低圧圧力なので、ピストン132dには下向きの力が作用する。
作動室140a、140b、140cは、それぞれ吸入吐出孔144a、144b、144cを経由して、第2の通路168と連通し、図5に示す吐出状態にある。第2の通路168は吐出通路148a、148bを経由して吐出室176に連通している。この結果、作動室140a、140b、140c内は、ピストン下面の吐出室176と同じ低圧圧力となり、これらのピストン132a、132b、132cには、圧力による作用力は働かない。
従って、ピストン132dに下向きの力が作用することで、ピストン132dは下降し、シャフト128が右回りに駆動される。
この結果、ピストン132dの下降に伴い、図4の矢印で示すように、吸入室146から、第1の通路164と吸入吐出孔144dとを経由して、作動室140dへ高温高圧の作動流体が流入する。また、ピストン132a、132b、132cは上昇するので、図5の矢印で示すように、作動室140aから、吸入吐出孔144aと第2の通路168とを経由して、吐出室176へ低温低圧の作動流体が流出する。吐出室176の作動流体は、連通穴152を経由して、下部空間178a、178b、178cを経由して、吐出管108より吐出される。
なお、作動室140e、140fは、バルブ160によって吸入吐出孔144e、144fが閉塞したのち、作動室140e、140fの容積が拡大した状態である。このため、一旦、膨張機100が回転し始めると、容積拡大に伴い作動室140e、140f内の作動流体が膨張するので、作動室140e、140f内の圧力は高圧圧力から徐々に低下する。ただし、作動室140e、140f内の圧力は、ピストン132e、132f下面の低圧圧力より圧力は常に高くなるようにバルブ160の開閉タイミングが選択されるの
で、ピストン132e、ピストン132fには下向きの力が作用する。
また、図3に示すバルブ160の状態では、ピストン132d、132e、132fに下向きの力が作用し、シャフト128を回転させる駆動力が発生している。そして、シャフト128の回転に伴い、順次、各作動室が作動流体の吸入を行うので、連続して駆動力を得ることができる。しかも、作動室を6個以上配置することで、連続して作動流体の吸入が行えるので、安定的に膨張機を駆動することが可能である。
このようにシャフト128とともに、発電機部110の回転子114が回転することにより、発電機部110にて発電を行い、電力を得る。しかも、作動室を6個以上配置することで、膨張機100で発生するトルクの変動が小さくなり、出力電力が安定する。
また、シャフト128の回転に伴い、給油機構174により密閉容器102の底部に貯留されたオイル104が汲み上げられ、下軸受158および上軸受126とシャフト128との摺動部、スラスト軸受138、さらにはピストン132a〜fとシリンダ124a〜fとの摺動部へオイル104が供給され、潤滑を行う。
次に、バルブ160周辺の熱伝達について説明する。
バルブの第1の端面162側に高温の作動流体のある吸入室146、反対の第2の端面166側に低温の作動流体のある吐出室176を配置することで、バルブ160を介して高温の作動流体と低温の作動流体とを隔てている。高温の作動流体は、第1の端面162および第1の通路164に接している。第1の通路164は、第1の端面162と外径面170とにまたがる凹部である。第1の通路164の高さ方向の幅は寸法Mと寸法Jとの和である。この寸法は、吸入吐出孔144aの高さすなわち上下方向の幅HHと、上下方向のシール幅とを加えた最小限の値とほぼ等しい。このため第1の通路164の経路は短く、高温の作動流体が接する表面積が小さい。
また、低温の作動流体は、第2の端面166および第2の通路168に接している。第2の通路168は、第2の端面166と外径面170にまたがる凹部である。第2の通路168の高さ方向の幅は寸法Mと寸法Kとの和である。この寸法についても、吸入吐出孔144aの高さすなわち上下方向の幅HHと、上下方向のシール幅とを加えた最小限の値とほぼ等しい。このため第2の通路168の経路は短く、低温の作動流体が接する表面積も小さい。
このように高温の作動流体と低温の作動流体との境界部に位置するバルブ160の表面積を小さくすることで、高温部から低温部への熱の移動を低減する。
バルブ160の高さHVは、バルブ160の直径すなわち外径DVより小さく、外径面170の面積が小さい。また、バルブ160の高さHVはピストン132aのストロークLより小さく、望ましくはピストン132aのストロークLの70%以内である。これにより、第1の通路164および第2の通路168がさらに短くなり、バルブ160の表面積が小さいので、バルブ160と作動流体との間の熱の移動が低減される。また、バルブ160の外径面170の面積が小さいので、バルブ160からハウジング142を経由してシリンダブロック122に至る熱の移動が低減される。
また、バルブ160の高さHVは、吸入吐出孔144aの高さすなわち上下方向の幅HHの3倍以内である。これにより、吸入吐出孔144aの高さすなわち上下方向の幅HHとシール幅とを確保しながら、バルブ160の外径面170の面積は小さくなるので、バルブ160からハウジング142を経由してシリンダブロック122に至る熱の移動が低
減される。
バルブ160の第1の通路164には高圧圧力、第2の通路168には低圧圧力が作用することから、バルブ160には半径方向の荷重が作用する。バルブ160とハウジング142との隙間は、シャフト128と上軸受126との隙間より大きいので、シャフト128が上軸受126の隙間内で変位しても、バルブ160とハウジング142とが接触しない程度の隙間が確保される。このように、圧力差によりバルブ160に作用する半径方向の荷重を、シャフト128と上軸受126とで支持することで、バルブ160の外径面170と、ハウジング142との接触を防止する。
シリンダブロック122はバルブ160の端面との間に隙間を有する。これにより、バルブ160からシリンダブロック122への熱伝導を抑制し、熱の移動をさらに低減する。
バルブ160はシリンダブロック122より熱伝導率が小さい。これにより、バルブ160を経由した熱の移動をさらに小さくすることができる。
[1−3.効果等]
以上のように、本実施の形態において、膨張機100は、バルブ160と、作動室140aと、を有する。バルブ160は、略円筒形状をなし、第1の端面162から外径面170に至る第1の通路164と、第2の端面166から外径面170に至る第2の通路168とを有する。作動室140aは、バルブ160の外径側に配置される。作動流体は前記第1の端面が面する空間から前記第1の通路を経由して前記作動室へ吸入され、前記作動室から前記第2の通路を経由して前記第2の端面が面する空間へ吐出される。
これにより、バルブ160を介して吸入空間と吐出空間とを隔てて、吸入空間と吐出空間との境界部であるバルブ160の表面積を小さくすることで、高温部から低温部への熱の移動が低減される。そのため、高温部の温度低下による作動流体の熱エネルギーの損失を低減することで、熱エネルギーを変換して得られる電力の減少を抑制するので、膨張機100の効率を向上することができる。
また、バルブ160の第1の通路164には高圧圧力、第2の通路168には低圧圧力が作用することから、バルブ160には半径方向の荷重が作用する。バルブ160とハウジング142との隙間は、シャフト128と上軸受126との隙間より大きいので、シャフト128が上軸受126の隙間内で変位しても、バルブ160とハウジング142とが接触しない程度の隙間が確保される。このように、圧力差によりバルブ160に作用する半径方向の荷重を、シャフト128と上軸受126とで支持することで、バルブ160の外径面170と、ハウジング142との接触を防止する。
これにより、温度が高く、潤滑が困難であり、しかも外径面170に、第1の通路164および第2の通路168による欠損部があるため、油膜形成が困難な、バルブ160とハウジング142との間で荷重を支持する必要がないため、摩擦が軽減される。また、バルブ160とハウジング142とが直接接触しないことで、バルブ160からの熱伝導による熱の移動を抑制できる。
本実施の形態のように、膨張機100は、外径に比べて軸方向の長さが短い円筒形状としてもよい。
これにより、第1の通路164および第2の通路168が短いため、バルブ160の表面積が小さいので、バルブ160と作動流体との熱の移動が低減される。また、バルブ1
60の外径面170の面積が小さくなるので、バルブ160からハウジング142への熱の移動が低減されるため、高温部から低温部への熱の移動が低減される。そのため、熱の移動をさらに低減することで膨張機100の効率を向上することができる。
本実施の形態のように、膨張機100は、バルブ160が回転自在に収納されるハウジング142と、ハウジング142の周囲に複数形成される作動室140a〜fと、軸受125としての上軸受126とを備えたシリンダブロック122と、バルブ160と回転軸を共有し、かつバルブ160と一体となって、上軸受126により回転自在に支持されるシャフト128と、を備えてもよい。
これにより、バルブ160をシャフト128と上軸受126とで支持することで、バルブ160の外径面170と、ハウジング142との接触を防止し、バルブ160とハウジング142との間の摩擦が軽減される。そのため、熱損失を低減しつつ、バルブ160の摩擦による損失を低減して効率を向上することができる。
本実施の形態のように、膨張機100は、シリンダブロック122はバルブ160の端面との間に隙間を有してもよい。
これにより、バルブ160からシリンダブロック122への熱の移動が低減される。そのため、熱の移動をさらに低減することで膨張機100の効率を向上することができる。
本実施の形態のように、膨張機100は、バルブ160は、少なくとも一部が作動室140aを形成するシリンダブロック122より熱伝導率の低い材料で形成される。
これにより、バルブ160を経由した熱の移動がさらに小さくなる。そのため、熱の移動をさらに低減することで、膨張機100の効率を向上することができる。
(実施の形態2)
以下、図9を用いて、実施の形態2を説明する。
[2−1.構成]
図9において、ランキンサイクル装置200は、膨張機100と、蒸発器202と、凝縮器206と、ポンプ208と、内部熱交換器210を備える。そして、蒸発器202、膨張機100、内部熱交換器210、凝縮器206、ポンプ208、内部熱交換器210、蒸発器202の順で配管接続され、作動流体が流れる閉じたサイクルを形成している。
蒸発器202は、熱源204で生成された熱エネルギーを吸収する熱交換器であり、フィンチューブ熱交換器を使用している。熱源204から供給された高温の作動流体(例えば高温蒸気)とランキンサイクル装置200の作動流体とが蒸発器202において熱交換する。これにより、ランキンサイクル装置200の作動流体が加熱され、蒸発する。
凝縮器206は、外気と膨張機100から吐出された作動流体とを熱交換させることによって、作動流体を冷却して凝縮し、外気へ熱を放出する。凝縮器206として、フィンチューブ熱交換器などの公知の熱交換器を使用している。
ポンプ208は、凝縮器206から流出した作動流体を吸い込んで加圧し、加圧された作動流体を内部熱交換器210を経由して蒸発器202に供給する。ポンプ208として、容積型のギヤポンプを用いている。
内部熱交換器210は、いわゆる再生熱交換器であり、膨張機100から吐出された作
動流体とポンプ208から吐出された作動流体とを熱交換させる。具体的に、内部熱交換器210は、低温側流路212と高温側流路214とを有する。低温側流路212には、ポンプ208から吐出された作動流体が流れる。高温側流路214には、膨張機100から吐出された作動流体が流れる。内部熱交換器210として、例えば、プレート式熱交換器を使用できる。
ランキンサイクル装置200の作動流体として、有機作動流体を好適に使用できる。通常、有機作動流体の沸点は低い。そのため、有機作動流体を使用すれば、熱源204から供給された高温流体の温度が約300℃未満の場合においても高効率で発電することができる。
[2−2.動作]
ランキンサイクル装置200は、例えば、以下の手順で運転される。
まず、ポンプ208を動かしてランキンサイクル装置200の運転を開始させる。作動流体の循環量が所定の循環量に達したら熱源204から蒸発器202に高温流体を供給する。ランキンサイクル装置200の作動流体は、蒸発器202において高温流体から熱を受け取り、過熱状態の気相の作動流体へと変化する。高温かつ気相の作動流体は膨張機100へと送られる。膨張機100の機構部120において、作動流体の圧力エネルギーが機械エネルギーに変換され、発電機部110が駆動される。これにより、発電機部110において電力が生成される。膨張機100から吐出された作動流体は、内部熱交換器210の高温側流路214を経由して凝縮器206に流入する。作動流体は、凝縮器206において、外気によって冷却され、凝縮する。凝縮した作動流体はポンプ208によって加圧され、内部熱交換器210の低温側流路212を経由して再び蒸発器202に送られる。
内部熱交換器210を用いたランキンサイクル装置200では、サイクルの圧力条件(高圧圧力と低圧圧力)が同じであれば、膨張機100の入口における作動流体の温度を上げるほど、膨張機100の入口と出口とのエンタルピの差が大きくなる。この結果、ランキンサイクル装置の発電効率の向上させることができる。
[2−3.効果等]
以上のように、本実施の形態において、ランキンサイクル装置200に、実施の形態1に記載の膨張機100を用いた。
これにより、膨張機100に高温の作動流体を吸入させた場合でも、膨張機100内での高温部から低温部への熱の移動が低減される。そのため、膨張機100の効率が向上するので、ランキンサイクル装置200の発電効率を向上することができる。
なお、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
(他の実施の形態)
実施の形態1では、流体機械の一つである膨張機の一例として、バルブ160に、シリンダブロック122より熱伝導率の低い材料であるステンレス鋼を用いたものを示した。しかし、これには限定されない。例えば、バルブを樹脂またはそれ以外の熱伝導率の低い材料で形成してもよい。また、バルブの表面のみに熱伝導の小さい層を設けてもよい。また、バルブの内部を中空の構造にすることで、実質的に熱伝導率を低くしてもよい。これらいずれの方法によっても、バルブを介した熱移動を抑制することができる。
実施の形態1では、膨張機(流体機械)の一例として、軸受125としての上軸受126および下軸受158を滑り軸受としたものを示した。しかし、これには限定されない。例えば、ブッシュなどのより耐久性の高い摺動部材を用いた軸受としてもよい。また、転がり軸受を用いてもよく、この場合、滑り軸受に比べ摩擦損失の低減が可能となる。
実施の形態1では、膨張機(流体機械)の一例として、スラスト軸受138を、転動体として鋼球を用いる玉軸受としたものを示した。しかし、これには限定されない。例えば転動体として、円筒状のころを用いたころ軸受、あるいは、動圧または静圧を用いた滑り軸受など、他の形式のスラスト軸受を用いてもよい。
実施の形態1では、膨張機(流体機械)の一例として、作動室を6個設けたものを示したが、例えば7個、あるいはこれ以外の複数の個数設けてもよい。
実施の形態2では、発電システムを構成する装置の一つであるランキンサイクル装置の一例として、蒸発器202にフィンチューブ熱交換器を用いたものを示した。しかし、これに限らず、例えば蒸発器として、プレート式熱交換器、二重管式熱交換器などの公知の熱交換器を使用できる。
実施の形態2では、ランキンサイクル装置(発電システム)の一例として、凝縮器206に、フィンチューブ熱交換器を用いたものを示した。しかし、これに限らず、例えば凝縮器として、プレート式熱交換器、二重管式熱交換器などの熱交換器を用い、別途設けた熱媒体回路を流れる水などの熱媒体と作動流体とで熱交換し、作動流体を冷却することもできる。
実施の形態2では、ランキンサイクル装置(発電システム)の一例として、ポンプ208に、容積型のギヤポンプを用いたものを示した。しかし、これに限らず、例えばポンプとして、これ以外の一般的な容積型又はターボ型のポンプを使用できる。例えば、容積型のポンプとして、ピストンポンプ、ベーンポンプ、ロータリポンプなどが使用できる。また、ターボ型のポンプとして、遠心ポンプ、斜流ポンプ、軸流ポンプなどが使用できる。
本開示は、回転式のバルブを有する膨張機およびランキンサイクル装置に適用可能である。具体的には、電力のみを生成するシステムだけでなく、CHPシステムなどのコジェネレーションシステムなどに、本開示は適用可能である。
100 膨張機
102 密閉容器
104 オイル
106 吸入管
108 吐出管
110 発電機部
112 固定子
114 回転子
120 機構部
122 シリンダブロック
124a、124b、124c、124d、124e、124f シリンダ
125 軸受
126 上軸受
128 シャフト
130 保持部
132a、132b、132c、132d、132e、132f ピストン
134 斜板
135 ホルダ
136a、136d、137a、137d シュー
138 スラスト軸受
140a、140b、140c、140d、140e、140f 作動室
142 ハウジング
144a、144b、144c、144d、144e、144f 吸入吐出孔
146 吸入室
148a、148b 吐出通路
150 下ブロック
152 連通穴
154 ヘッド
156 ハウジングカバー
158 下軸受
160 バルブ
162 第1の端面
164 第1の通路
166 第2の端面
168 第2の通路
170 外径面
172 孔部
174 給油機構
176 吐出室
178a、178b、178c 下部空間
200 ランキンサイクル装置
202 蒸発器
204 熱源
206 凝縮器
208 ポンプ
210 内部熱交換器
212 低温側流路
214 高温側流路

Claims (6)

  1. 略円筒形状をなし、第1の端面から外径面に至る第1の通路と、前記第1の端面の背面側の第2の端面から前記外径面に至る第2の通路とを有するバルブと、
    前記バルブに対して前記外径面の外側に配置され、作動流体を膨張させる作動室と、
    を有し、
    前記作動流体は、
    前記第1の端面が面する第1の空間から前記第1の通路を経由して前記作動室へ吸入され、且つ、
    前記作動室から前記第2の通路を経由して前記第2の端面が面する第2の空間へ吐出される、
    膨張機。
  2. 前記バルブは、
    外径に比べて軸方向の長さが短い、
    請求項1に記載の膨張機。
  3. 前記バルブが回転自在に収納されるハウジングと、前記ハウジングの周囲に複数配置される前記作動室と、軸受とを備えたシリンダブロックと、
    前記バルブと回転軸を共有し、かつ前記バルブと一体となって、前記軸受により回転自在に支持されるシャフトと、
    をさらに備える、
    請求項1または2に記載の膨張機。
  4. 前記シリンダブロックは、
    前記第1の端面および前記第2の端面のそれぞれとの間に隙間を有する、
    請求項3に記載の膨張機。
  5. 前記バルブの熱伝導率は、
    前記シリンダブロックの熱伝導率よりも低い、
    請求項3または4に記載の膨張機。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の膨張機を用いたランキンサイクル装置。
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